1: 2011/02/16(水) 02:27:54.02 ID:q/FP7ZTIO

天使「寒いわ…」

音無「ああ」

3: 2011/02/16(水) 02:52:21.25 ID:uvCm2GcZO
ゆり「みんな集まったわね」

遊佐「そのようです」

日向「にしても寒ぃな今日は……」

ユイ「ひなっち先輩、あたしがあっためたげましょうか?ベア・ハッグで」

日向「頃す気じゃねーか!!」

椎名「……あさはかなり」

TK「Hold me tight こんな思いなら~♪」

高松「して、戦線メンバーが総集合していることから察するに……」

大山「なにか大きなミッションの予感がするよ!」

音無「しかしゆり、今日は雪だぞ?なにもこんな動きにくそうな日にミッションなんてやらなくても……」

野田「なんだ貴様!!ゆりっぺの考えに刃向かう気かァ!!」
Angel Beats!(1) -Heaven's Door- (電撃コミックス)
4: 2011/02/16(水) 03:06:34.55 ID:uvCm2GcZO
ひさ子「つか、私らも呼ばれてるってことは、別にいつものタイフーンとかじゃないの?」

関根「えー、てことはライブでしょ?こんな寒いんじゃ指が上手く動かないよー」

入江「しおりんにはそれくらいでちょうどいいかもねー?いらんアドリブも減るだろうし」

岩沢「……私はライブやらせてもらえたら、それでいいんだけど」

松下「ゆりっぺ、そろそろミッションの内容を教えてはくれんか」

ゆり「よし、じゃあ発表するわ。今回のミッションは……これよ!!」



『オペレーション・ウォーインザスノー』

藤巻「なんだ、これは……?」

大山「は、はじめて見るミッションだよ!」

日向「いきなり『ウォー』って、やばいミッションなの丸わかりじゃねーか!!」

高松「……多少の犠牲は必至とみて間違いなさそうですね」

野田「ははは!!俺のハルバードが血を飲ませろと唸っているぜ!!」

遊佐「……して、ゆりっぺさん。このミッションの内容は?」

5: 2011/02/16(水) 03:21:45.47 ID:uvCm2GcZO
ゆり「今回の目的は、NPC達の研究にあるわ。彼らはどこまで私たち人間に近しい存在なのか。そこから、そんなNPCを作った神はどんな存在なのかを知る……それが目的よ」

日向「んー、NPCっつっても、日常会話はできるし気まぐれな行動もとるし、ありゃ本物の人間と寸分違わんと言っていいと思うがなぁ」

松下「見た目だけでなく、内面にもそれぞれ個性っちゅうか、差異があるしなぁ」

音無「ふーん……で、具体的には俺達は何をするんだ?」

ゆり「まず、ガルデモを含む全戦線メンバーを、2つのチームに分けるの。その2チームで争ってもらうわけ」

藤巻「な、内紛だと?!」

大山「そ、そんなゆりっぺ!僕たちに同士討ちをさせようっていうの?!」

ゆり「言い方によっては、そうなるわね」

日向「んなっ……!」

音無「精神的にも、過酷なミッションになりそうだな……」

ひさ子「ちょっと待て、私たちも戦力になんの?!」

ゆり「そうよ。ガルデモも今回は戦闘に加わってもらうわ」

関根&入江「ひぃっ……!」

6: 2011/02/16(水) 03:32:38.07 ID:uvCm2GcZO
藤巻「しかし、そんなことをしてどうするんだ」

松下「ワシらが頃しあうことが、NPCに関係するとは思いがたいな……」

ゆり「頃しあう?ちょっと何言ってんのよ。話は最後まで聞きなさい」

椎名「……あさはかなり」

TK「War War 争いはStop it~♪」

野田「なんだとゆりっぺ、頃し合いではないのか?!」

ユイ「みんなアホばっかりですね!!」

音無「んで、頃し合いじゃないなら俺達はどう争うんだ」

ゆり「まずは、4時間目が始まったらグラウンドに集合。その後チームに分かれて……」

大山「わ、分かれて……」

TK「Gokuri」

ゆり「……雪玉をぶつけあってもらいます」

関根&入江「な、なんだってー?!」

9: 2011/02/16(水) 03:47:28.37 ID:uvCm2GcZO
大山「……それって」

日向「つまり、」

ユイ「雪合戦ですね!」

ゆり「違うわよ!『オペレーション・ウォーインザスノー』よ!!」

音無「すまん、それどう違うんだ」

ゆり「何言ってんの音無くん。私たちはね、遊びでこんな風に徒党組んでるんじゃないのよ。だからこのミッションも雪合戦とかって遊びなんかでと、断じて違うの」

松下「……何がゆりっぺをああ頑固にさせるんじゃろうか」

高松「……しかし雪合戦とは。腕がなりますね」ばさ

日向「服を脱ぐな服を!!見てるこっちが寒くなるっつーの!!」

ユイ「脳筋アホですね!」

11: 2011/02/16(水) 04:07:58.63 ID:uvCm2GcZO
藤巻「しかしおかしくないか。雪合戦となるとますますNPCとの関連が薄そうだが」

大山「まさか、彼らもチームに入れたりするの?」

ゆり「ふむ、惜しいわね大山くん」

野田「つまり……どういうことなんだゆりっぺ?」

ゆり「彼らNPCが、もし私たち人間と同等の存在なら、教室から雪合戦してる私たちを見て心躍らないはずがない。昼休みになるや否や、嬉々として校庭に踊り出て来るはずよ」

ゆり「つまりこのミッションは、NPCの人間性を計るものなの。私たちが『人間らしい』行動をとることによって、ね」

日向「言っちゃった!!今雪合戦って言っちゃったよこの人?!」

音無「いや、理屈はわからんでもないが、なんで雪合戦なんだ……?」

ゆり「だって、人はいくつになっても雪が積もるとテンション上がるでしょ?!雪遊びしたくなるものでしょ?!まさに人間らしさの具現じゃない、雪合戦って!」

日向「遊びって!遊びって言ったぞ今ー!!」

音無「……意外に感性が幼いな、ゆり」

14: 2011/02/16(水) 04:18:41.42 ID:uvCm2GcZO
ひさ子「ある意味、戦線メンバー全員が陽動なわけか」

ゆり「そうとも言えるわね。要は私たちが雪合戦をすることによってNPCの気分を高めて、雪遊びに誘導するってことよ」

日向「なーるほどな。ミッションの意義はだいたい分かったよ」

ユイ「ひなっち先輩、つまりどういうことだってばよ?」

日向「さっきから他人をアホ扱いしまくっといてオメーもじゅうぶんアホじゃねーか!」

大山「まぁなんだ、僕らは深く考えずに雪合戦を楽んでればいいんだね」

高松「そうすることで結果はおのずと出てくるわけですね」

TK「It's so easy~♪」

野田「よし、そうとなれば早速ミッション開始だなゆりっぺ!!」

ゆり「待ちなさいバカ」

野田「ゆりっぺ!!俺はバカというよりアホだ!!」

ゆり「知らないわよそんなの!開始は4時間目が始まったらって言ったでしょうが!」

15: 2011/02/16(水) 04:35:13.30 ID:uvCm2GcZO
椎名「……あさはかなり」

松下「そういえば、何故今からでもミッションをやらんのだ?」

ゆり「NPCたちに濃い人間性があると仮定しても、流石に授業をほっぽりだして雪遊びに参加するとは考えにくいじゃない」

音無「なら、昼休みから開始するんでもよくないか?何なら放課後でもいいだろうし」

ゆり「いくらなんでもこっちが雪合戦始めたら速攻効果があるとも思えないでしょ?楽しげな様子を見せつけてNPCたちをその気にさせるまでには少し時間がいるだろうなって」

ゆり「あ、放課後は雪が凍ったり溶けちゃうといけないからナシね。雪が降り続けるとも限らないし」

藤巻「なるほど。凍っていては危険だし、溶けて泥混じりの雪を投げあってはそれこそ泥仕合だ」

ゆり「さて、それじゃチームを分けるわよ!みんな用意はいいかしら?」

17: 2011/02/16(水) 05:02:27.49 ID:uvCm2GcZO
Aチーム:音無、日向、椎名、松下、TK、ひさ子、岩沢
Bチーム:ゆり、大山、藤巻、高松、野田、ユイ、入江、関根
審判:遊佐

遊佐「ゆりっぺさん、審判とは?」

ゆり「みんなが不正をしていないか、チェック役目よ。例えば、雪玉のなかに石入れたりとか」

日向「ホントにやったらシャレになんねーぞそれ……」

ゆり「基本的に、何回雪玉をぶつけられたらアウト、というような決まりはないわ。立ち上がれなくなるまでぶつけ合って、相手チームのメンバーを全滅させたチームの勝ちよ」

音無「NPCを誘いだすのが本来の目的なのに、ほんとやる気だな……」

ひさ子「うぉい。私らのチーム、そっちよか一人少なくない?」

ゆり「椎名さんに松下くん、勝負強そうなの揃ってるんだし、そのくらいはいいハンデじゃない」

大山「あれ、なんか僕ら遠回しにザコ扱いされてない?」

野田「フン、貴様らなどおらんでも、ゆりっぺを守るのは俺だけで充分だ!!」

藤巻「……やばい、勝てる気がしねぇ」

ユイ「アホばっかですもんね!」

24: 2011/02/16(水) 13:54:48.03 ID:uvCm2GcZO
~~~~4時間目~~~~

ゆり「よし、みんな集まったわね」

大山「なんかワクワクしてきたよー!」

松下「ふむ、負けられんな」

藤巻「何年ぶりだろうな、雪合戦なんてよ」

高松「いつでも試合開始可能です」

日向「で・なんでお前は当たり前のような上半身裸なんだよ?!」

関根「でもでも、やっぱり戦線のミッションなんだし気を引き締めないとだね!」

入江「負っけないよーしおりん!」

ひさ子「いやいや、おまえら同じチームだから」

岩沢「指が霜焼けになるまえに切り上げたいな……ギター弾けなくなるのは嫌だし……」

ゆり「ふんふん。みんな戦意たぎっているようね」

音無「いや一人は明らかに渋ってるぞ」

椎名「……あさはかなり」

26: 2011/02/16(水) 14:12:19.42 ID:uvCm2GcZO
ゆり「遊佐さん、そっちの準備は?」

遊佐「スタンバイ完了です。いつでもどうぞ」

ゆり「よーし……それじゃ、『オペレーション・ウォーインザスノー』、開始ッ!!」

音無「よっしゃ、まずは先手必勝……って、あれ?」

ざくざく

音無「み、みんななんで攻撃しないんだ?」

日向「なにやってんだ音無!!おまえも早くバリケード作れ!」

音無「バ、バリケード?」

ゆり「最初だけは教えてあげるわ、音無くん!いきなり総員総攻撃のぶつかり合いじゃあ、試合は長くは続かない。昼休みまでもたなかったら、ミッションの意義が果たされないのよ!」

日向「それに、パワーとパワーのぶつかり合いじゃさして面白くもないしな!」

藤巻「このミッション、戦略はまさに戦争のそれと同一だ!!まずはバリケードを設営し、自陣の拠点を作ること!」

松下「そして、拠点のなかで様々な作戦を練り合い、敵の策を打破する……それがこのミッションの醍醐味だ!」

ユイ「アホに見えて、何気に考えてるんですね!」

音無「確かに……個々の身体能力がミソだと思ってたけど、実は知能戦なのか、このミッション」

27: 2011/02/16(水) 14:23:01.98 ID:uvCm2GcZO
~~~~Aチーム(音無側)~~~~

ざくざく

日向「おっし、バリケードはこんなもんだな」

松下「崩れんようにしっかり固めるんが重要だ」

ひさ子「そこそこカッチカチになってるよ。さて、それじゃ作戦タイムだ」

日向「まずは役割分担だな」

音無「役割?」

日向「おう。通常時は雪玉をつくる係と、雪玉を投げる係に分かれるな。臨機応変に、バリケード補給係とか突撃部隊の編成なんかもあるが」

音無「おおっ、作戦っぽい作戦だ」

28: 2011/02/16(水) 14:36:35.10 ID:uvCm2GcZO
~~~~Bチーム(ゆり側)~~~~

ゆり「……弾薬製造班は大山くん、入江さん、関根さん。攻撃班は藤巻くん、高松くん、野田くん。リーダーの私も基本的には攻撃班で動くわ」

ユイ「あれ?私は?」

ゆり「あなたはそうね……応援でもしてて」

ユイ「了☆解ー♪……ってなんでやねん!!!」

ゆり「向こうは椎名さんとTK、動きの素早い二人で突撃部隊を組んでくるはずよ。だから、基本的な戦略は迎撃戦。弾薬製造班は弾薬を欠かさないように注意して」

大山「よし、僕頑張るよゆりっぺ!古参メンバーなのに戦力外通告されたみたいで落ち込んでたけど、僕の役割もなかなか重要なんだね!!」

入江「まぁ、つっても下っ端仕事なんですがね」

関根「あっ、コラみゆきち!」

野田「うおおおおお!!ゆりっぺはこの俺が守ぉぉぉぉぉるッ!!」

30: 2011/02/16(水) 14:54:14.83 ID:uvCm2GcZO
日向「さて、そんじゃ役割を決めるぞ。音無、リーダーはお前がやれ」

音無「え、俺が?!」

日向「他に適任もいないしな。お前、なんだかんだ斬新な視野持ってるし」

松下「ワシは依存ないぞ」

ひさ子「アタシも」

日向「ま、指示に迷ったなら出来る限りのサポートはしてやるから。頼むぜ音無」

音無「うーん、そこまで言うならわかった。やってみるよ」

日向「よし、じゃあリーダー、初仕事だ。役割を分担してくれ」

音無「よし……まずは雪玉を作る係だな。ガルデモの二人、任されてくれるか」

ひさ子「いいよ、アタシは別に

岩沢「イヤだっ!!!」

日向「……断固拒否かよ?!どうしてだ岩沢!」

岩沢「だって、四六時中雪玉なんか握ってたら手が霜焼けで動かなくなるだろそうするとギターが弾けないじゃないか最低でも一日の半分はギター弾いていたいのにそれもままならない私を頃す気かっ?!」

岩沢「ひさ子!アンタもアンタよひさ子だってギターでしょうが指動かなくなってもいいっていうのかオイコラ!!ああん?!」

ひさ子「わ、わかった……悪かったよ岩沢……っていうか岩沢、最後のほうヤクザ入ってる……」

31: 2011/02/16(水) 15:04:48.31 ID:uvCm2GcZO
音無「わかったよ。ガルデモ二人は攻撃係な」

岩沢「それでも、指がかじかんできたらやめるからな」きりっ

日向「はいはい、わかったわかった。そんじゃ……雪玉作る係はどうするよ音無?」

音無「そうだなぁ……椎名にTK、おまえらならどうだ?」

TK「……Me?」

日向「んなにィっ?!そ、それは流石にありえんだろ音無!!こいつら二人は攻撃係からの突撃部隊が適任だって……!」

椎名「……あさはかなり」

音無「そうだな……しかし、敵陣のリーダー、ゆりだってそう考えるはずだ。なら、俺はその裏をかきたい」

日向「いや、裏をかくにしたってメリットが見えてこないぞ……!」

音無「可能性に賭けてもみたいんだよ。なぁ、どうだ二人とも」

椎名「私は……構わんが」

TK「Me too!!」

音無「よし、じゃあ二人が雪玉を作る係に決定だな」

日向「大丈夫か、これ……」

43: 2011/02/16(水) 20:10:23.52 ID:uvCm2GcZO
ゆさゆさにもまだ出番がある…予定ではあります

竹山はたぶん出ない…

44: 2011/02/16(水) 20:50:47.74 ID:uvCm2GcZO
ゆり「作戦はこんなところかしらね。それじゃみんな、用意はいい?」

野田「おう!!いつでも行けるぜ!!」

大山「こっちもある程度ストックできたよー!!」

ユイ「応援ってことでチアリーディングの格好したけど何これ寒っいいいいいいいいいいい!!!!」

~~~~~~~~

音無「みんな、準備はいいか?!」

ひさ子「スタンバイ、オッケー!」

椎名「……できた」

松下「敵陣も静まっとるのをみるに、向こうも準備完了のようだな」

~~~~~~~~

遊佐「……そろそろ動きだしますかね」

45: 2011/02/16(水) 21:13:46.02 ID:uvCm2GcZO
ゆり「まずは牽制よ!!バリケードに隠れつつ敵のバリケードに向かって適度に乱射!!」

野田「おう!!」

藤巻「なるほど、つまりは威嚇だな」

高松「私の出番のようですね」

野田&高松「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラーッ!!」

ドドドドド

日向「来たぜリーダー!敵の威嚇射撃だ!!」

音無「狙いなんてさっぱり定まってないな……みんな、このまま動くな!じっとしていれば当たることはないはずだ!今は敵の初撃が弱まるのを待とう!!TK、椎名!雪玉溜めといてくれよ!!」

TK「Testament!!」

47: 2011/02/16(水) 21:34:35.60 ID:uvCm2GcZO
ゆり「よし、もうしばらくしたら一旦ストップよ!」

野田「いや!俺はまだまだ投げれるぞゆりっぺ!」

ゆり「バカ、ずっとこんなことしててもさして効果はないし、それにバテたところを狙い撃ちされておしまいなのよ」

入江「っていうか、私たち弾薬班の製造が間に合わないですよー」

高松「ふむ。ならば、次の作戦は?」

ゆり「ここからが本領発揮よ!相手は私たちの攻撃が止んだら、すぐに突撃部隊を編成して突撃してくるはずよ。部隊は恐らく少数精鋭……TKと椎名さんの二人がくるわ」

藤巻「迎撃戦の開始だな!」

48: 2011/02/16(水) 21:57:20.31 ID:uvCm2GcZO
音無「攻撃が止んだな……よし、突撃をかけるぞ!」

松下「よぅし、メンバーを決めてくれい!」

音無「そうだな……まずは、松下五段は部隊の切り込みだ。みんなの盾になってくれ」

日向「なるほど、松下五段には適任かもしれんが……」

松下「ワシが先頭となると、部隊全体の足が遅くなるぞ」

音無「……その遅さを利用するんだ。耐久力勝負なら、松下五段は敵ナシだろうからな」

音無「次に実働班、実際に突撃を敢行するのが……日向とひさ子だ」

日向「了解だ!」

ひさ子「ま、マジかー……アタシにできんのかなぁ」

音無「きっとできるさ。拠点から、俺と岩沢で遠距離射撃も行う」

50: 2011/02/16(水) 22:13:02.86 ID:uvCm2GcZO
ドドドドド

ゆり「きたわね!総員、迎撃準備!」

藤巻「最初に出てきたのは松下五段か……TKと椎名の速さを捨てて盾を作るとは……」

野田「はン、守りの手段を残しているようでは……突撃の意味をわかっていないようだな!!」

ゆり「松下くんへの投球は、足を止める程度にしときなさい!本命のTKと椎名さんが、後ろから現れるはずだから……!」

大山「んっ……?いや、ゆりっぺ待って!!松下五段の後ろにいるのは、TKと椎名さんじゃない!!」

ゆり「な、なんですって?!」

51: 2011/02/16(水) 22:34:13.36 ID:uvCm2GcZO
松下「ようし、奴ら動揺しとるようだぞ!」

ひさ子「今がチャンスみたいね……っと、バリケードから顔がのぞいてるぜ、藤巻ィッ!!」ヒュン

~~~~~~~~

藤巻「おぼっ?!」

どさ

高松「藤巻っ!ちっ、一人やられたか…」

ゆり「裏をかかれたわね……!作戦変更!こっちも突撃部隊を編成するわよ!!」

~~~~~~~~

日向「おお、なかなかやるなぁ」

ひさ子「あははっ。アタシもあんなキレーに当たるとは思わなかった……なかなか楽しいな、これ」

音無「油断するな二人とも!すぐに敵も仕掛けてくるはずだ!!」

ひゅん……どすっ

日向「うわっ!……っと。へへん、来やがったな」

53: 2011/02/16(水) 22:56:49.31 ID:uvCm2GcZO
野田「オラオラオラオラオラオラオラオラァ!!」ヒュンヒュン

日向「くっ……野田はノーコンだがパワーが有り余ってやがるな……!松下五段はひさ子を守りながら退避だ!俺は時間を稼ぎながら後退する!」

松下「了解!!」

ゆり「ヒットアンドアウェイ……当てたら早々に下がる気か知らないけど、そうはいかないわよ!攻撃班、突撃!!」

大山「あれ、ゆりっぺ?迎撃が基盤っていうのはもういいの?!」

ゆり「TKと椎名さんの電撃作戦っていう読みが外れた以上、何が起こるかは完全にわからないからね!それより、藤巻くんの看病と拠点の氏守は頼んだわよ!!」

ドドドドド

音無「向こうも突撃してきたか……お互いの拠点の中間地点で激突する形になるな。岩沢、援護射撃の準備だ」

岩沢「ああ、わかった」

57: 2011/02/16(水) 23:54:38.96 ID:uvCm2GcZO
>>54あーたぶんそうだわ
脇キャラについて曖昧なところがあったらごめん
実はABリアルタイムで一回見ただけなんだ

58: 2011/02/16(水) 23:59:18.58 ID:uvCm2GcZO
野田「観念しやがれ、テメェらああああぁ!!」

松下「ぐっ……!やはり追いつかれたか!」

ひさ子「うわやばい!アイツ、シャレが通じねーからガチでくるぞ!」

野田「ふん、まずは二人撃破……」

ひゅん……どすっ

野田「うぐっ?!」

松下「む、援護射撃か!助かった!」

ひさ子「今のうちに退散するぞーっ!!」

ドドドドド

岩沢「あ、当たった……」

音無「よし、いい感じだ岩沢!どんどん狙い撃て!」

岩沢(ふぅん。これはこれで……なかなか楽しいな)

61: 2011/02/17(木) 00:13:33.21 ID:Qr2Xgzy2O
ゆり「あぁもう、何やってんのよ野田くん……!」

日向「おいゆりっぺ、俺はこっちにいるぜ!!勝負しやがれ!」

ゆり「安い挑発ね日向くん!みたところ貴方が囮なのかしら?」

日向(流石ゆりっぺ、俺がひさ子と松下五段を逃がすための囮だってことくらいはお見通しか……!)

ゆり「悪いけど、貴方相手にそこまで時間を費やすわけにもいかないのよ!」

日向「そうかな?!ここで俺を潰せば、俺達のチームの戦力は大幅に減るんぜ?!」

ゆり「そうだとしても、物事には順序ってもんがあるのよ!今は貴方を討つときじゃないわ!」

日向「なんだとこの……ぐわっ?!」

どさ

高松「後ろががら空きですよ、日向さん」

ゆり「ナイスよ高松くん!」

日向「くそ……いつの間に背後に……!時間を稼いでいたつもりが、逆に背後に回られる時間を稼がれていたわけか……」

62: 2011/02/17(木) 00:32:38.97 ID:Qr2Xgzy2O
状況整理

Aチーム:音無○、日向×、椎名○、松下○、TK○、ひさ子○、岩沢○
Bチーム:ゆり○、大山○、藤巻×、高松○、野田×、ユイ○、入江○、関根○
審判:遊佐○

×は脱落者。でもたかが雪玉くらった程度なので復活は大いにありうる

64: 2011/02/17(木) 01:04:53.28 ID:Qr2Xgzy2O
音無「日向がやられた!」

岩沢「実働班の主力じゃない、ちょっとまずくない?」

音無「くそっ、どうする……!」

松下「帰ったぞ、リーダー!」

ひさ子「あー疲れた!アタシもうダメだー!」

音無「よし、よくやってくれた二人とも!しばらく下がってていいぞ」

松下「ワシはまだいけるぞ。野田の乱射やらでバリケードがゆるくなっとろう、補給する」

音無「助かるよ、松下五段……!TK、椎名!そっちはどうだ……って、うわなんだその雪玉の量はっ?!」

てんこもり

TK「Easy operation!」

椎名「この程度……たやすい」

音無「……ははっ、すげぇなこれ!これだけあれば、しばらくは雪玉作る係は要らないな!」

65: 2011/02/17(木) 01:12:59.52 ID:Qr2Xgzy2O
ひさ子「っていうと?」

音無「全員を攻撃にまわせる。篭城戦はジリ貧になりがちだが、これだけ雪玉があればなんとかなりそうだ!」

松下「TKと椎名も動けるしな。攻撃力は格段にあがるぞ」

音無「よしみんな、位置につけ!!」

~~~~~~~~

ゆり「敵が拠点に引っ込んだわ!あとはじわじわ攻めていけば、確実に……墜ちる!!」

高松「まだまだ体力は有り余っていますよ」むきっ

大山「二人だけじゃ心許ないだろ、僕も行くよ!」

ゆり「わかったわ、頼りにしてる(ふりをする)わよ、大山くん!」

大山「よぉし、僕頑張るよー!!って今なんかヘンなこと言ったかなゆりっぺ?!」

入江「だいじょぶかなぁ。向こうにはまだ椎名っちとTKがいるのに」

関根「だいじょーぶだいじょーぶ。ゆりっぺ先輩に限って、そこは油断してるはずないよ」

入江「にしても、みんな向こうに行っちゃったとなるとヒマだねぇ」

関根「ねぇみゆきち、雪だるまでもつくろっか」

入江「おっ、いいねしおりん!!楽しそう!」

85: 2011/02/17(木) 16:55:41.82 ID:Qr2Xgzy2O
ゆり「高松くんは右から、大山くんは左から仕掛けて!私は……真ん中から行くわ!!」

高松「了解です!」

大山「了解!」

ドドドドド

~~~~~~~~

ひさ子「きたぞ!どうする、リーダー?!」

松下「左から高松、右から大山だ!!真っ正面からはゆりっぺもきとるぞ!!」

音無「よし、みんな!現時点を持って我がチームは拠点を放棄!!右から脱出だ!!」

岩沢「了解!」

~~~~~~~~

大山「ん……?なんか意味わかんないけど悲しくなってきたぞ……って、うわぁ全員こっちに来たぁーっ?!」

ゆり「な、なんですって?!」

高松「散開しなかった……?!」

86: 2011/02/17(木) 17:08:36.49 ID:Qr2Xgzy2O
大山「ぶべべっ」

どさ

音無「よし、これだけ多勢に無勢で攻撃すりゃ、流石に圧勝だったな」

ひさ子「っていうかあからさまに弱そうだもんなー、大山って」

松下「さて、向こうはどうなっとるか……」

~~~~~~~~

高松「大山さんがやられました!」

ゆり「見ればわかるわよ……!あぁもう、何となく予想はついてたけどやっぱりやられ役ね大山くんって!」

高松「どうします、次は」

ゆり「このままじゃ引き下がれないわ!敵の放棄した拠点をぶん取るわよ!!恐らく弾薬も山のようにあるはずだわ!」

高松「了解!」

~~~~~~~~

岩沢「……かかった、か」

87: 2011/02/17(木) 17:20:27.10 ID:Qr2Xgzy2O
ゆり「突入ー!……って、ぇ」

椎名「……あさはかなり」

TK「Welcome to the jungle♪」

ゆり「……大山くんのドアホーッ!!全員じゃなくてまだ椎名さんとTKが残っ

ドドドドド

ひさ子「ひひひ、かかったかかった」

音無「体力バカの高松もさすがのゆりも、椎名とTK二人相手じゃ勝ち目はないからな」

岩沢「大山のアホに感謝、ってところか」

松下「さぁ、残るは敵拠点の二人だな!!」

~~~~~~~~

関根「どどどどどうしよーみゆきちー!!ゆりっぺ先輩達やられちゃったよー?!」

入江「わーんのんきに雪だるまなんか作ってる場合じゃなかったー!!」

関根「私たち二人で勝てるわけが……あ!そうだ藤巻くん起きろー!!起きろこのやろー!!」がすがす

入江「わー!!しおりんドス持ち歩くような人にそういうことしちゃダメだってー!!」

89: 2011/02/17(木) 17:51:17.33 ID:Qr2Xgzy2O
音無「放棄とは言ったが方便だ。一度、雪玉を確保しに拠点に戻ろう」

ひさ子「TKに椎名っちも向かえに行かなきゃな」

~~~~~~~~

入江「あれっ……敵が拠点に戻っていくよ?」

関根「な、なんだかわかんないけど、ひとまず助かったのかな……?」

入江「そっそうだ!どうせ雪ぶつけられるんなら、松下五段にやってもらおうよ!!」

関根「おおっ、みゆきち名案だ!!紳士の松下五段ならきっと軽ーく投げておしまいだよ!!」

入江「よし、そうと決まれば……?」

ゴゴゴゴゴ

関根「どったの、みゆき……」

野田「……」ゴゴゴゴゴ

野田「おのれ……許さんぞよくもゆりっぺを……!!」ゴゴゴゴゴ

関根&入江「ひぃっ!!」

92: 2011/02/17(木) 18:33:06.78 ID:Qr2Xgzy2O
音無「よし、雪玉も確保したことだし、敵の拠点を叩きに行くか!」

松下「うむ、これがラストスパートだな!」

ひさ子「よっし、そうとなりゃ早速……!」

岩沢「……いや、待って」

音無「?どうした岩沢?」

TK「Oh my God!!あれを見ろォ!!」

松下「な、なんだあれは……!!」

ひさ子「バリケードの上に……!」

音無「エ○゙ァ……?い、いや野田!!あのバーサーカーっぽいの、野田か!!」

松下「復活したのか……!」

ひさ子「マズい!!アイツのあの目はマズいよ!!アタシら殺されるよ!!」

岩沢「ま・もう氏んでるんだけどね」

ひさ子「達観しすぎてないか岩沢ー?!」

94: 2011/02/17(木) 18:57:03.62 ID:Qr2Xgzy2O
野田「オオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォ……!!」

ひさ子「いや、ぶっちゃけあれはもうエ○゙ァでいい気がしてきた……」

松下「冗談を言っとる場合ではないぞ!!このままではただ負けるだけではすまされん!」

音無「くっ、今の俺達で、あのトランス状態の野田に勝てるのか……?!」


???「オイ野田ァ!!こっちだ!!」

野田「……?」

松下「なっ……!あれは……!!」

日向「お前の敵はこの俺だ!野田ァ!!」

音無「日向……!生き返ったのか!!」

日向「音無!!コイツは俺に任せろ!!」

97: 2011/02/17(木) 19:31:04.29 ID:Qr2Xgzy2O
日向「俺に構わず、敵の拠点を叩いてこい!俺のことは気にするなぁっ!!」

音無「日向、お前もしかして……!」

ひさ子「ま、まさか日向のやつ……!!」

音無「……ホ〇なのか?」

日向「ちっげーよぉ!!それまだ言うのお前?!」

野田「ガアアアアアアアアアァァァァァァ!!」

日向「って、そんなことやってる場合じゃねぇ!オイ野田!!聞きやがれ!!」

野田「……?」

日向「”ひとよひとよに、ひとみごろ”!!」

野田「……!!」

日向「”ふじさんろく、おうむなく”!!」

野田「……ウガアアアアアアアアアッ!!!」

音無「な、なんだありゃ?!日向のヘンな呪文で、野田が苦しみ始めたぞ!!」

松下「……そうか!あれは、前に竹山がやっていたことと同じものだ!」

ひさ子「確か、竹山が小数点を数えだしたアレだよな……?そんなにアホなのか、野田って……」

100: 2011/02/17(木) 19:44:38.47 ID:Qr2Xgzy2O
日向「とどめだ……!”いいくにつくろう、鎌倉幕府”!!」

野田「ぬああああああああああ!!」

どさ

音無「おお、野田が倒れた!!」

日向「よし、これで野田は完全に倒したぜ……って、なんで音無達は先に行かずに突っ立ってんだよ?!」

音無「あ、いやー悪い……なんかあまりにアホっぽい戦いだったんで……」

ひさ子「もうちょい知的な言葉は出てこなかったの?」

岩沢「中学生でもわかるよね、あれは」

松下「野田の頭脳が小学生以下だからよかったものの」

TK「Easy operation」

椎名「……あさはかなり」

日向「助けてもらっといてなんだお前ら?!実は敵か?!」

103: 2011/02/17(木) 20:28:12.40 ID:Qr2Xgzy2O
ひさ子「ははは、まぁ冗談はこの辺にして、そろそろ行こ……

どすっ

岩沢「?!ひ、ひさ子っ!!」

ゆり「そうはいかないわよ、アンタ達!!」

音無「なっ……!ゆりも復活していたのか!!」

高松「私がいることもお忘れなく」

日向「高松もか……!」

ゆり「ふん、たかが雪玉数発くらいでくたばるわけないじゃない」

音無(それを言ったらおしまいじゃないのか……)

岩沢「ひさ子?!大丈夫ひさ子!!」

ひさ子「み、みんな……後は……任せたよ……」

がくっ

岩沢「ひ、ひさ子ー!!」

104: 2011/02/17(木) 20:45:09.69 ID:Qr2Xgzy2O
岩沢「おのれ、よくもひさ子を!!」

音無「待て岩沢、落ち着け!!」

岩沢「止めるな記憶無し男!!私はあいつらを許してはおけない!!」

音無「今は私情に流されていいときじゃない!ひさ子の無念を晴らしたかったら、ここはまず……!」

どすっ

岩沢「ぐっ……!」

どさ

音無「い、岩沢?!ちくしょう、誰の仕業だ?!」

藤巻「あ゙ーくそ……なんか頭がガンガンしやがる……」

日向「藤巻!貴様か!!」

ゆり「よくやってくれたわ藤巻くん!まだよ、まだ私たちにも勝機はあるわ!!」

105: 2011/02/17(木) 21:06:37.39 ID:Qr2Xgzy2O
松下「どうするリーダー!藤巻の復活で挟み撃ちにされたぞ!!」

音無「ぐっ、逃げ場なしか……!」

日向「音無!こうなりゃ全面対決をやるしかないぜ!!数ではこっちが勝ってんだ、必ず勝てるさ!!」

音無「しかし、数でこっちが有利なのはゆりも分かっているだろう……それでいて尚、ゆり達は全面対決を仕掛けてきた!向こうはまだ何か、策を隠しているかもしれない!!」

日向「それだけ切羽詰まってるんだよ!向こうは他に関根と入江がいるが、あいつらは今ごろ震え上がって動けないはずだ!!」

音無「くそっ、やるしかないか……!」

ゆり「行くわよ、覚悟しなさい音無くん!!」

ドドドドド

107: 2011/02/17(木) 21:21:06.46 ID:Qr2Xgzy2O
遊佐「……」

遊佐「……暇ですね」

遊佐「ゆりっぺさんは不正のチェックをしろと言っていましたけど、そもそも不正をはたらこうとすれば興が削がれることをみんな分かっているので、まず不正は起こりえないわけで……」

ドドドドド

やんややんや

遊佐「乱闘ともなれば、ますます不正を行う時間はなくなりますし」

ドドドドド

遊佐(とりあえず見てるフリだけしておいて、後でゆりっぺさんにはちゃんとやりましたって言っておこ

どすっ

遊佐「……」いらっ

110: 2011/02/17(木) 21:51:15.72 ID:Qr2Xgzy2O
ゆり「なかなかやるわね、そっちも……!」

日向「まだまだやれるぞ!かかってこいやぁ!!」

松下「ワシを倒せる猛者はおらんのかぁっ!!」

高松「」←雪ぶつけられすぎて心停止状態

TK「 C'mon everybody let's dance!!」

椎名「……あさはか、なり!!」

藤巻「うらうらうらうらうらうらァ!!」ドドドドド

音無「うわ……見渡す限り雪玉の雨じゃないか……、って、痛ぇ?!」どすっ

音無「後ろからとは卑怯だぞ!誰だおま……?」

音無「あれ、後ろは誰も……いや、審判の遊佐以外には誰もいない……」

遊佐「……」にや

114: 2011/02/17(木) 22:21:51.71 ID:Qr2Xgzy2O
藤巻「食らえ、日向ァ!!」ひゅん

つるっ

藤巻「ぬっ、汗で滑った?!」ぽーん

高松「あ、あの放物線は……?」

松下「ま、まさか……!」

日向「セカンド、フライ……」

ゆり「……っ!!日向くん!!その雪玉をキャッチしたら貴方……!!」

音無「日向、お前……消えるのか……?」

ユイ「ひなっち先輩のピンチイイイイイィィィィィィィィィ!!!」ズドドドド

ユイ「ひなっち先輩危ないぞーキー☆ック!!」どが

日向「ぅぼれ?!」

どさ

ユイ「ふぅ。出番がなくてしょげていた私にもやっと見せ場が回ってきましたね!!さぁ、自然な感じに試合に溶け込めたし、ここからユイにゃんの進撃が始まるぜ☆ガンガンやったるぞぉぉぉぉぉぉ!!」

遊佐「あ、ユイさんキック等の直接攻撃は反則です。退場」ぴー

ユイ「ンぬゎにいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃ?!」

117: 2011/02/17(木) 23:02:10.56 ID:Qr2Xgzy2O
~~~~そこから10分後~~~~


音無「はぁっ、はぁっ……!」

ゆり「なかなか楽しませてもらったわよ、音無くん。初めてチームのリーダーを勤めたにしては、なかなかの出来だったわ」

音無「そういうセリフは、勝ってから言うもんだぜ……!」

ゆり「あら、そんな強がりを言ったって、音無くん自身は見たところ満身創痍じゃない」

音無「確かに、俺自身はダメかもな……でも、俺は一人じゃない!仲間がいる……!!」

ゆり「それは頼もしいことね。でも、私だって……負けないわよ!」

音無「行くぞゆり!!」

ゆり「来なさい、音無くん!!」

121: 2011/02/17(木) 23:31:29.01 ID:Qr2Xgzy2O
~~~~さらに10分後~~~~

椎名「……私だけが、残ったか」

椎名「……いや。まだ、残っているな。あと、二人」

ざっ

~~~~~~~~

関根「やば……みんなやられちゃったよ……」

入江「うわーダメだぁ!!今度こそ本当に終わりだようしおりん!」

関根「どどどどどうしようみゆきち……普段は頼もしい椎名っちが、今ばかりは悪魔のように恐ろしいよ……」

ざん

椎名「……あさはかなり」

関根&入江「ひいいいいいいいいいい!!」

122: 2011/02/17(木) 23:47:24.98 ID:Qr2Xgzy2O
椎名「……?これは……」

関根「あ、それ……私とみゆきちで作った、雪だるまなんだけど……」

椎名「……なり」

入江「……え?」

椎名「……あさはかなりいいいいいいぃぃぃぃぃぃ!!」

関根「……あー、そっか、そういや」

入江「椎名っちは、かわいいものに目がないんだっけ……」

関根「いやぁ、私達も我ながらいい出来だなーっとは思ってたけど……」

椎名「あさ!はか!なり!」

入江「まさかこれほど気に入ってもらえるとは……」

関根「いやしかし、これって……………チャンスじゃね?」ぼそ

ひゅん

椎名「あさはかな……」どすっ

椎名「……あさはか、なり……」どさ

127: 2011/02/18(金) 00:14:40.28 ID:UJn2wNrgO
ぴー

遊佐「試合終了。勝者、Bチームです」

関根「やったああああああ!!」

入江「え、うそ?!ほんとに?!」

音無「くっ、ダメ、だったかぁ……」がくっ

ゆり「はぁー、疲れた。なかなかの白熱ぶりだったわね……。決着は稀に見るおかしな形になったけど」

音無「そういえば、もうとっくに昼休み……いや、午後の授業すら終わってると思うんだが。『オペレーション・ウォーインザスノー』はどうなったんだ」

ゆり「へ?……あー、そんなこと言った気もするわね。今となってはどうでもいいわ……」

音無「……おい」

ゆり「結局NPC達は雪遊びに混ざって来なかったし、失敗でいいんじゃない?」

音無「結果としてはそうだけどよ……」

ざく

天使「貴方達、何をやっているの?」

129: 2011/02/18(金) 00:31:03.37 ID:UJn2wNrgO
ゆり「天使……」

音無「おう、見ての通り雪合戦だよ。今さっき終わっちまったところだけどな」

天使「ずいぶんとグラウンドを散らかしてくれたわね……。これじゃ、体育の授業ができないわ」

ゆり「……言い掛かりをつけるにしても、もっとそれっぽいこと言ってくれないかしら?こんなに雪が積もってるんじゃ、元から体育なんてできっこないじゃない」

天使「そうじゃないわ。雪で覆われてはいるけれど、確実に地面の土はえぐれてでこぼこになっている。このまま雪が溶けたら、地面がそんな形のまま凍ってしまって、ならしにくくなるのよ」

音無「へぇ、そういうもんなのか……。そりゃ、悪かった。すまん」

ゆり「ちょっと音無くん、軽々しく謝りすぎよ」

天使「そういうことだから、生徒会長として、ここで雪合戦をした全員は罰としてグラウンド整備をしてから帰りなさい」

ゆり「げっ」

音無「ああ、わかったよ。それくらいは当然だな」

ゆり「お、音無くん!」

130: 2011/02/18(金) 00:44:12.38 ID:UJn2wNrgO
天使「私達生徒会も協力はするわ。みんなで手早く終わらせましょう」

音無「ああ、ありがとう。……おっし!今日最後の大仕事だな!!」

ゆり「元気ねぇ、貴方……」

…………さ~ん……

音無「ん?なーんか遠くから声が聞こえてきたような……?」

………しさ~ん……

ゆり「あー、この声は」

……なしさ~ん……

ズドドドド

直井「んうぉとなしさぁ~ん!!会いたかったですよ~!!」

音無「おう、直井か。今日はミッションに参加してなかったけど、どうしたんだ?」

直井「それがですね。朝集合の知らせを聞いて、すぐに音無さんの元に馳せ参じようとしたんですけど、生徒会の仕事だって生徒会長に連行されまして」

音無「そうか、そいつは災難だったなぁ。今日のミッションは特別楽しかったのに」

直井「ふん、雪合戦など愚民のすること……あっでも、冬の朝露のように澄んだ存在の音無さんと同じチームで一緒に戦えるのなら、それはそれは素晴らしいことなんですが」

音無「はいはい。相変わらずだな、お前」

134: 2011/02/18(金) 02:00:00.74 ID:UJn2wNrgO
日向「雪かきした後にトンボ掛けか……しんどいなぁ」

直井「黙れ。愚民は愚民らしく淡々と作業していればいいんだ……それとも、自分がベルトコンベアと同等の存在だと思い知らされたいのか?」

音無「はいはい、わかったからお前も手ぇ動かせ」

直井「んぅ、すいません音無さん」

ユイ「大丈夫ですよひなっち先輩!ベルトコンベアってあんがいハイテクノロジィの産物なんですから!」

日向「いや、だから何?!俺が人間じゃねぇみたいじゃねーかその言い方!!」

~~~~~~~~

ひさ子「うぁー疲れたー……帰りたい~……」

岩沢「ま、体力作りだと思えばこういう運動も悪くはないかな。いつかはワンマンで3時間くらいライブやりたいじゃない」

ひさ子「岩沢、雪合戦の前と後で、だいぶネガティブからポジティブに変わったね……」

135: 2011/02/18(金) 02:20:44.19 ID:UJn2wNrgO
椎名「……これも、壊さねばならんか」

天使「そうね。溶けたら水溜まりになってしまうから」

椎名「……」しょぼん

関根「そう落ち込まないでって椎名っち!また雪降ったら、今度はもっとかわいい雪だるま作ったげるから……みゆきちが!」

入江「うわぁ丸投げだぁ!」

椎名「入江……その……よろしく頼む……」

入江「う、うん!椎名っちのために、私頑張ってみるよ!」

椎名「……」にこ

~~~~~~~~

野田「テメェか、ゆりっぺに雪玉なぞぶつけやがった下衆は!!」

TK「That's just a game、仕方ないサ~♪」

野田「貴様……!ハルバードのサビにしてくれるッ!!」

TK「”ひとYOひとYOに、ひとみgo ROCK”!!」

野田「ぐああああああ!!」

139: 2011/02/18(金) 02:37:22.09 ID:UJn2wNrgO
大山「あぁ……今回も結局いいとこ無しかぁ」

松下「何を言う。雪玉をつくるっちゅうのも、重要な仕事だったじゃないか」

大山「あれじゃ目立たないんだよ!僕はもっと、雨あられのように降る雪玉の間をかい潜って敵を仕留めるような活躍がしたかったのに!!」

藤巻「はン、小胆な大山のことだ。どうせ、いざ自分が目立ちうるポジションに立ったなら、緊張で何もできんのが関の山」

大山「むっ……僕は藤巻にこそ、あのやられ役ポジションが相応しかったと思うんだけどね」

高松「……まあ、確かに。普段の藤巻さんは見事に噛ませ犬ですからね」

藤巻「何だとてめぇら!!」

140: 2011/02/18(金) 02:53:48.39 ID:UJn2wNrgO
音無「おっし、だいぶ片付いたな」

ゆり「もう、これくらいでもいいんじゃない?」

天使「そうね、これくらいなら体育もできそうだわ……?」

音無「どうした?」

天使「……雪だわ。雪、また降ってきた」

ゆり「あら、ほんと……」

日向「え゙っ……マジかよ。せっかく雪かきまでしたのに……」

ユイ「ひなっち先輩、無駄骨ですね!」

日向「……お前に言われるとなんか人一倍むかつくっ!!」ぐきっ

ユイ「ぐえぇっ?!ひ、ひなっち先輩!ギブですギブギブ!!」

直井「ひょっとして、生徒会はまた後日雪かきをやらなきゃいけないのか……?」

天使「そんなことはないわ。今回はあくまで下の土をならすために雪を退けただけだから」

音無「また俺達みたいなのが、雪の積もったグラウンドで雪遊びしなけりゃ、の話だがな」

142: 2011/02/18(金) 03:10:20.71 ID:UJn2wNrgO
遊佐「……ふわ」

遊佐「ずっと見ていただけのはずが、何故か今日はとても疲れました……」

遊佐「グラウンドの隅にいたおかげで、生徒会の罰を逃れられたのでそこはよしとすべきなのでしょうが」

遊佐「……みなさんが帰ってきたら、暖かいお茶でも入れてあげましょう」

遊佐「……ふふ」

~~~~~~~~

音無「……これは、明日の朝にはまた積もってるだろうな」

天使「他の人達は寮に帰ったわよ。貴方は帰らなくてもいいの?」

音無「ああ。もう少しここにいたいんだ。構わないか?」

天使「あまり遅くなるのは良くないけど。少しくらいなら構わないわ」

143: 2011/02/18(金) 03:19:31.38 ID:UJn2wNrgO
音無「今日はさ、みんなで雪合戦をやったんだ」

天使「そう。さっき聞いたわ」

音無「雪固めてバリケード作って、戦略立てて」

天使「……そう」

音無「まぁ、最後のほうはとにかく雪玉投げて投げてで戦略も何もあったもんじゃないんだけど」

天使「……楽しかったの?」

音無「ああ。すげえ楽しかった」

天使「……そう。それなら、よかった」

音無「だからさ、よかったら今度はお前も……参加してみてくれないか?」

天使「……私が?」

音無「ああ。遊びは人数が多いほうが楽しいもんだからな。きっといい思い出になるぞ」

天使「……」

146: 2011/02/18(金) 03:30:19.04 ID:UJn2wNrgO
天使「……考えておくわ」

音無「そっか。俺達はいつでも、待ってるからな」

天使「……うん」

音無「……雪、だんだん本降りになってきたな」

天使「そうね…………へくちっ」

音無「寒いのか?」

天使「ん、大丈夫よ。少しだけだから」

音無「悪かったな、引き止める形になって」

天使「気にしないで。私も……もう少し、ここにいたかっただけだから」

147: 2011/02/18(金) 03:39:10.41 ID:UJn2wNrgO
~~~~翌朝~~~~

日向「……なんだ、こりゃあ」

やんややんや

やんややんや

高松「NPC達が……」

大山「雪合戦したり、雪だるまとか鎌倉作ったり……雪遊びしてるよ!!しかもすっごい人数だ!」

松下「こりゃ、全校生徒の半分以上はいるんじゃないか?」

藤巻「あーあー、俺らがならしたグラウンドがまた荒れ放題だな」

音無「どうなってるんだ……?昨日のうちはミッションの効果は少しもなかったのに」

直井「音無さん、それについては、僕からご説明しましょう」

ゆり「……話して頂戴、直井くん」

直井「まず、昨日のミッションの意義が『NPCの人間性を誘発する』ことにあったそうですが、この意義は昨日のうちに果たされていたんです」

音無「どういうことだ……?」

148: 2011/02/18(金) 03:43:42.25 ID:UJn2wNrgO
直井「授業中や昼休み、NPC達は戦線が繰り広げていた雪合戦を確かに見ていました。そして同時に、ほとんどの生徒がその光景に感化され、昼休みや放課後に雪遊びをする算段を立てていた……」

直井「しかし、これに釘を刺したのが生徒会長……すなわち天使です。理由としては音無さん達が言われたことと同様、グラウンドコンディションの配慮です。そして生徒会が目を光らせていた結果、昨日はNPC達も雪遊びをしたい気持ちを抑えて渋々寮に帰った」

149: 2011/02/18(金) 03:47:46.37 ID:UJn2wNrgO
直井「授業中や昼休み、NPC達は戦線が繰り広げていた雪合戦を確かに見ていました。そして同時に、ほとんどの生徒がその光景に感化され、昼休みや放課後に雪遊びをする算段を立てていた……」

直井「しかし、これに釘を刺したのが生徒会長……すなわち天使です。理由としては音無さん達が言われたことと同様、グラウンドコンディションの配慮です。そして生徒会が目を光らせていた結果、昨日はNPC達も雪遊びをしたい気持ちを抑えて渋々寮に帰った、と」

ゆり「問題は、何故今朝になって、いきなり生徒の欲求が解放されたのか……」

直井「天使が今朝になって、グラウンドでの雪遊びを許可したんですよ。ある程度の後始末を義務として」

ゆり「へぇ……?どういう風のふきまわしかしら。……まぁ、何にせよミッションが成功していたのなら結果オーライと言ってもいいけど」

音無「あいつ……」

151: 2011/02/18(金) 04:04:28.05 ID:UJn2wNrgO
音無「なぁ、ゆり」

ゆり「なに、音無くん」

音無「雪が溶けないうちに、もう一度『オペレーション・ウォーインザスノー』、やらないか?」

ゆり「……あれだけドンパチやっといて、まだ足りないの?」

音無「ああ、足りないな。今度は新しいメンバーが二人も増える。まったく別ものの試合になるぞ、きっと」

ゆり「んー、確かにチーム替え次第では、まったく毛色の違う展開になりそうではあるわね……って、その二人のうち一人は直井くんでしょ?もう一人って、音無くんまさか……!」

音無「いやー、楽しみだなぁ。次の『オペレーション・ウォーインザスノー』」





END

153: 2011/02/18(金) 04:47:06.08 ID:RB7MBBl60

面白かったぞ

159: 2011/02/18(金) 08:19:50.31 ID:UJn2wNrgO
最後まで見てくれた方は本当にありがとうございました。最後のほうは尻すぼみで申し訳ないです。

さらにさらに、キャラの性格も不明瞭なまま書き出したことも心残り…

しかしABのSSは、キャラの出番に気を使わないと登場が偏りがちになるので難しいけど、書きやすくもあった!
なのでまた放置されたABスレがあったら乗っ取って好き勝手させていただくかもです。

安価で進めている某氏はほんとにすごいよなぁ。

引用元: 天使「雪ね…」音無「ああ」