1: 2011/06/26(日) 14:30:10.65 ID:wsiSRYmP0
─────

───

>聞いたことのある声がする…

唯「んん、ここどこだろ……」

>床に紅いタイルが敷き詰められている
 周りは霧で覆われているためそれ以外のことは分からない

唯「うう、霧でなにも見えないよお」

────

>また声が聞こえてきた…
 霧の奥から聞こえてくるようだ

唯「私を呼ぶのはだれ?」

────

唯「こっちにきてって言ってるのかな…」

───!

唯「そうなの?じゃあ今からそっちにいくからねー!」
けいおん!Shuffle 2巻 (まんがタイムKRコミックス)
2: 2011/06/26(日) 14:30:31.11 ID:wsiSRYmP0
>声が聞こえてきた方向に進んでいくと、人影が見えた
 霧のせいでその姿ははっきりと見えない

唯「私を呼んだのはあなただよね」

?「…うん」

>どこかで聞いたことのある声だ
 しかし頭がぼんやりして思い出すことができない

唯「どうして私を呼んだの?ここはどこなの?」

?「真実を」

唯「え?」

?「どうか……」

>意識が遠くなるのを感じる…

?「……探し……たす」

4: 2011/06/26(日) 14:31:01.98 ID:wsiSRYmP0
憂「お姉ちゃん!お姉ちゃん起きて!」

唯「……あれ?」

憂「お早うお姉ちゃん。そろそろ支度しないと遅刻しちゃうよ?」

唯「……どちらさま?」

憂「ええ!?私だよ!妹の憂だよ!」

唯「はぅ!?そうでした……」

憂「大丈夫?昨日も具合悪そうだったけど、熱でもあるのかなあ」

唯「う~、寝ぼけてたみたい。変なこと言ってごめんね憂~」スリスリ

憂「くすぐったいよ、お姉ちゃ~ん」

唯「よいではないか、よいではないか~」ベタベタ

憂「もう~」

5: 2011/06/26(日) 14:31:37.05 ID:wsiSRYmP0
──学校(教室) 午前 雨

唯「ギリギリセーフッ!」ダダ!

律「おはよ、唯。今日は遅かったな」

澪「寝坊でもしたのか?」

唯「そうなんだよお。朝から変な夢見ちゃって、たぶんあれが原因!」

紬「どんな夢だったのかしら?」

唯「それは…」

律「それは?」

唯「…忘れちゃった」

律「だと思ったよ」

8: 2011/06/26(日) 14:32:45.93 ID:wsiSRYmP0
>教室に和の姿が見えない
 まだきていないのだろうか…

唯「和ちゃんまだきてないね。もしかして遅刻!?」

澪「律じゃないんだから」

律「どーゆー意味だよー」

澪「言葉通りだ」

律「なんだとー!」

澪「だいたい律は……」クドクド

紬「和ちゃんなら生徒会室よ。ほら、今忙しいから」

唯「そっか、生徒会長さん氏んじゃったんだよね……」

>雨が上がった霧の朝、鉄塔に吊るされた生徒会長の氏体が見つかった

紬「もう一人の副会長さんも数日前から行方不明って話よ」

9: 2011/06/26(日) 14:33:26.76 ID:wsiSRYmP0
唯「和ちゃんも副会長さんなんだっけ…」

>生徒会長、もう一人の副会長がいなくなった負担が和に降りかかっているのだろう

紬「こんなときでも生徒会の仕事を投げ出さない和ちゃんはすごいと思う」

唯「うーん、なにか和ちゃんのお手伝いができないかな?」

紬「いいアイディアかも~♪」

唯「和ちゃんには日頃からお世話になってるもんね」

紬「そうね。せっかくだから私もお手伝いするわ!」

唯「ほんと!?ありがとムギちゅわ~ん」

紬「困ったときはお互い様だもの~」

唯「りっちゃんと澪ちゃんも……」

 コナイダナンテ律ガ寝坊スルカラ私マデ遅刻シタンダゾ!

 ショウガナイダロ!目覚マシ鳴ラナカッタンダカラ!

 ショウガナクナイ!律ハウッカリガ多スギルノ!

>まだ喧嘩している
 …そっとしておこう

10: 2011/06/26(日) 14:42:11.02 ID:wsiSRYmP0
──学校(教室) 昼休み 雨

律「待ちにまったランチタイムだー」

唯「だー!」

和「あなたたち、元気がいいのは分かるけどふざけて怪我なんてしないでよ?」

律「大丈夫だって。和も一緒にご飯食べようぜ」

唯「食べよ食べよ~」

和「ごめんなさい。まだ生徒会の仕事が残ってるから」

澪「お昼休みも仕事なのか?大変なんだな」

紬「なにかお手伝いできないかしら?」

唯「和ちゃんすごーく大変そうだから、力になりたいんだ!」

律「たまにはいいこと言うな唯!私も手伝うよ。和には部活関係で色々迷惑かけてるから」

澪「な、なら私も手伝おうかな……」

12: 2011/06/26(日) 14:42:36.19 ID:wsiSRYmP0
和「ありがとう。気持ちだけ受け取っておくわ」

紬「でも人が少なくて大変じゃない?」

和「他の生徒会役員の子たちにも頑張ってもらってるから平気よ」

和「それじゃあ私生徒会室に行くね」

>和は教室から出て行ってしまった…

律「大丈夫かな、和」

澪「ちょっと顔色悪かったよね」

紬「やっぱり仕事が忙しいんだと思う」

唯「(和ちゃん…)」

律「…私たちだけでご飯にするか」

澪「そうだな」

13: 2011/06/26(日) 14:42:49.39 ID:wsiSRYmP0
>みんなもくもくとお弁当を食べている
 どことなく気まずい雰囲気だ…

律「そーいやさ、最近物騒だよなー」

紬「生徒会長さんが殺されたり、副会長さんが行方不明になったりね」

澪「ほんとに殺人事件なのかな…」

律「事故じゃなさそうだよな」

紬「警察は殺人事件と断定して捜査を開始したってテレビで言ってたわ」

律「…犯人はどうしてあんなことしたんだろ」

紬「見せしめとか?」

律「狂ってるな…」

澪「うう…」ブルブル

14: 2011/06/26(日) 14:43:07.61 ID:wsiSRYmP0
紬「副会長さん心配よね」

澪「ゆ、行方不明なんだよね…」

律「実は会長頃しの犯行現場を目撃していて犯人に……」

澪「ひぃい!!」ガタガタ

律「冗談だよ澪。ほんとに怖がりだな~」

紬「噂で聞いたんだけど、副会長さんは会長さんの事件を調べてたらしいの」

律「初耳だな…」

澪「や、やっぱり犯人に連れていかれたんだ」ブルブル

紬「……」

律「……」

>さらに気まずくなってしまった…

16: 2011/06/26(日) 14:43:46.79 ID:wsiSRYmP0
律「話変わるんだけど…マヨナカテレビって知ってる?」

澪「し、知らない」

紬「聞いたことがあるような…ないような……」

律「唯は知ってるか?」

唯「……」

律「唯?」

唯「あ、ごめん。ぼーっとしてたよ。えへへ」

律「もお、唯ちゃんたら~」

紬「りっちゃん、マヨナカテレビってどんなお話なの?」

律「しとしと…雨の降る深夜0時に消えたテレビ画面を見つめていると…」

澪「あわわ…」ガクガクブルブル

律「運命の人が映るらしいぜ?」

17: 2011/06/26(日) 14:44:01.11 ID:wsiSRYmP0
澪「そ、そんなのくだらない噂話だよ」

律「怖い話じゃないと分かった途端強気になりましたね~」ニヤニヤ

澪「怖がってない!」

律「へいへい」

紬「面白そう♪今夜も丁度雨だし、みんなでやってみない?」

律「いいな!澪は怖いだろうから、やらなくていいぞー」

澪「怖くないって言ってるだろ!くだらない噂話だって証明してやるよ!」

唯「澪ちゃんかっくい~」

紬「私の運命の人は誰かしら~」

唯「私は面白い人がいーなー!」

律「ああ、言い忘れてたんだけど…」

唯「なーに?」

19: 2011/06/26(日) 14:49:45.17 ID:wsiSRYmP0
律「テレビに映るのは運命の人じゃなくて、近々氏んじゃう人だって噂もあるんだ」

澪「ええ!?」

紬「…私の顔が映ったらどうしよう」

澪「やめてくれよムギ~」ガクブル

律「生徒会長が映ったのを見た人がいるんだよ」

唯「マヨナカテレビに?」

律「うん。はっきりとじゃないけど、似てたらしい」

澪「怖くない怖くない」ブツブツ

唯「ほんとかなー?」

律「今夜みんなで噂の真相を確かめようぜ!」

紬「怖いけど、私も気になるから見てみるね」

律「澪ももちろん見るんだよな?」

澪「えっ!?」

20: 2011/06/26(日) 14:50:25.87 ID:wsiSRYmP0
律「さっき証明してやるって意気込んでたろー。やっぱり怖いのか?」

澪「ち、違う!私の部屋にテレビないから…」

律「リビングで見ればいいじゃん」

澪「お父さんとお母さん起こしちゃうかもだろ!だからやめたほうがいいと思うんだ!」

律「そっか。怖いなら仕方ないな」

澪「だから怖くないって言ってるだろ!!」

>律と澪はまた喧嘩を始めてしまった

紬「チャイム鳴るから私はそろそろ席に戻ってるね~」スタスタ

 怖ガリ怖ガリー

 ウルサイウルサイ!

>二人をとめたほうがかいいだろうか
 …そっとしておこう

21: 2011/06/26(日) 14:50:39.06 ID:wsiSRYmP0
──通学路(下校中) 午後 雨

梓「……そんな話をしてたんですか」

>梓にみんなでマヨナカテレビの真相を確かめる話をした

梓「私も下らない噂話だと思いますよ」

唯「そうかなあ?私はなんだか気になるんだー」

梓「なぜです?」

唯「うー、それを聞かれると困っちゃうんだよ」

梓「唯先輩の勘、ですか?」

唯「かな!私のしっくすせんすがね、ざわざわ騒ぐんだよー」

梓「唯先輩の勘はアテにならないので大丈夫そうですね」

唯「あずにゃんひどい…」

アルバイトの女の子
 「よろしくお願いしまーす」

>大学生ぐらいの女の子が傘を差しながらチラシを配っている

23: 2011/06/26(日) 14:51:05.48 ID:wsiSRYmP0
アルバイトの女の子
 「お願いします」スッ

唯「あ、これはご丁寧に」ペコペコ

梓「唯先輩は丁寧すぎます」

アルバイトの女の子
 「あはは」

>チラシには『近日ケーキショップオープン!』と書かれていた
 色とりどりのケーキの写真が掲載されている。どれもおいしそうだ

唯「ケーキ屋さんだってあずにゃん!すっごくおいしそーだよ!」

梓「分かりましたから、はしゃがないでください。私が恥ずかしいじゃないですか」

アルバイトの女の子
 「ケーキ好きなの?」

唯「はい!大好きです!」

アルバイトの女の子
 「私も大好きなんだ。だからここでバイトしてるの」

唯「ケーキ屋さんでアルバイトかー。いいないいなー」

アルバイトの女の子
 「まだバイト募集してるからよかったらウチにきてね」スッ

24: 2011/06/26(日) 14:52:01.30 ID:wsiSRYmP0
>女の子が手を差し出す…
 友好の握手を求めているのだろう

唯「はい!そのときはよろしくお願いします!」ギュッ

>手を握り返した

アルバイトの女の子
 「ふふ、こちらこそ。私はまだここでチラシ配らないといけないから」

唯「はい、さよーならー」

アルバイトの女の子
 「気をつけて帰ってね」

梓「……」

25: 2011/06/26(日) 14:52:13.65 ID:wsiSRYmP0
唯「ねえねえ、あずにゃん!ケーキ屋さんでアルバイトしたらケーキ食べ放題にしてくれるかな」

梓「それは無理だと思いますよ」

唯「えー!そうなの?」

梓「真面目に働きましょうよ…」

唯「うう……へっくしゅん!」

梓「大丈夫ですか唯先輩?雨で冷えたのかな」サスサス

>梓が背中をさすってくれている

唯「えへへ、大丈夫だよ」

>…気分が悪くなってきた
 雨で冷えて風邪をひいてしまったのかもしれない

梓「顔色悪いですよ?無理しないでください」

唯「うん、ありがとあずにゃん」

梓「今日は夜中まで起きてないで早く休んだほうがいいですよ」

>梓に釘を刺されてしまった

27: 2011/06/26(日) 15:00:36.19 ID:wsiSRYmP0
──平沢宅 夜 雨

唯「ご馳走様でしたー!」

憂「お粗末様です」

唯「う~い~、デザートにアイス食べたいな~」チラチラ

憂「また今度ね。それよりお姉ちゃん今日は平気なの?」

唯「大丈夫だよ~」

>いつの間にか具合がよくなっている
 これなら遅くまで起きていても大丈夫だろう

憂「それならいんだけど。念のために今日は夜更かししないで早く寝るんだよ?」

唯「も、もちろんだよ!ばっちりだよ!」

憂「なんだか心配だなあ」

28: 2011/06/26(日) 15:02:02.99 ID:wsiSRYmP0
──平沢宅 深夜 雨

>そろそろ0時になる
 憂を起こさないようにこっそりリビングに行こう

唯「(とうちゃ~く)」スタッ

唯「さっそくテレビを見てみよ」

>覗き込むとテレビ画面に人の顔が映っていた!

唯「うひゃあ!!」

>…映ったのは反射した自分の顔のようだ

唯「寿命が100年は縮まったよお。…でもそうなると私氏んじゃうんじゃ」ブツブツ

唯「あ、そんなことよりもう0時じゃん!」

>テレビ画面を凝視する。しかし何も映らない
 やはり単なる噂話に過ぎなかったのだろうか…

唯「…ん~?」

>砂嵐と共にテレビになにか映りだした
 砂嵐がひどくて見づらいが、映っているのは女性のようだ

29: 2011/06/26(日) 15:02:19.25 ID:wsiSRYmP0
唯「噂はほんとだったんだ…」

>よく見ると女性は桜が丘高校の制服を着ている

唯「うちの生徒?だ、誰なんだろ」

>食い入るように画面に顔を近づけると…
 なんと!顔がテレビの中に入ってしまった!

唯「うわわ!どど、どうなってるの!?」

>テレビ画面から慌てて顔を引き離した

唯「はあ…はあ…び、びっくりした~。でもなんで……」

唯「ハッ!もしや私エスパー!?」

憂「お姉ちゃん!!」パタパタ

唯「う、憂!」

憂「すごい声がしたけど、大丈夫!?」

唯「なんでもないんだよ!少し寝ぼけてたみたい、でへへ」

憂「そ、そう…」

>すごい体験をしてしまった
 明日みんなにこのことを話してみよう

30: 2011/06/26(日) 15:02:31.57 ID:wsiSRYmP0
──学校(教室) 午前 晴

唯「おっはよー」

律「やっときたか~!」

澪「唯は昨日テレビ見た!?」

唯「うん!見たよ!」

>昨日見たことをみんなに話した

律「唯も同じものを見てたか」

澪「あの子うちの高校の制服着てたよね」

紬「間違いないと思うわ。それと映ってた女の子だけど…」

唯「ムギちゃんのお知り合い?」

紬「行方不明の副会長さんに似てた気がするの」

律「…マジかよ」

31: 2011/06/26(日) 15:02:50.08 ID:wsiSRYmP0
澪「副会長がみんなの運命の人ってことはないよな…」

律「あってたまるかっての」

紬「じゃあ、副会長さんは……」

唯「うん!副会長さんはテレビの中に吸い込まれちゃったんだよ!」

澪「……」

紬「……」

唯「あれ?」

32: 2011/06/26(日) 15:03:08.07 ID:wsiSRYmP0
律「だから、それは唯が寝ぼけてただけだって」

澪「テレビの中に入ったって話は信じられないなあ」

唯「ほ、ほんとなんだってば!ほんとにテレビの中に、頭からずぼーっと!」

律「で、テレビの中はどうなってた?」

唯「案外広かったよ~」

律「ぷっ!」

澪「あははは!やっぱり夢だよ、唯」

唯「ほんとなのに~!」

さわ子「こ~ら。あんたたち何騒いでるの?SHR始めるわよ~」

>テレビの中に入ったことは信じてもらえなかった
 釈然としないまま朝のSHRが始まった

34: 2011/06/26(日) 15:09:06.88 ID:wsiSRYmP0
さわ子「…点呼おしまいっと。うんうん、みんな元気ね」

さわ子「今日の連絡事項だけど…」

 ピンポンパンポーン

 『先生方にご連絡します。緊急職員会議を行いますので至急職員室にお集まりください』

さわ子「なにかしら?ちょっと行って来るから、指示があるまで教室で自習ね!」タタッ

>さわ子先生は駆け足で出て行ってしまった

 ザワザワ ガヤガヤ

律「緊急会議だってさ。なんだろな?」

澪「一応授業中なんだから、出歩くなよ」

律「かたいこと言うなよ~。ほら、唯とムギもきたぞ」

唯「また事件かな」

紬「不安ね…」

澪「じ、事件!?」ガクガク

35: 2011/06/26(日) 15:10:01.82 ID:wsiSRYmP0
和「自習中に出歩いちゃだめじゃない」

律「和だって出歩いてるだろー」

和「まあそうなんだけど。それにしてもさっきの放送気になるわね」

澪「や、やっぱりまた事件なのかな」

和「そうかしれないわ。さっきパトカーのサイレンが聞こえたし」

唯「うそ!?」

律「そういえば鳴ってたような…」

澪「本当に事件があったのか…」

和「おそらくね」

>一時間後、生徒は急遽下校することになった
 さわ子先生が言うにはこの近くでまた事件があったらしい…

36: 2011/06/26(日) 15:10:23.28 ID:wsiSRYmP0
──通学路(下校中) 午前 晴

唯「事件ってなにがあったんだろ…」

澪「も、もしかして副会長が……」

紬「……」

律「な、ないない!きっと別件だって」

紬「だといいのだけど…」

律「それよりさ、ここのまま真っ直ぐ帰るのは勿体無くないか?」

唯「寄り道?この時間帯ならお店とかすいてるし、いいかも~」

澪「い、今はやめたほうがいいよ!危ないし、先生に見つかったら怒られるだろ!」

律「まだ午前中だぜ?日が高いうちに帰れば平気だよ」

唯「うんうん!ばっちりだよ!」

37: 2011/06/26(日) 15:10:53.57 ID:wsiSRYmP0
澪「寄り道はダメだったら!ムギも言ってやってよ」

紬「ごめんなさい。今日は用事があるからお付き合いできないの~」

澪「そうじゃなくて!」

律「残念だな」

唯「ムギちゃんとイケナイ寄り道したかったのに~」

紬「うふふ、また今度誘ってね!また明日~」タタッ

>紬は帰ってしまった

澪「む、ムギ~!」

律「頼みの綱のムギは行っちゃったぞ、澪ちゃん」

唯「もう逃げられないよ~」

澪「ひぇっ!?」

38: 2011/06/26(日) 15:11:21.21 ID:wsiSRYmP0
──ジュネス桜が丘店 午前 晴

>最近オープンしたショッピングセンター、ジュネスにやってきた

律「なかなかよかったろ、ここのCDショップ」

澪「ああ!探してたCDがやっと見つかった♪」

唯「商店街のCDショップと比べてずいぶん広いね~」

澪「またこよーな♪」

唯「来る前はあんなに嫌がってたのに~」

律「澪ちゃんはイヤラシイ子ね」

澪「だ、だって…ジュネスきたことなかったし…」モジモジ

律「エブリディ・ヤングライフ♪」

唯「ジュネス♪」

澪「ば、馬鹿にしてるだろ~!」

39: 2011/06/26(日) 15:11:37.07 ID:wsiSRYmP0
律「ちょい待ち。向こうの家電売場見て行かない?」

唯「いいよー」

澪「なに買うんだ?」

律「家のテレビたまに映りが悪くなるから、買い換えようと思ってたんだ~」

唯「せっかくだからこの店で一番大きいの買おうよ、りっちゃん!」

律「一番おっきいテレビください!」

唯「まいど~!」

律「って買うか!そもそもそんな金ないっつーの。下見だよ」

唯「ちぇ~」

40: 2011/06/26(日) 15:17:12.34 ID:wsiSRYmP0
澪「家電売場は人がいないな…」

律「ショッピングセンターの家電は売れないって聞くしな」

唯「テレビも品揃え少ないね」

律「……ぷっ!」

澪「どうしたんだよ律」

律「今朝のこと思い出しちゃってさ~」

唯「今朝のことー?」

澪「あ…唯がテレビに入ったっていう」

律「そんなことあるわけないよな~」

澪「きっと3Dテレビの隠れた機能なんだよ。くくく」

律「そんな機能あるかーい!あはは!」

唯「ひどいよ、二人とも~」

律「悪い悪い。さて、ここだといくらぐらいするのかな~っと」

澪「…高いな」

律「買うなら家電量販店行ったほうがいいな…」

41: 2011/06/26(日) 15:17:57.18 ID:wsiSRYmP0
唯「(もー!本当に入れたのに!)」プンスコ

>目の前には50インチのテレビがある
 この大きさなら人も楽々入れるだろう。試しにテレビ画面に触れてみた

唯「わわっ!」ズブゥ

律「どしたー、唯。テレビにでも入っちゃったのかー?」

澪「お、おい律!唯!唯の手!」

律「……はい?」

唯「ほ、ほら!テレビに入れたでしょ!」

律「どーなってんだそれ!手品か!?手品だよな!?」

唯「違うよ!ほんとにテレビに入っちゃってるんだよ!」

澪「めまいが……」

唯「中覗いてみるね!」

律「覗くっておまえ!」

澪「頭ずっぽり入っちゃってる!?」

42: 2011/06/26(日) 15:18:10.58 ID:wsiSRYmP0
唯「なんかね、ひろーい空間が続いてるー!」

律「テレビの中にかよ!?」

澪「し、信じられない」

唯「うわわ!?引っ張られるよ~!りっちゃん澪ちゃん助けて~!」

律「わ、分かった!澪、唯を引っ張りだすぞ!」

澪「う、うん」

唯「のおおお!もうダメかも!?」

律「諦めるの早っ!!」

澪「うわああああ!!」

43: 2011/06/26(日) 15:18:22.76 ID:wsiSRYmP0
──テレビの中(???)

澪「唯!起きてよ唯!」ユサユサ

唯「ううん…ケーキはもう入らないよムギちゃ~ん…」デヘヘ

澪「寝ぼけてる場合か!律がいなくなっちゃたんだよ!」

唯「はえ?……ここどこ?」

澪「信じたくないけど、テレビの中…。私たちも一緒に吸い込まれちゃったんだ」

>だんだんと記憶がよみがえってきた
 …そういえば律の姿が見えない

唯「り、りっちゃんは!?」

澪「だからさっきから言ってるだろう!起きたら律がどこにもいないんだ!」

唯「なんですと!?」

44: 2011/06/26(日) 15:18:42.67 ID:wsiSRYmP0
唯「りっちゃんを探さなきゃ!」

澪「うん」

唯「…霧でよく見えないけど、近くにはいないみたいだね」キョロキョロ

澪「たぶんあっちの方に行ったんだと思う」

唯「じゃあ行ってみようよ!」

澪「……」

唯「澪ちゃん?」

澪「う、うん、行こう」ビクッ

>律の捜索を開始した

45: 2011/06/26(日) 15:19:06.70 ID:wsiSRYmP0
>霧で視界が悪い…

唯「霧がすごいねー。来た道がもう見えないよ」

澪「そうだな…」

唯「りっちゃんこっちにいるかなあ?」

澪「たぶん」

唯「なんでこっちにいるって分かるの?」

澪「気配って言うか、うまく言えないんだけどそういうのを感じるんだ」

唯「テレパシー?私全然感じないのに澪ちゃんすごいな~」

澪「……」

>澪の元気がない
 どうしたのだろう…

49: 2011/06/26(日) 15:26:31.55 ID:wsiSRYmP0
──テレビの中(生徒会室)

唯「ここには霧がないね。それに学校の教室みたい」

澪「桜が丘高校の生徒会室に似てる」

唯「そういわれればそうかも…」

>長机の上には何十枚もの紙が散乱している
 血のような赤い文字でなにか書いてあるが、読み取ることはできない

唯「うわ…血みたいで気持ち悪い…」

澪「……ひっく…うっ…」

>澪は泣き出してしまった

唯「だ、大丈夫だよ澪ちゃん!こんなのへっちゃらへーだよ!」

澪「もぉやだ…うちに帰りたいよ…うう…」

唯「りっちゃん見つけないと!勇気だして頑張ろ?ね?」

澪「でも、怖い…」グスン

50: 2011/06/26(日) 15:26:49.90 ID:wsiSRYmP0
唯「私も側にいるから大丈夫だよ~」

澪「……」

唯「じゃあこうしよ!私と手を繋ぐの!」ギュッ

澪「あ…」

唯「これでどんなことがあっても離れないんだ~。むしろ二度と離れられないかも!?」

澪「そ、それは困る」

唯「怖いのは一緒だよ。りっちゃんだって何処かで怖がってると思う」

澪「……うん…私…頑張って探す」

唯「よーし!りっちゃん捜索隊再しゅっぱーつ!」

澪「…っ!」

唯「どうしたの?」

澪「あ、あそこ…!」

>澪が前方を指差す
 なにか気味の悪いものがうごめいている

51: 2011/06/26(日) 15:27:04.83 ID:wsiSRYmP0
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 i_i、_ハ__ノヽ-'`ー‐'::::::::::::::::::::::´: ̄ ̄ ̄`ヽ;! !  y:::::`ヽ::_-':ヽ.'`ー---_/ !:::i ゝ'
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52: 2011/06/26(日) 15:27:23.19 ID:wsiSRYmP0
唯「なにあれ…お、お化け…?」

澪「やだやだ!もう嫌ー!」

>澪は座り込んで泣き出してしまった

影A「……?」

影B「ギー!」

>影たちに気付かれた!

唯「澪ちゃん逃げよう!食べられちゃうよ!?」

澪「怖いよ、助けてよ!律うう!!」

>澪は恐怖のあまり混乱している!

唯「(こ、こうなったら私がなんとかしないと!)」

影A「グバアアアア!」

唯「っ!!」

53: 2011/06/26(日) 15:33:27.43 ID:wsiSRYmP0
────我は汝──汝は我


>頭の中で声がする…


──双眸見開きて汝──今こそ発せよ


唯「…ペ…ル…ソ…ナ」

唯「ペルソナッ」カッ!


56: 2011/06/26(日) 15:35:36.85 ID:wsiSRYmP0
唯「これが私の心の力…イザナギ…」

影A「グギャババババ!」

>影Aが雄たけびをあげながら襲いかかってきた

唯「き、きたな!弾きかえしちゃえー!」

>イザナギは槍で影Aを弾き飛ばした!
 影Aは彼方へ吹き飛んだ

唯「すっごい!すっご~い!よーし、向こうのべろんちょもやっつけるぞ!」

>イザナギの槍が影Bを襲う!
 影Bはなす術もなく彼方へ吹き飛んだ

唯「やったあ!大勝利だよ、イザナギ~!」

>影A、Bを倒した!

57: 2011/06/26(日) 15:35:49.53 ID:wsiSRYmP0
澪「怖い怖い怖い…」ブツブツ

唯「澪ちゃんもう平気だよ。怖いお化けはやっつけたから」

澪「ほ、ほんと?……ひっ!」ビクッ!

>澪はイザナギに怯えている

唯「ぎ、ギー太は違うよ!味方だよ!?」

澪「ギー太…?」

唯「ほんとはイザナギって言うんだけど、それだとかわいくないからギー太!」

澪「…?」

唯「うーん、名前が一緒だとややこしいかなあ。ギー太MKⅡにしようかな…」

澪「やっぱり怖い~!」

58: 2011/06/26(日) 15:36:02.94 ID:wsiSRYmP0
唯「ギー太はね、私のボディーガードなんだよ!」

澪「唯の?」

唯「澪ちゃんも守ってくれるよ!それにギー太ってかっこいーんだー♪」

澪「……ちょっとかっこいいかも」

唯「でしょ!」

澪「ほ、ほんとに怖いお化けじゃないんだよな?」

唯「うん!逆に守ってくれるナイトさんなんだから」

澪「ナイト…」

唯「だから頑張ってりっちゃん探そう?」

澪「…う、うん」

澪の声?
 「あははは!強がっちゃって!」

唯「だ、だれ!?」

澪「…っ!」

59: 2011/06/26(日) 15:43:28.49 ID:wsiSRYmP0
澪の影
 「だいたいなんで私が律を探さないといけないんだ…」

唯「澪ちゃんが二人!?」

澪「そんな…」

澪の影
 「こんなことになったのは唯のせいだろう?私は悪くない」

澪「な、なに言ってるんだ…」

澪の影
 「律も律でさー、毎回後先考えずに行動するからこういうことになるんだ」

澪の影
 「私はいっつもけいおん部のこと考えてるのに遊びたいだのお茶しようだの…」

澪の影
 「勇気を出せ?怖がるな?普段ふざけてるくせに、こんなときだけいい子ぶらないでよ」

澪「私そんなこと考えてない!!」

澪の影
 「考えてるだろ?私には分かるんだ。だって私はあなたなんだから!あはは!!」

60: 2011/06/26(日) 15:43:47.55 ID:wsiSRYmP0
澪「違う…私じゃない…あなたは私じゃない!!」

澪の影
 「…あはは!そーだよ!もう私はあなたじゃない!」

>自身に否定されたことにより澪の影が暴走する

唯「うわわ!」

澪「あなたは私じゃ…私じゃない…」バタリ

>澪は気絶してしまった

澪の影
 「あなたを消して、私は私になる!」

唯「澪ちゃんが危ない!助けるよ、ギー太!!」

澪の影
 「ォオオオオオオオオ!!」カッ

62: 2011/06/26(日) 15:44:36.88 ID:wsiSRYmP0
唯「これが澪ちゃんの影の正体…」

澪の影
 「唯…邪魔するならあなたもタダじゃおかない…」

唯「友達を見捨てられないよ!」

澪の影
 「あっそう。じゃあ絶好だ!」

>澪の影の爪が唯に襲い掛かる!

唯「ギー太避けるよ!」

>イザナギが後方に跳び、引っ張られるように退いて回避した

唯「すかさず反撃だ!いっけー!」

>イザナギのスラッシュ攻撃!

澪の影
 「ぐっ!大人しくしていれば楽に氏なせてあげようと思ったのに!」

63: 2011/06/26(日) 15:44:53.23 ID:wsiSRYmP0
澪の影
 「私には分かるんだからね…。唯のペルソナは風の魔法に弱いって!」

>突風が唯とイザナギを襲う!
 
唯「わっ!……あいたた」ドシン

>唯はダウンした!

澪の影
 「あはは!泣いて謝ったら許してあげてもいいよ?」

唯「全然へっちゃらだよ!これからなんだから!」スクッ

澪の影
 「強がらないで!」

>再び突風が唯たちを襲う!
 唯はダウンした!

唯「きゃああー!」

唯「……う」バタリ

澪の影
 「あっけない。結局唯も口だけだったんだ……」

64: 2011/06/26(日) 15:45:10.04 ID:wsiSRYmP0
唯「……はあ…はあ」ムクリ

澪の影
 「…どうして、どうして立ち上がるの」

澪の影
 「氏ぬかもしれないんだよ!?怖いでしょ!?逃げなさいよ!!」

唯「すっごく怖いよ…」

澪の影
 「ならなんで…」

唯「怖いけど、友達を失うほうがもっと怖いもん!」

澪の影
 「……っ!」

唯「だから逃げるわけには行かないんだよ!」

>イザナギの捨て身の一撃!
 澪の影に大ダメージを与えた!

澪の影
 「きゃあああああ!!」

65: 2011/06/26(日) 15:52:46.65 ID:wsiSRYmP0
唯「…澪ちゃん、澪ちゃん」

澪「んあ…唯?」

唯「大丈夫?」

澪「うん…平気……あ」

>元の姿に戻った澪の影が静かに佇んでいる

澪「あなたは私じゃ…」

唯「理由は分からないけど、あの子は澪ちゃんの中から出てきたんだと思う」

澪「私の心の…?」

唯「うん。澪ちゃんが認めてあげないと、また暴走しちゃうよ」

澪「……」

澪「あなたは私じゃないよ…」

唯「…澪ちゃん」

66: 2011/06/26(日) 15:52:58.02 ID:wsiSRYmP0
澪「……」

澪の影
 「……」

澪「今だって足がガクガク震えるんだ。人一倍臆病だから…行動力のある律が妬ましくて…」

澪「律とどんどん仲良くなる唯に嫉妬して…」

澪の影
 「……」

澪「そんな心が私にもあったんだな……」

澪「あなたは私。認めるのはやだけど、目を逸らしちゃだめなんだよね」

澪の影
 「……」ニコッ

67: 2011/06/26(日) 15:53:08.57 ID:wsiSRYmP0
>自分と向き合える強さが力へ変わる
 澪は「ヒミコ」のペルソナを手に入れた!

澪「……ふう」

唯「よかったね、澪ちゃん!」

澪「唯のおかげだ」

唯「私はちょっとお手伝いしただけだよ!自分の心に向き合うことができたのは澪ちゃんの力だもん!」

澪「本当にありがとな、唯」

唯「え?いやー!あははー!照れちゃうなー///」

澪「…気を取り直して律を探そう」

唯「りょーかいだよ!でもりっちゃんどこにいるのかな?」

澪「大丈夫、私に任せて。…ヒミコ!」カッ

唯「澪ちゃんのペルソナは女の子なんだね。かわゆいな~」

澪「あ、ありがと。今からペルソナの力を借りて律を探す」

唯「そんなことができちゃうの?」

澪「私のペルソナには探索能力があるんだ」

68: 2011/06/26(日) 15:53:19.07 ID:wsiSRYmP0
>澪は精神を集中している…

澪「…あっちの方向から律の気配を感じる。すぐ近くだ」

唯「さっすが澪ちゃん!私だけだったら霧の中で迷子になってたよ~」

唯「頼りになりますな~」

澪「そ、そうかな…///」テレテレ

律の声
 「なんなんだよおまえは!!」

唯「今のってりっちゃんの声!?」

澪「急ごう!」

唯「がってん!!」

69: 2011/06/26(日) 15:53:30.83 ID:wsiSRYmP0
唯「りっちゃん!」

澪「律!」

律「唯、澪!」

>律の目の前にもう一人の律がいる
 澪のときと同じだ

律の影
 「ようお二人さん!」

律「黙れてって言ってるだろ!」

唯「りっちゃん落ち着いて!」

澪「冷静になるんだ!」

律の影
 「はあ?何言ってるんだよおまえら。いっつもいっつも思ってたけど…」

律「だ、黙れよ!」

律の影
 「おまえらうぜーんだよ!」

70: 2011/06/26(日) 15:53:48.39 ID:wsiSRYmP0
律の影
 「澪は勉強しだの練習しろだの、いちいち指図しやがってよ。姑かっての」

律の影
 「唯はいっつもふわふわしててさ、空気読めないっての?たまにイラっとするんだよねー」

律「そんなこと…思ってない…」

律の影
 「思ってんだろー?おまえのことはなーんでもお見通しなんだぜ?」

律「違う…こんなの…」

律の影
 「あん?よく聞こえなかったな。もう一度大きな声ではっきり言ってくんない?」

唯「りっちゃん、それ以上言っちゃだめ!」

澪「よせ!」

律「おまえなんか私じゃない!!」

律の影
 「……そう、その言葉が聴きたかったんだよ!ははは!!」カッ

律「う……」バタリ

>自身に否定されたことにより律の影が暴走する!

74: 2011/06/26(日) 16:01:08.93 ID:wsiSRYmP0
澪「律…!」

律の影
 「ひゃははは!どけどけどけどけー!うぜーものは全部ぶっ壊してやるよ!」

唯「りっちゃんを助けるめに力をかして澪ちゃん!」

澪「わ、わかった!いくよ、ヒミコ!」カッ

唯「ギー太!」カッ

律の影
 「隙だらけだっての!こいつをくらいなっ!」ブワッ!

>激しく吹き荒れる風が二人を襲う!

唯「うわわわ……わあ!」ドシン

>唯はダウンした!

澪「くっ!唯大丈夫か!?」

唯「いたた、思いっきりお尻うったよ…」

>澪は唯を助け起こした

75: 2011/06/26(日) 16:01:27.06 ID:wsiSRYmP0
澪「唯のペルソナとは相性が悪いな…」

唯「そうみたい…あいたた…」サスリサスリ

澪「唯のペルソナに弱点があるように、律の影にも弱点があるはずだ」

澪「ヒミコの力を借りて私が探ってみる」

唯「それまで時間稼ぎすればいいんだね?」

澪「お願い!」

律の影
 「こそこそなにしてんだ?うざってーんだよ!」ブン!

>平手が唯を襲う!

唯「ほっ!」ピョン

>イザナギの跳躍を駆使してすんでのところで避けた

律の影
 「うらあああ!!」ブンブン!

>律の影の連続攻撃!

唯「わわっ!?」

76: 2011/06/26(日) 16:01:39.65 ID:wsiSRYmP0
律の影
 「ちっ、ちょこまかとウゼー…」

唯「ふぅ…ふぅ…澪ちゃんできれば早くして欲しいかも」

澪「あとちょっとだ!」

律の影
 「めんどくせー。またこいつを食らわせてやるよ!」ブワッ!

>激しく吹き荒れる風が唯を襲う!

唯「よ、避けられないかも~!?」

澪「唯!!」バッ

>澪は唯をかばった

唯「澪ちゃん大丈夫!?」

澪「…平気だ。それよりあいつの弱点が分かった!雷だ!電撃の魔法を使え!」

唯「ええ!?電撃の魔法なんて私…」

澪「唯のペルソナなら使えるはずだ。自分を、ギー太を信じろ!」

唯「ギー太を…うん!」

律の影
 「泣かせる友情ごっこだな~。そろそろクライマックスと洒落込もうぜ!」ゴッ!

77: 2011/06/26(日) 16:02:04.95 ID:wsiSRYmP0
唯「ギー太あああ!!」カッ!!

>イザナギが放った電の刃が律の影に直撃する!

律の影
 「ぐあああ!?なんだこりゃ…身体が痺れて力がはいらねー…」ドシーン

>律の影はダウン!
 総攻撃のチャンス!

唯「今がチャンスだ~!」ドカドカ

澪「え~い!」ビシビシ

>律の影に大ダメージ!

律の影
 「ち、ちくしょう……」

>律の影を倒した!

79: 2011/06/26(日) 16:07:42.65 ID:wsiSRYmP0
律「……唯と澪じゃん…おはよ」

澪「お早うじゃないだろ!どれだけ心配させるんだ!」

唯「勝手に出歩いちゃメッ、なんだよ~?」

律「あはは、ごめん」

澪「…謝る相手がもう一人いるぞ」

>律の影が静かに佇んでいる

律「まいったな。おまえにも謝らないとだめか…」

律「…私めちゃめちゃかっこ悪いよな」

唯「りっちゃん…」

律「正直認めたくないよ。こんなやつが私の中にいたなんてさ」

80: 2011/06/26(日) 16:07:55.10 ID:wsiSRYmP0
澪「…私の中にも弱い自分がいる」

律「澪?」

澪「今まで目を逸らして逃げてたけど、今日のことで向き合わなきゃって思った」

澪「かっこ悪いけど、それは間違いなく自分なんだから」

律「……」

澪「勇気を出して」

律「勇気か…。澪にそんなこと言われるとは思わなかったぜ」

澪「私は強くなったからな!……少しだけね」

律「そっか…」

律の影
 「……」

律「自分と向き合うのってきっついな……」

律「おまえは私だ。否定してごめん。もう目を背けたりしない」

律の影
 「……」コクン

81: 2011/06/26(日) 16:08:12.89 ID:wsiSRYmP0
>自分と向き合える強さが力へ変わる
 律は「ジライヤ」のペルソナを手に入れた!

律「これが私のペルソナ…」

澪「やったな、律」

唯「りっちゃんなら大丈夫だと思ってたよー」

律「…二人ともサンキューな。一人じゃ無理だった」

唯「珍しくりっちゃんがしおらしいですね~」ニヤニヤ

澪「はは、らしくないよな」

律「うるせー!」

82: 2011/06/26(日) 16:08:56.53 ID:wsiSRYmP0
律「んー!少しだけ心が軽くなった気がするよ」

澪「そうだな……」

律「しっかし、ここもおかしな所だよな。ほんとにテレビの中なのか?」

唯「たぶん?」

澪「考えても仕方ない。みんな揃ったことだし、ここから出よう」

唯「最初にいた場所まで戻る?」

律「そうすっか。きっとのその近くに入り口が、そして出口もあるはずだ」

唯「澪ちゃん、最初にいた場所の位置分かる?」

澪「任せて。ヒミコ!」カッ

律「それが澪のペルソナかー」

唯「かっわいいよねー」

律「澪にぴったりだな」

澪「……む、向こうだ///」テレッ

律「うし、んじゃ行きますかー」

唯「あいあいさー!」

83: 2011/06/26(日) 16:09:11.54 ID:wsiSRYmP0
──テレビの中(生徒会室)

唯「あ、ここさっき通ったね」

澪「うん。やっぱりこっちであってたな」

律「…この部屋桜が丘高校の教室に似てるな」キョロキョロ

唯「なんでだろーねー」

律「あ!」

唯「お化け!?」

澪「ひっ!!」ビクッ

86: 2011/06/26(日) 16:16:59.24 ID:wsiSRYmP0
律「これ……」

>長机の下に一足の上履きが落ちている…

唯「桜が丘高校指定の上履きだよね」

澪「上履きのカカトに書いてある名前…」

律「うちの生徒会長と同じ名前だ」

澪「珍しい名前だから、偶然ってことはない…よね?」

律「たぶんな…」

唯「どういうことなんだろ」

律「例の殺人事件とこの世界は関係あるのかもしれない」

澪「と、とにかく今は元いた場所に戻ろ?ここに長居するのは危険だ」

律「そだな。行こう」

唯「うん…」

87: 2011/06/26(日) 16:17:16.82 ID:wsiSRYmP0
──テレビの中(???)

唯「霧でよく見えないけど、たしかここだったよね」

澪「うん、間違いない」

律「しょーじき私は分かんねー」

唯「近くに出口あるのかな」

律「探してみよう」

澪「みんなあまり離れないようにね」

唯「あーい」

律「了解~」

澪「(不安だな…)」

律「ああ!!」

澪「どしたんだ律!?」

唯「出口あったの!?」

律「100円落とした~」

澪「(不安だ…)」

88: 2011/06/26(日) 16:17:51.62 ID:wsiSRYmP0
唯「んん~?」

>前方に人影が見える
 近づいてみると、それは大きなクマのヌイグルミだった

唯「りっちゃん、澪ちゃんしゅーごー!」

律「なんだなんだー?」

澪「今度は10円落としたとか言わないよな」

唯「あはは、りっちゃんじゃないんだから~」

律「…おい」

澪「…これは…ヌイグルミか?」

>クマは珍妙なポーズをとって立っている

律「みたいだなー」ポンポン

澪「ち、近づいて平気か?危なくないか?」

律「平気だって」

唯「何気にかわいいよね!」ナデナデ

89: 2011/06/26(日) 16:18:43.54 ID:wsiSRYmP0
律「張り紙が貼ってあるぜ。なになに……」

>『ご自由にお持ちくださいクマ』

唯「この子持って帰っていいってこと!?わーい!」

>クマを持ち上げようとすると、首が外れてしまった

澪「ゆ、唯!?」

唯「クマさんの首がとれちゃったよ~!」ブンブン

澪「ひっ!こっちに向けるな~!」

唯「澪ちゃーん!」バタバタ

澪「くるなー!」バタバタ

律「…首は元から取れるようになってたいみいだぞ」

唯「そうなの?」

律「ああ。クマの中身は…」

>クマのヌイグルミの中にたくさんの眼鏡が入っている

90: 2011/06/26(日) 16:18:57.50 ID:wsiSRYmP0
律「ご自由にお持ちくださいって、眼鏡のことなのかも」

唯「クマさんは眼鏡屋さんだったんだね!」

澪「違うと思う…」

律「この状況で眼鏡かけてもな…」

唯「ジュワッ!」スチャッ

澪「ウルトラマンかっ!」

唯「りっちゃん、澪ちゃん!この眼鏡すごいよ!?」

律「ただの眼鏡だろ?」

唯「いーからかけてみてよ!」

>唯に言われたとおり眼鏡をかけてみる…
 霧が消えて通常の視界を確保することができた

澪「はっきり見える…!」

律「ただの眼鏡じゃなかったのか…」

唯「びっくり眼鏡だよ~!」

91: 2011/06/26(日) 16:19:28.30 ID:wsiSRYmP0
>改めて周囲を見回す
 どうやらここはステージのようだ

唯「スポットライトもあるよー」

律「今度ここでライブするかー」

澪「絶対嫌だ!」

>ステージの隅に古風な形のテレビがある
 あれが出口だろうか…

律「あのテレビが一番怪しい」

澪「出口らしい出口っていったらこれしかないぞ」

唯「迷わず行こう!行けば分かるさ!」フンス

律「他に道はないしな…」

澪「す、少し怖い」

唯「大丈夫だよ澪ちゃん!お手手つないであげるよ!」

澪「ひ、一人で平気だ!」

唯「あ~、置いていかないでよ~」

律「最後は私か…よっ!」

92: 2011/06/26(日) 16:25:41.86 ID:wsiSRYmP0
──ジュエス桜が丘店 午後 晴

>無事に帰ってくることができた

澪「…助かった」

唯「スリリングな体験だったね~」

律「氏ぬかと思ったぜ」

唯「安心したらお腹すいてきちゃった」

澪「そう言われれば…」

律「げ!もうお昼過ぎてるよ!」

澪「ほ、ほんとだ」

唯「こんなに長い時間テレビの中にいたの!?」

律「実感ないけど、そうみたいだな」

93: 2011/06/26(日) 16:26:04.95 ID:wsiSRYmP0
澪「夢じゃないんだよね…」

唯「うん」

律「信じられないことばかりだったな…」

>テレビの中の世界、影の怪物
 そして被害者の遺留品…

>分からないことだらけだ
 明日また学校で話し合う約束をして、解散することになった

94: 2011/06/26(日) 16:26:34.46 ID:wsiSRYmP0
──平沢宅 夜 晴

>テレビで副会長の遺体が発見されたと報道されていた
 さわ子先生の言っていた事件とはこのことだろう

Pipipipi!

唯「もしもし?」

律『テレビ見たか?』

唯「うん。副会長さんが電柱に吊るされた状態で発見されたって」

律『会長の件といい、これは普通の事件じゃない』

唯「……うん」

律『考えたんだけど、あの世界が絡んでるんじゃないか?』

唯「テレビの世界?」

律『生徒会室によく似た部屋。そこで見つかった上履き。偶然じゃないと思う』

95: 2011/06/26(日) 16:26:45.76 ID:wsiSRYmP0
唯「生徒会長さんたちはあの世界に迷い込んで……」

律『分からない。けど気になるんだ』

唯「もう一度あそこへ行って調べてみる価値はあるかも」

律『唯ならそう言ってくれると思ったよ。澪も承諾済みなんだ』

唯「いつもなら断るのに、よくオッケーしたねー」

律『なんだろーな…ほら、私たちには力があるだろ?』

唯「ペルソナ…」

律『力に目覚めた責任ってのかな、そんなもんを感じてるのかも。澪は真面目だからさ』

唯「力に目覚めた責任かあ…」

律『小難しい話になっちゃったけど、テレビの中に行くときは声かけてくれよ』

唯「りょーかいだよ」

律『また明日学校で。おやすみ~』

>律たちとまたテレビの中に行く約束をした

96: 2011/06/26(日) 16:26:57.54 ID:wsiSRYmP0
──学校(教室) 午前 曇

唯「二人ともおはよ~」

律「おっすー。唯は今日も元気だな。私なんか筋肉痛であちこち痛いぞ」サスリサスリ

澪「わ、私も…」

唯「お年寄りみたいだね~」

律「ほっとけ。それはそうと昨日話したことだけど」

唯「テレビの中の探索だよね?私はいつでもいいよー」

澪「…できれば今日はやめてほしいな」

律「昨日の今日だしなー。それに筋肉痛が…」

唯「じゃあテレビ探索はまた今度だね」

97: 2011/06/26(日) 16:27:11.67 ID:wsiSRYmP0
律「それからこのことは3人だけの秘密な」

澪「言っても信じてもらえないだろうけど、他の人たちを巻き込むわけにはいかないから」

唯「賛成~」

律「ムギや梓、憂ちゃんにも秘密だぞ?」

唯「き、気をつけます」

紬「私がどうかしたのー?」

澪「む、ムギ!?」

律「おっすー!ムギ!」

唯「今日はムギちゃん来るの遅いねーって話してたんだよ!」

紬「そーだったんだ。てっきり3人でナイショ話してるのかと思ったわ~」

澪「(ムギ鋭い…)」

律「あはは!そんなわけないだろー!」

唯「あ!そろそろさわちゃん来るよ!席戻らないと!」

律「(ナイス唯!)」

99: 2011/06/26(日) 16:34:04.34 ID:wsiSRYmP0
紬「もうそんな時間?じゃあ後でね~」

澪「あ、ああ、また後でな」

律「(なんとかなった…)」

唯「私たちも席つこうよ」

律「そだな」

>さわ子先生がきて、臨時の全校集会のために体育館へ移動することになった
 校長先生が昨日の事件について説明する…

>全校集会が終わり、授業が始まった…

100: 2011/06/26(日) 16:34:17.29 ID:wsiSRYmP0
──学校(教室) 昼休み 曇

>気付くともう昼休みだ
 これから何をしようか…

唯「(たまにはあずにゃんと一緒にお弁当食べようかな!)」

唯「そうと決まれば膳は急げー」

和「あら?今日は教室で食べないの、唯」

唯「あずにゃんと一緒に食べようかなって!」

和「そう。いってらっしゃい」

唯「いってきます!」

101: 2011/06/26(日) 16:34:54.51 ID:wsiSRYmP0
>梓たちの教室にやってきた
 梓、憂、純がお弁当を食べながら話をしている

純「電柱に逆さ釣りって怖いよねー。犯人ってどんなやつなのかな?」

梓「純、ご飯を食べるときにする話じゃないよ?」

純「だけどさ、なんか気になるじゃん」

憂「犯人はまだ捕まってないんだよね?」

純「うん。実はこの高校に通ってる生徒だったりしてね」

梓「やめてよ、純」

102: 2011/06/26(日) 16:35:25.08 ID:wsiSRYmP0
純「事件て言えば、私見ちゃったんだ~」

梓「まだ話すの?」

純「さわ子先生が警察のお兄さんと話してるところ」

憂「さわ子先生が?」

純「警察のお兄さん怯えてたよ!なにかあると思わない?」

梓「そうやって疑うのよくないと思う」

憂「うーん…知り合いだったんじゃないかな…?」

純「そうかな?」

梓「そうだって。ところで純最近太った?」

純「ギクッ!」

梓「どうせお菓子でも食べ過ぎたんでしょ?」

純「梓はエスパーか!」

憂「あはは」

>楽しそうだ…
 邪魔するのも悪いので、教室に戻ってお弁当を食べることにした

105: 2011/06/26(日) 16:35:55.70 ID:wsiSRYmP0
──学校(教室) 放課後 曇

>…放課後の部活動は禁止されている
 そういえば梓たちがさわ子先生の話をしていた

>さわ子先生に会いに行くのもいいかもしれない…

律「唯~。今日はどうするんだ?」

唯「うんと、これからさわちゃんのところに行こうかなって」

律「お、唯もついに呼び出しかー?」

澪「律は何回も呼び出されてるよね」

律「片手で数える程度だもん!」

澪「ちなみに何回?」

律「…5回」

澪「片手いっぱいいっぱいじゃないか!」

律「てへ♪」

>……
 そっとしておこう

106: 2011/06/26(日) 16:36:26.06 ID:wsiSRYmP0
──学校(職員室) 放課後 曇

唯「こんにちは、さわちゃん」

さわ子「唯ちゃんじゃない。なにか用?」

唯「暇してるんじゃないかなーと思って遊びにきたんだ」

さわ子「あのね、これでも教師なのよ?私だって忙しいんだから」モグモグ

唯「おまんじゅう食べながら言われても説得力ないよー」

さわ子「こ、これは体育の先生が温泉旅行に行ったからって貰ったのよ!」

唯「ふーん…」

さわ子「と、とにかく用があるなら早くしてちょうだい!」

109: 2011/06/26(日) 16:43:52.79 ID:wsiSRYmP0
>梓たちの話をさわ子先生に尋ねた

さわ子「ああ、そのこと?高校の同級生に刑事になった人がいてね」

唯「じゃあその人と話してたのかな?」

さわ子「そっ。昔っから気の弱いやつでね、上司にもいびられてるみたい」

さわ子「被害者の上履きが片方見つからなくて、見つけるまで帰ってくるなって言われたんですって」

唯「上履き…」

さわ子「気が弱いのは相変らずだったわ~」

>貴重な情報が得られた
 テレビの中で見つけた上履きは生徒会長のもので間違いないだろう

>家に帰ることにした

110: 2011/06/26(日) 16:44:07.95 ID:wsiSRYmP0
──平沢宅 夜 雨

>いつの間にか雨が降り出している…

唯「また雨かー」

憂「お洗濯物乾かないから困っちゃうよ」

唯「最近学校どーお?」

憂「事件の話で持ちきりだよ。犯人早く捕まるといいね」

唯「…憂はさ、マヨナカテレビって知ってる?」

憂「うん、知ってるよー」

唯「その話は誰から聞いたの?」

憂「たしか同じクラスの子だったかな…」

唯「純ちゃん?」

憂「ごめんね、よく覚えてないの」

唯「そっかー」

>憂のクラスのほとんどがマヨナカテレビの噂を知っているという
 マヨナカテレビ…事件と関係がある気がする…

>憂としばらく話して眠りについた

111: 2011/06/26(日) 16:44:19.47 ID:wsiSRYmP0
──通学路(登校中) 朝 曇

梓「お早うございます、唯先輩、憂」

唯「おっはよー」

憂「お早う、梓ちゃん」

梓「朝はいつも二人で登校してるんですか?」

唯「だいたいそーだね」

憂「私が毎朝起こしてあげてるんだよー」

梓「毎朝!?」

唯「起こされちゃってます」デヘヘ

憂「お姉ちゃんの寝顔とーってもかわいいんだー♪」

唯「そんなことないよー///」

憂「あるよー///」

梓「……」

>二人の世界に入ってしまった
 …そっとしておこう

112: 2011/06/26(日) 16:44:34.16 ID:wsiSRYmP0
──学校(教室) 午前 曇

紬「唯ちゃん、昨日マヨナカテレビ見た?」

唯「昨日は眠かったから早めに寝ちゃったんだ」

律「見てないのかよ~」

澪「昨日の夜も映ったんだ」

唯「そうなの!?」

紬「私も気になって見てみたの。たしかに映ってたわ」

律「砂嵐がひどくて分かりづらかったけど、女の子だったよな?」

澪「ああ」

紬「今度はあの子が……」

律「…かもな」

澪「とにかく、雨の夜はマヨナカテレビをチェックしよう」

>今夜も雨が降るとみんなが言っていた
 夜になったらマヨナカテレビを見たほうがいいかもしれない…

113: 2011/06/26(日) 16:44:46.01 ID:wsiSRYmP0
──学校(教室) 昼休み 曇

>紬から一緒に昼ご飯を食べようと誘われた

唯「ムギちゃんのお誘いって珍しいね」モグモグ

紬「う、うん。たまにはいいかなって」

唯「ムギちゃんと二人だけで食べるの初めてだよね!」

紬「そうね……」

>紬はうつむいて考え事をしている…

唯「どうしたのムギちゃん?」

紬「あのね、こないだ唯ちゃんがテレビの中に入ったって話してたじゃない?」

唯「えっと、あれは夢だったみたい!私よく寝ぼけることがあるから!」

紬「…ほんと?」

唯「うん!テレビの中に入れるわけないもんね!あはは」

紬「……そうよね」

115: 2011/06/26(日) 16:45:02.37 ID:wsiSRYmP0
唯「こないだね、ムギちゃんが帰ったあとジュネスに行ったんだよ」

紬「最近出来たばかりのショッピングセンターね」

唯「お店がいーっぱいあって、とっても良かった!」

紬「いいな~。私まだ行ったことないの~」

唯「じゃあ今度みんなで一緒に行こうよ」

紬「ほんと?楽しみだわ~♪」

>紬と楽しく話しながらお弁当を食べた

117: 2011/06/26(日) 16:51:19.13 ID:wsiSRYmP0
──学校(教室) 放課後 曇

>もう放課後だ
 これから何をしよう…

律「唯は今から帰りか?」

唯「そだよー。りっちゃんも?」

律「ああ」

唯「今日は澪ちゃん一緒じゃないの?」

律「用事があるとかで早く帰っちゃたんだー。薄情だよなー」

唯「よしよし、ほんとは寂しかったんだよね~」

律「ゆ、唯おねーちゃーん!」ガバッ

>律と一緒に帰ることしにした

118: 2011/06/26(日) 16:52:06.49 ID:wsiSRYmP0
──通学路(下校中) 午後 曇

律「……今さらだけど、色んなことがあったよな~」

唯「殺人事件にマヨナカテレビ…」

律「おまけにテレビの中にまで入っちゃうし」

唯「信じられないようなことばかりだったね」

律「テレビの中のときはもうだめかと思ったけど、唯と澪のお陰で乗り越えることができた」

唯「りっちゃん、まだ事件は終わってないんだよー?」

律「分かってらい。これからもよろしく頼むぜ?」

唯「うん!みんなで頑張ろうね!」

律「ああ!」

>律との絆が深まった気がする…

119: 2011/06/26(日) 16:52:49.90 ID:wsiSRYmP0
──平沢宅 夜 雨

>雨が降っている…
 マヨナカテレビを見ることにした

唯「…おお?」

>律たちの言ったとおり女の子らしき人影が見える
 …桜が丘高校の制服を着ているようだ

唯「もしかして、これって憂?」

>顔はよく見えないが、背格好が似ている…

唯「あ、終わっちゃった…」

Pipipipi

>律から電話がかかってきた

律『この時間に電話に出るってことは唯も見たんだな』

唯「うん!憂に似た女の子が映ってた!」

律『はっきり見えなかったけど、似てたよな』

唯「次は憂が犠牲者になっちゃうのかなあ。…そんなのやだよ」

律『まだ決まったわけじゃないだろ?とにかく明日話しあったほうがいい』

120: 2011/06/26(日) 16:53:04.53 ID:wsiSRYmP0
律『念のためにしっかり戸締り確認しとけよな』

唯「分かったよ」

律『明日は学校がないから、学校の近くのマックに集まろう。みんなには連絡しておく』

唯「うん」

律『じゃ、おやすみ』

唯「おやすみなさい…」

>明日みんなと会う約束をした
 なにか対策を講じないと大変なことになるかもしれない…

121: 2011/06/26(日) 16:53:16.29 ID:wsiSRYmP0
──マクドナルド桜が丘店 午前 曇

律「んで、これからのことだけど…」

澪「私は憂ちゃんを避難させたほうがいいと思うんだ」

紬「万が一ってことも考えられるものね」

律「学校行ってるときは人目があるから大丈夫だとして、四六時中見張ってるわけにはいかないし」

唯「でもでも、避難ってどーすればいいの?」

律「それなんだよなあ…」

澪「遠くの親戚に預けるとか?」

唯「うーん…」

紬「あの、よかったらうちにしない?」

唯「え?」

澪「ムギの家か。いいかもしれない」

122: 2011/06/26(日) 16:53:28.06 ID:wsiSRYmP0
紬「保護するのにとってもいい場所があるの!きっと誰も手が出せないと思うわ!」

律「すげー自信だなー。核シェルターとか?」

紬「そ、それは…」

唯「きっと超厳重なセキュリティルームなんだよ!侵入者が入ってくると爆発するようなやつ!」

澪「憂ちゃんも危ないだろ!」

律「はは…」

紬「と、とにかく絶対安全だと思うから!」

唯「うん!ムギちゃんを信じるよ~」

紬「ありがとう唯ちゃん」

>憂を紬の家で預かってもらうことにした
 …これで大丈夫だろうか

124: 2011/06/26(日) 16:58:54.07 ID:wsiSRYmP0
──平沢宅 昼 曇

唯「……と、言うわけで憂はムギちゃんの家にお泊りすることになりました!」

憂「意味が分からないよお姉ちゃん…」

唯「うーとね、ホームステイって言うのかなあ?ムギちゃんちに行って色々と学んでくるの!」

憂「どうして私が…」

唯「もう決まったことなんだよ~。とにかくしばらくムギちゃんちでお泊りして?ね?」

憂「でも、お姉ちゃんおうちで一人になっちゃうんだよ?」

唯「はっ!?」

憂「ご飯はどうするの?お洗濯は?」

唯「だ、大丈夫!いざとなったらりっちゃんシェフとメイド澪ちゃんを呼ぶから!」

憂「(心配だなあ…)」

125: 2011/06/26(日) 16:59:29.18 ID:wsiSRYmP0
唯「今はお姉ちゃんを信じてムギちゃんちにお泊りして欲しいな」

憂「……事情は分からないけど、ちゃんと理由があるんだよね?」

唯「うん!」

憂「分かった、お姉ちゃんを信じるよ」

唯「ありがと~憂~」スリスリ

>紬の家に憂を預けた
 うちにいるよりは安全だろう

126: 2011/06/26(日) 16:59:48.37 ID:wsiSRYmP0
──平沢宅 深夜 雨

>雨が降っている
 マヨナカテレビが映るかもしれない…

>念のために見てみよう

唯「ムギちゃんの家に預けたんだから、大丈夫だよね…?」

>なんと!バニーガール姿の憂が画面に映った!

憂『ようこそ!お姉ちゃんワンダーランドへ!』

唯「えええええええ!?」

127: 2011/06/26(日) 17:00:37.09 ID:wsiSRYmP0
>胸元の大きく開いた服が大胆だ
 食い入るように画面を見つめた

憂『お姉ちゃん好きのお姉ちゃん好きによるお姉ちゃん好きのため遊園地…』

憂『それがお姉ちゃんワンダーランドなのです!』

>お姉ちゃんワンダーランドの説明が続く
 オープン記念で今なら全アトラクションがタダらしい

唯「す、すごい…お姉ちゃんワンダーランド…」

憂『さらにさらに!今ならお姉ちゃんのサイン入りタオルをご入場された皆様全員にプレゼント!』

憂『行くっきゃないない!お姉ちゃんワンダーランド!皆様のご来場を心よりお待ちしております!』

>そこでテレビは終わってしまった…

128: 2011/06/26(日) 17:01:09.58 ID:wsiSRYmP0
Pipipipi

>律から電話がかかってきた

唯「行くっきゃないない!」

律『お姉ちゃんワンダーランド!って言わせるな!』

唯「ご、ごめんなちゃい」

律『どうなってんだよ。憂ちゃんはムギの家に預けたんだよな?』

唯「預けたよ!ムギちゃんの家まで送っていったんだから!」

律『ならなんでテレビに憂ちゃんが…』

唯「もしかしてテレビの中に入っちゃったんじゃ…」

>紬の言葉が蘇る
 『きっと誰も手が出せないと思うわ!』

律「……ムギがテレビの中に入れた?」

129: 2011/06/26(日) 17:01:48.78 ID:wsiSRYmP0
律『ムギの携帯に電話したけど、連絡つかないんだ』

唯「犯人がムギちゃんと憂を誘拐しちゃったのかも!?」

律『そう思って家電したよ。念のためムギがいるか確認してもらったけどちゃんとベッドで寝てるとさ』

唯「よ、よかったー」

律『問題は憂ちゃんなんだ』

唯「ええ!?ムギちゃんの家にいるんじゃないの?」

律『家の人にも聞いたけど、お嬢様が保護されていますので絶対安心でございます、としか言わないんだ』

唯「そんなあ…」

律『心配だけど、今はムギを信じるしかない…』

唯「…憂」

律『明日は朝一番でムギの家に集まろう』

唯「そうだね…」

律『また明日な』

>憂は大丈夫だろうか…
 明日に備えて早めに休むことにした

130: 2011/06/26(日) 17:07:51.52 ID:wsiSRYmP0
──琴吹宅 朝 晴

紬「いらっしゃーい。緊急の用事だってメールで言ってたけど、どうしたの?」

澪「憂ちゃんがまたマヨナカテレビに映ったんだ」

紬「うそ…」

唯「憂は無事だよね!?ムギちゃんの家で保護してるんだよね!?」

紬「……っ!」

律「誰も手が出せない場所…。あの言葉、ムギの自信、気になってたんだ」

澪「ムギ、憂ちゃんは今どこにいるんだ!?」

紬「……実はみんなに隠していたことがあるの」

紬「信じてもらえないと思って…。私、テレビの中に入れるの…」

131: 2011/06/26(日) 17:08:20.45 ID:wsiSRYmP0
澪「ええ!?」

紬「ごめんなさい!」

律「それじゃ憂ちゃんは今…」

紬「テレビの中よ。あそこなら絶対安全だと思ったの」

唯「りっちゃん!」

律「ああ!急いでテレビの中にいくぞ!」

紬「え?え?」

澪「詳しいことは移動しながら話す。憂ちゃんを入れたテレビはどこにあるんだ?リビング?」

紬「リビングのテレビは壊れてて入れられないと思ったから、私の部屋のテレビから…」

唯「今すぐムギちゃんの部屋に案内して!」

紬「どういうこと?」

律「憂ちゃんが危ないんだ!」

132: 2011/06/26(日) 17:08:39.80 ID:wsiSRYmP0
>ムギに詳しい事情を話した

紬「そんな…なら私がしたことって…」

律「憂ちゃんのためを思ってしたんだろうけど、テレビの中は危険なんだよ」

紬「ごめんなさい!ごめんなさい唯ちゃん!!」

唯「うーん…ムギちゃんは憂のためを思ってしてくれたんだよね」

紬「……うん」

唯「今回は間違っちゃったけど、憂のためにムギちゃん一生懸命だったもん」

唯「昨日の真剣な表情で分かるよ」

紬「……」

唯「それに、間違ったならなおせばいいんだよ!」

澪「ああ。まだ遅くはないはずだ」

紬「……ありがとう、唯ちゃん、澪ちゃん」

133: 2011/06/26(日) 17:09:07.59 ID:wsiSRYmP0
律「私たちは今から憂ちゃんを助けに行く」

唯「ムギちゃんは…どうする…?」

紬「……私も行く!」

澪「中は危険な場所だぞ。それでも行くのか?」

紬「もちろんよ!憂ちゃんは私のせいで危険な目にあってるんだもの!」

律「よし、行こう!」

>ムギの部屋からテレビの中に入った

134: 2011/06/26(日) 17:09:34.85 ID:wsiSRYmP0
──お姉ちゃんワンダーランド(入園ゲート前)

ザワザワ ガヤガヤ

係員「ご入場の方は一列に!一列に並んでください!」

猿の被りものをした人
 「お姉ちゃんのサイン、お姉ちゃんのサイン…」ブツブツ

鶏の被りものをした人
 「…………ブヒッ!」

猫の被りものをした人
 「お姉ちゃんにござりまする!お姉ちゃんにござりまする!」

>お姉ちゃんワンダーランドは大盛況のようだ

澪「な、並んでるな」

唯「私たちも並ばないといけないのかなあ…」

135: 2011/06/26(日) 17:09:45.07 ID:wsiSRYmP0
紬「…ねえ、どうしてみんな眼鏡かけてるの?」

律「あー、これな。この眼鏡をかけてるとちゃんと見えるようになるんだ」

紬「りっちゃん視力悪かったかしら?」

律「なんて言ったらいいかな…。澪説明よろしく!」

澪「仕方ないな…。ムギの目には今なにが見える?」

紬「霧で覆われていて、なにも見えないわ」

唯「眼鏡をかけるとね、この霧が消えてはっきりと見えるようになるの!」

律「…と、言うわけだよ。ほれ、これはムギの分だ」

紬「ありがとりっちゃん」

澪「ところでどうするんだ?入ろうにもけっこう並んでるぞ」

律「他に入り口はなさそうだしなあ。正面突破か?」

紬「待って、あそこにガードマンみたいな人がいるわ」

律「正面突破は危ないかもな…」

136: 2011/06/26(日) 17:15:01.03 ID:wsiSRYmP0
係員「…こちら入園ゲート前。怪しい三人組を発見しました、オーバー」

 ???
 『ただちに排除せよ、オーバー』

係員「了解。……あいつらを連れていけ」

影A「イーッ!」

影B「イーッ!」

 唯チャン!唯チャーン!

 ヤメロ!ヤメルンダショッカー!

 殿中ニゴザル!殿中ニゴザルー!

>怪しい三人組はどこかへ連れていかれてしまった
 大人しく並んだほうがよさそうだ…

唯「…連れていかれちゃった」

律「並ぶか…」

137: 2011/06/26(日) 17:15:18.44 ID:wsiSRYmP0
律「…そろそろ私たちの番だな」

澪「意外と早く入れたな」

紬「入ったら、急いで憂ちゃんを探しましょう!」

唯「うん!」

係員「やや!もしやお姉ちゃん様では!?」

唯「へ?」

係員「間違いない!支配人がお待ちですよ。お連れしろ!」

影A「ギー!」

影B「イー!」

唯「ええ!?あ~れ~……」

>唯は連れていかれてしまった…

紬「唯ちゃん!」

澪「追うぞ!」

係員「そうは行きません。あなたたちにはここで氏んでもらいます。やれ!!」

>影C、D、E、Fが襲いかかってきた!

138: 2011/06/26(日) 17:15:27.96 ID:wsiSRYmP0
律「かこまれちまった!」

澪「ムギは私たちの後ろに!」

紬「う、うん…」

律「いくぜ、ジライヤ!」カッ

澪「ヒミコ、お願い!」カッ

紬「…っ!?」

>影たちが一斉に襲いかかってきた!

律「蹴散らしてやるぜ!」

>ジライヤの放つ突風が影たちを襲う
 しかし、効果はいまひとつのようだ…

律「くっそー…あんまりきいてねー…」

澪「分かったぞ、こいつらは電撃に弱い!電撃の魔法を使うんだ!」

律「私のジライヤは疾風魔法しか使えないっての!」

澪「な、なんだって!?」

139: 2011/06/26(日) 17:15:53.15 ID:wsiSRYmP0
>影Cの魔手が律を襲う!

律「くっ!数が多い!」

澪「私のペルソナが戦闘タイプだったら…」

律「弱音を吐いてる場合じゃないぜ。この後に唯と憂ちゃんを助けないといけないんだからな」

澪「そ、そうだったな。ごめん…」

>影Dの魔手が澪を襲う!

澪「うわっ!」バタッ

>澪は気絶してしまった…

律「澪!?」

紬「……大丈夫。気を失ってるだけみたい」

律「よかった…」

>影たちは様子を窺っている…

律「いよいよやばくなってきたぞ…」

紬「澪ちゃんは私がおんぶするから、ここは逃げましょう!」

律「そうだな…。澪を頼むよ…」

140: 2011/06/26(日) 17:16:07.15 ID:wsiSRYmP0
紬「りっちゃん…?」

律「誰かがここで時間稼ぎしないと、すぐ追いつかれちゃうだろ?」

紬「いやよ!りっちゃんも一緒に逃げるの!」

律「へーきへーき。私こう見えて強いんだ」

>影Eの魔手が紬を襲う!

律「危ない!」

>律は紬をかばった

紬「りっちゃん!?」

律「はあ…はあ…怪我ないか?」

紬「私は平気だけど、りっちゃんが、りっちゃんが……」

律「はは、おーげさだなムギは。こんなのかすり傷だっての」

紬「…ごめんなさい…ごめんなさい」ポロポロ

律「泣いてる暇があるなら逃げろ。逃げてくれよ!さあ!」

141: 2011/06/26(日) 17:16:20.91 ID:wsiSRYmP0
紬「……いや」

律「ムギ!言うことをきいてくれ!!」

紬「絶対にいやー!!」

律「…なんでだよ」

紬「全部私の責任だから!憂ちゃんが危ない目にあってるのも、りっちゃんと澪ちゃんが傷つくのも!」

>影たちが再び律たちに襲いかかる!

律「くそっ!!」

紬「……ペルソナ」

142: 2011/06/26(日) 17:16:35.29 ID:wsiSRYmP0
紬「タケミカヅチ!!」カッ

>心の強さが力へと変わる
 紬のペルソナが覚醒した!

律「ムギも…ペルソナ使いだったのか…」

>影たちに落雷がふりそそぐ
 効果はバツグンだ!!

>影たちは霧散した…

紬「か、勝った~…」ヘナヘナ

律「やるじゃんムギ!」

紬「よかった…りっちゃんと澪ちゃんを守れて…よかったよお」メソメソ

律「泣くやつがあるかよ。ここは笑い合うところだろ?」

紬「そうだよね…うん…うん」ポロポロ

律「怖かったな。でもムギのおかげで私も澪も助かった。ありがとう」ナデナデ

紬「りっちゃん……りっちゃ~ん!!」ダキッ

澪「…んん…か、影は!?……あれ?」

>律たちは戦闘に勝利した!

143: 2011/06/26(日) 17:24:27.56 ID:wsiSRYmP0
──お姉ちゃんワンダーランド(???)

唯「…ういー…アイスー」ムニャムニャ

憂?「はい、超特大お姉ちゃんアイスパフェだよ~」ドンッ!

唯「はっ!?ここはどこ!?私は誰!?」

憂?「おねーちゃんおはよー」

唯「……おはよう?」

憂?「一緒にパフェ食べようよ。食べさせっこしちゃうの、ふふ♪」

唯「…憂?」

憂?「なーに?」

唯「…っ!」サッ

憂?「どうしたのお姉ちゃん…」

唯「そっくりだけど、憂じゃないよね…」

憂?「…ひどいな。私は妹の憂だよ?」

?「おねーちゃーん!!」

144: 2011/06/26(日) 17:24:54.35 ID:wsiSRYmP0
>天井に吊るされた籠の中に憂が閉じ込められている

憂「お姉ちゃん!」

唯「憂!やっぱりあなたは憂の影だったんだね!」

憂の影
 「ふふ、そーだよー。でもね、私が憂であることに変わりないんだよ?」

憂「その子の言うこときいちゃだめー!」

憂の影
 「ここでずーっと一緒に暮らそ。現実なんてつらくて悲しいことばかりだよ」

憂「お姉ちゃんに触らないで!」

憂の影
 「お姉ちゃんをこうして独り占めしたかったんだ~。お姉ちゃんかわいいからモテるもんね」ギュッ

145: 2011/06/26(日) 17:25:10.00 ID:wsiSRYmP0
憂の影
 「変な気起こさないでね?あの子を殺されたくないでしょ?」

唯「……っ!」

憂の影
 「お姉ちゃんは優しいから私のお願いきいてくれるよね?」

唯「……」

憂「惑わされないでお姉ちゃん!」

憂の影
 「もしお姉ちゃんがずっとここで暮らしてくれるなら、あの子は殺さない」

唯「…ほんと?」

憂の影
 「うん。私お姉ちゃんには嘘つかないもん」

唯「……私」

憂の影
 「答えはもちろんYESだよねお姉ちゃん…」

?「おいおい、そりゃーないだろ?」

146: 2011/06/26(日) 17:25:23.90 ID:wsiSRYmP0
憂の影
 「だれ!?」

律「唯にもう会えないってのは寂しいよな。なあ、ムギ?」

紬「ええ。唯ちゃんは私たちの大切な友達だもの」

澪「唯!憂ちゃんは助けたぞ!」

憂「お姉ちゃん!私はもう大丈夫だから!その子の言うことをきかないで!」

憂の影
 「このお邪魔トリオ!いつもいつも邪魔ばかりして!」

憂の影
 「あなたたちのせいでお姉ちゃんと一緒の時間が減った!あなたたちのでせいであなたたちが…」

憂「それ以上言わないで……」

憂の影
 「お姉ちゃんをとったんだ!!」

唯「……憂」

147: 2011/06/26(日) 17:25:35.21 ID:wsiSRYmP0
憂の影
 「お姉ちゃんは私のものなの!誰にもあげない!絶対に!」

憂「違う…違う…!」

憂の影
 「全部消えちゃえばいいんだ!お姉ちゃんと私以外全部!」

憂「違う!こんなの…こんなの私じゃない!!」

憂の影
 「あああああああああああ!!」カッ

>自身に否定されたことにより、憂の影が暴走する!

150: 2011/06/26(日) 17:33:17.25 ID:wsiSRYmP0
律「やっぱりこうなっちまったか!」

澪「り、律!唯が!」

>唯が鳥篭に閉じ込められてしまった…
 気を失っているが怪我はなさそうだ

律「唯抜きでやるしかない…」

紬「唯ちゃんの分まで、私頑張る!」

律「頼りにしてるぜ、ムギ!澪は憂ちゃんを安全な場所へ頼む!」

澪「分かった。気をつけろよ、律、ムギ」タタッ

憂の影
 「消えろ消えろ消えろ!!邪魔するものは全部消えてしまえ!!」

紬「唯ちゃん、必ずあなたを助けだすわ!」

律「こい、ジライヤ!」

紬「行くわよ、タケミカヅチ!」

憂の影
 「ォオオオオオオオー!!」

151: 2011/06/26(日) 17:34:30.38 ID:wsiSRYmP0
律「先手必勝!」

>ジライヤの突撃!

憂の影
 「キ工口オオオオ!」ゴワッ!

>憂の影が放つ炎がジライヤを襲う!

律「あっち!あっち!」

紬「りっちゃん平気!?」

律「…な、なんとか。しかし厄介だな。炎のせいで直接攻撃できないよ」

紬「なら魔法で攻撃しちゃいます!タケミカヅチ!」

>タケミカヅチの電撃魔法!
 憂の影は羽で体を覆って守りに徹した

紬「うそ~!?」

憂の影
 「アアアアア!!」

>反撃の炎が紬を襲う!

紬「(ガードが間に合わない…!)」

153: 2011/06/26(日) 17:35:35.57 ID:wsiSRYmP0
律「させないっての!」

>ジライヤの疾風魔法!
 炎の軌道が逸れて紬は直撃を免れた

紬「あっつ~い!!」ジタバタ

律「危なかったな」

紬「…うう、毛先がちょっとこげちゃった」グスン

律「直撃してたら確実にウェルダンだったぜー?」

紬「そ、そうよね。ありがと、りっちゃん」

律「…で、どーする?魔法もあんまし効果ないみたいだし、直接叩こうにも炎で阻まれて近づけない」

紬「……」

154: 2011/06/26(日) 17:35:55.11 ID:wsiSRYmP0
紬「私に考えがあるの…」

>律に作戦内容を話した

紬「……どうかしら?」

律「かなり危険だぜ?下手したら本当にウェルダンだ」

紬「承知の上よ。でもこの方法しかないと思うの」

律「……」

紬「私を信じて。私もりっちゃんを信じるから」

憂の影
 「キ工口キ工口!モエツキロオオオオ!」

律「いつまでも待っちゃくれないか!」

紬「信じてるよ、りっちゃん!」ダッ

>ムギは憂の影に向かって走り出した

律「ムギ!」

155: 2011/06/26(日) 17:36:13.56 ID:wsiSRYmP0
憂の影
 「オアアアア!」ゴオッ!

>炎が紬を襲う!

紬「りっちゃあああん!!」

律「いっけえええ!」

>ジライヤの疾風魔法!
 炎の軌道が僅かに逸れた

紬「つっ!」

紬「(この追い風に乗って憂ちゃんの影まで一気に距離を詰める!)」

>紬はタケミカヅチの力と追い風の力を借りて高く跳躍した!
 
憂の影
 「!!??」

紬「これでどうだー!!」ブォン

>落下速度を利用したタケミカヅチの攻撃!

156: 2011/06/26(日) 17:36:24.38 ID:wsiSRYmP0
憂の影
 「ガ…ガガ……!」

>憂の影を一刀両断した!

律「やったぜ!」

紬「か、勝ったの…?」

>暴走した影が憂の姿に戻る…

憂の影
 「……」

紬「…!?」バッ

律「大丈夫、もう平気だよ」

紬「そ、そうなの?」

澪「二人とも!」

憂「みなさん!」

157: 2011/06/26(日) 17:43:03.38 ID:wsiSRYmP0
澪「影の反応が消えたから、戻ってきたんだ」

律「ああ、暴走は抑えた」

憂の影
 「……」

律「ここからは、憂ちゃんの仕事だ」

憂「…え?」

澪「認めたくないだろうけど、あの子は憂ちゃんの中から出てきたんだ」

律「憂ちゃんの心の一部なんだよ」

憂「…私の心」

憂の影
 「……」

憂「……」

158: 2011/06/26(日) 17:43:16.83 ID:wsiSRYmP0
憂「…お姉ちゃんがけいおん部のみなさんと遊んでるとき、胸がモヤモヤすることがあった」

憂の影
 「……」

憂「ゆっくりとだけど、その感情は私の中で大きくなってたんだね」

憂「嫉妬…それがあなた…」

憂の影
 「……」

憂「醜い心が私の中にもあるんだってショックだった…けど…」

憂「私はあなたを認めるよ。あなたは私……」

憂の影
 「……」ニコッ

>自分と向き合える強さが力へ変わる
 憂は「コノハナサクヤ」のペルソナを手に入れた!

159: 2011/06/26(日) 17:43:42.50 ID:wsiSRYmP0
唯「特大ジャンボパフェ!?」ムクッ

澪「ひぃ!?」ビクッ

律「お、驚かせるなよ、唯~」

唯「……はれ?私眠ってた?」

憂「お、おねえちゃ~ん!」ダキッ

唯「う、憂?」

憂「私のせいで怖い目に合わせてごめんなさい!」メソメソ

唯「いいだよ、かわいー妹のためだもん。お姉ちゃんが体をはるのはとーぜんなんだから」

憂「う、うえ~ん!」

唯「よしよし~」ナデナデ

紬「……」

160: 2011/06/26(日) 17:44:04.85 ID:wsiSRYmP0
紬「唯ちゃん、憂ちゃんごめんなさい!」

憂「…ムギさん?」

紬「今回のことは全部私の責任なの!私が憂ちゃんをテレビに入れなければこんなことにはならなかった」

紬「本当にごめんなさい!」

唯「……」

紬「…許してもらおうだなんて思ってない。でもどうしても謝りたくて」

紬「ぜ、絶好されても文句は言えない…」

唯「ム~ギちゃん!」ギュッ

紬「ゆ、唯ちゃん?」

唯「絶好なんてするわけないよ~。ムギちゃんは私の親友だもん」

唯「私を助けてくれたのムギちゃんなんでしょ?」

律「ああ。ムギのやつ命がけだったぜー?見ててヒヤヒヤしたよ」

紬「だ、だけど…」

唯「それで十分。もう十分なんだよ?」

161: 2011/06/26(日) 17:44:21.10 ID:wsiSRYmP0
唯「憂はどう思う?」

憂「私もムギ先輩を恨んだりしてません」

紬「…どうして」

憂「テレビに入るときのムギ先輩の表情…。なんとかして守るんだって気持ちがすごい伝わったんです」

紬「…憂ちゃん」

憂「さっきだって大好きなお姉ちゃんを助けてくれました」

唯「ふふー、どうやら憂も同じ気持ちのようですな」

紬「私…これからも友達でいいの…?」

唯「当然だよ~」

紬「一緒にいていいの…?」

憂「はい!お姉ちゃんをよろしくお願いしますね!」

紬「…うぅ…ふぇえええ~ん!!」

162: 2011/06/26(日) 17:44:42.37 ID:wsiSRYmP0
唯「泣かない泣かない~」ナデリナデリ

律「みんな泣き虫だな~」

憂「ふふ、そうですね」

澪「…それにしてもここはなんだったんだろうな」

律「お姉ちゃんワンダーランドか?」

澪「ああ」

律「きっと憂ちゃんの影が作りだした空間なんだろう」

律「…つまりはそれだけ憂ちゃんがお姉ちゃんラブだってことだ」ニヤニヤ

憂「り、律さ~ん///」

澪「憂ちゃん顔が真っ赤だぞ?」

憂「澪さんまでからかわないでくださいよ~///」

163: 2011/06/26(日) 17:50:22.77 ID:wsiSRYmP0
唯「み、みんな!!」

律「どしたー?」

紬「あっ!」

>いつの間にかたくさんの影に囲まれていた

澪「ど、どっから出てきたんだ!?」

律「こっちは満身創痍だってのに!」

憂「さすがに数が多すぎます!」

紬「唯ちゃん!あのリュックを影に向かって投げて!!」

唯「りょ、りょうかいだよ!えいやっ!」

>影に向かってリュックを投げた
 リュックの中身が散乱する…

律「食料?」

紬「憂ちゃんのためにテレビの中に入れておいたの!」

>影たちは食料に群がっている

紬「今のうちに行きましょう!!」ダッ

164: 2011/06/26(日) 17:50:51.51 ID:wsiSRYmP0
──琴吹宅(紬の部屋) 午後 晴

唯「助かった~」

律「ありゃやばかったなー」

澪「ムギのおかげでみんな無事帰ってこれたよ。ありがとう」

紬「そ、そんな!私は当然のことをしただけよ…」

唯「今日ムギちゃん大活躍だったよね」

律「かっこよかったぜー?」

憂「ありがとうございました、ムギさん」

紬「うっ…みんな~…」ポロポロ

律「ムギ泣きすぎだっての」コツン

紬「だって~…」

 グウウウ~

澪「な、なに!?」

律「まさか影がここまで!?」

165: 2011/06/26(日) 17:51:09.94 ID:wsiSRYmP0
唯「わ、私のお腹の音です…」

紬「……へ?」

律「…ぷっ!」

澪「あははは!」

憂「もう、お姉ちゃんったら」

唯「でへへ///」

律「ムギ、お茶にしないか?」

唯「ナイスアイディアだよ、りっちゃん!」

澪「そうだな、私もムギの淹れてくれたおいしい紅茶が飲みたい」

紬「う、うん!今用意するから待っててね!」

>みんなと楽しいティータイムを過ごした
 今日の出来事で仲間との絆がさらに深まった気がする…

166: 2011/06/26(日) 17:51:36.91 ID:wsiSRYmP0
>次の日……

──学校(教室) 午前 雨

紬「みんなおはよ~」ガラガラ

唯「むお!ムギちゃん!?」

澪「どうしたんだ、その髪型!?」

紬「昨日ので毛先がチリチリになっちゃったから、思い切ってショートヘアにしてみたの~」

律「髪が短いムギってのも新鮮だなー」

唯「かわい~よ~」

澪「ああ、似合ってるぞ」

紬「うふふ、ありがとう」

律「そだ!このカチューシャをすればさらにかわいさアップだぞ~?」

>紬は律のカチューシャを装備した

紬「どうかしら!?」

澪「……うーん」

唯「ムギちゃんはりっちゃんみたくデコっぴろじゃないからイマイチかも」

167: 2011/06/26(日) 17:51:51.96 ID:wsiSRYmP0
律「デコっぴろで悪かったな~!」ムキー!

唯「きゃあ~!」ドタバタ

紬「私も仲間に入れて~」ドタバタ

澪「(朝から元気だな…)」

>そろそろSHRが始まる
 …そっとしておこう

168: 2011/06/26(日) 17:52:03.61 ID:wsiSRYmP0
──学校(教室) 昼休み 雨

>早めにお弁当を食べ終えてしまった
 …することがない

唯「暇だー暇だー」ブツブツ

紬「どうしたの唯ちゃん?」

唯「今ものすごーく暇なんだよー。助けてなんだよー」

紬「そ、そうなんだ」

唯「うー」

紬「…そうね、生徒会室に行って和ちゃんのお手伝いすればいいんじゃない?」

唯「それだ!」

>生徒会室に行って和の手伝いをすることにした

172: 2011/06/26(日) 17:58:17.47 ID:wsiSRYmP0
──学校(生徒会室) 昼休み 雨

唯「こんにちは~」ガラガラ

和「唯じゃない。どうしたの?」

>和は一人で仕事をしていたようだ

唯「暇だからお手伝いにきました!」

和「いいわよ、簡単な仕事なんだし」

唯「それなら私にもできるよね。なにすればいいのかな~?」

和「…そうね、せっかくだからお願いしようかな」

和「今度の生徒総会用の資料を作るの。こうやって紙を束ねて、角をホチキスで止めておしまい」

唯「りょうかいしました!」

173: 2011/06/26(日) 17:59:22.01 ID:wsiSRYmP0
>もくもくと作業を続ける
 眠くなってきた…

唯「……」ウツラウツラ

和「眠いの?」

唯「じ、実は」デヘヘ

和「もうちょっとだから、頑張りましょう」

唯「はーい。あ、テレビつけない?眠気覚ましになるかも!」

>スイッチを押してもうんともすんともいわない
 壊れているのだろうか…

和「そのテレビ先月から壊れているのよ」

唯「そーなの?」

和「もう一ヶ月ぐらいになるかしら。会長が業者に修理を頼んだんだけど、一向にこなくて」

唯「そっか…」

>生徒会室のテレビは一ヶ月前から壊れていて使えなかったようだ…

174: 2011/06/26(日) 17:59:38.67 ID:wsiSRYmP0
──通学路(下校中) 午後 雨

>憂に一緒に帰ろうと誘われたので、一緒に帰ることにした
 …憂が誘ってくるなんて珍しい

唯「憂と一緒に帰るの久しぶりだねー」

憂「うん…。実はね、お姉ちゃんに改めてお礼が言いたかったの」

憂「ありがとうお姉ちゃん」

唯「別にいいのにー。妹を助けるのはお姉ちゃんの仕事なんだから」

憂「お姉ちゃんがきてくれたとき、ほんとに嬉しかったから…」

憂「それでね、お返しがしたいなって考えたんだんだけど、私も事件の捜査に協力しようと思うの」

唯「憂もペルソナが使えるようになったんだっけ」

憂「コノハナサクヤって言うんだ。きっと力になれると思う」

唯「でもテレビの中はとーっても危ないんだよ?」

憂「それはお姉ちゃんも一緒だよ。妹がお姉ちゃんを守るのだって当然の仕事だもん」

唯「憂…」

175: 2011/06/26(日) 17:59:56.26 ID:wsiSRYmP0
憂「私にもお姉ちゃんを守らせて、お願い」

唯「…憂の気持ちは分かったよ」

唯「これからはみんな一緒に頑張ろうね!」

憂「うん!」

>憂がメンバーに加わった
 憂との絆が深まった気がする…

176: 2011/06/26(日) 18:00:13.89 ID:wsiSRYmP0
──平沢家 深夜 雨

>雨が降っている
 憂と一緒にマヨナカテレビを見ることにした

唯「じー…」

憂「じ~…」

>テレビにはなにも映らない…

唯「映らないねー」

憂「私がテレビから出てきたからかなあ?」

唯「もう憂は安全ってことだよね!」

憂「だといいな…」

>今夜は映りそうにもない
 もう寝よう…

177: 2011/06/26(日) 18:00:40.58 ID:wsiSRYmP0
──通学路(登校中) 朝 雨

唯「今日も雨かー」

憂「今日の夜まで降ってるみたいだよ」

唯「えーやだなー」

憂「最近雨が降り続くと霧が出るようになったよね」

唯「私一度も見たことないよ」

憂「深夜から早朝にかけてだから無理もないよー」

唯「…会長さんや副会長さんが見つかったのも霧の出た朝だったよね」

憂「ニュースでそんなこと言ってたね」

>雨が降り続くと出る霧
 そして発見された氏体…なにかひっかかる…

180: 2011/06/26(日) 18:06:08.41 ID:wsiSRYmP0
──学校(教室) 午前 雨

律「しばらく雨降りだってな…」

澪「私はお気に入りの傘が使えるから、雨の日も好きだ」

紬「うふふ、澪ちゃんのそういうところかわいいと思うな」

澪「べ、別に普通だろ///」

律「うふふ、澪ちゃんロマンチック乙女」

澪「り~つ~!」

律「ひゃー!」ピャー

紬「唯ちゃん、りっちゃんたちから聞いたんだけど、テレビの中を捜索してるんですって?」

唯「うん。事件と関係があるんじゃないかと思うんだ」

181: 2011/06/26(日) 18:06:35.24 ID:wsiSRYmP0
紬「私にも協力させてほしいの。ダメかな?」

唯「…いいの?」

紬「ええ。みんなが頑張ってるのに私だけ蚊帳の外なんて寂しいじゃない?」

唯「……」

紬「それに、これ以上犠牲者を出したくない」

紬「力があるのに、黙って見てるなんて耐えられないから」

唯「ムギちゃん…」

紬「一生懸命頑張るわ!お願い!」

唯「そこまで言われちゃ断れないね~」

紬「じゃあ!」

唯「うん!改めてよろしくね!」

>紬がメンバーに加わった
 紬との絆が深まった気がする…

182: 2011/06/26(日) 18:06:57.98 ID:wsiSRYmP0
──学校(教室) 昼休み 雨

>お弁当を早めに食べ終えてしまった
 …することがない

唯「(そういえばさわちゃんって刑事さんとお友達なんだよね…)」

>新しい情報を仕入れているかもしれない
 さわ子先生に会いに行こう

183: 2011/06/26(日) 18:07:10.42 ID:wsiSRYmP0
──学校(職員室) 昼休み 雨

唯「こんにちは!」

さわ子「はい、こんにちは。今日は何のご用かしら?」バリバリ

唯「お煎餅おいしそうだねえ…」

さわ子「こ、これはお土産で頂いたの!」

唯「ふーん…」

さわ子「信じてないでしょ!?」

唯「職務怠慢で逮捕します」

さわ子「やることはやってるわよ!」

184: 2011/06/26(日) 18:07:24.25 ID:wsiSRYmP0
唯「暇だからさわちゃんとお話しにきたんだよー」

さわ子「それはどうも…」

唯「こないだ話してた刑事さんとさわちゃんてお付き合いしてるのー?」

さわ子「どうしてそうなるのよ。あいつは単なる同級生だから」

唯「でも仲はいいんでしょ?」

さわ子「悪くはないわね。そういえばこないだばったり会ったんだけど…」

唯「うんうん」

さわ子「被害者たちの足取りが放課後に校内で目撃されて以降、全くつかめないって愚痴ってたわ」

唯「そうなの?」

さわ子「二人は制服姿で上履きを履いた状態で発見されたから、校内で誘拐された可能性が高いって」

唯「学校の中で誘拐!?」

さわ子「声が大きいわよ!」

唯「ご、ごめんなさい」

185: 2011/06/26(日) 18:07:53.71 ID:wsiSRYmP0
さわ子「近々学校関係者に話を聞きにいくかもって言ってたわ」

唯「……」

さわ子「私はやってないって釘を刺しておいたけどね」

唯「胸倉を掴みながら?」

さわ子「そうそう、ドスをきかせて…って唯ちゃん!」

唯「あはは、まったねーさわちゃーん」

さわ子「全くもう…。そういえばこのことは他言しないでくれって言われてたわね…」

さわ子「てへ☆」

>職員室を後にした…

187: 2011/06/26(日) 18:12:31.83 ID:wsiSRYmP0
──通学路(下校中) 放課後 雨

>梓に誘われたので一緒に帰ることにした
 梓と一緒に帰るのは久しぶりだ

梓「もう長いこと部活してませんね」

唯「そだねー。家で練習してるけど、みんなと合わせないと気分がのらないよ」

梓「唯先輩は家でだらけきってるのかと思いました」

唯「あずにゃん最近私冷たーい」

梓「そうですか?」

唯「そーだよー」スリスリ

梓「ゆ、唯先輩!?」

唯「あずにゃん分補給ちゅー」スリスリ

梓「だめです!」バッ

唯「はうっ!?」

188: 2011/06/26(日) 18:12:52.30 ID:wsiSRYmP0
梓「油断も隙もありません…」

唯「けんちんぼー」

梓「…唯先輩は相変らず能天気ですよね」

唯「えー?」

梓「連続殺人事件のことで世間は大騒ぎですよ」

唯「……」

梓「唯先輩は関心ないんですか?」

唯「あるよー。怖いと思うし、犯人が早く捕まって安心して学校行きたいもん」

梓「……」

唯「それにあずにゃんやけいおん部のみんなが狙われちゃうかもでしょ?怖いよ」

梓「…自分の心配だけでいいんです」

唯「え?」

梓「なんでもありません」

189: 2011/06/26(日) 18:13:16.31 ID:wsiSRYmP0
梓「唯先輩」

唯「なーに?」

梓「もし私が連続殺人事件の犯人だったら、どうしますか?」

唯「冗談でもそういうことは考えたくないな…」

梓「現実は冷酷なものなのです」

唯「……」

梓「どうします?」

唯「メッ…かな…?」

梓「どういう意味ですか?」

唯「いけないことなんだぞって怒るよ」

梓「……」

唯「殺人は絶対によくないことだけど、きっとなにか理由があると思うの」

唯「理由を聞いて、受け止めて、それから怒るかな~」

梓「甘い考えだと思います」

唯「あはは、私あんまり頭よくないからね」

190: 2011/06/26(日) 18:13:33.81 ID:wsiSRYmP0
梓「でも唯先輩らしいですね」

唯「んー、それ褒めてるのかなあ?」

梓「呆れてるんです」

唯「ええ!?」

梓「だけど安心しました」

唯「今日のあずにゃんなんだか難しーよー?」

梓「気にしないでください」

唯「ぶ~」

>梓と一緒に下校した…

191: 2011/06/26(日) 18:13:56.07 ID:wsiSRYmP0
──平沢家 深夜 霧

>雨は止み、辺りに霧が立ち込めている…

唯「わっ…すごい霧だね…」

憂「ここまで濃い霧は初めてかも」

唯「なんだかテレビの中みたい」

憂「そうだね…」

>早めに休むことにした

192: 2011/06/26(日) 18:14:17.53 ID:wsiSRYmP0
──通学路(登校中) 朝 霧

唯「霧晴れてないね…」

憂「この時間帯ならいつも晴れてるはずなのに」

唯「眼鏡かけたら見えるようになるかなー?」

憂「どうだろう」

唯「ジュワッ!」

>眼鏡をかけてみた

唯「むむ!?かけたほうがはっきりと見えるよ!」

憂「うそ!?」

唯「憂も眼鏡かけてみなよ~」

憂「……ほんとだ」

唯「どういうことなのかなあ?」

憂「テレビの中の霧が、現実に流れ出てるのかもしれない」

唯「ええ!?」

193: 2011/06/26(日) 18:19:21.52 ID:wsiSRYmP0
──学校(教室) 午前 霧

>今朝の憂との会話をみんなに話した…

律「……」

澪「どうしてテレビの中の霧が現実に?」

紬「テレビの中で何か起こってるのかもしれない」

唯「これは調査する必要があるね!」

律「その前にちょっといいか?」

澪「どうしたんだ律?」

律「これを見てほしいんだ」ドサッ

>ボロボロになったリュックだ
 何処かで見た気がする…

澪「このリュックがどうしたんだよ?」

唯「あ!このリュックってもしかして!」

律「そう、こないだのリュックだよ」

紬「…間違いないわ。ここに私の名前が書いてあるもの」

195: 2011/06/26(日) 18:19:46.10 ID:wsiSRYmP0
澪「でもリュックは影から逃げるのに使ったはずだろ。どうして律が持ってるんだ?」

律「朝起きたらテレビの映りが悪くてさ、お父さんがアンテナを調べてみたらこれがひっかかってたんだ」

紬「それってまるで……」

律「連続殺人事件の被害者と同じような見つかり方だろ?」

澪「やっぱりテレビの世界が関係してるのか…」

律「間違いないと思う。被害者たちはテレビの中に入れられたんだ」

紬「そこで影に殺されて、テレビの中から出てくるのね」

律「犯人はテレビの世界を凶器として殺人を行ってる」

紬「警察が捕まえられないわけね…」

196: 2011/06/26(日) 18:21:35.80 ID:wsiSRYmP0
唯「実はさわちゃんから聞いたんだけど……」

>今までさわ子先生に聞いた話をみんなにした…

澪「学校の中に犯人がいるかもしれないだって!?」

紬「でもそう考えるのが一番自然よね」

律「つまりこの学校にあるテレビから、中に入れたってことだよな」

澪「学校の中の誰かが犯人なのか」

紬「そうなるわ…」

澪「そうなるわって…そんなこと信じられないよ!」

律「私だって信じたくないさ。だけど、少しでも可能性があるならちゃんと検証しよう」

澪「……律」

律「きつい結末かもしれないけど、目を逸らしちゃいけないと思うんだ」

澪「…そうだな。みんなでよく考えてみよう」

>放課後、憂も呼んで部室で話し合うことにした
  本当にこの学校の中に犯人がいるのだろうか…

197: 2011/06/26(日) 18:22:11.75 ID:wsiSRYmP0
──学校(部室) 放課後 霧

律「まずはこの学校の何処にテレビがあるのか確認しようぜ」

唯「そうだね」

紬「音楽室と視聴覚室、それと化学室に一台づつあったわ。どれも人が入るには十分な大きさよ」

唯「んーと、それから生徒会室と職員室だね」

憂「職員室のテレビは人が入るには小さすぎると思います」

澪「憂ちゃんの言う通りだ。あの大きさじゃ小さな子供でもないと入れない」

唯「生徒会室は人が入れそうな大きさだったけど、壊れて点かなかったよ?」

律「となると、生徒会室と職員室は除外かな」

紬「音楽室、視聴覚室、化学室の中のどれかってことね」

憂「生徒会長さんが行方不明なったのは放課後なんだよね、お姉ちゃん」

唯「うん。さわちゃんはそう刑事さんに聞いたって」

憂「3つの部屋は授業中以外は鍵がかかって入れません。それは放課後も例外じゃないはずです」

198: 2011/06/26(日) 18:23:01.07 ID:wsiSRYmP0
律「鍵は職員室で保管してるんだっけ?」

憂「はい」

律「生徒には犯行が難しいな…」

唯「分かった!生徒会室なら鍵かかってないよ!」

紬「たしか生徒会室も鍵がかかってたと思うわ」

澪「それに生徒会室のテレビは壊れててつかないんだろ?」

唯「…そうでした」

199: 2011/06/26(日) 18:24:17.37 ID:wsiSRYmP0
紬「実はね、生徒でも鍵を持ち出しできるの」

律「そうなのか?」

紬「ええ。私一度音楽室に忘れ物をしちゃったことがあって、鍵を借りて取りに行ったことがあるから」

澪「なら生徒にも犯行は可能だったってことになるぞ」

紬「そうとも言い切れないわ」

唯「どーゆーこと?」

紬「鍵を借りる際に、氏名、学年、クラス、鍵を借りる理由を事細かに記録帖に書かされるの」

澪「それなら被害者が行方不明になった日の放課後に、鍵を持ち出した人が犯人なんじゃないか!?」

紬「そう思ってお昼休みに調べてみたわ。その日に授業以外で3部屋の鍵が持ち出された記録はなかった…」

憂「犯人は教員の誰かなんでしょうか」

律「今のところのその可能性が高い」

澪「…そんな」

201: 2011/06/26(日) 18:30:32.72 ID:wsiSRYmP0
律「あー!頭ん中ごちゃごちゃしてきたー!」

紬「…一息いれない?ケーキはないけど、買い置きのクッキーがあるから」

律「そーするか」

憂「ムギさん、私お手伝いします」

紬「ありがとう」

唯「……」

澪「唯?どうかしたのか?」

唯「あ、うん…。ちょっと気になることがあって」

澪「気になること?」

唯「なーにかひっかかるんだ。でもそれがなんなのか分からないの…」

唯「気分転換に外の空気吸ってくるよ」

澪「分かった。早めに戻ってきてね」

唯「りょーかーい」

203: 2011/06/26(日) 18:31:54.50 ID:wsiSRYmP0
>部室のドアを開けると目の前に梓が立っていた
  …いつからドアの前にいたのだろう

唯「あ、あずにゃん…」

梓「こんにちはです唯先輩」

律「梓だって?」

梓「どもです」

唯「どうしたのあずにゃん。今日部活はないんだよ?」

梓「憂が部室のほうへ行くのを見かけたので、気になって後を追いかけてきました」

律「……」

唯「そだ、よかったらこれから一緒にお茶どーかな?」

梓「…なんの集まりなんですか?部活動は禁止されていましたよね」

律「たまにはみんなで集まって話すのもいいんじゃないかって思ってな。梓も今呼びに行こうとしてたんだ」

204: 2011/06/26(日) 18:32:33.01 ID:wsiSRYmP0
梓「せっかくですが、お断りさせていただきます。これから用事がありますので」

律「そっか…」

梓「失礼します」

唯「あ、あずにゃん!」

>梓は帰ってしまった…

澪「…梓はなんだって?」

律「用事があるから帰るとさ」

紬「そう…」

憂「梓ちゃん、ドアの前で私たちの話を聞いていたんでしょうか」

唯「……」

206: 2011/06/26(日) 18:33:21.70 ID:wsiSRYmP0
>外の空気を吸うために屋上へやってきた
  相変わらず辺りには霧が立ち込めている…

唯「(音楽室…視聴覚室…化学室…)」

唯「犯人はどこから被害者をテレビに入れたんだろ…」

唯「……」

>頭の中でなにかがひっかかっている
 漠然とした違和感…

唯「(犯人は生徒?でも鍵は簡単には持ち出せない)」

唯「(そうすると犯人は教員の誰かってことになっちゃう…)」

唯「……」

>一番可能性が高いのは……

210: 2011/06/26(日) 18:39:43.51 ID:wsiSRYmP0
1.田井中律  5.中野梓

2.秋山澪    6.鈴木純

3.琴吹紬    7.真鍋和

4.平沢憂    8.山中さわ子


>>215

221: 2011/06/26(日) 19:01:25.68 ID:wsiSRYmP0
律「さわちゃんが犯人?」

紬「教員で鍵も自由に持ち出せるし、警察にもお友達がいる…」

憂「たしかに一番可能性が高いです」

さわ子「私がなんだって?」

唯「さ、さわちゃん!?」

律「おどかすなよー!」

さわ子「なによ、ちゃんとノックしたじゃない」

紬「さわ子先生に質問があるんですけど…」

さわ子「なにかしら?」

紬「生徒会長さんが誘拐された日った放課後、なにしてましたか?」

さわ子「…っ!?」

222: 2011/06/26(日) 19:03:09.75 ID:wsiSRYmP0
澪「ど、どうしたんですか?」

さわ子「……」

律「なんで答えてくれないんだよ、さわちゃん…」

憂「まさか…」

さわ子「ええ…そうよ…」

澪「そ、そんな!」

紬「……」

さわ子「行ってたわよ!友人の結婚式に!」

唯「……え?」

223: 2011/06/26(日) 19:07:54.35 ID:wsiSRYmP0
さわ子「そりゃ長年来の友達だし?嬉しいけど…ショックよね…」

澪「……あの」

さわ子「なによ!?」

澪「ひぃ!ごめんなさいー!」

律「えっと、つまりその日は学校にいなかったってこと?」

さわ子「そうだけど、それがどうかしたの?」

唯「(さわちゃんじゃなかった…?)」

さわ子「あら!クッキーがあるじゃない。私もいただこうかしら」

紬「は、はい。今紅茶を淹れますね」

さわ子「ありがとー」

さわ子「言い忘れてたけど、部活動は禁止なんだからもうちょっとしたら帰るのよ?」

>真相は分からないまま部室を後にした…

224: 2011/06/26(日) 19:11:29.41 ID:wsiSRYmP0
──数ヵ月後

唯「……ほんとに引っ越しちゃうの?」

澪「…ごめん」

律「どうにもなんないのかよ」

澪「わ、私だってほんとは嫌だ。でも霧は晴れないし、この町は物騒だってお父さんとお母さんが」

>霧が出てからというもの犯罪発生率、交通事故発生率が異常に高くなっていった
 これも霧の影響なのだろうか…

紬「…この町は終わりなのかもしれない」

紬「私もね、海外に引っ越すことが決まったの」

唯「ムギちゃんも?」

律「二人とも本気かよ?あれから殺人事件は起こってないけど、犯人は捕まってないし…」

律「梓だって…見つかってないんだぞ?」

>梓はあの日部室の前で会って以来、行方が分からなくなっている…

225: 2011/06/26(日) 19:12:26.18 ID:wsiSRYmP0
律「…唯んとこも引っ越しの話出てるのか?」

唯「……っ」

律「あー!もーいーよ。何処へでも行っちまえ。…私は一人になっても探すぞ」

唯「りっちゃん……」

>仲間との絆はたしかなものだったはずだ
  どうしてこんなことになってしまったのだろう…

>町の霧はいまだに晴れない……













おしまい

226: 2011/06/26(日) 19:13:33.39 ID:udUD78v40
おいBADENDかよおい

227: 2011/06/26(日) 19:13:59.72 ID:lz2PJ3Fx0
>最後の推理でバッドエンドかトゥルーエンドに分岐予定です
トゥルーエンドの方もお願い!

228: 2011/06/26(日) 19:14:06.56 ID:wsiSRYmP0
さわちゃんのアリバイを出してなかったのは一度はBADENDに行ってほしかったから云々
>>206に戻ります

231: 2011/06/26(日) 19:24:03.68 ID:wsiSRYmP0
澪「……嘘だろ?」

律「生徒会室の鍵はなんなく持ち出せるとして、テレビはどうするんだよ?」

澪「そ、そうだ。たしか生徒会室のテレビが壊れてるって言ったのは唯じゃないか」

唯「たしかにテレビは壊れてたよ。テレビ本来の機能はね…」

紬「入り口の機能は果たしていた……」

唯「うん」

澪「でもムギが前に試したときは入れなかったって!」

紬「きっと無理だろうと思って試してはいなかったの」

律「確かめよう、和に…」

232: 2011/06/26(日) 19:24:47.65 ID:wsiSRYmP0
──学校(生徒会室) 放課後 霧

>和が一人で仕事をしている
  都合がいい…

和「珍しいわね、みんな揃って生徒会室にくるなんて」

律「ちょっと確かめたいことがあってな」

和「それにしては大勢じゃない?」

唯「生徒会長さんが誘拐されちゃった日、和ちゃんは何してたの?」

和「ええと…、たしか生徒会室で今みたいに仕事してたと思うわ」

紬「副会長さんが誘拐された日も?」

和「ええ。でもなぜそんなこと聞くの?」

憂「二人が最後に目撃されたのは学校なんです」

和「つまり学校で誘拐された可能性が高いってことね…」

和「……それで私が怪しいと」

律「ああ」

233: 2011/06/26(日) 19:25:53.66 ID:wsiSRYmP0
和「同じ生徒会役員である私が怪しいのは分かるけど、二人を誘拐するのは不可能よ」

和「一介の女子高生である私が誰にも見つからずに誘拐、そして殺害して吊るすなんてできっこないもの」

唯「……」

和「少し考えれば分かることじゃない」

憂「テレビがあれば、和さんにも犯行は十分に可能です」

和「あのね、唯には前に教えたんだけどテレビは壊れてるの。使えないわ」

唯「たしかに使えなかったね」

和「でしょう?やっぱり私には無理よ」

澪「和……」

和「澪なら分かるわよね?」

澪「どうして疑問に思わないんだ?」

和「……え?」

澪「今の内容で、なぜテレビが出てきたことに疑問を抱かないんだよ!」

和「……」

澪「おかしいだろ!テレビがあれば犯行可能?中に入れるって分かってなくちゃ言えないことだ!」

234: 2011/06/26(日) 19:26:29.17 ID:wsiSRYmP0
澪「それに疑問を抱かないってことは…」

和「……」

唯「和ちゃん。お願いがあるんだ」

和「なにかしら」

唯「テレビの画面を触って欲しいの」

和「…なぜ?」

唯「それで全てがはっきりするからだよ」

和「……」

律「頼むよ、和。無実を証明するためにも触ってくれ」

澪「和!!」

和「……参ったわね」

235: 2011/06/26(日) 19:27:33.21 ID:wsiSRYmP0
和「絶対バレない自信があったのだけど、まさかあなたたちに追い詰められるなんてね」

律「認めるんだな…」

和「そうよ、会長と副会長をテレビに入れたのは私」

澪「ど、どうして二人を頃したんだ!?」

和「澪、人聞きの悪いこと言わないでよ。頃してないわ。入れただけ」

紬「入れてしまったのは事故だったってこと?」

和「あの日、会長と口論になってね。内容は今後の生徒会の方針だとかそんなところ」

憂「それだけの理由で会長さんを…」

和「だから違うわよ。口論が過熱して、ついとかうっかりってあるじゃない?」

和「もみ合ってるうちにテレビの中に入れちゃったの」

律「頃すつもりはなかったっていうのかよ?」

和「まさかあんなことになるなんて思わないもの。悲しい事故だった」

236: 2011/06/26(日) 19:29:59.98 ID:wsiSRYmP0
唯「副会長さんは?」

和「……」

唯「会長さんのことで、テレビに人を入れると氏ぬって分かったのに、どうして副会長さんを入れたの!?」

和「怖かったの」

紬「副会長さんは事件のことを独自に調べていたからね」

和「そうよ。早い段階で私が犯人なんじゃないかって問い詰めてきた」

和「立証なんてできないんだから放っておいてよかったのだけど」

和「けどね、もしかしたら…ひょっとしたら…」

和「そんな考えがふつふつと湧いて、怖くなってしまった。気がついたらテレビの中に入れてたわ」

憂「……ひどい」

和「で?これからあなたちは私をどうするの?」

律「警察に行って自首してもらう」

和「それは困るわね…」

237: 2011/06/26(日) 19:36:23.45 ID:wsiSRYmP0
和「ここで人生を棒にふるわけにはいかないもの」ダッ!

唯「和ちゃん!!」

和「私を捕まえたいなら、追ってきなさい」スゥ

>和はテレビの世界に逃げた

憂「やっぱり生徒会室のテレビは使えたんですね」

唯「……」

澪「……」

律「二人とも大丈夫か?」

唯「う、うん…」

澪「和が犯人だったなんて……」

律「信じたくないのはみんな一緒さ。今は落ち込んでるときじゃない」

澪「……」

238: 2011/06/26(日) 19:36:52.29 ID:wsiSRYmP0
律「決着をつけに行こう。私たちのためにも、和のためにも」

澪「和のため…」

唯「行こう」

憂「行きましょう」

紬「和ちゃんのために!」

澪「…そうだな、行こうみんな!」

>生徒会室のテレビから、中に入った…

239: 2011/06/26(日) 19:37:49.03 ID:wsiSRYmP0
──テレビの中(禍津桜が丘高校)

憂「…ここは…学校でしょうか」

律「みたいだな。きっと和が作り出した空間なんだろうぜ」

唯「澪ちゃん、和ちゃんは何処にいるか分かる?」

澪「……屋上から和の気配を感じる」

律「そこが最後の舞台ってわけか…」

唯「和ちゃん、今行くよ!」

240: 2011/06/26(日) 19:38:08.45 ID:wsiSRYmP0
>屋上にやってきた…

唯「和ちゃん!」

和「思いのほか早かったわね。そんなに私を警察に突き出したいの?」

澪「間違ってることを正してあげるのも、友達の役目だから…」

和「ご高説どうも」

律「和…もうやめにしよう…。私たちだって和と戦いたくないんだ」

和「なら見逃してくれないかしら?」

紬「それはできないわ」

憂「罪はちゃんと償わないといけないんです」

和「そう…残念ね…!」カッ

唯「…!?」

242: 2011/06/26(日) 19:38:59.40 ID:wsiSRYmP0
唯「ギー太…?」

律「唯のイザナギとそっくりだけど、あれは…」

憂「禍々しい感じがします…」

和「あはは!なんだか今とっても気分がいいの!解き放たれたっていうのかしら?」

和「今なら誰にも負けない気分よ!さあ、かかってきなさい!」

澪「サポートは任せろ!」

紬「よろしくね、澪ちゃん!」

憂「コノハナサクヤ、お願いっ!」

律「ここで決めるぞ、唯!」

唯「うん!」

和「蹴散らしなさい、マガツイザナギ!!」

243: 2011/06/26(日) 19:44:10.80 ID:wsiSRYmP0
>マガツイザナギの空間殺法!
 唯たちに大ダメージ!

唯「うぅ…さすが和ちゃん…強い…」

紬「油断したらあっという間にやられちゃうわ」

律「澪!和のペルソナに弱点はないのかよ!?」

澪「…弱点は……ない…!」

紬「地道に攻めるしかないわけね」

和「ちんたらちんたらと…、あなたたちやる気あるの!?」

>マガツイザナギの空間殺法!

唯「させない!ギー太!!」

>ギー太のスラッシュ攻撃!

和「あら、怖い」サッ

>しかしかわされてしまった!

唯「わわ!」ドシン

>唯はバランスを崩してダウン!

244: 2011/06/26(日) 19:45:05.40 ID:wsiSRYmP0
和「あっけない幕切れね…唯!」

唯「…っ!」

憂「おねーちゃーん!」

>コノハナサクヤの火炎魔法!

和「ちっ!」

>しかしガードされてしまった

憂「ムギさん、今のうちにお姉ちゃんをお願いします!」

紬「分かったわ!大丈夫、唯ちゃん?」

唯「あ、ありがとムギちゃん、憂」

>ムギは唯を助け起こした

和「油断しちゃった。でも次はそうはいかないわよ」

律「正面から突っ込んでも返り討ちに会うだけだな」

澪「どうすれば…」

紬「私に作戦があるわ……」

245: 2011/06/26(日) 19:45:40.53 ID:wsiSRYmP0
紬「和ちゃんの大技には事前に溜めの動作があるの」

唯「うんうん!私もそれに気付いたからさっき攻撃をしかけたんだよ!」

律「見事に避けられてたけどな」

唯「はい…」

紬「致命的な隙ではないからね。だから……」ゴニョゴニョ

和「…作戦タイムはもういいかしら?」

律「終わるまで待ってくれるなんて、ずいぶんサービスがいいじゃないか」

和「なにをしても無駄だもの」

唯「やってみないと分からないよ!」

和「さあ、どうかしらね!」

>マガツイザナギの空間殺法!

唯「隙あり~!」

和「だから読んでるわよ」サッ

唯「う、うわー!」ドザー

>唯は派手にダウンした…

246: 2011/06/26(日) 19:45:53.10 ID:wsiSRYmP0
澪「(わ、ワザとらしい…)」

和「じゃあね、唯…」

和「…と見せかけて律が後ろから攻めるんでしょう?」ガキン!

律「くっ!バレてたか!」

和「唯のダウンも演技。挟撃する作戦だったのだろうけど、まだまだね」

>律の攻撃を弾き飛ばした

和「これでチェックよ、唯!」

>しかし唯の姿はない

和「(後方に退いてる!?なぜ…そういえばムギと憂の姿が見えない…!)」

紬「タケミカヅチ!」

憂「コノハナサクヤ!」

和「上空!?」

>和に電撃魔法、火炎魔法が襲いかかる!

和「(避けきれない!ガード!!)」

247: 2011/06/26(日) 19:47:07.17 ID:wsiSRYmP0
和「(ぐっ…反動で身体が動かない…!)」

律「唯、いけぇえええええええ!!」

唯「ええいっ!!」

和「…っ!?」

>イザナギのスラッシュ攻撃!

和「きゃああ!!」

>和は吹き飛んだ!

律「やったのか?」

澪「和からペルソナの反応は消えている。気絶したんだと思う」

紬「全部終わったのね…」

律「そうと決まれば和を連れてここから出よう。また影が集まってくるとも限らないしな」

唯「……」

憂「お姉ちゃん大丈夫?」

唯「うん、平気…」

248: 2011/06/26(日) 19:47:57.63 ID:wsiSRYmP0
澪「…これは」

律「どうした澪?」

澪「強い力を感じる…」

紬「まさかまた影が!?」

律「どこからだ?」

澪「和からだ!!」

>和がゆっくりと立ち上がる
  …その顔つきは別人のようだ

和?「なるほど、己の影を退けてきただけのことはある」

紬「和ちゃん、なにを言ってるの?」

澪「違う!意識はもう和じゃない!」

律「おまえ…誰なんだ…」

和?「我が名はアメノサキギリ。霧を統べし者」

249: 2011/06/26(日) 19:53:41.33 ID:wsiSRYmP0
憂「もしかして、現実世界で覆っている霧はあなたが…」

アメノサギリ
 「いかにも。まもなく世界は晴れない霧で覆われる」

唯「どうしてそんなことするの!?」

アメノサギリ
 「人間の望んだこと。我はそれを叶えたに過ぎない」

律「誰が望んだってんだよ!霧で覆われた世界なんてごめんだぜ!」

アメノサギリ
 「人間の強さでもあり、また弱さでもある心。我が解放するのだ」

アメノサギリ
 「心などという不確かなものに振り回される苦痛から」

澪「そんなこと思ってない!」

アメノサギリ
 「だが人間の大多数は違う。おまえたちのように強くはない」

250: 2011/06/26(日) 19:54:26.57 ID:wsiSRYmP0
アメノサギリ
 「我が与えよう。すべての人間に等しく、心の平穏を」

アメノサギリ
 「霧の中で、人間は影として生まれ変わるのだ」

律「影ってあの化物たちになるってことかよ!?」

アメノサギリ
 「あの姿こそ、本来の己の姿。なんのしがらみもない真の自由を謳歌するカタチ」

紬「影のお化けたちは、人の心から生まれたっていうの?」

アメノサギリ
 「すべては人間の望んだこと。貴様らも霧の海へ消えるがよい」

律「はいそうですかって言うわけないだろ!たしかに人は弱いけど…」

澪「それを克服する強さは誰もが持ってるんだ!」

紬「例え一人じゃできなくても私が!周りの人がお手伝いすればいいの!」

憂「支えあって、一緒に悩んで苦しんで!そして人は強くなっていくんです!」

律「自分のために、誰かのために人間は強くなれるんだよ!!」

唯「それが私たちの…人間の強さ…!」

251: 2011/06/26(日) 19:55:46.37 ID:wsiSRYmP0
アメノサギリ
 「ならばくるがいい。貴様らの言う人間の強さ、今一度確かめてやろう」

>和が黒い霧に包まれたかと思うと足元の影の中へ消えてしまった
  ……地響きがする

律「いよいよフィナーレだな。この戦い絶対負けられない」

唯「きっと勝てるよ。だっていままでみんなで乗り越えてきたんだから」

律「絶対に勝とう。みんなのために、この町に住む大切な人たちのために」

唯「とーぜんだよ!」

律「いくぜ相棒!!」

唯「よっしゃー!!」

253: 2011/06/26(日) 19:56:57.42 ID:wsiSRYmP0
律「でかっ!!」

唯「目玉のオヤジ…」

澪「言ってる場合か!くるぞ!」

>火の雨が唯たちに降り注ぐ!

律「ジライヤ、吹き飛ばせ!」

>ジライヤの疾風!
  火の雨は消し飛んだ

アメノサギリ
 「無駄なあがきだ。全ては霧の海沈むさだめだというのに…」

唯「やってみなきゃ分からないよ!」

紬「唯ちゃん!ダブル電撃魔法よ!」

唯「がってん!」

>唯と紬の電撃魔法!

アメノサギリ
 「…ヌゥ」

澪「きいてるみたいだ!」

254: 2011/06/26(日) 19:57:45.47 ID:wsiSRYmP0
憂「私だって…負けません!」

>憂は精神を集中して火炎弾を放った!

アメノサギリ
 「グォオオ…!」

律「これが、私たちの絆の力だっ!」

アメノサギリ
 「あくまで抵抗するか。よかろう、全力で貴様らを排除する」

>アメノサギリの身体から霧が噴出す!

憂「霧で姿が見えない…」

紬「ならまた魔法で攻撃しちゃうんだから!」

>しかし攻撃が届かない!

澪「だめだ、当たってない!」

アメノサギリ
 「ここで朽ちるがいい、人間」

>アメノサギリは力を溜めている…
  霧が消え、アメノサギリが姿を現した!

255: 2011/06/26(日) 20:03:16.65 ID:wsiSRYmP0
アメノサギリ
 「霧の海に沈め!!」

澪「まずい!みんな防御を固めろ!!」

>アメノサギリは目からビームを放った!
  唯たちに大ダメージ!

憂「きゃあ!」

澪「ぐぅ!!」

律「今のは…きいた…ぜ…」

紬「防御に徹してなったら危なかったわ」

アメノサギリ
 「耐えるか。ならばおまえたちが倒れるまで繰り返そう」

>アメノサギリの身体から再び霧が噴出す!

澪「これじゃ攻撃ができない…律!ジライヤの疾風で霧を吹き飛ばせないか!?」

律「任せろー!」

>ジライヤの疾風!
  しかしアメノサギリを覆う霧は晴れない…

256: 2011/06/26(日) 20:04:03.40 ID:wsiSRYmP0
アメノサギリ
 「諦めろ、人間。貴様らはここで氏ぬさだめなのだ」

律「諦められっか!まだまだこれからだ!!」

律「踏ん張れ、ジライヤー!!」カッ

>激しい疾風がアメノサギリを襲う!
  アメノサギリを覆う霧が少しづつ晴れてきた!

アメノサギリ
 「…なん…だと?」

律「あがいて、もがいてここまで来た私たちに…諦めなんて言葉はないのさ…」

律「決めろ相棒!!」

唯「どーりゃー!!」

アメノサギリ
 「…っ!?」

>イザナギの急降下アタック!
  アメノサギリの目玉に剣を突き立てた!

アメノサギリ
 「オォオオオオオー!!」

257: 2011/06/26(日) 20:04:39.75 ID:wsiSRYmP0
アメノサギリ
 「……強い力だ」

紬「まだ!?」

澪「いや…さっきみたいな強い力は感じられない…」

律「私たちの勝ちなのか…?」

アメノサギリ
 「見事だ、人間よ。貴様らの世界の霧は晴らそう」

アメノサギリ
 「人間の望みこそ我の望み。さらばだ……」

>アメノサギリは霧散した…

憂「か、勝ったんですよね?」

唯「うん!大勝利だよー!」

紬「やったー!」ダキッ

澪「む、ムギ!?」

律「はは、やったぜこんちくしょー!」

>アメノサギリを打ち負かした!

258: 2011/06/26(日) 20:05:28.69 ID:wsiSRYmP0
和「…これでお終いか…私の完敗ね」

唯「和ちゃん…」

和「さあ、煮るなり焼くなり好きにしてちょうだい」

唯「……メッ!」コツン

和「いたっ」

唯「和ちゃんはね、人の人生を奪うっていうとてもいけないことをしたの」

唯「これから和ちゃんは生きて罪を償わないといけないんだよ。それが和ちゃんの罰…」

和「……」

唯「でもね、もし犯した罪に押し潰されそうになったら、溜まってるものを全部私に吐き出していいよ」

和「唯…」

唯「和ちゃんが罪を償う助けになりたいから」

和「あなたは本当に甘いわね…」

唯「えへへ、あずにゃんにも同じこと言われたよ」

和「でもだめ。この痛みは私だけのものだから…。私が一人で背負っていくわ…」

259: 2011/06/26(日) 20:05:59.38 ID:wsiSRYmP0
>テレビの中から出て、和を警察に引き渡した
  殺人事件が起こることはもうないだろう…

>アメノサギリを倒したことにより、霧も晴れ
  仲間とともに真実にたどり着くことができた

>仲間との絆はより強固なものになった



>そして数ヵ月後……

260: 2011/06/26(日) 20:06:30.26 ID:wsiSRYmP0
──学校(部室) 放課後 晴

>憂も交えて放課後のお茶会を楽しんでいた

唯「むふふ、ムギちゃんの紅茶とケーキは絶品ですなー」

憂「お姉ちゃん、ほっぺにクリームついてるよ?」

唯「なんと!?」

梓「さすが唯先輩です。だらしのなさにさらに磨きがかかってます」

唯「いや~///」

律「そこは怒るところだぞー」

261: 2011/06/26(日) 20:11:56.03 ID:wsiSRYmP0
唯「あ、そういえばね、和ちゃんからお手紙が届いたんだ」

澪「和から?なんて書いてあったんだ?」

唯「みんなに聞いてもらおうと思ってまだ読んでないんだよ」

律「それじゃここは唯ちゃんに読み上げてもらいますか」

紬「そうね、それがいいわ」

唯「頼まれました!じゃあ読むよー…」

>『唯、久しぶりね。元気にしてるかしら?私は、少年院で罪を償う毎日よ
  突然の手紙を驚いているかと思うけど、どうしても伝えたいことがったの
  マヨナカテレビの噂…誰に聞いたのか思い出すことができないけど
  それをきっかけに私は力に目覚めた気がするの。力を授けられたというのかな…
  おそらく唯やムギもそうなんじゃないかしら。あれが誰だったか私には思い出せない
  この手紙が真実を知る助けになれば嬉しいわ』

澪「そういえば唯やムギのテレビに入る力って、ペルソナに目覚める前だったよな」

律「和の手紙の言う通り、先にテレビに入る力を唯たちに与えた者がいるってことか?」

憂「一体誰なんでしょうか…」

梓「……」

262: 2011/06/26(日) 20:14:05.52 ID:wsiSRYmP0
紬「私も、りっちゃんに聞く前に誰かから聞いた気がする…」

澪「マヨナカテレビの話?」

紬「ええ」

憂「誰だか覚えてないんですか?」

紬「たしか女の子だったような…」

澪「女の子…?」

律「唯は心当たりはないのか?」

唯「……あずにゃん」

律「梓から?」

紬「あ…私も梓ちゃんから聞いた…!」

梓「……」

唯「あずにゃんが…力をくれたの…?」

澪「ち、違うよな?梓はマヨナカテレビの話をしただけだろう?」

263: 2011/06/26(日) 20:14:52.87 ID:wsiSRYmP0
梓「…ようやくここまでたどり着きましたね、先輩方…」

梓「正直無理なんじゃないかと思いましたが、杞憂のようでした」

律「梓、おまえなに言ってんだよ…」

梓「マヨナカテレビの噂を広めたのも、唯先輩たちに力を与えたのも私なんですよ」

紬「梓ちゃん、あたなは一体何者なの…」

梓「その答えはこれから分かりますよ。これからね……」スウッ

律「梓!?」

>梓の姿が消えた
  声が当たりにこだまする…

梓の声
 「真実が知りたければ追ってきてください。生徒会室のテレビの中で待ってます」

264: 2011/06/26(日) 20:16:04.77 ID:wsiSRYmP0
憂「梓ちゃんが、全ての元凶だったなんて…」

律「ここへきてとんでもない事実が発覚しちゃったな」

澪「……どうするんだ?」

唯「決まってるよ、あずにゃんを追うんだよ!」

澪「いいのか?梓と戦うことになるかもしれないんだぞ」

律「覚悟の上だろ、唯」

唯「……うん」

律「今さらなかったことにはできないしな」

澪「……」

紬「行きましょう、生徒会室へ!テレビの中へ!」

憂「職員室で生徒会室の鍵借りてきます!」

265: 2011/06/26(日) 20:16:38.67 ID:wsiSRYmP0
──テレビの中(黄泉比良坂)

>以前テレビの中にきたときとは違う空間が広がっている
  床には紅いタイルが敷き詰められている。あたりはとても静かだ

>いつか見た夢の場所と同じだ…

憂「不思議なところですね…」

律「最終ダンジョンにしてはやけに地味だな」

紬「澪ちゃん、梓ちゃんはどこに?」

澪「あの坂の上から梓の気配を感じる」

唯「……っ」

>目の前には長く続く坂道がのびていた
  この上に梓がいる…

266: 2011/06/26(日) 20:17:17.77 ID:wsiSRYmP0
唯「あずにゃんきたよ!」

?「ようこそ。私は君たちを歓迎するよ」

>梓の隣に見知らぬ人物が佇んでいる…

律「…誰だ?」

?「私はイザナミ。この世界の創造主」

澪「創造主だって?どういうことだ…」

イザナミ
 「言葉通りだよ。私はこの世界の神とも言える存在」

梓「……」

律「おまえなんてお呼びじゃない。私たちはそこの梓に用があってきたんだ」

イザナミ
 「くく、まだ気付かないのかい?」

紬「……なにが言いたいの」

イザナミ
 「梓を現実世界にやり、力を与えるよう仕向けたのは全て私の指示だということさ」

267: 2011/06/26(日) 20:22:06.88 ID:wsiSRYmP0
憂「どうしてそんなことを!?」

イザナミ
 「人間の望みを知るために、そして叶えるために」

イザナミ
 「アメノサギリとて私の身体から生まれたもの」

律「つまりはあんたが本当の黒幕ってことだな」

イザナミ
 「そうさ。抑圧された人間の心を解放するため、霧で世界を覆い尽くしたが…」

イザナミ
 「君たちはアメノサギリを退けた。人間の可能性を示したのだ」

イザナミ
 「仕舞いには私の元までたどり着くという予想外の働きを見せた。全くもって素晴らしい」

紬「なら梓ちゃんを返して!」

イザナミ
 「残念ながらそれはできない。アズサは私の身体の一部だからね」

唯「そんな…」

268: 2011/06/26(日) 20:23:43.27 ID:wsiSRYmP0
イザナミ
 「アズサはいい仕事をしてくれた。しかし君に力を与えたのは予想外だったが…」

唯「…?」

イザナミ
 「私が指示したのは二人の人間だけだったはずだ。どうして彼女に、唯に力を与えた?」

梓「…申し訳ありません」

イザナミ
 「人間のいる環境に長く置きすぎたか…。まあいい、私の中に還るがいい」

>梓がイザナミの中へ消えてゆく…

梓「……せんぱ」

唯「あずにゃん!!」

イザナミ
 「さて、君たちはこれからどうする?」

律「決まってるさ!梓を取り返す!」

イザナミ
 「無理だと言ったろう。アズサは私の一部なのだ。万が一私を倒したとしてもアズサは戻らない」

269: 2011/06/26(日) 20:24:34.84 ID:wsiSRYmP0
イザナミ
 「私が氏ねばアズサも氏ぬ」

澪「なんだって!?」

イザナミ
 「さあどうする?それでも私に挑むというのか。神であるこの私に」

唯「決まってるよ…」

憂「お姉ちゃん?」

唯「あなたがいたら、町はまた霧の海に沈むかもしれない」

イザナミ
 「そうしないという保障はできないね」

唯「ならここであなたを倒す!」

澪「か、神だかなんだか知らないけど、これ以上好きにはさせない!」

律「おう!澪の言う通りだぜ!」

270: 2011/06/26(日) 20:25:26.29 ID:wsiSRYmP0
唯「それに、あずにゃんは私に言ったんだ……」

唯「真実を探し出してって…助けてって…」

紬「なら迷う必要はないわ!」

唯「うん!あなたを倒して町を!あずにゃんを救う!」

唯「あずにゃん、今助けるから!!」

イザナミ
 「それが君たちの答えというわけか……」

イザナミ
 「いいだろう、今までの働きに敬意を評して全力で叩き潰してあげよう」

イザナミ
 「神の力、氏もって思い知れ!!」カッ

271: 2011/06/26(日) 20:26:20.11 ID:wsiSRYmP0
澪「なんて力だ…計り知れない…」

律「でも諦めない、だろ?」

澪「と、当然だ!今言おうとしてたんだ!」

伊邪那美大神
 「くるがいい。今一度、人間の可能性の力を見せてみろ」

憂「何度だって見せてあげます!」

紬「私たちは絶対に諦めないんだからー!」

>コノハナサクヤとタケミカヅチの魔法が伊邪那美大神を襲う!

伊邪那美大神
 「…今のが全力だとでも言うのか?」

澪「全くきいてない!」

律「なら直接ぶっ叩く!相棒!」

唯「りょーかーい!」

律「くらえっ!」

唯「せーいっ!」

272: 2011/06/26(日) 20:26:54.74 ID:wsiSRYmP0
>ジライヤとイザナギの攻撃!

律「ぐっ!堅い!」

澪「直接攻撃もきかないなんて…」

唯「もーいっちょー!」

>イザナギの攻撃!
  しかし、伊邪那美大神にダメージを与えられない!

伊邪那美大神
 「……この程度か。弱い、弱すぎるぞ人間!」

>伊邪那美大神のなぎ払い!

紬「唯ちゃん危ない!」

憂「おねーちゃーん!」

>紬と憂は唯をかばった!

紬「きゃああ!」

憂「ひゃうっ!」

>二人は気絶してしまった…

273: 2011/06/26(日) 20:31:58.14 ID:wsiSRYmP0
唯「憂、ムギちゃん!」

伊邪那美大神
 「自分の心配をしたらどうだ!?」

>伊邪那美大神のなぎ払い!

唯「…!?」

律「唯ー!」

澪「うわああ!」

>律と澪は唯をかばった!
 二人は気絶してしまった…

唯「そんな…りっちゃんと澪ちゃんまで…」

伊邪那美大神
 「神に挑んだ己の愚かさを悔やむがいい」

>伊邪那美大神の攻撃!

唯「ひぃうっ!」

>唯は倒れた……

伊邪那美大神
 「人間の力などこんなものか…。やはり人間は霧の海へ沈むべきなのかもしれない…」

274: 2011/06/26(日) 20:32:23.91 ID:wsiSRYmP0
────

───

>身体に力が入らない…
 やはり神には勝てないのか…

>……

>……聞いたことのある声がする

 「もう…おしまいなんですか?」

  ……

 「助けるって大見得きったくせに、かっこ悪いですよ」

 「この町を救うんでしょ?立ち上がらないと、ここで全部おしまいです」

  ……

 「……私は作られた存在ですけど」

 「先輩が大好きでした。優しくて暖かい先輩が大好きです……」

 「立ち上がってください唯先輩。みんなのために…できれば…私のために…」

275: 2011/06/26(日) 20:32:59.97 ID:wsiSRYmP0
唯「……ぐっ」

>唯はゆっくりと立ち上がった…

伊邪那美大神
 「ここで立ち上がるか。諦めの悪さは評価しよう。だが往生際が悪いのも考えものだ!」

>神の雷が唯を襲う!

唯「ああっ!!」

>唯は食いしばった!

伊邪那美大神
 「なぜ倒れない?既に肉体は限界を超えているはず…!」

>神の雷が再び唯を襲う!

唯「…っっ!!」

伊邪那美大神
 「なぜだっ!?精神が肉体を凌駕したとでも言うのか……」

唯「心の力…だよ…」

伊邪那美大神
 「…なに?」

276: 2011/06/26(日) 20:34:29.22 ID:wsiSRYmP0
唯「私とみんなの…そして…あずにゃんとの絆の力だー!!」カッ

>唯のイザナギは伊邪那岐大神に転生した!

伊邪那美大神
 「こんな…こんなことが…!おまえの力は私が知る人間の範疇を超えている!!」

唯「あずにゃん…遅くなってごめんね…」

 「いいんです、唯先輩はちゃんときてくれましたから…」

伊邪那美大神
 「アズサ!おまえなのか!?この人間になにをした!!一体なにをしたのだ!!」

唯「うああああああ!!」

>真実を照らす光の刃が伊邪那美大神に降り注ぐ!

伊邪那美大神
 「馬鹿なぁああああああああああああああ!!」

>伊邪那美大神は光とともに消え去った…

277: 2011/06/26(日) 20:34:50.29 ID:wsiSRYmP0
梓「……唯先輩」ギュッ

唯「あずにゃん、私やったよ…」

梓「はい、ありがとうございます」

唯「……あずにゃんはこのまま消えちゃうの?」

梓「私はイザナミの一部ですから、そうなりますね」

唯「…やだ」ギュウ

唯「みんなとお茶して…練習して…ライブだって」

梓「……」

唯「これからだよぉ…これからなんだよ…ううっ…あずにゃん」

梓「唯先輩が私の心を解放してくれました」

唯「それだけじゃやだ!もっとあずにゃんと一緒にいたい!一緒に生きていたい!」

梓「……」

唯「このままお別れなんてやっぱり悲しいよ……」

278: 2011/06/26(日) 20:35:03.01 ID:wsiSRYmP0
梓「大丈夫です、きっとまた会えますよ」

唯「…ほんと?」

梓「唯先輩が信じている限り必ず」ニコッ

唯「信じるよ!私信じるから!」

梓「唯先輩……」

唯「あ、あずにゃん…?」

梓「さよなら…」

唯「あずにゃーん!!」

279: 2011/06/26(日) 20:41:08.43 ID:wsiSRYmP0
憂「…あれ…私は…」ムクッ

紬「目が覚めた?もう全部終わったわ」

憂「あ、梓ちゃんは?」

紬「……」

憂「そうですか…」

律「唯、梓は最後なんて言ってたんだ?」

唯「信じていれば…またあずにゃんに会えるって…」

澪「……梓」

唯「…ひっく!うぅ!あずにゃん、あずにゃん…!」

律「ゆ~い!」ギュッ

唯「…りっちゃん?」

律「今は思いっきり泣いていいよ。…思いっきり泣いて、泣いて、そして梓が帰ってくるのを信じよう」

唯「うん…うん…!」

澪「梓がそう言ったなら、きっと会えるよな。それまで私たちにできることをしよう」

紬「梓ちゃんがいつ帰ってきてもいいように、けいおん部を存続させないとね」

280: 2011/06/26(日) 20:41:37.20 ID:wsiSRYmP0
憂「わ、私けいおん部に入ります!それで部員もいっぱい勧誘して増やしちゃいます!」

律「そりゃ心強いな」

澪「ああ」

唯「みんな、ありがとう」

紬「唯ちゃんも頑張るのよ?」

唯「えへへ、そうだよね!」

澪「…帰ろう。私たちの部室に」

唯「うん!」


281: 2011/06/26(日) 20:43:26.88 ID:wsiSRYmP0
>そしていくつもの月日が流れ、唯たちが卒業するまで
  残り一週間をきろうとしていた……

憂「(意気込んでみたものの、結局入部してくれたのは純ちゃんだけ…)」

憂「(このままじゃけいおん部がなくなっちゃうよ~!)」

純「深刻な顔してどーしたの憂?けいおん部のこと?」

憂「うん…このままだと部員不足で廃部になっちゃう…」

純「来年になれば新入生も入ってくるし、なんとかなるでしょー」

憂「そうは言うけど…こんなときに梓ちゃんがいればな…」

純「梓?誰それ?」

憂「(そういえば梓ちゃんのことは、私たち以外みんな忘れちゃったんだっけ…)」

憂「……はぁ」

純「ため息多すぎー。あ!そうそう、実はビッグニュースがあるんだー」

憂「けいおん部に入ってくれる人がみつかったの!?」

純「いや、違うんだけど」

憂「……はぁ」

純「最後まで聞いてよ~。実はね……」

282: 2011/06/26(日) 20:44:11.92 ID:wsiSRYmP0
先生「席着いてー。SHRを始めますよー」ガラガラ

純「やば!先生きちゃった!」

先生「お早うございます皆さん。今日は皆さんに素敵なお知らせがあります」

憂「(私がなんとかして部員を確保しないと…)」ブツブツ

先生「今日からクラスに新しいお友達が増えます。さ、入ってきて」

 「は、はいです!」

>……懐かしい声がする

憂「……あ」

先生「自己紹介をお願い」

 「はい!今日からこのクラスのお世話になります!よよ、よろしくお願いします!」

先生「……な、名前は?」

 「す、すみません!」

 「私の名前は…………」




 お し ま い

283: 2011/06/26(日) 20:44:34.35 ID:FJ7LiD8a0

284: 2011/06/26(日) 20:46:02.17 ID:wsiSRYmP0
これでほんとにおしまい
見てくれた人はまじサンキュー
今秋からP4Aが始まるからそっちもチェックしてね!

285: 2011/06/26(日) 20:47:21.77 ID:udUD78v40
乙!
あずにゃーん!

287: 2011/06/26(日) 20:47:43.44 ID:CyEFFQPs0

引用元: 唯「ペルソナ?マヨナカテレビ?」