1: 2011/05/08(日) 23:30:52.94 ID:SazJV8/J0
美也「逢ちゃんに冷たくしろって? なんでまた」

橘「七咲はちょっと礼儀知らずなところがあるんだよ」

美也「そうかなぁ」

橘「僕や梅原だって仮にも先輩なのに、斜に構えてるっていうか。
  このままだと七咲は敵をたくさん作っちゃうと思うんだ。だからそうならないためにもお願いできないか」

美也「ん~。うん、わかった。にぃにがそういうなら、みゃーも協力するよ」
アマガミ Love goes on!(1) (電撃コミックス)
9: 2011/05/08(日) 23:38:51.30 ID:SazJV8/J0
翌日

七咲「あ、先輩。おはようございます」

橘「ああ、七咲か。おはよう」

七咲「今朝はやけに早いですね」

橘「ははっ。僕だってたまには、ね」

七咲「驚きました。先輩がこんな時間に登校してるなんて。
   これから雨でも降らなければいいんですが」

橘「な……」

七咲「くすっ、冗談ですよ」

橘「……」

10: 2011/05/08(日) 23:46:09.31 ID:SazJV8/J0
七咲「どうかしましたか? 先輩」

橘「なぁ、七咲」

七咲「はい、なんでしょう」

橘「そろそろさ、いい加減にしてくれないか」

七咲「え。何がですか?」

橘「何がじゃないだろ。お前、ちょっと生意気だぞ」

七咲「え……。と、突然何を」

橘「いいか。正直言うと僕はお前にいつも腹を立てているんだ」

七咲「先輩が……私に……?」

13: 2011/05/08(日) 23:54:39.69 ID:SazJV8/J0
橘「お前の態度は先輩を小馬鹿にしてる」

七咲「え、えっと……その」

橘「少し僕が優しくしてあげてるからって、調子に乗るのはやめてくれないか」

七咲「す、すみません。私の方は特に悪気があって、あのように先輩に接していた訳ではなかったのですが、
   そんなに先輩が気を悪くされていたのなら謝ります……! で、ですから……」

橘「当分、七咲の顔は見たくないな。近づかないでくれないか」

七咲「せ、先輩っ……!?」

16: 2011/05/09(月) 00:02:41.62 ID:QL1jR2PD0
教室

七咲「……」

七咲(知らなかった……。先輩が私のことあんなに嫌ってたなんて)

七咲(思い返してみれば、私は先輩に失礼なことばかり口にしてた)

七咲(私にとっては軽い気持ちだったけど)

七咲「このままじゃダメだ。ちゃんと先輩に謝ろう……」

七咲「でも、先輩は私とは会いたくないって言ってた。多分、行っても直接会ってくれない」

七咲「ここは妹の美也ちゃんに頼もう。美也ちゃん、ちょっといい」

美也「……」

七咲「美也ちゃん?」

19: 2011/05/09(月) 00:08:46.91 ID:QL1jR2PD0
七咲「聞こえてないのかな……。美也ちゃん!」

美也「うるさいなぁ。そんな大声出さないでよ。ちゃんと聞こえてるってば!」

七咲「え……あ、ごめん」

美也「はぁ。それで用は何?」

七咲「えっと。ちょっと訳があって、橘先輩を呼んでもらいたいんだけど。いいかな?」

美也「ヤダ」

七咲「ど、どうして……?」

22: 2011/05/09(月) 00:15:48.62 ID:QL1jR2PD0
美也「じゃあ、どうしてみゃーが逢ちゃんのためにお兄ちゃんを呼んでこなくちゃいけないの」

七咲「それは……」

美也「紗江ちゃんならともかくさ、大して親しくもない逢ちゃんにそんなことする義理なんてないよ」

七咲「美也ちゃん……」

美也「もうチャイム鳴るから、あっち行ってよ」

七咲「ご、ごめん……」

美也「それとこれから、あまり話しかけてこないでね。それじゃ!」

七咲「……」

24: 2011/05/09(月) 00:22:11.64 ID:QL1jR2PD0
七咲「美也ちゃんまで私のこと……」

七咲「兄妹二人で私、嫌われてたなんて」





休み時間

七咲「とりあえず、先輩の教室に行って……」

橘「……」

七咲「あ、あそこで廊下を歩いてるのは……。先輩!」

28: 2011/05/09(月) 00:28:02.43 ID:QL1jR2PD0
橘「なんだ、七咲か。当分、近づかないでくれって言ったじゃないか」

七咲「そ、そんなの納得いきません!」

橘「こっちは迷惑してるんだ」

七咲「今朝、ちゃんと謝ったではないですか……。なのに、まだ許してくれない
   っていうんですか。そんなの男らしくないです!」

橘「ほらまた、僕に対して生意気なこと言ってるじゃないか」

七咲「あっ、す……すみません。でも私」

橘「もう僕は教室に戻るから」

七咲「あ、待ってください! まだ話は……!」

29: 2011/05/09(月) 00:32:10.71 ID:QL1jR2PD0
ドンッ

梅原「いてっ!」

七咲「うっ! す、すみません」

梅原「いてぇーな……。七咲か」

七咲「あ、梅原先輩。丁度良かったです。あの、橘先輩を呼ん……」

ガシッ

七咲「え……うぅ!」

梅原「何が丁度良かっただ。教室の入り口なんかでぼさっとしてんじゃねぇよ」

七咲「うぐぅ……せ、せんぱ……い。くるし……」

33: 2011/05/09(月) 00:41:24.78 ID:QL1jR2PD0
梅原「それとな、先輩に命令するなんざどういう了見だ。お前はそれほど偉いのかよ? 大将なのかよ?」

七咲「す、すみませ……こほっこほっ」

梅原「気をつけろよなっ!」

ブンッ

ガンッ!!

七咲「あぐぁ……!」

梅原「たくっ、後輩ならもっと可愛げをみせろってんだ」
スタスタスタ

七咲「げほっ、げほっ」

38: 2011/05/09(月) 00:47:36.82 ID:QL1jR2PD0
七咲(この日の私はずっと独りだった)

七咲(教室でも、不思議と誰も話しかけてこない……)

七咲(いつも休み時間になったら決まって私の机に集まってくれる友達さえも来ない……)

七咲(もちろん……美也ちゃんも紗江ちゃんも)

七咲「……」

40: 2011/05/09(月) 00:51:59.37 ID:QL1jR2PD0
放課後

七咲「紗江ちゃん」

紗江「え、あ……」

七咲「ちょっと今いい……?」

紗江「それは、その……」

七咲(まさか紗江ちゃんも……)

七咲「ちょっと聞きたいことがあって。時間は取らせないから。ダメかな?」

紗江「……うぅ」

美也「ダメに決まってるよ!」

七咲「み、美也ちゃん……」

43: 2011/05/09(月) 00:59:36.88 ID:QL1jR2PD0
美也「紗江ちゃんはこれからみゃーと一緒に帰るんだもん。だよね!?」

紗江「……ぅ、うん」

七咲「本当に少しの時間だけでいいから……お願い!」

美也「イヤったらイヤ。ていうか、逢ちゃん。さっき話しかけてこないで言ったじゃん!」

七咲「わ、私は紗江ちゃんに!」

美也「あれは紗江ちゃんも入ってるんだよ! 紗江ちゃんも逢ちゃんなんかと話したくないってさ」

七咲「そうなの……? 紗江ちゃん」

紗江「……」

50: 2011/05/09(月) 01:04:17.26 ID:QL1jR2PD0
美也「あったりまえじゃん。そんなこともわからなかったの?」

七咲「……」

美也「さっ、紗江ちゃん。早く帰ろっ」

紗江「……あ、うん」

七咲「あ、待って……!」

ガラガラ ピシャ

七咲「……」

七咲「もういいや。部活に行こ……」

62: 2011/05/09(月) 01:13:37.25 ID:QL1jR2PD0
水泳部

七咲「塚原先輩、ちょっと相談があるんですけど……いいですか?」

塚原「あ、七咲。丁度良かった私もあなたに話があったのよ」

七咲「え、何ですか?」

塚原「あら。私の方が先に話しちゃっていいのかしら?」

七咲「はい」

塚原「そっか。それじゃあ、単刀直入に言わせてもらうけど」

塚原「これから水泳部に来ないでくれないかしら?」

七咲「え……そ、それはどういう」

72: 2011/05/09(月) 01:22:52.51 ID:QL1jR2PD0
塚原「言葉どおりの意味よ」

七咲「な、なぜなんですか!?」

塚原「そうね。簡単に言えば戦力外通告ってところかしら」

七咲「な……」

塚原「知ってるだろうけど、あなたのタイム。落ちるところまで落ちてるでしょ」

七咲「で、でもあれは一時的なもので……今の私なら絶対に!」

塚原「はぁ。じゃあ、もっとはっきり言わせてもらうわね。正直邪魔なのよね、あなた」

七咲「つ、塚原先輩……?」

80: 2011/05/09(月) 01:35:24.48 ID:QL1jR2PD0
塚原「以上。理由はちゃんと話したわ。さぁ、部活が始まるから早いとこ出て行って、ね?」

七咲「……」

七咲「わからない……」

七咲「私どうしたら……うぅ」

ドスッ

七咲「あぐぁっ!」

森島「あら? 何かに私のひじがぶつかったような」

七咲「けほっけほっ……げほっげほっ! 森島せんぱ……」

森島「ありゃ。あなた、響とよくいる後輩ちゃんね。ごめんね、存在感が薄くて気づかなかったわ」

七咲「……す、すみません」

85: 2011/05/09(月) 01:43:17.90 ID:QL1jR2PD0
森島「それよりどうしたの? 今日は確か部活があるって響が言ってたはずだけど」

七咲「……」

森島「サボり?」

七咲「やめさせられちゃいました」

森島「え?」

七咲「塚原先輩にもう来なくていいって……」

森島「わーお」

七咲「森島先輩はわかりませんか? 塚原先輩がなぜ私にそんなことを言ったのか……」

森島「うーん、なんとなくわかる気がするなー」

七咲「本当ですか。教えてください……!」

森島「うん。だって、あなた暗くて陰気臭いんだもんっ」

七咲「あ……」

90: 2011/05/09(月) 01:48:44.86 ID:QL1jR2PD0
森島「私が響だったらすぐにやめさせちゃうだろうな、うふふ」

七咲「……」

森島「どう? すっきりした?」

七咲「はい……ありがとうございます」

森島「どういたしましてー。それじゃあね!」

七咲「……」

七咲「帰ろう」

96: 2011/05/09(月) 01:56:30.33 ID:QL1jR2PD0
帰り道

七咲「……」

七咲(私はこれから一体何のために生きていけばいいのだろう……)

七咲(慕っていた先輩たちには見捨てられて)

七咲(仲良くしていた友達からは避けられて)

七咲(大好きだった水泳もみんなとできなくなる……)

七咲「どうしていきなりこうなっちゃったんだろう……全然わからない……」

七咲「本当にわからないよ……うぅ」

七咲「ぐすっ……あ」

郁夫「……」

七咲「郁夫?」

110: 2011/05/09(月) 02:06:18.42 ID:QL1jR2PD0
七咲(そうだ……郁夫の前でこんな顔してちゃダメだ)

七咲(私は郁夫のお姉ちゃんなんだから……)

七咲「郁夫も今帰り?」

郁夫「……」

七咲「だったら私と一緒に帰ろうか」

郁夫「……」

七咲「ほら、手そんなに冷たそうにして。ちゃんと暖めないと風ひくよ」

パシッ

手を暖めようと差し出してきた七咲の手を払いのける郁夫。

七咲「え……?」

郁夫「……」

122: 2011/05/09(月) 02:15:02.31 ID:QL1jR2PD0
七咲「ど、どうしたの?」

郁夫「……」

七咲「もしかして、恥ずかしかった?」

郁夫「……」

七咲「なら大丈夫だよ。今は私と郁夫の二人だけだから」

郁夫「……」

七咲「それとも、何か違う理由? だったら私に話してみて」

郁夫「……いだ」

七咲「え? ごめん、郁夫。もう一度言って」

郁夫「お姉ちゃんなんか大嫌いだ」

128: 2011/05/09(月) 02:24:27.39 ID:QL1jR2PD0
七咲「……」

七咲「こ、こら、郁夫。嘘でもそういうこと言ったらダメっていつも言ってるでしょ」

郁夫「……」

七咲「返事は……? 郁夫!」

郁夫「……」

タッタッタッタ

七咲「あ、こら、郁夫……待ちなさい!」

七咲「いく……お」

七咲「……」

七咲「ごめんね、郁夫。こんなお姉ちゃんで……」

130: 2011/05/09(月) 02:32:42.33 ID:QL1jR2PD0
ゲーセン

カチャカチャカチャ

七咲「……」

七咲「こんなところで何やってるんだろ、私……」

七咲「でも、早く帰ってもお母さんたちに部活のこと聞かれるだろうし」

七咲「きっと郁夫も……私のこと」

カチャカチャ

チャラララー!!

七咲「あ、格闘ゲーム勝っちゃった」

薫「ちょっと、アンタ」

七咲「え? なんでしょう」

七咲(対戦相手の人かな……?)

薫「ゲームでズルしてんじゃないわよ!」

138: 2011/05/09(月) 02:44:18.13 ID:QL1jR2PD0
七咲「し、してませんよっ!」

薫「嘘つくんじゃないわよ! あんなハメ技しておきながら。もっと正攻法で戦いなさいよ!」

七咲「それだって立派な戦略です!」

薫「はぁ? 何、屁理屈言ってんのよ! しまいには私もキレるわよ!?」

ガシッ

七咲「くっ……」

薫「あ……。思い出した。あんた純一とたまに廊下とかで話してる下級生だ」

七咲「ということは……あなたも橘先輩の知り合い?」

薫「ふ~ん。丁度いいわ。ちょっと顔貸しなさいよ、ね!!」

グイッ
七咲「や、やめっ……うぐぅ」

147: 2011/05/09(月) 03:06:06.72 ID:QL1jR2PD0
路地裏

薫「よし。この辺でいいかしらね」

ドサッ

七咲「けほっけほっ、な、何するんですかっ……いきなりこんなところに引っ張ってきて!」

薫「この機会にアンタに釘を刺しておこうと思ってさ」

七咲「どういうことです……?」

薫「なぁに。早い話が純一に近づくなってことよ」

七咲「意味がわかりません。一体あなたに何の権限があって……!」

ドスッ

七咲「あぐぁっ!」

薫「へぇ。大人しそうなわりには随分強情なのね。でも、そういう性格してると損よ?」

153: 2011/05/09(月) 03:16:32.58 ID:QL1jR2PD0
薫「言っとくけど拒否権はないから」

薫「なんたってアンタと私じゃ純一との付き合いの差って奴が違うんだから」

七咲「……それでも……譲れません」

薫「は?」

七咲「あなたがどう言おうと……橘先輩のこと」

七咲「絶対譲れませんから……!」

薫「はぁ。アンタ何もわかってないのね」

七咲「何がですかっ!?」

薫「アンタが純一のことをどう想おうが、純一の方は何とも想っちゃいないのよ?」

薫「むしろ迷惑がってること、気づいてないの?」

七咲「うっ……そ、そんなこと、ありませんっ! 先輩に限ってそんな!」

薫「ふ~ん。そこまで言うなら今から確かめてくれば。純一に会ってさ?」

七咲「くっ……」

タッタッタッタ

157: 2011/05/09(月) 03:25:47.66 ID:QL1jR2PD0
タッタッタッタッタ
七咲「……」

七咲「絶対ない! 先輩が私を嫌ってるなんて……!」

七咲「そんなこと絶対……絶対……信じたくない」

七咲「今朝のだって……何かの間違いなんだ」

七咲「ううん。もし間違いじゃなくてもこのまま終わるなんてそんなの堪えられない……!」

七咲「後悔しないためにも……今日こそ伝えよう。私の本当の気持ちを先輩にっ」

七咲「あ、いた!」

橘「……」

七咲「先輩っ! 橘せんぱ……」

橘「……」
チュウ…
絢辻「……」

七咲「……い」

162: 2011/05/09(月) 03:44:23.19 ID:QL1jR2PD0
橘「これで契約成立かな」

絢辻「くすっ、よくわかってるじゃない」

橘「はははっ、絢辻さんのことは何でもお見通しだよ」

ガスッ

橘「いたたっ! 蹴るなんてひどいよ!」

絢辻「キスしてあげただけで、知った風な口利くんじゃないの」

橘「でも絢辻さんは裏表のない素敵な人だから、色々わかっちゃうんだよー」

絢辻「なるほど、そういうことだったのね。それならよろしい」

164: 2011/05/09(月) 03:45:18.64 ID:QL1jR2PD0
橘「よかった。覚えてたご褒美にもう一度キスしてくれたりしないかな……」

絢辻「……」

橘「ははは……」

絢辻「仕方ないわね。特別よ」

橘「やった」
チュ…


七咲「……」

前の光景を目の当たりにした七咲は
立ちすくんだまま、しばらくその場から動けなかった。

167: 2011/05/09(月) 04:00:35.03 ID:QL1jR2PD0
校門

桜井「はぁ、部活ですっかり遅くなっちゃった」

桜井「早く帰ろっと~」

七咲「……」

ドサッ

桜井「あれ、水泳着袋? 今すれ違った人が落としたのかな」

桜井「すみませーん、これ落ちましたよ~」

七咲「……ありがとう……ございます」

桜井「いえいえ。それじゃあ、さようなら」

七咲「……」

桜井(プールの方に向かって行った。今から部活なのかな?)

桜井(でも、もう部活とか終わってる時間帯だよね。誰も見てない時間に秘密特訓とか?)

桜井(もしそうだったら、すごいなぁ)

桜井「あ、いけない。早く帰らないとね~」

175: 2011/05/09(月) 04:33:12.99 ID:QL1jR2PD0
橘家

橘「ただいまー」

美也「おかえり、にぃに。今日は遅かったね」

橘「まぁ……色々とな」

美也「どうしたの? 少し顔がにやけてるよ~」

橘「そ、そうかな。ははっ」

美也「そんなことより、にぃに。何か忘れてなーい?」

橘「忘れてる? 何をだ」

美也「逢ちゃんのこと!」

橘「あぁー、そうだった! すっかり忘れてたぞ」

177: 2011/05/09(月) 04:36:54.72 ID:QL1jR2PD0
美也「もぉ! にぃにが言いだしっぺのくせに!」

橘「ごめんごめん! 僕はとりあえず、梅原にも協力してもらったんだけど。美也の方はどうだった?」

美也「こっちはね、紗江ちゃんとかクラスの子とかその他諸々かな~、にっしし」

橘「僕が見た感じでは七咲は充分反省していたようだけど」

美也「うん。みゃーの方も。ていうか、ちょっとやりすぎちゃったかも」

橘「そうとなれば、七咲に電話して安心させてあげないとな」

ピポパ prrrrrrr… ガチャ

橘「もしもし、橘ですけど。七咲逢さんはいますか?」

橘「え、まだ帰ってきてない? そうですか。わかりました」

ガチャ

美也「どうしたの? にぃに」

橘「七咲、まだ家に帰ってきてないんだってさ」

179: 2011/05/09(月) 04:38:22.40 ID:QL1jR2PD0
プール

七咲「……」

七咲「もう誰もいない……。こんな時間じゃ当然か」

七咲「橘先輩……いつだったか、私の心が追いつめられた状態でプールに飛び込んだとき」

七咲「先輩もその後すぐに飛び込んで、私を水面から抱え上げて助けてくれましたよね」

七咲「あの時、とても嬉しかったんですよ……」

七咲「でも……今の先輩はきっと私なんか助けてくれないんですよね……そうなんですよね」

七咲「……」

七咲「それでも私、先輩のこと……ずっと忘れませんから」

七咲「それでは先輩。さよならです」


ドポン

ブクブクブクブク…ブクブク…ブク……ブク…………


END

181: 2011/05/09(月) 04:40:32.67 ID:AMXIcfI4O
やはりbadか…
わかっていたさ
>>1乙

186: 2011/05/09(月) 04:44:24.08 ID:QL1jR2PD0
言いたいことはわかる
しかし、スト子ちゃん以外のヒロインたちをちゃんと出したことだけは認めてくれい

最後にご精読ありがとうございました

188: 2011/05/09(月) 05:01:29.79 ID:PMYfDISC0
大層乙であった

引用元: 橘純一「七咲は生意気だなぁ……。少し懲らしめるか」