1: 2011/05/26(木) 23:03:29.41 ID:MbpR4b7H0
唯「いくらなんでも難しすぎない?」
澪「わかる、なんていうか習得にはある程度の才覚が必要っていうか」
律「やっべー今日の講義いきたくねー」
紬「私課題全然おわってない……」
澪「ムギですらお手上げか……私もわからないとこだらけだ」
唯「だねー。でも先生可愛くない?」
律「そうかー?」
唯「かわいいよー」
紬「ていうか履修してるの私たちだけって……」
唯「そりゃこんなに難しかったら誰もとらないよねー」
澪「ほら、もうすぐ一限目はじまるぞ。急がなきゃ」
3: 2011/05/26(木) 23:07:45.17 ID:MbpR4b7H0
教室
唯「おはようございまーす」
梓「にゃお! にゃあ、にゃああにゃにゃん!!」
澪「にゃ、にゃあにゃにゃあ」
梓「にゃああにゃにゃん!!」
律「にゃ、にゃあにゃにゃあ?」
梓「チガウ、モット、チカラ、ヌイテ」
唯「にゃああにゃにゃん!」
梓「ヒラサワサン、イイデスネ」
唯「やった!」
紬「にゃああおにゃにゃお……!」
梓「コトブキサン、アマリ、マキジタ、ヨクナイデス」
紬「は、はい……じゃなくて、にゃぁ」
5: 2011/05/26(木) 23:12:00.94 ID:MbpR4b7H0
梓「サテ、シュクダイ、見セテモライマス」
澪「それが……あの」
梓「?」
律「あんまり終わってないというかですね」
紬「……」
梓「オウ、ナゼデス? ヤルキネーノカ、デス」
紬「あまりに難しくて……」
梓「にゃああにゃああにゃあにゃにゃにゃああ????」
澪「ごめんなさい、何言ってるかわからないです」
梓「コレダカラ、ニホンノ、ガクセイハ」
律「す、すいません……」
梓「マダ、キソノ、キソ、デス」
澪「それはわかってるんですけど……もう無理です」
唯「……」
8: 2011/05/26(木) 23:16:01.91 ID:MbpR4b7H0
律「わるいんですけど、今度の履修の再登録で……その」
梓「!」
紬「私、ドイツ語にうつります」
唯「えー」
澪「私もです……言語は必修だから単位落としたくないし……」
律「だな……いまからでも他の言語にしたほうが良さそう」
梓「……ワォ」
唯「みんな待ってよ! どうしてー」
澪「唯は続けるのか?」
唯「えっ……それは……」チラッ
梓「……ぐす」
唯「……うん、私、もうちょっと頑張ってみる」
澪「そっか……」
梓「ヒラサワサン……アナタハ」
唯「これからもいろいろ教えてください!」
12: 2011/05/26(木) 23:20:29.99 ID:MbpR4b7H0
澪「では、先生。ありがとうございました」
梓「……ワカリマシタ」
梓「ミナサン、オゲンキデ」
律「さよなら先生」
紬「さようなら」
唯「大丈夫ですよ! 私がいますから!」
梓「ハハ、ソデスネ」
唯「にゃんにゃん♪」
梓「にゃおおにゃにゃにゃん♪」
唯「にゃ~~ん、にゃぉんにゃん」
梓「にゃにゃーにゃん♪」
唯「にゃにゃにゃああん」
梓「キョウノ、レッスンハ、ココマデデス」
唯「はーい」
15: 2011/05/26(木) 23:25:29.01 ID:MbpR4b7H0
その晩
澪「どうして唯は残ることにしたんだ?」
律「唯なら楽な方へ楽な方へ流れるかとおもったけど」
唯「実はね……私にはしたいことがあるの」
紬「なぁに?」
唯「むふふ。みんなはしってる? アズニャンランドの裏って」
律「えっ、おい、ちょっとまて」
唯「りっちゃん、お察しのとおりだよ。そのためにいまコツコツバイトしてるんだ」
澪「?」
唯「私はね、ひととおりあずにゃん語がしゃべれるようになったら……」
唯「アズニャンランドの秘密の売春宿にいくんだよ!!」
唯「そこではこっちの法律では禁止されてるような幼い子とやりたい放題! まさにこの世の楽園だね」
唯「それも格安って噂! こりゃいくしかないでしょ!!!!」
唯「うはー、早くヤりたいなー!!」
19: 2011/05/26(木) 23:31:26.86 ID:MbpR4b7H0
澪「な……おい唯」
唯「なあに澪ちゃん」
澪「なぁにじゃない。お前そんなことのためにあずにゃん語を……」
唯「いいじゃん別に。澪ちゃんたちは目標がないから続かないんだよ」
澪「ぐ……」
唯「あずにゃん語ができる日本人って超モテるらしいよ???」
紬「……そ、そうなんだ」
唯「道あるいてるだけでひっぱりだこ! あの超可愛いあずにゃん達からだよ???」
律「何情報だよそれ」
唯「ネットで見たもん。物価も安くて数万円で一ヶ月近く滞在できるってさ」
澪「そ、そうか」
唯「えへへ。まぁその前にあの教授食うけどね」
唯「なんか思ったよりガードゆるそうだし、マンツーマンは絶好のチャンスっぽいね」
唯「その点ではみんなに感謝してるよ」
唯「ありがと~~」ニコニコ
22: 2011/05/26(木) 23:38:06.78 ID:MbpR4b7H0
二ヶ月後
唯「そろそろいってくるよ。パスポートオッケー荷物オッケー」
梓「ホントニイクンデスカ?」
唯「うん、前から言ってるじゃん。見識を広めるための旅行だって」
唯「学生の間しかこんなことできないからね!!」
梓「ワタシ、トテモ、サミシイデス」
唯「また帰ってきたら相手してあげるからさ、あずにゃん」
梓「にゃあ……」
唯「……ふふ」ニヤ
唯「にゃあ、にゃあにゃあ♪(愛してるよ)」ボソボソ
梓「にゃにゃっ!!?」
唯「にゃにゃーにゃ、にゃんにゃん(いい子で待ってるんだよ)」ボソ
梓「ふにゃあ///」
唯「くく……じゃあね。あずにゃん」
27: 2011/05/26(木) 23:44:59.91 ID:MbpR4b7H0
ビューン
唯「ふふふ……はやくヤりたいなー」
唯「おっと、もうそろそろ着くのか」
唯「だいぶ高まってきたよ」
唯「……うちの梓でそこそこ練習したし、恥をかくことはないよねきっと」
唯「やっぱヤルなら若い子でしょ♪」
入国審査
梓「アナタノ、旅ノ、モクテキハ?」
唯「はい! 観光と勉学です!」ニコッ
梓「ヨロシイ」
唯「えへへ」
唯(……すごいよ……ほんとにあずにゃんだらけだ。やっぱ本場はチガウなぁ!!)
32: 2011/05/26(木) 23:50:29.39 ID:MbpR4b7H0
唯「たしかネットの情報だと、本通りから横に三本はいって……こっちだねたぶん」スタスタスタ
唯「むふふふふ。都会じゃなくても可愛いあずにゃんがゴロゴロしてるね。歩いてるだけで目のやり場にこまるよ」
唯「やばいよー、一発いくらでヤらしてくれるかなー」
唯「うわ、あのあずにゃんの服工口っ」ジロジロ
梓「……?」
唯「てへへ、失敗失敗。蔑むような目でみられちゃった」
唯「けどもう会うこともないし、旅の恥はかき捨てっていうしね」
唯「おー、君も可愛いねぇー」ニコニコ
梓「……?」
唯「あははっ、言葉わかんないか。ユーアー、ベリー、工口ス!」
梓「?」
唯「……へへ、教養がないあずにゃんも素敵だよぉ」
36: 2011/05/26(木) 23:55:26.45 ID:MbpR4b7H0
裏通り
唯「……こ、ここかなぁ? なんか薄暗くて気味悪いとこだね」
唯「あのー……ここで幼あずにゃんとできるって聞いたんですけどー……」
唯「だれかいませんかー……?」
梓「コレハコレハ」
唯「!」
梓「日本カラノ、オ客様」
唯「日本語わかるんだ!」
梓「色欲ニマミレタ日本人、ヨククル」
唯「てへっ、もーしわけない♪ で、ここでヤれるってのは?」
梓「ソレ、ホント。タダシ、オ金イル」
唯「お金ならあるよ」ニヤッ
梓「話ワカル、ワタシ、ウレシイ」ニヤッ
唯「なら早く早く♪」
40: 2011/05/27(金) 00:00:22.60 ID:LJGMdxgy0
梓「タダシ! 使用料、モラウデス」
唯「おいくらで?」
梓「140アズニャンドル、イタダク、デス」
42: 2011/05/27(金) 00:07:31.98 ID:LJGMdxgy0
唯「安いかな? 日本円で1万円くらいかー」
梓「コレデ、アナタハマスマス楽シイ、ワタシ、嫌ナ顔シナイ、イイコト、ダラケ」
唯「あーなるほど、これの使用料払わないとそもそもダメってことね。わかったわかった」
唯「ま、これからのこと考えると安いもんか」
梓「話ワカル、タスカルデス。支払イハ、帰ル日ニ、返却ト一緒ニ、ヨロシクデス」
唯「はーい! ありがと~」
梓「デハ、ツイテ来ルデス。娼館ニ、案内スルデス」
唯「やっとだ……むふ、むひひひひ」
梓「にゃふふふ。金ハ、コノ世ノ、全テデス」
唯「同意だね、くく」
梓「オ金アレバ、生活困ラナイ、コノ街、潤ウ」
唯「ならより良いあずにゃんを紹介することだね……」
唯「私がお金を落としたくなるような……とびっきりの上玉をね……ふふふふふ」
唯「あーはっはっはっは!!!」
45: 2011/05/27(金) 00:12:46.35 ID:LJGMdxgy0
娼館
梓「入ルデス」
唯「どもー、うわっ、古臭い建物だね」
梓「ココデ私ノ案内、オワリ」
梓「アトハ自由ニ、スルデス」
唯「ありがとさんさん」
梓「コノ先、日本語、通ジナイ。あずにゃん語、喋ル、イイデス」
唯「……にゃお(了解)」
梓「ユックリ、シテイクデス。オ客様……ククク」
唯「……と、ついにきたのものの」
唯「システムがわかんないなー。どこにあずにゃん達いるんだろう」
唯「にしてもきったないロビーだなぁ……」
唯「まぁ堂々とできない商売だから仕方ないか」
唯「……おーい、誰かいないのー? じゃなくて……にゃー、にゃにゃんーにゃんにゃにゃん!」
58: 2011/05/27(金) 00:31:50.32 ID:LJGMdxgy0
唯「……さてと、どの子にしようかな」
梓「それぞれ値段がちがうのでご注意を」
唯「じゃあとりあえず10歳の子で様子見」
梓「一回40アズニャンドルいただきます」
唯「やっすーー」
梓「では、部屋はどうします?」
唯「どうするって、どういうこと?」
梓「二階にプレイルームを用意してますが、外に連れ出すこともできますよ」
唯「外かー」
梓「その場合は追加で20アズニャンドルいただきます」
唯「とりあえず初日だからプレイルームってのを使わせてもらおうかな、それはタダなんでしょ?」
梓「はいです」
唯「ほらいこー?」
梓(10)「にゃっにゃっ」
62: 2011/05/27(金) 00:36:11.16 ID:LJGMdxgy0
プレイルーム
唯「むひひひひひ、あははっははっはは」
梓「……」
唯「ついに……ついにこの日がきたよおおおお!!」
梓「……」
唯「ここならうるさい奴らの目も届かない! やりたい放題!」
梓「……あのぅ」
唯「なんだいあずにゃん」
梓「……よろしくおねがいします……」
唯「うふふ、緊張しなくていいよ? お姉さん優しくしてあげるからねー」ナデナデナデナデ
唯「むひひひひひ、あははっははっはは」
梓「……」
唯「ついに……ついにこの日がきたよおおおお!!」
梓「……」
唯「ここならうるさい奴らの目も届かない! やりたい放題!」
梓「……あのぅ」
唯「なんだいあずにゃん」
梓「……よろしくおねがいします……」
唯「うふふ、緊張しなくていいよ? お姉さん優しくしてあげるからねー」ナデナデナデナデ
79: 2011/05/27(金) 00:55:52.87 ID:LJGMdxgy0
唯「……はぁ」
梓「どうかしましたか?」
唯「んーん、なんでも。きょうはちょっとこの国来たばっかで時差ぼけひどいから帰るよ」
梓「そうですかー」
唯「じゃあお金、はい。どうぞー、お疲れ様」
梓「♪」
唯(こりゃ勉強代だね……仕方ない)
梓「ありがとございましたー♪ またきてくださいねー」
唯「ほーい」
外
唯「観光でもしようかな、せっかくだしね」
唯「あーやだやだ、何ヶ月も前から意気込んでたのに、出鼻くじかれちゃって悔しい」
84: 2011/05/27(金) 01:06:05.27 ID:LJGMdxgy0
唯「一応観光ガイドとかあるし、あずにゃん語もそこそこしゃべれるし」
唯「なんかこうなると普通の渡航者だね」
唯「ガイドブックあったかな」
唯「えー、名物料理はと」
唯「タイヤキかー」
唯「露天で変えるかな」
唯「っと、宿かホテルも探さないと」
唯「初の一人旅だからいろいろ大変だ」
唯「あ、タイヤキ屋かな? すいませーん」
梓「はい?」クルッ
唯「!!」
梓「いらっしゃいませ」ニコッ
唯「!!!」ズキューン
梓「タイヤキお一ついかがですか?」ニコニコ
88: 2011/05/27(金) 01:11:42.06 ID:LJGMdxgy0
唯「あ、あの……」
梓「あら、外人さんですか? ようこそアズニャンランドへ」
唯「えっと……タイヤキ」
梓「はい、どの味がいいですか?」
唯「おすすめは?」
梓「普通のあんこです。とってもおいしいんですよ」
唯「じゃあそれ……おひとつくださいな」
梓「はいどうぞ♪ 20アズニャンセントになります」
唯「は、はい」チャリ
梓「ありがとございました♪」
唯「はああああっうううううう」
唯(な、なにこの感情……か、顔がまともに見れない……あう)
唯(可愛い……可愛いなんてもんじゃない……)
唯(やばい……どうしよう……わかんないよ……こんな気持ちはじめて)
92: 2011/05/27(金) 01:15:55.01 ID:LJGMdxgy0
唯「……もぐもぐ、うまい!!」
梓「えへっ、どうもです」
唯「こ、これ君がつくったの?」
梓「ええ」
唯「……すごく、おいしかった……もう一個!」
梓「はい♪」
唯「もぐもぐもぐもぐ」
梓「外人さんはどちらから? あずにゃん語お上手ですね」
唯「わ、私は……日本って国から……その、観光旅行ていうか勉強で」
梓「わぁ、ご立派なんですね」
唯「うっ……」ズキ
梓「いつまでいらっしゃるんですか?」
唯「えっと、当面のお金がなくなるまで……」
梓「そうですか。あ、私そろそろ就業時間なのでこれで失礼しますね。またいらしてください」
唯「う、うん……ごちそうさま……」
95: 2011/05/27(金) 01:20:08.60 ID:LJGMdxgy0
ホテル
唯「ほけー……」
唯「……」
唯「……」
唯「……なにしにきたんだっけ私」
唯「えへへ……いま私絶対気持ち悪い顔してる」
97: 2011/05/27(金) 01:25:06.86 ID:LJGMdxgy0
唯「うく……かわい、かわいいよおおっ、だめだよ」
唯「そんな風にあんこ塗っちゃだめええええっ」
唯「あああん、かわいくてかわいくて、汚すこともできない天使なのに……っ!!」
唯「私のここは……ッ! こんなにも……・正直で!!」
唯「ああああっ、あずにゃああああああん!!」
ビュクルビュクビュク!
唯「はぁ……はぁ……生でヤりたーい……」
唯「……けど……」
『ありがとございました♪』キラキラキラキラ
唯「……ううう、汚せない……私なんて触れることすら許されないよ」
唯「……あぁ、ホテルとまって自分で慰めるなんて滑稽」
唯「けどいまさら安い風俗とか、ろくに手出しできない売春宿なんて行く気おきないし」
唯「私はこの国でどうしたらいいのーーー!!!!」
102: 2011/05/27(金) 01:36:34.55 ID:LJGMdxgy0
翌日
唯「ふぁ~、良く寝た」
唯「あ、そうだ、朝食バイキング~」
唯「んほ、うまっ、絶品!!」
唯「このお肉はっ、舌の上でとろけるようなやわらかさ!! んひ」
唯「野菜はこの国でとれたやつかな、シャキシャキしてておいひー」
唯「バナナジュースも臭みがなくて飲みやすいし、健康にもバッチリ」
唯「最高!!」
唯「さてと、腹ごしらえもすんだし」
唯「昨日一発抜いたから性欲もほどほど」
唯「いい観光日和になりそうだね」
唯「フロントに鍵あずけて、さっそくいこっと!」
唯「今日はこの街を散策だー」
108: 2011/05/27(金) 01:43:11.60 ID:LJGMdxgy0
……
唯「市内散策といいつつ」 コソコソ
「タイヤキおひとついかかですかー」
「焼き立てですよーおいしいですよー」
唯「ここへきてしまうのでした」
唯「はうー、可愛いなぁ……遠目からでも天使っぷりが伺えるよ」
唯「もう、みんなもっと買ってあげてー」
唯「……さて、どう近づいたものか」
唯「……って普通に買えばいいんじゃん」スタスタ
唯「どもー」
梓「あっ! いらっしゃいませ♪」ニコッ
唯「てへへ、また食べたくなって」
111: 2011/05/27(金) 01:48:30.41 ID:LJGMdxgy0
梓「はい、今日は何味にしますか?」
唯「えっとねぇ、じゃあカスタードとチョコもらおうかな」
梓「すいません、チョコは少々お時間いただきます」
唯「えへっ、いいよいいよその方が好都ご……いやなんでもない」
梓「では、焼かせていただきます」
唯「ほーい」
唯(にしても、あんまりはやってないのかな……全然お客さんこないよ)
唯「もぐもぐ」
唯(カスタードも……おいしいのに)
梓「せっせ」
唯(かわい~~~一生懸命になっちゃって)
唯(何歳くらいかなーあずにゃんって年齢わかりにくいよ)
唯(もっとお話したいなー)
117: 2011/05/27(金) 01:57:46.33 ID:LJGMdxgy0
唯「ねぇねぇ」
梓「はい」
唯「君何歳?」
梓「あ、私は17です」
唯「へー、17でお店もってるんだ」
梓「はい。お金もないので」
唯「そっかーすごいなー」
梓「外人さんはおいくつですか?」
唯「私は18だよー」
梓「へぇ、一個上なんですか」
唯「それと、名前は唯っていうの。えっと、こういう字かくの」カキカキ
梓「唯ですか。いい名前ですね」
唯「ありがと」
梓「もうすぐ焼けますので待っててくださいね」
唯「うん!」
120: 2011/05/27(金) 02:00:47.53 ID:LJGMdxgy0
梓「ふんふ~ん♪ はいどうぞ」
唯「わぁいっただきまーす」パクリ
唯「あひゅっ」
梓「もうっ、気をつけてくださいよ。はいお水」
唯「んぐんぐ。ありがと」
唯「熱いけどおいしーー」
梓「ありがとうございます」
唯「にしてもお客さんこないねー」
梓「えっ……」
唯「あ、ご、ごめん……」
梓「あっ……いえ、ほんとのことですので」
唯「……こんなにおいしいのに」
梓「……」
唯「タイヤキってこの国ではポピュラーな食べ物なんでしょ?」
梓「……えぇ、ですが……実は」
124: 2011/05/27(金) 02:05:20.81 ID:LJGMdxgy0
唯「どうしたの」
梓「窓の向こうをごらんください」
唯「ん? わぁ立派な建物があるね! すごーい!!」
梓「こないだリニューアルオープンした大手タイヤキチェーンの本店です」
唯「え」
梓「……」
唯「そ、そっか……」
梓「こんな汚くて小さい店……流行るわけないですよね……」
唯「……あずにゃん」
梓「設備も古いし、お店の塗装は禿げてるし、人もいないし」
唯「……」
梓「でもいいんです。ほそぼそとした生活でも毎日楽しく暮らせたらそれで幸せですから」
梓「私はタイヤキをつくってるだけで幸せ……ですし……」
唯「……そんな」
梓「……お買い上げありがとうございました……またのご来店お待ちしております……」
128: 2011/05/27(金) 02:10:47.58 ID:LJGMdxgy0
唯「……もう一個たべたいな」
梓「えっ」
唯「たべたい。つくってくれる?」
梓「も、もちろんです!!」
唯「えへへ。お願いしまーす」
梓「……はい!」
唯「よし、私はその間!」
梓「?」
唯「その制服もう一着ある? 客引きしてみる!」
梓「えっ?」
唯「ほらほらー」
梓「でもっ、お客さんにそんなこと」
唯「私がやりたいのー! だってこの国の文化の勉強にきてるわけだし、なんでも経験してみたい」
梓「そ、そうですか……じゃあもってきます」
131: 2011/05/27(金) 02:13:59.07 ID:LJGMdxgy0
……
唯「んぐ、ちょっと小さいかな」
梓「あ、そ、そうですね……」
唯「胸のあたりとか」
梓「あう……」
唯「うそうそじょーだんだよぉ」
唯「さてと、タイヤキおひとついかがですかー!?」
唯「おいしいおいしいタイヤキだよーー!」
唯「焼き立てだよー! うまいよー」
梓「……」
梓「……ふふっ」
唯「安いよー! うまいよー! あっつあつだよー!」
梓「……ありがとうございます」
梓「よーし! がんばってつくるぞー!」
132: 2011/05/27(金) 02:19:36.46 ID:LJGMdxgy0
夕方
唯「はー、疲れたー」
梓「なにもこんな時間まで手伝ってくれなくても……」
唯「いいよいいよー暇だし」
梓「あ、お給料……すぐに」
唯「のんのん。それはうけとれないね」
梓「でも……」
唯「なによりおいしいタイヤキごちそうしてくれたし!」
梓「そう……ですか」
唯「昼から結構お客さんきたよねー」
梓「そりゃあこんな美人な外人さんが売り子やってたら……モニョモニョ」
唯「えっ?」
梓「な、なんでもないですっ!!」
唯「なんか顔赤いよ? つかれた?」
136: 2011/05/27(金) 02:26:46.91 ID:LJGMdxgy0
梓「今日はありがとうございました」
唯「たのしかったー」
梓「……その、よければ……」
唯「?」
梓「夕飯とかご一緒にどうですか?」
唯「おお! いいの!?」
梓「はい……まぁ、そんなにいいものはご馳走できませんけど」
唯「じゃあ遠慮無く~~」
梓「二階にどうぞ」
唯「あ、このお店に住んでるんだ」
梓「はい一階部分を店舗にしてるだけです」
唯「へー、小さいけど一人で切り盛りしてるんだから立派なもんだよ」
梓「どもです……」
「へい、お楽しみのとこ悪いデスがー」 「ちっ、相変わらずきったない店デス」
「もうちょっと稼いでもらえないデスかねー」 「おらぁ! さっさと今月の分払うデス!!」
137: 2011/05/27(金) 02:31:09.11 ID:LJGMdxgy0
梓「!」
唯「な、何この人たち……」
「おいおいおー、こりゃとんだぺっぴんさんデス」
「ねぇちゃん。私たちとイイコトしないデス?」
「この外人さんのおかげで今日は随分潤ったんじゃないデスか?」
梓「あわわわわ……」
唯「や、やくざだー!!」
「やくざじゃねーデス。こう見えてもまっとうな取立て、ゴホン。請求にきただけデス」
梓「こ、今月はもうぎりぎりで……ごめんなさい。もう少しまってくれませんか……」
「そりゃーこまったデス」 「こっちにも生活があるデスー」
「なら肩代わりにそこのご立派なタイヤキ機でももらっていくデス」 「それがいいです」
梓「あっ! そ、それだけはっ!!!」
141: 2011/05/27(金) 02:36:56.51 ID:LJGMdxgy0
唯「……」
「それともそっちの美人さんをもらっていくデス?」
「それがイイデス!」
梓「あっ、いやこの人はお客さんで」
唯「……」
「それがいやならさっさと4000アズニャンドル雁首揃えて渡すデス!」
梓「えう……」
唯「4000アズニャンドルでいいんだね?」ゴソゴソ
唯「……ほれ」 ペシン
「おおっ!!」 「生金デス!!」 「うひょー!」 「外人は金持ちデス!!」
唯「……行きなよ」
唯「もうこないでね……」
149: 2011/05/27(金) 02:43:47.14 ID:LJGMdxgy0
唯「……」
梓「あっ、あの、お客さん……」
唯「唯、だよ」
梓「……どうして」
唯「……なんでだろ、なんか、放っておけなくて」
梓「あんな大金……私、どうしたら」
唯「気にしなくていいよ。私がやりたくてやったことだし」
梓「でもだめですよ! お金ってそんな簡単に」
唯「うん、知ってる」
梓「……」
唯「たくさんバイトして苦労して手に入れたお金だった……でもね、だからこそ好きなことに使っていいんだよ」
唯「恩を売ったつもりもないよ。どっちみちこの国で使い果たすつもりだったから」
梓「……」
唯「変なことばっかして無くなっちゃうくらいなら、多少かっこつけたほうがキモチいいかなって……えへへ」
梓「……私……感謝してもしきれませんし……」
157: 2011/05/27(金) 02:50:20.79 ID:LJGMdxgy0
唯「さてと、晩ご飯たべたいな」
梓「あ、はいっ! ただいま用意いたします!!」
唯「そんなにかしこまらなくていいよー」
梓「でもですねっ、昨日今日あったばかりの人にこんなご恩」
唯「じゃあさ、私をここで少しでいいから働かせて?」
梓「えっ」
唯「間違えて帰りの飛行機代も渡しちゃった。失敗失敗」
梓「……それくらいなら、家中のお金かきあつめたらすぐ」
唯「違うよー。私もこの国でお金稼ぎがしたいのー」
梓「……」
唯「いいでしょ?」
梓「わ、わかりました。しばらくの間お願いします」
唯「やった♪」
梓「……ありがとうございます」
唯「そんな顔しないでー、せっかく借金もなくなったんだから笑顔でいてよー」
160: 2011/05/27(金) 02:55:58.81 ID:LJGMdxgy0
二階
唯「ほえー、思ったよりせまい」
梓「すいません……散らかってて」
唯「いいのいいの」
梓「卵料理でいいですか?」
唯「うん!」
梓「はい、先にお茶どうぞ」コトン
唯「……あ゙」
梓「?」
唯「ホテル代精算しないとやばい! 残金で払えるかな……ちょ、ちょっと荷物とってくるー!!」
梓「えぇっ!? じゃあどこで寝泊りするんですか」
唯「こ、ここ! お願いします!!!」
梓「!?」
唯「ご飯は食べるから~~~まってて~~~!!」スタコラ
169: 2011/05/27(金) 03:02:54.48 ID:LJGMdxgy0
梓「……いっちゃった」ポカーン
梓「……クス」
梓「なんだか騒がしくなりそう」
梓「お父さん、お母さん」
梓「私、諦めずにこの店で頑張ります」
梓「だから心配しないで……見守っててください」
梓「気になる人もできました……」
梓「ちょっと変な人だけど、すごく優しくて、かっこ良くて」
梓「ま、まだ全部しってるわけじゃないですけど」
梓「……」
梓「明日もがんばろ」
梓「と、その前にお風呂も洗わないと……あっ、寝るトコどうしよう……」
梓「……ううーいろいろ考えることがありそう」
……
174: 2011/05/27(金) 03:10:01.93 ID:LJGMdxgy0
唯「ちょっと雨ぱらぱらきた……」
唯「……こっちでもそりゃ雨くらい降るよね」
唯「……」
唯「……いいのかな」
唯「私、こんなんでいいのかな」
唯「……こんなに身も心も汚れた私が借金の肩代わりだなんて、おこがましいよね」
唯「あーあ……この雨が、全部洗い流してくれたらいいのに」
唯「過ちも痛みも欲望も全部全部……」
唯「……なんてね」
唯「……この国でなら、新しい私がみつかるのかな」
唯「どんな風にでも生きていけるのかな……まだわかんないや」
唯「ま、なるようになれ。だね」
唯「明日からがんばるぞー!」
179: 2011/05/27(金) 03:15:49.11 ID:LJGMdxgy0
……
唯「ただいまー」
梓「おかえりなさい」
唯「お、なんか我が家風」
梓「あ、いえ……そういうつもりじゃ」
唯「ということでホテル引き払ってきたから今日からお世話になります」
梓「はい、こちらこそ」
唯「ほんとにこんな得体のしれない外人泊めていいの?」
梓「大丈夫です」
唯「うむ」
梓「雨ふってるんですね。お風呂先沸かしてますのでどうぞ」
唯「やった♪」
梓「なにかわからないことがあったら聞いてください」
唯「うん!」
180: 2011/05/27(金) 03:22:14.10 ID:LJGMdxgy0
唯「え、なにこれぬるい……お風呂はいった気しないよ……」
唯「はっ? 洗濯機ないの?」
唯「ほええ!? ご飯手でたべるの!!?」
唯「いまから明日の仕込み~~!?」
唯「ふええ、テレビもパソコンもないんだ……暇ー」
唯「わあああっ、ム、虫ー!! でっかい虫がーー!! え゙、手でいくの!!?」
唯「一緒のベッドで寝るしかないかー……むふふ、おっと平静平静」
181: 2011/05/27(金) 03:26:42.32 ID:LJGMdxgy0
深夜
唯「ちょっと文化が違うだけでも大変だねー」
梓「文化っていうかそもそも生活レベルがですね」
唯「たしかに……ちょっとあずにゃんのおうちは貧乏だもんね」
梓「……わるかったですね、どうせ流行らない汚いタイヤキ屋です」プイッ
唯「んもー、可愛いなぁ」ギュ
梓「にゃっ」
唯「くんくん、いい匂いー」
梓「……あったかいですね」
唯「だねー」
梓「狭いベッドでごめんなさい」
唯「いいよー私何か抱かないと眠れないからちょうどいいー」
梓「……私は抱き枕じゃありません」
唯「あず枕~~」ギュウウ
梓「……もう……だいたんな人」
182: 2011/05/27(金) 03:34:19.77 ID:LJGMdxgy0
唯「毎晩だっこして寝ていいの?」
梓「……ベッド買いましょうか」
唯「置くところないのに?」
梓「む……もっと稼いだら拡張工事します」
唯「じゃあがんばらないとね?」
梓「もしかしたら、最初はあまりお給料払えないかもしれませんが」
唯「いいよー」
梓「すいません……」
唯「ゆっくり頑張ろ?」
梓「国に戻らなくて大丈夫なんですか?」
唯「まぁねー、大丈夫なような大丈夫じゃないような」
梓「はぁ……日本の学生ってそういうもんなんですか」
唯「だらだらしてるよー」
梓「そうなんですか。私、日本には少し縁がありまして」
唯「へーそうなんだ」
184: 2011/05/27(金) 03:39:39.19 ID:LJGMdxgy0
梓「おやすみなさい、唯」
唯「あ、やっと名前呼んでくれた」
梓「さんとか何か、付けたほうがいいですか?」
唯「ううんいいよ気にしなくて」
梓「はい……」
唯「おやすみ、あずにゃん♪」
198: 2011/05/27(金) 04:19:36.11 ID:LJGMdxgy0
翌日
唯「いらっしゃ~い♪」
客梓「まぁ可愛い売り子さん」
唯「てへー、どもー」
梓「へらへらしてないでお客さんを案内してくださいよ」
唯「どぞーこちらへおかけになってお待ちください」
客梓「外人さん?」
唯「ちょっと勉強がてらに」
客梓「偉いですねぇ」
唯「それほどでもー」
梓「白あんと抹茶クリームでお待ちのお客様ー大変お待たせいたしましたー」
客梓「こりゃどうも」
客梓「むぐむぐ、おいしいです!」
唯「そりゃおいしいよーあずにゃんが焼いたんだもん! まいどありー」
199: 2011/05/27(金) 04:23:29.17 ID:LJGMdxgy0
唯「……ふぅ、忙しいほどではないけど疲れたよ」
梓「前よりかはお客さんの数ふえました」
唯「えへへ。どんなもんだい」
梓「やっぱり客引きにはルックスが……いえ、なんでもないです」
唯「?」
梓「一息つきますか。お茶いれますね」
唯「そういえば、ここはタイヤキしか売らないの?」
梓「えっ? はい。ていうかタイヤキしか作れませんし」
唯「パンとかケーキは?」
梓「ぱん……?」
唯「えっ、パンしらないの?」
梓「食べ物ですか?」
唯「うそ~~~~」
梓「むっ、馬鹿にしてるでしょ」
唯「もしかしてパンの代わりがタイヤキなのかなこの国は」
204: 2011/05/27(金) 04:29:25.32 ID:LJGMdxgy0
梓「ぱんって日本の主食なんですか?」
唯「逆に聞くけどタイヤキが主食なの?」
梓「まぁ……もっともポピュラーな食事ではありますけど」
唯「なるほど、国じゅう甘ったるい臭いがするわけだこりゃ」
梓「けど基本は生地だけでたべます」
梓「中になにか詰めるだけで結構高くつきますし」
唯「あん入りのタイヤキはハンバーガーとかサンドイッチみたいな感覚なんだね」
梓「はんばー? さんどいち?」
唯「今度つくってあげるよ」
梓「楽しみです」
唯「ということは向かいのあのタイヤキチェーンは相当ってことだね……国民食かー」
梓「おかげでウチは商売あがったりです」
唯「そりゃ賑やかな方にいくよねー」
梓「どうしましょう」
唯「もりあげるにしてもこっちは二人だし、やっぱりメニューで勝負するしかないかー」
206: 2011/05/27(金) 04:37:54.93 ID:LJGMdxgy0
梓「でも……もう何をどうしたらいいのか」
唯「よし! さっぱり売れないメニューはこの際なしにして」
唯「新しく考えてみよう」
唯「あと、サンドイッチを売ってみようよ。まずはつくるから食べてみて」
梓「はいです……でもそんな誰もしらないようなの売れますか?」
唯「まぁおいしければ。あとワッフルは作り方とか材料にてるからいいかも」
唯「ケーキはどうだろ……ちょっと調べないとダメだね」
梓「????」
唯「まかせて! 料理は妹が得意だったんだ!」
梓「はぁ……」
数分後
梓「にゃああああ!!! なんですかこれはー!!」
唯「どう? ふわっとしたタイヤキ生地でお肉と野菜はさんでみたんだけど」
梓「うますぎですうううう!!」
210: 2011/05/27(金) 04:44:07.49 ID:LJGMdxgy0
唯「そんなにおいしい? ぱくっ」
唯「もぐもぐ……うーん、舌触りが悪いなぁ」
梓「えっ、とってもおいしいんですけど」
唯「日本ではもっともっとおいしいのがたくさんあるから」
梓「そうなんですか……じゅるり」
唯「とりあえず、強力粉とか足りない材料買ってこようかな」
梓「でもあんまりうちお金ないですよ?」
唯「大丈夫大丈夫。そんなにいっぱい買わないから」
梓「心配です……唯はお金使いが荒そうで」
唯「使いどころをわかってるって言ってほしいね」
梓「す、すいません。生意気いって」
唯「じゃあちょっと行ってくるね」ナデナデ
梓「は、はい……」
唯(ふー、高校時代からいろいろやってきたバイトの経験が生きたよ……なんでもやってみるもんだね)
212: 2011/05/27(金) 04:50:49.21 ID:LJGMdxgy0
……
唯「んーと、だいたいこんなものかなー」
唯「はぁ、お米もそのうち買えるようになればいいなぁ……」
唯「2kgで約2000円なんてありえないよ。国内で生産してないのかなー」
唯「だいぶ風土も違うし、もっと特産物とかこの国の人の好みとかつかまないとなー」
唯「明日はちょっと市内の食事処でもまわってみよう」
唯「あとは向こうのパンチェーンの偵察」
唯「お店で新メニューも考えなきゃだし」
唯「もちろん仕込みと調理と接客と……あうー」
唯「やることいっぱいでいそがしー」
唯「これをあずにゃんは一人でやってきたのかな」
唯「やっぱりすごいなぁ」
唯「私にもできるかな。ううん、やるんだ」
唯「後悔なんてしてないもん!」
213: 2011/05/27(金) 04:58:03.69 ID:LJGMdxgy0
そして夜……
唯「……どう?」
梓「……」プルプル
唯「私的には自信作なんだけど」
梓「……」ガクガク
唯「おいしい? ねぇあずにゃん」ユサユサ
梓「あ、あう……あっ」
梓「にゃひいいいいいいいい!!!」
唯「うわ!!」
梓「舌がおかしくなるくらいおいしいです!!!」
梓「一体このタイヤキはなにがつまってるんですか!?!?」
唯「ふっふっふー、それはね。日本の心だよ」
梓「日本の……心……?」
唯「味噌だよ! 味噌味の餡をつくってみたの!!!!」
216: 2011/05/27(金) 05:04:03.52 ID:LJGMdxgy0
唯「外人向けのマーケットでたまたま味噌をみつけてね!」
唯「コレだ!!っておもったよ」
梓「味噌……はじめてたべましたが不思議な味です」
唯「餡だけじゃなくて生地にも練りこんであるんだよ」
梓「すごい……タイヤキの甘いという常識を覆した怪作です」
唯「でしょ! これならご飯たべたーって気になるよ」
梓「……売れそうですね」
唯「かな?」
唯「ただ、これ、一つ問題があるんだよね」
梓「?」
唯「値段設定がちょっとね……。味噌じたいこの国では入手が難しいから割高だし」
梓「なるほど……」
唯「さすがに得体のしれない味を普通のアンコの倍の値段にするわけにはいかないもん」
梓「はじめは安くしてみるとか?」
唯「うーん……」
218: 2011/05/27(金) 05:11:29.76 ID:LJGMdxgy0
唯「それこそ一定の需要が見込めるなら」ブツブツ
梓「日本人はよくわからないことを考えますね」
唯「コストを下げる方法か……」
唯「大量に安く入手できたらいいんだけど……あ!」
梓「?」
唯「この辺りにサテライト電話ない?」
梓「さてら?」
唯「外国に電話できるやつ」
梓「んーと……ホテルとか空港まで行けばあるんじゃないですか」
唯「よーし! ちょっと電話してくる!」
梓「だれに?」
唯「友達!!」
227: 2011/05/27(金) 05:43:42.98 ID:LJGMdxgy0
……
唯「やっほーもしもしームギちゃんー?」
『えっ、唯ちゃん? 唯ちゃんなの!?』
『唯から?』 『そうみたい』
『おーい唯、お前授業どうしてこないんだよー』
唯「いまねー外国にいるんだー」
『はぁ? なにわけわかんねーこと』
唯「それよりさ、お味噌! 味噌おくってほしいんだ! それもちょっと多めに!」
『どういうことなの唯ちゃん?』
唯「私こっちで商売はじめるからー」
『なぁ唯……どうしたんだ? 早く戻ってきてまじめに授業受けて……』
唯「こっちは大真面目だもん! 失礼しちゃう!」
『よくわからないけどお味噌を送ればいいのね?』
唯「うん! さすがムギちゃん物分りがいいね。もちろん味噌代と送料はこっち持ちだからね」
228: 2011/05/27(金) 05:50:21.39 ID:LJGMdxgy0
唯「じゃそゆことでーあずにゃん教授によろしくー」
『お、おい唯! 教授ほったらかしにするのかよ』
唯「んーでもでも、しばらくは戻れそうにないし」
『あのなぁ……教授寂しがってるぞ』
唯「ちぇー、ちょっと優しくしただけですぐ勘違いしちゃうんだから」
『相変わらずなんだなー。そっちの国ではさぞやイイ思いできたようで』
唯「まぁそれはこれからだねー」
『いいか、売春旅行なんて絶対今後の人生の枷になるぞ。だから悪いこといわねーからさっさと戻』
ツーツー
唯「あ、お金いれるのわすれてた、まいっか」
唯「ふう、たったこんだけの電話でもすごいお金かかるなぁ」
唯「さっさとパソコンかってメッセンジャーを使えるようにしないと連絡とりあうだけでも馬鹿にならないよ」
唯「またムギちゃんに電話はするとして。教授にもフォローいれとかないとね」
唯「あま~い伝言メッセージでも残しとけばいいのかなぁ」
唯「でも柄じゃないんだよねー。なにか解決する方法はないものか。あー頭疲れることばっかりー」
253: 2011/05/27(金) 08:21:46.47 ID:LJGMdxgy0
数日後
唯「さぁ新発売の味噌タイヤキだよ~!」
唯「よ、そこの美人のあずにゃんさん、お一ついかが?」
客梓「みそ……?」
唯「味噌!」
客梓「いい匂いがしますね。ひとつもらいます」
梓「ありがとうございます!」
唯「まいどあり! さあいらっしゃいいらっしゃい。本日発売味噌タイヤキ! うちでしか食べれないよー」
客梓2「くんくん。変わった匂いです」
客梓3「くんくんいい匂いです」
客梓4「ほんとだ、この外人さんいい匂いデス」
客梓5「くんくんくんくん……ハァ、ハァ」
ゾロゾロ ゾロゾロ
唯「えっ! ちょっ、あずにゃ……助」
258: 2011/05/27(金) 08:29:38.87 ID:LJGMdxgy0
客梓2「タイヤキ屋さんいい人もらってよかったねぇ」
梓「えっ」
客梓3「どこでこんな可愛い人引っ掛けたか教えてほしいです」
客梓4「げへへ」
唯「えーんあずにゃん助けてー」
客梓5「私もあずにゃんですよ」クンクン
梓(集客効果抜群だ! これはいける!!)
唯「うわーん、押さないでー。数はございますのでーー!」
梓「はいどうぞー30アズニャンセントになりますー」
客梓6「……じゅるり」
客梓「にゃはあああああああ」バクバク
唯「おいしいでしょー」
客梓2「にゃひいいいいいいい」ガツガツ
客梓3「にゃふうううううううううう」ムシャムシャ
260: 2011/05/27(金) 08:35:05.99 ID:LJGMdxgy0
唯「ふぅ忙し忙し」
梓「よかったですね! 大当たりですよ」
唯「うんうん。あ、追加オーダーきてるからじゃんじゃん焼いて」
唯(とりあえずは好評だ……良かった)
唯(やっぱり全然しらない味をタイヤキで食べれるってのは新鮮だろうなぁ)
唯(日本でいうと全く新しい丼物が生まれたようなもんだし)
唯(あとは売って売って売りまくる! 私とあずにゃんの生活のために!!)
唯「さぁさぁどんどん食べてってね―」
梓「いらっしゃいませー♪」
客梓6「……」ニヤ
客梓6「……」メモメモ
……
262: 2011/05/27(金) 08:42:29.44 ID:LJGMdxgy0
その晩
唯「かんぱーい」
梓「♪」
唯「いやー大繁盛だねあずにゃん!」
梓「はい、あんなに一日でお客さんきたのはじめてです」
唯「私もまさかあそこまでとはおもわなかった」
梓「お客さんの話によると、目の前の通りまで香ばしい匂いが広がってたとか」
唯「なるほどー。甘い空気の中でのこの変わった匂いは、あずにゃん達としてはたしかに気になるよね」
梓「ほんとうにありがとうございました」
唯「お礼をいうのはまだはやいよー。今日の売上だけじゃ仕入れ分まだ取り返せてないわけだし」
梓「そ、そうですね! がんばりましょう」
唯「うん!」
梓「えへへ」
唯「ふふ」
唯「かんぱーい」
梓「♪」
唯「いやー大繁盛だねあずにゃん!」
梓「はい、あんなに一日でお客さんきたのはじめてです」
唯「私もまさかあそこまでとはおもわなかった」
梓「お客さんの話によると、目の前の通りまで香ばしい匂いが広がってたとか」
唯「なるほどー。甘い空気の中でのこの変わった匂いは、あずにゃん達としてはたしかに気になるよね」
梓「ほんとうにありがとうございました」
唯「お礼をいうのはまだはやいよー。今日の売上だけじゃ仕入れ分まだ取り返せてないわけだし」
梓「そ、そうですね! がんばりましょう」
唯「うん!」
梓「えへへ」
唯「ふふ」
263: 2011/05/27(金) 08:48:29.26 ID:LJGMdxgy0
梓「……ふぁ、にゃんだか……いい気分」
唯「うん。これちょっとアルコール入ってるからね、平気?」
梓「はい……けど、ひょっとらけ、くらくらするです」
唯「わたしも……」
梓「横になります……」
唯「うん。お水いれてくる」
梓「ん……唯、唯ぃ……」
唯「酔った勢いってのはあんまり好みじゃないけど、もうおんちんが我慢ならないの……何日もしてないし」
梓「……いいですよ。私、唯になら……」
唯「だめだよあずにゃん…………でも……ゴクリ」
梓「唯にはたくさん助けてもらってますし……もう感謝のきもちでいっぱいなんです……だから」
唯「……感謝か……。ならなおさらだめ!」
梓「えっ」
唯「感謝と愛は違うんだよ? ほらお水のんで」
283: 2011/05/27(金) 09:28:36.79 ID:LJGMdxgy0
唯「おはよー、朝ですよー」ナデナデ
梓「むにゃ……」
唯「ま、休みだしいっか……もう一回ねよー」
「えー本日発売本日新発売の~~」
唯「もうっ、朝っぱらからうるさいなぁ。また向かいのタイヤキ屋か」
唯「いいよねー大手は年中無休で」
唯「ふぁ~あ……」
「味噌タイヤキでございます。是非一度お味をみていってくださいです~~」
唯「!!」ガバッ
唯「なっ、え……?」
梓「にゃう?」
唯「あずにゃん起きて! た、大変だよ!!」
梓「なんです朝っぱらから……疲れてるからもうちょっとだけ……ふぁ」
286: 2011/05/27(金) 09:36:52.43 ID:LJGMdxgy0
……
外
「タイヤキ~、味噌タイヤキですよ~~」
梓「な、なんてことです」
唯「早い……」
梓「どうしましょう」
唯「価格もウチより安い……そりゃそうか大量生産できるんだし」
梓「せっかくがんばって唯が考えたのに……」
唯「……やっぱこの距離だもんねーそりゃ偵察くるよね」
梓「これじゃあせっかくの人気が……」
唯「次の手を考えないと……の前に一応、一応食べてみない? 向こうさんのタイヤキ」
梓「……唯がそういうなら」
唯「よし、行こ」
289: 2011/05/27(金) 09:40:09.63 ID:LJGMdxgy0
店員「いらっしゃいですー」
唯「……」
店員「あ! むかいのぺっぴんさん!」
唯「……ども」
店員「いやー、お宅も味噌ブームに乗ったんですね、あはは」
梓「ちょ、ちょっと! 白々しい!!」
店員「まぁ怖い」
唯「……ふたつくださいな」
店員「ありがとうございま~す」
唯「……ほら、あずにゃん」
梓「うぅ……」
唯「あむ、あむあむ」
梓「むしゃむしゃ」
唯「……うん、おいしい」
梓「ですね……香ばしさではウチのほうが上ですけどね」
290: 2011/05/27(金) 09:44:45.02 ID:LJGMdxgy0
唯「……おいしかったです」
店員「でしょー? ウチの味噌タイヤキは国内一です!」
唯「……」
店員「ところでぺっぴんさん! ウチの店長がいたくあなたのことお気に入りでして」
唯「……」
店員「うちにきませんか? お給料もたくさん払います」
梓「えっ!?」
店員「あんなちんけな店で働くよりよっぽど快適ですよ。さらに三食タイヤキ付きです」
梓「だ、だめです! だめです!」
店員「私はこの外人さんに聞いてるんです」
唯「……」
梓「ゆ、唯……」
唯「……なんか違うんだよね」
店員「?」
唯「あ、いやタイヤキの話。生地とあってないのかな……うーん。あ、なんか話してた?」
293: 2011/05/27(金) 09:49:26.75 ID:LJGMdxgy0
店員「……ま、まぁせいぜいがんばるといいです」
唯「そうさせてもらうよ。小さい店を盛り上げる経験ってのはなかなかできないからね」
梓「唯……」ギュ
唯「お? おぉ?」
梓「負けませんから!!」
店員「にゃふふ」
唯「まぁ勝負っちゃあ勝負なのかな……潰し合わない方向性を考えてるんだけど私は……」
梓「むー!」メラメラ
店員「なまいきな小娘ー!! ぷちっと叩きつぶしてやるです!」メラメラ
梓「やってやるです!!」
唯「ぜ、善処するよー……あはは」
唯「とりあえず今日もマーケット散策してくるー」
梓「いってらっしゃいです」
唯「いい子で待っててね」ナデナデ
店員「そういうのは店の外でやってください」
294: 2011/05/27(金) 09:57:09.45 ID:LJGMdxgy0
マーケット
唯「そもそも味噌ってのが間違いなのかなー」
唯「たしかに最初はインパクトがでかいんだけど、あと引くしつこさっていうか」
唯「あの生地で味噌ペーストってやっぱくどいんだよね」
唯「香ばしいも言い換えれば味噌臭いだけだし」
唯「この国には特にお味噌信仰あるわけでもないし」
唯「味噌単体の力じゃどうにもならないかもなぁ……」
唯「うーんどうしよう」
唯「特産品のバナナは……もう当然のごとく向こうがやってるし」
唯「むぐー」
唯「そもそもタイヤキってのがねぇ……」
唯「生地がそこまで特別おいしいってわけじゃないもんねぇ」
唯「ん……そういえば日本には白たい焼きってのがあったなぁ」
唯「あれもちもちしてておいしいんだよね」
297: 2011/05/27(金) 10:00:44.12 ID:LJGMdxgy0
唯「もちもちか……おもちタイヤキ、なんてのは……あずにゃんたちのどにつっかえて氏にそう」
唯「ん、いやちょっとまって」
唯「なんか浮かびそう」
唯「もち……米粉……ん」
唯「あ!」
唯「こ、これだ……これだよ!!」
唯「ずっとこっちで食べたいなぁって思ってたんだぁ」
唯「前よりちょっとだけ値下がりしてる……けどまだまだ高いし、やっぱり味噌と一緒に送ってもらわなきゃ」
唯「……うん、これはいける、いけるよ!! 絶対おいしい」
唯「さっそく電話しよう」
唯「やっぱりお米は日本米に限るしね!!」
298: 2011/05/27(金) 10:04:28.95 ID:LJGMdxgy0
……
数日後
梓「な、なんですかこの袋の山は……」
唯「えへん! お米!」
梓「お米……?」
唯「と炊飯器も探してきた」
梓「しばらくほっつき歩いてたとおもったらこんなことしてたんですね?」
唯「ごめんね~~あずにゃん寂しかったね~~」スリスリ
梓「うっ……別に……」
唯「さて、いい具合に閑古鳥が鳴いてるし。はじめよっかな」
梓「この数日間お客さんあんまり来ませんでした」
唯「ま、やすさで負けてるし。ブランド力でも負けてるししかたないよ」
梓「はぁ……で、お米をつかってどうするんですか?」
唯「うん! まずは炊いてみよう」
301: 2011/05/27(金) 10:07:11.79 ID:LJGMdxgy0
唯「たけたよー」
梓「わぁ、ほかほかです」
唯「いい匂い~~~」
梓「これ、日本の主食ですよね?」
唯「イエス!」
梓「へぇ……おいしそう」
唯「いただきまーす。あむ♪」
唯「んひー幸せー。やっぱ日本人は米だよ米ー」
梓「あむ……!!」
梓「ねとねとしてますね」
唯「炊きたてだからねー」
梓「ちょっとこれがおいしいって感覚はないんですけど……」
唯「だよねー、だってこっちは全然お米売ってないもんね」
梓「これで大丈夫なんですか?」
303: 2011/05/27(金) 10:10:55.38 ID:LJGMdxgy0
唯「まずは塩かな? んー鮭のほぐし身とかもよさそう」
梓「はぁ……」
唯「ちょっとまってねー」にぎにぎ
梓「なにやってるんですか?」
唯「これはおにぎりっていうんだよ」
梓「おにぎり?」
唯「お米の中に具をつめてるの。たっくさん種類があるんだよ」
梓「なるほど……そう考えると似てますねタイヤキと」
唯「だね。だからお米を選んだんだよ」
唯「お米は包みこむことに関しては天才的だから」
梓「ほう……」
唯「はいどーぞ。鮭おにぎりだよ。あずにゃん用に小さく握ったよ」
梓「いただきますです。あむ」
梓「にゃああああ!!」
唯「あずにゃん達は魚は大好きだもんね。ならお米と一緒にたべないともったいないよ」
306: 2011/05/27(金) 10:16:48.69 ID:LJGMdxgy0
梓「にゃんだふるです!!」
唯「は?」
梓「味気なかったお米がまさかこんなことになるなんて」
唯「味気ないかなぁ? 私は日本人だからお米だけでも全然いけるんだけど。まぁ仕方ないか」
梓「でもこれじゃタイヤキじゃないです。うちはタイヤキ屋です」
唯「だから~、お米で生地をつくるんだよ。ライスタイヤキだね」
梓「ライスタイヤキ……」
唯「そしてこれは向こうには絶対に真似できないの!」
梓「えっ」
唯「なぜならお米の扱いであずにゃん達が私に勝てるわけがないからね」
唯「お米にもこだわってるし、とっておきもたくさんあるし」
梓「はぅ~~素敵です」
唯「タイヤキってのは私の想像以上に自由なものだったよ」
唯「だって形の体裁さえ保てばなんでもタイヤキになりえるからね」
唯「これはいける……よし、さっそく試作してみよう!」
308: 2011/05/27(金) 10:20:26.28 ID:LJGMdxgy0
数時間後
唯「で~きた!」
唯「これが私の! タイヤキ20号だよ!!」
梓「はぁ……20もつくってましたっけ」
唯「ノリだよノリ~。あて、型を開くよ?」
梓「わくわくです」
唯「オープン!」
ガチャ
梓「わぁ!!!」
唯「うひょー! 綺麗に焦げ目がついておいしそ~~」
梓「す、すご……あわわわ、いい匂いがしましゅ」
唯「味噌をすこし表面に塗って香ばしく焼いたからね」
唯「中には以前つくった味噌ペーストをお米向けにアレンジしたのが詰まってるよ。まだおいしいかはわからないけど」
梓「……じゅるり」
310: 2011/05/27(金) 10:24:23.70 ID:LJGMdxgy0
唯「熱いから気をつけてね」
梓「はふはふ、あふ」
唯「もう食べてる……食いしん坊だねあずにゃんは」
梓「にゃああああ!! にゃふううううううううううっ!!!」
唯「えっ!?」
梓「がつがつがつがつ」
梓「むしゃむしゃむしゃむしゃ!!」
唯「ちょ……そんなにがっつかなくても」
梓「……ゴクン! タイヤキ革命です!!」
唯「は?」
梓「これはタイヤキを超えたタイヤキです!!」
唯「まぁ私からしたらこれ、タイヤキかなぁう~ん……って線なんだけど。ほぼライスバーガーみたいな感じだし」
梓「いえ! これはタイヤキです! だってタイヤキですもん! タイヤキタイヤキ!」
唯「ちょっと落ち着いてよー。ほらお口周りべたべたー」フキフキ
梓「にゃんだふるです!!」
314: 2011/05/27(金) 10:29:33.98 ID:LJGMdxgy0
唯「わかった。あずにゃんがタイヤキっていうならやっぱりこれはタイヤキなんだね良かった」
唯「受け入れてもらえるかなぁ」
梓「はい! これはとってもとってもおいしいので問題なしです!」
梓「味噌タイヤキなんて相手になりませんよ!」
唯「そういわれちゃうとなんだか複雑なんだけど」
梓「あ、すいません……けどそれだけ感動したってことなので」
唯「あとは販売価格とー、もっと安く仕入れる方法とー」
梓「友達に送ってもらってるんじゃないんですか?」
唯「いつまでも迷惑はかけれないしね。私はほら、日本語もあずにゃん語もペラペラだからいろいろ交渉してみるよ」
梓「すごいです。さすが単身留学にくるだけのことはありますね」
唯「うっ……」
梓「?」
唯「いや、なんでも……」
梓「とにかく! 私にも作り方教えてください!」
唯「おっけー。じゃあまずはお米の研ぎ方から~」
331: 2011/05/27(金) 10:59:32.82 ID:LJGMdxgy0
唯「今日は試験的に、鮭ライスタイヤキとツナライスタイヤキと卵ライスタイヤキをうってみるよ」
梓「はい。どれもこれも大好きです」
唯「あずにゃん達ははやりによわいし、食いしん坊だから食いつくのはすぐだと思う」
唯「やみつきになってくれればいいけど」
梓「タイヤキですし大丈夫です」
唯「わかった。よし、店あけるよ!」
……
客梓1「にゃおおおおおお!!」
客梓2「ぎにゃあああああああ!!」
客梓3「にゃっふううううううう!!」
客梓4「うにゃあああああああん!!」
唯「みんな食べてってねー。ただいま発売記念セール実施中でーす」
梓「せっせ。とたんに忙しいです」
332: 2011/05/27(金) 11:03:43.63 ID:LJGMdxgy0
客梓5「これはいったい何をつかってるんです!?」
唯「ライスだよー。お米お米」
客梓3「ライス!? あのねちゃねちゃして味のない白いやつですか」
客梓1「まさか……信じられないです」
唯「えへへ」
客梓6「……」
唯「どう? おいしいでしょ?」
客梓6「これは……にゃんだふる……ッ!!」
唯「ところでにゃんだふるってなぁに?」ボソボソ
梓「最上級の褒め言葉ですよ」ボソボソ
唯「やった!」
客梓3「えっ、これ持ち帰っても美味しく食べられるんですか!?」
唯「そう! そこが売りなの! 時間がたってもべしゃべしゃにならないんだよ!」
客梓4「神か……」
客梓5「さっそく家族にも食わせてやるです。テイクアウトお願いします」
338: 2011/05/27(金) 11:09:18.60 ID:LJGMdxgy0
唯「はーい! 鮭3、ツナ2はいりましたー」
梓「はいです!」にぎにぎ
唯「あ、あんまりつよく握っただめだよ」
梓「すいませんつい癖で」
唯「癖だなんて……いやんあずにゃん///」
梓「にゃっ!?」
唯「ありがとうございましたー。また来てねー」
客梓1「絶対また書いにきます」
客梓3「もっと食べたいです!」
唯「えへへ。うれしいなぁ。作ったかいあるよ」
梓「ですね♪」
唯「これからもばんばん売ってくぞ―!」
340: 2011/05/27(金) 11:14:07.38 ID:LJGMdxgy0
数ヶ月後
梓「はい、今月のお給料です」
唯「ありがと~」
梓「……あの」
唯「んー?」
梓「そろそろ、たまったんじゃないですか?」
唯「うん! もうむらむらしてたまんないよ! ベッドいく!?!?」
梓「そ、そっちじゃなくて!」
唯「えっ」
梓「飛行機代……です」
唯「あ」
梓「……それに日本での生活もあるでしょ?」
唯「う、うん……けど」
唯「せっかく軌道に乗ってきたし……あずにゃんもいるし……」
342: 2011/05/27(金) 11:18:59.65 ID:LJGMdxgy0
梓「……ここに居てくれるんですか?」
唯「だめかな?」
梓「それは嬉しいですけど……ちゃんと家族にも話をしないと……電話なんかじゃなくって直接」
唯「そ、そうだよね……」
梓「だから一度戻ったほうがいいです」
唯「わかった……あずにゃんがそういうなら」
梓「その間は一人で頑張ります。大丈夫ですよ。もうばっちりですので」
唯「うん。じゃあちょっと里帰りするね」
梓「はい。あ、お土産とかあったほうがいいですよね」
唯「適当に空港で買って帰るよ……ということで!」
梓「?」
唯「にゃ~ん♪」ギュウ
梓「にゃっ!?」
唯「ベッドイーン♪ 本日二度目のにゃんにゃんターイム♪」
梓「ま、またするんですかぁーーーっ!?!?」
349: 2011/05/27(金) 11:26:46.62 ID:LJGMdxgy0
裏路地
唯「……おーいきたよー」
「おやおや、もうお戻りですか」
唯「うん! 一旦国にもどることにしたの」
「楽しめましたか?」
唯「楽しいね! 最高の国だよ」
「それはよかったです」
唯「えへへ。あ、おちOちんのお金だね」
唯「140アズニャンドルだったかな」ゴソゴソ
「では、合計8960アズニャンドルいただきます」
唯「えっ……?」
「レンタルは、一日140アズニャンドルです」
唯「う、嘘だよね……えっ? えっ???」
357: 2011/05/27(金) 11:33:51.72 ID:LJGMdxgy0
「払えないんですか?」
唯「……足りない……です」
「それは困ったですー」
唯「ちょっとまってよいくらなんでも……60万円くらいするんだよ!?」
「困ったですー、試用期間に応じたお金がないと、おちOちん取り外す専用の機械がうごかないデス」
唯「うぐ……」
「当面は……ふっふっふ」
「げへへデス」 「お、またこりゃべっぴんさんです」 「おやおやあの時の外人さんです」
ゾロゾロ
唯「な、何何!? いっぱい来た……」
「身ぐるみ、剥いでしまえです!!」
唯「や、やだぁ……っ!!」
「にゃふふ」サワサワ 「こりゃあ服と荷物売り飛ばしてもまだ全然足りなさそうデス」
唯「さ、さわんないでよぉ!!」
「心配しなくてイイデス」 「外人さん用の娼館ならあっという間に稼げますよ、ふふ」
362: 2011/05/27(金) 11:40:49.71 ID:LJGMdxgy0
唯「や、やだ……助けて……助けてよ」
「お前さんはべっぴんさんだからたくさん指名が入るです」
「うひょーいい乳してるです。娼館通いの金持ちデブにゃんたちの相手させるのはもったいないくらいです」
「良かったですねー。お前の大好きなあずにゃんで毎日いじめてもらえるです」
「おいその前にちょっとここで味見するですにゃふふふふ」
唯「ひっ……」
唯「ま、まってください! じゃあまだ帰国しません!!」
唯「もっとお金ためてから」
「どんどんどんどん高くなるですよー?」
「ちなみに100日目からは倍額です!」
唯「うっ……うっ」
「さぁ行きますよ。これが悪い渡航者の成れの果てです」
「泣くなです。きもちいことしてお金が稼げるんだからいいもんです」
「とりあえずは服を脱ぐです。お前はもう娼館の商売道具です」
『まちなさい!!』
「お前さんはべっぴんさんだからたくさん指名が入るです」
「うひょーいい乳してるです。娼館通いの金持ちデブにゃんたちの相手させるのはもったいないくらいです」
「良かったですねー。お前の大好きなあずにゃんで毎日いじめてもらえるです」
「おいその前にちょっとここで味見するですにゃふふふふ」
唯「ひっ……」
唯「ま、まってください! じゃあまだ帰国しません!!」
唯「もっとお金ためてから」
「どんどんどんどん高くなるですよー?」
「ちなみに100日目からは倍額です!」
唯「うっ……うっ」
「さぁ行きますよ。これが悪い渡航者の成れの果てです」
「泣くなです。きもちいことしてお金が稼げるんだからいいもんです」
「とりあえずは服を脱ぐです。お前はもう娼館の商売道具です」
『まちなさい!!』
368: 2011/05/27(金) 11:45:31.55 ID:LJGMdxgy0
唯「え……」
「なんです」 「何ものです」
???「……その人を離しなさい」
唯「あっ!」
「お前には関係ないです」 「さっさと立ち去るです」
???「関係あるよ。うちの可愛い妹がお世話になったからね。それと私も」
「なにぃ!?」
唯「あずにゃん……教授……?」
梓「ひさしぶりですね。お元気でしたか?」
梓「はい、お金。これがあればいいんでしょ?」ポン
「おお!?」 「生金です!」 「ひーふーみー……たぶん足りてるです!」
唯「え、えっと……あの」
梓「いいから。とりあえず戻りましょ?」
唯「は、はい……」
梓「ふー、ひさしぶりの本国でまさかこんな場面に出会うとは」
372: 2011/05/27(金) 11:50:13.62 ID:LJGMdxgy0
……
梓「お姉ちゃん!?」
姉梓「おっきくなったねー」ギュウ
梓「わぁ、どうして!」
唯「……」
梓「あれ、唯……里帰りするって……」
姉梓「危なかったんだよ。売り飛ばされるところだったんだから」
梓「えっ?」
唯「め、面目ない……教授には感謝してもしきれない……です」
梓「お姉ちゃん知り合いなの?」
姉梓「私の教え子なんだよ」
梓「へえ、それで唯はあずにゃん語がしゃべれるんだ」
唯「あの……ふたりは姉妹なの?」
梓「はい。だから私少し日本に縁があるって」
376: 2011/05/27(金) 11:54:50.11 ID:LJGMdxgy0
唯「あはは……あー、ははは……」
梓「なんですかその乾いた笑い。それより、良かったですね♪」ギュ
唯「う、うん……」
姉梓「じー……」
唯「んぐ……うぐぐ」
姉梓「……ふーん、へぇー」
唯「……あわわわ」
梓「唯?」
姉梓「いや、私は手紙で少しはしってたんだけどね? ここにいるってこと」
唯「あはは……」
梓「?」
姉梓「ヒラサワサン、姉妹丼、フタマタ、ダイスキ」
唯「や、やめてよぉ」
梓「なに? 日本語?」
姉梓「なんでもないよ。私は大人だから」
377: 2011/05/27(金) 12:00:05.50 ID:LJGMdxgy0
唯「そ、そう、だね! うんうん!」アセアセ
梓「それで、どうして戻ってきたの?」
唯「えっとだから」
梓「唯じゃなくてお姉ちゃん」
姉梓「あーそれはね。いよいよ講義うける人がいなくなったからちょっと大学には居づらくて」
梓「え……」
唯「あー……うー……」
姉梓「じー」
唯「みないでぇええ」
姉梓「ま、いいけどね。この店も繁盛してるみたいだし。このまままたこっちで暮らそうかな」
梓「え、ほんと!?」
姉梓「もう出稼ぎしなくても十分……でしょ? 唯?」
唯「……は、はい……たぶんですけど」
姉梓「ならそれでよし! とりあえずは、さっきのお金でこの子への貸しはチャラってことで!」
唯「う、うん……そんな、元から貸したつもりなんてなかったし……ありがとうございます……」
381: 2011/05/27(金) 12:05:39.73 ID:LJGMdxgy0
姉梓「よーしじゃあ三人でこれからは頑張ろー!」
梓「うん!」
唯「は、はい」
夜
唯「うぐ……さすがに三人一緒のベッドは狭すぎ……」
姉梓「もっと詰めてくださいー」
梓「唯もっとそっちいってくださいー」
唯「うひいいっあずにゃんに挟まれて……私、どうしたらいいのかっ」
梓「そういえば唯はもうおんちんとっちゃったからできないんですか?」
唯「えっ」
姉梓「ふーん、ほぉー」
唯「ちょ、あずにゃん! なんでそういうこというの」
梓「?」
384: 2011/05/27(金) 12:09:58.02 ID:LJGMdxgy0
姉梓「あーあー、私唯とご無沙汰なんですけどー」
唯「うっ……あねにゃんまで……」
梓「お姉ちゃんも一緒にしよ?」
唯「なんなのこの姉妹!?」
姉梓「大丈夫ですよ。この国、一婦多妻制ですから……にゃふふ」
唯「うわわわわ」
梓「えっ、お、お姉ちゃん唯と結婚するの?」
姉梓「かもしれないね。って話」
梓「わ、私もするもん! ですよね!? 私のこと愛してるって言ってくれましたよね!?」
唯「う、うん……もちろん……愛してるよ」
姉梓「私は?」
唯「……お、恩人です」
姉梓「ま、いまはそれで勘弁してあげます」
唯「うえーん」
389: 2011/05/27(金) 12:15:07.75 ID:LJGMdxgy0
姉梓「さて、唯もおOんちんがなくなったことだし」
唯「ソウダネ」
梓「?」
姉梓「梓ちょっとおいで。プレゼント」チョイチョイ
梓「なに? わぁ! いいの!?」
唯「な、何なになに!?!?」
姉梓「……むふふ、せーの! じゃーん!」ギンギン!
梓「あう……恥ずかしいです」ビンビン!
唯「 」
姉梓「これやってみたかったんだぁ」
梓「私も! なんかずっと楽しそうだなぁって思ってた! 唯、いいですよね!?」
唯「は、は……」
姉梓「ほら唯。あ~ん♪」
梓「いっぱい注いでやるです!」
唯「にゃあああああああああああああ!!」
402: 2011/05/27(金) 12:34:26.82 ID:LJGMdxgy0
ところかわって日本
律「おーこれが話題のライスタイヤキ? うまそー」
澪「ついに日本上陸だってさ! 早速買ってみよう」
紬「これ、アズニャンランドの国王様御用達のタイヤキ屋が発明したそうよ」
澪「へーすごいんだな」
律「……でさぁ……このタイヤキ屋の写真だけど……あはは」
澪「なんともいい笑顔だな……っておいこれ!!」
紬「……あらあら」
開発者の平沢唯さん(現19歳:既婚)はなんと日本人!
平沢氏『タイヤキの本場からおいしいタイヤキをお届けしますにゃん♪ たっぷり召し上がれ♪』
律「……なんだこりゃ」
澪「なにやってんだか」
おわり
律「おーこれが話題のライスタイヤキ? うまそー」
澪「ついに日本上陸だってさ! 早速買ってみよう」
紬「これ、アズニャンランドの国王様御用達のタイヤキ屋が発明したそうよ」
澪「へーすごいんだな」
律「……でさぁ……このタイヤキ屋の写真だけど……あはは」
澪「なんともいい笑顔だな……っておいこれ!!」
紬「……あらあら」
開発者の平沢唯さん(現19歳:既婚)はなんと日本人!
平沢氏『タイヤキの本場からおいしいタイヤキをお届けしますにゃん♪ たっぷり召し上がれ♪』
律「……なんだこりゃ」
澪「なにやってんだか」
おわり
404: 2011/05/27(金) 12:35:40.71 ID:VqNbmlrT0
おつおつ
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります