1: 2012/04/08(日) 22:44:46 ID:m1ckf5lM
ゲンドウ『…?』

ミサト「まさか司令が亡くなるなんて…。シンジ君に何て伝えたら…」

日向「あの碇司令が…信じられない」

マヤ「うぅっ…初号機ケージで転落氏だなんて…気の毒すぎます…」

リツコ「初号機、か。あの人らしい最期ね…」

青葉「誰が次の司令やるんですか?やっぱ副司令ですかね」

冬月「いや…私もこの歳だ。誰か別の者を就任させるつもりだ」


ゲンドウ『…!?!?』
シン・エヴァンゲリオン劇場版
2: 2012/04/08(日) 22:46:15 ID:m1ckf5lM
ゲンドウ『誰も私のことが見えないようだ』

ゲンドウ『…とりあえず発令所に行ってみるか』


ワイワイ
日向「次の司令か…。あんまり怖くない人がいいなぁ」

青葉「碇司令近寄りがたかったもんな。息子のシンジ君にもあの通り冷たかったのには流石に引いたよ」

日向「一応父親が氏んだんだから、シンジ君もショックだろうね」

青葉「でもさぁ、シンジ君もいっそのこと気が楽になったんじゃないか?部下の俺達もな」

日向「おいおい(笑)」

マヤ「2人共!そういう話はやめてください…!」

青葉「真面目だな~マヤちゃんは」



ゲンドウ『……別の所へ行くか』

3: 2012/04/08(日) 22:48:22 ID:m1ckf5lM
休憩所


ゲンドウ『…!』

アスカ「ここに居たの!?全く、この私にネルフ中探させておいて…」

シンジ「……」

ゲンドウ『…シンジ』

アスカ「…バカシンジ。家に帰るわよ。ミサトは処理があるから先に帰っててだって」

シンジ「……」

アスカ「…いつまでそうやってるのよ!男ならパーッと泣いて、さっさと立ち上がりなさいよ!」

シンジ「誰が泣くかよ、あんな父親」

アスカ「…シンジ、」

シンジ「あんな父親!!僕に…家族に泣いて貰う資格なんて無いよッ!!」

アスカ「…」

シンジ「勝手に捨てて勝手に利用して勝手に氏んで…ふざけるなよッ!!」



ゲンドウ『……』

4: 2012/04/08(日) 22:49:08 ID:m1ckf5lM
ゲンドウ(…当然の報いか…)

ゲンドウ『…何処へ行こうか』フラフラ


ウッ…グスッ…ウウゥッ…

ゲンドウ『?』

ゲンドウ『赤城君の部屋から泣き声が…』

ゲンドウ『失礼する』スッ


リツコ「うぅっ…最期まで…あの人は私のこと、見てくれなかった…」

ゲンドウ『…赤城君』

リツコ「馬鹿ね、本当に…。私も司令も。…ユイさんの所に還ったつもりなのかしら…」

ゲンドウ『…。ユイ…』

5: 2012/04/08(日) 22:51:18 ID:m1ckf5lM
ゲンドウ『ユイの所へ行ってみるか…』フラフラ

ゲンドウ『ん?』

レイ「…」ジーッ

ゲンドウ『レイ…か』

レイ「…」ジーッ

ゲンドウ『…』

レイ「おかしいわ」

ゲンドウ『!?』

レイ「氏んだはずの碇司令が居る」

ゲンドウ『レイ…!?私が見えるのか?』

6: 2012/04/08(日) 22:58:26 ID:m1ckf5lM


―――――

レイ「では…あなたは碇司令の幽霊…いえ、亡霊」

ゲンドウ『幽霊のままでよかった』

レイ「幽霊」

ゲンドウ『ああ。私が怖いか』

レイ「いいえ」

ゲンドウ(レイで良かった。真っ当な人間であったら逃げ出されていた可能性もある)

7: 2012/04/08(日) 23:02:06 ID:m1ckf5lM
レイ「今まで何していたんですか」

ゲンドウ『誰とも話せずやることもなく、フラフラしていたところだ』

レイ「碇司令は、このままでいいんですか?」

ゲンドウ『まあ、消えて無くなるよりはマシだと思っている』

レイ「でも、以前本で読みました。氏した魂は天へ昇らなくてはならないと」

ゲンドウ(…成仏しろ、ということか…)

8: 2012/04/08(日) 23:13:35 ID:m1ckf5lM

レイ「碇司令は氏んでしまったけれど…。私は、恩返しをしたい」

ゲンドウ『恩という程のことはしていない。むしろ…』

レイ「理由はともあれ、私という存在を生んでくれた。心を与えてくれた。それだけで十分です」

ゲンドウ『…そうか』

9: 2012/04/08(日) 23:14:13 ID:m1ckf5lM
レイ「…何か見たいものとか、ありますか」

ゲンドウ『…』

レイ「…」

ゲンドウ(ユイに一目会いたかったが…。私自身が氏んだ以上、補完計画も糞も無いな)

ゲンドウ『…特には』

レイ「…そうですか」

10: 2012/04/08(日) 23:14:53 ID:m1ckf5lM
レイ「では…食べたいもの、ありますか」

ゲンドウ『…』

レイ「…」

ゲンドウ『…触れようとしても透ける。おそらく食べられないだろう』

レイ「…そうなんですか」

ゲンドウ『…ああ』

11: 2012/04/08(日) 23:15:39 ID:m1ckf5lM
レイ「では、やり残したこと…気になることはありますか」

ゲンドウ『…』

レイ「私にできることなら、私が代わりにやります」

ゲンドウ『…やり残したこと…』

ゲンドウ(残す……遺す…)

ゲンドウ(…シンジ……)

12: 2012/04/08(日) 23:16:33 ID:m1ckf5lM

レイ「碇くん、ですか」

ゲンドウ『……ああ』

レイ「よかった」

ゲンドウ『…?』

レイ「碇くんのこと、ちゃんと考えていたんですね。会いに行ってあげてください」

ゲンドウ『いや…いい。私の代わりに謝っておいてくれ』

レイ「どうしてですか?」

13: 2012/04/08(日) 23:18:00 ID:m1ckf5lM
ゲンドウ『どうせ私のことを認識出来まい。会っても意味など無い』

レイ「どうしてですか。貴方は碇くんのこと、わかるのに」

ゲンドウ『……』

レイ「碇くんから逃げているのね」

15: 2012/04/08(日) 23:36:04 ID:m1ckf5lM
ゲンドウ『逃げているわけではない』

レイ「いいえ逃げています」

ゲンドウ『レイ。私はまだ成仏したくない』

レイ「話を逸らしましたね」

ゲンドウ『腹が減った』

レイ「嘘吐き」

ゲンドウ『……』

レイ「……」

ゲンドウ『わかった今すぐ会いに行ってくる。多分な』ススススッ

レイ「本当に逃げた…」

17: 2012/04/08(日) 23:41:39 ID:m1ckf5lM
ゲンドウ『とかいいつつ公園に来てしまった。すまないな、レイ』

ゲンドウ『全く、先程のレイはユイに似ていた。しかし、成仏か…』


ゲンドウ『…自販でコーヒーでも飲むか』フゥ

ゲンドウ『飲めないな』スルッ

ゲンドウ『…暗いな。今は…23時過ぎか』



ゲンドウ『…孤独だな』

18: 2012/04/08(日) 23:45:17 ID:m1ckf5lM
ゲンドウ『眠くはないが眠りたいな』

ゲンドウ『…誰かの布団に入り込んでみるか』

ゲンドウ『どうせ消えるならこのくらい許されるだろう』


>>19
1 ミサト
2 アスカ
3 シンジ

19: 2012/04/08(日) 23:50:29 ID:fYMM49NM
アスカ!

20: 2012/04/09(月) 00:09:27 ID:iTtRoJT.
ミサトのマンション


ゲンドウ『寝静まっているな』

ゲンドウ『セカンドチルドレンの部屋は何処だ』

ゲンドウ『あった。失礼する』スウッ

アスカ「すー…すー…」

ゲンドウ『セカンドチルドレンは将来シンジの嫁になる可能性がある。これは義務だ。若くて可愛いからとかではない』

ゲンドウ『布団に入るぞ』スッ

アスカ「…マ…マ……」

ゲンドウ『いや、お義父さんだ』

21: 2012/04/09(月) 00:10:14 ID:iTtRoJT.
ゲンドウ『良い匂いだ』クンカクンカスーハースーハー

アスカ「すー…すー…」

ゲンドウ『性格はさておき、スタイル良し胸もまあまあある。これならシンジも問題あるまい』スーハースーハースーハースーハー

ゲンドウ『私がユイに支えて貰ったように、シンジも幸せに…』

アスカ「…んん…」

ゲンドウ『!』

アスカ「むにゃむにゃ…」モゾモゾ

ゲンドウ『何だか悪いことをしている気分だ』

22: 2012/04/09(月) 00:10:58 ID:iTtRoJT.
次の日


ミサト「ふわぁ~あ。司令がいない分、今日も仕事キツそうね…」

アスカ「…髭」ガラッ

ミサト「あ、おはよアスカ。どうかしたの?」

アスカ「髭が…当たってた気がするの」

ゲンドウ『!』ドキーン

アスカ「私、加持さんの夢見ちゃった!」

ゲンドウ『…』

23: 2012/04/09(月) 00:32:39 ID:iTtRoJT.
シンジ「…」ガラッ

ミサト「あ…シンジ君、おはよう」

シンジ「…おはようございます」

アスカ「あのさ…今日、学校行くの?」

シンジ「うん」

ミサト「シンジ君…無理しなくてもいいのよ」

シンジ「いいえ、普通に行きますよ」

アスカ「じゃ、じゃあ今日は特別に私が一緒に行ってあげ…」

シンジ「アスカ、ミサトさん。僕に気を遣わなくていいよ。あんな人氏んだって、別に全然何とも思わないし」

ミサト「シンジ君、そんな風に言わなくても…!」

シンジ「分かってます。葬式には出ますよ」

ゲンドウ『…』グサッ

24: 2012/04/09(月) 00:33:22 ID:iTtRoJT.

―――――

公園



ゲンドウ(また逃げ出してしまった)

ゲンドウ(当然の報いだと分かっていても…心が痛むのは何故だ)

レイ「碇司令…見つけた」

ゲンドウ『レイ!?』

レイ「昨日は何をしていたんですか?」

ゲンドウ『セカンドチルドレンと…いや、何でもない』

レイ「何をしていたの?」

ゲンドウ『い、いや…シンジの嫁を選定してやろうと…』

27: 2012/04/09(月) 21:09:12 ID:iTtRoJT.
レイ「少し頭を冷やしましょう。あなたは碇くんの何?」

ゲンドウ『…………父親』

レイ「何年先になるか分からない嫁なんか考える前に、本来の自分の役割を果たしてください」

ゲンドウ『』グサッ

レイ「碇くんには会いましたか」

ゲンドウ『…少し…見た』

レイ「そう」

28: 2012/04/09(月) 21:13:18 ID:iTtRoJT.
ゲンドウ『…何故だ。何故お前は私とシンジを近づかせたがる』

レイ「碇司令への恩返しに、息子と仲直りのチャンスを」

ゲンドウ『シンジは私のことを嫌っている。これ以上側にいても意味は無い』

ゲンドウ(正直傷付くし)

レイ「あなたは自分が傷付くことを恐れているだけ」

ゲンドウ『……その通りだ。傷付くことを恐れて何が悪い!』

レイ「まるで駄目な父親」

ゲンドウ『マダオで何が悪い!!成仏などしてたまるか!!!』ススススッ

レイ「また逃げた…」

29: 2012/04/09(月) 21:14:11 ID:iTtRoJT.
ゲンドウ『そうだ、私は成仏などしない。決してするものか』

ゲンドウ『…決心をしたせいか力が漲ってきた。少しなら物質に干渉出来そうだな』

ゲンドウ『ふ…このまま現世に留まって生き続けるのだ。』



おわり

33: 2012/04/09(月) 21:49:05 ID:7jeXHRNc
氏んでもあの格好でフラフラしてるのか?裸体なのか?

34: 2012/04/09(月) 21:51:08 ID:iTtRoJT.
>>33
あの格好にサングラスのつもりです。裸体の方が良かったかな?

引用元: ゲンドウ「気が付いたら死んでた」