1: 2010/10/06(水) 01:20:02.48 ID:Q1ITfqwcO
梓「だよね?」

純「うん」

梓「ということなんですけどムギ先輩…なんでこんなこと聞いたんですか?」

梓「昼休みに呼び出してまで」

梓「……え?最近私たちの仲が良い?」

梓「そうかな…」

純「別に普通だよね」

梓「だよね」

純「あっ、すいません紬先輩。お昼食べてもいいですか?」    
けいおん!highschool (まんがタイムKRコミックス)
5: 2010/10/06(水) 01:26:37.62 ID:Q1ITfqwcO
純「お腹すいたー」

純「梓はお弁当?」

梓「うん」

純「ちょっとおかずちょうだい」

梓「だったら純のサンドイッチも…」

梓「あれ?ムギ先輩は食べないんですか?」

梓「……そうなんですか?」

梓「なんかすいません、私たちだけ食べちゃって」

6: 2010/10/06(水) 01:37:02.55 ID:Q1ITfqwcO
純「……」モグモグ

純「あ、その卵焼きほしいなー」

梓「じゃあその菓子パン半分ちょうだい」

純「うー…しかたない」

純「どうぞ」

梓「じゃあ私も…はい」

純「どれどれ…」モグモグ

純「あっ、おいしい」

梓「本当!?実は私が作ったんだよ!」

純「へぇ…料理上手じゃん」

梓「えへへ」

8: 2010/10/06(水) 01:42:44.25 ID:Q1ITfqwcO
純「私も明日作ってこようかな…」モグモグ

梓「……あの、ムギ先輩」

梓「さっきからなんでニヤニヤしてるんですか?」

梓「………いや、気になりますって」

純「……」モグモグ

梓「そんな、空気みたいに思っていいって言われても…」

純「卵いただき!」

梓「あっ!?こら純!!」

9: 2010/10/06(水) 01:49:45.75 ID:Q1ITfqwcO
純「口の中に入れちゃった」

梓「もー!」

純「ごめんごめん」

純「お詫びにフルーツオレ飲んでもいいよ」

梓「まったく、純は…」チューチュー

純「ちょっ!全部飲んじゃダメだって!?」

梓「お返しだもん」

純「あ~…ほとんどなくなってる」チューチュー

純「まぁ二つあるからいいけどさ」

12: 2010/10/06(水) 01:57:08.18 ID:Q1ITfqwcO
純「……」チューチュー

純「…ん?どうしたんですか紬先輩」

純「………フルーツオレ?」

純「あぁ、梓に飲まれちゃいましたね」

純「けどまだ少し残ってるから…」チューチュー

純「え?おいしいですけど…」

純「?」

梓「ムギ先輩さっきからおかしいですよ…」

14: 2010/10/06(水) 02:07:39.73 ID:Q1ITfqwcO
梓「………このまま続けてと言われても」

純「紬先輩もよかったら食べますか?」

純「やっぱり私たちだけじゃ悪いんで」

純「このパンどうぞ。食べかけですけど」

純「…………え?どこからでも食べていいですよ」

純「いや……別に私がかじったところでも」

梓「ムギ先輩、顔真っ赤ですけど大丈夫ですか?」

15: 2010/10/06(水) 02:14:32.67 ID:Q1ITfqwcO
純「……おいしかったですか?よかった」

梓「変なムギ先輩…」

純「それより梓、口の周り汚れてる」

梓「へ?」

純「とってあげるよ、こっち向いて」

梓「あ…ごめん。ありがとう」

純「どういたしまして」

純「梓はまだまだ子どもだね~」

梓「!?」

梓「こ、子どもじゃない!!」

17: 2010/10/06(水) 02:20:57.87 ID:Q1ITfqwcO
純「はいはい、よしよし」ナデナデ

梓「ナデナデしない!!」

純「そうやってムキになるから子どもなんだって」

梓「む~~…」

純「そうですよね?紬先輩」

純「………なんですごい嬉しそうな顔してるんですか?」

純「……」

純「考えごと?」

純「はあ…そうですか」

純「?」

18: 2010/10/06(水) 02:31:04.83 ID:Q1ITfqwcO
純「ふー…食べたー」

梓「……」

梓「あの、ムギ先輩。私たち、まだここにいなきゃいけないんですか?」

梓「…………まぁ、確かに暇ですけど」

純「いいじゃん、紬先輩がいいって言ってるんだしここにいようよ」

梓「それは別にいいんだけど……何をしてればいいんですか?」

梓「……」

梓「いつも通り?」

19: 2010/10/06(水) 02:39:58.12 ID:Q1ITfqwcO
純「いつも通りか…」

梓「そんなこと言われても…困ったなぁ」

純「いつも何してるっけ?」

梓「喋ったりとか」

純「だよねぇ…特別なことはしてないんだけど」

梓「見ててもきっと退屈ですよ?」

梓「……」

梓「まぁムギ先輩がそれで構わないならいいんですけど…」

21: 2010/10/06(水) 02:46:14.84 ID:Q1ITfqwcO
純「んー…なに話す?」

梓「なに話すって言われても…」

純「…コイバナとかは?」

梓「……そんな話題あるの?純に」

純「いやないけどさー」

梓「だよねー純だもん」

純「だもんってなに、だもんって」

25: 2010/10/06(水) 02:56:46.22 ID:Q1ITfqwcO
純「でも私、憧れの人はいるんだよねー」

梓「だれ!?」

梓「…って、うわっ!!急に身を乗り出さないでくださいよムギ先輩!」

純「それはもちろん――」

梓「も、もちろん…?」

純「澪先輩!」

梓「あぁ…そういう憧れか」

27: 2010/10/06(水) 03:00:17.04 ID:Q1ITfqwcO
純「なんだと思ってたの?」

梓「……男の人だと」

純「あはは、ないない」

純「…え?なんですか紬先輩」

純「……」

純「いや、確かに憧れてますけど……」

純「……」

純「まぁ好きって言えば好きかなー…ベーシストとして」

純「………なんでがっかりした表情してるんですか?」

28: 2010/10/06(水) 03:07:16.67 ID:Q1ITfqwcO
純「梓は唯先輩が好きなんだよね?」

梓「な、なんで!?」

純「だっていつもベタベタしてるし」

梓「それは向こうが抱きついたりしてくるから…」

純「聞いてくださいよ紬先輩」
純「梓ったらいつも私に唯先輩のこと話してくるんですよ?」

純「口を開けば唯先輩唯先輩…」

梓「でたらめ言うなー!!」

梓「嘘ですからねムギ先輩!」

梓「そんなニコニコしないでください~!!」

29: 2010/10/06(水) 03:13:28.53 ID:Q1ITfqwcO
純「でもほとんどノンフィクションだしー…」

梓「やめてよ、ムギ先輩が変な誤解しちゃうじゃん」

梓「あの、ムギ先輩。純が言ったことはホント気にしないでくださいね?」

梓「………うんって」

梓「ちゃんと私の目を見て言ってください!」

純「やめなよ梓、紬先輩困ってるよ」

梓「ていうか上の空なんだけど…」

30: 2010/10/06(水) 03:22:22.43 ID:Q1ITfqwcO
純「そんなおもいっきり否定しなくてもいいのに。唯先輩がかわいそうじゃん」

梓「否定とかじゃなくてー…」

梓「別に唯先輩が特別とかそんなんじゃないのっ」

梓「私は…ムギ先輩も澪先輩も、一応律先輩も尊敬してるんだから」

梓「つまり、軽音部の先輩は全員好きなの!」

純「…それはそれで大胆な告白だね」

梓「にゃっ!?」

純「あっ、紬先輩すごい喜んでる」

33: 2010/10/06(水) 03:29:06.60 ID:Q1ITfqwcO
梓「ね、念のため言っておくけど好きってのはそうじゃなくて…」

純「え?嫌いなの?」

梓「ち、ちがっ…」

純「あ~ぁ、紬先輩落ち込んじゃった」

梓「違いますよムギ先輩!ムギ先輩のことは大好きです!!」

梓「ホント大好きなんです!!」

純「うわー、梓ったらまた大胆」

梓「もー純!!ややこしくしないで!!」

34: 2010/10/06(水) 03:36:22.57 ID:Q1ITfqwcO
純「はいはい、ごめんごめん」

梓「むぅ~…」

純「これでも飲んで落ち着きなよ」

梓「……」チューチュー

純「よかったね良い先輩がいっぱいいて」

梓「……これ以上話をややこしくしないでよ」

純「しないって」チューチュー

58: 2010/10/06(水) 12:16:32.79 ID:Q1ITfqwcO
純「……へ?」

純「……」

純「そ、そんなことないですよ。梓に特別優しいなんて…」

梓「なに言ってるんですか…ムギ先輩」

純「まぁ…ほっとけないってのはありますね」

純「梓って一人にさせておけないっていうか…見守ってあげないと不安で」

梓「なっ、なにそれ!?」

59: 2010/10/06(水) 12:23:40.84 ID:Q1ITfqwcO
梓「また子どもみたいな扱いして!」

純「そんなつもりじゃないんだけど…」

純「ムギ先輩も分かりますよね?」

純「………ですよね!」

純「ほら、先輩もそうだって」

梓「もームギ先輩まで!」

60: 2010/10/06(水) 12:31:42.37 ID:Q1ITfqwcO
純「怒らない怒らない」

梓「怒ってない!」

梓「……」

梓「そ、そうですか…?そう言われると嬉しい…です」

純「うん、たしかに梓は可愛いよ」

梓「純に言われてもなぁ…」

純「なに、ほめたのに」

純「………え?どこら辺が可愛いかですか?」

純「そうですねぇ~…まっすぐな髪とか!」

61: 2010/10/06(水) 12:38:37.70 ID:Q1ITfqwcO
梓「えぇ~?」

純「不満?」

梓「不満というか…この髪のどこがいいの?」

純「まっすぐ!きれい!!」

純「それがうらやましい!」

梓「そうかなぁ……」

純「ムギ先輩もそうって言ってるよ」

梓「ムギ先輩の髪の方が素敵ですよ」

梓「……」

梓「ホントですって。上品で綺麗です」

63: 2010/10/06(水) 12:46:58.55 ID:Q1ITfqwcO
純「そうだよねー、同じ癖毛の私とは全然違うもん」

純「ムギ先輩の髪もうらやましいな~」

純「………モフモフしてる?私の髪が?」

純「そ、そこが可愛い?」

純「や…やや、そんな~」

梓「なに照れてるの」

純「だってほめられたんだから嬉しいに決まってるじゃん」


64: 2010/10/06(水) 12:51:07.67 ID:Q1ITfqwcO
純「しかもムギ先輩にだよ!」

梓「…いつの間にか紬先輩じゃなくてムギ先輩って言ってる」

純「あっ」

純「す、すいません!失礼しました!」

純「……」

純「…いいんですか?」

純「じゃ…じゃあムギ先輩って呼ばさせてもらいます」

純「やったよ梓ー認めてもらえた!」

梓「よかったね」

66: 2010/10/06(水) 13:01:48.88 ID:Q1ITfqwcO
純「やっぱりムギ先輩は優しいな~」

梓「うん、ムギ先輩は軽音部で一番優しいよ」

梓「……」

梓「えへへ、だって本当のことなんですもん」

純「梓ってムギ先輩にいつも甘えてるの?」

梓「そ、そんなことないよ!」

純「どうだか~」ニヤニヤ

梓「むっ…」

梓「あっ、そうだムギ先輩!あの話してもいいですか?」

67: 2010/10/06(水) 13:10:47.17 ID:Q1ITfqwcO
梓「ほら、あれですよ」

梓「ケーキをこっそりと……」

梓「……」

梓「えーダメですか?」

純「なになに?気になる」

梓「実は……」

梓「あはは、大丈夫ですよムギ先輩。ちゃんと秘密にしますから」

純「ねー気になるー」

68: 2010/10/06(水) 13:17:43.55 ID:Q1ITfqwcO
梓「だめだめ、私とムギ先輩二人だけの秘密なんだもん」

梓「ですよね?えへへ」

純「おやおや、見せつけてくれますなー」

梓「ちょっ、なに言ってるの!」

純「ムギ先輩はまんざらでもなさそうだけど」

梓「ム、ムギ先輩ぃ~~」

69: 2010/10/06(水) 13:26:43.55 ID:Q1ITfqwcO
純「うーん、軽音部はおもしろい人が多いなぁ…」

純「でもムギ先輩ってどうして軽音部に入部したんですか?合唱部とかに似合いそうなのに」

純「……」

梓「……」

純「へぇ~…律先輩たちが」

梓「一年のときからそんな感じだったんですか…」

70: 2010/10/06(水) 13:33:26.67 ID:Q1ITfqwcO
純「……」

梓「……」

純「あははっ」

梓「唯先輩も変わらないな~」

純「……」

梓「……」

純「へー」

梓「軽音部って、一年のころから相変わらずだったんですね…」

純「けど楽しかったです、先輩たちの話が聞けて」

71: 2010/10/06(水) 13:42:23.07 ID:Q1ITfqwcO
梓「まったく…私が先輩たちと同学年だったらよかったのに」

梓「そうすれば軽音部も今みたいにだらだらさせないで…」

純「変わらないって」

純「梓が一年早く入部しても今と同じだと思うよ?」

梓「そ、そんなことないよ」

純「ムギ先輩はどう思いますか?」

梓「……」

純「……」

72: 2010/10/06(水) 13:49:36.33 ID:Q1ITfqwcO
梓「……ムギ先輩」

梓「……」

梓「はい、私もそう思います」

梓「…あ~ぁ、あと一年早く生まれてたらなぁ」

梓「そうだったら先輩たちともっと……」

純「なに感傷にひたってるのよ」

梓「……むぅ」

74: 2010/10/06(水) 13:56:03.25 ID:Q1ITfqwcO
純「…私は梓と一緒の学年でよかったと思うんだけどな~」

梓「え?」

純「だってこうやっていつも梓とお昼食べれるんだし」

梓「純……」

純「私は梓と一緒に過ごせて嬉しいよ?」

梓「な、なに突然」

純「梓、なんか寂しそうだったから」

梓「寂しくなんか…」

純「でも先輩たちはもうすぐ卒業だし」

梓「……」

75: 2010/10/06(水) 14:00:21.72 ID:Q1ITfqwcO
純「来年の軽音部は梓だけになるけど……どうするの?」

梓「…純には関係ないじゃん」

純「関係あるよ!」

純「さっきも言ったけど梓はほっとけないの!」

梓「だ、だったら…」

純「なに?」

梓「……なんでもない」

76: 2010/10/06(水) 14:04:23.16 ID:Q1ITfqwcO
純「はっきり言ってよ」

梓「別に…」

純「あーもーこれなんだから!」

純「梓!!」

梓「な、なに…?」

純「私…軽音部入るよ!」

梓「え……えぇ!?」

純「一人でも部員が必要なんでしょ?」

79: 2010/10/06(水) 14:07:30.21 ID:Q1ITfqwcO
梓「でも…いいの?」

純「なにが?」

梓「だって純はジャズ研だし…」

純「かまわないよ。なんとかしてみせる」

純「私は梓が困ってる時に何もできないことが一番つらいんだから」

梓「純……」

純「それに私、梓ともっと一緒にいたいの」

80: 2010/10/06(水) 14:11:45.00 ID:Q1ITfqwcO
純「梓の側で、梓と一緒に同じ時間を共有したい」

純「だって私は梓が大好きなんだから!」

梓「え…」

純「好きな人と一緒にいたいのは当然でしょ?」

梓「そんな急に言われても…」

純「私じゃ……ダメ?」

81: 2010/10/06(水) 14:15:09.62 ID:Q1ITfqwcO
梓「……」

純「確かに私は軽音部の先輩たちより……」

梓「ううん」

純「え?」

梓「嬉しい…私も純と一緒にいたい」

純「……」

梓「純、私も大好きだよ」

梓「ただの友達だなんて言ったけど、本当はもっと大切な存在……」

梓「愛してます、純」

83: 2010/10/06(水) 14:20:07.27 ID:Q1ITfqwcO
純「あ、梓…」

梓「これからも、ずっと一緒にいようね」

純「……私なんかでいいの?」

梓「純じゃなきゃダメなの」

純「梓…私も愛してる」

梓「うん……ねぇ純」

梓「キス…してもいい?」

純「ここで?ムギ先輩が見てるよ…」

梓「お願い」

純「もう…しょうがないなー梓は」


――――――――
―――――
―――



梓「あのー…ムギ先輩?」

純「もしもーし」

84: 2010/10/06(水) 14:25:19.44 ID:Q1ITfqwcO
梓「……」

純「…夢の中にいるみたいだね」

梓「うん…」

キーンコーンカーンコーン

純「あ…チャイム鳴っちゃった」

梓「…どうする?」

純「……教室もどろっか」

梓「そうだね」

梓「じゃあ私たちはこれで失礼します、ムギ先輩」

純「聞いてないみたい」

梓「ムギせんぱーい、私たち戻りますからねー?」

純「なんか顔赤くしてニヤニヤしてる…」

梓「……はぁ」


おわり

86: 2010/10/06(水) 14:41:14.57 ID:VZgP8Uv2O


面白かったよ

87: 2010/10/06(水) 14:44:59.82 ID:Cv7VO7WPP
二人が付き合うことになったのはムギちゃんの夢の中で?それとも現実?

89: 2010/10/06(水) 14:52:38.71 ID:Q1ITfqwcO
>>87
ご想像にお任せします

引用元: 梓「純ですか?ただの友達ですよ」