414: 2019/05/21(火) 13:26:39.29 ID:uCE861gxo
アイドルマスター シンデレラガールズ シンデレラガールズ劇場(12) アイドルマスター シンデレラガールズ シンデレラガールズ劇場 (電撃コミックスEX)

ガッシュ「ニュージェネのLIVEが見たいのだ!」

415: 2019/05/21(火) 13:31:07.74 ID:uCE861gxo
清麿「はあ? 急に何を言い出すんだ、ガッシュ」

ガッシュ「お願いだなのだ、清麿ー!」

清麿「無理だ、諦めろ」

ガッシュ「見たいのだ見たいのだ見たいのだーっ!」ジタバタ!

清麿「はぁ……しょうがないな」

ガッシュ「! 清麿!?」


清麿「ちょっと待ってろ、何とかしてやるから」


ガッシュ「……や」

ガッシュ「やった――――ッ!!」ニコニコ!

416: 2019/05/21(火) 13:35:21.32 ID:uCE861gxo
  ・  ・  ・

ガッシュ「き……清麿?」

清麿「ほら、もうすぐLIVEが始まるぞ」

ガッシュ「私は、ニュージェネのLIVEが見たいと言ったのだが……」

清麿「そんなもん、すぐになんとかなる訳無いだろ」

清麿「だから、代わりで我慢しろ。良いな?」

ガッシュ「代わり、って……」


バルカン×3


ガッシュ「バルカンでは無いか!」

ガッシュ「アイドルでは無い! ただのバルカンではないか!」ピー!

418: 2019/05/21(火) 13:42:07.14 ID:uCE861gxo
清麿「ガッシュ、お前にはこれがただのバルカンに見えるのか?」

ガッシュ「私の目にはただのバルカンにしか見えぬ!」

清麿「――よく見ろ、ガッシュ」

ガッシュ「よく見ろ、って……」


清麿「リーダーの、バルカン・パッション!」

清麿「元気いっぱいで、演技も得意だ!」


ガッシュ「ウ……ウヌゥ」


清麿「続いて、バルカン・キュート!」

清麿「頑張りやさんで、笑顔には自信がある!」


ガッシュ「な……なるほど」


清麿「最後に、バルカン・クール!」

清麿「歌が得意で……見ろ! ピアスがオシャレだ!」


バルカン×3


ガッシュ「……やっぱり、全部バルカンなのだ!」

ガッシュ「せめて、使う箱の色は変えて欲しかったのだ、清麿ー!」ピー!

419: 2019/05/21(火) 13:48:05.49 ID:uCE861gxo
清麿「ゴチャゴチャ言ってる場合じゃないぞ、ガッシュ!」

ガッシュ「しかし!?」

清麿「LIVEが始まる! グズグズするな!」

ガッシュ「何!? このバルカン達は、歌って踊るのか!?」

清麿「馬鹿野郎! バルカンにそんな機能はついてない!」

ガッシュ「どういう事なのだ!? ならば、どうしてLIVEが始まるのだ!?」

清麿「……ガッシュ、まだわからないのか?」


清麿「――お前が、プロデューサーになるんだ!」

清麿「プロデューサーのお前が、LIVEを演出するんだよ!」


ガッシュ「……ウヌ!」

ガッシュ「私がプロデューサーになるのだな!?」


バルカン×3


ガッシュ「行くぞ、サンバルカン!」

ガッシュ「レッスンの成果を見せてやるのだ!」

清麿「結成は五分前だから、ぶっつけ本番だな」

420: 2019/05/21(火) 13:54:52.63 ID:uCE861gxo
ガッシュ「LIVEスタートなのだー!」

バルカン×2…ワチャワチャ

ガッシュ「良いぞ、二人共! ナイスステップなのだ!」


バルカン×1…カサリ


ガッシュ「あ……足が止まっているぞ、バルカン・キュート!」

ガッシュ「横ステップを止めてはならぬ!」

バルカン×2…ワチャワチャ

ガッシュ「その調子なのだ!」


バルカン×1…カサリ


ガッシュ「……清麿ー!」

ガッシュ「私の力では、この者達を上手くプロデュース出来ないのだ!」

ガッシュ「歌も歌えぬし、何より手が足りなくて一人はサボってしまうのだ!」

ガッシュ「せめて! せめて一人分は手伝って欲しいのだー!」ピー!


清麿「嫌だ」


ガッシュ「あああああはああんはああああん!?」ピー!

ガッシュ「お願いなのだ! お願いだなのだ清麿ー!」ピー!

421: 2019/05/21(火) 14:01:59.36 ID:uCE861gxo
  ・  ・  ・

ピンポーン♪


ティオ「……」


ピンポーン♪


ティオ「……なんで反応しないのよ」


ドタドタドタドタッ!


ティオ「二階で騒いでるから、居るはずなのに!」

ティオ「コラー! ガッシュー! 清麿ー!」

ティオ「私を無視するなんていい度胸じゃない!」

ティオ「さっさと降りてきなさいよ! コラー!」キシャー!


??「あっはは! いやー、男兄弟なんてそんなもんだって!」

??「って、兄弟じゃないっけ? ま、怒らない怒らない!」


ティオ「怒ってなんかないわ! 腹が立ってるのよ!」キシャー!


??「いや……それ、同じじゃない?」

422: 2019/05/21(火) 14:09:02.97 ID:uCE861gxo
  ・  ・  ・

「ガアアアッシュウウウッ!! 清麿オオオォォォッ!!」


清麿・ガッシュ「……この声は」

清麿「そういえば……さっきから怒鳴り声が聞こえてたが」

ガッシュ「どっ、どどど、どうするのだ清麿!?」

清麿「そりゃ、放って置くわけにはいかないだろう」

ガッシュ「だが、物凄く怒っている時の声なのだぞ!?」

清麿「ガッシュ、下に行って鍵を開けてやってくれ」

ガッシュ「清麿!? その場合、私はどうなってしまうのだ!?」


「オオオオオオォォォッ!! キシャアアアアアアッ!!」


清麿・ガッシュ「……」

清麿「……と、とりあえず窓から様子を見てみよう」

ガッシュ「……う、ウヌ! 賛成なのだ!」

423: 2019/05/21(火) 14:15:44.18 ID:uCE861gxo
清麿・ガッシュ「……」

そっ…


??「ちょっとちょっと、大声出しすぎだってー」

ティオ「……そ、それもそうね」

??「ティオティオ可愛いんだから、笑顔の方が似合うって!」

ティオ「そりゃあ、怒りたくなんて無いわよ……」

??「も・し・か・し・て~?」ニヤニヤ!

ティオ「な、何よ?」

??「好きな子に放ったらかされてるから?」ニヤニヤ!

ティオ「すっ、好きな子!?///」

??「あっは! マジ? 当たっちゃった?」

ティオ「ちっ、違うわよ!?/// そんなんじゃないってば!///」

???「アハハ! ティオティオ顔真っ赤じゃーん!」

ティオ「違うんだってばー!///」


清麿「ティオと一緒に居るの、恵さんじゃ……無い?」

ガッシュ「ウヌ……髪も短いし、胸の大きさも全然違うのだ」

清麿「ガッシュ……お前、それ恵さんの前で言うなよ?」

424: 2019/05/21(火) 14:23:13.02 ID:uCE861gxo
  ・  ・  ・

ティオ「――全く、もう!」

清麿「悪かったって、気付かなかったんだよ」

ガッシュ「そうなのだ! LIVEの最中だったのだ!」

ティオ「LIVEぅ~? 何よ、それ?」

ガッシュ「……私の力不足で、失敗してしまったのだ」

ティオ「はぁ?」

清麿「ゴホンッ!……そんな事より」


??「この、お菓子の箱い割り箸が刺さってるのって何?」

バルカン×3


清麿「アンタ、一体何者だ?」

清麿「帽子とサングラスなんてかけてないで、顔を見せたらどうだ?」

425: 2019/05/21(火) 14:30:00.39 ID:uCE861gxo
??「あっ、ゴメンゴメン! あはは!」

??「普段変装なんてしないから、忘れちゃってたよ!」

ティオ「清麿! 怖い顔しないでよ!」

清麿「あ、ああ……悪い」

ティオ「っていうか、この距離でも誰かわからないの?」

清麿「わからないの、って……有名人なのか?」

ティオ「……あっきれた! この人はねぇ――」


??「――ティオティオ、ちょおっと待った!」

??「自己紹介は、自分でするって~!」

バッ!

未央「――本田未央、十五歳! 高校一年生!」

未央「アイドルで――ニュージェネレーションズのリーダー!」

未央「よろしくねっ♪」ニコッ!


清麿「あ……アイドルぅ!?」

ガッシュ「ほ……本物なのだ――っ!!」

426: 2019/05/21(火) 14:36:02.44 ID:uCE861gxo
ガッシュ「清麿が呼んでくれたのか!?」

清麿「い、いや……違う」

ティオ「どう? ビックリしたでしょ!」ドヤァ!

清麿「確かに驚きはしたが……」


未央「どう? 生アイドルだよっ!」ビシッ!


清麿「ニュージェネの人って、こんな顔してたのか」

清麿「三人組って事位しか知らなかった」


未央「あっれ!? 私の事知らなかった!?」


清麿「……す、すまん」

清麿「アイドルとか、そういうのには疎くて……」

ガッシュ「本物なのだ! 本物だのだ、清麿ー!」フンスフンス!

清麿「ああもう、ちょっと黙ってろガッシュ!」

427: 2019/05/21(火) 14:44:34.28 ID:uCE861gxo
ティオ「清麿って頭良いのに、そういう事は全然知らないのね」

清麿「ああ……アイドルなんて、恵さん位しかわからん」

未央「……ほほう?」キランッ!

清麿「な……何ですか?」


未央「――きよよん」


清麿「き、きよよん、って……オレの事か!?」


未央「きよよんは、めぐめぐとはどういう関係なのかね?」

未央「あ、めぐめぐは、恵ちゃんの事ね」

未央「……やっぱり、付き合ってたりするの?」


清麿「……はいっ!?///」


未央「あー! 大丈夫、変な心配はしなくて良いって!」

未央「私だってアイドルだし、そのへんは黙っておくからさー!」

未央「……で、どうなの?」ニマニマ!


清麿「アンタ本当何なんだ!?///」

429: 2019/05/21(火) 14:53:05.36 ID:uCE861gxo
ティオ「もうっ! 今日はその話をしに来たんじゃないでしょ!?」

ガッシュ「! やっぱり、LIVEをしに来たのだな!?」

ティオ「そんな訳ないでしょ!……未央!」

未央「あはは、そうだね!」


未央「……今日は、ちょっと相談があって来たんだよ」


清麿「相談?」

清麿「アイドルが、なんでまたオレに……」


未央「めぐめぐが、きよよんだったら何とかしてくれる、って」

未央「物凄く頼りになるから、心配いらない、って」

未央「……ねえ、やっぱり付き合ってるの?」


ティオ「もう、未央ったら!」


未央「あはは……いやー、ちょっと言いにくくてさぁ」

未央「最近、周りで不思議な事が起こってて……」

未央「同じくらいの時期から――」


未央「――大きな本を持った人が見かけられるようになった、なんて」


清麿・ガッシュ「大きな本……」


清麿・ガッシュ「……――まさか、魔物が!?」

430: 2019/05/21(火) 15:07:15.54 ID:uCE861gxo
  ・  ・  ・

346プロ、前


清麿「へえ……こりゃ凄いもんだな」

ガッシュ「ここで、アイドル達が特訓をしているのだな!?」


未央「特訓……まあ、レッスンとかだね」


ガッシュ「うおおおっ! LIVEは!? LIVEはどうなのだ!?」

ティオ「ちょっとガッシュ! 静かにしなさいよね!?」

ガッシュ「しかし……」

ティオ「何?」ギロッ!

ガッシュ「な、何でも無いのだ」


未央「あはは、ティオティオの尻に敷かれてるんだねぇ!」


ガッシュ「? そんな事は無いのだ」

ガッシュ「そもそも、尻に敷かれたら汚いではないか」

ティオ「誰のお尻が汚いって?」

ぐぎゅうううっ!

ガッシュ「ぐ……ぐびが……!? い゙ぎが……!?」

431: 2019/05/21(火) 15:13:19.42 ID:uCE861gxo
  ・  ・  ・

CPプロジェクトルーム、前


清麿「……とにかく、話を聞いてみないとな」

未央「うん。詳しい話は、プロデューサーから」

清麿「未央さんのプロデューサーさんって、どんな人なんだ?」

未央「う~ん……ポエム好き?」

清麿「へぇ、それはアイドルのプロデューサーっぽいな!」

未央「やー……そういうのとはちょっと違う、かな?」

清麿「ま、誰にだって趣味の一つや二つはあるさ」


清麿「……良いか? 話を聞くから、大人しくしてろよ?」


ティオ「わ、わかってるわよ……!///」

ガッシュ「」

ティオ「いい加減起きなさいよね、ガッシュ!」

ガッシュ「――はっ!? こ、ここは……いつの間に!?」

432: 2019/05/21(火) 15:19:06.12 ID:uCE861gxo
コンコン、ガチャッ!

未央「おっはようございまーす!」

清麿「失礼します」

ガッシュ・ティオ「失礼しまーす!」


武内P「――おはようございます」

文香「あ……おはよう、ございます」


未央「あれ? ふみふみも居たの?」


文香「はい……少し、お聞きしたいことが」

武内P「本田さんの後ろに居る、その方達が――」



清麿「――ガッシュ!!」

ガッシュ「――清麿!!」

バッ!



武内P「……えっ?」

434: 2019/05/21(火) 15:30:06.31 ID:uCE861gxo
未央「な、何!? どしたの!?」


清麿「早速お出ましとは、話が早くて助かるぜ!」

清麿「ガッシュ! 油断するんじゃないぞ!」

ガッシュ「ウヌ! しかし、なんと言う凶悪な面構え!」

ガッシュ「奴め、ただの魔物ではないぞ!」


武内P「あの、私は……」

文香「え、ええと……」


清麿「あっちの、本持ってる女がパートナーだ!」

ガッシュ「間違い無いのだ!」


文香「ぱ……パートナー……///」

武内P「鷺沢さん?」

文香「っ」!?/// い、いえ……何も……///」


清麿「だが、戦い慣れて無いらしいな!」

ガッシュ「清麿! 今がチャンスなのだ!」

清麿「ああ! 行くぞガッシュ!」

バッ!


未央「す……ストップ!」

未央「ストップスト――ップ!!」

435: 2019/05/21(火) 15:40:48.54 ID:uCE861gxo
  ・  ・  ・

文香「お……お疲れ様でした///」ペコリ

ガチャッ…バタンッ


清麿・ガッシュ「――すいませんでした!!」ペコリ!

武内P「いえ、お気になさらず……」

清麿「まさか、ただ顔が怖いだけなんて……!」

ガッシュ「ウヌ……私は、てっきり魔物かと……!」

武内P「……」


ティオ「アンタ達、謝る気あるの!?」

未央「いやー……あはは」


武内P「……あの」


ティオ「……えっ? 私?」


武内P「アイドルに、興味はありませんか?」


ティオ「……」

ティオ「はえっ!?」

436: 2019/05/21(火) 15:47:21.01 ID:uCE861gxo
ティオ「そそ、それって……スカウト?」

武内P「はい」

未央「あー、この子は無理だよ?」

ティオ「そっ、そうよ! 私にアイドルなんて……無理に決まってるわ」

武内P「いえ、そんな事はありません」

未央「いやいや、無理だってば」

ティオ「……」


武内P「――貴女は、輝けるだけの資質を持っています」

武内P「そして……笑顔です」

武内P「アイドルとして輝く、貴女の笑顔が見たい、と」

武内P「……私は、そう思います」


ティオ「きゅ、急にそんな事言われても……///」


未央「プロデューサー、無理だって」

未央「この子、めぐめぐ――大海恵ちゃんの所の子だからさ」

未央「ここでスカウトしたら、事務所的にかなりモメるでしょ?」


武内P「…………はい、そうですね」


一同「……」

437: 2019/05/21(火) 15:55:20.86 ID:uCE861gxo
ガッシュ「しかし、アイドルにスカウトされるとは凄いのだ!」

ティオ「べ、別にそんな事無いわよ!///」

ガッシュ「ティオは、顔は可愛いからな!」

ティオ「ば、馬鹿じゃないの!/// 可愛いだなんて!///」テレテレ!

ティオ「……ん? ‘顔は’?」

ガッシュ「ウヌ!」ペカー!

ティオ「……それってどういう意味よガッシュウウウ!?」

ガッシュ「!? どうして怒っているのだ!?」

ティオ「コラ、待ちなさい! 逃げるんじゃないわよ!」

ガッシュ「た……助けて! 助けてくれ、清麿――!」


清麿「――それじゃあ、詳しい話を聞かせて貰えますか?」

武内P「あの……宜しいのですか?」

清麿「ええ、いつもの事ですから」

武内P「は……はあ」


ティオ「キシャアアアアアッ!!」

ガッシュ「うわああああんっ!!」ピー!

441: 2019/05/21(火) 20:09:30.66 ID:uCE861gxo
武内P「本来ならば、部外者の……」

武内P「それも、未成年である貴方にお話するような事では無いのですが……」

清麿「そんな、気にすることありませんよ」

清麿「むしろ、失礼な事を言ったのはオレ達の方ですから」

武内P「高嶺さん……」

清麿「それに、未央さんが困ってるなら、助けるのは当然の事です」

未央「お、おおう!? きよよん、それは愛の告白!?」

清麿「違うわ!!」


清麿「……未央さんは、恵さんの友達なんだろ?」

清麿「だったら、困ってるのを見過ごす訳にはいかない」

清麿「……友達の友達が困ってるんだ」

清麿「だったら、助けるのが当たり前……だろ?」


未央「きよよん……」

未央「……めぐめぐとは、本当にただの友達なの?」


清麿「お前、助けるのやめるぞ!?」

442: 2019/05/21(火) 20:18:42.34 ID:uCE861gxo
未央「やー、きよよんの事話してる時の感じがさぁ……」

清麿「ええい、やかましい!」

清麿「良いからさっさと話してくれ、頼むから!」

武内P「はい――」


武内P「――不思議な事が起こりだした」

武内P「「……という事は、もうご存知ですね?」


清麿「ええ、未央さんから聞いています」


武内P「……関係者以外、立入禁止の場所」

武内P「皆さんの楽屋や、控室」

武内P「……それに、衣装部屋等の保管場所」

武内P「そこから、いつの間にか物がなくなるようになったのです」


清麿「! それって……!」


未央「……この間なんか、さ」

未央「しまむーのリップクリームが、新しいのに取り替えられてたんだよ……!」


清麿「……」

清麿(これは……まずいな)

清麿(想像してたのとは、全然別の方向性でまずい事件だったああああ!!)

443: 2019/05/21(火) 20:28:28.08 ID:uCE861gxo
清麿「えっと……それは、勘違いとかじゃ?」

未央「私のハンドタオルも、手ぬぐいに代わってたんだよ!?」

清麿「……」

武内P「……渋谷さんは、お財布の中のお金を抜き取られているそうです」

清麿「金を?」

武内P「はい。渋谷さんだけは、お金以外は無事だそうで……」

清麿「な……成る程」


未央「……私としまむーは、衣装もなくなってたりして」

未央「でも、ちゃんと保管されてる筈の物までなくなってるんだよね」

武内P「警備の人間も増やし、十分に注意しているのですが……」

武内P「……お財布の中の、数百円」

武内P「それさえも、渋谷さんはなくなってしまうそうなのです」


清麿「……あの」

清麿「その、渋谷さんは現金を持ち歩かないようすれば良いんじゃ?」


武内P「! 成る程、その手が!」

未央「凄い! きよよんに相談して、正解だったね!」


清麿「この程度で褒められても反応に困るからやめてくれ!!」

444: 2019/05/21(火) 20:38:04.79 ID:uCE861gxo
清麿「とにかく! いつの間にか物が失くなってる、と」

武内P「代わりの物が置かれているケースもありますね」

未央「まあ……新品でも、気持ち悪いから使ってない」

清麿「警察に相談は?」

武内P「それが……」

未央「……警察に言っても、どうにもなりそうに無いじゃん?」

清麿「そりゃ、まあ……」


未央「それに、ここで変に騒ぎになったら……困るんだよね」

未央「ホラ、私ら大きなLIVEが控えててさ」

未央「それが中止になったりしたら、その方が困っちゃう」

未央「ファンの人を――悲しませちゃうからね」


清麿「未央さん……」


未央「でも、気持ち悪いものは気持ち悪いからさぁ」

未央「めぐめぐもそういう事ないー? って聞いたんだ」

未央「……で、きよよんの話が出たってわけ」


清麿「……成る程、そういう事だったのか」

445: 2019/05/21(火) 20:53:53.81 ID:uCE861gxo
清麿「まあ、警察に言わないのは正解だったかも知れません」

武内P「……と、言うのは?」

清麿「本を持った奴の目撃情報があるんですよね?」

武内P「はい、事件が起きた時は……ほぼ、毎回」

清麿「……」


清麿「――状況を考えると、まず間違いなく魔物が関わってる」

清麿「ま、まあ……起きてる事自体は置いておくとして……」

清麿「相手は、誰にも気づかれない内に盗みを……」

清麿「……それも、警備や鍵まで突破するような奴だ」


未央・武内P「……」


清麿「警察が関わってきたら、逆上して何をするかわからない」

清麿「……――だから、オレ達の手で捕まえる!」

清麿「ガッシュ! 気合を入れていくぞ!」

清麿「……」

清麿「……ガッシュ?」


ティオ「ちょっ、ちょっとガッシュ! 返事しなさいったら!」アワアワ!

ガッシュ「」

ティオ「お、おほほほほほ!」アセアセ!

446: 2019/05/21(火) 21:04:21.95 ID:uCE861gxo
  ・  ・  ・

薄暗い部屋


ニュージェネ『ありがとー!』


男「……ふぅ」

男「やっぱり、一日一回はニュージェネのLIVE映像を見ないとな」

男「――お前もそう思うだろう? フォカヌプゥ」


フォカヌプゥ「ああ……最高に尊い……!」

フォカヌプゥ「魔界では、アイドルなんてものは存在しなかったからな……!」

フォカヌプゥ「――人間界は最高だ!」

フォカヌプゥ「魔物の王を決める戦い? 知ったこっちゃねえぜ!」


男「ああ、そうだ! そうだとも!」

男「争いは何も生まない……生まれるのは、悲しみだけだ」

男「……魔物の子供は、そんな事も教えられなかったんだな」


フォカヌプゥ「……だが、アンタに教わった」

フォカヌプゥ「へへっ! アンタがオレの本の持ち主で良かったぜ!」


男「ははは! よせよせ、そんなに褒めるな!」

447: 2019/05/21(火) 21:15:01.66 ID:uCE861gxo
男「……さて、今日のメインイベントに移ろう」

フォカヌプゥ「待ってたぜ!」

男「フォカヌプゥ、お前が術を使って頂いてきた、この――」

フォカヌプゥ「――卯月ちゃんのリップクリームだな!」

男「ああ、そうだ!」

フォカヌプゥ「そいつをどうするんだ!?」

男「勿論、使うに決まってるだろう?」

フォカヌプゥ「ヒュウウ! 間接キスだな!」

男「間接キス? おいおい、何を言ってるんだ」

フォカヌプゥ「? 違うのか?」


男「尻に入れるんだよ、ヌプリとな」


フォカヌプゥ「尻に!?」


男「リップクリームで間接キスをしようだなんて、ただの変態だろうが!」

男「だが、我々は全てを受け入れる――紳士!」

男「フォカヌプゥ! お前は尻の穴の小さい男か!? 違うだろう!」


フォカヌプゥ「……!」

フォカヌプゥ(すげえ……! 人間ってのは、何てすげえんだ……!)

448: 2019/05/21(火) 21:21:47.53 ID:uCE861gxo
フォカヌプゥ「だが……尻に物を入れるのは……!」

男「怖いか?」

フォカヌプゥ「ああ……!」…ポロッ!

男「恥じることはない、俺も最初はそうだったさ」

フォカヌプゥ「あ、アンタも……?」ポロポロッ!

男「さあ、未央ちゃんのハンドタオルで涙を拭け。良い匂いだぞ」

フォカヌプゥ「も……勿体無くて出来ねぇ!」ポロポロッ!

男「フォカヌプゥ、お前……」


フォカヌプゥ「俺の涙を拭いちまったら、匂いが薄れちまう!」

フォカヌプゥ「疲れた時、未央ちゃんのタオルの匂いを嗅いで……」

フォカヌプゥ「――未央ちゃんも頑張ってるんだから、俺も頑張らないと」

フォカヌプゥ「……って気持ちになれなくなっちまうじゃねえか!」


男「……はっ」

男「いつの間にか……成長してたんだな、お前も」


フォカヌプゥ「……よせやい、照れるじゃねえか」

449: 2019/05/21(火) 21:30:29.57 ID:uCE861gxo
男「……勇気が無いなら、貰おうじゃないか」

フォカヌプゥ「勇気を……貰う?」

男「ああ、そうだ。ニュージェネの新曲のPVからな」

フォカヌプゥ「そいつは良いや! 最高だ!」

男「卯月ちゃんも未央ちゃんも、良い笑顔をしてるぞ!」

フォカヌプゥ「凛ちゃんはどうなんだ?」

男「お前は、料理の付け合せにこだわるか?」

フォカヌプゥ「こだわらねぇ! 聞いてみただけだ、へへっ!」


男「凛ちゃんは、怒ると怖いタイプだからな……間違いない」

フォカヌプゥ「それも、束縛が強そうなタイプだ……間違いないな」

男・フォカヌプゥ「……全然タイプじゃねえんだよなぁ」


男「――よし! 二人の衣装を並べて、PVを見るぞ!」

フォカヌプゥ「うおおっ! そりゃあ贅沢すぎるぜ!」

男・フォカヌプゥ「はっはっはっはっは!」

450: 2019/05/21(火) 21:39:58.17 ID:uCE861gxo
  ・  ・  ・

ファストフード店


凛「渋谷凛、十五歳。高校一年生、よろしく」


清麿「よ……よろしく、お願いします」

ガッシュ「う、ウヌ……よろしく頼むのだ」

清麿「……なあ! なんか怒ってないか!?」ヒソヒソ!

ガッシュ「恐ろしいのだ! LIVEの映像とは別人ではないか!」ヒソヒソ!

未央「いやー、最近機嫌が悪くて……あはは」ヒソヒソ!


卯月「島村卯月、十七歳です♪」ニコッ!

卯月「えっと……よろしくお願いしますっ!」ペコリ!


清麿・ガッシュ「……!」ホッ!

清麿「はい、こちらこそ宜しくお願いします」

ガッシュ「ウヌ! 良ければ、後でサインが欲しいのだ!」


凛「……何か、反応違わない?」


清麿・ガッシュ「べ……別に!?」

451: 2019/05/21(火) 21:51:58.87 ID:uCE861gxo
凛「アンタ、まだ中学生なんでしょ?」

清麿「え、ええ……まあ」

凛「……ふーん」ジロジロ!

清麿「……!」

卯月「り、凛ちゃん! 清麿くん、怖がっちゃってますから!」

凛「……そうなの? 何で?」ギロッ!

清麿「あ、いや……!」


恵「――もうっ、凛ちゃんったら!」

恵「清麿くんも、なにデレデレしてるの!?」

ティオ「お待たせ! 恵を連れてきたわよ!」


清麿「――恵さん! オレ、デレデレはしてないぞ!?」

ガッシュ「ウ……ウヌ!」


未央「おっ! やっほー、めぐめぐ!」

凛「……ま、良いけど」

卯月「あ、あはははは……」

452: 2019/05/21(火) 21:59:51.50 ID:uCE861gxo
  ・  ・  ・

清麿「――とりあえず、今後の方針を説明する」


一同「……」コクリ!


清麿「プロデューサーさんから聞いた、事件が起こった日」

清麿「そいつを順番に並べていくと……この通り」


未央「あっ! 一定の間隔で、事件が起きてるね!」

凛「本当だ……全然気付かなかった」

卯月「はい……そんな事、考える余裕もありませんでした」


ティオ「さすが清麿ね! 私も鼻が高いわ!」ドヤァ!

ガッシュ「どうしてティオが自慢げになっているのだ?」

恵「あ、あはははは……」

453: 2019/05/21(火) 22:05:54.48 ID:uCE861gxo
清麿「恐らく、次に事件が起きる可能性が高いのは――この日だ」


卯月「その日は、確か……」

凛「私と卯月が一緒で、未央だけ別の仕事の日……だね」

未央「……シンデレラガールになったお祝い番組の収録日だよ」

未央・卯月・凛「……」


清麿「今までの傾向から、どっちが狙われるかわからない」

清麿「……未央さんの物が狙われるか」

清麿「……卯月さんの物と、凛さんの金が狙われるか」


凛「そうだね」ギロッ!


清麿「だ、だから!」


恵「――私が呼ばれたのよね!」


清麿「……その通り」

454: 2019/05/21(火) 22:14:26.29 ID:uCE861gxo
卯月「あっ! もしかして……」

凛「……私達の出る番組の、サプライズゲストって」

恵「そう、私♪」

恵「ふふっ! サプライズじゃなくなっちゃったわね♪」


清麿「……という訳なので」

清麿「恵さん、ティオ」

清麿「卯月さんと凛さんの方はお願い出来るか?」


恵・ティオ「任せて!」


清麿「ただ、決して無理はしないで欲しい」

清麿「相手が、まだどんな魔物かわかってないんだ」

清麿「……もしもの時、二人を守るため」

清麿「危険を感じたらすぐ一緒に逃げてくれ。良いな?」


恵「ふふっ、清麿くんったら心配性なんだから!」

ティオ「逃げる? こっちに来たら、逆にぶっとばしてやるわよ!」


清麿「ははは、頼もしいな」

455: 2019/05/21(火) 22:27:26.18 ID:uCE861gxo
清麿「……ただ、それだけだとどうしても」

恵「ずっと見ているのは……難しいかな」

清麿「ああ。だから、プロデューサーさんは二人の方に」

一同「……」コクリ!


清麿「だから、未央さんの方には――」

清麿「――オレとガッシュが同行する」

ガッシュ「ウヌ! 未央ちゃんは、私達が守るのだ!」


未央「おおっ! きよよんとガッシュンがこっちね!」

未央「頼りにしてるよ、二人共っ!」ニコッ!


清麿「あ、ああ……任せてくれ!///」

ガッシュ「う……ウヌ!///」


恵「……清麿くん?」

ティオ……「ガッシュ?」


清麿「あ、いや! 良い笑顔だったから!」アワアワ!

ガッシュ「う、ウヌ! とってもステキな笑顔だったからなのだ!」アワアワ!


恵・ティオ「……」


清麿・ガッシュ「……!」

456: 2019/05/21(火) 22:37:17.87 ID:uCE861gxo
凛「……ねえ、ちょっと気になったんだけど」

卯月「あのー……私も、気になることが」


清麿「? 作戦に、何かわからない事でも?」


凛・卯月「……二人って、どういう関係?」


清麿「二人……って」

恵「わ、私と清麿くん!?」


未央「あっ、しまむーとしぶりんも気になるよね!?」

卯月「は、はいっ! 付き合ってるのかなー、な、なんて……」

凛「ねえ、どうなの? 納得のいく説明を聞かせて」


清麿「オレ達は別にそんなんじゃ……ねえ、恵さん!?///」

恵「そ、そうよね、うん!/// 友達以上ではあるけど……ねえ!?///」


未央・卯月・凛「友達以上!?///」


清麿・恵「ああっ……!? 誤解してる!」

457: 2019/05/21(火) 22:52:25.78 ID:uCE861gxo
  ・  ・  ・

CPプロジェクトルーム


清麿「――という訳で、あの二人には先に説明しておきました」

清麿「今は、恵さんと当日の打ち合わせをしてる筈です」

武内P「……ありがとうございます」

武内P「今日は、どうしても外せない会議がありまして……」

清麿「未央さんの、シンデレラガール就任関係の……でしたっけ」

武内P「……はい」


ガッシュ「しかし……未央ちゃんは、本当によかったのか?」

未央「ん? 何が?」

ガッシュ「清麿も、プロデューサー殿も――」


ガッシュ「次に狙われるのは、未央ちゃんの可能性が高いと考えているのだぞ?」


未央「あー……まあ、あくまでも可能性だしね!」

ガッシュ「……ウヌゥ」

458: 2019/05/21(火) 23:01:16.42 ID:uCE861gxo
未央「それにさ、今までも危ない事は無かったし!」

ガッシュ「しかし、これからもそうとは限らぬ!」

未央「じゃあ、尚更二人にはプロデューサーが付いててくれないと!」

ガッシュ「えっ?」


未央「ホラ、私って……やっとシンデレラガールになれた訳じゃん?」

未央「……しまむーとしぶりんよりも、ずっと遅れて」

未央「その間さ、二人にはずっと支えられてきたんだよね」

未央「そんな大切な友達……しまむーとしぶりんが」

未央「ちょっとでも不安に思ってたらさ?」

未央「それが心配になっちゃって、私が笑顔になれないじゃん!」ニコッ!


ガッシュ「未央ちゃん……」


未央「自分の足で歩けシンデレラ、ってね!」

未央「それに、二人が付いててくれるんだから大丈夫……でしょ?」ニコッ!


ガッシュ「……ウヌ!!」

ガッシュ「約束するのだ!! 私と清麿に、任せてくれ!!」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

459: 2019/05/21(火) 23:15:21.74 ID:uCE861gxo
  ・  ・  ・

当日、卯月・凛の控室


卯月「未央ちゃん……大丈夫でしょうか」

凛「ねえ、プロデューサーは本当にこっちに来て良かったの?」

武内P「……本田さんたっての希望でしたので」

卯月・凛「……」

武内P「島村さん、渋谷さん」

卯月・凛「……?」


武内P「笑顔です」


卯月・凛「笑顔、って……」


コンコン!


武内P「……どうぞ」

卯月・凛「……」

460: 2019/05/21(火) 23:20:34.60 ID:uCE861gxo
ガチャッ!

恵「――失礼します」

ティオ「わーっ! 二人の衣装、とってもステキね!」


凛「あ……ありがと」

卯月「ありがとう……ございます」


恵「ど、どうしたの? なんだか元気が無いけど……」

ティオ「そうよ! アイドルは、笑顔じゃなくっちゃ!」

恵「もしかして……未央ちゃんの事が気になって?」

ティオ「あっ、そういう事?」


卯月・凛「……」コクリ


恵「だったら、尚更笑ってないと!」

ティオ「うん! 恵の言う通りだわ!」


卯月・凛「……えっ?」

461: 2019/05/21(火) 23:27:12.47 ID:uCE861gxo
恵「それに、もしも二人が逆の立場だったらどうしてた?」

卯月・凛「それは……」

恵「ふふっ!……でしょう?」

ティオ「私、恵を近くで見てきたからわかるの!」


ティオ「――アイドルって、凄いんだから!」

ティオ「歌と踊りと、そして……笑顔で!」

ティオ「不安とか、嫌な気持ちとかをガツーンってぶっとばしちゃうのよ!」

ティオ「だったら二人がする事は一つ!」

ティオ「とびっきりの笑顔で、未央ちゃんにオメデトーって気持ちが届くくらい!」

ティオ「――サイッコーのLIVEをする事だわ!」


卯月・凛「……!」


恵「ふふっ! 今日のは、LIVEじゃなくて収録だけどね!」

ティオ「め、恵~! せっかく私が良い事言ったのに~!」

462: 2019/05/21(火) 23:35:44.54 ID:uCE861gxo
武内P「……島村さん、渋谷さん」

武内P「笑顔で、収録に望めますか?」

卯月「……はいっ!」ニコッ!

ティオ「もーっ! 男って、本当に世話が焼けるんだから!」

凛「ふふっ、本当だね」ニコッ!

恵「……お仕事、取っちゃいました?」クスッ!


武内P「……はい、取られてしまいました」


卯月・凛・恵・ティオ「……あはははっ!」ニコニコッ!


恵「――それに、未央ちゃんだったら絶対大丈夫よ」

ティオ「――ええ! あの二人に任せておけば、心配ないわ!」

卯月・凛「……そうなの?」


恵・ティオ「ええ! あの二人――」


恵・ティオ「――滅茶苦茶強いんだから!」ニコッ!

466: 2019/05/22(水) 19:57:29.03 ID:WPb1iFUlo
  ・  ・  ・

薄暗い部屋


男「――クソォッ!!」


フォカヌプゥ「ど、どうしてそんなに怒ってるんだ!?」

フォカヌプゥ「未央ちゃんがシンデレラガールになって良かったじゃないか!」

フォカヌプゥ「お祝いの番組だって放送され――」


男「――お前は、何もわかっちゃいない!」ギロッ!


フォカヌプゥ「ひっ!?」


男「未央ちゃんの魅力は何だ!? そう、笑顔だ!」

男「その笑顔は、彼女の頑張りの現れだ! そうだな!?」

男「フォカヌプゥ、お前にもそのくらいはわかるだろう!? えぇ!?」


フォカヌプゥ「お……おう!」

467: 2019/05/22(水) 20:03:37.89 ID:WPb1iFUlo
男「シンデレラガールになるため、頑張って……!」

男「頑張って、頑張って、頑張ってぇ!」

男「その、頑張る姿が最高だったのに!」

男「――なのに、シンデレラガールになってどうする!?」


フォカヌプゥ「それは……」


男「……人は、目標に向かっている時が一番力を発揮する」

男「だが、目標を達成したら……ボンッ!」

男「燃え尽きてしまうんだ、真っ白な灰にな」


フォカヌプゥ「……」


男「つまり、どういう事かわかるか?」

男「……これから、未央ちゃんがどうなっていくか」

男「お前にもわかるよなぁ、フォカヌプゥ?」


フォカヌプゥ「……」

468: 2019/05/22(水) 20:12:11.72 ID:WPb1iFUlo
フォカヌプゥ「階段を登りきったら……」

フォカヌプゥ「……後は、下るだけ」


男「そうだ! わかってるじゃないか、フォカヌプゥ!」

男「歴代のシンデレラガールは、今はどうなった?」

男「……出てるんだよ、結果は!」

男「未央ちゃんが今後そうなるのが、お前には許せるか!?」


フォカヌプゥ「……許せない」

フォカヌプゥ「そんなのは、許せない!」

フォカヌプゥ「どうすれば良い!? オレには何が出来る!?」


男「――何でも出来る」


フォカヌプゥ「!」


男「さあ、出かけようじゃないか」

男「シンデレラに魔法を……いや!」

男「呪文をかけに!!」


フォカヌプゥ「うおおお――――ッ!!」

469: 2019/05/22(水) 20:21:12.04 ID:WPb1iFUlo
  ・  ・  ・

スタジオ、廊下


清麿「――お前のせいで無駄な時間を食ったじゃないか!」

ガッシュ「無駄などではない! 何を言う、清麿!」

ガッシュ「バルカンにも入社許可証が欲しいと言っただけでは無いか!」

清麿「それが無駄だと言っとるんだ!」

清麿「ったく……ホラ、あそこが未央さんの控室だぞ」

ガッシュ「おおっ! あそこに未央ちゃんが居るのだな!」


ガッシュ「おーい、未央ちゃーん!」

コンコンッ!


「――おっ、どうぞー! 入って良いよー!」


ガッシュ「お邪魔しますなのだ!」

清麿「こういう時は、失礼しますって言うんだ」

ガチャッ…

470: 2019/05/22(水) 20:27:06.91 ID:WPb1iFUlo
ガッシュ・清麿「……」ポーッ…


未央「――ん? どうしたの?」キラキラッ!

未央「そんな所に立ってないで、入りなって!」キラキラッ!


清麿「あ、ああ……///」

ガッシュ「お、おお……」


未央「んー……?」キラキラッ!

未央「ははーん? さては、私の魅力にメロメロかな~?」キラキラッ!

未央「めぐめぐに言いつけちゃうぞ! なんてね!」キラキラッ!


ガッシュ「おおおおおおっ! 凄いのだ凄いのだ!」

ガッシュ「見てみろ清麿! 未央ちゃんの姿を!」

ガッシュ「すっごく綺麗なドレスで、まるでお姫様みたいなのだ!」

清麿「……ああ、見てるさ」


未央「みたい、じゃなくてお姫様だよっ!」キラキラッ!

未央「なにせ、シンデレラガールですから!」キラキラッ!

471: 2019/05/22(水) 20:34:32.35 ID:WPb1iFUlo
…バタンッ


清麿「そういえば、もう衣装に着替えてるのか?」


未央「うんうん、出来るだけ慣れておきたいからね」

未央「お話を聞かせて下さいー、って時にさ?」

未央「慣れないドレスで疲れてますー、じゃ格好つかないでしょ!」


ガッシュ「ウヌ! それでは、確かに示しがつかぬのだ!」

ガッシュ「上に立つ者として、下の者の手本になるようにせねばな!」


未央「上? んー……上とかとは、違うかなぁ」

未央「シンデレラガールって、そういうのじゃない……」

未央「……って、私は思ってるんだよね」


ガッシュ「な、何?」

ガッシュ「……ウヌヌ、よくわからないのだ」

472: 2019/05/22(水) 20:44:04.54 ID:WPb1iFUlo
未央「えっと、じゃあさ……」

未央「ガッシュンは、なりたいものってある?」


ガッシュ「ウヌ!!」

ガッシュ「私は――やさしい王様になる!」


未央「おおっ! 王様かぁ! でっかい夢だねぇ!」


ガッシュ「ウヌ!!」

ガッシュ「だから、私は戦っているのだ!」


未央「じゃあさ、はい! やさしい王様になったとして!」


ガッシュ「う、ウヌ?」


未央「そこで、ガッシュンは頑張るのをやめたり」

未央「私は王様だぞー! って威張ったりする?」


ガッシュ「そんな訳はない!」

ガッシュ「王として、日々努力し! 皆が平和に過ごせるように……」

ガッシュ「……あっ」


未央「へへっ、そゆこと!」ニコッ!

473: 2019/05/22(水) 20:53:08.69 ID:WPb1iFUlo
未央「私は……友達が」

未央「ユニットメンバーの、しまむーとしぶりんが」

未央「……私よりも断然早く、シンデレラガールに選ばれたんだよね」


ガッシュ・清麿「……」


未央「正直に言おう! ここだけの話ね!?」

未央「――焦った! 超焦ったよ!」

未央「私だけだよ!? 焦りまくったね!」


ガッシュ・清麿「……」


未央「――だけど、やっとここまで来られた」

未央「二人に、手を引いてもらうだけじゃなく……」

未央「ううん! これからは、私が引っ張っていく!」

未央「それで、どんどん前へ進んで行くんだ!」


清麿「未央さん……」

ガッシュ「……ウヌ!」

474: 2019/05/22(水) 21:05:30.90 ID:WPb1iFUlo
ガッシュ「未央ちゃんは、止まらぬのだな!」

未央「止まるなんて、勿体無いからね!」

清麿「こりゃあ、ガッシュも見習わないとな!」

ガッシュ「ウヌ?」

清麿「王様になった時、いっぱい勉強しないと困るぞ~?」

ガッシュ「そ、それは……その時頑張るのだ!」

未央「アハハハハッ!」


ガッシュ「……未央ちゃんは、シンデレラガールとして頑張るのだな!」


未央「もっちろん!」

未央「そうだねぇ……ガッシュンみたいな言い方をすると」



未央「元気なシンデレラガール!」



未央「……の、本田未央をよろしく!」ニコッ!


清麿「……ああ!」

ガッシュ「……ウヌ!」

475: 2019/05/22(水) 21:13:06.40 ID:WPb1iFUlo
未央「……さっ、てと。ちょっと一人にして貰っていい?」

未央「一人になって、集中したいからさ」

ガッシュ「ウヌ!」

清麿「それじゃあ、オレ達は外に居るから……」

未央「あっ、きよよんストップ!」

清麿「ん?」

未央「ネクタイが曲がってるじゃーん!」

清麿「……ああ、気付かなかった」

未央「ウチの関係者っていう体なんだから、身だしなみには気をつけないと!」

未央「でないと、怖ーい人に叱られちゃうんだから!」ニヒヒ!


未央「……って事で、はい! これ貸してあげる!」

未央「これは、魔法使いが使っていたありがたーい品なのです!」


清麿「魔法使い、って……普通のタイピンじゃないか」

清麿「これが、どうしてありがたい品なんだ?」


未央「それはー……まあ」

未央「……内緒、って事で一つ!」ニコッ!


清麿「……?」

476: 2019/05/22(水) 21:19:01.57 ID:WPb1iFUlo
  ・  ・  ・

数分後、未央の控室・前


清麿・ガッシュ「……」

清麿「……ガッシュ、気付いてるか」

ガッシュ「……ウヌ」

ガッシュ「少し前から、人の気配が全くせぬのだ」

清麿「ああ、どう考えてもおかしい……」



男「――まさか、こんな所で魔物の子供と、本の持ち主に会うとは」

フォカヌプゥ「ああ……思ってもみなかった」



清麿・ガッシュ「っ!?」

バッ!

清麿「……奇遇だな、オレも同じ感想だよ」

清麿(何だ!? 今まで誰も居なかったのに、突然現れやがった!)

477: 2019/05/22(水) 21:29:19.38 ID:WPb1iFUlo
男「……アイツは知ってるか?」

フォカヌプゥ「ああ、泣き虫ガッシュだ。魔界ではいつもいじめられてた」

男「勝てるか?」

フォカヌプゥ「当然!」


清麿「……ガッシュ、油断するな」

清麿「わざわざ姿を現したんだ……かなり自信があるらしい」

ガッシュ「ウヌ! わかっておる!」

清麿(まずは、ザケルで様子見を――)



男「――スケル!!」

フォカヌプゥ「……!」

スウウッ…



清麿「――なっ!? 早い!」

ガッシュ「ウ、ウヌゥ!? また、姿が見えなくなったのだ!」

478: 2019/05/22(水) 21:37:29.61 ID:WPb1iFUlo
「俺達は気が小さくてね……」

「このまま勝負を決めさせて貰うぜぇ!」



清麿「……!」

清麿(……慌てるな!)

清麿(さっきまで居た場所、声のした方向……)

清麿(それに、あの巨体だ……足音も――)



ドシ…ドシ…!



清麿(――聞こえる!)

清麿「ガッシュ! そこだ!」

バッ!

清麿「ザケル!!」カッ!

ガッシュ「」ズギャアアアアアアアアッ!!!



「「うおおおおっ!?」」



清麿「ちいっ! 外したか!」

ガッシュ「――ウヌゥ、見た目によらずすばしっこい奴なのだ!」

479: 2019/05/22(水) 21:47:22.75 ID:WPb1iFUlo
清麿「だが……今ので良い」

ガッシュ「何!? どういう事なのだ!?」

清麿「ヤツの術は、姿は消せても、立てる音までは消せないみたいだ」

清麿「今のを繰り返していれば、体力が徐々にだが奪える」

清麿「さっきは運が悪かったが、当たり所が良ければ一気に勝負が決まる」

清麿「――残念だったな! でかい図体が裏目に出て!」


スウウッ…

男「――こ、こいつ……戦い慣れてやがる!」

フォカヌプゥ「ど、どうするんだ!?」

男「……まだ慌てるような時間じゃない」

バッ!


清麿(何だ? 魔物とパートナーが離れて……)



男「――スケルト!」カッ!

フォカヌプゥ「……!」

スウウッ…



ガッシュ「……今度は、パートナーの方は姿を現したままなのだ」

480: 2019/05/22(水) 21:55:05.56 ID:WPb1iFUlo
清麿「何度やっても……」

清麿「――っ!?」

清麿「ガッシュ! 防御を固めろ!」ギュッ!

ガッシュ「な、何故なのだ!? それでは攻撃が――」

清麿「早く!」

ガッシュ「う、ウヌ!」ギュッ!


―パッ!

フォカヌプゥ「おらあああっ!!」


ドゴォッ!!


清麿・ガッシュ「うぐううっ!?」

ゴロゴロゴロゴロッ…!

清麿・ガッシュ「……くっ!」

バッ!

ガッシュ「だ、大丈夫か清麿!?」

清麿「あ、ああ……防御してなかったら危なかったぜ……!」

481: 2019/05/22(水) 22:02:49.98 ID:WPb1iFUlo
清麿(あの、スケルトって術……)

清麿(姿だけじゃなく、音まで消せるのか……!)

清麿(……クソッ! こんな狭い空間じゃ、でかい術は使えない!)

清麿(ピンポイントで、ヤツを撃ち抜く必要がある!)

清麿(そのためには――)


清麿「――おい! そこのお前!」

清麿「一体何だって、こんな真似をする!」

清麿「また、何かを盗みにでも来たってのか!?」


男「……盗み?」


清麿(――食いついた!)

清麿(このまま会話をつないで、対策を練る!)

清麿「ああ、そうだ!」

清麿「今までのも、お前たちの仕業なんだろう!?」


フォカヌプゥ「そう! その通りよ!」

482: 2019/05/22(水) 22:11:17.44 ID:WPb1iFUlo
フォカヌプゥ「オレ達は、未央ちゃんの大ファンだからなぁ!」


清麿「だったら、どうしてこんな真似をする!」


男「ファンだからこそだ!」

男「シンデレラガールの座を得て、これから落ちていく未央ちゃんの姿……!」

男「俺達は、そんなものは見たくない!」

男「未央ちゃんだって、そうなりたくないと思ってるだろう!」

フォカヌプゥ「だから、オレ達が手助けをするんだ!」

フォカヌプゥ「今の! 最高の状態で! 星になって貰うのよぉ!」


清麿「ほ、星になるって……お前ら、まさか!?」


男「知ってるか?」

男「人も星も、散り際が最も美しく輝くんだぜ」



ガッシュ「……――ふざけるな!!!!」



男・フォカヌプゥ「っ!?」ビクッ!

483: 2019/05/22(水) 22:21:14.52 ID:WPb1iFUlo
ガッシュ「お前達に、未央ちゃんの何がわかると言うのだ!」

ガッシュ「何故、落ちていくと決めつけている!」

ガッシュ「何故、今が最高の状態と決めつけている!」


フォカヌプゥ「そ、それが今までの当たり前だからだ!」

男「何も知らないガキが知ったふうな口を聞くな!」


ガッシュ「私は知っている!!」

ガッシュ「未央ちゃんは、止まるのは勿体無いと言っていた!」

ガッシュ「今まで、手を引いてくれていた者達の手を……」

ガッシュ「……今度は、自分が引いて前へ進むと言っていた!」



ガッシュ「元気なシンデレラガールとして頑張ると言っていた!」



ガッシュ「その想いを踏みにじるものは、断じて許さぬ!」

ガッシュ「例え何だろうと、この私が消しズミにしてくれる!」


男・フォカヌプゥ「っ……!?」

484: 2019/05/22(水) 22:31:54.80 ID:WPb1iFUlo
  ・  ・  ・

未央の控室


未央「……」

未央(リーナに借りたヘッドフォン、ホント何にも聞こえないや)

未央(……あと、もう少しで私の出番)

未央(歌うのは……初披露の、新曲……緊張するなぁ、やっぱり)

未央(……だから、今は)


未央(――しまむー、しぶりん)


未央「二人に、元気を分けてもらうね」ニコッ!

ピッ―


  ・  ・  ・



卯月「……凛ちゃん、頑張りましょうね!」

凛「……未央に届くように、でしょ?」

卯月「はいっ♪ 島村卯月、頑張ります♪」ニコッ!

凛「ふふっ、相変わらずなんだから」ニコッ!



『それでは! 島村卯月ちゃん、渋谷凛ちゃんの登場でーす!』

485: 2019/05/22(水) 22:39:33.23 ID:WPb1iFUlo


清麿「――よく言った、ガッシュ」

ポンッ!

ガッシュ「清麿……」

清麿「それじゃあ、準備は良いか?」

ガッシュ「……準備?」

清麿「おいおい、決まってるじゃないか」



清麿「あのクソ野郎共をぶっとばす心の準備だ!!」



ガッシュ「ウヌ!! それならば、とうに出来ている!!」



男・フォカヌプゥ「っ……!?」

男「……フォカヌプゥ! お喋りは終わりだ!」

フォカヌプゥ「おおおっ!」

486: 2019/05/22(水) 22:48:29.42 ID:WPb1iFUlo
清麿「行くぞ、ガッシュ!」

バッ!

ガッシュ「ウヌ!」


男「ふん! この距離で、何が出来る!」

フォカヌプゥ「ヤケにでもなったのか!? あぁ!?」



清麿「第三の術――」

清麿「――ジケルド!!!」カッ!

ガッシュ「」シュボッ


ヒュワアアア…



男「は……ははは、何だその遅い玉は!」

フォカヌプゥ「じゅ、術を三つも使えると焦らせやがって……!」

男「お前の言った通り、ヤケになったみたいだな!」


フォカヌプゥ「ああ、そうみた――」…パアアッ!


男「な、何だ……!? どうして、光っている……!?」

487: 2019/05/22(水) 22:55:23.17 ID:WPb1iFUlo
清麿「……お前達に、ジケルドの効果を教えてやる」

清麿「ジケルドは――相手の体を強力な磁石にする術だ」

清麿「その磁力は、時間が経つほど強くなっていく……!」



男「な、ならっ! すぐに決着をつけるだけだ!」

男「――スケルト!」カッ!

フォカヌプゥ「……!」

スウウッ…



清麿「……ああ」

清麿「今になっても油断しているお前たちなら――」

清麿「――そう来ると思ってたよ!」

488: 2019/05/22(水) 23:03:43.43 ID:WPb1iFUlo
清麿「どこかの魔法使いさん、力を貸してもらうぜ!」

ピッ!

清麿「まだ、ジケルドの磁力はヤツを捕まえる程じゃない……」

清麿「――だがっ!」

ヒュッ――


――クンッ!


清麿「この大きさのタイピンなら、十分に引き寄せる!」

清麿「――そこだ!」

バッ!

清麿「第五の術――ザケルガ!!!」カッ!

ガッシュ「」ジュバッ!!



「――ぎゃあああああっ!?」

スウウッ…

フォカヌプゥ「うぐ、が……ああっ……!」



男「そ……そんな、馬鹿な!?」

489: 2019/05/22(水) 23:10:08.77 ID:WPb1iFUlo
ボォォッ…!

男「ああっ、ほ、本が燃える……!」

フォカヌプゥ「あ……あぁ……!」

スッ…

男「し、しっかり! しっかりしろ、フォカヌプゥ!」

フォカヌプゥ「あ、アンタと居た時間……サイコーだったぜ……」

男「何を言ってるんだ、馬鹿野郎!」

フォカヌプゥ「へ、へへ……!」

フォカヌプゥ「リップクリーム……尻に入れそこなっちまった……!」ポロポロッ!

男「……俺が入れるさ! お前の分まで!」ポロポロッ!


フォカヌプゥ「頼んだ……ぜ……」…ポロッ!

スウッ…



男「フォ……フォカヌプゥ――ッ!」



清麿「ザケル」

ガッシュ「」バリババリイイッ!



男「ぎゃああああああっ!?」

491: 2019/05/22(水) 23:19:24.35 ID:WPb1iFUlo
  ・  ・  ・

後日


未央「いやー、番組は大成功だったよ!」

清麿「ああ、観覧席で見てたけどすごかったな」

未央「でしょ!? そうでしょー!」ドヤァ!

ガッシュ「ウヌ! とっても良い笑顔だったのだ!」


卯月「――それに、不思議な事も起こらなくなりましたし!」


未央「うんうん! 万事オッケー、って感じだよね!」

卯月「はいっ♪」


凛「……ねえ、本当に何もしてないの?」


清麿「そんなに睨まないでくれって、本当に何もしてないんだから」

ガッシュ「う、ウヌ! 私達は、何もしていないのだ! 本当なのだ!」


凛「……別に、睨んでないんだけど」

492: 2019/05/22(水) 23:26:50.20 ID:WPb1iFUlo
凛「……」ジーッ…

清麿・ガッシュ「……!」


恵「――そっ、そう言えば!」

恵「清麿くん、ガッシュくんがニュージェネのLIVEを見たい、って」

恵「……そう言ってたわよね!?」


凛「……恵、誤魔化そうとしてない?」

恵「してないしてない! ぜーんぜんしてないわよ!?」

卯月「えっと……そうなんですか?」

ガッシュ「ウヌ! 見たくてたまらなかったのだ!」

卯月「わーっ♪ 嬉いです♪」

ティオ「ガッシュ……?」ギロッ!

ガッシュ「ど、どうしてティオは私を睨んでいるのだ!?」

ティオ「……フンッ!」

493: 2019/05/22(水) 23:38:40.82 ID:WPb1iFUlo
恵「……これでいいのよね、清麿くん」ヒソヒソ!

清麿「……フォローありがとう、恵さん」ヒソヒソ!

恵「皆をあまり巻き込みたくないから、なんて……」ヒソヒソ!

清麿「それもあるが……なんというか」ヒソヒソ!

清麿「あんなヤツに狙われてたなんて、知らせたくないからな」ヒソヒソ!

恵「ふふっ! まるで、正義のヒーローさんね」ヒソヒソ!


未央「おおっ! 見せつけてくれますなぁ~!」ニヤニヤ!


清麿・恵「んなっ!?///」


ティオ「……ガッシュは、どうしてニュージェネのLIVEが見たかったのよ」

ガッシュ「ウヌ? 理由を言っていなかったか?」

ティオ「納得のいく説明を聞かせて! でないと、許さないんだから!」

ガッシュ「ウヌ!」


ガッシュ「ニュージェネのLIVEを見ている者達が持っている、棒!」

ガッシュ「ピカピカ光って、色がどんどん変わっていくのだ!」

ガッシュ「私は、カッコイイそれが振りたくてたまらなかったのだー!」


一同「……」


ガッシュ「……ウヌ? どうしたのだ?」


一同「そんな理由だったの!!?」



https://www.youtube.com/watch?v=JytCkfOON3M





おわり

494: 2019/05/22(水) 23:40:34.72 ID:owRaxEPzO

変態コンビに妙な既視感あると思ったら鬼滅の刃の俺鬼だった

495: 2019/05/22(水) 23:56:07.20 ID:ZUViw/e0o

戦闘時の清麿の動きがそれっぽくて良かった

496: 2019/05/23(木) 09:26:28.40 ID:opomz5h9o
おつ
清麿と恵さんの年齢設定は正直言っておかしい

引用元: 武内P「援助交際、ですか」