1: 2014/11/08(土) 19:37:55.59 ID:QkQf7KI5.net
おねえちゃんなんて だいっきらい! だって ゆきほのことなかまはずれにするんだもん!

きょうもうみちゃんちへあそびにいっちゃった。

ゆきほもいくっていったのに、ゆきほはきちゃだめ!って!

なんで?ってきいても なんでも!っておしえてくれない。

おいかけていったらはしってにげちゃった。 おねえちゃんのばか!

わんわんないてたらおかあさんがよしよししてくれた。

おかあさんだいすき! おねえちゃんはきらい!

3: 2014/11/08(土) 19:41:27.95 ID:QkQf7KI5.net
おねえちゃんがかえってきた。ゆきほのことよんでる。

でも おへんじしてあげない。きらいだから。

そっぽむいてたら うしろからなにかくびにかけられた。

「ゆきほ!もうすぐおたんじょうびだね!うみちゃんとことりちゃんといっしょにつくったんだよ!」

きれいなちよがみでつくったきらきらのねっくれす。おねえちゃんのだいじなきんいろのおりがみもある。

「ないしょだったの!びっくりした?」

うん!

「うれしい?」

うん!

ねっくれすをしたままおやすみなさいした。あさになったらちょっとまがっちゃった。

でもいいの、これはゆきほのたからもの!

6: 2014/11/08(土) 19:45:50.78 ID:QkQf7KI5.net
おねえちゃんって本とうにはずかしい。

小学校に入学してから、いつもきょうしつの前をとおるたびに手をふってくる。

さいしょのころなんて

「ゆきほー!」

って大ごえでよんできて、先生におこられていた。

いっつもみんなにくすくすわらわれる。男の子たちにばかにされる。

本とうにはずかしい。

今日だってそう。あさのしゅうかいでこっちをちらちら見ている。

おちつきないなあ。うみちゃんにちゅういされてる。

あれ?なんだか先生にはなしてる。

「先生!トイレに行ってもいいですか?」

おねえちゃん…

7: 2014/11/08(土) 19:49:28.58 ID:QkQf7KI5.net
みんながげらげらわらってる。うみちゃんはためいきをついている。

ことりちゃんもこまったかおでわらってる。ああ、もう…

もうやだ。かえったらぜったいおかあさんに言おう。

…え?なんでこっちにくるの?

「ゆきほ!ほのか、一人じゃ体いくかんのトイレこわいから、おばけがでないかみはってて!」

そういってわたしの手をとってはしりだした。

もうやだ…クラスのみんなにわらわれてる…





「まにあってよかったね。」

あとちょっとでもっとはずかしいことになるところだった…

きょうはおかあさんには言わないでおいてあげる。


…ありがとう。

9: 2014/11/08(土) 19:57:15.50 ID:QkQf7KI5.net
お姉ちゃんってしつこい。

もう私だって中学年なんだから一人で帰れる、って言ってるのに毎日むかえに来る。

げたばこのところでいつも待ってるの。

そりゃ、低学年のころはお姉ちゃんといっしょに帰れるのうれしかったよ?

でも、私だってもう一人で大じょうぶだし、友だちだっているし。

でも、今日も待ってるお姉ちゃん。

私を見つけてブンブン手をふって。犬みたい。

ふんだ。今日はこっそりうら口から帰ってやるんだからね。

10: 2014/11/08(土) 20:04:21.64 ID:QkQf7KI5.net
「雪穂、穂乃果がまだ帰ってこないんだけど、知らない?」

えっ?

もう外はうすぐらい時間。子どもは帰らないといけない時間だ。どうしたんだろう?

…ひょっとして。


走って学校に行ったら、まだ私をさがしているお姉ちゃんがいた。

「よかった、おうちに帰ったかな、と思ったんだけど…もし居残りさせられてたらさみしいな、と思って。」

そんな、お姉ちゃんじゃあるまいし。

そういうとお姉ちゃんはちょっと笑った。


二人で落ち葉をふみながら歩いて帰ると中でお姉ちゃんが聞いてきた。

「ねえ、雪穂。もう一緒に帰るのやめよっか?」

…べつに。

「穂乃果、もうすぐ卒業でしょ?今のうちしか雪穂と一緒に帰れないと思ったんだ。…だから、迷惑だったらごめんね?」

ひゅう。急に強い風がふいて落ち葉がまいあがった。





「あっ、ゆーきほー!」

今日もお姉ちゃんは私をげたばこで待っている。

12: 2014/11/08(土) 20:15:32.20 ID:QkQf7KI5.net
お姉ちゃんってだらしない!

中学3年生にもなって忘れ物を妹に届けさせるとかどういう神経してるのよ?

恥ずかしいとか思わないのかな。まったく…

3年生の教室。ちょっと怖いな・・・

さっきからチラチラ見られてる。…うう…私なんにも悪い事してませんよ…


「あ、あの!失礼します!高坂穂乃果の妹ですが、姉を呼んでいただけないでしょうか?」

お姉ちゃんのクラスの入口近くのなるべく優しそうな人を選んで声をかけた。


「おーい、穂乃果ー!妹ちゃん来てるよー!」

「あっ!ありがと!」

教室の先輩方が一斉に私を見る。もう、生きた心地がしないよ…

13: 2014/11/08(土) 20:21:53.09 ID:QkQf7KI5.net
「なになに?高坂の妹?」

「あんまり似てないねー。」

お姉ちゃんじゃなく別の人達まで集まってくる…うわ…どうしよ。足が震えてきた…

「えへへ!何を隠そうこの子が穂乃果の妹、雪穂です!かーわいいーでしょー!」

ああ、もう、いいから。そういうのいいから。早く帰らせて!

「この子入学したばっかだからみんな優しくしてあげてね!」

「とかいって、早速あんたがお世話されてるじゃん!」

笑いが起こる。それからみんな口々に

部活決めた?とか ◯◯先生には気をつけたほうがいいよ、とかお話してくれた。

緊張してうまく答えられないでいると

かわいい!かわいい!って。

3年生の知り合いがいっぱい出来たけど…すっごく緊張した。



それに…かわいいかわいいって…私はキレイ系目指してるっていうか…だから、お姉ちゃんの方がかわいい、っていうか…

15: 2014/11/08(土) 20:51:25.20 ID:QkQf7KI5.net
お姉ちゃんって本当におせっかい!

「ねえねえ、君さ、高坂の妹なんでしょ?」

3年生の先輩に声をかけられた。…この前の時にいた人かなあ。

後でクラスの子達が3年生のすっごくモテる先輩だってキャアキャア言いながら教えてくれた。


…ふーん。 まあ、確かに顔は悪くない。

でも、私はパスかな。ああいう軽い感じの人って嫌い。


それからも先輩は私に何かと声をかけてきた。

アドレスを教えてほしい、とか、お休みの日に会ってほしい、とか。


私は興味なかったけど、周りのみんながキャアキャア騒いでいるから私ってモテるのかな?なんて思い始めた。

16: 2014/11/08(土) 21:01:31.96 ID:QkQf7KI5.net
ある日の放課後、また先輩が話しかけてきた。私もなんとなく、適当に返事していた。

もう後者には誰も残っていない。挨拶して帰ろうと思ったその時。

突然肩に手をかけてきて。キスされそうになった。

えっ?ウソウソ!なんで!?

混乱していると。


「あれ?なんで雪穂と◯◯君が一緒なの?」

お姉ちゃん…?

「ふ~ん。雪穂を、ねえ…?」

それから、お姉ちゃんと先輩は向こうで話していた。時々 園田には、とか、おやつには、とか聞こえてくる。


それから。

「◯◯君には私から言っておいたよ!…雪穂にはまだ彼氏なんて早いもんねえ~?」

なにさ!自分だって全然そういう話がないくせに!

きっと、私に先に彼氏ができたら嫌だからでしょ、どうせ。



…本当はちょっと、ううんすっごく怖かったから、助かった。…ありがと。

18: 2014/11/08(土) 21:28:42.17 ID:QkQf7KI5.net
お姉ちゃんって本当に食い意地はってる!

バレンタインの前夜。お風呂から上がってきたら私の手作りチョコがなかった。

「あれ?ここにあったチョコレートは?」

「…ふぇ?」

あった…お姉ちゃんの口の中に。

「ちょ、ちょっと!何やってんの!それ明日学校に持ってくんだけど!」

「ふぇ!?……んぐぐ。…だ、だって!なんにも書いてなかったから穂乃果にくれるのかと思って!」

「そんなわけないでしょ!出して!今すぐ出して!」

「うぐぐ…雪穂…苦しい。」

その後は久しぶりに大げんかになってお母さんに怒られた。




――ああ、もう、みんなで友チョコ交換するって約束してたのに…どうしよう…コンビニで買おっかな…

19: 2014/11/08(土) 21:37:58.31 ID:QkQf7KI5.net
――翌朝。

「…あの、雪穂。…昨日はごめんね。その…これ。」

珍しく私より先に起きてたお姉ちゃんがおずおずとラッピングされた箱を差し出してきた。

…買ってきてくれたのかな?…ふんだ。それでも、私の機嫌はなおらないんだからね。



お昼休み、友達の前で箱を開けた私は絶句した。

「わあ~!雪穂のかわいいね!なんだかおまんじゅうみたい!」

みたい、じゃなくて箱の中に綺麗にならんだ『ほ』は紛れも無くうちの看板商品『ほむまん』だ。

何してくれてんのよ本当…涙が出てきた。

「ハラショー!これ、とっても美味しいデス!」

「本当!チョコレート味のおまんじゅうなんて初めて食べた!」

えっ?…確かに、生地にチョコが練り込んであるみたい…お父さんはこんなこと絶対にやらないはずだけど…




「――ごめんね…穂乃果のチョコ、ちょっとなくなっちゃってさ…」

「まったく…そんなこと言って、どうせ食べてしまったんでしょう?…交換しあうって約束したではないですか。」

「ことり、いっぱい持ってきたから大丈夫だよ、これ穂乃果ちゃんにあげるね?」

「もう…またそうやって穂乃果を甘やかして…大体いつも穂乃果は…」

23: 2014/11/08(土) 22:06:26.11 ID:QkQf7KI5.net
お姉ちゃんって本当無神経!

私は受験生だってのに、毎朝起こさせるし、店番やらされるし。

まあ、今はμ'sの方が忙しいっていうのもあるんだろうけどさ。

朝早いのだって朝練のためだし、店番代わるのだって必ず後で埋め合わせてくれるし。

…音の木に行けるかもしれないのはお姉ちゃん達のおかげだし、さ。


…それにしたってもうちょっと受験生がいるってことを考えてよ!

部屋でダンスしたり、生徒会の演説だかの練習したり、おまけにDVD鑑賞会まで!

急にミュージカルやるのもやめて!

…本当無神経!

24: 2014/11/08(土) 22:13:07.23 ID:QkQf7KI5.net
「はい雪穂!合格祈願のお守りだよ!」

帰ってきてコートも脱がずに私にお守りを押し付けるお姉ちゃん。

…もう、顔が赤いよ。また風邪ひいちゃうんじゃないの?

「えへへ!一番いいやつ?にしたんだよ。絶対合格するようにってさ!」

別に値段じゃないと思うんだけどなあ…

「あ、あとね、これは海未ちゃんから!これはことりちゃんから!これは絵里ちゃんから!これは…」

次々とお守りを出してくるお姉ちゃん。なんだか手品みたい…じゃなくて!

「お守りって人からもらった方がご利益あるっていうでしょ?だからみんなから1つずつ!」

だからって…こんなにもらったら逆にプレッシャーだよ…

「みんなのパワーが注入してあるから!合格まちがいなしだよ!頑張って!」

…本当、無神経。これじゃ、絶対に落ちれないじゃん。





…がんばろ。

25: 2014/11/08(土) 22:25:16.99 ID:QkQf7KI5.net
亜里沙なんて大っ嫌い!

せっかくここまで来て…二人で頑張ってきて…

真姫さんや花陽さんや凛さんが卒業して…それでもなんとかやってきて…

ラブライブまで来たのに…



「――ロシアに帰るって…どういうこと!」

「えっと、だから…進路のことで少し…」

「もうすぐラブライブじゃん!先輩たちがいなくなってもみんなで頑張ろうって言ってやってきたのに!」

「…ごめんなさい。」

「…なんで言ってくれなかったの?…友達だと思ってたのは私だけだったの…?」

「ち、ちが…そうじゃ、なくて…」

「もういいよ!」

亜里沙の返事も聞かないで、私は飛び出した。

28: 2014/11/08(土) 22:31:37.10 ID:QkQf7KI5.net
「…ごめんね。ちょっと入るよ。」

「…授業サボっちゃだめじゃん。また海未さんに怒られるよ。」

「絵里ちゃんに聞いたよ。亜里沙ちゃんのこと。」

…おせっかい。



――それから、お姉ちゃんはとったばかりの免許で私を空港まで送ってくれた。

今、行かなかったら絶対に後悔するよ。珍しく真面目な顔をしたお姉ちゃんに押し切られて。


「亜里沙!」

「雪穂!」


会えてよかった。お姉ちゃんだってたまには正しいことを言う。






…でも、来週には帰ってくるって何それ!涙流して抱き合ったのがバカみたい!


お姉ちゃんは勝手に車を持ちだしたからお父さんに謝ってた。私も一緒に謝った。

30: 2014/11/08(土) 22:39:31.98 ID:QkQf7KI5.net
お姉ちゃんなんて大っ嫌い!




花嫁より先に泣く人がいる?なんで新婦入場の前から泣いてるのよ!


しかもわんわん声上げて…歳考えてよ…

そうじゃなくてもお姉ちゃんたちは目立つんだから…


…おかげで私は泣けなくなっちゃった。

本当はこの、家族への手紙で泣くつもりだったんだけどなあ。


お母さん 産んでくれてありがとう。

お父さん 見守ってくれてありがとう。


そしてお姉ちゃん いつも いつでも 私のそばに居てくれたお姉ちゃん。

一度しか言わないからよく聞いてね。


大好きだよ

31: 2014/11/08(土) 22:40:04.83 ID:QkQf7KI5.net
ネタがつきたから一旦終わり。何か思いついたら書くかも。

61: 2014/11/09(日) 11:20:18.56 ID:wygbbO0G.net

ほのぼのした

引用元: 雪穂「お姉ちゃんなんて大っ嫌い!」