3: 2023/06/05(月) 21:38:58.21 ID:qZNPLska.net
かのん「ぬあああああああっ!!!」

ありあ「お姉ちゃんまた切れ痔?もー、徹夜で作詞するからだよ」

かのん「柔らかいクッション敷いてたのに……うおおおおおおおっ!!!」

ありあ「まったく……ん?お姉ちゃん電話だよ」

かのん「私無理……ありあ、代わりに出て……」

ありあ「しょうがないなー…………はい、もしもし?」

恋『葉月恋です。おや、そのお声は……』

ありあ「澁谷ありあです。いつも姉がお世話になってます」

恋『ありあさんでしたか!あの、かのんさんは……?』

ありあ「あー……えーっと」

かのん(私が切れ痔なこと、絶対言わないで……!!)

ありあ(はいはい、わかりましたよー)


ありあ「あ、恋さん?実はですね……」

ありあ「うちの姉、なんですけど……」

ありあ「朝、起こしに行ったら……床に倒れた状態で、その…………苦しんでいて……」

恋『…………』



恋(狂って氏んでいた……!?)

5: 2023/06/05(月) 21:43:36.81 ID:qZNPLska.net
恋『そう、でしたか……かのんさんが……』

ありあ「そうなんです。朝からもう大変で」

恋『この度は……ご愁傷様です……。すみません、慌ただしい時に電話をかけてしまい……』

ありあ「いえ、大丈夫ですよ」


ありあ(恋さん、お姉ちゃんのこと心配してくれてるよ)

かのん(そうなんだ。恋ちゃんは優しいなー)


恋『……さぞ言いにくかったことでしょう。ありあさんのお気持ち、お察しします……』

ありあ「え?ああ、確かに言いにくかったですねー(切れ痔のこと秘密にしなきゃいけないので)」

恋『かのんさんは……おやすみになられたのですね……』

恋『学校の方へは、わたくしからお伝えしておきます。……今はできるだけ、ごゆっくりされてください』

ありあ「あ、いいんですか!?じゃあ連絡お願いしまーす」



ありあ「お姉ちゃんが学校休むこと、連絡してくれるんだって」

かのん「そっか……!動くのもキツかったから、ありがたく休ませてもらうよ……」

ありあ「ちゃんと病院行きなよー?」

かのん「わかってる……うごおおおおおおお……」

6: 2023/06/05(月) 21:47:41.94 ID:qZNPLska.net
部室

すみれ「恋、どうしたのよ?朝から全員呼び出すなんて」

千砂都「あれ?かのんちゃんがいないけど」

可可「かのんだけ呼ばれてないのデスか、変デスね」

恋「…………」

夏美「恋先輩……?」



恋「かのんさんはもう二度と……部室には来ません」

メンバー「!?」

きな子「えっ……!それ、どういう意味っすか?」

メイ「まさか……Liella!辞めたってことか!?」

四季「OMG」

千砂都「ねえ、恋ちゃん。ちゃんと説明して」

恋「……はい」

恋「単刀直入に、申し上げます……」

恋「すうううう…………」

恋「はああああ…………」

恋「……………………」





恋「かのんさんが氏にました」

メンバー「!?!?」

8: 2023/06/05(月) 21:53:29.38 ID:qZNPLska.net
恋「今朝、作詞の進捗をたずねるため、かのんさんの携帯に電話をしたんです」

恋「すると……電話に出たのは、妹のありあさんでした」

恋「ありあさんは、言葉に詰まりながらも……なんとか伝えてくれました……」

恋「かのんさんが今朝、お亡くなりになられたことを」

きな子「そんな……」

すみれ「は?…………はあ!?」

可可「レンレン……?嘘、デスよね……?」

恋「……残念ながら、事実です」

メイ「マジかよ…………かのん先輩が、氏んだ……?」

四季「OMG」

夏美「本当なんですの、千砂都先輩!?」

千砂都「…………」

千砂都「そういえば、最近のかのんちゃん……よくこんなこと言ってたんだよね」


かのん『あー、名言言いたいな~』

千砂都『名言?』

かのん『うん!名言を残せば、いつか教科書に載るような偉人になれるかなって!』

千砂都『あはは。どうだろうねー?』


千砂都「きっと、かのんちゃんは……自分の氏期が近いことに気づいてたんだ……」

千砂都「だから、自分が生きていた記録を残そうと、名言を……」

千砂都「私、バカだ……!もっと真摯に、かのんちゃんの想いに向き合うべきだったよ……」

千砂都「かのんちゃん……!かのんちゃん……ああああ!!」

恋「千砂都さんは悪くありません……」

恋「この中の誰も、かのんさんの余命が短いことに気付けなかったのですから…………」

10: 2023/06/05(月) 22:01:16.49 ID:qZNPLska.net
教室

先生「ホームルームの前に、みなさんにお伝えしなければならないことがあります」

先生「すうううう…………」

先生「はああああ…………」

先生「とても……悲しいことがありました」

生徒「ざわざわ……」「え、なに?」「悲しいことー?」

千砂都「…………」

すみれ「…………」

可可「っ……」

先生「どうか、落ち着いて聞いてください……」



先生「澁谷かのんさんは今朝……自宅で亡くなられたそうです」

生徒「!?」

生徒「え、ほんとなの!?」「昨日まであんなに元気だったのに……」「いやいや!冗談に決まってるでしょ」

すみれ「……本当、なのよ」

千砂都「かのん……ちゃん……」

可可「前の席のかのんがいないと、黒板がよく見えマスね……」

可可「デスが……見えなくてもいいから、ここにいてほしかったデス……!かのぉん……!」


生徒「嘘……ほんとに氏んじゃったの……?」

生徒「いやだよ!かのんちゃんがいなくなるなんて……!」

先生「み、みなさん落ち着いて!先生だって……泣きたい気持ちを抑えて……うおおおおおおっ!!!」

先生「澁谷さんっ……!!あなたは結ヶ丘の星だったのに……どうしてこんなに早く……!!!」

12: 2023/06/05(月) 22:10:27.06 ID:bUpknYOJ.net
生徒「ねえ!葬儀はいつなの?」

千砂都「それがわからなくて……」

生徒「もしかしたら家族葬なのかもね……」

生徒「ええ!?やだよ!かのんちゃんの氏はクラスのみんなで弔おうよ!」

千砂都「クラスで……?」

生徒「いっそのこと、学校で葬式を上げればいいんじゃない!?」

すみれ「いい案ね!かのんあっての結ヶ丘だもの」

可可「かのんの名は、永遠に結ヶ丘の地に遺るのデスね……!」


先生「そうだわ!どうせならもっと大きく弔ってあげましょう!」

先生「理事長に相談して……………」

14: 2023/06/05(月) 22:14:25.82 ID:bUpknYOJ.net
かのん「ふぅ~!おしり回復ー!」

かのん「学校休むつもりだったけど、行けそうだし途中から登校しよーっと!」


かのん「ん?なんか学校の周りに人だかりが……」

かのん「ってなんか燃えてない!?校庭の方からだ……!」

ボディーガード「こら、止まりなさい!」

かのん「あの、学校で何があったんですか……?」

ボディーガード「知らないのか?今は国葬を執り行っているところだ」

かのん「え、国葬……?なんでこんなところで……」

かのん「とにかく、邪魔!どいて!」

ボディーガード「あ!待てー!」


かのん(なんで結ヶ丘で国葬!?というか誰の葬儀なの!?)

かのん「はあ……はあ……」

かのん(グラウンドに巨大なキャンプファイヤーが組まれて、その周囲を生徒やらいろんな人が囲ってる……)

かのん(ん?誰かの写真が飾られてある!あの人の国葬をしてるのかな?)

かのん(一体誰の国葬を……)





『澁谷かのん国葬会場』

かのん「……」

16: 2023/06/05(月) 22:22:07.35 ID:bUpknYOJ.net
総理「誠に遺憾であります。あの世での健闘を祈って、黙祷!」

かのん「……」

千砂都「かのんちゃんは……いつまでも、私の大好きな幼馴染です……!」

かのん「……」

生徒「かのんちゃんー!」「かのんー!」「置いてかないでクダサイー!」

かのん「……」



かのん「…………」

かのん「…………」

かのん「…………なんで?」

17: 2023/06/05(月) 22:28:17.06 ID:bUpknYOJ.net
10年後
Japan

かのん「10年ぶりか……」

かのん(あの日以来、なんか日本に居づらくなった私)

かのん(顔を変え、名前を変え……澁谷かのんとは別人として、世界中を飛び回ってきた)

かのん(そして今日……ついに帰ってきた)


かのん「さて、久しぶりのJapan」

かのん「まずはどこに行こうか……」

ドンッ!

かのん「おっと、ソーリー。怪我はない?お嬢さん」

子供「うん!大丈夫!」

かのん「そうかそうか、それはよかっ……」





千砂都「かのんちゃん!」

かのん「!?」

21: 2023/06/05(月) 22:30:44.95 ID:bUpknYOJ.net
かのん(ちぃちゃん……!10年ぶりだけど、全然変わってないなあ……!)

かのん(あっ……泣きそうになる……)

かのん(澁谷かのんとしての人生は、とっくに捨てたはずなのに……)

かのん(ちぃちゃんに会えただけで、こんなに嬉しいなんて……!)

かのん「久しぶり!ちぃちゃ」



千砂都「ほら、かのんちゃん。ぶつかったんだから謝らないと!」

子供(かのん)「ごめんなさい……」

千砂都「よくできました!……すみません、うちの娘が」

かのん「あ…………大丈夫ですよ」

千砂都「かのんちゃん、行こ」

子供(かのん)「うん!あ、お母さん!私ハンバーグ食べたい!」

千砂都「かのんちゃんはハンバーグ大好きだもんね~?」

子供(かのん)「えへへー!」


かのん「…………」

かのん「…………」

かのん「…………ああ」

かのん(そっか……)





かのん(澁谷かのんはもう、氏んだんだ)


24: 2023/06/05(月) 22:33:25.23 ID:Z0pa+7fD.net
恋ちゃんどこ?

25: 2023/06/05(月) 22:34:11.55 ID:BWyfu3/G.net
ええ…

33: 2023/06/06(火) 02:26:59.01 ID:Emx9FGQv.net

展開が勢い任せすぎてめちゃおもろかった

引用元: 【SSコンペ】恋「かのんさんが死にました」