1: 2012/07/30(月) 21:17:06.32 ID:bTp3nK+DO
芳佳「あれ、リーネちゃん。バルクホルンさんも……二人でお風呂ですか?」ポタポタ

バルクホルン「ん、まあそんなところだ」

リーネ「うん」

芳佳「一番に頂いちゃいましたけど、今日の湯加減はバッチリでしたよ」ギュッギュッ

バルクホルン「それは楽しみだな。なあリーネ?」

リーネ「そ、そうですね」

芳佳「ん…しょっと。じゃあ、お先に失礼します」タオルパサッ

「……」

バルクホルン「……さて……どうしたものかな」

リーネ「芳佳ちゃんがあんなところやこんなところをこれでもかというほど拭き回し」

バルクホルン「宮藤の浸かった湯や汗やら諸々の汁が大量に染み込んだ絶品タオル」

「譲るわけには……いかないッ!」

3: 2012/07/30(月) 21:37:56.79 ID:Xf0oRuuT0
うむ

4: 2012/07/30(月) 21:44:26.97 ID:1BvrkiUL0
平常運転

7: 2012/07/30(月) 21:57:02.54 ID:bTp3nK+DO
バルクホルン「私は上官だぞ、リーネ」

リーネ「そのセリフ、芳佳ちゃんの目の前で言えますか?」

バルクホルン「……」

リーネ「ここは退いて下さい。次のタオルは差し上げますから」

バルクホルン「それはできない相談だな。私から宮藤の温もりすら奪うつもりか」

リーネ「温もり……そう、もう数分もすればタオルは冷めきってしまう。分かりました、じゃんけんで決めましょう」

バルクホルン「それしかないようだな……」

8: 2012/07/30(月) 22:02:01.64 ID:13ai2lfI0
変態だー!

9: 2012/07/30(月) 22:03:49.29 ID:bTp3nK+DO
バルクホルン「いくぞ!」

リーネ「じゃーんけーん」

バルクホルン「待ったッ!」

リーネ「……なんですか?」

バルクホルン「いや……こんな大事な物を奪い合うのに、一本勝負で決着を付けていいのかと思ってな……」

リーネ「女々しいですよ大尉。時間が無いと言ったはずです!」

バルクホルン「……後悔するなよ! じゃーんけん」

リーネ「チョキ!」
バルクホルン「パー!」

「……」

10: 2012/07/30(月) 22:07:38.45 ID:Xf0oRuuT0
やったねリーネちゃん

12: 2012/07/30(月) 22:11:29.46 ID:bTp3nK+DO
バルクホルン「ば……バカな……」

リーネ「ふふ……これは正当な勝利です。どんな非難を受けるいわれもない、真実の勝利です!」

バルクホルン「……」

リーネ「さあ、行こうか芳佳ちゃん。私たちのエデンへ」

バッ!

リーネ「!?」

バルクホルン「バカめ迂闊だったなリネット・ビショップ! 真実の勝利とはタオルを手に入れることだ! じゃんけんで勝とうが負けようが、タオルを取らねば敗者なのだよ!」ダッシュ

リーネ「バルクホルゥゥン!」

14: 2012/07/30(月) 22:28:38.96 ID:bTp3nK+DO
バルクホルン「宮藤の汗美味しい! おいしい!」シャブシャブ

バルクホルン「これは宮藤の髪の毛じゃないか!? とんだサプライズだ!」

バルクホルン「……くんくん、この香りは…どうやらこの部分で脇を拭いたようだな! うらやましいタオルだ! ここは……首筋か! こっちは…」

リーネ「待ぁぁてぇぇぇっ!」

バルクホルン「チッ、しつこい女だ。だがもう遅い、このタオルには既に私の匂いがブレンド」

ドンッ

バルクホルン「うわっ!? くそ、誰だ!? タオルが被さって前が……む、この香りは足の裏あたりか?」クンクン

「私のタオルでなにしてるんですか……バルクホルンさん……」

19: 2012/07/30(月) 22:34:57.62 ID:bTp3nK+DO
リーネ「!!」

バルクホルン「」

バルクホルン「そ…その声は」ペラッ

芳佳「……か、返して下さい……私の…タオル……」

バルクホルン「い、いやっ、違うんだ宮藤! これは……そう、乾かしてやろうと」

芳佳「返してっ!」バッ

バルクホルン「あ……」

芳佳「ろ、廊下の向こうからでも聞こえましたよ。バルクホルンさんがそんな人だったなんて……信じたくないです、けど……」

リーネ「はあはあ……芳佳ちゃん、大丈夫!? 大尉に変なことされたりとか……」

バルクホルン「!! リーネぇっ!」

芳佳「ひっ」ビクッ

リーネ「大声を出さないで下さい! 芳佳ちゃんが怯えてるじゃありませんか!」

30: 2012/07/30(月) 22:44:37.81 ID:bTp3nK+DO
リーネ「行こうよ芳佳ちゃん。そのタオル、もう捨てたほうがいいよ」

芳佳「うん……そうする。気に入ってたんだけど……」キッ

バルクホルン「ぅ……」

リーネ「大尉、このことはミーナ隊長にも報告させてもらいます。明日の朝礼で会いましょう」

バルクホルン「……」

バルクホルン「あ……あ……」フラフラ

バルクホルン「私は……負けたのか…」

バルクホルン「もう…生きて…私の……塵……」

「なにしてんだ、バルクホルン?」

33: 2012/07/30(月) 22:54:52.45 ID:bTp3nK+DO
バルクホルン「リベリアン……」

シャーリー「?」

バルクホルン「こんな私を見るな…見ないでくれえっ!」

シャーリー「な、なんだこいつ?」

バルクホルン「……早く行け…風呂だろう?」

シャーリー「そうだけど、お前は入らないのかよ?」

バルクホルン「なに……?」

シャーリー「髪が濡れてないし、大体上がったばっかりで結ばないだろ。おまけに、ちょっと汗くさいぞ」

バルクホルン「……」

シャーリー「おいおい。そこはお前が怒って憎まれ口叩くとこじゃないのか」

バルクホルン「いや……ちょっとな…」

シャーリー「?」

36: 2012/07/30(月) 23:03:01.51 ID:bTp3nK+DO
お風呂

シャーリー「あ゛ー、生き返るなあ」

バルクホルン「……」ブクブク

シャーリー「あっ、そうだバルクホルン。ちょっと立ってみろよ」

バルクホルン「…なんだ?」ザバッ

シャーリー「なんかさ、お前ちょっと肉が付いたんじゃないか?」

バルクホルン「……」

シャーリー「髪も切ったほうがいいぞ」

バルクホルン「……」ゾクッ

シャーリー「ん、どした?」

バルクホルン「いや、ちょっとな」

40: 2012/07/30(月) 23:10:14.72 ID:bTp3nK+DO
シャーリー「ふう、いい湯だったな」

バルクホルン「ああ」

シャーリー「さ、湯冷めする前に着替えちまおうぜ」

バルクホルン「そうだな」

シャーリー「……あれ、バルクホルン?」

バルクホルン「なんだ」

シャーリー「お前、そんなズボン履いてたか? いつももっと際どいやつだったろ」

シャーリー「色もさあ、なんかお前らしくないんだよな。もっとこう」

バルクホルン「おいリベリアン」

シャーリー「何だよ?」

バルクホルン「……お前、普段どんな目で私を見ているんだ? 肉が付いただのズボンがどうのと」

シャーリー「えっ」

バルクホルン「はっきり言って、ちょっと気持ち悪いぞ」

シャーリー「えっ」

45: 2012/07/30(月) 23:21:49.96 ID:bTp3nK+DO
バルクホルン「言いたくないが、ストーカーじみて……はっ!」

バルクホルン(そうか……これが宮藤が私から受けた嫌悪感か。なるほど、これでは逃げ出すのも仕方ない)

シャーリー「ちょっと、お前何を」

バルクホルン「いや、お前は私に大切なことを気付かせてくれた。素直に感謝する」

シャーリー「はあ?」

バルクホルン「すまんな、私は宮藤に謝りに行かねばならん。先に行くぞ」

シャーリー「……なんか、よく分かんないうちにけなされて、よく分かんないうちに感謝された……」

シャーリー「あ、あいつさっきまで履いてたズボン忘れてやがる。しょうがねーなあ」

49: 2012/07/30(月) 23:31:54.50 ID:bTp3nK+DO
バルクホルン「……ごほん」

バルクホルン(正直顔を合わせるのも気まずいが……ここで少しでも関係を取り戻しておかないと、同じテーブルにも着いてくれなくなりそうだからな)

コンコン

バルクホルン「宮藤、バルクホルンだ。あー……宮藤、さっきはすまなかった」

バルクホルン「その、だな……私もお前と似たような目に遭ったんだ。だから、お前の気持ちがほんの少しだけだが分かったというか……」

バルクホルン「……許してくれなくとも構わない。私はそれだけのことをした。私という馬鹿な女が、惨めに」

バタンッ

芳佳「バルクホルンさぁん!」ギュッ

バルクホルン「み、宮藤!?」

55: 2012/07/30(月) 23:42:29.71 ID:bTp3nK+DO
芳佳「リーネちゃんが……リーネちゃんが……」

バルクホルン「り、リーネがどうかしたのか?」

リーネ「ちがうの芳佳ちゃん! あのね、たまに芳佳ちゃんの寝息が聞こえなくなるから喉になにか詰まってるんじゃないかって」

芳佳「私が寝てる間に口にストロー入れて、私の唾液を吸ってたみたいなんです!」

バルクホルン「なんだと……」

芳佳「助けて下さい……バルクホルンさん!」ムギュ

バルクホルン「! うおおおおッ! リーネ、貴様ぁっ!」

リーネ「う……わ、分かりました、こうしましょう。あのことはミーナ隊長には言いません、三人だけの秘密です。だから芳佳ちゃんを説得して」

バルクホルン「共に地獄へ堕ちるぞ、リーネ……!」

56: 2012/07/30(月) 23:43:16.27 ID:Yt3Me63u0
えっ

59: 2012/07/30(月) 23:45:28.33 ID:mz32ZoSm0
マジ漢!

61: 2012/07/30(月) 23:48:50.98 ID:shE/0UBW0
つまりシャーゲル芳佳リーネか 熱いな…

65: 2012/07/30(月) 23:58:50.31 ID:bTp3nK+DO
リーネ「くっ……!」

芳佳「……ごめんなさい、バルクホルンさん…私、間違って……」

バルクホルン「私に任せておけ。これが宮藤への罪滅ぼしになるなら……!」

リーネ「そうやって自分だけ善人ぶって……!」

バルクホルン「『偽善』とは『人の為す善』と書く! 私は宮藤の為なら、後ろ指を指されようが」

シャーリー「おーい、バルクホルーン」

バルクホルン「!」

シャーリー「脱衣場にズボン忘れてたぞ。お前のだよな?」

バルクホルン「……」ハァハァ

シャーリー「なんか顔色悪いな。ちょっと見せて……」


67: 2012/07/31(火) 00:00:46.15 ID:PVqGOyLzO
バルクホルン「うわあッ! く、来るな!」

シャーリー「はあ!? なんだよそれ、人がせっかく……」

リーネ「ね、だから芳佳ちゃんさえ良ければ、私はいつでも」

芳佳「うわあああん」

バルクホルン「何をしているリーネッ!」

坂本「私の台詞だ! 就寝時間はとうに過ぎたぞ、貴様ら全員何を騒いでいるッ!」

ギャアギャア



サーニャ「……こんなにうるさいと、エイラが起きちゃうかもしれないわ…」ズズズ

エイラ「ぐー…んぐっ」ゴクン

サーニャ「……♪」



おわり

68: 2012/07/31(火) 00:00:57.16 ID:tVnlr41P0
ストローで唾液吸うとかひいき目に見ても変態

69: 2012/07/31(火) 00:01:16.72 ID:PuXHe6zV0
あれ終わった

70: 2012/07/31(火) 00:01:24.84 ID:LzUbFwla0
おつ!感動した!

75: 2012/07/31(火) 00:03:36.88 ID:yX6whKFN0
サーニャはなに、自分の唾液垂らして飲ませてるの

82: 2012/07/31(火) 00:11:33.21 ID:Nct7KBCk0
もう終わりなの…まだ続いてもいいんだよ…?
乙…

引用元: 芳佳「ふう、いいお湯だった」リーネ「……」バルクホルン「……」