1: 2019/02/05(火) 13:49:02.27 ID:kcSAMv/Yo
武内P「……」

武内P(こういった飲み会は、久しぶりだ)

武内P(仕事関係とは言え、本当に)


天道「それじゃ、乾杯の音頭はこの俺が!」

桜庭「君に任せたら、宴会の音頭になるだろう」

天道「何ぃ!? 良いじゃねえか、宴会!」

柏木「ふ、二人共! 今日は俺たちだけじゃないんですから!」


石川P「はははっ」ニコニコ!


武内P「……」



2: 2019/02/05(火) 13:53:27.90 ID:kcSAMv/Yo
桜庭「柏木の言う通りだ、あまり大声を出すな」

天道「お前も言われてるんだよ、桜庭!」

柏木「プロデューサー! お願いします!」

石川P「僕がですか?」

石川P「それでは……ゴホンッ!」


石川P「新しい出会いと、今日のお酒に――」

石川P「――乾杯っ!」


天道・柏木「乾杯ー!」

桜庭「乾杯」


武内P「……乾杯」

3: 2019/02/05(火) 13:57:20.39 ID:kcSAMv/Yo
天道「ングッングッ……プハーッ!」

天道「やっぱり、仕事終わりの酒は美味いな!」

桜庭「酔っぱらいの面倒を見る気は無いぞ」

天道「あぁ、そうですかい! 任せたぜ、翼!」

柏木「おっ、俺ですか!?」


石川P「皆さん、程々にしてくださいね」

石川P「あっ、プロデューサーさんは遠慮なさらず」

石川P「どんどんいっちゃってください♪」


武内P「それは……け、検討します」

4: 2019/02/05(火) 14:01:10.34 ID:kcSAMv/Yo
天道「とりあえず、呼び方を考えようぜ!」

石川P「えっ?」

桜庭「確かに、それはあるな」

武内P「呼び方、ですか?」

柏木「あー……実は、俺もそれ思ってたんです」


天道・桜庭・柏木「お互い――」

天道・桜庭・柏木「――プロデューサーさん」

天道・桜庭・柏木「……って呼び合ってるから」


石川P「あー……あはは、確かにそうでしたね」

武内P「アイドルの方が居る前では、自然とそうなってしまいますね……」

5: 2019/02/05(火) 14:05:13.15 ID:kcSAMv/Yo
天道「ようし! いっちょ、俺が考えてやるぜ!」

桜庭「君がか? 不安しか無いな……」

柏木「まっ、まあまあ! 一応、聞いてみましょうよ!」

天道「おい、翼! 一応って何だよ、一応って!」


天道「俺らのプロデューサーは――」

天道「――勿論、プロデューサー!」


石川P「はいっ♪」


天道「そんでもって、346さんの所のプロデューサーは――」

天道「――Pくん、ってのはどうだ!」


武内P「……Pくん、ですか」

6: 2019/02/05(火) 14:09:09.04 ID:kcSAMv/Yo
桜庭「初対面に近いのに、‘くん’付けか?」

天道「わかってねえなあ!」

天道「‘さん’付けだと、変に距離を感じるだろう?」

柏木「あっ、確かにそうかも知れませんね」


石川P「それでは……」

石川P「今日は楽しみましょう、Pくんさん!」


武内P「ええ、プロデューサーさん」

武内P「……良い、飲み会にしましょう」


天道「……おい、なんか二人揃ってズレてないか?」

柏木「あ、あはははは……」

7: 2019/02/05(火) 14:14:05.53 ID:kcSAMv/Yo
桜庭「それにしても……」

桜庭「プロデューサーは、よくPくんを誘えたな」

柏木「……サラッとPくんって言った」


石川P「今日の皆さんのLIVEに、来てらっしゃってましたから」

石川P「テレビの収録で、スタジオで姿を見かけていて……」

石川P「それで、良ければどうかと声をかけたんです」


武内P「よく、わかりましたね」

武内P「別段、おかしな格好はしていなかったのですが……」


天道「あっはっは! そりゃ、アンタの見た目ならなぁ!」

柏木「ちょっ、ちょっと! 輝さーん!?」

8: 2019/02/05(火) 14:19:18.73 ID:kcSAMv/Yo
桜庭「すまない。コイツは、少しデリカシーに欠けている」

武内P「ああ、いえ……お気になさらず」

柏木「輝さん! 謝った方が良いですよ!」

天道「えっ!? ああいや、悪気があったわけじゃないんだ!」

天道「身長も高いし、ステージの上からでもわかったぞ!」

武内P「……」


武内P「……よく、警察の方に職務質問をされてしまいますが」

武内P「もう少し背が低ければ、目立たずに済んだのでしょうか」


天道・桜庭・柏木「……」

天道・桜庭・柏木「はいっ?」

9: 2019/02/05(火) 14:22:36.48 ID:kcSAMv/Yo
天道「職務質問?」

武内P「ええ……それも、何度も」

桜庭「何度も?」

武内P「はい」

柏木「ふ、普通に歩いててですか?」

武内P「それもありますが……」


武内P「シンデレラプロジェクトのメンバー……渋谷凛さん」

武内P「彼女をスカウトする時は、職務質問だけでなく――」

武内P「彼女の通う学校では、不審者が出るとも言われて……」


天道・桜庭・柏木「……」

10: 2019/02/05(火) 14:26:10.47 ID:kcSAMv/Yo
天道「……っくく! おいおい、マジかよ!」

武内P「残念ながら」

桜庭「おい! 笑うのは失礼……っふふ!」

武内P「……いえ、お気になさらず」

柏木「ほっ、他のメンバーの時は、大丈夫だったんですよね!」


武内P「はい、勿論です」

武内P「島村卯月さんには、ママー……と、叫ばれてしまいましたが」

武内P「……問題ありません」


天道・桜庭・柏木「……」

天道・桜庭・柏木「あっはっはっはっは!!」

11: 2019/02/05(火) 14:31:43.61 ID:kcSAMv/Yo
天道「あはっはっはっ! 問題大有りだろ!」

天道「ママー、って! あー、腹痛ぇ! あっはっは!」

武内P「いえ、島村さんは……まだ、問題ありませんでした」

桜庭「それで問題が無いと言えるとは……っくく!」

柏木「笑っちゃ悪……あっ、あははは!」


武内P「……島村さんと二人での活動をお願いした、小日向美穂さん」

武内P「彼女は……急に私の顔を見て、気絶されてしまって」

武内P「……あの時ばかりは、本当に焦りました」


天道・桜庭・柏木「……」

天道・桜庭・柏木「あっはっは! あーっはっはっは!!」

12: 2019/02/05(火) 14:37:42.97 ID:kcSAMv/Yo
天道「気絶! 気絶って! あっはっは!」

武内P「それだけでなく、他にも……」

桜庭「まっ、待ってくれ! 少し、落ち着かせてっふうっ!」

武内P「……良い、笑顔です」

柏木「今!? 今、それを……あははははっ!」


天道「ングッングッ……プハーッ!」

天道「やべえな、Pくん! 良いネタ持ってんなぁ!」

桜庭「事実は小説より奇なりとは言うが……っくく!」

柏木「気絶なんてされたら、困っちゃいますよね! あははっ!」


武内P「……ええ、とても困りました」

武内P(……楽しい)

13: 2019/02/05(火) 14:43:23.54 ID:kcSAMv/Yo
天道「よし! 間違って捕まったら俺が弁護してやるよ!」

武内P「弁護、ですか?」

桜庭「こう見えて、元弁護士だからな」

天道「こう見えてってのは、どういう意味だぁ?」

桜庭「そのままの意味だが」

桜庭「ちなみにだが、僕は元外科医で……」

柏木「? あっ! 俺は、元パイロットです!」


武内P「とても個性的で良いユニットだ、と」

武内P「……そう、思います」


天道「おうっ!」

桜庭「まあ、そうだな」

柏木「はいっ!」

14: 2019/02/05(火) 14:48:41.87 ID:kcSAMv/Yo
天道「だから、俺たちのLIVEを見に来てくれたんだろ?」

武内P「ええ、何かの参考になるかと思いまして」

桜庭「成る程。担当するアイドルのために、か」

武内P「はい。初めは、そのつもりでした」

柏木「初めは? それって……参考にならなかったって事ですか?」


武内P「はい」


天道・桜庭・柏木「……」


武内P「皆さんのLIVEが、あまりにも素晴らしすぎて……」

武内P「……途中からは、ファンとして楽しんでしまいました」


天道・桜庭・柏木「……!」

15: 2019/02/05(火) 14:54:09.37 ID:kcSAMv/Yo
天道「っかー! 嬉しい事言ってくれるねぇ!」

武内P「いえ、自分としては当然の事を……」

桜庭「ふっ、仕事の邪魔をしてしまったかな」

武内P「……今日は休みなので、問題ありません」

柏木「あはは! だったら、大丈夫ですね!」

天道「プロデューサー! LIVE、思った以上の大成功だったな!」


石川P「……くくっ……職務質問……!」ピクピク…!

石川P「ふっ……ふふっ、不審者……!」ピクピク…!


柏木「ぷっ、ぷぷっ、プロデューサー!?」

桜庭「……静かだと思ったら、ツボに入っていたのか」

16: 2019/02/05(火) 14:59:32.93 ID:kcSAMv/Yo
  ・  ・  ・

石川P「……すみません、失礼しました」

武内P「ああいえ、あまりお気になさらず」

天道「とりあえず、気を取り直して乾杯しようぜ!」

桜庭「そうだな。まだ時間は早い」

柏木「料理もどんどん頼みましょう!」

天道「翼は滅茶苦茶食うからなー!」

武内P「私も、食には関心があります」

石川P「ああ、だからお二人とも背が高いんですね」

桜庭「……乾杯はしないのか?」

17: 2019/02/05(火) 15:05:10.63 ID:kcSAMv/Yo
  ・  ・  ・

天道「……っあー……飲んだなぁ」

桜庭「明日がオフでなければ、こうはいかないな……」

柏木「あはは……俺、笑いすぎてお腹痛いです」


武内P「本日は、お招き頂きありがとうございました」

石川P「いえいえ、こちらこそ」

石川P「お陰様で、色々と……っふふ、聞けましたから!」


天道「渋谷の凛ちゃんが、怒ると滅茶苦茶怖いとかな!」


武内P「すみません……それは、オフレコで」


天道・桜庭・柏木・石川P「あはははは!」

18: 2019/02/05(火) 15:09:47.75 ID:kcSAMv/Yo
石川P「――アイドルの皆さんの、笑顔」

石川P「その笑顔の手助けがしたい……ですよね」

武内P「はい」

武内P「アイドルの皆さんの、輝くような笑顔」

武内P「そのために、私にも出来ることがあれば……と」


石川P「……」


武内P「どうか、されましたか?」


石川P「アイドルはどうでしょうか?」


武内P「……」

武内P「えっ?」

19: 2019/02/05(火) 15:13:19.15 ID:kcSAMv/Yo
天道「おいおい、プロデューサー!?」

桜庭「それは……スカウトか?」

柏木「ええっ!? い、良いんですか!?」


武内P「し、しかし……自分は」

武内P「……この通り、ですから」


石川P「そうでしょうか?」

石川P「今日、お話ししてみて……思いました」

石川P「貴方なら、沢山の人を笑顔に出来る、って」


武内P「……」

20: 2019/02/05(火) 15:16:14.24 ID:kcSAMv/Yo
石川P「人を笑顔にしたい、その思いは――」

石川P「プロデューサーも、アイドルも同じだと思います」


武内P「……ですが」


石川P「そして僕はアイドルなら――」

石川P「もっと沢山の人達に、それを伝えられると思いました」


武内P「……それは――」

武内P「――貴方にも言えることだ、と」

武内P「……そう、思います」


石川P「はい」

石川P「……」

石川P「え、ええっ!?」

21: 2019/02/05(火) 15:20:13.84 ID:kcSAMv/Yo
天道「な、なんか怪しい雲行きがもっと変になったぞ!?」

桜庭「あれは……逆スカウト、だな」

柏木「お、俺! こんな乱気流の中は飛べません!」


武内P「貴方の整ったルックス」

武内P「そして、落ち着いた喋り方に、穏やかな性格」

武内P「何より――笑顔」

武内P「貴方の笑顔は――アイドルとして、十分通用するものです」


石川P「まっ、待ってください!」

石川P「僕は、プロデューサーですよ!?」


武内P「はい、私もプロデューサーです」


石川P「……!?」

22: 2019/02/05(火) 15:25:26.41 ID:kcSAMv/Yo
武内P・石川P「……」


天道「……しょうがない、助け舟を出すか」

桜庭「……まあ、それが妥当だな」

柏木「が、頑張ってください! 輝さん!」


天道「――お二人さん!」

天道「そのまま黙りこくってたって、何も始まらないぜ!」


武内P・石川P「天道さん……」


天道「とりあえず、二軒目行こうぜっ!」ビシッ!


桜庭「……それは、問題を先送りしただけだろう」

柏木「て……輝さん……」

23: 2019/02/05(火) 15:32:18.16 ID:kcSAMv/Yo
  ・  ・  ・

天道「さぁ~て、二軒目はどうしようかね!」

天道「二軒目に行くのが賢明、ってか!」

桜庭「……もう少し考えて物を言え、ダジャレ製造機」

天道「んだとぉ!?」

柏木「おっ、大声を出すと目立っちゃいますから! ねっ!」


石川P「二軒目は、カラオケなんてどうでしょうか?」

武内P「カラオケ、ですか?」

石川P「はい♪ 歌は、苦手だったりしますか?」

武内P「……いえ、そんな事はありませんが」

24: 2019/02/05(火) 15:39:22.18 ID:kcSAMv/Yo
天道「おっ、現役アイドルの居るカラオケなんて贅沢だぞ~!」

桜庭「自分で言うことか」

柏木「あはは、ダンスは狭くて出来ないですけどね」


石川P「デュエットしましょう! デュエット!」


武内P「あの……」


石川P「――僕は、覚悟を決めました!」

石川P「もしも、それが貴方の願いに届くものだったら……」


石川P「プロデューサーズ」


石川P「……なんてユニット名は、どうでしょうか?」ニコッ!


武内P「……」

武内P「……良い、ユニット名です」ニコリ!

25: 2019/02/05(火) 15:40:55.08 ID:kcSAMv/Yo




    「プロデューサーさん?」



 

26: 2019/02/05(火) 15:46:02.56 ID:kcSAMv/Yo
武内P「――っ!?」ビクゥッ!

石川P「ど、どうかしましたか?」

武内P「えっ!? ええ、ああ、いえ……」

天道「どっ、どうしたんだ!? 顔色が真っ青だぞ!?」

桜庭「飲み過ぎたのか? だが、さっきまでは……」

柏木「……普通、でしたよね」


武内P「こ……声が」

武内P「知っている方の声が聞こえたので……ですね」


天道・桜庭・柏木・石川P「……声?」

27: 2019/02/05(火) 15:52:12.80 ID:kcSAMv/Yo
天道「……気の所為じゃないのか?」

桜庭「ああ。この人の多さで、聞き取れるとは思えない」

柏木「……ですよね」

石川P「もしかして……カラオケが嫌だったりします?」

武内P「いっ、いえ! そんな事は、決して!」


武内P「……私の、勘違いだったのかも知れません」


石川P「本当に、大丈夫ですか?」


武内P「ええ、問題ありません」

武内P「むしろ、皆さんとの飲み会は非常に楽しく……」

武内P「……とても、充実しています」ニコリ!

28: 2019/02/05(火) 15:59:51.66 ID:kcSAMv/Yo
早苗「……あんな事言ってるけど、タイホする?」

瑞樹「する気満々でしょ? わかるわ」

ちひろ「今日は、珍しく休日出勤して来ないと思ったら……」

楓「……」

早苗「プロデューサーズとか、全部吐かせましょ」

瑞樹「洗いざらい、ね」

ちひろ「カラオケなら、大声を出しても平気ですね♪」ニコッ!

楓「……」

早苗「……楓ちゃん、何か言いなさいよ」


楓「……」

29: 2019/02/05(火) 16:06:06.48 ID:kcSAMv/Yo
武内P「――っ!?」ゾクゥッ!

石川P「ど、どうかしましたか!?」

武内P「す、すみません……! 急に、寒気が……!」ガクガク!

天道「なんだ、その震え方!?」

桜庭「これは……すぐに帰った方が良いな」

柏木「俺、送っていきますよ!」


武内P「い、いえ……此処で、大丈夫です」ビクビク!

武内P「病気だった場合、皆さんにうつしてしまうかも知れませんし……」ソワソワ!

武内P「きょ、今日はありがとうございました……」キョロキョロ!

武内P「お疲れ様でした……お先に、失礼します……」ブルブル!


天道・桜庭・柏木・石川P「お……お疲れ様でした」

30: 2019/02/05(火) 16:17:29.45 ID:kcSAMv/Yo
天道「あー……スカウト失敗、か?」

石川P「……残念です」

桜庭「しかし、プロデューサーもめげないな」

石川P「ええ 勿論! 笑顔のためですから!」

柏木「でも……プロデューサーをスカウトは……」


石川P「……どうしてでしょうね」

石川P「何故か、上手くいきません」

石川P「……良い感じだと思ったんですけど」


天道・桜庭・柏木「……」


石川P「765プロのプロデューサーさんの時も、途中で体調を崩されて……」


石川P「何か、理由でもあるんでしょうか?」




おわり

34: 2019/02/05(火) 19:15:40.05 ID:W04T6FG10
武内Pは男性キャラと絡んだ方が輝くと思うじぇ

37: 2019/02/05(火) 21:38:11.92 ID:5KmECAZ5O


サイドMよく知らんけど
元弁護士に元医師なの?
懲戒でもくらった?

38: 2019/02/05(火) 23:26:26.56 ID:Y+jhirtFo
資格は維持してるけど開業してないとかそんな感じじゃない?
ファータ・グランデでシンデレラプロジェクトとつるんでるいまげ


40: 2019/02/06(水) 10:36:41.45 ID:Xwf5OYasO
元弁護士と元医者と元パイロットの高偏差値ユニットだぞアイドルやってるのはまあ理由あって

引用元: 武内P「理由あって、飲み会」