唯「あ、でも味薄いカルピスっていうかほぼ水だけど、これ飲んでると和ちゃんちきたー！って感じがするよ！」

和「……それはどうも」

唯「あといつもよくわかんないお菓子でてくるよね」ﾊﾞﾘﾎﾞﾘ

梓（これ……先週スーパーの特売だった謎のメーカーのおせんべいだ……）

澪「もぐもぐ。おいしいけどかたい」

紬「へー」ｷｮﾛｷｮﾛ

梓「さっきからムギ先輩はなにキョロキョロしてるんですか？」

紬「えへへー、これが和ちゃんのおうち～」

澪「あ、私ちょっとトイレいってくる」

唯「あっ、澪ちゃん立つときはちゃんと上みて……！！！」

澪「えっ何で……あだっ」ｺﾞｯ

唯「あーあー、この電気にあたっちゃうからっていおうとしたのに……」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

澪「いたた……あー、和んちの天井ひっくいなぁ」

和「……そうね」

澪「で、トイレどこだっけ」

和「一階の玄関に一番ちかい扉よ」

律「あ、じゃあ私先いくしー♪」ﾀｯﾀ

澪「あ、おいずるいぞ！」

唯「まって！　りっちゃん！　階段おりるときは……ッ！！」

律「へっ？　うわあああ」

ﾄﾞﾀﾝﾄﾞﾀﾝｶﾞﾀﾝ　ﾄﾞｼｬﾝ

澪「お、おい律大丈夫か！？」

唯「ゆっくり降りないとだめだよって言おうとしたのに……」

梓「なんかすごい音しましたけど。生きてるんですか」

律「……ｱｲﾃﾃﾃ。なんなんだよ……」

紬「りっちゃん平気ー？」

律「あーもうっ。なんなんだよ和んちの階段急すぎないか！？」

和「……そうね」

唯「ついでに下からほかのおやつとってきていい？」

和「いいわよ。いってらっしゃい」

唯「あずにゃんもいこ？」

梓「えぇ……なんでそんな自由なんですか」

唯「いいのいいの。和ちゃんちだしー！」

和「それはちょっと言い方がひっかかるわ」

唯「あ、そっか！　幼なじみだしー！」

紬「幼なじみっていいなぁ」

梓「じゃあ唯先輩が変なことしないように見張りの意味も込めていってきます」

紬「いってらっしゃーい」ｳｽﾞｳｽﾞ

和「あなたも行っていいのよ」

紬「ほんと！？」

和「まぁ、唯はだいたいの場所知ってるから」

唯「そゆこと！」

一階


唯「えっとねー、ここだっけ」ｶﾞｻｶﾞｻ

梓「ひとんちの戸棚をそんな勝手に……」

唯「あれー、いつもここにちっこい変なゼリー入ってるのになー」ｶﾞｻｶﾞｻ

梓「はたからみたら泥棒みたいですね」

唯「お、あったあった」

紬「みせてみせてー！」

唯「じゃーん！　激安ゼリー！」

紬「すごいカラフルね！」

梓「なんか……ほんとやすそう」

唯「でも見た目で侮るなかれ！　いがいとぷにぷにしてておいしいよ！」

梓「そうなんですか。ところで一階って電気ないんですか？」

唯「んーとねぇ、キッチンとリビング以外はつけたらだめなんだよ！」

紬「？」

唯「かってにつけると怒られるんだー」

梓（それってやっぱり……あぁ和先輩）

紬「どうして？」

梓（そこで聞いちゃうのがムギ先輩ですよねー……）

唯「電球を買い換えるのがめんどくさいからだって！」

梓「……そういうことにしておきましょうか」

唯「あとねー、あとねー、こっちきて！」

梓「なんでうきうきしてるんですか」

唯「和ちゃんちは私にとって遊び場みたいなもんだからねー」

紬「へぇ～、すごいのね」

唯「キッチンのねー、確かー……あ、これこれ！」

唯「みて！　きゅうり！　スティックきゅうり！」

梓「は？」

唯「小さいころ和ちゃんちきたときはいつも食べてたんだよ！」

梓「しなしなじゃないですか……たべれるんですかそれ」

紬「……私、たべてみたいです！」

唯「おお！　ムギちゃんチャレンジャーだねぇ！　いいよいいよー」

梓「……たべちゃうんですか」

紬「いただきます！」ﾎﾟﾘｯ…

唯「ど？　ね？　おいしいでしょ？」

紬「……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

唯「塩が聞いててうまーだよ！」

紬「……うん……そ、そうね……」

梓「露骨にテンション落ちてるじゃないですか」

唯「たまーににんじんスティックもあるんだけど。惜しかったねー」

梓「いりませんよ」

唯「ほれほれーあずにゃんもたべてみ？」ｽﾞｽﾞｲ

梓「うっ……」

唯「ﾎﾟﾘﾎﾟﾘっていこうよー」

梓「……うぅ」

梓（なんか、変な臭いするんだけど……）

唯「おいしいよー。さぁさぁそこのお嬢さん一本いかがかね」

梓「じゃ、じゃあ……」ﾎﾟﾘｯ

梓「……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

梓「……」ﾎﾞﾘﾎﾞﾘ

梓「……」ｺﾞｸﾝ

梓「あ、はい……」

唯「はいじゃああと全部あげる！」

梓「……」

唯「ほら」

梓「唯先輩たべたらどうです」

唯「いらないよ子供じゃあるまいし」

梓「……はい」

唯「えーっと。口直しにお茶でも飲もっかな」

もうかきたいことかいたからさよなら

和の家ってガラスのコップに手垢付いてそう

妙にリアルだ

乙