1: ◆epphtmGWxs 2015/04/25(土) 19:35:38.07 ID:l3x9rYpJ.net

3: 2015/04/25(土) 19:38:26.46 ID:l3x9rYpJ.net
 
~04/19 18:34~
 
 
にこ「ええっ?いまから??…い、いいけど///」
 
 
驚いたなんてもんじゃないわよ、まさかあの子の方からから連絡が来るなんて思ってもみなかったわ
 
 
しかも誕生日プレゼントのお礼をその日のうちに言って来るなんてどうしたのかしら、なんか変な物でも食べたの??
 
 
それに今から会って話たい事があるなんて…
私の知ってるあの子からは考えられない行動に狼狽える
 
 
だってそうじゃない、私がからかってあの子が照れる、それを私が笑ってあの子が怒る
 
 
そんな2人のルーチンからは起こり得ない事が起きてるんだもん
 
 

4: 2015/04/25(土) 19:40:12.15 ID:l3x9rYpJ.net
 
 
いや、そのルーチンを先に乱したのは私の方だっけ…
柄にもなく真剣にプレゼントを選んだり、挙句の果てには希や絵里にまで相談したり
あの2人には散々からかわれたけど…
 
 
心のどこかであの子の方からは動かないって安心してた…
だから私からは甘えても大丈夫だって思ってた、だからプレゼントを本気で選んだりした
 
 
それくらいいいじゃない、私はもう卒業して毎日会う事も出来ないんだから
私は夢だったアイドルになってしまったから
 
 
それくらいの思い出は許してよ
 
 
そのズルい甘えが
あの子を見くびって
あの子を苦しめてたのね
 
 
にこ「……ヤバイわ、なんて答えたらいいのよ…」
 
 

6: 2015/04/25(土) 19:43:07.46 ID:l3x9rYpJ.net
 
 
子供じゃないのよ、あの子が私に何を話したいかなんてだいたい分かってるわ…
あの子から私を呼び出すなんて相当の覚悟がある筈よ
 
 
でも私にはまだその気持ちに応えるだけの覚悟が出来てない
 
 
ぬううっ、朝はカッコよくプレゼント渡せてルンルンだったからこんな事になるなんて思わないわよっ!
 
 
己の軽率な行動に後悔しながら歩いていたらいつの間にか待ち合わせ場所に着いてしまった、そこは昌平橋のたもとの休憩スペース
 
 
あああ、まだ気持ちの整理が出来てないのに
幸いまだあの子は来てないみたい
 
 
設置されている石造りの椅子に腰掛ける
人通りはまだあるけど帰宅時間帯にこんな休憩スペースに立ち寄る人はいないわね、私を除いて
 
 

7: 2015/04/25(土) 19:47:09.75 ID:l3x9rYpJ.net
 
 
ここはたまに私が真姫と2人で会っていた場所だ
私の家と真姫の家の丁度中間くらいにあって
お金をケチってファミレスや喫茶店に行きたがらない私が真姫を無理矢理付き合わせて2人でダベったものだ
 
 
いや、喋ってたのはほとんど私なんだけど
あの子自己アピールとか全然しないからアイドルとしての心構えを教育してやるつもりだったのよね
 
 
初めの頃は先輩命令みたいな感じで無理矢理呼び出してたわね
誘ったら凄く嫌がる癖に話始めたら大人しく人の話聞いててよく分かんない子だったわ
 
 
そうしてるうちに何となく分かってきたわね、あの子の性格とか考えてる事
ツンデレって言っちゃうと分かりやすいんだけどちょっと違う
 
 
たぶん純粋なのね、子供っぽくて不器用
勉強や歌や踊りは器用にこなすけど自分の事になるとからっきし
だからほっとけ無かったのかもね
 
 
なんだかうちのチビ達が1人増えた感じで接してたかな
からかうと面白いし♪


けど結構頼りになるのよね、作曲もそうだし思った事は先輩にもはっきり言うし
さすがμ'sのメンバーなだけはあるわね
 
 

8: 2015/04/25(土) 19:50:41.39 ID:l3x9rYpJ.net
 
 
あるとき穂乃果がμ'sを辞めて、絵里がμ'sの活動を休止しさせて
何も出来なくなった
 
 
それでも諦めたく無かったから、もう立ち止まりたく無かったから
だからμ'sでは無いけど皆んなに声を掛けて別のユニットとしてでもスクールアイドルを続けるつもりだった
 
 
結構懐かれてる自負はあったんだけどねぇ
見事に振られちゃったわ
 
 
ーーーーーー
 
 
にこ「へっ?」
 
 
真姫「だから、ユニット活動は出来ないって言ったのよ」
 
 
にこ「な、なんでよっ!」
 
 
真姫「別に…、穂乃果が居ないんじゃ続けても意味が無いからよ」
 
 
にこ「な、何よそれ、にこ達だけじゃ駄目だって言うの?にこ達は穂乃果のおまけなの??」
 
 
真姫「そんな事言ってないっ!」
 
 
にこ「言ってるわよ!もういい、あんたがそんなヤツとは思わなかったわっ」
 
 
真姫「あっ…」
 
 
ーーーーーー
 
 

9: 2015/04/25(土) 19:52:52.80 ID:l3x9rYpJ.net
 
 
あー、今思い出しても恥ずかしい…
真姫のあれはそのまんまの意味だったのよね
μ'sは9人じゃなきゃ意味がないから穂乃果が居ないなら意味がのは当たり前よね
 
 
それに後で聞いたらあんまり大人数でユニット活動しちゃうとμ'sが分裂しちゃうんじゃないかって心配してたとか
あー、高校3年で後が無かったとは言え余裕も無かったわね~恥ずかしっ///
 
 
まぁ、そんなこんなで色々あったわね
頼りなかった後輩は信頼できる仲間になって
いつの間にか居心地のいい存在になってたわ
 
 
いつからだっけあの子を意識しだしたの
 
 

10: 2015/04/25(土) 19:55:42.96 ID:l3x9rYpJ.net
 
 
確かアイドルショップで買い物してた時かな
アイドルにはそれほど興味が無いはずのあの子がショップに居て驚いたわ
下手くそな変装してたけどバレバレね
 
 
声を掛けようかと思ったけどこれはもしかして面白いものが見れるんじゃないかってスーパーアイドルしての勘が私に告げたの
 
 
さて、何を買うのかしらね~もしかして自分のグッズを大量買いして品薄状態にするとか~??
なんてのん気に的外れな事を考えてた
そしたらあの子ったら…
 
 
ーーーーーー
 
 
にこ(ん?一個づつ取ってるわね、メンバーのグッズでも揃える気かしら)
 
 
かく言う私もμ'sメンバーのグッズは網羅していたりする
自分のグループなんだし当たり前よね~
 
 
にこ(でもさっきからピンク色のグッズしか取って無いじゃない、それって私のパーソナルカラーなんですけど…)
 
 
ど、どう言う事よ何であの子が私のグッズだけ買ってるのよ
意味が分からない…、えっもしかして逆ドッキリ?
そんなわけないわね…
 
 
にこ(そうよ、いきなり全員分のグッズを買うのはお金が大変だから1人づつ買ってるに違いないわね、うん)
 
 
と、都合の良い理由を思いついた所でそれは一瞬で打ち砕かれた
 
 
にこ(えっ、それって抱き枕じゃない?そ、そんなのまで買うの?!///)
 
 
さすがの私もメンバーの抱き枕までは持ってない
置くとこないし高いしそもそもメンバーの抱き枕なんて持ってたら怖いでしょ!
 
 
しかしあの子はそれを持って軽やかな足取りでレジへ向かう
私はいたたまれなくなって先に店を出た


それまで私はてっきりあの子に嫌われてるんじゃないかって思ってたのに
 
 
ーーーーーー
 
 

11: 2015/04/25(土) 19:59:42.09 ID:l3x9rYpJ.net
 
 
それから私はあの子を意識する様になった…


ツンケンしてるけどに話しかけると嬉しそうにするし、声をかけないでいると勝手に拗ねたり
ちょろい癖にうちのチビ達より手がかかるのよね
 
 
そして穏やかだけど楽しかった日々は終わりを迎えた
私は再び同じ志しを持った仲間とアイドル活動を再開する事が出来た、廃校も阻止した、ラブライブ出場どころか優勝まで果たした
 
 
卒業するにあたって思い残す事は無い、無かったはずだ
あの子の悲しそうな顔を見るまでは
 
 
ーーーーーー
 
 
にこ「なにショボくれた顔してんのよっ」
 
 
真姫「…」
 
 
にこ「まったく今日まで散々泣いたでしょ、あんたもアイドルの端くれなら笑顔で先輩の門出を祝いなさい☆」
 
 
真姫「…」
 
 
にこ(ダメか、まぁ無理もないか…)
 
 
にこ(どうしよう、なんか上手い事慰めてあげたいんだけど…)
 
 
にこ「別に今生の別れでもないんだからそんなに落ち込まないの、卒業したってμ'sで無くなったって私達は仲間でしょ」
 
 
にこ「すぐには忙しくて無理だけど落ち着いたらまた今まで見たいにみんなで遊んだりしましょ」
 
 
真姫「…」ギュ
 
 
にこ「?!?!、ま、真姫?どうしたのよっ!?///」
 
 
突然正面から抱き締められ、動揺する
けどそれ以上は何もなく、私は静かに泣く彼女の背中をさすってあげる事しか出来なかった
 
 
ーーーーーー

12: 2015/04/25(土) 20:04:32.68 ID:l3x9rYpJ.net
 
 
あれから何となく気まずくて結局誕生日の朝まであの子に会う事は無かった
 
 
だからってわけでもないんだけどね、誕生日プレゼントでもあげてあの子の笑った顔が見たかったのよ
 
 
最後に見たのは泣き腫らしたあの子の顔
私はただそれを上書きしたかった
 
 
ーーーーーー
 
 
にこ「プレゼントかぁ、何あげようかしら、何あげたら笑ってくれるのよ」
 
 
希「いっそウケを狙ってみるとか?」
 
 
にこ「その後怒るんじゃない?それじゃ意味ないわ」
 
 
絵里「そうねぇ、お菓子とかどうかしら?甘いものは嫌いじゃなかったでしょ?」
 
 
にこ「うーん、けど誕生日ならケーキとか食べるでしょ?それに出来れば形に残る物が良いわね」
 
 
希「形に残るもんと言えばアクセサリーやね」
 
 
絵里「希、ハラショーよっ!にこ、真姫に指輪をあげたらどうかしらっ!」
 
 
にこ「ブフッ!!?」ブ-!
 
 
何を言ってんのよこのポンコツはっ!、口に含んでいたミルクティーが希を襲う
 
 
しかし危険を予知していたのか既にメニューでガードしている、さてはこいつ確信犯ね…
 
 

13: 2015/04/25(土) 20:07:16.73 ID:l3x9rYpJ.net
 
 
にこ「あんた達!私の奢りなんだから真面目に考えなさいよっ!」
 
 
希「でも真姫ちゃん絶対喜ぶと思うんよ」メニュ-フキフキ
 
 
絵里「そうね、にこから指輪なんて貰ったら真姫は嬉しくて泣いちゃいそうよね」
 
 
にこ「だから泣かせちゃ意味ないつってんでしょ~~っ」
 
 
希「せやなぁ、じゃあ指輪じゃなくて別のアクセサリーにしたらいいやん」
 
 
絵里「そうねぇ…あ、誕生石なんてどうかしら」
 
 
にこ「誕生石か、それいいかもっ」
 
 
希「真姫ちゃんの誕生日は4月19日やから…これやね」
 
 
希のタブレットに見慣れない綺麗な石とその名前が表示されてる
 
 
にこ「かぜのぶここう?」
 
 
絵里「ふうしんしこう?」
 
 
希「ぶっ、ふふっ、それはヒヤシンスって読むんよ…くくっ///」
 
 
にこ「あー、ヒヤシンスね///」
 
 
希「かぜのぶこって…、ぶふふっ///」プルプル
 
 
にこ「はいはいヒヤシンスでしょヒヤシンスっ!それに洋名でバイオレットジルコンって書いてるしそれでもいいでしょっ///」
 
 
絵里「ハラショ~、薄紫の綺麗な石ね」
 
 
にこ「綺麗ね…真姫に似合いそう…」
 
 
あ、思わず口に出ちゃった…
 
 

14: 2015/04/25(土) 20:10:35.54 ID:l3x9rYpJ.net
 
 
希「…」ニヤニヤ
 
 
絵里「…」ニコニコ
 
 
にこ「な、何見てんのよ!///」
 
 
希「決まったみたいやね~」
 
 
絵里「そうねぇ」
 
 
にこ「ま、まだどんなアクセサリーにするかわ決まってないわよ、指輪は却下ねっ」
 
 
絵里「ピアスは校則で禁止されてるし」
 
 
希「やっぱりネックレスとか?」
 
 
にこ「そうね…、とりあえず値段と相談するわ」
 
 
希「給料3ヶ月分やね~」ニヤニヤ
 
 
にこ「なんでよっ!///婚約指輪かっ!///」
 
 
絵里「ハラショー!、流石にこね!」
 
 
にこ「そんなお金あるかっ!///」
 
 
 
ーーーーーー
 
 
結局ネックレスにしたんだけど思ったより高いのね…まさか4万もするなんて…バイオレットジルコンって宝石ではないけど結構希少なのね
 
 
でもこの装飾のデザインと石の色合いが一番あの子に似合うと確信したからかなり奮発した、そして伝伝伝のBD版は諦めた
投資した分は私の誕生日の時に元を取らなきゃねっ
 
 

17: 2015/04/25(土) 21:05:56.17 ID:l3x9rYpJ.net
 
 
……さてそろそろ返事を考えないとね、あの子が泣くのは見たくないわ
その為に4万も奮発してのぞえりにからかわれたんだし
 
 
 
でも、結局私はあの子の気持ちに応える事は出来ない
 
 
 
だって私はアイドルになってしまった、まだ駆け出しで殆ど仕事もないけどそれでも私はプロのアイドルだ
 
 
アイドルは恋愛禁止、もちろん全てのアイドルがコレを守っているとは思わない
けどファンにそう思わせるのも私達の仕事だしプライドでもある
 
 
夢を夢で終わらせない為に中途半端な事はしたく無い
それが私の考えであり矜持だ
 
 
 
そしてまたあの子の綺麗な顔を涙で歪ませるのね
 
 
 
4万で思い出を買ったと思えば安いものかな…
自業自得ね、あの子を見くびってあの子に甘えた私の弱さが原因
それがあの子に変な期待をさせてしまった
 
 
結局私の中のあの子の最後に見た顔は
私が原因で泣き腫らしたものから更新される事はないのね
これも自業自得
 
 

18: 2015/04/25(土) 21:07:29.19 ID:l3x9rYpJ.net
 
ーーーーーー
 
 
真姫「……ハァハァ、遅くなってごめん…」
 
 
急いで来たのだろう息を切らせたあの子が現れた
確かに気が付けば待ち合わせ時間から30分ほど過ぎていた
 
 
にこ「スーパーアイドルにこにーを呼び出した挙句遅刻するなんていい度胸してるじゃな~い?」
 
 
少し意地悪をする、もうこんな気軽なやりとりもあと数分で出来なくなるのだから…
最後の思い出よ
 
 
真姫「…ハァハァ、謝ったでしょ…、それにまだ駆け出しで仕事もない癖に…」
 
 
ふふっ、流石ねこれからの事で緊張してる筈なのに憎まれ口は冴えてるじゃない
つい嬉しくなっていつもの調子でからかってしまう
 
 

19: 2015/04/25(土) 21:09:37.94 ID:l3x9rYpJ.net
 
 
にこ「真姫ちゃんこそ息が上がってるけどちゃんと身体作りしてるの~??」
 
 
真姫「…してるわよっ、ちょっと考えごとしてて遅れちゃったから走って来ただけだよ…」
 
 
可愛いとこあるじゃない、私を呼び出したまでは良いけど心の準備が必要だったてワケね
まぁ、お陰で私も準備が出来たけど
 
 
あんまり続けてると別れが辛くなるわね…、そろそろ本題に入りましょ
 
 
にこ「…それで、にこに話したい事ってなんなのよ」
 
 
真姫「…その前にお礼を言わせて…」
 
 
それまで膝に手をついて下を向いていたから気付かなかった
学年を示すリボンを付けてない
代わりに少し開いたシャツからのぞく首元にあの風信子鉱のネックレスが涼しげに光っていた
 
 
やっぱりあのネックレスは真姫に良く似合う
元が美人だからそれを引き立てるような上品な装飾が彼女には似合う
 
 
にこ「もう付けてくれたんだ…」
 
 
なんだかよく分からないけど凄く嬉しい付けくれてるし似合ってるし
 
 

20: 2015/04/25(土) 21:13:28.04 ID:l3x9rYpJ.net
 
 
真姫「…ええ、とっても気に入ったわ、ありがとう」
 
 
そう言って彼女は今まで見た事ないくらい素直に微笑んだ
 
 
…やっぱり笑った顔の方が可愛いじゃない
 
 
良かった一応笑ってくれたわ
これからまた泣かせちゃうけど
 
 
 
私はこの笑顔を一生忘れない
 
 
 
だって、にこの初恋の人だったんだもん
 
 
 
真姫「それでね、話したい事なんだけど…」
 
 
うん、だいたいわかってる
 
 
真姫「…私、こんな性格だからちゃんと伝わるか分からなくて…」
 
 
大丈夫、十分伝わってるわ
 
 
真姫「だから受け取って欲しいの…私の気持ち……」
 
 
 
ゴメンね、それは受け取れない……
 
 
 
 

21: 2015/04/25(土) 21:19:50.01 ID:l3x9rYpJ.net
 
 
チュ
 
 
にこ「…?」
 
 
チュ?
 
 
真姫「…」チュー
 
 
ああ、キスした音ね大丈夫分かって…
 
 
にこ「…?」
 
 
真姫「…」チュー
 
 
彼女の長いまつ毛がはっきりと見えるくらい近くにある
 
 
にこ「………!?」
 
 
どんっ
 
 
にこ「な、ななななななな何してんのよっ!!//////」
 
 
真姫「もう、いきなり突き飛ばすなんて酷いじゃない…」
 
 

22: 2015/04/25(土) 21:22:25.67 ID:l3x9rYpJ.net
 
 
にこ「いやっ酷いのはそっちよっ!何いきなりキスとかしてんのよっ!!!///」
 
 
真姫「言葉じゃ伝わらないと思ったから、身体で表現してみたのよ…」
 
 
にこ「なにその創作ダンスみたいな理由!?そんなんでファーストキスされた方の身にもなりなさいよっ!!///」
 
 
真姫「えっ!?にこちゃんも初めてなの?!」パアァァ
 
 
にこ「喜んでんじゃないわよっ!///あんた自分が何したか分かってんの!?///」
 
 
真姫「にこちゃんに私の気持ちをぶつけてみたの」
 
 
にこ「物理的過ぎでしょ!?気持ちじゃなくて唇ぶつかってるわよっ!!///」
 
 

23: 2015/04/25(土) 21:25:00.00 ID:l3x9rYpJ.net
 
 
もうなんなのよ!、こんなの想定外だわ!!
真姫の告白を拒めばそれで終わりだったのに
 
 
いきなりこっちの懐に入ってきて急所を刺すなんて卑怯よ……
 
 
真姫「にこちゃん…泣いてるの?」
 
 
にこ「泣いてないっ!」
 
 
真姫「ご、ごめんそんなに嫌だったなんて…」ジワッ
 
 
なんであんたまで泣くのよ…、あんたの泣き顏苦手なのよ!
 
 
にこ「このバカ!、嬉しくて泣いてんのよっ!」
 
 
気持ちが抑えられない、もうワケがわからなくなって今度は私から真姫の唇を奪う
 
 
真姫「!」
 
 
ただ唇を押し付け合うように口付けする
それだけなのに涙が出るくらい嬉しい
 
 
なによこれ、こんなのもう我慢出来るわけないじゃない
あんなにカッコつけてたのにどうしようもない
 
 

24: 2015/04/25(土) 21:27:29.22 ID:l3x9rYpJ.net
 
 
にこ「……///」
 
 
真姫「に、にこ、ちゃん…///?」
 
 
さっきは自分からいきなりキスしてきたくせになに今さら照れてるのよ…
 
 
にこ「責任取りなさいよ…」
 
 
真姫「えっ??」
 
 
にこ「にこはアイドルなのよっ、それなのにあんたはそんなのお構いなし!、こうなったら絶対にバレないように付き合ってもらうわよっ!!」
 
 
真姫「ゔぇえええ?!///」
 
 
真姫「い、いいの??」
 
 
にこ「何よ、嫌なの?///」
 
 
真姫「嫌じゃないわ!嬉しい…///」
 
 
ふん、何よホントに嬉しそうな顔しちゃって
、可愛いじゃない…
 
 
真姫「にこちゃん…///」
 
 
にこ「へっ?んむっ?!」
 
 

25: 2015/04/25(土) 21:29:46.51 ID:l3x9rYpJ.net
 
 
再び彼女に唇を奪われる、ビックリして抵抗しようとするけどしっかりと抱き締められているせいでろくに身動きも取れない
 
 
こんなとこ誰かに見られたらどうすんのよっ!って思ったけど
この子ったら泣きながらキスしてるんだもん…
もうっ、今日だけなんだからね…
 
 
まだ肌寒い4月の黄昏時なのに
彼女に抱きしめられてキスされた私の身体はカイロの様に熱くなってる
 
 
長い口付けを終えて彼女が口にした感想もそれだった
 
 
真姫「にこちゃん凄くあったかい…」
 
 
にこ「あんたの所為よ…///」
 
 
真姫「私に緊張してくれたのね、嬉しい…///」
 
 
にこ「ち、違うわよっ、こんな公衆の面前でキスなんてされたら誰でも恥ずかしくなるわよ、てかいつまで抱いてるのよっ!///」
 
 
真姫「あっ///」
 
 
今頃気付いてようやく強力なハグホールドから解放される、でも手はしっかり握られたまま、別に捕まえとかなくても逃げやしないわよっ
この子のめり込むと結構周りが見えなくなるのね、覚えとかなきゃ///
 
 

26: 2015/04/25(土) 21:32:45.00 ID:l3x9rYpJ.net
 
 
にこ「こ、これからどうすんのよ…?///」
 
 
真姫「えっ?」
 
 
にこ「こ、告白して終わりってわけじゃないんでしょ…?///」
 
 
真姫「!!?、ゔぇええ?!そ、そんなのまだ早いわよ、そ、それにっ、心の準備が…//////」
 
 
ん?急にトマトみたいに顔を真っ赤にしてどうしたのよ??
 
 
真姫「い、いや決して嫌とかじゃないのよっ!///むしろしたい、したいわっ!けどまだ私そう言う知識が無いからにこちゃんに満足してもらえるか不安で…//////」
 
 
にこ「!!?、ちょ、いったい何を勘違いしてんのよこのスケベっ!//////」
 
 
真姫「えっ?ち、違うの??」
 
 
にこ「当たり前でしょ!///、にこが付き合ったその日に身体を許す様な軽い女に見えるっての!?」
 
 
真姫「み、見えないけど、そう…」ショボ-ン
 
 
にこ「なにあからさまにガッカリしてんのよっ///真姫ちゃんってばこんなエOチな子だったなんて…///」
 
 

27: 2015/04/25(土) 21:37:18.74 ID:l3x9rYpJ.net
 
 
でも何でか全然悪い気がしない…ちょっとビックリしたけど
むしろ嬉しいかも…、正直スタイルに関しては2つ年下の彼女にすら敵わない…
 
 
そんな子供みたいな私の身体にもそう言う感情を持ってくれるのね…///
 
 
いやっ、だからってそう簡単に身体は許さないわよ、これでも一応プロのアイドルなんだからっ!
 
 
真姫「に、にこちゃんが勘違いする様な言い方するからでしょ!///」
 
 
にこ「普通付き合ってすぐにそんな事しないでしょっ、真姫ちゃんってばにこの事ずっとそんな目で見てたのね~~、いやーん☆」
 
 
不意打ちでキスされたお返しよっ♪
さてどう切り返してくるかしらね~♪
 
 
真姫「…」
 
 
にこ「な、なんで黙り込むのよ…」
 
 
真姫「にこちゃんが可愛いのが悪い…」
 
 
にこ「はっ?」
 
 
真姫「私はもうずっと前からにこちゃんをそう言う目で見てたわっ!可愛くてカッコよくて愛おしいんだもんっ!仕方ないでしょ!!///」
 
 
にこ「なっ//////」
 
 
いきなりどストレートに気持ちをぶつけられて頭が真っ白になる
 
 

28: 2015/04/25(土) 21:42:15.42 ID:l3x9rYpJ.net
 
 
そういえば言葉で気持ちを伝えられたのは今のが初めてだったわね
なにこの威力…嬉しいやら恥ずかしいのやらでとにかくあの子の顔がまともに見れない…
 
 
にこ「……//////」
 
 
真姫「……//////」
 
 
言った本人も自分の言葉で照れてるし…
ど、どうしよっなんか気不味い、なんか言った方が良いわよね…
わ、私もす、好きよとかっ…
 
 
にこ「わ、わたしもっ…」
 
 
にこ携帯:愛してるばんざーい!♪
 
 
にこ「ブフッ!!」
 
 
真姫「」ビクッ
 
 
な、なんてタイミングでかかって来んのよっ!///
…いや、ある意味助かったのか…
 
 
にこ「ちょっとごめん///、あ、こころだわ…」
 
 
しまった…今日ママ遅くなるんだったわ;
 
 

30: 2015/04/25(土) 21:52:33.52 ID:l3x9rYpJ.net
 
 
にこ「も、もしもし?」


こころ『お姉さまぁ~こころはお腹がペコペコです…』


ここあ『姉ちゃんお腹すいたーっ!』


虎太朗『はらへったー』


うう、ほらやっぱり飢えたチビ達が思い思いに叫んでいる


にこ「ご、ごめんごめんすぐ帰るからっ!」


にこ「真姫、ごめんチビ達に晩御飯作んなきゃいけないの忘れてわっ、すぐ帰らないと;」


真姫「ふふふっ、ええ、聞いてたわ」クスクス


にこ「そう言うわけだからっ!ってああっ食材から買って帰らないとだった!;」


真姫「にこちゃん、お急ぎのところちょっといいかしら?」


にこ「な、何よっ急いでるんだけどっ」


真姫「さっきこれからどうするって言ってたわよね?」

31: 2015/04/25(土) 21:55:30.08 ID:l3x9rYpJ.net
 
 
にこ「言ったけど、でもご飯作らないとだし…ごめん…」
 
 
真姫「じゃあ私から提案があるの、今から買い物して帰ってお料理してたらこころちゃん達我慢できないと思うの」
 
 
にこ「う、そうね…、忙しくて寂しい思いはさせるけどひもじい思いはさせないってのが私の中の決まりごとだったんだけどね…;」
 
 
真姫「だから出来合いの物を買って帰りましょ、そしたら帰ったらすぐ食べられるし」
 
 
にこ「一瞬それも考えたんだけどね、今月もうかなりキツイのよ…」
 
 
真姫「それくらい私が出すわ」
 
 
にこ「なによそれ、そんなわけには行かないわよっ」
 
 
真姫「じゃあ私も一緒に晩ご飯を食べれば良いでしょ?、そうすればまだ一緒に居られるし…///」
 
 
にこ「あっ…///」
 
 
なるほど、この子にしては気がきくじゃない///
 
 

32: 2015/04/25(土) 21:58:23.21 ID:l3x9rYpJ.net
 
 
にこ「で、でもにこホントにお金無いんだけど…」
 
 
真姫「気にしないで、とは言わない、にこちゃんはそう言うのきっちりしてるから」
 
 
真姫「でもこのネックレス高かったんでしょ?、それならここからのデートは私が出してもおかしくはないわよね///」
 
 
ちょっと照れながらかっこいい事言ってる
まぁちょっとかっこいいけど///
 
 
真姫「だからにこちゃんとデートすると思えば安いものよっ」
 
 
あ、なんとか言い切ったみたいね
まぁ、この子にここまで言わせて拒むのも酷ね
正直緊急事態だし甘えましょ
 
 
にこ「じゃあお言葉甘えるわっ」
 
 
真姫「任せてよねっ///」
 
 
ふふっ、嬉しそうね~
 
 
にこ「ってゆっくりしてられない、真姫、悪いけど急ぐわよっ!」
 
 
真姫「ええっ、急ぎましょ!」
 
 
 
………

33: 2015/04/25(土) 22:01:03.67 ID:l3x9rYpJ.net
 
 
~それから1週間後~
 
 
にこ「ただいま~」
 
 
ここあ「お姉ちゃんおかえりっ!」
 
 
虎太朗「おかえりー」
 
 
にこ「ただいま、ここあ、虎太朗♪」
 
 
にこ「こころは?」
 
 
ここあ「まき姉ちゃんと一緒に晩ごはん作ってるよ」
 
 
虎太朗「かれー」
 
 
にこ「えっ?カレー??大丈夫かしら…、うちはママ意外みんな甘口なんだけど、てかカレーの匂いなんてしてないんだけど…」
 
 
あの日の夕食いらい真姫が毎日の様に家に来るようになった
 
 
なんだかんだで大学とアイドル活動の両立は結構大変で夕飯を作るのが困難になってる事を知った真姫は次の日から夕飯を作りに来るようになってしまった
 
 
ママも丁度忙しい時期で実はかなり助かっている
それにまだ小さい子達だから誰かが見ていてくれるのは本当にありがたい
 
 
ちなみに以前から真姫とは顔見知りだったチビ達はあの日に買って帰ったデザートのケーキで1発で懐いてしまった
我が妹弟ながらなんだかね…、こころなんて凄い懐いてるし…、別に悔しくないわよっ
 
 

34: 2015/04/25(土) 22:07:27.46 ID:l3x9rYpJ.net
 
~台所~
 
 
こころ「真姫お姉さまできましたっ!」
 
 
真姫「流石こころちゃんね、仕事が早いわ♪」
 
 
真姫「じゃあ下準備はこれくらいにしてそろそろ始めましょ♪」
 
 
にこ「なーにやってんのよあんた達っ」
 
 
真姫「ゔぇえ?!、にこちゃんもう帰って来たの?;」
 
 
こころ「あ!お姉さまおかえりなさいっ」
 
 
にこ「ただいまこころ♪、何よ、帰って来ちゃ悪いっての?ここにこの家なんだけどっ」
 
 
真姫「そうじゃないけど、もう少し遅くなるって言ってたから…」
 
 
にこ「思ったより早く撮影が終わったのよっ、まっスーパーアイドルならこれくらい当然よね~♪」
 
 
こころ「流石お姉さまですっ!」
 
 
真姫「もうせっかく晩ご飯用意して驚かせ様と思ってたのにっ、ね、こころちゃん」
 
 
こころ「はい、ちょっと残念ですね~」
 
 
にこ「カレーって聞いたけど大丈夫なの?なんかルーから作ってるみたいだけど、うちはママ以外みんな甘口なのよ」
 
 
真姫「もちろん心得てるわ、だからお母様の分は別の鍋で作るつもりなの」
 
 
真姫「こころちゃん達の分はヨーグルトとハチミツをたっぷり入れて食べ易くするつもりよ」
 
 
こころ「ホントですか!やったぁ♪」
 
 
にこ「へぇー手が込んだ事するのねぇ、にこはママにソースでもかけてって言ってるけど」
 
 

35: 2015/04/25(土) 22:15:31.05 ID:l3x9rYpJ.net
 
 
真姫「ソース?!」
 
 
にこ「ウスターソースよ、甘口に少しかけて食べると結構美味しいのよ?」
 
 
真姫「そんな食べ方があったのね…、試してみるわ♪」
 
 
にこ「この野菜炒めちゃうわよ?、スパイスは使った事ないからルーの方は任せたわ」
 
 
真姫「任せてよっ」
 
 
こころ「…♪、私はお皿を用意しますね~」
 
 
にこ「うん、お願いね~」
 
 

 
 
ここあ「…あたし達はテーブルを片ずけてようっ!」
 
 
虎太朗「わかったー」
 
 
……
 
 

36: 2015/04/25(土) 22:18:41.14 ID:l3x9rYpJ.net
 
 
「「いただきまーす」」
 
 
にこ「…辛くないよね?」
 
 
真姫「安心して、ちゃんと虎太朗君でも食べられる様にしてあるから」
 
 
虎太朗「まいうー」モグモグ
 
 
こころ「いつもと違ってちょっと大人な味ですっ!」パクパク
 
 
ここあ「おおっ!これが大人の味!」バクバク
 
 
にこ「大丈夫そうね、いただきまーす」パクッ
 
 
真姫「トラウマになるくらい辛いのが苦手ならお母様の分の味見なんてしなかったら良かったのに…」パクッ
 
 
にこ「だって~普段自分じゃ作らないから味付けとか気になるじゃない」
 
 
真姫「辛いわよって言ったのに、結構無茶するわね」
 
 
にこ(真姫が作ったものだもん、気にならないわけが無いじゃない///)
 
 
にこ「でも真姫ちゃんって意外と料理出来たのね…、専属料理人さんがいるくらいだから全然出来ないと思ってたけど」
 
 

37: 2015/04/25(土) 22:23:14.07 ID:l3x9rYpJ.net
 
 
真姫「また言ってる…、私だって料理くらい出来るわよ、女の子なんだしっ」
 
 
真姫(まぁ料理人さんに頼み込んで教えてもらったんだけどね…)
 
 
真姫(料理が出来ればにこちゃんの代わりに晩ご飯を作る為に矢澤家に来る理由が出来るし、こころちゃん達とも仲良くなれるしお母様に料理が出来る所もアピール出来るし一石三鳥とはこの事ねっ!)ウフフッ
 
 
にこ「?!、もう春だってのにまだ寒気がするわね…?」ゾクゾクッ
 
 
真姫「…じゃあ温めてあげるわ…///」ボソッ
 
 
にこ「…!、いきなり手を握るんじゃないわよっ、こころ達もいるのよっ…///」ボソボソッ
 
 
虎太朗「なかよしー」
 
 
にこ「…!?///」ビクッ
 
真姫「…!?///」ビクッ
 
 
ぱっ

 
こころ「どうしたの虎太朗?」
 
 
虎太朗「ふつー」
 
 
にこ「…あ、後でね…///」ボソッ
 
 
真姫「!、…うん…///」
 
 

38: 2015/04/25(土) 22:25:43.71 ID:l3x9rYpJ.net
 
 
~食後~
 
 
にこ「洗い物も2人でやると早いわね~」カチャ
 
 
真姫「そうね、お母様は今日も遅いの?」フキフキ
 
 
にこ「遅くなるみたいね~、何時になる事やら」
 
 
真姫「そう、カレーの感想を聞きたかったけどまた今度になりそうね」
 
 
にこ「喜ぶと思うわよ~、辛いの食べたいって言ってたし」
 
 
真姫「それは楽しみね」
 
 
アハハハッ、キャッキャ
 
 
真姫「…」
 
 
にこ「…」
 
 

39: 2015/04/25(土) 22:30:16.31 ID:l3x9rYpJ.net
 
 
テレビの音と子供達の笑い声が少し遠くに聞こえる
言葉なんていらない、お互いの視線が絡んだ時からもう胸の鼓動は加速してる
 
 
ゆっくりだけどぴったりと身体を重ね合う
気持ちはお預けを食らった犬みたいな状態なのに2人とも澄ました顔で熱っぽく見つめ合う
 
 
やがて我慢出来なくなったのか真姫の方から私の唇を求めてくる、今日のキスはスパイシー
2人ともそうだから気にする事もないわね


それが何だか妙におかしくて楽しくなって、いつもより余計に彼女に甘える
 
 
彼女も楽しくなって来たのか隣の部屋に子供達がいるのも忘れて舌を絡め合う
 
 
幸せな時間、この幸せがずっと続けば良いのに、最近本気でそう思う様になった
 
 
私達は同性で立場や境遇も違うけど
私は真姫を幸せにしたい真姫と一緒に幸せになりたい
 
 

40: 2015/04/25(土) 22:35:19.18 ID:l3x9rYpJ.net
 
 
だからアイドルとして大成するのとは別に新しい夢が出来た
 
 
彼女の両親を説得するのは骨が折れそうね
最悪許しては貰えないかもしれない
まぁまだ真姫の気持ちも確かめてないんだけどね
 
 
でも諦めないわ、夢なき夢は夢じゃない
良い言葉ね
そして私は夢を夢で終わらせない
 
 
にこ「真姫…」
 
 
真姫「なぁに?にこちゃん…///」
 
 
にこ「……ううん何でもない、大好きよ♪」
 
 
 
次は給料3ヶ月分の指輪ね
 
それまではまだ、言わないでおくわ♪
 

41: 2015/04/25(土) 22:36:55.71 ID:l3x9rYpJ.net
 
 
終わりです、見てくれた方ありがとうございました

 

43: 2015/04/25(土) 22:47:22.92 ID:yuxDeWXC.net

たいへんおいしゅうございました。

引用元: にこ「かぜのぶこ?」 【SS】