1: 2014/06/07(土) 23:26:19.07 ID:mavtq7F70.net
ごく短めのssです。期待はしないでください。
6: 2014/06/07(土) 23:27:40.27 ID:mavtq7F70.net
女「あれ?ずいぶん早く来たと思ったのに。まさかキミが待つ側になってるとはね」
無邪気な笑顔とともに彼女は言う。その顔が中学の頃の彼女と重なり、少し鼓動が早くなる。
女「しかし本当に久しぶりだね、1年ちょっとかな?言ってくれれば予定空けたのにさあ、君が全然返事をくれないから。私ちょっと楽しみにしてたんだよ?キミに会えること。」
その声、その喋り方、仕草、全てが彼女の記憶を引き出させる。諦めきれなくて拗らせてきた思いが一気に沸き上がってくる…
無邪気な笑顔とともに彼女は言う。その顔が中学の頃の彼女と重なり、少し鼓動が早くなる。
女「しかし本当に久しぶりだね、1年ちょっとかな?言ってくれれば予定空けたのにさあ、君が全然返事をくれないから。私ちょっと楽しみにしてたんだよ?キミに会えること。」
その声、その喋り方、仕草、全てが彼女の記憶を引き出させる。諦めきれなくて拗らせてきた思いが一気に沸き上がってくる…
7: 2014/06/07(土) 23:28:28.66 ID:mavtq7F70.net
女「なんだかしばらく見ない間にすごく静かになったね。キミじゃないみたい。」
女「昔のキミはもっと幼稚で落ち着きがなかったんだけどね、さすがにもう高校生だもんね。」
あいも変わらず彼女は笑顔である。変わらない彼女に妙な安心感を抱く。
たしかに、彼女にはさんざん迷惑をかけた。昔の僕は本当に手の付けられない子供で、出来れば思い出したくない黒歴史だ。彼女はそんな僕の、悪く言えばお世話役をしてくれていた。嫌な顔一つせず僕の相手をしてくれていた彼女には頭が上がらない。
女「昔のキミはもっと幼稚で落ち着きがなかったんだけどね、さすがにもう高校生だもんね。」
あいも変わらず彼女は笑顔である。変わらない彼女に妙な安心感を抱く。
たしかに、彼女にはさんざん迷惑をかけた。昔の僕は本当に手の付けられない子供で、出来れば思い出したくない黒歴史だ。彼女はそんな僕の、悪く言えばお世話役をしてくれていた。嫌な顔一つせず僕の相手をしてくれていた彼女には頭が上がらない。
8: 2014/06/07(土) 23:29:00.69 ID:mavtq7F70.net
女「でも私は中学の頃のキミの方が好きだったな。今あんな関係だったらどう思うかわからないけど。私も馬鹿だったしね」
お世辞としか取れない言葉を並べられる。返答に少し時間がかかった。
お世辞としか取れない言葉を並べられる。返答に少し時間がかかった。
9: 2014/06/07(土) 23:29:33.61 ID:mavtq7F70.net
女「ここだよここ、覚えてる?田舎道だけあって何も変わってないよねー。」
彼女が通学路の交差点で自転車を押すのをやめて立ち止まる。辺りは深い夕焼け色に染められ、真上の街灯が足元を照らした。
女「毎日毎日、よくも飽きずに3人で話してたよね。くだらないことばかりだったけど、あの時間は何をしている時よりも楽しかったな。あの子は元気にしてるのかな?」
過去形が胸につっかえた。
彼女が通学路の交差点で自転車を押すのをやめて立ち止まる。辺りは深い夕焼け色に染められ、真上の街灯が足元を照らした。
女「毎日毎日、よくも飽きずに3人で話してたよね。くだらないことばかりだったけど、あの時間は何をしている時よりも楽しかったな。あの子は元気にしてるのかな?」
過去形が胸につっかえた。
10: 2014/06/07(土) 23:30:04.81 ID:mavtq7F70.net
女「キミは私が好きだったのかな?そうやって言ってくれればよかったのに。私はあの子もキミも、選べないくらい好きだったんだよ?」
彼女に気持ちを伝えなかったことは無理やり納得したはずなのに、今さらそんなことを言わないでくれ。ずるいだろ。
女「私があの子と付き合ってからキミは離れていっちゃったよね。3人でずっと仲良くしようって言ってたのに、いまとなってはばらばらになっちゃった。私が付き合ったばっかりに、ほんとにごめんね…」
罪悪感。彼女はちっとも悪くないのに、僕がそう思わせてしまっているのだろう。
昔の話はもういい。その話はおしまいにしよう、と呟いた。
彼女に気持ちを伝えなかったことは無理やり納得したはずなのに、今さらそんなことを言わないでくれ。ずるいだろ。
女「私があの子と付き合ってからキミは離れていっちゃったよね。3人でずっと仲良くしようって言ってたのに、いまとなってはばらばらになっちゃった。私が付き合ったばっかりに、ほんとにごめんね…」
罪悪感。彼女はちっとも悪くないのに、僕がそう思わせてしまっているのだろう。
昔の話はもういい。その話はおしまいにしよう、と呟いた。
11: 2014/06/07(土) 23:30:58.28 ID:mavtq7F70.net
女「そういえば高校に入ってからどう?キミは人が変わったようだけどね」
笑いながら彼女は言う。
彼女を失ってから僕は抜け殻のようになっていた。心に穴が開いたようになり、感情も希薄になった。諦めたはずなのに、未練たらたら。最低な男だ。
女「私はうまくやってるよ。友達もたくさんできて、毎日がすごく楽しい。あ、彼氏もできたんだよ?写真見る?」
はしゃぎながら彼女は携帯を見せてくる。写真の中の彼女はあの時のように幸せそうな目をしていた。
それをみて、彼女は僕がいてもいなくても、関係なく幸せに生きていけるんだ…と思ってしまった。その感情をすぐに押し頃し、彼女が幸せならいい、と自分を納得させる。
僕はありきたりな同調をして、近況を少し話した。
笑いながら彼女は言う。
彼女を失ってから僕は抜け殻のようになっていた。心に穴が開いたようになり、感情も希薄になった。諦めたはずなのに、未練たらたら。最低な男だ。
女「私はうまくやってるよ。友達もたくさんできて、毎日がすごく楽しい。あ、彼氏もできたんだよ?写真見る?」
はしゃぎながら彼女は携帯を見せてくる。写真の中の彼女はあの時のように幸せそうな目をしていた。
それをみて、彼女は僕がいてもいなくても、関係なく幸せに生きていけるんだ…と思ってしまった。その感情をすぐに押し頃し、彼女が幸せならいい、と自分を納得させる。
僕はありきたりな同調をして、近況を少し話した。
12: 2014/06/07(土) 23:31:26.04 ID:mavtq7F70.net
女「そっかー。彼女いないんだね。大丈夫。キミならきっといい人と付き合えるよ!」
彼女しか見えていない僕にとっては、その言葉は最後の希望を断たれたものだった。いくらいい人であろうと、あなたでなければ意味が無いのに。
彼女しか見えていない僕にとっては、その言葉は最後の希望を断たれたものだった。いくらいい人であろうと、あなたでなければ意味が無いのに。
13: 2014/06/07(土) 23:32:00.31 ID:mavtq7F70.net
走りだした彼女を見送り、僕は家路につく。
進む彼女と止まった僕の縮まらない隙を何で埋めよう?
そんなものどこにも宛てがあるわけない。
明日も色のない生活が僕を待っているだろう。おやすみ。
進む彼女と止まった僕の縮まらない隙を何で埋めよう?
そんなものどこにも宛てがあるわけない。
明日も色のない生活が僕を待っているだろう。おやすみ。
14: 2014/06/07(土) 23:34:06.36 ID:X4Vjkals0.net
秒速かよ
16: 2014/06/07(土) 23:38:07.64 ID:NV/FW/+U0.net
刺さる
引用元: 女「中学の頃の君は」
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