1: 2011/05/25(水) 10:17:08.02 ID:PPueIdTF0
唯「私、大学生になったら一人暮らしするんだ」

それは憂にとって全く予想外だったこと。

それまで当たり前のように寄り添っていた二人。

それが当たり前でなくなる現実を突き付けられる。

日常の一部にぽっかりと穴が開いてしまう。

あまりにもつらい欠落。

憂には、唯が離れることのショックは大きい。

様々な負の要素が瞬時に駆け巡り、憂の中で想像以上に深い孤独が押し寄せる。
けいおん! 1巻 (まんがタイムKRコミックス)

3: 2011/05/25(水) 10:19:01.00 ID:PPueIdTF0
憂「だ、駄目だよお姉ちゃん一人暮らしなんて」

唯「何で?」

憂「色々危ないし」

唯「大丈夫だよ、寮だからみんな一緒だし」

憂「でも・・・」

唯「もう決めたんだ」

憂「そんな・・・」

6: 2011/05/25(水) 10:20:28.96 ID:PPueIdTF0
次の日

昼休みいつものように純、梓とお弁当を食べていた時の事。

向かい合って座っていた純が憂の態度を伺うように言った。

純「憂、どうしたの?元気ないよ?」

梓「そう言えば、朝からそんな感じだよね」

憂「う、うん・・」

純「何かあったの?」

憂「・・・あのね」

憂は事情を話す。

9: 2011/05/25(水) 10:23:58.28 ID:PPueIdTF0
純「へー、唯先輩が一人暮らしね」

梓「そう言えば、先輩達みんな大学の寮に住むって言ってた」

憂「だから、私ひとりぼっちになっちゃうの」

純「あ、憂の両親ってあんまり家に帰ってこないんだよね」

憂「うん」

純(そう言えば、唯先輩が修学旅行で居ないってだけで泣きそうになってたな)

梓「でも良い機会じゃない?」

純「何が?」

梓「唯先輩が憂離れする」

12: 2011/05/25(水) 10:26:29.81 ID:PPueIdTF0
純「確かにね、唯先輩もう子供じゃないんだし」

憂「それはそうだけど」

梓「それに、憂もいつまでも唯先輩にベッタリしてるのも・・・」

純「姉妹なんだから」

憂「・・・でも」

梓「今からそんなんじゃ、4月からどうすんの?」

純「そうだよ、今の内から慣らしてった方が良いんじゃない?」

憂「慣らすって?」

13: 2011/05/25(水) 10:28:01.27 ID:PPueIdTF0
梓「あんまりべたべたしないようにして少しずつ距離を置くとか」

憂「・・・うん、そうだよね」

純「後は、好きな人作るとかして心のスキマ埋めるとか」

憂「好きな人か・・・」

梓「今居ないの?好きな人」

憂「お姉ちゃんかな?」

純梓「おおおおぉいい!!」

ズビシッ!!

17: 2011/05/25(水) 10:31:46.29 ID:PPueIdTF0
3年の教室!

唯「今日のお弁当は唐揚げとエビフライです!」

律「どうせ憂ちゃんが作ったんだろ?」

唯「その通り!」

紬「憂ちゃん料理上手ね」

澪「あのさ、今度憂ちゃんに料理教えて貰いたいんだけどさ」

唯「憂に?」

澪「うん、大学生になったら寮で暮らすとは言え自炊出来ないとって思って」

唯「そうだね、料理くらい出来ないと」

18: 2011/05/25(水) 10:34:35.24 ID:PPueIdTF0
律「私は料理出来るから問題ないぜ」

澪「律は、以外に料理上手いよな」

紬「私もシェフに習ってるから」

澪「シェフ・・・」

唯「今度の土曜日で良い?」

澪「お願いしていい」

唯「憂に話しておくよ」

19: 2011/05/25(水) 10:37:14.00 ID:PPueIdTF0
土曜日

澪「お邪魔しまーす」

唯「いらっしゃい」

律「私も付き添いで来た」

澪「ムギも誘ったけど予定があるってさ」

憂「こんにちは」

澪「憂ちゃん、今日はよろしく」

憂「こちらこそよろしくお願いします」


21: 2011/05/25(水) 10:39:39.84 ID:PPueIdTF0
律「唯、ゲームでもしてようぜ。キッチンに4人は狭いから料理は澪と憂ちゃんに任せてさ」

唯「良いよ、何やる?」

律「スト4やろーぜ。スト4!」

唯「返り討ちにしてくれる!」

澪「あいつは一体何しに来たんだ・・・」

律「料理できたら、呼んでくれ」

憂「分かりました」


22: 2011/05/25(水) 10:43:27.69 ID:PPueIdTF0
憂「じゃあ、今日はハンバーグと煮物とサラダを作りましょう」

澪「うん」

トントントントン

澪「へー、手慣れたもんだな」

憂「えへ、そんな事無いですよ」

澪「憂ちゃんなら良い奥さんになれるよ」

憂「ありがとうございます」



24: 2011/05/25(水) 10:46:41.82 ID:PPueIdTF0
憂「これを切る時は、包丁をこんな感じで持って」

澪「こう?」

憂「もうちょっと包丁を寝かせて、ちょっと良いですか」

憂の手が澪の手に添えられる。

澪(ドキッ!)

憂「どうしたんですか?」

澪「あっ、なんでもない///」

澪(何を私はドキドキしてるんだ///)

憂の声に我に返り、誤魔化そうと包丁を動かす。

トントントントン

25: 2011/05/25(水) 10:49:07.50 ID:PPueIdTF0
憂「あ、澪さんそんなに速く切ると危ないですよ」

憂は澪の慌てた様子に注意を促そうとしたが、一足遅かった。 

サクッ

澪「あ痛ッ・・・!」

澪の指先に、ピリッとした鋭利な痛みが走る。

その部分に目をやると、右手の人差し指からうっすら血が滲んでいた。

澪「痛たた、切っちゃった」

憂「澪さん大丈夫ですか?」

26: 2011/05/25(水) 10:50:54.82 ID:PPueIdTF0
澪「血、見るの苦手なんだよな」

憂「ちょっと見せて下さい」

憂はすぐに澪の人差し指を手に取り、傷口に目を向ける。

憂「うん、そんなに深くは切ってないですね」

指先をじっと見つめてそう言うと、その憂の唇が近づいてゆき・・・

澪「あ・・・」

指先がそっと口に含まれた。

しっとりとした唇に挟まれ、温かい口内で傷口の血が舐めとられる。



28: 2011/05/25(水) 10:55:34.27 ID:PPueIdTF0
澪(うわー、うわー///)

澪は固まり、その光景と感触を半ば放心気味に見つめる。

澪「憂ちゃん///」

指先から唇が離される。

憂「カットバン持ってきますね」

憂はそう言ってキッチンを離れる。

指先には唇の温もりが残ったまま。

澪(ビックリした、いきなりだもんな)

29: 2011/05/25(水) 10:58:39.03 ID:PPueIdTF0
憂「お待たせしました。カットバン持ってきましたよ」

憂は澪の指を手に取り、傷口をカットバンで包んだ。

憂「これで大丈夫ですね」

澪「あっ、ありがとう」

憂「じゃあ、料理続けましょうか」

澪「うん」

澪は普段通りに振舞おうと返事をした。

30: 2011/05/25(水) 11:01:02.93 ID:PPueIdTF0
澪(まだドキドキしてる///)

憂「どうしたんですか?」

そう言って澪の顔をズィっと覗き込む。

澪「!」

澪「な、何でも無い///」

そう言い、顔を背ける澪。

澪(今私の顔真っ赤だよな///)

憂「?」


31: 2011/05/25(水) 11:05:01.02 ID:PPueIdTF0
その頃唯律は

唯「ヨガファイヤー、ヨガファイヤー、ヨガフレイム!」

律「おのれ、小癪な」

律「波動拳、波動拳、神龍拳!!」

唯「うあー、負けた・・」

律「ふっふっふ思い知ったか」

唯「りっちゃん強すぎるよ」

律「今度違うのやろーぜ」

唯「じゃ、モンハンやろ」

律「良いぜ、私のやり込みデータを見せてやる」

34: 2011/05/25(水) 11:08:27.62 ID:PPueIdTF0
律「イビルジョー2匹クエやろーぜ」

唯「良いよ」

律「大剣で行くか」

唯「溜め短縮5攻撃9のお守りだと?」

律「半日火山に籠もって掘り当てた」

唯「私もそれ欲しいんだけど出ないんだよ」

律「テーブル合わせたり色々大変なんだよ」

唯「そうなんだ」

35: 2011/05/25(水) 11:10:29.77 ID:PPueIdTF0
律「振り向き溜め3ぶちかまし!!」

唯「大迷惑切りフンス!」

律「大迷惑切り止めろよ・・・」

唯「ごめーん」

律「よっしゃー恐暴竜の宝玉ゲットだぜ!」

唯「私も出たよ!」

憂「お姉ちゃん達、ご飯できたよ」

律「盛り上がってきた所で。ご飯食べたら続きやろーぜ」

唯「うん」

36: 2011/05/25(水) 11:13:23.48 ID:PPueIdTF0
唯「美味しそう!」

律「美味そうじゃないか」

澪「中々の出来だろ?」

唯「食べよ」

「いただきます」

律「澪が作ったにしては美味いじゃないか」

澪「私が作ったにしてはって何だ」

律「さすが憂ちゃんドーピング」

憂「澪さん料理結構上手いですよ」

37: 2011/05/25(水) 11:14:56.42 ID:PPueIdTF0
律「私のハンバーグにはまだ勝てんけどな」

唯「どっちも美味しいよ」

「ごちそうさま」

唯「もう遅いから二人とも泊まっていきなよ」

律「私は最初からそのつもりだ」

澪「厚かましい」

憂「澪さんも泊まっていって下さい」

澪「うん、じゃあお言葉に甘えて」

38: 2011/05/25(水) 11:19:42.80 ID:PPueIdTF0
憂「お風呂沸きましたよ。お客さん達からどうぞ」

律「おう、サンキュー。でも4人別で入ったら結構な時間になるな」

唯「一人30分だとして140分だよ!」

澪「120分だ」

唯「2人ずつ入る?家のお風呂入れるよ」

唯(私が憂と入って、りっちゃんと澪ちゃんが一緒で良いよね)

澪(唯は憂ちゃんと入るだろうから私は律と入るか)

憂「じゃあ、私がお姉ちゃんと・・・」

憂(いやっ、駄目。距離を置かないと)

憂「澪さん、一緒に入りません?」

澪「へ?///」

唯律「えええええっ?!」



39: 2011/05/25(水) 11:21:44.05 ID:PPueIdTF0
お風呂場

律「まさか、唯と一緒に入る事になるとはな///」

脱ぎ脱ぎ

唯「私もビックリだよ」

脱ぎ脱ぎ

律「まあ、合宿とかで一緒に入ったしな」

唯「そうだね」

40: 2011/05/25(水) 11:24:13.38 ID:PPueIdTF0
律「それにしても唯・・・」

唯「何?」

律「ずいぶんと胸が大きくなってるじゃないか?」

唯「そう?」

律「くー、昔は私とほとんど変わらなかったのに」

唯「えへへ」

律「けしからん、実にけしからん!!」

律「こうしてくれる!」

ふにふにふに

唯「いやーん」

41: 2011/05/25(水) 11:27:29.48 ID:PPueIdTF0
澪「・・・あのさ、何で唯じゃなくて私となの?」

憂「何ででしょーね」

憂はそう言い、クスリと笑って見せる。

澪「何ででしょーって・・・」

律「お風呂空いたぞー」

唯「もう、りっちゃんのH///」

澪(何があったんだ?)

憂「じゃあ、澪さん入りましょ」

澪「う、うん」

42: 2011/05/25(水) 11:30:33.63 ID:PPueIdTF0
憂「澪さんスタイル良いですね」

脱ぎ脱ぎ

澪「あんまり見ないで、恥ずかしい///」

脱ぎ脱ぎ

憂「うふふ、それだけスタイル良ければ見られても大丈夫ですよ」

そう言い、髪をほどく憂。

ファサッ

澪「うわ、髪下ろすと本当に唯そっくりだな」

憂「あんまり、見つめないで下さい恥ずかしい///」

澪「ご、ごめん///」

43: 2011/05/25(水) 11:33:53.66 ID:PPueIdTF0
お風呂場

憂「傷、染みません?」

澪「ん、カットバン貼ってもらったから大丈夫」

憂「髪、洗わせてもらって良いですか?」

澪「え?良いけど」

シャカシャカ

澪(変な気分///)

憂「髪綺麗ですね」

憂「ありがと///」

45: 2011/05/25(水) 11:40:53.60 ID:PPueIdTF0
風呂上がり

律「睡眠爆破!」

唯「さすがりっちゃん」

澪「またモンハンか」

律「私達、布団入りながらモンハンやってるから」

唯「憂の部屋に澪ちゃん泊めて上げて」

澪「へ?」

憂「うん」

46: 2011/05/25(水) 11:43:28.22 ID:PPueIdTF0
憂の部屋

澪「お見舞いに来た時以来だな、憂ちゃんの部屋」

憂「あの時はありがとうございました」

澪「亀のぬいぐるみも懐かしい」

憂「バッティングセンターでホームラン打って獲ったんですよ」

澪「へー、凄いな」

憂「じゃあ、電気消しますね」

パチッ

47: 2011/05/25(水) 11:45:16.75 ID:PPueIdTF0
澪「・・・あの」

憂「何です?」

澪「・・・豆球付けてもらって良い?」

憂「ごめんなさい。豆球付かないんです」

澪「え?そう、なんだ・・・」

憂「暗いの怖いですか?」

澪「う、そうじゃないけど・・・」

澪「慣れてないから落ち着かないって言うか」

憂「じゃあ一緒に寝ましょうか?」

澪「ええ?!」

48: 2011/05/25(水) 11:47:59.03 ID:PPueIdTF0
憂「良いじゃないですか女同士なんだし」

澪の布団に潜り込む憂。

憂「たまにお姉ちゃんとも一緒に寝たりしてるんで」

澪「そうなんだ、本当に仲の良い姉妹だな」

憂「でも、もうすぐそれも出来なくなるんですよね・・・」

澪「寮に入っちゃうもんな」

憂「・・・・・」

憂「・・・うっ・・ひく・・ぐす」

澪「憂ちゃん?」

突然泣き出した憂に動揺を隠せない澪。

49: 2011/05/25(水) 11:51:10.22 ID:PPueIdTF0
憂「離れたくない・・・お姉ちゃんとずっと一緒にいたい」

憂「一緒にいたいのに・・離れたくないよ」

澪はすっと人差し指で憂の涙を拭き取った。

澪「憂ちゃんが悲しむ顔、見てらんないよ」

澪は自分の胸に憂の顔を抱き寄せる。

憂「澪さん」

憂は泣きじゃくりながら、たどたどしい言葉づかいで続ける。

憂「だから、今の内からなるべく距離を置こうと思って」


50: 2011/05/25(水) 11:53:17.12 ID:PPueIdTF0
震える声で胸の内を明かした憂。

その声から、震える肩から、澪の中でじわじわと熱いものが広がりこみ上がっていく。

その瞬間、澪の胸の鼓動が一気に加速してゆき、切なく締め付けられる。体が熱い。

自分の腕のなかでまだ少し震えている、温かく柔らかい憂の身体。

そんな彼女の体温で温められているかのような錯覚が、余計に彼女への愛おしさを助長する。

この昂ぶる感情を抑える術はない。愛おしくてたまらない。ずっと抱きしめていたい。

私・・この娘のことが好きなんだ。

澪「憂ちゃん・・顔上げて」

憂「・・ぐすっ・・はい?」

うつむく憂の涙を優しく拭い、頬をそっと持ち上げる。

そして~

52: 2011/05/25(水) 11:56:33.85 ID:PPueIdTF0
翌朝

律「ふぁー、何か良い匂いがする」

唯「お、既に朝食が出来てるじゃありませんか!」

憂「おはよう」

澪「遅いぞ二人とも」

律「日曜の朝から二人揃って朝食作りとは、お前ら新婚か!」

憂「ええっ、そんな///」

律(何この憂ちゃんの反応)

53: 2011/05/25(水) 11:58:40.23 ID:PPueIdTF0
律「ふぃー喰った喰った。澪もずいぶん上手くなったじゃないか」

唯「ホント美味しいね」

澪「教えてくれる人が上手いからな」

憂「そんな事無いですよ///」

律(だから何この憂ちゃんの反応)

律「長居しても悪いし、そろそろ帰るか」

澪「・・そうだな」

55: 2011/05/25(水) 12:01:47.21 ID:PPueIdTF0
律「じゃあな、色々ご馳走様」

澪「憂ちゃん、ありがとうな」

憂「どういたしまして」

憂は澪にそっと耳打ちする。

憂「澪さん、また一緒に料理しましょうね。今度は二人きりで」

澪は黙ってコクンと頷く。

昨日だけで澪さんの色んな事が分かった。

澪さんは、恐がりな事。

澪さんに抱きしめられると、とても暖かい事。

澪さんの唇はとても柔らかい事。

澪さんは、寝る時にノーブラな事。

もっと澪さんの事が知りたい。

56: 2011/05/25(水) 12:04:48.85 ID:PPueIdTF0
唯は律にそっと耳打ちする。

唯「またゲームしょうね。今度は二人きりで」

りっちゃんは、とてもゲームが上手い事。

りっちゃんは、貧Oを気にしてる事。

りっちゃんは、寝る時にノーパンな事。

もっとりっちゃんの事が知りたい。


お終い

61: 2011/05/25(水) 12:58:00.90 ID:Z9Bt4pe60
裏では唯律になってて良かったけどノーパンてw

63: 2011/05/25(水) 13:23:26.24 ID:yAz6ytZki
唯憂じゃなかったのかよおおおお
でも乙です

引用元: 憂「お料理教室」