20: 2009/08/31(月) 15:30:19.28 ID:ltFMACKSO
「…ふうー」
律が大きくため息をつく。激しい演奏の後で、額には汗が浮かび、腕はだらんと力なく垂れ下がっていたが、それでも達成感は十分だった。
まるで夏のじっとりした空気とは正反対の、爽やかな涼しい気分。霧の出た、朝の高原を散歩している気分だった。
「今日はなかなかだったな。唯はまだムラがあるけど、ちゃんとついてこれてたし」
「へへー」
唯がしまらない笑みを浮かべる。腕だけでなく、顎まで力が抜けてしまった。そんな笑顔だった。
律が大きくため息をつく。激しい演奏の後で、額には汗が浮かび、腕はだらんと力なく垂れ下がっていたが、それでも達成感は十分だった。
まるで夏のじっとりした空気とは正反対の、爽やかな涼しい気分。霧の出た、朝の高原を散歩している気分だった。
「今日はなかなかだったな。唯はまだムラがあるけど、ちゃんとついてこれてたし」
「へへー」
唯がしまらない笑みを浮かべる。腕だけでなく、顎まで力が抜けてしまった。そんな笑顔だった。
24: 2009/08/31(月) 15:54:43.79 ID:ltFMACKSO
肩で息をしていた梓が、ふいに唯に声をかける。
「唯先輩のギター、ちょっと貸していただけますか?」
紬のお茶菓子をパクついていた唯が、不思議そうな顔で梓を見る。
「ふえ、何で?…さてはついにギー太の可愛らしさを理解してくれたんだね!でもあげないよ!」
「…ちょっと他人のギターのさわり心地ってのを確かめてみたいだけです」
梓は唯のギターを抱えてみる。…ただでさえ小柄なのに、激しい演奏を人一倍真剣に取り組んでいた梓の腕にはけっこうな負担だ。
「っとと、見かけ通りに重い…」
「むー、ギー太はおデブじゃないよ!」
25: 2009/08/31(月) 16:03:39.46 ID:ltFMACKSO
唯がふくれっ面をするが、梓はそれどころではなかった。体のバランスを崩したときの、なんとも嫌な焦りが全身を駆け巡る
「っとと…、うわあっ!」
そのまま、後ろにひっくり返ってしまった。腰に鈍い痛みが走る。
「おい梓、大丈夫か?」
「ギー太!私のギー太!」
「…お前、薄情なやっちゃなー」
律は、梓の腕からギー太をひったくり我が子のように抱きしめる唯を呆れた目で見る。
「うぅ、痛い…あ」
「あ」
「っとと…、うわあっ!」
そのまま、後ろにひっくり返ってしまった。腰に鈍い痛みが走る。
「おい梓、大丈夫か?」
「ギー太!私のギー太!」
「…お前、薄情なやっちゃなー」
律は、梓の腕からギー太をひったくり我が子のように抱きしめる唯を呆れた目で見る。
「うぅ、痛い…あ」
「あ」
27: 2009/08/31(月) 16:12:27.96 ID:ltFMACKSO
梓はひっくり返った際に、足を大股に開いていた。いわゆるM字開脚というやつだ。…白い下着が、全員の目にとまってしまう。
「きゃっ!」
梓は慌てて足を閉じるが、時すでに遅し。
「いやー、いいもん拝めたわー、梓の大サービスカット」
「や、止めてくださいっ!恥ずかしいです!」
「梓ちゃん、漫画みたいだったわよ?」
「ムギ、やっぱりその手の読んでるのか」
「み、澪先輩、二人を止めてくださいっ!」
「…パ、パンツ…パンツ…」
「澪がトラウマモードに入ってら…」
「…」
唯だけが沈黙していた。彼女の中で、何かの歯車が動き出していた。
「きゃっ!」
梓は慌てて足を閉じるが、時すでに遅し。
「いやー、いいもん拝めたわー、梓の大サービスカット」
「や、止めてくださいっ!恥ずかしいです!」
「梓ちゃん、漫画みたいだったわよ?」
「ムギ、やっぱりその手の読んでるのか」
「み、澪先輩、二人を止めてくださいっ!」
「…パ、パンツ…パンツ…」
「澪がトラウマモードに入ってら…」
「…」
唯だけが沈黙していた。彼女の中で、何かの歯車が動き出していた。
29: 2009/08/31(月) 16:24:51.49 ID:ltFMACKSO
¥
顔をホットプレートのように熱くした後輩と、それをからかう二人の先輩。
忌まわしい記憶にとらわれ抜け殻になった澪と、相変わらず沈黙している唯。
明かりの消えた音楽室が、静かに彼女たちを見守っている。
「あの、私、ちょっとトイレ行ってきますっ」
先輩のからかいに耐えられなくなった梓が叫んだ。
「ありゃ、そう?んじゃあたしらここで待ってるよ」
「いえ、待たなくて結構です。長引きそうなので」
「…きひひひひ、長引くってことは、梓もしかしてビッグの方?」
「あーーーーーっ!!!」
拗ねた足取りでトイレに向かう梓を見つめていた唯が、ふっと独り言のように言った。
「私も…トイレ」
顔をホットプレートのように熱くした後輩と、それをからかう二人の先輩。
忌まわしい記憶にとらわれ抜け殻になった澪と、相変わらず沈黙している唯。
明かりの消えた音楽室が、静かに彼女たちを見守っている。
「あの、私、ちょっとトイレ行ってきますっ」
先輩のからかいに耐えられなくなった梓が叫んだ。
「ありゃ、そう?んじゃあたしらここで待ってるよ」
「いえ、待たなくて結構です。長引きそうなので」
「…きひひひひ、長引くってことは、梓もしかしてビッグの方?」
「あーーーーーっ!!!」
拗ねた足取りでトイレに向かう梓を見つめていた唯が、ふっと独り言のように言った。
「私も…トイレ」
32: 2009/08/31(月) 16:33:20.60 ID:ltFMACKSO
「ありゃ、唯も?…あたしら、ここで待ってようか?」
「ううん、気にしないで。先帰ってて」
「…あ、そう」
「辞任」
パタパタと走る唯を見つめながら、律はどこか違和感を感じていた。それは紬も同じだったらしい。
「…なあムギ、唯のやつ、なんか変だったよな?やけにおしとやかっていうか」
「大人しい、ってことかしら?」
「そうそう。…澪はどう思う?」
「パンツ」
「だめだこりゃ」
「ううん、気にしないで。先帰ってて」
「…あ、そう」
「辞任」
パタパタと走る唯を見つめながら、律はどこか違和感を感じていた。それは紬も同じだったらしい。
「…なあムギ、唯のやつ、なんか変だったよな?やけにおしとやかっていうか」
「大人しい、ってことかしら?」
「そうそう。…澪はどう思う?」
「パンツ」
「だめだこりゃ」
36: 2009/08/31(月) 16:42:41.97 ID:ltFMACKSO
ぬるい水道水がステンレスに叩きつけられる音がうるさい。梓は深くため息をついた。
…律先輩ったら、いつもああなんだから。演奏の時は、最高にかっこいいのにな。
外の景色は、すでに深い藍色に飲みこまれようとしていた。蛍光灯の白い明かりがやけに寂しい。梓が蛇口をひねった時…。
ふっ、と明かりが消えた。藍色が洗面所に侵入する。ポタポタ垂れる水滴の音が、闇に響く。
梓はすんでのところで悲鳴をあげそうになった。トイレの入り口に、誰か立っている!
…律先輩ったら、いつもああなんだから。演奏の時は、最高にかっこいいのにな。
外の景色は、すでに深い藍色に飲みこまれようとしていた。蛍光灯の白い明かりがやけに寂しい。梓が蛇口をひねった時…。
ふっ、と明かりが消えた。藍色が洗面所に侵入する。ポタポタ垂れる水滴の音が、闇に響く。
梓はすんでのところで悲鳴をあげそうになった。トイレの入り口に、誰か立っている!
37: 2009/08/31(月) 16:48:07.03 ID:ltFMACKSO
人影がゆっくりと近づいてくる。梓の中でパニックが爆発した。逃げようにも足がすくんで動けない。
人影は梓の前で立ち止まると、ゆっくりと手を伸ばし、梓を抱き寄せた。片方の手が、梓の髪を撫でる。
この感触、この温かさ…。
「…唯先輩?」
人影は梓の前で立ち止まると、ゆっくりと手を伸ばし、梓を抱き寄せた。片方の手が、梓の髪を撫でる。
この感触、この温かさ…。
「…唯先輩?」
42: 2009/08/31(月) 17:02:00.72 ID:ltFMACKSO
…唯は何も言わない。梓の髪を優しく撫で続けている。
梓の胸に安心が広がっていく。と同時に怒りが湧き上がってきた。
「もう、冗談にもほどがありますよ!離してくださいっ!離してくださいったら!」
梓は自分を縛る唯の手の中でもがく。だが唯は梓をすんなりと解放した。…勢いよく突き飛ばした。
「いっ!…たい…」
梓は再び尻餅をつき、腰の鈍痛に苦しんだ。
そんな梓を、唯が見下ろしている。暗くてその表情まではよくわからなかったが、梓は突然の暴力に怯えていた。
「パンツ、見えてるよ」
梓の胸に安心が広がっていく。と同時に怒りが湧き上がってきた。
「もう、冗談にもほどがありますよ!離してくださいっ!離してくださいったら!」
梓は自分を縛る唯の手の中でもがく。だが唯は梓をすんなりと解放した。…勢いよく突き飛ばした。
「いっ!…たい…」
梓は再び尻餅をつき、腰の鈍痛に苦しんだ。
そんな梓を、唯が見下ろしている。暗くてその表情まではよくわからなかったが、梓は突然の暴力に怯えていた。
「パンツ、見えてるよ」
43: 2009/08/31(月) 17:11:02.66 ID:ltFMACKSO
唯が初めて口を開く。梓は言われて気づき、また慌てて足を閉じる。
「…学祭のライブの時、澪ちゃんのパンツ見たときは何も感じなかったんだ」
唯が語りかける。…その言葉は普段の脳天気な唯のそれではなかった。もっと大人びた、別の女性のそれだった。
「でもさっき、あずにゃんのパンツ見たときは違った。胸が圧迫されたみたいに苦しかった。パアッて、お花畑が広がったの」
唯がの上に梓に屈み込む。梓は身震いして、後ずさろうとする。床のタイルのへりの感触が、手に痛かった。
「ね、あずにゃん。これって何なのかな。私、どっかおかしいのかな?」
「…学祭のライブの時、澪ちゃんのパンツ見たときは何も感じなかったんだ」
唯が語りかける。…その言葉は普段の脳天気な唯のそれではなかった。もっと大人びた、別の女性のそれだった。
「でもさっき、あずにゃんのパンツ見たときは違った。胸が圧迫されたみたいに苦しかった。パアッて、お花畑が広がったの」
唯がの上に梓に屈み込む。梓は身震いして、後ずさろうとする。床のタイルのへりの感触が、手に痛かった。
「ね、あずにゃん。これって何なのかな。私、どっかおかしいのかな?」
51: 2009/08/31(月) 17:31:42.53 ID:ltFMACKSO
「ん?何も言ってないよ?」
唯はすっとぼけてみせる。その顔は梓からわずか数十センチしか離れてない。
「あずにゃん相手なら、私、ヘンタイでもいいや。この艶やかな髪も、抱き心地最高なちっちゃな体も、みんな私のものになるのなら」
唯はトイレの床にぺたりと座り込むと、梓を再び抱きしめた。互いの暖かみや柔らかさが、制服ごしに伝わってくる。
梓の心臓は恐ろしく活発になっていた。ドキドキ波打つ胸が痛いくらいに。目の前の先輩への怒りはどこかに消え去っていた。
唯はすっとぼけてみせる。その顔は梓からわずか数十センチしか離れてない。
「あずにゃん相手なら、私、ヘンタイでもいいや。この艶やかな髪も、抱き心地最高なちっちゃな体も、みんな私のものになるのなら」
唯はトイレの床にぺたりと座り込むと、梓を再び抱きしめた。互いの暖かみや柔らかさが、制服ごしに伝わってくる。
梓の心臓は恐ろしく活発になっていた。ドキドキ波打つ胸が痛いくらいに。目の前の先輩への怒りはどこかに消え去っていた。
53: 2009/08/31(月) 17:43:56.81 ID:ltFMACKSO
「ね、あずにゃん。あずにゃんは私のこと、好き?嫌い?」
唯の制服の感触が、梓の胸をさらに圧迫させる。まだじかに体を触れあわせてすらいないのに。
…直に?とたんに梓は一人身悶える。
「え…えぇ!?べべ、別に、嫌いではないですよ?そりゃちゃんと練習してくれないから困ることもあるけど、でもそれは、先輩としての…」
唯が微笑みを浮かべ、梓の髪を優しく撫でる。彼女をいつも安心させてくれる撫で方。梓はなぜか、涙が出そうになるほど胸が熱くなった。
「優柔不断だなぁ。あずにゃんは」
そして唯は、唇を近づけてくる。梓はビクッと身を震わせた。あと数センチ、数ミリ…。梓は目を閉じる。
唇が急速に離れる。梓はいぶかしげに唯を見る。唯はばつが悪そうに頭をグシグシとかいていた。
「あー、ダメだぁ。私も優柔不断だー」
唯の制服の感触が、梓の胸をさらに圧迫させる。まだじかに体を触れあわせてすらいないのに。
…直に?とたんに梓は一人身悶える。
「え…えぇ!?べべ、別に、嫌いではないですよ?そりゃちゃんと練習してくれないから困ることもあるけど、でもそれは、先輩としての…」
唯が微笑みを浮かべ、梓の髪を優しく撫でる。彼女をいつも安心させてくれる撫で方。梓はなぜか、涙が出そうになるほど胸が熱くなった。
「優柔不断だなぁ。あずにゃんは」
そして唯は、唇を近づけてくる。梓はビクッと身を震わせた。あと数センチ、数ミリ…。梓は目を閉じる。
唇が急速に離れる。梓はいぶかしげに唯を見る。唯はばつが悪そうに頭をグシグシとかいていた。
「あー、ダメだぁ。私も優柔不断だー」
54: 2009/08/31(月) 17:52:35.78 ID:ltFMACKSO
「…もう」
梓は頬を膨らませる。薄暗い闇の中でも、彼女が目元をピンクに染めているのがわかるような気がした。
「えへへー。…でもあずにゃん、いいの?私みたいなヘンタイに唇奪われちゃって」
唯の目がかすかに潤んでいる。たまに澪が見せるような、不安とわずかな悲しみをたたえた目。
「唯先輩は、唯先輩なら…。…いいですよ。好きにしてください。私、私、唯先輩、…好き、です」
唯の顔に笑みが広がる。安心と、胸が痛むくらいの喜び。
「私はずーっと、あずにゃんのこと大好きだったよ」
そして意を決した唯は、梓の唇に優しく自分のそれを押しつけた。
梓は頬を膨らませる。薄暗い闇の中でも、彼女が目元をピンクに染めているのがわかるような気がした。
「えへへー。…でもあずにゃん、いいの?私みたいなヘンタイに唇奪われちゃって」
唯の目がかすかに潤んでいる。たまに澪が見せるような、不安とわずかな悲しみをたたえた目。
「唯先輩は、唯先輩なら…。…いいですよ。好きにしてください。私、私、唯先輩、…好き、です」
唯の顔に笑みが広がる。安心と、胸が痛むくらいの喜び。
「私はずーっと、あずにゃんのこと大好きだったよ」
そして意を決した唯は、梓の唇に優しく自分のそれを押しつけた。
61: 2009/08/31(月) 18:06:09.71 ID:ltFMACKSO
梓の唇がやんわりと押しつぶされた。…と思ったら、すんなりと離される。と思ったら、また押しつぶされる。
唯は何度となく、梓とキスを交わす。チュッ、チュッと湿った音が、やけに大きく洗面所に伝わる。
「…舌は入れないんですか?」
梓があさっての方向を睨みながら唯にせがむ。拗ねたように口を尖らせているのが愛らしい。
「…あずにゃんもヘンタイさんだねぇ」
唯が朗らかな、けれど大人びた声で言う。
そしてまた、唇を重ねる。今度はすぐには離さない。舌を梓の可愛らしい口に忍ばせ、梓のそれと絡み合わせる。唾液を二人で共有する。
唯は何度となく、梓とキスを交わす。チュッ、チュッと湿った音が、やけに大きく洗面所に伝わる。
「…舌は入れないんですか?」
梓があさっての方向を睨みながら唯にせがむ。拗ねたように口を尖らせているのが愛らしい。
「…あずにゃんもヘンタイさんだねぇ」
唯が朗らかな、けれど大人びた声で言う。
そしてまた、唇を重ねる。今度はすぐには離さない。舌を梓の可愛らしい口に忍ばせ、梓のそれと絡み合わせる。唾液を二人で共有する。
90: 2009/08/31(月) 20:44:22.48 ID:ltFMACKSO
「…満足した?」
92: 2009/08/31(月) 20:52:43.94 ID:ltFMACKSO
唯は潤んだ目で、精一杯お姉さんらしい笑みを浮かべる。再び舌を絡めあおうと、顔を近づけた瞬間…。
廊下を誰かが歩いてくる音が聞こえた。…こっちに近づいてくる!
二人の頭に、パニックの白い花火が飛び散った。急いで制服や下着、それに梓の荷物をひっつかむと、半狂乱で個室に飛び込む。
大急ぎで鍵をかけてから、唯はとんでもないミスをやらかしたことに今更ながら気がついた。彼女の鞄とギターが外の廊下に置きっぱなしだ!
94: 2009/08/31(月) 21:01:32.26 ID:ltFMACKSO
外の足音が止まる。唯の荷物を発見したのだろう。梓を見ると、泡を吹かんばかりに怯えている。早く嵐がすぎますように…。
トイレの戸が開けられ、蛍光灯の明かりが灯る。二人の目を、白く強い光が襲った。
「誰か入ってるの?」
見知らぬ女性の声がした。宿直の教師だろうか。唯は精一杯自然な声を出そうと努力する。
「は、入っておりますわよ?」
「電気もつけずに何をしているの?もう下校時間は過ぎてるのよ?」
唯は返答につまった。電気のことまでは全く考えていなかった。さて、どう言い訳したものか…。
トイレの戸が開けられ、蛍光灯の明かりが灯る。二人の目を、白く強い光が襲った。
「誰か入ってるの?」
見知らぬ女性の声がした。宿直の教師だろうか。唯は精一杯自然な声を出そうと努力する。
「は、入っておりますわよ?」
「電気もつけずに何をしているの?もう下校時間は過ぎてるのよ?」
唯は返答につまった。電気のことまでは全く考えていなかった。さて、どう言い訳したものか…。
95: 2009/08/31(月) 21:07:38.86 ID:ltFMACKSO
個室から返事が返ってこないのを不信に思いながらも、女性教師は立ち去ることにした。いくら怪しくても、まさか上から中を覗くわけにもいくまい。
「早く帰りなさい」
唯の耳に、遠ざかる足音が聞こえた。ゆっくりと、溜まっていた淀んだ空気を吐き出す。
「早く帰りなさい」
唯の耳に、遠ざかる足音が聞こえた。ゆっくりと、溜まっていた淀んだ空気を吐き出す。
137: 2009/09/01(火) 01:47:47.39 ID:R1eM6eCoO
脱力して便器から転げ落ちそうになった後輩を、先輩の唯は優しく、しっかりと受け止める。そしてまだ震えの止まらない体を、強く包容した。
互いの胸の先端部が触れ合って、唯の胸にまたも快感が走る。
唯は上半身裸のまま、ぐったりした梓の頬を両手でふんわりと包み、唇を自分のそれで塞ぐ。
梓の小さなざらざらの舌が食べてしまいたいくらい愛おしい。
「…さ、今度は私の番だよっ!」
唯が梓に期待を込めた目線を贈る。だが梓はそれをいつもの生真面目な目で跳ね返し、下着や制服を着なおしはじめている。
「…にゃあ」
「え、もう帰るの?」
「…にゃあにゃあ」
「次に見回りが来たら終わりだから?」
「…みい」
「ぇええええー!それじゃあ私だけ欲求不満だよぅー!!!」
唯の悲しき叫びが、夜の学校に響き渡った…。
139: 2009/09/01(火) 01:58:49.52 ID:R1eM6eCoO
「…ねぇ、あずにゃーん」
「にゃあ?」
「あー、猫語はもういいよ…」
「…にゃ、何ですか?」
「やっぱりどこかでもう一回やっていこうよぅ…」
夜の帰り道。二人は夏の夜の湿っぽい空気を吸い込みながら、家路を急いでいた。
「ダメですよ。もうこんな時間ですから。さっきだって、見つからずに帰れたのはほとんど奇跡みたいなものです」
「うぅー、パンツはぐしょぐしょだし、憂は間違いなく怒ってるし、最悪だよぅ…」
「自業自得です」
秋の虫の声があたりに響き渡る。その涼やかな声は、でこぼこなカップルの二人を祝福しているかのようだった。
完
「にゃあ?」
「あー、猫語はもういいよ…」
「…にゃ、何ですか?」
「やっぱりどこかでもう一回やっていこうよぅ…」
夜の帰り道。二人は夏の夜の湿っぽい空気を吸い込みながら、家路を急いでいた。
「ダメですよ。もうこんな時間ですから。さっきだって、見つからずに帰れたのはほとんど奇跡みたいなものです」
「うぅー、パンツはぐしょぐしょだし、憂は間違いなく怒ってるし、最悪だよぅ…」
「自業自得です」
秋の虫の声があたりに響き渡る。その涼やかな声は、でこぼこなカップルの二人を祝福しているかのようだった。
完
145: 2009/09/01(火) 02:06:53.08 ID:BmG4Yy7S0
乙
良かったよ
良かったよ
146: 2009/09/01(火) 02:07:17.52 ID:I0db6bF70
乙
唯梓2ラウンド目も見たかったけど、萌えさせてもらいました。
唯梓2ラウンド目も見たかったけど、萌えさせてもらいました。
148: 2009/09/01(火) 03:03:10.19 ID:T9qDsKoA0
乙だったぜ
引用元: 唯「あずにゃんの舌猫さんみたい」
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