1: 2011/02/05(土) 17:56:31.44 ID:1x8Bf9gR0
絹旗「えー」

浜面「露骨に嫌そうな顔すんなよ絹旗、サッカーも終わってキャンプも始まったし野球の話題が増えてきて実はちょっと嬉しいんだろ?」

絹旗「それはまぁそうですけど、だって浜面と私の応援してる球団って超別じゃないですか、話が超合いませんよ」

浜面「そうか?」

絹旗「そんな事より日ハムの斉藤投手が今年何勝できるか超予想しましょうよ」

浜面「ハンカチ投手の話題はいいのね」

絹旗「超イケメンですからね、浜面と違って。浜面と違って」

浜面「二回言わんでええわい!」

絹旗「で、浜面の予想は?」

浜面「予想はよそう」

絹旗「……」
とある魔術の禁書目録外伝 とある科学の超電磁砲(17) (電撃コミックス)
2: 2011/02/05(土) 17:59:09.20 ID:1x8Bf9gR0
絹旗「窒素きーっく」

グハッ?!

絹旗「窒素ぱーんち」

グェッ!?

絹旗「窒素たーっくる」

アババババ

浜面「……もう、瀕氏……」

絹旗「超くだらない冗談言うからですよ、ただでさえ寒いのに凍氏させる気ですか」

3: 2011/02/05(土) 18:01:06.48 ID:1x8Bf9gR0
一方通行「うるせェと思ったらバカ二人じゃねェか、何の話してンだ?」

絹旗「あ、口リコン」

浜面「あ、ホントだ口リコンだ」

一方通行「よしお前ら二人頃す、ソッコー頃す」

4: 2011/02/05(土) 18:03:05.85 ID:1x8Bf9gR0
一方通行「はン? 斉藤が今年何勝するかってェ?」

浜面「あぁ、お前はどう思う?」

一方通行「20勝は堅ェな」

絹旗「日ハムファンですか」

一方通行「男なら黙ってサッポロビールだろォ」

浜面「違う、この人北海道ファンだ……多分」

5: 2011/02/05(土) 18:08:54.31 ID:1x8Bf9gR0
一方通行「まァ、プロの道はそんな生易しいもンじゃねェからな。まずはキャンプを怪我なく乗り切って開幕一軍に残る事が目標だろーなァ」

絹旗「どっかのマスコミと違って超冷静な分析ですね」

一方通行「当たり前だァ、勝たなきゃクビになる世界だからな。まだアイツは結果も何も残してない。生命線のスライダーがどこまで通じるかで先発として生き残れるかが決まるだろォな」

浜面「まるで親の心境だなオイ」

一方通行「アイツは俺が育てたからなァ、プロ野球スピリッツで」

浜面「お? お前もゲームすんの?」

一方通行「野球ゲームから野球バラエティまで一通りなァ」

6: 2011/02/05(土) 18:12:08.93 ID:1x8Bf9gR0
浜面「俺は2が好きだな」

一方通行「たしかに2は名作だァ、だが6のしあわせ島も捨てられねェな」

絹旗「何の話ですか」

浜面「女にはわかんねぇ男の話だ」

7: 2011/02/05(土) 18:17:55.27 ID:1x8Bf9gR0
一方通行「で、いつも一緒に居る後3人はどこ行ったンだよ?」

絹旗「麦野はバッティングセンター、フレンダはキャッチャーミットの修理、滝壺さんはユニフォームの申し込みを……」

一方通行「オイオイオイオイ、何だ何だなンですかァ? アイテムってのはいつから野球チームになっちゃったンですかァ?」

浜面「世界も平和になったし、暗部も解体。って事で野球でもやるかーって流れになってな」

絹旗「超面白いですよね~、私の豪快なバッティングみたら超ビビリますよ?」

一方通行「ンな細い腕で打てんのかよ」

絹旗「私の窒素装甲を使えば男村田なんてメじゃないですよ」

一方通行「動けデブ」

8: 2011/02/05(土) 18:22:23.48 ID:1x8Bf9gR0
浜面「お前もやるか?」

一方通行「誰がお前らなンかと野球なンざやるかよ、こっちはそれほど暇じゃない」

絹旗「そうですか」

一方通行「球遊びがやりたかったら別のヤツを誘うんだなァ」


────────
────
──


打ち止め「それで、せっかく野球に誘ってくれたのに、嬉しさと恥ずかしさで断っちゃったの? ってミサカはミサカはあなたの進歩の無さに呆れてみる」

一方通行「るせェな、あンな奴らと野球なんざやってる暇はねェんだよ」

打ち止め「じゃあなんで素振りしてるの? ってミサカはミサカは疑問を素直に口に出してみたり」

一方通行「ンなの、決まってンだろ」

打ち止め「?」

一方通行「健康の為だァ」

9: 2011/02/05(土) 18:28:25.69 ID:1x8Bf9gR0
未元物質「バカだろお前」

一方通行「アァア?!」

未元物質「せっかく友達ができそうだったのに自分からそのチャンスを見捨ててりゃ世話ねぇわな」

一方通行「……」

打ち止め「そうよね、そうよねってミサカはミサカは突然の訪問者に驚きながらも頷いてみる」

一方通行「るせェな、どうでもいいだろォ。お前だって友達俺しかいねェじゃねーか」

未元物質「俺にはあいつがいるし」

10: 2011/02/05(土) 18:30:08.61 ID:1x8Bf9gR0
一方通行「だったら俺にも土御門とか」

未元物質「あー、あー。それさぁ、友達っていうよりどっちかって言うと仕事仲間じゃないの?」

一方通行「どう違うンだよ」

未元物質「プリンと豆腐くらい違うな」

一方通行「お前の喩えはわかりづれェンだよ」

未元物質「心配するな、自覚はある」

14: 2011/02/05(土) 18:43:54.79 ID:1x8Bf9gR0
麦野「ハーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッハッハ!! オラオラオラオラ!!!! ピッチャーどうしたァアアアアアアア?! かかってこいやァアアアア!!!!!」

カーン!

ポンッ

パンパカパーン

フレンダ「またホームランボードに当たった……むぎの、絶好調ね」

滝壺「絶好調」

フレンダ「もう申し込みおわったの?」

滝壺「うん、フレンダは?」

フレンダ「昔使ってたミットだからボロボロだったけど、皮張り替えてもらったらちょっとはマシになったわよ」

滝壺「年季はいってるね」

フレンダ「野球とかリトルリーグ以来だわー、あー楽しみ楽しみィ♪」

16: 2011/02/05(土) 18:47:23.07 ID:1x8Bf9gR0
麦野「あー、疲れた疲れた。あら二人とも、もう用事は済んだの?」

滝壺「うん」

麦野「私のバッティング、どうだった?」

滝壺「凄かった、特に気合が」

フレンダ「そうね、特に気合が凄かったわ。たぶん実際にピッチャーと対戦したら、相手はマジでピッチャーびびってる状態になると思う訳よ」

麦野「なによそれ」

滝壺「ゲームでいうところの、威圧感」

17: 2011/02/05(土) 18:52:52.23 ID:1x8Bf9gR0
麦野「威圧感が何なのかわからないけど、とりあえず褒め言葉と受け取っておくわね」

フレンダ「そりゃもう、デッドボールでも当てようもんなら。それがそのまま氏に直行しちゃうもんね」

滝壺「清原」

フレンダ「いよっ、番長♪」

麦野「……褒めてるのそれ?」

フレンダ「褒めてる褒めてる♪」

18: 2011/02/05(土) 18:58:05.21 ID:1x8Bf9gR0
麦野「それにしてもバッティングって楽しいわね、半分当たれば良い方だけど当たればすごい遠くまで飛んでいくもの」

フレンダ「麦野は文字通り主砲って感じよね」

滝壺「5番打者タイプ」

フレンダ「3番でも面白いと思うけど、6番辺りに居れば相手チームへのプレッシャーがハンパないと思う訳よ」

滝壺「それも面白い」

麦野「ちょっとちょっと、話についていけないわよ。わかるように話してよ」

フレンダ「結局、麦野は繋ぐとか転がすとか難しい事考えずに思いっきりバット振ればいいって訳よ」

麦野「そう?」

滝壺「投手としては、振り回されるのが地味に怖い」

麦野「ふーん、そんなもんなのかしら」

19: 2011/02/05(土) 19:03:22.71 ID:1x8Bf9gR0
麦野「ところでさ、フレンダはキャッチャーっていうポジションなんでしょ?」

フレンダ「なはは。そうよー、こう見えてもリトルリーグでは盗塁阻止率10割の刺殺王フレンダって呼ばれてたんだから」

麦野「刺したり頃したり盗んだり、あんたにお似合いのスポーツよね、野球って」

フレンダ「きひひっ、それは褒め言葉な訳よ!」

滝壺「元々リトルリーグは盗塁が少ない、投球前のリードが無いから。だから盗塁阻止はそれほど難しくないかも」

フレンダ「しーっ! 余計な情報は与えなくてもいいのっ」

麦野「ふーん?」

20: 2011/02/05(土) 19:06:15.89 ID:1x8Bf9gR0
麦野「じゃあ滝壺はどこなの?」

滝壺「私は、投手」

フレンダ「意外だよねー、セカンドくらいのイメージだったのに」

麦野「その例えもよくわかんないけど、あんたそんな体でピッチャーとかやれるもんなの?」

滝壺「打ち取るのに必ずしも150キロの直球はいらないから」

麦野「へぇ、そこまで言うなら打ってみたくなるわね」

滝壺「やってみる? 多分打てないと思うけど」

麦野「上等だァ!」

21: 2011/02/05(土) 19:09:14.57 ID:1x8Bf9gR0
フレンダ「はいはーーい、じゃあキャッチャーやりまーっす♪ 肩作ろうね滝壺っ」

滝壺「うん」


浜面「おー? なんだ、何やってんだ?」

絹旗「超ただならぬ雰囲気ですね」

麦野「浜面、絹旗。良いトコに来たわね」

絹旗「こんな河原でどうしたんですか? まさか猪狩守VS主人公てきなアレですか」

麦野「……だからさっきからその例えは何なの? ゲームなの?」

22: 2011/02/05(土) 19:12:24.79 ID:1x8Bf9gR0
浜面「麦野と滝壺が対戦?」

絹旗「1打席勝負ですか、超面白そうですね」

麦野「ふふん、あんなひょろひょろのボール、簡単に打ち崩してあげるから見てなさいよ?」

浜面「うおー! 滝壺ー! 頑張れぇぇぇぇぇええええ!!!」

麦野「……」

絹旗「大丈夫、私は麦野の味方ですよ」

麦野「……くすん」

23: 2011/02/05(土) 19:15:23.88 ID:1x8Bf9gR0
麦野「で」

浜面「ん?」

麦野「何かヒント頂戴よ」

浜面「真剣勝負なんだろ?」

麦野「そうだけど私初心者だし」

浜面「そうだな、腰をこう、ダッ―ダッ―っとだな」

麦野「……なにその擬音」

浜面「ミスターだよ、知らないのか?」

24: 2011/02/05(土) 19:17:58.35 ID:1x8Bf9gR0
浜面「後はこう、タイミングを合わせてガッッっと腰を回して」

浜面「グワッっとバットが出てくる、そんな感じで」

浜面「打ち終わったらバットはそっと地面に置く様に走り出すのはイチ流だ」

麦野「……わかんないけど、とりあえずボールに当たれば何でもいいんでしょ?」

浜面「おう!」

麦野「……役に立たないアドバイスありがと」

25: 2011/02/05(土) 19:20:39.59 ID:1x8Bf9gR0
滝壺「おまたせ」

フレンダ「準備かんりょー! いつでもいいわよ」


滝壺「はまづら」

浜面「おう、勝てそうか滝壺? 無茶するなよ?」

滝壺「大丈夫だよ、はまづらが応援してくれたら勝てるから」

浜面「ん? そうか?」

滝壺「うん」

浜面「そっか、じゃあ頑張れ」

滝壺「……ん、わかった」

26: 2011/02/05(土) 19:22:58.15 ID:1x8Bf9gR0
麦野「浜面」

浜面「あん?」

麦野「私も応援しなさいよ」

浜面「してるよ」

麦野「嘘つけ」

浜面「してるって」

麦野「じゃあ、私がヒット打ったら」

浜面「打ったら?」

麦野「打ったら……」

浜面「……?」

麦野「や、やっぱりなんでもないっ!」

浜面「なんだぁ?」

27: 2011/02/05(土) 19:28:01.74 ID:1x8Bf9gR0
プレイボール!


「さて解説の福本さん」

「はい」

「マウンドにはピンクのジャージ、名前は滝壺理后。手元の資料によるとサイドスローから変化球を多投する技巧派投手……という事ですが」

「まぁそうやろね、タイミングで打ち取る投手やね」

「対する打者は麦野沈利、野球を始めて1ヶ月という事ですが」

「とにかくえぇっと……麦野さん? 打者はボール球に手を出さない事、それに尽きますね」

「なるほど」

「おそらく何種類か変化球を持っているはずですから、それとサイドからのナチュナルなシュート回転のボールにも注意したいね」

28: 2011/02/05(土) 19:31:34.70 ID:1x8Bf9gR0
滝壺「(……1球目はストライクからボールになるカーブで様子を見る)」

フレンダ「(オッケー、アウトローにカーブね)」

麦野「(さー来なさい、打ち返してあげる)」


シュ!


麦野「……っ?! 曲がるッ?!」

29: 2011/02/05(土) 19:35:25.51 ID:1x8Bf9gR0
「1球目は外角低めへの変化球から入ってきました滝壺投手」

「カーブやね」

「打者はあのボールに手を出してはいけない訳ですね?」

「そうそう」

「しかし打者の麦野さんもよく見極めました」

「どっちかと言うと手が出ぇへんかった、そんな感じやけどね」

「そうですか」

「まだ野球を始めて日が浅いわけやからね、変化球を打つのは相当難しいはずですよ」

「さあ、2球目に注目しましょう」

30: 2011/02/05(土) 19:40:48.47 ID:1x8Bf9gR0
麦野「……何いまの球」

フレンダ「カーブよ?」

麦野「……あんなに曲がるの?」

フレンダ「うん、私もびっくりしちゃった」

31: 2011/02/05(土) 19:41:43.34 ID:1x8Bf9gR0
滝壺「(……1球目は狙い通り、できれば空振ってほしかったけど、上々)」

滝壺「(……コントロールも悪くない、空気が乾いて指のかかりも良い、向かい風でボールの変化もする……)」

滝壺「(それに、はまづらが応援しててくれるから)」

滝壺「(……負けない)」

33: 2011/02/05(土) 19:45:03.53 ID:1x8Bf9gR0
フレンダ「(2球目、どうするの?)」

滝壺「(右打席のむぎのの内角、胸元に)」

フレンダ「(ちょ、直球~~~っ? どんだけ強気なのよ滝壺っ)」

滝壺「(のけぞらせるだけ、大丈夫)」

フレンダ「(ど、どうなっても知らないわよ~~)」

34: 2011/02/05(土) 19:47:54.42 ID:1x8Bf9gR0
麦野「(さっきのカーブ、びっくりしたわー)」

麦野「(全然バットが出なかった)」

麦野「(ボールになったから助かったものの、ちょっとやっかいよね)」


絹旗「麦野ーー! 球筋を超見てくださいーーー!」

麦野「(球筋みただけで打ててたら苦労しないっての!)」

35: 2011/02/05(土) 19:56:09.65 ID:1x8Bf9gR0
「さあマウンド上の滝壺投手、第2球、振りかぶって……投げました直球! 内角厳しいところ、判定ボール! これでカウント0-2です。バッターボックスの麦野選手の胸元を抉るようなボールでした」

「う~ん、強気やね、滝壺さんって言ったっけ?」

「プロフィールによると’趣味はAIM拡散力場浴’という事らしいですが」

「最近のコは変わっとるねぇ、僕らの時代にそんなもんはなかったですからね」

「学園都市ならでは、という感じでしょうか」

「そうやね」

「ところで今の投球についてはいかがでしょうか?」

「外のカーブを意識させといて内に速いのでしょ? そんなことされたら中々打てるもんじゃないですよ」

「どうすれば打てるんでしょうか?」

「カツーンとね、こう」

「なるほど」

36: 2011/02/05(土) 20:04:26.54 ID:1x8Bf9gR0
麦野「……」

フレンダ「(ピクリとも動かなかったわね、麦野)」

麦野「……」

フレンダ「(さすがびびっちゃったかなぁ。今の、ほとんど顔面スレスレだったし)」

麦野「……」

フレンダ「(それを狙って投げられる滝壺も相当だけど、あんなトコに投げられて微動だにしない麦野って一体……)」

麦野「……ェ」

フレンダ「(……う~ん、でも実力はやっぱり滝壺の方が上だと思う訳よ)」

麦野「……も……ェ」

フレンダ「(これで一応打者有利のカウントだけど、実質1球あれば打ち取れるから、滝壺には関係ないか。さて麦野、どうす──)」


麦野「おもしれェ!!!! 顔面に当てるつもりか何か知らんがそっちがそのつもりならこっちは逃げねぇ!!! チマチマ変化球なんか投げられるよりよっぽどマシだ!!」

麦野「滝壺ッ!!!」

麦野「投げてこいよ、もう一度同じ球!! てめぇのそのキレーな顔を真っ青にさせてやるからよォオオオオ!!!」


フレンダ「え~~~~っ?!」

37: 2011/02/05(土) 20:06:55.50 ID:1x8Bf9gR0
「なにやらグラウンドが殺気立っていますが、きぬ……じゃない、解説の福本さん」

「そうやね」

38: 2011/02/05(土) 20:09:28.14 ID:1x8Bf9gR0
滝壺「むぎの」

麦野「何だァ?!」

滝壺「これは勝負」

麦野「アァ!? だから何だって言うんだよ!!」

滝壺「ここに投げてこいと言われて、はいそうですかという訳にはいかない」


フレンダ「れ……冷静……さすが滝壺」

39: 2011/02/05(土) 20:15:45.10 ID:1x8Bf9gR0
「さて何やらひと悶着あったようですが、試合再開です」

「冷静にならんとあかんよ、あのタイプの投手は打者を弄んでナンボやからね」

「滝壺投手、今度はセットポジションから──」


滝壺「(……もう、ストライクはいらない)」

シュ!

麦野「(……っ!)」


「おおっと、どうしたんでしょう麦野選手、大きく外角に外れるボール球に手を出してしまいました」

「あー、大振りはあかんね。コツコツ打っていかなあかんよ」

「スイングをコンパクトにする必要があると?」

「藤本が昔阪神でスタメン定着できたのはその辺りやからね」

「なるほど」

41: 2011/02/05(土) 20:22:15.73 ID:1x8Bf9gR0
麦野「クソッ!」

フレンダ「ね~、麦野さぁ」

麦野「アァ?!」

フレンダ「リラックスリラックス、肩に力入ってるよ」

麦野「るせぇ! くそっ……ストレートだ、ストレートさえくれば……」

フレンダ「(あらら……、頭に血が昇ってる訳よ……、でもそれじゃあ……)」


滝壺「……」ニコッ

フレンダ「(結局、滝壺の思うツボって訳よ)」

42: 2011/02/05(土) 20:25:34.46 ID:1x8Bf9gR0
滝壺「(次も外角)」

フレンダ「(うん、でも同じところで大丈夫?)」

滝壺「(大丈夫だよ、麦野はもう冷静じゃないから)」

フレンダ「(狙ってやってるとしたら……恐ろしい子だわ)」


滝壺「いくよ、むぎの」

麦野「来いやァァァァアアアア!!!」

44: 2011/02/05(土) 20:54:17.95 ID:1x8Bf9gR0
────────
────
──


麦野「……、また変化球っ」

滝壺「からぶり、いただき」

麦野「くそっ」

滝壺「これで、ツーストライク」

麦野「畜生……」

滝壺「麦野は変化球に対応できていない、次で私の勝ち」

45: 2011/02/05(土) 20:58:30.25 ID:1x8Bf9gR0
絹旗「次で超決まりですか?」

浜面「……だろーな、解説の福本さん」

絹旗「もういいですよ」

浜面「ええんかい」

絹旗「まぁ今回は滝壺さんが一枚超上手だったっていう話で、麦野だって相当良いバッターには超違いないですからね」

浜面「相手が悪かったよな」

絹旗「麦野は将来うちの超主砲になる選手ですから」

浜面「だよな」

絹旗「学園都市ナンバーワンになって、ゆくゆくは都市対抗に出場する事も夢じゃないですよ」

46: 2011/02/05(土) 21:04:21.01 ID:1x8Bf9gR0
滝壺「むぎの」

麦野「……何よ」

滝壺「あなたは良い打者、でも今回は私が勝つ」

麦野「……るせぇ、とっとと投げろ」

滝壺「投げるよ、むぎの」

麦野「……」

滝壺「これで……おしまいっ」

48: 2011/02/05(土) 21:10:12.51 ID:1x8Bf9gR0
シュ!


麦野「……また、変化球っ」

滝壺「そのスイングじゃ打てない」

麦野「……畜生」

滝壺「当たらない。私のカーブには」

麦野「畜生……、ちくしょう、畜生……畜生ォオオオオオ!!!」

滝壺「……勝ったっ」



麦野「なーーんてな」

滝壺「なっ?!」

麦野「何回も見せられれば嫌でも軌道くらい追える!! 第四位の演算能力舐めんなよォぉおぉおおおお!!」


カキーン!


※この間0.5秒

49: 2011/02/05(土) 21:14:07.01 ID:1x8Bf9gR0
滝壺「あ……」

フレンダ「う、嘘っ?! 当たったっ?」

浜面「ボールはっ?」

絹旗「センター方向ですっ……、ヒットどころか、超ホームランですね、あれは」

麦野「ハーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーハッハッハ!! どうだァ! 見たか滝壺ォおおおお!!!」

滝壺「……負けちゃった」

フレンダ「スライダーのサインだったと思うけど」

滝壺「うん……、曲がらなかった」

50: 2011/02/05(土) 21:16:43.04 ID:1x8Bf9gR0
フレンダ「そう」

滝壺「でも」

フレンダ「?」

滝壺「打者をノせてあげるのも、投手の仕事だから」

フレンダ「滝壺……あんたそこまで考えて」

滝壺「日本一、なりたいから……アイテムの、みんなと」

フレンダ「うぐ……、なんて良い子なのっ」

51: 2011/02/05(土) 21:25:50.18 ID:1x8Bf9gR0
麦野「滝壺、あんたも良い球投げるけど、まだまだね」

滝壺「うん」

麦野「でも、最後。手、抜いたでしょ?」

滝壺「……ちょっとだけ」

麦野「次手ぬいたら承知しないからね、全力で来なさい。全力で打ち返してあげるから」

滝壺「わかった」

52: 2011/02/05(土) 21:27:01.21 ID:1x8Bf9gR0
浜面「二人ともお疲れさん、良い勝負だったぞ」

麦野「っていうか浜面、あんたもっとマシなアドバイス寄越しなさいよ、打席で全然役に立たなかったじゃない」

浜面「はっはっは、すまんすまん」

麦野「……ったく、まぁ良いわ。野球もそこそこ面白いわね、気に入った。獲るわよ、日本一。まずは都市対抗野球で」

フレンダ「う~~~、なんか燃えてきた~~~! 夕陽に向かって走る訳よ!」

絹旗「ちょ、どこ行くんですかフレンダ」

滝壺「私も、走る」

絹旗「滝壺さんまで」

麦野「負けないわよ」

浜面「俺も」

絹旗「え? ちょっと、みんな待ってくださいよ~」

53: 2011/02/05(土) 21:30:45.69 ID:1x8Bf9gR0
◇ ◇ ◇ ◇


一方通行「おおっと! センターへの大飛球を一方通行選手、回りこンでスライディング! ナイスキャッチ!」 

一方通行「……ったくしゃーねェなァ、お前らがそーンなに俺と野球やって欲しいンだったら仕方ねェ、メンバーに入ってやらァ」


ヒュウウウウウウ……


一方通行「……あれェ? 誰も居ねェ……」

一方通行「……おーい」



一歩通行「あんだよ、何見てんだよ」



1レス余っちゃった、おしまいおしまい。

引用元: 浜面「適当に野球の話でも」