2: 2023/06/04(日) 20:53:06.20 ID:PdnwR6WK
学校にて朝を迎える合宿中の同好会メンバー。

果林「すぅ…すぅ…」

かすみ「果林先輩まだ寝てますね~。彼方先輩だって起きてるのに~」

侑「昨日の練習の疲れが溜まってるんだよ。まだ寝かせてあげよう」

せつ菜「さ~今日も一日頑張りますよ~」

かすみ「あっちに全然疲れが見えない人が居ますが…」

侑「あはは…流石せつ菜ちゃん」

4: 2023/06/04(日) 20:59:23.45 ID:PdnwR6WK
かすみ「さて、かすみんは…」

ランジュ「侑~かすみ~」

侑「どうしたの?」

かすみ「朝から騒がしい人がもう一人」

ランジュ「その猫捕まえて!」

かすみ「え?猫?」

はんぺん「にゃ~」

侑「あっ…璃奈ちゃんの…どうしたの?」

ランジュ「アタシのパンを奪ってたのよ」

かすみ「本当だ。パン咥えてますね…」

5: 2023/06/04(日) 21:05:07.48 ID:PdnwR6WK
ランジュ「ふふっ、追い詰めたわ。逃がさないわよ」

はんぺん「にゃ~」

ランジュ「あっ!!?また、チョロチョロと~待て~」

果林「ん…んん…」

侑「ほら。果林さんが起きちゃうよ」

かすみ「って言うか、コップを持ちながら動き回るのやめて下さいよ。さっきから中身が結構溢れてるんですけど」

はんぺん「にゃ~」

ランジュ「あっ!外に逃げた~」

かすみ「………猫を追いかけて裸足で出てく人って本当に居るんですね。咥えてるのは魚だけど」

7: 2023/06/04(日) 21:09:33.62 ID:PdnwR6WK
侑「あはは…そうだね。さて、私は今日の準備をしてこようかな」

かすみ「あっ、かすみんも一緒に行きます~」




果林「すぅ…すぅ…」

ガチャ

エマ「果林ちゃん…まだ寝てる…」

愛「本当だ。カリンって結構寝相悪いよね」

エマ「そうなの。いつも、掛け布団がベッドの受けから落ちちゃうんだよ」

愛「それをエマっちが直してあげるんだ」

エマ「一緒に居る時はね」

8: 2023/06/04(日) 21:12:37.37 ID:PdnwR6WK
それから30分後。

果林「ん…んん…朝…ん?」

目が覚めた果林はある違和感に気がつく。パジャマが濡れている。敷布団も濡れている。もっと言えば下着もほんのり濡れている。

果林「う…嘘…」

エマ「あれ?果林ちゃん起きた?」

果林「………」

取り敢えず寝たフリをする果林。

果林(ウソウソ…嘘よ…この私がそんな事…)

9: 2023/06/04(日) 21:17:47.11 ID:PdnwR6WK
もちろん、果林の心配は杞憂である。ランジュがはんぺんを追いかけている時、手に持っていたコップからお茶が、奇跡的に果林のパジャマの上に溢れたのだった。

その後、部屋に来たエマと愛がそれに気がつかず、外れた掛け布団を掛けた事と、ちょうど良い感じでぬるくなったお茶が余計にリアルであり、勘違いに拍車を掛けた。

果林(嘘よ…この私がこの歳でオネショなんて…)

10: 2023/06/04(日) 21:22:18.22 ID:PdnwR6WK
愛「カリン起きた~?」

エマ「ん~まだ起きないよ」

愛「本当寝坊助だなぁ」

歩夢「あれ?まだ、果林さん寝てるの?」

愛「そうなんだよ」

歩夢「もうそろそろ朝食片付けたいんだけど…」

12: 2023/06/04(日) 21:26:58.68 ID:PdnwR6WK
果林(勘違い…これは私の勘違いよ。そうだわ。いくら何でもお漏らしなんて…)

果林は心の中で何度も嘘だと呟き、そっと下半身に手を持っていき確かめる。

果林(………濡れてる。やっぱり濡れてる。これは紛れもなく……漏らしてる。最悪だわ…)

エマ「果林ちゃん。そろそろ起きないとだよ~」

13: 2023/06/04(日) 21:35:25.83 ID:PdnwR6WK
果林(こんなのがバレたら…私は…)

かすみ『え~果林先輩お漏らししちゃったんですか!!!?』

ミア『高校生にもなってお漏らしするなんて信じられないな』

せつ菜『気にする事は…ありませんよ。誰でも…失敗はありますから…』

彼方『取り敢えず洗わなきゃだから…脱ごうか?』

エマ『私、布団干してくるね』

果林『うぅ…面目ない…』

璃奈『よしよし。泣かないで』

はんぺん『にゃ~』

15: 2023/06/04(日) 21:39:17.20 ID:PdnwR6WK
果林(絶対にバレる訳にはいかないわ)

歩夢「果林さ~ん。お~い。起きて下さ~い」

愛「布団ひっぺがしちゃおうか?」

果林(え?)

愛「ほら~カリン~。起きて~………って…ええ?」

歩夢「どうしたの?」

16: 2023/06/04(日) 21:42:48.24 ID:PdnwR6WK
愛「すっごい力で布団引っ張るんだけど」

歩夢「ええ…」

エマ「果林ちゃん起きてるの?」

果林「………」

歩夢「反応ないね…」

愛「寝てるのかな?エマっち…?」

エマ「ん~……すんなり起きる方が珍しいけど。ここまで頑ななのも珍しいかな」

17: 2023/06/04(日) 21:48:41.54 ID:PdnwR6WK
愛「どうする?このまま寝かせとく?」

歩夢「でも練習があるし…」

エマ「う~ん」

かすみ「果林先輩まだ寝てるんですか?」

果林「げっ」

愛「かすかす」

かすみ「かすみんですってば。果林先輩どれだけなんですか。かすみんなんてもう一汗かいてきたんです。ランジュ先輩のせいで」

愛「なんで?」

歩夢「あの~…今、果林さん…なんか反応したよね?」

18: 2023/06/04(日) 21:53:34.11 ID:PdnwR6WK
エマ「うん。私も聞いてた」

歩夢「果林さん…やっぱり起きてる?」

果林(しまったぁ。つい、かすみちゃんに反応しちゃったわ。だって、かすみちゃんなんて一番バレたくないから…)

かすみ「寝たフリしてるって事ですか?」

歩夢「う~ん」

愛「だとして何で?」

かすみ「実はお漏らししちゃったとかだったりして~」

愛「まさか~」

果林(うっ…この子は…変に鋭いと言うか…)

19: 2023/06/04(日) 21:56:21.98 ID:PdnwR6WK
ミア「お漏らし?かすみが?」

かすみ「違うよ!果林先輩だよ!」

ミア「まさか。かすみじゃあるまいし」

果林(うわっ。もう一人知られたく子が来たわ。いや、誰にも知られたくないけど)

かすみ「かすみんだってお漏らしなんてしないよ!!!!」

ミア「…朝から元気だな」

21: 2023/06/04(日) 21:59:35.71 ID:PdnwR6WK
愛「ほら~。早く起きないとあらぬ疑いを掛けられちゃうぞ~」

果林(ど、どうしよう…)

ミア「もう面倒だから無理矢理布団を剥がしちゃえばいいじゃないか」

愛「なったんだけど凄い力で抵抗するんだよ」

かすみ「それ絶対に起きてますよね」

22: 2023/06/04(日) 22:04:43.92 ID:PdnwR6WK
果林(くっ…こうなったら…乾くまで…ひたすら待つ!!!!)

かすみ「よしっ!!!皆んなでやりましょう!数で勝負です!」

ミア「まっ、それしかないんじゃない?」

愛「だね」

果林(なっ!!?この子は…余計な事ばかり…)

エマ「待って」

かすみ「え?」

エマ「ちょっと、二人だけにしてくれる?」

23: 2023/06/04(日) 22:07:42.10 ID:PdnwR6WK
かすみ「え?何でですか?みんなでやれば…」

エマ「ちょっとだけでいいから」

かすみ「でも」

歩夢「かすみちゃん。ここはエマさんに任せようよ」

かすみ「え~なんでですか?」

愛「ほら。ちょっと出よう」グイッ

かすみ「えっ…ちょっ」

ガチャ バタン

24: 2023/06/04(日) 22:08:49.07 ID:PdnwR6WK
エマ「果林ちゃん…起きてるんでしょ?」

果林「………」

エマ「私しか居ないから大丈夫だよ」

果林「………エマぁ」

エマ「やっぱり起きてたんだ。どうしたの?」

果林「誰にも言わない?」

26: 2023/06/04(日) 22:11:19.05 ID:PdnwR6WK
エマ「言わないよ。言わないから」

果林「約束よ?」

エマ「うん。約束。嘘ついたら針千本飲むよ」

果林「……言わないって署名して」

エマ「そこまで!!?どこに署名するの!!?」

果林「………絶対に引かないでね」

エマ「大丈夫だよ。どうしたの?」

果林「…………漏らしたみたい」

28: 2023/06/04(日) 22:39:06.91 ID:PdnwR6WK
エマ「………小だよね?」

果林「当たり前じゃない!質問おかしいわよ!!!」

エマ「あははは」

果林「笑い事じゃないのよぉ」

エマ「大丈夫だよ。誰だってお漏らしくらいするよ」

果林「する?私もう高3なのよ?ただでさえ大人っぽい感じやってるのに…」

34: 2023/06/05(月) 22:29:10.33 ID:EJq1ExPE
エマ「落ち着いて果林ちゃん」

果林「落ち着いていられる状況じゃないのよ」

エマ「ほら?ギャップ!ギャップ萌えだよ!」

果林「こんなのギャップ萌えどころかドン引きされるわよ。絶対」

エマ「そんな事ないって」

果林「あるわよ。絶対にバカにされる」

エマ「でも実際、私は引いてないしバカにもしてないよ」

果林「……本当?」

エマ「うん。少しビックリはしたけど…大丈夫!」

35: 2023/06/05(月) 22:50:54.95 ID:EJq1ExPE
果林「ビックリしてるんじゃない…」

エマ「それは…」

トントン

かすみ「果林先輩起きてますよね~?エマせんぱーーーい?」

果林「げっ…ど、どうしよぉ…エマぁ」

エマ「う~ん…あっ!良い事考えた」

果林「良い事?」

エマ「うん。お茶を溢した事にしよう!今から私が果林ちゃんに向かってお茶を溢すから!」

41: 2023/06/07(水) 22:17:26.27 ID:T4ZbGOoR
果林「なるほど!名案だわ、エマ!お茶濁すとはまさにこの事だわ!」

エマ「あっ!上手い!これは愛ちゃんも嫉妬するクオリティだよ」

果林「ダジャレじゃないけどね」

ガチャ

愛「呼んだ?」

かすみ「なんだ。起きてるじゃないですか」

果林「よ、呼んでないわよ。いきなり開けないでちょうだい。ビックリするじゃない」

愛「てっきり呼ばれたかと思って。ごめんごめん」

42: 2023/06/07(水) 22:23:59.20 ID:T4ZbGOoR
エマ「あっ、待って。かすみちゃん」

かすみ「え?何ですか?」

エマ「お茶…お茶持ってきてくれない?」

かすみ「……自分で持ってくれば良いじゃないですか」

果林「かすみちゃん」

かすみ「はい?」

果林「先輩命令よ。エマにお茶を持ってきてあげて。早く」

かすみ「な、何でかすみんがパシられなきゃいけないんですか。こんなに可愛いのに」

愛「可愛さ関係あるの?」

43: 2023/06/07(水) 22:28:45.96 ID:T4ZbGOoR
エマ「お願いかすみちゃん」

かすみ「わ、分かりましたよ」ぶつぶつ

愛「で~愛さんも出てった方がいいの?」

果林「そうね。その方がいいわね」

愛「了解!」

44: 2023/06/07(水) 22:36:42.07 ID:T4ZbGOoR
果林「………不自然じゃなかったかしら?」

エマ「大丈夫だよ~…たぶん」

果林「たぶんじゃ困るのよ…」

コンコン

エマ「は~い」

かすみ「持ってきましたよ。お茶」ガチャ

エマ「ありがとう、かすみちゃ~ん」

47: 2023/06/08(木) 22:45:09.36 ID:zzvpYm4d
かすみ「はい、どうぞ。そんなに喉乾いてたんですか?」

エマ「そうなんだ。本当に助かったよ~」

バシャ

果林「冷たっ…」

エマ「あっ、ごめん」

かすみ「何やってるんですか…」

エマ「ご、ごめーん。テガスベッテカリンチャンニオチャヲカケチャッター」

果林「も、モウ、ヤニヤッテルノヨ」

エマ「アー、カリンチャンのフクがビチョビチョダー」

果林「ほ、ホントウダワ」

かすみ「………何ですか…この茶番は…」

48: 2023/06/08(木) 22:56:29.40 ID:zzvpYm4d
果林「え?」

かすみ「凄いワザとらしいんですけど」

果林「そ、そんな事ないわよ。ね?」

エマ「そうだよ。全然…普通だよ」

かすみ「……まあ、良いですけど。そのビチョビチョのパジャマ…早く脱いで洗濯した方が良いですよ………はっ!!?まさか!!!実はお漏らししたのを誤魔化す為にワザとお茶を溢したとか!!!」

果林「え…」

エマ「あっ…」

かすみ「な~んて。だったら面白いのにな~くふふっ」

果林「も、もう、あの子を頃して私も氏ぬしかないわ」

エマ「か、果林ちゃん。落ち着いて」

53: 2023/06/10(土) 22:00:39.94 ID:9xDUhJOo
かすみ「そ、そんなに怒らなくても…冗談なんですから…高校生にもなって漏らす人なんて…」

果林「……」

エマ「……」

かすみ「え…この間は何ですか…マジな奴ですか?」

果林「そんな訳…ないじゃない…。高校生にもなってお漏らしするなんて…あり得ないわよ…あはは…」

かすみ「で、ですよね……あっ、し、しず子の所に行かなくちゃ…待たせてるんだった。しず子ーーーーーーーー」

果林「あっ…ちょっと…」

エマ「果林ちゃん。今のうちにやる事やっちゃおうよ」

果林「そ、そうね…」

54: 2023/06/10(土) 22:05:22.14 ID:9xDUhJOo
エマ「果林ちゃん。取り敢えず…パジャマと下着脱いで」

果林「ここで?」

エマ「だって、そのまま出たら他の子にバレるよ?」

果林「それもそうね…」

ヌギヌギ

果林「うぅ…ビチョビチョだわ…ってエマも出ていってよ」

エマ「あっ、そうだね。ごめんね。つい」

果林「ついって何よ…」

エマ「じゃあ、また終わっ…」

ガチャ

栞子「エマさん、果林さん。そろそ…ろ……あっ…えっと…」

果林「ち、違うのよ。あの…」

栞子「大丈夫です」

果林「なにが?」

55: 2023/06/10(土) 22:10:50.51 ID:9xDUhJOo
栞子「理解はありますから。大丈夫です。本当に…失礼しました…」

バタン

エマ「何か盛大に誤解してたね」

果林「もう嫌ぁ。どう転んでも地獄だわ。もういっその事楽にして…エマ…」

エマ「そんな事言わないで。果林ちゃん。取り敢えず…パジャマ洗って布団干しに行こ」

果林「……えぇ」

56: 2023/06/10(土) 22:14:21.50 ID:9xDUhJOo
外はすっかり明るくなっている。雲ひとつない青空。

エマ「これなら…すぐにかわくよ」

果林「布団は乾いても…私は一生この傷を抱えて生きていかなきゃいけないのね」

エマ「そんな大袈裟な…」

はんぺん「にゃーーーーー」

ランジュ「待ちなさーーーい」

57: 2023/06/10(土) 22:14:26.43 ID:9xDUhJOo
おわり

58: 2023/06/10(土) 22:38:57.38 ID:NsX284eH
おつ
可愛かった

59: 2023/06/10(土) 23:30:21.16 ID:vlfe1Yk+
おつ
かりんさん不憫g

引用元: 果林「合宿にて…」