815: 2019/01/23(水) 21:23:29.88 ID:dE7XFUHIo

816: 2019/01/23(水) 21:25:56.37 ID:dE7XFUHIo
拓海・里奈・夏樹「……」コクリ

武内P「あの……何故、私なのでしょうか?」

拓海「……」チラッ

里奈「……」コクリ

武内P「あの……何故、黙っているのですか?」


拓海・里奈・夏樹「……」


武内P「……」

武内P「あの……な、何故ですか……!?」

817: 2019/01/23(水) 21:27:38.63 ID:dE7XFUHIo
里奈「……」

スッ…

武内P「スマートフォン、ですか」

里奈「……」たぷたぷ

武内P「私に何かを見せよう、と?」


拓海・里奈・夏樹「……」コクリ


武内P「……」

武内P「はあ……まあ、わかりました」

818: 2019/01/23(水) 21:29:11.47 ID:dE7XFUHIo
里奈「……」

スッ…

武内P「……動画、ですね」

拓海「……」コクリ

武内P「再生しろ、と?」


拓海・里奈・夏樹「……」コクリ


武内P「……」

武内P「何の……動画、なのでしょうか」

819: 2019/01/23(水) 21:32:20.07 ID:dE7XFUHIo
武内P「では……確認させて、いただきます」

…たぷっ


『――探し続けて~いた~♪』


武内P「これは……」


涼『自分だけ~の場所を~♪』


武内P「松永さんのソロ曲、『One Life』ですね」

武内P「……良い、楽曲です」


拓海・里奈・夏樹「……」

820: 2019/01/23(水) 21:36:01.35 ID:dE7XFUHIo
涼『街~に浮~かぶ~♪』


武内P「やはり、以前バンドでボーカルの経験があるだけあって……」

拓海「……」


涼『しがら~み~とか~♪』


武内P「……とても澄んだ、美しい歌声です」

里奈「……」


涼『すれちが~いとか~♪』


武内P「ダンスのパフォーマンスにも、余裕がありますね」

夏樹『……』

822: 2019/01/23(水) 21:40:02.17 ID:dE7XFUHIo
涼『閉じ~てる~♪』


武内P「しかし……この動画が、一体?」

拓海・里奈・夏樹「……」


涼『目じゃ~見えないさ~♪』


武内P「私には、何の問題も無いように思えますが……」

拓海・里奈・夏樹「……」


涼『リぃズぅムぅが響き渡るうぅぅぅ♪』グ…ググ…


武内P「……」

拓海・里奈・夏樹「……」

823: 2019/01/23(水) 21:44:13.81 ID:dE7XFUHIo
涼『それで良いぃぃいいいぃぃぃ♪』グググ…


武内P「……」

拓海・里奈・夏樹「……」


涼『くぉうくぉうろぉのぉこぉえぇをぉう♪』アイーン!


武内P「……」

拓海・里奈・夏樹「……」


涼『とぉうもぉにぃうぅたぁえぇばぁん♪』アイーン!


武内P「……」

拓海「……」チラッ

里奈「……」たぷっ

夏樹「……」


武内P・拓海・里奈・夏樹「……」

824: 2019/01/23(水) 21:47:41.98 ID:dE7XFUHIo
武内P「……」

拓海・里奈・夏樹「……」

武内P「……」

拓海・里奈・夏樹「……」


武内P「……良い、ロックです」


夏樹「違あああう! 違あああう!」

拓海「ばっ!? お前、声!」

里奈「抑えて! ここは、抑えて!」

ガシッ!

夏樹「むー! むうううう!」


武内P「……」

825: 2019/01/23(水) 21:55:15.66 ID:dE7XFUHIo
  ・  ・  ・

武内P「……成る程」

武内P「確かに、松永さんは以前から独特な歌い方をされていました」

武内P「それは、ソロ曲の時だけでしたが……」


拓海・里奈・夏樹「……」


武内P「最近は、ユニット曲の時も、しゃく……」

武内P「……独特な歌い方をし始めた、と」


拓海・里奈・夏樹「……」コクリ


武内P「……」

武内P「本当に……何故、私に……」

827: 2019/01/23(水) 22:01:11.51 ID:dE7XFUHIo
武内P「……あくまでも、これは私の考えです」

武内P「皆さんは、ユニットを組んでかなり時間が経ちました」

武内P「炎陣……良い、ユニットです」


拓海・里奈・夏樹「……」


武内P「そのユニットで、松永さんが――」

武内P「――ソロ曲の時の様に、伸び伸びと歌うようになった」

武内P「それは……」

武内P「皆さんに、本当に心を許しているからだろう、と」

武内P「……そう、思います」


拓海・里奈・夏樹「……」

828: 2019/01/23(水) 22:07:21.96 ID:dE7XFUHIo
武内P「皆さんも……そう、思っているのではありませんか?」


拓海・里奈・夏樹「……」コクリ


武内P「でしたら……」

武内P「――松永さんの独特な歌い方」

武内P「それを受け入れてあげては、どうでしょうか?」


拓海・里奈・夏樹「…………」


亜季「さっさと頷け、民間人が――ッ!!」


武内P「大和さん、貴女も民間人です」

829: 2019/01/23(水) 22:11:47.09 ID:dE7XFUHIo
亜季「はっ! 失礼しました、大佐殿!」ビシッ!

武内P「大和さん、私は大佐ではありません」

亜季「っ! おめでとうございます、少将殿!」ビシッ!

武内P「階級が上がった訳ではありません」


亜季「貴様ら――ッ!」

亜季「大佐殿にご迷惑をおかけするとは、何事か――ッ!」


拓海・里奈・夏樹「っ!?」ビクッ!


武内P「大和さん、心の速度を落としてください」

830: 2019/01/23(水) 22:19:58.70 ID:dE7XFUHIo
亜季「拓海! お前は罰として、焼き肉はレバーのみ!」

拓海「なっ!?」

亜季「里奈! お前は罰として、コンビニの利用禁止!」

里奈「ぽよっ!?」

亜季「夏樹! お前は罰として、一人称を‘夏樹’に!」

夏樹「きっつ!?」


亜季「大佐殿! 如何でありましょうか!」ビシッ!


武内P「大和さん、楽にしてください」


亜季「はっ! 喜べお前たち、罰を楽にせよとのお言葉だ!」


武内P「そうではなく」

831: 2019/01/23(水) 22:25:24.45 ID:dE7XFUHIo
  ・  ・  ・

亜季「も、申し訳ありませんでしたっ!」

武内P「いえ、大丈夫です」

亜季「……寛大なお言葉、感謝致します!」

武内P「しかし……何故、あそこまでエンジン全開に……」

亜季「いえ、それが……」


亜季「涼が、炎陣の活動中に、自分を曝け出す――」

亜季「――ありのままの自分を見せるようになりまして」

亜季「これは、自分も負けてはいられぬと思い……」

亜季「……つい」


武内P「……成る程」


拓海・里奈・夏樹「……」

832: 2019/01/23(水) 22:34:13.07 ID:dE7XFUHIo
武内P「大和さん」

武内P「私はこれから、彼女たち三人に事情を伺います」


拓海・里奈・夏樹「……」


亜季「大佐殿自ら……で、ありますか?」

武内P「プロデューサーです」


武内P「なので……」

…スッ


亜季「それは……ヘッドホン、でありますか?」


武内P「市原仁奈さんの、『みんなのきもち』」

武内P「これを聞きながら、待機していてください」


亜季「!?」

833: 2019/01/23(水) 22:43:28.04 ID:dE7XFUHIo
  ・  ・  ・

武内P「……成る程」

武内P「松永さんが、独特な歌い方を始めただけでなく」

武内P「つられて、大和さんのダンスもキレッキレになった、と」

武内P「それで……私の所に」


拓海「何か言おうとしても、ずっとあの調子でよぉ!?」

里奈「アタシも、さすがにまぢやばたんだと思ったぽよ!」

夏樹「アタシもしゃくれて……独特な歌い方しろ、って言われて!」


武内P「それは……大変でしたね」


亜季「あっ……あっ……」ビクンビクン!

亜季「ウッキッキのキ♪」ビクンビクン!

834: 2019/01/23(水) 22:55:48.94 ID:dE7XFUHIo
武内P「……ありのままの自分」

武内P「それを出しすぎてしまった、と」

武内P「……そう、言う事ですね」


拓海「アタシなんか、常にケンカを売りながら歩け、だぞ!?」

里奈「それで、コッソリここまで来たんだよねー☆」

夏樹「なっ? この人、トラブルには強いんだぜ」


武内P「……」

武内P「しかし……皆さんは、何故……」

武内P「大和さんに、真っ向から立ち向かわなかったのでしょうか?」


拓海・里奈・夏樹「それは……」チラッ


亜季「ともだちたくさん♪」ビクンビクン!

835: 2019/01/23(水) 23:01:57.21 ID:dE7XFUHIo
拓海「まあ……一番、年上だしよ」

里奈「ちょこちょこ……大人だなー、って」

夏樹「微妙に……気を遣うんだよな」


武内P「……」


拓海・里奈・夏樹「……」


武内P「……」


亜季「ぎゅっぎゅっぎゅーの、ぎゅっ♪」ビクンッ!

836: 2019/01/23(水) 23:09:24.95 ID:dE7XFUHIo
  ・  ・  ・

武内P「……――はい、もうこれで大丈夫です」

武内P「お手数をおかけしました」


涼「……ふぅ」

涼「しかし、急にどうしたのさ?」

涼「『純情Midnight伝説』の、アタシのソロバージョンが聞きたいなんて」


武内P「いえ、ただの確認です」

武内P「……良い、歌声でした」


涼「それにしても……」

涼「どうして、『みんなのきもち』を聞いた後でだったんだ?」


武内P「あの歌を聞くと……そう、ですね……」

武内P「……いえ、何でもありません」


涼「……?」

837: 2019/01/23(水) 23:15:00.50 ID:dE7XFUHIo
涼「おいおい、おかしなプロデューサーサンだな」

涼「けどまあ、褒められて悪い気はしないよ」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」


涼「おかしな、と言えば……」

涼「最近、大和さ……亜季の様子が、変なんだ」

涼「キレッキレのダンスが直ったと思いきや――」

涼「――たまに、‘ごぜーます’とか言ってるんだよな」


武内P「それは……恐らく、あと二日程で元に戻るかと」

838: 2019/01/23(水) 23:19:55.21 ID:dE7XFUHIo
涼「そうなのかい?」

涼「まあ、それなら良いんだけど、さ……」


武内P「松永さん?」

武内P「何か、他に問題でもありましたか?」


涼「ああ、いや……炎陣の方じゃなくてさ」

涼「――エルドリッチ・ロアテラー」

涼「小梅とのユニットで、おかしな事があって、さ」


武内P「……」

武内P「……白坂さんが……何か?」

839: 2019/01/23(水) 23:29:15.49 ID:dE7XFUHIo
涼「何て説明したら良いんだろうな……」

涼「……エルドリッチ・ロアテラーは――」

涼「アタシと小梅の――ペアユニットだろ?」


武内P「ええ、そうですね」


涼「それが……」

涼「――私も、負けない位頑張るね」

涼「……って言い出してから、さ」


武内P「はい」


涼「日が経つ毎に……」

涼「ユニットメンバーが、増えてる気がするんだよ」


武内P「……」

武内P「はい?」

840: 2019/01/23(水) 23:39:39.54 ID:dE7XFUHIo
涼「いや、アタシの気の所為だとはわかってるんだよ?」

涼「でも……確かに、増えてる気がするんだ」


武内P「……松永さん」

武内P「今日は、早めに帰ってお休みになってください」

武内P「私は……これから、やるべき事が出来てしまいました」


涼「はっ? どうしたのさ、急に」


武内P「貴女の本気が、白坂さんを本気にさせた、と」

武内P「……そういう事です」


涼「……?」

841: 2019/01/23(水) 23:45:27.02 ID:dE7XFUHIo
  ・  ・  ・

小梅「……えへへ」

小梅「め、メンバーがいっぱい居た方、が……」


オオオォォォ……!!


小梅「ダンスロック……た、楽しいよね……」


ガチャッ!

武内P「――失礼します」


カオガコワァァァイ……!


小梅「あっ、み、皆……ど、何処行くの……!?」


武内P「……」

842: 2019/01/23(水) 23:50:41.41 ID:dE7XFUHIo
武内P「白坂さん」

武内P「エルドリッチ・ロアテラーに関して、お話が」


小梅「な……何……?」


武内P「……松永さんは、ブレーキを踏んだので」

武内P「白坂さんも、少し抑えていただけますか?」


小梅「す、少し……?」

小梅「さ……三人増やす、位って事……?」


武内P「……」

武内P「白坂さんも、抑えていただけますか?」

843: 2019/01/24(木) 00:04:57.84 ID:OvAkTRzqo
小梅「でも……いっぱいの方が、楽しい……よ?」


武内P「……確かに、そうかも知れません」

武内P「ですが……白坂さんと松永さんの、二人」

武内P「お二人だで、十分魅力的なユニットだ、と」

武内P「……そう思います」


小梅「そ、そう……かな……?」


武内P「はい」


小梅「……えへへ、嬉しい……な///」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

武内P「ユニットメンバーに関わる事でしたら、今後は私――」


武内P「……」


武内P「部長に、相談してください」




おわり

844: 2019/01/24(木) 01:29:12.85 ID:HQS93sBfO
幽霊でさえ逃げ出すのか…
それはそうとがんばりやさんな小梅はかわいいな

引用元: 武内P「笑顔です……変身ッ!」