1: 2012/05/16(水) 22:54:44.79 ID:5T2VSkqW0
怜「先に注意事項やけど、ちょっとネタバレしてる部分あるから、アニメだけ見てる人は気をつけてな」

竜華「自分もそうやろ?」

怜「…うん」

2: 2012/05/16(水) 22:56:03.05 ID:5T2VSkqW0



トタタタタタタ



ガラガラッ



セーラ「おつかれさーん!」

部員「お疲れ様でーす!」

セーラ「うー……さぶさぶ、今日なんかめっちゃ寒ない?」

二条「確かに言われてみればそうかも……今って季節の変わり目ですし、
   こんな感じの日が続くかもしれませんね」

セーラ「えー、ホンマに?
    ウチ寒いんは苦手なんやけど……なんで冬ってくるんかな?
    ずっと夏でええと思わん?誰も困らへんやん」

二条「江口先輩が困らへんでも、地球が困るんです。
   なんかこう……冬が来なかったら、地球が地球が大ピンチ的なあれです」

セーラ「そんなん言われたかて、ウチわからんし」

二条「船久保先輩ならきっちりかっちり説明してくれますって」
咲-Saki- 24巻 (デジタル版ヤングガンガンコミックス)
3: 2012/05/16(水) 22:56:42.39 ID:5T2VSkqW0
ガラガラッ


船久保「話は聞かせてもらった!地球は滅亡する!」

セーラ「な、なんだってー!」


部員「お疲れ様でーす!」


船久保「お疲れさーん。
    それはいいとして先輩、
    冬が来なかったら、草木も枯れて、動物も氏滅して、上手いもん食われんハメになりますよ」

セーラ「そら大事やな」

船久保「しかも、南極の氷が解けて、この地域一帯水没しますし」

セーラ「うんうん」

船久保「おまけに冬が来ない言うことは、地球の公転軌道に何か異常事態が起こってる言うことですから、
    地球自体が何かの引力に引かれてる可能性も考えられますね」

5: 2012/05/16(水) 22:57:54.97 ID:5T2VSkqW0
セーラ「つまり、どういうこと?」

二条「地球が地球が大ピンチ言うことですよ」ガラー

セーラ「なるほど、わからんわ………って、寒っ!何してんの!?
    このクソ寒い日に窓開けるとか何考えてんの!?」

二条「いや、今日天気予報見たんですけど、雨降りの予定みたいなんですよ。
   せやから、今のうちに換気しとこうと思いまして」

船久保「……この空模様やと、後1時間もせんうちに来ますね」

セーラ「雨降るのはわかったけど、今換気せんでもええやん、もー早よ窓閉めてー」

二条「今から寒さになれとかんと、冬どうするんです?
   偉いことになりますよ」

セーラ「冬は冬で暖房器具使えるからええやん。
    ホンマここが強豪校でよかったわー……あれ欲しい言うたらなんでも買うてくれるもんな。
    スカウトされてきてよかったわ。こうしてズボンもはけるしな」

二条「ズボンなんか関係あります?
   でもま、言われてみればそうですね……
   あ、他の子も換気手伝ってもらってもええ?」バサバサ


部員「はーい!」

6: 2012/05/16(水) 22:58:34.83 ID:5T2VSkqW0
竜華&怜「お疲れ様でーす」


部員「お疲れ様でーす!」


船久保「遅れて登場か、このカップルは。重役出勤にもほどがあるわ」

竜華「ごめんなー、怜の付き添いで保健室寄ってたら遅くなって」

怜「……竜華も別に私に付き添って遅れることないって言うたんですけど…」

セーラ「ええよ別に。
    それにしても何か2人が来たおかげでなんか教室が熱くなってきた気がするなー」

竜華「え?なんでまた?」

セーラ「手」

怜「……あ」

竜華「あっ……これは、その、アレです。
   この子すぐ立ちくらみ起して転びやすいから、つっかえ棒みたいなもんですよ、あはは。
   ……別に他意はないですよ?」

船久保「他意があったら大問題やって……なんか、あんたら日がたつに連れてどんどん仲良くなってくな?」

怜「…そう?」

7: 2012/05/16(水) 22:59:00.45 ID:5T2VSkqW0
セーラ「最初は普通に話すだけの関係やったのに、膝枕に始まり、手を握り、
    それから今度は……なんやったっけ?」

船久保「色々ありすぎて、私も覚えてないし」

竜華「そ、そんなことないですよ!?なぁ、怜?」

怜「(コクコク)」

セーラ「このまま行ったら目の前でキスとかし始めそうで怖いんやけどなぁ」

竜華「なっ…///」

二条「窓閉めますねー」ガラー

船久保「2人をからかうのはこのくらいにして、そろそろ特打ちはじめますか。
    二軍の子らも混ざってくれるかー?」


部員「はーい!」




――――――――――――――

―――――――――

――――

9: 2012/05/16(水) 23:00:01.63 ID:5T2VSkqW0
セーラ「それにしても、全国大会が終わって、もう三ヶ月もたつんか……。
    月日が過ぎるのは早いなぁ。
    こう言うのはなんて言うんやったっけ…こう……こここ…」

船久保「光陰矢のごとし」

セーラ「そうそれ」

竜華「もうそんななりますか?」

セーラ「なるなる。
    ウチが言うのもアレやけど、今年はレベル高かったのと違うの?」

怜「……宮永姉妹とか」

二条「酷かったですねー、アレ。
   傍から見てても狂気じみてましたし、あの打ち方。
   実際やってみてどうでした?」

怜「二度と打ちたくない」

竜華「あはは……せやろなぁ」

10: 2012/05/16(水) 23:00:29.54 ID:5T2VSkqW0
船久保「ああ言う手合いにはデータも何の役にも立ちませんし、一番困りますわ」

セーラ「どないせっちゅうの、アレ」

怜「…ロン、7700」

セーラ「ゲッ、ダマならダマって言ってくれんと……ホイ」ジャラッ

怜「言ったらダマになりませんやん……どうも」ジャラッ



ザーーー……ガラガラガラガラ




竜華「所で、私ずっと気になってることがあるんですけど」

セーラ「何?」

竜華「先輩……なんでここにおるんです?」

11: 2012/05/16(水) 23:01:06.65 ID:5T2VSkqW0
セーラ「えぇぇぇ!?何やのそれ!?なんかその口ぶりやと、まるでいたらあかんみたいやん!?
    いかんのか!?

船久保「いかんでしょ」

二条「そらそうよ」

竜華「先輩、もう3年ですし、夏の大会終わったら引退するのが普通と違います?
   それに進路とかどうするんです?
   進学するんやったら、今から勉強せんと間に合わなくないですか?」

船久保「今から勉強ってかなり遅いけどな」

セーラ「その辺のことなら心配せんでも、もう行き先決まっとるから」

二条「そうなんですか?初耳ですけど。
   …永久就職ですか?」

セーラ「そんなわけあらへんやん。
    名門の大学からスカウトが来てなー、そこに推薦で入ることになったわけ。
    地元の実業団とかプロ団体からもオファー来とったんやけど、やっぱ学生続けたいなって思ってな」

船久保「先輩、モラトリアムって知ってます?」

セーラ「いや、知らんし」

12: 2012/05/16(水) 23:01:45.90 ID:5T2VSkqW0
怜「…ロン、3900」

セーラ「う……またかい」ジャラッ



ザーーー……ガラガラガラガラ



竜華「私らも、そろそろ進路のこと考えんとあかんのかなー」

船久保「あんたらはどうせスカウト来るんやからええやろ」

怜「……スカウトが来ても…実業団やプロで活躍するかどうかもまだ決まってないし」

二条「別に何かやりたいこととかあるんですか?」

怜「そう言うのとは違うけど……」

セーラ「何か煮え切らない答えやなぁ」

13: 2012/05/16(水) 23:02:52.06 ID:5T2VSkqW0
竜華「別に怜の好きなことやったらええのと違うの?自分の人生やし。
   ……それに私も付いてるしな」

船久保「それって」

二条「進路先、一緒にするってことですか?」

竜華「え?そのつもりやけど……なんか変?
   せやかて、この子病弱やし、私がおらんといつ倒れるかわからんから。
   なんか心配で」

セーラ「完全ストーカーやん」

竜華「ち、違いますって!ただ、単純に心配なだけですって!
   私、別に今、目標にしてることとかありませんし。
   それまでは一緒に付いていてあげようかなって」

セーラ「ホンマに~?」

怜「……ロン、12000」

14: 2012/05/16(水) 23:03:49.30 ID:5T2VSkqW0
セーラ「………なぁ、怜」ジャラ

怜「……なんです?」ジャラ

セーラ「なんかウチだけ狙い撃ちされてる気がするんやけど」

怜「…気のせいと違いますか?」

セーラ「えっと……さっき手ぇ繋いだの茶化したこと、怒っとる?」

怜「……別に」



――――――――――――――

―――――――――

――――

15: 2012/05/16(水) 23:06:14.29 ID:5T2VSkqW0
ザァァァァァァァァァーーーーーー



セーラ「 こ れ は ひ ど い 」

船久保「部活終わって帰ろうって時に…まさかここまで降るとは予想外やな」

竜華「どうする?」

怜「…小雨になるの待つとか」

二条「その選択肢はないですね。
   この雨、明け方まで降るみたいですよ。
   朝まで学校残ります?
   もれなく動く人体模型と学校で一泊できますけど?」

セーラ「それなら選択肢は一つしかないな」

竜華「それって……」

セーラ「走るっ!」ダッ

竜華「やっぱり!?」

16: 2012/05/16(水) 23:07:13.71 ID:5T2VSkqW0


                        セーラ「ほな、みんなまた明日なー!」





怜「……」

二条「先輩は風邪ひきそうにないからいいなぁ……。

   で、どうします?
   誰か傘とか持ってます?」

3人「(フルフル)」

二条「そらそうですよね」

船久保「うちらも走って帰らなあかんか。
    竜華、あんた怜の家知ってたよな。
    送ってってあげて」

竜華「もちろん…大丈夫?怜」

怜「うん……(ギュッ)」

17: 2012/05/16(水) 23:09:25.49 ID:5T2VSkqW0
二条「それなら……いっせーのー……でっ!」


ザァァァァァァァァァァーーーーーーーーーー


ALL「ひゃあああああああああああ!!つめたああああああああああああああああい!!!」



――――――――――――――

―――――――――

――――




ザァァァァァァァァァァーーーーーーーーーー



タッタッタッタ


竜華「はぁ……はぁ……」

怜「はぁ……はぁ……」

19: 2012/05/16(水) 23:11:00.02 ID:5T2VSkqW0
竜華「天気予報でもこんな大降りなるって言ってなかったやん……はぁ…はぁ……」

怜「はぁ……はぁ……」

竜華「えっと……この角どっちやったっけ?」

怜「はぁ……はぁ……」

竜華「……そこの軒下でちょっと休むか?」

怜「……うん」


ドサッ


竜華「はー……疲れたぁ……
   ほら、怜、そこのベンチに腰かけぇな」

怜「……どっこいしょ」

竜華「プッ…どっこいしょって、おばちゃんやん、ふふふ」

怜「……おばちゃんちゃうもん(プクー)」

竜華「ほっぺふくらませて、風船みたいな顔しとるよー。うりうり」ツンツン

怜「……ふうせんちゃうもん(プクー)」

20: 2012/05/16(水) 23:11:36.08 ID:5T2VSkqW0
竜華「ふふっ……
   あ、なぁ、見てこの制服……もー、びしゃびしゃやん。 
   帰ったら洗濯カゴに直行やな…」

怜「……ゴホッ…ゴホッ」

竜華「怜!?大丈夫!?
   タクシー呼ぼか!?」

怜「……(フルフル)」

竜華「ごめんな……私が気使って、最初からタクシー呼んでおけばよかったな」

怜「…ええよ、そんな。お金勿体無いし」

竜華「確かにな……とりあえず濡れたままやと体に悪いし、頭出して」

怜「ん……」

竜華「いい子やね……(ごしごし)
   ハンカチで拭くしかないけど、ごめんな」

怜「……」

竜華「…お客さん、かゆいとことかありませんか?」

怜「…背中」

竜華「頭拭いてる言うてるのに背中かいっ」

22: 2012/05/16(水) 23:12:40.44 ID:5T2VSkqW0
怜「……」

竜華「……(ごしごし)」

怜「……」

竜華「……(ごしごし)」

怜「……」



ザァァァァァァーーーーーー



竜華「なぁ、怜」

怜「……何?」

竜華「もしプロからスカウトが来たとして、アンタはプロにいかんの?」

怜「…たぶん」

竜華「なんで?麻雀嫌いになったん?」

23: 2012/05/16(水) 23:13:08.40 ID:5T2VSkqW0
怜「ううん……全国大会の準決勝、あったやろ」

竜華「うん」

怜「あの時、私思ったん。
  こんなのがプロに仰山おるんやったら、きっと私は付いていかれへんて。
  なんぼ体があっても足りんわって」

竜華「……」

怜「普通に打つだけならいいけど、先を視るのにあんだけ消耗しとったら
  1年持たずに私は引退やし。
  そんなら普通に趣味として麻雀続けて、普通の人として生きてった方がええかなって」

竜華「……怜」

怜「私のことは心配せんでいいよ。
  竜華は竜華のやりたいようにやったらいいし。
  私は私でやりたいようにやる。
  ……ただ、私は竜華の重荷にはなりたくないだけ」

竜華「重荷なんて!そんな!」

怜「今は違くても、そのうちそうなる日が来るかもしれんって思うとな…。
  ………あ、少し小雨になったんと違う?」

竜華「怜、私は…!」

24: 2012/05/16(水) 23:14:11.67 ID:5T2VSkqW0
怜「今のうちに走らんと、また振ってくるよ?はよいこ!」

竜華「……うん」

怜「…ゴホッ」



タッタッタッタッタ



竜華「(怜がそんな風に考えてたなんて、考えもしなかった)」

竜華「(いつも私がそばにいて、そして怜の支えになるのが普通やと思ってたのに)」


竜華「(あんなこと考えてたなんて……)」



竜華「(もしかしたら……重荷になってるのは)」



竜華「(私の方なんかな…)」



25: 2012/05/16(水) 23:14:45.19 ID:5T2VSkqW0
――――――――――――――

―――――――――

――――



ガラガラッ


竜華「おはよー」

クラスメイトA「おはよー」

竜華「今日も寒いなー、なんやろねこれ、異常気象ってやつかな?」

クラスメイトB「こういうのってテルテル坊主でもぶら下げた方がいいのかな?」

クラスメイトA「テルテル坊主って、気温の上昇に意味あるん?」

竜華「ないのと違う?」

クラスメイトB「あるわけないやん」

クラスメイトA「ずいぶんケチやなー。ちょっとは勉強してくれてもバチあたらんと思うけど。
       ……あ、そーだ」

クラスメイトB「なになに?」

27: 2012/05/16(水) 23:15:24.40 ID:5T2VSkqW0
クラスメイトA「最近有名になっとる変質者ってしっとる?」

竜華「何それ、知らんけど」

クラスメイトB「あー、知ってる知ってる。厚手のコートに、マスクつけて……帽子も深めにかぶっとったかな?」

竜華「何かまんま過ぎて……」

クラスメイトA「何でも、昨日の放課後に、3組の子が襲われたとかなんとか……」

竜華「襲われたって、何かされたん?」

クラスメイトA「何か言うても、コート脱いで素っ裸になっただけらしいけど」

クラスメイトB「え?それだけ?」

クラスメイトA「それだけって…それ以上あったらいろいろと困るやろ!?
        それに、見ず知らずのおっさんの裸見せられただけでもSAN値ごりごり削れるやろ!」

竜華「サ……なんて?」

クラスメイトA「ともかく、竜華も気をつけた方がええよ。
       あんたみたいなんは一番狙われそうやし。
       それにアンタの相方もな」

竜華「相方って……別に、怜はそんなん違うって」

クラスメイトB「誰も園城寺さんなんて一言も言うてないけどね」

竜華「う」

28: 2012/05/16(水) 23:16:03.29 ID:5T2VSkqW0


担任「ほらー、あんたら早く席に付きー!出席とるよー!」




バタバタバタバタ




竜華「(そう言えば、怜大丈夫やったかなぁ)」

竜華「(あんな大振りの中一緒に帰ったけど)」

竜華「(体大丈夫やったかなぁ……なんか心配やなぁ)」

竜華「(風邪ひいて倒れたりとかしてないよな?)」

竜華「(風邪は万病の元言うし、あの子の事やから、こじらせてまた入院とかなって)」モンモン

竜華「(それで体おかしくなって、動かれへんようになって)」モンモンモン

竜華「(養生のためとか言って、遠い田舎の方に引っ越すことになって)」モンモンモンモン

竜華「(それで学校辞めるハメになって、離れ離れになって)」モンモンモンモンモン

竜華「(連絡取れへんようになって……それで…それで…)」モンモンモンモンモンモン

29: 2012/05/16(水) 23:16:47.18 ID:5T2VSkqW0
担任「清水谷ー」

竜華「(そんなん絶対イヤやー!)」

担任「清水谷ー!」

竜華「もー!なにー!うるさいんやけど!」

担任「うるさいんは自分や」

竜華「あ」

担任「ボーっとしとるのはいつものことやけど、返事くらいちゃんとせぇ」

竜華「ご、ごめんなさい…///」


アハハハハハ


担任「じゃ、次」

竜華「……アレ?先生」

担任「ん?」

竜華「怜……園城寺さんは、もう名前呼びました?」

担任「名前呼ぶも何も、今ここにおらんやろ。何言うてるの?」

31: 2012/05/16(水) 23:17:25.87 ID:5T2VSkqW0
竜華「え?遅刻とかじゃ…」

担任「園城寺は今日風邪でな、1日休む言うて、朝連絡きとったよ」

竜華「うそ…」

担任「そうそう、連絡事項書いたプリントあるから、放課後にでも届けに…」

竜華「先生!」

担任「何?」

竜華「今行きます!」

担任「ほんならこれもって、さっさと行きや」バサ

竜華「はい!失礼します!」


タッタッタッタッタッタ ガラッ


32: 2012/05/16(水) 23:18:21.98 ID:5T2VSkqW0

担任「じゃ、次」

クラスメイトA「せんせー、私も彼氏が風邪なんで看病しにいっていいですかー?」

担任「ダメ。
   あの子は特待生やからな。
   おまけに毎日真面目に授業受けてるから十分単位足りてるし。
   

   …それに自分、彼氏おらんやろ」

クラスメイトA「……何で知ってるんです?」

担任「それに一番の理由がなー……あの子、園城寺のことになると人が変わるからなー。
   ここでダメって言うても、1時間目の授業終わったら抜け出すやろ」

クラスメイトB「確かに」

クラスメイトA「夫婦やしな、あの2人」




――――――――――――――

―――――――――

――――

34: 2012/05/16(水) 23:19:03.59 ID:5T2VSkqW0


怜「ゴホッゴホッ……うー……」

怜「………」

怜「………」

怜「………」

怜「…退屈や」

怜「…入院生活で横になるのはなれてたと思っとったけど、
  ここ最近普通に生活してたから、なんか退屈やなぁ」

怜「もう本も読み漁ってもーたし……何も見るもんない」

怜「テレビは……」


ピッピッピッ


怜「……ニュースしかやっとらん(ポフッ)」

35: 2012/05/16(水) 23:19:49.41 ID:5T2VSkqW0
怜「………」

怜「………」

怜「………(ゴロゴロ)」

怜「……竜華に会いたいなぁ」


ピンポーン


怜「おかーさーん!お客さんきたよー!」

怜「……」

怜「……あかん、おかーさん仕事やった」


ピンポーン


怜「はいはい!今行きますー!」


トタタタタタタタ


36: 2012/05/16(水) 23:20:34.75 ID:5T2VSkqW0


怜「わっと……」ヨロッ

怜「階段下りるだけでもしんどいわ…」


ガチャ

怜「…どちらさまですか?」

竜華「あの……私、怜さんのクラスメイトの清水谷ですけど」

怜「……」

竜華「……」

怜「竜華?」

竜華「よかったぁ……親御さんが出たら緊張しとったわ」

怜「…それよか、学校どないした?」

竜華「えへへ、抜けてきた」

怜「(アカン)」

37: 2012/05/16(水) 23:21:17.42 ID:5T2VSkqW0
竜華「でも、元気そうでよかったわ……なんか風邪言うてたから、
   もっと氏人みたいな顔しとるとおもっとったよ」

怜「とりあえず、ここで話すのもあれやから、入ってどうぞ」

竜華「うん、おじゃましまーす」


トットットット


怜「…とりあえず、座って、ちらかっとるけど。
  椅子は机のやつ、使って」

竜華「うん……ギシッ

   んー、普通に綺麗になっとるよ。
   なんて言うか、綺麗に物しまっとるね」

怜「…しまってるって言うか、元々この部屋物がないから。
  入院生活してるうちに、必要ないもの、全部処分するクセついてもーて…。
  
  あ、今、お茶出すな」

竜華「ええよええよそんな。
   見舞いに来たんやし、病人は寝とかな。な?」

怜「ごめんな、せっかく来てもらったのに」

39: 2012/05/16(水) 23:22:58.58 ID:5T2VSkqW0
書きためた奴だからいっきにやっちゃいたくて
それと、あんまり間隔置きすぎると落ちちゃうかなーって心配で

じゃあ、ちょっと間を置きながら投下するね

42: 2012/05/16(水) 23:26:16.02 ID:5T2VSkqW0
竜華「………」

怜「………」

竜華「………」スンスン

怜「………」

竜華「……(怜の部屋の匂い……怜の匂い)」

怜「…竜華」

竜華「!?…え?あ、何?」

怜「…この部屋何もないから退屈やない?」

竜華「そんなことないって、それよか……プリント持ってきたんやけど」

怜「ごめんな、わざわざ」

竜華「えーっと、それから……やっぱり風邪といえば、栄養取るのが一番やと思って
   果物買ってきたんやけど、食べる?」

44: 2012/05/16(水) 23:29:46.92 ID:5T2VSkqW0
怜「…うん、食べる。
  今から包丁とって……」

竜華「ええって、寝るとって。
   台所借りるわ…えっと」

怜「一階降りて、左手側な」

竜華「うん」



――――――――――――――

―――――――――

――――


竜華「りんごあるから今から剥くな」

怜「…うん」

竜華「……んっと」ショリショリ

怜「……」

竜華「……」ショリショリ

怜「結構上手いな、なんか意外」

45: 2012/05/16(水) 23:34:21.26 ID:5T2VSkqW0
竜華「失礼やなー、こう見えても人並みには料理できるんやで?」

怜「ふふ……」

竜華「……」ショリショリ

怜「…けど、ええなぁ」

竜華「んー、何が?」

怜「竜華の旦那さんなる人」


竜華「え?」


怜「…竜華、料理もできるし、綺麗やし
  言うことなんもないやん」

竜華「そ、そんなことあらへんよ。
   それに、まだ高校生やし、旦那とかまだ早いって」サクッサクッ

怜「……そう?」

竜華「さ、出来たよ。
   ……はい、あーん」

怜「…え?」

46: 2012/05/16(水) 23:36:44.66 ID:5T2VSkqW0
竜華「口あけな、りんご食べられへんやろ?
   はい、あーん。」

怜「え、ええよ、そんな……子供やないし…。

  それに…………はずかしいわ///」

竜華「病人は目いっぱい甘えとき、な。
   ほら…」

怜「うー………………あ、あーん///」


パクッ

竜華「どう?」

怜「おいしい……」

竜華「そっか、よかった
   ここに来る前にな、スーパー寄ってきたんやけど
   青森産のええのがあったんよ」

怜「竜華も食べる?」

竜華「そうしようかな?」ヒョイッ

怜「……」パシッ

竜華「…え?何?食べたらあかんかった?」

48: 2012/05/16(水) 23:38:58.61 ID:5T2VSkqW0
怜「……あーん」

竜華「?」

怜「……あーんってせんと、いかんよ?(プー)」

竜華「い、いや……はずかしいやん…」

怜「…そんな恥ずかしいこと人にやらせとったの?」

竜華「それは……その…」

怜「あーん」

竜華「…あーん///」

パクッ

竜華「……けっこうはずかしいなこれ///」

怜「ふふ、せやろ?」

竜華「あははっ」

怜「ふふふっ」

52: 2012/05/16(水) 23:42:46.76 ID:5T2VSkqW0
――――――――――――――

―――――――――

――――


怜「……あ」

竜華「起きた?」

怜「…今何時?」

竜華「四時過ぎやな」

怜「ホンマに…?
  アカン……竜華の膝枕で寝とったら時間たつの忘れるわ。
  この太ももに私の時間奪われてまう…」

竜華「ん……もう、くすぐったいって~…ふふっ」

怜「…今日は来てくれてありがとな」

竜華「そんな気にせんでええよ」

53: 2012/05/16(水) 23:43:49.93 ID:5T2VSkqW0
怜「…実はな、今日誰も家におらんし、退屈やったし
  ずっと不安やった」

竜華「そうなん?」

怜「入院生活で、こういうの慣れとったと思っとったけど、アカンな。
  もうすっかり麻雀部での生活を体が覚えとるもん」

  それに…」

竜華「ん?」

怜「私、今日は竜華に……」

竜華「……」


ピンポーン


竜華「……あー」

怜「……」

54: 2012/05/16(水) 23:45:15.68 ID:5T2VSkqW0
ピンポーン ピンポーン


竜華「……ちょっと見てくるな」


ピンポーン ピンポーン ピンポーン


怜「……うん」


ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン


ドタタタタタ


竜華「そんな押さんでもわかってるのに……はーい」


ガチャ

57: 2012/05/16(水) 23:49:37.96 ID:5T2VSkqW0
セーラ「おじゃましまーす!」


ドタタタタタタ


竜華「え?セーラ?」

船久保「やっぱりおったわ」

二条「先輩の言ってたとおりですね」

竜華「2人まで、なんでまた?」

船久保「顧問に今日は先輩がやすんどるって聞きまして。
    みんなで見舞いに来ました。
    ほい、桃缶と栄養ドリンク」バサッ

二条「あ、ちゃんと許可とって来てますからね?」

竜華「そ、そうなんだ」

船久保「ほんなら、おじゃましますねー」

二条「おじゃましますー!」

竜華「……」


58: 2012/05/16(水) 23:50:29.98 ID:5T2VSkqW0
――――――――――――――

―――――――――

――――


セーラ「なんや殺風景な部屋やなー
    もっとなんか置いたりせぇへんの?
    インテリアとか、ぬいぐるみとか、そんなん」

怜「セーラ…?なんで?」

船久保「おじゃま……あ、何してますの?
    布団から肩出とるで、しっかり汗出さんとあかんですって!
    ほらほら」バサッ

二条「おじゃましまーす、あの、テレビ借りていいですか?」

怜「みんなも……わざわざ来てくれたん?」

船久保「そらチームメイトが体調崩したら、心配もしますし」

二条「他の子たちも、結構心配してましたよ
   ここ最近、ずっと体調よかったのに急に風邪って言われたら
   また入院するかもって」ピッ

怜「……ありがとな、みんな」

59: 2012/05/16(水) 23:53:46.26 ID:5T2VSkqW0
セーラ「なんか漫画とかあらへんの?」ゴソゴソ

竜華「この部屋にそんなんないよ」

船久保「とりあえずまず熱はかってみましょか、なんぼあるか
    上着脱いで」

怜「うん…(ヌギ)」

竜華「!?
   ま、まって!」

船久保「え?何です?」

竜華「私が熱はかるからええって、
   座ってまっとって」

船久保「そう?そんならお願いします。
    後は…熱が下がった後用に、氷でも用意しとこかなー」

二条「……あー!なんで今の盗塁なん!?
   おかしいやろ!何でや!」

竜華「…泉、もっと静かに…それからテレビの音もっと小さくしてな?」

二条「そんなん言われてましても、大事な場面ですし……」

60: 2012/05/16(水) 23:54:17.69 ID:5T2VSkqW0
セーラ「こ、これは!…まさか、この引き出しは……下着!
    ふほほっ……怜はどんなんもっとるのかなー……」ゴソゴソ

怜「あっ…」

竜華「下着…!?
   
   (ブンブンブン)   

   セーラ!お見舞いにきたんやったら黙ってとって!」

セーラ「いや、人の家着たら物色するんが普通やん?」

船久保「すんません先輩ー。
    氷枕作ろうおもたら冷蔵庫の氷ぶちまけてもーてー」

竜華「…」

二条「なんで今の大振りするん!?
   もっとコンパクトに振るやろふつう!
   もー、いやや、もー!」

竜華「…」

セーラ「えーっと……クローゼットは…」キョロキョロ

竜華「…」ビキッ

61: 2012/05/16(水) 23:55:59.16 ID:5T2VSkqW0



竜華「みんな邪魔するんやったらはよかえってーーー!!!」



ドタタタタタタタ!
バタン!


……。


二条「ちょっとやかましすぎましたかね?」

セーラ「もうちょっと見てまわりたかったなー」

船久保「あ、卵酒の造り方教えんの忘れたわ」




62: 2012/05/16(水) 23:57:51.19 ID:5T2VSkqW0
一応修正しながら書いてるけど、問題ないかい?
新しく書き直さなくても大丈夫かい?
前後と話の統合性がとれてないけど

64: 2012/05/17(木) 00:01:48.60 ID:5T2VSkqW0


竜華「なんなん…もう」

怜「……」

竜華「病人の部屋なんやから…もっと静かにしたらええのに。
   あ、怜、なんかしてほしいことある?」

怜「…なんで?」

竜華「え?」

怜「…なんでみんなを追い返したん?」

竜華「だ、だって、あかんやろ……あんなんやったら。
   怜、風邪ひいてんのに…もっと静かにせんと」

怜「私な、去年ずっと入院しとったやろ…。
  そんとき、まだ3軍やし、入学したてでほとんど友達おらんかったんよ」

竜華「…」

怜「ひとりぼっちで、ずーっとベッドで横になって、
  本を読むか、外の風景眺めるくらいしか楽しみなかった」

竜華「…怜」

65: 2012/05/17(木) 00:02:22.30 ID:5T2VSkqW0
怜「来てくれるんは、竜華だけやし…。
  今みたいに、みんなで楽しくお見舞いに来てくれるって言うの、
  私の夢だった…。

  それなのに、酷いやん。竜華。
  みんな心配してここに来てくれてるのに、あんな…」

竜華「私が……お見舞いにいくの、嫌だった…?」

怜「…違う!それは…ちがうよ、そう言う話じゃない…」

竜華「私、いつも怜が心配で…
   病弱やし、すぐ倒れるし…せやから」

怜「…いつもそれやん!
  心配してくれるのはうれしいけど、私ら、ずっと一緒に居られるわけやない!
  もう、過保護に私に接するんはやめて!
  
  ゴホッゴホッ!」

竜華「怜!?大丈夫!?」

怜「大丈夫……(ポフッ)」

竜華「……ごめんな」

67: 2012/05/17(木) 00:04:52.18 ID:5T2VSkqW0
怜「……」

竜華「……」

怜「……もう帰った方がええよ。
  ウチお母さん帰ってくるし、空も暗くなってきとるし」

竜華「…うん。ごめんな」



トトトトト……

バタン


怜「…竜華」



――――――――――――――

―――――――――

――――

68: 2012/05/17(木) 00:05:45.90 ID:56yGz6R90
竜華「……怜を怒らせてもーた」

テクテク

竜華「何があかんかったんやろ……友達を心配するんがそんなにあかんかったんやろか?」

テクテク

竜華「………もー、私どないしたらええんやろ…」


ピタ


竜華「あれ?」

竜華「(アカン……ここどこやろ)」

竜華「(なんやぼーっとしとるうちに知らんとこきてしもた……orz)」

竜華「今、時間って…」

チラッ

竜華「もう19時やん?!」

69: 2012/05/17(木) 00:06:33.19 ID:56yGz6R90
竜華「あかん、はよ帰らんと」

竜華「とりあえず来た道帰らんと、わけわからんことなる……えっと、さっきあの道から来たから…」

テテテテテ

竜華「?」

テテテテテ

竜華「(誰やろアレ…なんかこっちくる……)」

テテテテテ

竜華「(暗くてよくわからんけど……帽子被って……マスクして…)」

テテテテテテ

竜華「!!」

ダッ!

竜華「(逃げなきゃ!)」

72: 2012/05/17(木) 00:08:37.46 ID:56yGz6R90
――――――あー、知ってる知ってる。厚手のコートに、マスクつけて……帽子も深めにかぶっとったかな?


――――――何でも、昨日の放課後に、3組の子が襲われたとかなんとか……



竜華「はぁはぁ……(何かよくわからんけど!)」


タッタッタッタ


???「はぁ……はぁ…」


タッタッタッタ


竜華「はぁはぁ…くっ(捕まったら、何かが下がる)」



ダダダダダダダ


???「…はっはっはっ…」


竜華「はぁ……はぁ…!(なんやったっけ…サ……なんでもええし!もう!)」

74: 2012/05/17(木) 00:09:07.74 ID:56yGz6R90
竜華「くぅ~……!(よくわからんけど、とにかくやばい人や!)」


???「……待……て!」


ズダダダダダ


竜華「なんなんもー!女の子なら他にもおるのに~!何で私なん~!」


ズテーン!


竜華「きゃぁ!!」


???「はぁ……はぁ……捕まえ……た…」


竜華「ひっ!」


ズリズリズリ……


竜華「ごめん……怜…私、もう……!」

75: 2012/05/17(木) 00:09:48.68 ID:56yGz6R90
――――――――――――――

―――――――――

――――


母「ただいまー」

怜「……おかえり」

母「どう?熱下がった?」

怜「…うん、だいぶ」

母「そう、よかったな
  なら、今から晩御飯作るから、まっとってな」

怜「おかーさーん」

母「ん?どないした?」

怜「竜華とケンカしたー」

母「そっかー」

76: 2012/05/17(木) 00:12:18.85 ID:56yGz6R90
怜「…え……ほか何か言うことあらへんの?」

母「そう言われてもなぁ…2人の問題やし…お母さん何か言ういうてもしゃーないやろ?」

怜「…うん」

母「けど…せやなぁ…一つだけ言うことがあるとすれば、
  どちらが悪い関係なく、先にごめんなさいした方が勝ちやで?
  大体こういうのって、お互いに悪いことがあるからケンカするもんやし」

怜「…」

母「そのまま仲たがいしたままならええけど、これからも仲良くしたいって思うなら
  ちゃっちゃとごめんなさいしたほうがいいんやないかな?」

怜「……おかーさん」

母「なに?」

怜「ちょっと出てくる」

母「体は大丈夫?」

怜「うん…いってきます」


トタタタタタ………バタン


母「…オトンの飯だけ作っといた方がええかな、これ」

77: 2012/05/17(木) 00:15:03.24 ID:56yGz6R90
―――――――――

――――


店員「いらっしゃいませー」

竜華「えーっと……ポテトのM1つと、ナゲット1つ。
   何か飲みます?」


???「……あったかいものを」

竜華「コーヒー2つ」

店員「ありがとうございます
   それではお席でお待ちください」

竜華「……」

???「……」プルプル

竜華「……」

???「……」プルプル

店員「おまたせしましたー、ご注文の品は以上でよろしかったですか?」

竜華「あ、はーい。おおきに」

78: 2012/05/17(木) 00:15:36.37 ID:56yGz6R90
???「い…いただきます」

竜華「いただきます…」


ズズズズズー


???「あったかい……」ポワポワ

竜華「おいしいですねぇ……」ポワポワ


……。


竜華「って、なんでやねん」

???「え?」

竜華「なんでこんな所にいるんですか?確か、阿知賀の…」

79: 2012/05/17(木) 00:16:57.14 ID:56yGz6R90
宥「松実です…松実 宥って言います」

竜華「確か、ドラゴンロードさんのお姉さんでしたっけ?」

宥「はい……」

竜華「ここ、大阪なのに、どうしてまた…。
   休日ならわかりますけど、今日平日ですし。
   奈良からここまで来るのに結構かかりません?」

宥「話せば少し長くなるのですが、今日こんなことがありまして……」



――――――――――――――

―――――――――

――――

80: 2012/05/17(木) 00:17:35.25 ID:56yGz6R90
玄「お姉ちゃん、今日何か食べたいものあるー?」

宥「あったかいもの……」

玄「お姉ちゃんそれ好きだもんねぇ…じゃあどうしようかな
  あ、そうだ、ちょっと時期は早いけどお鍋にしよっか」

宥「おなべ……」ポワポワ

玄「でも、材料が足りない気がしたから、冷蔵庫の中身調べて、一緒に買いにいこ」

宥「うん」



……。


アリガトウゴザイマシター


玄「んー……やっぱり大手のスーパーにいかないとないってさ」

宥「玄ちゃん…お姉ちゃん無理しておなべ食べたいわけじゃないから…。
  お家にある材料でご飯作ってもいいんだよ…?」

玄「ううん!お姉ちゃんが喜ぶものをどうせなら作りたいから!
  今日は絶対にお鍋にするんだ!(むふー)」

宥「玄ちゃん……お姉ちゃんうれしい…」ポワポワ

83: 2012/05/17(木) 00:19:33.27 ID:56yGz6R90
玄「じゃあ、ちょっと今日は電車使って遠出しようか」

宥「うん」


――――――――――――――

―――――――――

――――


宥「それから…電車を使って遠出したのはいいんですけど、
  運悪く通勤ラッシュに捕まってしまい…。
  人の波に押されて、妹とはぐれてしまって…」


竜華「それは災難でしたね…」

宥「…はい」

竜華「私も良く考え事してて、行く道を間違えたり、素っ頓狂な事を言ってしまったり…」

宥「…ああ……私も、あります…」

竜華「あ、ホントですか?なんか仲間が増えてうれしいです!」ガシッ

宥「いえ、そんな…」テレッ

84: 2012/05/17(木) 00:20:33.32 ID:56yGz6R90
竜華「……あ。
   ちなみに、何であんな格好してたんです?
   帽子にマスクにメガネにマフラー、手袋、コート複数…ets

   暗がりじゃ、色は見えないから、変質者と間違うてしまいましたよ」

宥「私、すごく寒がりなんです……だからこの時期は、いっぱい厚手にしないと、寒くて動けなくて…」

竜華「あ、せやから、大会のときもマフラーしとったんですね?」

宥「はい…」

竜華「そっかー……」

宥「……うふふ」ポワポワ

竜華「……」

宥「……?」

竜華「どうかしました?」

宥「なんとなく、元気がないように見えたので…
  お友達とケンカしたんですか?」

竜華「え?なんでわかったんです!?」

宥「なんとなくです…なんとなく」

85: 2012/05/17(木) 00:21:52.31 ID:56yGz6R90
竜華「すいません、ホントならもっとちゃんと色々お話したいこととかいろいろあったんですけど。
   なんかもう今、いっぱいいっぱいで…」

宥「お話なら…私聞きますよ…?
  もしかしたら、お力になれるかもしれませんし……」

竜華「え?」

宥「私、お姉ちゃんですから…ふふ」




カクカクシカジカ



宥「………」プルプル

竜華「……みたいなことがありまして…。
   どうしたらよかったのかなって…ずっと悩んでるんです」

宥「そ、そうですねぇ……」プルプル

竜華「……コーヒーのおかわり頼みます?」

宥「は、はい…」プルプル

86: 2012/05/17(木) 00:23:09.67 ID:56yGz6R90


ズズズズズ


宥「おいしい……」ポワポワ

竜華「おいしいなぁ…」ポワポワ




宥「…それで、お話なんですけど」

竜華「あ、はい」

宥「私……姉妹でケンカしたこととかないですし、
  お友達も少ないから、そう言うケンカもしたことないので、
  あまり参考にはならないかもしれないんですけど…」

竜華「思ったこと言ってもらえれば…」

宥「でも私、守られる立場の気持ちってすごくわかるんです…。
  守られてる方って、すごく不安なんです…。
  守ってくれる人からいつ見放されるかとか、
  相手に嫌に思われてないかとか…」

竜華「…はい」

宥「だから、きっとその子も…ずっと不安に思ってるんじゃないんでしょうか?」

87: 2012/05/17(木) 00:25:24.82 ID:56yGz6R90
竜華「守ってる本人がそんなつもりはないとしてでもですか?」

宥「はい……」

竜華「ほんなら……どないしたら…」

宥「安心……させてあげてください」

竜華「…安心、ですか?」

宥「言葉でも……行動でも…なんでも…。
  いろんなこと、してあげてください…。
  一つの言葉や、行動で伝わらないのなら…いっぱい、いっぱい色んなことしてあげてください…。
  その中にきっと、その子を安心させるようなものがあるはずですから…」

竜華「……」

宥「その子の事、大好きなんですよね」

竜華「…はい」

宥「その子も、あなたのを大好きですよ。
  だから、安心してください……きっと、気持ちは伝わりますから…」

竜華「ありがとうございます。
   すいません、会って間もないのに、こんな恥ずかしい話してしもーて」

宥「ううん、いいんですよ…」

88: 2012/05/17(木) 00:26:07.06 ID:56yGz6R90
竜華「それから、私、ちょっと用事を思い出しました。
   失礼しますね」

宥「はい」

竜華「今日はありがとうございました。
   またお会いできるといいですね」

宥「はい……また会いましょうね」

竜華「それじゃ!」


タッタッタッタ


宥「……」

宥「……」

宥「……」

宥「……」

宥「……あ」

宥「帰りの道……聞くつもりだったのに……あうぅぅ……」プルプル


※この後、大阪まで探しに来た玄に回収されました

90: 2012/05/17(木) 00:28:46.86 ID:56yGz6R90
―――――――――

――――


竜華「あ」

怜「あ」

竜華「………」

怜「………」

竜華&怜「「(何話たらええんやろ…)」」

竜華&怜「「あのっ!」」

怜「…どうぞ」

竜華「どうも」

竜華「えっと……あんな、今からウチに来うへん?」

91: 2012/05/17(木) 00:29:20.11 ID:56yGz6R90
怜「え?今から?
  もうこんな時間やのに」

竜華「嫌?」

怜「嫌やないけど……」

竜華「や、ウチに来たことなかったなーって思うてな、そういえば。
   せやから、どうかなって。
   時間も時間やし、泊まっていかんかなって」

怜「……ええよ、別に」

竜華「そっか……ちなみに、そっちは何かあったん?」

怜「…ただの散歩」

竜華「熱下がったん?」

怜「うん」

竜華「そっか」

怜「そんならいこっか(ギュッ)」

竜華「もー、どないしたの?急に腕組んで」

怜「…なんでもあらへん、さっさといこ」

94: 2012/05/17(木) 00:32:32.56 ID:56yGz6R90
―――――――――

――――



竜華「……」


ガラッ


怜「……お湯頂いたからなー。
  ふぅ……。
  ずっと布団で寝てて、汗かいたからスッキリしたわ」

竜華「……そっか、そんならよかった
   髪拭いたげるな」


怜「うん……お願い」

竜華「ドライヤ使う?」

怜「ううん、タオルだけでええよ」

竜華「うん……(ごしごし)」

95: 2012/05/17(木) 00:33:26.09 ID:56yGz6R90
怜「……」

竜華「……(ごしごし)」

怜「……」

竜華「……(ごしごし)」

怜「…竜華の手、気持ちええなぁ…。
  お母さんの手みたいや…」

竜華「私はあんたのお母さん違うよー」

怜「…せやなー」

竜華「ふふっ」

怜「………………ごめんな」

竜華「……ええよ。
   それに、こっちこそごめんな」

怜「…うん」

竜華「……」

怜「……」

107: 2012/05/17(木) 01:01:59.91 ID:56yGz6R90
竜華「もう、時間やし、とりあえず寝よか?」

怜「…うん」

竜華「なら、電気消すな」





パチッ




怜「…大会以来やな、こうして布団ならべて一緒に寝るの」

竜華「寝れなくて2人で色々喋ったもんな、対戦相手のこととか」

怜「…せやったね…」

竜華「……」

怜「…ん」

竜華「……」

怜「…竜華」

竜華「何?」

108: 2012/05/17(木) 01:02:39.53 ID:56yGz6R90
怜「…一緒の布団で寝てもええ?」

竜華「うん……(バサッ)はい、ええよ」

怜「……(モゾモゾ)」

竜華「……」

怜「……」



ギュッ



怜「どうないしたん……抱きついたりして……は、恥ずかしい……よ」

竜華「昨日怜がいっとった事、ずーっと考えてた」

怜「昨日……」

竜華「私の重荷になりたくないって」

怜「うん……」

竜華「ぜんぜん重くなんかないよ」

111: 2012/05/17(木) 01:04:20.84 ID:56yGz6R90
怜「……」

竜華「私、怜のこと大好きやから」

怜「うん……しってる…」

竜華「せやから、全然負担になってないよ。
   重たくないよ。むしろ軽いくらいやもん」

怜「うん……」

竜華「怜が病気になって寝たきりになっても、
   怜が結婚して、他の人のものになっても
   怜がおばあちゃんになったとしても

   ずっと、ずっと私がそばにおるから…。
   だから、心配せんでいいからね」

怜「……ホンマに?」

竜華「ホンマに」

怜「約束するからには、絶対にずっとそばにいてもらうからな……」

竜華「うん………」

怜「よかった………」

113: 2012/05/17(木) 01:07:06.34 ID:56yGz6R90
―――――――――

――――



セーラ「尺の都合で色々カットした!
    ゆうべはおたのしみでしたね……っと!」

二条「江口先輩、どうしました?」

セーラ「や、なんか言わんといかん気がしてな。
    それにしても怜は風邪なおったかなー?
    心配やなー」

二条「そうですね……こじらせてなきゃいいんですけど」


怜「おはようございます……」

部員「おはようございまーす!」

船久保「私もついでにおはよう。
    今日あったかくなってよかったな。
    思う存分窓開けられるで、泉」

二条「いや私、窓あけ係でもなんでもないですから…。

   それよか、園城寺先輩、風邪なおりました?
   よかったですねー!」

115: 2012/05/17(木) 01:09:08.39 ID:56yGz6R90
怜「…何?」

セーラ「なんていうか、見舞いにいったのに、騒いでもーて堪忍な。
    怜の家いくんはじめてやったから、なんか興奮してもーて。
    他の連中も反省してるから、このとーりな?」

怜「気にせんでええよ。
  私も、うれしかったですし……。
  それよか、さっそく早く朝練やりましょか」

船久保「なんや、いつになく気合入ってますね」

怜「……目標、できたからな」

二条「目標?
   昨日なんか進路の話したら、あんまいい顔してませんでしたやん」

怜「昨日は昨日、今日は今日」

船久保「なんたらは秋の空って言うし、何も不思議やあらへんな」

セーラ「よっ、ほっと(ピョンピョン)……なんたらって何?」

二条「なんたらと煙は高い所が好き言いますよね」

セーラ「だから、なにたらって何?」

117: 2012/05/17(木) 01:10:45.82 ID:56yGz6R90
船久保「あ、せや、昨日一番怒っとったのは竜華やし、後であやまっとかんとなー……」

怜「あ、その竜華なんやけど……実は…」

セーラ「なんかあったん?」



――――――――――――――

―――――――――

――――


竜華「……」

竜華「……」

竜華「……」

竜華「……くしゅん!」

竜華「……あかん、風邪ひいてもーた」




おしまい

118: 2012/05/17(木) 01:13:37.67 ID:56yGz6R90
>>113と>>115の間にこれ入れんの忘れたw


船久保「私の的確な看病指示のおかげやな(キリッ)」

セーラ「いや、ウチらなんもしとらんやろ…。
    あ、せや、怜ー」

設定がおかしかったり、バイさるなったり、色々と迷惑かけてごめんねー!
今度はちゃんとした話かくよー!
見てくれた人ありがとー!
後アイデアくれた人、見てたらありがとー!

120: 2012/05/17(木) 01:16:12.11 ID:iU1SA78E0

121: 2012/05/17(木) 01:16:16.08 ID:bpnHLT1u0

引用元: 怜「……あかん、風邪ひいてもーた」