携帯電話＜すれちが～っても～♪わからない～くらい～♪

穂乃果「う～ん。うるさいなー」ﾓｿﾞﾓｿﾞ

穂乃果「朝から電話かけて来るなんて誰だろー？」ﾑﾆｬﾑﾆｬ

携帯電話「――課長――」

穂乃果「課長？誰だろ？」ﾋﾟｯ

穂乃果「もしもーし？誰ですかー？」

課長「高坂か？今起きたのか？」

穂乃果「え？」

課長「今、何時だと思ってるんだ？」

穂乃果「えー？だってまだ目覚まし鳴ってな……」

穂乃果「……あ！もう9時じゃん！？学校遅れちゃう！！」ﾔﾊﾞｯ

課長「はあ？学校？まだ寝ぼけてるのか？」

課長「今日は半休にしといてやるから、早く来いよ」ｶﾞﾁｬ

穂乃果「……結局、今の人誰だったんだろ？学校の人かな？」

穂乃果「じゃないや！早く準備しなきゃ！！」

穂乃果「もう！お母さんも海未ちゃん達も起こしてくれれば良いのにー」ｶﾞｻｺﾞｿ

穂乃果「……ん？って言うかここ何処？」

穂乃果「穂乃果の部屋？だよね？」ｷｮﾛｷｮﾛ

穂乃果「おかあさーん？雪穂ー？」

穂乃果「あれ？誰もいない？」

穂乃果「……あれ？今、穂乃果１人暮らししてるんだっけ？」

穂乃果「と言うか穂乃果は高校をとっくに卒業して……」ｳｰﾝﾄ

穂乃果「ちょっと前に大学も卒業して今の会社に入社して……」ｴｰｯﾄ

穂乃果「と言うかここは会社の寮で……」

穂乃果「……って、あーーーー！！完璧に遅刻だよーーー！！」ｶﾞｶﾞｰﾝ

穂乃果「今日も仕事溜まってるのにーーー！！」ｷﾞｬｰ

穂乃果「すみません寝坊しましたー！！」ﾄﾞﾀﾄﾞﾀ

課長「遅いぞー。今、何時だと思ってるんだ？」ﾏｯﾀｸ

穂乃果「も、申し訳ありません」ｼｮﾎﾞｰﾝ

課長「朝のあれは何だ？寝ぼけてたのか？」

穂乃果「はい、どうやら昔の夢を見ていたみたいで……」

課長「そうか。ま、寝坊くらいたまにはするだろうから、今回は大目に見てやろう」

穂乃果「ありがとうございます」ﾊﾟｱｧ

課長「次は無いからなー」

穂乃果「はーい！」ﾖｶｯﾀｰ

穂乃果（それにしてもどうしてあんなになっちゃったんだろう？）

穂乃果（夢を見ただけで記憶まで混乱しちゃって……）

穂乃果（でも懐かしかったなー）

穂乃果（みんな元気にしてるかな？）

穂乃果（またみんなに会いたいな……）ﾊｧ

課長「高坂、これも頼むな」ﾄﾞｻｯ

穂乃果「ええっ！これもですか！？」ｹﾞｹﾞｯ

課長「なんだ？遅刻しといて断るのか？」ﾆﾔﾆﾔ

穂乃果「それとこれとは別ですよー」ﾌﾞｰ

課長「まあまあ、そんなこと言わずによろしくな」ﾉｼ

穂乃果「えー！待ってくださいよー！」ｳﾜｰﾝ

穂乃果「や、やっと終わった……」

穂乃果「仕事ってこんなに疲れたっけ……」ｸﾞﾀｰ

穂乃果「はあ、今日は散々だったなー」

穂乃果「早く帰ってマッサージしよっと……」ﾃｸﾃｸ

どんっ

穂乃果「あっ！ごめんなさい！」

？？「こちらこそすみません。お怪我はありませんか？」

穂乃果「はい、大丈夫ですよ！」ﾋﾟﾝﾋﾟﾝ

？？「それは良かったです」ﾌﾌｯ

？？「では」ｽｯ

穂乃果「はい！」ﾍﾟｺﾘ

穂乃果（今の人なんだか見たことあるような……）ﾃｸﾃｸ

穂乃果（なんだか懐かしい匂いだったし……）ﾃｸ

穂乃果（それにあの長い黒髪に、あの言葉遣い……）ﾋﾟﾀ

穂乃果（……！？もしかして！！）

穂乃果「海未ちゃん！？」

？？「……え？海未は私ですが……？」ｸﾙｯ

穂乃果「やっぱり海未ちゃんだ！」

海未「……もしかして、穂乃果？……ですか？」ﾊﾟｱｧ

穂乃果「ここの公園なつかしー！」ﾜｰｲ

海未「昔はよくここで遊びましたね」ｼﾐｼﾞﾐ

穂乃果「海未ちゃんと出会ったのも、ここの公園だよね！」

海未「ええ。そうでしたね」ﾌﾌｯ

穂乃果「それにしてもお互い全く分かんなかったね」ｱﾊﾊ

海未「そうですね。全く気づきませんでした」

穂乃果「なんだかμ'sのみんなにも会いたくなっちゃったよー」

海未「ええ。結局、凛たちが音ノ木坂を卒業してからは、一度も会えませんでしたからね」

穂乃果「ホントだよねー。みんな冷たいんでもん」ﾌﾟｸｰ

海未「仕方ありません。みんなそれぞれの夢に向かって進んでいるのですから」

穂乃果「そう言えば穂乃果、今日その頃の夢見たんだよ！」

海未「そうなのですか？」

穂乃果「うん！それで高校時代の気分に戻っちゃって大寝坊しちゃった！」ｴﾍﾍ

海未「なんですかそれは。まったく……穂乃果は変わりませんね」ﾌﾌｯ

穂乃果「でもあの頃は楽しかったなー」

海未「そうですね」

穂乃果「今より絶対輝いてたよねー」

海未「ええ、きっとそうです」

穂乃果「何処で間違えちゃったのかな……」

海未「穂乃果？」

穂乃果「ずっと一緒だと思ってたのに……」

穂乃果「大人になってもすれ違えば絶対分かるって思ってたのに……」

海未「……穂乃果。泣いてるのですか？」

穂乃果「……だって」ｸﾞｽｯ

穂乃果「ずっと一緒だって言ってたんだよ？」ﾎﾟﾛｯ

穂乃果「それなのにずーっと会えなくて……」

穂乃果「寂しいよ！」

海未「穂乃果……」

穂乃果「……それに」

穂乃果「自分がみんなのこと絶対忘れないって言ってながら」

穂乃果「海未ちゃんの顔だってわかんなかった……」

穂乃果「……忘れてた自分が……憎いよ！」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

海未「……穂乃果」

海未「確かに私たちは、お互い忘れていました」

海未「それは私にとっても痛恨の極みです」

穂乃果「海未ちゃん……」

海未「ですが穂乃果。私たちも、もう大人です」

海未「社会に出て働きだし、責任も増えてストレスも増え、知り合いも増えて付き合いも増え、優先すべきことが変わってくる」

海未「それが大人になるってことなのかもしれません」

穂乃果「海未ちゃん……」

穂乃果「それでも……悔しいよっ……！」

海未「……穂乃果」ｷﾞｭｯ

穂乃果「……海未ちゃん？」

海未「私も悔しいです」

海未「それでも私たちは大人であり続けるしかないんです」

穂乃果「……海未ちゃん」

海未「何ですか？」

穂乃果「……泣いても……良い？」

海未「……良いですよ」ﾆｺ

海未「今日は一杯泣いてください」

海未「今ここには私たち以外、誰もいません」

海未「今ばっかりは高校時代の頃に戻っても良いんですよ？」ﾌﾌｯ

穂乃果「海未ちゃん……」ｼﾞﾜｯ

穂乃果「うわーん！」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

海未「大丈夫ですよ。穂乃果」ｷﾞｭｯ

穂乃果「海未ちゃん！海未ちゃん！海未ちゃーん！」ｷﾞｭｰ

海未「ふふっ泣き疲れて眠ってしまいましたね」

海未「でもそろそろ起こさないと風邪をひいてしまいますね」

海未「穂乃果。そろそろ起きてください。風邪をひきますよ」

穂乃果「うーん。もうちょっとー」

海未「穂乃果。いつまで寝ているんですか？明日も学校ですよ？」

穂乃果「まだ大丈夫だよー」ｳｰﾝ

海未「もう、早く起きてください。お姉ちゃん」

穂乃果「うへへー。海未ちゃんにお姉ちゃんって言われちゃったよー」ﾑﾆｬﾑﾆｬ

海未「なんで海未さんの名前が出てくるの？早く起きなよー」

穂乃果「えー？だって海未ちゃんは海未ちゃん……」

雪穂「もー寝ぼけてると知らないよー？先にご飯食べるからねー」

穂乃果「あれっ？雪穂！？」ｶﾞﾊﾞｯ

雪穂「もーやっと起きた―。昨日夜遅くまで起きてるからだよー」

穂乃果「……ここは、穂乃果の部屋？」

穂乃果「穂乃果の……家だ！！」

雪穂「当たり前じゃん。何言ってるのー？」

穂乃果「じゃあ、あれは夢だった！……のかな？」

ことり「おはようございまーす。穂乃果ちゃーん、起きてるー？」

海未「穂乃果ー！早く支度しないと学校に遅刻しますよー！」

穂乃果「海未ちゃん！ことりちゃん！」ﾊﾞｻｯ

ダダダダダッ

海未「穂乃果！？どうしたのですか？廊下を走っ……」

穂乃果「海未ちゃん！ことりちゃーん！」ｷﾞｭｰ

ことり「はわわ、ほ、穂乃果ちゃん？どうしたの？」///

穂乃果「うわーん！2人とも会いたかったよー」ｸﾞｽｯ

海未「会いたかったって昨日も学校で会ったではありませんか？」ｵﾛｵﾛ

ことり「穂乃果ちゃん何かあったの？」ﾖｼﾖｼ

穂乃果「ううう。2人とも絶対ずーっと、大人になっても一緒だからね！」ｳﾜｰﾝ

海未「何だかよくわかりませんが」

海未「当たり前ですよ、穂乃果」

ことり「そうだよっ、穂乃果ちゃん」

海未・ことり「私たちは大きくなってもずーっと一緒です(だよっ)」

穂乃果「2人とも……」ﾊﾟｱｧ

穂乃果「うん！」

穂乃果「……って言う夢を見たんだー」

ことり「懐かしいー♪あの時の穂乃果ちゃんすごく泣いてたから、どうしようかと思っちゃったよ」ｴﾍﾍ

海未「本当です。あの時は全然意味が分からなくて」

海未「結局3人とも遅刻してしまったではないですか」ﾏｯﾀｸ

穂乃果「海未ちゃんよく覚えてるね……」ｱﾊﾊ

海未「当たり前です！私が学校に遅刻したのは、あの日が最初で最後ですから！」

ことり「でもさ、ホントにその夢の中の夢みたいにならなくて良かったね」

穂乃果「そうだね。でもよく考えたらありえない話だよねっ」

穂乃果「だって私たちみんなあれから……」

絵里「ちょっと穂乃果！そろそろ始まるわよ！」

にこ「ちゃんと準備出来てんでしょうね？」

穂乃果「うん！今行くよー！」

花陽「うわわ、ここもお客さん満員だよー」ﾀﾞﾚｶﾀｽｹﾃｰ

凛「大丈夫にゃー！かよちんは今日も可愛いにゃー！」ｲｯｸﾆｬｰ

観客「μ's！μ's！μ's！」ﾜｱｱ

真姫「やっぱりワールドツアーの最後は日本よね！」

希「そうは言っても最後の日本だけで3日目やけどなあ」

海未「みんな！疲れも溜まってるかもしれませんが頑張りましょう！」

ことり「これで最後だから楽しもうね♪」

穂乃果「それじゃあいつものアレやるよ！」

穂乃果「１！」

ことり「２！」

海未「３！」

真姫「４！」

凛「５！」

花陽「６！」

にこ「７！」

希「８！」

絵里「９！」

穂乃果「さあ、行くよっ！」

全員「μ's！ミュージックスタートーーー！！！」

穂乃果（……だってあれから、ずーっと一緒だもん！）


おわり

おつ！ハッピーエンドよかったよ～

乙です
また書いてください