101: 2015/05/20(水) 17:50:26.53 ID:FRw/6Za3.net
最近、身の回りから私の持ち物が消えている

最初はお菓子とか消しゴムとか、うっかりなくしてしまいそうなものばかりだったんだけど

それが飲んだあとの飲み物あるいはハンカチになってきた辺りから気づいたの

段々怖くなって幼なじみの海未ちゃんとことりちゃんに相談したけど、日頃の行いのせいか勘違いで片付けられるし……

あ、でもなくしたものは二人とも貸してくれるからひどい人じゃないんだよ!

それで話は戻るけどこういう不思議な事?に思い当たる人がいるからその人に聞いてみた、そしたら

「部室に穂乃果ちゃんのタオルを置いておくと犯人見つかるよ」

言われた後から即実行!で、今部室に隠れてるんだけど

犯人はメンバーの中?って聞いたら、希ちゃんはちょっと困った顔してたなぁ……

なんて考えてたら誰か来たみたいだね

あれは………真姫ちゃん?

102: 2015/05/20(水) 18:02:45.83 ID:FRw/6Za3.net
んん?部室の鍵閉めて、周りを警戒してる?

ふっふっふ~まさか穂乃果が掃除用具入れに隠れてるとは思わないでしょ~

どうやら誰もいないことを確認して、まっすぐタオルの方へと向かっていく

ま、まさか真姫ちゃんが犯人じゃないよね…?

嫌な予感的中。私の予想が当たってしまった

真姫ちゃんはタオルを手にとって、おもむろに顔を埋めた

「んっ……穂乃果の…匂い………」

静かな部室だからくぐもった声でも耳に入ってくる

いやいやいや!真姫ちゃん何してるの!?

普段の性格からして全く想像もできないことが今目の前で起きている

あまりの出来事に声をあげそうになるもなんとか飲み込む

ま、まだ犯人って決まったわけじゃない。匂いで落とし主を探しているんだよきっと

そんな淡い期待もどこへやら

真姫ちゃんはタオルを服の中に隠し、そのまま出ていこうとしていた

真姫ちゃんが……犯人…?

103: 2015/05/20(水) 18:15:34.21 ID:FRw/6Za3.net
穂乃果「真姫ちゃんっ!」ガタッ

真姫「ほ、穂乃果!?なんでそんなところに隠れてたのよ!」ビクッ

穂乃果「最近穂乃果の物が盗まれるから張ってたんだよ。その犯人を見つけるため」

真姫「そ、そう……災難ね」キョドキョド

穂乃果「でももう犯人は見つけたよ。真姫ちゃんだったんだね」

真姫「……何のことかしら」

穂乃果「じゃあ服の中に仕舞ったタオルは何?それ穂乃果のだよね」

真姫「これ?忘れてると思って届けてあげようとしたのよ」

穂乃果「とりあえず返してもらうよ」

真姫「……はい」スッ

穂乃果「……真姫ちゃんがこんなことする人だとは思わなかった」

真姫「私じゃないわよ!犯人扱いしないで!」

穂乃果「じゃあポッケの中見せてもらっていいかな?」

真姫「っ!!」ギクッ

105: 2015/05/20(水) 18:29:06.94 ID:FRw/6Za3.net
穂乃果「今日の朝もね、シャーペンが一本無くなってたんだ」

穂乃果「筆箱なんて基本持ち歩かないから落とすはずもないんだよ」

穂乃果「だから穂乃果のシャーペンが入ってなかったら許してあげるし、謝るよ」

真姫「っ………」

穂乃果「……ううん、真姫ちゃんが自分から言ってくれたら誰にも言わないよ。だから真姫ちゃん…」

真姫「私じゃないっ!!」ダッ

穂乃果「あっ真姫ちゃん!」

バタン! コロコロ…

穂乃果「これ、穂乃果のシャーペン……」ヒョイ

穂乃果「真姫ちゃんどうして………」グスッ

107: 2015/05/20(水) 18:38:13.63 ID:FRw/6Za3.net
結局犯人は分からずじまいだった

他の人から見たらほぼ間違いなく真姫ちゃんが犯人だと答えると思う

でも私はまだ心のどこかで真姫ちゃんを信じてた……いや、犯人だってことを信じたくなかったんだ

あの優しい真姫ちゃんが物を盗むなんてきっと理由があるはずだから

そしてこのことは誰にも言っていない。まだ犯人は決まったわけじゃないから

それは希ちゃんも例外じゃない

「そっか……犯人は見つからんかったか……」

占いが外れて残念そうな顔をしてたけどまたぱっと笑顔に戻り

「もしμ'sの誰かだったら嫌やし、見つからん方が良かったかもね」

……本当に見つけなきゃ良かったのに

この日を境に私の物が消えることはなくなった

108: 2015/05/20(水) 18:50:00.20 ID:FRw/6Za3.net
そんな事件も忘れかけていたある日、帰りの下駄箱に一通の手紙が入ってた

『私の家に来て。全て償うから』西木野真姫

そう書かれていた

最初に思ったのは、なんで今更なんだろうって

だって私自身が忘れかけていたのにわざわざそれを掘り返すなんて

正直もう気にしてはいなかった

誰かに告げ口する気は起きなかったし、なくなって本当に困るものはなかったし

何より真姫ちゃんが責任を感じてたのを知ってたから

109: 2015/05/20(水) 18:59:00.85 ID:FRw/6Za3.net
あの日からずっと真姫ちゃんはスランプに陥ってた

歌も、ダンスも、曲作りも、何もかも上手くいかなくて

その度にこっちを向いて悲しい顔をしていた

それを見た私は真姫ちゃんに対して恨みとか怒りとか、そんな気持ちはさっぱりと消えてしまった

残った気持ちはただ、真姫ちゃんを許してあげたいっていう気持ちだけ

だから真姫ちゃんにはできる限り近づかず、距離を置くことにしていた

真姫ちゃんのスランプは治ってないけど………

「ほのかちゃーん?」

「ほのかー!帰りますよー!」

考え事してたら二人においてかれちゃった。でも

「ごめーん!用事ができたから先に帰っててー!」

それでも私は真姫ちゃん家に行く

だって真姫ちゃんが勇気だしてくれたんだもん

それに答えなくちゃね

110: 2015/05/20(水) 19:07:18.23 ID:FRw/6Za3.net
ピンポーン ガチャ

真姫「! 穂乃果……」

穂乃果「……真姫ちゃん、穂乃果は許したつもりだよ?それでもいいの?」

真姫「私が話すって決めたから。それで私のことを嫌いになっても構わない……もう嫌いよね」

穂乃果「……どんなことがあっても、穂乃果は真姫ちゃんのこと嫌いになったりなんかしないよ」ニコッ

真姫「優しいわね、穂乃果は。とりあえず入ってもらえる?」

穂乃果「うん。おじゃましまーす」

111: 2015/05/20(水) 19:17:14.84 ID:FRw/6Za3.net
穂乃果「うっひゃ~相変わらず広いねぇ~」キョロキョロ

真姫「じゃあ……ちょっと探し物があるから部屋で待ってて。ケーキ用意したから食べていいわよ」

穂乃果「はーい」

バタン

穂乃果「ピンク色のケーキ?何だか高そう……いただきます」パクッ

穂乃果「!! いちごのケーキだ!おいひ~♪」パアァ

穂乃果「でも真姫ちゃんって穂乃果の好きな食べ物知ってたっけ?」

ガチャ

真姫「お待たせ。はいこれ」

穂乃果「あ!かわいい……箱?」

真姫「開けるわよ」パカッ

穂乃果「え、これ……穂乃果の使ってた……」

112: 2015/05/20(水) 19:29:39.41 ID:FRw/6Za3.net
真姫「そう、全部あなたの私物。さすがにペットボトルとかは捨てたけど……」

穂乃果「じゃあやっぱり真姫ちゃんが……」

真姫「ごめんなさいっ!!」ドゲザ

穂乃果「え?え?」ビクッ

真姫「あなたの言う通り私が盗んだのよ!あの時はどうしても謝る勇気がなくて……言い訳までして逃れようと……」ポロポロ

穂乃果「頭上げて!もう許したってば!」アセアセ

真姫「だって穂乃果怒ってたじゃない………」グスン

穂乃果「あー……本当はね、怒ってたって言うより悲しかったんだ」

穂乃果「あんなに優しい真姫ちゃんでもこんなことするんだって」

真姫「……私は優しくなんてない。最低よ……」

穂乃果「でも今日こうして謝ってくれたじゃん!」

真姫「勝手にスランプになってみんなにも迷惑かけた……」

穂乃果「明日から頑張ろうよ!」

真姫「穂乃果……穂乃果ぁ………」グスグス

穂乃果「おーよしよし。辛かったねぇ」ヨシヨシ

117: 2015/05/20(水) 20:50:41.94 ID:FRw/6Za3.net
穂乃果「このケーキ美味しい!ありがとう真姫ちゃん!」

真姫「穂乃果にしてきたことに比べたら当然の報いよ」

穂乃果「もうそれはいーの!しゅーりょー!」

真姫「……でも気に入ってくれたみたいで良かったわ」

穂乃果「うん!穂乃果の好きないちごがいっぱいだからね!」パクパク

真姫「まだまだあるわよ。どうせなら持って帰る?」

穂乃果「こんな高そうなケーキ持って帰ったら逆に怒られちゃいそう……」

真姫「ふふっじゃあここでたくさん食べていかないとね」クスッ

穂乃果「……そういえばこのケーキを選んだのって穂乃果の好きな食べ物知ってたから?それとも偶然?」

真姫「ぐ、偶然よ!私はそこまでお人好しじゃないし!」

穂乃果「おやぁ?その反応は知ってる反応ですねぇ~」ニヤニヤ

真姫「知らないっ!」プイッ

穂乃果「教えないとばらしちゃうぞぉ~?」ウシシ

真姫「なっ!もういいって言ったのはあなたじゃない!」

穂乃果「穂乃果は許したけどみんなは許すかな~?」

真姫「あーーーわかったから!!全部話すって言った手前さらけ出すわ!!」

真姫「私はねぇ!穂乃果のことが好きなのよっ!///」

穂乃果「なぁーんだ、そっかぁ」アッハッハー





穂乃果「って、ええええええええええええええええええ!!!??///」

118: 2015/05/20(水) 21:06:03.23 ID:FRw/6Za3.net
真姫「穂乃果の好物なんてとっくの昔に知ってたわよ!!///」

穂乃果「真姫ちゃん待って待って!///今それより聞き捨てならない言葉があったんだけど!///」

真姫「穂乃果と私のバストが同じサイズで浮かれてたわよ!!///」

穂乃果「真姫ちゃんそれ穂乃果も知らないんだけど!?///」

真姫「穂乃果との結婚生活を毎晩妄想してたわよーーー!!!///」

穂乃果「真姫ちゃん落ち着いて!?///穂乃果が恥ずかしいよそれ!!///」

真姫「はぁ……はぁ……」ゼェゼェ

穂乃果「はぁ………ふぅ…じゃあ穂乃果の物盗んでたのも…?」

真姫「……穂乃果が好きだからよ…///」カアァ

穂乃果「好きだから、かぁ…///」カアァ

ほのまき「………/////」ウツムキ

121: 2015/05/20(水) 21:16:04.21 ID:FRw/6Za3.net
穂乃果「……あ、もうこんな時間。帰るね」

真姫「え、あ、うん……」

穂乃果「ケーキ、ありがとね。あとは……その箱の中身あげる!」

真姫「え、でも……あ、私が触ったから………」

穂乃果「ち、違うよ!真姫ちゃんが勇気出したご褒美!と、ケーキのお礼ってことで♪」

穂乃果「でも匂い嗅いだりしたらダメだよ?」

真姫「しないわよっ!……多分」

穂乃果「たまにだったら許してあげなくもない」

真姫「……やっぱりやめとく」

穂乃果「聞くのもおかしいと思うけどどうして?」

真姫「だって近くに本物の穂乃果がいるから」

真姫「ありがとう穂乃果。大好き♡」

穂乃果「うっ……かつての変態とは思えない言葉反則だよ…///」カアァ

真姫「変態言わないでっ!」ムッ

穂乃果「じゃあね真姫ちゃん!」

真姫「えぇ。さようなら」

終わり

122: 2015/05/20(水) 21:19:09.40 ID:FRw/6Za3.net
これで終わりです
今度はまた新しく立ててゆきまき(ちょこっとほの)のSS書くと思います
ありがとうございました

123: 2015/05/20(水) 21:40:18.11 ID:xGkaD1eG.net
おつです!

引用元: 【SS】真姫「これで何回目?」穂乃果「えーっとぉ……」