1: 2011/04/19(火) 00:48:31.15 ID:cc4SFbxEO
シャル「な、なに?どうしたの一夏」

一夏「今、誰か屁をこいたよな・・・誰だ?」

鈴「あ、あんたなに言ってんのよ!」

セシリア「そ、そうですわ突然!」

一夏「突然もなにも、今確実に誰かこいただろ!・・・聞こえたよな?シャル」

シャル「えぇっ!?・・・ぼ、僕には聞こえなかったかなぁ?」

一夏「なに・・・?箒、聞こえたよな?」

箒「わたしは、き、聞いていないぞっ!」

一夏「なんだと・・・ラウラ!」

ラウラ「わ、わたしも聞こえなかった。気のせいじゃないのか?それか雑音を聞き違えたか」

一夏「そんな・・・この俺が屁の音を聞き違えるなんて・・・」

一夏(おかしい・・・今俺は確実に屁が鳴る音を聞いた・・・聞いたんだ。だがみんな知らないと言う)

一夏(雑音と聞き違えたというのか・・・まさか・・・いやでもみんな聞いていないなら・・・ん?)

一夏(・・・こ、この臭いは)

一夏「く、くせえ!!」
IS<インフィニット・ストラトス>1 (オーバーラップ文庫)
2: 2011/04/19(火) 00:56:40.04 ID:cc4SFbxEO
一夏「くせえ!うぇほっ!!だ、誰だ!誰がこんな板東英二でも裸足で逃げ出すような卵の腐った臭いの10倍はくせえ屁をこきやがった!!」

「「「「「・・・・・・」」」」」


一夏(だ、誰も喋らない・・・・・・)

一夏(まさか、この臭いすら俺だけが)

一夏(いや、こいつらの表情を見ればわかる!こいつらは今、確実に屁の臭いを嗅いだ!)

一夏(なら、なぜ誰も喋らない・・・)キョロキョロ

シャル「・・・・・・」プイッ

一夏(い、今!今シャルの奴は目を、目をそらしやがったぞ!)

一夏(てことは、気付いてるってわけだ。この中に犯人がいることに)

一夏(いや、まさか・・・まさか・・・・・・シャルが犯人なのかッ!?)

5: 2011/04/19(火) 01:00:35.76 ID:cc4SFbxEO
一夏「・・・シャル」

シャル「な、なにっ?」ビクッ

一夏「シャルは今日の昼、なにを食べた?」

シャル「なんで、なんでそんなこと聞くの?」

一夏「なに、ほんの他愛のない世間話ってやつだ・・・それとも」

一夏「なにか答えたくない理由でも・・・あるのか?」ゴゴゴゴゴゴ

シャル「・・・・・・」ゴゴゴゴゴゴ


シャル「今日のお昼は・・・」

6: 2011/04/19(火) 01:05:24.68 ID:cc4SFbxEO
シャル「・・・セシリアと、カレーを食べたよ・・・ね?セシリア」ゴゴゴゴゴゴ

セシリア「え、ええ・・・確かに」

一夏(カレー・・・カレーか・・・確かに、カレーを食ったあとの屁は臭い・・・)

一夏(だが、それだけであの臭いが出るとは・・・)



シャル「あ、そういえばセシリア・・・」

セシリア「な、なんですの?」

シャル「カレーとの相性に感激した、って・・・」


セシリア「はっ!?」

シャル「”ゆで卵”を5個くらい食べてたよね?」ゴゴゴゴゴゴ

一夏「・・・・・・」ゴゴゴゴゴゴ

9: 2011/04/19(火) 01:12:58.52 ID:cc4SFbxEO
一夏「セシリア・・・今の話は本当か?」

セシリア「・・・・・・」


セシリア「ええ、私はゆで卵を食べましたわ・・・」

セシリア「それが、なにか?」ドドドドドド

一夏「・・・お前か?」

セシリア「・・・・・・」ドドドドドド

一夏(ぐっ、この目は・・・揺るがないこの目は・・・)

一夏(覚悟をした者の目だ・・・セシリアが屁をこいたかどうかは分からない)

一夏(ただ、この目は・・・私に恥をかかせたらただじゃあ済まさない・・・そんな”凄み”があるッ!!)

10: 2011/04/19(火) 01:18:36.85 ID:cc4SFbxEO
一夏(ゆで卵を食べた・・・これだけで犯人と特定するには早計か・・・しかし、他に、他に証拠が!)

一夏(真実へと・・・真実へと通じる証拠がない!なにか・・・なにかないかッ!?)



ラウラ「ところで、さっきからそこの二人はなにを食べてるんだ?わたしにも一つくれ」

鈴「これ?これはね、大学芋って・・・ッ!?」


一夏「・・・・・・」ゴゴゴゴゴゴ

11: 2011/04/19(火) 01:25:15.74 ID:cc4SFbxEO
一夏「芋だと・・・芋だと言ったな、今」

鈴「言ったけど・・・なによ・・・」

一夏「それを作ったのは誰だ?」

箒「わ、わたしだ・・・」

一夏「ふーん・・・一つ、貰っても?」

箒「あ、ああ」

一夏「・・・うん、美味い」

箒「ほんとうか!よかった・・・」

12: 2011/04/19(火) 01:26:10.90 ID:cc4SFbxEO
一夏「でも、冷めてるな。いつ作ったんだ?」

箒「放課後に」

一夏「ふーん・・・ってことは、だ・・・するよな?味見」

箒「当たり前じゃないか、だからなんだと」

一夏「放課後作って味見したってことは・・・」

鈴「はっ!?」





一夏「”消化”するにはそろそろだよな・・・」ゴゴゴゴゴゴ

箒「・・・・・・」

14: 2011/04/19(火) 01:31:16.87 ID:cc4SFbxEO
箒「・・・・・・」


一夏(これで怪しいのはシャル、セシリア、箒か・・・)

一夏(一体誰が・・・誰が俺の部屋で屁をこきやがったッ!?)

一夏(これじゃ屁屋になっちまうだろうがッ!)


一夏(臭い的に怪しいのはセシリアだ・・・)

セシリア(・・・・・・)

一夏(そして、態度では目をそらしたり妙にソワソワしているシャル・・・)

シャル「・・・・・・」ソワソワ

一夏(胃腸的に箒・・・)

箒「・・・・・・」

一夏(一体、誰が・・・)


プゥ~

17: 2011/04/19(火) 01:37:30.78 ID:cc4SFbxEO
一夏「全員動くなッ!!」



一夏(こ、この状況でさらにもう一発だと!?)

一夏(犯人はなんて度胸してやがるッ!!)

一夏(だ、誰だ!!誰がこきやがったッ!!)キョロキョロ


ラウラ「・・・・・・」

一夏(ラウラの奴、この状況でいつも通りの無表情だ・・・流石軍人・・・まさか)

一夏(幾度も氏線を超えてきた軍人・・・この状況でもう一発こくくらい、蚊を叩くように簡単にやってのけるだろう・・・)



一夏「・・・ラウラ・・・やったな?」


ラウラ「・・・・さあ、なんのことだ?」ゴゴゴゴゴゴ

20: 2011/04/19(火) 01:46:02.46 ID:cc4SFbxEO
一夏(くそッ!どいつもこいつもシラをきりやがってッ!!)

一夏(だが、間違いなく、間違いなく犯人はこの中にいるんだ・・・)

一夏(どうすれば・・・)

一夏(あれをやるか・・・)


一夏「はーいみんな。わかった。よーしじゃあこうしよう」

一夏「みんな目をつぶれー。そして、今正直にいえば先生怒らないから、屁をこいちゃった人は手を挙げるように」

一夏「いいね?みんなしっかり目をつぶるんだよ?」


一夏「はい、じゃあみんな下向いて、こいちゃった人は手を挙げなさい」



一夏(な、なぜ誰も手をあげねえんだッ!?)

21: 2011/04/19(火) 01:51:24.81 ID:cc4SFbxEO
一夏(どういうことだ・・・この中に犯人はいないってことなのか・・・ッ!?)

一夏「はい、みんな目を開けていいです」


一夏(くそッ・・・なぜだ・・・)

シャル「ねえ一夏、手を挙げた人はいたの?」

一夏「・・・いなかったよ」

シャル「だろうね」

一夏「なにッ!?なんで分かる!ま、まさかやっぱりシャルが!!」

シャル「ちがうよ!だって、僕が犯人だったとしたらオナラをしちゃったって一夏に知られたくないかなって」

シャル「だから、他のみんなが目をつぶったって意味ないなーと思ってね」

22: 2011/04/19(火) 01:55:35.82 ID:cc4SFbxEO
一夏「なんで・・・なんで犯人は俺に知られたくないんだ?」

シャル「だ、だって恥ずかしいじゃない」

一夏(は、恥ずかしい・・・だから犯人は沈黙してやがるってのか・・・)

シャル「ところで、なんで一夏はそこまで犯人にこだわるの?」

セシリア「そうですわ、なぜそこまで」

一夏「それは、屁害者なら」

一夏(ま、待てよ・・・恥ずかしいから黙ってる・・・ならそれを逆に利用してやれば!!)

24: 2011/04/19(火) 02:02:09.70 ID:cc4SFbxEO
一夏「実は、俺は気軽に屁をこける関係ってのに憧れてて」

セシリア「あ、憧れ!?」

鈴「あ、あんた馬鹿なの!?」

一夏「ちがうよ。こないだテレビで夫婦は気兼ねなく屁をこけるようになったら、本当の家族になれる、ってやってたんだ」

一夏「確かにそうだな、って思った・・・屁は確かに恥ずかしい」

一夏「いくら親しくなったとしても、そこは気を使ってしまう」

一夏「でも、さっき誰か分からないけど、俺の前で屁をこいてくれた」

ラウラ「・・・」

一夏「嬉しかったんだ・・・それと、もしそれを気兼ねなく言い出してくれたら」

一夏「将来、そんな人と結婚出来たら・・・幸せだろうな。そう思ったんだ」

「「「「「っ!!」」」」」

27: 2011/04/19(火) 02:07:33.92 ID:cc4SFbxEO
一夏「くだらないかもしれないけど・・・俺には両親がいないし、夫婦ってのが良くわからない」

一夏「でも、テレビでやってた、その屁をこける関係の夫婦は・・・すごく、幸せそうだった」

一夏「ははっ・・・やっぱ変だよな」

セシリア「そんなことありませんわ!」

シャル「そうだよ!ちょっと変わってるけど、素晴らしいことだと思うよ!」

箒「ああ、変なんかじゃない!」

ラウラ「わ、わたし達もそういう夫婦になれるといいな」

一夏「みんな・・・」

一夏「じゃ、じゃあもう一回目をつぶってくれるか?」

一夏「で、犯人は手を挙げてくれ・・・いいな?」

30: 2011/04/19(火) 02:13:28.84 ID:cc4SFbxEO
一夏「じゃあ、みんな下を向いて・・・」






一夏「ぜ、全員犯人だと・・・・・・」

シャル「えっ・・・あ!みんなずるい!嘘ついちゃダメだよ!」

セシリア「ええっ!?い、一夏さん!私が、私がオナラしたんですの!」

ラウラ「わたしだ!わたしがやった!」

鈴「嘘つくんじゃないわよ!あたし!あたしがしたの!一夏!」

箒「わ、わたしだ!わたしがこいた!」

鈴「あたしよ!」

セシリア「私ですわ!」

ラウラ「わたしだ!」

シャル「僕だよ!僕がしたの!」


一夏「う、うわ・・・マジかよ・・・」

32: 2011/04/19(火) 02:22:11.48 ID:cc4SFbxEO
一夏「年頃の女子が恥じらいもなく自分が屁をこいたとか・・・ありえねえ・・・」

シャル「えぇっ!?」

セシリア「い、一夏さん!?」

鈴「だましたのね!!」

ラウラ「一夏!!」

箒「卑怯者め!!」


一夏「いやいや人の部屋でこいた上に・・・えー・・・」

シャル「僕はしてないよ!」

セシリア「私もしてませんわ!」

箒「わ、わたしが人前でするような女に見えるのか!!」

鈴「あたしもしないし!そういえばなんかセシリアのほうから聞こえた気がする!」

セシリア「んなっ!鈴さん!?」

シャル「あー確かにそんな気がする」

35: 2011/04/19(火) 02:29:54.35 ID:cc4SFbxEO
セシリア「そ、それを言うならシャルロットさんのほうから匂いましたわ!」

シャル「そ、そんなはずないよ!!ラウラじゃないの!?」

ラウラ「シャルロット!?わ、わたしを売るのか!」

箒「誰でも構わんが、わたしじゃないことは確かだぞ一夏!」

鈴「なにいってんのよ!一番こきそうな名前してるくせに!ほうひ!」

シャル「ぶふぉっ!ほ、ほうひっ」

セシリア「ふふぉっ、そ、それはあんまりですわ鈴さん!ふひっ」

箒「なっ!!こ、この・・・たたっ切ってやる!!」チャキッ

鈴「相手になってやるわよ!!」ジャキッ

セシリア「決着をつけてさしあげますわ!」ジャキッ

ラウラ「一夏はわたしの嫁だ!」ジャキッ

シャル「それはラウラが勝手に言ってるだけだよ!」バーン!

40: 2011/04/19(火) 02:41:07.26 ID:cc4SFbxEO
一夏(醜い・・・なんて醜いんだ・・・)

一夏(さっきまで仲良くトランプに興じていた仲間が)

一夏(たった一発の屁で・・・)




シャル「はあっはあっ・・・あれ?一夏は?」

ラウラ「いない・・・どこにいった」

セシリア「いませんわね」

鈴「もういいじゃんあんな奴・・・疲れたぁ」

箒「まったく・・・みんな本気でくるんだからな・・・」

シャル「疲れたね・・・ははっ、オナラ一発でなにやってんだろう」

セシリア「ですわね・・・ふふふ」

箒「ははは・・・」

あははははははははは

43: 2011/04/19(火) 02:48:48.31 ID:cc4SFbxEO
一夏「今日は千冬ねえの部屋に泊めてもらおう・・・」



千冬「なんだ?こんな時間に」

一夏「みんながうるさくて眠れないんだ。泊めて欲しいなと思って」

千冬「まったく・・・今日だけだぞ」

千冬「ああ」




一夏(そういえばずっと一緒に暮らしてて千冬ねえの屁は聞いたことないな)

一夏「千冬ねえ」

千冬「なんだ?」

一夏「千冬ねえは屁しないの?」

千冬「女はしないんだぞ」

一夏「そうなんだ・・・えっ!?」

44: 2011/04/19(火) 02:54:12.23 ID:cc4SFbxEO
千冬「くだらないこと言ってないでさっさと寝ろ馬鹿者」

一夏「あぁ、うん・・・」







ブッ

一夏「い、今!今こいた!!」ガバッ

千冬「・・・すぅ・・・すぅ・・・」

一夏「なんだ寝っ屁か・・・」バサッ





終わり

犯人は最初からよく読めばわかるよ

引用元: 一夏「今こいたの誰だ!」