1: 2016/03/21(月) 14:34:11.69 ID:p8Yr051y.net
海未「今日の晩ご飯は何にしましょう……」
トコトコ…
海未「……やはり毎日のようにご飯を作っていると、献立に困ってしまうものですね」
トコトコ…
海未「ここは無難に……カレーとかにしましょうか」
トコトコ…
海未「いえ、そう言えば……数日前に穂乃果が作ったばかりでしたね」
海未「あまり出来のいい代物ではありませんでしたが……」
トコトコ…
トコトコ…
海未「……やはり毎日のようにご飯を作っていると、献立に困ってしまうものですね」
トコトコ…
海未「ここは無難に……カレーとかにしましょうか」
トコトコ…
海未「いえ、そう言えば……数日前に穂乃果が作ったばかりでしたね」
海未「あまり出来のいい代物ではありませんでしたが……」
トコトコ…
2: 2016/03/21(月) 14:34:50.57 ID:p8Yr051y.net
海未「改めて美味しいカレーを食べて、穂乃果をあっと言わせましょうか」
海未「……毎回言っているような気もしますが」
~♪
海未「おや?……電話ですね」
カタカタ
海未「穂乃果からですか……」
ピッ
穂乃果『やっほー、海未ちゃん』
海未「お疲れ様です、穂乃果」
海未「……毎回言っているような気もしますが」
~♪
海未「おや?……電話ですね」
カタカタ
海未「穂乃果からですか……」
ピッ
穂乃果『やっほー、海未ちゃん』
海未「お疲れ様です、穂乃果」
3: 2016/03/21(月) 14:35:18.41 ID:p8Yr051y.net
穂乃果『お疲れ様ー。海未ちゃん、今帰りー?』
海未「ええ、先ほど大学を出たところです」
穂乃果『そっかー、結構時間かかったんだねー』
海未「どうしても終わらせておきたい課題があったので」
穂乃果『大変だったねぇ』
海未「それで、どうかしましたか?」
穂乃果『そうそう!』
穂乃果『穂乃果、お腹すいたよーっ!』
海未「ええ、先ほど大学を出たところです」
穂乃果『そっかー、結構時間かかったんだねー』
海未「どうしても終わらせておきたい課題があったので」
穂乃果『大変だったねぇ』
海未「それで、どうかしましたか?」
穂乃果『そうそう!』
穂乃果『穂乃果、お腹すいたよーっ!』
4: 2016/03/21(月) 14:35:54.71 ID:p8Yr051y.net
海未「……そうですか」
穂乃果『そうですかって、それだけー!?』ガーン
海未「それ以外に言うことがありますか?」
穂乃果『ある!全然あるよー!海未ちゃん、今日当番じゃん!』
海未「いや、それは分かっていますが……」
海未「前もって遅れることは伝えていますし、少しぐらい我慢してください」
穂乃果『ひどい!海未ちゃんの鬼畜っ!』
海未「鬼畜……」
穂乃果『海未ちゃんが夕ご飯作ってくれないと、穂乃果氏んじゃうよぉ……っ!』ウルウル
海未「電話越しで情けない声を出すんじゃありません!」
穂乃果『そうですかって、それだけー!?』ガーン
海未「それ以外に言うことがありますか?」
穂乃果『ある!全然あるよー!海未ちゃん、今日当番じゃん!』
海未「いや、それは分かっていますが……」
海未「前もって遅れることは伝えていますし、少しぐらい我慢してください」
穂乃果『ひどい!海未ちゃんの鬼畜っ!』
海未「鬼畜……」
穂乃果『海未ちゃんが夕ご飯作ってくれないと、穂乃果氏んじゃうよぉ……っ!』ウルウル
海未「電話越しで情けない声を出すんじゃありません!」
6: 2016/03/21(月) 14:36:34.98 ID:p8Yr051y.net
穂乃果『このまま飢えて氏んだら……地縛霊になって海未ちゃんを呪ってやるぅ……!』
海未「……バカなことを言わないでください」ハァ
穂乃果『穂乃果バカじゃないもん!』
海未「今、夕ご飯の食材を買って帰るところですから、あともうしばらく待っていてください」
穂乃果『待てないよぉ~~』
海未「全く……」
海未「……仕方ありません、お菓子でも食べて待っていてくださいな」
穂乃果『いいの!?』ガタ
海未「今日帰るのが遅くなったのは私のせいですしね。それぐらいは大目に見ます」
穂乃果『海未ちゃんが天使だぁ……っ!』ウルウル
海未「ただし!棚にあるやつを一つだけですからね。それ以上は許しません!」
穂乃果『わ、分かってるよぉ……』
海未「もし必要以上に食べようものなら……」
穂乃果『うわぁぁん!一週間トイレ掃除当番は嫌だよぉーーーっ!』
海未「それが嫌なら、おとなしく一つだけ食べて待つことです」
穂乃果『はい……』
海未「……バカなことを言わないでください」ハァ
穂乃果『穂乃果バカじゃないもん!』
海未「今、夕ご飯の食材を買って帰るところですから、あともうしばらく待っていてください」
穂乃果『待てないよぉ~~』
海未「全く……」
海未「……仕方ありません、お菓子でも食べて待っていてくださいな」
穂乃果『いいの!?』ガタ
海未「今日帰るのが遅くなったのは私のせいですしね。それぐらいは大目に見ます」
穂乃果『海未ちゃんが天使だぁ……っ!』ウルウル
海未「ただし!棚にあるやつを一つだけですからね。それ以上は許しません!」
穂乃果『わ、分かってるよぉ……』
海未「もし必要以上に食べようものなら……」
穂乃果『うわぁぁん!一週間トイレ掃除当番は嫌だよぉーーーっ!』
海未「それが嫌なら、おとなしく一つだけ食べて待つことです」
穂乃果『はい……』
7: 2016/03/21(月) 14:37:16.71 ID:p8Yr051y.net
海未「……」
穂乃果『……?』
海未「……時に、穂乃果」
穂乃果『……なーに?』
海未「今日の夕ご飯は何が良いですか?」
穂乃果『あー、そっかぁ、何が良いかなぁー』ウーン
海未「……」
穂乃果『餃子もいいし……ハンバーグも捨てがたい。あ、久しぶりにオムライスなんかも……』
穂乃果『うーん……』
海未「……」
穂乃果『……うん。なんでもいいや!』
穂乃果『……?』
海未「……時に、穂乃果」
穂乃果『……なーに?』
海未「今日の夕ご飯は何が良いですか?」
穂乃果『あー、そっかぁ、何が良いかなぁー』ウーン
海未「……」
穂乃果『餃子もいいし……ハンバーグも捨てがたい。あ、久しぶりにオムライスなんかも……』
穂乃果『うーん……』
海未「……」
穂乃果『……うん。なんでもいいや!』
8: 2016/03/21(月) 14:38:01.93 ID:p8Yr051y.net
海未「なんでも、ですか……?」
穂乃果『穂乃果、海未ちゃんの作るものならなんでも好きだし!』
海未「……///」ドキ…
穂乃果『……海未ちゃん?』
海未「あ、は、はい!///」
海未「なんでも、ですね!」
穂乃果『うん!なんでもいいよー』
海未「……じゃ、じゃあ餃子にしましょうか」
穂乃果『わーい!海未ちゃんの餃子楽しみぃー!』
海未「……///」
海未「そ、それじゃあ、買い物を済ませ次第帰りますので……」
穂乃果『はーい』
ピッ
海未「……」
海未「……///」
トコトコ…
穂乃果『穂乃果、海未ちゃんの作るものならなんでも好きだし!』
海未「……///」ドキ…
穂乃果『……海未ちゃん?』
海未「あ、は、はい!///」
海未「なんでも、ですね!」
穂乃果『うん!なんでもいいよー』
海未「……じゃ、じゃあ餃子にしましょうか」
穂乃果『わーい!海未ちゃんの餃子楽しみぃー!』
海未「……///」
海未「そ、それじゃあ、買い物を済ませ次第帰りますので……」
穂乃果『はーい』
ピッ
海未「……」
海未「……///」
トコトコ…
9: 2016/03/21(月) 14:39:18.01 ID:p8Yr051y.net
-----------------
-------
ガチャ
海未「ただいま戻りました」ドサ
穂乃果「あ、海未ちゃんお帰りー!」パタパタ
海未「申し訳ありません、遅くなりました……」
穂乃果「ふふふ、いいんだよー」ポリポリ
海未「……」
海未「……それ、一つだけ、ですよね?」ジロ
穂乃果「も、勿論だよっ!」ムグ
海未「……」ジー
穂乃果「海未ちゃんひどいっ!穂乃果の言うこと信じてくれないの!?」
海未「それはまぁ、前科というものがありますから」スタスタ
穂乃果「うぐ……」トコトコ
-------
ガチャ
海未「ただいま戻りました」ドサ
穂乃果「あ、海未ちゃんお帰りー!」パタパタ
海未「申し訳ありません、遅くなりました……」
穂乃果「ふふふ、いいんだよー」ポリポリ
海未「……」
海未「……それ、一つだけ、ですよね?」ジロ
穂乃果「も、勿論だよっ!」ムグ
海未「……」ジー
穂乃果「海未ちゃんひどいっ!穂乃果の言うこと信じてくれないの!?」
海未「それはまぁ、前科というものがありますから」スタスタ
穂乃果「うぐ……」トコトコ
11: 2016/03/21(月) 14:40:01.82 ID:p8Yr051y.net
海未「……」カチャ
穂乃果「……ど、どーう!?」ドキドキ
海未「……ひーふーみー……」
海未「……ふむ。合計数が一致しますね」
穂乃果「海未ちゃん……いちいち覚えてるの……?」
海未「それぐらい当たり前です!」バタン!
穂乃果「穂乃果……そんなに信用されてないんだぁ……」ポロポロ
海未「別に、穂乃果のつまみ食いだけが理由じゃありませんよ」
穂乃果「へ?」キョトン
海未「私達も親元を離れ、お金の援助を受けているとはいえ、自立して暮らしているのです」
海未「経済観念をしっかりと把握することは、大人としての第一歩だと私は思っています」
穂乃果「け、けいざいかんねん……」
海未「お菓子に限らず、家で使う備品や食材、ありとあらゆる物のコストと個数を把握しておかなければ、いつしか身を滅ぼすやもしれないのですよ……!」
穂乃果「ちょ、ちょっと大げさな気が……」アハハ
海未「穂乃果は危機感が足りなさすぎますっ!」
穂乃果「そ、そーかなー……?」ポリポリ
穂乃果「……ど、どーう!?」ドキドキ
海未「……ひーふーみー……」
海未「……ふむ。合計数が一致しますね」
穂乃果「海未ちゃん……いちいち覚えてるの……?」
海未「それぐらい当たり前です!」バタン!
穂乃果「穂乃果……そんなに信用されてないんだぁ……」ポロポロ
海未「別に、穂乃果のつまみ食いだけが理由じゃありませんよ」
穂乃果「へ?」キョトン
海未「私達も親元を離れ、お金の援助を受けているとはいえ、自立して暮らしているのです」
海未「経済観念をしっかりと把握することは、大人としての第一歩だと私は思っています」
穂乃果「け、けいざいかんねん……」
海未「お菓子に限らず、家で使う備品や食材、ありとあらゆる物のコストと個数を把握しておかなければ、いつしか身を滅ぼすやもしれないのですよ……!」
穂乃果「ちょ、ちょっと大げさな気が……」アハハ
海未「穂乃果は危機感が足りなさすぎますっ!」
穂乃果「そ、そーかなー……?」ポリポリ
13: 2016/03/21(月) 14:40:44.38 ID:p8Yr051y.net
海未「それに、食費だけの問題じゃありません!」ジロ
穂乃果「う……な、何……?」アセアセ
海未「……」
海未「……穂乃果」
海未「最近、また太ったんじゃありませんか?」
穂乃果「えうぅっ!!?」ポロ
穂乃果「う……な、何……?」アセアセ
海未「……」
海未「……穂乃果」
海未「最近、また太ったんじゃありませんか?」
穂乃果「えうぅっ!!?」ポロ
14: 2016/03/21(月) 14:41:40.44 ID:p8Yr051y.net
穂乃果「そ、そそそそそ、そんなまさか……!」ワナワナ
海未「最近はアイドル活動もなくなって、ダンスレッスンや基礎トレーニングもしていませんからね」
海未「そうやって自由気ままにお菓子を食べていれば、ぶくぶく太っていくのは目に見えています!」ビシ
穂乃果「ううぅ……!」
穂乃果「……でもでも!大学のサークルで、アイドル活動だってまだ続けてるんだよっ!」
海未「μ’sの時と比べれば、今の練習量なんて微々たるものでしょう……?」
穂乃果「う……そりゃ、海未ちゃんのメニューと比べたら……」
海未「……穂乃果、油断をしていると、後で痛い目を見ますよ?」
穂乃果「だ、大丈夫だよっ!」
穂乃果「だって……その……」
穂乃果「そ、そう!!」ポン
穂乃果「いつだって海未ちゃんが側にいてくれるし!」
海未「ぅ……///」ドキ
海未「最近はアイドル活動もなくなって、ダンスレッスンや基礎トレーニングもしていませんからね」
海未「そうやって自由気ままにお菓子を食べていれば、ぶくぶく太っていくのは目に見えています!」ビシ
穂乃果「ううぅ……!」
穂乃果「……でもでも!大学のサークルで、アイドル活動だってまだ続けてるんだよっ!」
海未「μ’sの時と比べれば、今の練習量なんて微々たるものでしょう……?」
穂乃果「う……そりゃ、海未ちゃんのメニューと比べたら……」
海未「……穂乃果、油断をしていると、後で痛い目を見ますよ?」
穂乃果「だ、大丈夫だよっ!」
穂乃果「だって……その……」
穂乃果「そ、そう!!」ポン
穂乃果「いつだって海未ちゃんが側にいてくれるし!」
海未「ぅ……///」ドキ
15: 2016/03/21(月) 14:42:25.14 ID:p8Yr051y.net
穂乃果「ねっ!?」
海未「……///」
海未「い、いつまでも私が側にいるとは限りませんよ!」
海未「私たちはあくまで、ルームシェアで一緒に生活しているだけなんですからっ!」
穂乃果「わ、わかってるけどぉ……」
海未「と、とにかく!常に危機感を持つこと!いいですね!?」
穂乃果「は、は~い……」
穂乃果(な、なんとかダイエットの話から逸らすことができたよ……)
海未「……はぁ」
海未「いつまでも話し込んでてもしょうがありませんし、餃子作りましょうか」
穂乃果「そうだねっ!穂乃果手伝うよっ!」
海未「……ありがとうございます」
海未「……///」
海未「い、いつまでも私が側にいるとは限りませんよ!」
海未「私たちはあくまで、ルームシェアで一緒に生活しているだけなんですからっ!」
穂乃果「わ、わかってるけどぉ……」
海未「と、とにかく!常に危機感を持つこと!いいですね!?」
穂乃果「は、は~い……」
穂乃果(な、なんとかダイエットの話から逸らすことができたよ……)
海未「……はぁ」
海未「いつまでも話し込んでてもしょうがありませんし、餃子作りましょうか」
穂乃果「そうだねっ!穂乃果手伝うよっ!」
海未「……ありがとうございます」
16: 2016/03/21(月) 14:43:12.32 ID:p8Yr051y.net
------------------
---------
穂乃果「いただきまーすっ!」
海未「……いただきます」
穂乃果「はむっ!」パク
海未「……」パク
穂乃果「うーん、美味しい~っ☆」
海未「……ふむ、今日のはなかなか良い出来です」モグモグ
穂乃果「なかなかじゃないよ!とっても美味しいよ!」モグモグ
海未「そ、そうですか……?」モグモグ
穂乃果「いやぁー、海未ちゃんの料理は本当に美味しいよね!」
海未「そう言ってもらえると……有り難いですが//」
穂乃果「ホントホント!」
穂乃果「海未ちゃんは料理だけじゃなく、家事全般なんでもできるし、立派なお嫁さんになれるよっ!」
海未「お、おおおお嫁さん!!?」ボン
穂乃果「あ……海未ちゃん、ゆでだこになっちゃった……」
海未「おおおヨメだなんて……そそそそんな、早すぎます!破廉恥です!!」ドキドキ
穂乃果「えぇー……そんなことないよー」
海未「そんなことありますっ!」
海未「い、いいですか!花嫁というのですね!と、殿方のもとに嫁ぐために、誠心誠意作法や礼儀を学び、清らかな心を持った大和撫子のような――」
穂乃果「――海未ちゃんだって、家で学んでたじゃん」
海未「……ぁ」
---------
穂乃果「いただきまーすっ!」
海未「……いただきます」
穂乃果「はむっ!」パク
海未「……」パク
穂乃果「うーん、美味しい~っ☆」
海未「……ふむ、今日のはなかなか良い出来です」モグモグ
穂乃果「なかなかじゃないよ!とっても美味しいよ!」モグモグ
海未「そ、そうですか……?」モグモグ
穂乃果「いやぁー、海未ちゃんの料理は本当に美味しいよね!」
海未「そう言ってもらえると……有り難いですが//」
穂乃果「ホントホント!」
穂乃果「海未ちゃんは料理だけじゃなく、家事全般なんでもできるし、立派なお嫁さんになれるよっ!」
海未「お、おおおお嫁さん!!?」ボン
穂乃果「あ……海未ちゃん、ゆでだこになっちゃった……」
海未「おおおヨメだなんて……そそそそんな、早すぎます!破廉恥です!!」ドキドキ
穂乃果「えぇー……そんなことないよー」
海未「そんなことありますっ!」
海未「い、いいですか!花嫁というのですね!と、殿方のもとに嫁ぐために、誠心誠意作法や礼儀を学び、清らかな心を持った大和撫子のような――」
穂乃果「――海未ちゃんだって、家で学んでたじゃん」
海未「……ぁ」
18: 2016/03/21(月) 14:43:46.22 ID:p8Yr051y.net
穂乃果「……」
海未「……ええ」
海未「……そうでしたね」カチャ
穂乃果「……本当に海未ちゃんはたくさん勉強してたもんね」
穂乃果「普通に高校生活の中で、部活もやってたし、μ’sでアイドル活動もしてた」
穂乃果「その傍らで、園田家を継ぐための修行?もしてたんだよね」
海未「……はい」
穂乃果「……やっぱり海未ちゃんは凄いよ」
穂乃果「大和撫子っていうのは、海未ちゃんみたいなことを言うんだと思うよ」
海未「ほ、穂乃果……///」
穂乃果「いや、割と冗談じゃないよ」
海未「……///」
海未「……ええ」
海未「……そうでしたね」カチャ
穂乃果「……本当に海未ちゃんはたくさん勉強してたもんね」
穂乃果「普通に高校生活の中で、部活もやってたし、μ’sでアイドル活動もしてた」
穂乃果「その傍らで、園田家を継ぐための修行?もしてたんだよね」
海未「……はい」
穂乃果「……やっぱり海未ちゃんは凄いよ」
穂乃果「大和撫子っていうのは、海未ちゃんみたいなことを言うんだと思うよ」
海未「ほ、穂乃果……///」
穂乃果「いや、割と冗談じゃないよ」
海未「……///」
19: 2016/03/21(月) 14:44:21.93 ID:p8Yr051y.net
穂乃果「だから、海未ちゃんはそのまま、園田家を継ぐ為に勉強して……」
穂乃果「ゆくゆくはちゃんとした人とお見合いでもして、結婚するんだと思ってた」
海未「……えっと///」
海未「……///」
海未「……恥ずかしながら、私も自然と自分そういう風になるんだろうなという思いは、漠然とありました……///」
穂乃果「……だよねぇ」
海未「しかし、私は家を出ました」
海未「――自分の夢を、追うために」
穂乃果「……凄いよね」
海未「凄い、のでしょうか」
穂乃果「ゆくゆくはちゃんとした人とお見合いでもして、結婚するんだと思ってた」
海未「……えっと///」
海未「……///」
海未「……恥ずかしながら、私も自然と自分そういう風になるんだろうなという思いは、漠然とありました……///」
穂乃果「……だよねぇ」
海未「しかし、私は家を出ました」
海未「――自分の夢を、追うために」
穂乃果「……凄いよね」
海未「凄い、のでしょうか」
20: 2016/03/21(月) 14:44:55.75 ID:p8Yr051y.net
海未「夢を追いかけるといえば、それは聞こえはいいですが」
海未「言い換えれば、自分の我儘を貫き通すということです」
海未「他人からの期待や、欲求を全て振り払い、我儘を言う……」
海未「これほど身勝手なことはないでしょう……」
海未「すごい事なんて、何一つ……」
穂乃果「……それが凄いことなんだよ」
海未「……え?」
穂乃果「周りを顧みず、自分のやりたいことに向かって突き進む」
穂乃果「なかなかできることじゃないと思うよ」
海未「……」
穂乃果「穂乃果も」
穂乃果「高校生の頃はそうだったのかなぁ……」
海未「……」
海未「言い換えれば、自分の我儘を貫き通すということです」
海未「他人からの期待や、欲求を全て振り払い、我儘を言う……」
海未「これほど身勝手なことはないでしょう……」
海未「すごい事なんて、何一つ……」
穂乃果「……それが凄いことなんだよ」
海未「……え?」
穂乃果「周りを顧みず、自分のやりたいことに向かって突き進む」
穂乃果「なかなかできることじゃないと思うよ」
海未「……」
穂乃果「穂乃果も」
穂乃果「高校生の頃はそうだったのかなぁ……」
海未「……」
21: 2016/03/21(月) 14:45:51.46 ID:p8Yr051y.net
海未「ふふ」クスッ
海未「分かっているじゃないですか」
穂乃果「あ、あはは……ちょっと恥ずかしいね」
海未「別に恥ずかしがることはありません」
穂乃果「だって……今考えると、本当に何も考えず突っ走ってたなぁって……」
海未「……そう思えるだけ、穂乃果も今では成長したということでしょう」
穂乃果「も、もぉー!海未ちゃん!」プンプン
海未「それに、何も考えていなかったわけではないでしょう?」
穂乃果「あぅ……」
海未「穂乃果には穂乃果の……」
海未「ちゃんとした考えがあっての行動だった筈です」
穂乃果「……///」
海未「……だからこそ、あなた輝いているのですよ」
海未「分かっているじゃないですか」
穂乃果「あ、あはは……ちょっと恥ずかしいね」
海未「別に恥ずかしがることはありません」
穂乃果「だって……今考えると、本当に何も考えず突っ走ってたなぁって……」
海未「……そう思えるだけ、穂乃果も今では成長したということでしょう」
穂乃果「も、もぉー!海未ちゃん!」プンプン
海未「それに、何も考えていなかったわけではないでしょう?」
穂乃果「あぅ……」
海未「穂乃果には穂乃果の……」
海未「ちゃんとした考えがあっての行動だった筈です」
穂乃果「……///」
海未「……だからこそ、あなた輝いているのですよ」
22: 2016/03/21(月) 14:46:35.84 ID:p8Yr051y.net
穂乃果「う、海未ちゃん……?」
海未「そして私は、その輝きに憧れた」
海未「だから……私も自分の道を……」
海未「自分の我儘を貫いてみよう……そう思ったんです」
穂乃果「え、えぇー……」
穂乃果「もしかして、家を出たのって……穂乃果のせい?」
海未「はい」
穂乃果「嘘ぉ!?」ゴーン
海未「ふふ、究極的なことを言えばですがね」
穂乃果「……」
海未「……まさかその過程で、母とケンカすることになるとは夢にも思いませんでしたが」
穂乃果「あ……そういえば海未ちゃん、あれから家には……」
海未「ええ、帰っていません」
穂乃果「そうだったんだ……」
海未「そして私は、その輝きに憧れた」
海未「だから……私も自分の道を……」
海未「自分の我儘を貫いてみよう……そう思ったんです」
穂乃果「え、えぇー……」
穂乃果「もしかして、家を出たのって……穂乃果のせい?」
海未「はい」
穂乃果「嘘ぉ!?」ゴーン
海未「ふふ、究極的なことを言えばですがね」
穂乃果「……」
海未「……まさかその過程で、母とケンカすることになるとは夢にも思いませんでしたが」
穂乃果「あ……そういえば海未ちゃん、あれから家には……」
海未「ええ、帰っていません」
穂乃果「そうだったんだ……」
23: 2016/03/21(月) 14:47:01.95 ID:p8Yr051y.net
海未「ほとんど追い出される形で家を出てきたわけですからね……」
海未「それでも仕送りしていただける母には、足を向けて寝ることは出来ません」
穂乃果「……」
海未「……家を出る時、言われました」
海未「『あなたが園田海未として我が園田家の敷地を跨ぐことを、今後許しません』と……」
穂乃果「それって……」
海未「恐らく、一人前の女性となるまで戻ってくるなということなのでしょう」
穂乃果「……」
海未「私には……帰る家がないのです」
穂乃果「……そんなことないよ」
海未「それでも仕送りしていただける母には、足を向けて寝ることは出来ません」
穂乃果「……」
海未「……家を出る時、言われました」
海未「『あなたが園田海未として我が園田家の敷地を跨ぐことを、今後許しません』と……」
穂乃果「それって……」
海未「恐らく、一人前の女性となるまで戻ってくるなということなのでしょう」
穂乃果「……」
海未「私には……帰る家がないのです」
穂乃果「……そんなことないよ」
24: 2016/03/21(月) 14:47:44.23 ID:p8Yr051y.net
海未「穂乃果……」
穂乃果「海未ちゃんのお母さんがどういう想いでそう言ったかはわからないけど……」
穂乃果「あくまでもそれは、海未ちゃんを応援する為の言葉」
穂乃果「海未ちゃんが、すぐに逃げ帰ってこないように、ね」アハハ
海未「……」
穂乃果「だから、帰る家はいつでも変わらずにそこにあるよ」
穂乃果「それに――」
穂乃果「今の海未ちゃんの家はココ!!」
海未「……///」
穂乃果「いつでも穂乃果が待ってるもん!!」
海未「……あ、ありがとうございます……///」ジュー
穂乃果(あ……海未ちゃんまたゆでだこになっちゃった……)
穂乃果(……)
穂乃果(……はぁ)
穂乃果「海未ちゃんのお母さんがどういう想いでそう言ったかはわからないけど……」
穂乃果「あくまでもそれは、海未ちゃんを応援する為の言葉」
穂乃果「海未ちゃんが、すぐに逃げ帰ってこないように、ね」アハハ
海未「……」
穂乃果「だから、帰る家はいつでも変わらずにそこにあるよ」
穂乃果「それに――」
穂乃果「今の海未ちゃんの家はココ!!」
海未「……///」
穂乃果「いつでも穂乃果が待ってるもん!!」
海未「……あ、ありがとうございます……///」ジュー
穂乃果(あ……海未ちゃんまたゆでだこになっちゃった……)
穂乃果(……)
穂乃果(……はぁ)
25: 2016/03/21(月) 14:48:12.46 ID:p8Yr051y.net
--------------------
----------
海未「……」
海未「……」ソワソワ
海未「……」
海未「……」ソワソワ
海未「……遅い」
カチコチ……カチコチ……
----------
海未「……」
海未「……」ソワソワ
海未「……」
海未「……」ソワソワ
海未「……遅い」
カチコチ……カチコチ……
26: 2016/03/21(月) 14:48:58.48 ID:p8Yr051y.net
海未「……もう七時」チラ
海未「……」
海未「……」ソワソワ
~♪
海未「!」
海未「……穂乃果」
ピッ
海未「穂乃果!今何時だと思ってるんですか!?」
穂乃果『あぅ……いきなり怒鳴らないでよ海未ちゃーん』キンキン
海未「もう七時を回ってます!門限を守らない穂乃果が悪いのです!」ガミガミ
穂乃果『そ、そんなこと言ったってー』ガヤガヤ
海未「言い訳無用です!」
穂乃果『むぅ……』ガヤガヤ
海未「……?」
海未「……」
海未「……」ソワソワ
~♪
海未「!」
海未「……穂乃果」
ピッ
海未「穂乃果!今何時だと思ってるんですか!?」
穂乃果『あぅ……いきなり怒鳴らないでよ海未ちゃーん』キンキン
海未「もう七時を回ってます!門限を守らない穂乃果が悪いのです!」ガミガミ
穂乃果『そ、そんなこと言ったってー』ガヤガヤ
海未「言い訳無用です!」
穂乃果『むぅ……』ガヤガヤ
海未「……?」
27: 2016/03/21(月) 14:49:53.52 ID:p8Yr051y.net
海未「……後ろが騒がしいようですが、今どこにいるんです?」
穂乃果『あ、あのね、海未ちゃん』
穂乃果『今日ね、サークルの飲み会があって……』
海未「飲み会ですって!?」バン
穂乃果『う、うん』
海未「……それで?」
穂乃果『えっと……』
穂乃果『穂乃果、参加しちゃってもいいかなーって……』
海未「……」
穂乃果『……あ、あはは』ドキドキ
海未「……」
海未「……はぁ」
海未「……既にそこにいるということは、確信犯なのでしょう?」
穂乃果『ぎく』
海未「約束もしてるでしょうし……」
海未「まぁ、いいでしょう」
穂乃果『いいの!?海未ちゃ……』
海未「ただし!帰ってきたらお説教です」
穂乃果『』
海未「いいですね!?」
穂乃果『は、はぁ~い……』
穂乃果『あ、あのね、海未ちゃん』
穂乃果『今日ね、サークルの飲み会があって……』
海未「飲み会ですって!?」バン
穂乃果『う、うん』
海未「……それで?」
穂乃果『えっと……』
穂乃果『穂乃果、参加しちゃってもいいかなーって……』
海未「……」
穂乃果『……あ、あはは』ドキドキ
海未「……」
海未「……はぁ」
海未「……既にそこにいるということは、確信犯なのでしょう?」
穂乃果『ぎく』
海未「約束もしてるでしょうし……」
海未「まぁ、いいでしょう」
穂乃果『いいの!?海未ちゃ……』
海未「ただし!帰ってきたらお説教です」
穂乃果『』
海未「いいですね!?」
穂乃果『は、はぁ~い……』
28: 2016/03/21(月) 14:50:28.54 ID:p8Yr051y.net
海未「……」
穂乃果『え、えっと……多分遅くなると思うから……』
海未「……」
穂乃果『先に寝ちゃっててもいいからね……?』
海未「……」
穂乃果『……?』
海未「……ほ、穂乃果」
穂乃果『え……?』
海未「その……サークルの飲み会、ということは……」
海未「だ、男性は……いるのですか……?」
穂乃果『男の子……?勿論いるよー?』
海未「っ!!」
穂乃果『え、えっと……多分遅くなると思うから……』
海未「……」
穂乃果『先に寝ちゃっててもいいからね……?』
海未「……」
穂乃果『……?』
海未「……ほ、穂乃果」
穂乃果『え……?』
海未「その……サークルの飲み会、ということは……」
海未「だ、男性は……いるのですか……?」
穂乃果『男の子……?勿論いるよー?』
海未「っ!!」
29: 2016/03/21(月) 14:51:08.90 ID:p8Yr051y.net
穂乃果『海未ちゃん?』
海未「……穂乃果!」
穂乃果『は、はい!』ビクッ
海未「……そ、その」
海未「……気をつけてくださいね」
穂乃果『えー?大丈夫だよー、みんな仲の良い子たちばっかりだし』
海未「それが心配なのです……」
穂乃果『もうー!穂乃果だって女の子なんだし、そんな簡単に手出しさせないよー!』
海未「て、手出しって……///」アセアセ
海未「と、とにかく!男性には細心の注意を払うこと!これは絶対です!!」
穂乃果『う、海未ちゃん……』
穂乃果『……うん、分かった』
穂乃果『いざとなったら、海未ちゃんが守ってくれるんでしょ?』
海未「……穂乃果!」
穂乃果『は、はい!』ビクッ
海未「……そ、その」
海未「……気をつけてくださいね」
穂乃果『えー?大丈夫だよー、みんな仲の良い子たちばっかりだし』
海未「それが心配なのです……」
穂乃果『もうー!穂乃果だって女の子なんだし、そんな簡単に手出しさせないよー!』
海未「て、手出しって……///」アセアセ
海未「と、とにかく!男性には細心の注意を払うこと!これは絶対です!!」
穂乃果『う、海未ちゃん……』
穂乃果『……うん、分かった』
穂乃果『いざとなったら、海未ちゃんが守ってくれるんでしょ?』
30: 2016/03/21(月) 14:51:42.78 ID:p8Yr051y.net
海未「……」
海未「……もし」
海未「……穂乃果の身に何か起ころうものならば」
海未「相手の男性を、二度と陽の光を浴びることの出来ない身体にして差し上げます」ゴゴゴ
穂乃果『あ、あはは……頼もしいなぁ……』
穂乃果『じゃ、じゃあみんな待ってるから、切るね?』
海未「あ、ほ、穂乃果!」
穂乃果『ん?ま、まだ何かあるの?』
海未「……えっと」
海未「その……なるべく、早く帰ってきてくださいね」
穂乃果『……』クス
穂乃果『分かってるよ!』
海未「……はい」
穂乃果『それじゃあね!』
ピッ
海未「……」
海未「……」
カチコチ……カチコチ……
海未「……もし」
海未「……穂乃果の身に何か起ころうものならば」
海未「相手の男性を、二度と陽の光を浴びることの出来ない身体にして差し上げます」ゴゴゴ
穂乃果『あ、あはは……頼もしいなぁ……』
穂乃果『じゃ、じゃあみんな待ってるから、切るね?』
海未「あ、ほ、穂乃果!」
穂乃果『ん?ま、まだ何かあるの?』
海未「……えっと」
海未「その……なるべく、早く帰ってきてくださいね」
穂乃果『……』クス
穂乃果『分かってるよ!』
海未「……はい」
穂乃果『それじゃあね!』
ピッ
海未「……」
海未「……」
カチコチ……カチコチ……
31: 2016/03/21(月) 14:53:46.45 ID:p8Yr051y.net
海未「……」ソワソワ
海未「……」
海未「……」カチャカチャ
海未「……」
ジャー
海未「……」キュッキュッ
海未「……」ハッ
海未「うっかりしていました……」
海未「男性のことばかり気にしすぎて、お酒のことに言及するのを忘れてました」
海未「……」
海未「……」カチャカチャ
海未「……」
ジャー
海未「……」キュッキュッ
海未「……」ハッ
海未「うっかりしていました……」
海未「男性のことばかり気にしすぎて、お酒のことに言及するのを忘れてました」
32: 2016/03/21(月) 14:54:28.88 ID:p8Yr051y.net
海未「……」
海未「……」カチャカチャ
海未「穂乃果は酒癖が悪いですし……あまり飲まないようにキツく言っておくべきでしたね」
海未「……」ジャー
海未「……まさか、酔った勢いで……なんてことは……」
海未「……///」
海未「……」カチャカチャ
海未「……心配ですね」
海未「……」
海未「そうです」ポン
海未「LINEに書いて送ってみましょうか」
海未「……」カチャカチャ
海未「穂乃果は酒癖が悪いですし……あまり飲まないようにキツく言っておくべきでしたね」
海未「……」ジャー
海未「……まさか、酔った勢いで……なんてことは……」
海未「……///」
海未「……」カチャカチャ
海未「……心配ですね」
海未「……」
海未「そうです」ポン
海未「LINEに書いて送ってみましょうか」
33: 2016/03/21(月) 14:56:59.74 ID:p8Yr051y.net
海未「飲んでいたら気がつかないかもしれませんが、送るだけ送っておきましょう……」
海未「……」カタカタ
海未「やはり、まだLINEというものは慣れませんね……」
海未「というより、そもそもスマートフォンというものに慣れていないし、当たり前ですね」
海未「……先程は伝え忘れましたが、お酒もあまり飲み過ぎないように注意してください……」
海未「と……こんな感じで良いでしょうか」
海未「送信……と」ポチ
海未「……」
海未「……」ソワソワ
海未「……」
海未「……やはり既読になりませんね」
海未「……」カタカタ
海未「やはり、まだLINEというものは慣れませんね……」
海未「というより、そもそもスマートフォンというものに慣れていないし、当たり前ですね」
海未「……先程は伝え忘れましたが、お酒もあまり飲み過ぎないように注意してください……」
海未「と……こんな感じで良いでしょうか」
海未「送信……と」ポチ
海未「……」
海未「……」ソワソワ
海未「……」
海未「……やはり既読になりませんね」
34: 2016/03/21(月) 14:57:40.39 ID:p8Yr051y.net
海未「……」
海未「……」ソワソワ
~♪
海未「っ!?」ビクッ
海未「穂乃果!?」パッ
ピッ
『やっほー海未ちゃん♪』
海未「……穂乃果?」
『えー?もう、やだなぁー海未ちゃん』
『私は穂乃果ちゃんじゃなくて、ことりだよ♪』
海未「え……」
海未「ことり……?」
カチコチ……カチコチ……
海未「……」ソワソワ
~♪
海未「っ!?」ビクッ
海未「穂乃果!?」パッ
ピッ
『やっほー海未ちゃん♪』
海未「……穂乃果?」
『えー?もう、やだなぁー海未ちゃん』
『私は穂乃果ちゃんじゃなくて、ことりだよ♪』
海未「え……」
海未「ことり……?」
カチコチ……カチコチ……
35: 2016/03/21(月) 14:58:23.33 ID:p8Yr051y.net
海未「あ……えっと……」
海未「……お久しぶりです、ことり」
ことり『久しぶり、海未ちゃん♪』
海未「二年ぶり……ですかね」
ことり『そうだね~、もうそんなに経っちゃったんだね』
海未「早いものですね……」
海未「ことりは今、日本に……?」
ことり『うん、昨日帰って来たとこなんだぁ。と言っても、すぐに向こうに戻るけどね』
海未「忙しそうですね……勉強の方は順調ですか?」
ことり『順調……かどうかはわからないけど、見るもの触るもの全て新鮮で、凄い勉強になるし……なにより楽しいよ♪』
海未「そうですか……楽しめているのなら、それはきっと順調な証拠ですよ」
ことり『そうだね……♪』
海未「ふふ……」
海未「……お久しぶりです、ことり」
ことり『久しぶり、海未ちゃん♪』
海未「二年ぶり……ですかね」
ことり『そうだね~、もうそんなに経っちゃったんだね』
海未「早いものですね……」
海未「ことりは今、日本に……?」
ことり『うん、昨日帰って来たとこなんだぁ。と言っても、すぐに向こうに戻るけどね』
海未「忙しそうですね……勉強の方は順調ですか?」
ことり『順調……かどうかはわからないけど、見るもの触るもの全て新鮮で、凄い勉強になるし……なにより楽しいよ♪』
海未「そうですか……楽しめているのなら、それはきっと順調な証拠ですよ」
ことり『そうだね……♪』
海未「ふふ……」
36: 2016/03/21(月) 14:58:52.78 ID:p8Yr051y.net
ことり『そ・れ・よ・り~』
海未「はい?」
ことり『海未ちゃんの方こそ、どうなの?』
海未「ええ、私の方も、特に問題はなく」
海未「新しい環境で、自分の道を目指して頑張っています」
ことり『ううん、そうじゃないよ~』
海未「……?」
ことり『……穂乃果ちゃんとは、上手くやってるのー?』
海未「……ぁ」
ことり『さっき、ことりのことを穂乃果ちゃんと間違えてたけど……何かあったのかな?』
海未「ああ、いえ……その」
海未「今日は……穂乃果が大学のサークルの飲み会ということでして……」
ことり『へ~いいなぁ~!楽しそう!』
海未「た、楽しくなんかありません!!」
ことり『えー?どうしてー?』
海未「穂乃果は酒癖が悪いですし……!」
ことり『あはは……穂乃果ちゃん、酒癖悪いんだぁ』
海未「そうなんです!」
海未「それに、その……そういった場ですし……」
海未「だ、男性の方と……何か間違いでもあったら……!」
ことり『う~ん……穂乃果ちゃんだって女の子なんだし、そのへんはしっかりしてると思うけどなぁ』
海未「それはそうですが……!」
海未「はい?」
ことり『海未ちゃんの方こそ、どうなの?』
海未「ええ、私の方も、特に問題はなく」
海未「新しい環境で、自分の道を目指して頑張っています」
ことり『ううん、そうじゃないよ~』
海未「……?」
ことり『……穂乃果ちゃんとは、上手くやってるのー?』
海未「……ぁ」
ことり『さっき、ことりのことを穂乃果ちゃんと間違えてたけど……何かあったのかな?』
海未「ああ、いえ……その」
海未「今日は……穂乃果が大学のサークルの飲み会ということでして……」
ことり『へ~いいなぁ~!楽しそう!』
海未「た、楽しくなんかありません!!」
ことり『えー?どうしてー?』
海未「穂乃果は酒癖が悪いですし……!」
ことり『あはは……穂乃果ちゃん、酒癖悪いんだぁ』
海未「そうなんです!」
海未「それに、その……そういった場ですし……」
海未「だ、男性の方と……何か間違いでもあったら……!」
ことり『う~ん……穂乃果ちゃんだって女の子なんだし、そのへんはしっかりしてると思うけどなぁ』
海未「それはそうですが……!」
37: 2016/03/21(月) 15:00:34.48 ID:p8Yr051y.net
ことり『……』クスッ
ことり『……穂乃果ちゃんのことが心配なんだね』
海未「う……」
海未「そ、その……」
海未「はい……」
ことり『……ふふっ』
海未「だから、穂乃果から何か連絡がないかと……携帯の側で待っていたのですが……」
ことり『そこへ私が電話をかけたから、勘違いしちゃったんだね』
海未「そ、そうです……申し訳ありません……」
ことり『……海未ちゃん、変わらないね♪』
海未「変わらない、ですか……?」
ことり『うん♪』
ことり『あの頃の……高校の頃の純粋な海未ちゃんのまま……』
海未「純粋……///」
ことり『……穂乃果ちゃんのことが心配なんだね』
海未「う……」
海未「そ、その……」
海未「はい……」
ことり『……ふふっ』
海未「だから、穂乃果から何か連絡がないかと……携帯の側で待っていたのですが……」
ことり『そこへ私が電話をかけたから、勘違いしちゃったんだね』
海未「そ、そうです……申し訳ありません……」
ことり『……海未ちゃん、変わらないね♪』
海未「変わらない、ですか……?」
ことり『うん♪』
ことり『あの頃の……高校の頃の純粋な海未ちゃんのまま……』
海未「純粋……///」
38: 2016/03/21(月) 15:01:18.29 ID:p8Yr051y.net
ことり『……穂乃果ちゃんも、変わってないのかなぁ』
海未「……どう、でしょうね」
海未「……少なくとも、生活態度は変わっていないと思いますが」
ことり『あははっ♪穂乃果ちゃんはそんな感じするね』
海未「毎朝毎朝遅刻ギリギリに起きてきますし、二人で決めた当番を守らなかったり、家にいてもだらだらしてるだけですし……」
海未「本当、高校の頃よりも気苦労が絶えません……」
ことり『うわぁ~穂乃果ちゃんとの同棲生活楽しそうだなぁ♪』
海未「楽しくなんかありませんっ!大変なんですからね!」
海未「そ、それに!これは同棲じゃありません!ルームシェアです!!」
ことり『ルームシェア……』
ことり『……んー』
海未「……?ことり?」
ことり『……海未ちゃん』
ことり『穂乃果ちゃんに―――』
ことり『―――告白、しないの?』
海未「……どう、でしょうね」
海未「……少なくとも、生活態度は変わっていないと思いますが」
ことり『あははっ♪穂乃果ちゃんはそんな感じするね』
海未「毎朝毎朝遅刻ギリギリに起きてきますし、二人で決めた当番を守らなかったり、家にいてもだらだらしてるだけですし……」
海未「本当、高校の頃よりも気苦労が絶えません……」
ことり『うわぁ~穂乃果ちゃんとの同棲生活楽しそうだなぁ♪』
海未「楽しくなんかありませんっ!大変なんですからね!」
海未「そ、それに!これは同棲じゃありません!ルームシェアです!!」
ことり『ルームシェア……』
ことり『……んー』
海未「……?ことり?」
ことり『……海未ちゃん』
ことり『穂乃果ちゃんに―――』
ことり『―――告白、しないの?』
39: 2016/03/21(月) 15:01:56.31 ID:p8Yr051y.net
海未「……え」
海未「えええぇぇぇええぇぇ!!?」
海未「こ、ここここく、こくこくは、こくはくぅ!!?」
ことり『……うん』
海未「な、何言ってるんですかことり!!」
海未「こ、告白だなんて……冗談はやめてください!!」
ことり『冗談?』
ことり『……ことりは、冗談言ってるつもりはないけどなぁ』
カチコチ……カチコチ……
海未「えええぇぇぇええぇぇ!!?」
海未「こ、ここここく、こくこくは、こくはくぅ!!?」
ことり『……うん』
海未「な、何言ってるんですかことり!!」
海未「こ、告白だなんて……冗談はやめてください!!」
ことり『冗談?』
ことり『……ことりは、冗談言ってるつもりはないけどなぁ』
カチコチ……カチコチ……
40: 2016/03/21(月) 15:02:51.75 ID:p8Yr051y.net
海未「こ、ここ、告白というのは……」
海未「す、好きな、男性にする……ものじゃないですか……///」
ことり『違うかな』
海未「ちがっ……!」
ことり『”好きな人”、に、するものだよ』
海未「す、好きな人……///」
ことり『男の人とか女の人なんて、関係ないと思う』
海未「で、ですが、あ、あああ相手は……穂乃果は……」
ことり『海未ちゃん』
ことり『好きなんでしょ?』
ことり『……穂乃果ちゃんのこと』
海未「す、好きな、男性にする……ものじゃないですか……///」
ことり『違うかな』
海未「ちがっ……!」
ことり『”好きな人”、に、するものだよ』
海未「す、好きな人……///」
ことり『男の人とか女の人なんて、関係ないと思う』
海未「で、ですが、あ、あああ相手は……穂乃果は……」
ことり『海未ちゃん』
ことり『好きなんでしょ?』
ことり『……穂乃果ちゃんのこと』
41: 2016/03/21(月) 15:03:49.73 ID:p8Yr051y.net
海未「あ、あぅぅ……///」
海未「そんな……す、好きだなんて……///」
ことり『海未ちゃん』
ことり『誤魔化さないで答えて』
海未「っ」
海未「そ、その……」
海未「……」
ことり『……』
海未「……は、はい……///」
海未「そんな……す、好きだなんて……///」
ことり『海未ちゃん』
ことり『誤魔化さないで答えて』
海未「っ」
海未「そ、その……」
海未「……」
ことり『……』
海未「……は、はい……///」
42: 2016/03/21(月) 15:04:27.64 ID:p8Yr051y.net
ことり『……うん』
ことり『そうだと思った♪』
海未「こ、ことり……///」
ことり『そんなところも全部ひっくるめて、海未ちゃんは変わってないよ』
ことり『本当に純粋な輝きのまま……』
ことり『電話越しからでも、十分伝わってくるよ』
ことり『海未ちゃんの初々しさ……』
ことり『そうだと思った♪』
海未「こ、ことり……///」
ことり『そんなところも全部ひっくるめて、海未ちゃんは変わってないよ』
ことり『本当に純粋な輝きのまま……』
ことり『電話越しからでも、十分伝わってくるよ』
ことり『海未ちゃんの初々しさ……』
43: 2016/03/21(月) 15:05:00.80 ID:p8Yr051y.net
海未「な、何を言ってるんですかっ!///」
ことり『あはは♪ごめんね海未ちゃん』
ことり『でも海未ちゃんが穂乃果ちゃんのことを好きなのは、昔からわかってた』
ことり『子供の頃から、いつも一緒だったからね』
ことり『思えば、出会いの頃から海未ちゃんは好きだったのかもね』
ことり『穂乃果ちゃんのこと……』
海未「そ、それは……」
ことり『公園の影から覗く視線……』
ことり『それは、恋の視線』
ことり『恋する海未ちゃんが見てたのは……笑顔の穂乃果ちゃん』
海未「……うう」
ことり『別に恥ずかしがることはないよ』
ことり『好きになることは自然なことだもん』
ことり『おかしなことなんて何もない』
ことり『あはは♪ごめんね海未ちゃん』
ことり『でも海未ちゃんが穂乃果ちゃんのことを好きなのは、昔からわかってた』
ことり『子供の頃から、いつも一緒だったからね』
ことり『思えば、出会いの頃から海未ちゃんは好きだったのかもね』
ことり『穂乃果ちゃんのこと……』
海未「そ、それは……」
ことり『公園の影から覗く視線……』
ことり『それは、恋の視線』
ことり『恋する海未ちゃんが見てたのは……笑顔の穂乃果ちゃん』
海未「……うう」
ことり『別に恥ずかしがることはないよ』
ことり『好きになることは自然なことだもん』
ことり『おかしなことなんて何もない』
44: 2016/03/21(月) 15:05:55.28 ID:p8Yr051y.net
海未「ことり……」
ことり『海未ちゃん、一つ聞いてもいいかな?』
海未「……えっと、は、はい、なんでしょう?」
ことり『……』
ことり『あのね』
ことり『海未ちゃんが家を出るって聞いた時』
ことり『少し、違和感を感じたんだ』
海未「……」
ことり『何故、海未ちゃんは家を出たいのかなって』
ことり『海未ちゃんが家を出たい”理由”に、違和感を覚えたの』
ことり『海未ちゃんは、凄い優秀な子だもん』
ことり『μ’sをやっていた時から、なんでもこなしていた』
ことり『すでにやっていた弓道部を兼任し、生徒会の副会長も努め……』
ことり『その上で、μ’sとしてラブライブで優勝まで果たした』
ことり『これだけなんでもこなせる人が……』
ことり『ただ自分の道を目指したいからといって、家をでるのかな、って』
海未「ことり……っ!」
ことり『必要ないよね。だって海未ちゃんは……』
ことり『家のことをやりながらも、自分の進みたい道に迷うことはない』
ことり『そしていつしか揺らぐ天秤にかけられても、自分の意志で傾いていける強い人』
ことり『それが、園田海未――』
海未「……ことり、それ以上は……っ!」
ことり『海未ちゃん、一つ聞いてもいいかな?』
海未「……えっと、は、はい、なんでしょう?」
ことり『……』
ことり『あのね』
ことり『海未ちゃんが家を出るって聞いた時』
ことり『少し、違和感を感じたんだ』
海未「……」
ことり『何故、海未ちゃんは家を出たいのかなって』
ことり『海未ちゃんが家を出たい”理由”に、違和感を覚えたの』
ことり『海未ちゃんは、凄い優秀な子だもん』
ことり『μ’sをやっていた時から、なんでもこなしていた』
ことり『すでにやっていた弓道部を兼任し、生徒会の副会長も努め……』
ことり『その上で、μ’sとしてラブライブで優勝まで果たした』
ことり『これだけなんでもこなせる人が……』
ことり『ただ自分の道を目指したいからといって、家をでるのかな、って』
海未「ことり……っ!」
ことり『必要ないよね。だって海未ちゃんは……』
ことり『家のことをやりながらも、自分の進みたい道に迷うことはない』
ことり『そしていつしか揺らぐ天秤にかけられても、自分の意志で傾いていける強い人』
ことり『それが、園田海未――』
海未「……ことり、それ以上は……っ!」
45: 2016/03/21(月) 15:06:41.54 ID:p8Yr051y.net
ことり『多分海未ちゃんは……』
ことり『……穂乃果ちゃんと歩く道を望んだ』
海未「……っ!!」
ことり『だから家を出たんだよね?』
ことり『……好きになることは自然なことだと思うけど……』
ことり『"普通じゃない"好きを認めてもらうことは、簡単なことじゃない』
ことり『ううん……多分それは、無理なこと』
ことり『……穂乃果ちゃんと歩く道を望んだ』
海未「……っ!!」
ことり『だから家を出たんだよね?』
ことり『……好きになることは自然なことだと思うけど……』
ことり『"普通じゃない"好きを認めてもらうことは、簡単なことじゃない』
ことり『ううん……多分それは、無理なこと』
46: 2016/03/21(月) 15:07:08.19 ID:p8Yr051y.net
ことり『海未ちゃんは家にいたら、きっと……』
ことり『素敵な旦那さんと共に、家を継いでいったんだろうな』
ことり『そんな未来も、悪く無いと思うけど』
ことり『海未ちゃんの一番はそうじゃなかった……』
ことり『海未ちゃんの一番大切なものは……』
ことり『穂乃果ちゃん』
ことり『……だもんね』
海未「……」
カチコチ……カチコチ……
ことり『素敵な旦那さんと共に、家を継いでいったんだろうな』
ことり『そんな未来も、悪く無いと思うけど』
ことり『海未ちゃんの一番はそうじゃなかった……』
ことり『海未ちゃんの一番大切なものは……』
ことり『穂乃果ちゃん』
ことり『……だもんね』
海未「……」
カチコチ……カチコチ……
47: 2016/03/21(月) 15:07:56.92 ID:p8Yr051y.net
海未「……ことりの」
海未「全て、ことりの言うとおり、です」
海未「……」
海未「……いつの間にか……いえ」
海未「ことりの言う通り、最初からなのでしょうが」
海未「私は、穂乃果に恋をしていました」
海未「そしてそれはいつしか、自分の中でとても大きな存在に変化していくのがわかりました……」
海未「幼馴染として一緒にいる度……」
海未「μ'sとして、一緒にスクールアイドルをやっている度……」
海未「どんどん、大きく……誤魔化すことも、消すこともできなくなった」
海未「そうしたら、自然と……今のままでは駄目だと、思いました」
ことり『……』
海未「全て、ことりの言うとおり、です」
海未「……」
海未「……いつの間にか……いえ」
海未「ことりの言う通り、最初からなのでしょうが」
海未「私は、穂乃果に恋をしていました」
海未「そしてそれはいつしか、自分の中でとても大きな存在に変化していくのがわかりました……」
海未「幼馴染として一緒にいる度……」
海未「μ'sとして、一緒にスクールアイドルをやっている度……」
海未「どんどん、大きく……誤魔化すことも、消すこともできなくなった」
海未「そうしたら、自然と……今のままでは駄目だと、思いました」
ことり『……』
48: 2016/03/21(月) 15:08:36.42 ID:p8Yr051y.net
海未「その自分の気持に気付いてからは、早かった」
海未「気が付いた時には、母とケンカをして……家をでることになっていました」
ことり『……ふふ』
ことり『凄いなぁ、海未ちゃんは』
海未「……凄い」
海未「同じことを穂乃果にも、言われましたね……」クス
ことり『海未ちゃんも、自分の思いに真っ直ぐ正直、だもんね』
ことり『それは穂乃果ちゃんとも、変わらない』
ことり『……ううん。穂乃果ちゃんから学んだこと、なのかな』
海未「……そうかもしれません」
海未「穂乃果の……ひたすらに真っ直ぐ、どこまでも純粋な思い」
海未「私が常に学ばなければいけないと思っていることです」
海未「気が付いた時には、母とケンカをして……家をでることになっていました」
ことり『……ふふ』
ことり『凄いなぁ、海未ちゃんは』
海未「……凄い」
海未「同じことを穂乃果にも、言われましたね……」クス
ことり『海未ちゃんも、自分の思いに真っ直ぐ正直、だもんね』
ことり『それは穂乃果ちゃんとも、変わらない』
ことり『……ううん。穂乃果ちゃんから学んだこと、なのかな』
海未「……そうかもしれません」
海未「穂乃果の……ひたすらに真っ直ぐ、どこまでも純粋な思い」
海未「私が常に学ばなければいけないと思っていることです」
49: 2016/03/21(月) 15:09:39.86 ID:p8Yr051y.net
ことり『……うん』
ことり『でも、だったら尚更、海未ちゃんは学ばないと』
海未「え……」
ことり『もう一回聞くよ?』
ことり『海未ちゃん――』
ことり『――告白、しないの?』
ことり『でも、だったら尚更、海未ちゃんは学ばないと』
海未「え……」
ことり『もう一回聞くよ?』
ことり『海未ちゃん――』
ことり『――告白、しないの?』
50: 2016/03/21(月) 15:10:14.78 ID:p8Yr051y.net
海未「……ぅ」
ことり『そこまでの想いを募らせているのに、告白しないの――?』
ことり『そこまで行動できているのに、なんで最後の一歩を踏み出さないの――?』
海未「そ、それは……そうなの、ですが……」
海未「……ううぅ」
海未「分かっては、いるのですが……それを伝えることは……」
ことり『……』
ことり『ことりは分かってるよ』
ことり『海未ちゃんが、怖がってること……』
海未「……怖い?」
海未「……私は、怖がっている……のですか……」
ことり『……そっか』
ことり『これは無意識なんだ』
ことり『そっか、そうだよね……』
ことり『そこまでの想いを募らせているのに、告白しないの――?』
ことり『そこまで行動できているのに、なんで最後の一歩を踏み出さないの――?』
海未「そ、それは……そうなの、ですが……」
海未「……ううぅ」
海未「分かっては、いるのですが……それを伝えることは……」
ことり『……』
ことり『ことりは分かってるよ』
ことり『海未ちゃんが、怖がってること……』
海未「……怖い?」
海未「……私は、怖がっている……のですか……」
ことり『……そっか』
ことり『これは無意識なんだ』
ことり『そっか、そうだよね……』
51: 2016/03/21(月) 15:11:06.25 ID:p8Yr051y.net
ことり『海未ちゃんは穂乃果ちゃんのことが好き』
ことり『……でもそれ以上に、海未ちゃんは穂乃果ちゃんという人間に依存してるから』
ことり『……多分』
ことり『穂乃果ちゃんがいなかったら、生きていけないのかもしれないね』
海未「そんな……ことは……」
ことり『そんなことはない?本当に?』
ことり『どんな時でも、穂乃果ちゃんを優先に考えちゃうのに?』
海未「……っ」
ことり『……でもそれ以上に、海未ちゃんは穂乃果ちゃんという人間に依存してるから』
ことり『……多分』
ことり『穂乃果ちゃんがいなかったら、生きていけないのかもしれないね』
海未「そんな……ことは……」
ことり『そんなことはない?本当に?』
ことり『どんな時でも、穂乃果ちゃんを優先に考えちゃうのに?』
海未「……っ」
52: 2016/03/21(月) 15:11:36.23 ID:p8Yr051y.net
ことり『今日の夕飯はどうしよう。穂乃果ちゃんは何を食べたいかな?』
ことり『今日の休みはどうしよう。穂乃果ちゃんは何をしたいかな?』
ことり『今日は穂乃果ちゃんの帰りが遅い。穂乃果ちゃんが心配でたまらない』
ことり『穂乃果ちゃん穂乃果ちゃん穂乃果ちゃん……』
海未「や、やめてください……!」
ことり『ううん、やめないよ』
ことり『……そんな愛しの穂乃果ちゃんへ、もし仮に告白して……今の環境が崩れるのだとしたら』
ことり『そんな選択、穂乃果ちゃんへ依存している海未ちゃんができるはずもない』
海未「……ほのか……」フルフル
ことり『今日の休みはどうしよう。穂乃果ちゃんは何をしたいかな?』
ことり『今日は穂乃果ちゃんの帰りが遅い。穂乃果ちゃんが心配でたまらない』
ことり『穂乃果ちゃん穂乃果ちゃん穂乃果ちゃん……』
海未「や、やめてください……!」
ことり『ううん、やめないよ』
ことり『……そんな愛しの穂乃果ちゃんへ、もし仮に告白して……今の環境が崩れるのだとしたら』
ことり『そんな選択、穂乃果ちゃんへ依存している海未ちゃんができるはずもない』
海未「……ほのか……」フルフル
53: 2016/03/21(月) 15:12:24.15 ID:p8Yr051y.net
ことり『……ごめんね、海未ちゃん』
ことり『ことりは別に、海未ちゃんをいじめるつもりはないんだけど』
海未「ほのか……ほのか……っ!」ギュ…
ことり『そんな張り裂けそうな想いを秘めているくらいなら――』
ことり『――告白しよ?』
海未「……うう……ほのかぁ……」ポロポロ
ことり『あ、泣いちゃった……』
海未「……うっうっ……」グス
ことり『……』
ことり『ことりは別に、海未ちゃんをいじめるつもりはないんだけど』
海未「ほのか……ほのか……っ!」ギュ…
ことり『そんな張り裂けそうな想いを秘めているくらいなら――』
ことり『――告白しよ?』
海未「……うう……ほのかぁ……」ポロポロ
ことり『あ、泣いちゃった……』
海未「……うっうっ……」グス
ことり『……』
54: 2016/03/21(月) 15:13:01.59 ID:p8Yr051y.net
ことり『……海未ちゃん、聞いて』
ことり『今の状態のまま、あくまでも親しい友人として』
ことり『気楽でいられる穂乃果ちゃんという女の子との共同生活も楽しいとは思うけど』
ことり『海未ちゃんは本当にそれでいいの……?』
海未「……」
ことり『さっきはしっかりしてるから大丈夫なんて言ったけど……』
ことり『穂乃果ちゃんだって女の子なんだよ?』
ことり『いつ、男の人が痺れを切らすか分かったもんじゃないの』
海未「っ」ビク
海未「そ、そんな……」
ことり『高校の頃とは……音ノ木坂学院にいた頃とは、違うの』
ことり『それに、穂乃果ちゃんはとぉ~~~っても!魅力的なんだよ!』
ことり『おなじ女の子である……私達二人が―――』
ことり『同時に惹かれ合うくらいに、魅力的なんだよ!』
海未「……ぁ」
ことり『今の状態のまま、あくまでも親しい友人として』
ことり『気楽でいられる穂乃果ちゃんという女の子との共同生活も楽しいとは思うけど』
ことり『海未ちゃんは本当にそれでいいの……?』
海未「……」
ことり『さっきはしっかりしてるから大丈夫なんて言ったけど……』
ことり『穂乃果ちゃんだって女の子なんだよ?』
ことり『いつ、男の人が痺れを切らすか分かったもんじゃないの』
海未「っ」ビク
海未「そ、そんな……」
ことり『高校の頃とは……音ノ木坂学院にいた頃とは、違うの』
ことり『それに、穂乃果ちゃんはとぉ~~~っても!魅力的なんだよ!』
ことり『おなじ女の子である……私達二人が―――』
ことり『同時に惹かれ合うくらいに、魅力的なんだよ!』
海未「……ぁ」
55: 2016/03/21(月) 15:13:52.66 ID:p8Yr051y.net
海未「……こ、ことり……」
海未「もしかして、あなたも……」
ことり『うん……穂乃果ちゃんが好き……』
ことり『だったよ……』
海未「……」
ことり『子供の頃からいつも一緒だったのは、海未ちゃんだけじゃないよ……』
ことり『ことりも一緒』
ことり『ううん、一緒だった期間だけで言えば、ことりの方が……』
海未「ことり……」
ことり『そんな私が、恋をしない訳ないよね』
海未「……」
海未「もしかして、あなたも……」
ことり『うん……穂乃果ちゃんが好き……』
ことり『だったよ……』
海未「……」
ことり『子供の頃からいつも一緒だったのは、海未ちゃんだけじゃないよ……』
ことり『ことりも一緒』
ことり『ううん、一緒だった期間だけで言えば、ことりの方が……』
海未「ことり……」
ことり『そんな私が、恋をしない訳ないよね』
海未「……」
56: 2016/03/21(月) 15:14:31.23 ID:p8Yr051y.net
ことり『……それも随分昔の話』
ことり『懐かしいなぁ』
ことり『でもね』
ことり『高校三年生の卒業式……』
ことり『ことりの恋は、終わったの』
海未「……」
海未「……そう、だったんですか」
ことり『……』
海未「……こ、ことり……」
海未「……その……ごめんなさい……」
ことり『……あはは』
ことり『あの時は、辛かったなぁ……』グス
ことり『懐かしいなぁ』
ことり『でもね』
ことり『高校三年生の卒業式……』
ことり『ことりの恋は、終わったの』
海未「……」
海未「……そう、だったんですか」
ことり『……』
海未「……こ、ことり……」
海未「……その……ごめんなさい……」
ことり『……あはは』
ことり『あの時は、辛かったなぁ……』グス
57: 2016/03/21(月) 15:15:14.33 ID:p8Yr051y.net
ことり『……私は』
ことり『μ’sが終わって、また留学することが決まってたしね』
ことり『告白しないまま、日本を発つことはできなかったの』
ことり『きっと想いを告げなければ、何も変わらない』
ことり『変わらないどころか……何も残らなくなる』
ことり『……残らなかったら、私はどうなるの……?』
ことり『……私は、告白する恐怖より、その恐怖が勝ったの』
ことり『だから……私は告白することができた』
ことり『はっきりと』
ことり『穂乃果ちゃんに好きだって伝えたよ』
ことり『友達同士じゃない。一人の女の子として、穂乃果ちゃんを見ているって……』
ことり『そして、思いっきり振られちゃった』
ことり『ごめんなさいって……』
ことり『……』
ことり『それを最後に、私達の絆は……終わりを迎えた』
ことり『μ’sが終わって、また留学することが決まってたしね』
ことり『告白しないまま、日本を発つことはできなかったの』
ことり『きっと想いを告げなければ、何も変わらない』
ことり『変わらないどころか……何も残らなくなる』
ことり『……残らなかったら、私はどうなるの……?』
ことり『……私は、告白する恐怖より、その恐怖が勝ったの』
ことり『だから……私は告白することができた』
ことり『はっきりと』
ことり『穂乃果ちゃんに好きだって伝えたよ』
ことり『友達同士じゃない。一人の女の子として、穂乃果ちゃんを見ているって……』
ことり『そして、思いっきり振られちゃった』
ことり『ごめんなさいって……』
ことり『……』
ことり『それを最後に、私達の絆は……終わりを迎えた』
58: 2016/03/21(月) 15:16:26.04 ID:p8Yr051y.net
海未「……ことり、もしかして」
海未「穂乃果とは……?」
ことり『……その時からずっと、連絡取ってないよ』
海未「……」
海未「……そう……ですか……」
ことり『……』
海未「……」
ことり『あはは……海未ちゃん、気にしないで』
ことり『私はね……』
ことり『ことりは、告白できてよかったと思ってるの』
ことり『結果的に、穂乃果ちゃんの側にいることは叶わなくなったけれど……』
ことり『私はちゃんと自分の想いを穂乃果ちゃんに伝えることができたから、後悔はしてないよ』
海未「ことり……」
ことり『きっと……想いを秘めたまま三人でいることのほうが、辛かったんじゃないかなぁ』
海未「穂乃果とは……?」
ことり『……その時からずっと、連絡取ってないよ』
海未「……」
海未「……そう……ですか……」
ことり『……』
海未「……」
ことり『あはは……海未ちゃん、気にしないで』
ことり『私はね……』
ことり『ことりは、告白できてよかったと思ってるの』
ことり『結果的に、穂乃果ちゃんの側にいることは叶わなくなったけれど……』
ことり『私はちゃんと自分の想いを穂乃果ちゃんに伝えることができたから、後悔はしてないよ』
海未「ことり……」
ことり『きっと……想いを秘めたまま三人でいることのほうが、辛かったんじゃないかなぁ』
59: 2016/03/21(月) 15:16:55.10 ID:p8Yr051y.net
海未「……」
ことり『……』グス
ことり『……だから……ね』
ことり『海未ちゃんにも、後悔はしてほしくない」
海未「……」
ことり『勘違いしないでね。……ことりはもう、穂乃果ちゃんに未練はないの』
ことり『あるとすれば……煮え切らない状態のままいる海未ちゃん』
海未「私……ですか?」
ことり『……』グス
ことり『……だから……ね』
ことり『海未ちゃんにも、後悔はしてほしくない」
海未「……」
ことり『勘違いしないでね。……ことりはもう、穂乃果ちゃんに未練はないの』
ことり『あるとすれば……煮え切らない状態のままいる海未ちゃん』
海未「私……ですか?」
60: 2016/03/21(月) 15:17:38.73 ID:p8Yr051y.net
ことり『……』
ことり『別に隠しててもしょうがないし、それに……』
ことり『ほとんどこれを言うために、電話したようなものだから、言うね?』
海未「は、はい……?」
ことり『ことり、なんて言って穂乃果ちゃんに振られたと思う?』
ことり『……』
ことり『……他に好きな人がいるから、って――』
海未「……」
ことり『誰?って直接問い詰めたんだけど、はっきりと答えてくれなかった』
ことり『けど……』
ことり『一番近くにいる人、だって』
海未「ぁ……」
ことり『……一番近くにいた、つもりだったんだけどなぁ……』
海未「……ことり」
カチコチ……カチコチ……
ことり『別に隠しててもしょうがないし、それに……』
ことり『ほとんどこれを言うために、電話したようなものだから、言うね?』
海未「は、はい……?」
ことり『ことり、なんて言って穂乃果ちゃんに振られたと思う?』
ことり『……』
ことり『……他に好きな人がいるから、って――』
海未「……」
ことり『誰?って直接問い詰めたんだけど、はっきりと答えてくれなかった』
ことり『けど……』
ことり『一番近くにいる人、だって』
海未「ぁ……」
ことり『……一番近くにいた、つもりだったんだけどなぁ……』
海未「……ことり」
カチコチ……カチコチ……
61: 2016/03/21(月) 15:18:11.87 ID:p8Yr051y.net
ことり『……ふふ』
ことり『分かったでしょ?穂乃果ちゃんの気持ち』
海未「……」
ことり『……私のことなんて、全く心配してくれる必要はないけど……』
ことり『それでももし、ことりのことを思ってくれるなら……』
ことり『一秒でも早く、海未ちゃんの想いを穂乃果ちゃんに伝えてあげて?』
ことり『……それが、私の未練だから』
海未「……」
ことり『分かったでしょ?穂乃果ちゃんの気持ち』
海未「……」
ことり『……私のことなんて、全く心配してくれる必要はないけど……』
ことり『それでももし、ことりのことを思ってくれるなら……』
ことり『一秒でも早く、海未ちゃんの想いを穂乃果ちゃんに伝えてあげて?』
ことり『……それが、私の未練だから』
海未「……」
62: 2016/03/21(月) 15:18:58.99 ID:p8Yr051y.net
海未「……は、はい……」
海未「……わかり、ました……」
ことり『……海未ちゃん、震えてる?』
海未「……ええ……情けないことに……」
ことり『……』
ことり『大丈夫っ!ことりもそうだったから!』
海未「……は、はぁ」
ことり『背筋をピンとしてかっこ良くいられるなんて、物語の世界だけだよ』
ことり『現実はもっと……情けなくて、寂しくて、辛い』
海未「ことり……」
海未「……わかり、ました……」
ことり『……海未ちゃん、震えてる?』
海未「……ええ……情けないことに……」
ことり『……』
ことり『大丈夫っ!ことりもそうだったから!』
海未「……は、はぁ」
ことり『背筋をピンとしてかっこ良くいられるなんて、物語の世界だけだよ』
ことり『現実はもっと……情けなくて、寂しくて、辛い』
海未「ことり……」
63: 2016/03/21(月) 15:19:37.92 ID:p8Yr051y.net
ことり『……そうだなぁ』
ことり『ことりの言葉だけで足りないなら……』
ことり『……なんで穂乃果ちゃんが家を出たのか、考えてみて?』
海未「家を出た……理由ですか?」
ことり『うん』
ことり『そんなの、考えるまでもないんだけど……』
ことり『一番そばにいるって、実は気が付かないことのほうが多いんだよ』
海未「……」
海未「……わ、わかりました」
海未「考えて……みます」
ことり『うん♪』
ことり『ことりの言葉だけで足りないなら……』
ことり『……なんで穂乃果ちゃんが家を出たのか、考えてみて?』
海未「家を出た……理由ですか?」
ことり『うん』
ことり『そんなの、考えるまでもないんだけど……』
ことり『一番そばにいるって、実は気が付かないことのほうが多いんだよ』
海未「……」
海未「……わ、わかりました」
海未「考えて……みます」
ことり『うん♪』
64: 2016/03/21(月) 15:20:08.57 ID:p8Yr051y.net
海未「ことり……色々ありがとうございます」
ことり『いーえ!海未ちゃんと穂乃果ちゃんの為だもん』
ことり『ことりは二人のこと、いつ迄でも応援してるからねっ!』
海未「……はい」
ことり『……』
ことり『海未ちゃんだったら、できるよ!』
海未「……ありがとうございます」
ことり『……じゃあ、切るね』
ことり『バイバイ、海未ちゃん』
海未「……さようなら」
ピッ
海未「……」
海未「……」グス
ことり『いーえ!海未ちゃんと穂乃果ちゃんの為だもん』
ことり『ことりは二人のこと、いつ迄でも応援してるからねっ!』
海未「……はい」
ことり『……』
ことり『海未ちゃんだったら、できるよ!』
海未「……ありがとうございます」
ことり『……じゃあ、切るね』
ことり『バイバイ、海未ちゃん』
海未「……さようなら」
ピッ
海未「……」
海未「……」グス
65: 2016/03/21(月) 15:20:47.81 ID:p8Yr051y.net
海未「……あ」
海未「……穂乃果から返信が」
穂乃果:大丈夫だよー!なるべく早く帰るように頑張るっ!
穂乃果:ファイトだよっ!
海未「……」
海未「……はぁ」
カチコチ……カチコチ……
海未「……穂乃果から返信が」
穂乃果:大丈夫だよー!なるべく早く帰るように頑張るっ!
穂乃果:ファイトだよっ!
海未「……」
海未「……はぁ」
カチコチ……カチコチ……
66: 2016/03/21(月) 15:21:39.18 ID:p8Yr051y.net
海未「……」
海未「……」
海未(改めて……穂乃果と向き合わなければいけなくなりましたね……)
海未(ことりのためにも……)
海未(いえ、ことりは関係ありません……)
海未(いずれ、早かれ遅かれ、答えは出さなくてはいけなかったのです)
海未(ただ私が、いつまでも二の足を踏んでいただけで……)
海未(……)
海未(……ことりは言っていました)
海未(告白できなければ後悔する、と)
海未(私は……)
海未(……)ガクガク
海未(……う……)
海未(想いが……)
海未(穂乃果への気持ちが溢れるたび……私は震えてしまう)
海未(その理由は……暴走した想いが、あらぬ方向に逸れることを恐れているため)
海未「……」
海未(改めて……穂乃果と向き合わなければいけなくなりましたね……)
海未(ことりのためにも……)
海未(いえ、ことりは関係ありません……)
海未(いずれ、早かれ遅かれ、答えは出さなくてはいけなかったのです)
海未(ただ私が、いつまでも二の足を踏んでいただけで……)
海未(……)
海未(……ことりは言っていました)
海未(告白できなければ後悔する、と)
海未(私は……)
海未(……)ガクガク
海未(……う……)
海未(想いが……)
海未(穂乃果への気持ちが溢れるたび……私は震えてしまう)
海未(その理由は……暴走した想いが、あらぬ方向に逸れることを恐れているため)
67: 2016/03/21(月) 15:22:34.73 ID:p8Yr051y.net
海未(しかし……これでは……)
海未(いつまで経っても、何も変わらない……)
海未(ことりも言っていたじゃないですか)
海未(何も変わらないどころか、何も残らなくなる……)
海未(……)
海未(うう……その恐怖に、私は打ち勝てるのか……?)
海未(打ち勝てるはずありません……)
海未(はぁ……!はぁ……っ!)
海未(穂乃果……っ!)
海未(……うう……っ)
海未(……)
海未(ん……)
海未(……)
海未(私は……穂乃果に告白して……)
海未(本当に、ずっと一緒にいられるんでしょうか……)
海未(いつまで経っても、何も変わらない……)
海未(ことりも言っていたじゃないですか)
海未(何も変わらないどころか、何も残らなくなる……)
海未(……)
海未(うう……その恐怖に、私は打ち勝てるのか……?)
海未(打ち勝てるはずありません……)
海未(はぁ……!はぁ……っ!)
海未(穂乃果……っ!)
海未(……うう……っ)
海未(……)
海未(ん……)
海未(……)
海未(私は……穂乃果に告白して……)
海未(本当に、ずっと一緒にいられるんでしょうか……)
68: 2016/03/21(月) 15:23:13.82 ID:p8Yr051y.net
海未(穂乃果の気持ちは……?)
海未(本当に私のことを想ってくれているのか……?)
海未(そもそも、根本的に女の子を好きだということを許容してくれるのか……?)
海未(……わかりません)
海未(ことりは、ああ言っていましたが……)
海未(もしも、もしも……と思うと……!)
海未(……うう)
海未(……)
海未(……最後に、ことりは言っていました)
海未(穂乃果が、家を出た理由を考えろ、と……)
海未(もう随分前の話ですね……)
海未(穂乃果が家を出るという話になったのは……)
海未(確かあれは……卒業して、しばらく経った頃……)
海未(本当に私のことを想ってくれているのか……?)
海未(そもそも、根本的に女の子を好きだということを許容してくれるのか……?)
海未(……わかりません)
海未(ことりは、ああ言っていましたが……)
海未(もしも、もしも……と思うと……!)
海未(……うう)
海未(……)
海未(……最後に、ことりは言っていました)
海未(穂乃果が、家を出た理由を考えろ、と……)
海未(もう随分前の話ですね……)
海未(穂乃果が家を出るという話になったのは……)
海未(確かあれは……卒業して、しばらく経った頃……)
69: 2016/03/21(月) 15:23:44.26 ID:p8Yr051y.net
-----------------------
-----------------------
穂乃果「え、海未ちゃん、一人暮らしするの!?」
海未「はい」
穂乃果「はいって……なんで急に!?」
海未「……成り行きで、というのが正しいのでしょうか」
穂乃果「成り行きって、お母さんは!?」
海未「ケンカしました」
穂乃果「ケンカ!?」ゴーン
海未「……ええ」
穂乃果「ケンカって……」
穂乃果「う、海未ちゃん……お母さんとケンカしたことなんて……」
海未「……初めて、でしたね」
穂乃果「な、何があったのさ……」
海未「……」
海未「……別に」
海未「自分の進みたい道を目指したい、そう思っただけのことですよ」
穂乃果「……」
-----------------------
穂乃果「え、海未ちゃん、一人暮らしするの!?」
海未「はい」
穂乃果「はいって……なんで急に!?」
海未「……成り行きで、というのが正しいのでしょうか」
穂乃果「成り行きって、お母さんは!?」
海未「ケンカしました」
穂乃果「ケンカ!?」ゴーン
海未「……ええ」
穂乃果「ケンカって……」
穂乃果「う、海未ちゃん……お母さんとケンカしたことなんて……」
海未「……初めて、でしたね」
穂乃果「な、何があったのさ……」
海未「……」
海未「……別に」
海未「自分の進みたい道を目指したい、そう思っただけのことですよ」
穂乃果「……」
70: 2016/03/21(月) 15:24:27.03 ID:p8Yr051y.net
穂乃果「……自分の進みたい道……」
海未「……」
穂乃果「……あはは」
穂乃果「みんな……自分の想いに正直なんだなぁ」
穂乃果「……ほのかは、最近なんだか置いてけぼりだよ……」
海未「……穂乃果」
穂乃果「ほのかは自分のやりたいこと……」
穂乃果「μ’sが終わってから、見失ってた」
穂乃果「それまでは、廃校を救うためにとか、三年生の為にとか……」
穂乃果「ただ、目の前にある目標に向かってひたすら走ってきた」
穂乃果「その目標が今は……何も見えない」
海未「そんな……こと……」
穂乃果「ほのかは今、目標だけじゃなく……」
穂乃果「周りにいる大切な人の姿すら見えなくなろうとしている……」
海未「……」
穂乃果「……あはは」
穂乃果「みんな……自分の想いに正直なんだなぁ」
穂乃果「……ほのかは、最近なんだか置いてけぼりだよ……」
海未「……穂乃果」
穂乃果「ほのかは自分のやりたいこと……」
穂乃果「μ’sが終わってから、見失ってた」
穂乃果「それまでは、廃校を救うためにとか、三年生の為にとか……」
穂乃果「ただ、目の前にある目標に向かってひたすら走ってきた」
穂乃果「その目標が今は……何も見えない」
海未「そんな……こと……」
穂乃果「ほのかは今、目標だけじゃなく……」
穂乃果「周りにいる大切な人の姿すら見えなくなろうとしている……」
71: 2016/03/21(月) 15:25:13.79 ID:p8Yr051y.net
穂乃果「……ほのかは……ほのかは、一人は嫌だよぉ……」ポロポロ
海未「穂乃果……」ギュ
穂乃果「なんで……ほのか達、昔のままでいられないの……」グス
海未「……」
海未「……それは多分」
海未「みんな、大人になろうとしてるから……だと思います」
穂乃果「……」グス
穂乃果「……ほのかには、よくわからないよ」
海未「穂乃果……」
海未「穂乃果……」ギュ
穂乃果「なんで……ほのか達、昔のままでいられないの……」グス
海未「……」
海未「……それは多分」
海未「みんな、大人になろうとしてるから……だと思います」
穂乃果「……」グス
穂乃果「……ほのかには、よくわからないよ」
海未「穂乃果……」
72: 2016/03/21(月) 15:25:43.72 ID:p8Yr051y.net
穂乃果「……」
穂乃果「海未ちゃん」
海未「はい……?」
穂乃果「ほのかも……」
穂乃果「家を出る!」バン
海未「……」
海未「はい!?」ゴーン
穂乃果「決めた!ほのか、海未ちゃんについてく!」
海未「ちょっ、ほ、穂乃果!?」
穂乃果「やるったらやる!!」ビシ
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-----------------------
穂乃果「海未ちゃん」
海未「はい……?」
穂乃果「ほのかも……」
穂乃果「家を出る!」バン
海未「……」
海未「はい!?」ゴーン
穂乃果「決めた!ほのか、海未ちゃんについてく!」
海未「ちょっ、ほ、穂乃果!?」
穂乃果「やるったらやる!!」ビシ
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73: 2016/03/21(月) 15:26:30.17 ID:p8Yr051y.net
海未(……そんなことも、ありましたね)
海未(……)
海未(今思えば……あの時、穂乃果がやけに痛々しく見えたのは……)
海未(ことりと、そんな話があったから……だったんですね)
海未(だからあんなにも、一人を怖がった……)
海未(……)ハッ
海未(そういう……ことですか)
海未(ことり……)
海未(穂乃果も……)
海未(怖いんですね)
海未(私達とおなじく、関係が崩れてしまうのが……)
カチコチ……カチコチ……
海未(……)
海未(今思えば……あの時、穂乃果がやけに痛々しく見えたのは……)
海未(ことりと、そんな話があったから……だったんですね)
海未(だからあんなにも、一人を怖がった……)
海未(……)ハッ
海未(そういう……ことですか)
海未(ことり……)
海未(穂乃果も……)
海未(怖いんですね)
海未(私達とおなじく、関係が崩れてしまうのが……)
カチコチ……カチコチ……
74: 2016/03/21(月) 15:27:13.82 ID:p8Yr051y.net
海未(……)
海未(……)
海未(……)
海未(……)
パシン!
海未(……穂乃果)
海未「私は……」
海未「穂乃果のことが好き……です」
海未「……///」
海未「穂乃果に、想いを伝えましょう」
海未「……後悔はしたく、ありませんから」
海未(……)
海未(……)
海未(……)
パシン!
海未(……穂乃果)
海未「私は……」
海未「穂乃果のことが好き……です」
海未「……///」
海未「穂乃果に、想いを伝えましょう」
海未「……後悔はしたく、ありませんから」
75: 2016/03/21(月) 15:27:58.11 ID:p8Yr051y.net
海未「……しかし」
海未「いざ、面と向かってとなると……やはり恥ずかしいですね///」
海未「それに……その……雰囲気といいますか……///」
海未「そういう空気にならなければ、話になりませんし……」
海未「そうです」ポン
海未「何も面と向かって告白するのが全てではありません」
海未「手紙を……」
海未「こ、恋文を……書くことにしましょう///」
海未「……」ガサガサ
海未「……」
カキカキ
海未「……穂乃果へ」
70-
海未「いざ、面と向かってとなると……やはり恥ずかしいですね///」
海未「それに……その……雰囲気といいますか……///」
海未「そういう空気にならなければ、話になりませんし……」
海未「そうです」ポン
海未「何も面と向かって告白するのが全てではありません」
海未「手紙を……」
海未「こ、恋文を……書くことにしましょう///」
海未「……」ガサガサ
海未「……」
カキカキ
海未「……穂乃果へ」
70-
76: 2016/03/21(月) 15:28:42.37 ID:p8Yr051y.net
--------------------
----------
-----
ガチャ
穂乃果「ただいまぁ~」クラクラ
バタン
穂乃果「う~ん……」ヨロヨロ
穂乃果「飲み過ぎちゃったよぉ……」
穂乃果「海未ちゃんにあんなに注意されたのに……明日はお説教かなぁ」トテトテ
穂乃果「でもでもっ、二次会は断ったもんねっ!」
穂乃果「ついていったら間違いなく朝までコースだったよぉ……」
穂乃果「……海未ちゃん、寝ちゃったかなぁ……」トテテ
穂乃果「さすがに今日に関しては寝てて欲しいけど……」アハハ
穂乃果「……」ソー
穂乃果「海未……ちゃん……?」
海未「……」スースー
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ガチャ
穂乃果「ただいまぁ~」クラクラ
バタン
穂乃果「う~ん……」ヨロヨロ
穂乃果「飲み過ぎちゃったよぉ……」
穂乃果「海未ちゃんにあんなに注意されたのに……明日はお説教かなぁ」トテトテ
穂乃果「でもでもっ、二次会は断ったもんねっ!」
穂乃果「ついていったら間違いなく朝までコースだったよぉ……」
穂乃果「……海未ちゃん、寝ちゃったかなぁ……」トテテ
穂乃果「さすがに今日に関しては寝てて欲しいけど……」アハハ
穂乃果「……」ソー
穂乃果「海未……ちゃん……?」
海未「……」スースー
77: 2016/03/21(月) 15:29:14.59 ID:p8Yr051y.net
穂乃果「……寝てる?」
穂乃果「よかったよぉ……」ホッ
穂乃果「……って、こたつで寝ちゃってるなんて珍しい」
穂乃果「穂乃果にはいつもガミガミ言うくせに……」
海未「……穂乃果」スースー
穂乃果「っ」ドキ
穂乃果「……」
穂乃果「穂乃果の……せいだよね」
穂乃果「……」
トテテ…
ファサ
穂乃果「……これでよし、と」
穂乃果「よかったよぉ……」ホッ
穂乃果「……って、こたつで寝ちゃってるなんて珍しい」
穂乃果「穂乃果にはいつもガミガミ言うくせに……」
海未「……穂乃果」スースー
穂乃果「っ」ドキ
穂乃果「……」
穂乃果「穂乃果の……せいだよね」
穂乃果「……」
トテテ…
ファサ
穂乃果「……これでよし、と」
78: 2016/03/21(月) 15:30:03.73 ID:p8Yr051y.net
穂乃果「……海未ちゃん、ごめんね」
海未「……穂乃果ぁ……き……です……」
穂乃果「ふぇ!?」ドキッ
海未「……」スースー
穂乃果「……ね、寝言、だよ……ね……?」
穂乃果「……」ハァ
海未「……」スースー
穂乃果「もう……」
穂乃果「穂乃果はずっと、待ってるんだぞー」ツンツン
パサ
穂乃果「ん……?」
海未「……穂乃果ぁ……き……です……」
穂乃果「ふぇ!?」ドキッ
海未「……」スースー
穂乃果「……ね、寝言、だよ……ね……?」
穂乃果「……」ハァ
海未「……」スースー
穂乃果「もう……」
穂乃果「穂乃果はずっと、待ってるんだぞー」ツンツン
パサ
穂乃果「ん……?」
79: 2016/03/21(月) 15:30:46.71 ID:p8Yr051y.net
穂乃果「あ……」
ガサガサ
穂乃果「これって……」
カチコチ……カチコチ……
穂乃果「……」
穂乃果「……」クス
穂乃果「……」
チュ…
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ガサガサ
穂乃果「これって……」
カチコチ……カチコチ……
穂乃果「……」
穂乃果「……」クス
穂乃果「……」
チュ…
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------
80: 2016/03/21(月) 15:31:32.58 ID:p8Yr051y.net
チュンチュン…
海未「……」スースー
海未「……ぅ」
海未「……ん……」
海未「……穂乃果?」
海未「……」ハッ
海未「穂乃果!?」
海未「……い、いけません……うっかり、寝てしまいました……」
パサ…
海未「あ……毛布?」
海未「これは穂乃果が……?」
海未「……」スースー
海未「……ぅ」
海未「……ん……」
海未「……穂乃果?」
海未「……」ハッ
海未「穂乃果!?」
海未「……い、いけません……うっかり、寝てしまいました……」
パサ…
海未「あ……毛布?」
海未「これは穂乃果が……?」
81: 2016/03/21(月) 15:32:04.30 ID:p8Yr051y.net
海未「……」
海未「はっ!?」
海未「手紙は!?」ガサガサ
海未「……無事ですね」ホッ
海未「こんな恥ずかしい手紙……うっかり読まれる訳には///」
カサ…
海未「……最後まで書けていますね」
海未「……ん?」
海未「……」
海未「……っ」ポロ
海未「穂乃果っ!!」ダッ
タタタ…
海未「はっ!?」
海未「手紙は!?」ガサガサ
海未「……無事ですね」ホッ
海未「こんな恥ずかしい手紙……うっかり読まれる訳には///」
カサ…
海未「……最後まで書けていますね」
海未「……ん?」
海未「……」
海未「……っ」ポロ
海未「穂乃果っ!!」ダッ
タタタ…
82: 2016/03/21(月) 15:35:21.77 ID:p8Yr051y.net
==============================
穂乃果へ
まず初めに、このような手紙で想いを伝えてしまうとする
私の弱さを謝らせてください。
申し訳ありません。
本来ならば、面と向かって告白すべきなのですが
いざ向きあえば、私は逃げ出してしまうかもしれません。
意気地なしと罵られても構いません。
これが、今の私の精一杯なのです。
今の私の想いを、貴方へ送りたいと思います。
穂乃果へ
まず初めに、このような手紙で想いを伝えてしまうとする
私の弱さを謝らせてください。
申し訳ありません。
本来ならば、面と向かって告白すべきなのですが
いざ向きあえば、私は逃げ出してしまうかもしれません。
意気地なしと罵られても構いません。
これが、今の私の精一杯なのです。
今の私の想いを、貴方へ送りたいと思います。
83: 2016/03/21(月) 15:35:55.76 ID:p8Yr051y.net
穂乃果。
貴方のことが好きです。
出会った時からずっと。
子供の頃から今まで、貴方の側にいられたことを、大変うれしく思います。
私は貴方がいなければ、一人で立つこともままならない弱い人間なのです。
そんな弱い園田海未を、どうか……。
いつまでも、暖かく見守ってほしいと思います。
願わくば。
ずっと、貴方の側で……。
園田海未。
うん。
穂乃果も、海未ちゃんが好き。
ずっと。
ずーっと。
……一緒にいよう?
==============================
貴方のことが好きです。
出会った時からずっと。
子供の頃から今まで、貴方の側にいられたことを、大変うれしく思います。
私は貴方がいなければ、一人で立つこともままならない弱い人間なのです。
そんな弱い園田海未を、どうか……。
いつまでも、暖かく見守ってほしいと思います。
願わくば。
ずっと、貴方の側で……。
園田海未。
うん。
穂乃果も、海未ちゃんが好き。
ずっと。
ずーっと。
……一緒にいよう?
==============================
84: 2016/03/21(月) 15:36:23.91 ID:p8Yr051y.net
終わり。
86: 2016/03/21(月) 15:37:22.59 ID:FOegEYBX.net
後日談お願いします
87: 2016/03/21(月) 15:38:26.73 ID:A7nk+g1z.net
すばら
引用元: 海未「穂乃果へ」
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