1: 2015/02/22(日) 23:24:21.11 ID:pxUGQjXZ0
~帰り道~
櫻子「あ~ 今日も疲れた疲れた」
向日葵「あなた今日も寝てただけじゃありませんの」 ハァ
櫻子「なにをー! 生徒会の仕事は頑張ったもんね」
向日葵「プリントの順番間違えて綴じたおバカさんは誰だったかしら?」
櫻子「ぐぬぬ… 細かいこと突っつきやがって…姑っぱい…」
向日葵「今日も宿題あるんですから、しっかりなさい」
櫻子「えー 今日はもうテレビ見てお菓子食べて寝たい!」
向日葵「はぁまったく、そんなことではダメですわよ」
向日葵「いいですこと?」
向日葵「わたくしの眼の黒いうちは、櫻子に怠けさせたりしませんわ!」
2: 2015/02/22(日) 23:26:35.11 ID:pxUGQjXZ0
櫻子「……」
櫻子「はぁ!?///」
向日葵「?どうしたんですの? いきなり顔を赤くして」
櫻子「それってつまり私が氏ぬまで面倒見てくれるって意味!?」
向日葵「それがどうしたんですの?」
櫻子「そ、それって…」
櫻子「プロポーズ、なんじゃ…」
3: 2015/02/22(日) 23:29:13.33 ID:pxUGQjXZ0
向日葵「……」
向日葵「はっはぁあああああ!?///」
向日葵「どこをどう解釈したらそうなりますのよ! このバカ娘!!///」
櫻子「普通そう考えるだろ! バカっぱい!!///」
ワー ワー
ギャー
4: 2015/02/22(日) 23:31:17.47 ID:pxUGQjXZ0
ひまさく「はぁ… はぁ…」
櫻子「もう向日葵なんて知らないんだからっ///」
タッタッタッタッ…
向日葵「あっ もう、まったくあの娘は…」
向日葵「帰る方向と逆に逃げて… どうするつもりかしら」
向日葵「ちょっと探しましょうか…」
5: 2015/02/22(日) 23:34:51.83 ID:pxUGQjXZ0
「あーー ダリィ 10万スったわ」
「いくら出ないからって台ガンガン叩くなよwwwwww」
「あの金ありゃあ、余裕で巨Oソープ嬢抱けたのにな… クソッ」
タッタッタッタ…
向日葵「さくらこー どこですのー?」タユンタユン
タッタッタッタッ…
「……」
「俺、いいこと思いついたかも」
「絶対ワリィこと考えてるだろwwwwwwww」
「ちょっと、引き返そうぜ」
6: 2015/02/22(日) 23:39:03.35 ID:pxUGQjXZ0
「あー、そこのお嬢さん」
向日葵「はい?」
「君の探してるサクラコ?って女の子知ってるよ」
向日葵「ほ、本当ですの?」
「あぁ、確かあの廃墟に入っていったよ」
向日葵(まったく… あのコったら、自由気ままなんだから)
向日葵「ありがとうございます、ちょっと探してみますわ」
「あそこは女の子一人じゃ危ないから、俺らも手伝ってあげるよ・・・」
7: 2015/02/22(日) 23:41:23.67 ID:pxUGQjXZ0
櫻子「あー なんで家と逆方向に逃げちゃったんだろ」
櫻子「もう向日葵帰っちゃったかな…」
櫻子(ん、あれは、向日葵?)
櫻子(あの人たちは誰だろ? 親戚の人かな)
櫻子(って、あんな人たち親戚にはいなかったような…)ハテ
櫻子(後を追ってみよう)
8: 2015/02/22(日) 23:46:56.09 ID:pxUGQjXZ0
~廃墟~
「お~ いいおっOいだねぇ」
向日葵「いやっ!や、やめて!」
「うぉっと案外、力あるなwwwwww」
「あとで交代してやっから、しっかり押さえとけよ」
向日葵「いやっ! もう、触らないで!」ポロポロ
「いい揉み応えだ。若いっていいわ」モミモミ
「そろそろ全部脱がすか」
向日葵「くっ このっ…!」
向日葵「変態っ!!」ビシッ
「いってぇ! このアマ…」
「あーあ こりゃやべぇぞwwwwww」
9: 2015/02/22(日) 23:55:02.47 ID:pxUGQjXZ0
「このクソガキが! おとなしくヤられりゃいいんだよ!」ガッ バキッ
向日葵「う… あ…」
「おいおい 何発殴るんだよwwww もう抵抗して無いじゃんwwww」
「ハァ、ハッ、俺に歯向かうやつはこうなるんだよ」
向日葵(……)
「さぁ これに懲りたら自分から脱ぎ…」
パンッ
10: 2015/02/22(日) 23:59:58.04 ID:pxUGQjXZ0
向日葵「あなた…なんかに…屈したりしません・・・わ」キッ
「ナイスビンタwwwwww」
「いてぇな……!」
向日葵「……」
「なんだその目は…」
「このっ! クソガキガアァアアアア!!!」
ガッ!!
向日葵「━━━っ!!」
「あっ…」
「あっ…」
向日葵「アアアアアアアアアア!!」
(思いっきり眼を殴りやがったwwwwww しーらねwwww)
「ふ、ふん 素直にならねぇからだ…」
11: 2015/02/23(月) 00:07:12.00 ID:qlnodwjN0
櫻子「向日葵どこいったんだ 見失っちゃったよー」
アアアアアアアアアア!!
櫻子「!? 今の声は…!」ダッ
< ヒマワリー ドコダー?!
「やべぇ 誰か来たwwwwww」
「逃げるぞ 急げ!」ダッ
12: 2015/02/23(月) 00:13:09.11 ID:qlnodwjN0
櫻子「向日葵っ ここか!?」
櫻子「 向日葵 !! どうしたの、ボロボロじゃん!?」
向日葵「さくらこ…ですの?」
櫻子「そうだよ! だから安心しろ!」
櫻子「なんか知らないけど、早くここ出るよ!」
櫻子「さぁ、私の手に捕まって」
向日葵「………」
櫻子「……向日葵、どうしたの?」
向日葵「なにも、なにも見えませんわ━━━」
13: 2015/02/23(月) 00:18:14.57 ID:qlnodwjN0
櫻子(それから大騒ぎだった)
櫻子(ニュースでも報道されたくらい)
櫻子(犯人は…警察が捜してるけど、まだ見つかっていない)
櫻子(向日葵はすぐに救急車で連れて行かれた)
櫻子(……)
櫻子(身体の怪我は治るけれど…)
櫻子(向日葵の眼は、一生、光を見ることはなくなった)
14: 2015/02/23(月) 00:22:53.39 ID:qlnodwjN0
キーン カーン
コーン コーン
「古谷さん、学校来なくなって2ヶ月だね…」
「櫻子ちゃん、毎日古谷さんの所に行ってるんだって」
「櫻子ちゃんも、悲しいよねぇ…」
櫻子(……)
~向日葵の部屋~
櫻子「向日葵ー 入るぞー」カチャ
向日葵「櫻子? いらっしゃい」
櫻子「これ、駅前で買ったクッキー、良かったら食べて」
向日葵「ふふっ珍しいですわね 櫻子が手をつけてないなんて」
櫻子「なんだとー!? いらないなら私が食べるぞ!」
向日葵「いただきますわ ありがとう櫻子」
櫻子「うん」
15: 2015/02/23(月) 00:28:42.05 ID:qlnodwjN0
向日葵「ねぇ櫻子、今日は大事なお話があるんですの」
櫻子「……なに?」
向日葵「実はわたくし、来月から特別支援学校に行くことになりましたの」
櫻子「え…」
向日葵「眼が見えなくても、しっかり勉強できる所なんですのよ」
櫻子「向日葵、遠くに行っちゃうの!?」
向日葵「それが、ひと駅離れたところなんですの」
櫻子「なぁ~んだ、そっかー…」ホッ
向日葵「でも、学校は離れ離れですわね…」
櫻子「毎日会いに行くし、気にならないよ」
向日葵「もうっ」 クス
16: 2015/02/23(月) 00:35:19.98 ID:qlnodwjN0
向日葵「それでね、わたくし、生徒会の先輩方や娯楽部のみなさん」
向日葵「先生や、クラスのみなさんにお別れできないのが気がかりなの」
向日葵「ですから、転校するまでの期間… 学校に通いたいんですの」
櫻子「!」
向日葵「やっぱり、迷惑かしら…」
櫻子「そんなことない! みんなも喜ぶよ!」
17: 2015/02/23(月) 00:38:15.99 ID:qlnodwjN0
向日葵(その次の週から、わたくしは学校に復帰しました)
向日葵(復帰日の朝、生徒会や娯楽部のみなさんがサプライズでいらっしゃって)
向日葵(感激して、思わず泣いてしまいましたわ)
向日葵(赤座さんと吉川さんは優しく、暖かい言葉をくれて)
向日葵(歳納先輩は明るく、賑やかに冗談を言ってくれて)
向日葵(杉浦先輩、船見先輩がそれをたしなめて)
向日葵(池田先輩がふんわり優しい笑顔で見守って)
向日葵(櫻子は━━━ 見えなくても、わかる)
向日葵(きっと、太陽のような笑顔、ですわ)
18: 2015/02/23(月) 00:41:06.85 ID:qlnodwjN0
キーン カーン
コーン コーン
向日葵(あともう少しだと思うと、名残惜しいですわ)
向日葵(みなさん、本当によくしてくれて…)
向日葵(転校の決心が、にぶってしまいそう)
向日葵(ハッ いけませんわ、こんなことでは!) ブンブン
向日葵(気をしっかり持って、何でも一人でできるようにならないと!)
向日葵(今はまだ、櫻子にお世話してもらってばかりですからね…)
「あっ 古谷さんだ」
「学校来てるんだねー」
「櫻子ちゃんが毎日お世話してるんだって!」
「「へ~ アツーい!!」」
向日葵(もう/// 聞こえてますわよ///)
向日葵(眼が見えなくなってから、耳が良くなった気がしますわ)
19: 2015/02/23(月) 00:42:00.95 ID:qlnodwjN0
「あー… だから櫻子ちゃん、成績ガタ落ちしたんだ」
向日葵(え…)
20: 2015/02/23(月) 00:45:00.38 ID:qlnodwjN0
「あー、しかも生徒会でのミス増えたって!」
「あんだけ世話焼いてたんじゃ、そうなるわなー」
「だよねー… 世話っていうか、
介護だもんね」
ガラガラ パタン
向日葵(………)
21: 2015/02/23(月) 00:46:14.73 ID:qlnodwjN0
櫻子「うー この前のテストは散々だったわ…」
櫻子「いつも向日葵が教えてくれてたからなぁ」
櫻子「生徒会でも、向日葵のフォローがなくなってミス増えちゃってるし…」
櫻子「まぁ櫻子様ならすぐ、一人で何でもこなせるようになるのさ!」ムフー
向日葵「………」
櫻子「おっ いたいた向日葵! 帰るぞー!」
向日葵「………」
櫻子「…? 向日葵?」
向日葵「……ありがとう、櫻子 でも、今日はお母さんがお迎えに来るから」
櫻子「あれ? そうだったっけ?」ハテ
向日葵「あと、これからは、なるべく一人でこなしますわ」
向日葵「おトイレも、階段も、登下校も、付き添わなくて結構ですわ」
櫻子「え、何言ってんの、まだ危ないって!」
向日葵「いいんですのよ、ありがとう、櫻子」
櫻子「向日葵……」
22: 2015/02/23(月) 00:48:57.17 ID:qlnodwjN0
櫻子(その後、どう説得してもダメだった)
櫻子(向日葵はお母さんに電話して迎えに来てもらった)
櫻子(一緒に乗せてくれるって言ってたけど、なんとなく、断っちゃった)
櫻子(向日葵が一人になりたいように見えたから、かな)
櫻子(あーもう、どうしちゃったんだよ、向日葵!)
24: 2015/02/23(月) 00:53:51.70 ID:qlnodwjN0
~休日 向日葵の部屋~
チュン
チュン
櫻子「向日葵ー、きたぞー」ガチャ
向日葵「あらおはよう、櫻子 どうしたんですの」
櫻子「どうしたのって… 今日は向日葵んち、両親いないじゃんか」
向日葵「そうですけれど… 楓もいますし、櫻子に手は焼かせませんわ」
櫻子「! ・・・またそれっ」
櫻子「もう、どうしちゃったんだよ 向日葵!!」
向日葵「……何が、ですの?」
櫻子「ちょっと前からよそよそしくなっちゃってさ!」
櫻子「水臭いじゃんか! この櫻子様に面倒見させろっての!」
櫻子「私の眼の黒いうちは、一生面倒見てやるんだからね!」
向日葵(っ!)
向日葵(櫻子、あなたって子は…)
25: 2015/02/23(月) 00:57:30.96 ID:qlnodwjN0
向日葵(どこまでもまっすぐで、まぶしくて)
向日葵(わたくしにとって、太陽のような子)
向日葵(わたしくだって、ずっと、あなたを見上げていたい…)
向日葵(そばにいたい…)
向日葵(……けれど)
向日葵(あなたの人生を喰いつぶすことだけは、したくありませんわ)
26: 2015/02/23(月) 01:00:17.46 ID:qlnodwjN0
向日葵「━━ふん、ずいぶん偉そうなんですのね」
向日葵「どうせわたくしの面倒を見て、優越感を得ているだけでしょうに」
櫻子「!?」
向日葵「周りから褒められて、いい気になっているんでしょう?」
櫻子「っ! そんなことない!」
向日葵「あのね、櫻子」
向日葵「眼の見えるあなたと、眼の見えないわたくしでは」
向日葵「もう住む世界が違うんですの」
櫻子「住む世界が━━━違う?」
向日葵「ええ、ですから」
向日葵「もう、つきまとわないで欲しいですわ」
27: 2015/02/23(月) 01:03:28.53 ID:qlnodwjN0
櫻子「━━━━っ!」
ガチャッ タッタッタッタ…
向日葵「嫌われ、ましたわね」ポロッ
向日葵「これで… これで、よかったんですわ」ポロポロポロポロ
向日葵「これで、あの子は幸せな人生を」
向日葵「歩んでいけますわね…」
楓「ひまわりお姉ちゃん、それはちがうと思うの」
28: 2015/02/23(月) 01:07:34.46 ID:qlnodwjN0
向日葵「!? 楓、聞いてたの?」
楓「さくらこお姉ちゃん、泣いてかえったの」
向日葵「……」
楓「きっと、さくらこお姉ちゃんも、今のひまわりお姉ちゃんと同じきもちなの」
楓「ずっといっしょにいたいって、思ってるの」
向日葵「……!」
向日葵「でも、でも、わたくしがあの子の邪魔になるわけにはっ!」
楓「さくらこお姉ちゃんがいえにきてたとき、ずっとうれしそうだったの」
楓「でもさいきん会えなくてずっとさびしそうだったの…」
楓「ひまわりお姉ちゃんもさいきん元気なかったの…」
楓「きっと、ふたりともぱわーを与えあってたの!」
楓「だから、はなればなれになったら幸せじゃないの…」
向日葵「……」
29: 2015/02/23(月) 01:09:48.22 ID:qlnodwjN0
『ひまちゃんっていうんだ! よろしく!』
『ひまちゃん、あそぼーよ!』
『ひまちゃん、いっしょにかえろ!』
『ライバルだから、今日から向日葵って呼ぶ!』
『向日葵が入るんなら、私も生徒会に入る!』
『はぁ!?/// なに言ってんだよ バカッぱい!』
『私の眼の黒いうちは、一生面倒見てやるんだからね!』
30: 2015/02/23(月) 01:12:00.92 ID:qlnodwjN0
向日葵「さく…らこ… さくらこぉ……!」 ボロボロ
楓「さくらこお姉ちゃんも、きっといまごろ、おへやで泣いてるの」
向日葵「……!」
楓「行ってあげてほしいの!」
向日葵「楓、ありがとうございますわ!」ゴシゴシ
ガチャッ ドタドタドタ…
楓「ぐっどらっくなの、ひまわりお姉ちゃん!」
31: 2015/02/23(月) 01:15:47.18 ID:qlnodwjN0
~櫻子の家~
向日葵(眼が見えなくても、勝手知ったる櫻子の家)
向日葵(一人でも部屋までたどり着けますわ!)ドタドタ…
ガチャッ!
向日葵「さくらこっ!」
櫻子「……向日葵?」
向日葵「聞いてほしいんことがあるんですの、櫻子っ!」ドタドタ
向日葵「わたくしが間違ってましたわ!!」ダキッ
向日葵「やっぱり、どんな境遇だったとしても、あなたといたいですわ!」
櫻子「私も… 私も、そう思ってるよ」
向日葵「ああ、よかった、本当に良かった…!」
向日葵「もう一生、放しませんわっ」 ピチャピチャッ
32: 2015/02/23(月) 01:18:14.99 ID:qlnodwjN0
向日葵「あら、ごめんなさい、こんなに泣かせてしまいましたわね」 フキフキ
櫻子「あはは… 向日葵、これ、涙じゃなくって」
櫻子「 血だよ 」
向日葵「え………?」
33: 2015/02/23(月) 01:19:03.01 ID:qlnodwjN0
櫻子「眼、つぶしちゃった」
34: 2015/02/23(月) 01:20:16.58 ID:qlnodwjN0
向日葵「あっ あああ」
櫻子「いやー ホント何も見えないねこれ」
向日葵「あああああああ」
櫻子「でもこれで、向日葵と私、住む世界一緒だよね?」
向日葵「イヤァアアあ”アアア”アあアアああ!!!!!!!!」
櫻子「ふふっ 向日葵っ」
櫻子「ずっと、いっしょだよ!」
おわり
35: 2015/02/23(月) 01:21:13.01 ID:qlnodwjN0
38: 2015/02/23(月) 15:12:46.99 ID:57NklI3/O
いや、怖えよ
良短編ホラーだと思った
良短編ホラーだと思った
39: 2015/03/08(日) 01:08:28.90 ID:0lYN6tZB0
乙乙
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