アリゲーターを退けた唯達は再び一番奥から廃水を渡り律達と合流を果たしていた。銃声を聞いてか和の姿もそこにあった

唯「りっちゃん和ちゃんヤッホー」

相変わらずのんきな声を出す唯に律は安心したのかふっ……と少し微笑んだ

律「まさかあのデカいワニを倒すなんてな。どんな魔法使ったんだ?」

梓「唯先輩の作戦ですよ。凄かったんですから!」

唯「えっへん」

和「唯がねぇ。ところであなた達バルブハンドル持ってない?ファンの回転を止める為に必要なのよ」

唯「あったけど持って来なかったよ~いらないかなぁって」
けいおん! 1巻 (まんがタイムKRコミックス)

751: 2009/08/04(火) 21:51:04.37 ID:4gB86bovO
律「あほー!」

唯「ほえ?必要だったの?」

和「えぇ。ちなみにメダルはこちらで入手済みよ」

唯「さすが和ちゃんりっちゃんコンビ!抜かりないね!」

律「そっちはありありだけどな……」

梓「こんなこともあろうと思って私が密かに持ってきましたよ。」

律「おぉ!さすが梓!」

梓「変動式の床はあの上にも伸びますからね。一応と思って」

唯「よく私に気づかれずそんな大きなものを……!」

梓「梓式収納法です」

和「さて、戻るわよ。」

律「G(ゴキブリ)とご対面か……」

梓「(G……まさか私の同類…いや、どちらかが偽物、偽りのG…それが私か奴らか)」

752: 2009/08/04(火) 21:53:47.23 ID:4gB86bovO
四人はファンの前で立ち止まる。和がバルブハンドルを右へ回してファンの回転を止めた。

和「さ、行くわよ」

律「和、顔がひきつってるぞ」

和「り、律こそ」

梓「私の邪魔をするなら同類とて容赦はしない……」

唯「?」

和、律、梓、唯の順番でファン内部に進行していく────

和「……いない…わね」

律「…うんいない」

二人とも訝しげに辺りの様子を探る

梓「ファンが回って乾燥したんですね。Gは乾燥を嫌いますから奥へ退避したんでしょう」

律「詳しいな梓…」

梓「それほどでも(勝負を拒むか…それもいい)」

756: 2009/08/04(火) 21:58:51.47 ID:4gB86bovO
──────。
メダルを入れ奥の扉へと進む4人。

律「そう言えば梓の着てるジャンパーってレオンのか?」

梓「そうですよ。唯先輩を助ける為に病院に行った時に会いました。でもその後病院が爆発して…それに巻き込まれる形で…」

律「そう…か。でもまあレオンなら大丈夫だろ。」

事も無げにそう語る律。彼のことを信頼しているからこその言動だろうと梓は胸を撫で下ろした。自分もそう思っていたからだ

律「でもそのジャンパー凄い気に入ってたのにな!梓好かれてるんじゃないか~?」ニヤニヤ

梓「からかうのはやめてくださいっ//」

律「おっ、赤くなった。脈ありだな」

梓「怒りますよ?!」

律「冗談だって~」

758: 2009/08/04(火) 22:00:36.03 ID:4gB86bovO
ビービー
その時不意に異音が響いた。律の腰にかけている通信機が鳴ったのだ。

律「おっ、噂をすればレオンからか!」

律は通信機を手に取り口元に持ってくる。

律「はぁいこちら律ぅ」

『初めましてかな、田井中律』

明らかにレオンの声じゃないことに気づき声色を変える律

律「…誰だ」

「アルバート・ウェスカーと言うものだ。君に手紙を送った張本人だよ。そろそろ連絡をしようと思ってね。Gウイルスは見つかったかな?」

律「その前に答えろ…レオンはどうした?」

ウェスカー『クク……彼には退場してもらったよ』

760: 2009/08/04(火) 22:03:33.11 ID:4gB86bovO
律「ふざけるな!レオンがそう簡単に氏ぬわけない!」

声を荒げる律に反応し、前を歩いていた和と唯も止まる。梓は律の横で心配そうにやりとりを伺っていた。

ウェスカー『ふふふ、まあそんなことはどうでもいい。時間があまりないのでね、早く私の元へGウイルスを持って来てくれたまえ。ラクーンタワーの最上階で君達を待っているよ。私が君達の家族を預かっていることを忘れないでくれたまえ』

律「待て!おい!」

しかし無情にも通信は切られ律の耳には鬱陶しい電波音だけが残った。

梓「律先輩……?」

律「依頼人から催促の電話さ。早くGウイルスを入手しないとな…」

761: 2009/08/04(火) 22:05:03.97 ID:4gB86bovO
澪ファン退避推奨

チーム氏神───────。

澪はブライアンに突き付けられた銃を見ながらも考えに浸っていた。ハンクは確か記憶を失っていると言っていた、ならばブライアン署長の言っていることは本当かもしれない。
だがだからと言ってハンクが自分の、みんなの仇になるのだろうか。違う、そうじゃない、それではただの繰り返しになる。
律だって何かによる影響でおかしくなっていたのは間違いない、そんな律を皆で許しまた共に手をとりあっているではないか

ならここで記憶のない前のハンクを恨んだ所で何になると言うのか。

762: 2009/08/04(火) 22:06:13.58 ID:4gB86bovO
澪はようやく口を開いた

澪「ハンク、私は知ってる。あなたが今まで私の為に頑張ってくれたこと」

ハンク「!!」

澪「だから前のあなたがどうであろうと私は今のあなたを信じたい」

ハンク「澪……だが俺は…」

ブライアン「はっは!泣ける話だな!だが少し気づくのが遅かった様だ!」

ブライアンはハンクに銃を向けつつ澪に近寄って、腕を取る

澪「何をっ」

ブライアン「動くなよ?私は本気だ、このデザートイーグルならどこに当たっても致命傷になる。仲間を失いたくなければ動かぬことだ」

せめて氏ぬ前に楽しんでおかねばな

763: 2009/08/04(火) 22:06:58.68 ID:4gB86bovO
ハンク「くっ…貴様!」

ブライアンは澪を人質に取りながらボタンを押す。すると部屋の壁がずれて奥へ道が出来た。

ブライアン「仲間を助けたければ妙な動きはしないことだ。なぁに心配するな、澪を頃しはしない」

澪「くっ……」

そのまま奥へ消えていく澪とブライアン

ハンク「待て!澪に変なことしてみろ……てめぇ地獄の底まで追いかけてでも頃してやるからな」

ブライアン「はっはっは!氏神気取りかたかが工作員が!」

そのまま後退りし後ろにあるエレベーターのスイッチを押す

765: 2009/08/04(火) 22:08:06.33 ID:4gB86bovO
澪とブライアンはそれに乗り込む

ハンク「やらせるか!」

ハンクが乗り込もうとするとすかさずブライアンは発砲した。

ハンク「くっ……」

足元に飛んだ銃弾はハンクをそこへ釘付けにするには十分の威力だった。

その隙にブライアンはエレベーターのボタンを押し地下へ降りる

澪「ハンク!!」

ハンク「澪!!!」

ハンクは澪の声の余韻だけが残った通路でただ降りていくエレベーターを見つめているしかなかった……。

ハンク「くそったれぇ!!!」

自分の情けなさをただ痛感するハンク─────

768: 2009/08/04(火) 22:10:29.42 ID:4gB86bovO
澪「私をどこへ連れていくつもり?」

後ろから銃を突きつけられている為に身動きが取れない。ブライアンの目はもはや正気ではなく血走っている。
今の彼なら妙なことをすれば容赦なく引金を引くだろう。

ブライアン「なぁに私の特別室さ」

エレベーターはしばらく降りると止まり、扉が開いた。

外は中世を思わすような黒煉瓦の壁に覆われており間間に灯火が灯っている。

しばらく歩くと薄暗い部屋に出た。中は異臭が漂っており部屋の真ん中には木の机がある。それはただの机ではなく隅に拘束具の様なものが取り付けられていた。

770: 2009/08/04(火) 22:11:22.52 ID:4gB86bovO
他にもホルマリン漬けされた何かや吊るされた鼠の氏体など澪の常軌を逸した部屋だった。

ブライアン「そこへ寝ろ」

ブライアンは澪を真ん中の机に寝るよう銃を突き付け指示する。

澪「…………」

今はただ従うしかないとそこに寝る澪

ブライアンは銃を突き付けながら1つ1つ拘束具を澪に取り付けて行く

全部取り付けた後満足げな表情をし、入って来た扉の鍵を固く閉めた。

ブライアン「ふふふ、これで二人きりだな澪」

澪「私の名前を軽々しく呼ぶな、変態」

こんな状態でも澪は気を強く持っている。もう二年前の彼女ではない

773: 2009/08/04(火) 22:12:53.12 ID:4gB86bovO
ブライアン「そんな格好で強がって何になる?大人しく私の言うことを聞けば命は助けてやるさ」

ブライアンは澪の顎を撫でるように触る

澪「あなたは可哀想な人ね」

怖がりもせず綺麗な瞳でまっすぐにブライアンを見る澪

澪「こんな形でしか人を思えないなんて。自分の自由にならなければこうして無理に束縛する。あの女性もそうだったんだろ?」

ブライアン「黙れ」

ブライアンの平手打ちが澪の頬を強く叩き乾いた音がする。

ブライアン「小娘風情が私に偉そうな口を叩くな」

澪「最低ね、ほんとに…吐き気がする」

776: 2009/08/04(火) 22:13:47.92 ID:4gB86bovO
ブライアン「ふん、命乞いでもすればまだ可愛げがあったものを。私が楽しんだ後貴様は頃すことにしたよ」

澪「…………」

澪はそっぽを向き目を瞑る、もうお前の顔など見たくないと言わんばかりに

ブライアン「どこまでも舐めた女だ」

ブライアンは服の上から澪の立派な膨らみを撫でる

澪「っ……」

声を圧し頃す澪。ここで屈してしまってはさっきまでの虚勢の意味がない。

ブライアン「どうだ?少しは私に従う気になったか?」

澪「誰がっ!」

ブライアン「残念だ」

ブライアンは更に強く澪の胸を揉み始めた

781: 2009/08/04(火) 22:23:59.10 ID:4gB86bovO
回避ったか

ブライアン「私はレOプが好きでね、昔事件を起こしてしまったこともあった。だが揉み消すのは簡単だったがね」

澪のシャツのボタンを丁寧に外すブライアン。はらりとはだけ澪の黒いブラジャーが露出する

ブライアン「だがさすがに次起こせば私の身が危ない、だからこんな部屋を作ったのだよ。」

もう澪は話さない、ただ羞恥を必氏に耐えている。

ブライアン「警察署の署長になったのもそれが理由だ。ククク……いい体をしている」

ブライアンは舐め回すように澪の体をじっくりと観察している。

782: 2009/08/04(火) 22:26:01.03 ID:4gB86bovO
澪「私は諦めない……どんな侮辱を受けてもあなたのことを世界に公表してやる」

ブライアン「ここから生きて出られるとでも?ククク…まあいい。それは君次第だ。目を瞑って君の好きな人を思い浮かべながらの方が楽になるだろう。なぁにすぐ終わるさ。私は早漏れでね」

何を言っているかわからない…だが今から私がどんなことをされるかだけ何となくわかる。
でも諦めない、私には大好きな律が、頼れる仲間達が、待っているのだから

783: 2009/08/04(火) 22:28:15.43 ID:4gB86bovO
───────。

エレベーターが戻って来たときハンクは既に覚悟を決めていた。撃たれてでも奴を頃す、と

ハンク「……行くか」

シェリー「ハンク!」

後ろから追いかけて来たシェリーが心配そうに見つめている。

ハンク「シェリー、お前はここにいろ。澪お姉ちゃんは必ず俺が助け出す。俺が降りてこのエレベーターがもう一度戻って来て、5分経ったら来てくれ。わかったな?」

シェリー「うん…」

ハンク「お前もパパのこと辛いだろうに…それでもこうして澪を心配してくれてありがとな」

シェリー「お姉ちゃんも大事だから…」

ハンク「大丈夫、俺に任せとけ。澪を助けてお前を母さんのところへ必ず連れていってやるからな」

シェリー「うん……」

785: 2009/08/04(火) 22:29:12.83 ID:4gB86bovO
ハンクはエレベーターで地下へ降りる。恐らく普通にはたどり着けないだろう。
何か役に立つものはないかと自分の持ち物を物色すると爆弾の様な物とそれを爆弾される信管があった

ハンク「これなら例え鍵を閉められていたとしてもドアごと吹き飛ばせるな」

降りていくエレベーターの時間が遠く遠く思えた

地下へついた瞬間ダッシュで辺りを見回しながら走る。

澪は言ってくれたじゃねぇか、俺が前どんな奴でも今の俺を信じるって

守ると決めたきっかけは些細なものだった

だが今は十二分にその理由がある!

786: 2009/08/04(火) 22:30:05.13 ID:4gB86bovO
ハンク「男なら、自分の言った言葉に責任を持て」

ドアを見つけ爆弾をセットする。鍵がかかっているかなど確かめるまでもないだろう
この火薬の量ならドアを吹き飛ばすだけぐらいだろうと俺ではない自分が知ってる

ハンク「善悪など関係ない、ただ自分が想う気持ちで行動しろ…」

自分は少し離れ信管のスイッチを押す

小規模な爆発でドア吹き飛ばされる。

ハンク「今はこの俺が俺自身でありハンクだ!」

アサルトライフルを構え突撃する

ハンク「澪ぉぉぉぉぉぉ!!!」

791: 2009/08/04(火) 22:32:11.12 ID:4gB86bovO
───────。

静寂を切り裂きいきなりドアが弾け飛ぶ
ブライアンはびっくりしながら振り向くと爆発の煙の向こうからハンクが突進してきた

ハンク「澪ぉぉぉぉぉぉ!!!」

澪「ハンク!」

やっぱり来てくれた…ハンク。私を信じてくれた…。

ブライアン「何もせずただ突っ込んでくるだけとな!バカが!!氏ね!」

ブライアンは直ぐ様ハンクに向かって発砲した。

ハンク「ぐあっ」

それはハンクの左脇腹を貫通する。体から血が流れだす、だがハンクは止まらない

ハンク「うぉぉぉっ」

ハンクはアサルトライフルを手に持ち、ブライアンに向けて……発砲した──────

795: 2009/08/04(火) 22:35:54.89 ID:4gB86bovO
アサルトライフルから撃ち出された数弾の銃弾はブライアンを撃ち抜き、命を奪うには十分な数だった。
ブライアンはそのまま倒れ込み、氏んだ────。
人はこんなにも呆気なく氏ぬのだ────

ハンク「はあ…はあ…」

ハンクは出来れば頃したくはなかったのだ。故にブライアンが撃って来るまで自分からは撃たずにいた。
誰の命であれそれを奪う行為を澪に見せたくなかったからだ

澪「ハンクっ……」

澪は我慢していた涙を溢れさせた。それはハンクに会えた嬉しさからか、それとも命を奪った愚かしい行為に大しての哀れみか

ハンクは腹を抱えながら澪の拘束具を解いた

797: 2009/08/04(火) 22:38:11.60 ID:4gB86bovO
ハンク「遅くなってすまない……」

澪の格好を見て遅かったのではないかと嫌悪するハンク

澪「大丈夫…なくなるものじゃないから。それにちょっと触られただけ。それよりハンク、傷の治療を!」

ハンク「あぁ…頼む」

そういうとぐったりと地面に倒れ込むハンク。それほどに重傷だった。

澪はシャツのボタンを素早く止めると自分の荷物から止血剤や包帯などを取り出す

澪「こんな無茶して…」

傷口を見た澪が呟く

ハンク「それでも守りたかったんだ。澪を」

798: 2009/08/04(火) 22:40:51.34 ID:4gB86bovO
澪はありがとうと呟き治療に専念しだした

ハンク「人を…頃しちまったんだな、俺」

澪「…うん」

ハンク「軽蔑するか?」
澪「……うん。」

ハンク「そうか…そうだよな。いくらなんでも頃したら駄目だよな…。澪ならそう言うと思ったよ。駄目なことは駄目と言える奴だからなお前は」

澪「…確かに人を殺めてしまったあなたは最低だけれど……。でも…それは私の為でしょう…?」

ハンク「…どうかな。自分の為でもあったかもしれない」

澪「そう…。でもね…最低だけど…私にとっては最高の人だ、ハンク」

ハンク「光栄だな……」

800: 2009/08/04(火) 22:43:00.69 ID:4gB86bovO


澪「これからこの罪を、二人で背負って行こうか、ハンク」

ハンク「……あぁ」

人を頃した罪は、どんな理由があれど決して消えない

償うことでそれはいくらか軽くなるのだろうか

澪の治療が終わる頃には止血もでき、なんとか一命をとりとめたハンク。

シェリー「澪!ハンク!」

5分が経ち降りて来たのだろうシェリーが二人の元へ駆け寄る
ハンクはこの5分を永遠と感じられるぐらい長いと感じていた

澪「シェリーにも心配かけたな。もう大丈夫だから……」

シェリー「うん…っ」

泣きながら澪に抱きつくシェリー

803: 2009/08/04(火) 22:46:31.57 ID:4gB86bovO
澪が落ち着いた声で切り出した

澪「地下へ行って律達と合流しよう。そこの梯子から下水道へ繋がってそうだし。研究室ならもっとハンクの治療が出来るはずだから。ハンク……立てるか?」

ハンク「あぁ…。これぐらいの傷何ともねぇさ…」

そう強がって立ち上がる

澪はその肩を持つ

ハンク「澪……」

澪「言っただろ…二人で背負って行こうって。シェリーもそれでいい?」

シェリー「私は澪について行く…!」

澪「ありがとうシェリー。」

急がなければならない、でないとハンクは氏んでしまうと気づいての澪の判断だった

807: 2009/08/04(火) 22:49:59.44 ID:4gB86bovO
梯子を降りてしばらく道なりに歩くとやはり道は下水道へと繋がっていた。ブライアンほどの男が自分の部屋に脱出路を作らないとは思えない、澪の読みは当たった形となった。

三人濡れるのもお構いなしで先を急ぐ。水位はそれほどないのが効をそうしたのか素早く移動出来た。
時々現れるゾンビを澪のデザートイーグルで排除する。きっとあのファイルにあった地下へ逃げた人達だろう、RPDの制服を着ていたゾンビが多かった。

そして律達が言っていた研究室へ続く場所、工場へ足を踏み入れたのだった。

809: 2009/08/04(火) 22:51:51.05 ID:4gB86bovO
Gチーム、うんたんチーム───────。
四人は工場へ行く電車に乗り込んでいた。
もうしばらく寝ていない為、ここで各々睡眠を貪っている。

5分ほどでついてしまったが久しぶりの休息には変わりなかった。誰もまだ休もうなどとは口にしない。時間がないことは皆わかっていたのだ
もたもたしていては人質の命が危ない

律「唯、この電車じゃ外に出れないのか?」

唯「この電車はあくまであそこから工場へ向かう為だけのものだから…」

律「そうか」

四人は電車を出ると更に奥へ向かう

この先の工場から更に地下へ降りた所が研究所となっている

811: 2009/08/04(火) 22:53:30.89 ID:4gB86bovO
狭い通路に久しぶりのゾンビが登場する。
各々が戦闘体勢に入る中律が梓の肩を叩いた。

律「梓、武器がないんだろ?これを使ってくれ」

律は一本のナイフを取り出した

律「レオンが私にくれたナイフだ。梓の身体能力ならこれでもしばらく戦えるだろ。他に何か武装が入るまでの繋ぎにしてくれ」

梓「はい、ありがとうございます律先輩」

レオンさん…。

律「心配するな、レオンは必ず生きてる」

そう力強く言うと律はゾンビ達との戦闘を開始した。

梓「今は…ただ行くだけです…!」

梓もそれに続いた。迷っている時間などもうない

813: 2009/08/04(火) 22:54:51.99 ID:4gB86bovO
だがもう彼女ら相手にゾンビでは役不足過ぎた。二年前初めてそれを見たときは恐怖に戦き(おののき)、必氏になっていた。
だが、今はもう違う。

和「私が切り込む!律、援護して!」

律「はいよ!」

群がるゾンビを切り裂いて道を作る和

和の後ろから迫るゾンビなどを正確に狙い撃つ律

唯「りっちゃん後ろからも!」

挟み撃ちになる形でゾンビが迫り来るも、「私に任せてください!」と梓

梓は舞う様にナイフをふるいゾンビの首を跳ねて行く。

唯「私も援護するよ!ゴッォォォド~ラムゥゥゥ~」

814: 2009/08/04(火) 22:56:08.78 ID:4gB86bovO
しかしゾンビには何の反応もない

唯「効くのと効かないのがあるのかなぁ」

そうしている内に和の刀が鞘に収まる音がした。数にして20のゾンビは僅か2分ほどで全滅した。

和「行きましょう」

そうしてまた四人は歩きだし、工場へと歩を進めた。

────────。

底が見えないほどの大きな空洞の前に四人は来ていた。穴の四方にレールがついてるのを見るとリフトが下がった後の様だ。

唯「うわ~凄いね~底が見えないや」

律「唯~あんまりはしゃいでると落ちるぞ~?」

梓「この下が研究所なんですよね?どうやって行くんですか?」

818: 2009/08/04(火) 23:02:07.23 ID:4gB86bovO
和「多分リフトをまた上に来させる装置がさっきの部屋にあった鍵穴付きのパネルだと思うわ。だからその鍵を探しましょ」

梓「さっき通って来た道には鍵はなかったから他の場所にあるんですかね…」

唯「お~い、穴の内側にドアがあるよ~」

律「とりあえずそこへ行ってみるか」

空洞の内側に階段がついており、 四人はそこを慎重に降りながら扉へ進む。

中は金網の様な地面になっており、その下には剥き出しになった機械が乱列している。

更に奥へ進むとモニターの様なものが何個かあり、そこの下に鍵はあった

819: 2009/08/04(火) 23:02:57.79 ID:4gB86bovO
梓「案外あっさり見つかりましたね。」

和「多分ここがリフトの管理所なんでしょうね。モニターにさっき私達がいた場所も映ってるわ」

唯「あっ!こいつあずにゃんをいじめたやつだ!」

モニターに映っているタイラントを見て指差す唯

梓「ほんとだ…これどこですかね…」

律「さあ?」

和「でもこのタイラントがいる足場って私達が今いる足場にそっくりね。網目上になってるし…」

モニターのタイラントは両腕を組んだまま降り下ろし、カメラを破壊した

そこにはただノイズ音だけ響く

唯「ほえ?」

821: 2009/08/04(火) 23:04:52.14 ID:4gB86bovO
梓「さっきのって私達が通った道じゃ…」

律「そんなわけ…ない…だ…ろ?」

律は静かに地面にうつ伏せになって寝ている。

梓「何やってるんですか…律先輩?」

律「氏んだフリ……」

和「呆れた…」

唯「もしかしてさっきのがここに来るの?!」

和「そうよ、一本道だったからまず間違いなくね…」

梓「この道幅じゃ戦うのも逃げるのも難しい…どうしますか?」

律「氏んだフリ……」

和「隠れる場所もないし…戦うしかないわね」

和はそう言いながら刀を抜いた。この狭さだと居合い切りをするスペースもないからだ

822: 2009/08/04(火) 23:05:56.79 ID:4gB86bovO
道幅の広さは唯が手を広げると壁と壁が触れる程しかなかった。
故にあのタイラントが来れば完璧に道は塞がってしまうだろう。

カツン、カツン、と歩いて来る音がする。

和「律が弾幕でタイラントを怯ませている内に私が奴の足の健を切るわ」

これは二年前和が対タイラント戦で見せた作戦だった。再生能力が備わっているとは言え基本人間に近いBOWであるタイラントの弱点とも言える

5mほど先の曲がり角からゆっくりタイラントが現れる。

律「うりゃっ」

と同時に律は乱射を開始した。

825: 2009/08/04(火) 23:07:55.95 ID:4gB86bovO
さすがのタイラントも2丁のマグナムによる連射は効いているのか歩く速度が鈍くなる

そこへすかさず和が低い姿勢で走り込み足を一閃、しかし和に嫌な手応えが残るだけでタイラントは倒れない

和「まさか…!」

タイラントの切れたズボンからサッカーのレガースの様な鉄のプレートが覗いている。

和「あっちも二年前とは違うってことね……」

タイラントも黙ってやられるわけにはいかないとばかりに拳を繰り出し和を牽制する。

その拳を鮮やかに避けながらも次の手を模索する和

826: 2009/08/04(火) 23:09:07.30 ID:4gB86bovO
そうして和がタイラントを引き付けている時だった。
二人は何か役に立つものはないかと辺りを物色している最中に何かを見つける

唯「あずにゃん、これなにかなぁ」

唯が足元にある木箱の様なものを見て言った

梓「何ですかね、武器かもしれませんから開けてみますか?」

唯「うんうん」

箱の中には何やらバラバラの部品が入っておりその上に説明書の様なものが添えてあった。

唯「すぱぁくしょっと?」

梓「電気を放出する武器みたいですね。組み立ててみましょうか」
唯「うん!」

律「(緊張感ねぇなぁ…)」

827: 2009/08/04(火) 23:10:41.58 ID:4gB86bovO

1分後、

梓「出来た!思ったより簡単に組み立てられましたね」

唯「さああずにゃん!これであの巨人を倒すんだ!」

梓「わかりました!」

律「何やら知らない内に物騒なもの持ってんな」

梓「下がってください律さん!チャージ開始!」

先に二つの電極がついておりそこの間からバチバチと言う音をたてながら電力が溜まっていく

梓「和さん!伏せてください!」

和「えっ?」

タイラントの攻撃を避けていた和が梓の姿を見て一瞬で判断し、地面に低く伏せた

梓「発射ぁ!」

829: 2009/08/04(火) 23:13:20.71 ID:4gB86bovO
────────。

四人は上がって来る筈のリフトの前に座り込んで待っていた。

律「私は現代科学の恐ろしさを垣間見たよ」

和「私もよ…。未だに静電気のせいで後ろ髪が逆立ってるわ」

唯「私達はとんでもない兵器を見つけてしまったかもしれない…なんて」

梓「……」

これらは全て梓が背中に背負っているスパークショットの話だった。

限界まで溜め込んだ電気は電撃と化し、一撃でタイラントを黒焦げにしたのだ。
いくら装甲を厚くしても人間近い故にタイラントは電気に弱いんじゃないか、と梓は考えていた。
梓「(対タイラント兵器……か)」

831: 2009/08/04(火) 23:15:32.13 ID:4gB86bovO
───────。
上がって来たリフトに乗り込み、とうとう研究所降り立った四人

律「ここが研究所…」

和「長かったわね…」

梓「はい…」

唯「うん…」

律「っと感激してる場合じゃなかった!早くGウイルスを探さないと!」

和「ここからはチームで別れましょ。その為にチーム分けをしたわけだしね。唯達は脱出路を確保して。Gウイルスを入手したらそっちに向かうから」

唯「あいやいさー」

梓「わかりました」

律、和は正面の扉へ

唯、梓は右側手の扉へ

最後の捜索が始まった

834: 2009/08/04(火) 23:18:40.17 ID:4gB86bovO
チーム氏神───────

ハンクを抱えながら何とか工場へたどり着いたは良いものの、この下の研究所へ行くリフトは下がったままだった。 だが、1つの書き置きで直ぐ様状況を把握する

澪へ────────
そこに置いてある鍵はリフトのコントロールパネルのものよ。
その鍵を回せばリフトが上がって来るわ。

先に行って待ってるわ



─────────

澪は鍵を使いリフトを上に戻す。その待ち時間にハンクの包帯を変えたりしていた。

ハンク「…………」

ハンクももうあまり体力がないのかほとんど何も喋らない

澪「やっぱりこれは縫わないと駄目だな……」

シェリー「……」

840: 2009/08/04(火) 23:33:06.67 ID:4gB86bovO
ハンクを抱えながらリフトに乗り込む。

シェリー「澪…ハンク大丈夫?」

今までずっと黙っていたシェリーが口を開いた。ハンクの様子と澪の元気の無さから心配になったのだろう

澪「大丈夫、ハンクはこんなことじゃ氏なないよ。ねぇハンク?」

ハンク「…………」

返事は相変わらずないままリフトは地下へ降りていく…。


───────。

地下の研究所につく。ハンクの体力が危ないのですぐ側の休憩室のソファーに横たわらせ寝かすことにした。

澪「シェリー、ハンクをお願いね。私は針と糸を探して来るわ」

841: 2009/08/04(火) 23:33:59.30 ID:4gB86bovO
シェリー「気を付けてね…」

澪「えぇ。」


あの書き置きがあったってことは律達はもうここに来ていて全てを終えているかもしれない。Gウイルスの入手と脱出路の確保、見つけたら手伝ってもらおう

澪「針と糸…後はライターの様なものね…」

火は研究室にアルコールランプがあるはず
針と糸は…あるかわからないけど…探すしかない

律達に遅れること一時間、澪も、研究所で捜索を開始した。


その頃律達は……

843: 2009/08/04(火) 23:34:46.43 ID:4gB86bovO
Gチーム─────

律「ないな~…あるなら絶対研究室だと思ったんだけど…」

和「そうね……この資料によるとGウイルスは紫の液体らしいけど……ここにあるのは全部緑のTウイルスね。」

律「はあ……最後の最後でこれとはな。唯達はもう脱出路見つけたかな」

和「さあね……」

二人はただ黙々と探すが、一向に見当たらない

そんな時だった

「いくらここを探しても見つからないわよ?Gウイルスは」

律和「!?」

声の方に振り向くと拳銃を構えた女性が立っている。

846: 2009/08/04(火) 23:37:19.74 ID:4gB86bovO
律「……あなたは?」

「人に物を聞くとき時はまず自分から、それが社会のルールよお嬢さん」

律「私は田井中律、こっちは真鍋和。わけあってGウイルスを探してる。何か知ってるなら教えてほしいです。これでいいかしらん?」

「……どうやらUSSの奴らじゃないみたいね」

女性は銃を下げる

アネット「アネット・バーキンよ。Gウイルスの産みの親のウィリアム・バーキンの妻でもあるわ」

和「ウィリアム・バーキン……アンブレラでも指折りの科学者…」

アネット「その制服はSTARSね。私を捕まえに来たのかしら?待って……真鍋和……もしかしてあのSTARSの狼?!」

和「……一応そうです」

848: 2009/08/04(火) 23:42:14.97 ID:4gB86bovO
アネット「会えて光栄だわ。上層部は対和用BOWを作れ何て言うくらいよ」

律「何かすげぇな……」

私は無名かぁ…いいけどさ…

和「それはどうも……。いえ、今はS.T.A.R.S.としてあなたを逮捕することより友達の目的を優先します。Gウイルスのありかを知っていれば教えてください」

アネット「……1つ聞かせてもらえるかしら?あなた達はGウイルスを何に使うのかしら?」

律「……家族を助けるためです」

アネット「家族を?Gウイルスで?意味がわからないわ」

和「この子の両親はアンブレラに人質に取られてるんです。その人質との交換条件が…Gウイルスなんです」

アネット「でもGウイルスはUSSが持っていったはず…」

852: 2009/08/04(火) 23:46:17.57 ID:4gB86bovO
アネット「……まさか。…さっきアンブレラにと言ったわよね?」

和「えぇ」

アネット「でもアンブレラはもうGウイルスを入手してるはずなのよ。だからあなた達にわざわざGウイルスを持って来いなんて言わないわ。」

律「ウェスカー…と言う男から連絡があったんだ。Gウイルスを早く持って来いって」


アネット「ウェスカー…アルバート・ウェスカー!やはりあの男だったのね…」

アネットは全てを悟った様に膝をつく

和「ウェスカー……ですって……」

ただ一度だけこくりと頷いたアネット。

アネット「元凶よ、彼は、全ての……ね。恐らくGウイルスの完成を上層部に漏らしたのも彼ね…」

854: 2009/08/04(火) 23:48:33.44 ID:4gB86bovO
うんたんチーム─────

唯「確かこのエレベーターで降りた先に電車があるんだよ~」

梓「それで脱出するわけですね」

唯「ご名答」

エレベーターから降りてしばらく歩くと唯の言う通り電車があった。

唯「ほんとにあった!」

梓「なかったら困りますよ…。でも動くんですかね?」

唯「走らせてみよっか♪」

梓「みんなを置いていく気ですか先輩!」

唯「冗談だよぉ」

梓「とりあえずこれで脱出経路は確保しましたね」

唯「後はみんなを待つだけかぁ~」

858: 2009/08/04(火) 23:52:38.32 ID:4gB86bovO
───────

アネット「……ここにはGウイルスは恐らくないわ。元々Gウイルスはウィリアムが使った物と後二つ、一本はアンブレラが回収したわ、もう一つは…私の娘、シェリーが持ってる」

「シェリーが…?」

それに反応したのは律でも和でもなく、シェリーを知ってる澪だった。丁度研究室に入ってきた所だった

律「澪!久しぶり…とそれよりシェリーって子知ってるのか?」

アネット「あなたシェリーに会ったの!?」

澪「えっ…あっはい…。もしかしてシェリーのお母さん?」

アネット「そうよ!シェリーの母親のアネットよ!シェリーはどこ?」

859: 2009/08/04(火) 23:55:20.61 ID:4gB86bovO
澪「リフトのすぐ側の休憩室にいますけど…」

アネット「どいて!」

アネットは澪を押し退け走って行く、恐らく休憩室、娘のところへだろう

律「なんかよくわかんないけどこれって一件落着じゃないか?Gウイルスはそのシェリーって子が持ってるんだろ?なら休憩室に戻ってGウイルスを受け取ったら脱出経路を確保しているであろう唯達と合流すれば万々歳と」

和「何か上手く行きすぎて怖いわね(それにしてもウェスカー…生きてるとはね)」

律「そうだな……」

澪「残念だけど私の探し物はまだ見つかってないから一緒には行けないんだ」

860: 2009/08/04(火) 23:57:36.55 ID:4gB86bovO
律「探し物?」

澪「ハンクが署長に撃たれて……今は応急措置してるけど、傷口自体を縫わないと…。だから針と糸が必要なんだ。」

律「針と…」

和「糸ね。わかったわ、一緒に探しましょう」

澪「ありがとう」

久しぶりにあった三人だが状況の重さを察して何も話さずに捜索を開始する。

澪「(ハンク……待ってて)」

862: 2009/08/04(火) 23:59:36.60 ID:4gB86bovO
針と糸は案外あっさりと見つかった。と言うより裁縫道具そのものが見つかったのだ。
その裁縫箱にはアネットと名前が彫られていた。
恐らくシェリーのものをここで直したり作ったりしていたのだろう。

それを持ち急いで休憩室へ戻る三人


休憩室────────

シェリー「ハンク…氏なないよね?」

ハンク「」

さっきまでは頻繁に息をしていたのに今では氏んでしまったのではないかと思うくらい息をしてない時があり、慌てて胸に耳をあて心臓の鼓動を確かめると言う作業が続いていた中、「シェリー!」と言う掛け声と共に休憩室の扉が開く

864: 2009/08/05(水) 00:01:36.44 ID:eguWjKy/O
シェリー「マミィ!」

シェリーは母を見た瞬間駆け出し抱き締める

アネット「私のシェリー……ごめんなさい一人にして」

シェリー「ママ……」
その時ずっと沈黙を守っていたハンクが口を開いた

ハンク「……シェリーママに会えたのか。良かったな……」

アネット「!?」

アネットはソファーに寝ているものを凝視する。

そんなアネットを知るよしもなくハンクの元に駆け寄るシェリー

シェリー「ハンク!お腹大丈夫?」

ハンク「まあボチボチって所だ…」

アネット「離れなさい…シェリー」

870: 2009/08/05(水) 00:04:49.15 ID:eguWjKy/O
アネット「離れなさい!」

銃をハンクに向けながらアネットが叫ぶ

シェリー「ママ…?」

ハンク「……そうだったな…。いいんだシェリー、離れてろ」

シェリー「ハンク……」

でもシェリーは離れようとしない

アネットはしびれを切らしもう一度シェリーを呼ぶ

アネット「シェリー、来なさい。そいつは悪い奴なの、……パパの仕事を邪魔して…そしてパパを頃した奴らなんだから!」

シェリー「!!……ハンク……本当なの?」

ハンク「どうやらそうみたいだ…」

ハンクは記憶がないからとその責任を放棄しなかった。
ここで記憶がないと言った所でアネットの気持ちは収まらないであろうことなどわかっているからだ

875: 2009/08/05(水) 00:09:58.93 ID:eguWjKy/O
シェリー「……」

恐る恐るハンクから離れるシェリー

ハンク「(これでいい……どうせもう俺は助からないだろう……なら仇として撃たれた方が意味があるってもんだ…)」

だが、違った。シェリーはハンクを守るように自らの母の前で手を広げる

シェリー「違うわ…!ハンクはそんなことする人じゃない!」

アネット「シェリー……。その人はね、お父さんの仕事を奪い、頃した奴等の仲間なの、危険なのよ?」

シェリー「でも私をここまで守って連れてきてくれたもん!」

アネット「…………」

シェリー「ママは…いつもそうやって私より仕事を優先する…今回だって…。こんな時になっても私を置き去りにして……」

アネット「シェリー……」

シェリー「でもハンクと澪はそんな私を守ってくれたの!会ったばかりの私を命懸けでママに会わせようとしてくれた……だから…」

882: 2009/08/05(水) 00:15:31.48 ID:eguWjKy/O
澪達も休憩室に到着し、一目見ただけで状況を唯一把握出来た澪がアネットに言う

澪「アネットさん…、ハンクは確かにあなたの夫の仕事を奪ったかもしれません。けれどその成果はまた犠牲を産み憎しみの連鎖を作っている…そのこともご存知ですよね?」

澪はアンブレラに荷担しているあなた達も恨まれる対象なのにそれを無視し、一方的にハンクを責めるアネットが許せなかった

アネット「……」

澪「一重に全てのアンブレラの人が悪いとは私も思ってません……けれどそうやって作った物で人が氏んでいると言う事実に目を背けないでください」

アネット「なら私はどうすればいいの……」

澪「……シェリーと、幸せに暮らしてあげてください。仕事は出来れば夕方には終わるような……そして帰って来たら話を聞いてあげてください。学校であったこととかを……」
シェリー「澪……」

887: 2009/08/05(水) 00:26:55.78 ID:eguWjKy/O
澪「人は誰でも何かしらの罪を背負って生きてるんだと思います……私も…そうです」

私のせいで人を殺めてさせてしまった罪は、一生消えないだろう

澪の後ろにいた律も話し出す

律「私もだよ、澪。背負い切れないぐらい…私は罪を犯した」

人を撃ち仲間を傷つけた罪、全て過去のことなんて水には流せない。どんなに仲間が許してくれても、私は忘れないだろう

和「それなら私もよ…。」

澪「和も……?」

和「私の指示や実力が及ばないせいで何人もの人が氏んだわ。それに……忘れてはいけない」

このバイオハザードをプレイする全ての者への、和からのメッセージ

和「ゾンビだって…BOWだって…元は人間なのだから。これは詭弁かもしれないけど…私は斬ったゾンビの数罪を背負って行かなくちゃならないのよ」

そう、忘れてはいけない
彼らもまた無念半ばで半氏した、人間なのだから

890: 2009/08/05(水) 00:30:58.74 ID:eguWjKy/O
残念なことに二つ前に書き溜めはなくなりました。
そしてもう間もなく900……

決断をしないといけませんね
パー速へ行くと言う

901: 2009/08/05(水) 00:39:10.01 ID:eguWjKy/O
澪「でも…私は償うことは出来ると思うんだ。私がそう思ったのは…彼……ハンクのおかげなんです」

アネット「……彼が?」

澪「彼にはその時の記憶がないんです。多分それは本当でしょう。でなければ彼が身を呈して私を守る何てことあり得ませんから。ハンクは……そんな簡単に人頃しが出来るような人じゃない」

彼は署長を撃った際本当に後悔していた。

自分が撃たれるとわかっていても、署長がどんな人間かわかっていても、自分からは撃てなかったのだから

909: 2009/08/05(水) 00:48:45.62 ID:eguWjKy/O
シェリー「ママ……ハンクを……許してあげて」

アネット「…………。シェリー、あなたはいつの間にか大きくなったわね…。パパを撃った人かもしれない人を許せだなんて…」


シェリー「ママやパパがいつも言ってたから……もう一人で決めれる歳になった、だから自分の善悪は自分の気持ちでしっかり考えて決めなさいって」

それはシェリーが私達の様にならない為に言った言葉だった。

自分の言葉を忘れて…それを子供に言われるなんてね…

アネット「……わかったは、シェリー」

アネットは静かに銃を下ろした

917: 2009/08/05(水) 00:58:12.10 ID:eguWjKy/O
澪「アネットさん…」

アネット「でも勘違いしないで。あなたがいくら記憶を無くしていようとあなたの犯した罪は消えない。澪の言う通りずっと背負ってもらうわ」

ハンク「……元より覚悟の上です……」

アネット「ならもし記憶が戻っても、こんなことは二度としないで、約束してくれるかしら?」

ハンク「わかった、約束しよう。こちらからも1ついいか?」

アネット「何かしら?」

ハンク「シェリーをよろしく頼む……。」

アネット「言われなくてもね。シェリーは私の大事な娘なんだから……」

シェリー「ママ……」

律「これで本当の一件落着だな!」

和「そうね、締めもよくていいわ」

アネット「あなた達はまだでしょう?シェリー、ちょっといいかしら」

シェリー「?」

アネットはシェリーの首元にぶら下がっているペンダントを開けると、中から小さな小瓶を取り出した

922: 2009/08/05(水) 01:06:45.92 ID:eguWjKy/O
アネット「Gウイルスよ。あなたの家族をこれで助けてあげて」

律「……でも…それがまた悪用されたら…」

アネット「大丈夫よ……彼のことは良く知っているから。」

律「どう言う意味?」

アネット「このGウイルスを使って何かしようなんて思ってないわ彼は」

和「そうね、大方みんなで競わせてそれを楽しんでたってとこかしら。Gウイルスは言わば家族と言う名の景品を交換出来るチケット……てところかしらね。言い方は悪いけど」

律「和……ウェスカーのこと知ってるのか?」

和「ただのS.T.A.R.S.の面汚しよ」

929: 2009/08/05(水) 01:15:57.95 ID:eguWjKy/O
ハンク「げっふげっふ!あの、空気読まないようで悪いんだが……そろそろ限界……」

澪「あっ!ハンクの治療忘れてた!」

ハンク「えっ……?それ最優先事項だろ普通…」

アネット「そう言えばその裁縫箱は…」

澪「はい、研究室にあるのを借りて来ました。ハンクの脇腹の傷口の血が完全に止まらないので縫おうと思って…」

アネット「貸しなさい。私がやるわ」

ハンク「おいおい縫うなんて冗談だろ…?」
澪「シェリー、押さえつけるぞ」

シェリー「うん♪」

二人でハンクを押さえる

ハンク「えっ……本当に縫うの?縫う流れなのこれ?」
律「……」
さっきの話をまだ深く考えてる様子の律にアネットは言った。

アネット「あなたなら大丈夫よ、シューテングスター田井中律」

律「!!わ、私にもあったんだ……」

和「えっ、そこ喜ぶところかしら?」

933: 2009/08/05(水) 01:24:11.90 ID:eguWjKy/O
痛々しいハンクの手術が終え皆唯達がいるこの下のプラットフォームへ行こうとした時だった。

バンッ!

急に勢いよく休憩室の扉が開く

梓「問題発生です!大変です!」

唯「大変なんだよ!って……あり?何か物凄いいっぱい人がいる……」

律「まあ来たときは四人だったから当然の反応だな。で、どうした?」

梓「あぁ~もうとにかく来てください!細かい話は後にしましょう!」

梓に急かされるまま全員プラットフォームへと続くエレベーターに乗り込む形となった

澪「しかし唯はともかくいつも冷静な梓がこれだけ慌ててるってことは」

律「……でもまだランク的には2番目だよな。もし和がこのテンションで来たら私は氏を覚悟するよ」

和「さりげに失礼よね律って」

律「そうか?」ニコ

澪「(あれ?何か前より仲良くなってる気が…)」

944: 2009/08/05(水) 01:34:40.32 ID:eguWjKy/O
プラットフォームへついた一同は電車の前に集められた。

澪「で、何が大変なんだ?」

律「こう言うのは常に最悪の事態を想定して聞くんだよみんな。そうだな~この事態で一番最悪って言ったら電車が動かない、かな!」

唯「ピンポーン!大正解!」

梓「律先輩が先に言ってくれて良かったです。これでみんなのショックもやわら……」

他一同「な、なんだってー!?」

澪「まさか本当に一番最悪な事態が起こるなんて……」

和「マジで?!」

律「さて、氏んだフリ……」

シェリー「ママ、電車動かないとどうなるの?」

アネット「そうね……簡単に言えばシェリーの好きなアニメが何回も何回も同じ内容を繰り返し放送されるくらい大変ね」

シェリー「やだー!」

ハンク「俺の生還無駄wwwwww」

948: 2009/08/05(水) 01:40:23.33 ID:eguWjKy/O
アネット「ふざけてる場合じゃないわ。電気系統は問題ないのお二人さん?」

梓「はい、マニュアル通りに立ち上げましたから。プラグもセットされてます」

アネット「話のわかりそうな子で助かったわ。ちょっと中の様子を見るわね」

唯「おばさんわかるんですか?」

アネット「アネットよ天然ちゃん。次言ったらGウイルス射ち込むから」

律「こわっ」

アネット「冗談よ」

ハンク「ヘイナイスアメリカンジョーク!」

シェリー「イェーイ!」

パンッ

澪「え、何でハイタッチ……」

律「日本人にはわからない空気だな…」

唯「イェーイ!私も私も~」

和「唯ってハーフだったかしら…」

律「天然恐るべし……っ」

951: 2009/08/05(水) 01:48:33.09 ID:eguWjKy/O
──────。

アネットは一通り見て回るすぐに動かない原因を弾き出した。

アネット「単純に電力が足りないのと老朽化によるブレーキの故障……辺りかしら。」

ハンク「他にもあったぜ。オイルが不足してるのと電線ケーブルが漏電してる」

アネット「あなた記憶は……」

ハンク「体が覚えてるってやつだな。見た瞬間気付いたんだ」

アネット「あなたイケる口ね」

ハンク「それほどでも」

律「足りないものだらけだな…とりあえず手分けして探すしかないか」

アネット「その必要はないわ。あなた達は他にやることがあるでしょ?こっちの事は私達に任せてくれないかしら?」

澪「私達と言うと?」

アネット「私にシェリーにハンクよ」

ハンク「俺も?」

アネット「人手が足りないのよ。それに知識がある人じゃないと」

952: 2009/08/05(水) 01:54:41.27 ID:eguWjKy/O
ハンク「怪我人をこきつかいやがるぜ…わかったよ。やればいいんだろやれば」

アネット「シェリーは材料を集めて来て。このプラットフォーム内にあると思うから」

シェリー「わかった!」

アネット「ということよ。私達が電車を直している間あなた達は律の家族を助けに言ってあげて」

律「アネット…」

ハンク「嬢ちゃんなら出来るさ!澪の恋人だろ?」

澪「ハンクっ///」

律「みんな…私の為にすまない」

唯「私のお父さんやお母さんも捕まってるんだから当然手伝うよりっちゃん!」

梓「軽音部の仲間として当たり前です」

和「大事な友達の頼み何だから、断れないわ」

澪「行こう!律!」

律「うん!」

953: 2009/08/05(水) 01:56:56.35 ID:eguWjKy/O
アネット「プラットフォームの一番奥にあるエレベーターを使いなさい。あそこは地上と直轄してるわ。このキーで動くはずよ」

律「何から何までありがとう!」

アネット「その代わりと言っては何だけど、プラットフォームにいるゾンビ達の退治は任せたわよ」

律「了解!」

955: 2009/08/05(水) 02:05:41.34 ID:eguWjKy/O
二人ツーマンセルになりプラットフォーム内のゾンビを一掃するために走り回るみんな

律のペアは澪だった。

律「あちゃ~これは多いな~」

澪「ほんとだね」

気づくと律と澪がゾンビに囲まれてしまっている。
澪「あ、そうだ、これ」
律「ん?」

澪は紬邸で拾った黄色いカチューシャを律に手渡した

律「お~!これ私のじゃん!よく見つけたね!」
律は直ぐ様それを頭にかける。懐かしい軽音部時代の律がそこにいた
澪「ずっと渡しそびれちゃってさ」

律「サンキューな!澪!じゃあそろそろ行きますか!」
澪「うん!」

律と澪は銃を構えながらお互いの背と背を合わす。二人でいる限り、もう誰にも負ける気はしなかった
二人はゾンビ達に向けていい放つ

律&澪「shall we dance??」

ラクーンシティ編

956: 2009/08/05(水) 02:07:20.96 ID:ckww9ICf0
いい終わり方 良かった

ていうか続くのか?

958: 2009/08/05(水) 02:10:02.03 ID:eguWjKy/O
唯「バイハザ!」ラストエスケープ

近日

……あかんか

970: 2009/08/05(水) 02:19:36.99 ID:eguWjKy/O
今日は終わりで
多分次はそんな長くないので
でもさすがに次は待たせたら悪いな……とか思って早立てしたりしません
ちゃんと書き溜めてないと逆に迷惑がかかりますから

次また立てたらさすがに荒れるかもしれませんが……待ってくれている人がいるなら完結させてこそだと思うので
言葉足らずで本当に申し訳ないです

973: 2009/08/05(水) 02:21:31.37 ID:Y7tpd711O

984: 2009/08/05(水) 02:30:03.98 ID:eguWjKy/O
じゃあまた唯、や「、で検索して見つけた時はよろしくお願いします

題材は
唯「バイハザ!」ラストエスケープ

だと思います

全書き溜めた後VIPでってことで

987: 2009/08/05(水) 02:32:07.94 ID:K8V4WkpEO
乙!楽しみにしてるよ!

引用元: 唯「バイハザ!」ラクーンシティ編