1: 2010/08/21(土) 21:49:34.00 ID:TRe0YZqU0
咲「ええっ? お姉ちゃんが事故に遭った!?」
ハギヨシ「はい。彼女は現在、我々龍門渕グループの息のかかった病院に搬送されています。
今から私がその病院までお送りいたします」
咲「は、はい…よろしくお願いします」
バタンッ ブロロロロロロロロ…
咲(お姉ちゃん、どうか無事でいて…!)
ハギヨシ「はい。彼女は現在、我々龍門渕グループの息のかかった病院に搬送されています。
今から私がその病院までお送りいたします」
咲「は、はい…よろしくお願いします」
バタンッ ブロロロロロロロロ…
咲(お姉ちゃん、どうか無事でいて…!)
2: 2010/08/21(土) 21:53:45.21 ID:TRe0YZqU0
長野の病院
透華「お待ちしておりましたわ!」
咲「りゅーもんさん! お姉ちゃんはどうなったんですか!?」
透華「ご安心なさい、そこの病室で眠っていますわ」
照「スー…スー…」
咲「ケガは大丈夫なんですか?」
透華「医師によれば、命に別状はないとのことですわ」
咲「よかった…」
透華「ただ一つ問題がありますの」
透華「お待ちしておりましたわ!」
咲「りゅーもんさん! お姉ちゃんはどうなったんですか!?」
透華「ご安心なさい、そこの病室で眠っていますわ」
照「スー…スー…」
咲「ケガは大丈夫なんですか?」
透華「医師によれば、命に別状はないとのことですわ」
咲「よかった…」
透華「ただ一つ問題がありますの」
3: 2010/08/21(土) 21:59:08.40 ID:TRe0YZqU0
透華「彼女は事故のショックで、深い昏睡状態ですの。ヘタをすれば一生このまま…」
咲「そんな……何とかならないんですか?」
透華「この龍門渕の医療技術は世界一ですから、方法がないわけではないですわ。
ただ非常に特殊な手術になるので、かかる費用は莫大でしてよ?」
咲「そうなると、ウチはお金少ないし、たぶん払えないですよ…」
透華「そこで、あなたに提案がありますの。 ある条件と引き換えに、手術費をタダにしてさしあげますわ」
咲「そ、その条件って一体……?」
咲「そんな……何とかならないんですか?」
透華「この龍門渕の医療技術は世界一ですから、方法がないわけではないですわ。
ただ非常に特殊な手術になるので、かかる費用は莫大でしてよ?」
咲「そうなると、ウチはお金少ないし、たぶん払えないですよ…」
透華「そこで、あなたに提案がありますの。 ある条件と引き換えに、手術費をタダにしてさしあげますわ」
咲「そ、その条件って一体……?」
5: 2010/08/21(土) 22:05:02.64 ID:TRe0YZqU0
透華「あなたに、白糸台高校にスパイとして潜入してもらいたいのですわ」
咲「ええっ!? お姉ちゃんの高校にですか?」
透華「知っての通り、我が龍門渕高校は県代表としてインターハイに出場します」
先日の県予選で、咲の清澄高校は決勝まで勝ち上がったものの、
天江衣を筆頭とする龍門渕の圧倒的な力の前に敗北を喫していた。
そんなわけで、今年の長野の代表は龍門渕高校なのである。
咲「ええっ!? お姉ちゃんの高校にですか?」
透華「知っての通り、我が龍門渕高校は県代表としてインターハイに出場します」
先日の県予選で、咲の清澄高校は決勝まで勝ち上がったものの、
天江衣を筆頭とする龍門渕の圧倒的な力の前に敗北を喫していた。
そんなわけで、今年の長野の代表は龍門渕高校なのである。
8: 2010/08/21(土) 22:12:32.60 ID:TRe0YZqU0
透華「全国で一番の強敵になるであろう、白糸台のレギュラーメンバーの情報を、
あなたに収集してほしいのですわ」
咲「でも、私にスパイなんて無理ですよ」
透華「この作戦はあなたにしか出来ないのですわ。 何故なら……」
透華「今からあなたと宮永照の顔を交換するのですから」
咲「ええっ!?」
あなたに収集してほしいのですわ」
咲「でも、私にスパイなんて無理ですよ」
透華「この作戦はあなたにしか出来ないのですわ。 何故なら……」
透華「今からあなたと宮永照の顔を交換するのですから」
咲「ええっ!?」
10: 2010/08/21(土) 22:16:18.33 ID:TRe0YZqU0
透華「より正確にいえば、顔の表面の皮膚をはがして移植するのですわ。
我が龍門渕の技術をもってすれば、簡単な事ですの」
咲「そんな無茶な……」
透華「体格は似ているし、声は小型変声機を喉に埋め込んで変えますの。
なにより、あなたは姉の性格を熟知している……これほどの適任者はいませんわ!!」
咲「でも…でも…」
透華「それとも、自分の姉がこのままでいいですの?」
咲「そ、それは…」
透華「どうなんですの!?」
咲「……わ、わかりましたよぅ」
我が龍門渕の技術をもってすれば、簡単な事ですの」
咲「そんな無茶な……」
透華「体格は似ているし、声は小型変声機を喉に埋め込んで変えますの。
なにより、あなたは姉の性格を熟知している……これほどの適任者はいませんわ!!」
咲「でも…でも…」
透華「それとも、自分の姉がこのままでいいですの?」
咲「そ、それは…」
透華「どうなんですの!?」
咲「……わ、わかりましたよぅ」
11: 2010/08/21(土) 22:23:49.69 ID:TRe0YZqU0
こうして、姉妹の顔を交換するという前代未聞の手術が行われた。
手術後――
透華「さあ、鏡を見て」
照(咲)「わっ……お姉ちゃん?」
透華「どうかしら、自分の姉になった感想は?」
照(咲)「すごい……これ、私なんですよね?」
透華「移植による拒絶反応もなんとか押さえられましたわ。さすがは姉妹ってトコかしら」
照(咲)「………」ニパー
透華「何やってるんですの、気持ち悪い」
照(咲)「エヘヘ、お姉ちゃんの顔で笑ってみたくて」
手術後――
透華「さあ、鏡を見て」
照(咲)「わっ……お姉ちゃん?」
透華「どうかしら、自分の姉になった感想は?」
照(咲)「すごい……これ、私なんですよね?」
透華「移植による拒絶反応もなんとか押さえられましたわ。さすがは姉妹ってトコかしら」
照(咲)「………」ニパー
透華「何やってるんですの、気持ち悪い」
照(咲)「エヘヘ、お姉ちゃんの顔で笑ってみたくて」
12: 2010/08/21(土) 22:30:04.84 ID:TRe0YZqU0
透華「期限は一週間、それが過ぎたら迎えの者をよこしますわ」
照「お父さんたちには何て説明したんですか?」
透華「表向きは、宮永咲は一週間東京へ行くことになっていますの。
そのための根回しも完璧なので、ご安心なさいな!」
照「はい、わかりました」
透華「期待してますわよ! いい情報を持ち帰ってきてくださいまし!!」
こうして宮永照となった咲は、東京へと旅立った。
照「お父さんたちには何て説明したんですか?」
透華「表向きは、宮永咲は一週間東京へ行くことになっていますの。
そのための根回しも完璧なので、ご安心なさいな!」
照「はい、わかりました」
透華「期待してますわよ! いい情報を持ち帰ってきてくださいまし!!」
こうして宮永照となった咲は、東京へと旅立った。
13: 2010/08/21(土) 22:39:55.30 ID:TRe0YZqU0
東京 白糸台高校
照(いかにも名門校って感じの、大きい学校だなぁ)
チラチラ ジロジロ
照(みんなこっちを見てる。お姉ちゃん有名人なんだね……
っていけない、今はわたしが宮永照だったんだ)
そのまま、照となった咲は白糸台で一日を過ごした。
当然のことながら、授業は全然分からなかった。
照(いかにも名門校って感じの、大きい学校だなぁ)
チラチラ ジロジロ
照(みんなこっちを見てる。お姉ちゃん有名人なんだね……
っていけない、今はわたしが宮永照だったんだ)
そのまま、照となった咲は白糸台で一日を過ごした。
当然のことながら、授業は全然分からなかった。
14: 2010/08/21(土) 22:45:08.12 ID:TRe0YZqU0
放課後
照(ここが部室…とっても緊張するよ……)
ここは照たち一軍メンバー専用の練習室らしい。
咲は緊張の面持ちで、その部屋の入り口を開けた。
ガチャ…
部屋の中のソファーに、照以外のメンバー四人が座っていた。
照(ここが部室…とっても緊張するよ……)
ここは照たち一軍メンバー専用の練習室らしい。
咲は緊張の面持ちで、その部屋の入り口を開けた。
ガチャ…
部屋の中のソファーに、照以外のメンバー四人が座っていた。
16: 2010/08/21(土) 22:52:06.37 ID:TRe0YZqU0
藍色のロングヘアーをした、照と同じ三年の弘世菫。
短い銀髪がボーイッシュな印象を与える二年、亦野誠子。
ソファーの隅っこでお茶を飲んでいるのが、同じく二年の渋谷尭深。
金髪でぷにぷにしたほっぺが特徴の一年生、大星淡。
いずれも照に負けず劣らずのクールな雰囲気を持つ女性たちだった。
彼女たちは照が入って来たのを見ても、特になんの反応も示さない。
一同「………」シーン
照(空気が重苦しい……何か言った方がいいのかな?)
照「あ、えっと……お、オッス……」
短い銀髪がボーイッシュな印象を与える二年、亦野誠子。
ソファーの隅っこでお茶を飲んでいるのが、同じく二年の渋谷尭深。
金髪でぷにぷにしたほっぺが特徴の一年生、大星淡。
いずれも照に負けず劣らずのクールな雰囲気を持つ女性たちだった。
彼女たちは照が入って来たのを見ても、特になんの反応も示さない。
一同「………」シーン
照(空気が重苦しい……何か言った方がいいのかな?)
照「あ、えっと……お、オッス……」
17: 2010/08/21(土) 22:54:55.80 ID:TRe0YZqU0
ガシャァァン!
照「わっ!」
尭深「……すいません、湯のみを落としてしまいました……」
亦野(今の…聞き間違いか…?)
菫(照が……あいさつだと……?)
照「あっ、手伝おうか」
尭深「いえ……先輩の手を煩わせるわけには…」
照「うわっ…」ズルッ
バターン!
照「わっ!」
尭深「……すいません、湯のみを落としてしまいました……」
亦野(今の…聞き間違いか…?)
菫(照が……あいさつだと……?)
照「あっ、手伝おうか」
尭深「いえ……先輩の手を煩わせるわけには…」
照「うわっ…」ズルッ
バターン!
18: 2010/08/21(土) 22:58:37.87 ID:TRe0YZqU0
一同「………」
今度こそ本当に、気まずい空気が部屋に流れた。
淡(照先輩が……インターハイの頂点に立つあの照先輩が……!)
菫(人前でこけたッ……!!)
照(やっちゃったよ…これはさすがにマズイよね……)
咲はよろよろと立ち上がった。
菫「……お、おい大丈夫か?」
照「だ、大丈夫……だ…」
19: 2010/08/21(土) 23:01:45.36 ID:TRe0YZqU0
菫「ケガとかしてないか?」
照「あ、ああ。心配してくれてありがと……」
菫「!!」ドキッ
菫(照が……私に素直に礼を言った……?)
照(あ、あれ? なんか不思議そうな顔されてる?)
菫(なんなんだ……こんなの狂ってるのに、ちょっと嬉しいこの気持ちは何だ?)
照「あ、ああ。心配してくれてありがと……」
菫「!!」ドキッ
菫(照が……私に素直に礼を言った……?)
照(あ、あれ? なんか不思議そうな顔されてる?)
菫(なんなんだ……こんなの狂ってるのに、ちょっと嬉しいこの気持ちは何だ?)
21: 2010/08/21(土) 23:05:11.91 ID:TRe0YZqU0
部活中
菫「照、それロンだ」
照「うわっ」ビクッ
菫(くっ、なに今の小動物みたいな反応……かわいいじゃないかっ)
照「このお茶おいしい……な」ズズ…
尭深「ブフッ!」
淡「よ、よかったらケーキもありますけど…」
照「あ……じゃあ、いただきます」
亦野(なん…だと…?)
照「うっ…」ガタンッ
菫「どうした? 急に立ち上がって」
照「ト、トイレ行ってきま……行ってくる!」
タッタッタッタッ…
一同「………」
菫「照、それロンだ」
照「うわっ」ビクッ
菫(くっ、なに今の小動物みたいな反応……かわいいじゃないかっ)
照「このお茶おいしい……な」ズズ…
尭深「ブフッ!」
淡「よ、よかったらケーキもありますけど…」
照「あ……じゃあ、いただきます」
亦野(なん…だと…?)
照「うっ…」ガタンッ
菫「どうした? 急に立ち上がって」
照「ト、トイレ行ってきま……行ってくる!」
タッタッタッタッ…
一同「………」
23: 2010/08/21(土) 23:09:33.44 ID:TRe0YZqU0
部活終了後
照「じ、じゃあ…私は帰るから……」
菫「ああ…」
バタン! タッタッタッタッ……
亦野「一体何だったんですか、今日の先輩は?」
菫「私にも分からん…何が起きてるのか」
尭深「……昨日、照先輩が事故にあったのを見たって噂を聞きました……
もしかしたら、あれは本当だったのかも……」
照「じ、じゃあ…私は帰るから……」
菫「ああ…」
バタン! タッタッタッタッ……
亦野「一体何だったんですか、今日の先輩は?」
菫「私にも分からん…何が起きてるのか」
尭深「……昨日、照先輩が事故にあったのを見たって噂を聞きました……
もしかしたら、あれは本当だったのかも……」
24: 2010/08/21(土) 23:14:56.24 ID:TRe0YZqU0
菫「すると照は、その事故で頭でも打って気が狂ったのか? いや、それしか考えられない」
亦野「今日の先輩は、いつもの先輩らしくありませんでした。
麻雀だって得意の国士じゃなくて、嶺上開花ばっかりであがるし」
尭深「おまけに物腰はやわらか……普段の近寄りがたい雰囲気はどこ吹く風……」
菫「よく何もない所で転びそうになるし、いつからあいつはドジっ娘に……」
淡「でも今日の照先輩……チョー可愛かったですよね」ゴクッ…
亦野「今日の先輩は、いつもの先輩らしくありませんでした。
麻雀だって得意の国士じゃなくて、嶺上開花ばっかりであがるし」
尭深「おまけに物腰はやわらか……普段の近寄りがたい雰囲気はどこ吹く風……」
菫「よく何もない所で転びそうになるし、いつからあいつはドジっ娘に……」
淡「でも今日の照先輩……チョー可愛かったですよね」ゴクッ…
25: 2010/08/21(土) 23:19:20.78 ID:TRe0YZqU0
亦野「お、お前なあ……本人に聞かれたら殺されるぞ?
っていうかお前そんなキャラだったのか?」
淡「あ、すいません…つい」
尭深「淡の気持もわかる。普段とのギャップが凄すぎる……」
菫「ああ。私も礼を言われた時は、違和感を感じながらも素直に嬉しかった」
亦野「あの冷徹で、他人に無関心で、いつもそっけない照先輩が………ああ、これが……」
一同(ギャップ萌えってやつか…)
っていうかお前そんなキャラだったのか?」
淡「あ、すいません…つい」
尭深「淡の気持もわかる。普段とのギャップが凄すぎる……」
菫「ああ。私も礼を言われた時は、違和感を感じながらも素直に嬉しかった」
亦野「あの冷徹で、他人に無関心で、いつもそっけない照先輩が………ああ、これが……」
一同(ギャップ萌えってやつか…)
26: 2010/08/21(土) 23:22:49.78 ID:TRe0YZqU0
淡「っていうか、私たちがこれほど話し込んだのも、これが初めてじゃないですか?」
菫「いつも照を筆頭として、みんなが重苦しいオーラー出してたから話しにくかったんだよ」
亦野「そうですね。渋谷だってちゃんと喋れるんじゃないか」
尭深「……きっかけがなかっただけ……照先輩も、本当は明るい人なのかも」
亦野(それはひょっとしてギャグで言っているのか!?)
菫「いや、案外そうなのかもな……」
淡「明日からもっと話しかけてみましょうよ!」
菫「いつも照を筆頭として、みんなが重苦しいオーラー出してたから話しにくかったんだよ」
亦野「そうですね。渋谷だってちゃんと喋れるんじゃないか」
尭深「……きっかけがなかっただけ……照先輩も、本当は明るい人なのかも」
亦野(それはひょっとしてギャグで言っているのか!?)
菫「いや、案外そうなのかもな……」
淡「明日からもっと話しかけてみましょうよ!」
27: 2010/08/21(土) 23:28:19.54 ID:TRe0YZqU0
翌日、長野の病院
咲(照)「ハッ!?」
咲(照)「ここは…どこだ……?」
咲(照)(ここは病室? そうだ思い出したぞ……私は学校の帰りに事故にあって、それから…)
照がベッドから起き上がると、正面にあった鏡に自分の顔が映った。
咲(照)「ななななななっ、なんだこれは……!」
咲(照)(顔が…私の顔が咲の顔に……?)
咲(照)「ハッ!?」
咲(照)「ここは…どこだ……?」
咲(照)(ここは病室? そうだ思い出したぞ……私は学校の帰りに事故にあって、それから…)
照がベッドから起き上がると、正面にあった鏡に自分の顔が映った。
咲(照)「ななななななっ、なんだこれは……!」
咲(照)(顔が…私の顔が咲の顔に……?)
28: 2010/08/21(土) 23:33:02.91 ID:TRe0YZqU0
咲「なんとか病院から抜け出してこれたが…これからどうすればいいんだ?」
トコトコトコトコ…
和(あれは……宮永さん?)
咲(しかし未だに信じられん……どうして私の顔が咲の顔になってるんだ?)
和「宮永さ―ん!」タッタッタッ…
咲「そうか、これは夢なんだ。そうに違いない」
和「宮永さん、どうしたんですかこんなところで?」
咲「って、こんなリアルな夢があるか……認めたくないが、これは現実だ」
和「あのー、さっきから一人で何をブツブツと……」
咲「ん、 誰だお前?」
和「なっ……」ガーン
トコトコトコトコ…
和(あれは……宮永さん?)
咲(しかし未だに信じられん……どうして私の顔が咲の顔になってるんだ?)
和「宮永さ―ん!」タッタッタッ…
咲「そうか、これは夢なんだ。そうに違いない」
和「宮永さん、どうしたんですかこんなところで?」
咲「って、こんなリアルな夢があるか……認めたくないが、これは現実だ」
和「あのー、さっきから一人で何をブツブツと……」
咲「ん、 誰だお前?」
和「なっ……」ガーン
29: 2010/08/21(土) 23:41:37.92 ID:TRe0YZqU0
和「じょ、冗談はよしてください! 私です、原村和ですよ!」
咲(はっ…! しまった、今は私が咲だったんだ……こいつは友達か?)
咲「ああ…えっと、そう冗談だよ……和……ちゃん?」
和(えっ!? 宮永さん、今私のこと名前で呼んでくれました……)
咲「あの……どうした……の?」
和「な、何でもありません! さ、早く学校へ行きましょう!」キラキラ
ギュッ
咲(えっ、なにこいつ……いきなり手掴んできて気持ち悪い…)
咲(はっ…! しまった、今は私が咲だったんだ……こいつは友達か?)
咲「ああ…えっと、そう冗談だよ……和……ちゃん?」
和(えっ!? 宮永さん、今私のこと名前で呼んでくれました……)
咲「あの……どうした……の?」
和「な、何でもありません! さ、早く学校へ行きましょう!」キラキラ
ギュッ
咲(えっ、なにこいつ……いきなり手掴んできて気持ち悪い…)
30: 2010/08/21(土) 23:44:28.88 ID:TRe0YZqU0
和「それにしても、なんで急に帰ってきたんですか?」
咲「えっ? なにが…」
和「宮永さんたら、さっきからとぼけてばっかり……
お姉さんに会いに、一週間東京に行ったって聞きましたよ」
咲(そうなのか?)
咲「あっ…うん。でもやることないし、帰ってきちゃった」
和「あれほど普段から、お姉さんに会いたがったのにですか?」
咲(………)
咲「えっ? なにが…」
和「宮永さんたら、さっきからとぼけてばっかり……
お姉さんに会いに、一週間東京に行ったって聞きましたよ」
咲(そうなのか?)
咲「あっ…うん。でもやることないし、帰ってきちゃった」
和「あれほど普段から、お姉さんに会いたがったのにですか?」
咲(………)
32: 2010/08/21(土) 23:48:49.58 ID:TRe0YZqU0
和「ところで宮永さん、今日は声がいつもより低くありませんか?」
咲「い、いやちょっと風邪気味でさ…ゴホッゴホッ…」
和「そうですか……マスクぐらいしたほがいいのでは?」
咲「そ、そういえばさ……なんで手ぶらで学校行くの?」
和「もう、からかわないでくださいよ。 私たちは今日から夏休みじゃないですか」
咲「あ、そうだったよね…」
咲(咲の学校はもう夏休みなのか。白糸台とは大違いだな)
和「これからは麻雀に集中できますね」
咲(咲のやつ、麻雀を続けていたか)
咲「い、いやちょっと風邪気味でさ…ゴホッゴホッ…」
和「そうですか……マスクぐらいしたほがいいのでは?」
咲「そ、そういえばさ……なんで手ぶらで学校行くの?」
和「もう、からかわないでくださいよ。 私たちは今日から夏休みじゃないですか」
咲「あ、そうだったよね…」
咲(咲の学校はもう夏休みなのか。白糸台とは大違いだな)
和「これからは麻雀に集中できますね」
咲(咲のやつ、麻雀を続けていたか)
33: 2010/08/21(土) 23:52:58.39 ID:TRe0YZqU0
麻雀部部室
和「こんにちわ」
咲「……こんにちわ」ボソッ
優希「おっ、咲ちゃんにのどちゃん!」ダッ
和「ゆーき、来てたんですね」
優希「あったり前だじぇ! 二人とも、タコス食うか―?」パクパク
咲(こいつウザいな……おまけにタコス臭いし)
和「こんにちわ」
咲「……こんにちわ」ボソッ
優希「おっ、咲ちゃんにのどちゃん!」ダッ
和「ゆーき、来てたんですね」
優希「あったり前だじぇ! 二人とも、タコス食うか―?」パクパク
咲(こいつウザいな……おまけにタコス臭いし)
34: 2010/08/21(土) 23:57:14.41 ID:TRe0YZqU0
ガチャッ
京太郎「ういーっす」
咲「きょ、京ちゃん!」ビクッ
京太郎「? どうした咲、そんなに驚いて?」
咲「いや、なんでもない…」
咲(うわっ、京ちゃん麻雀部だったんだ……つい昔のあだ名で呼んじゃったけど、
ツッコまれないってことはこれでいいのか)
優希「なーんか咲ちゃん、挙動不審だじぇ」
京太郎「ういーっす」
咲「きょ、京ちゃん!」ビクッ
京太郎「? どうした咲、そんなに驚いて?」
咲「いや、なんでもない…」
咲(うわっ、京ちゃん麻雀部だったんだ……つい昔のあだ名で呼んじゃったけど、
ツッコまれないってことはこれでいいのか)
優希「なーんか咲ちゃん、挙動不審だじぇ」
36: 2010/08/22(日) 00:00:50.04 ID:sufaI3Wj0
ガチャッ
まこ「遅れてすまんのー」
久「さーっ始めるわよ!」
優希「染谷先輩に部長、やっと来たじぇ!」
咲(あのワカメが染谷で……おさげが部長か。よし、覚えたぞ)
和「さあ宮永さん、卓に入りましょう」
咲「あ、うん。和ちゃん」
久「あら? いつの間に名前を呼ぶようになったの?」
和「……今朝からです///」
咲(なにっ? そうだったのか…)
まこ「遅れてすまんのー」
久「さーっ始めるわよ!」
優希「染谷先輩に部長、やっと来たじぇ!」
咲(あのワカメが染谷で……おさげが部長か。よし、覚えたぞ)
和「さあ宮永さん、卓に入りましょう」
咲「あ、うん。和ちゃん」
久「あら? いつの間に名前を呼ぶようになったの?」
和「……今朝からです///」
咲(なにっ? そうだったのか…)
38: 2010/08/22(日) 00:04:15.60 ID:sufaI3Wj0
咲「ツモ、国士無双」
優希「またかじょ!?」
京太郎「おいおいすげーな。一緒に打ってる和や部長が気の毒だぜ」
優希「むっ、私はどうでもいいのか?」
京太郎「別に…」
優希「なんだとー、犬の分際で!」
ワーワー ドタバタ ドタバタ
咲(弱すぎる……こんなチームじゃ、全国どころか県予選突破も無理だな)
優希「またかじょ!?」
京太郎「おいおいすげーな。一緒に打ってる和や部長が気の毒だぜ」
優希「むっ、私はどうでもいいのか?」
京太郎「別に…」
優希「なんだとー、犬の分際で!」
ワーワー ドタバタ ドタバタ
咲(弱すぎる……こんなチームじゃ、全国どころか県予選突破も無理だな)
40: 2010/08/22(日) 00:07:14.18 ID:sufaI3Wj0
久「ホント強いわね、今日の咲は……大会のときがこれだったらなぁ…」
まこ「おい、それは言っちゃダメじゃろ」
久「ゴメンなさい。ちょっと未練感じちゃった……」
咲(そうか、やっぱりこのチーム負けたんだな。 しかも会話の流れから察するに、
咲が頑張れば勝てた試合らしい……まったく、不甲斐ないやつだ)
咲「すいません部長……でも来年は必ず勝って、部長やみんなを全国へ連れて行きますから!」
京太郎「えっ…咲…?」
久「えーっと、それはどういう意味で言ったのかしら?」
まこ「おい、それは言っちゃダメじゃろ」
久「ゴメンなさい。ちょっと未練感じちゃった……」
咲(そうか、やっぱりこのチーム負けたんだな。 しかも会話の流れから察するに、
咲が頑張れば勝てた試合らしい……まったく、不甲斐ないやつだ)
咲「すいません部長……でも来年は必ず勝って、部長やみんなを全国へ連れて行きますから!」
京太郎「えっ…咲…?」
久「えーっと、それはどういう意味で言ったのかしら?」
41: 2010/08/22(日) 00:11:02.26 ID:sufaI3Wj0
咲「……私、何か間違ったこと言いました?」
優希「おいおい、咲ちゃん……」
まこ「部長は三年じゃから、今年で最後じゃろ?」
咲(なっ……しまった! この二年のワカメがタメ口で話していたから、
てっきり同じ二年だとばかり……つーかこいつ私と同い年かっ!)
咲「あ、すません……そうでしたね…」
京太郎「そうでしたねって……咲お前大丈夫か?」
和(やっぱり今日の宮永さん、どこかおかしいです)
久(……?)
優希「おいおい、咲ちゃん……」
まこ「部長は三年じゃから、今年で最後じゃろ?」
咲(なっ……しまった! この二年のワカメがタメ口で話していたから、
てっきり同じ二年だとばかり……つーかこいつ私と同い年かっ!)
咲「あ、すません……そうでしたね…」
京太郎「そうでしたねって……咲お前大丈夫か?」
和(やっぱり今日の宮永さん、どこかおかしいです)
久(……?)
42: 2010/08/22(日) 00:15:54.65 ID:sufaI3Wj0
咲(くそっ…さっきから空気が……)
一同「………」シーン
咲(明らかに私に疑惑の眼差しが向けられている……ここにいてもボロを出すだけだ……)
和「………」チラッ
久「………」ジーッ
咲(ああ…帰りたい。そうだ、なにもここにいる必要はないんだ。適当な理由をつけて帰ろう)
一同「………」シーン
咲(明らかに私に疑惑の眼差しが向けられている……ここにいてもボロを出すだけだ……)
和「………」チラッ
久「………」ジーッ
咲(ああ…帰りたい。そうだ、なにもここにいる必要はないんだ。適当な理由をつけて帰ろう)
43: 2010/08/22(日) 00:18:41.63 ID:sufaI3Wj0
ガタッ
咲「あの…私、午後から用事があるので、これで帰りますね」
まこ「今日は初日じゃけ、どのみち午前中で終わりじゃ…」
咲「あっ……そうですか、それじゃ…」
タッタッタッタッタッ…
優希「何だったんだー、今日の咲ちゃんは?」
久「……何かあるわね」
咲「あの…私、午後から用事があるので、これで帰りますね」
まこ「今日は初日じゃけ、どのみち午前中で終わりじゃ…」
咲「あっ……そうですか、それじゃ…」
タッタッタッタッタッ…
優希「何だったんだー、今日の咲ちゃんは?」
久「……何かあるわね」
44: 2010/08/22(日) 00:23:11.50 ID:sufaI3Wj0
タッタッタッタッタッ…
咲「くそっ…完全に疑われてたぞ、私」
咲(まあいい、二度とあそこには戻るまい……すぐにでも東京へ行かないと)
咲「うわ、懐かしい……この道を行けば、前の家に着くはず」
タッタッタッタッタッ…
咲「着いた……昔となにも変わってないな、この家は」
咲「くそっ…完全に疑われてたぞ、私」
咲(まあいい、二度とあそこには戻るまい……すぐにでも東京へ行かないと)
咲「うわ、懐かしい……この道を行けば、前の家に着くはず」
タッタッタッタッタッ…
咲「着いた……昔となにも変わってないな、この家は」
45: 2010/08/22(日) 00:28:17.39 ID:sufaI3Wj0
宮永家
ガチャッ
咲「ただいま」
咲(本当に久しぶりに、ただいまなわけだが…)
シーン
咲「お父さんはこの時間帯仕事か。失業はしてないみたいだな」
咲「さて、お金は……これだけあれば十分だな」ガサゴソ
ガチャッ
咲「ただいま」
咲(本当に久しぶりに、ただいまなわけだが…)
シーン
咲「お父さんはこの時間帯仕事か。失業はしてないみたいだな」
咲「さて、お金は……これだけあれば十分だな」ガサゴソ
46: 2010/08/22(日) 00:31:00.31 ID:sufaI3Wj0
龍門渕邸
透華「逃げ出したですって? 宮永照が!?」
ハギヨシ「正確には宮永咲の顔をした宮永照様が、です。先程病院から連絡が」
透華「あの昏睡から目覚めるなんて……麻酔もかけずに手術したのがいけなかったのかしら?」
ハギヨシ「朝方、まだスタッフが出勤していないうちに脱走したようですね。現在、全力で捜索中です」
透華「急ぎなさい! 彼女が宮永咲に接触したら、大変なことになりますわ!」
透華「逃げ出したですって? 宮永照が!?」
ハギヨシ「正確には宮永咲の顔をした宮永照様が、です。先程病院から連絡が」
透華「あの昏睡から目覚めるなんて……麻酔もかけずに手術したのがいけなかったのかしら?」
ハギヨシ「朝方、まだスタッフが出勤していないうちに脱走したようですね。現在、全力で捜索中です」
透華「急ぎなさい! 彼女が宮永咲に接触したら、大変なことになりますわ!」
47: 2010/08/22(日) 01:01:46.69 ID:sufaI3Wj0
東京 白糸台高校
咲「ふぅ、なんとか戻ってこれたな」
咲(しかしこの顔、この格好で、ここに正面からは入れない……)
照は校舎の外周をぐるりと周った。
そして、麻雀部の部室がある建物へと辿り着いた。
咲(この時間帯は部活の真っ最中のハズ……まずは部室に窓から入って、
みんなにこの顔のことを説明するしかない。菫あたりなら、なんとか信じてくれるかも…)
咲「ふぅ、なんとか戻ってこれたな」
咲(しかしこの顔、この格好で、ここに正面からは入れない……)
照は校舎の外周をぐるりと周った。
そして、麻雀部の部室がある建物へと辿り着いた。
咲(この時間帯は部活の真っ最中のハズ……まずは部室に窓から入って、
みんなにこの顔のことを説明するしかない。菫あたりなら、なんとか信じてくれるかも…)
48: 2010/08/22(日) 01:06:25.22 ID:sufaI3Wj0
照は、窓から麻雀部の部室を覗きこんだ。
室中では照と同じチームメイトの四人が、誰かを囲んで談笑していた。
咲(あいつら何か話しているな……あれは………えっ?)
ワイワイ キャッキャッ
照「もうー、やめてよぅー」
咲(あれは…あれは私じゃないか……っ!!!)
室中では照と同じチームメイトの四人が、誰かを囲んで談笑していた。
咲(あいつら何か話しているな……あれは………えっ?)
ワイワイ キャッキャッ
照「もうー、やめてよぅー」
咲(あれは…あれは私じゃないか……っ!!!)
49: 2010/08/22(日) 01:10:15.04 ID:sufaI3Wj0
菫「それにしても驚いたぞ。お前がそんなに楽しいやつだったとはな」
照「あははっ、自分でもびっくりだよ」
亦野「ほんとほんと、正直この部のクールな雰囲気って苦手で……照先輩はその筆頭でしたから」
菫「お互い知らないうちに壁を作っていたわけだ」
尭深「あっ…照先輩お茶どうぞ」サッ
照「ありがとう、尭深ちゃん」ズズ…
照「あははっ、自分でもびっくりだよ」
亦野「ほんとほんと、正直この部のクールな雰囲気って苦手で……照先輩はその筆頭でしたから」
菫「お互い知らないうちに壁を作っていたわけだ」
尭深「あっ…照先輩お茶どうぞ」サッ
照「ありがとう、尭深ちゃん」ズズ…
50: 2010/08/22(日) 01:14:29.55 ID:sufaI3Wj0
淡「照せんぱーい!」ダキッ
照「うわっ、淡ちゃん!」
淡「ああ、淡ちゃんなんて呼んでもらえる日が来るなんて……
今から先輩のこと、てるてるって呼んでいいですか!?」
照「あ…うん、いいよ」
淡「きゃーやったー! あと私のほっぺ、ぷにぷにーってしてください!」
照「あー、えーっと……こう?」プニプニ
淡「きゃー、気持ちいいーーー!!!」
ワイワイ キャッキャッ
照「うわっ、淡ちゃん!」
淡「ああ、淡ちゃんなんて呼んでもらえる日が来るなんて……
今から先輩のこと、てるてるって呼んでいいですか!?」
照「あ…うん、いいよ」
淡「きゃーやったー! あと私のほっぺ、ぷにぷにーってしてください!」
照「あー、えーっと……こう?」プニプニ
淡「きゃー、気持ちいいーーー!!!」
ワイワイ キャッキャッ
51: 2010/08/22(日) 01:17:29.56 ID:sufaI3Wj0
咲「な……んだ……これはっ……」
照は思わず声に出していた。
頭蓋に、百トンの重りが直撃したような衝撃だった。
咲(一体何が起きている? 私の顔をした誰かがあそこにいて、私のフリを……)
ぐるぐると色々な感情が頭を渦巻く。その中でも一番照を混乱させたのは――
咲(なんで、みんなあんな楽しそうなんだ…?)
照は思わず声に出していた。
頭蓋に、百トンの重りが直撃したような衝撃だった。
咲(一体何が起きている? 私の顔をした誰かがあそこにいて、私のフリを……)
ぐるぐると色々な感情が頭を渦巻く。その中でも一番照を混乱させたのは――
咲(なんで、みんなあんな楽しそうなんだ…?)
52: 2010/08/22(日) 01:22:15.71 ID:sufaI3Wj0
咲(あれは私の偽物だぞ……偽物が本物以上の機能を持っているわけがない!)
しかし現実では、彼女の偽物は彼女よりも部員たちとずっとうまくやっている。
咲(くそっ、亦野や渋谷はあんな顔して笑えたのか……淡はくっつきすぎだ!
おい菫、今度泊まりに行っていいかとか聞くな!)
そしてなによりも――
咲(私の顔が…あんなに楽しそうに笑ってる……)
そのことが、何故か無性に照の胸を痛くした。
しかし現実では、彼女の偽物は彼女よりも部員たちとずっとうまくやっている。
咲(くそっ、亦野や渋谷はあんな顔して笑えたのか……淡はくっつきすぎだ!
おい菫、今度泊まりに行っていいかとか聞くな!)
そしてなによりも――
咲(私の顔が…あんなに楽しそうに笑ってる……)
そのことが、何故か無性に照の胸を痛くした。
53: 2010/08/22(日) 01:28:50.92 ID:sufaI3Wj0
透華「間に合いませんでしたか…」
照の背後から女性の声がした。
咲「お前、確か龍門渕とかいったか……何の用だ?」
透華「察しはついてると思いますが……あなたたち姉妹の顔を入れ替えたのは、
この私たちでしてよ……」
咲「姉妹の顔を…入れ替えた?」
咲(とすると、あそこにいる私の偽物は…)
咲「咲…お前か…!」
照の背後から女性の声がした。
咲「お前、確か龍門渕とかいったか……何の用だ?」
透華「察しはついてると思いますが……あなたたち姉妹の顔を入れ替えたのは、
この私たちでしてよ……」
咲「姉妹の顔を…入れ替えた?」
咲(とすると、あそこにいる私の偽物は…)
咲「咲…お前か…!」
55: 2010/08/22(日) 01:33:44.22 ID:sufaI3Wj0
透華「ミッションは中止ですわ…今すぐ二人の顔を元に戻してさしあげます。
もちろん、損害賠償もたっぷりと…」
だが照には、透華の言葉など耳に入っていなかった。
咲(咲…お前はいつも私から何かを奪っていく……私のお年玉、私のプライド……)
咲(私と同等の力を持っていたくせに、いつからか家族麻雀で手を抜くようになった……
そんなお前が私は大嫌いだった)
透華「――ですから裁判沙汰だけはご勘弁を。もっとも話したところで、
誰も信じないような話ですが…って聞いていますの?」
もちろん、損害賠償もたっぷりと…」
だが照には、透華の言葉など耳に入っていなかった。
咲(咲…お前はいつも私から何かを奪っていく……私のお年玉、私のプライド……)
咲(私と同等の力を持っていたくせに、いつからか家族麻雀で手を抜くようになった……
そんなお前が私は大嫌いだった)
透華「――ですから裁判沙汰だけはご勘弁を。もっとも話したところで、
誰も信じないような話ですが…って聞いていますの?」
57: 2010/08/22(日) 01:38:46.54 ID:sufaI3Wj0
咲「顔の件はもういい……何もしないから、あと一週間このままにしてくれ」
透華「ええっ!? 今すぐ元に戻してもいいのですわよ?」
咲「失ったものは戻らない。ならば……」
咲(今度はこっちが奪ってやる番だ)
透華「ええっ!? 今すぐ元に戻してもいいのですわよ?」
咲「失ったものは戻らない。ならば……」
咲(今度はこっちが奪ってやる番だ)
58: 2010/08/22(日) 01:43:07.11 ID:sufaI3Wj0
ピリリリリリ ピリリリリリ
照(電話だ……非通知?)
照「もしもし、宮永照ですが」
『……………』
照「あの、もしもし、悪戯ですか?」
『……お前が宮永照なら、私は宮永咲だ……ブチッ』
ツー ツー
照(今の声……お姉ちゃん?)
照(電話だ……非通知?)
照「もしもし、宮永照ですが」
『……………』
照「あの、もしもし、悪戯ですか?」
『……お前が宮永照なら、私は宮永咲だ……ブチッ』
ツー ツー
照(今の声……お姉ちゃん?)
59: 2010/08/22(日) 01:50:35.57 ID:sufaI3Wj0
長野の病院
透華「変声機を喉に埋め込みましたわ。これであなたは正真正銘、宮永咲ですわ」
咲「よし、あとは妹をなんとしても長野に来させるな。きっちり一週間、東京に滞在させろ」
透華「分かってますわよ。こちらとしても、その方がありがたいですし」
咲(見てろ咲…お前の人間関係をメチャクチャにしてやる……)
透華「変声機を喉に埋め込みましたわ。これであなたは正真正銘、宮永咲ですわ」
咲「よし、あとは妹をなんとしても長野に来させるな。きっちり一週間、東京に滞在させろ」
透華「分かってますわよ。こちらとしても、その方がありがたいですし」
咲(見てろ咲…お前の人間関係をメチャクチャにしてやる……)
60: 2010/08/22(日) 01:56:00.62 ID:sufaI3Wj0
照(今日の電話…本当にお姉ちゃんだったのかなぁ?)
照(だとしたらマズイよ……お姉ちゃんは、私の顔をしているんだし)
照(でもりゅーもんさんは、今でも宮永照は病院で眠ってるから、安心して任務を続けろって言うし…)
照(いや…もしも、りゅーもんさんがお姉ちゃんとグルだったとしたら!)
照「こうしちゃいられない」
ピッピッピッ プルルルルル…
照「もしもし、私、宮永咲です。信じられないような話があるんですが…」
照(だとしたらマズイよ……お姉ちゃんは、私の顔をしているんだし)
照(でもりゅーもんさんは、今でも宮永照は病院で眠ってるから、安心して任務を続けろって言うし…)
照(いや…もしも、りゅーもんさんがお姉ちゃんとグルだったとしたら!)
照「こうしちゃいられない」
ピッピッピッ プルルルルル…
照「もしもし、私、宮永咲です。信じられないような話があるんですが…」
61: 2010/08/22(日) 02:01:37.48 ID:sufaI3Wj0
翌日 京太郎の家
京太郎「さてと、そろそろ部活へ行く時間だな」
ピンポーン
京太郎「ん? こんな朝っぱらから誰だ?」
ガチャッ
京太郎「はい、どちら様で…」
咲「京ちゃん…お、おはよう」
京太郎「咲!?」
京太郎「さてと、そろそろ部活へ行く時間だな」
ピンポーン
京太郎「ん? こんな朝っぱらから誰だ?」
ガチャッ
京太郎「はい、どちら様で…」
咲「京ちゃん…お、おはよう」
京太郎「咲!?」
62: 2010/08/22(日) 02:06:01.20 ID:sufaI3Wj0
京太郎「なんで咲が俺ん家来てんの?」
咲「いや…なんか京ちゃんと部活行こうかなって思って」
京太郎「え? いや、まあ別にいいけど…」
咲「じ、じゃあ…行こ?」
京太郎「お、おう」
咲「いや…なんか京ちゃんと部活行こうかなって思って」
京太郎「え? いや、まあ別にいいけど…」
咲「じ、じゃあ…行こ?」
京太郎「お、おう」
63: 2010/08/22(日) 02:10:03.91 ID:sufaI3Wj0
咲「そ、それでさー」ベタベタ
京太郎「さ、咲…あんまりくっつくなよ……あ、歩きにくいじゃないか…」
咲「そ、そうかなー?」ベタベタ
咲(くそっ…想像以上に恥ずかしいなこれ……だがこれも計画の為だ)
京太郎(こうやって近くで見ると、咲も案外可愛いかもな……)
京太郎「さ、咲…あんまりくっつくなよ……あ、歩きにくいじゃないか…」
咲「そ、そうかなー?」ベタベタ
咲(くそっ…想像以上に恥ずかしいなこれ……だがこれも計画の為だ)
京太郎(こうやって近くで見ると、咲も案外可愛いかもな……)
64: 2010/08/22(日) 02:15:54.54 ID:sufaI3Wj0
部室
ガチャッ
京太郎「ち、ちぃーっす」
咲「こんにちわ」ボソッ
優希「来たか! 京太郎に咲ちゃ……えっ?」
優希(咲ちゃんが、京太郎と手をつないでいる?)
まこ「ほぅ…朝から見せつけてくれるのぅ」ニヤニヤ
京太郎「さ…咲が朝から離してくれなくて……///」
咲「くっ……」カァァ
ガチャッ
京太郎「ち、ちぃーっす」
咲「こんにちわ」ボソッ
優希「来たか! 京太郎に咲ちゃ……えっ?」
優希(咲ちゃんが、京太郎と手をつないでいる?)
まこ「ほぅ…朝から見せつけてくれるのぅ」ニヤニヤ
京太郎「さ…咲が朝から離してくれなくて……///」
咲「くっ……」カァァ
65: 2010/08/22(日) 02:19:49.22 ID:sufaI3Wj0
咲(た…耐えろ私……これも咲に復讐するため……)
京太郎「そ、そうだ…和や部長は来てないんですか?」
まこ「さっき連絡があっての…二人とも遅れるそうじゃ」
京太郎「そうですか…」
優希「だったらこの四人で始めるじぇ! おいきょうたろー、いつまで手を握ってるつもりだ!
さっさと離すがいいじぇ!!」
咲「……うるさい、タコス女」ボソッ
優希「じぇ!? ……今何か言ったか咲ちゃん?」
咲「別に何も…」
京太郎「そ、そうだ…和や部長は来てないんですか?」
まこ「さっき連絡があっての…二人とも遅れるそうじゃ」
京太郎「そうですか…」
優希「だったらこの四人で始めるじぇ! おいきょうたろー、いつまで手を握ってるつもりだ!
さっさと離すがいいじぇ!!」
咲「……うるさい、タコス女」ボソッ
優希「じぇ!? ……今何か言ったか咲ちゃん?」
咲「別に何も…」
66: 2010/08/22(日) 02:23:24.24 ID:sufaI3Wj0
咲「ロン、18000」
優希「じょっ!?」
京太郎「また優希がトビか……これで3回連続だぞ」
優希「くぅ……」
咲「どうしたの優希ちゃん? なんだか今日はひどく弱っちいね」
優希「そんな…咲ちゃんひどいじぇ……」
優希「じょっ!?」
京太郎「また優希がトビか……これで3回連続だぞ」
優希「くぅ……」
咲「どうしたの優希ちゃん? なんだか今日はひどく弱っちいね」
優希「そんな…咲ちゃんひどいじぇ……」
67: 2010/08/22(日) 02:28:42.85 ID:sufaI3Wj0
まこ「おいおい、言いすぎじゃ咲」
咲「……ちっ、ワカメのくせに」ボソッ
まこ「なっ!?」
優希「なんか…今日の咲ちゃん口が悪いじぇ…」
咲「黙れ。タコス臭いんだよ」
優希「」
一同「………」シーン
咲(ふふっ、作戦通りだ……)
咲「……ちっ、ワカメのくせに」ボソッ
まこ「なっ!?」
優希「なんか…今日の咲ちゃん口が悪いじぇ…」
咲「黙れ。タコス臭いんだよ」
優希「」
一同「………」シーン
咲(ふふっ、作戦通りだ……)
68: 2010/08/22(日) 02:34:30.43 ID:sufaI3Wj0
ガチャッ
久「みんなやってるー?」
和「遅くなりました」
まこ「お、おーう……二人ともやっと来おったか」
京太郎(部長と和……なんかたくさん買い物袋持ってるけど、ありゃなんだ?)
咲(来たな、ガチレO女め……よぅし、次の作戦は…)
咲「和ちゃん! 待ってたよ!!」ダッ
久「みんなやってるー?」
和「遅くなりました」
まこ「お、おーう……二人ともやっと来おったか」
京太郎(部長と和……なんかたくさん買い物袋持ってるけど、ありゃなんだ?)
咲(来たな、ガチレO女め……よぅし、次の作戦は…)
咲「和ちゃん! 待ってたよ!!」ダッ
69: 2010/08/22(日) 02:39:43.12 ID:sufaI3Wj0
和「えっ…どうしたんですか宮永さん? き、急に抱きついてきて…」
和(ああ…宮永さんの髪の匂い……いい匂いです)
咲「だって、和ちゃんがやっと来てくれて、嬉しかったんだもん」
咲(あー、気持ち悪い……何が嬉しくてこんな奇乳女に抱きつかなきゃいけないんだ)
和「そ、その…もう離してくれませんか宮永さん……」ドキドキ
咲「えへへ…もうちょっとだけ……」
優希「ま、待つじぇ!!」
和(ああ…宮永さんの髪の匂い……いい匂いです)
咲「だって、和ちゃんがやっと来てくれて、嬉しかったんだもん」
咲(あー、気持ち悪い……何が嬉しくてこんな奇乳女に抱きつかなきゃいけないんだ)
和「そ、その…もう離してくれませんか宮永さん……」ドキドキ
咲「えへへ…もうちょっとだけ……」
優希「ま、待つじぇ!!」
71: 2010/08/22(日) 02:45:28.86 ID:sufaI3Wj0
咲「なに、優希ちゃん?」
優希「そんなのおかしいじぇ! さっきは京太郎とイチャイチャしてたくせに、
今度はのどちゃんに抱きつくなんて………二股もいいとこだじょ!」
咲(そうだ、そのセリフを待っていた。ナイスだ、タコス女)
咲「いいじゃん、そのくらい。その時の気分ってものがあるんだからさ。
今は和ちゃんとイチャイチャしたい気分だったんだもん」
優希「そんなこと許されるわけないじぇ!」
咲(ククッ、これで咲は二股かけた最低女としてのレッテルを貼られるんだ……
あいつが帰って来たときが楽しみだな)
咲「ねえ、二人もそう思うよね? 私が気分次第で浮気しようが、全然問題ないよね?」
和「……そうですね」
咲「……はっ!?」
優希「そんなのおかしいじぇ! さっきは京太郎とイチャイチャしてたくせに、
今度はのどちゃんに抱きつくなんて………二股もいいとこだじょ!」
咲(そうだ、そのセリフを待っていた。ナイスだ、タコス女)
咲「いいじゃん、そのくらい。その時の気分ってものがあるんだからさ。
今は和ちゃんとイチャイチャしたい気分だったんだもん」
優希「そんなこと許されるわけないじぇ!」
咲(ククッ、これで咲は二股かけた最低女としてのレッテルを貼られるんだ……
あいつが帰って来たときが楽しみだな)
咲「ねえ、二人もそう思うよね? 私が気分次第で浮気しようが、全然問題ないよね?」
和「……そうですね」
咲「……はっ!?」
72: 2010/08/22(日) 02:49:44.95 ID:sufaI3Wj0
咲(な、何を言っているんだ、この淫乱ピンクは? この暑さで脳みそが溶解でもしたのか!?)
和「宮永さんが私と須賀君の両方が好きというなら、それで問題ない気がします」
京太郎「ああ、和がそう言うなら俺も……」
咲(京ちゃんまで……こんなの穢れてる……田舎はみんなこうなのか!?)
和(宮永さん、あからさまにうろたえていますね……)
久(まさかあの話が本当だったとはね……)
和「宮永さんが私と須賀君の両方が好きというなら、それで問題ない気がします」
京太郎「ああ、和がそう言うなら俺も……」
咲(京ちゃんまで……こんなの穢れてる……田舎はみんなこうなのか!?)
和(宮永さん、あからさまにうろたえていますね……)
久(まさかあの話が本当だったとはね……)
73: 2010/08/22(日) 02:54:35.85 ID:sufaI3Wj0
昨晩
――――――――――
久「顔が入れ替わったですって!?」
照『ええ、だからあれは私のお姉ちゃんなんです』
久「にわかには信じがたい話だけど、確かに昨日の宮永さんはどこかおかしかった…」
照『お願いです、お姉ちゃんが何か変なことをしないよう、見張ってください。
お姉ちゃん、昔からそういうところあるから…』
久「……わかったわ、みんなには私から説明しておくから」
照『ありがとうございます』
――――――――――
――――――――――
久「顔が入れ替わったですって!?」
照『ええ、だからあれは私のお姉ちゃんなんです』
久「にわかには信じがたい話だけど、確かに昨日の宮永さんはどこかおかしかった…」
照『お願いです、お姉ちゃんが何か変なことをしないよう、見張ってください。
お姉ちゃん、昔からそういうところあるから…』
久「……わかったわ、みんなには私から説明しておくから」
照『ありがとうございます』
――――――――――
74: 2010/08/22(日) 03:00:10.52 ID:sufaI3Wj0
まこ(部長から最初話を聞いた時は信じられんかったが…)
和(これではっきりしましたね)
京太郎(考えてみれば咲があんなこと出来るわけないし)
久(さて、どうからかってやろうかしら?)
優希(そんな……二股公認なんて、あり得ないじぇ……)
和(これではっきりしましたね)
京太郎(考えてみれば咲があんなこと出来るわけないし)
久(さて、どうからかってやろうかしら?)
優希(そんな……二股公認なんて、あり得ないじぇ……)
75: 2010/08/22(日) 03:05:16.24 ID:sufaI3Wj0
久「さて、全員そろったことだし……今から打ち上げやりまーす!」
一同「ええっ!?」
咲「麻雀はしないんですか?」
久「そうよ、今日は活動お休み」
咲「でも急に打ち上げって、一体なんの…」
久「細かいコトは気にしない! やるったらやるのよ!」
咲「………チッ」
久(今舌打ちしたわね、この子)
一同「ええっ!?」
咲「麻雀はしないんですか?」
久「そうよ、今日は活動お休み」
咲「でも急に打ち上げって、一体なんの…」
久「細かいコトは気にしない! やるったらやるのよ!」
咲「………チッ」
久(今舌打ちしたわね、この子)
76: 2010/08/22(日) 03:12:24.58 ID:sufaI3Wj0
久「ほら、そのために和と二人で色々買ってきたんだから」
優希「やったー! タコスもあるじぇ!!」
京太郎「ちょ、ちょっと部長……」
久「なに? 須賀君」
京太郎「いきなり打ち上げやるなんて、一体どうしたんすか?」ヒソヒソ
久「分からない? ちょっとあの子を……宮永照をからかってやろうと思ってね」ヒソヒソ
京太郎「照さんをですか?」ヒソヒソ
久「あなたも見てみたくない? インターハイの頂点、宮永照のうろたえる姿を」ヒソヒソ
京太郎「それは…ちょっと見てみたいかも」ヒソヒソ
久「といってもフツーに部活してるだけじゃ、彼女にいいようにやられるだけよ。
だったら、こっちのペースに持ち込んでやれば……」ヒソヒソ
京太郎「なるほど…」ヒソヒソ
優希「やったー! タコスもあるじぇ!!」
京太郎「ちょ、ちょっと部長……」
久「なに? 須賀君」
京太郎「いきなり打ち上げやるなんて、一体どうしたんすか?」ヒソヒソ
久「分からない? ちょっとあの子を……宮永照をからかってやろうと思ってね」ヒソヒソ
京太郎「照さんをですか?」ヒソヒソ
久「あなたも見てみたくない? インターハイの頂点、宮永照のうろたえる姿を」ヒソヒソ
京太郎「それは…ちょっと見てみたいかも」ヒソヒソ
久「といってもフツーに部活してるだけじゃ、彼女にいいようにやられるだけよ。
だったら、こっちのペースに持ち込んでやれば……」ヒソヒソ
京太郎「なるほど…」ヒソヒソ
78: 2010/08/22(日) 03:18:29.77 ID:sufaI3Wj0
優希「タコスうまいじぇー」バクバクッ
和「ケーキも買ってきましたので、皆さん食べてください」
まこ「おやっ? 酒まであるんかい。いいんか部長?」
久「いいのよ、今日は特別。ほら、咲も飲みなさいよ」
咲「えっ……私はお酒はちょっと……」
久「あら、おっかしいわねー? いつもなら真っ先に飛びつくのに」
京太郎「えっ?」
久「ホラ、みんなも合わせて!」ヒソヒソ
京太郎「あ、ああ…そうだな咲、お前酒大好きじゃないか」
咲(なっ…なんだと!?)
和「ケーキも買ってきましたので、皆さん食べてください」
まこ「おやっ? 酒まであるんかい。いいんか部長?」
久「いいのよ、今日は特別。ほら、咲も飲みなさいよ」
咲「えっ……私はお酒はちょっと……」
久「あら、おっかしいわねー? いつもなら真っ先に飛びつくのに」
京太郎「えっ?」
久「ホラ、みんなも合わせて!」ヒソヒソ
京太郎「あ、ああ…そうだな咲、お前酒大好きじゃないか」
咲(なっ…なんだと!?)
80: 2010/08/22(日) 03:27:02.13 ID:sufaI3Wj0
まこ「そうじゃよ、一升瓶ラッパ飲みするのが得意じゃろ?」
和「県予選で負けた後も、ヤケ酒あおってましたよね」
優希「ひょうだったふぇか」バクバクッ
咲(なんてやつだ、しばらく見ないうちに………咲の悪い子、悪い子!!)
久「で、もちろん飲むわよね?」ジッー
咲(今は私が咲なんだ……ここで飲まないと疑われる……)
咲「じ、じゃあ、ちょっとだけなら……」
久「ええー、どうせなら一気にグイッといきましょう、グイッっと」
和「県予選で負けた後も、ヤケ酒あおってましたよね」
優希「ひょうだったふぇか」バクバクッ
咲(なんてやつだ、しばらく見ないうちに………咲の悪い子、悪い子!!)
久「で、もちろん飲むわよね?」ジッー
咲(今は私が咲なんだ……ここで飲まないと疑われる……)
咲「じ、じゃあ、ちょっとだけなら……」
久「ええー、どうせなら一気にグイッといきましょう、グイッっと」
81: 2010/08/22(日) 03:31:28.76 ID:sufaI3Wj0
京太郎「そうだな。得意のイッキ飲みを見せてくれよ」
咲「えっ…でも……」
まこ「イッキ! イッキ!」
一同「イッキ! イッキ!」
まこに合わせて、全員が手拍子を打ち始めた。
咲(くそっ…こいつら……!)
一同「イッキ! イッキ!」
咲「くう~~~っ」
咲「えっ…でも……」
まこ「イッキ! イッキ!」
一同「イッキ! イッキ!」
まこに合わせて、全員が手拍子を打ち始めた。
咲(くそっ…こいつら……!)
一同「イッキ! イッキ!」
咲「くう~~~っ」
82: 2010/08/22(日) 03:36:03.16 ID:sufaI3Wj0
咲「かせっ!」バッ
久「ちょっ、いきなりひったくらなくても……」
咲「」グイッ
まこ「おほっ、ホンマにやりよった」
咲「」ゴクゴクゴク…
久(宮永照は、相当の負けず嫌いってトコかしらね)
咲「ぶっはぁぁぁぁっ!」
優希「本当に全部飲んじゃったじぇ」
久「ちょっ、いきなりひったくらなくても……」
咲「」グイッ
まこ「おほっ、ホンマにやりよった」
咲「」ゴクゴクゴク…
久(宮永照は、相当の負けず嫌いってトコかしらね)
咲「ぶっはぁぁぁぁっ!」
優希「本当に全部飲んじゃったじぇ」
83: 2010/08/22(日) 03:41:58.57 ID:sufaI3Wj0
咲「ううっ…目まいがする~」ヨロヨロ…
まこ「さっきは凄かったのぅ。まさか本当にやるとは思わんかった」
咲(クソッ…こいつ、今に見てろよ……)
京太郎「にしても最近の咲の麻雀はバカみたいに強いよなー。まるでお姉さんみたいだぜー」
咲「!!」ギクッ
久(あらあら…あんなに分かりやすく動揺しちゃって……)
咲「そ、そうかなー?(アセアセ)」
まこ「さっきは凄かったのぅ。まさか本当にやるとは思わんかった」
咲(クソッ…こいつ、今に見てろよ……)
京太郎「にしても最近の咲の麻雀はバカみたいに強いよなー。まるでお姉さんみたいだぜー」
咲「!!」ギクッ
久(あらあら…あんなに分かりやすく動揺しちゃって……)
咲「そ、そうかなー?(アセアセ)」
84: 2010/08/22(日) 03:48:11.21 ID:sufaI3Wj0
京太郎「来年こそ全国に行って、お姉さんに会えるといいな」
咲「お姉ちゃん?」ピクッ
久「そうよ。あなたのお姉さん、宮永照に会えたら何がしたい?」
和(部長…これまたきわどい質問を……)
久(さて、どんな答えが返ってくるかしらね)
咲「………フェイスオフ」
まこ「はっ?」
咲「ちょっとした手術だよ……あいつの……宮永照の顔を……はがしてやるんだ」
和「あっ……」
久「え、えっと………」
咲「ふふっ……冗談、冗談だよ……ちょっとしたジョークだってば……ふふふ」
京太郎(相当キてるな、この人……)
咲「お姉ちゃん?」ピクッ
久「そうよ。あなたのお姉さん、宮永照に会えたら何がしたい?」
和(部長…これまたきわどい質問を……)
久(さて、どんな答えが返ってくるかしらね)
咲「………フェイスオフ」
まこ「はっ?」
咲「ちょっとした手術だよ……あいつの……宮永照の顔を……はがしてやるんだ」
和「あっ……」
久「え、えっと………」
咲「ふふっ……冗談、冗談だよ……ちょっとしたジョークだってば……ふふふ」
京太郎(相当キてるな、この人……)
85: 2010/08/22(日) 03:54:34.00 ID:sufaI3Wj0
一同「………」ズーン
京太郎(気まずい……)
久(場の空気を重くするコトに関してはホント、天才的ね)
咲(あーっ、頭がガンガンする……もうどうにでもなれ)
久(なんとかこの雰囲気を変えないと……)
久「ねえ、もうお腹いっぱいだし、みんなでゲームでもしない?」
優希「やるじぇ! パーティにゲームはつきものだからな!」
久「咲もやるでしょ?」
咲(麻雀か……丁度いい。このイライラを発散させてもらおう……)
咲「ええやりますよ……東風戦ですか? それとも半荘……」
京太郎(気まずい……)
久(場の空気を重くするコトに関してはホント、天才的ね)
咲(あーっ、頭がガンガンする……もうどうにでもなれ)
久(なんとかこの雰囲気を変えないと……)
久「ねえ、もうお腹いっぱいだし、みんなでゲームでもしない?」
優希「やるじぇ! パーティにゲームはつきものだからな!」
久「咲もやるでしょ?」
咲(麻雀か……丁度いい。このイライラを発散させてもらおう……)
咲「ええやりますよ……東風戦ですか? それとも半荘……」
86: 2010/08/22(日) 04:00:28.80 ID:sufaI3Wj0
ヒュン ヒュン チーン! チーン!
優希「ボールを相手のゴールにシュゥゥゥーッ!! だじぇ!」ガチャガチャ
まこ「超! エキサイティン!! じゃなっ!」ガチャガチャ
咲(なんで……なんでバトルドームなんかやってるんだ私は……)
久「四人用ゲームといったらこれよねー……あっ、咲ガード甘いわよ!」ガチャガチャ
ヒュン ヒュン チーン! チーン!
優希「咲ちゃん、もう何点入れられたか分からないじぇ」
咲(くっ……こいつら、あからさまに私を一人狙いしてきてるし……)
まこ「さっきの麻雀の勢いはどうしたんじゃ咲?」ニヤニヤ
優希「ボールを相手のゴールにシュゥゥゥーッ!! だじぇ!」ガチャガチャ
まこ「超! エキサイティン!! じゃなっ!」ガチャガチャ
咲(なんで……なんでバトルドームなんかやってるんだ私は……)
久「四人用ゲームといったらこれよねー……あっ、咲ガード甘いわよ!」ガチャガチャ
ヒュン ヒュン チーン! チーン!
優希「咲ちゃん、もう何点入れられたか分からないじぇ」
咲(くっ……こいつら、あからさまに私を一人狙いしてきてるし……)
まこ「さっきの麻雀の勢いはどうしたんじゃ咲?」ニヤニヤ
87: 2010/08/22(日) 04:06:41.87 ID:sufaI3Wj0
京太郎(考えてみたらシュールな光景だぜ……麻雀では無敵を誇る照さんが、
バトルドームでボコボコにされてるなんて……)
咲(くそっ、麻雀なら…麻雀なら負けないのに……っ!)
咲「く、くそおおおっ!」ガチャガチャガチャッ
ヒュン ヒュン チーン! チーン!
優希「おっ、咲ちゃん中々やるじぇ」ガチャガチャ
久(プーッ、クスクス……本気になってるわこの人)
まこ(これがインターハイの頂点(笑)か……よぅし、もっとやってやれ……)
三人はますます照への攻撃を強めた。
バトルドームでボコボコにされてるなんて……)
咲(くそっ、麻雀なら…麻雀なら負けないのに……っ!)
咲「く、くそおおおっ!」ガチャガチャガチャッ
ヒュン ヒュン チーン! チーン!
優希「おっ、咲ちゃん中々やるじぇ」ガチャガチャ
久(プーッ、クスクス……本気になってるわこの人)
まこ(これがインターハイの頂点(笑)か……よぅし、もっとやってやれ……)
三人はますます照への攻撃を強めた。
98: 2010/08/22(日) 09:24:29.71 ID:sufaI3Wj0
ヒュンヒュン ヒュンヒュン チーン! チーン! チーン!
咲「ま、負けてたまるか…うおおおおおおおおおっ!!!」ガチャガチャガチャッ
まこ「咲のやつ、この攻撃をよく凌いでいるのぅ」ガチャガチャ
ヒュンヒュン ヒュンヒュン チーン! チーン! チーン!
久(ゲームも終盤ね……玉の量がハンパないわ)
咲「こなくそおおおおおおおおおっ!!!」ガチャガチャガチャッ
ヒュンヒュン ヒュンヒュン チーン! チーン! チーン!
咲「ああああああああああああああっ!!!!」ガチャガチャガチャガチャッ!
バキィッ!!!
京太郎「こwwwwわwwwしwwwたwwwww」
咲「ま、負けてたまるか…うおおおおおおおおおっ!!!」ガチャガチャガチャッ
まこ「咲のやつ、この攻撃をよく凌いでいるのぅ」ガチャガチャ
ヒュンヒュン ヒュンヒュン チーン! チーン! チーン!
久(ゲームも終盤ね……玉の量がハンパないわ)
咲「こなくそおおおおおおおおおっ!!!」ガチャガチャガチャッ
ヒュンヒュン ヒュンヒュン チーン! チーン! チーン!
咲「ああああああああああああああっ!!!!」ガチャガチャガチャガチャッ!
バキィッ!!!
京太郎「こwwwwわwwwしwwwたwwwww」
99: 2010/08/22(日) 09:31:55.84 ID:sufaI3Wj0
咲「ハァ……ハァ……」
久「あーあ、やってくれたわね咲……これ、今となっては結構貴重なのよ?」
まこ「わりゃ、弁償できるのか!?」
優希「っていうか熱くなりすぎてゲーム壊すとか……どこの小学生だじぇ」クスクス
咲「くっ……」プルプル
和(ああっ……顔を真っ赤にしてうつむく宮永さん……素敵ですっ……!)
久「あーあ、やってくれたわね咲……これ、今となっては結構貴重なのよ?」
まこ「わりゃ、弁償できるのか!?」
優希「っていうか熱くなりすぎてゲーム壊すとか……どこの小学生だじぇ」クスクス
咲「くっ……」プルプル
和(ああっ……顔を真っ赤にしてうつむく宮永さん……素敵ですっ……!)
100: 2010/08/22(日) 09:38:28.81 ID:sufaI3Wj0
京太郎「さすがの俺でも今のはひくわー」
優希「咲ちゃんはエキサイティン! しすぎちゃったのかー?」クスクス
まこ「高校生にもなって、恥ずかしいのー」ニヤニヤ
咲「ぐっ……」
和「宮永さん、今度私の家で一緒にバトルドームしましょうね」クスクス
久「ねえ今どんな気持かしら、宮永さん?」ニヤニヤ
咲「うっ…」
一同「?」
咲「うわあああああああっ!!! お前たちなんか嫌いだあああああああああっ!!!」
タッタッタッタッタッタッ……バタン!
優希「咲ちゃんはエキサイティン! しすぎちゃったのかー?」クスクス
まこ「高校生にもなって、恥ずかしいのー」ニヤニヤ
咲「ぐっ……」
和「宮永さん、今度私の家で一緒にバトルドームしましょうね」クスクス
久「ねえ今どんな気持かしら、宮永さん?」ニヤニヤ
咲「うっ…」
一同「?」
咲「うわあああああああっ!!! お前たちなんか嫌いだあああああああああっ!!!」
タッタッタッタッタッタッ……バタン!
103: 2010/08/22(日) 09:48:12.94 ID:sufaI3Wj0
京太郎「ありゃりゃ、飛び出していっちゃいましたね」
久「ちょっとやりすぎたかしら?」
まこ「いやいや、むしろここまで宮永照を追い込んだバトルドーム恐るべし……」
優希「ふえっ!? それはどういうことだじぇ?」
和「ゆーきは聞いてなかったんですか? 実はかくかくしかじか…」
優希「そうだったのかー。つまりあの二股容認宣言は、全部演技だったわけだな?
私はてっきり、のどちゃんが淫乱メス豚化したとばかり……」
和「SOA」
久「さて、問題はこの後彼女をどうするかだけど……」
久「ちょっとやりすぎたかしら?」
まこ「いやいや、むしろここまで宮永照を追い込んだバトルドーム恐るべし……」
優希「ふえっ!? それはどういうことだじぇ?」
和「ゆーきは聞いてなかったんですか? 実はかくかくしかじか…」
優希「そうだったのかー。つまりあの二股容認宣言は、全部演技だったわけだな?
私はてっきり、のどちゃんが淫乱メス豚化したとばかり……」
和「SOA」
久「さて、問題はこの後彼女をどうするかだけど……」
105: 2010/08/22(日) 09:55:37.80 ID:sufaI3Wj0
旧校舎 女子トイレ
咲「ううっ、ちくしょう……みんなで私をバカにして……ヒック、ヒック」
咲(……あれ? 最初は私が咲のフリして、清澄のやつらをいじめるハズだったのに……どうしてこうなった)
タッタッタッタッタッ…
咲(誰か走ってくる?)
ガチャッ
久「こんな所にいたのね」
咲「く、来るな!」
久「ごめんなさい、さっきは私たちが悪かったわ」
咲「うるさい! 言い訳なんて聞きたくないっ!」
久「私たちは、あなたが宮永照だってことを知ってたの」
咲「……なにっ?」
咲「ううっ、ちくしょう……みんなで私をバカにして……ヒック、ヒック」
咲(……あれ? 最初は私が咲のフリして、清澄のやつらをいじめるハズだったのに……どうしてこうなった)
タッタッタッタッタッ…
咲(誰か走ってくる?)
ガチャッ
久「こんな所にいたのね」
咲「く、来るな!」
久「ごめんなさい、さっきは私たちが悪かったわ」
咲「うるさい! 言い訳なんて聞きたくないっ!」
久「私たちは、あなたが宮永照だってことを知ってたの」
咲「……なにっ?」
106: 2010/08/22(日) 10:08:11.70 ID:sufaI3Wj0
咲「どうしてそのことを……」
久「あなた、自分から咲に宣戦布告したそうじゃない」
咲「………」
久(意外に幼稚なのかしらね…)
咲「そうか、バレたんじゃしょうがない……もう煮るなり焼くなり好きにしろ。私は疲れた……」
久「別にあなたをどうこうするつもりはないわよ。ただ、もう元に戻った方がいいんじゃないかしら?」
咲「……そうだな」
久「あなた、自分から咲に宣戦布告したそうじゃない」
咲「………」
久(意外に幼稚なのかしらね…)
咲「そうか、バレたんじゃしょうがない……もう煮るなり焼くなり好きにしろ。私は疲れた……」
久「別にあなたをどうこうするつもりはないわよ。ただ、もう元に戻った方がいいんじゃないかしら?」
咲「……そうだな」
107: 2010/08/22(日) 10:14:55.99 ID:sufaI3Wj0
咲「――と、いうわけだ。元に戻してくれ」
透華『ええっ? まだ期限まで四日ありますのよ?』
咲「気が変わったんだ。もう復讐はやめだ。私には向いてなかったんだ」
透華『……失敗したんですのね』
咲「う、うるさいっ! とにかく元に…… 」
透華『それはムリですわ』
透華『ええっ? まだ期限まで四日ありますのよ?』
咲「気が変わったんだ。もう復讐はやめだ。私には向いてなかったんだ」
透華『……失敗したんですのね』
咲「う、うるさいっ! とにかく元に…… 」
透華『それはムリですわ』
108: 2010/08/22(日) 10:19:32.25 ID:sufaI3Wj0
咲「どうして?」
透華『今病院には手術を行えるスタッフがいませんの。みんな昨日から休暇をとってまして…』
咲「呼び戻せばいいだろ?」
透華『あなたが一週間くれと言ったから、私はそのように手配したのですわ。
少しは自分の言ったことに責任を持ってくださいまし!』
咲「ぐっ……確かにそうだけど……」
透華『ではまた四日後に連絡しますから……それまでごきげんよう!』
咲「あっ……き、切るなっ!」
『ガチャッ……ツー、ツー』
咲「………」
透華『今病院には手術を行えるスタッフがいませんの。みんな昨日から休暇をとってまして…』
咲「呼び戻せばいいだろ?」
透華『あなたが一週間くれと言ったから、私はそのように手配したのですわ。
少しは自分の言ったことに責任を持ってくださいまし!』
咲「ぐっ……確かにそうだけど……」
透華『ではまた四日後に連絡しますから……それまでごきげんよう!』
咲「あっ……き、切るなっ!」
『ガチャッ……ツー、ツー』
咲「………」
111: 2010/08/22(日) 10:26:22.61 ID:sufaI3Wj0
久「どうだった?」
咲「四日後まではムリだって…」
咲(東京にも帰れず、ここでも正体がバレてしまって……私の居場所は一体どこに……)
久「それなら、その日までここにいればいじゃない」
咲「四日後まではムリだって…」
咲(東京にも帰れず、ここでも正体がバレてしまって……私の居場所は一体どこに……)
久「それなら、その日までここにいればいじゃない」
112: 2010/08/22(日) 10:29:38.32 ID:sufaI3Wj0
咲「えっ……だけど、私は咲の偽物で……」
久「いーのよ。細かいコトは気にしない」
和「少しワイルドな宮永さんも新鮮です」
咲「私……ここにいていいのか……?」
優希「歓迎するじぇ!」
京太郎「照さん、東京行ってからの話とか聞かせてくださいよ」
まこ「これから楽しくなりそうじゃ」
久「いーのよ。細かいコトは気にしない」
和「少しワイルドな宮永さんも新鮮です」
咲「私……ここにいていいのか……?」
優希「歓迎するじぇ!」
京太郎「照さん、東京行ってからの話とか聞かせてくださいよ」
まこ「これから楽しくなりそうじゃ」
114: 2010/08/22(日) 10:37:56.78 ID:sufaI3Wj0
東京 とあるカラオケ店
ピリリリリリ ピリリリリリ
照「あっ、電話だ……ちょっと出てくるね」
菫「ああ」
淡「早く戻ってきてくださいね―」
バタンッ
照「りゅーもんさん、なんですか?」
透華『情報収集は順調ですの?』
照「ええ、バッチリですけど……」
透華『どうかしましたの?』
照「いや…ここでの生活があんまりに楽しいので……もうちょっとこのままでもいいかなーって」
透華(ふむふむ……こちらとしても、長くスパイを続けてくれるのは、ありがたいですわね)
ピリリリリリ ピリリリリリ
照「あっ、電話だ……ちょっと出てくるね」
菫「ああ」
淡「早く戻ってきてくださいね―」
バタンッ
照「りゅーもんさん、なんですか?」
透華『情報収集は順調ですの?』
照「ええ、バッチリですけど……」
透華『どうかしましたの?』
照「いや…ここでの生活があんまりに楽しいので……もうちょっとこのままでもいいかなーって」
透華(ふむふむ……こちらとしても、長くスパイを続けてくれるのは、ありがたいですわね)
115: 2010/08/22(日) 10:48:10.37 ID:sufaI3Wj0
二週間後
ピリリリリリ ピリリリリリ
透華『もしもし、龍門渕透華ですわ』
咲「おい…まだなのか?」
透華『ですから、スタッフが不慮の事故に遭いまして……回復まではもうちょっとですわ』
咲「……あっそう」
透華『?』
咲「手術の目処がたったら、すぐに電話をくれ。それじゃあ…」ピッ
ピリリリリリ ピリリリリリ
透華『もしもし、龍門渕透華ですわ』
咲「おい…まだなのか?」
透華『ですから、スタッフが不慮の事故に遭いまして……回復まではもうちょっとですわ』
咲「……あっそう」
透華『?』
咲「手術の目処がたったら、すぐに電話をくれ。それじゃあ…」ピッ
116: 2010/08/22(日) 10:52:14.15 ID:sufaI3Wj0
久「どうだった?」
咲「まだ手術はムリだって…」
久「そう」
咲「ああ…」
久「……」
咲「……」
久「怒らないの? まだ延期になってるのよ?」
咲「……っ」
咲「まだ手術はムリだって…」
久「そう」
咲「ああ…」
久「……」
咲「……」
久「怒らないの? まだ延期になってるのよ?」
咲「……っ」
117: 2010/08/22(日) 10:57:03.63 ID:sufaI3Wj0
久「それとも、ひょっとしてここにいるのが楽しくなったとか?」ニヤニヤ
咲「そ、そんなことないっ! あー、早く東京に帰りたいな―!」
久「もう、素直じゃないんだから」
まこ(相変わらずこの人はおもしろいのぅ…)
ガチャッ
優希「おーっす、だじぇ!」
まこ「おっ、一年生が来たようじゃな」
京太郎「咲……じゃなくて照さん、今日も来てますね」
和(ああっ……どことなく気だるげな表情の宮永さん……今日も素敵です)
咲「そ、そんなことないっ! あー、早く東京に帰りたいな―!」
久「もう、素直じゃないんだから」
まこ(相変わらずこの人はおもしろいのぅ…)
ガチャッ
優希「おーっす、だじぇ!」
まこ「おっ、一年生が来たようじゃな」
京太郎「咲……じゃなくて照さん、今日も来てますね」
和(ああっ……どことなく気だるげな表情の宮永さん……今日も素敵です)
119: 2010/08/22(日) 11:01:54.23 ID:sufaI3Wj0
優希「さて、今日もアレをやるかー!」
和「またですか? よく飽きませんね」
まこ「もはや何部か分からなくなってきたのぅ」
久「いいんじゃない? 最近は宮永さんも強くなってきたことだしね」
咲「………次は負けないぞ」
和「またですか? よく飽きませんね」
まこ「もはや何部か分からなくなってきたのぅ」
久「いいんじゃない? 最近は宮永さんも強くなってきたことだしね」
咲「………次は負けないぞ」
120: 2010/08/22(日) 11:06:34.18 ID:sufaI3Wj0
ヒュン ヒュン チーン! チーン!
咲「………」ガチャガチャッ
どうしてだろう、最初はあれほど元に戻りたかったのに。
気が付けばここで、清澄の連中とバトルドームを囲む日々が楽しいと思えるようになってしまった。
咲(ああ、そうか……)
ここは殺伐とした白糸台の部活よりも、ほんの少しだけ居心地がいい。
顔が替わって、環境が変わって初めて気付くこともある。
咲「………」ガチャガチャッ
どうしてだろう、最初はあれほど元に戻りたかったのに。
気が付けばここで、清澄の連中とバトルドームを囲む日々が楽しいと思えるようになってしまった。
咲(ああ、そうか……)
ここは殺伐とした白糸台の部活よりも、ほんの少しだけ居心地がいい。
顔が替わって、環境が変わって初めて気付くこともある。
122: 2010/08/22(日) 11:15:15.72 ID:sufaI3Wj0
咲「こういうのも悪くない」ボソッ
久「えっ? 何か言った?」ガチャガチャ
咲「いや……なんでもない」ガチャガチャ
ヒュン ヒュン チーン! チーン!
咲(願わくば、このエキサイティン!な日々をもう少しだけ……)
宮永姉妹のフェイス/オフ 完
次回 池田「ここが…風越女子……!」
久「えっ? 何か言った?」ガチャガチャ
咲「いや……なんでもない」ガチャガチャ
ヒュン ヒュン チーン! チーン!
咲(願わくば、このエキサイティン!な日々をもう少しだけ……)
宮永姉妹のフェイス/オフ 完
次回 池田「ここが…風越女子……!」
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります