1: 2017/06/20(火) 18:19:12.95 ID:qi36Sl3A.net
梨子(今日も曜ちゃんと千歌ちゃんと遊んで、楽しかったな…)

梨子(けど…)

梨子「…足りない」

梨子「千歌ちゃん、まだ起きてるかな」

無意識に窓をあけて、闇夜の中に千歌ちゃんを探す。

梨子「いつだったけ…ここから千歌ちゃんは誘ってくれたよね。スクールアイドルに…」

ガラガラガラ

千歌「あ!やっぱり梨子ちゃんだぁ!」

梨子「ち、千歌ちゃん!どうして分かったの!?」

千歌「いやぁちらっと見たら電気がついててね、梨子ちゃんかなーって。えへへ」

ああ、ダメだ…

梨子「千歌ちゃん…ちょっとだけお話ししない?」

千歌「ぅん?いいよー」


部屋の光が生む私の影が千歌ちゃんを包み込んだように見えた。

2: 2017/06/20(火) 18:27:49.92 ID:qi36Sl3A.net
千歌「あれ?なにか甘い匂いがするね?」

梨子「うん、ちょっとね、香水つけてみたの」

千歌「え?もう寝るだけでしょ?」

梨子「うん、でも、なんというか、落ち着くんだ、この匂い」

千歌「なるほどねー」

梨子「うん。…千歌ちゃん。」

千歌「ど、どうしたの?そんなに見つめられると照れちゃうよ…エヘヘ」

梨子「私、そんなに見つめてた?」

千歌「うん。珍しいなぁって。梨子ちゃんあんまり人の目をじっと見るってことないでしょ」

梨子「そう、かな。香水のせいかな。」

千歌「香水?」

梨子「あ!ううん!何でもないの…」

千歌「もしかして悩み事?」

4: 2017/06/20(火) 18:34:09.07 ID:qi36Sl3A.net
梨子「え、いや全然。そんなことないよ」ニコ

あなたのことを考えてたら眠れないの、なんで言えない。

千歌「ほんとぉ?しょーじきに話してほしーなぁ」

梨子「…あのね、…いや、やっぱり、」

千歌「梨子ちゃん」

梨子「わがまま言ってもいい?」

千歌「もちろんだよ」

梨子「私の部屋に来てくれないかな?」

千歌「ここじゃダメなの?」

梨子「ううん、ダメってわけじゃないけど…でも、はぁ…」

千歌「んもう分かった!ちょっと待っててね」

梨子「千歌ちゃんありがとう。大好き」

千歌「もう梨子ちゃんったら!すぐ行くからね!」


こんなに大胆になれるのは、やっぱり香水のせいかもしれない

6: 2017/06/20(火) 18:45:07.22 ID:qi36Sl3A.net
千歌line「梨子ちゃんー入っていい?」

梨子line「空いてるからどうぞ」

おじゃましまーす、うわ!真っ暗じゃん!

ガラガラガラ

千歌「もう!電気つけといてよー千歌じゃなかったら部屋までこれなかったよ!」プンスカ

梨子「千歌ちゃんだからいいかなーって」

千歌「良くないよー!あ!甘い匂い!さっき言ってた香水かなぁ?」

梨子「うん。いい匂いでしょ?」

千歌「うん!でもちょっとつけすぎじゃない?アハハ」

梨子「頑張りすぎちゃったかな」ニコ

千歌「香水でがんばるってなにーもー梨子ちゃんやっぱり面白いなー」

梨子「ねぇ千歌ちゃん。」

千歌「はい。千歌ちゃんです」

梨子「お話、聞いてくれる?」

千歌「もちろんです!そのために来たのです!」敬礼!

8: 2017/06/20(火) 18:51:00.20 ID:qi36Sl3A.net
梨子「その、後ろから抱っこしてもいい?」

今日の私は、私じゃないのかもしれない。

千歌「えええ!?ど、どういうこと!?」

梨子「えっとその、ダメかな。」

また、わざとらしく溜息をついてしまう。

千歌「も、もー今日だけだよ!それに何か恥ずかしいから曜ちゃんには内緒だよ!」

梨子「…じゃぁそこ座ってくれる?」

千歌「うん」

梨子「ありがとう」キュッ

千歌「で、は、話とはなんでしょう梨子ちゃん?」ピクッ

梨子「うん、だれにも言わないでくれる?」

千歌「も、もちろん!」

9: 2017/06/20(火) 18:59:33.12 ID:qi36Sl3A.net
梨子「私ね、この前東京帰ったじゃない?その時なんだけど」

私は、

千歌「うん」

梨子「少し街を歩いていたらね、声を掛けられたの。桜内梨子さんですかって」

必氏に、嘘を並べて、

梨子「私びっくりしちゃって、否定して逃げればよかったのにね、」

千歌ちゃんを強く抱きしめて、

梨子「ついそうですなんて言っちゃって。そしたらね、告白されたの。」

千歌ちゃんが、欲しいから、

千歌「え!?すごい!それでそれで!?」

梨子「えっとね、もちろんお断りしたんだけど。なんかしつこい人で…」

でも、傷つけたくないから、

梨子「ずっと逃げようとしたら、腕をつかまれて…」

…傷つきたくもないから。

12: 2017/06/20(火) 19:05:06.96 ID:qi36Sl3A.net
梨子「キス、されそうになったの。」

千歌「!?大丈夫だったの!?」

梨子「うん、叫んで、そしたら助けに来てくれた人がいて、お礼も言わず、必氏に逃げて、、」

千歌「怖かったよね。」

千歌ちゃんは振り向かずに、手を握ってくれる。

梨子「うん、すごい怖かった。」

千歌「りこ、ちゃん…ごめんね、そんなことがあったなんて、私知らなくて、何もできなくて、」

梨子「ううん、いいの、それでね、わがままもう一つ言い?」

千歌「うん、なに?」

梨子「キスしても、いい?」

千歌「ええええ!?」



飛びあがり向きあう千歌ちゃんの顔は少し赤くなっていた。

13: 2017/06/20(火) 19:14:42.71 ID:qi36Sl3A.net
梨子「ごめんねびっくりさせちゃったよね。」

千歌「そ、そりゃびっくりするよ!え、ど、どういう、」

梨子「わたしね凄く怖かったの。男の人に迫られて。」

千歌「う、うんそれは、わかるけど…」

梨子「逃げるときにね、ずっとずっと、千歌ちゃんのことを思ってた。
千歌ちゃん、助けてって。」

千歌「うん、それで、その、、どうして千歌とその、き、キスになるの?」

梨子「私ね、男の人苦手で、今も女子高だし、慣れる機会なくって」

千歌「それは、千歌もだよ…」

梨子「私はたびたび東京に行くし、もうあんなに怖いのいやっだって、思うし」

千歌「そう、だよね」

梨子「でもね、一度、好きな人とキスしちゃえば、少し平気になるかなって…」

千歌「え?」

梨子「違うの。もちろん友達としてなんだけど」

千歌「で、でもキスって…その…」

梨子「やっぱり、だめ、かな?」

14: 2017/06/20(火) 19:24:26.21 ID:qi36Sl3A.net
千歌ちゃんの顔は、真っ赤になってるように見える。

千歌「えっと、その、いいの、かな?」

梨子「…千歌ちゃん」

私の中の違う私が、迫ってくる。

千歌「り、こ、ちゃ、んっ!んんっ!」

梨子「ち、かちゃ…っ!!」

いつしか私は、千歌ちゃんを押し倒して。
私の影で見えなくなって。

千歌「!?りこちゃん!っ!んんっ!」

何度も口を重ねて。

梨子「はぁはぁ、千歌ちゃん、好き。千歌ちゃん」

千歌「んんんっ!!だ、だめっ!」バンッ!

梨子「!!ご、ごめんね、千歌ちゃん。」

千歌「はぁ、はぁ梨子ちゃん、ひどいよ」

梨子「ごめんなさい…つい…」

千歌「ううん、いいよ。千歌も嫌だって抵抗したわけじゃないし…」

16: 2017/06/20(火) 19:33:39.03 ID:qi36Sl3A.net
梨子「でも本当に、ごめんなさい」

千歌「もういいってば、でも、これっきりだよ…」

梨子「…うん」

千歌「友達としてこれ以上はだめだよ。友達じゃなくなっちゃう」

梨子「じゃ、じゃあ!」

千歌「友達として、許したの。梨子ちゃんもそうなんでしょ?」

梨子「…」

千歌「だから本当に男の人がだめになったらまた考えたらいいよ」

梨子「…うん」

千歌「落ち着いたみたいだね。今日はこれで帰るよ。みんなにも内緒にしとく」

梨子「ありがとう千歌ちゃん。」

千歌「また明日、ね」

梨子「うん、ありがとう」


千歌ちゃん闇の中、歩いて行った。

梨子「いまさら、なのに…」

闇の中、自分にしか聞こえない溜息を漏らす。

梨子「千歌ちゃんも私に…」


向けた言葉は、闇に飲まれた。

18: 2017/06/20(火) 19:36:09.63 ID:qi36Sl3A.net
終わり。

Shadow gate to loveフラゲして
ちかりことかなまりの話が浮かんだだから書いたけど
勢いで書いたから良く分からん話になったね

みてくれてありがとう

19: 2017/06/20(火) 19:48:26.28 ID:zIWeHTDF.net

引用元: 梨子「恋していいよ」