凛
「ツンデレって、知らないわけじゃないけどあまりなじみのない言葉だし」

奈緒
「まぁ、普通そうだよなぁ」

凛
「奈緒みたいな人のこと言うんでしょ？」

奈緒
「誰がツンデレだ！」

凛
「杏と菜々さんがそう言ってたんだけど……」

奈緒
「あ、あいつら……」

凛
「そんなに人気なの？　ツンデレって」

奈緒
「それは、作品によるかなぁ」
「一作品に一人はほぼ確実にいるんだけど、人気過ぎてお祭り騒ぎみたいになったキャラもいれば、ウザいって一蹴されるのもいるし」

凛
「へぇ……奈緒は絶対に前者だよね」

奈緒
「だからツンデレじゃねえって！」

凛
「ライブ中、なおちゃんコールすごいもんね」

奈緒
「いや、それは恥ずかしいながらもありがたいことなんだけどさ……」

奈緒
「っていうか、凜もかなりその気質あるからな？」

凛
「私？　私は違うよ。だってデレデレしないもの」

奈緒
「それってあたしがたまに、誰か相手にデレデレしてるってことか！？」

凛
「私はほら、ツン×クールのＣｏｏｌの方だから。カッコいい方だから」

奈緒
「クールアイドルのクールだろ！？　自分ばっか良いトコ取りしようったってそうはいくか！」

奈緒
「あ、もしかしたらクーデレのクールかもな」

凛
「クーデレ？　なにそれツンデレの仲間？」

奈緒
「ああ。ふだんはそっけない感じだったり、冷静で表情もあまり変わらなかったりするんだけどさ」
「主人公に何かされると、小さくはにかんだり、ちょっとそっぽ向いて照れたりするんだ」
「内心デレッデレで、心の中では犬みたいに尻尾振っちゃったりしてな」
「凜はどっちかっつったらそんな感じだよな」

凛
「……別に、デレデレなんてしてないし」

奈緒
「ほんとかぁ～？　ま、本人の名誉のためにこのくらいにしといてやるか」

凛
「ま、まあ。お互いの名誉のためにね」

奈緒
「……休戦協定だな」

凛
「それにしてもさ、出所不明の言葉って最近よくあるよね」

奈緒
「例えば？」

凛
「最近だと、ツイッターで私が、ライブの宣伝をしたらさ」
「あぁ～、心がぴょんぴょんするんじゃぁ～……って。なにこれ？」

奈緒
「…………あー」

凛
「なんとなく、心躍るようなニュアンスってのは解ったんだけど」

奈緒
「元ネタはアニメのオープニングだな」
「ご注文はうさぎですか？　っていうアニメのＤａｙｄｒｅａｍ　ｃａｆｅっていう曲の冒頭部分がこころぴょんぴょんなんだよ」
「で、そのアニメを見て、心躍った連中がそんなことを言い出して、それが他の所でも使われるようになったわけさ」

凛
「へぇ……」
「ではここで一曲歌っていただきましょう。神谷奈緒で、Daydream……」

奈緒
「歌わねえよ！」

凛
「でもさ、その冒頭部がこころぴょんぴょんだからって、あぁ～とか、じゃあ～とかつける必要はないよね？」
「その部分はどっからきたの？」

奈緒
「え゛っ」

凛
「？」

奈緒
「……知らないほうが、いいこともあるよな」

凛
「ああ、大丈夫大丈夫。今更ホ〇ネタくらいでビビらないって」

奈緒
「お前知ってんだろそれ！」

奈緒
「っていうか、この漫才あたし台本貰ってないんだけど」

凛
「私が貰ってるから大丈夫。私に任せてよ」

奈緒
「……今までのの流れのどこに信用する要素があるってんだよ」

凛
「それじゃあ次の質問だけど……」

奈緒
「ちょっと待て、やっぱそういうネタなのか！？」

凛
「菜々さんがたまに事務所で会話中に、びっくりしたときに使うファッ！？　ってどこ発祥なの？」

奈緒
「ファッ！？」
「なんでそんなそっち方面にピンポイントなんだよ！」

凛
「何が？」

奈緒
「何がって……あ！？　お、お前絶対答え知ってんだろ！？　ニヤニヤすんな！」

奈緒
「百歩譲ってそういうネタなのは解った。解ったからもうちっと答えやすい質問にしてくれ」

凛
「何言ってんのさ、慌てふためく奈緒を見るのが楽しいんじゃない」

奈緒
「少しは包み隠せよ！」

凛
「あ、あきらかに間違ったこと言ったらこれで引っ叩くから」

奈緒
「どっから持ってきたんだよそのハリセン！」

凛
「卯月から借りてきた」

奈緒
「卯月ィー！」

凛
「しょうがないなぁ、もうちょっとマイルドな質問からにするね」

奈緒
「最初からそうしろ。っていうか、ハードなのはやめろよ！　絶対にだぞ！」

凛
「ん？　ダチョウさんごっこ？」

奈緒
「ダチョウさんでも出川さんでも月亭さんでもねーよ！」
「フリじゃねーからな！」

凛
「えぇー」

奈緒
「えーじゃねーよ！」

凛
「それじゃあ……クラスターって何？」

奈緒
「クラスタってのは、その作品が大好きな人の集まりだ」

凛
「でも、作品が大好きな人の集まりなら、なんで言い争いする人が出てくるのさ」

奈緒
「あー……好きにもいろいろあるだろ？　見守るだけでいいとか、触れたいとか」
「もしくはさ、人気のアイドルグループの誰が一番カッコいいとかさ」
「そういうファンの中の派閥をクラスタって言うんじゃないか？」

凛
「うづみおじゃなくてみおうづだろＪＫとか？」

奈緒
「……まぁ、そういうのもあるわな」

凛
「……かれなお？」

奈緒
「自分で自分のカップリング当てはめるヤツはいないだろ！」
「……あたし受け？　……いやいやいやいやないないないない！」

凛
「じゃあ次、氏亡フラグ」

奈緒
「ああ、それは……えーと」
「ホラー映画とかでさ、最初に発狂したり、特攻したりすると、ほぼ氏ぬだろ？」
「ああ、こいつこれから氏ぬなっていうセリフだったり、行動だったりを言うんだ」
「一番有名なのは、俺、この戦争が終わったら、結婚するんだ。かな」

凛
「なるほどね」

凛
「そういえば、私見ちゃったんだよね」

奈緒
「ん？　なにをだよ」

凛
「この前、奈緒がＰさんと事務所で二人きりで……いやらしい」

奈緒
「ちょ、ちょっと待て！？　何のことだ！？　全く身に覚えがないって！」

凛
「あんなこと知れたら、二人ともどうなるのかな。少なくともＰさんはクビになるよね」
「黙っててほしかったらさ、１週間以内に即金で１００万用意して」

奈緒
「は、はぁ！？」

凛
「……とかサスペンスで言っちゃうと、だいたいその人氏んでるよね」

奈緒
「脅かすなよ！　はぁ～っ、何を突然言い出すかと思ったら……」

凛
「なんでそんなに焦ってるの？　まさか……」

奈緒
「何もないから！　身に覚えのない冗談でアイドル辞めさせられてたまるか！」

凛
「アイドル生活、気に入ってるんだね」

奈緒
「っ！？　……ま、まあ。それなりに楽しいし」
「っていうか、それは凛だって一緒だろ？」

凛
「そうだね。充実してるし。期待してくれる人もいるしね」

奈緒
「……だよな」

凛
「じゃあ次、ブヒる」

奈緒
「あ～……好きなキャラクターを見た時に、興奮して豚みたいな鳴き声をあげることだ」

凛
「時子さんとは関係ないの？」

奈緒
「時子さんのアレは……まぁ、間違ってないかな」

凛
「次、801」

奈緒
「…………男性の同性愛を描いた作品のことだ」

凛
「なるほどね。私はてっきりヤマ無しオチ無し意味無しの略なのかと思ったよ」

奈緒
「それでよかったのか！？　いや、それであってるよそれ以外に意味なんてないし！」

凛
「そうなの？」
「それで、奈緒はそんな801の本、何冊持ってる？」

奈緒
「も、もってねえよ！」

凛
「ああ、ＤＶＤかな？」

奈緒
「そ、それもないから！」

凛
「まぁ、性的嗜好もそれぞれだよね。好きなものは好きなんだからしょうがないよ」

奈緒
「えっ！？　見たことあるのか？」

凛
「何を？」

奈緒
「い、いや！？　何でもない！」

凛
「焦り方がアレな本を隠し持ってる中学生みたいなんだけど」

奈緒
「お願いだからほっといて！」

凛
「じゃあ最後の質問ね」

奈緒
「くぅっ……長かった」

凛
「萌えって何？」

奈緒
「最後の最後まで回答に困るものを……」

奈緒
「定義は人によって異なるってのを大前提においてくれ」
「なんかこう、可愛いキャラクターとか、行動やセリフ、リアクションに興奮する様子だ」
「ブヒるとほとんど同じだよ。可愛いものに興奮する様、以上！」

凛
「ふーん……流石奈緒、可愛いうえに博識とか、流石だよね」

奈緒
「べ、べつにこんな偏った知識褒められても……ってか、可愛いとか言うな！」

凛
「可愛い！　奈緒可愛い！　太眉可愛い！　ツンデレ可愛い！　奈緒ちゃんマジ可愛い！」

＼ﾅｵﾁｬｰﾝ！／
＼ﾅｵﾁｬﾝﾓｴｰ！／＼ﾌﾞﾋｨ！　ﾌﾞﾋｨｲｲ！／
＼ﾅｵﾁｬﾝｶﾜｲｲｿﾞｰ！／＼ﾅｵﾁｬﾝｱｲｼﾃﾙｿﾞｰ！／
＼ﾅｵﾁｬﾝﾏｼﾞﾌﾟﾘﾁｰ！／＼ﾗﾌﾞﾘｰﾀﾞﾖﾅｵﾁｬｰﾝ！／
＼ｶﾜｲｲﾖﾅｵﾁｬｰﾝ／＼ｵﾚﾀﾞｰ！ ｹｯｺﾝｼﾃｸﾚｰ！／＼ﾌﾝﾃﾞｸﾀﾞｻｲ！ ﾅﾝﾃﾞﾓｼﾏｽｶﾗ！／

奈緒
「～～～～～！！！」

凛
「奈緒、今最ッ高に萌えだね」

奈緒
「イジめか！　もうヤダ帰るからな！」

凛・奈緒
「「どうも、ありがとうございましたー」」

凛
「あ、逃げちゃった……この漫才はフィクションだからね」
「奈緒が801本持ってること以外はね」

＜ﾓｯﾃﾅｲｯﾂｯﾃﾝﾀﾞﾛｫｰ！

～終幕～

＊漫才か、これ？　って言うツッコミは締め切りました。

おつ！

口調とか呼び方に不安がありすぎる。

>>24 乙ありです～。読んでいただきありがとうございます。