1: 2015/04/24(金) 19:36:04.02 ID:eBWR5mqx.net
ピンポーン

真姫「ん~……」ゴソゴソ

ピンポーン

真姫「朝っぱらから何なのよもう……無視無視……」モゾモゾ

ピンポピンポピンポーン

真姫「あああああ!分かったわよ出ればいいんでしょ!?」ガバッ

真姫「はーい……どちらさまで……」イライラガチャッ

真姫パパ「お、やっと出たか」

真姫「パ、パパ!?」

2: 2015/04/24(金) 19:37:05.26 ID:eBWR5mqx.net
真姫パパ「久しぶりだな!真姫!元気にしているか?」

真姫「久しぶり……まあ、普通に元気だけど」

真姫パパ「大学生活はどうだ?友達は出来たか?勉強はきちんとやっているか?」

真姫「もう!心配しすぎよ!普通に全部大丈夫だから!」

真姫パパ「べっ、別にお前が心配で無理して休みを取ってここに来たわけじゃないからな!///」

真姫「はいはい」

真姫パパ「まあ、立ち話もなんだ。お土産も買ってきたことだし、部屋の中でゆっくり……」

真姫「だ、大丈夫よ!元気だし問題ないから!お土産ありがとね!ありがたく受け取っておくわ!」ガシッ

真姫パパ「何!?部屋の中に入れさせてくれるのではないのか!?」

真姫「だ、だってその……」ダラダラ

真姫パパ「まさか……男か!?男がいるのか!?」

真姫「い、いやそういうわけじゃ」

真姫パパ「ええい!!私の愛しい娘を誑かすとは!!許さん!!」ドスドス

真姫「ちょ!?だ、ダメよパパ!勝手に……」アタフタ

3: 2015/04/24(金) 19:38:55.53 ID:eBWR5mqx.net
真姫パパ「な……」

真姫パパ「なんだこれはぁ!?」

真姫「はぁ……だから部屋に入れさせたくなかったのよ……」

真姫パパ「どうしたら……どうしたこんなゴミ屋敷になるんだ!真姫ィ!」

真姫「ゔぇぇ……」

真姫パパ「足場すらないじゃないか!しかもなんだ……カップ麺やその類のゴミが多い!まともな食生活も出来ていないな!?医者が不健康でどうする!」

真姫「ま……まだ医者じゃないし……」ダラダラ

真姫パパ「いずれ医者になるんだろう!自覚が足らんぞ!真姫!」

5: 2015/04/24(金) 19:40:13.91 ID:eBWR5mqx.net
真姫パパ「まったく……やはり早すぎたのかもしれんな。真姫が一人暮らしなど」

真姫「そ、そんなことないわよ!」

真姫パパ「だったらなんなんだ!この有様は!」

真姫「ゔぇぇっとそれはその……」ダラダラ

真姫パパ「悪いことは言わん。自宅通いにした方がいいぞ、真姫。別に自宅から通えないような距離じゃないだろう」

真姫「確かにそうかもしれないけど!それでも地味に遠いのよ!」

真姫パパ「朝早く起きればいいだけじゃないか。電車はある。それともなんだ?朝早く起きたくないだけなんじゃないか?」

真姫「ギクッ……」

10: 2015/04/24(金) 19:51:40.46 ID:eBWR5mqx.net
真姫パパ「だったらこうしよう。1週間後、またここへやってくる。その時までにこの部屋が片付き、栄養バランスの取れたまともな食生活を送れていたら、一人暮らしを継続させよう」

真姫「も、もし1週間経って何も変わらなかったら……?」

真姫パパ「その時は無論!一人暮らしをやめて自宅通いにさせるに決まってるだろう!」

真姫「ゔぇぇ!?」

真姫パパ「当然だ!こんな汚い部屋に真姫を住まわせる訳にはいかんだろう!」

真姫パパ「それに、こんな汚い部屋じゃサンタさんも来ないぞ!」

真姫「サンタさんが……来ない!?」

真姫「ま、まさか!去年サンタさんが来なかったのって……」

真姫パパ「おそらく、この部屋が原因だろうな」

真姫「そ、そんなぁ……」ズーン

真姫パパ「せっかく土産を持ってきたが……こんな汚い部屋では渡すに渡せんな。とにかく、まずは部屋の掃除をしろ。私はこれから用があるから行かせてもらう。1週間後、楽しみに待っているぞ。真姫」ガチャッ

15: 2015/04/24(金) 20:12:30.97 ID:eBWR5mqx.net
真姫「どうしよ……」

真姫「自宅通いって、早起きしなきゃだし、満員電車に乗らなきゃだし……絶対にいや」

真姫「そして何より……サンタさんが来ないのはもっとイヤ!」

真姫「掃除するわ!このゴミ屋敷を!」

真姫「そうね……まずは……」

真姫「まずは……」

真姫「まず……は…………?」

真姫「……」

真姫(どうしよう……何からやればいいのか、さっぱり分からない)ダラダラ

16: 2015/04/24(金) 20:16:45.52 ID:7kB+Xm4X.net
>>15
これすごいわかるわ

22: 2015/04/24(金) 20:25:51.67 ID:eBWR5mqx.net
真姫「ね…寝起きだからかしら?全然頭が回らないワネー」

真姫「ソダ!スタバでコーヒーでも飲んで目を覚ませばいいんダワ!」

真姫「そうと決まったらら早速支度しなきゃネー」ガサゴソ

真姫「コーヒー飲んで目を覚ませばきっと掃除が捗るに違いないワ!絶対にそうヨ!」

27: 2015/04/24(金) 20:39:17.85 ID:eBWR5mqx.net
真姫「……」テクテク

真姫(今になって頭がすごく冴えてきた……)

真姫(よく考えたら私、一度も自分の部屋の掃除をしたことないのよね……)

真姫(そんな私にあの部屋の掃除なんて無理に決まってるじゃない!)

真姫(ていうか、栄養バランスって何?トマトじゃダメなの?)

真姫(……もうこれ、詰んでる気がするんだけど)

真姫(これ絶対にあれよね。なんやかんや理由つけて自宅通いにしたいだけだわ。パパ、ああ見えてかなり寂しがり屋だし)

真姫(パパったら、いつになったら娘離れ–––––)ドンッ

「いたっ」ドシン

真姫「きゃっ!」ドシン

「ちょっと!あんたどこ見て……っ!?」

真姫「ご、ごめんなさ……いっ!?」

「ま、真姫……ちゃん……?」

真姫「に……にこちゃん!?」

真姫「何故にこちゃんがここに?アイドルは?自力で就職を?」

にこ「(無言)」

30: 2015/04/24(金) 20:49:06.22 ID:eBWR5mqx.net
真姫「にこちゃん!」

にこ「(無言の立ち上がり)」スクッ

真姫「ちょっと!何か言いなさいよ!無視しないで!」

にこ「(無言の立ち去り)」テクテク

真姫「待ちなさいよ!」ガシッ

にこ「」ビクッ

真姫「そんなに黙ってて!何かあるのはバレバレよ!」

にこ「(無言の無言)」

真姫「とにかく!話してくれるまでこの手は離さないわよ!」

真姫「とりあえず……天下の往来で話すのは無理だろうから、近くの喫茶店に行くわよ!ほら早く!」グイグイ

にこ「(無言の引っ張られ)」ズルズル

32: 2015/04/24(金) 21:03:21.24 ID:eBWR5mqx.net
真姫「で?何があったのよ?」

にこ「……」

真姫「卒業してからずっと連絡が取れなくて……すっっごく心配したんだけど」ジー

にこ「……」

真姫「アイドルとしてうまくやってると思いきや、テレビに出てる姿も見ないしインターネットで名前を見かけたりもしない」

真姫「いったい何をやって……」

にこ「うぅ……」ウルウル

真姫「ゔぇぇ!?ちょ、ちょっとなんで急に泣いて……」アタフタ

にこ「私だってねぇ!好きでこんなところにいるわけじゃないのよ!」グスッ

真姫「に、にこちゃ」

にこ「テレビに出たいわよ!インターネットでよく名前を見かけられるくらいになりたいわよ!みんなのまえで……グスッ、うだって、おどりたいわよぉ!うぇぇえええええええん!!」

真姫「お、落ち着いて!ほら!ハンカチ!ハンカチ貸すからぁ!」アタフタ

36: 2015/04/24(金) 21:22:19.63 ID:eBWR5mqx.net
真姫「どう?落ち着いた?」

にこ「グスッ……うん」

真姫「えっと……何があったのか、話してほしい。話せば楽になるかもしれないし、私が力になれるかもしれないし」

真姫「まあ、無理には言わなくていいわ。誰にだって言いたくないことはあるだろうし。ただ……」

真姫「私は、にこちゃんの力になりたい。だから、何があったのか話してもらいたい。……それが私の本心、とだけは伝えておくわ」

にこ「真姫ちゃん……」

にこ「……卒業してから、私はアイドルになるために、まずアイドルの研修生になったの」

真姫「うん。そこまでは知ってるわ」

にこ「真姫ちゃん、研修生っていうのがどんなものか……知ってる?」

真姫「まあ、なんとなく。野球でいうところの2軍みたいな感じでしょ?」

39: 2015/04/24(金) 21:40:38.00 ID:eBWR5mqx.net
にこ「まあ、大体正解ね」

真姫「大体って……どういう意味よ?」

にこ「真姫ちゃん、野球が何人でやるかくらい知ってるわよね?」

真姫「それぐらい知ってるわよ。9人でしょ?」

にこ「じゃあ一チーム15人のチームが野球をする時はどうする?」

真姫「そんなの、残りの6人はベンチ……あっ」

にこ「……そうよベンチ、いわば補欠よ」

にこ「にこはね……研修生の、その補欠……なのよ」

45: 2015/04/24(金) 21:58:26.33 ID:eBWR5mqx.net
にこ「研修生の中で、レギュラーと言われる子たちは、たまーにメディアに取り上げられたりする。ほんとにたまにだけどね。だけど補欠は……一切そういった事はなし。むしろ……必要な時は、レギュラーを立たせるために雑用にまわったりする」

真姫「雑用って……」

にこ「にこは万年補欠。いつまで経っても研修生のレギュラーにすらなれない」

にこ「そんな万年補欠が、アイドルで食べていけるわげがないから……こうして、日夜バイトで稼いで……」ウルウル

にこ「こんな情けない姿、見せられないわよ……!家族にも、友達にも……!だからみんなとはいっさい連絡を取らないでいた!取らないでいたのに……っ!」

にこ「うぅぅ……!」

真姫「情けなくなんかないわよ。にこちゃん」ギュッ

にこ「グスッ、真姫、ちゃん」

真姫「にこちゃんは頑張ってるわ。全力で頑張ってる。全力で頑張ることは、決して情けないことではないわ」

真姫「辛い時は泣いていいのよ。今日は特別に、真姫ちゃんの胸を貸してあげる。だから、涙が枯れるまで……ね?」

にこ「なによ、それっ、まるで、グスッ、私が泣くの、我慢してるみたい、じゃない」

にこ「真姫ちゃんの、真姫ちゃんのばか……うわぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」ギュッ

真姫「はいはい。馬鹿で結構よ」ナデナデ

51: 2015/04/24(金) 22:12:50.31 ID:eBWR5mqx.net
にこ「グスッ……ありがと。今度こそ落ち着いたわ」

真姫「そう。なら良かったわ」ニコッ

真姫「ところで……」

にこ「?」

真姫「いい加減、視線が痛いからこの店出ましょ」

にこ「あ」

にこ(そう言えばここ、喫茶店の中……)

にこ(なのににこはあんな泣き喚いて)カァァ

真姫「ほら。さっさと行くわよ」ギュッ

にこ「う、うん///」

真姫「店員さん、これお代ね。急いでるからお釣りとかいらないから」スッ

56: 2015/04/24(金) 22:32:27.95 ID:eBWR5mqx.net
にこ「ねぇ!聞いて無かったけど、これからどこに向かうつもりよ!?」

真姫「どこって、うーん……そうね、とりあえず私の部屋ああああああああああ!?」ガビーン

にこ「うぇ!?ど、どうしたのよ急に!?」

真姫(どどどどどうしよう……今になって思い出したわあの汚部屋のこと)

真姫(そもそもあんな汚部屋ににこちゃん呼べるわけ無いし、あの汚部屋片付けないと自宅通いになっちゃうし!)

真姫(ん?待って……にこちゃんって、おそらくだけどお金に困ってるのよね?)

真姫(……にこちゃんを雇う、とかどうかしら)

真姫(いやいやいや!流石にそれはダメよマッキー!!私がやらなきゃいけないことをお金で他人にやらせるなんて!)

にこ「真姫ちゃーん?」

真姫(くっ!私はどうすればいいの!?)ウーンウーン

にこ(なんか唸りだしたし……)

59: 2015/04/24(金) 23:19:29.61 ID:eBWR5mqx.net
悪魔ッキー「絶対に雇うべきよ!お金を払うだけで自分は何もせずに問題解決出来るのよ!最高じゃない!」

真姫(そうかもしれないけど……お金ですべて解決っていうのは何か汚い気がするのよね……)

天使マキエル「その通りよ!自分で解決してこそ意味があるの!お金で解決だなんて薄汚い富豪がやることだわ!」

真姫(まあ、そうよね。やっぱり自分で解決するべき……)

悪魔ッキー「ふん!馬鹿ねあんたたち!お金を払うことが汚いことですって?笑わせてくれるわね!」

天使マキエル「何ですって!」

悪魔ッキー「いい?にこちゃんはお金に困ってるのよ?そのにこちゃんにお金を払って仕事をしてもらう、そうすれば問題解決して真姫ちゃんハッピー!お金がもらえてにこちゃんもハッピー!つまりウィンウィンなのよ!」

真姫(……はっ!)

天使マキエル「言われてみれば確かに……」

悪魔ッキー「でっしょー!だから絶対に雇うべきよ!」

天使マキエル「そうね。みんながハッピーなら、そうするべきよ!」

64: 2015/04/24(金) 23:35:47.16 ID:eBWR5mqx.net
真姫「……ねぇ、にこちゃん」

にこ(あ、やっと反応した)

真姫「私、結構お金持ってるのよね」キリッ

にこ「……は?」

にこ「知ってるわよそんなこと。何?自慢したくなったの?唐突に?」

真姫「いや、自慢したいわけじゃなくて……」

にこ「じゃあなによ?馬鹿にしてるの?」

真姫「違うわよ!そうじゃなくってえと……」

真姫「にこちゃんって、今お金に困ってるわよね?」

にこ「やっぱり馬鹿にしてるんじゃない!」ムキー!

真姫「違うの!馬鹿にしてるわけじゃないの!とにかく話を聞いて!」

70: 2015/04/24(金) 23:51:53.76 ID:eBWR5mqx.net
真姫「えぇと、私が言いたいのはつまり……」

真姫「私に雇われてみない?」

にこ「イヤよ」

真姫「なんで!?」

にこ「なんでって……確かにお金に困ってないわけじゃないけど、今のままでも生活できないことはないし」

にこ「何より、同情とかで雇われるのは、にこのプライドが許さないのよ!」

真姫「同情なんかじゃないわよ!」

にこ「たとえそうだとしても、私はやらな」

真姫「お願い!一生のお願い!!雇われて!!ほんとにダメなの!このままじゃ!」ドゲザッ

にこ「えええええ!?何で真姫ちゃんがそんなに必氏なのよ!?ていうか、土下座なんてやめなさいよ!あんたそんなガラじゃないでしょ!顔上げなさいよ!」

真姫「お願い!にこちゃん!」ガバッ

にこ「ひっ!?なんなのよ!?」ビクッ

にこ「ていうか何が真姫ちゃんをそんなに切羽詰らせてるわけ!?まずは理由を話して見せなさいよ!」

真姫「理由……」

真姫「実は……」

72: 2015/04/25(土) 00:12:26.81 ID:nhB5rl8B.net
にこ「なーるほどねぇ。部屋の散らかり具合がバレてパパに叱られたたと」

真姫「そーなのよ……」

にこ「ぷっ」

真姫「何よ!?なんで笑ってるの!?」

にこ「だって、あの真姫ちゃんが部屋をそんなに散らかしてたなんて思いもしなかったから……ぷぷぷ」

真姫「もう!こっちは深刻な問題なのよ!?」プイッ

にこ「はいはい、怒らないのー♪」ニコニコ

真姫「それで?やってくれるの?やってくれないの?」

にこ「んー、そうね~」

にこ「とりあえず、まずは真姫ちゃんの部屋に行くわ」

真姫「やってくれるの!?」パァァ

にこ「違うわよ。下見よ下見!部屋の様子を見てから決めるわ。ついでに、真姫ちゃんがどこに住んでるのか知りたいし」

真姫「なるほどね。善は急げ!さあ行くわよにこちゃん!」

75: 2015/04/25(土) 00:38:35.64 ID:nhB5rl8B.net
真姫「ここよ」

にこ「へぇ。ここがマッキーのルームね……」

真姫「開けるわよ」

にこ「どんとこい!」フンス

にこ(なんか緊張してきた)ドキドキ

にこ(真姫ちゃんの部屋、いったいどんな感じなんだろう……)ドキドキ

真姫「どうぞ」ガチャッ

にこ「お邪魔しまー」ニコニコ

にこ「せん!失礼しましたー!」クルッ

真姫「ちょっと!どこ行くのよ!」ガシッ

にこ「いやあああ!離してえええ!」ジタバタ

77: 2015/04/25(土) 01:16:42.80 ID:nhB5rl8B.net
真姫「なんでよ!?せっかくここまできたのに!」

にこ「だって真姫の部屋!あれ人が住むような部屋じゃないでしょあれ!魔界よ魔界よ!」

真姫「私は普通に寝泊まりしてるけど」

にこ「ほんとだー!じゃあ真姫ちゃんは魔王の手下ね!勇者にこにーが成敗してくれるわー!」

真姫「もう!ふざけないでよ!」

真姫「結局のところどうなの?やるの?やらないの?」

にこ「え~と、やっぱり無理かな~」メソラシ

真姫「なんで!?」

にこ「なんでって理由は遠回しにだけどさっきから言ってたわよ!?」

真姫「にこちゃん!」ガシッ

にこ「ひっ!?」

にこ(か、顔近っ!///)

真姫「お願い!にこちゃんしかいないの!にこちゃんにしか、出来ないことなの!」

にこ「わ、分かったわよもう!///仕方ないわね!」

真姫「ほんと!?ほんとのほんとに!?」

にこ「ええ。本気と書いてマジと読むわよ。ただし、明日からね!今日は準備とかしなきゃいけないから!」

真姫「ええ!大丈夫よ!楽しみに待ってるわ!」ニッ

78: 2015/04/25(土) 01:19:24.49 ID:nhB5rl8B.net
にこ「……」テクテク

にこ(あーあー。結局引き受けちゃった)

にこ(何やってんだろ、にこったら)

真姫『にこちゃん』ニコッ

にこ(でもまあ、あの子の笑顔が見れるなら、別にいいかな……なんて)

93: 2015/04/25(土) 05:39:16.50 ID:nhB5rl8B.net
翌日

にこ(来ちゃった……)ドキドキ

にこ「すぅー、はぁー……」ドキドキ

にこ(なーに緊張してんのよにこ!いつも通りでいいのよいつも通りで!)ドキドキ

にこ「よしっ!」パチン!

にこ「いざ!」

ガチャッ

真姫「あ。もう来てたんだ」

にこ「」

真姫「ごめん。実はちょっと野暮用で外に 出ることになっちゃって。これ、私の部屋の鍵だから。多分帰るのは夕方頃かしら。じゃ、よろしく頼むわ」ヒョイッスタスタ

にこ「えええええ!?ちょ、ちょっとぉ!?」

にこ「行っちゃったし……」

にこ「なんなのよあいつ~!!」プルプル

にこ「私だけこんなに緊張してたのがバカみたいじゃない!」プンスカ

にこ「こうなったら!このゴミ部屋、今日中に終わすなんて無理だと思ったけど……」

にこ「やってやろうじゃない!このゴミ屋敷を真姫ちゃんが帰ってくるまでに片付けて、真姫ちゃんをぎゃふんと言わせてやるんだから!」フンス

99: 2015/04/25(土) 09:02:42.90 ID:nhB5rl8B.net
真姫「はぁ、疲れた~」

真姫「あれ?もう開いてる……って」ガチャガチャ

真姫「そういえばにこちゃんが来たから鍵かけずに出ていったんだったわね」ガチャッ

キラキラキラキラ

真姫「ゔぇぇ!?」

真姫(ま、眩しっ!?)

真姫「ご、ごめんなさい!部屋間違えました!!失礼します!!」バタン!

真姫(疲れてて部屋間違えちゃった……!ていうかなんで鍵閉めてな……)

真姫「……あれ?」チラッ

にこ「まーきちゃん♪」ガチャッ

真姫「にこちゃん……?ってことは……」

にこ「部屋、間違ってないわよ~?」ニヤニヤ

真姫「ゔぇっ……」

真姫「ゔぇえええええええ!?」

108: 2015/04/25(土) 13:46:36.07 ID:nhB5rl8B.net
真姫「嘘でしょ!?この前まであんな魔界のドス黒いオーラが漂っていた部屋が、謎のキラキラオーラが出るようになるなんて……信じられない……」

にこ「ふふん♪ま、にこの手にかかればこれくらいヨユーよ♪」

にこ「あ、それともう一つ。真姫ちゃん、食生活も直せって言われてるんでしょ?」

真姫「え?まあ、言われてるわね」

にこ「そこで!このにこにーが!これから一週間の真姫ちゃんの食事を管理させてもらうわ!」ビシッ

真姫「管理って……冷蔵庫の中には何もないじゃない」

にこ「ええそうね。真姫ちゃんの冷蔵庫の中に何もなくてびっくりよ。それでいてカップ麺のゴミが散らばってるんだから、食生活を直せと言いたくもなるわよ。ていうかよく今までぶっ倒れなかったわね……」

真姫「うっ……」

にこ「ちなみに、食材はもう買ってあるから」

真姫「買ってあるって……お金は?」

にこ「とりあえずにこが出したけど、真姫ちゃん後で返してね~。はい、レシート♪」スッ

真姫「抜かりないわね……」

にこ「じゃ、私はこれから夕飯の支度するから~。お風呂は一応沸かしといたから入りたければどうぞ~」パタパタ

真姫「……ほんとに抜かりないわね。パーフェクト家政婦かしら」

124: 2015/04/25(土) 20:56:05.78 ID:nhB5rl8B.net
真姫「ん、美味しそうな匂い……」クンクン

にこ「真姫ちゃんいいタイミングにお風呂上がったわね♪今出来上がったところよ♪」

真姫「カレー?」

にこ「ちっちっちっ。ただのカレーじゃないわよ」

真姫「え?じゃあなによ?」

にこ「これはぁ、にこにーの愛情がたっぷり篭ったスペシャ」

真姫「はいはい。そーいうのいいから、早くご飯にしましょ」

にこ「ちょっとー!最後まで聞きなさいよー!」プンスカ

127: 2015/04/25(土) 21:08:54.93 ID:nhB5rl8B.net
にこまき「いただきまーす!」

真姫「……いただきますなんて言ったの、いつ振りかしら?」

にこ「いつ振りって……ご飯を食べる時は必ず『いただきます』と『ごちそうさま』を忘れちゃダメよ?真姫ちゃん」

真姫「はいはい。あむ」パクッ

真姫「これは……!!」ピクッ

にこ「ふふふ♪どう?にこにー特製ラブにこカレーのお味は?」ニコニコ

真姫「」パクッ、モグモグ……パクッ、モグモグ……

にこ「あ、あのう、感想が聞きたいにこー?」

真姫「」パクッ、モグモグ……

にこ「ま、真姫ちゃーん?いくらにこにーの特製カレーが美味しいからって、そんなに急いで食べたら喉に詰まらせて……」

真姫「……ぐすっ」ポロッ

にこ「えええっ!?な、なんで!?」ビクッ

130: 2015/04/25(土) 21:32:06.77 ID:nhB5rl8B.net
にこ「も、もしかして真姫ちゃんの口に合わなかった!?ごめんなさい!私の基準で美味しいカレーを作って……」

真姫「ううん。違うの」ウルウル

真姫「美味しい。凄く美味しい」

にこ「えっ!?そ、そーなの!?じゃあなんで泣いて……」

真姫「だって、大学入って、一人暮らしを始めて……ずっと、食事は適当に過ごしてたから……こんなにも美味しいものを食べたのは、久しぶりすぎて……感極まっちゃって……グスッ」

にこ「そ、そんな大袈裟な……びっくりしたわよ、急に泣き出すもんだから……」ホッ

真姫「ごめんねにこちゃん。でも、ほんとににこちゃんのカレー、美味しくって……」

にこ「ま、まあ当然よね!にこの料理の腕前を見くびってもらっては困るわ!」フフン

137: 2015/04/25(土) 22:27:31.48 ID:nhB5rl8B.net
真姫「それにしても、掃除も料理も完璧にこなせて、おまけに気配りもよく出来てて……にこちゃん、間違いなくいい嫁さんになるわね」

にこ「よよよよよよよ嫁!?」

真姫「そうね……私がもし男だったら、にこちゃんみたいな人がお嫁さんに欲しいわねー」

にこ「うぇぇぇ!?///」

にこ(な、なんで突然こんなこと言い出すのよこの子は!///)グルグル

真姫(ぷぷぷ……顔真っ赤にして、照れてるわね)

真姫(高校生の時はよくにこちゃんに赤面させられてたっけ……)

真姫(だけど今日は、私がにこちゃんを赤くする番なんだから!)

真姫「ねぇ、にこちゃん」

にこ「へ!?」ビクッ

真姫「私がにこちゃんをお嫁さんにもらってあげよっか?」

にこ「」

真姫「なーんちゃっt」

にこ「(無言のカレーダイブ)」ブクブク

真姫「にこちゃあああああああああああん!?」ビクゥ

139: 2015/04/25(土) 23:01:33.58 ID:nhB5rl8B.net
真姫「にこちゃん!キュウリパックも笑えなかったけどカレーパックの方が笑えないわよ!」グイッ

にこ「ご……ごめんごめん……ツインテールが滑ったにこ……」グチャア

真姫「滑ってるのはにこちゃんの頭のでしょ!あーもう!顔中カレーまみれじゃない!」フキフキ

にこ「ごめん……」シュン

真姫「もう……しっかりしなさいよね。ところで、火傷とかしてない?大丈夫?」

にこ「そこまでがっつり埋まったわけじゃないし、火傷はないわ」

真姫「ほっ……なら良かった」

真姫「でも拭いただけじゃ完璧に汚れが落ちないわね……匂いもするし。何よりにこちゃん自身、拭いただけじゃ気持ち悪いと思うだろうし、とりあえずお風呂に入ってきなさいよ」

にこ「うん。そうさせてもらうわ……」

144: 2015/04/25(土) 23:32:39.84 ID:nhB5rl8B.net
にこ「ごめんね真姫ちゃん……お風呂貸してもらっちゃって……」

真姫「いいわよ別に。ていうか、最初から貸してあげる予定だったし」

にこ「へ?貸してあげる予定?何よそれ!まさか私が顔面カレーまみれになることを予想してたっていうの!?」

真姫「違うわよ!そうじゃなくって、にこちゃんにはここに泊まってもらおうと思ってたのよ!」

にこ「えええええ!?」

にこ「いやいや!いいわよそんなの!きっと迷惑だし!帰らせてもらうわよ!失礼いたしました!」

にこ(泊まるって、心の準備とか出来てないんだけど!)

真姫「ダメよ」ガシッ

にこ「なんでー!?」ステン

真姫「にこちゃん、実は……」

にこ「な、なによ!?(何を言われるのー!?)」ドキドキ

真姫「最近、ここらへんで不審者が出没するらしいの」

にこ「……はい?不審者……?」

151: 2015/04/26(日) 00:12:00.70 ID:+FjL14xW.net
にこ「じゃあ、不審者が出て危ないから泊まっていけってこと?」

真姫「そーいうこと」

にこ「心配しすぎよ真姫ちゃん。不審者なんて……」

真姫「ところがそうは言ってられないのよ。実は、既に私の友人2人が不審者に遭遇しているわ。2人とも別々のタイミングに、同じ不審者にね」

にこ「え……?ま、マジ?」

真姫「2人の証言によると……不審者は青紫のハリガネでも入ったかのように形の崩れないコートを着て、おかしな髪型をしている……たとえるならほっかむりみたいな髪型」

にこ「ほ、ほっかむり?」

真姫「不審者は『瑠璃』という女性の名前を口にしながら、私の友人に詰め寄ってきたらしいわ」

にこ「な、何よそれ!ただのストーカーじゃないの?ていうか、私は瑠璃って人じゃないから問題な」

真姫「私の友人も、2人とも瑠璃という名前ではないわよ」

にこ「」

153: 2015/04/26(日) 00:23:32.40 ID:+FjL14xW.net
にこ「それって完全に不審者じゃない!」

真姫「ええ。不審者よ」

にこ「何なのよその不審者!危なすぎでしょ!警察は何やってるのよ!?」

真姫「噂によると……警察はその不審者を捕まえようとして、返り討ちにあったなんて話も……」

にこ「危ないってレベルじゃないでしょ!って、そんな危ない不審者に詰め寄られた真姫ちゃんの友だちはどうなったの!?」

真姫「ああ。その話の続きはあるわよ」

真姫「私の友人は、その不審者から必氏に逃げてて、そして……」

にこ「そして……?」

真姫「もう一人の不審者が現れてその不審者が追いかけてきた不審者を止めたらしいわ」

にこ「なんで増えてんのよ不審者!」

真姫「でもその不審者が助けてくれなければ相当危なかったらしいわ。いい不審者だとか」

にこ「不審者に良いも悪いもないでしょうが!」

真姫「まあ、これでわかったでしょ?相当危ない不審者が出没するって」

にこ「ええ……多少納得いかないところもあるけど。だいたい分かったわ……」

156: 2015/04/26(日) 00:52:37.38 ID:+FjL14xW.net
真姫「とにかく!私はにこちゃんを危険な目に合わせたくないの!」

真姫「にこちゃんを危険な目に合わせるのは、なんかイヤなの!!」

にこ「真姫ちゃん……」

にこ「つまり真姫ちゃんはにこのことが心配で心配で仕方がないと?」

真姫「ちちち違うわよ!///べ、別に心配とかじゃなくて!///不審者の危険性を考えた上で……」

にこ「もー真姫ちゃんったら、にこが可愛すぎて傷つけることができないくらい心配だなんて……」ポッ

真姫「誰もそこまでは言ってないわよ!」

にこ「同じようなものでしょ?」

真姫「全然違う!」

にこ「まあ、真姫ちゃんがらそこまで言うなら……真姫ちゃんの優しさに甘えて、今日は泊めさせてもらおうかな♪」ニコッ

真姫「うっ……」ドキッ

真姫「別に優しさとかそんなんじゃないし……///」カミノケクルクル

157: 2015/04/26(日) 01:02:25.80 ID:+FjL14xW.net
にこ「ってちょっと待って!!」

真姫「な、何よ今度は?」

にこ「……私はどこで寝ればいいの?」

真姫「私のベッドで寝ればいいじゃない」

にこ「じゃあ真姫ちゃんはどうするのよ?」

真姫「私はソファで寝るから大丈夫よ」

にこ「ソファって……」

真姫「心配は要らないわ。ぶっちゃけ、ソファで寝てることの方が多いのよ私」

にこ「どうりでソファの上にゴミが置いてないわけね……呆れた……」ハァ

真姫「う、うるさいわね!寝る準備するわよ!」

にこ「はいはい」

159: 2015/04/26(日) 01:09:07.23 ID:+FjL14xW.net
にこ「うわー、ふかふか。これならすぐ寝れそう♪」

真姫「そう。なら良かった。電気消すわね」パチッ

真姫「お休み、にこちゃん」ポフッ

にこ「お休み、真姫ちゃん」

にこ「……」

にこ(……あれ?ちょっと待って)

にこ「」クンクン

にこ「……」

にこ(これ……真姫ちゃんの匂い……よね……?)ドキドキ

にこ(やば……なんか、意識した途端に体が熱くなってきた)ドキドキドキドキ

176: 2015/04/26(日) 13:07:34.23 ID:+FjL14xW.net
にこ(いいや違う!これは真姫ちゃんの匂いじゃない!!これはベッドの匂いよ!ベッドそのものの匂いよ!だって真姫ちゃん、ソファで寝ることの方が多いって言ってたし!)

にこ(いやでも、多いってだけで別に使ってないわけじゃないから……)クンクン

にこ(って、ああああ゙あ゙あ゙!!なに匂いなんて嗅いでんのよにこ!!)ブンブン

にこ(落ちつけにこ!これはただの、真姫ちゃんの匂いがついただけのただのベッドだから!真姫ちゃんに抱きしめられてるみたいな感覚は無いから!)

にこ(そうだ!アルパカを数えましょ!アルパカを数えてれば寝れるってむかし誰かが言ってたもの!)

にこ(え~、アルパカが1匹、アルパカが2匹、アルパカが……)

177: 2015/04/26(日) 13:21:33.06 ID:+FjL14xW.net
にこ(アルパカが1789匹……)

真姫『にーこちゃんっ』

にこ(あ、真姫ちゃんだ)

にこ(真姫ちゃんが一人……)

真姫『にこちゃん♪』

にこ(真姫ちゃんがもう一人……)

真姫『にこちゃん♡』

にこ(照れてる真姫ちゃん……)

真姫『にこ……ちゃん……///』

にこ「って、なんでそうなるのよぉ!?」ガバッ

にこ「最後に至っては数えてすらいないし!なんで!?」

真姫「んん……」ムクッ

にこ「!?」

にこ(まさか……起こしちゃった……!あんだけ一人で喚いてたから……!)

181: 2015/04/26(日) 13:38:25.70 ID:+FjL14xW.net
真姫「……」スタスタスタ……ガチャッ、バタン

にこ(って……ただのトイレだったのね。にこのせいじゃなかったみたい)

ガチャッ

真姫「……」スタスタスタ

にこ(あ、あれ?気のせいかしら?真姫ちゃんがこっちに向かって歩いている気がするんですけど?目を瞑ってるから分からないんですけど!?)

真姫「んー……」ゴソゴソ

にこ「」

真姫「おやすみzzz……」スヤァ

にこ(真姫ちゃんの匂いで悶々としてたら本物の真姫ちゃんががががが)ドキドキドキドキドキドキ

190: 2015/04/26(日) 20:48:52.83 ID:+FjL14xW.net
にこ(つーか何がソファで寝ることが多いよ!寝ぼけてベッドに来てるじゃない!)

にこ(くぅぅ……!ベッドについた真姫ちゃんの匂いのせいで寝れなかったっていうのに、本体が来たんじゃ寝れるわけないじゃない!)ドキドキ

にこ(不幸中の幸いは、真姫ちゃんがにこにことくらい……)

真姫「んぅ……」ゴロン

にこ(寝返りうってきたぁあああ!?)ドキーン

真姫「zzz…」スヤァ

にこ(まままま真姫ちゃんの顔が目の前☆\$※〆%!?)グルグル

にこ(落ち着くのよにこ!!目を瞑ればなんともないから!!)スッ

真姫「zzz……」スヤァ

にこ「……」ドキドキドキドキドキドキ

真姫「ん……にこちゃん……むにゃむにゃ……」スヤァ

にこ「」

にこ(あばばばばばばばばばばばば)ドドドドドドドドド

191: 2015/04/26(日) 20:52:01.78 ID:+FjL14xW.net
にこ(つーか何がソファで寝ることが多いよ!寝ぼけてベッドに来てるじゃない!)

にこ(くぅぅ……!ベッドについた真姫ちゃんの匂いのせいで寝れなかったっていうのに、本体が来たんじゃ寝れるわけないじゃない!)ドキドキ

にこ(不幸中の幸いは、真姫ちゃんがにこに背を向けていることくらい……)

真姫「んぅ……」ゴロン

にこ(寝返りうってきたぁあああ!?)ドキーン

真姫「zzz…」スヤァ

にこ(まままま真姫ちゃんの顔が目の前☆\$※〆%!?)グルグル

にこ(落ち着くのよにこ!!目を瞑ればなんともないから!!)スッ

真姫「zzz……」スヤァ

にこ「……」ドキドキドキドキドキドキ

真姫「ん……にこちゃん……むにゃむにゃ……」スヤァ

にこ「」

にこ(あばばばばばばばばばばばば)ドドドドドドドドド

198: 2015/04/26(日) 22:09:57.87 ID:+FjL14xW.net
にこ(せっかく目を瞑ってたのに聴覚に訴えてくるのはやめて!なんか胸がキュンってなるから!)ドキドキドキドキ

にこ(こうなったらもうにこにー可愛いかのゴリ押しで無心になってやる!)

にこ(にこにー可愛いにこにー可愛いにこにー可愛いにこにー可愛いにこにー可愛いにこにー世界一可愛いにこにー宇宙一可愛いにこn)

真姫「んー……zzz……」ダキッ

にこ(ひょえあああああ!?)ビクッ

にこ(真姫ちゃんが、真姫ちゃんがなんかめっちゃ近いって言うか密着してるって言うかこれもう抱きしめられてるんですけどぉぉぉお!!)

真姫「ふふ……」ギュッ

にこ(もー!なんなのよ!私はこんなにドキドキしてるのにアンタは幸せそうにスヤスヤ寝ちゃってさ!)

にこ(……こんな幸せそうな顔されたら、動けなくなっちゃうじゃない)

にこ(今夜だけよ?今夜だけ特別に、にこが真姫ちゃんの抱き枕になってあげる)

にこ「……おやすみ、真姫ちゃん。いい夢見なさいよね?」

真姫「うん……zzz」ギュー

204: 2015/04/26(日) 22:51:59.05 ID:+FjL14xW.net
チュンチュン

にこ(うわ……朝が来た)

にこ(結局一睡もできなかった……まあ当たり前よね)

ピピピピピピピピ

にこ(目覚まし鳴ってるし……)

にこ「真姫ちゃーん。起きなさーい。目覚まし鳴ってるわよーー」ペチペチ

真姫「んっ……」パチ

にこ「おはよ。真姫ちゃん」

真姫「にこちゃん……おはよー……」ボーッ

にこ「真姫ちゃん、いい加減離してくれないと朝ごはん作れないんだけど」

真姫「んー……後5分だけ……」ギュッ

真姫「……」

真姫「ゔぇええええ!?ににににこちゃん!?なんでにこちゃんがここにいるのよ!?」

にこ「」カチン

にこ「それは……」プルプル

にこ「こっちのセリフじゃーーい!!」ガバッ

真姫「ゔぇぇ!?」ビクッ

206: 2015/04/26(日) 23:55:48.52 ID:+FjL14xW.net
真姫「え?何?なんで?」

にこ「なんで?じゃないわよ!元はと言えば寝ぼけたあんたがにこの寝床に潜り込んだんでしょーが!」プンスカ

真姫「寝床って……ここ、私のベッドなんだk……あ」

真姫「そ、そう言えば私、にこちゃんにはここで寝てって言ってたわね……」

にこ「そうよ!真姫ちゃんはソファで寝るって言ってたのに、寝ぼけてにこが寝ているベッドに潜り込んできたのよ!」

真姫「にこちゃん、さっき思い出したんだけどさ……」

にこ「ん?何よ?」

真姫「私、ソファで寝てたはずなのにいつの間にかベッドで寝てるってことがよくあるのよね……」

にこ「なんでそれをあの時思い出さなかったのよぉ!」

にこ「まったく……おかげで一睡もできなかったのよ!?」プイッ

真姫「そんなこと言われても……ていうか、一睡もできなかったって、そんなに私の寝相が悪かったの……?にこちゃんの睡眠を阻害する程に……?」

にこ「別に寝相が悪かったってわけじゃないけど……」

真姫「けど?」

にこ「うっ……と、とにかく寝れなかったの!///にこ、朝ごはんの支度するから!」バタバタ

真姫「……?」キョトン

210: 2015/04/27(月) 00:21:17.83 ID:Ac/QpkwE.net
にこ「出来たわよ~!」

真姫「わぁ……美味しそう」ゴクリ

にこ「真姫ちゃん朝ごはん食べるのなんて久しぶりでしょ?」

真姫「言われてみれば確かに……すっごく久しぶり」

にこ「真姫ちゃん、朝ごはんは重要なのよ?抜いたりしたらダメなんだから!」

真姫「でも時間もないし……」

にこ「だからこうしてにこがここにいるんでしょ?」

真姫「にこちゃん……」キュン

にこ「今日だけじゃないわ。この一週間はにこが真姫ちゃんの食事を管理してあげるんだから!」

真姫「そこまで私のことを考えてくれて……」ジーン

にこ「雇われた身だからね」

真姫「そ、そうよね……」シュン

にこ「……ま、まあ、あんな荒んだ食生活を見たら別に雇われなくても心配くらいはするけどね!」

真姫「にこちゃん……!」パァァ

211: 2015/04/27(月) 00:48:47.33 ID:Ac/QpkwE.net
にこ「真姫ちゃん、真姫ちゃんはこれから大学?」

真姫「ええそうよ。そういうにこちゃんは今日の予定は?」

にこ「今日はにこも午前中からレッスンがある予定だったんだけどねー」

真姫「だった?」

にこ「なんか急に予定変更して、午後からになって。午後はバイト入れてたんだけど……どうしようかなーって」

にこ「……ま、どちらにせよ。寝不足のにこにとっては、午前中が暇になったてちょっと寝れるからラッキーなんだけどね」

真姫「ごめん……」

にこ「別に、謝る必要なんてないわよ」

真姫「……にこちゃん」

にこ「ん?」

真姫「頑張ってね。私は応援してるから、にこちゃんのこと。……時間だし、行ってくる」スクッ

にこ「う、うん。行ってらっしゃい」

ガチャッ
バタン

にこ「頑張ってね、か……」

212: 2015/04/27(月) 00:56:31.72 ID:Ac/QpkwE.net
にこ「……もしもし」ピッ

にこ「実は今日、予定が……」

にこ「はい……はい」

にこ「……分かりました」

にこ「……はい。よろしくお願いします」ピッ

にこ「……はぁ」

にこ「やっぱり辛いなぁ……辛いよ……」ジワッ

にこ「真姫ちゃんが、羨ましいよ……」

213: 2015/04/27(月) 01:04:47.74 ID:Ac/QpkwE.net
真姫「あれ?鍵かかってる」ガチャガチャ

ガチャッ

真姫「ただいまー。にこちゃー……ん?」

真姫「置き手紙……なになに、今日の晩ご飯は作り置きしておいたから食べてね、にこにーは今日夜遅くなるけどちゃんと真姫ちゃんのところへ帰ってくるからねはぁと……」

真姫「夜遅くなるって、そんなに過酷なレッスンでも–––––」

真姫「……元々、アルバイトの予定があるって言ってたわよね」

真姫「レッスンの後、アルバイトに?あるいは–––––」

真姫「……」

真姫「にこちゃん、まさか……」

214: 2015/04/27(月) 01:13:26.64 ID:Ac/QpkwE.net
にこ「はぁ……」

にこ「ただいまー…真姫ちゃーん…」ガチャッ

真姫「やっと帰ってきたわね。この大バカにこちゃん」

にこ「……へ?な、何?どうしたのいきなり?」

真姫「いいから早く来なさいよ!」グイッ

にこ「ちょ!?ちょっと!なんなのよ!?」

真姫「はい!さっさと座る!」

にこ「は、はい……って、だから一体なんなのよ~!」

真姫「にこちゃん。私はまどろっこしい真似は嫌いなの」

にこ「は、はぁ……」

真姫「だから単刀直入に聞くわ」

真姫「にこちゃん。今日のレッスン、サボったんでしょ?」

にこ「っ……!」

真姫「……図星ね」

215: 2015/04/27(月) 01:26:50.69 ID:Ac/QpkwE.net
にこ「だ、だって仕方ないじゃない!元々予定があって!」

真姫「私の知ってるにこちゃんなら–––––たとえ予定があったとしても、アイドルを優先する筈だけど」

にこ「な、何よそれ!まるで知った風な口を」

真姫「にこちゃんは誰よりもアイドルが好きで、アイドルに一途で、アイドルに対して、とことんバカだった。知った風な口、ですって?今のあなたの方がよっぽど知った風な口をしてるわよ!」

にこ「なっ!」

真姫「ハッキリ言わせてもらうわ。にこちゃん……実はもう、アイドルを諦めたがってるんじゃない?」

にこ「っ!」

真姫「いつまで経っても、下っ端の下っ端で……どれだけ頑張っても日の目を見れなくて。もうアイドルなんて、嫌に–––––」

にこ「あんたに……」

にこ「あんたににこの何が分かるっていうのよ!!」

にこ「どれだけ頑張っても、報われなくて……もう頑張ることさえ辛いのよ……!苦しいのよ!アイドルって何?アイドルって、こんなに苦しいものなの?って、毎日毎日、ずっとそんなことを考えて……もう、もう……」ポロポロ

217: 2015/04/27(月) 01:35:04.21 ID:Ac/QpkwE.net
真姫「……だと思った」

真姫「ねぇ、にこちゃん。にこちゃんはなんでアイドルになりたいの?」

真姫「一流のアイドルになって、ステージで歌って踊りたいから?有名になって、チヤホヤされたいから?」

真姫「周りと比べて自分はすごく可愛い人間だと思われたいから?それとも……」

にこ「ち、違う!そんなんじゃない!」

真姫「じゃあ、何なのよ?」

にこ「それは……」

真姫「……昔ね、1人になってもアイドルを続けていた小さくて小生意気な先輩に、聞いたことがあるの。なんでアイドルになりたいのか?って」

にこ「え……?」

218: 2015/04/27(月) 01:48:40.11 ID:Ac/QpkwE.net
真姫『笑顔?』

『そ!笑顔よ!』

『私は、世界中のみんなを笑顔にしたい!だからアイドルを目指すのよ!』

『アイドルっていうのはね、笑顔を届けるのがお仕事なのよ!例えばこんな風に……』

『にっこにっこにー♪』

真姫『ぷ。またそれ?ほんと飽きないわね』

『とかなんとか言っちゃってー!真姫ちゃん笑ってるじゃない!』

真姫『ゔぇぇ!?違うわよ!これは苦笑い!』

『苦笑いも同じようなものでしょー!笑ってるじゃない!』

真姫『違うわわよ!全然!』

『同じよ!』

真姫『ちーがーうー!』

『おーなーじー!』

真姫『違う!』

『同じ!』

220: 2015/04/27(月) 02:07:32.52 ID:Ac/QpkwE.net
真姫『『ぷっ』』

真姫『『あはははははは!』』

真姫『まったく、なんでこんなくだらないことで言い合ってたんだろ』クスクス

『ほんとほんと。なんでこんなことで……ってほら!こんどこそ笑った!』

真姫『あ……ほんとだ……』

『ふふふ。笑顔って素晴らしいわよね』

真姫『え?』

『だって、笑顔の真姫ちゃん、とっても可愛いかったわよ?』ニヤニヤ

真姫『ゔぇぇ!?///突然なによ!?』

『真姫ちゃんだけじゃないわ。人間っていうのはね、笑顔の時が一番輝いて見えるの。だから私は、みんなを笑顔にして、この世界をキラキラ輝かせたいの!だから私は……アイドルになりたいの!』





真姫「あの時………夢を語っていたあの人は、すごく輝いて見えたわ。どんなに高い宝石よりも、ずっとキラキラしていた」

にこ「真姫ちゃん……」

221: 2015/04/27(月) 02:19:48.42 ID:Ac/QpkwE.net
真姫「にこちゃん、あなたにとってアイドルって何?」

にこ「にこにとって、アイドル……」

にこ「……」

にこ「すぅー……」

にこ「にっこにっこにー♪笑顔を届ける矢澤にこにこー♪」

にこ「……なんか久しぶりにやったわね。にっこにっこにー、って……」

にこ「ずっと忘れてた。研修生になってからは、みんなに負けたくないって気持ちばかりで。なんでアイドルになりたいのかなんてこと、すっかり忘れてた」

にこ「でも、今やっと思い出した」

にこ「にこは……にこがなりたいのは!この世界に笑顔を届けて、みんなをニコニコの笑顔にするスーパーアイドル!」

真姫「ふふ……そうよ。ようやく目が覚めたみたいね。矢澤センパイ」ニッ

にこ「グスッ……ばーか!センパイ禁止よ!バカマキっ!」ウルウル

246: 2015/04/27(月) 22:54:38.45 ID:Ac/QpkwE.net
にこ「ぐすっ……ありがと。真姫ちゃん。にこが忘れかけていたことを思い出させてくれて」

真姫「別に、感謝されるようなことはしてないわよ。私はただ、昔にこちゃんに言われたことをそっくりそのまま返しただけで、むしろ感謝したいのはこっちのほうなんだから」

にこ「え?」

真姫「覚えてない?昔、にこちゃんが私に言ったこと」

にこ「えっと……」

真姫「……あんたは何で医者になるの?」

にこ「……あ!」

真姫「思い出したみたいね」

真姫「あの時は……まだ答えが出なかったけど」

真姫「にこちゃんと出会って、にこちゃんの夢を知って……やっと答えを見つけ出せた」

真姫「今なら、答えることが出来る」

250: 2015/04/27(月) 23:44:02.74 ID:Ac/QpkwE.net
真姫「私は……笑顔を忘れてしまった人に、笑顔を思い出させたい」

にこ「笑顔を……思い出させる……?」

真姫「患者さんを見ててね……色々分かったことがあるの。重い病気、軽い病気……いろんな病がある」

真姫「病は、人の体も、心も蝕んでいく。そして、笑顔を忘れさせちゃうの」

真姫「だから、私がその人たちの病を治して、笑顔を取り戻させたい。もう一度、飛びっきりの笑顔が出来る、元気な体に治してあげたい。それが……私の夢」

真姫「親の意思とか、跡継ぎとか関係ない。私自身が、医者になりたいと思っている」

真姫「……にこちゃん出会わなかったら、人の”笑顔”なんて、きっと気にも留めなかった。医者になることが、夢になることもなかった」

真姫「だから、感謝してるの。にこちゃんに」

にこ「……素敵な夢ね。きっと叶うわ。にこが保証する」

真姫「そううまくいくかしら?」

にこ「大丈夫よ。だって現に、にこの笑顔を取り戻させてくれたじゃない」ニコッ

真姫「ふふ。カウンセリングは専門外なんだけどね?」

にこ「あら、そこいらのカウンセラーよりよっぽどセンスがあるのに。もったいなーい」

にこまき「ぷっ」

にこまき「あはははははは!」

251: 2015/04/27(月) 23:52:03.19 ID:Ac/QpkwE.net
にこ「ねぇ真姫ちゃん、にこは絶対にアイドルになってみんなを笑顔にしてみせる」

真姫「私だって、一流の医者になってみんなに笑顔を思い出させてみせるんだから」

にこ「じゃあ、約束しよ!絶対に夢を叶えるって」ギュッ

真姫「ええ」ギュッ

にこまき「ゆびきりげんまん嘘ついたらはりせんぼんのーます!」

にこまき「ゆーびきった!」

253: 2015/04/28(火) 00:08:06.80 ID:W4yoQInH.net
チャプ……

真姫「ふー……」

真姫「……一週間、かぁ」

真姫「……」ブクブクブクブク……

真姫(短すぎでしょ……)

真姫(もっと一緒に居られたらなー……)

真姫(いっそ、2人で暮らしましょう?)

真姫(なーんて言えるわけないし……)

真姫(あーあー……にこちゃんが、お金で買えたらなー)

真姫(……そんな馬鹿なこと考えても仕方ないわよね。ここは日本だし)

真姫(せめて、この一週間だけは……にこちゃんと居られる時間を、大切にしていきましょう……)

真姫(そして……願わくば、高校時代に伝えられなかった気持ちを–––––)

256: 2015/04/28(火) 00:36:30.55 ID:W4yoQInH.net
真姫(と思ったのも束の間)

真姫(一週間という短い時間はあっという間に過ぎていって、いつの間にか最後の日が訪れた)

真姫(明日にはパパが来る。その時にはもう、にこちゃんは帰っているだろう)

真姫「はぁー……」

にこ「なーに溜め息なんかついちゃってんのよ。幸せが逃げていくわよ~?」

真姫「幸せが逃げていく、ねぇ……あながち間違ってなかも」

真姫「にこちゃん、今日だけは泊まっていくのよね?」

にこ「まあ、そうね。明日の朝にはここを出ていくわ」

真姫「そっか……」シュン

にこ「なによー?にこにーと離れ離れになるのが寂しいのー?」ニヤニヤ

真姫「べ、別にそういうわけじゃ……」

真姫「……ねぇ、にこちゃん。最後の日だし……私のワガママ、聞いてくれる?」

257: 2015/04/28(火) 00:44:49.80 ID:W4yoQInH.net
にこ「お、お邪魔します……」チャプッ

真姫「い……いらっしゃい」

にこ「……」ドキドキ

真姫「……」ドキドキ

にこ「……お」

にこ「お風呂に一緒に入ってだなんて、真姫ちゃんってやっぱり寂しがりやなのね」

真姫「……」

にこ「な、なんか言ったらどうなの!?」

真姫「……だって、否定は出来ないもの」

にこ「そ、そっか……」

にこ(なんか、妙にしおらしくて調子狂うんですけど……)

259: 2015/04/28(火) 01:13:51.72 ID:W4yoQInH.net
真姫「狭いわね……」

にこ「そ、そうね」

真姫「狭いけど、居心地はわるくないわ」

にこ「……真姫ちゃん、なんで急に、一緒にお風呂に入ってなんて言ったの?」

真姫「最後の日だし……にこちゃんと一緒にいられる時間を増やしたかったから」

にこ「や、やけに素直ね……」

真姫「努力しているからね。言っておくけど、寝るのも今日は一緒だからね」

にこ「はいはい。真姫ちゃんってばほんと寂しがり屋さんね~」

真姫「……あのさ、にこちゃん」

にこ「ん?」

真姫「どうせなら、今やってるバイトやめて……私のところにずっといなさいよ」

にこ「うぇ!?そ、それは……」

真姫「給料も断然いいし、寝床もお風呂もぜんぶ無料で提供する。時間に余裕が出来るから、アイドルにも専念出来るし。そこら辺のアルバイトなんか目じゃないほどの好待遇よ?」

にこ「う……で、でも……」

真姫「……なーんてね。冗談よ。言ってみただけ」

真姫「分かってる。私たちはこれから、1人で自分の夢に向かって歩いていかなくちゃならないってことくらい」

真姫「ただ……」

真姫「最後に、ちょっとだけ……甘えてみたかっただけよ」

にこ「真姫ちゃん……」

261: 2015/04/28(火) 01:26:43.46 ID:W4yoQInH.net
にこ「お風呂も窮屈だったけど……ベッドもなかなか窮屈ね」

真姫「私は全然窮屈じゃないけど」ギュー

にこ「そりゃ真姫ちゃんは抱きしめる側でにこは抱きしめられる側だからね」

真姫「にこちゃん、私、お話しがしたい」

にこ「何を話すのよ?」

真姫「昔話。ていうか、μ'sの話。みんなの話とか。とにかく色々」

にこ「μ'sの話、かぁ。ふふ。いろいろありすぎて……なんかすっごく長くなりそう。もしかしたら真姫ちゃん、今夜は眠れないかもよ?」

真姫「いいわよ。むしろ今夜は、寝かせないつもりなんだから」ギュッ

にこ「とことん甘えたいってわけね」

真姫「悪い?」

にこ「全然。むしろ嬉しい」

真姫「じゃあ、何から話そっか?」

にこ「そうね……じゃあ、まずは–––––」

262: 2015/04/28(火) 01:44:58.87 ID:W4yoQInH.net
真姫「……」ウトウト

にこ「ふわぁぁ……すっごく話したわね……昔話でこれだけ語れるってすごいわね」

にこ「って、寝かせないって言ってた割には真姫ちゃんもう寝ちゃいそうじゃない」

真姫「眠くなんかないし……」ウトウト

にこ「ウトウトしてるくせによく言うわね」

真姫「にこちゃん……」

にこ「なぁに?」

真姫「にこちゃんが卒業してから、にこちゃんにずっと会えなくて、連絡もとれなくて……ずっと寂しかった……」

真姫「だから…久しぶりににこちゃんに会えた時、すっごく嬉しかった……」

真姫「にこちゃんが少しの間、私と一緒に居てくれることになって……また嬉しくなって……」

真姫「にこちゃんと一緒にいる時間は……本当に幸せだった……」

真姫「この幸せは手放したくない……私はにこちゃんとずっと一緒にいたい……だけど……それは私のワガママ……」

真姫「私はもう……子どもじゃないから……ワガママは卒業しなきゃいけないの…」

真姫「だから……」

真姫「頑張って……ね……にこちゃ……応援……してる……から…………」

真姫「……」スー…スー…

にこ「……ありがと。真姫ちゃん」

にこ「私も真姫ちゃんのこと、応援してるからね……」ナデナデ

にこ「おやすみなさい。真姫ちゃん」チュッ

264: 2015/04/28(火) 01:55:13.61 ID:W4yoQInH.net
チュンチュン

真姫「zzz……」スヤスヤ

にこ「zzz……」スヤァ

ピンポーン

真姫「ん……」ゴソゴソ

ピンポピンポーン

真姫「うるさいわね……」モゾモゾ

ピンポピンポピンポーン

真姫「無視無視……」ゴロン

「真姫ー!開けなさーい!!」ドンドン

真姫「ゔぇぇ!?ぱ、パパぁ!?」ガバッ

真姫「今何時だと思ってるのよ!いくらなんでも早すぎでしょ!」

真姫「にこちゃん!起きて!」ユサユサ

にこ「ふぇぇ?なによぉ?」ゴシゴシ

真姫「パパが来たの!悪いけど……ちょっとの間だけ隠れてて!」

266: 2015/04/28(火) 02:06:56.77 ID:W4yoQInH.net
ガチャッ

真姫パパ「おお!やっと空いたか!」

真姫「パパ!今何時だと思ってるのよ!?早すぎよ!」

真姫パパ「いやー、すまんな。少し予定が入ってしまって……こんな時間にしか来れなくなってしまってな」

真姫「だったら無理して来なくても……」

真姫パパ「そうはいかんさ。この目できちんと確かめなくてはならないからな。真姫の生活がきちんと正されているかどうかを……」

真姫パパ「な、なんだこれはぁ!?」

真姫「どう?」ドヤァ

真姫パパ「部屋が……一週間前とは全然違う!輝いて見えるではないか!」

真姫パパ「凄いぞ!真姫!よくここまで綺麗にした!」ジーン

真姫「ふっ。当然よ。私の手にかかればちょろいもんよ」ドドドヤァ

にこ(潜伏中)(堂々と胸張って嘘ついたわね。誰が掃除してあげたと思ってるのよ誰が)

にこ(しかし……あれが真姫ちゃんのパパね。初めて見たけど……)

にこ(真姫ちゃんにそっくりね。雰囲気が)

267: 2015/04/28(火) 02:14:12.48 ID:W4yoQInH.net
真姫パパ「しかし!いくら部屋が綺麗になったからと言って食生活が改善されてなくては……」

真姫「昨日(にこちゃんが)作ったやつのあまりがあるけど、食べる?」

真姫パパ「なんだと!?食べる!食べるぞ!」

真姫「はい」

真姫パパ「」パクッ

真姫パパ「」モグモグ……

真姫パパ「……うまい」

真姫パパ「美味しいぞ!真姫!」

真姫「ふふ。口にあって何よりだわ」

にこ(ありがとうございまーす)

真姫パパ「真姫……何時の間にか、料理も出来るように……成長したんだな……!」ジーン

真姫「まあね」ドヤッ

にこ(だまされちゃダメよパパさん。その子本当は料理も掃除も出来ないから)

268: 2015/04/28(火) 02:25:17.74 ID:W4yoQInH.net
真姫「掃除もしたし、食生活も改善したし。これで自宅通いに戻す件は無し、でいいわよね?」

真姫パパ「うむ。そうだな。これだけ出来ていれば、一人暮らしを継続させてもいいな」

真姫パパ「だぁが!これで終わりではないぞ!真姫!」

真姫「終わりじゃないって……どういう意味よ?」

真姫パパ「そのままの意味だ。今はこうして、私の警告があったから部屋を綺麗にし、食生活を正したが……」

真姫パパ「これから先、また部屋が散らかり、食生活が乱れるかもしれん。つまりだ、今の正しい食生活と部屋の清潔さを保っていかなければならないということだ!」

真姫「ゔぇぇ!?」

真姫パパ「とりあえず、今日は合格だ!いずれまたここに来るぞ!しかも今度は何時来るかの予告は無しだ!もし次来た時に部屋が汚なかったり食生活が乱れていた場合は……即自宅通いになってもらう!」

真姫「ゔぇぇ……」

真姫パパ「おっと。そろそろ時間だ。私はもう行かねばならん。次会える日を楽しみに待っているぞ!真姫!」

ガチャッ

バタン

270: 2015/04/28(火) 02:34:39.73 ID:W4yoQInH.net
真姫「そんな……また来るなんて……」

にこ「まーきちゃん♪」ヒョコッ

真姫「にこちゃん!」

にこ「隠れながら聞いてたわよ~?真姫ちゃんのパパ、またチェックしに来るらしいわね~」

真姫「ま、まあ……」

にこ「真姫ちゃんのことだし、すぐに部屋を散らかすだろうし、カップ麺ばっかり食べるようになっちゃうわよね~間違いなく」

真姫「うっ……」

にこ「でも、にこがいればそんなこと無いわよね?」

真姫「え……?それって……」

にこ「延長……してあげてもいいけど?」

真姫「にこちゃん……!」パァァ

真姫「じゃ、じゃあ延長!延長しちゃうんだから!」

にこ「まったくー!仕方ないわねー!」

真姫「にこちゃん!」

真姫「これからも……よろしくね!」ニコッ

にこ「うん♪よろしくっ♪真姫ちゃん♪」ニコッ


つづく

272: 2015/04/28(火) 02:36:14.24 ID:W4yoQInH.net
とりあえずおわりみたいな感じ

だけどやりたいことやり残したことがあるから暇があれば書きたい

303: 2015/04/29(水) 22:19:01.29 ID:9U/c22n5.net
にこ「よいしょ……っと」

にこ「ふー。引越し完了♪」

真姫「……なんか、一気に部屋が煩くなったわね」

にこ「それを言うなら賑やかになった、でしょ?」

真姫「ふふ。そうかもね」

真姫「あのさ……にこちゃん、本当に良かったの?」

にこ「何よ今更?」

真姫「だって、なんか私のワガママに付き合わせちゃったみたいで……」

にこ「馬鹿ねー。これはにこのワガママでもあるのよ?」

にこ「にこだって……真姫ちゃんと、まだ一緒に居たかったんだし///」プイッ

真姫「にこちゃん……」キュン

306: 2015/04/29(水) 22:36:32.25 ID:9U/c22n5.net
にこ「そ、そんなことより!///真姫ちゃん、今日の晩ご飯は何を」

真姫「パスタ」スパッ

にこ「早っ!」

真姫「今日は朝起きた時から決めてたのよ。にこちゃんが作ってくれたパスタを食べたいって」

にこ「朝からって……はっ!」

にこ「それって~、もしかして朝からずっと楽しみで楽しみで仕方なかったって意味?」ニヤニヤ

真姫「ちっ、違うわよ!///」

にこ「真姫ちゃんったら可愛いー♪そんなにパスタを楽しみにしてたなんて……」

真姫「だから!違うわよ!別に、パスタが楽しみだったわけじゃなくて……」

真姫「にこちゃんと正式に二人暮らしを初めてから、一番最初に食べるごはんだったから……楽しみにしてたのよ」プイッ

にこ「まっ、真姫ちゃん……!」キュン

にこ「真姫ちゃん、髪がトマトみたいに真っ赤」

真姫「髪じゃなくて顔……ってそうじゃなくて!元からよ赤いのは!」

真姫「……トマト、使いなさいよね」

にこ「もちろん♪」ニコッ

308: 2015/04/29(水) 23:07:43.38 ID:9U/c22n5.net
にこ「真姫ちゃーん♪出来たわよー♪」

にこ「真姫ちゃーん?」パタパタ

にこ「あら?」

真姫「……」ジー

にこ「なに見てんの?」

真姫「……」

にこ「もしもーし」ヒョイ

テレビ「キャアアアアアアア!」

にこ「」

にこ(し、心霊番組~!?)

にこ「あ、あのー、真姫ちゃーん?晩御飯出来たんだけどー?」ダラダラ

真姫「……」

にこ「あ……も、もしかしてテレビ見終わった後食べる?なら待つわよ?テレビ終わるまでじゃあにこはその間お風呂にでも入っ」ガシッ

真姫「……だめ」

にこ(つ、捕まった~!!)ダラダラ

318: 2015/04/30(木) 00:12:50.51 ID:evypt/Ln.net
にこ「ああああの真姫ちゃん?掴まれてたらお風呂に入れないんだけどまさかとは思うけど一緒に見ろと?」ダラダラ

真姫「」コクン

にこ「ええええ一緒にってもしかして真姫ちゃん1人で見るのが怖 真姫「にこちゃん、まさかとは思うけど心霊番組とか苦手なの?」そそそそんなわけないじゃないむしろ得意だし大好きだし!」アセアセ

真姫「じゃあ、隣に来て一緒に見てよ」ポンポン

にこ「いいいや、でもさ料理冷えちゃうわよ?」

真姫「あっためればいいじゃない。それに、にこちゃんの料理は冷めても美味しいから問題ないわ。だから」ポンポン

にこ「うっ……そこまで言うなら、仕方ないわね……」ストン

にこ(ああああどうしよう結局断れなかったぁあああ!)ガクブル

にこ(い、言えない……心霊番組とか氏ぬほど苦手だなんて、言えないっ!)ウルウル

319: 2015/04/30(木) 00:38:55.02 ID:evypt/Ln.net
にこ「ひっ!」ビクッ

にこ(うぅ……情けない声が……でも仕方ないじゃない!怖いものは怖いんだから!)

真姫「……」

にこ(ていうかなんで真姫ちゃんは無表情!?怖くないの!?なんでにこを隣に座らせたの!?)

にこ(まさかとは思うけど、にこの怖がる姿を見るためとか?)

にこ(ええい!そんな理由だったらもうやってらんない!私は逃げるわよ!)

にこ「あの、真姫ちゃん?」

真姫「……」

にこ「真姫ちゃーん?聞こえてる?」

真姫「……」

にこ「もー!無視しないでよ!」ホッペッタツン

真姫「ゔぇぇぇぇえええええええ!?」ビクゥゥウッ

にこ「ひぃっ!?な、なにっ!?」ビクッ

321: 2015/04/30(木) 00:58:58.43 ID:evypt/Ln.net
真姫「お、おどかさないでよ!!」ウルウル

にこ「おおおおどかしたのはそっちでしょ!!なんで急に大声……ってあれ?真姫ちゃんやっぱり怖いの?」

真姫「そ、そんなわけ……なくはない、けど……」

にこ「……ふーん。なぁんだ。やっぱり怖いのね」

真姫「怖くなんか……!」

にこ「いいのよ強がらなくて。にこだって、ほんとは怖かったし……」

にこ「真姫ちゃんずっと無表情だったから、てっきり怖がってないかと思ったけど……」

にこ「って!!よく考えたらそんなに怖かったならテレビ消せばいいだけの話じゃない!!」

真姫「……い、言われてみれば確かに」メソラシ

にこ「まったく……それじゃあ消」

テレビ「この海老のような髪型をした少年をよく見ていただきたい」

にこ「ん?」

真姫「ちょっと!何やってんのよ!早く消s」

テレビ「少年のそばに、青白い幽霊の姿が……」

真姫「う、嘘……いる!?青白いのが!?」ビクッ

にこ「そ、そんな……わけ……」

真姫「ゔぇぇぇええええええ!!」ダキッ

にこ「きゃああああああああ!!」ダキッ

にこ「何あれ!?何あれ!?」ガタガタ

真姫「知らないわよぉ!」ガタガタ

328: 2015/04/30(木) 11:31:45.89 ID:evypt/Ln.net
にこ「いやー、昨日はいいものを見たわね。真姫ちゃんがあんなに怖がりだなんて」ニヤニヤ

真姫「にこちゃんこそ終始ビビりっぱなしだったじゃない」ニヤリ

にこ「はぁぁ?真姫ちゃんの方がビビってたんですけどー?」

真姫「にこちゃんってばずっと震えながら私の手を握ってたわよねー?」

にこ「真姫ちゃんってば怖すぎて無表情だったのよねー?」

真姫「それは関係ないでしょ!」

にこ「関係なくないわよ!大アリよ!」

にこまき「ぐぬぬぬ!」

にこ「……ぷっ」

真姫「……ふふっ」

にこ「真姫ちゃん、こうしてくだらないことで言い合いになるのって、久しぶりよね?」クスクス

真姫「そうね。何年ぶりかしら?」フフフ

329: 2015/04/30(木) 11:57:44.23 ID:evypt/Ln.net
にこ「ねぇ真姫ちゃん、大学生活はどう?2年生になって変わったこととかある?」

真姫「まだはじまったばかりだし、よく分からないわ。強いて言うなら、一年生の頃より専門科目が増えたことくらいかしら?」

にこ「へぇ。大変そうね」

真姫「まぁ、大変なのは一年生の頃から変わらな……」ピキーン

真姫(そうだ、これを口実にして……)

真姫「にこちゃん、私にお弁当作ってくれない?」

にこ「ふぇ?何よ突然?弁当?」

真姫「学食はあるけど、お金もかかるし、何より食堂が混み合ってることがよくあるから、弁当の方がいいなって思ったのよ」

にこ「お金がかかるって……それお金を持ってる真姫ちゃんが言っても説得力がないわよ?まあ、後者は分からないことはないけど……混み合う前に食堂に行けないの?」

真姫「さっき言ったでしょ?2年生になって忙しくなるって」

にこ「なるほどねー。確かに弁当の方がいいかもしれないけど……」

真姫「けど?」

にこ「もっと別の理由があるんじゃない?例えば……」

にこ「愛しのにこにーの手作り弁当が食べたい~♪とか?」ニヤニヤ

真姫「べべべべ別にそんなんじゃないわよ!!///時間が無いからだし、ましては愛しくなんかないわよっ!///」

にこ「またまた~♪照れちゃって♪」クスクス

真姫「う、うるさいわね!///時間になったしもう私は行くからねっ!」バタバタ

にこ「はーい♪行ってらっしゃーい♪」

ガチャッ
バタン

にこ「弁当かぁ。まずは弁当箱をどうするか……」

330: 2015/04/30(木) 12:34:45.98 ID:evypt/Ln.net
翌日

真姫「あの……にこちゃん、さっきから朝ごはん以外に何か作ってるみたいだけど、何作ってるのかしら?」ソワソワ

にこ「ふふふ♪内緒♪」

真姫「何それ。意味わかんない」ソワソワカミノケクルクル

にこ「まあ、すぐにわかるわよ♪ていうか、これで完成♪」

にこ「はい、真姫ちゃん♪にこにー特製すぺしゃる弁当よ♪」ニコッ

真姫「にこちゃん……」ズキュン

真姫「ありがと、にこちゃん。これなら今日一日頑張れそう」ニコッ

真姫「いってきます」

にこ「行ってらっしゃーい♪」フリフリ

ガチャッ
バタン

にこ「……まさか、昔買ったにこには大きすぎた弁当箱がこんなところで役に立つなんてね~」フフ

にこ「これも運命だったりして……」チラッ

にこ「……あと3日かぁ」

にこ「さてと、洗濯物干したらにこも出発しなきゃ」パタパタ

342: 2015/04/30(木) 23:19:40.61 ID:evypt/Ln.net
翌日

にこ「うーーん……」

にこ「どうすればいいのかなー……分からないなー……」

にこ「こうなったら……直接真姫ちゃんに聞くしか無さそうね」

343: 2015/04/30(木) 23:29:56.68 ID:evypt/Ln.net
にこ(と、いうわけで)

にこ(真姫ちゃんが今すぐそばにいて、あのことを聞く絶好のチャンス、なんだけど……)

にこ(どうやって聞き出そうかなぁ)

にこ(ストレートに聞いたらバレちゃいそうだし、かと言って遠回しすぎても意味がないだろうし……)

にこ(ギリギリスレスレ、バレないラインで……)

にこ「あのさ真姫ちゃん?」

真姫「?」コーヒーズズッ

にこ「真姫ちゃんの好きなものってなに?」

真姫「ぶーーー!」ブー

にこ「」ビチャビチャ

真姫「げほげほっ!急に変なこと聞かないでよ!///」

にこ「いや……何も変なこと聞いてないんだけど」フキフキ

345: 2015/04/30(木) 23:43:24.67 ID:evypt/Ln.net
真姫「……で?私の好きなものを知りたいのね?」

にこ「うん」

真姫「なんで?」

にこ「えっ!?それはその……」モジモジ

真姫「……」

真姫(ま、間違いないわね……この反応……)

真姫(にこちゃんは間違いなく、遠回しに私に好きな人がいるかどうかを聞いてる……!)ゴクリ

にこ(なんかガン見されてるし……まさか、バレだ?)

真姫(だけどまだ確定したわけじゃないわ……探りを入れましょう)ドキドキ

にこ「あ、あの……真姫ちゃん?」

真姫「にこちゃん。私は、トマトが好きよ」

にこ「う、うん。出来れば食べ物じゃない方が嬉しいです、はい」

真姫(確定……した、わね……)ドキドキドキドキ

にこ(な、なんか睨まれてる……?まるで獲物を狙う女豹……ってにこ何か悪いことした?)ドキドキ

346: 2015/05/01(金) 00:04:18.11 ID:gMPY9DmZ.net
真姫(でも……どう答えるべきかしら?)

真姫(どうせなら、クールに答えてあげるのがデキル女よね)

真姫「……にこちゃんのツインテールってさ、なんかうさぎみたいよね?」

にこ「え?そう?」

にこ(いうほどうさぎかしら?ていうか唐突きなんなの?)

真姫「あ、うさぎといえば。私、うさぎが好きなのよね」

にこ「!!」

真姫(ふっ。決まったわ。にこちゃんたら乙女みたいな顔しちゃって……)

にこ(うさぎって……そんな可愛いものが好きだなんて真姫ちゃん可愛い……)

にこ「ありがと。真姫ちゃん。いいことが聞けたわ」ニヤニヤ

真姫「そ、そりゃどーも」ドキドキ

にこ「さーてと♪晩御飯の支度しなくっちゃ♪」パタパタ

真姫「……あれ?」

真姫(何か、腑に落ちないんだけど……なんでだろ)

真姫(うーん……意味わかんない)モヤモヤ

349: 2015/05/01(金) 00:28:59.23 ID:gMPY9DmZ.net
翌日

にこ「ふふーん♪昨日はようやく真姫ちゃんの好きなものを聞けたし、早速買いに行きましょっと♪」ルンルン

にこ「っていや待てよ……うさぎって、何をどうすればいいの?」

にこ「うさぎさんを飼うとか?でもここって確か動物を飼っちゃいけないのよね……」

にこ「うさぎのぬいぐるみとか?いや、あの歳でぬいぐるみって……」

にこ「……以外と喜ぶかもしれない」

にこ「で、でも流石に気が引けるわね……」

にこ「あああああどうしよう!可愛い真姫ちゃんは見れたけどこれじゃ結局詰んでるじゃない!」

にこ「こうなったらもう……最終手段ね。恥ずかしいけど……あれを使うしかないわ」

にこ「あの時は無理だったけど……今ならきっと、大丈夫よね?」

にこ「頑張れ、私!」

にこ「……あ。せっかくうさぎが好きって知ったんだし、何かにうさぎをいかせないかしら?」

にこ「はっ!そうだ!これならきっと、真姫ちゃん驚くこと間違いなしだわ♪」

350: 2015/05/01(金) 00:54:06.72 ID:gMPY9DmZ.net
さらに翌日

真姫「ただいまー」

シーン……

真姫「電気付いてないし、誰もいないのかしら……?」ガチャッ

真姫「はぁ。なんで今日に限っていないのよ、にこちゃんのばか……」パチッ

パン!!

真姫「ゔぇっ!?」

にこ「真姫ちゃん!誕生日おめでとー♪」

真姫「に、にこちゃん居たの!?ていうか誕生日って!?覚えてたの!?」

にこ「当たり前でしょ!忘れるわけがないじゃない!」

真姫「にこちゃん……」

真姫「って、ゔぇええええええ!?な、なんて格好してんのよ!?///」

にこ「ふふーん♪うさぎコスよ♪可愛いでしょ?」フリフリ

真姫「ううううさぎって…………」ドキドキ

にこ「ほんとはバニーやりたかったんだけどねー。なんかサイズがまったく合わなくて」

真姫「あっ……」

352: 2015/05/01(金) 01:06:18.46 ID:gMPY9DmZ.net
真姫「それにしても……すごい本格的ね。ここまでしてくれるなんて……」

にこ「だって、にこはまだ、真姫ちゃんの誕生日を祝ったことが無かったから……」

にこ「初めて真姫ちゃんの誕生日を祝うからっていうのもあるし、それに……今まで連絡もまったく取らなかったし、会うことも無かったから……今まで祝えなかったぶんも、存分に祝ってあげようって、そう思ったら、つい気合いが入っちゃって……」

真姫「にこちゃん……」

にこ「こ、今年だけなんだからね!///来年からはフツーなんだから!///」

にこ「そんなことより!早く初めましょうよ!真姫ちゃんの好きな食べ物、たくさん用意したんだから!」

真姫「……ありがと、にこちゃん。なんかもう、すごく嬉しくて……ぐすっ」

にこ「まだありがとうを言うのは早いわよ真姫ちゃん!これからが本番なんだから♪」

真姫「うん……!」

354: 2015/05/01(金) 01:18:30.13 ID:gMPY9DmZ.net
にこ「はい真姫ちゃん♪あーん♪」

真姫「あー……ってやらないわよ!///」

にこ「何よ釣れないわねー。今日くらいいいでしょ別に。はい、あーん♪」

真姫「う……」ドキドキ

真姫「あ、あーん……///」

真姫「」パクッ、モグモグ……

にこ「どうですかー?にこにー特製ラブにこケーキのお味は?」

真姫「ふ、ふん!///まあまあかなりすごく美味しいわねっ!///」

にこ「ありがとーございます♪」ニコニコ

356: 2015/05/01(金) 01:29:19.94 ID:gMPY9DmZ.net
にこ「さーて!ケーキも食べたしプレゼントのお披露目!お楽しみはこれからよ!」ガサゴソ

真姫「は、早くしなさいよ」ワクワクカミノケクルクル

真姫(プレゼント……すっごく気になる……)

にこ「真姫ちゃーん、ちょっと目を瞑って、左手を出して欲しいぴょこ」

真姫「な、なんでよ?そもそもぴょこってなに?」

にこ「いいから早くするぴょこ!」

真姫「なんなのよもー……」スッ

にこ「……」ドキドキ

スルッ

真姫「えっ!?」ビクッ

真姫「にこちゃんこれって……」ドキドキ

にこ「え、えーっと……」

にこ「ペアリング……です……///」

360: 2015/05/01(金) 01:48:59.02 ID:gMPY9DmZ.net
真姫「ええ!?ペアリングって!?ええ!?」パチッ

にこ「ああああああ!まだダメよ真姫ちゃん!目を開いちゃ……///」

真姫「にこちゃん……」

にこ「あーもう!見ないで!いま、とても見せられるような顔じゃないから!///」

真姫(すごい、真っ赤。顔隠しても溢れるくらいに、伝わってくる……)ドキドキ

にこ「ううぅ……ほんとは、高校生の時の、クリスマスに渡そうと思ってたのよ。でもなんだか恥ずかしくて渡せなくて……」

にこ「それで、この機会を借りて……渡すことは出来た。のはいいけど……」

にこ「や、やっぱり恥ずかしい!!こんなに恥ずかしいのは初めてで、にこもう……爆発しそう……///ていうか、できることなら爆発したいわよ!///」

真姫「にこちゃん」ギュッ

にこ「まままま真姫ちゃん!?」ドキーン

真姫「顔、近くで見せて?」グイッ

にこ「あうっ」ビクッ

にこ「あわあわあわわわわ……///」プシュゥゥゥ……

真姫「にこちゃん……すごく可愛いわよ」

にこ「なななななに言ってんのよ当然でしょ!///」

にこ(近い近い近い近い!)ドキドキドキドキ

真姫(ああ……もう、あなたのすべてが愛おしい)

真姫(好きって気持ちが溢れて、もう……我慢できそうにない)

真姫(だって、私はにこちゃんのこと…高校生の時から、ずっと……ずっと……………)

チュッ

378: 2015/05/02(土) 22:06:40.91 ID:MTW4VXq2.net
にこ「えっ……」

にこ「い、いま……えっ!?ままままま真姫ちゃん!?///」ドキドキ

真姫「? どうしたのよ?」

にこ「い、いや、どうしたのじゃなくって……ま、真姫ちゃん、さっきにこに……ききき、キスを……!///」

真姫「え?キス?キスって…………」

真姫「あ!?ち、違うの!さっきのは嬉しくなって、つい!!な、なんていうか、挨拶代わりっていうか、お礼代わりっていうか!!」アタフタ

にこ「あ、挨拶代わりに唇にキスって、普通にするものなの?」ドキドキ

真姫「そ……それは……」

にこ「……ねぇ、真姫ちゃん。もしかして、にこの勘違いじゃなければ–––––」

真姫「ご、ごめん!ごめんなさい!!」

にこ「真姫ちゃん……?」

真姫「ちょ、調子に乗りすぎたみたい。にこちゃんの驚く顔が見たいからって、ついやりすぎて!!」

真姫「嫌な思いさせちゃって、ほんとにごめんなさい!」

にこ「い、嫌な思いなんてしてない!だって、にこは–––––!」

真姫「……ダメよ」

にこ「……え?」

真姫「ダメ、なのよ……にこちゃん……」ウルウル

380: 2015/05/02(土) 22:46:40.93 ID:MTW4VXq2.net
にこ「ダメって……何がダメなのよ!?」

にこ「真姫ちゃんの気持ちも、にこの気持ちも……もう分かってるのに!どうして!?」

真姫「だって……」

真姫「私たち、女同士、でしょ……?」

にこ「っ!」

真姫「……私、知っているわ。女の子同士の恋愛が、普通じゃないってこと」

真姫「でも……好きになってしまった。私と同じ、女の子を……」

真姫「にこちゃん。私ね、たとえ女の子同士でも……好き合うことは、いいと思うの。でもね、たとえ好き同士でも……そういう関係になっちゃうのは、ダメだと思う」

真姫「……なーんて。先に手を出しちゃった私が言えるセリフじゃないわよね……」

にこ「……まったく!主役がそんな悲しい顔しない!」

真姫「にこちゃん……」

にこ「さっきのは無かったことにしてあげるから。今日はもう、たーんと楽しみましょ♪」ニコッ

真姫「……うん」

382: 2015/05/03(日) 00:41:23.02 ID:AVn6HG73.net
にこ(あの一件以来、にこと真姫ちゃんは距離を置くようになった……)

にこ(なーんてことはなく、あの件以前の関係をなんとか維持している)

にこ(表向きは、ね)

にこ(……真姫ちゃんもにこも、表向きはいつも通りに接している)

にこ(だけど心の内で、どうもひっかかることがあって……精神的に、距離を置いてしまっている)

にこ(今の私と真姫ちゃんの関係を例えるなら……友達以上、恋人未満、かな)

にこ(……やっぱり、もどかしい)

にこ(にこは……今以上の関係になりたいと思っているし、真姫ちゃんだって同じ気持ちだと思う。けど……)

にこ(真姫ちゃんが、それ以上の関係になることを躊躇う気持ちがあるように、にこも同じ気持ち……躊躇いの気持ちがある)

にこ(躊躇う理由は……アイドルだ。アイドルは、恋人を作っていけないことは当たり前。たとえ相手が女の子でも、だ)

にこ(にこは、アイドルを貫いて真姫ちゃんを諦めるなんて出来ないし、ましてやアイドルを諦めて真姫ちゃんをとるなんて……そんなことしたら真姫ちゃんきっと怒るに違いないわ)

にこ(というか、これは仮説にすぎないけど……もしかしたら、真姫ちゃんはにこがアイドルになるって夢があることを知っているから、今以上の関係になることを拒んだのかもしれない)

にこ(……もどかしいなぁ)

にこ(にこはどうすれば……)

にこ(なにか、キッカケがあればなぁ)

にこ(–––––まだこの時、にこは知らなかった。まさかあんなことがキッカケで、真姫ちゃんとの距離が急接近するなんて–––––)

にこ(……なーんて言ってみたけど。そんな都合のいいことになるわけないわよね)

にこ「はぁ……そろそろ洗濯物でも干しますか、っと」スクッ

384: 2015/05/03(日) 01:03:28.96 ID:AVn6HG73.net
にこ「は?飲み会?」

真姫「うん」

にこ「へぇ。真姫ちゃんが飲み会ねぇ。意外」

真姫「実は一年生の頃にも誘われたことがあって……その時は、まだ成人してなかったから断っていたんだけどね」

にこ「成人したから断らなかったと?」

真姫「断ったわよ。でも、一年生の頃みたいに成人していないことを理由に出来なくなったし、何よりもなんか必氏に誘われるからなんか断れなくなっちゃって……」

にこ「なるほどね……」

にこ(要するにチョロられたと。……この子の将来が心配だわ……)

にこ「別に参加するのは構わないけど……男には気をつけなさいよね!酔い潰されてお持ち帰りなんかされたら……」

真姫「女の子しか来ないらしいから男の人はいないらしいわ。ていうかお持ち帰りって何よ?」

にこ「ピュアっ娘め……」

真姫「は?」

にこ(ますます心配になってきた……)

にこ(なんか嫌な予感もするし……)

にこ(大丈夫かなぁ……)

390: 2015/05/04(月) 00:56:07.25 ID:4DB4s3ws.net
にこ「真姫ちゃん……遅いわね……」ソワソワ

にこ「そろそろ帰ってきてもいい時間なのに、遅すぎる……」

にこ「女の子だけしか来ないっていうのは嘘で、男も来てたりして……」

にこ「まさかこのまま夜が明けて朝が来るまで帰って来なかったとしたら……」

にこ「な、ないない!真姫ちゃんに限ってそんなこと……」

にこ「でもあの子すごくチョロいし……」

にこ「いやいやいや!そんなことにはならないわよ絶対!きっと女の子しか来てない筈だし!」

にこ「あ……待てよ……真姫ちゃんって誰から見ても美人だし、男を釣る格好の餌として真姫ちゃんが誘われたんだとしたら……」

にこ「あああああ!もう我慢ならない!こうなったら直接乗り込んで真姫ちゃんを救出して……」

にこ「って、どこ行けばいいのよぉ!」

391: 2015/05/04(月) 01:09:26.58 ID:4DB4s3ws.net
にこ「頼みます神様仏様!どうか真姫ちゃんの身に、何も起こりませんように……」

ガチャッ

にこ「真姫ちゃあん!」パァァ

にこ「真姫ちゃん!心配したんだから!にこ、てっきり……」スタスタ

真姫「……」

にこ「わ!?顔真っ赤よ!?どんだけ飲んd」

真姫「にーーこちゃーーん♪」ダキッ

にこ「えええええええ!?」

真姫「にこちゃんにこちゃんにこちゃーん!愛しのにこちゃん会いたかったよー!もーずっと寂しかったんだからーーー!」スリスリ

にこ「ずっと寂しかったってあんた今朝一緒に居たのに何言ってって酒くさっ!?どんだけ飲んできたのよ!?」

真姫「むー!臭くなんかないもん!そんなこという悪い唇は塞いじゃうんだから!ちゅー!」チュー

にこ「むーー!?」ビクッ

真姫「ぷはっ。えへへへ。にこちゃんのお口の中、おいしー。おかわりしちゃうんだからー!」チュッチュッ

にこ「ちょ、真姫ちゃんむっ」チュッチュッ

にこ「だ、ダメよ!///いろいろアウトだからー!///」ジタバタ

394: 2015/05/04(月) 01:19:57.85 ID:4DB4s3ws.net
真姫「ダメって……真姫のこと、キライになっちゃったの?」ウルウル

にこ「うっ……」キュン

にこ(真姫ちゃんが自分のこと真姫って言ってる……ヤバい萌える……)ドキドキ

にこ(ってそうじゃなくて!)

にこ「違うのよ!別にキライになったとかじゃなくて……」

真姫「じゃあ、好き?」

にこ「そっ、それは……」

真姫「好きじゃないんだ。じゃあやっぱり、キライになっちゃったんだ……」グスッ

にこ「わあああああ!違う違う!好きよ!真姫ちゃんのこと好きだから!」アタフタ

真姫「ほんと?」

にこ「ほんとのほんとよ!真剣と書いてマジと読むよ!」

真姫「じゃあ真姫のこと、大好き?」

にこ「うん大好きよ!」

真姫「えへへ……そっかぁ」ニヘラ

真姫「私もにこちゃんのことだーい好き!2人とも大好きならちゅーして大丈夫だよね!」チュッチュッ

にこ「なんでそうなる!?」

にこ(あああああ!この酔っ払い面倒くさい!でも可愛い!)ビクンビクン

396: 2015/05/04(月) 01:33:28.04 ID:4DB4s3ws.net
にこ「ぷはぁ!」

にこ(可愛いけどこれじゃ埒が明かないわ!こうなったらさっさと寝てもらうしかこの酔っ払いを鎮める方法は存在しない!)

にこ「ま、真姫ちゃん?ベッドいかない?」

真姫「ベッド~?なんで~?」キョトン

にこ「ベッドの方が落ちつけるからよ!」

真姫「なるほど!にこちゃん天才ね!褒めてあげるわ!ほーらよしよし」ナデナデ

にこ「あはははは……」

にこ(よーし後はこの酔っ払いをベッドまで連れていって寝かせれば……)ズルズル

真姫「にこちゃん力持ちぃ~。引っ張られるぅ~」ズルズル

にこ(よし着いた!後はこの子を横にして……)

ドサッ

にこ(……あれ?)

にこ(なんで真姫ちゃんがにこの上にいるの……?ていうかこれ、押し倒されてる……?)

真姫「えへへへ♪つーかまーえたー♪」ニコニコ

にこ「あ、あの……真姫ちゃん?」

真姫「にこちゃんも大胆ねー♪自分から誘ってくるなんて♪」

にこ「……へ?」ダラダラ

真姫「ねぇ、にこちゃん」ズイッ

真姫「私と……楽しいこと、しよっか?」ニヤリ

421: 2015/05/05(火) 21:41:19.67 ID:8f8yxQYt.net
真姫「ん……」モゾモゾ

真姫「ううう気持ち悪いぃ……頭痛いぃ……」モゾモゾ

真姫「ん?」ムギュッ

にこ「んん……真姫ちゃん……?」

真姫「にこちゃん……おはよ……」

にこ「ん……真姫ちゃんおはよー……」

真姫「……」ジー

真姫「!?」ビクッ

真姫「な、なんでにこちゃん裸で私の隣に寝てるのよ!」ガバッ

真姫「ゔぇぇ!?」ビクッ

真姫「なんで私も裸なの!?」ドドド

425: 2015/05/05(火) 21:55:15.74 ID:8f8yxQYt.net
真姫「にこちゃん!起きて!」ユサユサ

にこ「んー……?」ムクッ

真姫「にこちゃん!!教えて!!昨日何があったの!?」ガシッ

にこ「きのうー?なんだっけ……」ゴシゴシ

にこ「確かー……」

にこ「あっ…」カァァ

真姫「ななななに顔を赤らめてんのよ!?」

にこ「だ、だって………初めてだったのよ……?///」

真姫「初めて!?何が!?」

にこ「えっと、それはその……アレよ!///アレ!///」カァァ

真姫「あれってなによ!?具体的に答えて!!」ウルウル

にこ「そ、そんなこと言われても……///」モジモジ

真姫「じゃあこっちから聞くけど!”エ”から始まって”チ”で終わる三文字のアレをしちゃったの!?」

にこ「……///」コクン

真姫「……ま、真ん中は小さい”ツ”のアレよ?ほんとに……しちゃったの?」

にこ「だ、だからさっきからそう言ってるでしょ!///真姫ちゃんのばか!///えOち!///」

真姫「あ……」

真姫「ああああああああああああああああああああ!!」ゴロゴロ

にこ「真姫ちゃん!?」

426: 2015/05/05(火) 22:12:40.54 ID:8f8yxQYt.net
真姫「あああああああ!こんなはずじゃなかったのにいいいいい!!」ゴロゴロ

にこ「ま、真姫ちゃん落ち着いて!」

真姫「ごめんなさいにこちゃああん!」ドゲザズザー

にこ「ひいっ!?」ビクッ

真姫「ごめんなさい!なんでもするから!なんでするから許してください!!」

にこ「分かった!分かったから顔を上げて!」

真姫「ううう……ごめんなさいにこちゃん……グスッ」

にこ「泣かないのー!それに、もう許してるって……」

真姫「ほんとに!?」バッ

にこ「う、うん。まあ、体を許してるってことだけど……///」

真姫「」

にこ「だから別に、そんな責任を感じることはないのよ?」

真姫「で、でも……たぶん酔ってて、何も覚えてなくて……」

にこ「え?何も覚えていない?」

真姫「うん……」

にこ「ふーん……」ジトー

真姫「うっ……」ダラダラ

427: 2015/05/05(火) 22:29:15.07 ID:8f8yxQYt.net
にこ「真姫ちゃん、まるで別人みたいに甘えてきたのよ?それに、にこのこと好き好き大好き~って」

真姫「」

にこ「酔ってるみたいだから寝かせようとしたら押し倒され……服を脱がされ」

真姫「」

にこ「そういえば真姫ちゃんたら、ずっとにこの胸に吸い付いてたわね。まるで赤ちゃんみたいに……好きなのかしら?にこの胸」

真姫「」

にこ「真姫ちゃんたら、にこがもうダメって言っても容赦なくしてきたわよね……これでもかってぐらいにさ」

真姫「」

にこ「それに、にこの……あ、あそこを舐め回して……お、美味しいとか言っちゃって……///」

真姫「」

にこ「ま、真姫ちゃんのばか!えOちすけべ変態!///ほんとに忘れたの!?///にこにしてきたあんなことやこんなことを!?///」

真姫「ご、ごめんなさい!本当に何も覚えていないの!!」ドゲザ

にこ「ふーん、そっか……」

にこ「さっきも言ったけど。にこ、初めてだったのよ?」

真姫「は、はい!」ダラダラ

にこ「ま、まあ、悪い気はしなかったけど?///む、むしろ嬉しかったっていうか……///」モジモジ

真姫「う、嬉しかったって……?」

にこ「で、でもやっぱり覚えてないんじゃ許せないわねー!」

にこ「と、いうわけで!責任とってもらうからね!」ビシッ

真姫「」

430: 2015/05/05(火) 23:37:19.34 ID:8f8yxQYt.net
真姫「……私は、一体どうやって責任を取ればいい?」ズーン

にこ「うーん。そうね。それじゃあまず……」

にこ「真姫ちゃんの、ほんとの気持ちを聞かせて」

真姫「私の、ほんとの気持ちって……」

にこ「まずはにこから言わせてもらうわ。えー、ごほん」

にこ「私は真姫ちゃんの事が好き。素直じゃないところも、たまに甘えてくるところも、その赤くてキレイな髪だって、真姫ちゃんの全部が好き。大好き。世界で一番愛してる。……こんなに誰かを好きになれたのは、真姫ちゃんが初めて、なんだから……」ドキドキ

真姫「っ!///」カァァ

にこ「聞かせてよ、真姫ちゃんのほんとの気持ち……」

真姫「……私だって」

真姫「好きよ……にこちゃんのこと。高校生の時から、ずっと好き。大好きだった。いつかこの気持ちを伝えられたらいいなって、ずっと、ずーっと思ってた……」ドキドキ

真姫「女の子同士とか、関係ない。私は……にこちゃんが欲しい。にこちゃんを私だけのものにしたい。ずっと一緒にいたい。2人で幸せになりたい。そう思ってた。だけど……」

真姫「……きっと、にこちゃんの迷惑になる。だから言わなかった。ううん……言えなかった」

431: 2015/05/05(火) 23:55:01.03 ID:8f8yxQYt.net
にこ「でも、私だって真姫ちゃんのことが好きなんだし。女の子同士なんて……」

真姫「ううん。そうじゃないの」

真姫「……にこちゃんの夢の障害になるかもしれないかな、って。そう思ったの」

にこ「……やっぱりね」

真姫「え?」

にこ「にこの思った通りね。真姫ちゃんは、にこの夢……アイドルは、恋人を作ることはタブーってことを気にしていたのね?」

真姫「そう、だけど……」

にこ「……ほんと、真姫ちゃんって優しいわよね」フフ

真姫「べっ、別に優しくなんか……!」

にこ「ま、そういうところも大好きなんだけどね」ニコッ

にこ「……真姫ちゃん、なんでもするって言ったよね?」

真姫「言ったけど……」

にこ「責任とってくれるのよね?」

真姫「うっ……ま、まあ」

にこ「よーし。じゃあこうしましょ」

真姫「」ゴクリ

にこ「確かに。アイドルは恋人を作っちゃダメよ。だけど……アイドルを引退した後ならまったく問題ないわ」

にこ「だから……にこは!」

にこ「真姫ちゃんの恋人になる予約をしておくわ!」

真姫「よや……く……?」

432: 2015/05/06(水) 00:10:38.48 ID:sJMFdQ/F.net
にこ「アイドルが終わった後、にこは真姫ちゃんの恋人になる!その予約よ!」

にこ「もう予約したんだから!今さっき!だからこれからにこ以外の人を好きになるのも禁止!もちろんにこが真姫ちゃんの恋人になるまで、真姫ちゃんは恋人を作っちゃダメなんだからね!」

真姫「にこちゃん……」

真姫「……心配ないわよ!私はにこちゃん以外の人を好きになんかならないし、恋人だって作らない!だから……!」

にこ「ほんとかしら~?真姫ちゃんってばちょろいし、もしかしたら」

真姫「なっ!?人がせっかくかっこよく決めようとしたのになんで茶化すのよ!あと、絶対に大丈夫だから!約束は守るから!だから」

にこ「ほんとに~?」

真姫「ほんとのほんとよ!」

にこ「じゃあさ。キスして」

真姫「ゔぇ!?」ビクッ

にこ「あの時はなんか突然だったし、うやむやになっちゃったから……今、ほんとに約束を守れることを証明したいなら、キスをして」

真姫「そそそそそんな急に言われても……」ドキドキドキドキ

にこ「出来ないの?」

真姫「出来るわよ!」

433: 2015/05/06(水) 00:26:49.80 ID:sJMFdQ/F.net
にこ「じゃ、じゃあ早くしなさいよ!目は瞑っておくからさ!」

真姫「ゔぇぇ!?」

真姫(ま、まだ心の準備が……!)ドキドキ

にこ(あー!なんか緊張してきた!)ドキドキ

真姫(こうしてよく見ると、改めてにこちゃんが可愛いってことを認識……ってそうじゃないでしょ西木野真姫!)

真姫(すー、はー、すー、はー……深呼吸深呼吸……)ドキドキ

にこ(まだ!?早くしなさいよ!)ドキドキ

真姫(よーし、だんだん落ち着いてきたわね……)

真姫(いざ!)

真姫「……」

真姫(やややややっぱり無理!なんかすごい緊張して!)ドキドキ

にこ(ああもう!我慢ならない!)パチッ

にこ(えいっ!)チュッ

真姫(!?)

にこ「……真姫ちゃん遅過ぎ!///ヘタレ!///」

真姫「」プツッ

真姫「誰がヘタレよ!」ガバッ

にこ「きゃっ!?」ドサッ

真姫「いいわよ!そこまで言うなら……大人のキスを見せてあげるわ!」

にこ「へ?な、何言っ……」

真姫「」チュッ

にこ「!?」カァァ

436: 2015/05/06(水) 00:37:19.02 ID:sJMFdQ/F.net
真姫「んっ……」レロ

にこ「んー!?」ビクッ

にこ(舌が、入ってきて……!)

真姫「にこちゃん……にこちゃん……」レロレロ

にこ「まひひゃ……」ビクビク

真姫「ぷはぁ……はぁ、はぁ」

にこ「はぁ、はぁ……真姫、ちゃん……」ウワメヅカイ

真姫「(無言のリミッター解除)」プツン

真姫「にこちゃん!」ガバッ

にこ「きゃあ!?」

真姫「……終わらないパーティ、始めよ?」ニコッ

にこ「え?ま、まさか……」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨……

439: 2015/05/06(水) 01:04:57.50 ID:sJMFdQ/F.net
にこ「……しちゃったね。また」

真姫「……うん」

にこ「まだ恋人になってないのにねー」ギュッ

真姫「いつか恋人になるから大丈夫でしょ?」ギュッ

にこ「そういうものかしらねー?」

真姫「そういうものよ。あ、そうだ。恋人と言えば……」

にこ「ん?」

真姫「私。ぜったいに約束守るから。にこちゃんがアイドルを引退するまでは、にこちゃん以外の人を好きにならないから。だから……」

真姫「にこちゃんは、夢を絶対に叶えなさいよね。それと、私以外の人を好きにならないでね?」

にこ「ふふ。当たり前よ!夢は絶対叶えるし、真姫ちゃんだけをずーっと愛してあげるんだから!」ニコッ

真姫「……ねぇにこちゃん。もう一度好きって言って?」

にこ「んー?真姫ちゃん、好きよ♪」

真姫「えへへ……私も」ニヘラ

真姫「にこちゃーん」ギュッ

にこ「んー?」

真姫「幸せすぎて溶けそう」ギュー

にこ「なら溶けちゃいなさいよ。にこが固めておくから」ナデナデ

真姫「……にこちゃん。これから先ずっと一緒にいてくれる?」

にこ「もちろん。絶対に離したりしないんだから!」

440: 2015/05/06(水) 01:17:10.91 ID:sJMFdQ/F.net
真姫(友人から聞いた話によると……)

真姫(どうやら飲み会に来たのは女の子だけじゃなくて、男の人も来ていたらしい。男の人の目当ては私だったのか、やたら私は飲まされて……)

真姫(酔った私は暴走した。その暴走内容が酷くて酷くて……)

真姫(にこちゃんの名前を出してたみたいだし、しかもにこちゃんは私の嫁みたいな発言もしていたみたいで……結論から言わせてもらうと、私が女の子を好きでいることが堂々とバレてしまった)

真姫(あまりにもひどい暴走とレOがバレだ私は男子にドン引きされ、男子からの評価は地に落ちたらしい。どうでもいい話だけど)

真姫(で、酔った私はその後……にこちゃんとめちゃくちゃヤってしまったというわけね)

真姫(まあ、そんなことはもう昔の話)

真姫(今の私たちは–––––)

441: 2015/05/06(水) 01:28:57.08 ID:sJMFdQ/F.net
真姫「ただいまー」ガチャッ

にこ「あ、真姫ちゃんお帰りなさい♪夕飯の支度はばっちりよ♪」

真姫「今日は随分と早いみたいね」

にこ「こないだでだいたいの収録は済んだからねー。今日は大したことはなかったのよ」

真姫「なるほど。ところでにこちゃん、この前出たシングル……後少しでミリオン達成らしいじゃない」

にこ「そーなのよ!ついにここまで来たって感じよねー!」ニコッ

真姫「ふふ。それにしても、まさかにこちゃんの方が先に夢を叶えちゃうなんて。すごいわ。ほんと」

にこ「何言ってんの!まだまだこれからよ!いずれはソロデビューも視野に入れてるんだから!それに、真姫ちゃんだって、後少しで夢が叶うんでしょ?」

真姫「私だってまだまだこれからよ。これから夢への第一歩を踏み出すって感じよ」

にこ「なるほどー。ま、お互い頑張りましょ♪」

真姫「うん。ところで……」ジリッ

にこ「あれ?ま、真姫ちゃん?なんでにこは壁際を追い詰めてんの?」

真姫「本能」

にこ「本能!?」

443: 2015/05/06(水) 01:42:29.45 ID:sJMFdQ/F.net
真姫「いや……ミリオン達成のお祝いがしたくて…」

にこ「いやいや!まだ達成してないから!」

真姫「いずれ達成するでしょ?なら今からお祝いをしてあげようかなって」

にこ「真姫ちゃんがしたいだけでしょそれ!」

真姫「…………バレた?」

にこ「バレた?じゃなひゃんっ!?」ビクッ

真姫「にこちゃんのここ、すっごく濡れてる。もしかしてこうなること、期待してた?」

にこ「そっ、そんなことっ……あっ♡」

真姫「ねぇにこちゃん……いいでしょ?しよ?」ハァハァ

にこ「だ、だめよ……こんなところで……」

真姫「なら、ベッドならいいのね?」

にこ「でも……シーツ、この前取り替えたばっかりだし……」

真姫「また取り替えればいいでしょ?」

にこ「うぅ……なら、久しぶりに愛してるって言って?それなら……」

真姫「愛してる。世界で一番」

にこ「っ……ま、真姫ちゃんずるい!///」

真姫「ズルくて結構よ。さ、いきましょ?」

にこ「うぅ…///」

457: 2015/05/06(水) 21:44:30.57 ID:sJMFdQ/F.net
にこ「はぁはぁ……も、もうダメ……真姫ちゃん、激しすぎ……」

真姫「いろいろ溜まってるのよ」ギュー

にこ「あれ?真姫ちゃんもうしないの?」

真姫「していいならするけど?ていうかしてもらいたいの?」

にこ「ちちちち違うわよ!///そうじゃなくて、いつもの真姫ちゃんならにこがダメって言ってもし続けるのに、今日はもう終わりにしたから……」

真姫「え?どうして終わりって分かったの?」

にこ「だって真姫ちゃん、いっつも終わらせる時はにこを抱きしめてくるのよ?気がつかなかった?」

真姫「へぇ……全然知らなかっ……あ!」ピキーン

にこ「ちょっと真姫ちゃん、何よその閃いた!みたいな顔?何かまたいやらしいことでも思いついたわけ?」ジトー

真姫「べべ別にそんなことないわよ?」メソラシ

にこ「ふーん……」

にこ「……ねぇ真姫ちゃん、何かあったの?」

真姫「……」

459: 2015/05/06(水) 22:23:50.82 ID:sJMFdQ/F.net
真姫「あのさ……にこちゃん」

真姫「恋人になるの、やめにしない?」

にこ「……はぁ!?」ガバッ

にこ「何よそれ!恋人になるのをやめるって……」

真姫「えっと……」

にこ「何回も好きって言ってくれたじゃない!何度も愛し合ったじゃない!何度も……何度も……」ウルウル

真姫「に、にこちゃん落ち着いて!私の話を聞いて!今でも愛してるから!」

にこ「グスッ……じゃあなんで!?」

真姫「……私たち、既に恋人みたいなものでしょ?いや……はっきり言うと恋人以上みたいなものだと思うの」

真姫「だから、その………最終的に約束を果たして晴れて恋人になるのは違う気がして……つ、つまり私が言いたいのは……」

真姫「約束の時がやってきたら……恋人じゃなくて、それ以上の関係になりたい。要するに……」

真姫「……け、けけ結婚、してください……ってことよ……///」ゴニョゴニョ

にこ「……」

にこ「ふぇ!?///」ボンッ

469: 2015/05/07(木) 00:04:14.84 ID:AtS9NAQ8.net
にこ「真姫ちゃん、すっごく嬉しい。なんかもう、爆発しそうで何も言えないくらい嬉しい……」ギュッ

真姫「……ってことは、返事はオッケーってことよね?」

にこ「ぐすっ。当たり前でしょ!」

真姫「ふふ。断られたりしたらどうしようかと思った。もう式を挙げる場所も調べたし、ウェディングドレスだって……」

にこ「真姫ちゃん用意周到すぎ!ていうか、断られないこと前提で考えてたでしょ!」

真姫「当然よ。だってにこちゃん、私のこと大好きだから断るわけがないもの」ギュッ

にこ「……真姫ちゃんずるい///」ギュー

にこ「でも、随分といきなりね……そんな素振りをまったく見せてなかったし。ま、まあ嬉しかったけど!///」

にこ「事前準備も済ませてるみたいで……やっぱり何かあったんでしょ?」

真姫「……やっぱりにこちゃんには何も隠せないみたいね」

にこ「やっぱり。何があったの?」

真姫「実はこの前、にこちゃんが居なかった時にパパが来て……お見合いの話を持ちかけられたの」

にこ「お見合い!?」

470: 2015/05/07(木) 00:26:11.06 ID:AtS9NAQ8.net
真姫「もちろん断ったわよ。きちんと理由もつけてね」

にこ「ほっ……断ったんだ……って、理由もつけてってまさか」

真姫「ええ。将来を誓った大切な人がいる、ってね」

真姫「そう答えた時はまだ嘘だったけど……今さっき、真実になったわ」

にこ「で、でも……大丈夫なの?」

真姫「まだ分からない。だから今度、にこちゃんにはパパと会ってもらうわ」

にこ「えええ!?」

真姫「直接会ってもらわないと納得してもらえないだろうし。明日、空いてるわよね?」

にこ「ま、まあ空いてるけど……って明日!?明日来るの!?」

真姫「うん」

にこ「そ、そんな!いろいろと準備が出来てないし……だ、男装とか……」

真姫「そんなもの必要ないわ」

にこ「え?」

真姫「堂々と、嘘偽りなくぶつかる。女の子を好きになったって、胸を張って言ってやるわ」

にこ「ま、真姫ちゃん……」

真姫「まあ……言うのが遅くなったのは謝るわ。ごめんね。でも……明日じゃきゃダメなの!お願い!にこちゃんの力が必要なの!」

にこ「……分かった」

真姫「にこちゃん!」パァァ

にこ「真姫ちゃんのパパさんに、思い知らせてやるわ!にこが真姫ちゃんのことを世界で一番愛してるってことを!」

473: 2015/05/07(木) 00:55:33.17 ID:AtS9NAQ8.net
翌日

真姫パパ「……」

真姫「……」

真姫パパ「真姫、先週言ったことは……覚えているな?」

真姫「ええ」

真姫パパ「……例の大切な人とやらは、いつ来るんだ?」

真姫「もう居るわよ。この部屋に。待機してもらってるわ」

真姫パパ「そうか……つまり、私の声が聞こえてるということだな」

にこ「」ピクッ

真姫パパ「私は真姫に幸せになって欲しい。だから真姫を誑かすような輩や真姫に不釣り合いな腑抜けた輩だったとしたら、私はお前を認めん」

真姫パパ「もし貴様自身がそんな輩だという自覚があるなら、今すぐにここを立ち去りなさい。そして、2度と真姫と関わるな」

真姫パパ「あるいは……立ち去る気がないのなら、私はどんな手を使ってでも貴様を真姫から引き離してやる」ゴゴゴゴゴゴゴ

にこ(ひぃぃ!パパさん怖い!)ガタガタ

真姫「……話は会ってからにしてよ。紹介するわ。にこちゃん、いらっしゃい」

真姫パパ「ちゃん……?」

にこ(来た……!)スタスタ

にこ「はっ、初めまして!真姫ちゃんの恋人(?)の、や、矢澤にこと申しましゅ!」ガチガチ

にこ(噛んだーーー!)ドドドド

真姫パパ「……!?」ポカーン

480: 2015/05/07(木) 01:13:02.97 ID:AtS9NAQ8.net
真姫パパ「ま、真姫……これは……」

真姫「大切な人とは言ったけど……男とは一言も言ってないわよ?」

真姫パパ「そ、そうか……」

真姫パパ「……本気、なのか?」

真姫「当たり前よ!」

真姫「私はにこちゃんが好き!世界で一番にこちゃんのことを愛してる!だから私は、にこちゃん以外の人を好きになんかならないし、にこちゃん以外の人なんかと結婚なんて!まっぴらごめんよ!だから……」

真姫パパ「分かった。見合いの話だが……どうにかして無かったことにしよう」

真姫「……え!?」

にこ(あ、あれ?以外とあっさりうまくいった?なんで?)

真姫パパ「それよりも……この子と話がしたい。だから真姫は席を外してくれないか?」

真姫「で、でも……!」

真姫パパ「大事な話なんだ。2人きりでなければ話せないことだ。分かってくれ」

真姫「わ……分かったわ」シュン

にこ(と思ったら結局にこに試練がーー!)ドドド

真姫(にこちゃん……うまくやりなさいよ!)ガチャッ

486: 2015/05/07(木) 01:39:36.94 ID:AtS9NAQ8.net
真姫パパ「……行ったみたいだな」

にこ「」ドキドキドキドキ

真姫パパ「……ひとつ聞こう。君は真姫と同棲しているのかね?」

にこ「は、はい!何年か前から、一緒に住まわさせてもらっています!」

真姫パパ「はっはっは。やはりな。あの真姫がこんなに部屋を綺麗にできるわけがないと思ったよ」

真姫パパ「それにしても……相手が女の子だったとはなぁ……血は争えないということか……」

にこ「えぇ!?そ、それってもしかして、パパさんも……」

真姫パパ「ち、違う違う!私はノーマルだぞ!私じゃなくて……その、私の妻がだな……」

にこ「妻って……」

にこ「真姫ちゃんのママさんが!?」

真姫パパ「ああ……私と結婚する以前は、女性と交際していた。しかも相手は音ノ木坂の元理事長……君や真姫がいたころの理事長さ」

にこ「理事長!?」

真姫パパ「おっと。このことは決して口外しないでくれよ?」

にこ「は、はい!もちろんでございます!絶対に口に出したりしません!」

にこ(今明かされる衝撃の真実ぅ~!2人きりじゃないと話せないってこういうことだったのね!)ドドドド

489: 2015/05/07(木) 01:58:49.80 ID:AtS9NAQ8.net
にこ(あれ……?そうすると、いろいろと謎が解けてくるような……)

にこ「あ、あの!まさかとは思いますが……さっきお見合いの話をあっさりと無かったことにするって言ってましたけど、あれってまさ……」

真姫パパ「ああ。君の察する通りさ」

真姫パパ「……私と妻は、見合いで出会い、そのまま結婚した。いや、結婚させられた、か。少なくとも、妻はそう思ってるだろう」

真姫パパ「……妻は、愛している人がいた。それなのに、無理やり組まされた縁談で、愛してもいない私と結婚させられた……」

真姫パパ「それが、どうも引っかかってしまってな。私は精一杯彼女を愛したつもりだが、彼女が私を愛してくれたかどうかは分からないな……」

真姫パパ「まあ、そんな罪悪感もあって……私は娘の真姫のことをこれでもかというぐらい愛でてやった。私が彼女の幸せを奪ってしまった分、真姫には幸せになってもらいたかったからな……」

にこ「そ、そんな!幸せを奪ったなんてことはありません!真姫ちゃんのママさんだって、きっとパパさんを愛してくれたに違いないです!」

真姫パパ「はは。そうだといいな……」

真姫パパ「……話を続けよう。私は、真姫には幸せになってもらいたい。だから……真姫には彼女の二の舞になってほしくない。……出来ることなら、この見合いだって、無かったことにしたい。そう思っていた。……そんな時、真姫から大切な人がいると聞いて……」

真姫パパ「最初は見合いを無かったことに出来ると内心喜んだが、相手によっては無理矢理別れさせることも考えた。だが……」

真姫パパ「相手が君と聞いて、ホッとしたよ。矢澤にこくん」

にこ「……へ?」キョトン

490: 2015/05/07(木) 02:14:19.91 ID:AtS9NAQ8.net
真姫パパ「まだ真姫が高校生だった頃……よく君の名前を聞いてな」

真姫パパ「まあ、真姫から直接聞いたわけではなくて、真姫から妻を通じて、私に伝わってきたんだがな」

真姫パパ「妻の話によると、いつも君の名前を言ってるらしくてな。何かにつけてにこちゃん、にこちゃんと言っていたらしい」

にこ「ま、真姫ちゃん……」ポッ

真姫パパ「思えばその頃から……真姫はずっと君のことが好きだったのかもしれないな」

にこ「で、でも……本当に私なんかが真姫ちゃんと一緒にいて……大丈夫でしょうか……?」

真姫パパ「何言っているんだ。君じゃなくちゃダメなんだよ。真姫はきっと、君じゃなくちゃ幸せになれない筈さ」

真姫パパ「最後に……君が真姫のことをどう思っているかを聞かせてくれないか?」

にこ「私は……」

にこ「真姫ちゃんのことが好きです!世界で一番愛しています!真姫ちゃん以外の人は絶対に好きになれない!それぐらい好きです!絶対に、真姫ちゃんのことを幸せにします!だから真姫ちゃんを私にください!」

真姫パパ「……ふふ。そうか」

真姫パパ「安心したよ。君になら真姫を任せられそうだ」

真姫パパ「ありがとう。君と話せてよかったよ。これからも末長く、真姫をよろしくたのむ」

にこ「はいっ!」

真姫パパ「ああ、最後にひとつ……」

真姫パパ「真姫を世界で一番愛しているのはこの私だ!それだけは譲らないからな!」ガチャッ

バタン

にこ「……ふふっ」

にこ「やっぱり、似た者親子よね」クスクス

492: 2015/05/07(木) 02:23:58.34 ID:AtS9NAQ8.net
真姫「ねぇにこちゃん、パパと何を話したの?」

にこ「秘密ー♪」

真姫「何よ?気になるわね……」

にこ「あのさ、真姫ちゃん」

真姫「ん?」

にこ「にこ、真姫ちゃんのことを絶対に幸せにしてあげるから!」

真姫「……ふふ。それはこっちのセリフよ。にこちゃんのこと、絶対に幸せにするんだから!」

にこ「ところで真姫ちゃん」

真姫「んー?」

にこ「真姫ちゃんはにこのこと好き?」

真姫「はぁ?何よ突然」

にこ「いいからいいから♪」

真姫「ふふ。今更聞くこと?好きなわけないでしょ?大好き、なんだから!」ニコッ

にこ「知ってる♪もちろんにこだって、真姫ちゃんのことこの世界、いや、宇宙で一番だーーい好き!」ニコッ


おわり

493: 2015/05/07(木) 02:24:38.40 ID:AtS9NAQ8.net
長かった
またいつか短めのにこまきを書きたい
それよりも勲章が先だ

494: 2015/05/07(木) 02:28:55.61 ID:yymOkc67.net
お疲れ

495: 2015/05/07(木) 02:29:44.60 ID:KYPnHX0S.net
最高のSSを書ききったお前に乙の勲章を送ろう

乙乙

引用元: 真姫「にこちゃん!?何故にこちゃんがここに?アイドルは?自力で就職を?」にこ「(無言)」