11: 2011/02/17(木) 20:59:44.46 ID:DiSTrKWE0
上条「……」

トルネコ「ふぅ……なんとか5ダメージで済みましたな」

上条「ベランダにおっさんが引っかかってる……」

トルネコ「しかし満腹度はもう0……」

上条「……」

トルネコ「チラッ」

上条「……」

トルネコ「チラッチラッ」

上条「……これで良かったら食べます?」

トルネコ「むむ、少し酸っぱい臭いがしますが……まあ良いでしょう」

トルネコ「値段にしたら10Gですな……ではいただきます」アム


トルネコは腐ったやきそばパンを食べた!
5のダメージを受けた!ちからが1下がった!


トルネコ「ぐはぁっ!」

上条「……」

12: 2011/02/17(木) 21:56:13.75 ID:W1vzJSxMQ
上条「はあ、商売にですか……」

トルネコ「ええ、大事な妻と子供のために身を粉にして働いているわけですよ」

上条「それでどうしてここに? 第一そう簡単に入り込める場所じゃないと思うんですが」

トルネコ「いやあ、うっかりバネの罠を踏んだら巨大な塀を乗り越えてしまいましてね

   おまけに吹き飛ばしの罠に掛かってしまいあわやこの建物から真っ逆さま」

上条「なかなか不幸ですね」

トルネコ「いやいや、多少の幸不幸は身一つで挽回できますよ

   流石に階を降りた瞬間モンスターハウスとかは不幸を嘆きますがね」

13: 2011/02/17(木) 22:07:25.29 ID:W1vzJSxMQ
トルネコ「ところでこの辺りに武器屋か道具屋なんかはありませんかね」

上条「道具屋…っていうのはもう少し具体的には分からないですか?

   あと学園都市に武器なんて売ってないですよ」

トルネコ「武器屋がない? それは困りましたなあ…仕方ない、魔法の杖か巻物を売っている店は知らないかな?」

上条「魔法の杖? 巻物? いやいや魔法なんてあるわけないですよ」

トルネコ「これは心外ですね。ふむ、いいでしょう

   今の私は武器商人ですから呪文は使えませんが、魔法のアイテムを使うことはできます」

16: 2011/02/17(木) 22:22:28.02 ID:W1vzJSxMQ
上条「その紙切れは何ですか? それが巻物というやつですか」

トルネコ「その通り。本当はコイツは少々お高いんですが、信用がないと商人はできませんからね

   これは聖域の巻物と呼ばれる、強力な結界となるアイテムなんです。この上にいる限り直接私に手を出すことはできません」

上条「へー、そうですか。俺の右手にはあらゆる異能の力を打ち消す幻想頃しが宿っているんですよ

   もしそれが魔法の力で守られてるなら俺が殴ろうとしたら普通に殴れそうですね」

トルネコ「はっはっはっ。またまたご冗談を。聖域の巻物が効かないなんて洞窟の主ですら珍しい

   誰もが持っているような力ではないんですよ」





上条「いいぜ、その巻物が何でも防ぐって言うんなら……

   まずはその幻想をぶち頃す!」

18: 2011/02/17(木) 22:30:06.95 ID:W1vzJSxMQ
かみじょうの こうげき!
トルネコは 17のダメージをうけた!

トルネコは きぜつした。

~~~

上条「…すいません、力の加減ができませんでした……」

トルネコ「いえ、大丈夫です。ただあまりに予想外でしたので……

   まさか、ここは稀にあるという魔法力の及ばない空間ですか?」

上条「?」

トルネコ「さっきの聖域の巻物は…あった」ムンズ



トルネコ「…剥がれませんね。ちょっと上条さん、左手で巻物を引っ張って貰えます?」

上条「どれどれ」

19: 2011/02/17(木) 22:37:45.02 ID:W1vzJSxMQ


上条「…確かにこれは離れませんね……」

トルネコ「では右手でお願いします」

バギン

上条「…あーなるほど……」

トルネコ「こちらも得心しました…まさかこのような力の持ち主が居ようとは

   いかがです、私のボディーガードを勤める気はありませんか? 勿論給金は弾みますよ」

上条「苦学生の上条さんには渡りに船ですね。ただ学生なんで平日の昼間は無理なんですよ」

トルネコ「わかりました。時間は考慮しましょう」

20: 2011/02/17(木) 22:49:29.29 ID:W1vzJSxMQ
~ボディーガード開始~

トルネコ「来てくれて助かります。それでは早速商品の仕入れに行きますか」

上条「仕入れってどちらへ?」

トルネコ「この辺りに未踏の洞窟や遺跡とかないですかな。大抵そういった場所にお宝が眠っているんですが」

上条「…学園都市にそんな場所あるわけないですよ」

トルネコ「ふむ、困りましたな。取り敢えず人通りの少ない方向に行きますか」

~~~

トルネコ「ふーむ…本当に何もないですな…手に入ったアイテムは腐ったパンと雑草くらいか……」

上条「それってアイテムって言うんでせうか……」

トルネコ「いやいや必要とあらば合成の壷をパンに変えて食べますよ…おや、あれは?」

22: 2011/02/17(木) 23:04:08.48 ID:W1vzJSxMQ
??「おかしいな…人払いのルーンはきちんと仕込んだはずなんだが……

   この子を回収するのに手間が増えてしまったな」

上条「? 何を言っているんだ」

トルネコ「おや、シスターと魔法使いですかな?こちらではあまり見かけませんでしたが」

??「!? まだ何もしていない段階で僕を魔術師だと見破るとは…

   仕方ない…炎よ、巨人に苦痛の贈り物を!」

上条「な、何だコイツ!」

トルネコ「取り敢えずあのシスターから引き離すのが先決ですな…ほれ、吹き飛ばしの杖!」

27: 2011/02/17(木) 23:19:26.23 ID:W1vzJSxMQ
??「なっ!?」ギュオン



上条「すげぇなトルネコさん…互いに何やってるか未だに理解が追い付いてねえよ……」

トルネコ「話は後にしよう。彼女の保護が優先だ

   大丈夫かね君。さっきの男に狙われていたようだが?」

??「ありがとう!私はインデックスっていうんだよ」

禁書「さっきの人は何者か知らないけどきっと私の103000冊の魔導書を狙ってきたんだよ」

上条「はぁっ? 103000冊の本だ? 何言ってるんだ」

トルネコ「詳しい事情は後にしましょう。まだ我々は危機の真っ只中にいるわけですし」

上条「!?」

31: 2011/02/17(木) 23:30:05.38 ID:W1vzJSxMQ
??「全く…予想外だよ、まさか既に他の魔術師がこの街に入っていたとは……」

上条「何だテメェは!何故この子を狙う?」

??「それを君たちに話す理由などない…代わりに教えておいてやろう

   僕の名前はステイル=マグヌス。君たちを頃す者だ」

トルネコ「物騒なことを言いますなあ」

ステイル「出でよ!我が切り札…イノケンティウス!!」



トルネコ「溶岩魔人ですか…一匹くらいどうということはないでしょう」

37: 2011/02/17(木) 23:45:53.50 ID:W1vzJSxMQ
ステイル「戯言を…行けイノケンティウス! 奴らを焼き尽くせ!」

上条「トルネコさん!奴の攻撃は俺が食い止めます!今のうちに逃げてください!」

トルネコ「はっはっはっ。それには及びませんよ」スチャッ



ザンッ!

ステイル「何だと? イノケンティウス!」

トルネコ「『アイスソード』…遥か異国の地ではこれ一本のために命を狙われることもある名剣です」

上条「トルネコさん…剣も使えるのか……」



ステイル「ふん、それでイノケンティウスを倒したつもりか? こいつは僕の魔力がある限り何度でも再生可能だ」

トルネコ「ほう?」

41: 2011/02/18(金) 00:05:05.78 ID:Yt32N1nDQ
ステイル「イノケンティウス! 奴らを押さえ込め!」

轟!

トルネコ「上条さん、やっぱり少し手を貸して貰えますかな」

上条「わかりました。奴を食い止めればいいんですか?」

トルネコ「いえ、真っ直ぐあの男に向かってぶちのめしてやってください。溶岩魔人の攻撃はあなたには届きません」

上条「何か手がある…というわけですね」

ダッ

上条「うおぉぉぉっ!」

ステイル「! イノケンティウス、先にこの男を…イノケンティウス?」



トルネコ「かなしばりの杖。戦って勝てない相手は何らかの方法で無力化する。不思議なダンジョンの基本ですな」

ステイル「バカな!イノ――」

バキャッ

46: 2011/02/18(金) 00:21:31.73 ID:Yt32N1nDQ
上条「どうしますかトルネコさん」

トルネコ「ひとまずここを離れましょう。敵は一人とは限らないし、

   あの男が溶岩魔人を一旦消してまた呼び出したら我々はジリ貧です」

上条「そうですね。インデックスも来るか? まあ俺たちもアレだから別に強制はしないが」

禁書「…おなかがすいたんだよ。ごはんくれるとうれしいな」



上条「………………」

~~~

禁書「ありがとう!そしていただきます!」

バクバク

上条「さてインデックス…どう考えても偽名だが、差し支えがなければ事情を聞きたいんだが」

48: 2011/02/18(金) 00:38:44.67 ID:Yt32N1nDQ
禁書「私は10万3000冊の魔導書を持っているから世界中の魔術師から狙われているんだよ」

上条「さっきもそんなことを言っていたがどこにもないだろ…データか何かか?」

禁書「ううん、私の頭の中にあるんだよ。完全記憶能力で全て記憶してるの」

トルネコ「ふむむ…にわかには信じられないですな。それほどに多くの魔法を操れるわけですか?」

禁書「私は魔力がないから魔法を使えないんだよ」

上条「それで信じろって言うのも無茶な話だな。魔術があるのはもう疑わないが、インデックスが言うことを鵜呑みには出来ないな」

トルネコ「ふ~む、狙われているのはわかりますが、呪文も使えない丸腰で追っ手からよく逃げられましたな」

禁書「この歩く教会のおかげなんだよ」

49: 2011/02/18(金) 00:49:43.74 ID:Yt32N1nDQ
二人「歩く教会?」

禁書「この修道服はすごい防御力を持っていて、並の魔法や攻撃じゃ決して傷が付かないんだよ」

トルネコ「ふむむ…事実なら何十万ゴールド、いやもしかしたら……」

上条「トルネコさん…そんな話を信じているんですか? こんなたかが布切れが……」ポンポン

バギン

はらり



トルネコ「おやおや」

上条「………………」

禁書「………………///」

57: 2011/02/18(金) 01:20:28.35 ID:Yt32N1nDQ
起きてるが徘徊中だった
あと>>1じゃないから書き溜めがないんだ
ちょっと待ってくれ

58: 2011/02/18(金) 01:30:40.62 ID:Yt32N1nDQ
上条「痛てて…獰猛すぎだろお前……」

トルネコ「そうですな…効果のほどは解りかねましたが、上条さんの右手で破壊されたのは惜しい話ですなあ」

禁書「酷いんだよ…いたいけな少女を裸にひん剥くなんて……」

上条「おいインデックス、その服ピンで留めてるけど着る気か?」

禁書「………………」

トルネコ「ふむう、そう言うわけにはいかんでしょうな。最近は鎧の類いは扱いを減らしてるんだが、とっておきを見せよう」

禁書「えっ? なにかななにかな?」

62: 2011/02/18(金) 01:40:15.75 ID:Yt32N1nDQ
上条「これは凄いな…俺でも見ただけで分かる」

禁書「きれいなんだよ…私にぴったりかも!」

トルネコ「エルフの村にのみ伝わる自慢の逸品ですからね…炎に耐性もありますし、これを着るといいと思いますよ」

禁書「ありがとう!」

上条「わざわざすみません…こんなにしてもらって」

トルネコ「はっはっはっ。なに、上条さんなら半年くらいボディーガードをしてくれれば十分ですよ」

上条「えっ? まさか……」

トルネコ「私も商人ですからな。はっはっはっ」

上条「ふ…不幸だー!」

67: 2011/02/18(金) 02:01:01.83 ID:Yt32N1nDQ
禁書「…ありがとう。あとはなんとか私だけでも逃げ切るんだよ」

上条「は? 何言ってんだ! 大体逃げ切るって何処へ行こうってんだ!」

禁書「私はイギリス清教だからロンドンに行ければ一番いいけど、まずは英国式教会かな」

トルネコ(…地名が分からない。私も随分遠くに来たんだなぁ)

上条「ふざけんな! もう少し頼ってくれれば……」



禁書「じゃあ、私と地獄の底まで着いてきてくれる?」





トルネコ「地獄の底ですか。いやはや懐かしい。地獄の帝王をこてんぱんにしたのはいつでしたかなあ

   その程度の氏出の旅など、いくらでも付き合いますよ」

72: 2011/02/18(金) 02:13:21.17 ID:Yt32N1nDQ
水の羽衣のつもり>服
IVって世界樹のある村にしか売ってなかった記憶が

~~~

??「ステイル=マグヌスともあろう者が、まさか敗れるなんて」

ステイル「全く、忌々しい話だよ神裂。だが気にかかるのは割って入った年配の男……」

神裂「ステイルを吹き飛ばし、イノケンティウスの動きを止めた、更には氷の剣を操ったという」

ステイル「学生風の若い男は能力者か何かだと思うが、年齢から考えても間違いなくあの男は――魔術師」

神裂「一刻も早く彼女を回収する必要がありますね」

76: 2011/02/18(金) 02:31:51.86 ID:Yt32N1nDQ
上条「…ったく、詳しく問い質してみれば記憶が一年前からないだとよ……」テクテク

トルネコ「なかなかに厳しいですな。彼女の家族はどうしてるんでしょうかね」テクテク

上条「そう言えばトルネコさんは妻と子供がいるって言ってましたっけ」

トルネコ「いやあ、妻のネネと息子のポポロが私の支えですよ

   ネネはよくできた妻で私が見習い商人の頃から支えてくれて、ポポロは元気な盛りですよ」

上条「なんかいいですね、そう言うの

   ……? やけに人通りが……」





神裂「ステイルが人払いのルーンを刻んでいるだけですよ」

77: 2011/02/18(金) 02:54:05.83 ID:Yt32N1nDQ
上条「テメェも魔術師か……?」

神裂「神裂火織です、あなた方のことはステイルから聞いています。率直に申しますと、インデックスを保護させていただきます」

トルネコ「少々お待ちください。あなた方は彼女を手にして何を企んでいるというのです

   彼女は10万3000冊の魔導書をその頭脳に持っていると聞きました。あなた方は一体それで何を?」

神裂「それを答える必要はありません。邪魔をするというのであれば

   魔法名、ステイル流に言うなれば『頃し名』を名乗らずにはいられません」

上条「ここでハイそうですかと渡すはずがねぇよ」

トルネコ「仕方ありませんな。話し合いができない以上……」



神裂「力尽く、ということですか」

79: 2011/02/18(金) 03:08:23.24 ID:Yt32N1nDQ
上条「トルネコさん、相手は魔術師ですから、あの刀で何か仕掛けても多分大丈夫です。俺が行きます」

トルネコ「それは危険だな、上条さん。いや敢えて上条くんと呼ぼうか

   若さに任せて正体や力量が分からない相手に正面から戦いを挑むのは危険だ」

ジャキッ

神裂「クロスボウ、ですか。あなたは魔術師と聞いていましたが」

トルネコ「しがない商人ですよ」ビュン!

カキーン!

神裂「無駄です。私の『七閃』の前にそのようなものは通用しない」



上条「………………」

トルネコ「わかっただろう上条くん。私も剣や魔法具を使う商人だが、彼女の剣が魔法によるものとは限らない」

82: 2011/02/18(金) 03:25:29.00 ID:Yt32N1nDQ
トルネコ「彼女は私が止めてみよう。だが正直私でも勝てる保証はない。

   もし負けたら…インデックスを見つけてここを離れることを考えてくれ」

上条「トルネコさん……」

トルネコ(正面からの投擲はほぼ無効…魔法弾もかわされるかも知れませんな。では……)モグモグ

ヒュン!

神裂「っ!? 七閃!」キィン

トルネコ「流石に倍速でも追い付きますか…手強いですな」

神裂「正直私も驚きました。七閃をいくつか捌いた上でここまで近づきますか…並の魔術師とは思えない」

85: 2011/02/18(金) 03:47:22.63 ID:Yt32N1nDQ
トルネコ「まったく、ドラゴンくらいならアイテムなしで行ける自信があったんですが」キィン

神裂「あなたの力もさることながら、立派な剣と盾をお持ちで」キン!

トルネコ「ええ…私が醜態を晒し続けてた頃にさる王様から賜った自慢の装備ですよ」キィン

キィン! キン!

神裂(…動きが鈍くなった?)

トルネコ(まずい…素早さの種の効果が!)

神裂「これで終いです」ヒュン

ザン!

トルネコ「…ぐっ、しかし私の射程圏内!かなしばりの巻m……」



神裂「!? Salvare000!!」

88: 2011/02/18(金) 04:00:28.34 ID:Yt32N1nDQ
上条「トルネコさん!」

トルネコ「ぐうう…に、逃げるんだ上条くん……」

神裂「正直、名乗りたくはありませんでしたが…彼女の為ならば私は躊躇しません」

上条「ふ…ふざけんじゃねぇよ!」バッ

シュパッ

上条「ぐ…あっ……」

神裂「さっきの戦いを見ていなかったのですか。

   あなたがどういった力を持つか知りませんが、あなたに出る幕はありません

   降参してください。それで全ては収まります」

91: 2011/02/18(金) 04:24:01.38 ID:Yt32N1nDQ
神裂「一年より前の彼女の記憶が存在しない話は聞いているかもしれませんが、

   それは私たちがかつての仲間である彼女を救うための唯一の手段」

上条「何を…バカな……」

神裂「10万3000冊の魔導書を全て記憶している完全記憶能力――

   そのせいで彼女は脳の残り15%――たった一年分の記憶しか収められない」

ステイル「彼女の様子をさっき見てきた。やはり兆候が出始めているようだ」ザッ

上条「そ…んな……」

ステイル「残りの数日、君たちに彼女を預けておくよ。逃げられると困るからね」

神裂「それが過ぎたら、私たちは彼女の記憶を頃し尽くします。彼女の為に」



トルネコ「ぐっ……」

上条「ち…ちくしょー!!」

93: 2011/02/18(金) 04:32:27.62 ID:Yt32N1nDQ
禁書「きりのいいところまで書きたかったけど筆者も眠いんだよ」

トルネコ「日中は保守だけするかなにもしないか、ちびちび書くかわかりませんな」

上条「と言うわけで済まない。落としてくれて構わないぜ」

103: 2011/02/18(金) 12:56:49.22 ID:Yt32N1nDQ
禁書 ハァ…ハァ……



トルネコ「ふ~む、我々が外に出ている間にまさか彼女がこんなことになっていたとは……」

上条「なんとかインデックスを救う方法を考えないと…トルネコさん何か思いつきませんか?」

トルネコ「そうですな…万病に効くパテギアの根と言う薬も存在しますが、

   記憶容量が原因だとしたら何の解決にもならないでしょうな……」

上条「あれだけの力を持つアイツ等があんな手段でしか生かせられないってことは、魔術的な手段では止められないってことか……?」

上条(なら、科学の領域ではどうだ? 記憶量の増大を食い止める手段は……)

上条「すいません、俺ちょっと学校の先生に聞きたいことがありますんで、インデックスを看てもらってていいですか?」

トルネコ「ええ、私も少し考えることがあるから構いませんよ。彼女は任せてくれ」



トルネコ(………………)

137: 2011/02/18(金) 20:02:08.28 ID:Yt32N1nDQ
トルネコ(彼らが言うには彼女は記憶容量の限界で苦しんでいるという……

   一年おきに記憶を消さないと彼女の脳が耐えられないから、かつての仲間が敵を演じて記憶を消す)
トルネコ「やりきれませんなあ…心情的には、ですが」

トルネコ(しかし向こうの言い分をそのまま信じていたら商人なんてできませんからね…申し訳ありませんが

   彼らの言動等で他の事実と合わせて正しそうなのは、世界中の魔法使いに狙われている彼女は一年経つと苦しむことになり……

   彼らは彼女の記憶を奪うことでしか対処できない――これだけなんですよね)

トルネコ(もしこれが純粋な病気、または呪いや攻撃の類いだとしたら?

   そして10万3000冊もあるという魔導書にすら解決策がない…つまり自分ではどうにもならないというのは?

   私の知る呪文の中には百に満たない数の中に氏者を蘇生させる呪文すらあるというのに……)

トルネコ「…疑いすぎるのは商売人の性とはいえ、考えたらキリがないですな……

   まあ、いろいろ試してみますか」

138: 2011/02/18(金) 20:11:32.60 ID:Yt32N1nDQ
上条「ええ…つまり、完全記憶能力で脳がパンクすることはないと……

   すいません補習は勘弁してください、失礼します」

上条(何てこった…全ては仕組まれたことだったんだ…誰がこんなことを?

   決まっている…インデックスを手元に置いておきたい奴ら――イギリス清教しかあり得ねぇ!)

ガチャッ

上条「トルネコさん!インデックスの病気についてなんですけど……」

トルネコ「記憶容量の限界によるものではない、ですかな?」

上条「ど、どうしてそれを」

トルネコ「やはりそうでしたか…私も本当の病気か、誰かの魔法による呪いの可能性を考えてました

   しかし弟切草や世界樹のしずくなどの薬では効果がないとなると……

   呪い、しかも10万3000冊の魔導書で解けないことがわかっているものが掛けた呪いの可能性を考えてました」

上条「俺も…インデックスのこの状態は、イギリス清教が魔導書を手放さないために仕組んだことだと考えています」

トルネコ「やはりそうですか…上条くん、君の右手で彼女をくまなく探れば解るかもしれんが、今は時間が惜しい」シュル



トルネコ「シャナクの巻物!」パアァァッ

141: 2011/02/18(金) 20:18:56.10 ID:Yt32N1nDQ
ステイル「この魔力の波動は!? あの魔術師め…一体何を?」

神裂「まだちょうど一年には少し早いはず…急ぎましょう」



トルネコ「これは…なんという威圧感。彼女自身がこの力に操られている、と言うことですかな……?」

上条「へっ…全ては嘘ばっかりか。だが、これで俺たちの手でインデックスを助け出してやれるってわけだ」



禁書「禁書目録の首輪の破壊を確認。再生準備――失敗。再生は不可能。

   『書庫』の保護のため、侵入者の迎撃を優先します」

バタン

神裂「この空間は…聖ジョージの聖域!? 馬鹿な、インデックスが魔力を操るなんて……」

ステイル「まさか、今まで僕たちは……」

143: 2011/02/18(金) 20:24:22.48 ID:Yt32N1nDQ
トルネコ「何かする気ですな。封印の杖!」

バシュウ!

トルネコ「むう…マホキテのような結界ですか? 魔法による攻撃は無効と言うわけですか」

禁書 キュイィィィン

神裂「あれは『竜王の殺息』!?」

バチッ!

ステイル「なっ! 竜王の殺息を食い止めるとは!?」

上条「これで分かっただろ! インデックスが魔術を使えないってのも、

   一年ごとに記憶を消さないといけねぇってのも全部嘘だ!

   インデックスに掛かっている魔術を何とかしちまえばもう記憶を奪う必要なんかねぇんだよ!」



ステイル「……Fortis931!」バサバサッ

146: 2011/02/18(金) 20:35:05.83 ID:Yt32N1nDQ
ステイル「本当なら記憶を消しさえすれば、確実にあの子の命を救うことができる

   だが今は準備も時間もない。何よりこうなってはこの子を救える可能性はただ一つ!

   キサマら…失敗したらこの地を全て灰として贖え!」ゴオッ

神裂「……Salvare000!」
ザンッ! ドオッ!

上条「天井が……」

神裂「『竜王の殺息』は伝説の聖ジョージのドラゴンの一撃!とても人の身で抑えることなど!」

禁書 ユラリ

禁書「戦場の検索を開始…現状最も難度の高い敵兵『上条当麻』の破壊を最優先……」

ステイル「イノケンティウス!」ゴウッ

神裂「行きなさい少年!その手であの子に触れるのです!」
ゴオオオッ

148: 2011/02/18(金) 20:39:42.28 ID:Yt32N1nDQ
ステイル「くっ…再生が、追いつかな……」

上条「あと、4、3、2メートル…間に合」



トルネコ「おおおおおおおおぉぉぉぉっっっっ!!!」ドオオォォッ

トルネコ「竜の息吹ならドラゴンシールドで威力を軽減できます!早く!」



上条「ぅおおおおぉぉぉぉっっ!!」



上条(神様……この世界が、あんたの作ったシステムの通りに動いてるってんなら……)





上条「まずは……その幻想をぶち頃す!」

152: 2011/02/18(金) 20:46:54.94 ID:Yt32N1nDQ
禁書「警…最終……第、……『首輪、…致命的……」バタッ

ヒラリ、ヒラリ

ステイル「まずいぞ…あの光の羽根は!」

神裂「(いけない…二人とも私が付けた傷が!)早く!その場所を……」

トルネコ(上条くんに、バシルーラの杖を…効くのか? あの右手を持つ彼に……)

トルネコ「上条くん、右手に気を付けてこのドラゴンシールドを!」

上条「なっ! そんなことしたらトルネコさんが!」

ヒラリ、ヒラリ

トルネコ「さよならだ、上条くん」バシュ!



ステイル「あの魔術師は…消えた、のか?」

上条「ト…トルネコさん……」



上条「 ト ル ネ コ さ ー ん ! ! 」

154: 2011/02/18(金) 20:58:04.01 ID:Yt32N1nDQ
あの事件から体が動かせるようになるまで暫しの入院が必要になった。
インデックスは俺を見舞う合間にトルネコさんの行方を探してくれたみたいだ。
例の二人の魔術師(ステイル=マグヌスと神裂火織)も
「あれだけの力を持つ魔術師を正体も行方も不明にはしておけない」
として行方を探っていると言っていた。

しかし、彼の行方は杳として知れなかった。



禁書「…気づいた時には行方不明だなんて…トルネコにもお礼が言いたかったんだよ」

上条「俺もだ…インデックスと同じで、お礼を言う間もなくいなくなってしまった」



上条「でも、きっと大丈夫さ。あの人なら、きっとどこかでたくましく商売してるよ」





トルネコ「ここが学園都市か・・・」


157: 2011/02/18(金) 21:07:47.31 ID:Yt32N1nDQ
~エピローグ~

ネネ「あの人…今回の旅に出てから随分経つけど、今頃どこで何してるのかしら……」

キラッ

ドオォーン!

ネネ「あら? 何でしょう…ってあなた!」

トルネコ「う~ん、随分遠くに飛ばされたと思ったら我が家じゃないか……

   おお!ネネじゃないか。今帰ったぞ」

ネネ「あなた…こんなにボロボロになるまで……」

トルネコ「済まんな。新しい街でちょっといろいろあってな。だがいい販路とボディーガードを見つけてな」

ネネ「とりあえずゆっくり休んで。旅の準備はこちらでしておきますから」



トルネコ「準備ならルーラ草だけは必ず一つは用意しておいてくれよ」



エピローグ完

158: 2011/02/18(金) 21:13:49.61 ID:1d9sBEqS0
乙なんだよ!

159: 2011/02/18(金) 21:14:17.29 ID:X92+01W10
乙ー
トルネコさんってこんなかっこよかったか?

164: 2011/02/18(金) 21:19:19.07 ID:Yt32N1nDQ
以上です
かなりトルネコ無双ですが、クロス先補正に加えて
地獄の帝王を倒した伝説の勇者一行かつ単身邪悪な箱などを倒す冒険者だからいいよね
それにしても原作と展開が違いすぎる…特に昨夜分

読んでくれた方々に感謝
ありがとうございました


自動セーブだから誰か続けて

引用元: トルネコ「ここが学園都市か・・・」