1: 2016/05/19(木) 07:17:30.559 ID:L5iCSLWf0.net
朝の光景

男「じゃあ行ってくる。
 今日は早めに帰れると思うから」

少女「そ。じゃあ仕方ないからご飯作って待っててあげる」

男「別に先に食べてても良いぞ」

少女「あのね、わたしが待ってるって言ってんだから
 黙って待たせておけば良いんだってば!」

男「お、おう」

少女「ほら、さっさと行けばいいじゃん。
 今日も汗水垂らして労働に勤しめばいいじゃん」

男「言われなくても行きますよ。
 頑張ってお金稼ぎますよ」

少女「ふん。…いってらっしゃい」

男「ああ」

4: 2016/05/19(木) 07:25:54.139 ID:L5iCSLWf0.net
彼女論議

少女「あんたさぁ」

男「なんだ?」

少女「いい歳こいて彼女のひとりもできないわけ?」

男「彼女いる男がたまの休日にこうして家でダラダラしてると思うか?」

少女「まどろっこしいのは嫌いなのよね。ハッキリ言ってよ」

男「そんなもんいない」

少女「あははは、やっぱり。
 できるわけないわよねえ、
 ネットサーフィンくらいしか趣味のないつまんない男に彼女なんて」

男「んなもん俺の勝手だっての。
 そもそも俺に彼女ができたらお前寂しいんじゃないのか」

少女「はあ?何言ってんの、バカじゃない。
 ただでさえ狭い部屋の人口密集率が半分になってせいせいするわよ」

男「あのね、ここ俺の家だからね。俺は出ていかないからね。
 それと密集してるのが嫌ならさっさと離れてくれ。
 こうひっつかれると暑くて敵わん」

少女「はあああ?わたしの勝手でしょ。
 むしろ暑いってなに?寒いくらいなんだけど。
 あんた自律神経いかれてんじゃないの?」

男「正当な訴えを口にしただけで
 なんでそこまで言われなきゃならないんだ」

少女「あんたがアホだからよ」

男「はいはい」

少女「適当に流さないで!」

男「めんどくさいやつだ…」

少女「とにかく、あんたが彼女のひとりも作れない寂しい男だってことは重々わかったよ」

男「はあ」

少女「ま、しょうがないから一緒にいてあげてもいいけどね、わたしが。
 あんた、ひとりじゃろくに家事もできないもんねぇ」

男「できないことはないけど、まあ正直助かってるよ」

少女「…ふん」

8: 2016/05/19(木) 07:36:14.402 ID:L5iCSLWf0.net
買い出し

男「食材の買い出しは大体こんなもんかな」

少女「あんたが休みの日じゃないと
 まとめ買いできないのが難儀よねえ。
 か弱いわたしの細腕じゃ荷物持ちきれないんだもん」

男「自分で言い出すのが癪だけど、確かにその通りだな。
 …でも思ったんだけどさ、最悪ネットスーパーでも使えばいいんじゃないか?」

少女「ネットスーパー?」

男「ああ、最近じゃ肉とか野菜みたいな生鮮食品も通販で買えるんだよ。
 だから家から一歩も出なくたって配送業者が届けてくれるってわけ」

少女「ふーん。…却下ね」

男「どうして?」

少女「それは…なんとなくだよ」

男「ホントかあ?それにしては嫌に力のこもった却下だったけど。
 …ははん?わかったぞ」

少女「えっ」ドキッ

男「食材の買い出しにかこつけて
 あれこれ買わせようって魂胆だろ。
 まったく、素直に言えば買ってやらんこともないのに」

少女「…あんたってホント、バカだね」

男「なに?違ったのか?」

少女「はあ、もういいよ。
 (一緒に出掛ける口実がなくなるからとは照れくさくて言えない)」

10: 2016/05/19(木) 07:44:38.403 ID:L5iCSLWf0.net
>>
「だね」と「よね」みたいに、
語尾は場面に合わせてわざとやってる

ショッピング

少女「ね、この服どう?似合う?」

男「ああ、似合ってるんじゃないか」

少女「じゃあさ、こっちはどうかな?」

男「似合ってると思うぞ」

少女「あんたバカのひとつ覚えねえ。
 もう少し気の利いたこと言えないの?」

男「素直な感想を口にしたまでだ」

少女「そういうのをボキャブラリー不足って言うのよ。
 まったく、そんなんだから彼女のひとりもできないんだよ」

男「ごく身近に手のかかるやつがいて
 彼女なんか作ってる暇がないんだよ」

少女「なにそれ?わたしのせいだって言いたいの?」

男「今のところ間に合ってるってことだよ。
 …それで服どうするんだ?
 俺は最初のやつのが好きだけどな」

少女「…ふん。じゃあそれにする」

男「さんざん文句言ってたくせに案外あっさりだな。
 別に自分の好きな方を買っていいんだぞ」

少女「うるっさいなあ。こっちがいいの!別にいいでしょ」

男「なにムキになってんだよ」

少女「なってない!」

13: 2016/05/19(木) 07:50:17.362 ID:L5iCSLWf0.net
ショッピングその2

少女「思ったけど、わたしの服ばっかじゃん。
 あんたは何も買わないの?」

男「ああ。私服なんて休みの日にしか着ないから、今持ってる分で事足りるし」

少女「あんたねえ、身を飾るってことを覚えた方がいいんじゃない?」

男「学生の頃はあれこれ買ってたけど
 社会人になってから段々関心が薄れてきてなあ。
 別に今ある服だってセンスが悪いわけじゃないだろ?」

少女「まあね。
 でもあんたが自分の欲しいものを買うところってあんまり見たことないから。
 …それってわたしにお金がかかるから?」

男「あのね、それほど金には困ってないっての。
 お前が言ったんだろうが。ネットサーフィンくらいしか趣味がないって。
 ただそれだけのことだよ」

少女「そう…?ならいいんだけどさ」

男「…でもそうだな、せっかくだから何着か新しい服を買っておくか。
 出かけるたびに横でうるさく言われるのも嫌だしな。
 良い感じのやつ見繕ってくれるか?」

少女「なにそれ。…もう、しょうがないなあ」

15: 2016/05/19(木) 07:58:41.892 ID:L5iCSLWf0.net
六月

少女「もうすぐ六月かあ」

男「六月になんかあったっけ」

少女「ジューンブライドよジューンブライド。
 はあ、きっと何百ってカップルが式を挙げるんだろうなあ」

男「結婚なんて簡単じゃないぞ。
 金銭面だったり生活面だったりで
 色々相手の悪いところが見えてきて
 数年後にはすっかり冷めた関係になることだってあり得る」

少女「なにそれ、彼女すらいないくせにずいぶん知った風な口きくじゃん」

男「少なくとも口うるさいやつと一緒に暮らすことが
 いかに大変かは理解しているな」

少女「む。…あ、わかった。
 わたしが結婚したらあんたひとりになるから
 それが嫌なんでしょ?」

男「はあ?」

少女「それならそうと素直に言えばいいじゃん。
 そうだよねえ。こんな不愛想で口下手で無趣味な男に
 構ってくれるほど世間の女は優しくないもんねえ」

男「はいはい…」

少女「ま、当面はどこにもいかないからさ、安心してよ。
 このわたしが、寂しいあんたの癒しになったげる」

男「勝手にしてくれ」

19: 2016/05/19(木) 08:08:35.230 ID:L5iCSLWf0.net
洗濯

少女「はあー暇だなー。…16時半か。あいつが帰ってくるまでまだ2時半もある」

少女「洗濯でもしますか」

少女「む。Yシャツの下に肌着を重ねたまま洗濯籠に放り込んである…。
 もう、ホントだらしないんだから」

少女「……」クンクン

少女「うええ…。汗くさ…」

少女「……」クンクン

少女「おええ…」

少女「…真面目にやろう」

22: 2016/05/19(木) 08:16:20.668 ID:L5iCSLWf0.net
洗濯その2

少女「あれ、あいつの靴下親指のところに穴空いてる。
 服は間に合ってるとか言ってたけど、
 さすがにこれくらい買い替えなさいよ…」

少女「……」

少女「ヤア!ボク、少女ちゃんの右手の親指だヨ!靴下の穴からコンニチハ!(裏声)」

少女「へへ…」

24: 2016/05/19(木) 08:25:52.626 ID:L5iCSLWf0.net
昼寝

少女「今日も今日とて暇ね…。
 …夕飯の下ごしらえも終わったことだし、ひと眠りしますか」
 
少女「む。あいつの枕…」クンクン

少女「うええ…。なんとも不思議な香り…」

少女「……」クンクン

少女「おええ…」

少女「んん…すー…すー…」

26: 2016/05/19(木) 08:30:18.859 ID:L5iCSLWf0.net
~~~~~~~~~~~~~

男「ただいまー。あれ、いないのか?…なんだ、寝てるのか」

少女「ん…んう…?」

男「おはよう。眠かったらまだ寝ててもいいぞ」

少女「んーん…大丈夫…」

男「あれ、俺の枕使って寝てたのか?いつも臭いとか文句言ってるくせに」

少女「あ…。これは…そう!あまりに強烈な臭いで気絶するがごとく惰眠を貪るためよ」

男「俺の枕はひろしの靴下と同レベルなのかよ」

30: 2016/05/19(木) 08:39:51.175 ID:L5iCSLWf0.net
誕生日

男「そういやもうすぐお前の誕生日だな」

少女「…フツーそれ言うかなー?」

男「紛れもない事実だろ」

少女「こういうのはさ、当日まで黙っておいて
 サプライズ的にやるもんでしょ!
 パーティとか、プレゼントとか」

男「それで予定が合わなかったらどうすんだよ」

少女「あのねえ、そこは企画側がうまくやってよね」

男「理不尽すぎるだろ…。
 それで?プレゼントはなにが欲しいんだ?」

少女「…べっつにー。何もいらないわよ」

男「ええ?いっつもあれが欲しいこれが欲しいって
 口やかましいくせに。熱でもあるのか」

少女「うるさいなあ!パーティを開いてくれればそれで良いよ!」

男「なんだってんだ。…ま、そういうなら別に構いやしないけど。
 友達呼んでもいいぞ。狭いからあんまり入れないけど」

少女「呼ばないよ。二人でいいよ」

男「そうか?」

少女「うん」

35: 2016/05/19(木) 08:50:16.676 ID:L5iCSLWf0.net
皿洗い

男「ごちそうさま。さて、皿洗いでもするか」

少女「あんた皿洗いだけは譲らないよね。
 なに?なんかこだわりでもあるわけ?」

男「そんなもんあるか。
 洗剤使うと手が荒れるからな。男がやった方が適任だろ」

少女「ふーん…。気を遣ってくれてるわけだ?」

男「別に」

少女「ははあ…。へーえ…」

男「なんだよ、ジロジロ見るな。
 気が散って皿を落としたらどうする」

少女「はいはーい。…へへ」

36: 2016/05/19(木) 09:02:07.268 ID:L5iCSLWf0.net
趣味議論

男「お前さあ」

少女「なによ?」

男「人のこと散々無趣味って罵ってくるけど自分はどうなんだ?
 お前が趣味らしい趣味に取り組んでいるところなんて見たことないぞ」

少女「はあ?バカにしないでくれない?
 おたんちんのあんたと違ってわたしには立派な趣味があるわよ」

男「どんな趣味だよ?」

少女「それは…えーと、そう!あんた観察だよ!」

男「なんだその非人道的な趣味は…。
 そもそも俺ありきの趣味とか意味がわからん」

少女「うるさいなあ。
 とにかく、家でだらしなく過ごしてる
 あんたのダメさ加減を観察するのがわたしの楽しみなの」

男「そのだらしなく過ごしてるやつと一緒になって
 ゴロゴロしてたら観察のしようがないと思うけど」

少女「いいの!できるの!問題ないの!
 あんたってホント一言余計なんだから。
 少しは気を遣いなさいよね」

男「お、おう?」

38: 2016/05/19(木) 09:13:18.953 ID:L5iCSLWf0.net
無精ひげ

少女「うわ、あんた休みの日だからって
 無精ひげ伸ばしっぱなしにしないでよね。
 みっともないんだから」

男「別にいいだろ。どこに出かける予定もないんだから。
 それに出かけることになったらそのとき剃ればいいだけの話だろ」

少女「はあ、世の中の男ってみんなあんたみたいにだらしないの?
 …まあいいわ。ね、ちょっと顎髭触らせてよ」

男「別にいいけど」

少女「うわっ、ジョリジョリしてる!あはは、気持ちわるい!」

男「ひどい言いようだ…」

39: 2016/05/19(木) 09:22:11.923 ID:L5iCSLWf0.net
Twitter

少女「ね、あんたはTwitterとかやんないの?」

男「やらないよ。
 何を呟けばいいのかまったくわからん」

少女「そうでしょうねえ。
 あんたみたいな不愛想で口下手で無趣味なやつが
 世間様に発信できる情報なんて皆無に等しいもんねえ」

男「あのね、ホント一言余計な。
 じゃあ逆に訊くけど、お前はTwitterで何を呟くんだ?」

少女「はあ?そんなこと訊いてどうするってのよ?」

男「別に他意はない。ただの興味本位だよ」

少女「まったく時間を無意義に使うのが好きな男ね。
 えーと、うーん、そう!”ご飯なう”とか、”洗濯なう”とか」

男「究極にどうでもいい情報だな…。
 しかも”なう”とか近頃誰も使ってないだろ。俺でもわかるぞ。
 お前Twitterやったことないだろ?」

少女「はあ?はあ!?やったことあるわよ。やったことあるわよ!」

男「落ち着け。二回繰り返さなくて良いから」

40: 2016/05/19(木) 09:35:13.536 ID:L5iCSLWf0.net
LINE

少女「あんた最近ずっとスマホいじってるけど何やってんの?」

男「Lineのゲームだよ。
 通勤時間の暇つぶしにインストールしてみたんだけどハマっちゃってな」

少女「…ホントにゲーム?
 あんたなんか怪しい連中と連絡取ってるんじゃないの?」

男「どう話が飛躍したらそうなるんだ」

少女「うるさいなあ!いいからスマホ貸しなさいよ!」

男「お、おい!途中だぞ」

少女「ふん、ホントにゲームやってたのね。
 …うわ、あんた友だちの数一けたじゃん」

男「別にいいだろ。数が多けりゃいいってもんじゃないんだから」

少女「これは彼女ができないわけよねえ。
 あんたってホントわたしがいないと何もできないんだから」

男「…そういうお前はどうなんだ?」

少女「はあ?」

男「お前のLINEの友だちの数だよ。
 あれだけ人を馬鹿にしたってことはさぞかし多くの友だちがいるんだろうな」

少女「当たり前じゃん。わたしにかかれば友だちのや千人や万人」

男「いや、単位がすっ飛び過ぎだからな」

41: 2016/05/19(木) 09:43:49.769 ID:L5iCSLWf0.net
学校のこと

男「学校はどうなんだ?」

少女「はあ?なにその昭和のドラマに出てくる頑固親父みたいな
 へったくそなコミュニケーション」

男「お前、昭和のドラマ見たことないだろ…。
 …それでどうなんだ?ちゃんと友達いるのか?」

少女「あんたみたいな社会不適合者よりはよっぽどいるってば。
 バカも休み休み言ってよね」

男「あのね、ちゃんと仕事して金稼いでるからね。
 社会に適合してるからね。
 …学校でもそんな調子だと今に友達なくすぞ」

少女「…誰にでもじゃないし」

男「なに?」

少女「ふん。なんでもない。ホント、バカ」

42: 2016/05/19(木) 09:50:42.691 ID:L5iCSLWf0.net
会社のこと

少女「じゃあ逆に訊くけど、あんたは会社でどうなの?」

男「どうって言われてもな」

少女「話せるほど濃い人間関係築けてないんでしょ。
 ただ指示された仕事だけを無感動にこなして
 定時ダッシュする生活を続けてるんでしょ?」

男「生きるための努力を全否定されているような気持ちだ」

少女「そうよねえ。
 あんた飲み会とかで帰ってくるの遅れたことなんて一度もないもんねえ。
 あまつさえ休日出勤すらただの一度も経験してないんじゃない?
 いっつもわたしと晩御飯食べてるし、休みの日はずっと一緒にいるし。
 あははは、傑作だわ!」

男「そうしてほしいのか、けなしているのかどっちなんだ」

少女「ふん!社会不適合者は早々と家路に着くのがお似合いなのよ!」

男「素直じゃないやつ…」

43: 2016/05/19(木) 09:59:31.801 ID:L5iCSLWf0.net
飲み物

男「ふう、暑い日はこれだよなぁ」ゴクゴク

少女「あんた、ホントZEROコーラ好きだね」

男「ああ、一度ZEROを飲むと普通のコーラの尋常じゃない甘みに気づいてしまうんだ。
 500mlに角砂糖65gだぞ。信じられない」

少女「やけに饒舌に語るわね…。
 ま、あんたみたいな社会不適合者には人工甘味料がお似合いよ」

男「どういう理屈なんだ」

少女「あんたがアステルパームなら、わたしはクリスタルガイザーで勝負するわ」

男「完全に語感の問題になってるぞ」

45: 2016/05/19(木) 10:06:45.294 ID:L5iCSLWf0.net
属性

少女「クリスタルガイザーってさ、水属性ないし氷属性だと思うの」

男「…は?」

少女「そんでもって剣的な鋭い武器のイメージなのよ」

男「何言ってんの?」

少女「アステルパームは土属性。そして呪文なわけ。ここは譲れないわ」

男「譲る譲らないの前にそもそも誰とも競合しないイメージだなそれは…」

少女「キシリトールは光属性!これも呪文」

男「完全に光り輝く歯の印象からきてるだろ」

少女「しまいにステビアは氏の呪文!闇属性!」

男「昔の使用目的を考えるとあながち的外れでもないのが恐ろしいな」

47: 2016/05/19(木) 10:16:16.107 ID:L5iCSLWf0.net
会社のことその2

少女「しっかし想像つかないよねー」

男「何がだ?」

少女「あんたが笑顔引っさげて
 お客さん相手に”いらっしゃいませー”とか言ってる姿よ」

男「あのな、俺は接客業でもないしまして営業担当でもないから
 日がな客先に出るってことはないからな」

少女「あははは、やっぱりそうよねえ!
 あんたみたいな仏頂面で気の利いたセリフのひとつも言えない
 誤解されやすさ100%の男がそんなことできるわけないわよねえ!」

男「勝手に人の仕事を想像してなんて言い草だ」

少女「無理無理!あんたに務まるわけないない!
 あんたは窓際でろくに与えられもしない仕事に
 手持ち無沙汰全開で定時を待つのがお似合いよ!
 そしてさっさと帰ってくればいいんだわ!」

男「寂しいのか罵りたいのかはっきりしろ」

50: 2016/05/19(木) 10:26:28.660 ID:L5iCSLWf0.net
彼女議論その2

少女「あんたってどうしてここまでモテないの?」

男「あのね、それはお前の勝手なイメージかもしれないぞ」

少女「はあ?じゃあなによ?
 あんたわたしの知らないところで女侍らせてるってわけ?」

男「…そうだと言ったらどうするんだ?」

少女「う、うそだし!そんなこと天地がひっくり返ってもありえないってば。
 あんたみたいなずっと傍にいないと良さがわからないおたんちんを好きになる
 危篤な女なんて数えるほどしかいないんだから」

男「……」

少女「ちょっと!どうなの!はっきりしてよね!」

男「……」

少女「なんなのその意味深な顔…!なんなのよ…!」

男(嘘だと言い出すタイミングを失ってしまった)

54: 2016/05/19(木) 10:37:22.442 ID:L5iCSLWf0.net
バレンタインデー

少女「ん」

男「…なんだ?これ」

少女「あのねえ、あんた今日が何日が言ってみなさいよ」

男「2月14日だけど」

少女「2月14日に世間一般で催されるイベントは?」

男「…ああ、バレンタインか」

少女「なに?その無感動さは。
 あんたついに感情すら失ったわけ?
 ”俺は感情を失った会社員(キリッ”とかどや顔で言えばいいじゃん」

男「あのね、失ってないから。
 今のでしっかり傷ついてるからな」

少女「ふん。良いから受け取れば?どうせ10円チョコだし」

男「その割にはしっかりラッピングされてる気がするけど」

少女「ラッピングの華やかさと中身のショボさの振れ幅で
 上げて落とすをやりたいだけに決まってるでしょ」

男「お、おう」

55: 2016/05/19(木) 10:46:25.762 ID:L5iCSLWf0.net
ホワイトデー

男「ほら」

少女「あははは、バレンタインのお返しってわけ?
 誰に言われるでもなく用意するなんて殊勝じゃん」

男「まだ何も言ってないけど」

少女「だってそうなんでしょ?
 ケチなあんたがそれ以外に誰かにプレゼントをするなんて考えられないもん」

男「せがまれる度に色々買ってんのは誰だと思ってるんだ」

少女「あんた以外のどこの馬の骨だってのよ。
 わかりきったこと言わないでよね。
 …10円チョコのお返しにしてはずいぶん高そうな代物じゃん」

男「あのな、しっかり手作りだったからな」

少女「原価が10円なの!…まあ、その、ありがとう」

男「おう」

60: 2016/05/19(木) 10:59:40.320 ID:L5iCSLWf0.net
洗濯その3

ピーッ、ピーッ

少女「ん。洗濯終わったみたいね。さてと、干しますか」

少女「げ…。なんか白いゴミ屑が洗濯機の中に散乱してる…。
 これ、ティッシュ?どこに入ってたってのよ、もう」

少女「うわ、男のシャツのポケットに入ってたんじゃん。
 そういえばあいつ、この前ポケットティッシュをもらってたような…。
 モテないくせにビラ配りやティッシュ配りにだけは目をつけられるんだから…」

少女「見なかったことにしたい…。ううむ…」

~~~~~~~~~~~~~

男「ただいまー」

少女「おたんちん!」

男「どういうことだ」

62: 2016/05/19(木) 11:14:19.405 ID:L5iCSLWf0.net
初詣

男「さすがに神社も人でごった返してるな」

少女「ふん。みんな暇ってことね」

男「あのな、年末年始ってそういうもんだからな」

少女「わかってるってば。
 …人混みって苦手。さっさとお参りして帰ろ」

男「お前が来たいって言ったんだけどな」

少女「それとこれとは話が別なのよ。
 …お、順番が回ってきたわね」

男「静かにやれよ」

少女「うるさいなあ。言われなくても大丈夫だってば」

~~~~~~~~~~~~~

男「ずいぶん熱心にお参りしてたな。
 何をお願いしたんだ?」

少女「はあ?あんたに教えたらご利益が10割消失しちゃうじゃん。
 知ってた?邪念を持つ人にお願いを教えると効果が薄れちゃうって」

男「あのな、俺貧乏神とかじゃないから」

少女「ふん。まあその点あんたは心配いらないわね。
 なんたってこのわたしがお願いを質問してあげるわけだから。
 むしろあんた単体じゃ1割のところが10割叶うようになること請け合いね」

男「仮にも神社で分をわきまえないやつだ」

少女「それで?」

男「ん?」

少女「ん?じゃないってば。あんたのお願いはなんなのよ」

男「…秘密」

少女「なによ、生意気じゃん。いいから教えなさいよ」

男「秘密だよ。お前も教えてくれないんだからお互いさまだ」

少女「…ふん」

64: 2016/05/19(木) 11:25:40.068 ID:L5iCSLWf0.net
コタツ

男「正月はコタツでだらだらするに限るな」

少女「あんたねえ、ただでさえ狭い部屋にコタツなんか広げてどういうつもりよ」

男「お前が今暖まってる場所、それコタツだからな」

少女「出しちゃったもんはもう使うしかないじゃん。
 その意図を訊いてるだけだってば」

男「寒いから以外になにか理由があるのか?」

少女「あんたのそのすっとこどっこいな頭じゃ思い浮かばないでしょうね」

男「いや、大抵の人間は他に思い浮かばないと思うぞ」

少女「はあ、まったく」

男「俺がどうしようもないみたいな空気出してもダメだからな」

少女「ちょっと、狭いんだけど」

男「他の三面が空いてるだろうが。何故わざわざ俺のいる場所を選ぶ」

少女「はあ?寒いから以外になにか理由があるのか?(キリッ」

男「まずなにから憤ればいいのかわからない」

66: 2016/05/19(木) 11:34:10.429 ID:L5iCSLWf0.net
仕事始め

少女「はあ、結局何をするでもなくお正月も終わるのね」

男「GWならとかお盆休みならともかく、正月ってそんなもんじゃないか?」

少女「そう思うんならそうなんでしょう、あんたの中ではね」

男「無意味に煽ってくるのやめてほしいんだけど」

少女「あーあ。明日からあんた仕事かー。
 はー!せいせいするわ!はー!せいせいするわ!
 これでわたしひとりきりの時間ができるわけね」

男「あのな、お前も学校始まるからな」

少女「ふん。行ってくればいいじゃない。
 汗水たらして働けばいいじゃない。
 その間わたしは優雅に夕飯の支度をしてやるわ」

男「いつもありがとう」

68: 2016/05/19(木) 11:39:26.572 ID:L5iCSLWf0.net
初日疲れ

少女「はあ…休み明けってホント憂鬱ね。
 学校にいる時間が普段の二倍に感じたもん」

男「まったくだ。
 俺も休み前の仕事の内容を把握するまで時間がかかったよ。
 ま、お客さんも休みでメールがほとんど溜まってなかっただけマシだけどな」

少女「あははは、そうよねえ。
 あんたにメールをくれる心優しい人間なんて世間にそういないもんねえ」

男「あのな、仕事のメールだからな」

69: 2016/05/19(木) 11:51:51.726 ID:L5iCSLWf0.net
バイト

少女「わたしバイトしようかな」

男「突然どうした?」

少女「まあ、その、思うところがあるっていうか」

男「なにか買いたいものでもあるのか?」

少女「別に特別欲しいものがあるわけじゃないってば」

男「じゃあどうしてだ?もしかして俺に気を遣ってるのか?」

少女「は、はあ?そんなわけないし。
 あんたの財布がどれだけ軽くなろうが構わないし。
 ただ、わたしが自分のお金で欲しいものを買えば
 財力を楯にした脅しに屈する必要がなくなると思っただけよ」

男「あのな、一度もそんな脅しをした覚えないからな。
 …まあ、別に特別欲しいものがないなら必要ないんじゃないか。
 そもそも校則でバイト禁止されてるだろ?」

少女「う、まあ…。でもツテで働いてる子もいるし」

男「前に言ったけど、別に金に困ってるってことはないからな。
 俺としては帰ってきたときに夕飯の支度が済んでる方がありがたいけどな」

少女「…じゃあ、今回はやめとく」

男「おう。その代わり夕飯はよろしく頼むぞ」

少女「…ふん。言われなくてもやるってば」

70: 2016/05/19(木) 11:59:56.649 ID:L5iCSLWf0.net
ヘアカット

少女「あんた大分髪伸びてきたんじゃない?もっさもさだよ」

男「言われてみればそうだな…。今週末にでも切りに行ってくるか」

少女「今週末どころか今すぐにでも切りに行くべきだわ。
 あんたみたいなモサラーと一緒に外を出歩くなんて考えるだけでおそろしいもん」

男「何がどう恐ろしいのかまったくわからないんだけど」

少女「そのツルッツルの脳みそじゃわからないでしょうね。
 もう、モサっとして、ファサっとして、フサーッ!!って感じよ」

男「あのな、まったくわからないからなそれ」

71: 2016/05/19(木) 12:06:17.398 ID:L5iCSLWf0.net
ヘアカットその2

男「逆にお前はいつも同じ長さだな」

少女「はあああ?あんた目腐ってんじゃないの?
 どこが同じだってのよ」

男「俺の視力1.5の両眼だと、全体的に同じに見えるんだけど」

少女「呆れたわ。そんなんだから彼女のひとりもできないのよねえ」

男「一体どこを切ったっていうんだ。さっぱりわからないぞ」

少女「前髪を0.5cm切り揃えてるでしょ。そんなこともわからないの?」

男「あのな、そんなことの範疇に収まらないからなそれ」

74: 2016/05/19(木) 12:17:03.569 ID:L5iCSLWf0.net
属性その2

少女「あんたってどう見ても闇属性よねえ」

男「今度はなんの話だ?」

少女「どこからどう見ても負のオーラを放ってるもん。
 その不愛想な雰囲気、正負のどちらかから選ぶなら明らかに負よね」

男「とんでもない切り口から人を貶し始めたと捉えていいのか?」

少女「貶しとかそういうのじゃないってば。
 これはもう覆しようのない真実なんだもん」

男「そんな真実はどこにも転がってないと思うぞ」

少女「そしてわたしは光属性!
 わたしがいるからあんたの負のオーラが
 中和されていると言っても過言じゃないと思うわけ」

男「あのな、過言だからなそれ」

76: 2016/05/19(木) 12:27:37.403 ID:L5iCSLWf0.net
職業

少女「思うんだけど」

男「なにをだ?」

少女「もう、察してよね。RPGの世界に例えるならあんたの職業はなんだろう、ってことだってば」

男「まーた益体のないことを考え始めたわけか」

少女「まず武道家とか戦士みたいな前線に立つタイプじゃ絶対ないと思うのよ。
 あんたのその辛気臭さ、物理攻撃よりも魔法攻撃よりじゃん」

男「じゃんって言われてもまったく同意できる部分がないんだけど」

少女「かと言って僧侶のような高尚な職業は100%適正なし。
 かといって魔法使いはあまりに安直すぎると思うの」

男「何故あえて奇をてらう必要があるんだ」

少女「笑わせ師のように誰かを笑わせるでもない、盗賊は似合ってるようなそうでもないような…。
 そこで考えたのよ」

男「なにをだ」

少女「あんたは魔物ハンター!そう、魔物ハンターなの!
 人の世に馴染めない社会不適合者にお似合いの職業だと思わない?
 あははは、傑作だわ!」

男「あのな、俺社会に溶け込んで働いてるからな」

77: 2016/05/19(木) 12:40:59.401 ID:L5iCSLWf0.net
会社のこと3

少女「あんたさあ」

男「ん?」

少女「会社に女の子の知り合いとかいないわけ?」

男「そりゃいるけど、それがどうかしたのか?」

少女「なんていうかこう…天変地異が起こって
 良い感じになったりしないのかなーと思うじゃん」

男「思うのか」

少女「まあ、たまに…。
 あんたこのままじゃ、独り身で骨をうずめることになりそうだからね。
 さすがにわたしも気の毒に思ったわけ」

男「なったらなったでお前構ってもらえなくて拗ねるくせに」

少女「はあ?ホント能天気な思考回路してるわねえ。
 わたしには関係ないし。好きにすればいいじゃん。
 往来の中”しっぽりむふふといきたいものですな”とか言ってればいいじゃん」
 
男「あのな、それやると構う構わないどころかシャバの空気吸えなくなるからな」

81: 2016/05/19(木) 12:53:32.993 ID:L5iCSLWf0.net
コッペパン

男「ん?なんだこのコッペパン?」

少女「今日の給食で出たの。
 でもあんまりお腹空いてなくて持って帰ってきちゃった」

男「うわ、懐かしいな。これ黒糖パンでもなくただのコッペパンだよな?」

少女「ん。確かそうだった気がする」

男「あのすごく美味いわけでもないんだけどどこか癖になる風味が好きだったな」

少女「ええ?あんたわかってないわねえ。味のある黒糖パンの方が美味しいでしょ」

男「いや、コッペパンは男のロマンなんだよ。
 その日クラスで休んだ奴がいたらもう戦争確定だぞ。
 おかずだったり付け合わせのバターやジャムで味わうのは邪道だ。
 ただひとえにコッペパンのみを味わう。これが正しい楽しみ方なんだ。
 だいたいコッペパンっていうのは…」

少女(いつになく饒舌で、とめるにとめられない…)

84: 2016/05/19(木) 13:04:51.022 ID:L5iCSLWf0.net
春休み

少女「お休みとは言ったものの…あいついないと暇ねえ。
 これじゃ休みでもなんの意味もないじゃん…」

少女「はあ…何して過ごそう。
 いざ時間ができると何すれば良いかわかんないもんね。
 これじゃわたし、あいつのこと無趣味ってバカにできないじゃん」

少女「うーん…うーん…うーん…。
 夕飯の支度!…はまだ早すぎるか。
 大掃除!…したばっかりだわ。
 洗濯!…もこの前したばっかりだった」

少女「あーあ…はやく帰ってきなさいよね…」

少女「昼寝でもしよう…」

87: 2016/05/19(木) 13:16:06.151 ID:L5iCSLWf0.net
趣味議論その2

少女「前にわたし言ったよね」

男「なんのことだ?」

少女「わたしの趣味はあんた観察だって」

男「ああ、そういえばそんな意味不明なことを言われたこともあったか」

少女「で、私は今、春休み」

男「はあ」

少女「あんたがいない日中まったく趣味に取り掛かれないんだけど、どう責任取ってくれるの?」

男「どうって言われても、そもそも俺に非がまったくないと思うんだけど」

少女「はあ?うら若き乙女のわずかばかりの楽しみに
 貢献しようっていう気概があんたにはないわけ?」

男「あのな、貢献したい気持ちは山々だけど
 それやると二人そろって食いっぱぐれるからな」

少女「なんとかしてよね、もう」

男「世間一般ではそれを無理難題って言うんだ。
 まったく、新しい趣味でも見つければいいだろ。
 お前、やたらゲームかなんかのたとえ話するだろ。
 ゲームでもやれば良いんじゃないの?」

少女「はあああ?
 わたしひとりでクリアしろっての?
 バカなこと言わないでくれる?」

男「お、おう」

少女「ホント暇だわ…」

男「昼休みにラインで相手してやるから勘弁してくれよ」

少女「…ふん。しょうがないわねえ」

90: 2016/05/19(木) 13:29:20.371 ID:L5iCSLWf0.net
お昼休み

   お弁当美味しい? 11:49 既読

あのな、まだ食ってないからな 12:00

   はあ? 12:00 既読
   
   早く食べればいいじゃん 12:01 既読
   
今食べる 12:01

   お腹こわすくらい食べて 12:02 既読
   
   午後の仕事が手につかなくなって早退 12:02 既読
   
   すればいいんだわ 12:03 既読
   
いや 12:03

弁当箱に食べすぎるほど 12:03

入らないからな 12:03

あと美味い 12:04

少女「…へへ」

92: 2016/05/19(木) 13:42:13.053 ID:L5iCSLWf0.net
平日振り返り

少女「ようやく週末ねえ!
 まったく、春休みも楽じゃないわね」

男「出勤・昼休み・帰宅中ラインに付き合わされる身としても同意見だよ」

少女「なにそれ、不満だって言いたいの?」

男「提案したのは俺だから別にいいけど、
 同僚がうるさいんだよ」

少女「ふーん…ね、どんな風にうるさいわけ?」

男「簡潔に言えば茶化しだよ。付き合いきれん」

少女「そっか。へえ。そうなんだ。へーえ」

男「あのな、楽しそうにされても困るからな」

少女「はあ?別に楽しそうになんかしてないってば!…へへ」

94: 2016/05/19(木) 13:52:15.179 ID:L5iCSLWf0.net
襲来!魔界戦士ヴィッペル

ヴィッペル「我が名はヴィッペル!光と闇の相反する二名を始末するためにやってきた」

男「どう考えてもお近づきにならない方が良さそうな人なんだけど」

少女「あんたのウスラトンカチっぷりじゃそう感じるのも無理ないでしょうね」

男「いや、大半の人間はそそくさと距離を取る人種だと思うぞ」

ヴィッペル「む、やつらの会話に呼応して光と闇の力が増していく…。
 なんだこの術式は…!?今までに目にしたことがない…これは…!!」

男「おい、なんか本格的にやばいぞ。
 さっさと警察呼んだ方が良いんじゃないかこれ」

少女「はあ?あんたってホント無粋よね。
 そんなだからいつまでも闇属性なんじゃないの?
 光たるわたしの魔法力(マナ)に及ぶべくもないわ」

男「あのな、お前も毒されてるからな」

ヴィッペル「ぐ…!光と闇の調合が…凄まじく…!!
 これは…これが…これが混沌(カオス)の波動なのか!!ぐああああああああ!!
 この私が飲み込まれるだとおおおおお!!」

男「おい、あいつなんか叫びながら明後日の方に消えていったぞ」

少女「あんたには見えなかったの?光と闇の調和、
 混沌(カオス)があいつを飲み込んでいくさまが」

男「いい加減悪乗りだからなそれ」

95: 2016/05/19(木) 14:02:13.919 ID:L5iCSLWf0.net
週末

少女「週末だからどっか連れてけって言ったのはわたしだけどさ」

男「おう」

少女「行き先がなんでAEONなわけ?」

男「え?きらいか、AEON。銀だこ入ってるぞ、美味いぞ」

少女「ううん。嫌いじゃないよ。好きだよ、AEON。美味しいよ、銀だこ」

男「フードコートで適度に人の喧騒を感じつつ食べる
 銀だこは最高に美味しいと思うぞ」

少女「人の喧騒と銀だこの美味しさの因果関係がいまいちわかんないけど…
 ま、この際いいわ。しっかりエスコートしてよね」

男「ああ」

96: 2016/05/19(木) 14:22:41.370 ID:L5iCSLWf0.net
スーツ

少女「あんたってさ」

男「なんだ?」

少女「スーツ着てると一見まともなサラリーマンよね」

男「あのな、一見もなにも心身ともに模範的なサラリーマンだからな」

少女「髪もきちんとセットしてるし…髭も剃ってるし…」

男「仕事だからな」

少女「休日もずっとスーツ着てれば?
 天文学的確率で彼女できるかもしれないじゃん」

男「いや、いかにもサラリーマンな出で立ちの人間をナンパするやつはそういないと思うぞ。
 せいぜい居酒屋のキャッチがいいところだろ」

少女「はあ?始める前から弱気とか、あんたどうしようもないわね。
 なら私服でいればいいじゃない。
 極一般的なオフの出で立ちをすればいいじゃない」

男「言われなくてもそうするからな」

97: 2016/05/19(木) 14:36:35.441 ID:L5iCSLWf0.net
ネタが切れた

101: 2016/05/19(木) 15:17:17.831 ID:L5iCSLWf0.net
猛暑日

少女「あっついわねぇ…」

男「猛暑日だからな…」

少女「ね、なんとかならないわけ、この暑さ」

男「冷房をつければ即座に解決する」

少女「はあ?わたし空調の冷気を浴びると気持ち悪くなるんだけど」

男「あのな、俺に無理難題押し付けて楽しいか?」

少女「あんたも社会人なら社会人らしい頭脳で妙案を導き出しなさいよ」

男「そうだ、じゃあ海はどうだ?海水は冷たくて気持ちいぞ」

少女「日に焼けると赤くなるから嫌」

男「注文の多いやつだ…。
 じゃあ、プール行くか?」

少女「あのねえ、プールの水がどんだけ汚れてるかあんた知ってんの?」

男「いますべての選択肢が潰えたからな」

104: 2016/05/19(木) 15:38:01.127 ID:L5iCSLWf0.net
猛暑日その2

男「…じゃあ、アイスでも買ってくるか?少しは気分も涼むと思うぞ」

少女「あんたにしては気の利く提案ね。じゃ、コンビニまで行きましょ」

男「一緒にくるのか?あんだけ暑い暑い喚いてたくせに」

少女「こんだけ扱ったら家の中だろうが外だろうが一緒じゃん」

~~~~~~~~~~~~~

男「ミルク系とかチョコ系はこの暑さだとちょっとくどそうだな…。
 お前はどれにするんだ?」

少女「…ね、これ買おうよ。ダブルソーダ。
いかにも夏って感じのアイスだしさ、
わたしあんまりいっぱい食べられないから半分こして」

男「なかなかいいチョイスだな。じゃあそれにするか」

~~~~~~~~~~~~~

少女「家に着く前に結構溶けちゃいそうだからコンビニの横で食べましょ」

男「ああ、じゃあ割るぞ」パキッ

男・少女「あっ」

no title


男・少女「……」

男「…おい、どっちが欲しい?」

少女「言ったじゃん。わたしあんまり食べられないって。
 しかたないからあんたが大きい方を食べてよね」

男「…すまん」

108: 2016/05/19(木) 16:11:48.164 ID:L5iCSLWf0.net
夏風邪

少女「はあ…朝ごはん…作らないと…」

男「おはよう。…どうした、なんか顔赤くないか?」

少女「暑さのせいかなぁ…なんか…フラフラ…」バタッ

男「おい!しっかりしろ!おい!」

~~~~~~~~~~~~~

少女「…ん…あれ…わたし…」

男「…起きたか?」

少女「ん…わたし、どうしたの…?」

男「台所で倒れたんだよ。
 病院で診てもらったの、覚えてるか?」

少女「んーん…」

男「夏風邪だとさ。最近流行ってるんだってな。
 まったく、風邪を引く時期までひねくれてるとは」

少女「うるさいなあ…」ケホッ

男「点滴打ってもらったし、薬出してもらったからもう大丈夫だ。
 ひとまず今日と明日は学校休め」

少女「ん。…あんた、会社は?」

男「あのな、ぶっ倒れるくらい調子の悪い病人をひとりにできるわけないだろ。
 今日は休みだ。明日も回復しないようなら休みだな。
 ま、大して忙しくもない時期だから心配すんな」

少女「そっか。…ありがと」

男「おう。おかゆ食べられるか?
 薬飲む前にちょっと食べておいた方が良いんだけど」

少女「だいじょぶ…」

109: 2016/05/19(木) 16:14:51.680 ID:L5iCSLWf0.net
~~~~~~~~~~~~~

男「ふーっ、ふーっ。…ほれ、口空けろ。あーん」

少女「……」アーン

男「熱くないか?」

少女「だいじょぶ。…ね」

男「なんだ?」

少女「今日は…ケホッ…やけに優しいじゃん」

男「あのな、俺は病人に鞭打つような真似をする人間じゃないぞ」

少女「…へへ…そうよね…そうだよね…」

男「ああ。なんかあったらすぐ呼べ。
 とりあえず薬飲んでもう休みな」

少女「ん…」

男「じゃあおやすみ」

少女(風邪引いてみるもんだな、なんて考えたらあいつに悪いよね)

110: 2016/05/19(木) 16:19:50.666 ID:L5iCSLWf0.net
夏風邪 二日後

少女「んーっ!やっぱり健康が大事よねー!」

男「平熱まで下がったし、すっかり良くなったみたいだな」

少女「ま、おかげさまでね。
 あんたにしては良い働きだったんじゃないの?」

男「あんたにしてはってのは余計だからな」

少女「それにしても、こういうときって
 看病した人に風邪が移るのがセオリーってもんなんじゃないの?」

男「どんなセオリーだ」

少女「はあ、残念だわ。
 せっかく弱ったあんたを看病してやろうかと思ったのに」

男「あのな、最高に歪んだ考え方だからなそれ。
 ま、なんにせよ治って良かったな」

少女「…ん」

116: 2016/05/19(木) 16:47:51.424 ID:L5iCSLWf0.net
ゲーム

少女「このっ…!なんのっ…!くっ…ああっ!」カラダクネクネ

男「また俺の勝ちだな」

少女「ちょっとあんた!さっきからどういうつもりよ」

男「どういうつもりとは?」

少女「しらばっくれないでよね!
 執拗にわたしが通る道筋にバナナ仕掛けてくるじゃないのよ」

男「そりゃ二人対戦だからな。
 他にだれを狙えって言うんだ?」

少女「CPUが二機いるでしょ!そっちを狙ってよね!」

男「あのな、それもう対戦として成立しないからな」

少女「最下位のときに限って出てくるのはバナナだし…。
 なんであんたにはスターとかキノコーばっか出てくるのよ、不公平だわ」

男「そう言われてもこればっかりは運だからなぁ…」

少女「…あんたアイテムボックス取るの禁止ね」

男「なんだと。それはけっこうしんどいな」

少女「さっきからあんたの勝ち越しなんだからこれくらいいいでしょ」

男「わかった。それでいこう。」

~~~~~~~~~~~~~

少女(ふふん、アイテムボックスさえなければ実力は僅差なのよ。
 あんたをこのミドリこうらを直撃させて一位を奪うわ)

少女「いっけぇ!グリーンスマッシュ!」

男「おい、そこで撃つと」

少女「へっ?」

男「跳ね返って自分に当たるぞ」

少女「……」

男「…まあ、勝負はときの運だからな。今日はたまたま俺がついてたんだろう。
 そう気を落とすなって」

少女「……」グスッ

男「あ」

119: 2016/05/19(木) 17:08:41.375 ID:L5iCSLWf0.net
お説教

男「ちょっとそこに座りなさい」

少女「はあ?なにそれ偉そうに。
 …よいしょ。これで満足?」

男「あのな、俺の真横じゃなくて正面に座ってくれるか?」

少女「はあ、注文が多いんだから。
…これでいいでしょ?」

男「ああ。ひとつ言っておかないといけないことがあってな。
 …お前、その態度もう少し直した方がいいんじゃないか?」

少女「…どうしてよ?」

男「相手によっては大分怒らせてしまう可能性があると思うからだよ」

少女「…ふーん。そっか。あんたはその怒る側ってわけ?
 なるほどねえ。わたしのことがウザくてしかたないから
 こうして釘を刺そうってことなんだ?」

男「そうやってすぐ相手を煽るのをやめろって言ってるんだよ。
 進学したときにお前、そんな態度でいたらできる友達もできなくなるぞ?」

少女「…別に関係ないし。というよりも前に言わなかったっけ、誰にでもじゃないって」

男「じゃあ、学校では波風立てずにやってるってことか?」

少女「当たり前でしょ。そこまで世渡り下手じゃないってば、わたし」

男「…なら良いか。
 別に俺と話すときにその癖をどうこうしろって言ってるわけじゃないからな。
 好きなようにしてくれ。俺は怒っちゃいないから」

少女「…ふん。わかってるからわがまま言ってるんだってば」ボソ

男「なんか言ったか?」

少女「べっつにー。空耳じゃない?
 それとも白昼夢でも見てたんじゃないの?」

123: 2016/05/19(木) 17:40:26.030 ID:L5iCSLWf0.net
料理

男「いただきます」モグモグ

少女「…ねえ」

男「…ん?どうした?」モグモグ

少女「あんたってさ、不愛想で口下手だけど」

男「この時点で話を聞く気が激減なんだけど」

少女「いいから黙ってききなさいよ。
 …ご飯食べるときは美味しそうに食べるよねえ」

男「そうか?あんまり意識したことないな。
 言われたのもお前が初めてだし」


少女「ま、そんだけこのわたしの料理が美味しいってことなんだけどねえ。
 あんた感謝しなさいよ。こんなに素晴らしい料理を毎日食べられる幸運にね」

男「そうだな。確かに美味い。毎日働くための源って感じだな」

少女「……」

男「なんだ、急に黙って?」

少女「べ、別になんでもないし。
 あーあ、溢れる料理の才能がこわいなあ」

125: 2016/05/19(木) 17:51:29.360 ID:L5iCSLWf0.net
料理指南

男「あとは、お湯に味噌を溶いて…」

少女「あ、こら。お湯にお味噌を溶く前にまず火をとめないと。
 お味噌を沸騰させると香りや旨味が逃げちゃうんだってば」

男「あれ、そうだったっけか。
 そうだ、揚げ物の具材も第二弾を投入するか」

少女「こらこら。一度油に具材を入れると、油の温度が大分下がっちゃうのよ。
 油が十分過熱されるまで待たないと」

男「そうだっけか。うーん、料理って結構まどろっこしいな」

少女「そんなもんよ。まずは基本をカバーしないとね。
 基本を覚えた上で場数を踏むのが一番の上達法じゃない?」

男「…そうだな。これからちょくちょく料理作ってみようかな。
 そのときは試食してくれるか?」

少女「…あんたが食べ過ぎてメタボになっても困るからね。
 仕方ないから協力してあげてもいいわよ」

111: 2016/05/19(木) 16:30:28.838 ID:L5iCSLWf0.net
ネタ切れだ

103: 2016/05/19(木) 15:31:00.897 ID:ICtCa7/Y0.net
今年は海水浴行きたいな

105: 2016/05/19(木) 15:44:46.463 ID:lYWkkddv0.net
そろそろ修羅場路線いいんじゃないですか

107: 2016/05/19(木) 15:50:35.112 ID:q07Gly+70.net
なぁなぁ?
まだ夏風邪の下りやってないよな?なっ?

122: 2016/05/19(木) 17:32:36.572 ID:ICtCa7/Y0.net
もう本当にネタ切れか?

引用元: 男「仕事行くか」少女「さっさと行けばいいじゃん」