1: 2011/02/27(日) 20:58:17.25 ID:EipfIedh0
男「っ!?」
姉「うらめしやー」
男「………姉ちゃん」
姉「ん?」
男「姉ちゃんがやるとマジで怖いからやめて下さい」
姉「そぉ? おしっこでちゃう?」
男「うん……いや、おしっこは出ないけどね?」
姉「わかった。今度からトイレにいるときにやるー」
男「出ないからね?」
姉「わかったわかったー」
男「わかってないよね? その顔はちっともわかってない顔だよね?」
姉「うらめしやー」
男「………姉ちゃん」
姉「ん?」
男「姉ちゃんがやるとマジで怖いからやめて下さい」
姉「そぉ? おしっこでちゃう?」
男「うん……いや、おしっこは出ないけどね?」
姉「わかった。今度からトイレにいるときにやるー」
男「出ないからね?」
姉「わかったわかったー」
男「わかってないよね? その顔はちっともわかってない顔だよね?」
5: 2011/02/27(日) 21:03:55.63 ID:EipfIedh0
姉「お皿がー…いちまいー…にーまいー…」
男「姉ちゃん?」
姉「………二枚しかない」
男「そりゃ…男の一人暮らしに何枚も皿があるわけないよ」
姉「…一枚足りないかもしれない」
男「いや、二枚あれば足りてるから」
姉「よく考えて? 本当は三枚あったでしょ?」
男「姉ちゃん、『一枚足りなーい』って言いたいだけでしょ?」
姉「そうそれ」
男「さてと、晩ご飯でも作るかな」
姉「……お茶碗なら一枚足りないかも!?」
男「…お茶碗は最初から一個だけです」
男「姉ちゃん?」
姉「………二枚しかない」
男「そりゃ…男の一人暮らしに何枚も皿があるわけないよ」
姉「…一枚足りないかもしれない」
男「いや、二枚あれば足りてるから」
姉「よく考えて? 本当は三枚あったでしょ?」
男「姉ちゃん、『一枚足りなーい』って言いたいだけでしょ?」
姉「そうそれ」
男「さてと、晩ご飯でも作るかな」
姉「……お茶碗なら一枚足りないかも!?」
男「…お茶碗は最初から一個だけです」
6: 2011/02/27(日) 21:16:03.83 ID:EipfIedh0
姉「………」
男「姉ちゃん…」
姉「わ、バレた?」
男「なにしてんの?」
姉「話せば長くなるけど、コスプレAVというものを見てみたかった。悪気はなかった」
男「人のパソコンを勝手に立ち上げるのはやめて下さい…ていうかパスワードとかどうやって」
姉「そこはほら、パッとしてジュって感じ?」
男「意味がわからない」
姉「うん、いいところに来たね。パソコンを立ち上げたはいいもののどうやってベッドの下のDVDをパソコンに入れるか困っていたのだ」
男「…意味がわかりません」
姉「いいではないかーいいではないかー」
男「…言っておくけど、そのDVDに悪代官プレイはないからね?」
姉「え!? そうなの……残念」
男「姉ちゃん…」
姉「わ、バレた?」
男「なにしてんの?」
姉「話せば長くなるけど、コスプレAVというものを見てみたかった。悪気はなかった」
男「人のパソコンを勝手に立ち上げるのはやめて下さい…ていうかパスワードとかどうやって」
姉「そこはほら、パッとしてジュって感じ?」
男「意味がわからない」
姉「うん、いいところに来たね。パソコンを立ち上げたはいいもののどうやってベッドの下のDVDをパソコンに入れるか困っていたのだ」
男「…意味がわかりません」
姉「いいではないかーいいではないかー」
男「…言っておくけど、そのDVDに悪代官プレイはないからね?」
姉「え!? そうなの……残念」
8: 2011/02/27(日) 21:22:05.71 ID:EipfIedh0
男「…それじゃ、行ってきます」
姉「いってらっさー」
男「……一応言っておくけど」
姉「わかってる。『輪姦女教師~白濁の放課後~』の録画ちゃんとしておくから」
男「違うから。ていうか、なんなのそのタイトル…」
姉「え? 昼ドラだけど?」
男「…そ、そうなんだ――じゃなくて!」
姉「はいはい、わかってるって。チャイムが鳴ってもドアを開けない。大人しく部屋でじっとしてる」
男「そうそれ」
姉「早く帰ってきてねー。あ、オミヤゲはローソンのロールケーキがいいなぁ」
男「はぁっ……行ってきます」
姉「らっしゃーい」
姉「いってらっさー」
男「……一応言っておくけど」
姉「わかってる。『輪姦女教師~白濁の放課後~』の録画ちゃんとしておくから」
男「違うから。ていうか、なんなのそのタイトル…」
姉「え? 昼ドラだけど?」
男「…そ、そうなんだ――じゃなくて!」
姉「はいはい、わかってるって。チャイムが鳴ってもドアを開けない。大人しく部屋でじっとしてる」
男「そうそれ」
姉「早く帰ってきてねー。あ、オミヤゲはローソンのロールケーキがいいなぁ」
男「はぁっ……行ってきます」
姉「らっしゃーい」
10: 2011/02/27(日) 21:29:21.01 ID:EipfIedh0
男「…ふぅ」
友「どーした? マイフレンズ、そんな夫が構ってくれなくて夜の生活が寂しい主婦のようなタメ息をついて」
男「………なにそれ」
友「端的に言えば、欲求不満だな。仕方ない…ここは俺の秘蔵のコスプレAVを貸してやろう」
男「いらない」
友「わかった! おまえがそこまで言うなら、俺も鬼じゃない。どう見ても20代後半の女性がブルマを穿いて
騎馬戦やら棒倒しで戦い、負けた方にムフフ展開!買ったほうにもムフフ展開!の秘蔵DVDを2泊3日で」
男「いやだから、いらないって」
友「そうは言っても…お前、最近肌のつやがいいし、気力も充実してるし…」
男「いいことじゃん」
友「オXXーしてないんじゃないかと心配に」
男「…曲がりなりにも公道でオXXーとか言うなよ」
友「失礼。センズリしてないんじゃないかと心配に」
男「同じだバカ」
友「どーした? マイフレンズ、そんな夫が構ってくれなくて夜の生活が寂しい主婦のようなタメ息をついて」
男「………なにそれ」
友「端的に言えば、欲求不満だな。仕方ない…ここは俺の秘蔵のコスプレAVを貸してやろう」
男「いらない」
友「わかった! おまえがそこまで言うなら、俺も鬼じゃない。どう見ても20代後半の女性がブルマを穿いて
騎馬戦やら棒倒しで戦い、負けた方にムフフ展開!買ったほうにもムフフ展開!の秘蔵DVDを2泊3日で」
男「いやだから、いらないって」
友「そうは言っても…お前、最近肌のつやがいいし、気力も充実してるし…」
男「いいことじゃん」
友「オXXーしてないんじゃないかと心配に」
男「…曲がりなりにも公道でオXXーとか言うなよ」
友「失礼。センズリしてないんじゃないかと心配に」
男「同じだバカ」
11: 2011/02/27(日) 21:39:45.51 ID:EipfIedh0
友「ううむ……お前がオナ禁とは…オXXー男爵と言われていたお前がオナ禁とは」
男「言われてない。……言われたことないよ?」
友「……ここは友人として、お前にこの工口ゲー…『盗撮~お兄ちゃん以外の人にパンツ見られちゃう~』を貸し与えるしかないな!」
男「だから、道の真ん中で盗撮とかパンツとか」
友「本当にどうした? いつもなら気にしないそぶりで、こっそり借りていくムッツリストだったのに」
男「いやだからさ、今、姉ちゃんが…」
友「あ…」
男「あ…いや」
友「悪い。不謹慎だったな。お姉さんが氏んでまだ一ヶ月も経ってないのに」
男「え?」
友「…マジ悪い。忘れてたわけじゃないんだけど…最近、お前、明るかったから吹っ切れたのかとか…そんなわけないのにな」
男「………」
男「言われてない。……言われたことないよ?」
友「……ここは友人として、お前にこの工口ゲー…『盗撮~お兄ちゃん以外の人にパンツ見られちゃう~』を貸し与えるしかないな!」
男「だから、道の真ん中で盗撮とかパンツとか」
友「本当にどうした? いつもなら気にしないそぶりで、こっそり借りていくムッツリストだったのに」
男「いやだからさ、今、姉ちゃんが…」
友「あ…」
男「あ…いや」
友「悪い。不謹慎だったな。お姉さんが氏んでまだ一ヶ月も経ってないのに」
男「え?」
友「…マジ悪い。忘れてたわけじゃないんだけど…最近、お前、明るかったから吹っ切れたのかとか…そんなわけないのにな」
男「………」
16: 2011/02/27(日) 21:48:35.07 ID:EipfIedh0
男「…ただいま」
姉「うふふ…おかえりなさい、あ・な・た」
男「は?」
姉「私にする? 姉ちゃんにする? それとも……ブ・ラ・ウ・ブ・ロ?」
男「じゃあ、ブラウ・ブロで」
姉「えぇぇっ!? なんで!? ねぇ、なんでブラウ・ブロ? 姉ちゃんの方が絶対いいって!」
男「ブラウ・ブロかっこいいじゃん」
姉「姉ちゃんの方が絶対かっこいい!」
男「…さ、ごはんごはんっと」
姉「お姉ちゃんを選ばない弟がウチの敷居をまたげると思うな!」
男「敷居は、もうまたいでるし」
姉「あ、ほんとだ」
男「さ、ごはんごはんっと」
姉「こ、こら! 待ちなさい! 姉ちゃんをすり抜けて行くなぁーっ!」
姉「うふふ…おかえりなさい、あ・な・た」
男「は?」
姉「私にする? 姉ちゃんにする? それとも……ブ・ラ・ウ・ブ・ロ?」
男「じゃあ、ブラウ・ブロで」
姉「えぇぇっ!? なんで!? ねぇ、なんでブラウ・ブロ? 姉ちゃんの方が絶対いいって!」
男「ブラウ・ブロかっこいいじゃん」
姉「姉ちゃんの方が絶対かっこいい!」
男「…さ、ごはんごはんっと」
姉「お姉ちゃんを選ばない弟がウチの敷居をまたげると思うな!」
男「敷居は、もうまたいでるし」
姉「あ、ほんとだ」
男「さ、ごはんごはんっと」
姉「こ、こら! 待ちなさい! 姉ちゃんをすり抜けて行くなぁーっ!」
20: 2011/02/27(日) 21:57:43.40 ID:EipfIedh0
姉「姉ちゃん、考えました」
男「…なにを? どうせつまんないことでしょ?」
姉「つまならくもないし、くだらなくもありません」
男「えー…なに?」
姉「…その、男の子って、毎晩…するんでしょ? コレ?」
男「その手を上下させるジェスチャーはやめて」
姉「それなのに…全然してる形跡もないし…」
男「形跡を探さないで」
姉「もしかしたら、姉ちゃんがいるせいで、しこしこできないのかと」
男「しこしことか言わないで」
姉「そこで、この心の優しい姉ちゃん! 今晩は目をつむっていてあげようと!」
男「………」
姉「…そこ! 『うわぁ…』って顔しない!」
男「…なにを? どうせつまんないことでしょ?」
姉「つまならくもないし、くだらなくもありません」
男「えー…なに?」
姉「…その、男の子って、毎晩…するんでしょ? コレ?」
男「その手を上下させるジェスチャーはやめて」
姉「それなのに…全然してる形跡もないし…」
男「形跡を探さないで」
姉「もしかしたら、姉ちゃんがいるせいで、しこしこできないのかと」
男「しこしことか言わないで」
姉「そこで、この心の優しい姉ちゃん! 今晩は目をつむっていてあげようと!」
男「………」
姉「…そこ! 『うわぁ…』って顔しない!」
24: 2011/02/27(日) 22:03:46.91 ID:EipfIedh0
姉「さぁ! 姉ちゃんのことは気にしないで励みなさい!」
男「…気にしないでと言われても」
姉「姉ちゃん、見ないし、聞かないし、言わないよ!」
男「…いや、すごい指の隙間開いてるから。目、ぱっちり開いてるから。………すこしは見てないポーズしてよ」
姉「気にしないで!」
男「気になるって!」
姉「むぅ…しかたない」
男「そう。あきらめてください。だいたい家族に見られてそういうことできないって」
姉「ムラムラしてどうしようもないけど、姉ちゃんがいると気が散って、性欲発散に集中できないと言うのなら」
男「言ってない。そんなこと一言も言ってないから」
姉「姉ちゃん、消えます」
男「へ?」
男「…気にしないでと言われても」
姉「姉ちゃん、見ないし、聞かないし、言わないよ!」
男「…いや、すごい指の隙間開いてるから。目、ぱっちり開いてるから。………すこしは見てないポーズしてよ」
姉「気にしないで!」
男「気になるって!」
姉「むぅ…しかたない」
男「そう。あきらめてください。だいたい家族に見られてそういうことできないって」
姉「ムラムラしてどうしようもないけど、姉ちゃんがいると気が散って、性欲発散に集中できないと言うのなら」
男「言ってない。そんなこと一言も言ってないから」
姉「姉ちゃん、消えます」
男「へ?」
27: 2011/02/27(日) 22:11:18.49 ID:EipfIedh0
男「………ねえちゃん?」
男「………」
男「姉ちゃん?……姉ちゃんってば!」
男「…ウソでしょ? 姉ちゃん? 姉ちゃん! 姉ちゃんっ!!」
男「………」
姉「なぁんてねー!」
男「……ねえちゃ…ん」
姉「びっくりした? 実は床下に潜っていただけでしたー……なん、て…あ…ご、ごめっ」
男「……びっくりした…ほんとに」
姉「…バカねー泣かないでもいいでしょー…もーしょうがない子ねぇ」
男「だって……いなくなったかと思って」
姉「…もう、いなくなってるんだって」
男「……そんなのウソだ。まだ、いるよ、ここに」
姉「……ほんと、しょうがない子」
男「………」
男「姉ちゃん?……姉ちゃんってば!」
男「…ウソでしょ? 姉ちゃん? 姉ちゃん! 姉ちゃんっ!!」
男「………」
姉「なぁんてねー!」
男「……ねえちゃ…ん」
姉「びっくりした? 実は床下に潜っていただけでしたー……なん、て…あ…ご、ごめっ」
男「……びっくりした…ほんとに」
姉「…バカねー泣かないでもいいでしょー…もーしょうがない子ねぇ」
男「だって……いなくなったかと思って」
姉「…もう、いなくなってるんだって」
男「……そんなのウソだ。まだ、いるよ、ここに」
姉「……ほんと、しょうがない子」
29: 2011/02/27(日) 22:17:15.26 ID:EipfIedh0
姉「はぁっ…姉ちゃん、もう氏んでるんだからさ」
男「…氏んでても関係ない」
姉「姉ちゃんがいると…困るでしょ? さっき言ったようなこととか…彼女連れ込んだりしたときとか」
男「…別に、姉ちゃんがいて困ることなんか何もない。彼女なんていない」
姉「知ってる? そういうの世間ではシスコンっていうのよ?」
男「……知ってる」
姉「そんなだから、姉ちゃん、氏んでも氏に切れないのよねぇ…手がかかるなーこの弟は」
男「…悪かったな」
姉「まぁ、そこがかわいいんだけど」
男「………姉ちゃん、知ってる?」
姉「なに?」
男「そういうの世間ではブラコンていう」
姉「…うん、知ってる」
男「…氏んでても関係ない」
姉「姉ちゃんがいると…困るでしょ? さっき言ったようなこととか…彼女連れ込んだりしたときとか」
男「…別に、姉ちゃんがいて困ることなんか何もない。彼女なんていない」
姉「知ってる? そういうの世間ではシスコンっていうのよ?」
男「……知ってる」
姉「そんなだから、姉ちゃん、氏んでも氏に切れないのよねぇ…手がかかるなーこの弟は」
男「…悪かったな」
姉「まぁ、そこがかわいいんだけど」
男「………姉ちゃん、知ってる?」
姉「なに?」
男「そういうの世間ではブラコンていう」
姉「…うん、知ってる」
32: 2011/02/27(日) 22:24:56.42 ID:EipfIedh0
友「聞いてくれ」
男「あとにして」
友「大事な話なんだ」
男「とてもじゃないが、お前の口から大事な話が出てくるとは思えない」
友「俺、昨日の夜、眠れなくてさ」
男「え、話すの? 俺、今から講義あるんだけど」
友「…もし、俺に12人の義理の妹がいて、目が覚めたら、そのうちの一人が『お兄様ったら朝からこんなに』とか」
男「…大事な話か?」
友「めちゃくちゃ大事だろ! 人生の一大事だぞ!」
男「……妄想じゃん…めちゃくちゃ妄想じゃん」
友「俺には…12人から一人の妹を選ぶことなんてできない…できないんだっ……どうすればいい? 俺はどうすれば…」
男「現実を見れば?」
友「…その一言が聞きたかった」
男「あとにして」
友「大事な話なんだ」
男「とてもじゃないが、お前の口から大事な話が出てくるとは思えない」
友「俺、昨日の夜、眠れなくてさ」
男「え、話すの? 俺、今から講義あるんだけど」
友「…もし、俺に12人の義理の妹がいて、目が覚めたら、そのうちの一人が『お兄様ったら朝からこんなに』とか」
男「…大事な話か?」
友「めちゃくちゃ大事だろ! 人生の一大事だぞ!」
男「……妄想じゃん…めちゃくちゃ妄想じゃん」
友「俺には…12人から一人の妹を選ぶことなんてできない…できないんだっ……どうすればいい? 俺はどうすれば…」
男「現実を見れば?」
友「…その一言が聞きたかった」
33: 2011/02/27(日) 22:31:54.57 ID:EipfIedh0
男「……と、友人には偉そうに言ってるけど」
姉「おかえりー今日は早かったね?」
男「5、6限が休講だったから」
姉「ふーん、そなんだ。休講って、話には聞くけど、大学ってホントに休講ってあるんだー」
男「……俺が見てるのは現実だよなぁ」
姉「ん?」
男「なんでもない」
姉「そう? 今日の晩ご飯は?」
男「カレー」
姉「……昨日もカレーだったけど? いいの? 栄養のバランスとか考えないと体壊すよ? 今は若いからいいけど…」
男「わかった。明日はスーパーでトンカツ買ってきてカツカレーにするから」
姉「わかってないでしょ! ちょっと、ここ正座! 正座しなさい!」
姉「おかえりー今日は早かったね?」
男「5、6限が休講だったから」
姉「ふーん、そなんだ。休講って、話には聞くけど、大学ってホントに休講ってあるんだー」
男「……俺が見てるのは現実だよなぁ」
姉「ん?」
男「なんでもない」
姉「そう? 今日の晩ご飯は?」
男「カレー」
姉「……昨日もカレーだったけど? いいの? 栄養のバランスとか考えないと体壊すよ? 今は若いからいいけど…」
男「わかった。明日はスーパーでトンカツ買ってきてカツカレーにするから」
姉「わかってないでしょ! ちょっと、ここ正座! 正座しなさい!」
34: 2011/02/27(日) 22:40:15.97 ID:EipfIedh0
友「…俺もうるおいが欲しい」
男「自販機は2階」
友「そうじゃなくて! そうじゃなくって!」
男「……仕方ない、全部飲むなよ?」
友「だから、お前が飲んでるカフェオレを羨んでるわけじゃないんだって!」
男「…わけがわからない」
友「いや、見ろよ! ほら、窓の外を! アベックどもがこっちでイチャイチャあっちでイチャイチャと!」
男「あべっく…って」
友「そろそろ気温も上昇して春の足音が聞こえてきそうなこの季節にっ……くそう! 俺も二次元の恋人が欲しい!」
男「…そういうこと叫んでるから、ダメなんじゃね?」
男「自販機は2階」
友「そうじゃなくて! そうじゃなくって!」
男「……仕方ない、全部飲むなよ?」
友「だから、お前が飲んでるカフェオレを羨んでるわけじゃないんだって!」
男「…わけがわからない」
友「いや、見ろよ! ほら、窓の外を! アベックどもがこっちでイチャイチャあっちでイチャイチャと!」
男「あべっく…って」
友「そろそろ気温も上昇して春の足音が聞こえてきそうなこの季節にっ……くそう! 俺も二次元の恋人が欲しい!」
男「…そういうこと叫んでるから、ダメなんじゃね?」
36: 2011/02/27(日) 22:45:01.52 ID:EipfIedh0
友「DS買って、ラブプラスでもやるしかないか…」
男「まぁ、がんばれば…?」
女「せ、せんぱいっ」
友「なんだい?」
女「あ……えと、ち、違います」
男「ん? ああ、なんだ。どうしたの?」
女「いえ、あの、近くを通りかかったので……そ、その、ご挨拶をとか」
男「いいのに、そんなかしこまらなくても」
女「い、いえいえ、それで、あの先輩は、お昼は…そのごはんは」
男「学食だけど」
女「わ、私も学食なんです!」
男「そう」
女「そ、それで先輩、もし良かったら」
男「まぁ、がんばれば…?」
女「せ、せんぱいっ」
友「なんだい?」
女「あ……えと、ち、違います」
男「ん? ああ、なんだ。どうしたの?」
女「いえ、あの、近くを通りかかったので……そ、その、ご挨拶をとか」
男「いいのに、そんなかしこまらなくても」
女「い、いえいえ、それで、あの先輩は、お昼は…そのごはんは」
男「学食だけど」
女「わ、私も学食なんです!」
男「そう」
女「そ、それで先輩、もし良かったら」
37: 2011/02/27(日) 22:50:48.30 ID:EipfIedh0
友「な、なんということー!?」
男「は?」
女「え?」
友「…仲間だと思っていたのに…親友だと信じていたのに…っ」
男「……ごめんね。こいつ、ちょっとおかしいところがあって」
女「はぁ…あの、それで先輩、お昼に」
友「俺の…俺の……がこんな…淫乱肉奴隷を飼っていただなんてぇーっ!!!」
男「大声でなにを言うこのバカーっ!!!」
友「……さいごに…成長したお前を見れて、俺は満足だぜ……お前にもう教えることはなにもないぜ…ぐはっ」
男「…って、おい待て、どこに行く!?」
女「あの、先輩、いんらんにくってなんですか?」
男「………」
男「は?」
女「え?」
友「…仲間だと思っていたのに…親友だと信じていたのに…っ」
男「……ごめんね。こいつ、ちょっとおかしいところがあって」
女「はぁ…あの、それで先輩、お昼に」
友「俺の…俺の……がこんな…淫乱肉奴隷を飼っていただなんてぇーっ!!!」
男「大声でなにを言うこのバカーっ!!!」
友「……さいごに…成長したお前を見れて、俺は満足だぜ……お前にもう教えることはなにもないぜ…ぐはっ」
男「…って、おい待て、どこに行く!?」
女「あの、先輩、いんらんにくってなんですか?」
男「………」
38: 2011/02/27(日) 22:55:48.43 ID:EipfIedh0
姉「今日は学校どうだった?」
男「…普通」
姉「そう、良かったね」
男「…普通なんだけど?」
姉「いつだって、普通が一番でしょ?」
男「………まぁ、そうかもね」
姉「そういえば、大学って合コンとか連れションミーティングとかするんでしょ?」
男「…他のひとは知らないけど、俺はしたことない」
姉「あー…社交性ゼロ」
男「そ、そうじゃなくて! ほら、そんな金ないし!」
姉「…姉ちゃんの保険金があるはず」
男「それは学費だし…そんなのに使いたくないし」
姉「はぁ……こんなことじゃ、孫の顔をいつ見られることやら」
男「……孫じゃないし」
男「…普通」
姉「そう、良かったね」
男「…普通なんだけど?」
姉「いつだって、普通が一番でしょ?」
男「………まぁ、そうかもね」
姉「そういえば、大学って合コンとか連れションミーティングとかするんでしょ?」
男「…他のひとは知らないけど、俺はしたことない」
姉「あー…社交性ゼロ」
男「そ、そうじゃなくて! ほら、そんな金ないし!」
姉「…姉ちゃんの保険金があるはず」
男「それは学費だし…そんなのに使いたくないし」
姉「はぁ……こんなことじゃ、孫の顔をいつ見られることやら」
男「……孫じゃないし」
39: 2011/02/27(日) 23:00:38.38 ID:EipfIedh0
男「なぁ」
友「うるさい。しゃべるな、裏切り者。どうせ影で年下のかわいい後輩としっぽりやってんだろ…」
男「しっぽり…って。お前さ、幽霊とか信じる?」
友「そんなことを理系男子に聞くか、お前は」
男「あー…やっぱりありえないよなぁ」
友「…ありえなくはない。なにしろ、観測された件数が多い。それに存在しないことを証明することは難しい」
男「……いるかもしれないってこと?」
友「まぁ、そうだな。世の中には不思議がいっぱいだからな」
男「不思議がいっぱいとか理系男子が言っていいのか?」
友「当たり前だろ。不思議がいっぱいじゃなかったら、理系の学問なんて存在しない」
男「…そっか」
友「うるさい。しゃべるな、裏切り者。どうせ影で年下のかわいい後輩としっぽりやってんだろ…」
男「しっぽり…って。お前さ、幽霊とか信じる?」
友「そんなことを理系男子に聞くか、お前は」
男「あー…やっぱりありえないよなぁ」
友「…ありえなくはない。なにしろ、観測された件数が多い。それに存在しないことを証明することは難しい」
男「……いるかもしれないってこと?」
友「まぁ、そうだな。世の中には不思議がいっぱいだからな」
男「不思議がいっぱいとか理系男子が言っていいのか?」
友「当たり前だろ。不思議がいっぱいじゃなかったら、理系の学問なんて存在しない」
男「…そっか」
43: 2011/02/27(日) 23:07:54.64 ID:EipfIedh0
友「なんだ? 旧校舎で幽霊らしきモノでも見たか?」
男「…そういうわけじゃないけど」
友「けど?」
男「いや、幽霊ってさ、もしいたら氏んだ人と話したりできるわけじゃん?」
友「それはどうだろうか。実際にいたとしても話したりはできないだろ」
男「え? いやだって、幽霊って氏んだ人がこの世の無念をーって」
友「観測…目撃された幽霊の半数が寝ぼけた人の見間違いか、妄想の類だとして」
男「あと半分がホンモノの幽霊?」
友「まぁ、そういう感じの何かだったとしても…ソレが考えたり、話したりできるかっていうと考えにくい」
男「なんで?」
友「そういう話の幽霊は足がない…っていうのはよく聞くが、もっと大事なものがない。頭…つまり、脳ミソだ」
男「…そういうわけじゃないけど」
友「けど?」
男「いや、幽霊ってさ、もしいたら氏んだ人と話したりできるわけじゃん?」
友「それはどうだろうか。実際にいたとしても話したりはできないだろ」
男「え? いやだって、幽霊って氏んだ人がこの世の無念をーって」
友「観測…目撃された幽霊の半数が寝ぼけた人の見間違いか、妄想の類だとして」
男「あと半分がホンモノの幽霊?」
友「まぁ、そういう感じの何かだったとしても…ソレが考えたり、話したりできるかっていうと考えにくい」
男「なんで?」
友「そういう話の幽霊は足がない…っていうのはよく聞くが、もっと大事なものがない。頭…つまり、脳ミソだ」
44: 2011/02/27(日) 23:10:17.36 ID:EipfIedh0
男「姉ちゃん」
姉「なにー?」
男「…1たす1は?」
姉「田んぼの田ー」
男「………」
姉「んー?」
男「東京特許許可局」
姉「と、とうきょうとっととかこく?」
男「……そもそも足がある」
姉「え? なに? 姉ちゃんの足なんかじっと見つめてーこの工口ス!」
姉「なにー?」
男「…1たす1は?」
姉「田んぼの田ー」
男「………」
姉「んー?」
男「東京特許許可局」
姉「と、とうきょうとっととかこく?」
男「……そもそも足がある」
姉「え? なに? 姉ちゃんの足なんかじっと見つめてーこの工口ス!」
47: 2011/02/27(日) 23:18:49.06 ID:EipfIedh0
男「なぁ」
友「待ってくれ…今大事なところだから……リンコ、好きだ、大好きだ、愛してる」
男「………なぁ、DSの電源スイッチってこれ?」
友「え? ああ、それ――って、えぇっ!? おま、おまえ、なんばしよっとー!?」
男「いや、冗談冗談」
友「冗談じゃないし! おまえ、俺がリンコとここまで絆を深めるまでどれくらいかかったと」
男「それでさ、この前の幽霊の話なんだけど」
友「待て…とりあえず、DSから手を離せ…話はそれからだ」
友「待ってくれ…今大事なところだから……リンコ、好きだ、大好きだ、愛してる」
男「………なぁ、DSの電源スイッチってこれ?」
友「え? ああ、それ――って、えぇっ!? おま、おまえ、なんばしよっとー!?」
男「いや、冗談冗談」
友「冗談じゃないし! おまえ、俺がリンコとここまで絆を深めるまでどれくらいかかったと」
男「それでさ、この前の幽霊の話なんだけど」
友「待て…とりあえず、DSから手を離せ…話はそれからだ」
48: 2011/02/27(日) 23:23:02.39 ID:EipfIedh0
男「姉ちゃん」
姉「なにー?」
男「おっOいを見せて」
姉「………」
男「………」
姉「…ちょっとそこに座りなさい。正座」
男「…はい」
姉「………まぁ、男の子だからそういうのに興味があるっていうのもわかるけど…姉ちゃん、そういうの感心しないな」
男「え? これ普通にお説教?」
姉「当たり前でしょ! なに姉ちゃんにセクハラしてんの!」
男「ご、ごめん」
姉「なにー?」
男「おっOいを見せて」
姉「………」
男「………」
姉「…ちょっとそこに座りなさい。正座」
男「…はい」
姉「………まぁ、男の子だからそういうのに興味があるっていうのもわかるけど…姉ちゃん、そういうの感心しないな」
男「え? これ普通にお説教?」
姉「当たり前でしょ! なに姉ちゃんにセクハラしてんの!」
男「ご、ごめん」
50: 2011/02/27(日) 23:31:07.05 ID:EipfIedh0
男「…というわけで妄想ではなかったそうだ」
友「ふむ、そうか。妄想だったら本人に都合がいい思考をするはずだしなぁ…」
男「なぁ、ほんとに『おっOい見せて』とか言う必要があったのか?」
友「その…相談相手の友達の田中くんだっけ? そいつが説教プレイが好きなドMという可能性は」
男「あるわけないだろ……たぶん」
友「だとすれば、その田中くんが見えると言っている幽霊は自分で考え行動している可能性があるわけだ」
男「まぁ、たぶん、そうなんじゃないかな? 田中くんの言ってることだから、よく知らないけど」
友「ふむふむ」
男「…なぁ、やっぱり幽霊っているんじゃないかな?」
友「さあ?」
男「……『さあ』って」
友「あ…一つ思いつきだが、その見えるという田中くんの脳にその幽霊はいる…というのはどうだ?」
男「脳に?」
友「そう。田中くんの脳を借りて、考えたりしてるっていう思いつきだ」
友「ふむ、そうか。妄想だったら本人に都合がいい思考をするはずだしなぁ…」
男「なぁ、ほんとに『おっOい見せて』とか言う必要があったのか?」
友「その…相談相手の友達の田中くんだっけ? そいつが説教プレイが好きなドMという可能性は」
男「あるわけないだろ……たぶん」
友「だとすれば、その田中くんが見えると言っている幽霊は自分で考え行動している可能性があるわけだ」
男「まぁ、たぶん、そうなんじゃないかな? 田中くんの言ってることだから、よく知らないけど」
友「ふむふむ」
男「…なぁ、やっぱり幽霊っているんじゃないかな?」
友「さあ?」
男「……『さあ』って」
友「あ…一つ思いつきだが、その見えるという田中くんの脳にその幽霊はいる…というのはどうだ?」
男「脳に?」
友「そう。田中くんの脳を借りて、考えたりしてるっていう思いつきだ」
51: 2011/02/27(日) 23:36:29.54 ID:EipfIedh0
姉「あれ? お客さん?」
男「…こんな時間に誰だろ?」
友「よ」
男「わ!?」
姉「ん?」
友「こんばんは。悪いな、夜遅くに」
男「いやほんと、他人の迷惑、考えような?」
姉「えーと、確か大学のお友達のー」
友「ほんと、すいません…いつもこいつのお世話をしてます」
姉「いつも弟がお世話になってます」
男「誰がお世話になってるか…姉ちゃんもこいつの言うこと真に受けなくていいから――って」
友「…本当にいるんだな」
姉「え?」
男「見えるのか?」
友「………見えるわけないだろ、なにもないんだから」
男「…こんな時間に誰だろ?」
友「よ」
男「わ!?」
姉「ん?」
友「こんばんは。悪いな、夜遅くに」
男「いやほんと、他人の迷惑、考えような?」
姉「えーと、確か大学のお友達のー」
友「ほんと、すいません…いつもこいつのお世話をしてます」
姉「いつも弟がお世話になってます」
男「誰がお世話になってるか…姉ちゃんもこいつの言うこと真に受けなくていいから――って」
友「…本当にいるんだな」
姉「え?」
男「見えるのか?」
友「………見えるわけないだろ、なにもないんだから」
57: 2011/02/27(日) 23:45:24.21 ID:EipfIedh0
姉「………」
男「なにもないって……ああ、お前には見えないかもしれないけど…っていうかウソついて悪かったな、あの話」
友「友達の田中くんなんていない。お前の友達の少なさくらいは知ってる」
男「…バレてたか。まぁ、そうなんだけどさ」
友「で、お姉さんは、ここにいるわけ?」
男「お前の隣にいるよ」
友「……一つテストをしてみよう」
男「なんの?」
友「その、お姉さんがお前の妄想かそうじゃないか……ここに一冊の本があるが、お前は読んだことないよな?」
男「『妹輪姦~24人の義兄たち~』なんて濃いモノ誰が読むか」
友「お姉さん、ここの台詞音読して下さい」
姉「え?……えぇっ!?」
友「…こいつの妄想じゃなければ、音読できるはず! さあ! さあさあ!」
姉「え?…えぇ……と『にいにいの太くて固いのがお尻に刺さって、お兄様のぶっといのであそこが感じちゃう』?」
男「って、姉ちゃんに何読ませてんだ! この変態が!」
男「なにもないって……ああ、お前には見えないかもしれないけど…っていうかウソついて悪かったな、あの話」
友「友達の田中くんなんていない。お前の友達の少なさくらいは知ってる」
男「…バレてたか。まぁ、そうなんだけどさ」
友「で、お姉さんは、ここにいるわけ?」
男「お前の隣にいるよ」
友「……一つテストをしてみよう」
男「なんの?」
友「その、お姉さんがお前の妄想かそうじゃないか……ここに一冊の本があるが、お前は読んだことないよな?」
男「『妹輪姦~24人の義兄たち~』なんて濃いモノ誰が読むか」
友「お姉さん、ここの台詞音読して下さい」
姉「え?……えぇっ!?」
友「…こいつの妄想じゃなければ、音読できるはず! さあ! さあさあ!」
姉「え?…えぇ……と『にいにいの太くて固いのがお尻に刺さって、お兄様のぶっといのであそこが感じちゃう』?」
男「って、姉ちゃんに何読ませてんだ! この変態が!」
59: 2011/02/27(日) 23:53:22.74 ID:EipfIedh0
友「…よし!」
男「よくない」
友「なにはともあれ、お姉さんの幽霊らしきものはここにいるらしいな。どうも初めまして」
姉「はじめまして」
男「…普通にあいさつしてるし」
友「ところでお姉さん、さっきの本どうでしたか? 感じましたか? 濡れますか?」
男「…普通にセクハラしてるし」
姉「うーん、シチュエーションが特殊すぎてピンと来ないかなー」
男「…普通に答えてるし」
友「お姉さんなんだって? 実はもうぐちょぐちょでいっちゃいそう棒状の何かを突っ込みたいって?」
男「言ってない。『特殊すぎてピンと来ない』らしい」
友「そうか…残念だ。今度は姉が弟の初めてを優しく奪う一般的な感じのものにしてみますね」
姉「うん、そういう普通のだったらいいかも」
男「………普通か?」
男「よくない」
友「なにはともあれ、お姉さんの幽霊らしきものはここにいるらしいな。どうも初めまして」
姉「はじめまして」
男「…普通にあいさつしてるし」
友「ところでお姉さん、さっきの本どうでしたか? 感じましたか? 濡れますか?」
男「…普通にセクハラしてるし」
姉「うーん、シチュエーションが特殊すぎてピンと来ないかなー」
男「…普通に答えてるし」
友「お姉さんなんだって? 実はもうぐちょぐちょでいっちゃいそう棒状の何かを突っ込みたいって?」
男「言ってない。『特殊すぎてピンと来ない』らしい」
友「そうか…残念だ。今度は姉が弟の初めてを優しく奪う一般的な感じのものにしてみますね」
姉「うん、そういう普通のだったらいいかも」
男「………普通か?」
61: 2011/02/28(月) 00:00:17.24 ID:59a/X5L50
姉「おもしろい子だったねー」
男「ああそう。もう二度と会うことはないけどね」
姉「心配で来てくれたんでしょ? いい友達じゃない」
男「………まぁ、そうかもしれないけどさ」
姉「友達は大事にしなさい」
男「…うん」
姉「よし。……でさ、姉ちゃんが自分の妄想かもって思ってたの?」
男「…うん、ちょっと不安だった。俺以外の誰にも見えないし」
姉「そうねぇ……でも、そっちのほうが良かったかもね」
男「なんで?」
姉「ね、たぶんね、姉ちゃんがこうやってここにいるのって、良くないことなんだよ、きっと」
男「そんなことない。あるわけない。ずっといてよ」
姉「うーん…ずっと?」
男「ずっと」
姉「………まぁ、それもいいかもって思えちゃうところがダメなんだよねぇ」
男「ああそう。もう二度と会うことはないけどね」
姉「心配で来てくれたんでしょ? いい友達じゃない」
男「………まぁ、そうかもしれないけどさ」
姉「友達は大事にしなさい」
男「…うん」
姉「よし。……でさ、姉ちゃんが自分の妄想かもって思ってたの?」
男「…うん、ちょっと不安だった。俺以外の誰にも見えないし」
姉「そうねぇ……でも、そっちのほうが良かったかもね」
男「なんで?」
姉「ね、たぶんね、姉ちゃんがこうやってここにいるのって、良くないことなんだよ、きっと」
男「そんなことない。あるわけない。ずっといてよ」
姉「うーん…ずっと?」
男「ずっと」
姉「………まぁ、それもいいかもって思えちゃうところがダメなんだよねぇ」
62: 2011/02/28(月) 00:05:04.58 ID:59a/X5L50
女「先輩! 好きです!」
男「へ?」
女「付き合ってください!」
男「…いいけど?」
女「ホントですか!」
男「うん、で、どこに?」
女「え? あ、あの、それじゃ、その公園…じゃなくて、水族館とか?」
男「こうえん?…すいぞくかん?…いっしょに?」
女「はい! 初デートですね!…うれしいです、先輩」
男「……で、でーと?」
男「へ?」
女「付き合ってください!」
男「…いいけど?」
女「ホントですか!」
男「うん、で、どこに?」
女「え? あ、あの、それじゃ、その公園…じゃなくて、水族館とか?」
男「こうえん?…すいぞくかん?…いっしょに?」
女「はい! 初デートですね!…うれしいです、先輩」
男「……で、でーと?」
63: 2011/02/28(月) 00:10:03.89 ID:59a/X5L50
男「…まさか告白だったとは」
友「いや、今のはどう考えても、お前がおかしい」
男「そんなわけないって思うじゃん?」
友「今までの流れとさっきの話の流れから言って外野でもわかるだろ」
男「いや、だって…まさか…ねぇ?」
友「不本意だったんなら、今からでも断ってくればいい」
男「ふ、ふ不本意などということはない」
友「だったら、いいだろ。素直に喜んでおけ。嬉しいんだろ?」
男「あ、うん…まぁ、嬉しいけどさ」
友「なにか問題が?」
男「…で、デートって何着ていけばいいんだろ?」
友「そんなこと俺に聞くなよ…」
友「いや、今のはどう考えても、お前がおかしい」
男「そんなわけないって思うじゃん?」
友「今までの流れとさっきの話の流れから言って外野でもわかるだろ」
男「いや、だって…まさか…ねぇ?」
友「不本意だったんなら、今からでも断ってくればいい」
男「ふ、ふ不本意などということはない」
友「だったら、いいだろ。素直に喜んでおけ。嬉しいんだろ?」
男「あ、うん…まぁ、嬉しいけどさ」
友「なにか問題が?」
男「…で、デートって何着ていけばいいんだろ?」
友「そんなこと俺に聞くなよ…」
64: 2011/02/28(月) 00:14:49.18 ID:59a/X5L50
姉「デート! すばらしい! 青春だね! 愛と肉欲の日々だね!」
男「…なんで俺の周りにはこんなのばっかり」
姉「大丈夫? バリバリ言わないお財布持ってる?」
男「持ってるし」
姉「黒尽くめの服とかでデートとかしないのよ? ダサダサなんだから」
男「…そ、それくらいわかってるし」
姉「えーと、それから、『かわいいな』って思ったらちゃんと褒めること。これ大事!」
男「……あ、あのさ、姉ちゃんはさ」
姉「なに?」
男「いいの? 俺がデートとかしても」
姉「いいに決まってるじゃない。私の大事な弟が幸せになるんだから」
男「…なんで俺の周りにはこんなのばっかり」
姉「大丈夫? バリバリ言わないお財布持ってる?」
男「持ってるし」
姉「黒尽くめの服とかでデートとかしないのよ? ダサダサなんだから」
男「…そ、それくらいわかってるし」
姉「えーと、それから、『かわいいな』って思ったらちゃんと褒めること。これ大事!」
男「……あ、あのさ、姉ちゃんはさ」
姉「なに?」
男「いいの? 俺がデートとかしても」
姉「いいに決まってるじゃない。私の大事な弟が幸せになるんだから」
65: 2011/02/28(月) 00:19:23.49 ID:59a/X5L50
女「…ええと待ち合わせのときは…『ごめん、遅れちゃった。待った?』『ううん、今来たところ、そんなことより今日もかわいいね』…よし!」
男「ごめん、遅れて…待った?」
女「いいえ! 私も今来たところです! そんなことより今日もかわいいです!」
男「え?」
女「あ……ぎゃ、逆! 逆でした! 遅れてくるのは私で……って、そんな先輩に失礼なっ!?」
男「…俺なんかより、そっちの方がずっとかわいいと思うよ」
女「え、か、かわわ…」
男「さ、行こう…ええと映画だっけ?」
女「は、はい! 映画! 映画です!」
男「ははは…ほんと、かわいいなぁ」
女「きょっ……恐縮ですっ」
男「ごめん、遅れて…待った?」
女「いいえ! 私も今来たところです! そんなことより今日もかわいいです!」
男「え?」
女「あ……ぎゃ、逆! 逆でした! 遅れてくるのは私で……って、そんな先輩に失礼なっ!?」
男「…俺なんかより、そっちの方がずっとかわいいと思うよ」
女「え、か、かわわ…」
男「さ、行こう…ええと映画だっけ?」
女「は、はい! 映画! 映画です!」
男「ははは…ほんと、かわいいなぁ」
女「きょっ……恐縮ですっ」
66: 2011/02/28(月) 00:24:45.99 ID:59a/X5L50
友「…毎日毎日デートデートデート三昧でよろしいことですね」
男「な」
友「まぁ、それでも所詮、俺とリンコの真実の愛の前では霞むが」
男「…まだやってたのか、それ」
友「当たり前だろう。嫁と片時も離れるわけにはいかないからな」
男「ああそう」
友「で? 最近どうなの?」
男「昨日、初めて手をつないでさー」
友「…いまどき、こんなプラトニックなのもどうかと思うけど」
男「なんか言ったか?」
友「べつに」
男「な」
友「まぁ、それでも所詮、俺とリンコの真実の愛の前では霞むが」
男「…まだやってたのか、それ」
友「当たり前だろう。嫁と片時も離れるわけにはいかないからな」
男「ああそう」
友「で? 最近どうなの?」
男「昨日、初めて手をつないでさー」
友「…いまどき、こんなプラトニックなのもどうかと思うけど」
男「なんか言ったか?」
友「べつに」
71: 2011/02/28(月) 00:32:06.21 ID:59a/X5L50
男「ただいまー」
男「…あれ?」
男「ただいまー…姉ちゃん?」
姉「あ……おかえり」
男「姉ちゃん、どうしたの?」
姉「ん? んー…むー………なんかぼんやりしちゃってて」
男「ぼんやり…って、それはなんとなくわかるけど」
姉「…なんか、あんまり頭が働いてないっていうか…ぼんやり?」
男「ぼんやり?」
姉「それで、どうだったの? 今日もデートしてきたんでしょ? 動物園だっけ?…初心ねぇ」
男「あ、いや動物園は一昨日でって、昨日も話さなかったっけ?」
姉「そう…だっけ? あれ? えー…っと、まぁいいじゃん、覚えてないんだし。それで、キッスとかしちゃったの?」
男「え? あ、いや、キスとか…そんなまだ全然」
姉「うーん…初孫はいつ見られるのやらねぇ…」
男「いやだから…孫じゃないと」
男「…あれ?」
男「ただいまー…姉ちゃん?」
姉「あ……おかえり」
男「姉ちゃん、どうしたの?」
姉「ん? んー…むー………なんかぼんやりしちゃってて」
男「ぼんやり…って、それはなんとなくわかるけど」
姉「…なんか、あんまり頭が働いてないっていうか…ぼんやり?」
男「ぼんやり?」
姉「それで、どうだったの? 今日もデートしてきたんでしょ? 動物園だっけ?…初心ねぇ」
男「あ、いや動物園は一昨日でって、昨日も話さなかったっけ?」
姉「そう…だっけ? あれ? えー…っと、まぁいいじゃん、覚えてないんだし。それで、キッスとかしちゃったの?」
男「え? あ、いや、キスとか…そんなまだ全然」
姉「うーん…初孫はいつ見られるのやらねぇ…」
男「いやだから…孫じゃないと」
74: 2011/02/28(月) 00:38:31.93 ID:59a/X5L50
友「…思いつきなんだが、脳の容量不足じゃないか?」
男「……よくわからない」
友「いやだからさ、多分…なんだが人一人の人格や記憶ってかなり容量を食いそうな気がするんだよな」
男「姉さんが?」
友「そう、もし、お前の頭の使ってないところをお姉さんが借りてるとして、ここ最近容量不足になってきたから」
男「…姉さんが弱ってる?」
友「まぁ、そうかな。言い換えれば、お前の心の中でお姉さんが占めてた割合が減ってる」
男「………」
友「自分でもわかってるんじゃないのか? あの子と付き合うようになって、自分の中でお姉さんが薄くなっていってるって」
男「……よくわからない」
友「いやだからさ、多分…なんだが人一人の人格や記憶ってかなり容量を食いそうな気がするんだよな」
男「姉さんが?」
友「そう、もし、お前の頭の使ってないところをお姉さんが借りてるとして、ここ最近容量不足になってきたから」
男「…姉さんが弱ってる?」
友「まぁ、そうかな。言い換えれば、お前の心の中でお姉さんが占めてた割合が減ってる」
男「………」
友「自分でもわかってるんじゃないのか? あの子と付き合うようになって、自分の中でお姉さんが薄くなっていってるって」
76: 2011/02/28(月) 00:40:29.37 ID:59a/X5L50
女「え――?」
男「ごめん」
女「せ、先輩?」
男「ごめん」
女「冗談ですよね? だって、あんなに好きだって」
男「…ごめん」
女「ウソ、ですよ…そんなの」
男「…ごめん」
男「ごめん」
女「せ、先輩?」
男「ごめん」
女「冗談ですよね? だって、あんなに好きだって」
男「…ごめん」
女「ウソ、ですよ…そんなの」
男「…ごめん」
78: 2011/02/28(月) 00:46:30.23 ID:59a/X5L50
姉「別れた……って? なんで?」
男「……なんでって言われても、別に理由なんてないし」
姉「私の弟のどこが気に入らないって言うのよ! 一言文句言ってくる!!」
男「ま、待てって姉ちゃん!」
姉「だ、だって、大した理由もないのに! ひどいでしょ!」
男「あ…うん。自分でもそう思うけど…」
姉「くっ…でも、文句言いに行ってもスルーされちゃうし……そ、そうだ! ここは幽霊っぽく呪いをー!!」
男「や、やめて! やめて姉ちゃん! それっぽい! ホントに呪われそう!」
姉「止めるな! 大事な弟がフラれて呑気にぷかぷか浮いていられるほどできた人間じゃないのよー!」
男「違うから! フラれてないから! フったの俺だから!」
姉「へ?」
男「……なんでって言われても、別に理由なんてないし」
姉「私の弟のどこが気に入らないって言うのよ! 一言文句言ってくる!!」
男「ま、待てって姉ちゃん!」
姉「だ、だって、大した理由もないのに! ひどいでしょ!」
男「あ…うん。自分でもそう思うけど…」
姉「くっ…でも、文句言いに行ってもスルーされちゃうし……そ、そうだ! ここは幽霊っぽく呪いをー!!」
男「や、やめて! やめて姉ちゃん! それっぽい! ホントに呪われそう!」
姉「止めるな! 大事な弟がフラれて呑気にぷかぷか浮いていられるほどできた人間じゃないのよー!」
男「違うから! フラれてないから! フったの俺だから!」
姉「へ?」
81: 2011/02/28(月) 00:53:29.97 ID:59a/X5L50
姉「なんでよ?」
男「いや、だから、そんな理由もない」
姉「ウソ。何年姉ちゃんやってると思ってるの、ウソくらいすぐわかる」
男「そんなことない」
姉「…好き合ってたんでしょ? いつも聞いてたから知ってる」
男「……べつに、そんなに好きじゃなかったから」
姉「そんなことない! 好きだった!」
男「姉ちゃんが決めるなよ! 好きじゃなかったって言ってるだろ!」
姉「いーや、好きだった! 好きだったよ! 姉ちゃんよりずっと好きだった!」
男「あ…」
姉「弟のこと一番わかってるの、姉ちゃんだから。だから、わかるよ……その子のこと誰よりも姉ちゃんよりも好きだったって」
男「そ…んなこと、ない…俺が姉ちゃんより誰かをなんて」
姉「…知ってたから。だから、姉ちゃんね、嬉しいんだ。誰かを好きになってくれて。幸せになってくれて」
男「いや、だから、そんな理由もない」
姉「ウソ。何年姉ちゃんやってると思ってるの、ウソくらいすぐわかる」
男「そんなことない」
姉「…好き合ってたんでしょ? いつも聞いてたから知ってる」
男「……べつに、そんなに好きじゃなかったから」
姉「そんなことない! 好きだった!」
男「姉ちゃんが決めるなよ! 好きじゃなかったって言ってるだろ!」
姉「いーや、好きだった! 好きだったよ! 姉ちゃんよりずっと好きだった!」
男「あ…」
姉「弟のこと一番わかってるの、姉ちゃんだから。だから、わかるよ……その子のこと誰よりも姉ちゃんよりも好きだったって」
男「そ…んなこと、ない…俺が姉ちゃんより誰かをなんて」
姉「…知ってたから。だから、姉ちゃんね、嬉しいんだ。誰かを好きになってくれて。幸せになってくれて」
85: 2011/02/28(月) 01:00:45.50 ID:59a/X5L50
姉「……やっぱり、姉ちゃん、いない方が良かったんだよね…ごめんね」
男「な、なんで、なんでそんなこと言うんだよ」
姉「姉ちゃん、ずっと弟と弟の好きな子の幸せを祈ってるから」
男「やめてよ、そんなの…そんな、いなくなるみたいなこと言うなよ」
姉「ちゃんと『ごめんなさい』するんだよ? きっと、きっとね、ちゃんと謝れば許してくれるから」
男「姉ちゃんっ」
姉「ばいばい……元気でね、しあわせに、なって」
男「いかないでっ」
姉「……ばいばい」
男「な、なんで、なんでそんなこと言うんだよ」
姉「姉ちゃん、ずっと弟と弟の好きな子の幸せを祈ってるから」
男「やめてよ、そんなの…そんな、いなくなるみたいなこと言うなよ」
姉「ちゃんと『ごめんなさい』するんだよ? きっと、きっとね、ちゃんと謝れば許してくれるから」
男「姉ちゃんっ」
姉「ばいばい……元気でね、しあわせに、なって」
男「いかないでっ」
姉「……ばいばい」
91: 2011/02/28(月) 01:09:39.76 ID:59a/X5L50
女「せ、先輩の、バカっ!」
男「………」
友「……どうした? 今日はまた激しい夫婦ゲンカだったな」
男「まだ夫婦じゃないし」
友「“まだ”ですか…それは幸せそうでなによりですね。で、ケンカの原因は?」
男「結婚しようと言った。何が悪かったのか…理由がわからない」
友「……まぁ、理由の一つが、ここが夜景の見えるレストランでも思い出の桜の木の下でもなく男子トイレの前だってことじゃないか?」
男「…なるほどな。つまり、場所が悪かったってことか…さすがだな」
友「まぁな。…にしても、まだ学生だぞ? そんなに慌てることはないだろ」
男「約束、したからさ」
友「約束?」
男「…ああ、幸せになるんだ、絶対」
男「………」
友「……どうした? 今日はまた激しい夫婦ゲンカだったな」
男「まだ夫婦じゃないし」
友「“まだ”ですか…それは幸せそうでなによりですね。で、ケンカの原因は?」
男「結婚しようと言った。何が悪かったのか…理由がわからない」
友「……まぁ、理由の一つが、ここが夜景の見えるレストランでも思い出の桜の木の下でもなく男子トイレの前だってことじゃないか?」
男「…なるほどな。つまり、場所が悪かったってことか…さすがだな」
友「まぁな。…にしても、まだ学生だぞ? そんなに慌てることはないだろ」
男「約束、したからさ」
友「約束?」
男「…ああ、幸せになるんだ、絶対」
92: 2011/02/28(月) 01:09:55.09 ID:59a/X5L50
おしまい
102: 2011/02/28(月) 01:19:05.82 ID:ma6CZAGtO
良かった!
乙!!
乙!!
引用元: 姉「うらめしやー」
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