絵里「え？」

真姫「だから『ある』って言ったのよ。風邪を治す薬」

穂乃果「すごいすごい！流石真姫ちゃん！」

真姫「でも、何か副作用があるらしいのよ。パパは教えてくれなかったけど、風邪を引いたら直ぐにパパに連絡してこの薬を飲んでくれって言われたわ」ｼﾞｬﾗｯ

花陽「なんだか普通のお薬みたいですが…」

ことり「流石に自分の娘に危ない薬は持たせないんじゃないかな？」

希（海未ちゃんには悪いけど、何か面白そうな予感がする）

真姫「どうする？アレルギーとか特に無いなら大丈夫だと思うけど」

海未「そうですね、真姫のお父様から渡されたのであれば大丈夫でしょう。真姫さえよろしければいただきます」

真姫「どうぞ」ｽｯ

海未「ありがとうございます」ﾊﾟｸｰ

海未「あっ、なんだか早速楽になってきました…」

絵里「早すぎない？」

真姫（結局副作用ってなんだったのかしら）

海未「うぅっ…」ｸﾞﾗｯ

ことり「海未ちゃん！」

穂乃果「あーっ！なんだか海未ちゃんが！」

海未「あっあっあっ」ﾌｼｭｰ

希「だんだん小さくなっていってるやん！」

海未「…」

にこ「とまった…」

穂乃果「なんだか手のひらサイズになっちゃったけど」

花陽「海未ちゃん、大丈夫？」

海未「う…」

ことり「う？」

海未「うみー！」

一同「！？」

希「真姫ちゃん、お父さんにすぐ電話や！」

真姫「わ、わかったわ！」

真姫「ふぅ…」ﾃﾞﾝﾜｵﾜﾘ

穂乃果「真姫ちゃん！海未ちゃんは…！」

真姫「ええ、どうやら薬の副作用で10分の1サイズになっちゃったみたい」

真姫「すぐには戻らないけど3～4日ぐらいで元に戻るそうよ」

穂乃果「ほっ…」

真姫「それと、基本的には海未なんだけど小さくなってる間は少しばかり性格が変わるそうよ、パパは『性格も幼くなる』っ言ってたわ」

海未「うみ？

凛「制服まで小さくなってるのは…」

真姫「さぁ？そもそも人が小さくなったことが驚きだからそんなこと気にしても仕方ないわ」

ことり「あうー、小さい海未ちゃんかわいい～」

海未「うみー！ことりちゃん！」

穂乃果「おおっ、ちゃん付けになってる！」

穂乃果「ねぇねぇ、海未ちゃん、私は？」

海未「ほのかちゃん！」

絵里「かわいい…」ｺﾞｸﾘ

海未「えりおねえちゃん！」

絵里「ハラショー」 ﾊﾞﾀｯ

希「あ、エリチが倒れた」

海未「のぞみおねえちゃん！」

希「なんか照れるやん」ｴﾍﾍ

海未「まきちゃん、りんちゃん、はなよちゃん」

まきりんぱな「ホントにかわいい…」

にこ「海未ちゃーん、にこは？」

海未「にこちゃん！」

にこ「なんで私はお姉ちゃんじゃないの！？」

真姫「見た目でしょ？」

にこ「くそ～！こうなったら海未に再度私の輝きを見せてあげるわ！」

にこ「にっこにっこにー！」

海未「うっみうっみうー♪」

凛「海未ちゃんの勝ちだにゃ」

にこ「そんなぁ」ｶﾞｸｯ

ことり「それにしても穂乃果ちゃん、この海未ちゃんの性格…」

穂乃果「うん、あの海未ちゃんとは思えないほど明るいね」

真姫「性格もパパの話と全然違うわね。ごめんなさい、私が薬を渡さなければ…」

海未「まきちゃんはわるくありません、わたしがくすりをほしいといったからです」

穂乃果「お、今のはいつも海未ちゃんっぽい」

希「真姫ちゃんのお父さんはこれを真姫ちゃんに飲ませようとしたんやな」

真姫「…帰ったらパパを問い詰めるわ」

ことり「でも、海未ちゃんはしばらくこのままなんだよね？」ｳﾐﾁｬﾝﾀﾞｯｺ

海未「う～♪」ｽﾘｽﾘ

穂乃果「穂乃果の家で預かるよ、海未ちゃんのご両親には勉強みてもらうからしばらく泊まるって私から言っておくよ」

ことり「大丈夫？」

穂乃果「うん、お父さんもお母さんも基本的にお店にいるから2階の部屋まであんまり上がってこないし」

海未「うみ？」

穂乃果「ねー、海未ちゃんはお家帰りたい？」

海未「ほのかちゃんのいえならおとまりしたいです！」

穂乃果「よし、海未ちゃんテイクアウトだね」

ことり「それは使い方間違えてる気が…」ｱﾊﾊ

海未「ほのかちゃん、ことりちゃん、かえりまますか？」

穂乃果「そう…だね。そろそろ暗くなってきたし帰ろっか」

希「ウチらは今後のこともあるからもうちょっと残るわ」

真姫「誰かに見つからないように帰りなさいよ」

ことり「私も今日は穂乃果ちゃん家までついていくね」

ほのこと「じゃあねー」

海未「ばいばーいです」

ｶﾞﾗｯ ﾋﾟｼｬﾝ

…

絵里「はっ！？わ、私の海未は？」

希「エリチ、亜里沙ちゃん泣くで…」

にこ「で、どうするのよ」

真姫「今日の夜にパパからすぐに戻れる方法がないか聞くわ」

希「今日のことはとりあえずウチらの中だけの話や。海未ちゃんのためにも絶対にしゃべったらあかんよ？」

凛「うん、わかった」

花陽「言っても誰か信じるんでしょうか」

絵里「で、海未は？」

希「穂乃果ちゃん家や」

絵里 ｼｮﾎﾞﾝ

―穂乃果家


穂乃果「ふぅ、なんとか気づかれずに帰ってこれた…」

海未「うー！」

穂乃果「シーッ！あんまり大きな声だしちゃダメだよ」

海未「はい！」

穂乃果「ホントに小さい海未ちゃんは元気いいよね」

海未「ほのかほどじゃありません」

穂乃果「私だけ下で食べるわけにいかないし…あ、そうだ、海未ちゃんちょっと待っててね」

海未「はい！」

ｶﾞﾗｯ

穂乃果「海未ちゃん、これどう？穂むらのお饅頭！」

海未「おー！」ｷﾗｷﾗ

穂乃果「おぉ、いつもの海未ちゃんなら『夕飯にそんなの食べたら太りますよ』とか言うのに…」

海未「ほのかちゃんはなにをたべるんですか？」

穂乃果「えへへー、ランチパックだよ」

海未「おゆうはんもパンですか、ふとりますよ？」

穂乃果「あー！海未ちゃんだってお饅頭じゃん！」

海未「えへへー」

穂乃果（それにしても…）

海未（）ﾓｸﾞﾓｸﾞ♪

穂乃果（両手でお饅頭もってかぶりついてる海未ちゃん可愛いなー）

穂乃果（写真とっておこう）ﾊﾟｼｬ

海未「うー？」

穂乃果「海未ちゃん、全部食べれる？」

海未「ｹﾌﾟｰ」ﾌﾙﾌﾙ

穂乃果「そうだよね、今の海未ちゃんにはおっきすぎたよね」

穂乃果「残りは私が食べるよ」

海未「ごちそうさまでした」

穂乃果「はい、お粗末さま」

穂乃果「あ、お風呂入る？」

海未　ｺｸｺｸ

―お風呂

穂乃果「海未ちゃんの下着だけは洗っておかないとね」ｺﾞｼｺﾞｼ

海未「でもすぐかわくんですか？」

穂乃果「うん、お風呂から出たらすぐドライヤーで乾かしちゃおう」

穂乃果「これでよし…っと」

穂乃果「あ、海未ちゃん髪洗ってあげるね」

海未「おねがいします」

穂乃果「シャワーを弱めにしてっと…」ｼｬｰ､ｺﾞｼｺﾞｼ

海未「うー♪」

穂乃果「目を開けちゃダメだよー」

穂乃果「小さくなっても海未ちゃん髪キレイだなー」

ﾁｬﾌﾟｯ

穂乃果「ふー、いいお湯だー」

海未「きもちいいですー」

穂乃果「海未ちゃんが溺れちゃうから、洗面器にお湯入れて一緒に湯船に入ってみたけど」

穂乃果「これってアレに似てるよね、ゲゲゲの…」

海未「おい、ほのか！」

穂乃果「あはは！海未ちゃんノリノリだ！」

海未「うみー♪」ﾏﾝｿﾞｸ

穂乃果「よし、お風呂から出たし海未ちゃんの下着をドライヤーで乾かしちゃおう」

ｽｲｯﾁｵﾝ

ﾌｫｰｰｰ

穂乃果「うん、小さいからすぐ乾いちゃったね」

海未「ありがとうございます」ﾊｷﾊｷ

穂乃果（ドライヤーを海未ちゃんにあてるとどうなるのかな？）

ﾂﾖﾒﾃﾞｽｲｯﾁｵﾝ

ﾌﾞｫｰｰｰ

海未「うー！？」ｺﾃﾝ

穂乃果「あ、ゴメンね海未ちゃん」

海未「うぅ…」ｸﾞｽっ

穂乃果「ああ！ゴメン！ほんとにゴメンなさい！」

穂乃果（部屋に戻っても機嫌直してくれない…）

海未「あなたはさいていです！」ﾌﾟﾝﾌﾟﾝ

穂乃果「あ、そういえば寝る時も制服だと寝づらいと思ったから…」

穂乃果「こんなの引っ張りだしてきました！」ﾊﾞｯ

穂乃果「昔、お人形遊びで使った服だよ」

海未「おー！」ｷﾗｷﾗ

穂乃果「お、着てみる？」

海未「はい！」

ｷｶﾞｴｷｶﾞｴ

穂乃果「流石海未ちゃん、お人形用だから厳しいかと思ったけどちょうどいい感じだね」

穂乃果「しかも数ある中からちゃんとパジャマを選ぶとは海未ちゃんらしい…」

海未「うー…」ｺﾞｼｺﾞｼ

穂乃果「海未ちゃん、眠そうだね」

穂乃果「ちょっと早いけど一緒に寝ようか」

海未「はい！」

ﾍﾞｯﾄﾞｺﾞｿｺﾞｿ

穂乃果「なんだか本当にお人形さんと一緒に寝るみたいだ」

穂乃果「寝返りうったら海未ちゃん潰れちゃう…」

海未「ひっ！」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

穂乃果「冗談だよ！大丈夫だって…たぶん…」

海未「うー」

穂乃果「枕の代わりに穂乃果の腕でっと…」ｱﾀﾏﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

海未「スー…」ｽﾔｧ

穂乃果（寝るの早い！寝つきは相変わらずいいんだね）

―朝

？？「…ちゃーん！」

穂乃果「んにゃ？」ﾈﾑﾈﾑ

雪穂「お姉ちゃん！もう、やっと起きた…遅刻してもしらないよ？」

穂乃果「雪穂、おはよう」ﾌｧｰ

穂乃果「あれ、なんか忘れてるような…あ！海未ちゃんは！？」

雪穂「え、海未さんも来てたの？」

穂乃果「え、いや、そのー…」

海未「うー！うー！」

ほのゆき（どこからか声が聞こえる…）

雪穂「お、お姉ちゃん！服！」

穂乃果「服…って…うわぁ！」

穂乃果のﾊﾟｼﾞｬﾏｶﾞｻｶﾞｻ

穂乃果「海未ちゃんなんでこんなとこに」ｶﾞｻｺﾞｿ ﾋｮｲ

海未「ゆきほちゃんがおへやにはいってきたのでかくれようかと」

海未「そうしたらでられなくなりました…」

雪穂「え？これ、海未…さん？」

海未「おはようございます」

雪穂「お、おはようござい…ます」

穂乃果「あちゃー」

…

雪穂「事情は分かったけどさ、学校はどうするの？」

穂乃果「一応連れて行くつもりだけど…」

海未「たいちょうがわるくないのにやすんじゃいけません」

雪穂「いや、もうそういうレベルじゃないですよ…」

穂乃果「とにかく、学校に行けば真姫ちゃんが何か解決策を用意してるかもしれないから行ったほうがいいと思うんだ」

雪穂「まったく…くれぐれも気をつけてね」

穂乃果「うん、海未ちゃんには学校に着くまでは鞄の中に入ってもらうから誰かに見つかる心配はないよ」

―待ち合わせ場所

穂乃果「ことりちゃん、おはよう！」

海未「おはようございます！」

穂乃果「あぁ…海未ちゃん顔出したら見られちゃうよ！」

海未「うみ？」

ことり「二人ともおはよう」

真姫「その様子だと昨日は問題なかったみたいね」

穂乃果「真姫ちゃん！おはよう！」

真姫「おはよう、早速だけど本題に入るわね」

真姫「海未を戻す薬は明日には出来るわ」

穂乃果「おお！」

真姫「それと昨日の夜にパパがことりのお母さん…理事長に話をしたから海未が学校に行っても問題ないわ」

ことり「えーっとね、お母さんが海未ちゃんは今とある実験のモニター中だから小さくなってるけど気にしないようにって、学校に通達を出したの」

ことり「だから、学校ではコソコソしなくても大丈夫だよ」

穂乃果「おー、流石はことりちゃんのお母さん」

真姫「私のパパは『なぜそんな危ない薬を子供に持たせたんですか！』っ怒られてたけどね」

ことり「ごめんね、昨日は家まで一緒にきてもらったのに」

真姫「いいのよ、元に戻る薬は必ず今日中に作って明日には渡せるようにするから…」

海未「はやくいかないとちこくしますよ？」

穂乃果「あ、本当だ！」

ことり「とりあえず学校に行こう！」

ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ…

穂乃果「ふぅ、なんとか間に合った」

ことり「うぅ…つかれたぁ」

ヒデコ「二人ともギリギリだねー」

フミコ「緊急の職員会議とかでまだ先生は来てないけど…」

ミカ「あれ、海未ちゃんは今日一緒じゃないの？」

穂乃果鞄「うー！うー！」ﾊﾞﾀﾊﾞﾀ

ミカ「鞄がしゃべった！？」

穂乃果「いやー、実は…」

ﾌｧｽﾅｰｵｰﾌﾟﾝ

海未「う？つきましたか？」ﾋｮｺ

ヒデフミミカ「「「え？」」」

海未「あ、みなさん、おはようございます」

ヒデフミミカ「「「おはよ…って…ええっ！？」」」

ことり「あはは…」

穂乃果「うーん、詳しくはたぶん先生が説明してくれるからそれを聞いてほしいんだけど」

穂乃果「とりあえず今日の海未ちゃんは小さいのでよろしく！」

海未「みっ！」ﾋﾟｼｯ

ヒデコ「何があったかよくわかんないけど…」

フミコ「この海未ちゃんも可愛いし問題ないんじゃない？」

ミカ「そうだね」

ことり（すごい適応力だ…）

山田先生「…っというわけだ。園田が小さくなって色々不便なことも多いと思うが、みんなで助けてあげてくれ」

みんな「はーい」

海未 ﾍﾟｺｯ

山田先生「お、園田は小さくなっても礼儀はしっかりしてるな。感心感心」

山田先生「今日は一日高坂の机の上で一緒に授業を受けなさい、高坂が寝たりしたらひっぱたいてやれ」

海未「わかりました！」ｷﾗｰﾝ

穂乃果「うっ…」

―授業中

穂乃果 （クー…）ｽﾔｽﾔ

海未（またねてます…）

海未（ほのかちゃん！ほのかちゃん！）ﾍﾟｼｯﾍﾟｼｯ

海未（うー、起きません）

海未（しかたありません、ここはわたしが代わりにノートを）ﾖｲｼｮ

ことり（あぁ…海未ちゃんがシャーペン持ってﾌﾗﾌﾗしてる…）

海未（よいしょ、よいしょ）ｶｷｶｷﾌﾗﾌﾗ

穂乃果（）ｽﾔｧ

ｸﾞﾗｯ

海未（うー！）

ことり（あっ、このままだと穂乃果ちゃんの手にシャーペンの先が…）

ｸﾞｻｯ

穂乃果（）！

穂乃果「いったあああああああい！」

先生「よくやった園田」

海未「みぃ…」ｼｭﾝ

―お昼休み

穂乃果「うぅーっ、ひどいよ海未ちゃーん…」

海未「ほのかちゃんはねすぎです！ちゃんとじゅぎょうをきかないから、いつもテストのまえに…」ｶﾞﾐｶﾞﾐ

穂乃果「でもなにもシャーペンで刺さなくても…」

海未「た、たたいてもおきないからです」

ことり「いつもの海未ちゃんだねぇ」ﾆｺﾆｺ

ことり「途中から海未ちゃんがペン抱えながらノートとってたもんね」

穂乃果「あうー、すいませんでした」

ことり「そんな頑張った海未ちゃんに…」ｶﾞｻｺﾞｿ

ことり「はい、お弁当♪」

海未「うー♪」ｷﾗｷﾗ

海未「ことりちゃん、ありがとうございます」ﾍﾟｺｯ

穂乃果「いいなー」

ことり「はい、穂乃果ちゃんの分」

穂乃果「ことりちゃん！」

穂乃果「でも、すごいよね。海未ちゃんサイズのお弁当作れるなんて」

ことり「昔遊んだお人形さんのお弁当箱があったから、思わず作っちゃったの」

穂乃果「穂乃果も昨日、海未ちゃんのパジャマはお人形さんのパジャマ使ったよ！」

ことり「コップとかもちょうどいいから持ってきちゃった」

海未（）ﾊﾑﾊﾑ♪

ことり「実は衣装も少し作ってきたから放課後に…」

穂乃果「うん、絶対似合うから着せてみよう」

―体育

ことり「今日の体育は…」

穂乃果「卓球！」

ことり「海未ちゃん強いね」

穂乃果「一人だけテニスみたいになってるけど、今のところ全勝？」

ことり「うん。ちょうどフミコちゃんが負けたとこみたいだね」

フミコ「海未ちゃん強いよぉ…あれ絶対園田ゾ○ンとか使ってるよ…」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

穂乃果「そんなに強いんだ…海未ちゃん、勝負だよ！」

海未「のぞむところです！」

穂乃果「その前に…海未ちゃん、そのかわいいユニフォームと、ちょうどいいサイズのテニスラケットはどうしたの？」

海未「ことりがひとばんでやってくれました」

ことり「海未ちゃんが学校に来れるって分かったから昨日徹夜で作ったの」

ことり「体育が卓球ならこうなるだろうなーって」

ことり「ちなみに激しく動くとアンダースコートがチラチラ見えるの」

穂乃果「うん、可愛いね！」

海未「ではいざじんじょうに…」

穂乃果「勝負だよ！」

…

ことり「穂乃果ちゃん、元気出して？」

穂乃果「海未ちゃん小さくなっても強すぎだよー！まさか完封負けするなんて」

ことり「あれだけ動いて息一つきらさないからね」

海未「ほのかちゃんはむだなうごきがおおすぎです」ｴｯﾍﾝ

穂乃果「おー、海未ちゃんのドヤ顔だ」ｸｿｰ

穂乃果「えーいっ」ｺﾁｮｺﾁｮ

海未「う？や、やめてくだ、あは、は、く、くすぐったい、で、す」ｷｬｯｷｬｯ

ことり「わたしもまぜてー♪」

海未「うー♪」ｷｬｲｷｬｲ

―部室

穂乃果「今日の活動は…」

穂乃果「海未ちゃんで遊びます！」

海未「うみー！」

にこ「ちょっと、部長は私よ！」

希「たまにはいいやん？」

絵里「そうよ、こんな機会滅多にないんだから」

にこ「絵里まで…」

花陽「もしかして海未ちゃんに嫉妬…」

にこ「そそんなわけないじゃない！」

凛「にこちゃん、動揺してる？」

にこ「してないわよ！もう好きにすればいいわ！」

ことり「じゃあ、早速お着替えしようか、海未ちゃん」

海未「せいふくじゃだめなんですか？」

ことり「昨日、何着か作ってきたらちょっと着てみてほしいの」

海未「わかりました！」

ことり「はーい、じゃあ脱ぎ脱ぎしましょうねー」

海未「うー！」

花陽「…なんだか海未ちゃんらしくないです」

絵里「そうね、いつもなら『やめてください！破廉恥です！』ぐらい言うのに」

穂乃果「そういえば昨日一緒にお風呂入った時も恥ずかしがらなかったし…」

穂乃果「今日の体育でもミニスカートのテニスウェアをノリノリで着てたよ」

真姫「これも薬のせいかしら」

希「理由はわからんけど、本人が嫌がってないからいいんと違う？」

ことり「出来た！」

穂乃果「これは！」

絵里「私たちが最初にライブした時の衣装？」

ことり「うん、懐かしいでしょ？」

にこ「かわいいじゃない…」ﾎﾞｿｯ

海未「うみー」ｸﾙｸﾙ

花陽「あ、海未ちゃんそんなに回ったら」

凛「見えそうで見えないにゃ」

希「こらっ」ﾍﾟｼｯ

穂乃果「確か音源がこの辺に…」ﾊﾟｿｺﾝｶﾁｶﾁ

穂乃果「あった！」ｸﾘｯｸ

♪僕らLIVE君とのLIFE

ﾃｰﾃﾃｯﾃｯﾃｯﾃｯﾃｰ♪

海未「う！」ﾋﾟｸｯ

凛「あー！踊ってる！」

絵里「ダンスのキレはそのままね」

ことり「かわいい～、作った甲斐があったよー」

にこ「そろそろくるわよ…」

穂乃果「え？くるって何が…」

ことり「ほら、海未ちゃんの投げキッス！」

希「くるで！」

海未 「うー！」ﾁｭｯ

絵里「ハラショー！」

ﾃﾞﾃﾞｰﾝ!♪
ｷｮｸｵﾜﾘ

海未「みっ！」ｷﾒﾎﾟｰｽﾞ

一同 ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ

穂乃果「よくよく考えてみると、海未ちゃんってほとんどの曲で投げキッスしてるよね」

ことり「普段はあんなに恥ずかしがり屋さんなんだけどね」

海未「うみーっ！」ﾁｭｯ!

希「お、気に入ってるやん」

海未「みんなだいすきです！」

にこ「これ元に戻ったらどうなるのかしら」

真姫「あ、そのことなんだけど」

真姫「さっきパパから連絡があって、小さい時の記憶は戻った時には消えちゃうと思うって言ってたわ」

穂乃果「海未ちゃんのためにもそのほうがいいような気がするね」

真姫（でも、パパはあくまでも性格は幼くなるだけって言ってたんだけど…）ｼﾞｰ

海未「まきちゃん、どうかしましたか？」

真姫「なんでもないわ」

花陽「あ、でもそういえば最初に穂乃果ちゃんの家に行った時に穂乃果ちゃんの部屋を開けたら海未ちゃんが…」

海未「はなよちゃん？」ﾆｺｰ

花陽「ひぃっ！な、なんでもありません！」

真姫（ま、元に戻れればいいでしょ）

海未「うー、のどがかわきました」

絵里「水ならもってるわよ」

海未「おみず、いただけますか？」

絵里「いいけど、ペットボトルだから海未の身長だと大きすぎるし…」

ことり「絵里ちゃん、これ使って」

絵里「あら、かわいいサイズのコップね」

ことり「お人形さん用なんだよー」

絵里「じゃあ、コレに注いでっと」ｼｭﾜｰ

絵里「どうぞ！」

穂乃果（あれ？今シュワーって音がしたような…まさか！）

海未「ありがとうございます♪」ｸﾞｲｰｯ

穂乃果「海未ちゃんそれ飲んじゃだめええええええ！」

絵里「え？」

海未「うっ！？」ﾋﾟｸｯ

海未「うっ、うぁ…ぅぁ…うわぁぁん」

花陽「え？なんで泣いちゃったのぉ？」

穂乃果「海未ちゃんは炭酸飲めないんだよ！ああ、よしよし」ﾀﾞｯｺ

海未「うわぁー、の、のどがいたいです…うーっ…」

穂乃果「よしよし、いい子いい子だよー」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

にこ「ほら、これ飲みなさい」ｽﾞｲｯ

穂乃果「にこちゃん、これ…」

にこ「わたしのいちご牛乳をコップに入れたから」

にこ「これでも飲ませなさい、小さくても海未が泣いてるところなんて見たくないわ」

凛「なんだかにこちゃんがかっこいい…」

穂乃果「にこちゃんありがとう！」

穂乃果「ほら、海未ちゃーん、いちご牛乳ですよー」

海未「うーっ」ｺｸｯｺｸｯ

ことり「なんだか穂乃果ちゃんお母さんみたい///」ｳｯﾄﾘ

絵里「海未、ごめんなさい、あなたが炭酸苦手だって忘れてたわ」

海未「わたしこそ、かくにんしなくてすいませんでした」

絵里「ホントにごめんね」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

海未「きもちいいですー」ｽﾘｽﾘ

希「次は何をするん？」

ことり「次はこれを着てほしいなぁ」ｶﾞｻｺﾞｿ

海未「はいー！」

ことり「はい、サンタ海未ちゃんです！」

海未「めりーくりすますです！」

希「これもスカートの長さギリギリやん」

ことり「普段の海未ちゃんじゃ絶対着てくれないから今日しかないかなーって」

凛「こんなサンタさんならいつでもお家に来てほしいよ！」

真姫「私もまだサンタさん見たことないけど、こんなに可愛いなら是非会ってみたいわね」

にこ「ププッ、真姫ちゃんやっぱり…」

絵里「希！」

希「まかしとき！」ｶﾞｯ

にこ「わしわしはいやああああ！」

真姫「？」

穂乃果「あはは…」

ことり「こんなのも持ってきたけど使わないかな？」

花陽「靴下ですか」

ことり「うん、流石にトナカイとかツリーは無理だったから新品の靴下を持ってきたの」

ことり「でもプレゼントとかもないし…」

海未「うみ？」ﾖｲｼｮ

穂乃果「あ、海未ちゃんが靴下に入っちゃった」

海未「あったかいです」ﾋｮｺｯ

穂乃果「こうやって靴下から頭だけ出して寝てるキャラいたよね」

にこ「某ハムスターね」

海未「うみぃ」ｽﾋﾟｰ…

絵里「でも、衣装がほとんど隠れてサンタさんの意味なかったかもね…」

ことり「違うよ絵里ちゃん！これは海未ちゃんの『私がプレゼントです』っていう…」

絵里「そんなまさか…」ﾁﾗｯ

海未「う？」ｳﾜﾒﾂﾞｶｲ

絵里「よし、持って帰るわ」ﾀﾞｷｯ

希「なにが『よし』や」ﾎﾟｶｯ

―穂乃果家


穂乃果「今日も楽しかったね！海未ちゃん」

海未「はい！でもけっこうつかれました…」

穂乃果「小さい体で一日動き回ったもんね」

穂乃果「今日は海未ちゃん抱いて寝ちゃおうかな♪」

海未「わたしもほのかちゃんをぎゅーっとしてねます！」

穂乃果「いいよ！穂乃果の胸に飛び込んでおいで！」

海未「うー！」ｼﾞｬﾝﾌﾟ

穂乃果「よいしょっ」ｷｬｯﾁ

海未「ほのかちゃんいいにおいです」

穂乃果「海未ちゃんもねー…」

穂乃果「寝よっか？」

海未「はい…」ｷﾞｭｰ

―朝


穂乃果「ふぁーあ」

穂乃果（なんだかすごく柔らかい抱き心地が…）ﾊﾟﾁｯ

穂乃果「…って、海未ちゃん！戻ってるよ！大きくなってるよ！」

海未「うー…」ﾑﾆｬﾑﾆｬ

穂乃果「海未ちゃん！起きて！」

海未「ん…」ﾊﾟﾁｯ

穂乃果「起きた？」

海未「うみー！」ｷﾞｭｯ

穂乃果「ちょ、海未ちゃん！///」

海未「あれ、なんだか穂乃果も同じサイズに…」ｷﾞｭｰｯ

穂乃果「海未ちゃん、戻ってるよ？」

海未「ッーー！」

海未「ちょ！え！あれ、なんで？」

穂乃果「とりあえず落ち着こう！そして苦しい…」

海未「ああ！すいません…」

穂乃果（まだ元に戻る薬は飲んでないし、単純に効果が切れたのかな？）

…

穂乃果「海未ちゃん、小さくなってる時のこと覚えてるの？」

海未「さ、さあ？なんのことでしょうか？」

穂乃果「覚えてるんだ…」

海未「穂乃果、お願いです！このことは…！」

穂乃果「う、うん。みんなには覚えてないっ言っておくよ」

海未「ありがとうございます」ﾎｯ

穂乃果「それにしても、よくあんな振る舞いができたね」

海未「ええ、なんというか幼くなったことでタカが外れたと言いますか…」

海未「自分でも覚えてるだけに思い出すと恥ずかしいです…///」

穂乃果「あれはあれでかわいかったよ？」

穂乃果「でもやっぱり今の海未ちゃんが一番かな」

海未「穂乃果…」

穂乃果「じゃないと私を怒ってくれる人もいなくなっちゃうし」

海未「もう、貴女って人は…」

穂乃果「えへへ、でもまた一緒にお風呂入ったり一緒に寝たりしようね？」

海未「そうですね、ことりも誘って久しぶりに三人でお泊りしましょう」

穂乃果「うん！」

～後日談～

にこ「ねぇ、海未が飲んだあの薬私にも…」

真姫「もうないわよ」


おしまい

乙