1: 2011/05/08(日) 14:46:39.90 ID:rgukCDDK0
唯「ちがうよーおし○こガンマン大会だよー」

梓「え? だから我慢でしょ? 私トイレ近いのでそういうのは……」

唯「もうー、わからないかなー」

唯「つまりはね、こういうことだよ!」

チャキ

梓「み、水鉄砲……はっ、まさか!?」

唯「ばーん!」

ピョロロロロロ ジョボジョボ

梓「……つめたっ!」

唯「はい! あずにゃんは氏にました!」

梓「……なに……これ」

唯「私はおし○こガンマンだよ!」

梓「ふ、ふああああああああ!!!」
けいおん!Shuffle 2巻 (まんがタイムKRコミックス)
7: 2011/05/08(日) 14:50:25.72 ID:rgukCDDK0
ガチャ

律「お、やってるなー」

澪「梓もやろうよ! おし○こシューター」

梓「え、おし○こシューター?」

紬「おし○こシューターもってないの?」

唯「えー、しらないの~?」

梓「はっ、まさか! それって!」

唯「おし○こシューターはおし○こシューターだよねーりっちゃん」

律「そりゃ知ってるよなー」

梓「はいです! 全国で女子高生を中心とした一大ブームを巻き起こしてるというあのおし○こシューターですか!」

澪「あぁ、タカラ◯ミーから好評発売中だ」


9: 2011/05/08(日) 14:51:31.47 ID:lTtwDs5x0
超エ臭イティング

10: 2011/05/08(日) 14:51:43.06 ID:qderfIlmO
一体何が始まるんです?

11: 2011/05/08(日) 14:51:59.11 ID:2VTcS9QCO
唯「ちがうよーおし○こガンマン大会だよー」

梓「え? だから我慢でしょ? 私トイレ近いのでそういうのは……」

唯「もうー、わからないかなー」

唯「つまりはね、こういうことだよ!」

ババッ

梓「……はっ、まさか!?」

唯「ばーん!」

ジョボジョボ

梓「……つめたっ!」

唯「はい! あずにゃんは氏にました!」

梓「ふ、ふああああああああ!!!」

ジョボジョボ

14: 2011/05/08(日) 14:54:38.83 ID:rgukCDDK0
梓「へぇ……実は初めて見るんですよね。わぁ、おもしろそうです」

紬「楽しいわよ~?」

唯「あずにゃんもやろうよ!」

梓「で、どうやって使うんですかコレ?」

唯「ほら、上についた給水口あるでしょ? ここから自分のおし○こを補充するんだよ」ヌギヌギ

唯「みてて……んっ、こうやってアソコをあてがって…………ふあ……」

チョロロロロロ ジョボボボボ……

律「お、今日の唯のおし○こは綺麗だなー」

澪「まさに黄金銃だな。強そうだ」

唯「へっへー、これで負けなしだよー」シャキン

紬「唯ちゃんかっこいい!」

唯「ばーん!」

紬「きゃー、つめたーい♪」


梓「なるほど……構造はふつうの水鉄砲と同じなんですね、ふむふむ」

17: 2011/05/08(日) 14:59:00.83 ID:rgukCDDK0
唯「興味でた?」

梓「はい。やってみたいです」

紬「でも梓ちゃんの分のシューターがないわ……」

澪「うーん、どうしようか」

唯「あ、じゃあ私帰りにあずにゃんと買いにいくよ。私のシューターのメンテも兼ねてね」

律「そうだな。梓お金あるか?」

梓「あ、はい。どれくらいあれば買えますか?」

律「一番安いので1000円ちょっとだから大丈夫大丈夫」

唯「シューター選びは先輩にまかせなさい! ふんす」

梓「それじゃあお願いします!」



24: 2011/05/08(日) 15:05:42.66 ID:rgukCDDK0
澪「でも売ってるかなぁ。いまとくに人気絶頂だし」

律「確かになー」

紬「私の家からも余ってるのもってきてもいいけど」

唯「大丈夫大丈夫。私の知り合いのお店には置いてあるから」

澪「そうか、よかった」

梓「楽しみです♪」


澪「……」ニヤッ

律「……クク」

紬「……フフ」

唯「えへへ~♪」


梓「~♪」

28: 2011/05/08(日) 15:10:33.58 ID:rgukCDDK0

【ホビーショップ一文字】


とみ「あら唯ちゃん、またきたの?」

唯「あ、おばあちゃーん!」

梓「どもです。ご無沙汰してます」

とみ「おやおや、あずにゃんさんも一緒なのかい」

唯「今日はあずにゃんのシューターを買いに来たんだー。あと私のシュー太のメンテも!」

とみ「それじゃあ預かるからねぇ」

唯「うん」

とみ「シューター選びはあずにゃんさんがするのかい?」

梓「あー……でもよくわからないので」

唯「私があずにゃんに合ったシューターを選んであげるよ」

とみ「なら心配ないねぇ」

唯「あずにゃん! おし○こシューターのコーナーはこっちだよ! きてきて!」

梓「へー、いろんなのが置いてあるんですねー」キョロキョロ

29: 2011/05/08(日) 15:17:23.05 ID:rgukCDDK0

唯「これがスタンダードモデルだよ。安くて使いやすいから人気!」

梓「唯先輩がもってるのとおんなじですね」

唯「私のはこっから少しだけカスタムしてるけどね」

唯「でもね。本気でやるならこういったすでに出来上がったフルスペックシューターを買うよりも」

唯「自分でパーツごとに選んで組み立てたほうがいいんだよ」

梓「え?」

唯「ほら、パーツがならんでるでしょ?」

唯「フレーム、グリップ、マガジン、サプレッサー、リアサイト、フロントサイト、セイフティー、トリガー、バレル」

唯「それにチャージシリンダー等の周辺パーツも充実してるからね」

梓「……?」

唯「まぁ、おいおいわかるようになるよ」

梓「……なんか、難しそうです」

唯「澪ちゃんなんてオタクだからパーツごとにオーダーメイドしちゃうんだって!」

梓「お金かかりそうですね」

30: 2011/05/08(日) 15:20:24.84 ID:mvWDR9BR0
サプレッサー必要か?

31: 2011/05/08(日) 15:25:03.66 ID:rgukCDDK0

唯「あずにゃんは手もちっこいし力もないから、やっぱりスタンダードモデルかなぁ」

梓「とりあえず普通のでいいです」

唯「決まりだね。おばあちゃーん! これ試射していいー!!?」

とみ「はいはい、そんなおっきな声ださなくても聞こえてるよ唯ちゃん」

唯「じゃああずにゃん行こ!」

梓「試し撃ちできるんですか?」

唯「うん! 地下にあるんだよ」

梓「へぇ」


【試射室】

梓「なんか本格的なんですね……こういう部屋テレビでみたことあります」

唯「向こう30M先の的を狙うんだよ」

梓「遠くないですか? まずこんな水鉄砲じゃそこまで……」

唯「のんのん」

唯「まずはおし○こを補給するよ」

34: 2011/05/08(日) 15:34:21.83 ID:rgukCDDK0

 再び唯先輩がパンツをおろして試射用シューターの給水口に秘部をあてがう。

 その後チョロチョロという水音と共に中のシリンダーが満たされていく様子が見える。


唯「さっきだしたからあんまりでないや。まぁいっか♪」

唯「じゃあみててね」

唯「チャキン!」

唯「セイフティー解除!」


 セイフティーを外すカチャリという小さな音。そして、とたん唯先輩の表情が一変した。

 いつものゆるさなどかけらも残っていない。鋭い目付き、すこし歪んだ口元。

 ライブ演奏のときとはまたなにか違う、ただならぬ気配を彼女は纏う。

 その時私は直感的に理解した。彼女は、平沢唯はただの女子高生ではないと。


唯「ばーん!」

 掛け声とともに唯先輩がトリガーをひいた。

 そしてその後の光景に、私は絶句するのだった。

35: 2011/05/08(日) 15:41:27.18 ID:rgukCDDK0

 銃口から放たれた黄金の水の塊は、私が部室で浴びたのとは比べ物にならないほどの勢いで宙を駆ける。

 それはほとんど一瞬の出来事だった。

 なにが起きたのかわからない。

 遠くからバスリという紙の破ける音がした。
 

唯「……あずにゃん、びっくりするのはわかるけどこっちばっか見てないで、ちゃんと的をみてよ」

梓「へっ? あ、はい……」

 視線をターゲットへと移す。


梓「!」

唯「ね? おもしろいでしょ?」

 
 そこにあったのは大きな穴があき無残な姿へと変貌したターゲット。
 
 おし○この臭いが鼻孔をくすぐる。
 

唯「おし○こシューターは、パワーをセーブしなかったら鉄砲みたいな威力になるんだよ~」
 

36: 2011/05/08(日) 15:45:16.27 ID:rgukCDDK0

梓「す、すごいです!」

唯「でしょ?」

梓「かっこよかったです!」

唯「でしょ?」

梓「私にもできますか?」

唯「うん。はい、次はあずにゃんの番」

梓「わぁ……」

 唯先輩からシューターを渡される。

 中におし○こが入っているため、ズシリとした重さが手に伝わってくる。

 いよいよだ。

梓「これ……ほんとに撃っちゃっていいんですか?」

唯「うん、けど的にむかってだよ!」

梓「はいです」

唯「じゃあ両手でしっかり握って~、シューターを目の高さまでもってきて~」

38: 2011/05/08(日) 15:52:33.28 ID:rgukCDDK0

梓「……」ブルブル

唯「怖くないよ。トリガーを引く瞬間はすっごくきもちいんだから」

梓「でも……」

唯「じゃあ私も一緒に握ってあげる。それなら安心でしょ?」

梓「……はい、お願いします」


 唯先輩の手をが私の手の上に覆いかぶさってくる。
 
 とてもやわらかくて温かい……


唯「えへー、あずにゃんとの初めての共同作業~」

梓「ち、近いです」

唯「ほら。しっかり前みて! いくよ!」

梓「はい!」



 深呼吸をした後に、トリガーにかけた人差し指におもいっきり力を込めた。激しい反動が体を揺さぶる。

 それが、私の人生を狂わせた、はじめてのショットだった……

42: 2011/05/08(日) 15:59:04.43 ID:rgukCDDK0

30分後 【店内】

梓「すごいですすごいです!」

唯「もー、あずにゃんはしゃぎすぎー!」

とみ「おやおや、終わったのかい?」

唯「うん! あずにゃんったらすごいよ! はじめてで的のド真ん中ぶち抜いたんだから!」

とみ「へぇ、それは才能豊かだねぇ……」

梓「いやー、それほどでもないです、えへへへ」

唯「ううん! 謙遜しなくてもいいよ! ほんとにすごいことなんだから」

梓「にしても楽しいもんですね! ちょっとおし○こ臭くなっちゃうのが難点ですけど」

唯「それがいいんじゃん。ショットのあとにあたりにただようアンモニア臭は生を実感させてくれるよ」

梓「そんなもんですかね」

とみ「どれにするかきめたかい?」

梓「あ、えっと。いま試射室でつかったのとおなじモデルを……」

とみ「はいありがとね。お代は1260円」

梓「んーっと。あったかな……ありました! お釣りください」チャリチャリ

45: 2011/05/08(日) 16:06:13.14 ID:rgukCDDK0

とみ「お買い上げありがとうねぇ」

唯「おばあちゃんはメンテナンスもしてくれるから、なにかあったらここに持ってくるといいよ!」

梓「はい!」

唯「あ、それでおばあちゃん私のシュー太は?」

とみ「あーはいはぃ、できてるよ。いつもの調整で良かったんでしょ唯ちゃんは」

唯「うんありがと! わーいシュー太ー綺麗になってよかったねー」スリスリ

とみ「バレルの痛みがすごかったんだけど、唯ちゃん無茶なつかいかたしてないかい?」

唯「そうでもないよ?」

とみ「そうかい、ならいいんだけど……それと……」

唯「?」

とみ「唯ちゃん、よければあずにゃんさんも」

梓「?」

とみ「ほら、このポスターみてちょうだい」


唯「……あぁ、おし○こガンマン大会のエントリー! 今日あずにゃんに言おうとしてたやつだ!」

48: 2011/05/08(日) 16:15:39.23 ID:rgukCDDK0

梓「大会の日時は来月頭ですか」

唯「場所はウチの高校だよ! ポスターはってあったよ!」

梓「ほんとだ……全然興味なかったんで知りませんでした」

唯「参加しようよ!」

梓「でも……どんな競技があるんでしょう。的当て?」

唯「さぁ」

とみ「参加するかい? エントリー数にも限りがあるみたいなのよ」

梓「うーん……でも私まだはじめたばっかですし……」

唯「記念参加でもいいじゃん!」

梓「そうですね」

唯「はーい、ってことで参加しまーす!」

梓「がんばって練習します」

唯「私と特訓する?」

梓「とりあえず最初は一人で試行錯誤しながらやってみます」

唯「そか」

51: 2011/05/08(日) 16:21:45.68 ID:rgukCDDK0

【公園】


梓「ここなら広いし練習できそう」

梓「まずは補給だね。おし○こしなくちゃ」スルスル

梓「えっと、ここにあてがって……」


チョボボボボボ ジョロロロ

梓「ん……」

梓「あ、ちょっと溢れちゃった、あわわどうしよ。手にかかっちゃう」

梓「そいや唯先輩がいってたな。出しすぎるとおもったら予備弾倉にストックすればいいって」

梓「ん……ちょろちょろっとね。あは、いい感じだ」


 「ママーあの人公園でおし○こしてるー」

 「しっ、見ちゃいけません///」


梓「……」

53: 2011/05/08(日) 16:27:19.61 ID:rgukCDDK0

梓「いいや、気にしない気にしない。子供のおもちゃとは違うんだから」

梓「んーなんか的になるものないかなー」キョロキョロ

梓「よし、あの木にしようかな」

梓「……しっかり目標を見据えて……両腕を安定」

梓「い、いくぞー……」

梓「発射ぁ!」カチッ


ピョロロロ……


梓「あ、あれれ……どうして」

梓「なんで勢いよくでないんだろう」

梓「どこか壊れた? んー、銃口になんかつまってるとか?」ジー

ピュルッ ピュー

梓「うにゃあああっ、顔にー」アタフタ

梓「ひいいいっ臭いよー」

54: 2011/05/08(日) 16:28:24.39 ID:IQ7lVnry0
銃口覗くなよあぶねえなwwwww

57: 2011/05/08(日) 16:31:23.31 ID:rgukCDDK0

純「あはは、あんた何してんの」

梓「!」フキフキ

純「梓ももってるんだ?」

梓「じゅ、純!!! みてたの!?」

純「へー、スタンダードモデルねー……ぷぷ。素人臭」

梓「な、なによぅ」

純「いやー、初々しいなーとおもってさ。てか銃口のぞくとか……ぷぷぷー」

梓「純もやってるんだよね? おし○こシューター」

純「当然じゃん。ていうかいまから始めるとか梓遅れすぎ」

梓「……むう」

純「あ! ってことは私のこともしらないんだ?」

梓「え?」

純「ふふ……この鈴木純様のことをしらないなんて」

梓「えっ、えっっ」

64: 2011/05/08(日) 16:37:35.65 ID:rgukCDDK0

純「シューターハンターの純様と出会った不幸を呪いな」

梓「は?」

少女「しらないの? 純お姉ちゃんはこの辺一帯を仕切る才能あるおし○こガンマンなんだよ」

少女2「お姉ちゃんとの勝負にまけたら容赦なくシューターをまき上げられちゃうの!」

少女3「シューターハンター、初心者キラー純様の異名は伊達じゃないよ!」

梓「誰!?」

純「私の子分たちってとこかな」

梓「ってことは純ってすごいの?」

純「うん、私に勝てるやつなんてこの辺りにはいないよ」

梓「……」

純「さてと梓」

梓「!」

純「買ったばかりで浮かれてるところ悪いけど、あんたのシューター。もらっちゃうから」

梓「!!」

純「あんたにここでおし○こガンマンファイトを申し込む!」

68: 2011/05/08(日) 16:42:37.06 ID:rgukCDDK0

梓「おし○こガンマンファイト……?」

純「ルールは多種多様。今回は私のきめたルールで戦ってもらおうかな」

梓「は?」

純「だってここ私の支配下の公園だし」

少女「さすが純お姉ちゃん姑息!」

少女2「初心者相手にも容赦なし!」

梓「ほんとに負けたら巻き上げられちゃうの?」

純「それがここでのルールだから」

梓「友達からも?」

純「この世界に情けなんてないんだよ」

梓「……わかった」

純「腹括ったようだね。じゃあルールを決めようか」

梓「うん」

純「どうしよっかなー……あ、そうだ!」

純「向こう50M先にある木みえる? あれに付いてる実をどちらがより多く撃ち落とすか」

70: 2011/05/08(日) 16:47:59.72 ID:rgukCDDK0

梓「え……ちっちゃくて見えないよ」

純「ふふふ……なら当たるまで撃ちまくるしかないね」

梓「……」

純「さて、おし○こを補給するよ」ヌギヌギ

ジョボボボボボボボボボwww

梓「うん……」ヌギヌギ

チョロロロロ…

純「ふふ……」

梓(どうしよう……あんまりでなかった)

純「あんたそんだけでいいの? それじゃせいぜい4、5発しか撃てないけど?」

梓「しかたないじゃん……でないもんはでないんだから」

純「教えてあげる。いつどこでもおし○こができるように膀胱管理をするのもガンマンの仕事だよ」

梓「えっらそうに」

純「さて、木の下で子分に落とした木の実をカウントさせるからあんたは私の横にならびな」

梓「……」

72: 2011/05/08(日) 16:54:39.50 ID:sG4K7uai0
やだこの街おし○こくさい

73: 2011/05/08(日) 16:56:40.94 ID:rgukCDDK0

純(圧倒的実力の差に畏れ慄きな)

純「さぁ! あの時計の針が三時をさしたら同時に開始」

梓「……わかった」イジイジ

純「……セーフティは忘れずちゃぁんと外さなきゃだめだよ梓君……くくく」

梓「うるさいなー」

純「……くるか」

梓「……」

 目をつぶって少しだけ集中。

 相変わらず心地の良いシューターの重さ。

 今回は試射室での30Mとは比べものにならないほどの距離だ。正直点にしか見えない。

 だけど、あたるわけなんてないと思いつつ、すこし気分は高揚している。不思議だなぁ。

 あぁ、私、たったこれだけですっかりシューターの虜になっちゃったんだ。

 待ち遠しい。このかたい引き金を早く弾きたい。あの反動をもう一度この手に……。


 そっと目を開く。視界の右端に映る大時計の針が午後三時を指し示した。
 

76: 2011/05/08(日) 17:02:14.42 ID:rgukCDDK0

純「おっしゃー!! いけええ!!」

 ピュッピュッという音と共に、純のシューターから黄色い水弾がいくつか飛び出していく。

 それは風をかき分け、目標の木へと迷うことなくまっすぐに進んでいく。

 しかし、どれも目標に着弾はせずに、すんでの所でそれていったようだ。


純「くっそー、やっぱ遠いかー」

梓「……」

純「なにあんた。撃たないの? 舐めてる?」

梓「待って」

純「セイフティーはずすの手こずってるとか? ぷぷ」

梓「違うってば」

純「ならお先に私がたたき落としちゃうから!!」


 純はどんどん弾を撃ち放つ。しかしどれも当たっていないのだろう。

 子分の少女たちが頭の上で大きな×をつくっている。

80: 2011/05/08(日) 17:09:03.74 ID:rgukCDDK0

純「キー! くやしー」

梓「……」

純「はやくうちなよ。あんたどうしてじっと観てるだけなの」

梓「……集中、してるから」

純「は?」

梓「風……もうちょっと、もうちょっとおさまれば」

純「えっ……」

 
 まだ西から吹く風がやかましい。これでは弾は大きく左にそれ、木まで到達するのは難しいだろう。

 直感的だが、私にはそれがわかっていた。

 シューターを構えていると、妙に冷静になるのはなぜだろうか。

 全能感? 出会ったことのない得体のしれない感覚が、いまはまだ引き金をひくべきではないと教えてくれる。

 隣では純がやけになってカチカチカチカチと無駄撃ちを繰り返す。
  

 馬鹿だなぁ……。 

84: 2011/05/08(日) 17:15:50.35 ID:rgukCDDK0
純「バンバン! バンバン!」

純「あたれあたれー!」

純「バンバンバンバン!」

カチッ カチッ

純「あ、あれ……嘘、弾切れ!?」

梓「……純」

純「チッ……でもね梓、あんたが当てない限りは私の負けではないんだよ! わっはっは!」

梓「……そうだね」

純「ちょっと、人と話すときは顔をみろって習わなかった?」

梓「純……この勝負、私の勝ちかもしれない」

純「は? まだ一発も撃ってないくせになにいってんの。気でも違った?」

梓「だって……風が……やんだから」


 瞬間、チャンスを見逃さずトリガーを引く。

 手に伝わる重たい反動。すこしだけ顔にしぶきがかかり不快だった。

 解き放たれた直径5センチにもみたいなおし○この弾丸は、静寂に包まれた公園を切り裂いてまっすぐ飛んでいく……。

88: 2011/05/08(日) 17:21:14.69 ID:rgukCDDK0
× みたいな
◯ 満たない


純「なっ……!!」

梓「……いけ……」

梓「いけええ!!」

 木に着弾。葉が舞い散り、おおきく揺れる。

 その直後、遠くで少女たちが腕で大きな◯を描いた。


純「……」

梓「……あたった」

純「……ちょ、ちょっとまって梓!!」

梓「?」

純「いまさ、弾が異常なほど収束してなかった!?」

梓「?」

純「だってあんたのシリンダーの中! 空っぽじゃん! 4、5発分はあったようにみえたんだけど!!」

梓「……あぁ、そういえばそうだね。なんでだろ」

90: 2011/05/08(日) 17:27:09.90 ID:rgukCDDK0

純「なんでだろって……ふ、ふつーのモデルだよねそれ!?」

梓「うん。1200円くらいで買ったよ」

純「……そんなに威力がでるなんて……ありえない」

梓「で、勝ったわけだけど。約束通り一発あてたよ?」

純「ま、まちなって! あんたずるしたでしょ!」

梓「してないよ」

純「おかしいおかしいおかしい! 初心者が50Mも先の的あてれるわけないじゃん!」

梓「そんな勝負ふっかけるなんて純のほうがずるくない?」

純「……」

梓「……」

純「……敗者は勝者にシューターを渡す……これが私のルール」

梓「いらないよそんな臭いの」

純「ちゃんと洗ってるし!」

梓「いらないってば……それよりさ」

梓「なんかいい特訓方法おしえてよ! 私今度のおし○こガンマン大会にでるんだぁ!」

93: 2011/05/08(日) 17:32:39.96 ID:rgukCDDK0

純「嘘……でるの?」

梓「うん」

純「……わかった。いまのあんたじゃおそらく勝ち進められない」

梓「だろうね」

純「私が基本から叩き込んであげる。この純様が」

梓「うん、なんでもいいから知織がほしいな」

純「でもね、並大抵のことじゃ大会参加なんて無理だよ」

梓「えっ?」

純「……私は今年が初参加だけど、アレはどうも魔窟らしい……」

梓「そうなんだ。なんかお気軽射撃フェスティバルっぽいイメージだったんだけど」

純「とりあえずまずは体力づくりから! はい、公園10周!」

梓「えー、もっと撃ちたいんだけど」

純「おし○こないじゃん」

梓「……そうだった」

純「一日に撃てる量なんてそうそう限られてるんだから無駄にしない様にね」

95: 2011/05/08(日) 17:37:52.84 ID:rgukCDDK0

その晩

梓「そういえばおし○こシューターの説明書よんでなかったな」

梓「なになに」

梓「……なるほど、おし○この濃度や質、鮮度で威力が変わるんだ」

梓「だからがぶがぶ飲んでだした薄いおし○こじゃあんまり意味ないってことかぁ」

梓「じゃあこのストックしてるおし○こも数日したらゴミ弾になるってことね」


梓「シューターにはさまざまなタイプがあります」

梓「自分にあったシューターを使い、たのしいおし○こガンマンライフをお過ごしください」

梓「へぇ」

梓「そういや他の先輩たちもやってるんだよね」

梓「みんなうまいのかな」

梓「……」

梓(試射室の唯先輩かっこよかったなぁ……)

梓「っと、誘ってくれた唯先輩に恥かかさないためにもうまくならなきゃ!」

96: 2011/05/08(日) 17:44:42.44 ID:rgukCDDK0
梓「家でできることは弾道イメージトレーニングと膀胱管理、筋トレ、メンテナンスくらいかぁ」

梓「……集中集中」

梓「…………」

梓「……」

梓「……だめだ、シューターにちゃんとおし○こいれないとなんかやる気でない」

梓「でるかな……んっ……」

チョロッ……

梓「でたでた!」

梓「ってこんだけかー……」

梓「いいや……バーン!!」

ピュッ  バコン! 

梓「うわわわわわ、パソコンがふっとんだ!!!」


 『室内での仕様はお控えください』



おし○こガンマンあずにゃん 第一話:了

103: 2011/05/08(日) 17:53:03.21 ID:rgukCDDK0

第二話 『大会開幕』



梓「あれから一ヶ月弱、なんやかんやで私は鍛えまくった」

梓「おし○こに明け暮れる毎日」

純「梓の成長は目を見張るもので、あっという間に私なんか相手にならなくなった」


梓「いや、純のおかげだよ! ありがとう!」

純「いやいや、梓さんには敵わないッスよ」

梓「さて、いこうか! おし○こガンマン大会! 待ちに待った日がついにやってきた!」

純「大丈夫。私たちならそこそこの線までいけるよ」

少女1「がんばってください梓さん」

梓「うん」

少女2「絶対勝ち進んでくださいね!」

梓「ありがとう。いい子分をもったもんだよ」


純「ほら、いくよ」

107: 2011/05/08(日) 17:57:52.32 ID:rgukCDDK0

梓「と、その前によらなきゃだめなとこがあるの」

純「ん?」

梓「先言ってて! 高校でまた会お」

純「おっけー」



【ホビーショップ一文字】


とみ「いよいよこの日がきたねぇ……」

梓「はい!」

とみ「あずにゃんさんがシューターを手にとって一ヶ月。どうだい調子は?」

梓「楽しいです! 毎日充実してます!」

とみ「そうかい、そりゃよかったわよぉ」

梓「それで最後のメンテナンスと、念のため予備弾倉を買いに来たんですけど」

とみ「あら、唯ちゃんもさっきメンテナンスにきたのよ~」

梓「へぇ。負けてらんないです!」

108: 2011/05/08(日) 18:03:36.53 ID:rgukCDDK0

とみ「ところであずにゃんさん」

梓「はい?」

とみ「これの使い勝手はどうだい?」

梓「そうですね……いい感じかと、よく手に馴染みますし」

とみ「そうかいそうかい。ほかのタイプもすすめてみようかとおもったけどいらないお世話みたいだねぇ」

梓「どもです」

とみ「さてと、これでばっちり」

梓「ありがとうございます」

とみ「うちのお店からのエントリーだからがんばってね!」

梓「……! そ、そうですね! おばあさんの顔をたてるためにも勝ち進んでみせます!」

とみ「あずにゃんさんも唯ちゃんと一緒でいい子だねぇ」

梓「はは……照れますよ」


梓(……やるぞー! やってやるー! やってやるです!)



110: 2011/05/08(日) 18:12:08.01 ID:rgukCDDK0
【桜ヶ丘高校】


和「爽やかな秋晴れ、なんとも良いおし○こガンマン大会日和ですね」

和「みなさん昨日の晩はよく眠れたでしょうか?」

和「今朝のおし○こはどうでしたか?」

和「さぁ、それでは選手宣誓!」


澪「はい!」

律「私たちは! おし○こガンマンシップにのっとり!

澪「正々堂々と戦い抜くことを!」

律・澪「誓います!」


和「ではこれより第55回おし○こガンマン大会を開催いたします!」

ピュー!

 和先輩が壇上から空に向かってシューターを発砲した。

 それは涼しげな秋風にのり、私たち選手一同の頭上へとふりそそぎ、火照った体を冷やしてくれる。

 私は柄にもなく高揚していた。これから先にあんな地獄が待ち受けているともしらずに……。

116: 2011/05/08(日) 18:17:36.07 ID:rgukCDDK0


……


純「あー、いたいた梓」

梓「あ、純!」

純「ついにはじまったね」

梓「種目についての説明がないんだけど」

純「それについては校内アナウンスで通達するらしいよ」

梓「ふーん。じゃあそれまでどうしよっかな」

純「教室でダベってようよ」

梓「にしても参加者いっぱいいるね」

純「うん。あ、そうだ、情報通の純様が手ごわい参加者の解説してあげるよ」

梓「べつに必要ないけど……」

純「なーんでよー。どうせ時間あるんだからいいじゃん。あんたライバルの情報ほしくないの?」

梓「わかったわかった聞かせて聞かせてめんどくさいなぁもう」

純「♪ じゃあまずはあそこに座ってお茶飲んでる金髪の人!」

119: 2011/05/08(日) 18:26:20.24 ID:rgukCDDK0

梓「ムギ先輩?」

純「琴吹紬。通称『ゴールデンシューター』」

梓「?」

純「みて、あの金ピカの装甲と右腕につけられた巨大なアームガトリング」

梓「うわぁ……あれもおし○こシューターなの?」

純「形はかなり特異だけどね。一応認められてるみたい」

梓「なんかすごい金にものを言わしてるような……」

純「見た目だけじゃなくて威力もすさまじいよ。発射速度毎分1200発なんだって!」

梓「ずるくない!?」

純「その分おし○この消費も早いし一発あたりの威力もたかがしれてるけどね」

梓「でも、あんなので射撃勝負したら勝てないよ」

純「そんときは公平になるようにオーソドックスなのが支給されるんじゃないかな」

梓「ムギ先輩は要注意だな……」

純「対戦相手にならないことを祈るしかないね」

124: 2011/05/08(日) 18:32:57.97 ID:rgukCDDK0

純「次はあっちで談笑してる二人組」

梓「あっ! 律先輩と澪先輩!!」

純「あの二人はヤバい」

梓「そうなんだ……」

純「律先輩、田井中律。通称『早撃ち二丁拳銃の律』」

梓「ほんとだ二丁もってる」

純「スピード勝負であの人に勝てるガンマンはなかなかいないよ」

梓「へぇ」

純「他にもワープスピードとか、早撃ちカチューシャとかいろいろ異名があるみたい」

梓「律先輩ってすごいんだ……」

純「去年公園のなわばり争いで一度戦ったことあるけど射撃の腕もかなりいいよ」

梓「ふーん、へぇー」

純「……」

純「次澪先輩ね」

梓「うん」

126: 2011/05/08(日) 18:38:37.70 ID:rgukCDDK0

純「秋山澪。通称『孤高のスナイパー闇を照らす凶星』」

梓「なにそれ」

純「ファンクラブの間ではそう呼ばれてるんだって」

梓「あー、たしかにおっきい銃もってるね。あれスナイパーシューターなんだ! はじめてみた!」

純「うん! 実はね、昨年度の全国スナイパー大会での優勝者は澪先輩なんだよ」

梓「嘘! すごい!」

純「その射撃精度はすさまじく、一度狙いをつけたターゲットは絶対に逃さないんだって」

梓「へぇー」

純「澪先輩が打ち立てたシューターでの超長距離狙撃の記録1230Mはまだだれにもやぶられてないよ」

梓「かっこいいー」

純「おそらく狙撃部門ではあの人がぶっちぎりだろうね」

梓「私が勝てる相手っているのかなぁ」

132: 2011/05/08(日) 18:45:31.52 ID:rgukCDDK0
純「さて次は……ひらさ」


ピンポンパンポーン

梓「あ、放送だ。はじまるのかな」

 『……』ガサガサ

 『…………』ガサガサガサガサ


純「?」


 『あ、えー……お集まりのみなさん』

 『ただいまより、おし○こガンマン大会の予選を開始します!』


梓「予選……? そんなの聞いてないけど」

純「どうしたんだろ」


 『…………』 ガサガサ ガー

 『えーでは、まず予選の内容といたしまして』

 『校内のみなさんでつぶし合ってもらいます』

137: 2011/05/08(日) 18:54:43.85 ID:rgukCDDK0

純「えっ」

梓「いまなんて……」

 『無事勝ち残った8名のみが本戦へと駒を進めることができます』

 『では、ご武運を』

 『なお、今大会における、負傷氏傷においては大会運営委員会は一切の責任をとらないものと致します』


 放送が途絶えると同時に突如地鳴りがした。

 慌てて窓の外を見る。

 壮観だった……桜ヶ丘高校の周りを巨大な壁がせり上がり囲んでいく。

 私たちはすでに完全にここに閉じ込められたようだ。いつのまにあれを用意したのか検討もつかない。

 しかしこの異様な光景にほとんどの参加者たちは首をかしげている。

 その様子をみる限り、どうやらこれは恒例行事……というわけではなさそうだ。

 当然だ。だいたい全く意味がわからない。なぜ私たちがつぶしあわなければならないのか。

 つぶしあいとはどういう意味なのか。

 仮にこのシューターで直接撃ちあうのだとしたら……。
 

141: 2011/05/08(日) 19:04:47.31 ID:rgukCDDK0

純「あ、梓……どうする?」

梓「わからない……とりあえずはまわりと距離をとって……」

純「やばいって。絶対こんなのへんだって!」

梓「わかってる! けどもし直接うたれたら一溜まりもないんだから」

梓「いまはここを無事に脱出することを考えよ?」

純「シューターで人を撃つなんて……そんなの本気でする人いるの?」

梓「……もし、この参加者500人超のここで撃ち合いがはじまったら……」



 一階からおぞましい金切声が鳴り響いた。

 それを皮切りに明らかに教室の空気が凍りついた。

 誰かが撃たれたんだ……。

 同じ教室にいる数名みんながそう思っただろう。

 
 
 

143: 2011/05/08(日) 19:11:39.64 ID:rgukCDDK0
純「わ、私……みてくる!」

梓「だめ! 動かないほうが……」


 一階はどうなっているのだろう。だんだん悲鳴が大きくなってきた。

 おそらくもう始まっている。唯先輩たちは無事だろうか。


「わ、私は帰るからな! こんなところにいられるか!!」

「わたしも! 帰る!!」


 教室にいる私と純以外の参加者たちは、居ても立ってもいられないのか廊下へと勢い良く飛び出していってしまった。

 だがおそらく簡単に逃げられやしない……あの壁をよじ登ることは不可能だ。

 考えたくはないけど、脱出するには……やはり……。


純「あずさ~~~」

梓「純……セイフティー解除」

純「うそでしょ~~~」

梓「自分の身をまもるには、シューターだけが頼りだよ」

150: 2011/05/08(日) 19:41:23.99 ID:rgukCDDK0
えーん水遁されたー


205: 2011/05/08(日) 22:42:26.62 ID:rgukCDDK0

純「そ、そうだ! 澪先輩たちに守ってもらえば!」

梓「!」

純「ほら、私ら仲いいしさ。さすがに後輩うったりはしないでしょ?」

梓「たしかに」

純「さがしにいこう! ついでに憂と憂のお姉ちゃんも!」

梓「うん! 危険を犯してでも合流する価値はありそう」



その頃

【屋上】

澪「……」

律「いやー絶景絶景! まさかこんなことになるなんてなーははは」

澪「笑い事か!」

律「いやー悪い悪い。そんな怖い顔するなってー」

澪「いったいコレはなにがどうなってるんだ……」

209: 2011/05/08(日) 22:50:13.55 ID:rgukCDDK0

律「校庭でもドンパチはじまってるな。うわ、どんどん倒れてく」

澪「あぁ……地獄絵図だ」

律「さて、この状況は澪しゃんの得意分野じゃないの?」

澪「えっ」

律「狙いたい放題じゃん! ほれババーンっと!」

澪「……」

律「おそらく勝ち残らなきゃでられないんだぞ? ならやるしかないって」

澪「……」

律「ここからなら反撃をうけることもなく一方的にやれる!」

澪「……だけど」

律「澪。この大会、尋常じゃない自体になってることは気づいてるだろ?」

澪「……うん。わかってるよ」

律「大丈夫大丈夫。弾あててもちゃんとパワーセーブすればたいした怪我はしないって」

澪「知ってる。ただのおし○こだもん」

律「……8人。何としても残る」

210: 2011/05/08(日) 22:56:29.52 ID:rgukCDDK0

澪「律?」

律「……私はさ、この大会の優勝賞金が絶対に必要なんだ」

澪「……聡か」

律「大金があればあいつの足の手術ができる……」

律「なんとしても、あいつにもう一度サッカーをやらしてやりたいんだっ!!」

澪「あぁ……私だって律に協力するさ……約束したもんな、うん」

律「ありがと、澪」

澪「……観測手、たのめる? ここですこしでも数を減らしておこう」

律「!! ありがと!」ダキッ

澪「き、気持ち悪い抱きつくなー!! それとお前はここに続く階段の警備もちゃんとするんだぞ!」

律「わかったわかった。澪の背中はこの早撃ちカチューシャ様にまっかせなさい!」

澪「……ふふ」


……



214: 2011/05/08(日) 23:02:39.51 ID:rgukCDDK0

梓「どこにいるんだろう」タッタタタ

純「梓~~~、まってよ~~」

梓「ここでも銃撃戦のあとが……あ、大丈夫ですか!」

参加者「 」

梓「くさっ」

純「顔にあびて失神してるみたいだね」

梓「こんな臭いおし○こはじめて……」

純「ね、ねぇ梓……なんか向こうから足音しない……?」

梓「えっ」

ガショーン ガショーン

梓「こ、こっち近づいてくる!!!」

ガショーン ガショーン

純「あ、あの金ピカの装甲は!!!」

梓「……!!」

219: 2011/05/08(日) 23:08:03.04 ID:rgukCDDK0

 臭気の中からのろのろと現れた影。
 
 それはよく見慣れた金髪と、特徴的な眉毛の持ち主。

 まごう事無き、『ゴールデンシューター』のムギ先輩だった。


紬「あらあら、うふふ、梓ちゃんこんなところにいたのね」

梓「む、ムギ先輩!! ご無事でしたか!」

紬「うん!」

純「……」

梓「いやー、よかったよかった。ホっとしました」

梓「これから一緒に行動しましょう! 三人いれば」

純「まって梓!」

梓「!」

紬「…………」





221: 2011/05/08(日) 23:14:49.86 ID:rgukCDDK0

純「……先輩ですよね?」

紬「……なにが?」

梓「じゅ、純どうしたの? はやく向こう行ってムギ先輩と合流……」

純「ここにいる人たちをみんなやったのって……」

梓「!」

紬「……」

梓「え、む、ムギ先輩がここに倒れてる人たちをやったんですか!?」

紬「……だとしたら?」

純「……同じように、私たちもやるんですよね?」

紬「……」

梓「な、ま、待ってよムギ先輩がそんなことするわけないじゃん!」

純「じゃあ先輩の体中に付着した返り尿は何さ」

梓「……」

純「ご丁寧にシューターを撃ちぬいて破壊してるんだよ!」

紬「それが手っ取り早いの。むしろそれしか無いわ」

224: 2011/05/08(日) 23:22:35.15 ID:rgukCDDK0

紬「だって、このガトリングで」

 ガシャリという音と共に、巨大なアームガトリングの銃口がこちらを向く。

 頭が真っ白になった。一体全体どういうわけなのか、理解が追いつかない。
 
 そしてそのままムギ先輩はとても悲しそうな目をして呟いた。


紬「頃しちゃうのは可哀想だから……」


 その言葉が届く前に私は純の裾をひきよせ、身を翻していた。

 直後、私たちがいた場所を通り過ぎる雨のようなおし○この弾丸。

 ムギ先輩のガトリングが尿を吹いたのだ。 ……間一髪だった。
 
 動かなかったらそのまま全身おし○こまみれ、いや威力によってはあっという間に失神していたかもしれない。


226: 2011/05/08(日) 23:26:59.19 ID:rgukCDDK0


純「ちょちょちょちょ! ぎゃあああ」

梓「ムギ先輩!! どうして!!」

 
 体とは裏腹に頭はいまだに冷静さを取り戻せないでいる。

 ムギ先輩は極めてのんびりした動作でこちらを見ると、再び巨大な銃口をつきつけた。


梓「くッ!!」

 
 純をつかんだまま、すぐ側の教室へと飛び込む。

 また間一髪のところで回避に成功。バサササという音が背後から聞こえてくる。

 床や壁がムギ先輩のアンモニア臭のキツイおし○こで染められたようだ。


紬「梓ちゃん、どうして逃げるの?」

梓「やめてください! 私たちは敵じゃないんです!」

紬「そうかしら? たった8人しか残れないのよ? なら出会った人から倒していくのはセオリーかと私は思うんだけど……」

梓「……こ、後輩なんですよ!!」

232: 2011/05/08(日) 23:33:16.90 ID:rgukCDDK0

紬「……先輩だとか、後輩だとか」


 ムギ先輩がぽわぽわした顔をしぼってこちらへ近づいてくる。


紬「おし○こガンマンの世界を舐めないほうがいいわ……!!」

梓「なっ」ゾクッ

純「あへあへあへあへww」

梓「純! しっかりして! パ二クってる場合じゃない!!」


 抵抗しなくちゃ……いくらムギ先輩のといえど、他人の尿で全身を陵辱されるのは耐えられない。

 私は震える手でホルダーから銃を引きぬく。すでにセーフティは解除してある。

 やるしかない……やるしか!!


紬「梓ちゃん、震えてるわ。無理しないでいいのよ? さぁ、その銃を私に頂戴?」

梓「誰がッ!! 私は唯先輩とも約束したんです! 必ず勝ち残るって!!」

紬「私に勝てる気でいるのね……残念……」

233: 2011/05/08(日) 23:41:39.88 ID:rgukCDDK0

梓「!」

紬「……シューターを持ってまだ一ヶ月でしょ? 馬鹿にしてるわ」

梓「そ、それは……やってみないと」ガタガタ


 手の震えがおさまらない。

 人にシューターを向けるのがこんなに怖いことだとはおもわなかった。

 そんな私にムギ先輩は言葉でおいうちをかける。


紬「シリンダーは大丈夫? ストックはある? 銃身は? ちゃんと正面に構えてる?」

梓「う、うわああああっ」

 
 勢いに任せて発砲。

 いつも練習で撃ってるのとは違って、とても弱々しく小さな水の塊がムギ先輩向かって宙を舞う。


紬「……なにそれ」

  
  私の決意の弾丸は、虚しくも金ピカの装甲をまとった手の甲でパシリと軽くはじかれてしまったのだった。
 

235: 2011/05/08(日) 23:49:58.29 ID:rgukCDDK0

紬「やれやれね。でも梓ちゃん、これで覚悟ができたでしょ?」

梓「あっ……あっ……」

純「梓……」

梓「撃っちゃった……私、撃っちゃった……」

紬「……撃っていいのは、撃たれる覚悟のある人だけよ!」


 三度目のインサイト。何度みても恐ろしい銃口だ。一体どれだけ弾があるのだろう。

 あぁ、もう追い詰められている、これ以上は逃れられない。


純「お、おたすけぇ~!!」

梓「……くっ」


239: 2011/05/08(日) 23:53:15.81 ID:rgukCDDK0

紬「大丈夫。苦しくないわ。ただちょっと臭くて気が遠くなるだけ」

梓「そんなの……耐えられないです!!」

紬「わがままね。でもダメよ。あなたはここにくるには力不足だった。ただそれだけ」


 ムギ先輩がニヤリとした表情を浮かべる。

 トリガーを引く気だ。

 何かいおうとした瞬間、眼前がわずかにフラッシュした。


梓「あっ」

純「ひっ」


 言葉は出てこず、情けない声とともに反射的に目をつぶる……。


梓「……」

梓「……あれ?」

  
 二、三秒たった。しかし私に尿弾は降り注いでいない……。 これは……?

249: 2011/05/09(月) 00:00:13.18 ID:9OH5HvL40

純「梓! 梓!! いつまで目ぇつぶってんの!」

梓「はっ!」

 
目を見開くと足もと数メートル手前が水びたしになっていた。

 尿だ。


梓「外した……? でもなんで!?」

純「前前!」

梓「!」


 そこには私が会いたかった人。

 ふんわりとした栗色の髪をなびかせ、銃口をしっかりとムギ先輩につきつけた唯先輩の姿があった。


唯「やっほーあずにゃん。ぎりぎりせーーーふ!」

梓「唯先輩!!」

紬「唯ちゃん、どういうつもり。私のバレルに撃ちこんで狙いをずらすなんて」

唯「可愛い後輩をまもっただけだよ!」

252: 2011/05/09(月) 00:06:41.96 ID:9OH5HvL40

紬「……邪魔しないで?」

唯「のんのん。あずにゃんは私と同じ場所からのエントリーだからね。仲間も同然なのさ!」

紬「そう、唯ちゃん、残念だわぁ」

梓「唯先輩逃げて!!」

唯「ん? 逃げる~~? えへへ。あずにゃんこそ早く逃げなよ!」


唯「ちょっとここは戦場になるよ!」


 唯先輩はそう言い放つと容赦なく金色のおし○この弾丸をムギ先輩にむかって何度も撃ち込んだ。

 ドピュンドピュンという重たい音が教室内に響き渡る。

 しかしムギ先輩はそれら全てを体中にまとった装甲でふせぎきり、すぐさま右腕の兵器ともいえるシューターで反撃する。

 唯先輩は軽やかな身のこなしでそれらを回避し、蹴飛ばして倒した机の後ろに逃げこむ。
 

 あっというまに狭い教室で銃撃戦がはじまった。



262: 2011/05/09(月) 00:12:02.55 ID:9OH5HvL40

純「や、ヤバいヤバい! まきこまれる~~~~!!」

梓「で、でも唯先輩をおいては……」

唯「いいよ。私がムギちゃんをとめるから」

紬「うふふふふふ~」ババババババ

唯「んもう! 乱射しすぎ! どんだけおし○こあるの!」

紬「どうせ一発一発に威力はでないから、古いおし○ことガトリングは相性がいいの~!」 

唯「!」

梓「もしかしてあの背負ってる箱にはおし○こがたくさんつまってるんですか!!?」

唯「……だね。アレ、貯尿タンクみたいなもんだよ」

紬「当たり~。これがガトリングと連結してるの。だからいちいちチャージもしなくてすむの~~」ババババババ

梓「ず、ずるいです!!」

唯「さすがだねムギちゃん!」

紬「ありがと~。さぁ、唯ちゃん、そんなとこに隠れてないででていらっしゃ~い」

265: 2011/05/09(月) 00:16:00.28 ID:9OH5HvL40

純「うあわわわわあ」

梓「純は落ち着いて。私たちも反撃するよ!」

純「でもこんなにおし○こが雨あられってるのにぃ!!」

紬「その隠れてる机もどんどん削れていくわよ~」ニコニコ

ババババババ ババババババ


唯「……このままじゃこっちがフリだね。よし、あずにゃん逃げないなら私に力を貸して!」

梓「えっ」

純「わわわわ私もお手伝いしますうう」

唯「私が一瞬隙をつくりだす。だからその間にムギちゃんの顔を狙って撃って!」ヒソヒソ

梓「え~~~顔をですか!?」

唯「顔にはさすがに装甲まとってないからね! 正面からならそこしか狙うところないよ!」

梓「わ、わかりました!」

純「はい!!」

271: 2011/05/09(月) 00:21:34.24 ID:9OH5HvL40

紬「こそこそしてないででていらっしゃい」

紬「みんなまとめてハチの巣にしてあげる~~♪」

ババババババ

 なおもムギ先輩は連射をやめる気配はない。

 唯先輩が鋭い目でムギ先輩を見据えている。

 一体どうやってあの人から隙を奪うのだろうか。

 私と純は一挙一動を見逃さないように神経をすり減らして事態の展開を待った。


唯「ききたいんだけどさ。あ、ムギちゃんのほうね」

紬「なぁに?」ババババババババババババ

唯「ちょっとうるさい! きこえないよ」

紬「しかたないじゃな~い♪」ババババババババババババ

唯「なんでムギちゃんはこれに出場したのかなって」

紬「……それはね」ババババババババババババ

276: 2011/05/09(月) 00:28:15.22 ID:9OH5HvL40

唯「それは……?」

紬「教えられないわ~~~うふふふふふ」ババババババ

唯「そっか、じゃあ!」

 
 唯先輩はふっと微笑むと、窓に向かって発砲した。

 ガラスがけたたましい音をたてて砕け散る。


紬「そんなので気をひくつもり? あはは唯ちゃんっておろか……ガッ」

 
 窓の遥か向こうからなにかが突然飛来し、ムギ先輩の横っ面を吹き飛ばした。

 衝撃でガトリングの照準は私たちから完全に外れ、天井、床とありもしないほうをおし○こでそめあげる。
 

紬「むぎゅううっ!!! いったーい!」 


梓「その隙は!!」

純「逃さない!!」 
  

281: 2011/05/09(月) 00:32:55.30 ID:9OH5HvL40
 
 おいうちをかけるようにムギ先輩の顔面に向かって同時に発砲。直撃。


紬「きゃあああっしみる~~~」

梓「よし! あたった!」

唯「いまだあずにゃん! 逃げるよ!」

梓「えっ」

唯「こんだけやれば十分! いまはとにかくムギちゃんから遠ざかる!」

純「とどめとかささないんですか!」

唯「それだとこっちももはや無傷ではすまないからね! ムギちゃんみたいなのは相手にしないのが一番!」


紬「え~ん、まってよ~~、うう、くさ~い」


 ムギ先輩が必氏に顔を拭いている間に私たちは教室をあとにした。

 はやく落ち着ける場所にいきたい。
   
 唯先輩にはききたいことがたくさんあるから。


282: 2011/05/09(月) 00:37:59.62 ID:9OH5HvL40


【屋上】


梓「あ! 澪先輩に律先輩!!」

律「おっす梓! さっきは危なかったじゃん」

澪「……よ」

唯「澪ちゃんさっきはありがと~。おかげで切り抜けられたよ」

澪「いや、合図をきめておいて正解だった。ムギには悪いけど……」

梓「どういうことなんですか?」

唯「んとね。あずにゃんたちが向こう側の校舎の廊下でムギちゃんに襲われてる時私たちたまたまここにいてさ」

純「もう合流してたんですか」

唯「そりゃあね。というよりいい場所を先にとるのはセオリーだから」

律「たまたま唯がきたってわけ」

唯「そんでさ、あずにゃんが襲わてるのがこっからでもみえたから、急いで助けにいったの」

梓「はぁ……」


287: 2011/05/09(月) 00:42:54.20 ID:9OH5HvL40

唯「よかったねー」

純「どうもありがとうございました!」

律「だれ?」

純「えっ、こないだ縄張り争いしたなかじゃないですか~~」

律「えっ? 忘れた」

梓「じゃあ窓ガラスが割れたあと飛んできたあれは」

澪「あぁ、私の尿弾だ。唯が合図をおくったら狙撃するようにあらかじめ決めていたんだ」

梓「こ、こんな距離からあそこまで正確に狙えるんですか!?」

澪「……? ま、まぁ……」

律「だろ~、えっへん」 

澪「なんでお前が偉そうなんだ」

唯「さて、このあとどうしようかな」

梓「お腹すきましたね」

唯「そうなんだよね! どっかにご飯あるのかなー」

律「えげつねぇな……」

289: 2011/05/09(月) 00:46:42.98 ID:9OH5HvL40

澪「えげつないって?」

律「これ、つまりは8人に減るまで高校からでられないってことじゃん?」

梓「……あっ」

澪「そうか……食べ物が」

律「こんな手の込んだことするんだ食料もどこかにあるはず。けどさ、それって力で奪い合いするしかないんだよな」

梓「……」

唯「はいはい! じゃあ私が探しに行ってきます!」

律「唯でだいじょうぶか? いや、実力のこといってるんじゃないけど」

澪「うーん……でも私は室内戦には向かないし」

律「私いこうか?」

澪「だ、だめ! お前はもしものときのための私の護衛だ」

律「へいへい。寂しいのね」

梓「わ、私がいきます!」

純「私いきません」

292: 2011/05/09(月) 00:51:24.43 ID:9OH5HvL40

唯「あずにゃんくる?」

梓「はい!!」

唯「またムギちゃんに遭遇するかもしれないけど」

梓「うっ……」

律「てかさ、なんで梓はムギと交戦してたの?」

梓「ムギ先輩は……なぜだかシューターを破壊してまわってました」

澪「……」

梓「私は制止を呼びかけましたが……どうにも話をきいてくれなくて」

律「うーん、まぁ人それぞれ参加目的は違うからなぁ」

澪「たしかに、みんな仲良しこよしとはいかない。私たちもいつ道を違えるかわからないし」

純「え~~! 一時的な協力ってことですか!?」

律「ま、8人ならここにムギと憂ちゃん加えても余裕はあるわけだけどさ」

297: 2011/05/09(月) 00:56:03.59 ID:9OH5HvL40

梓「そういえば憂は……参加してるんですか?」

唯「あぁ憂ならいまは……」

唯「校内を縦横無尽に駆けまわって数を減らしにかかってるよ」



憂「おねえちゃ~~ん!!」バシュバシュバシュ

憂「みてみて~~~!」バシュバシュバシュ

参加者「なんだこいつ!! 化物なの!?」

憂「あたらないよ~! どこ狙ってるの~!? 」

憂「さぁ、早く尿の海にしずみなよ!! 二十人目ぇ!!」ドキュウン


参加者「うぎゃああああっ」



梓「……憂って強いんだ、知らなかった」

唯「うん! 私と同じくらいの力量はあるからちょっとやそっとじゃやられないよ」

純「恐るべし平沢姉妹……さすが『桜ヶ丘の生んだオルトロス』と呼ばれるだけはある」

300: 2011/05/09(月) 01:02:05.49 ID:9OH5HvL40

純「一見なにも考えて無いように見えて、実は冷静に戦局をみてる姉。もちろん腕はピカイチ」

純「そして、圧倒的な火力とスピードをもって敵を制す憂」

純「じつにおそろしい姉妹だ……」

梓「純はものしりだね」

唯「でも憂は少々トリガーハッピーだからなぁ……すぐ弾切れしちゃうし……」

梓「ていうか明らかに唯先輩たちは対人経験ありますよね。どういうことなんですか?」

唯「んーっとそれは……」

澪「私たちも梓がこれをはじめる前にいろいろあってな……」

梓「遠い目されてもわかりません」

律「ま、お前が気にすることじゃない。とりあえずいっておいで」

梓「はい」

唯「おまかせあれ! 制圧してきます!」

律「実力者はほかにもまだいるとおもう。気をつけろよ」

唯「ふんす!」

303: 2011/05/09(月) 01:07:49.34 ID:9OH5HvL40


律「……いったか」

澪「いいのか? 唯たちをやらなくて」

純「え!!?」

律「……あぁ」

澪「唯達がこのまま一緒に本戦に進むと私たちにとっては確実に障害になる」

純「ちょ、ちょちょい! 何いってるんですか!? 仲間割れはやめましょうよ!!」

律「……あ、そういえば残ったんだった、誰さんだっけ?」

澪「消せばいいだろ、後で」

純「え~~~!?!?」

澪「とにかく、律がいいっていうなら私はこのまま唯たちも利用してここを勝ち抜く」

律「いいよ……仮に唯や憂ちゃんと本戦で相まみえることになっても、負けやしないさ」

澪「自身あるんだな」

律「いや、負けれないんだよ。絶対に……!」

澪「……唯たちは、どうして参加したんだろう」

308: 2011/05/09(月) 01:16:52.88 ID:9OH5HvL40


【東校舎3F】


梓「唯先輩はどうしてエントリーしたんですか?」

唯「んー、それはね。どうしてだとおもう?」

梓「さぁー、力試しとか?」

唯「それもあるかも」

梓「賞金ですか? たしか何千万かもらえるんですよね?」

唯「それもある」

梓「一番の理由教えてくださいよ」

唯「えへ~、内緒だよ!」

梓「え~、それじゃ付き合わされてる私ってなんなんですか」

唯「人にはたくさん秘密があるもんなんだよ!」

梓「似合いません、そういうキャラ」

唯「あーんあずにゃんのいけずぅ~」

310: 2011/05/09(月) 01:28:05.97 ID:9OH5HvL40

梓「さてどこへ向かいましょうか」

唯「んー、まずは職員室とか? 和ちゃんってどこにいるだろ」

梓「あ、食べ物ならけいおん部にありますよね」

唯「あー、そっか! あずにゃん頭いいー」

梓「でもすでに占領されていたり……」

唯「大丈夫大丈夫。私が壊滅させてあげる」

梓「すごい自信ですね」

唯「ふふん。私ちょっと腕にはおぼえがありまして!」

梓「それて澪先輩がいってたいろいろですか?」

唯「まぁね」

梓「教えてくださいよ~」グリグリ

唯「いやんあずにゃんやめてぇ~」

梓「そうだ、なら戦うコツとかもっと伝授してください」

唯「ほえ?」

313: 2011/05/09(月) 01:34:22.77 ID:9OH5HvL40

梓「どこを狙ったらいいとか、あるでしょ?」

唯「あー、うん。じゃあまずはセーフティレベルを下げようか」

梓「えっ、威力を上げるってことですか? 危険じゃなかと……」

唯「ううん。それが身を守るためなの」

梓「でも……」

唯「例えば、シューターをもってる手に紙くずをぶつけてもなにも変わらないよね?」

梓「……」

唯「だけどそれが紙くずじゃなくて石ころだったら?」

梓「痛いと思います」

唯「うん、痛いね。おもわずシューター落としちゃうかも」

梓「……」


316: 2011/05/09(月) 01:38:02.21 ID:9OH5HvL40

唯「力を奪うのが一番安全な勝利だよ。だけどどんな方法をとるにしても必ず大なり小なり痛みはついてくるの」

梓「自分が大怪我したくなかったら先に相手を傷つけろってことですか?」

唯「うーん……そうだね。それが賢い生き方だよ」

梓「唯先輩にそんなこといわれるとはちょっと意外でした」

唯「あんまり間に受けなくてもいいよ。ただの……経験則だから」

梓「唯先輩……」

唯「とにかく、もうあずにゃんもムギちゃんをうってるんだから。いまさらごちゃごちゃいうのは無し!」

梓「……ですね。私、戦います」

唯「……大丈夫?」

梓「大丈夫ですよ」

唯「補給した?」

梓「はい。さっきしました。でも次のために早めに水分補給しておし○こを生成したいです」

唯「おっけー、じゃあ行こうか! けいおん部!」

325: 2011/05/09(月) 02:00:22.83 ID:9OH5HvL40



ジョロロロロ

 くっきりしたピンク色の亀裂から勢い良く噴射する黄金の水。
 
 それはシューター内にとりつけられたシリンダーをだんだんに満たしていく。

 勢いが強すぎて跳ね返ったきた分が、うっすらと生えた恥毛をわずかに湿らせた。

 最後の一滴まで余すことなく出し切るように、お腹の下に力をこめ、ピクリピクリと体を小刻みに揺らす。

 ポツポツと溢れる聖なる雫はいつか凶悪な弾となり向かい来る敵を討つのだろう。

 それをしりつつも、放尿という快楽に身を包まれた彼女は、頬をほんのりと赤く蒸気させシューターを愛おしそうに撫でる。

327: 2011/05/09(月) 02:02:49.43 ID:9OH5HvL40


「ねー終わった~?」


 遠くから補給を急かす声がする。早くパンツを上げて戻らなくては。

 パンツの汚れが少しきになった。



「うん、いまいく~!」


 絶対に勝ち残って見せる。強い思いを胸にし、乱れたスカートをただしながら信代は仲間が呼ぶ方へと駆けていった。


334: 2011/05/09(月) 02:08:58.54 ID:9OH5HvL40

姫子「おそいってー」

信代「がはは、ごめんごめん。おもったよりドバドバーってでて!」

いちご「……下品」

姫子「ほらいくよ。ここでぼんやりしてたらまた交戦になる」

いちご「……動くのめんどくさいし」

姫子「でもアレがきたら今度こそ壊滅するよ?」

信代「……そうねぇ」

姫子「あれってたしか唯の妹だっけ」

いちご「しらない。けど似てた」

姫子「結構やられちゃったからなー」


唯「でねーりっちゃんたらおかしいんだよー……あ!」トコトコ

梓「て、敵です!!」


姫子「くっ……あれは……唯!!!」

唯「姫ちゃん! いちごちゃん! 信代ちゃん!」

336: 2011/05/09(月) 02:15:32.79 ID:9OH5HvL40

梓「たしか……唯先輩のお友達でしたね」

唯「うん」

姫子「なに唯、やる気?」チャキ

信代「……がはは、三対二で勝てると思うなぁ」

いちご「……無謀」

梓「うう、どうするんですか唯先輩。数ですでに不利なんですけど」

唯「でもやるしかないね、見逃してくれるって感じでもなさそうだし」

姫子「……そうだね。唯とそっちの子には悪いけど、ここでリタイアしてもらう!」

いちご「そう、けいおん部は先に潰しておく」

梓「! や、やってやるです!!!」

唯「あずにゃんは信代ちゃん。あのおっきい子」

信代「へぇ。そのちっこい子が相手かぁ、私も舐められたもんだ」

338: 2011/05/09(月) 02:21:44.15 ID:9OH5HvL40

梓「えう、私大丈夫ですかね……体格差がありすぎるような」

唯「大丈夫。スピードならあずにゃんが上だよ。相手の銃口はちゃんと見て動くんだよ」

梓「はいです」


 戦いの火蓋はあっというまに切って落とされた。

 まずは唯先輩が素早い動きでホルスターから銃を引きぬいて正面に発砲。

 
 私はすぐさま狭い廊下から教室へと戦闘の舞台を移す。

 私が入ったと同時に私の相手も巨体を揺らしながら飛び込んできた。

 唯先輩……そちらは頼みます。


信代「がはは、ちっこいの。私とタイマンはろうだなんていい度胸だねぇ」

梓「……」

信代「さぁ、たっぷり可愛がってあげるから!!」

梓「私は逃げない! たとえあなたを傷つけることになっても勝ってみせます!」

信代「笑わせてくれるね!!」

345: 2011/05/09(月) 02:30:22.90 ID:9OH5HvL40
 
 小さな体と大きな体。

 相反する二人の戦いはまずは私からの攻撃ではじまった。

 さきよりも威力をあげたおし○こを相手の顔面めがけて発射。

 反動が腕全体を伝い体を揺さぶる。シューターの威力と反動は比例するようだ。
 

梓「いけええ!!」

信代「ふんっ」

  
 しかし意外にも軽やかな動きで回避されてしまう。


梓「くぅ」

信代「初心者さん? 誰に教わったかしらないけど狙うなら頭じゃなくてここだよ」


 そういって彼女は自身の大きな胸を指さす。

 ぶるんと揺れる無駄な脂肪が印象的であり、また少し不快だった。


信代「人間の頭は的にするなら小さすぎる。けどここなら仮に外しても体のどこかには当たる」

352: 2011/05/09(月) 02:39:02.95 ID:9OH5HvL40

梓「ッ!」

信代「唯?」

梓「そうですよ。私にシューターを教えてくれたのは唯先輩です」

信代「がはは、唯は相変わらず甘ちゃんだねぇ」

梓「……?」

信代「去年の大会で私は唯と争ったのさ」

梓「えっ」

信代「もちろん去年度は今年度みたいな狂ったルールじゃなかった」

信代「お互いに身体にマーカーをつけてそれを狙い撃つだけのくだらないお遊戯」

梓「……」

信代「威力は極限まで抑えたただのおし○この掛け合い。でも唯はそれでもなかなか撃てなくてねぇ」

信代「どうせ頭を狙えってのも、すぐに相手を楽にしてあげれるとかそんなんでしょ」

梓「……」


353: 2011/05/09(月) 02:45:31.99 ID:9OH5HvL40

信代「甘い甘い。それじゃあ今年は予選突破すらできないよ」

信代「それと、さっき私はまず狙うべきは胸っていったね? けどそれは本気で相手を仕留めたい時の話」

梓「……!?」

信代「でもね、相手をいたぶりたいときまず狙うべきは」

信代「足もとだよ!!」


 突然の発砲。

 私は馬鹿だった、なぜ悠長に相手の話に耳を傾けていたのだろうか。

 吹き出した黄金水の弾丸は一度床に激突したあと飛散し、細かな粒となって私の足元を急襲する。

 


356: 2011/05/09(月) 02:48:40.89 ID:9OH5HvL40

梓「うわああっ」ビシャビシャ

信代「足は! 非常にやっかいだ!」

信代「人間の全てをささえる部分にしては外傷に弱く! また神経がおおく通っている! ほんの少しの傷でその機能を停止!」 

梓「あぐ……いったぁ……」

信代「ふん。一応は直撃は避けたようだね」

梓「……いたぶるって!?」

信代「唯に去年の借りをかえすのさ」

梓「ってことは唯先輩のことを甘ちゃんとかいいつつ負けたんですか」

信代「……」イラッ

信代「あんたを戦闘不能にして唯の目の前で蹂躙する」

梓「!?」

信代「後輩思いの唯のことだ。泣きながら何度も頭を地につけて謝りつづけるだろうさ」

信代「申し訳ございませんあずにゃんを助けてくださいおねがいします信代様ってね!!」

梓「!!」


360: 2011/05/09(月) 02:56:49.89 ID:9OH5HvL40

信代「情けなく泣きじゃくる唯の顔を見ながら飲む酒はきっと最高の味がするだろうね」

梓「そんなことさせません!」

信代「なら勝ってみなよチビ子!」

信代「まぁ無理だろうね。あのお馬鹿な唯の弟子なんてたかがしれてる」

信代「しかもスタンダードタイプを使ってるって!? がははは、初心者丸出しウケる~~」

梓「ぐっ……!!」

梓「唯先輩を馬鹿にすることはこの私が!!」

憂「許さないよ!!」

 
 突如真横で聞き慣れた声がした。

 そして大きな銃撃音。


信代「チィ! また来たか化物ぉ!!」

憂「お姉ちゃんをバカにしないで~~~!!」バンバンバンバン

梓「な、なに!? なんなの!?」


365: 2011/05/09(月) 03:06:01.39 ID:9OH5HvL40


 突然私をのけものにしてはじまってしまった銃撃戦。

 教室を縦横無尽に飛び回り多角的に相手を攻め立てる憂こと平沢オルトロスの片割れ。

 雄叫びをあげながらその体躯には似あわない小さなシューターで迎え撃つ信代先輩。

 ふたりのおし○この飛沫を全身にあびながらぽつんと虚しく立ち尽くす私。

 
 唯先輩……優秀なあなたの妹がきました。私、正直言うとココには不要みたいです。

 役に立てなくてすいません。しかし、どうしたらいいんでしょうか。


信代「おちろ! おちろ蚊トンボが!!」

憂「くっ、なんて堅いの。何発浴びせても倒れやしないよ!」

信代「がはは、セルフ装甲鉄壁の信代とは私のことだ!」


梓「が、がんばれ憂……」

367: 2011/05/09(月) 03:14:27.05 ID:9OH5HvL40


梓「そういえば唯先輩は……」

 
 ちらと廊下を方に視線を配る。
 
 どうやらもうさっきの場所にはいないようだ。

 一対二で無事でいるのだろうか。


憂「梓ちゃん! 何ぼーっとしてるの! 撃って撃って!」

梓「は!」


 我に帰った私は攻撃を開始する。

 グリップを両手でしっかり握り、かたいトリガーを強く引く。

 この一ヶ月でずいぶん見慣れた色の液体が元気に飛び出した。



信代「ぐあっ、さすがに二人同時は……!!」

憂「逃さないよ!!」

424: 2011/05/09(月) 13:18:34.27 ID:9OH5HvL40

信代「こしゃくな!」

憂「梓ちゃん! 足に火力を集中! この人はボディにはほとんどダメージ通ってないよ!」

梓「う、うん!」
 

 いわれた通りに足元を狙い続ける。

 しかし足も相当な肉厚なのでほんとうにダメージになっているのかも甚だ疑問だ。

 
信代「ふん、オルトロスの片割れと言えどそんな火力のでないシューターじゃ何をやっても無駄さ」

憂「そんなことないもん!」


 憂はひたすらに撃ち続ける。

 撃ち切っては装填し、また連射。

 このペースだと相手が力尽きる前に弾がなくなってしまうのではないかと不安になった。

 信代先輩は全身におし○こを浴びながら不敵な顔で反撃してくる。

425: 2011/05/09(月) 13:27:46.06 ID:9OH5HvL40

梓「憂! なんでそんなにバカスカ撃ってるの!」

憂「えへへっへへへ、ふふふ、おねいちゃ~~~~!!!」ババババババ

梓「唯先輩のいってたトリガーハッピーってこれか!」

 
 どうも憂は一度攻撃をはじめるとハイになってしまうようだ。


梓「憂! もっと効果的な射撃が……!」

憂「うひひひっ、おねいちゃ~~~~ん」ババババババ

信代「がははl、あんたは姉とセットじゃないとろくに戦えやしないようだね……」


 やがてカチッカチッという乾いた嫌な音が憂のシューターから聞こえてくる。


憂「なんでっ!! どうしてもう撃てないの!!! まだまだやれるのにいい!」

梓「……」

427: 2011/05/09(月) 13:35:23.56 ID:9OH5HvL40

信代「結局私の全身をずぶぬれしただけで終わったわねぇ」

信代「さっき交戦したときはもうちょっと強かった気がしたんだけど」

憂「あのときは……」

梓「?」

憂「お姉ちゃんのおし○こと私のおし○こをブレンドしてたから……」

信代「なるほどね。合点がいった」

梓「ど、どうするの! 私のシューターじゃもうどうしようもないよ」

信代「さて、尿遊びはおしまいだよ子猫ちゃんたち」

梓「……くっ」

憂「お姉ちゃ~ん……」メソメソ

梓「あんたほんとなにしにきたの。来てくれたときはほんと頼もしかったのに」

憂「お姉ちゃ~ん……」メソメソ

梓「泣いてる場合じゃないでしょ!」

信代「あはは、怖がらなくても大好きなお姉ちゃんと同じところに送ってあげる」

429: 2011/05/09(月) 13:45:05.43 ID:9OH5HvL40


梓「や、やらせるもんか!」

信代「あんたも懲りないねぇ。今までさんざん撃ってきたけどそれも全部ダメージなし、どんな気分?」

梓「だ、だって……」

信代「そんなちんけな尿弾じゃ私の鉄壁の肉体には傷ひとつつけられないよ」

梓「くそぉ……」

信代「もっと怖がりな! あんたらの恐怖した顔を唯にみせつけてやる!!」

 
 私たちが負けたら唯先輩はどんな顔をするだろう。

 悲しむのかな。怒るのかな。

 どうして唯先輩はこの人を私に押し付けたんだろう。

 この体格差だと勝ち目なんてありっこないよ……。

 たしかにスピードは私が上だろう。だけど肝心の攻撃が通らないなら、ダウンを奪うことはできない。

430: 2011/05/09(月) 13:49:59.57 ID:9OH5HvL40

 攻撃……そういえばなぜ今の私のシューターからはちっぽけな弾しかでないのか。

 初めて唯先輩と撃ったとき、公園で純と勝負したとき、家で軽く遊んだときはあんなに強力な弾がでたのに……。 

 あのときと今ではなにが違うのか……。

 思い出せ……思い出すんだ私……。


梓「…………」

信代「祈りはすんだかい」

梓「……」


 ふと脳裏に笑顔がよぎった。
  
 それは間違いなく私の大好きなあの人のくったくのない笑顔。

 心にポっと火が灯った。

 手をつつまれた感覚が蘇る。静寂の中での全能感が蘇る。心のやすらぎが蘇る。



432: 2011/05/09(月) 13:55:50.14 ID:9OH5HvL40


『あずにゃん、シューターがどうしておし○こを弾にするかわかる?』

『わかりません』

『あずにゃんのおし○こはね、あずにゃんなんだよ! あずにゃんのすべてが濃縮されてるの』

『えっ……』

『毎日どんなもの食べてるーとか、何時に寝たーとか、年齢や身長体重、あらゆる要素が複雑にからみあってその時のおし○こを形成するの』

『……』

『つまりおし○こがつまったシューターもね、あずにゃんの一部も同然なんだよ』

『えっと……それは』

『あずにゃんのおし○こを通してシューターはあずにゃんの心に応えてくれる。絶対に。だからおし○こシューターを信じてあげて?』

『はぁ……』

『不思議だよねー』

『……そうですね』



 

437: 2011/05/09(月) 14:02:25.85 ID:9OH5HvL40


 そうだった。

 これは私、私の全て。

 自身を否定したら、そこが力の天井になってしまう。

 唯先輩、ありがとうございます。もう私、迷いません。


梓「……」

信代「くっくっく。がははははははは!!!」

梓「……」

信代「恐怖で言葉もでないかい!!」

梓「……」

信代「もういい! あんたはここで終わんなよ!!」


 無言のまま、スッと銃口を相手に向けた。不思議とシューター重みは感じなかった。

 自分でも驚くほどに集中している。

 今はこの全能感に身をまかせてみよう。その先にどんな未来がまちかまえていたとしても。

441: 2011/05/09(月) 14:10:44.98 ID:9OH5HvL40


信代「な……あんた、急に、雰囲気が……!!」ゾクッ

憂「梓ちゃん……!?」

梓「……」


 止まった世界の静寂の中で、私は引き金を引く。

 不思議と指に重さを感じることがなかった。

 それはまさしく、シューターが私と一体化した瞬間。 

 
 まっすぐに相手の顔面めがけて飛んでいく水風船のようなサイズにまで収束した尿弾。

 この距離では絶対不可避の速度。なんとなく、勝利を確信した。
   

信代「おぎゃああああああっ」


 水の弾ける音とともに世界にざわめきがもどり、次に聞こえてきたのはその断末魔の叫び声だった。

 
信代「くせええええっ、おええっ、ぐぅおおおっがはっああああ」


442: 2011/05/09(月) 14:17:58.96 ID:9OH5HvL40

信代「うごおおおおっあああががああ」

梓「……臭いでしょ?」

信代「おうぇええええっ、なんなのよおおおお」

梓「……」

信代「ま、まさかこんな初心者に゙……このわたじが!!!」

憂「梓ちゃん……いまの……」

梓「うん」

憂(間違いない……お姉ちゃんと同じショット……)


 勝った。私にとっての初勝利。あぁ、やっと一息つける。

 そして安堵と共に地べたに腰を下ろそうとしたその瞬間。

 やつがまた教室に飛び込んできた。


紬「みんな~おし○こが入ったわよ~~~♪」ババババババババババババ

信代「ぎゃああああっ」

梓「ッ!! またムギ先輩ですか!」

446: 2011/05/09(月) 15:07:39.94 ID:9OH5HvL40

紬「梓ちゃん、さっきは臭い目にあわせてくれたわね。お礼はきっちりするから~」

梓「け、結構です!!」

紬「信代ちゃんはさっさと降参してね」

信代「ぐごごごご、誰が……げふ」

紬「どっちみちそのダメージじゃもう戦うのは無理よ。視界が確保できてないんでしょ?」

信代「うぐ……私は、負けられな……うがああああああ」

紬「……残念ね」

信代「ウゴオオオオオオオオオオオオ!!」

紬「なら私が……そのシューターと一緒にとどめをさしてあげる……」ガコン

梓「!」

 
 突如ムギ先輩の胸部装甲が左右に展開した。

 中から現れたのは大型の内蔵マシンガン。よくみればあれもシューターだ!

449: 2011/05/09(月) 15:13:05.73 ID:9OH5HvL40

 右腕のガトリングに加え、更に倍ほどに数を増やしたおびただしい量の弾丸の雨が信代先輩を襲う。

 信代先輩その巨体をもってしても、傍からみれば嵐に巻き込まれた子犬のようにしか見えなかった。

 たちまち姿勢をくずし、けたたましい音をたてて倒れこむ信代先輩。

 ムギ先輩は少し悲しそうな、だけど満足気な顔をして彼女を見下ろしていた。


梓「な……戦争でもするつもりですかムギ先輩は!」

紬「……かもしれないわね」

憂「……」

梓「狂ってるです。もはや個人レベルの火力じゃないです」

紬「……」

憂「……逃げよう梓ちゃん」

梓「うん、一度砲門がこっちを向けばあっというまにハチの巣だ」


450: 2011/05/09(月) 15:17:54.24 ID:9OH5HvL40

紬「……シューターさえ置いていけば見逃してあげる」

梓「どうしてそこまでシューターを執拗に狙うんですか」

紬「だって傷つけたくないじゃない。シューターさえ壊せばほぼ脱落でしょ??」

梓「でも、シューターは持ち主の身体の一部も同然です! それを破壊するなんて」

紬「やっぱり梓ちゃん……知ってしまったのね」

梓「えっ」

紬「遠目ではよく見えなかったけど、さっきの特大の尿弾も梓ちゃんが撃ったんでしょ?」

梓「……えぇ」

紬「そこまで力をつけているなら、もう容赦はできないわ」

梓「くっ……」

憂「逃げられないの……」

紬「全火力をもってあなたを倒し、その危険なシューターを破壊するわ。憂ちゃんもよ」

梓「唯先輩と約束したんです……無事勝ち残るって!」


 
 

453: 2011/05/09(月) 15:24:43.12 ID:9OH5HvL40

紬「唯ちゃんもおしおきが必要ね。後輩にこんな危険なことをさせるなんて」

梓「ムギ先輩もノリノリですすめて来たじゃないですか」

紬「それはごめんなさい。けどまさかあなたがここまで力をつけると思ってなかったの」

紬「せいぜい公園でキャッキャして終わる程度だとおもってたわ」

梓「それはどーもすいませんね!」

梓「謝るついでに!」

紬「?」

梓「これでもくらえです!!」


 ムギ先輩めがけて特大6cm級の尿弾を発射。

 反動でシューターが額にコツンとぶつかった。


梓「あたれーーー!!」

紬「甘いよ梓ちゃん。それじゃあ私は倒せないわ~~」
 

454: 2011/05/09(月) 15:31:03.32 ID:9OH5HvL40


 胸部の次はふくらはぎの側面についた小さなコンテナのハッチが展開した。

 そこから突然発射されたのはミサイルのような物体。しかしそれもよくみればおし○こだ!

 左右2発同時に放たれたおし○このミサイルは私の尿弾に直撃し、空中で爆散。

 あたり一面におし○この飛沫が撒き散らされた。

 
梓「そ、そんな……相殺された!!?」

紬「ふふ、対唯ちゃん戦を考慮して急遽とりつけた迎撃ミサイルユニットが役に立ったわ」

梓「……!」

紬「さて、梓ちゃん。自分のシューターのシリンダーをのぞいてみて?」

梓「ッ!」

紬「チャージなんてさせないわ」

憂「どどど、どうしよう梓ちゃん」

梓「まずい……もう撃てても小さい弾だけ……」

455: 2011/05/09(月) 15:38:38.27 ID:9OH5HvL40

憂「終わった……」

梓(ここまでか……!!)

紬「…………」

梓「あれ……」

紬「……運がよかったわね梓ちゃん」

梓「は?」

紬「もうすぐ電力が切れちゃうの。私のシューターや装甲は莫大な電力が必要だから……」

梓「……」

紬「充電しにいくからどいてくれる?」

梓「えっと……」

紬「ここであなたを倒して電力をすっからかんにしたら唯ちゃんにやられちゃうもの」

梓「ゆ、唯先輩はどうなったんですか?」

紬「理科室で戦っていたわ。向こうももうすぐ決着がつくかも」

梓「あなたは漁夫の利を得にきたんですか?」

紬「なんといってくれてもいいわ。だってこれが私の任務だもの」

457: 2011/05/09(月) 15:45:37.75 ID:9OH5HvL40

梓「次あうときは、味方であってほしいと願います」

紬「なら勝ち残ることね」

梓「……」

紬「それと最後に一つ忠告よ」

梓「えっ」

紬「唯ちゃんには気をつけて」

梓「は……?」


 意味がわからなかった。

 どうしてムギ先輩が私たちを狙ってくるのか、なぜ唯先輩を警戒しなければならないのか。

 一体この戦いはなんのために存在するのか。おし○こガンマンとは。シューターとはなんなのか。

 戦いの疲労でうまく回らない頭で必氏に考えても、まだ答えはでそうにない。

 いまはただ勝ち残ることだけを考えよう。大切な先輩や友人たちの言葉を信じて……。



第九話 『戦慄の美少女ガンマン信代』  おわり

458: 2011/05/09(月) 15:47:42.69 ID:Go9MOefXO
サブタイwww

459: 2011/05/09(月) 15:51:35.49 ID:wx3qvDfU0
戦慄の強敵だって

463: 2011/05/09(月) 16:04:14.49 ID:9OH5HvL40

フルアーマー琴吹紬

武装

右腕部大型おし○こガトリング
・右腕にとりつけられた巨大なガトリングガン。
 貯尿タンクと接続されているため、基本的にはリロードなしで撃ち続けることができる。
 また外部シリンダーにより新鮮で高威力な弾を装填することもできる。

胸部大口径内蔵おし○こマシンガン
・口径は非常に大きく高火力。
 貯尿タンクと接続されているため、リロードなしで撃ち続けることができる。
 
眉部おし○こマシンキャノン
・主に接近戦での牽制に使われる。

脚部迎撃用おし○こミサイルユニット
・対高火力ガンマン相手にとりつけたミサイルユニット。

背部おし○こロケット砲
・背負った貯尿タンクをそのままロケットとして撃ち出す。
 しかし使用後は一気に弾切れをおこしてしまうため、使う機会はすくない切札。

468: 2011/05/09(月) 16:14:40.22 ID:9OH5HvL40
すいません夜まで用事あっていませんので落ちます
SS速報もあるしこのスレはおとしてくれてもいいです

がんばって続き考えときます

梓「おし○こ我慢大会ですか……」【後編】



引用元: 梓「おし○こ我慢大会ですか……」