1: 2010/03/16(火) 13:23:30.49 ID:b9NKQjpbO
優希「京太郎は私の事が好き…嫌い…好き…嫌い…好き…」

京太郎「何やってんだよタコス?」ヒョイ

優希「ひゃう!?な、何でもないんだじぇ!」

京太郎「ほー、花占いかよ!タコスにも女の子らしい所があるんだな~!」

優希「う、うるさいじょ!犬には関係ないんだじぇ!」

咲-Saki- 24巻 (デジタル版ヤングガンガンコミックス)
3: 2010/03/16(火) 13:24:26.75 ID:b9NKQjpbO
京太郎「あっそう、ならこのタコスは俺がいただくとするかな」

優希「な、なぬう!?貴様、それは私のタコスだじょ!犬が食べてよいものじゃないんだじぇ!」

京太郎「ハハハハハ、なら何を占っていたのか教えてくれよ」

優希「あう……そ、それは……」

京太郎「どうしたんだタコス~?早く教えないとこのタコスを食べちゃうぞ~?」

優希「…………太郎の事」

京太郎「え?聞こえなかったぞタコス!」

優希「う…うるさいうるさいうるさい!お前なんかに教えてやらないじょ!そのタコスをよこせ!」バッ


4: 2010/03/16(火) 13:25:26.55 ID:b9NKQjpbO
京太郎「うおっと!危ねーなタコス!急に飛び掛かってくるなよ!」

タコス「お前がご主人様である私を侮辱するからだじょ!もうお前なんか知らないじぇ!」

タッタッタッ…

京太郎「なんだぁ…タコスの奴……」

優希「………私のバカッ…」

―――なんでいつも私はこうなるんだじょ
私は…京太郎の事が…大好きなのに


6: 2010/03/16(火) 13:26:42.11 ID:b9NKQjpbO
【部室】

和「どうしたのゆーき?なんだか元気がないみたいですけど…」

優希「ああ…のどちゃんか…ちょっと自己嫌悪におちいっていた所だじぇ」

和「………また須賀君の事で、ですか?」

優希「にゃ…!?な、なんで分かったんだじょ!」

和「ゆーきが落ち込む事といったらタコスと須賀君くらいでしょ?バレバレですよ」

優希「むむ……」

和「また…自分の気持ちを伝えられなかったんですね」

優希「……うん」

和「ハァ……須賀君も須賀君です。どうしてゆーきの気持ちが分からないのでしょうね?
普通ならゆーきのアプローチに気が付いてもよいはずなのですが…」

8: 2010/03/16(火) 13:27:51.42 ID:b9NKQjpbO
優希「のどちゃん、京太郎は悪くないんだじょ!全部…私が不甲斐ないからだじぇ…」

和「ゆーき、自分を責めないでください」

優希「でも…」

和「今のゆーきに足りないのは自分の気持ちを伝える勇気だけなんですよ。
だからもっと自分に自信を持ってください……ね?」

優希「……うん!分かっただじぇのどちゃん!京太郎の奴に私の力を見せてやるじょ」

9: 2010/03/16(火) 13:28:50.49 ID:b9NKQjpbO
【次の日】

京太郎「ふわぁ……今日はお前と俺だけか…暇だな」

優希「そ、そうだな京太郎…のどちゃん達はどこにいったんだろ~な!」

京太郎「咲は風邪で休みだとして部長や染谷先輩なで来ないなんて…どうしたんだろ」

優希「むむ…お前は私と二人でいるのが嫌なのか!」

京太郎「いーや、別に。ただ、退屈で仕方ねえだけだよ」

【ドアの向こう】

和「大丈夫でしょうかゆーき…」

まこ「京太郎の奴、優希を泣かしたら承知せんぞ」

久「さて……どうなるかしらね」

10: 2010/03/16(火) 13:29:56.15 ID:b9NKQjpbO
優希「な…なあ京太郎」

京太郎「うん?どうしたタコス…まさかタコスを買ってこいなんて言うんじゃないだろうな」

優希「ち、違うわバカ犬!ちょっと聞きたい事があるんだじぇ…」

京太郎「聞きたい事…なんだよ」

優希「その…京太郎は好きな人はいるのか?」

和「ちょっとゆーき…!?」

まこ「いきなりストレートにいったのう」ニヤニヤ

久「ま、優希らしいといえば優希らしいわね」

京太郎「おいおい、いきなりなんでそんな事を聞くんだお前は」

優希「うるさい!質問を質問で返すなだじょ!」

京太郎「……やれやれ、付き合ってられねーよ」ガタッ

優希「な、どこに行くんだじょ京太郎!」

京太郎「帰る、今日はなんだか気が乗らねー」


11: 2010/03/16(火) 13:31:45.94 ID:b9NKQjpbO
和「わわっ、こっちに来ますよ!」

まこ「早く隠れんと!京太郎のバカ何を考えとるんじゃ!」

久「あらあら…優希…」

優希「ちょっと待て京太郎!人の話を……」

京太郎「じゃーなタコス」バタンッ

優希「……………」

優希「グスッ……エック…」

和「ゆーき!」バタバタ

優希「グスッ……もう駄目だじょ……京太郎に嫌われちゃったじぇ…」

まこ「あの馬鹿タレがふざけた真似しよって!ちょっと待っとれ!京太郎を連れ戻してくるわい!」

優希「もういいじょ……京太郎はもう帰ったから…」

和「で、ですけどゆーき!」

12: 2010/03/16(火) 13:33:19.16 ID:b9NKQjpbO
優希「せっかく協力してくれたのにごめんだじょ皆……今日はもう帰るんだじぇ…」トボトボ

和「ゆ…ゆーき…」

バタンッ

優希「うう……うわ~ん!」

――私のバカ!なんであんな事を聞いてしまったんだじょ
自分の浅はかさが嫌になるじぇ……

13: 2010/03/16(火) 13:34:34.77 ID:b9NKQjpbO
優希「明日からどんな顔をして京太郎に会えばいいんだじょ……」トボトボ

優希「ん……あれって確かクラスで噂になっていた映画だじょ……」

優希「………どうせ暇だし見にいこう……すいません、チケット一枚くださいだじょ」

【映画館内】

『京太郎君だーい好き!』

『お、おい優希…そんなに抱きつくなよ』

優希「……なんで名前が同じなんだじぇ」

――私も映画みたいに甘える事が出来たらいいのに

14: 2010/03/16(火) 13:35:44.25 ID:b9NKQjpbO
優希「京太郎……京太郎…」グスッ…グスッ…

???「おいおいタコス、なんの映画かと思ったらラブストーリーかよ」

優希「ふぇ…!?」

京太郎「全く、映画を見るなら見るで俺を誘えよな、タコス」

京太郎「きょ…京太郎…?なんでここにいるんだじょ…」

京太郎「さっきの答えを言うために来たんだよ」

優希「えっ……」

京太郎「……ドアの向こうに部長達がいたんだろ?あんなものすぐにバレるぜ。
あの状況で俺の気持ちを言える訳ねーだろタコス」

16: 2010/03/16(火) 13:37:32.84 ID:b9NKQjpbO
優希「京太郎……それって…」

京太郎「タコス」スッ

チュッ

優希「――――――!」

京太郎「これが俺の答えだよタコス」

優希「――京太郎」

京太郎「俺はお前の事が好きだ」

優希「グスッ………うぇぇぇ…きょおたろお…」ポロポロ

京太郎「お、おいタコス!泣くなよこんな所で!」

優希「きょおたろお…きょおたろお……」ポロポロ

京太郎「あーも、だから泣くなよタコス!恥ずかしいだろーがよ!やめろよ~!」

――嬉しいじょ、本当に嬉しいじょ京太郎!
これが夢ならずっと覚めないで欲しいじぇ!


18: 2010/03/16(火) 13:38:36.81 ID:b9NKQjpbO
【次の日】

京太郎「おいおい、そんなに引っ付くなよタコス」

優希「だってダーリンと一緒にいたいから仕方ないんだじぇ!」

京太郎「全くよ…やっぱり告白しなきゃあ良かったかな」

優希「もう手遅れだじょ京太郎~!お前の愛の言葉…この優希様がしかと受けとめたじぇ!」スリスリ

京太郎「頬を擦り寄せるなタコス~!」

まこ「……これがいわゆるバカップルって奴じゃな」

久「何かあったか知らないけど、どうやら優希はうまくいったみたいね」

咲「京ちゃん……幸せそうだなぁ…」

和「良かったですねゆーき…」

優希「あなた…式はいつあげようだじょ?」

京太郎「あーもう!だから顔を擦り寄せるのはやめろ~!」

19: 2010/03/16(火) 13:41:30.56 ID:b9NKQjpbO
【タコス屋】

優希「頑張っちゃった頑張った我々だじょ~♪」

優希「それにしてもデートだというのに京太郎の奴遅いじょ~!もう辺りは暗くなって来ているのに」

優希「まあ、時間にルーズな旦那様を待つのも奥さんの務めだから仕方ないか!」

ピリリリリリ ピリリリリリ

優希「むっ!噂をすれば京太郎から電話だじょ!」ピッ

京太郎『もしもしタコスか~?』

優希「遅いじょ京太郎!一体どこをほっつき歩いているんだじぇ!?」

京太郎『悪い悪い!ちょっと用事があってよ~!今、そっちに向かってるから待っててくれ!』

優希「むー!早く来るんだじょ京太郎!」

23: 2010/03/16(火) 13:45:03.31 ID:b9NKQjpbO
京太郎『ああ、分かってるよ!今、ペンギンの看板がある信号を渡っているからそろそろ―――』

キィィィィィ ガシャアアアン!

優希「…!?京太郎!京太郎!どうしたんだじょ!?

ツーツー…

優希「京太郎!返事をしてくれだじょ!……ペンギンの看板!」タッタッタッ

――心臓がバグバク鳴っている。嘘だじょ!こんなの嘘だじょ!京太郎…無事でいてくれだじょ!

優希「ハァ…ハァ…京太郎!京太郎!」タッタッタッ

24: 2010/03/16(火) 13:47:40.05 ID:b9NKQjpbO
優希「見えた!ペンギンの看板が―――」

――京太郎が信号の真ん中で倒れている光景が私の目に入った

優希「………京…太郎?」タッ…タッ…タッ…

優希「おぃ……京太郎…
目を覚ますんだじぇ…」

京太郎「………………」

優希「おぃぃ……京たろぉ…」

『タコス、俺はお前の事が好きだ』

『ずっと一緒だぞ……優希』

ポツ……ポツ……ポツ…

優希「………きょおたろおおおおおおおおおおおお!」

25: 2010/03/16(火) 13:50:08.76 ID:b9NKQjpbO
【数日後】

優希「………………」

和「ゆーき……タコスを買って来ましたよ…一緒に食べませんか?」

優希「……………」

和「ゆーき……」

久「和、今はそっとしてあげましょう」

和「し、しかし!」

咲「原村さん……私も部長の言う通りにした方がいいと思う」

和「宮永さん………」

優希「…………」

和「…タコス、ここに置いておきますね…それじゃあ私達は帰ります…」

バタンッ

優希「…………京太郎」スッ

優希「グスッ………グスッ…エック…」

26: 2010/03/16(火) 13:51:24.64 ID:b9NKQjpbO
【町中】

和「大丈夫でしょうかゆーき……須賀君が氏んでからずっとあんな風に…」

咲「……分からないよ…私も今でも京ちゃんが氏んだなんて信じられないから……」グスッ

和「宮永さん……」

27: 2010/03/16(火) 13:59:22.22 ID:b9NKQjpbO
蒲原「ワハハー!全くこの間は酷い目にあったなー!」

妹尾「本当だよねぇ。まさかあんな事になるなんて思わなかったよー」

睦月「うむ」

宮永「あれ…あそこにいるのは鶴賀学園の人達だよね?」

原村「そうですね…何やら話しこんでいるみたいですけど……」

28: 2010/03/16(火) 14:01:05.83 ID:b9NKQjpbO
妹尾「ところで智美ちゃん、車のキズはもう直ったの?」

睦月「うむ、私もそれは気になっています」

蒲原「ワハハー、大丈夫大丈夫!親戚の修理屋さんに頼んだから、バレる心配はないぞー」

妹尾「良かったぁ…まさか事故にあうなんて思わなかったもん」

睦月「うむ、人を轢いてしまうなんて思いませんでしたよ」

咲「え……!?」

和「まさか……!」

29: 2010/03/16(火) 14:04:53.26 ID:b9NKQjpbO
智美「ワハハー、見通しが悪かったんだから仕方ないだろー!
ペンギンの看板に目をやっていたのもあるけど」

妹尾「それにしても大丈夫でしょうかね轢いてしまった人…大事に至ってなければ良いけど」

睦月「うむ」

智美「まー、大丈夫だろ!スピードもあまり出てなかったし」

妹尾「ならいいんだけどね~ハハハ!きっと大丈夫だよね」

智美「ワハハー!それじゃあゆみちんのいるカラオケ屋に行くとしますかー!」

睦月「うむ」

タッタッタッ

咲「原村さん…!今の話……!」

和「…………優希」ピッピッピッ

30: 2010/03/16(火) 14:08:01.44 ID:b9NKQjpbO
プルルルル プルルルル ガチャ

優希『もしもし……』

和「もしもし優希!今どこにいるんですか!?」

優希『…………タコスの屋台にいるじょ』

和「優希!今から話す事をよく聞いてください!須賀君は……須賀君の氏は……事故じゃなかったんです!」

優希『…………え』

和「須賀君は――」

のどちゃんの言葉が私の耳に入る
京太郎は……鶴賀の連中に殺されただって?

31: 2010/03/16(火) 14:11:11.28 ID:b9NKQjpbO
優希「ねぇ……のどちゃん…鶴賀の人達がどこにいるか分かるかだじょ?」

和『カラオケ屋に行くって言ってましたよ…なんでその事を聞くんですか?』

優希「そう、わかった」

和『ちょっとゆうき』

ピッ

優希「京太郎………」ギリギリギリ…

タコス屋の親父「どうしたんだいお嬢ちゃん?何やらブツブツ言っているけど…?」

優希「親父…!包丁借りるじぇ………!」

34: 2010/03/16(火) 14:25:39.49 ID:b9NKQjpbO
【カラオケ屋】

智美「ワハハー!意外と歌がうまいなーゆみちん!」

ゆみ「そ……そうか?」

モモ「最高っすよ先輩!」

睦月「うむ!」

妹尾「次は私の番ですね!それじゃあ…いきますよぉ~!」

店員「いらっしゃいませ~!お一人様ですか?」

優希「ブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツ……」キイッ…


35: 2010/03/16(火) 14:36:06.97 ID:b9NKQjpbO
睦月「うむ、すまない…トイレに行ってくる」

智美「ワハハー!次はむっきーの番だから早く帰ってくるんだぞー!」

睦月「うむ……」

妹尾「ツモうらうらでごめ~ん♪」

バタンッ

【十分後】

妹尾「あれ~?帰ってくるの遅いなぁ睦月ちゃん」

ゆみ「まあ……そういう事もあるだろう」

智美「ワハハー、それじゃあ私が先に歌いますか!」

【トイレ】

ザクッ

睦月「か………はぁ…!」

優希「何をヘラヘラ笑って楽しんでいるんだじょお前ら……!」

睦月「ぐぁぁ…!」

優希「京太郎はひとりぼっちで氏んだじょ!」

36: 2010/03/16(火) 14:43:11.83 ID:b9NKQjpbO
睦月「なんの……話だ…?」

ザクッザクッ

睦月「ぐああああ!」

優希「お前の仲間はどこにいるんだじょ…?」

睦月「し……知らない…私は…なにも…」

ザシュッ

睦月「がぁああ!」

優希「知らないじゃないじょ……馬鹿にするのもいい加減にするじぇ腐れ外道共…」

ザクッ

睦月「あああぁっ!」

37: 2010/03/16(火) 14:47:53.62 ID:b9NKQjpbO
優希「早く言うんだじょ……今なら一思いに殺ってあげるからさぁ……!」

ザクッ グシャッ

睦月「……………ぃ」

優希「え…?聞こえなかったじょ?」

睦月「絶対に……お前には教えない……!」

優希「………あ、そう」

サクン プシャアアアアアア……

睦月「………………」

優希「まずは一人……だじょ」フキフキ

40: 2010/03/16(火) 15:00:02.91 ID:b9NKQjpbO
優希「服が汚れちゃったじぇ…」

ピリリリリリ ピリリリリリ

優希「のどちゃんからだじょ…」

ピッ

タコス「もしもしのどちゃん…」

和「優希!今どこにいるんですか!?」

優希「今…?今ねえ…鶴賀の連中を一人頃したばかりだじょ」

和「頃し………た!?」

優希「何か文句でもあるのかのどちゃん?あいつらは私の大切な…大切な京太郎を頃したんだじょ?
そんな奴らを頃して何が悪いんだじぇ?」

和「そ、そんな優希!」

優希「京太郎…待っててね…あいつらに京太郎の苦しみを…思う存分味わわしながら頃してあげるからね……」

和「待ってゆうき」ピッ

優希「あは…あは…あははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!」

ザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッ

42: 2010/03/16(火) 15:08:08.10 ID:b9NKQjpbO
妹尾「睦月ちゃん遅いねー、何かあったのかなぁ?」

ゆみ「すまない皆、私とモモはこれから行かないといけない場所があるんだ」

智美「ワハハー、もしかしてデートか?いいねーヒューヒュー」

モモ「ち、違うっすよ!」

ゆみ「いくぞ、モモ」

モモ「はい!」

バタンッ

智美「ワハハー、これで私とかおりんと私だけになってしまったなー」

睦月「そうだねー、でも睦月ちゃん本当に遅いなぁ」

43: 2010/03/16(火) 15:15:09.63 ID:b9NKQjpbO
妹尾「……やっぱり私、睦月ちゃんの様子を見に行ってくる」スッ

智美「ワハハー、分かったぞかおりん!」

キイッ

妹尾「あれ…扉が……」

サクン

妹尾「えっ……」

ブシュウウウウ ピチャピチャピチャピチャピチャ

妹尾「……………」バタンッ

ピクッピクッ

智美「う…うわあああああああああ!」ガタン

44: 2010/03/16(火) 15:43:56.38 ID:b9NKQjpbO
優希「二人……だじょ」

智美「かおりん!しっかりしろかおりん!お前…なんて事をするんだ!」

優希「安心しろだじょ……もう一人の仲間も頃しておいたじょ…」

智美「まさか……むっきーも!?なんで…なんでこんな事をするんだ!」

優希「なんで……だって?あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!」

智美(こいつ……狂ってる!)

46: 2010/03/16(火) 15:58:22.07 ID:b9NKQjpbO
優希「お前達が京太郎を頃したからに決まっているじょ……お前達が京太郎の命を奪ったから…」

智美「京太郎だと…!誰たそいつは、私達はそんな奴知らな……ハッ!?」

優希「ようやく気がついたじょお……?そうだじぇ……お前達が車で轢いた人…それが京太郎だじょ!お前ら腐れ外道に殺されたんだじょおおおおおお!」ブォン

智美「うわあ!?あ…危なかった…」

優希「お前らは人間じゃないじょ……虫けらにも劣る腐ったクズ共だじぇ!」

49: 2010/03/16(火) 16:18:05.76 ID:b9NKQjpbO
智美「や…やめてくれ~!悪かった!私が悪かったからもうやめるんだ~!」

優希「はあ?何を言っているんだじょお前…今さらそんな事を言って許されると思ってるの?」

智美「そ…それは…」

優希「それに私はすでに二人も頃しているんだじょ…もう引き返せないんだじょ!」ブォン!

智美「ひ……ひいいいいいい!」

優希「アハッ…もちろん引き返すつもりはタコスの先ほどないけどな!」

ブシュッ…

智美「きゃあああ!」

優希「あははははは!見事右足にヒットだじょ~♪これでもう逃げられないじぇ…フフフフフフ」

51: 2010/03/16(火) 16:43:49.54 ID:b9NKQjpbO
智美「ひいい……来るな…来るなぁ!」

優希「あはは…足から血がドバドバ出てるじょ……どう?痛い?苦しい?」

智美「な…何でもする!何でもするから許してくれー!」ガタガタガタ

優希「……本当に?本当に何でもする?」

智美「あ…ああ!約束するよ!だから命だけは助けてくれ~!」

優希「分かったじょ……じゃあ京太郎を蘇らせろ」

智美「え……!」

優希「何でもするって言ったよね?じゃあ京太郎を私に返してじょ……できるのできないの?」

智美「そ…それは…」

優希「出来ないんだ?」

バキッ!

智美「ぎゃああああああああああ!」

優希「出来もしないくせに何でもするなんて吐くんじゃないじょ!そういう奴って本当にムカつくじぇ!」

53: 2010/03/16(火) 16:55:59.51 ID:b9NKQjpbO
智美「ひ…いい…助けて…誰か助けてくれぇ…」

優希「あはは…ところがどっこい…誰も助けになんかこないんだじょ」

智美「ああうう……」ガタガタ

優希「どうしたんだじょ?そんなに震えて…寒いの?なら温めてあげるじょ……」

シュー…シュー…

優希「熱々のお湯を沸かしてあるなんて気のきいたカラオケ店だじょ」

智美「や…やめろ…やめて…やめてくださひいい!


優希「ほ~ら!温めてあげるじょ!」

ジョワアアアアアア!

智美「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」

優希「キャハハハハハハハハハハハハハハハハ!どうだじょ?温まるじょ?もっともっと悲鳴を聞かせてじょおおおおおお!」

智美「が あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」

優希「ほ~ら!消毒してあげるじょ~!」

ジョワアアアアアアアアアアアア!

54: 2010/03/16(火) 17:14:35.06 ID:b9NKQjpbO
カランカラン……

智美「はあ……はあ……」

優希「さてと…そろそろ仲間の所に送ってやるじょ…」チャキッ

智美「あ…ああ……!」ガチガチガチガチ

優希「最期に私が悪かったですって言うんだじょ…京太郎を頃してすいませんでしたってな!」

智美「………許してくださ…ひ…!」

優希「……………」

サクン  ブシュウウウウウウウウ……

智美「ピクッ……ピクッ……」

ピチャピチャピチャ…

優希「汚い噴水だじぇ」フキフキ…

55: 2010/03/16(火) 17:26:32.91 ID:b9NKQjpbO
プルルルル プルルルル

咲「どう、原村さん?」

和「……駄目です!全然繋がる気配がありません!」

咲「ど…どうしよう原村さん!?優希ちゃん……今頃鶴賀の人達を…」

和「………宮永さん!きっとゆーきなら大丈夫だと思います!あの子ならきっと……理性を保てるはずです!」

咲「でも…さっき優希ちゃん、一人頃したって…」

和「あれはきっとゆーきが私達を騙そうとしただけですよ!あの子が人頃しなんて……出来るわけありません!」

咲「そ……そうだよね!優希ちゃんならきっと…」

58: 2010/03/16(火) 17:46:52.51 ID:b9NKQjpbO
ゆみ「すまなかったなモモ…買い物に付き合わせてしまって…」

モモ「い、いえ!先輩とならいつでもOKっすよ!」

咲「あれ…あの人…鶴賀の大将さんじゃ…」

和「ちょっとすいません!聞きたい事があるんですが…」

ゆみ「ん…確か君達は清澄の……何やら慌てているがどうしたんだ?」

モモ「私もいるっすよ~!」

和「鶴賀学園に所属している他の部員はどこにいるんで……」

プルルルル プルルルル

和「この番号は…優希!」

ピッ

和「もしもし優希ですか!?今どこに……」

60: 2010/03/16(火) 18:19:00.82 ID:b9NKQjpbO
優希「のどちゃん…後二人…後二人だじょ…鶴賀の奴らを後二人を殺せば全ては終わるんだじぇ…!」

和「優希…?何を言っているの優希……あなたまさか!」

優希「あははははははははははは
今頃三人共、京太郎に土下座しているに違いないじぇ!」

ゆみ「鶴賀の連中…だと?まさか……蒲原達の事か!?」

パッ

ゆみ「貴様!どういう事だ!?蒲原達に何をした!」

優希「その声……鶴賀の大将だな……あはははははは、ミ ツ ケ タ 」

61: 2010/03/16(火) 18:41:34.52 ID:b9NKQjpbO
ゆみ「なに……!?どういう…」

モモ「危ないっす先輩!」ガバッ

ザシュッ

モモ「ああうっ……!」

ゆみ「モモぉぉぉぉぉぉ!」

優希「キャハハハハハハハハ!ようやく終わる、終わるじょ!こいつらを殺せば全てが終わるんだじぇ!」

和「やめてゆーき!あなたは自分が何をしているか分かっているの?!」

優希「もちろん分かっているじょのどちゃん……私は京太郎の未来を奪った奴らに仕返しをしているだけだじぇ……」

咲「やめて優希ちゃん!そんな事したって……京ちゃんは戻ってこない!京太郎だって…きっと悲しんでいるよ!」

優希「黙れ」

62: 2010/03/16(火) 18:49:40.86 ID:b9NKQjpbO
咲「優希ちゃん……!」

優希「私にとって京太郎は全てだったんだじょ……それを奪った腐れ外道共を庇うつもりなのか咲ちゃん?」

咲「そうじゃないよ優希ちゃん!京ちゃんは……京ちゃんは優希ちゃんに幸せに生きて欲しいと思って…」

優希「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!
私の邪魔をする奴は一人残らず皆頃しだじょ!」ブォン!

咲「きゃっ!」

和「もうやめてゆーき!いつものゆーきに戻って!」

優希「きゃはははははははははははははははははは!何もぶち壊れてしまえ!京太郎のいない世界なんかぜーんぶ壊れろぉぉぉぉぉぉ!」

和(ゆーき……もう駄目だわ……完全に精神が崩壊している…)

64: 2010/03/16(火) 19:09:54.62 ID:b9NKQjpbO
咲「に…逃げよう原村さん!このままじゃあ私達、優希ちゃんに…」

和「で、ですけど!」

優希「あははははははははははははははははは」ブォンブォンブォン

ゆみ「もはや考える余地はない、か…!モモ、歩けるか!?」

モモ「は…はい!大丈夫っす!」

咲「早く逃げよう!」

タッタッタッ……

優希「逃がさないじょお前ら……一人残らず…皆頃しだじょ!」

ブォン…ブォン…ブォォォォン

65: 2010/03/16(火) 19:31:29.81 ID:b9NKQjpbO
【廃工場】

咲「はい…はい…すぐに来てくださいお願いします!」

ピッ

咲「とりあえず…警察の人には電話したよ…」

和「ありがとうございます宮永さん」

ゆみ「怪我の方は大丈夫か、モモ」

モモ「はい……ちょっと背中を切られたけど、あまり深い傷じゃあないっすよ」

ゆみ「すまない、モモ…私のせいで…」

モモ「先輩のせいじゃないっすよ……それよりもなんでこんな事になったのか説明して欲しいっすよ」

ゆみ「ふむ…それは私も気になっていた事だ…君達は何か知らないのか?」

和「はい……実はですね…」

66: 2010/03/16(火) 19:42:28.76 ID:b9NKQjpbO
モモ「つまり……先輩達が乗っていた車がその…あのタコスさんの恋人を轢いてしまい…頃してしまったって事っすか?」

ゆみ「しかもその事を蒲原達は隠そうとしていたのか………あいつら!なんでその事を私に言わなかったんだ!」

和「もはやゆーきは精神的におかしくなっています……説得は出来ないでしょうね」

咲「じゃ、じゃあどうすればいいの!?」

和「……警察の人達が来るまで身を隠すしかありませんね…今のゆーきは私を頃す事以外は考えてはいないでしょうし…」

ゆみ「原村和の言う通りだな……復讐鬼と化した者には理屈など通用しない」

68: 2010/03/16(火) 20:02:47.69 ID:b9NKQjpbO
ブォォォォン……

優希「の~ど~ちゃ~ん!あ~そびましょーう!」ブォン…ブォン…

モモ「き……来たっすよ!」

咲「ど…どうしよう原村さん…!どこかに隠れないと…」

優希「みんな~!わたしはここにいるじょ~!かくれてないででてきてほしいじょ~!いまなら血のシャワーを浴びせてあげるじぇ~!ひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ」

カツーン カツーン カツーン

ゆみ「とりあえず上にあがろう……この場所では見つかるのは時間の問題だ」

和「そうですね……皆さん、優希に見つかる前に早く行きましょう」

咲「う……うん…」

タッタッタッ…

71: 2010/03/16(火) 20:17:39.01 ID:b9NKQjpbO
咲「ま…待ってよ皆…!きゃ…!」カツーン

カラカラカラ……

ゆみ「しまった……空き缶の音が…!」

カツ……

優希「みーつーけーた…!」キラン…

タッタッタッ…

モモ「こ…こっちに来るっすよ!」

ゆみ「走るぞ皆!追い付かれたら確実に殺される!」

和「わ、分かりました!」

タッタッタッ…

優希「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃ
待つんだじょみんなー!わたしにころされるのがそんなにいやなのか~!?
今ならサービスで首を斬られるのと心臓をえぐりとられるのと…自由に選ばせてあげるじょ~♪
ひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ」

72: 2010/03/16(火) 20:29:45.64 ID:b9NKQjpbO
モモ「はあ…はあ……!」

咲「あっ、皆見て!あそこに部屋があるよ!」

和「あそこに逃げこみましょう!」

ゆみ「早く扉を閉めるんだ!」

咲「は……はい!」

ギィィィィ ガシャン

モモ「鍵も閉めるっすよ!」

ガチャン…

咲「はあ……はあ……とりあえずは助かったかな…?」

ゆみ「いや、安心するのはまだ早いだろう……奴はどこから来るのか全く分からないからな…」

ガァーン!ガァーン!

咲「ひ…ひいいい!」

優希「アけてだじょー!わたしダケ仲間はずれナんてズるいんダじぇ~!
一緒ニ遊ぼうだじぇ~!あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!」

咲「怖い…怖いよぉ!」

ゆみ「大丈夫だ……女の子の力では鉄の扉を開ける事は不可能だ……」

73: 2010/03/16(火) 20:38:37.65 ID:b9NKQjpbO
ガァーン! ガァーン!

咲「お願い神様…!私達を助けてください…!」

モモ「大丈夫っす……きっと大丈夫っすよ…」ゴクリ

シーン……

ゆみ「扉を叩く音が…止んだぞ」

和「どうやらゆーきは行ったみたいですね……」

モモ「た……助かったっす~!」ヘナヘナ…

ゆみ「油断するなと言っただろうモモ…私には奴がそう簡単に諦めるとは思えない」

咲「で…ですよね」

カツーン…カツーン…カツーン…

モモ「な……なにっすかこの音は?」

ガンガンガンガンガンガン! ガンガンガンガンガンガンガンガン!

咲「ひいっ!な…何をしているの優希ちゃんは!?」

ゆみ「くそっ……何をするつもりなんだ!」

76: 2010/03/16(火) 20:56:13.12 ID:b9NKQjpbO
ガンガンガンガン! ガンガンガンガン!

モモ「至る所で音が聞こえるっすよ~!」

咲「や…やだ…すごく怖いよぉ~!」ガタガタ

和「もしかして心理作戦のつもりでしょうか…!?このまま私達が耐えかねて扉を開けるのを待っているのかも…」

ゆみ「なんて恐ろしい奴だ……私達に恐怖を植え付けるつもりなのか…」

ガンガンガンガンガンガン! ガンガンガンガン!

アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!

咲「ひい……笑い声まで聞こえて来たよぉ~!」

モモ「怖くて頭がおかしくなりそうっすよ…!」

ゆみ「気をしっかり持て二人共!氏にたくなければ耐えるんだ!」

80: 2010/03/16(火) 21:30:49.53 ID:b9NKQjpbO
シーン……

モモ「ま…また音が止んだっすよ……」

咲「グスッ……助けてお姉ちゃん……」

和「しっかりしてください宮永さん……今は耐えるしかないんですよ」

ゆみ「今度は何を仕掛けるつもりだ……!警察はまだ来ないのか!」

ブォォォォン……ブォォォォン…ブォォォォン…

ゆみ「な…なんだこの音は?」

モモ「車の排気音…すね」

和「車……確かゆーきが乗って来たバイクが………まさか!」

ブォォォォォォォォォォォォ!!

ゆみ「間違いない!奴は……バイクを突撃させるつもりなんだ!」

モモ「な……何考えているんすか!?そんな常軌を逸した事を……」

ブォォォォォォォォォォォォ!

ゆみ「皆!扉から離れるんだ!」

81: 2010/03/16(火) 21:43:09.87 ID:b9NKQjpbO
優希「きゃはははははははははははははははははははははははは!」ヒョイッ

ブォォォォォォォォォォォォ!

ゆみ「来るぞ!皆、できるだけ頭を守れぇぇぇぇぇぇ!」

バキャァァァァァァン!

咲「きゃああああああああ!」

ガシャン!ガシャン、ガシャン……キュルキュルキュル…

和「だ…大丈夫ですか皆…!」

モモ「ゴホ…ゴホ…どうかしてるっすよ…いくら何でも無茶苦茶っす…」

ゆみ「しかしこれで……奴がこの部屋に入れるようになってしまった…!」

優希「うひひひひひひひひひひひひひひひひひひ
ごめんだじょ~!ちょっとスピードをあげすぎたけど、まあ…無事で良かったじょ~♪
アハハハハハハハハハハハハハハハハアハアハアハ!」

83: 2010/03/16(火) 22:05:37.19 ID:b9NKQjpbO
咲「ど、どうしよう原村さん…!このままじゃあ私達……」

優希「大丈夫だじょ~咲ちゃ~ん!咲ちゃんは私のヨメダカラ…頭をハンマーでカチワってあげるじぇ~!きっとさきちゃんののうみそはきれいなぴんく色をしているだろうなぁ~!ふひっ、ふひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ」

咲「いやぁ……そんなの嫌ああああああああああ!」

和「落ち着いてください宮永さん!落ち着いて!」

ゆみ「三人共!早くこっちに来い!窓から逃げるんだ!」

モモ「窓って……そんな事をしたら落ちちゃうっすよ先輩!」

ゆみ「大丈夫だ!窓の方に足場がある!そこから逃げるんだ!」

優希「もう往生際がわーるいんだじょ~!遊んでくれないなんてひどいよぉ~!きききききききききききききききききききききききききききききき」

84: 2010/03/16(火) 22:18:56.13 ID:b9NKQjpbO
タッタッタッ……

咲「いつまで続くの……もう嫌だよぉ……!」グスッ

ゆみ「泣き言を言うな……今はただ、逃げる事に専念するんだ…今はただ」

モモ「うう…傷が痛むっすよ…」

和「大丈夫ですか桃子さん…?気休めにしかならないでしょうけど……頑張ってください」

モモ「ありがとうっすおっOいさん……ちょっと気が楽になったっすよ」

カツーン カツーン カツーン

優希「待ってだじょ~!鬼ごっこはもうアキタじぇ~!もっと楽しい事をしようじょ~!あははははははははははははははははは」

カツーン カツーン カツーン

85: 2010/03/16(火) 22:39:27.94 ID:b9NKQjpbO
咲「そ……そんな!」

ゆみ「行き止まり…だと…」

モモ「ぜ……絶体絶命っすよ~!」

優希「あははははは、もう逃げられないじょ~!ねぇねぇ、どんな風に殺されたい?ハンマー?包丁?このまま突き飛ばすのも悪くないじぇ~!」キャッキャッ

和「ゆーき……一つ聞いていいかしら?」

優希「あは、どうしたののどちゃん?他にリクエストがあるのかじぇ?私は皆と遊びたくて…もう我慢出来ないんだじょ!」

和「ゆーきは……須賀君の事が今でも好き?」

優希「もちろん!今でも京太郎は私の中で生きているんだじょ!」

86: 2010/03/16(火) 22:49:36.33 ID:b9NKQjpbO
和「………ありがとうゆーき、私の質問に答えてくれて」

スウッ…

咲「原村さん……何をするつもりなの?」

モモ「危ないっすよ!タコスさんに近付いたら殺されちゃうっすよ!」

和「もういいんです」ニッコリ

ゆみ「何を考えている原村和?」

優希「あはっ!のどちゃんが遊んでくれるのか!じゃあのどちゃんは包丁で頃してあげるじょ~!」キラン

和「ごめんねゆーき……もう私ではあなたを救う事は出来ない…」

咲「原村…さん?」

和「宮永さんごめんなさい……一緒に全国大会に行く約束……もう果たせそうにありません」

咲「どういう事原村さ―――」

タッタッタッ ガシッ

優希「な――――!?」

和「ゆーき……もう終わりにしましょう…私とあなたの氏を持って」

87: 2010/03/16(火) 22:57:05.08 ID:b9NKQjpbO
ゆみ「何をしている!?――お前まさか!」

和「はい、そのまさかです」

咲「そんな!待ってよ原村さん!そんなの嫌だよ!」

和「さようなら宮永さん…あなたに会えて良かったです」

優希「は…放せ!放すんだじょのどちゃん!」

和「ごめんねゆーき……これ以上あなたが苦しむくらいなら………私がゆーきを頃してあげる」

スタッ…

咲「はらむらさぁぁぁぁぁぁぁぁん!」

和「ごめんね……ゆーき…私にはこうするしか出来なかった…」

優希「いいんだじょ」

和「えっ……?」

優希「のどちゃん…ごめんだじょ…こんな事になってしまって…」

89: 2010/03/16(火) 23:10:48.31 ID:b9NKQjpbO
和「いいんですよゆーき……」

ヒュウウウウウ… グシャア…

こうして悪夢は幕を閉じた
その後、妹尾佳織、津山睦月、蒲原智美の遺体が発見され
また、廃工場にて片岡優希と原村和の遺体も発見された
愛するが故に人は狂う――それもまた人の業なのかもしれない


第1話「残酷な現実な中で」

95: 2010/03/16(火) 23:28:13.55 ID:b9NKQjpbO
智紀「パソコン禁止……だって?」

透華「そうですわ!これからあなたの周りにあるネット類は全部没収します!無論、ネットカフェの行き来も禁止!」

智紀「なぜ…どうして急に……?」

透華「はっきり言わせていただきますわ!暇さえあればネット…食事をしている時もネット…トイレの時もお風呂の時も寝る時どさえネットネット……身体に良くありませんわ!」

智紀「楽しければそれで良いと思う…」

透華「よくありませんわ!合宿も近い事ですし、他人とのコミュニケーションを取る必要があります!」

智紀「…………嫌」

98: 2010/03/16(火) 23:35:16.14 ID:b9NKQjpbO
透華「嫌じゃありません!あなた、自分の人生をパソコンに支配されて恥ずかしいとは思いませんの!?」

智紀「嫌…!嫌…!嫌!」

透華「わがままを言うんじゃありません!私はあなたの事を思っているのですわ!」

智紀「私のためを思っているならパソコンを没収するのはやめて…!」

透華「それは無理ですわ、すでにハギヨシがあなたが所持しているパソコン類を隠しましたから」

智紀「――――――!そんな…」ヘナヘナ…

一「しっかりしてともきー!透華は透華なりにともきーの事を考えているんだから…ね」

井上「そーそー!別にピコピコが無くても生きていけんだろ」

99: 2010/03/16(火) 23:45:24.15 ID:b9NKQjpbO
智紀「………これは夢…夢に決まっている…」

透華(少しやり過ぎてしまったかしら……でもこれも全て智紀のため!
ここは心を鬼にしないといけませんわ!)

衣「くー…くー…子供じゃない衣だぁ……」

――数日後

透華「あれから、智紀から連絡が来ませんわね…」

井上「どうしちまったんだろうな智紀の奴?」

一「やっぱりパソコンを没収したのがいけなかったんじゃないかな」

衣「だとしたら、責任はとーかにあるな」

透華「な…なんですか!私はただ、智紀の人生を思って……」

井上「じゃあ、なんでアイツから連絡がこねーんだよ?」

透華「そ、それは――!」

101: 2010/03/16(火) 23:59:12.89 ID:b9NKQjpbO
一方その頃、沢村智紀は街中をフラフラとさ迷っていた
パソコンのない生活など智紀にとって耐え難いものであった

智紀「どのネットカフェに行っても透華の手が回っていてどうする事も出来ない…」

智紀「私は……どうすれば?」

ドンッ

智紀「―――――!」

京太郎「す…すいません!ボーとしてしまって……あれ?あなたは確か……」

智紀「……沢村智紀…そういうあなたは清澄の召し使い…」

京太郎「ぐぉ…!痛い所を突いてきますね……事実ですけど」

103: 2010/03/17(水) 00:07:32.49 ID:vQvrtyWMO
京太郎「それにしてもどうしたんですか智紀さん?他のメンバーとは一緒じゃあないんですか?」

智紀「今は一人……ちょっと散歩をしていただけだから…」

京太郎「そうですか…智紀さんってパソコンやっているイメージがあるからあまり外に出ない方だと……」

智紀「…………」

京太郎「す、すいません!失礼な事を言ってしまったみたいで…」

智紀「気にする必要はない……それよりも聞きたい事がある…」

京太郎「はい、なんざんしょ?」

智紀「あなたの家には……パソコンはあるの?」

104: 2010/03/17(水) 00:16:51.30 ID:vQvrtyWMO
京太郎「はい…一応ありますけど、どうしてそんな事を聞くんですか?」

智紀(この男……使えるかもしれない)

智紀「……頼みたい事があるんだけど良い?」

京太郎「頼みたい事…なんでしょうか?」

智紀「……あなたの家に来てもいい?」

京太郎「へっ…?俺の家にってどういう事ですか?」

智紀「そのままの意味…あなた(のパソコン)に興味がわいてきた……」

京太郎「俺に…ですか?」

智紀「そう…あなた(のパソコン)に……駄目?」

京太郎「いえ、とんでもありますよ!喜んで招待します!」

智紀「感謝する……ありがとう」

京太郎(うおおお!こんな綺麗な人が家に来るなんて信じられんぞ?ついに…我が世の春がきたかぁ~!?)

智紀「……………ニヤリ」

107: 2010/03/17(水) 00:25:57.79 ID:vQvrtyWMO
【京太郎の自宅】

京太郎「ちょっと狭い部屋かもしれませんけど入ってください」

智紀「………お邪魔します」

京太郎「その…お茶を持ってきますね!」

智紀「気を使う必要はない……それよりもパソコンを貸して欲しい」

京太郎「パソコン…ですか…良いですよ!好きに使ってください」ニヤニヤ

智紀「感謝する……じゃあお言葉に甘えて…」ニヤニヤ

智紀(ああ…!この感触…このマウスの握り具合…まさしく天国…!)

京太郎「じゃあ俺は買い物行ってきますね」

智紀「………行ってらっしゃい」

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ…

110: 2010/03/17(水) 00:33:12.07 ID:vQvrtyWMO
【一時間後】

京太郎「ただいま~ってありゃ、智紀さんまだパソコンをやっていたんですか…」

智紀「………………コク」

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

京太郎「あの~、良かった食事でもいかがですか?」

智紀「……………………いただきます」

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

京太郎「そ…そうですか!じゃあ早速準備してきますね!」

智紀「………………感謝」

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

智紀「次は2chで書き込み………」

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

112: 2010/03/17(水) 00:38:37.64 ID:vQvrtyWMO
【二時間後】

京太郎「あの~、そろそろお帰りになった方がよろしいかと……

智紀「………………」

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

京太郎「あの~、聞いてますか智紀さん…?」

智紀「…………………」

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

京太郎「良かったらデザートでもいかがですか?」

智紀「いただきます…」

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

京太郎「……じゃあ持ってきますね!」タッタッタッ

智紀「フフ……見事に釣られている…」

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

113: 2010/03/17(水) 00:48:42.11 ID:vQvrtyWMO
【さらに二時間後】

京太郎「あの~、そろそろ帰らないとまずいと思いますけど…」

智紀「……問題ない」

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

京太郎「いやぁ…智紀さんが問題なくても俺の方がちょっと……」

ピタッ

智紀「………京太郎は私がいたら迷惑?」

京太郎「あ、いえ!そういう訳ではなくてですね……」

智紀「どうしても帰らないと…駄目?」

京太郎「いや、そういう事ではなくて……このまま智紀さんが俺の家に泊まる事になる事になるかなーってハハハハハハ」

智紀「……私は最初からそのつもりだけど」

京太郎「………へ?」

114: 2010/03/17(水) 00:58:13.22 ID:vQvrtyWMO
智紀「私は京太郎(のパソコン)に興味があるから来た、そして京太郎が良い(具合に役に立つ)人だと思ったからもっといたいと思った……それが理由では駄目?」

京太郎「……駄目な訳ありませんよ!この男、須賀京太郎……喜んで智紀さんを家に泊めてあげましょう!」

智紀「ありがとう……京太郎……私は京太郎(のパソコン)に感謝の気持ちで一杯…」

京太郎「ハハハ!気にしないでくださいよ智紀さん!困った人を助けるのは当たり前の事ですよ!」

智紀「…………クス」

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

117: 2010/03/17(水) 01:16:17.26 ID:vQvrtyWMO
京太郎「あの~、お風呂とかはどうしますか?」

智紀「問題ない…時間が出来た時に入る」

京太郎「眠る時はどうするんですか?」

智紀「………一緒に寝る?」クス

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

京太郎「い、いえ!俺が床の方で眠る事にします!」

智紀「そう……別に気を使わなくてもいいのに」

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

京太郎「それじゃあ……電気を消しますよ…」

智紀「……………コク」

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

京太郎「それじゃあお休みなさい智紀さん」

智紀「…………お休みなさい」

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

京太郎(……カタカタうるさくて眠れん…)

118: 2010/03/17(水) 01:31:42.21 ID:vQvrtyWMO
【次の日】

京太郎(…結局、智紀さんはずっとパソコンをしていたな…おかげであまり眠れなかったぜ)

智紀「スー……スー……」

京太郎「こうしているとすっげえ美人なんだけどなぁ………胸も大きいし」

智紀「う……ん……」モゾモゾ

京太郎「おっといけね、何を見とれているんだ俺は。学校学校っと……メモはパソコンの前に置いておくとしよう」

タッタッタッ……

智紀「むにゃ…むにゃ……リア充許すまじ……」

京太郎「ふわぁ……それにしても眠いぜ全く」

120: 2010/03/17(水) 01:48:15.54 ID:vQvrtyWMO
【清澄麻雀部】

京太郎「ふわぁ……眠い…」

優希「おい、京太郎!何を呑気にあくびをしている!犬の分際で生意気だじょ!」

京太郎「ああもう、耳元で騒ぐな!頭に響くだろうが!」

咲「どうしたの京ちゃん?朝から眠たそうな顔をしていたけど、何かあったの?」

京太郎「あー?まあ、色々あってな…少ししか眠れなかったんだよ」

まこ「なんじゃ全く!睡眠をきっちりとるのは麻雀をやるもんの基本じゃろうが!」

京太郎「す…すいません……」

京太郎(言える訳ないよな……家に女の人が来て、しかもお泊まりで…おまけに龍門渕の人ときているしな)

優希「情けない犬だじょ!この優希様が根性を注入してやるじぇ!」

ゲシゲシ

京太郎「いたたたた、背中をグリグリするなタコス~!」

122: 2010/03/17(水) 02:00:15.49 ID:vQvrtyWMO
京太郎「ただいま~!」

智紀「……お帰りなさい」

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

京太郎「またパソコンですか……」

智紀「…悪い?」

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

京太郎「いや、悪いとは言いませんけど…やり過ぎは身体に毒ですよ?」

智紀「…問題はない……休憩はしっかりと、とっている……」

カタカタカタカタ

京太郎「そうですか………ケーキ買って来たんで一緒に食べますか?」

智紀「………いただきます」

京太郎「…………ハァ、じゃあ持ってきますので待っててください」タッタッタッ…

智紀「そう、ここで連携技を発動………」

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

124: 2010/03/17(水) 02:10:06.22 ID:vQvrtyWMO
京太郎「あの、智紀さん…ご飯を持って来ました」

智紀「……そこに置いて構わない」

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

京太郎「あの、智紀さん…お風呂が沸きました」

智紀「………後で入る」

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

京太郎「あの、智紀さん…そろそろ電気を消しますので…」

智紀「………お休みなさい」

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

京太郎「はい……お休みなさい…」

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

京太郎(カタカタカタカタカタカタ眠れん…!)

智紀「なんでそこでアイテムを使うの……まだ敵がいるのに……」

125: 2010/03/17(水) 02:19:04.89 ID:vQvrtyWMO
【清澄麻雀部】

京太郎「はぁぁぁぁぁぁぁぁ……」

咲「ど…どうしたの京ちゃん…!?まるでこの世の終わりのような顔をしているけど」

京太郎「ああ……咲か…?俺ってそんなに疲れているように見えるか…?」

和「見れば分かります、どうしたんですか須賀君…体調でも悪いんですか?」

京太郎「いんや……ただ眠れてないだけだぜ」

優希「寝不足か京太郎!仕方ない、お前のご主人様であるこの私が特別に膝枕をしてやろう!感謝するがよい!」

京太郎「い ら ね ー !お前が膝枕をしても眠れる訳ねーだろ!」

タコス「なにおうっ!この優希様の膝枕を拒むとはふざけた犬だじょ!」

京太郎「誰が犬だ全く!」

128: 2010/03/17(水) 02:30:04.75 ID:vQvrtyWMO
京太郎「ただいま………」
智紀「…お帰りなさい」

京太郎「…………おやつ置いておきますね」

智紀「……………コク」

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

京太郎「はい、ご飯」

智紀「……………ありがとう」

京太郎「どういたしまして」

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

京太郎「お風呂は自分で沸かしてくださいね、ガス代が無駄になりますから」

智紀「……………コク」

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

京太郎「俺、あっちの部屋で眠るんで電気は自分で消してくださいね…お休み」

智紀「お休みなさ……」

バタンッ

智紀「…………………」

130: 2010/03/17(水) 02:45:37.65 ID:vQvrtyWMO
京太郎「ちょっと雑に扱い過ぎたかな……?でも、ああでもしなければ帰らないだろうし…」

京太郎「それに、智紀さんが俺の家に来たのは…パソコンをやるのが目的だろうしな…」

京太郎「よくよく考えてみれば、智紀さんほどの美人が
俺の家にいきなり行きたいだなんておかしな話だし……」

京太郎「結局は、俺は智紀さんに利用されていたに過ぎないんだな…」

京太郎「……やっぱり俺って騙されやすい人間なんだな……人間不信になりそう」

コンコンコン…

智紀「京太郎……起きてる?」

京太郎「なんだ今さら……まあ、智紀さんの事だ…どうせまた騙しに来たんだろう
シャクだから一つ嫌味でも言ってやるかな」

132: 2010/03/17(水) 03:01:36.53 ID:vQvrtyWMO
ガチャ…

京太郎「どうしました智紀さん?パソコンの方に戻らなくても大丈夫ですか?」

智紀「……パソコンなら電源を切っておいた…」

京太郎「そうですか、なら寝たらどうでしょう?休憩はしっかりとらないとね」

智紀「もう京太郎のパソコンには触らない…」

京太郎「ふーん、新しいパソコンでも見つかったんですか…良かったですね」

智紀「………………」

京太郎「すいませんが、他に用がないなら出てってもらえませんか?俺だって学校があるんですから……」

智紀「………………」

京太郎「ちょっと智紀さん、人の話を聞いてますか?いい加減にし……て……」

智紀「………………」ポロ…ポロ……

京太郎(智紀が…泣い……てる?)

133: 2010/03/17(水) 03:12:28.53 ID:vQvrtyWMO
智紀「ごめんなさい京太郎……」ポロポロ

京太郎「あ…いや……俺の方こそ…」

京太郎(いや、もしかしてこれも演技なのかもしれない…騙されるな京太郎!)

京太郎「謝ってすむなら警察はいらないでしょう智紀さん?
口だけの謝罪なんて俺には信じられませんよ……」

智紀「……………」

京太郎「まあ、智紀さんにはパソコンがあるんだから早くそっちの方に戻ったら…」

智紀「京太郎………」

ギュウッ…

京太郎「な……!?智紀さん何を……!」

智紀「どうすれば…京太郎は私の事を許してくれる…?」

智紀「私……京太郎が許してくれるならどんな事でもする……」

136: 2010/03/17(水) 03:26:12.13 ID:vQvrtyWMO
京太郎「…どんな事でもって……何を言っているんですか?すいませんけど、俺はそういうつもりは…」

智紀「じゃあ、どうしたらいいの?京太郎はどうしたら私を信じてくれる?」

京太郎「智紀さん……」

智紀「私は言葉で人に気持ちを伝えるのが苦手……でも、京太郎には心の底から感謝をしている…
それだけは信じて欲しい」

京太郎「…………」

智紀「じゃあ……私はもう京太郎の家からサヨナラさせてもらう…」

京太郎「待ってください智紀さん」

智紀「京太郎……?」

京太郎「よく分かりましたよ智紀さんの気持ちが……だから俺は智紀さんを信じます」

智紀「本当に…?本当に私の事を信じてくれる?」

京太郎「もちろんですとも!それに智紀さんが望むなら、この家にずっといても構いませんから!」

138: 2010/03/17(水) 03:34:30.64 ID:vQvrtyWMO
智紀「ありがとう京太郎……」

ギュウッ

京太郎「はははは…照れますね……」

智紀「……………ニヤリ」

【数日後】

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

智紀「京太郎…そろそろマウスを新品のにした方がいいと思う」

京太郎「あっ、はい明日買いに行ってきます!」

智紀「後、お腹空いた…」

京太郎「はーい!ご飯を作ってきますから待っててください!」タッタッタッ……

智紀「……須賀京太郎は使える子…これからも私の役に立ってもらう……一生ね………クスクスクス」

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ


     第2話「四角い画面で待ってるよ!」


次回 コーチ「池田の馬鹿はどこだァ!?」

144: 2010/03/17(水) 04:09:29.07 ID:vQvrtyWMO
コーチ「池田の馬鹿はどこだァ!」

池田「ど、どうしたんですかコーチ?華菜ちゃんは何もしてないけど…?」

コーチ「言いからコッチに来やがれコラァァ!口答えすんなオラァ!」

池田「は…はいいい!」

キャプテン「華菜……また何かしたのかしら?」

未春「華菜ちゃん……大丈夫かなぁ?」

147: 2010/03/17(水) 04:37:27.43 ID:vQvrtyWMO
コーチ「池田ァ!今からお前に任務を与える!心して聞きやがれ!」

池田「は、はいいい!」

コーチ「これからお前には……ベーリング海でカニ漁に行ってもらう!」

池田「へ……カニ漁…だし?」

コーチ「そうだ!お前には部室で使うカニの調達を任せる!手筈はこちらで全部済ませたからな!
しっかりと準備しておけよ!」

池田「は…はあ…分かりました…」

池田(なんでカニ漁なんだろ?そもそもベーリング海って一体どこだし?)

148: 2010/03/17(水) 04:40:48.67 ID:vQvrtyWMO
すまない……一旦休む

156: 2010/03/17(水) 10:34:07.57 ID:vQvrtyWMO
【部室】

池田「ねえねえ、みはるん…聞きたい事があるんだけど」

未春「えっ、なに華菜ちゃん?」

池田「ベーリング海でのカニ漁って何をすればいいんだし?」

キャプテン「――――!華菜……今、なんて言ったの?」

池田「あっ、キャプテン!どうかしたんですか…なんだか顔色が悪いですけど…?」

キャプテン「ベーリング海でカニ漁に行くって聞いたけど本当なの…?」

池田「はい、そうですけど…何かまずい事でもあるんですか?」

キャプテン「………華菜、私はあなたの事をいつまでも忘れないわ…」

池田「へ…?いきなり何を言っているんだしキャプテン」

キャプテン「さようなら華菜っ……!」

タッタッタッ…

華菜「キャ、キャプテン!急にどうしたんですか~!?」

華菜(一体ベーリング海でのカニ漁ってなんなんだー!?)

158: 2010/03/17(水) 10:46:35.50 ID:vQvrtyWMO
池田「キャプテンがあんなに狼狽えるなんて……もしかしてベーリング海でのカニ漁って凄く恐ろしい仕事なんじゃあ…」

コーチ「池田ァァ!何をボーっとしてんだァ!?準備をしろって言っただろうが!」

池田「ええっ!?準備しろって……いつカニ漁にいくつもりなんですか!」

コーチ「明日に決まってんだろォォォ!何をのほほんとしてんだてめえェ!」

池田「は…早!いくら何でも早過ぎるし!」

コーチ「池田の分際で意見してんじゃねえぞォ!」

ミシミシミシミシミシミシミシミシミシミシミシミシ…

池田「痛い痛い痛い痛い!アイアンクローを止めてくださいぃぃぃぃぃぃぃぃ!」

コーチ「てめえの意見なんざ聞く必要なんかねえんだよォォ!」

ミシミシミシミシミシミシミシミシミシ

池田「がああああああああああああ!」

159: 2010/03/17(水) 10:57:47.92 ID:vQvrtyWMO
【次の日】

池田「うう……頭が痛いし…何でこんな朝早くに起きないといけないんだろ…?」

コーチ「池田ァ!眠たそうなツラしてんじゃねえ!」

池田「ひいっ!ご、ごめんなさいだし!」

コーチ「まあ、いい!さっさと車に乗れ池田ァ!」

池田「は……はいい…」

バタンッ

コーチ「時間がねえから飛ばすぞ!しっかりシートベルトをしとけ!」

池田「し…締めましたコーチ…」

コーチ「そんじゃあ……行くぞコラァァァァァ!」

ギャアアアアアア……!

池田「ひいいいい!ちょっとスピードを上げ過ぎだとおもいま……」

コーチ「駆け巡る爽快感がたまらないなぁ池田ァァァァァァ!」

ゴ ギャ ギャ ギャ ギャ ギャ ギャ ギャ !

池田「ぎゃあああああああああ!誰か止めてぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

160: 2010/03/17(水) 11:09:42.60 ID:vQvrtyWMO
こうして一時間の間、コーチの闘争心むき出しの攻撃的なドライブの被害にあった池田であった

コーチ「今日はいい天気だなぁ池田ァァ!」

池田「うぷ……おえっ……!」

コーチ「なんだぁ池田ァ!?この程度でへたれるなんて情けないぞコラァ!普段たるんでいるからそうなるんだろうが!」

池田「そ…そんなの関係ないし……」

コーチ「意見するなって言っただろうが池田ァァァァァァ!」

ギリギリギリギリギリギリギリギリ

池田「ぎゃああああああ!こめかみをグリグリしないでぇぇぇぇぇぇ!」

コーチ「おらおらぁ!ベーリング海ではこの程度じゃすまねーんだぞォ!」

ギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリ

池田「痛い痛い痛い痛い痛いいいい!」

161: 2010/03/17(水) 11:22:57.50 ID:vQvrtyWMO
コーチ「そんじゃあさっさと船に乗れ池田!くれぐれも船員の皆様に迷惑をかけるんじゃねーぞ!」

池田「は…はい……」

こうして池田はしぶしぶと船の中に乗った

コーチ「元気でやれよ池田!」

ブオオオオン……

池田「はあ……ようやく解放されたし…」

船長「お前が池田華菜かコラァ!?」

池田「ひ、ひいい!こ、コーチ!?どうしてここにいるんですか!?」

船長「何を言ってんだてめえ!寝ぼけてんじゃねーぞ新人!」

池田「ひいっ!ごめんなさい!」

船長「ちんたらやってみやがれ!お前を船から突き飛ばすからな……分かったか新人!」

池田「は…はいいいいい!」

船長「おい、京太郎!お前が新人の面倒をみてやれ!」

京太郎「ういーっす!」

163: 2010/03/17(水) 11:39:58.30 ID:vQvrtyWMO
池田「お前は確か…清澄の男子部員!何でお前がここにいるんだし?」

京太郎「そういうあなたは風越の池田さん……でしたっけ?俺はタコス代を稼ぐために、ここで船乗りをしているんですよ」

京太郎の話では麻雀部のタコス代がカットされたらしい。

池田「とりあえずよろしくな、京太郎!」

京太郎「ええ…よろしく…って池田さん、その服装はなんですか?」

池田「えっ?これでも厚着をしている方だけど」

京太郎「はあ……そんな服装でベーリング海に行こうとするなんて……完全にベーリング海をなめてますね」

池田「こ、これじゃあ駄目なのか?」

京太郎「全然駄目です……仕方ない、俺の着替えを貸してあげますよ」

京太郎は大きな溜め息を吐きながら自分の鞄から服を取り出した。

164: 2010/03/17(水) 11:59:03.46 ID:vQvrtyWMO
池田「あ…ありがとうだし」

京太郎「何を言っているんですか、早く着替えてください……氏にたくなければね」

池田「へ……氏にたくなければって……どういう事だし!?」

京太郎「それは行ってみれば分かりますよ……多分、行かなければ良かったと思いますから」

船長「新人!さっさと着替えやがれ!そろそろ出航するんだからよ!」

池田「は…はいい!」

こうして池田の乗った船はベーリング海に向かっていった

【二時間後】

池田「うええええええええ…すっごく気持ち悪いんですけど…」

あまりの揺れに池田は今朝食べたおにぎりを口から戻してしまう

船長「おいこら新人!何、船の中で吐いてんだコラァァァァァ!吐くんだったら船の外で吐きやがれ!」

池田「す…すいませ……うぷっおえええええええええええ!」

166: 2010/03/17(水) 12:13:54.74 ID:vQvrtyWMO
京太郎「見事な吐きっぷりですねぇ池田さん……もうボロボロじゃないですか」

池田「おおえ……もうお家に帰りたいし……うぷっおええええええええ!」

京太郎「やれやれ…この程度でギブアップなんて案外と不甲斐ないですね池田さん……ベーリング海はこんな優しいものじゃないですよ」

池田「ふぇっ……それってどういう…」

船長「おい、京太郎!ちょっと手伝え!」

京太郎「ういーっす!それじゃ、俺は仕事がありますんで!
ベーリング海ではくれぐれも迷惑をかけないでくれよ!」

タッタッタッ……

池田「うぷっ………もしかしてキャプテンは…この事を知っててあんな事を言ったのかなぁ…?」

空を飛んでいる鳥を眺め、池田は再び吐いてしまう。
しかしこれは、これから始まる絶望の宴の序章に過ぎなかった

168: 2010/03/17(水) 12:36:28.98 ID:vQvrtyWMO
【ベーリング海】

ザァァァァ! バシャアン!

池田「ぎゃあああああああああ!殺されるぅぅぅ!」

京太郎「無駄口を叩くな!氏にたいのか!」

激しい波と揺れが池田の乗っている船を襲う

船長「コラァ新人!ちんたらするなって言ったろうがよおおおお!」

ザバーン! ザバーン!

池田「す、すいませ」

バシャァァン!

池田「ぎゃああああ!冷たああああい!」ガチガチガチ

船員A「邪魔するんじゃないじぇ新人!」

バキッ!

池田「ひいいいいいいいい!ごめんなさいだし~!」

京太郎「池田さん、手伝わないならそこにいないでください!はっきり言って邪魔ですから!」

171: 2010/03/17(水) 12:56:34.43 ID:vQvrtyWMO
ザブゥゥゥン……

池田「ちょっ、ちょっとあそこの船…沈没してるんですけど!?」

船長「そんなもんほっとけ!今は船のバランスをとる事に集中しろぉ!」

池田「で、でも…」

京太郎「このままだと俺達の乗っている船も沈んじまうんだよ!
そんな事も分からねーのか池田さん!」

池田「ああう…」

バシャァァン!

池田「ぎゃああああああああああああ!ちべたあああああああああい!」ガチガチガチガチガチガチ

船長「馬鹿野郎!このままだとてめえが凍え氏にすんぞ!他人の事を考える前に自分の事を考えろ新人!」

池田「はひ、はひ、はひ……わかひまひたあ……」ガチガチガチガチガチガチ

船長「京太郎!カゴを引き入れろォ!」

京太郎「了解っす!」

ザブゥゥゥン ザバーン…

172: 2010/03/17(水) 13:12:42.66 ID:vQvrtyWMO
池田「寒い寒い寒い寒い……寒くて氏にそうだし…」ガタガタガタガタガタガタ

京太郎「お疲れ様でした池田さん」

池田「あう……京太郎…ベーリング海のカニ漁がこんなに凄まじいものだったなんて……」

京太郎「ははは…でも、今日は楽な方だと思いますよ」

池田「ええ……!あれで楽な方って…嘘だろ?」

京太郎「いつもなら波が船全体を襲いますし、揺れだってあまりない方だしさ……」

池田「そんなぁ……!」

京太郎「頑張ってくださいよ池田さん、明日はもっとハードだと思いますので」

タッタッタッ……

池田「………誰か助けて…このままじゃあ私…殺されるし……」

暗い船内の中、池田は一人涙を流しながらポツリと呟いた。

173: 2010/03/17(水) 13:36:09.81 ID:vQvrtyWMO
――数週間後
キャプテンの元に一通の手紙が届いた

【キャプテンへ
キャプテンがこの手紙を読んでいる頃には私はもうこの世にはいないかも分かりません
今、華菜ちゃんはベーリング海の一番危険な場所でカニ漁をしております
毎日毎日、揺れに襲われ水飛沫にさらされて氏にそうです
他の船員にもハブられるし、唯一優しかった京太郎も最近冷たくて悲しい
キャプテンにカニを送りました。よかったら食べてください。さようなら。
       華菜より】

キャプテンはその手紙を泣きながら読み、華菜が送ったカニを一口頬張って呟いた。

キャプテン「まずい………」


      第3話「熱烈歓迎べーりんぐらんど!」


次回   モモ「こちらモモ……清澄の麻雀部に潜入したっす」

177: 2010/03/17(水) 14:02:42.75 ID:vQvrtyWMO
モモ「こちらモモ……清澄の麻雀部に潜入したっす…」

ゆみ「ご苦労、モモ。引き続き任務を遂行してくれ」

モモ「任務了解っす…」

ピッ……

モモ「今回の任務……清澄高校の麻雀部についての調査っすか…龍門渕さん達比べたら楽っすね…」

ガサガサ…

モモ「普通の人間では私を見つける事は出来ない……私は存在しない」

ガタガタ……

モモ「ここから先は……ステルスモモの独壇場っすよ…!」

モモ「それにしても誰もこないっすね……何をしているっす…」

京太郎「ふぅー疲れた!」

モモ「来たっすね…!」スウッ……

180: 2010/03/17(水) 14:19:02.37 ID:vQvrtyWMO
モモ「アイツは確か須賀京太郎っていう空気さんっすね……呑気そうに欠伸なんかして良いご身分っす」

優希「京太郎!ここにいたのか!」

京太郎「おっ、タコスじゃねーか…どうしたんだ」

タコス「この馬鹿犬!今日は一緒にタコスを食べる約束だろう!?何を呑気に欠伸なんかしてるんだじぇ!」

京太郎「あれ?それって明日じゃないのかよ?今日はちょっと用事があるから無理だ、すまん!」

モモ「…何やら揉めているみたいっすね……仲間割れっすか?」

タコス「分かったじぇ!明日必ず、タコス屋に来るんだじょ……いいな、犬!?」

京太郎「はいはい分かった分かった……だから耳元で叫ぶなよタコス」

181: 2010/03/17(水) 14:35:39.31 ID:vQvrtyWMO
優希「それじゃあ私はのどちゃんの所に行くからな!明日の約束、絶対に破るんじゃないじょ!京太郎!」

京太郎「はいはい…転ばないように気をつけろよタコス!」

優希「ふん!犬なんかに言われなくても分かってるじょ!」

タッタッタッ……

モモ「麻雀しないっすか……?というよりも空気さんは何をしにここに来たっすか……」

京太郎「さてと……そろそろ時間かな…」スウッ

モモ「むむっ……何やら始めたっすよ…!」

京太郎「もしもし……俺です、京太郎です。こっちは順調に事が進んでますよ」

モモ「一体誰と会話をしているっすかね?」

京太郎「ふふふ…分かってます…あなたの妹は相変わらずですよ……照さん」

モモ「照……?照って誰っすか…?」

189: 2010/03/17(水) 17:09:37.48 ID:vQvrtyWMO
京太郎「もちろん、他の皆には気が付かれてはいませんよ?
まさか俺が…宮永照の命を受けて派遣された白糸台のエージェントである事を…」

モモ「なんだって…!?白糸台って確か先輩が言っていた……」

京太郎「いつも通り情報は渡しておきます……まあ、あまり必要のないものでしょうけどね…ハハハ…」

モモ「すごい事を聞いたっすよ……!まさか清澄の空気さんが私と同じスパイだったなんて……」

ガタンッ

モモ「しまっ……!」

京太郎「……ちょっと待ってください、何やら物音が聞こえました…調べてきます」

ギシッ…ギシッ…ギシッ…

モモ「や……やばいっす……空気さんがこっちに来るっすよ…!」

京太郎「確かこのへんだよな…」

ドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクン

モモ「目の前まで来たっす…!もう駄目っすよ…!」

そして京太郎はモモが隠れているロッカーに手をかける

191: 2010/03/17(水) 17:23:47.07 ID:vQvrtyWMO
モモ「くっ……!こうなったら戦うしかないみたいっすね…」チャキッ

ガタンッ

ネズミ「チューチュー!タコチュー!」

タッタッタッ……

京太郎「なんだネズミかよ……びっくりしたぜ…」スッ

照『どうしたの京ちゃん?何がいたの…?』

京太郎「ああ、なんでもありませんよ…ネズミがいただけです」

照『そう…なら、良いんだけど…本当にネズミで間違いないのね…』

京太郎「ハハ、誰かが隠れて聞いていた訳ではないみたいですよ…
無論……その場合は…ただで帰すつもりはありませんけどね」ニヤリ

モモ「――――――!」ゾクリ

京太郎の歪んだ笑い顔にモモの背中に戦慄が走る

モモ「……バレなくてよかったっす…もし空気さんにバレたら何をされるか分かったモンじゃないっすよ……」

京太郎「そろそろ他の部員が来る頃でしょう…また後で連絡します…それでは」ピッ

194: 2010/03/17(水) 17:39:41.80 ID:vQvrtyWMO
優希「京たろお~!」

タッタッタッ……

京太郎「おいおい、どうしたんだよタコス…またタコスを買ってこいなんて言うんじゃないだろうな?」

タコス「そのまさかだじぇ!」

和「もう、ゆーきったら…」

久「須賀君。タコスの他に買い出しもお願いね」

京太郎「ま…また買い出しっすか…分かりました!行ってきまーす」

咲「頑張ってね京ちゃん」

京太郎「はいよ~!」

タッタッタッ……

モモ「なんて変わり身の早い男っすか……でも、これはいい事を聞いたっす」

ゆみ『モモ、聞こえるかモモ』

モモ「あっ、先輩……どうしたっすか?」

ゆみ「いや…急にモモが心配になってな……そっちの方は大丈夫か?」

モモ「問題ないっすよ先輩……ちょっと危ない所もあったっすけど今のところは順調っす…」

196: 2010/03/17(水) 18:18:27.21 ID:vQvrtyWMO
ゆみ『そうか、ならいいんだがな…』

モモ「それよりも先輩、凄い情報が手に入ったっすよ……」

ゆみ『ほう……一体どんな情報だモモ?』

モモ「はい、実は清澄の須賀京太郎っていう男が白糸台のスパイだったっすよ」

ゆみ『なに…!?それは本当かモモ!?』

モモ「はい、間違いないっす…宮永照って人と話をしていた所を目撃したっす」

ゆみ『宮永照………なるほど、そういう事だったのか』

モモ「どうします先輩?まだ調査を続行するっすか?」

ゆみ『いや、もう十分だモモ…今回はもう清澄から帰って来てもいい…』

モモ「了解っす先輩」

ゆみ『だが、気をつけろよモモ…その白糸台のスパイに気が付かれないようにな』

モモ「心配ないっすよ先輩…いくら空気さんが手練れだとしても
私を見つける事は出来ないっすから……」

ゆみ『そうか……だがくれぐれも油断するなよモモ』

198: 2010/03/17(水) 18:49:06.36 ID:vQvrtyWMO
【数時間後】

久「それじゃあ皆、解散!」

まこ「やれやれ、早く店の手伝いにいかんとのう」

優希「のどちゃーん!早くタコス屋に行こうじぇ!」

和「もう、ゆーきったら…それじゃあ、行きましょうか宮永さん」

咲「うん、分かったよ原村さん!それじゃあ京ちゃん、また明日ね」

京太郎「ああ、それじゃあな咲!」

ギイイイイ バタンッ……

モモ「そろそろ出てもいいっすよね……?…ふぅ…今日はハラハラした一日だったっすね……さてと…私も帰る事にするっす…」

ギイイイイ……

モモ「誰もいないっすね……」キョロキョロ

ガシッ

モモ「――――――!?」

京太郎「ふふ…ネズミはネズミでも可愛らしいネズミじゃねーか……なあ?」

扉を開けたモモの腕を京太郎は笑いながら掴んだ
突然の出来事にモモは呆然としてしまう

200: 2010/03/17(水) 19:04:32.79 ID:vQvrtyWMO
モモ「な…なんで私の姿が見えるっすかアンタ…!?私は普通の人間には見えないはずっすよ!」

京太郎「なんでもなにも……俺にはお前の姿が普通に見えるぜ……もしかしたら俺は普通じゃあないのかもしれないな?」

モモ「そ…そんな…!」

京太郎「まあ……そういう話は置いといて……悪いが俺の正体がバレちまった以上、お前をただで帰す訳にはいかねえなぁ……!」ギロッ

モモ「くっ…!放せ、放すっすよ!」

必氏で京太郎の腕を振りほどこうとするモモであったが、京太郎はガッシリと掴んだまま放さない。

京太郎「抵抗しても無駄だぜ?大人しくしたほうがいいと俺は思うがな…?」

モモ「な……何をするつもりっすかアンタ…!?」

京太郎「さあねぇ……想像に任せるよ」

203: 2010/03/17(水) 19:25:49.21 ID:vQvrtyWMO
手を縛られたモモは部室の中へと連れ込まれてしまった。

京太郎「さーてと、まずはお前が何者か教えてもらおうか?」

モモ「……何も言う事はないっすよ……」

京太郎「ふーん、そういう態度を取るつもりなんだ……」

京太郎は溜め息をはくと机の中から鞭を取り出す

モモ「な……なにっすか鞭なんか取り出して…!」

京太郎「ふふ…お前が俺の質問に逆らう度に鞭を使うからな…!分かったか?」

モモ「ふ……ふん…!そんな玩具で私が口を割るとでも……」

ピシィンッ

モモ「きゃあっ!?」

鞭で床を叩きつける音が部室に響き渡る

京太郎「どうしたんだいお嬢さん、可愛い悲鳴なんか?鞭なんて怖くないんじゃなかったのか?」

204: 2010/03/17(水) 19:39:26.92 ID:vQvrtyWMO
モモ「………うるさいっす…」

自分が怯えているのを否定するかのように京太郎を睨み付けるモモ。

京太郎「おいおい、そんな怖い顔しないでくれよ全く……ゾクゾクしちまうじゃねーか」ヒュインヒュイン

モモ「黙れっす、この変態!」

ピシィッ

モモ「ああうっ……!」

京太郎「口の聞き方には気をつけてろよ……今のお前がいくら強がっても意味がねーんだよ!」

モモ「うう……痛い……痛いっすよ…」

京太郎「まあ、俺も鬼じゃない…お前が俺の質問に素直に答えりゃあ、鞭なんて使わないから安心しろ」

モモ(助けて…助けてっす先輩……)

大粒の涙を流しながらモモは加治木ゆみの姿を思い浮かべる
そんなモモの姿に京太郎はニヤリと歪んだ笑顔を浮かべた

208: 2010/03/17(水) 19:57:19.39 ID:vQvrtyWMO
京太郎「じゃあ改めて聞くがお前は何者なんだ?」

モモ「………………」

ピシィッ!

モモ「ああうっ!」

京太郎「もう一回聞きまーす!あなたは何者ですか~?」

モモ「………………」

ピシィッ

モモ「くああっ!」

京太郎「いい加減しつこいなぁ……あ・な・た・は誰ですかぁ~!」

モモ「知ら…ない……っす…」

京太郎「……………やれやれ」

ピシィッ ピシィッ ピシィッ

モモ「くああああああああああっ!」

209: 2010/03/17(水) 20:07:12.68 ID:vQvrtyWMO
【数十分後】

モモ「ハァ……ハァ……」

京太郎「全く……しぶといなぁお前……その根性だけは認めてやるよ」

モモ「余計な………お世話っす……」

京太郎「困ったなぁ……どうすれば話してくれるのか分からねーや」

コンコンコン…… ガチャ…

京太郎「だ……誰だ!?」

?「………………」

モモ「誰だか…知らないけど……助けてくださいっす……この男は私を……」

照「この娘が京ちゃんが言っていたコソドロさんかしら…?」

京太郎「おっ、照さんじゃあないですか!わざわざ東京からお疲れ様です」

照「フフ……京ちゃんの方こそ面白い事をしているじゃない…」

モモ「――――!そんな……この人が空気さんと話していた宮永照……!?」

212: 2010/03/17(水) 20:31:32.69 ID:vQvrtyWMO
照「フフフ……そんなに震えて……怖いの…?」

モモ「違うっすよ…………怖いわけ……」

ピシィッ

モモ「ああんっ!」

京太郎「油断しちゃあいけないなぁ……気を抜いていいなんて言った覚えはないんだが?」

モモ「ううう………」

照「京ちゃん……あまり苛めちゃ駄目じゃない……そんなのじゃあ口を割らないと思うわ」

京太郎「なるほど、確かに照さんの言うとおりですが……ならどうすればいいと思います?」

照「ねぇ……この写真…あなたのでしょう?」

モモ「な……!いつの間に私の写真を…!?」

照「この写真に写っている女の人……あなたにとって大切な人じゃないかしら?」

京太郎「………ははあ、なるほどね」

213: 2010/03/17(水) 20:49:56.68 ID:vQvrtyWMO
モモ「その写真はたまたま拾ったやつっす……!私には……関係ないっすよ…」

照「そう…?そのわりには声が震えているじゃない……嘘はいけないわよ?」

京太郎(全く……いつも思うけど照さんもひどいお人だねぇ……)

照「それじゃあこの写真の人がどんな目にあってもあなたには関係ないわよね…?」

モモ「な、何を言っているっすか!そんな事私には…」

照「い い よ ね ?」

モモ「……………」ポロポロ

照「あら……どうして泣いているのかしら?私はただ、質問をしているだけなのに…。
それともこの写真の人の事が心配でたまらないの?」

京太郎「早く答えろよ、じゃねーと照さんがこの写真の人に何をするか分からねーぜ?」

217: 2010/03/17(水) 21:06:56.87 ID:vQvrtyWMO
モモ「駄目っす………」ポロポロ

照「えっ…?何が駄目なのかしら……詳しく教えてちょうだい…」

モモ「お願いっす……その人は私にとって大切な人っす…だから……」

京太郎「ほー、そういう事ですか…」

照「大丈夫……あなたが私達の言う事さえ聞いてくれるなら……この写真の人には何もしないわ……」

モモ「本当っすか………?」

照「安心して……私は嘘は言わないから……だから私達の言う事を聞いて……ね?」

モモ「…………分かったっす……先輩に何もしないっていうなら……私はアンタ達のいう事を聞くっすよ…」

照「良い子ね……私はそういう子は好きよ……」ニコリ…

京太郎「それじゃあ……最初の質問だ……ちゃんと答えろよ」

モモ「はいっす………」

221: 2010/03/17(水) 21:18:34.86 ID:vQvrtyWMO
【数日後】

ゆみ「今日もご苦労だったなモモ」

モモ「いえ、先輩のためならいくらでも頑張れるっすよ!」

ゆみ「そ……そうか、ありがとなモモ」

モモ「はい!それじゃあ私は失礼させてもらうっす」

タッタッタッ……

モモ「こちらモモ……鶴賀学園の情報を今から送るっす…」

先輩、私は先輩を騙している最低な女っす。けれども私はいつでも先輩の事が大好きっすよ。
例え私が闇に堕ちようとも、先輩が笑ってくれるなら私は喜んで堕ちるとこまで堕ちてやるっすよ。
先輩――――。


     第4話「孤独の海よ」


次回まこ「空中染谷チョップ!」

227: 2010/03/17(水) 21:44:15.58 ID:vQvrtyWMO
【とあるスタジアム会場】

咲「ここでいいんだよね?」

和「みたいですけど……」

久「二人共~!こっちよこっち!」

優希「遅いじょ~!タコスが冷めちゃうじゃないか~!」

和「ごめんゆーき、人が沢山いて道に迷っていたんですよ…」

咲「あれ、京ちゃんと染谷先輩は来ていないんですか?」

久「ええ、まこは店の手伝いがあるからって電話が来たわ。須賀君は――分からないわね」

優希「あの馬鹿犬!私のタコス補給という使命を忘れよって!後でしつける必要があるな!」

咲「それにしても何が始まるんだろう……真ん中に大きな穴が開いているけど…」

和「分からないですね……部長、私達をこの会場に招待した人って一体誰なんですか?」

228: 2010/03/17(水) 22:00:02.60 ID:vQvrtyWMO
久「うーん、それは私にも分からないわ。一週間前に手紙と一緒にチケットが送られただけなのよねー」

和「その手紙には一体なんて書いてあったんですか」

久「確か…『この日、お前達に最高のショーをお見せしよう!』って書いてあったわ」

咲「なんですかそれ…」

タコス「きっとタコスを使ったショーに違いないじぇ!」

和「もう、そんな訳ないでしょう」

キャプテン「あら、そこにいるのはもしかして上埜さんではありませんか?」

久「あら、そういうあなたは風越の…」

透華「見つけましたわよ原村和!まさかあなた達もこんな所に来ているなんて思いませんでしたわ…」

和「あなたは確か龍門渕の………誰でしたっけ?」

透華「なっ!?私の名前を忘れるなんて何を…」

井上「早く座ろうぜ透華!さっきから歩き続けてたから疲れちまった!」

229: 2010/03/17(水) 22:17:44.47 ID:vQvrtyWMO
蒲原「ワハハー、思っていたよりも人が沢山いるなー!」

妹尾「本当だねよぇ、さっきから頭がくるくるするよー」

久「あら、他の学校の人達が集まってきたわね…どういう事かしら?」

パッ パッ パッ

蒲原「なんだなんだー?電気が消えていくぞ~?」

未春「何かが始まるみたいですね」

ガシャン

咲「あれ、いつの間にか真ん中の方にライトが…」

キャプテン「あれはプロレスのリング…ですね」

モモ「プロレスって……一体何をするつもりっすかね?」

ジャカジャーン! ジャカジャーン!

タコス「な、なんだ?音楽が鳴り始めたじょ!?」

咲「あ…あれ!?リングの真ん中にいるのって……もしかして京ちゃん!?」

京太郎「お集まりの皆さんこんばんは!実況は私、須賀京太郎でお送りいたします!」

232: 2010/03/17(水) 22:39:47.30 ID:vQvrtyWMO
タコス「何をやってんだじぇアイツはー!?」

京太郎「さあ…選ばれし戦士達よ、出てこいやァ!」

ジャンジャンジャジャーン! ジャンジャンジャジャーン!

京太郎「さあ、始まりましたsaki祭り!まずは選ばれし戦士達をお見せしよう!」

透華「な…何をするつもりですの!」

京太郎「その姿は荒ぶる海の化身なり!そのリングを己の色に染め上げるのか、
熱いハートの戦士……染谷ーまーこー!」

久「ま…まこぉ!?今、須賀君……まこの名前を呼ばなかった!?」

プシャアアアアアア……

まこ「よっしゃあ!」

和「ま……間違いありません!リングに立っているのは染谷先輩ですよ!」

235: 2010/03/17(水) 22:52:04.90 ID:vQvrtyWMO
京太郎「迫りくるは他を蹂躙し、踏み潰し、制圧する人間重戦車!目の前てチョロチョロする奴は
己の浅はかさに後悔せよ!
バルバロイ・深堀ィィィィ!」

プシャアアアアアア………

深堀「…………うむ!」

キャプテン「ふ……深堀さん!見ないと思ったらプロレスデビューしてたのね!」

未春「いや……違うと思いますよキャプテン……」

ゆみ「という事はつまり………」

蒲原「ワハハ……そういえばむっきーを見てなかったな」

237: 2010/03/17(水) 23:02:13.12 ID:vQvrtyWMO
京太郎「刮目せよォ!その一撃、常に全身全霊!受け継がれし義の魂、ここにあり!
むっきー・サムライィィィィィィィィ!」

プシャアアアアアア………

睦月「うむ……我が魂の一撃……とくと御覧あれ!」

モモ「やっぱりむっちゃん先輩っすか………」

妹尾「もう少し格好いい名前でもいいのになぁ睦月ちゃん……」

ゆみ「突っ込む所はそこじゃないだろう」

久「って事は最後は龍門渕ね……」

透華「………ハッ!?一!一はどこにいますの!?……まさかあの子!」

衣「ジュースとポップコーンのおかわりをくれ!」

239: 2010/03/17(水) 23:19:55.82 ID:vQvrtyWMO
京太郎「それはリングを駆け巡る奇跡の嵐!数多のトリックを駆使して対峙する敵を惑わす華麗なる美少女!
ミラージュ・ハジメェェェェェェ!」

プシャアアアアアア……

一「ボクの魔術…見破る事ができるかな?」

透華「そんな、一…!私に相談をせずにあんな目立つ所に……裏切り者!」

井上「なら、お前もリングに上がればいいじゃねーか」

京太郎「さあ、ここに選ばれし戦士が揃いました!
見事栄光を手にするのは一体誰なのだろうか!目が放せません!」

久「まこはいいとして…(本当はよくないけど)どうして須賀君が実況なんてやっているのかしら……」

タコス「ずるいぞ京太郎~!私にも活躍させろだじぇ!」

和「須賀君……一体何者なんでしょうね…」

243: 2010/03/17(水) 23:33:29.60 ID:vQvrtyWMO
京太郎「さて、実況席には藤田プロと久保貴子さんのお二人に来ていただきました!こんばんは!」

コーチ「眠い……」

藤田「カツ丼はまだ来ないのか?」

蒲原「ワハハー、やる気のない二人だなー」

キャプテン「コーチまでいるなんて……ところで深堀があっちにいるのになんで華菜はいないのかしら…?」

京太郎「さて、今回の戦いのレフェリーを紹介します!
天性のウザさと図々しさを兼ね備えた悪徳レフェリーのエースと呼ばれる池田四郎さんです!」

池田「よろしくだし!」

未春「あっ、いた……」

コーチ「池田ァ!公平なジャッジをしろよ公平なジャッジをよぉ!」

久「なんかもう、無茶苦茶ね……」

247: 2010/03/17(水) 23:50:15.41 ID:vQvrtyWMO
京太郎「さあ、そろそろ戦いのゴングが鳴ろうとしております!この四つ巴の状況…すでににらみ合いが始まっております!」

まこ「なにジロジロ見とんねんコラ……!」

一「別に……ただ出番がなくてカワイソーだなぁって…」

睦月「………やってやる」

深堀「…………上等」

タコス「頑張れ~!染谷せんぱーい!」

ゆみ「………形はどうあれ、睦月が鶴賀の看板を掲げているのには違いはない…応援するとしよう」

蒲原「ワハハー!頑張れむっきー!」

文堂「大丈夫でしょうか…?」

キャプテン「怪我だけはしないでね深堀さん…」

未春「華菜ちゃん……なんだか嫌な予感がする」

透華「くぅ~!一!こうなったら私に変わって活躍してくださいまし!」

智紀「今の所…深堀の方に賭けている人が多い…」

池田「ファイト!」

チーン!

250: 2010/03/18(木) 00:03:52.48 ID:xwVEVg6xO
京太郎「さあ、始まりましたsaki祭り!一体どのようなファイトが繰り広げられるのでしょうか…」

まこ「おうデカブツ……」

深堀「…………」

京太郎「おおっと!染谷まこが深堀に対してにらみ合いを挑んできたー!
対する深堀もにらみ返している!」

久「体格的には明らかに負けているけど…何を考えているのかしらまこ……」

文堂「頑張って深堀さーん!」

京太郎「さて、全く動こうとしない二人!一体どちらが先に手を出すのでしょうか!?」

まこ「…………ブゥッ!」

深堀「――――!?くああっ…!」

京太郎「おーっとぉ!染谷まこの口から緑色の霧が放たれました!毒霧です!染谷まこが毒霧を仕掛けました!」

深堀「くううっ…!」

京太郎「深堀は目をおさえながらうずくまっている~!効果は抜群だぁ!まさかの染谷まこの毒霧が決まったぁ~!」

久「まこ………いつの間にあんな技を…?」

252: 2010/03/18(木) 00:14:54.44 ID:xwVEVg6xO
まこ「来いよオラァァァァ!」

ドカッ バキッ

京太郎「おっとぉ!うずくまっている深堀に追い討ちをかけるようにまこが襲いかかる!」

優希「染谷先輩……まさに外道だじょ……」

キャプテン「ああっ…!深堀さんがひどい事に…」

コーチ「池田ァァァァ!毒霧なんて反則だろうがァァァ!なんで止めねぇんだよォォォォ!」

池田「反則ではありませんし!」ブンブン

京太郎「染谷まこの毒霧を反則だと指摘する久保さんが興奮して実況席から立ち上がる!
しかし、それに対して池田四郎は首を横に振っているのみ!どうやら染谷まこの毒霧は反則とみなされる事はないようです!」

一「あのさあ……君って本当に空気が薄いよね…」

睦月「………露出狂が何を偉そうに…」

京太郎「おおーとぉ!あっちの方ではハジメとむっきーの罵り合いが始まったぞォォォォ!」

255: 2010/03/18(木) 00:37:52.23 ID:xwVEVg6xO
一「だいだいさー、君…鶴賀の中で一番薄い人間だって理解してる?
うむ、うむ、ってさ……もしかして流行らそうとしてんの?」

睦月「そういうあなただって鎖に縛られているけど、そっちの趣味があるのですかね?
鎖と露出でキャラを作ろうとしているのがミエミエなんだけど」

ゆみ「なんだかドロドロしているな…」

モモ「むっちゃん先輩ってあんなキャラだったっすかね?」

透華「一……私はあなたをそんな悪い子に育てた覚えはありませんわ!」

井上「落ちつけよ透華!アイツは多分なにか作戦があってだな……」

智紀「…………愉快愉快」

256: 2010/03/18(木) 00:48:12.58 ID:xwVEVg6xO
一「目障りだから消えろよ!」

パシィン!

京太郎「おおーっと!ハジメのビンタが炸裂したぁ!」

睦月「そういうお前も粋がってんじゃないよ!」

パシィン!

一「背景係が調子に乗るな!」

パシィン!

睦月「とーかとーかってヒキガエルの様にブツブツうるさいんだよ!」

パシィン!

京太郎「ビンタの連続だぁ~!どちらも退くつもりはないようだ!お互いのプライドをかけた戦いなのかァァァァ!」

咲「京ちゃんノリノリだね……」

まこ「どうじゃ!ワシの毒霧は!?目が痛くて痛くてたまらんじゃろ!何せワシの店特製の毒霧じゃからのォォォォォォ!」

ドカッ ドカッ ドカッ

京太郎「あっちの方では今だに染谷まこの攻撃が続いているぅ!どうする深堀!?このままやられてしまうのか~?」

258: 2010/03/18(木) 01:04:03.54 ID:xwVEVg6xO
深堀「…………うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」バッ

ガシッ

まこ「な――――!?」

京太郎「おお、ついに深堀の怒りが爆発したぁ!風越の重戦車が染谷まこを蹂躙するのかぁぁぁ!?」

まこ「は…放せ!放さんかいボケッ!」

深堀「うおおおおおおおお!」

久「ま……まこの身体が宙に浮いているわ…!」

ゆみ「あ……あの構えはまさか!」

深堀「うりゃあああああああ!」

ドギャァァァァン!

まこ「ぐわあああああああああ!」

京太郎「ノーザンライトボムが決まったぁぁぁぁぁぁ!染谷まこは苦しそうに転がっているぞぁ!」

キャプテン「やったわね深堀さん!見事に一矢を報いたわ!」

和「染谷先輩が危ない!」

久「しっかりしてまこ!ノーザンライトボムなんて大丈夫でしょ!?」

260: 2010/03/18(木) 01:21:35.77 ID:xwVEVg6xO
まこ「ぐわああああああああああああ!痛ああああああああああああ!もう駄目じゃあああああああああ!」ゴロゴロゴロ……ストン

京太郎「おおーと、染谷まこが痛みのあまりリングの外へと落ちてしまったぁぁぁぁぁぁ!」

咲「染谷先輩……もう駄目みたいだね」

優希「うう……これでおしまいかだじょ!?」

まこ「調子に乗ってんじゃねーぞウドがぁぁぁぁぁぁ!」ガバッ

京太郎「染谷まこがリングからはいだし…おっと!手になにか持っています……あれは竹刀!染谷まこが竹刀を持って再びリングに上がりましたぁぁぁ!」

まこ「清澄ナメんなコラァァァァァァ!」

バシッ!バシッ!バシッ!バシッ!

深堀「ぐおおおお…!」

京太郎「叩く!叩く!叩くぅ!染谷まこが竹刀で深堀を叩き続ける!その姿はまさに外道!」

261: 2010/03/18(木) 01:36:18.66 ID:xwVEVg6xO
コーチ「池田てめえっ!凶器使用なんて明らかに反則だろぉがぁ!?いい加減にしろよコラァァァァ!」

池田「フンフーン♪」

京太郎「先ほど同様に実況席から乗り出して反則を指摘する久保さん!
しかしながら池田は凶器使用を見学したまま動こうとはしなーい!」

キャプテン「華菜ちゃん……どうして止めようとしないのかしら…!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

未春(キャ…キャプテンの目が怖い…!)

一「ほらほらぁ!さっきまでの威勢はどうしたのさぁ!?」

ピシッ! ピシッ! ピシッ!

睦月「ぐうううう…!」

京太郎「なんという事だー!ハジメの方もどこから取り出したのか、鞭でむっきーを責め立てているうううう!」

蒲原「ワハハ…、もはやなんでもありだな……」

妹尾「凄く痛そうだなぁ……睦月ちゃん」

透華「その調子ですわ一!もっともっと私に代わって目立ちなさいまし!」

263: 2010/03/18(木) 01:54:25.36 ID:xwVEVg6xO
一「よいしょっと!」

睦月「くうう…!」

京太郎「おーっと!鞭によるダメージで倒れているむっきーの身体を一がおさえこんだ~!」

透華「お見事ですわ一!さあさあ、レフェリー!早くカウントをおとりなさいまし!」

蒲原「しっかりしろむっきー!」

妹尾「負けないで睦月ちゃーん!」

池田「ワン!…………………………………………………………………………ツー!」

咲「カウント遅っ!」

透華「キー!何をしているんですかあのレフェリーは!一の活躍に水をさすなんて!」

コーチ「なにしてんだ池田ァァァァァァァァ!ちんたらカウントとってんじゃねぇ!早くカウントを取りやがれぇぇぇ!」

池田「もしもし華菜ちゃんだし」

京太郎「なんと池田四郎…カウントの途中で携帯電話で会話を始めましたぁぁぁぁぁぁ!」

267: 2010/03/18(木) 02:12:12.39 ID:xwVEVg6xO
睦月「うむむ…むう!」ガバッ

京太郎「おっと!むっきー、池田四郎が携帯で会話をしている間にハジメの押さえ込みから逃れました!」

蒲原「やったぞむっきー!よくやった!」

透華「きぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!よくも一の活躍を奪いましたわねぇぇぇ!後でぶち頃してやりますわ!」

井上「お…お前、キャラが変わってねーか?」

まこ「往生せーやコラァァ!」ガバッ

京太郎「おおー!?今度は染谷まこが深堀を押さえ込んだんだぞ~!」

キャプテン「ふ…深堀さんが!」

池田「ワンツー!」

咲「今度はカウント早っ!?」

深堀「ぐおお!」ガバッ

京太郎「おっと、深堀!カウントが2.5の所で、染谷まこの押さえ込みから脱出したぁぁぁ!」

久保「池田ァァァァ!喧嘩売ってんのかコラァァァァ!なんで今度は早いんだよォォォォォォ!こっち来いよオラァァ!」

271: 2010/03/18(木) 02:31:28.24 ID:xwVEVg6xO
池田「レフェリーは常に公平だし」

京太郎「沸き起こる池田四郎へのブーイング!しかし、当の本人は至って公平だと言っております!」

未春「華菜ちゃん……いくらなんでも横暴だよ」

まこ「ブゥッ!」

睦月「ぐわあああ!」

京太郎「おーっと!再び染谷まこの毒霧が放たれた!それに対してむっきーが苦しそうに顔を歪めています!」

久「まこ……一体どこから毒霧を出しているのかしら」

和「考えたら負けだと思います……」

まこ「とりゃああああああ!」

バギィッ

睦月「があああっ!」

京太郎「染谷まこのニードロップが決まったぁ!むっきーはもはやここまでなのか!?」

蒲原「ああ、むっきー・サムライがまたピンチだー!」

モモ「むっちゃん先輩……全く良い所がないっすね」

272: 2010/03/18(木) 02:46:19.10 ID:xwVEVg6xO
一「すきあり!」

バギィッ!

まこ「かはっ!?」

京太郎「おーっと!?ニードロップを決めたまこの隙をついたハジメのドロップキックが決まったぁぁぁ!」

透華「よくやりましたわ一!それでこそ龍門渕ですわ~!おーほほほほほほほほほ!」

智紀「とーか……実に面白い…」

一「悪いけど、むっきーはボクがもらうよ」ガバッ

京太郎「染谷まこが倒れている隙にハジメがむっきーを押さえ込んだ!もはやここまでかむっきー!?」

池田「むにゃむにゃ……もう食べられないし」

京太郎「なんという事だ~!?なんと池田四郎…いつの間にかリングに布団をしいて寝ています!
もちろんカウントは実行されていません!」

透華「………あの小娘ぇぇぇぇ!ぶっ頃してやりますわああああああああああああああああああ!」

井上「落ちつけ透華!一が反則負けになっちまうぞ!」

衣「ジュースのおかわりはまだか~?」

274: 2010/03/18(木) 03:00:32.85 ID:xwVEVg6xO
コーチ「池田ァァァァ!試合中になに寝てんだコラァァァァ!起きろオラァァァァァァ!」

池田「うーん……よく寝ただし……」

京太郎「ようやく眠りから覚めた池田四郎!しかしながら、すでにハジメの押さえ込みは外されてしまっているぞ~!」

藤田プロ「もうアイツ、レフェリーをやめた方がいいんじゃないか?」

京太郎「ようやく口を開いた藤田プロの的確な指摘も炸裂したぁぁぁ!」

咲(風越のコーチさん……さっきから叫んでいるけど大丈夫なのかな…?」

京太郎「全く決着のつかないファイトが続いております!果たしてこの戦いに終わりは来るのか~!?」

?「ちょっと待った!」

京太郎「な、何者かの叫び声が聞こえて来ました…誰だ!?」

透華「だ……誰ですのあんな所に立っているのは…?」

咲「え……嘘…!あれってもしかして……お姉ちゃん!?」

照「私を差し置いて最強を決めるだなんて良い度胸ね……」

275: 2010/03/18(木) 03:18:18.82 ID:xwVEVg6xO
京太郎「なんという事でしょう!?まさかあの宮永照がこのsaki祭りに来ていたとは!
まさか他の四人を倒して最強になろうというのか~!」

咲「なんでこんな所にいるのお姉ちゃん…!」

照「ねぇ……私を差し置いて最強を決めるなんてふざけた話だと思わない?」

京太郎「まさに一触即発のこの状況!実況している私もハラハラドキドキしております!」

久「一体どうなるのかしらね…」

照「全く腹立つわ……特にお前が!」

タッタッタッ…!

京太郎「おーっと、宮永照がリングに向かって走り出した~!すでに戦いの準備はできていたみたいだ~!」

シュン バギィッ!

池田「ぎゃああああああああああああ!」

京太郎「なんと!宮永照のラリアットが……池田四郎に決まりましたぁ~!一体どうしたのか宮永照!まさかのレフェリー暴行か!?」

277: 2010/03/18(木) 03:27:54.51 ID:xwVEVg6xO
池田「ゴホ…ゴホ…!何をするんだし!?」

照「さっきから見てればふざけた真似ばかりして……この腐れレフェリーが!」

バギィッ!

池田「ぐはぁっ!」

京太郎「さらに宮永照のエルボーが池田四郎の腹に決まったぁ!辛そうだ池田四郎!」

コーチ「私にもやらせろコラァァァァ!」バッ

京太郎「ついに我慢の限界を向かえた久保さんが池田四郎に向かって走り出します!
もはやこれは…池田四郎への制裁と言っても過言ではないでしょう!」

未春「だから言ったのに華菜ちゃん……」

蒲原「ワハハー、今までさんざん好き勝手やってきた罰だなー」

透華「私にもやらせろですわああああああ!」

井上「お前は行かなくてもいいだろ!」

智紀「ユニーク………」

衣「とーか………衣は眠くなってきたぞ…」

278: 2010/03/18(木) 03:40:58.33 ID:xwVEVg6xO
コーチ「池田ァァァァ!調子に乗ってんじゃねーぞ!!」バギィッ

池田「ぎゃはー!」

まこ「空中染谷チョップ!」バギィッ バギィッ バギィッ バギィッ

池田「ぎぃええええええ!」

一「よくもボクの出番を奪ったな!」シュン ドゴッ

池田「ばわあああああああああ!」

睦月「許すまじ」ベキッ

池田「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」

深堀「…………ふん!」パシンッ

池田「ひいいいいいいいいいいいいい!」

京太郎「溜まりに溜まった鬱憤を吐き出すかの様に続く池田への制裁!
しかしながら誰一人止める者はいません!
それどころかもっとやれ!もっとやれ!と池田抹殺コールが会場中に響いております!」

280: 2010/03/18(木) 03:55:13.18 ID:xwVEVg6xO
照「これで……終わりだああああああ!」

スウッ……バキャアン!

池田「があああああああああああああああああ!!」

チン!チン!チン!チン!

京太郎「決まりました宮永照のブレーンバスター!それと同時に戦いの終わりを告げるゴングが鳴った!」

キャプテン「うふふ……ちょっとオイタが過ぎちゃったわね華菜……」

ゆみ「見てて痛々しいな……まあ、自業自得だが」

池田「あば…あば…あば…」ピクッピクッ

京太郎「まさかまさかの池田四郎の敗北!こんな事態を一体誰が予想していただろうか?saka祭りはまさにどんでん返しの連続でした。しかしながら、この戦いに参加した戦士全員が勝者だと私は思います!
それでは放送時間もそろそろ終わりに近付いてまいりました!実況は私、須賀京太郎でお送りいたしました!それでは皆さん、また会う日まで……ごきげんよう!」

      第5話「ギブアップの声はまだ早い」

次回 咲「あははははははははは」

296: 2010/03/18(木) 10:54:42.62 ID:xwVEVg6xO
【部室】

咲「京ちゃーん!ジュース買ってきたよ!」

京太郎「おっ、悪いな咲!買いに行ってくれてありがとな!」

咲「ううん、いつもは京ちゃんが買いに行ってくれてるんだから気にしないで!」

京太郎「そうか、確かにそうだよな!」ゴクゴクゴクゴク…

咲「ねぇ、京ちゃん」

京太郎「うん?どうした咲」

咲「部長さん達、いつ来ると思う?」

京太郎「そうだなー、確か遅れてくるって言ってたからま……だ……あれ?」バシャッ

咲「どうしたの京ちゃん!ジュースこぼしちゃったよ!?」

京太郎「急……に…ね…む………く……なって……」ガクッ

咲「京ちゃん………………クス」

ズリ…ズリ…ズリ…ズリ…

298: 2010/03/18(木) 11:06:38.43 ID:xwVEVg6xO
【三十分後】
京太郎「う……ん…?なんで俺はベッドの上で寝てるんだ?」

グス……グス…

京太郎「確か俺は……ジュースを飲んだ後、急に眠くなって……」

グス……エック…

京太郎「あれ、なんで俺…上半身が裸なんだ?」

咲「ひどいよぉ……京ちゃん……」グス…

京太郎「うおおお!?咲、お前…どうして裸なんだよ!」

咲「グス……京ちゃんが…京ちゃんが……」

京太郎「な……なんの話だよ!いいから早く服を……」

久「何を……しているの?」バサッ

まこ「ほほう……これはこれは」

優希「京太郎……お前…咲ちゃんに…」

和「宮永さん―――大丈夫ですか宮永さぁぁぁん!」

咲「…ふぇぇぇぇぇぇぇん!!」

京太郎「ち……違う!これは違うんだ!」

299: 2010/03/18(木) 11:20:07.95 ID:xwVEVg6xO
久「須賀君あなた……自分が何をしたのか分かっているの!?」

京太郎「待ってください部長よ!俺は何も…」

まこ「ひどい奴じゃのお前…咲を押し倒しておいて」

京太郎「そ、そんな事してませんよ!俺は…」

優希「じゃあこれはなんだじょ?犬、お前というやつはなんて腐った野郎だじぇ!」

京太郎「だーかーら!違うって言っているだろ!どうすれば分かってくれるんだよ!」

和「須賀君!あなたの言い訳なんて聞きたくありません!本当に見損ないました……この悪魔!」

京太郎「の……和……違う……俺は違ううう!」

和「ごめんなさい宮永さん……もっと早く私達が来ていればこんな事には……本当にごめんなさい!」ポロポロ…

咲「グス………グス…怖かった……怖かったよ皆!」ガバッ

301: 2010/03/18(木) 11:45:41.87 ID:xwVEVg6xO
京太郎は自分の身の潔白を主張し続けたが、信じてもらえるはずもなかった

久「須賀君……あなたには本当に失望したわ!もう二度と麻雀部に来ないでちょうだい!」

京太郎「そ……そんな…!」

和「部長の言う通りです!あなたの顔なんて二度と見たくありません!」

優希「犬………私に言ってくれたらよかったのに…」ボソッ

まこ「すまん、京太郎…いくらワシでもお前を弁護できそうにないわい」

京太郎「みんな……………」

久「さあ、早く出てってちょうだい須賀君!あなたの様な人は麻雀部にいる資格はないわ!」

京太郎「………………分かりました」トボトボ…

咲「グスッ………グスッ……ごめんねみんな…」

和「宮永さんは何も悪くありません…悪いのは全部須賀君なのですから」

咲「………………クスッ」

303: 2010/03/18(木) 12:14:08.68 ID:xwVEVg6xO
京太郎「なんでこんな事になっちまったんだよ……俺は本当に何もしていないのに…」ポツリ

京太郎「そもそも俺はずっと寝てた……あれ?確か俺は咲から渡されたジュースを飲んだ後、意識が……」

咲「京ちゃん」

京太郎「さ………咲!?お前…なんでここに!」

咲「京ちゃんに会いたかった……からかな?」

京太郎「咲、本当に俺は何もしていない……俺は」

咲「知ってるよ」

京太郎「え……?」

咲「だって京ちゃんはずっと眠っていたんだから。京ちゃんの寝顔…すっごく可愛かったよあはははは」

京太郎「咲……それってどういう事だよ咲」

咲「私が京ちゃんのジュースに薬を入れておいたんだよ……そしてベッドに移動させて…京ちゃんの服を脱がせた後に自分の服も脱いで…
そして泣き真似をすればさっきの状況の出来上がり。京ちゃんを運ぶ時は大変だったよ~!」

305: 2010/03/18(木) 12:49:56.19 ID:xwVEVg6xO
京太郎「なんでだよ咲!?なんでそんな事をしたんだお前!」

咲「京ちゃんが悪いんだよ」

京太郎「へ…?」

咲「京ちゃんが他の女の子ばっかり見て、私の事を見てくれなくなったからなんだよ?ねえどうして?
昔はもっと私の事を見てくれてたのに…京ちゃんは私の事が嫌いになったの?ねえ?ねえ?ネエ?」

京太郎「咲……お前、何を言って……」

咲「もう私も我慢の限界だよ、京ちゃんがこれ以上私以外の女の人を見るのは堪えられない
京ちゃんは私だけを見ていればいいの私以外の女の子を見れなくしてあげるよあはははははははははははは」

京太郎「落ち着け咲!落ち着け!」

咲「あはははははははははははははははははは!
京ちゃん!私の可愛い京ちゃん!永遠に私のものだけにしてあげる!」

京太郎「やめろ!咲!」

咲「京ちゃ~ん!!」バチッ!

京太郎「か……は…」バタンッ

咲「ふふふふふ…ちょっとだけ眠っててね私の京ちゃん……」バチバチバチ……

309: 2010/03/18(木) 13:37:38.83 ID:xwVEVg6xO
ピチャーン… ピチャーン…

京太郎「う………ん……ここは…?」

咲「おはよう京ちゃん」チュッ

京太郎「うわぁぁぁ!さ…咲!?ここはどこだよ!」

咲「あははははははははは、ここはね…私と京ちゃんの愛の巣だよ♪」

京太郎「あいの……す…?」

咲「そう、ここには私と京ちゃんしかいない…誰もこの場所に来る事もない
京ちゃんはずーっと、ここで私と二人で暮らすんだよ
え い え ん に ね 」

京太郎「ふ……ふざけるな咲!これはこんな場所に――!」

ズキッ

京太郎「かはっ…!」

咲「動いちゃ駄目だよ京ちゃん!まだスタンガンのダメージが残っているんだから
ふふふ……でも、京ちゃんは鎖で繋がれてるから、どっち道動く事は出来ないけどねあはははははははははははははは♪」

310: 2010/03/18(木) 13:58:40.25 ID:xwVEVg6xO
京太郎「咲……お前……!」

咲「安心して京ちゃん、ちゃんとご飯は私が作ってあげるから!京ちゃんも食べたいものがあったら遠慮しないで言ってね。
すっぽんだって赤マムシだってウナギだって……ちゃんとおいしく作ってあげる!だから京ちゃん……私だけをずっと見ててね」コツコツ……

京太郎「か…え…し…て……く…」

咲「本当はもっと京ちゃんとお話したいけど、これから学校があるから…ごめんね京ちゃん」

京太郎「お……前……!」

咲「それじゃあ京ちゃん!私は学校に行ってくるから…ちゃんと待っててね…私の大好きな京ちゃん」

京太郎「さ……き…待て……」

ギイイイイイ…… ガシャアアアアン

咲「あは…あはは……あはははははははははははははははははははははははは!」

312: 2010/03/18(木) 14:26:30.73 ID:xwVEVg6xO
【数日後】

和「宮永さん、今日は三人で一緒に食事にでも行きませんか?」

優希「タコス食べ放題の店に行くじぇ!」

咲「ごめんね二人共、これから行かなきゃいけない所があるの」

和「そうですか……それなら仕方ないですね」

まこ「京太郎の奴…今日も学校に来ていないみたいじゃな」

久「みたいね…まあ、あんな事をしておいて普通に学校に来ていたら、それはそれで腹が立つけどね」

咲「……………………」

和「部長、須賀君の話はやめてください……大丈夫ですか宮永さん?」

咲「うん……大丈夫だよ。ごめんね…心配させてしまって」

和「いえ、友達として当たり前の事ですよ!それに宮永さんが悲しむ顔は見たくありません……」

咲「ありがとう原村さん……それじゃあ私はこれで!」タッタッタッ……

優希「………………………」

315: 2010/03/18(木) 14:46:05.59 ID:xwVEVg6xO
京太郎「くそっ……鎖が外れねえ……どうすればいい?早くしないとあいつが帰って…」

ギイイイイイ……

咲「ただいま~!京ちゃん!今日は焼き肉だよ~!」

京太郎「し…しまった…」

咲「あははははははははは、京ちゃんったらまた無駄な事してる~!
いくらやっても鍵がないと外せないって何回言ったら分かってくれるのかなぁ~?」

京太郎「咲、もうやめてくれよ咲!いつもの咲に戻ってくれよ!」

咲「フフフ…何を言ってるの京ちゃん?これが本当の私だよ
京ちゃんの事が世界で一番大好きで京ちゃんの事を誰よりも一番愛している私なんだよ
ねえ、京ちゃん…もちろん京ちゃんも私の事が好きだよね?」

京太郎「咲……だから!」

咲「す き だ よ ね 」

京太郎「…………………コク」

316: 2010/03/18(木) 15:06:19.30 ID:xwVEVg6xO
咲「あははは、京ちゃんだーいすき!」チュッ

京太郎「……………………」

咲「それじゃな買い物行ってくるから…ちゃんとお留守番するんだよ京ちゃん♪ご飯はここに置いておくね!」

ギイイイイイ… ガシャアアアアン…

京太郎「くそっ…!どうしてこうなっちまったんだよ!………ん?」

キラリーン

京太郎「あれはまさか……この鎖の鍵か!?あれを使えば!」

スルスル…ガタン!

京太郎「いってー!あまり身体を動かしてなかったからか…思うように身体を動かせん…」

ズル…ズル…

京太郎「駄目だ…後もう少しなのに手が届かない…!もっと…もっと手を伸ばせないのかよ…!」

ギイイイイイ……

京太郎(しまった…!咲の奴…もう帰ってきたのかよ!?せっかくのチャンスだったのに…駄目か!)

?「京太郎……大丈夫かだじぇ?」

京太郎「この声はまさか……タコスか!?」

318: 2010/03/18(木) 15:26:33.09 ID:xwVEVg6xO
優希「嫌な予感がして咲ちゃんの後をついて行ってみたら…一体これはどういう事だじょ!?」

京太郎「タコス、説明は後だ!とりあえずそこにある鍵を俺にくれ!」

優希「わ、分かったじぇ!」

京太郎「ありがとよタコス!これを使えば…」

カチャカチャ…… カチィン

京太郎「よし!外れた!感謝するぜタコス!」

優希「京太郎、なんでお前はこんな所に」

京太郎「それは後で話す!今は早くこの場所から立ち去…」

咲「くらえっ!」ブォン!

京太郎「危ねえ!」

ガシャアアアアン!

優希「さ……咲ちゃん!?」

咲「あはははははははははははは優希ちゃん、なんでこんな所にいるのかな?ここは優希ちゃんのようなよそ者は来ちゃいけないんだよ」

京太郎「やめろ咲!そのバットを捨てるんだ!」

咲「あはははははははははははは!優希ちゃん…悪いけど私と京ちゃんのために…氏んで!」ブォン!

321: 2010/03/18(木) 15:55:19.68 ID:xwVEVg6xO
優希「誰がお前に殺されるものか!それはこっちの台詞だじぇ!」チャキッ

咲「あは!包丁なんか出して、もしかして優希ちゃん…私を頃すつもりなの?優希ちゃんの分際で生意気だよ!」ブォン

ガシャアアアアン!

優希「京太郎は私のものだじょ!誰にも渡さないじぇ」ヒュンッ

咲「あははははははははは!外れ~♪優希ちゃんなんかに殺される私じゃないんだよ!」

京太郎「狂ってる……何もかも狂ってやがる…!」

優希「うるさいうるさいうるさい!京太郎を苦しませた事を後悔させてやるじぇ!」チャキッ

咲「あはははははははははははははははははは!なら来てよ!優希ちゃん!」ブォン

優希「くっ……!」

322: 2010/03/18(木) 15:57:43.26 ID:xwVEVg6xO
咲「あははははははははは、今、楽にしてあげるからね優希ちゃん!」

優希「しまったじぇ…!」

咲「さようなら…優希ちゃん!」ブォン!

優希「――――――!」ギュッ

ガァァン!

京太郎「かはっ…!」ガクン

優希「な……京太郎!?」

咲「きょ……京太郎どうして!?」

京太郎「いててて……咲、もうやめてくれ…優希もだ…!」ツー

優希「京太郎……頭から血が――!」

咲「どうして…どうして優希ちゃんなんかを庇ったりしたの京ちゃん!?」

326: 2010/03/18(木) 16:50:20.35 ID:xwVEVg6xO
優希「そうだじょ京太郎!どうして私を……!」

京太郎「咲…優希…お前達が頃し合う理由なんて一つもないじゃないかよ……!お前達は仲間だったんじゃないのか……笑い合える友達なんじゃないのか…!」ツー…

咲「京ちゃん……私は京ちゃんの事が」

京太郎「咲…これ以上…誰かを傷付けるつもりなら…俺はお前の事が嫌いになっちまうぞ…?
優希も……お前達二人共…俺が好きだった二人に戻ってくれよ……!」

優希「京たろお……」

京太郎「それがもし……許せないのなら…俺を頃してくれ……それならお前達も頃し合いをせずにすむ…」

優希「そんな…そんな事できるわけ…!」

京太郎「悪いなタコス…!俺のせいで…そんなにボロボロになっちまって…!これ以上は…俺だけでいい……情けない奴は……俺だけで十分だ…!」

咲「……………………」

京太郎「咲ぃ………俺が氏んだら…それで終わりにしてくれるか………」

331: 2010/03/18(木) 17:12:51.36 ID:xwVEVg6xO
カラン…カラン…

優希「咲ちゃん……?」

咲「できる訳ないよ……そんな事、できる訳ない!」

京太郎「咲……」

咲「グスッ……エック…ごめんなさい京ちゃん……!ごめんなさい……だから…嫌いにならないで京ちゃん……!」

京太郎「咲………ごめんな…こうするしかなかったんだ…」

優希「京太郎……私の方こそごめんだじょ……傷…大丈夫か…?」ポロポロ

京太郎「ああ……ちょっとフラフラするけど、大丈夫だ……ありがとな、優希」

咲「京ちゃん……グスッ…」

京太郎「それじゃあ二人共、ここから出るとしようぜ!部長達も待っている事だしな!」

咲「……………それは無理だよ京ちゃん」

京太郎「………え?」

咲「確かに優希ちゃんとは喧嘩しない事に決めたけど…それとこれとは話は別だもん」

京太郎「お前………!?」

優希「咲ちゃん……やっぱり咲ちゃんは…」

333: 2010/03/18(木) 17:40:18.27 ID:xwVEVg6xO
咲「安心して優希ちゃん、私はもう優希ちゃんと喧嘩をするつもりはないから」

優希「えっ……?」

咲「私、考えたんだ…京ちゃんを独り占めしようとするから駄目なんだって
だから京ちゃんは…私と優希ちゃんの二人だけのものにすればいいんじゃないかな?」

京太郎「……………は?」

咲「だってぇ、優希ちゃんと二人で京ちゃんを愛していれば争う必要なんかないよね?
京ちゃんは私達の事を思ってくれているんでしょ?」

京太郎「な……お前…何を言って…!?」

優希「頭いいじぇ咲ちゃん!なんでそんな簡単な事に気が付かなかったんだじょ!?」

咲「だよね、優希ちゃん!この場所を私と優希ちゃんと京ちゃんだけの愛の巣にしよう!」

京太郎「ちょっと待てお前ら何を―――!」

335: 2010/03/18(木) 17:41:51.75 ID:xwVEVg6xO
優希「それじゃあ早速…京太郎のために愛の子作りをしようじぇ咲ちゃん!」

咲「うん、そうだね優希ちゃん!そうしようそうしよう!あはははははははははははははははははは」

優希「あははははははははははははははははははははは」

京太郎「だ……誰か助けてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

ギイイイイイイイイイイ バタンッ…!



      第6話「ヤンじゃった!ヤンじゃった我々!」
次回   ゆみ「鶴賀探検隊だと………?」

339: 2010/03/18(木) 17:54:54.20 ID:xwVEVg6xO
ちょっと 休憩

344: 2010/03/18(木) 19:06:31.32 ID:xwVEVg6xO
【ブラジル】

キィィィィィィン……

蒲原「ワハハー、ようやくブラジルにたどり着いたなー!」

睦月「うむむ…ブラジルなんて初めて来ました…」クラクラ…

妹尾「な…なんだか緊張するね~!」ワクワク

モモ「ここがブラジルっすか!やっぱり外国の空気は違うっすね先輩!」

ゆみ「ああ……そうだな。それよりも蒲原…お前に聞きたい事がある」

蒲原「ワハハー、なんだいゆみちん?」

ゆみ「何…簡単な事だ、非常に簡単な事………なぜ私達がブラジルにいるのか説明を求める!」

蒲原「ワハハー!なんだその事かー、ゆみちんも細かいなー!」

ゆみ「そういう問題じゃないだろ!?旅行に連れていってくれるって聞いたからついていってみたら……
場所がブラジルっていくらなんでもおかしいだろ!?」

蒲原「ワハハー!まあまあ、落ち着いてゆみちん!それはこれを見れば分かるぞ~!」パラリ

346: 2010/03/18(木) 19:27:45.75 ID:xwVEVg6xO
ゆみ「なになに……『鶴賀学園探検隊!アマゾンに眠る幻の20メートル蛇を追え!』……なんだこれは?」

蒲原「ワハハー!この前、学園の方からこの企画をやらないかって聞かれてなー!二つ返事でOKしたんだ!」

ゆみ「おい!なんで、その事を私に言わなかったんだ蒲原!」

蒲原「ワハハー、だってゆみちんいなかったじゃないか~!仕方ないだろー?」

ゆみ「お前なぁ……!」

モモ「落ち着いてくださいっす先輩!20メートル蛇なんて凄いじゃないっすか!」

睦月「…………本当にいると思っているのか?」

モモ「もちろんっすよ!20メートル蛇なんて見付けたら大発見じゃないっすか!」

ゆみ「……頭が痛くなる」

妹尾「道理で私達の荷物の中にアーミーナイフがあった訳だよ…」

蒲原「ワハハー!探検に使う道具なら学園から沢山支給されてるから大丈夫だぞー!」

ゆみ「そういう問題じゃないだろ…」

349: 2010/03/18(木) 19:52:08.43 ID:xwVEVg6xO
蒲原「ワハハー!学園の話だと探検をすました後は自由にしていいらしいから、チャッチャッと終わらせて遊ぶとしますかー」

妹尾(チャッチャッと終わりそうにないんだけど……言わない方がいいのかななぁ?)

睦月「しかし…私達は現地の言葉なんて分かりませんよ?それに地理に関しても分かる訳ありませんし…」

ゆみ「睦月の言うとおりだな……蒲原、どうするつもりなんだ?」

蒲原「ワハハー、それなら心配ご無用!学園の話によると通訳も出来る案内人が現地にいるらしいぞ~!
かなり信頼できるらしいから安心してくれだってさ!」

ゆみ「ほう……ならいいんだけどな…」

妹尾「そろそろ来るはずなんですが……」

ブロロロロ……

蒲原「ワハハー!どうやら来たみたいだぞー!」

キイイイイイイイイ…… ガチャッ バタンッ…

京太郎「鶴賀の皆さん!ブラジルにようこそ来てくれました!私が現地の案内と通訳を担当させていただく須賀京太郎です!」

352: 2010/03/18(木) 20:08:35.54 ID:xwVEVg6xO
ゆみ「お前は清澄の麻雀部員!?なんでお前がブラジルにいるんだ!」

京太郎「ああ、ちょっとした副業って奴ですよ!気にしないでください!」

ゆみ「いや、普通に気になるんだが…」

蒲原「ワハハー!よろしく頼むぞ案内人!」

京太郎「ははは!任せてください!期待に答えてみせますよ!」

モモ「ところで空気さん!幻の20メートル蛇って本当にいるっすか!?」

京太郎「なるほど、皆さんはリンシャンカイホーを見付けるために来たんですね!」

ゆみ「リンシャン……なんだって?」

京太郎「わはははは!皆さんのいう20メートル蛇はですね、
現地ではリンシャンカイホーと呼ばれているんですよ!」

睦月「………リンシャンカイホー…なんて分かりやすい名前なんだ」

妹尾(リンシャンカイホー………変な名前)

354: 2010/03/18(木) 20:26:51.24 ID:xwVEVg6xO
京太郎「それでは皆さん!早速アマゾン川に行く事にしましょう!さぁ、乗って乗って!」

睦月「う……うむ」

妹尾「なんだかワクワクしてきちゃったよ!」

モモ「幻の20メートル蛇……待っていろっすよ!」ドキドキ

蒲原「ワハハー!一体何が待ち構えているんだろうなー!」

ゆみ「はあ……先が思いやられるよ…全く」

バタンッ ブロロロロロロロロ……

こうして鶴賀麻雀部は幻の20メートル蛇、リンシャンカイホーを求め、アマゾンへと向かった!
しかし、これから数々の恐怖が待ち構えている事を彼女達は知るよしもない!
果たして、加治木ゆみ率いる鶴賀麻雀部はリンシャンカイホーを見付ける事が出来るのだろうか!?
彼女達の戦いが今、ブラジルの地にて幕を開ける!

359: 2010/03/18(木) 20:48:37.84 ID:xwVEVg6xO
車で移動する事三時間、ようやく麻雀部員はアマゾン川へとたどり着いた!
部員達は偉大なるアマゾン川の前に早くもペースを呑み込まれてしまいそうになる!


ゆみ「さて、着替えた訳だが……これからどうするつもりなんだ?」

蒲原「ワハハー、リンシャンカイホーはアマゾンの奥深くにいるらしいから、まずは船で移動する事にしよう!」

モモ「リンシャンカイホー…私が捕まえてみせるっすよ!」

睦月「うう…乗り物酔いしてしまった……」

京太郎「皆さん、気を抜かないでくださいよ!常に危険は我々の隣にいるんですからね」

こうして部員は船の中へと移動する!
船に揺られながらも隊長であるゆみは考え事をしていた!

ゆみ(私達……麻雀部だよな?)

しかし、そんな彼女達に恐怖は唐突に現れた!

360: 2010/03/18(木) 21:12:05.54 ID:xwVEVg6xO
京太郎「この野郎!あっち行きやがれ!」

ガチャ パーン! パーン!

突如、船内で銃声が鳴り響く!案内人である京太郎が水中に向かってライフルを撃っているのである!

蒲原「ワハハー!何をしているんだ~!」

ガチャ パーン! パーン!

ライフルで数発撃った京太郎は額の汗を拭うと、ライフルを使った理由を説明する!

京太郎「蛇が船内に侵入しようとしたんだ」

モモ「蛇って……もしかしてリンシャンカイホーっすか!?」

京太郎「いえ、違います……リンシャンカイホーではありません!しかし、人を攻撃する凶暴な蛇である事は確かです」

妹尾「そ……そんな…私達どうなっちゃうの?」

予期せぬ事態に妹尾を始め、他のメンバーにも恐怖の色が浮かび上がる!
しかし、彼女達にはリンシャンカイホーを見付けるという使命がある!
今さら引き返す事などできないのだ!

362: 2010/03/18(木) 21:29:07.93 ID:xwVEVg6xO
蛇の侵入というアクシデントに見舞われながらも、麻雀部はようやく陸地へと降り立った!

蒲原「ワハハー、やっと陸地だ!」

睦月「うう……気持ち悪い…」

妹尾「大丈夫、睦月ちゃん?」

ゆみ「船に乗っていただけなのに、なんだか凄く疲れた……」

メンバー一同に安堵の表情が浮かびあがる!しかし、次の瞬間、戦慄の事態が彼女を襲う!

京太郎「モモの足にサソリがいる!」

モモ「た、助けてくれっすよ~!」

なんと東横桃子部員の足にサソリがくっついていた!

蒲原「ワハハ……落ち着くんだモモー!」

京太郎「動かないでくださいよモモ!刺されれば命はありません!」

サソリの尻尾に付いている針に刺されれば、40度以上の高熱にうなされ
最悪の場合氏に至る!モモはすでに生きるか氏ぬかの状況を迫られているのである!

363: 2010/03/18(木) 21:42:56.39 ID:xwVEVg6xO
恐怖に怯えるモモを安心させるべく京太郎は彼女の足からサソリを取り除く。だが、これで恐怖は終わった訳ではない!

妹尾「む…睦月ちゃんの足下にもサソリが!」

睦月「う…うわぁぁぁぁ!」

睦月部員の足下だけにとどまらず、至る所でサソリが移動している!
不運な事に、麻雀部はサソリの住み処に足をおろしてしまったようだ!

京太郎「早くここから立ち去った方がいいですね……」

ゆみ「確かにそのとおりだ……皆、早くここから移動しよう!」

モモ「わ……分かったっす!」

蒲原「ワハハ……まさかサソリがいるなんて思わなかったなー!」

ザッザッザッ…

スコーピオンの毒の餌食になる前に住み処から立ち去る麻雀部員達!
しかし、このスコーピオンの恐怖もほんの序の口に過ぎない!

366: 2010/03/18(木) 22:17:09.00 ID:xwVEVg6xO
ゆみ「もう帰りたい……」

蒲原「ワハハー、弱音をはくなんてゆみちんらしくないぞー?」

ゆみ「お前はこの状況をなんとも思わないのか!?サソリだの蛇だの……頭がおかしくなりそうだ!」

八つ当たりをするかのように蒲原部員に対して怒鳴りちらすゆみ隊長!おそらくサソリの恐怖によって、少々錯乱しているのだろうか!
そんな彼女を落ち着かせるべく、モモ部員がゆみへの説得を試みる!

モモ「落ち着いてくださいっす先輩!私の知っている先輩は皆の前で弱音を言う人ではなかったっすよ」

ゆみ「モモ……そうだな…他の皆も悪かった…情けない姿を見せてしまって…」

蒲原「ワハハー!ゆみちんも人間だもの!仕方ないさー!」

一同「ははははは!」

笑い声をあげる一同の中、京太郎だけが茂みの方を睨み付ける!
そして、おもむろにライフルを構え茂みに向かって発砲した!

ガチャ パーン!パーン!

367: 2010/03/18(木) 22:42:14.62 ID:xwVEVg6xO
モモ「ど……どうしたっすか急に!?」

京太郎「茂みの中にワニがいたんだよ」

京太郎はライフルをしまいながら不審に思うモモの問いに答える!
どうやらこのアマゾン川に生息するワニが部員を狙っていたらしい!
蛇、サソリ、そしてワニと次々と自然の脅威が彼女達を襲う!
しかし、今だにリンシャンカイホーの姿を目撃できないまま、むなしく時だけが過ぎていく!
部員達が森を抜けた時には、闇がこのアマゾンを支配していた!

京太郎「今日はここまでにしましょう」

睦月「うむ……その方が良いみたいだな」

ようやく訪れた安らぎの時間に、部員一同は胸を撫で下ろす。
しかし、そんな安らぎの時でさえ、自然の脅威は情け容赦なく彼女達に襲いかかる!

京太郎「モモの背中に毒グモがいる!」

モモ「ひいい!またっすか~!?」

369: 2010/03/18(木) 22:56:59.20 ID:xwVEVg6xO
京太郎「動かないでくださいよ……」ポイッ

モモ「あ、ありがとうっす……」

蒲原「ワハハー、モモはサソリやらクモやら…動物に好かれているな~!」

モモ「全然嬉しくないっすよ……」

妹尾「明日はどうするつもりですか……?リンシャンカイホーの手掛かりが見つからない事にはどうしようもありませんし…」

京太郎「明日は最近リンシャンカイホーが暴れたとされる場所へ案内しようと思います
リンシャンカイホーの手掛かりが見つかるかもしれません」

ゆみ「そうだな…ここは京太郎の言うとおりにしよう」

蒲原「ワハハー、それじゃあ私達は眠るとしますかね」

明日へ備え、睡眠をとる一同
果たしてリンシャンカイホーは麻雀部員の前に姿を現すのだろうか!?
そして、何故須賀京太郎は銃を扱えるのだろうか!?

370: 2010/03/18(木) 23:16:58.63 ID:xwVEVg6xO
翌日、眠りから目を覚ました一同の目の前に衝撃的な光景が広がる!

蒲原「な…なんだこれは!?まるで巨大な生き物が通ったように木が折られているぞ~!」

モモ「これってもしかして…!」

京太郎「間違いない…これはリンシャンカイホーが通った後だ!」

ついにリンシャンカイホーの手掛かりを見つけた麻雀部!

妹尾「はわわ、どうします?この何かが通った後にそって移動しますか?」

睦月「うむ、私もそれが良いと思います……」

ゆみ「そうだな……よし!我々はこれより、リンシャンカイホーの通ったとされる場所に移動するぞ!」

蒲原「ワハハー!りょーかい!」

こうして、再び移動を開始する麻雀部!
果たしてこれは本当にリンシャンカイホーが通った後なのだろうか!

371: 2010/03/18(木) 23:32:26.37 ID:xwVEVg6xO
モモ「リンシャンカイホー!リンシャンカイホー!早く姿を見せろっす~!」

ゆみ「モモ……なんだその歌は?」

モモ「エヘヘ…この歌はリンシャンカイホーの…」

その時、丸太が麻雀部員の方へと転がってきた!

睦月「うむむむむ!」ガシッ

モモ「ああ!むっちゃん先輩!」

睦月部員が自分の身をていして丸太を受け止める!
危うく丸太の餌食になる所であった!睦月の勇気ある行動が麻雀部を救ったのである!

京太郎「それにしても何故、丸太が私達の方にきたんですかね?」

これはもしや、俺についてくるなというリンシャンカイホーからの警告なのだろうか!?
麻雀部一同に緊張が走る!

373: 2010/03/18(木) 23:54:00.74 ID:xwVEVg6xO
京太郎「そろそろ道が険しくなって来ましたね」

蒲原「ワ…ハ…ハ…もう疲れたぞ…」

ゆみ「諦めるな……きっと…リンシャンカイホーがここに…」

ガサッ!

妹尾「な……なに!?」

ついに、鶴賀探検隊が探し求めていたリンシャンカイホーがその全貌を現した!

ゆみ「こ…これは!」

妹尾「まさか…!」

モモ「そんな…!」

睦月「あり得ない…!」

蒲原「ワハハ…そんな!」

京太郎「こ…これがリンシャンカイホー!」

残念ながらテープはここで終わってしまい、その姿を皆さんに見せる事ができない……しかし、確かに鶴賀麻雀部はリンシャンカイホーを目撃したのだ!
きっと彼女達はこの冒険を忘れない……そしてこう思い続ける事だろう!「時間の無駄だった」と……

       第7話「迷ってんの Wow!Wow!」

次回 未春「お前ら全員敵だ!」

375: 2010/03/18(木) 23:58:31.04 ID:xwVEVg6xO
早いけど 今日はもう休憩させていただく

390: 2010/03/19(金) 09:47:04.92 ID:oajEjCSdO
【風越麻雀部】

吉留未春はいつも通り部室で準備をしていた

文堂「こんにちは~」ガラッ

未春「こんにちは~文堂さ……ってええ!?」

ガシャアン……

文堂「どうしました吉留先輩?」ボイーン

未春「ぶ、ぶぶぶ文堂さん?そ……その胸は一体!?」

文堂「ああ、これですか?実は朝起きたら大きくなっていたんですよ~!」ボイーン

未春「朝起きたらって……なにゆえ?」

文堂「分かりませんね……でもこれはこれで嬉しい事ですよ!うふふふ」ボイーン

未春「………………」ペッタンコ…

未春「そうなんだ………なんだかうらやましいなぁ…」ボソッ

華菜「こんちはー!みはるん、文堂さん」

未春「あっ、華菜ちゃんこんにち…はぁぁぁ!?」

華菜「ん?どしたのみはるん?」ボイーン

392: 2010/03/19(金) 09:55:40.06 ID:oajEjCSdO
未春「ど……どうしたの華菜ちゃん……その胸!?」

華菜「いやーね~!朝起きたら、いつの間にかおっOいが大きくなっていたんだし!チビ達にからかわれて大変だったよ~!ははは!」ボイーン

文堂「あれ、池田先輩もですか?実は私もそうなんですよ~!」ボイーン

華菜「え~!?文堂さんもおっOい大きくなったの~!私だけじゃなくて良かったよ~!」ボイーン

文堂「うふふ、そうですね!でも…突然の出来事だったので、どう服の中に収めたら良いのか困りました!」ボイーン

華菜「そーそー!後、道行く人達に変な目で見られて大変だったし!いつ襲われるのかヒヤヒヤものだった!」ボイーン

文堂「そうですよね~!私も両親に何があったのか問い詰められて困っちゃいましたよ!」ボイーン

未春「…………………」ペッタンコ…

393: 2010/03/19(金) 10:04:10.37 ID:oajEjCSdO
華菜「ありゃ、みはるんの方は大丈夫だったの?」ボイーン

未春「ふぇっ!?う、うん!私のは……相変わらず小さいよ…」ペッタンコ…

文堂「どうしたんですか吉留先輩?なんだか元気がないみたいですけど…」ボイーン

未春「だ、大丈夫だよ文堂さん!ちょっと目眩がしただけだから…」ペッタンコ…

華菜「それは大変だし!みはるん、体調が悪いんだったら無理しないで休むんだし!」ボイーン

未春「か……かなちゃ…苦し…」ギュウウウウ…

華菜「あっ、ゴメーン!私のおっOいがみはるんを圧迫しちゃってた…全く面倒くさいおっOいだし!」ボイーン

未春「あはははは……気にしないで華菜ちゃん…」ペッタンコ…

394: 2010/03/19(金) 10:14:31.00 ID:oajEjCSdO
麻雀部員A「でさー!朝起きたら胸が大きくなってて困ったよ~!」ボイーン

麻雀部員B「私も私も!弟が揉ませろ揉ませろってうるさくて、困ったよ~」ボイーン

麻雀部員C「アハハハ!私なんていつ痴漢にあうかハラハラした~」ボイーン

コーチ「おら、お前らぁ!?いつまでくっちゃベってんだぁ!?池田ァ!お前は後で私の部屋に来い!」ボイーン

池田「あうう……また説教だし…?」ボイーン

キャプテン「華菜、辛いかもしれないけど頑張ってね……」モトカラボイーン

文堂「それじゃあ私達は練習に励みますねキャプテン」ボイーン

深堀「………………む」ボボボイーン

未春「………………」ペッタンコ…

未春「どうして……私だけ…?」グスッ…

395: 2010/03/19(金) 10:28:03.84 ID:oajEjCSdO
その日の夜、シャワーを浴びていた未春は改めて自分の胸を眺める

未春「どうして皆を大きくなっているのに、私だけ胸が大きくならなかったんだろ…?」ハァ…

未春「でも、別に胸だけが女の魅力って訳じゃないよ!」

未春「胸の小さい女の子も好きって人も一杯いるじゃない!ね、そうだよね未春?」

未春「……………………」ペッタンコ…

未春「なんだか自分で言ってて虚しくなってきた…」ハァ…

未春「………明日になれば私の胸もきっと大きくなるに決まってる…!」

未春「うん、絶対にそうだよね!私だけが小さいままなんて…そんな理不尽な事…」

【次の日】

未春「変わってなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!」ペッタンコ…

未春「どうして私だけ……ひど過ぎる…あんまりだ…」

397: 2010/03/19(金) 10:45:26.80 ID:oajEjCSdO
華菜「ふぅ~!なんだか肩がこって仕方ないし!」ボイーン

文堂「池田先輩も肩がこっているんですか~、実は私も肩が痛くて痛くて…」ボイーン

池田「胸が大きいのも困りものだな~!アハハハハハ!」ボイーン

文堂「そうですね!胸のサイズに合う下着を探すのも一苦労でしたよ」ボイーン

池田「それは言えてるし!付けるの面倒くさいけど、垂れるのも嫌だしな~!」ボイーン

文堂「なんで胸が大きくなってしまったんでしょう…本当に困ったものです!」ボイーン

池田「それに比べてみはるんはそういう苦労がなさそうだよね~?」ボイーン

未春「えっ、ど……どうして華菜ちゃん?」ペッタンコ…

池田「だってさぁ~みはるんだけだよね、おっOいが大きくなってないの~!」ボイーン

400: 2010/03/19(金) 11:11:03.89 ID:oajEjCSdO
未春「う……確かにそうだけど…!」ペッタンコ…

池田「私達の方は大変だよ~!胸が大きいと肩がこるし、下着も買わないといけないし。それに男達から変な目で見られるから嫌なんだよな~!」ボイーン

未春「………………」ペッタンコ…

未春「それに比べてみはるんは小さいままだから、そういう苦労はなさそうだよねー!いや~、本当にうらやましいし!」ボイーン

未春「そんな華菜ちゃん………」ペッタンコ…

文堂「そんな事言っては駄目ですよ池田先輩…気にしないでくださいね吉留先輩!小さい胸でも魅力はありますよ」ボイーン

未春「二人共………ひどいよ」ペッタンコ…

キャプテン「皆、そろそろ練習を始めましょう!」モトカラボイーン

「はーい!」ボイーン

未春「……………私だけ…小さいままなんて」ペッタンコ…

403: 2010/03/19(金) 11:31:46.89 ID:oajEjCSdO
その日の夜、未春は一人おでん屋の屋台で飲み潰れていた。

未春「兄さ~ん!もう一杯ちょうだーい!」

京太郎「おいおい、またかよ姉ちゃん…いい加減帰りなよ」

未春「うるさーい、私は飲まないとやってられないんら~!」ヒック

京太郎「やれやれ……親御さんが心配する前に早めに切り上げなよ……」トクトク…

未春「はいはーい!分かっれますよ~!いららきまーす」ゴクゴク…

京太郎「それにしても姉ちゃん…かなり荒れているみたいだが……何かあったのかい?」

未春「うう……うわ~ん!聞いてよ聞いて!私ばっかり理不尽な目にあうんれすよぉ~!」

京太郎「おいおい、今度は泣き上戸かい……姉ちゃんも大変だねい」トクトクトクトク……

405: 2010/03/19(金) 12:01:23.03 ID:oajEjCSdO
未春「―――――というわけなんれすよ~!」ヒック

京太郎「なるほどねい……そりゃあ辛いだろうなぁ、自分だけ違うなんて」

未春「分かっれくれますか~?私だけ小さいままなんれ辛いと言うか、苦しいと言うか、腹立たしいというか、忌々しいというか、羨ましいというか
ムカつくというか、やってやれないというか、とにかくもう…つらいんれす~!」ヒックヒック

京太郎「うんうん、分かるよ姉ちゃん!俺にもよーく分かる!自分だけ仲間外れだと泣きたくなるよねい!」

未春「兄ちゃん……分かっれくれへ、ありがとうごらいます~!」ギュッ

京太郎「よしよし、泣きねい泣きねい!今は俺の胸の中で思う存分涙を流しな!」

未春「…………うぷっ、急に吐き気が……!」

京太郎「よ、よせ!止めろ!ぎゃあああああああああああああああああ!」

407: 2010/03/19(金) 12:26:48.51 ID:oajEjCSdO
【次の日】

未春「うう………頭が痛い」

池田「おーす!今日も華菜ちゃんは元気だし~!」ボイーン

未春「あっ、華菜ちゃん…」

池田「みはる~ん!今日もちっこい胸だな~!アハハハハハ!」ボイーン

麻雀部員A「あらあら、まだ大きくならないのかしら吉留さん」クスクス

麻雀部員B「カワイソーね~!自分だけ小さいなんて辛そ~じゃない?」ニヤニヤ

麻雀部員C「そんな事言っちゃ悪いよ~!未春ちゃんだって気にしていると思うよ~!」プププ

未春「………………」ペッタンコ…

文堂「き、気にしない方が良いですよ吉留先輩!好きで小さい訳じゃないんですし……」ボイーン

池田「そうだよみはるん!小さくてもみはるんはみはるんだし!小さくてもそれはそれで楽だろうし!」ボイーン

未春(小さい小さい言うな………)ギリギリ…

409: 2010/03/19(金) 13:18:02.20 ID:oajEjCSdO
コーチ「オラァァ!今日は麻雀部員全員、身体測定だァァ!さっさと準備しやがれ!」

未春「身体……測定…?」

キャプテン「じゃあ私達は先に行ってるわね」モトカラボイーン

華菜「よーし!早く行こうだしみはるん!」ボイーン

深堀「………………む」ボボボイーン

未春「どうしよう……身体測定なんて……絶対に何か言われそう…」ペッタンコ…

未春「でも行かなかったら行かなかったらでまた何か言われるだろうし……」

未春「仕方ない………身体測定に行こう…なんか嫌な気分だけど…」

文堂「吉留先輩!どうしたんですか~?早く行きましょうよ!」ボイーン

未春「はーい!分かりました~!」タッタッタッ…

410: 2010/03/19(金) 13:43:38.17 ID:oajEjCSdO
【保健室】

クスクス… ニヤニヤ…

「小さい胸の子ってあの眼鏡の事?本当に胸がないわね~」

「胸の小さい子って可哀想よね……女の子として見てもらえないなんて辛くない?」

「ウケルー!レギュラーだからって調子に乗ってるからそんな事になるのよねー!」

「まさに乳なしみはるんって奴?ありえなーい!」

未春(何よ何よ……!なんで私ばっかりこんな目にあわなきゃいけないのよ!)プルプル

華菜「やったー!おっOいの自己記録を更新したし!」

保険医「はい、次は吉留未春さーん!」

未春「あ、はーい!」

タッタッタッ……

未春「よ…よろしくお願いします!」

411: 2010/03/19(金) 13:47:20.55 ID:oajEjCSdO
「せんせーい!吉留さんの胸囲は測らなくもいいと思いまーす!」

「確かに~!測るだけ意味がないって奴?それに本人も測りたくなさそうだしね~!」

キャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!

キャプテン「ちょっと皆!何を言ってるの!」

文堂「あわわわわわわ…」

深堀「むむむむむむ……!」

華菜「み…みはるん大丈夫だし……?」

未春「………………さい」

華菜「みはるん…?」

未春「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさーい!お前ら全員敵だ!巨Oはみーんな敵ダァァァァ!」タッタッタッ…

華菜「みはる~ん!待つんだし~!おーい!」

キャプテン「吉留さん……なんだか泣いていたわ…」

コーチ「なんだなんだァ!?一体何の騒ぎだオラァァァァ!吉留の奴、何かあったのかコラァ!」

413: 2010/03/19(金) 14:01:48.72 ID:oajEjCSdO
その日の夜、未春は再び京太郎のおでん屋で飲み潰れていた

未春「ひっく……ちくしょお……おっOいがなんらよ……!おっOいがデカイからっれちょーしにのりやがっれ…!
どいつもろいつも……いなくなっちまえってんだ~!」グビグビ…

京太郎「おいおい姉ちゃん、今日は一段と荒れているねい!また何か嫌な事があったのかえ?」

未春「聞いてくれよ兄貴ぃ~!巨Oがさ、私の事をバカにするんら~!
チチがデカくてすっごくて、チチが小さい私がね~!
一人飲んでるバースデ~!なみらでケーキがしょっぱい!しょっぱいケーキってなんら~!」

京太郎「ちょっと落ち着けよ姉ちゃん……言っている事がさっぱり分からんぞい」

415: 2010/03/19(金) 14:22:27.34 ID:oajEjCSdO
未春「ひっく……コンチクショ~!」グビグビ…

京太郎「なるほどなるほど……そいつはひどいねい…いくらなんでもひどすぎるわい…」

未春「グスッ…グスッ…やっぱり女の子は胸が大きくなきゃあダメなのかなぁ…?私にはもう、ろうしたらいいのらわっかんないよ~!」

京太郎「そんな事はないぜ姉ちゃん……」

未春「兄貴ぃ…?どうしらんらきゅうに真剣なかおになっれ…」

京太郎「実は俺もね………かつて、とある学校の麻雀部で部員をやってんだよ…」

未春「ええ~?兄貴も麻雀部員だったんら~!初めて聞いたよぉ~」

京太郎「ああ…あの頃は自分なりに頑張っていたつもりだよ……でもな、女の中に男が一人っていう現実は甘くはなかったぜ…」

418: 2010/03/19(金) 14:33:58.77 ID:oajEjCSdO
京太郎「部長からは買い出しばかり任され、空気扱いされ……しまいには麻雀部にしけた奴はいらないって言われて
追い出されてしまったよ……あの時の怒りは忘れられないなぁ…」

未春「兄貴……兄貴も辛い経験をしたんだな…」

京太郎「ああ……おでん部を初めてから色々な人間に出会ったよ…
影が薄くて困ったっすって言ってた人とか目立ちたいのに目立てなくて困りましたわって言う人とか……
そういう奴らの愚痴を聞いてやるのが今の俺の仕事でもあるんだ…」

未春「兄貴………」

京太郎「もちろん、あんたの愚痴もな」

422: 2010/03/19(金) 15:18:01.87 ID:oajEjCSdO
京太郎「姉ちゃん…胸が小さいからって卑屈になる事はないぜ…むしろチャンスじゃあないか…」

未春「チャンス…?胸が小さい事が?」

京太郎「そうだぜ、自分だけ胸が小さいって事は自分が特別だって事じゃないかい?
他にはない自分だけの魅力ってのはそれはそれで素晴らしいと俺は思うぜ?」

未春「兄貴……あんたって人は…」

京太郎「姉ちゃん…もっと自分に自信を持ちなよ…俺と違ってあんたはまだまだやっていける…
泣き言を言うのにはまだ早くはないかい…」

未春「兄貴ぃ………」

京太郎「それでももし…へこたれちまったら……俺が姉ちゃんを受け入れてやる…
だから…てめえの全てを馬鹿にしやがった奴らにみせてやんな……!」

未春「あ……兄貴ィィィィィィ!」ブワァッ

京太郎「おいおい…泣くのはまだ早いぜい…涙は勝利の美酒に酔いしれるその時までとっときな姉ちゃん…」ニッ

423: 2010/03/19(金) 15:39:10.88 ID:oajEjCSdO
未春「ありがとう兄貴!私…なんだか元気がわいてきましたぜ!感謝します兄貴ぃ!」

京太郎「へへ…よせよ…照れちまうぜ…」

未春「今日はなんだかいい気分になってきましたぜ!兄貴!今日はありったけ飲むぞ~!」

京太郎「やれやれ……無理すんなよな…全く」

こうして未春は京太郎のおでん部で馬鹿にした奴らを見返してやる事を決意した
その翌日。

未春「うーん……もう飲めな~い…」ムニャムニャ

ムニュッ…

未春「あれ…なんだろうなんだか胸に柔らかいものが……それに凄く重いし…」ムニュッ ムニュッ

未春「―――――――まさか!」

バッ…

未春「きゃああああああああああああ!おっOいが大きくなってるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」


      第8話「ひとりにふたつ」
次回    和「宇宙大戦争…?そんなオカルト」

427: 2010/03/19(金) 17:05:38.66 ID:oajEjCSdO
和「ふぅ…早く帰らないと怒られてしまいますね……」

ピカ…ピカ…

和「あれ…なんでしょうかあの光は……?」

キイイイイ……

和「あれ……段々光が大きくなって……いや、もしかしてこちらに向かってきている!?」

ピカァァァァン!

和「きゃあああああああああ!」

その光は和をのみ込み、彼女と共に消えていった
そして彼女が目を覚ますと、そこは見た事もないような場所であった

和「ここは…どこでしょうか…?」

池田「ようやく目を覚ましたみたいだし」

和「あれ…あなたは確か風越の」

池田「華菜ちゃんだし!ようこそ宇宙軍へ…だし!」

和「宇宙…軍?なんですかそれは?それよりもどうして私はここにいるんですか!?」

藤田「それは私が説明しよう」

和「あなたは確か…藤田プロ!」

428: 2010/03/19(金) 17:13:32.63 ID:oajEjCSdO
藤田「やあ…久しぶりだな原村和、元気そうで何よりだ」

和「どういう事ですか藤田プロ!どうして私をこんな所に監禁するんですか!早く家に帰してください!」

藤田「まあまあ…まずは私の話を聞いて欲しい」フゥ…

池田「耳穴かっぽじってよく聞くんだし!」

藤田「まずは自己紹介しなければな……私は宇宙防衛軍G部隊、隊長の藤田だ」

池田「同じくG部隊隊員の華菜ちゃんだし!」

和「宇宙……防衛軍?何ですかそれは」

藤田「宇宙防衛軍とはその名の通り、地球外生命体から地球を守る軍隊の事だ。主に地球にやってくる生命体の監視を任務としている。
…無論、時には戦闘も起きるがな」

和「地球外生命体?なにを言うのかと思えば…そんなオカルト」

藤田「あり得ませんってか?……よろしい、ならば窓を見てみろ。オカルトかどうか…自分の目で判断するんだな」ピッ

429: 2010/03/19(金) 17:44:37.59 ID:oajEjCSdO
和「窓?窓に一体何が……ってええ!?」ガバッ

藤田「フフ……綺麗な地球がよーく見えるだろう?私達は今、地球の外にいるのだよ」

池田「どうだ!びっくりしただろー!」

和「そんな……こんなのあり得ません…オカルトです…」ガクッ

藤田「確かに認めたくない気持ちは分からんでもないが……だが、君は確かに地球の外にいて地球を眺めているのだ…」

和「……なぜですか?なぜ私が地球防衛軍なんかに呼ばれたんですか!
私と一体なんの関係が――――!」

藤田「うむ、ここからが本題だ。実は最近、とある地球外生命体が地球に対して侵略を開始したという情報をキャッチしたんだ」

和「地球……侵略…ですか…?」

藤田「そうだ、我々はその生命体をクボ・コーチ星人と名付けた」

430: 2010/03/19(金) 17:58:41.08 ID:oajEjCSdO
和「クボ…コーチ星人ですか?」

池田「華菜ちゃんが命名したし!」キラッ

藤田「クボ・コーチ星人は脅威の戦闘能力で我々に対し、幾度となく攻撃を仕掛けている……もはや一刻の猶予もないのだよ」

池田「このままだと他の宇宙人もやってきて宇宙を舞台にした大戦争が起きちゃうし!」

和「宇宙…大戦争…という事ですか?」

藤田「そうだ、そんな最悪の展開を迎える前になんとしてもクボ・コーチ星人との戦いを終わらせねばならない」

和「だから……私をここに呼んだのですか?」

藤田「そうだ、原村和…君には我々と共に戦ってもらいたい…地球を守る戦士として」

池田「華菜ちゃんも地球の戦っているし!だからお前も戦うんだし!」

435: 2010/03/19(金) 18:19:14.57 ID:oajEjCSdO
和「む…無理ですよ…私なんかが宇宙人に勝てる訳がありません…」

池田「なにを弱腰になっているんだし!お前は地球がクボ・コーチ星人に侵略されてもいいのか!?」

和「ですけど!」

藤田「原村和……お前には大切な人がいないのか?」

和「えっ……?」ドクン

藤田「お前には守りたいもの…守りたい人がいないのか?その人がクボ・コーチにやられても構わないというのか?」

その時、和の脳裏に咲の笑顔が浮かんできた

和「………私にはいます!絶対に守りたい人が一人!」

藤田「じゃあ、お前は…その人のために戦えるか?」

和「――――戦えます!戦ってみせますとも!絶対にクボ・コーチの魔の手から守ってみせます!」

藤田「決まりだな………改めて地球防衛軍へようこそ原村和。我々は君を歓迎しよう」

池田「これからは私がお前の先輩だし!よろしくな、新人!」

こうして、原村和の戦争が始まった。

437: 2010/03/19(金) 18:47:26.09 ID:oajEjCSdO
【その次の日】

藤田「さて、原村和…訓練を始めるぞ!」

池田「ちんたらしてんじゃないし!さっさと準備するし!」

和「は…はい!」

藤田「先ずは反射神経を鍛える!これを見ろ!」スッ

和「これは……バレーボールですか?」

藤田「本来はゴムボールを使うんだが…お前はまだ新人だから怪我をする危険性がある。よってバレーボールを使う」

和「はぁ…ですが、バレーボールを使って何をするんですか?」

池田「簡単な話だし!全周囲から撃ち出されるバレーボールをよこるだけだし!」

藤田「池田の言う通りだ!しかしながら撃ち出されるスピードはかなり早い上、時には数個同時に撃ち出される事もある!
当たれば痛いぞ…覚悟は出来ているか!?」

和「は…はい!出来ております!」

藤田「よろしい!では先ずは池田が手本を見せる…池田、前へ出ろ!」

池田「了解だし!」スチャッ

439: 2010/03/19(金) 19:21:28.95 ID:oajEjCSdO
池田「おい、新人!今から華菜ちゃんが手本をみせてやるから、よーく見ておくんだし!」

和「はい!」

藤田「行くぞ~!」バシュン

池田「ふん、チョロいし!」ヒョイッ

藤田「よし、次いくぞ!そりゃ!」バシュン

池田「へへーん!当たらないし~!」ヒョイッ

藤田「中々やるな!それじゃあ次は二個いくぞ!」バシュン バシュン

池田「むっ、そりゃあ!まだまだだし!」ヒョイッ ヒョイッ

和「すごい……難なく避けていますね」

池田「どうだ新人!華菜ちゃんの凄さが分かったか!?」ヒョイッ

藤田「よーし!再び二個いくぞ!」バシュン バシュン

池田「はははは!余裕余裕!」ヒョイッ ヒョイッ

バギャッ

池田「ぐはぁっ!?」ミシミシ…

藤田「すまんすまん!三個同時だったワハハハハ」

441: 2010/03/19(金) 19:38:51.59 ID:oajEjCSdO
池田「気をつけて欲しいし!凄く痛かったし!」ヒリヒリ

藤田「悪い悪い!次からは気をつけるよ!じゃあ次は三個だ!」

バシュン バシュン バシュン バシュン バシュン バシュン バシュン バシュン バシュン バシュン バシュン バシュン バシュン バシュン バシュン

池田「な……なぁ!?そ…そんなたくさ」

バギャッ バギャッ バギャッ バギャッ バギャッ バギャッ

池田「ぎゃあああああああああああああああああああああ!」ミシミシミシミシミシミシ…

和「ちょ…ちょっと撃ち過ぎではありませんか!?」

藤田「ん~?どうやら機械が故障してしまったようだなぁ~?」

池田「そ…そんな……た…助け」

バシュン バシュン バシュン バシュン バシュン バシュン バシュン バシュン

藤田「はははは、すまない池田…もう少し耐えてくれ」

池田「ぎゃは~!」バギャッ バギャッ バギャッ バギャッ バギャッ バギャッ バギャッ

442: 2010/03/19(金) 19:59:04.04 ID:oajEjCSdO
池田「うう……」ピクッ ピクッ

藤田「おーい、池田ー!生きてるか~?……おっ、動いた生きてるな…助かって良かった良かった!」

和「ピクンピクンしてますけど……?」

池田「し……氏ぬ所だったし…」

和「普通だったら氏んでいると思いますが…」

藤田「まあ、池田はその耐久力の高さを買われて宇宙防衛軍にいるからな」

池田「どうだ、新人!華菜ちゃんの凄さが分かったか!」

和「はあ…ある意味ですごいと思いました」

藤田「さて、機械が壊れてしまった事だし…訓練は一旦中止としよう」

池田「……私はなんのために?」ガクッ

和「元気を出してください池田さん…」

池田「おい、新人!私の事は先輩と呼べ!」

和(………なんだか腹が立ちますね…)

445: 2010/03/19(金) 20:46:58.47 ID:oajEjCSdO
そんなこんなで一通りの訓練を終えた和は初めての実戦を迎える事となった

藤田「敵は小規模ながらも、相手は狂暴なクボ・コーチ星人だ!油断するんじゃないぞ!」

池田「了解だし!新人、足手まといになるなよ!」

和「は…はい!分かりました!」

藤田「来るぞ!クボ・コーチ星人だ!」

クボ1「イケダァァ!」

クボ2「イケダァァ!コラァァ!」

池田「出たなクボ・コーチ星人!相変わらず狂暴な顔付きだし!」

和「なんだか池田先輩の名前を呼んでいますけど…」

池田「あれが奴の鳴き声だし!忌々しい叫び声で鬱陶しいし!」

藤田「無駄話はここまでだ!いくぞ!」チャキッ

池田「よし!一人残らず退治してやるし!」チャキッ

和「宮永さん……私に力をください…」チャキッ

クボ軍団「イケダァァァァ!」

447: 2010/03/19(金) 21:18:20.79 ID:oajEjCSdO
池田「やってやるし!」パララララ

クボ「ギャアアアアア!」

和「あれ…?弾が…発射されない!?」ガチャ…ガチャ…

藤田「どうした和!?」パララララ

和「銃の弾が…出ない…!」ガチャ…ガチャ…

池田「何やっているんだし!?全く役に立たない奴だし!」パララララ

和「あれ……どうして!」

藤田「バカ、貸してみろ!お前……何で弾が入ってないんだ!」

和「へ………確かそれは池田さんから渡された…」

藤田「池田ァ!お前何やってんだ!?」

池田「ご…ごめんだし!新人の銃の事を全く忘れてたし!」パララララ

448: 2010/03/19(金) 21:29:24.99 ID:oajEjCSdO
クボ「イケダァァァァ!」

和「きゃあああ!?(宮永さん…!助けて…!)」

藤田「のどかぁぁぁぁ!」

ダァーン!

クボ「ギャアアアアア…!」バタンッ

和「へっ………今のは一体?」

ダァーン! ダァーン! ダァーン!

和「すごい…クボ・コーチが次々と倒されていきます!」

池田「もしかして援軍だし!?それにしても一体どこから撃っているんだ…?姿が全く見えないし!」

藤田「この狙撃の命中精度の高さ……まさかアイツか!?」

京太郎「聞こえるかG部隊!こちらK部隊副隊長の須賀京太郎!苦戦しているみたいだな…手を貸そう!」

和「えっ……この声はもしかして須賀君!?どうしてこんな所に?」

京太郎「…………………」チャキッ

ダァーン! ダァーン!

京太郎「……説明は後だ、今は目の前の敵に集中しろ!」

452: 2010/03/19(金) 21:58:05.16 ID:oajEjCSdO
【三十分後】

和「ふぅ……敵は撤退したみたいですね」

池田「まあ、華菜ちゃんの手にかかれば楽勝だし!」

藤田「誰のせいで苦戦したと思っているんだ!」

和「それにしても須賀君…どうしてこんな所に?」

藤田「そういえばお前達には言ってなかったな…須賀はK部隊の副隊長で、地球防衛軍随一の狙撃手でもある」

池田「そんな凄い奴なんだし…?」

藤田「ああ…アイツの狙撃の腕は信用できる……だが…」

和「どうかしましたか隊長…?何やら難しそうな表情を浮かべていますが」

藤田「――――いや、ここから先は私が言う事ではないだろう…それよりも早く帰還するぞ、敵の援軍が来る前にな」

池田「了解だし!もうお腹ペコペコだし!」

和「須賀君……何も言わずに帰ってしまいましたけど……どうしてなのでしょうか?」

454: 2010/03/19(金) 22:11:58.81 ID:oajEjCSdO
【母艦】

池田「おい、新人!ちょっと付き合え!」

和「はい?どうしました池田先輩」

池田「いやねえ…どうやらさっきのK部隊の副隊長さんがこちらの母艦にいるらしいんだー、さっき私達アイツに助けてもらっただろ?
だからお礼の一つも言っておこうと思ってな!」

和「須賀君がこの母艦に…分かりました、私も須賀君に色々と聞きたい事があります…一緒に行きましょう」

池田「よし!さっそく副隊長さんの行くとするし!」

タッタッタッ…

池田「確かここにいると思うんだけどな~?」

和「あ…もしかしてあそこではありませんか?明かりがついているみたいですし」

池田「おっ!じゃあさっそく……」

ざわ…ざわ…

和「あれ…なんだか騒がしいですよ?」

池田「どうしたんだろ~?ちょっと覗いて見るし」スー

456: 2010/03/19(金) 22:32:48.37 ID:oajEjCSdO
京太郎「どういう事だって聞いてるんだよ!オイ!」バキッ

K隊員「つあ…!」ガシャーン!

池田「な…!いきなり暴力だし!?」

和「須賀君…!何をしているんですか…!?」

京太郎「捕虜に逃げられやがって……K部隊の恥さらしが!こっちはお遊びで戦争してんじゃねーんだよ!コラァ!らあっ!」ゴッ バキッ

K隊員B「副隊長……もう許してあげてくださいよ…こいつは情けをかけて水をあげた所を襲われたんですから…」

京太郎「――――――情け……だって?」ギロッ

池田「う……な…なんだか揉めてるみたいだし」ガタガタ

京太郎「お前らなぁ……そんな生温い考えじゃ戦争に勝つどころか……すぐに弱みを突かれて何もかも奪われるぞ…」

和「須賀君………?」

京太郎「………俺のダチみたいにな!騙されて、殺されてからじゃあ全ては遅いんだよ!…情けをかけたら、この世界では生きる事は出来ないんだ…!」

458: 2010/03/19(金) 22:43:52.10 ID:oajEjCSdO
和「須賀君…私の知っている須賀君と全然違う…」

藤田「これが須賀京太郎の問題点だ…」

池田「うわっ!?隊長、いつの間にここに来たんだし!」

和「隊長……須賀君について何か知っているんですか?」

藤田「ああ、知っているさ…アイツは私のかつての部下だからな」

池田「ええ、そうだったんですか?じゃあ、どうしてK部隊なんかに…」

藤田「……最初の頃のアイツは和が知っているような奴だったよ。お調子者で、どこか抜けていて、敵の事さえも考えてしまう優しい奴だった。―――あの事件が起きるまではな」

和「あの事件…?」

藤田「アイツには同期の友人がいた……アイツの話によると幼少からの付き合いだったらしい……名前は確か…井伊嫁助だったかな?イイ嫁さんだなァとよく京太郎をからかっていた…」

460: 2010/03/19(金) 23:24:25.26 ID:oajEjCSdO
池田「その人がどうかしたんだし?」

藤田「あれは、捕虜を捕まえた時だった。その捕虜は弱っていてとても話せる状態ではなかった。
軍は京太郎と嫁助の二人に捕虜の面倒を見る事を命じた」フゥー

池田「それで………?」モグモグ

藤田「二人共、敵の捕虜でありながらもよく面倒を見ていたよ……特に嫁助はな。だが、それはそもそも間違いだったんだ」

和「どういう事ですか、それって」

藤田「その捕虜が脱走したんだよ…嫁助を人質にとってな。嫁助は最後の最後まで説得したよ、だが―――京太郎の目の前で殺された」

池田「酷すぎるし…」ムシャムシャ

京太郎「んで、その捕虜はすぐに俺が頃したって訳だ」

池田「うわっ!?いつの間に!」ムシャムシャ…

和「須賀君…」

461: 2010/03/19(金) 23:41:33.29 ID:oajEjCSdO
京太郎「人の話を盗み聞きなんて良い趣味とはいえねーなぁ」

和「須賀君…」

京太郎「よぉ、和。まさかお前が防衛軍にいるなんて思わなかったぜ…まぁ、俺には関係ないけどな」

藤田「須賀、久しぶりだな」

京太郎「これはこれは…G部隊の隊長さんじゃーないですか。壮健そうで何よりです」

藤田「お前の方も相変わらずみたいだな。……少しは手加減してやったらどうだ?」

京太郎「藤田さんには関係ないでしょう。それともあの悲劇を再び繰り返すおつもりかな?」

藤田「………………」フゥー

京太郎「和」

和「はい…?」

京太郎「昔のよしみで一つだけ忠告しておいてやるよ。…どんな状況であれ、敵には情けをかけるな…それが例え昔の仲間であろうとも、絶対にだ」

和「………須賀君」

池田(なんだか面倒くさい話になってるし)モグモグ

463: 2010/03/20(土) 00:00:20.94 ID:055FtIYcO
和が地球防衛軍に入隊してから数ヶ月が過ぎた

和「敵の全滅を確認しました!戦闘を終了します!」

池田「よし!ようやく終わったし!それじゃあ帰ろ…帰りましょう、和副隊長!」

藤田「今日も大活躍だったな和!お前が副隊長に任命されるのも頷ける話だ」

和「いえ、私はそんなに活躍してないですよ!皆が頑張ってくれたから勝利出来たと思います!」

池田「そうそう!私の活躍があったからだし!出世した後輩のサポートをするのも先輩である私の役目だし!」

お前「はクボ・コーチにいじめられただけだろう!偉そうにするな!」

和「まぁまぁ、池田隊員も頑張ったみたいですから…」

池田「おっ、さすがは副隊長!器が大きいし!」

465: 2010/03/20(土) 00:24:59.33 ID:055FtIYcO
【母艦】

池田「バグバグムシャムシャ」

和「そんなに早食いしたら喉に詰まらせますよ池田隊員」

池田「はひほいっへふんはひ!ふぁなふぁんふぁはははっふぁふんおふあへふえいふふわえはひ!」

藤田「口に食べ物を入れたまま喋るのはやめろ!」

和「もう、池田隊員ったら…」クスッ

和(宮永さん…あなたは元気にしているでしょうか?私は今、地球を…そしてあなたの笑顔を守るために戦っています…)

藤田「ところでお前達に朗報だ、先ほどクボ・コーチの本拠地と思われる基地を発見した」

和「ほ…本当ですか藤田隊長!」ガタッ

藤田「ああ、おそらく総力戦になるだろう。戦いに備えてしっかりと準備しておけよ!」

和「了解です!」

池田「ぐえ…………苦し…息が…!」トントン

藤田「お前は人の話を聞いていたのか池田よ?」

466: 2010/03/20(土) 00:58:41.64 ID:055FtIYcO
【クボ・コーチ軍、イケダァ要塞】

池田「うわぁ~!思っていたよりも敵が多いし!」

藤田「当たり前だ、何せ敵の本拠地だからな。あっちも必氏なのだろう」

和「この戦いが終われば宮永さんに会える…!」

京太郎「よお、まさかお前らが生き延びてたなんて思ってなかったぜ」

和「須賀君……やはりあなたもここに」

池田「フーッ!やな奴が現れたし!」

藤田「そういえば我々G部隊とK部隊は同じエリアを攻める予定だったな」

京太郎「ええ、あまり足を引っ張らないように頼みますよ藤田さん。こちらとしても味方に撃たれるのは嫌ですからね」

池田「うるさいし!お前なんかに言われなくても、こっちはこっちで活躍するし!」

京太郎「………誰だお前?ペットはちゃんと檻の中に入れておけよな」

池田「ペ……ペットじゃないし!華菜ちゃんだし!」フーッ!

467: 2010/03/20(土) 01:21:47.38 ID:055FtIYcO
和「おう、和。まさかお前が副隊長に出世するなんてな!意外とやるじゃないか」

池田「無視するな~!」

和「須賀君、あなたはこの戦いが終わったらどうするつもりなんですか?」

藤田「和…?」

京太郎「この戦いが終わったら?…別にどうもしないな、また新しい戦いを始まるだけさ」

和「…須賀君はなんのために戦っているんですか?あなたの戦いに終わりは来るんですか!?」

池田「和副隊長……(また面倒くさそうな話になってきたなー)」モグモグ

京太郎「………………」

和「黙っていないで答えてください須賀君!」

ジリリリリリリ…

京太郎「そろそろ作戦が始まるみたいだな。それじゃあ俺は行くわ」

和「待ってください須賀君!私の質問に答えてください!逃げるつもりですか!」

469: 2010/03/20(土) 01:41:02.59 ID:055FtIYcO
京太郎「俺はただ…自分のために戦うだけさ。戦うなんてそれで十分だろ」

和「須賀君――!」

京太郎「和、俺が最初に言った事を覚えているか?」

和「えっ…?」

京太郎「…どんな状況であれ、敵には情けをかけるなよ…それが例え昔の仲間であってもだ……じゃあな」タッタッタッ…

池田「行っちゃったし…」

和「須賀君…あなたは一体何を考えているんですか…?」

【基地付近】

藤田「そろそろ作戦が始まるぞ!カウント3…」

和「宮永さん…あなたのために必ず勝利してみせます!」チャキッ

藤田「2!」

池田「忌々しいコーチをやっつけてやるし!」チャキッ

藤田「1!」

京太郎「……………」スチャッ

藤田「0!……行くぞ!長い戦いの…これで最後にするんだ!」

471: 2010/03/20(土) 02:08:35.16 ID:055FtIYcO
クボ星人1「イケダァァァァ!」

クボ星人2「タルンデンジャネーゾイケダァァァァ!」

池田「予想通り、敵がウジャウジャいるし!」パラララララ

和「数に惑わされないでください!雑魚クボは敵に向かってくるしか攻撃パターンはありません!」パラララララ

藤田「和の言う通りだ!今は少しでも多く敵を倒して、他の部隊の支援をするんだ!」パラララララ

クボ星人「イケダァァァァ!」

池田「副隊長危なーい!」

ダァーン!

クボ星人「ギャアアアアア!」バタンッ

京太郎「やれやれ……やっぱり和は危なっかしい」チャキッ

ダァーン! ダァーン!

和「須賀君…やはり須賀君の狙撃の腕はピカイチですね」パラララララ

池田「華菜ちゃんも負けてられないし!うおおおお!」タッタッタッ…

藤田「おい!何をしている池田!軽率な真似はよせ!」

池田「大丈夫大丈夫!華菜ちゃんには不可能はないし!」

473: 2010/03/20(土) 02:36:48.40 ID:055FtIYcO
クボ星人「イケダァァァァ!ナメテンジャネーゾコラアァァァ!」ガシッ

池田「し、しまった!」

クボ星人「イケダァァァァ!ブッコロシテヤルイケダァァァァ!」ドゴッ バキッ ドガッ

池田「ぎゃああああ!」

和「池田隊員~!」

藤田「全く…池田はあそこまで馬鹿だったのか…」

和「ああ、池田隊員がクボ星人にボコボコにされている…早く助けないと!」

藤田「和副隊長、今は敵を倒すのが先だ!」

和「そんな…池田隊員を見頃しにするつもりですか!?」

京太郎『聞こえるか、こちら京太郎!今からウザネコ隊員を救助してやる!』カチャッ

和「須賀君!?一体何をするつもりですか!」

京太郎「なーに!ロケットランチャーで一気に敵を殲滅するだけさ……発射!」ズドン!

ヒュウウウウ…… ドカァァァァン!

池田「ひいいいいいい!」

京太郎「よし、上手く命中したな」グッ

475: 2010/03/20(土) 03:01:49.53 ID:055FtIYcO
池田「ひどいし…私ごと撃つなんて…!」ピクピク

藤田「しかし、これで多数の敵を倒す事が出来た!やったな池田!」

和「普通だったら氏んでますけどね…」

京太郎「さてと、狙撃に戻るとするかね」カチャ

クボ星人「イケダァァァ!」

和「これで最後です!」パララララ

クボ星人「ギャアアアアア!」バタンッ

池田「ようやく全滅したみたいだし……かはっ!」

和「大丈夫ですか池田隊員?」

池田「問題…ないし…まだまだ華菜ちゃんは頑張れるし…」シュウウウ…

和「…本当に大丈夫ですか?なんだか焦げ臭いですけど」

藤田「――了解!お前ら、これよりG部隊とK部隊は敵の中枢部へと侵入する!敵はまだまだいるから気をつけろよ!」

和「了解!」タッタッタッ…

京太郎「俺もいくかね……」タッタッタッ…

476: 2010/03/20(土) 03:32:02.60 ID:055FtIYcO
【イケダァ要塞 中枢部】

藤田「よし…周辺の敵は粗方片付けたな」

和「ですが、敵の総帥が見付かりません…どうやら逃げられてしまったみたいですね」

池田「なーに!こんだけ友軍がいるんだからすぐに見付かると思うし!」

ピリリリリリ

藤田「――――それは本当か!?分かった、他の隊員に知らせよう!」

和「藤田隊長…もしかして敵の総帥が見付かったんですか!?」

藤田「ああ…総帥は友軍の手によって捕縛された……我々の勝利だ!」

池田「本当だし!?ようやく…全ての戦いに決着がついたのか!?」

京太郎「こちらでも確認した……間違いないみたいだな」

和「ついに…ついにやったんですね私たち!」

477: 2010/03/20(土) 04:11:49.48 ID:055FtIYcO
藤田「さあ帰るぞ…帰って宴の準備をしないとな!」

池田「私も手伝うし~!」

和「もう、まだ敵がいるかもしれないんですよ?安心するのは早いと思います」

藤田「そう固い事を言うな和!お前は嬉しくないのか?ようやく自分の家に帰る事ができるのに」

和「それは…嬉しいですけど」

藤田「なら、もっと喜べ和!」

和「はい…」

藤田「それじゃあ帰還するとするか!和副隊長の言うとおり、敵が潜んでいるかもしれないから一応注意はしておけ!」

和(ようやく帰る事ができる…!宮永さんの所に…!)

京太郎「……………………」

和「…どうかしたんですか須賀君?戦いは終わったのに嬉しそうではありませんね…」

京太郎「いや……………別に」タッタッタッ…

和「…………………?」

478: 2010/03/20(土) 04:42:15.57 ID:055FtIYcO
【母艦】

池田「ふぅー!ようやく、家に帰る事ができるし!早くチビ達に顔を見せてあげないとな!」

和「池田さんには妹さんがいるんですか?」

池田「うん、三人の妹がいるんだけど今頃きっと私を泣きながら待っているに違いないし!
早く家に帰りたくて仕方ないよ!」

和「そうですか…池田さんは家族のために戦っていたんですね」

和(宮永さん…元気にしているでしょうか?ゆーきや部長、染谷先輩にも早く会いたいなぁ…)

藤田「さてと…そろそろ宴を始めると」

隊員A「た…大変です隊長!」

藤田「どうしたんだ急に…せっかく宴を始めようとしたのに」

隊長B「宴どころではありません!イケダァ基地が…イケダァ基地が…!」

池田「イケダァ基地がどうかしたのか?」

隊長A「イケダァ基地が…攻撃を受け、占拠されました!謀反が発生した模様です!」

藤田「な……なんだって!?」

479: 2010/03/20(土) 04:50:13.50 ID:055FtIYcO
池田「そんな!戦いはもう終わったはずだ!一体誰がそんな事を…」

隊員A「情報によりますと、今回の謀反の首謀者はK部隊副隊長の須賀京太郎との事です!」

和「す…が…君?」

藤田「なんだと……まさかあいつがそんな事をするなんて!」

池田「信じられないし!ようやく戦いが終わったと思っていたのにさー!」

隊員B「それに対して、軍では今回の事件に関しての対策を考えるために会議が開かれるようです!隊長も会議に参加せよとの事です!」

隊長「分かった!今いく!」タッタッタッ…

池田「あーもう!あの男…絶対に許せないし!にゃー!」

和「須賀君……どうして反逆なんか?」

480: 2010/03/20(土) 05:06:49.36 ID:055FtIYcO
【数時間後】

藤田「……我々に任務が下った」

池田「任務……だし?」

藤田「今回の任務はイケダァ基地の奪回…及び、今回の反乱の首謀者である須賀京太郎の身柄の確保だ」

和「やっぱり…そういう事になりましたか」

藤田「なお……首謀者である須賀京太郎の身柄の確保が難しいとされる場合、抹殺もやむ無し…との事だ」

池田「それはつまり、アイツを頃す事になっても構わないって事だし?」

藤田「そういう事になるな」

和「ちょっと待ってください隊長!それはいくらなんでもあんまりです!須賀君を頃すなんて…!」

藤田「私だって他の部隊に説得はしたさ!でも、駄目だった…アイツが交渉を拒み続けている以上、実力行使でいくしかない……それが上の決定だ」

和「そんな…そんなのってないですよ!なんで仲間同士で戦う必要があるんですか!?」

481: 2010/03/20(土) 05:18:51.72 ID:055FtIYcO
藤田「そんな事を私に聞かれても困る!…とにかく、もう決定した事だ!我々はこれよりイケダァ基地の制圧及び、反逆者須賀京太郎の捕縛に向かう!」

池田「あーもう!ようやく帰れると思ったのに~'」

和(だからあの時須賀君は…あんな表情をしていたんですね……)

和(でも、どうして反逆なんか…須賀君の考えている事が全く分からない…」

【イケダァ基地・中枢部】

K隊員A「副隊長!兵の配備を完了しました!」

京太郎「分かった…後は下がっていいぞ」

K隊員A「はっ!」ザッザッザッ…

京太郎「これなる事が俺に与えられた運命なのか……なぁ、嫁助…?」

482: 2010/03/20(土) 05:36:03.66 ID:055FtIYcO
【イケダァ基地】

池田「ねぇねぇ隊長…どうしても戦わないと駄目…かな?」

藤田「…もう作戦は進行している。もはやどうする事も出来ないだろう」

池田「……分かっただし。ごめんなさい隊長」

藤田「いや、いいんだ…私も池田と同じ気持ちなんだからな」

池田「これが本当の最後の戦いかぁ…なんだ嫌な気分だし」

K隊員「敵を確認!直ちに排除する!」カチャ

藤田「どうやら敵に見付かったようだな…!いくぞ二人共!」カチャ

池田「私は絶対にチビ達の所に帰るんだし!誰にも邪魔はさせない!」カチャ

和「須賀君…私は…あなたを説得してみせます!あなたが何を考えているのかは分かりませんが……こんなの絶対に間違ってますよ!」チャキッ

483: 2010/03/20(土) 05:57:32.66 ID:055FtIYcO
K部隊「かかれ~!」パララララ

藤田「流石はK部隊!一筋縄じゃあいかなそうだ!」パララララ

池田「とくと見よ!華菜ちゃんの力を!」パララララララララ

和「私は須賀君と会わないといけない…!こんな所で立ち止まる訳にはいかない!」パララララ

こうして、須賀京太郎率いる反乱軍との戦いが始まった
最初のうちは反乱軍が優勢だったが、次第に数でおされていき 次第に降伏するものが現れ始めた

藤田「よし!戦況は完全にこちらが優勢だ!和……お前は須賀の所に行くんだ!」パララララ

池田「あんの馬鹿の目を覚ましてやるんだし和副隊長!」パララララ

和「………分かりました!須賀君……今行きます!」タッタッタッ…

484: 2010/03/20(土) 06:23:22.87 ID:055FtIYcO
【イケダァ基地 中枢部】

和「須賀君!」

和の呼ぶ声に反応した京太郎はゆっくりと和の方に振り向いた

京太郎「和か…やっぱり来ると思ってたよ」

和「須賀君…投降してください!今ならきっと間に合うと思います!」

京太郎「間に合う…か、何が間に合うんだろうな…ハハハハ」

和「須賀君…もう一度言います!投降してください!私は…須賀君とは戦いたくありません!」

京太郎「悪いがそいつは出来ないな和」チャキッ

和「……どうしてですか須賀君!どうしてあなたが反乱なんか…!?」

京太郎「……許せなかったんだよ……生温い地球防衛軍がな」

和「生…温い?」

京太郎「今回のクボ・コーチ星人の総帥がどうなったのかお前は知っているか?」

485: 2010/03/20(土) 06:35:08.71 ID:055FtIYcO
和「クボ・コーチ星人の総帥ですか…?」

京太郎「聞いた話によると、クボ・コーチ星人と和平を結ぶんだと。信じられるか…勝ったのにも関わらず、共に歩む道を選んだんだぜ?あり得ないだろ」

和「平和の道を共にすすむ事のどこが悪いんですか!?」

京太郎「じゃあ、この戦争で氏んだ人間は何のために戦ってきたんだ。嫁助は……何のために氏んだんだよ」

和「須賀君……あなたは」

京太郎「俺は、絶対に許したくない。氏んでいった人達の犠牲を無駄にするなんて事を許したくないんだ」

和「………どうしてなんですか須賀君」

京太郎「なんの話だ」

和「どうしてあなたは平和を拒絶するんですか!?」

486: 2010/03/20(土) 06:52:30.07 ID:055FtIYcO
京太郎「……………」

和「あなただって平和を望んでいたんじゃなかったんですか!宮永さんや他の仲間達を守るために軍に入ったんじゃないんですか!」

京太郎「藤田さんから聞いたのか」

和「はい…須賀君は皆の笑顔を守るため戦っているって…」

京太郎「………」

和「なのに、なんで……?」

京太郎「……確かに俺は皆の笑顔を守るために軍に入隊した…嫁助と一緒に」

和「…………」

京太郎「あの頃の俺は真っ直ぐに自分の道を進んでいたつもりだった…例え敵同士でも…分かり合えるかも知れないって幻想を抱いてな
だけど…嫁助を目の前で殺された……俺の馬鹿で下らない幻想がアイツを頃してしまったんだ
嫁助が氏んでから、俺は自分の道を見失っちまった…」

487: 2010/03/20(土) 07:02:19.49 ID:055FtIYcO
京太郎「空っぽさ…もう俺には何も見えない…信じたかった幻想も、皆の笑顔も、嫁助と語り合った夢も……何もかもが見えないんだ」チャキッ

和「須賀君何を!?」

京太郎「和…みんなにはよろしく伝えておいてくれ…」

和「やめて須賀君!銃を捨ててください!」

京太郎「じゃあな」

和「ダメぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

バァン………

京太郎「……………」バタンッ

和「…………嘘よ、こんなの嘘よ!こんなオカルト…絶対にありません!絶対にあってはありません!ねぇ!起きてください須賀君!目を開けてください!」

京太郎「…………………」

和「いやああああああああああああああああああああああああああああああ!」

488: 2010/03/20(土) 07:13:44.54 ID:055FtIYcO
京太郎が氏んでからしばらくの時が流れた。 池田は軍を除隊し家族の元へと帰り、藤田は軍に留まった。 原村和もまた軍を除隊し、普通の少女としての生活を送っていた

咲「原村さーん!一緒に学校に行こう!」

和「あっ、宮永さん。いいですよ!一緒に行きましょう」

チュンチュン…

咲「―――――でね!大変だったんだよ~!」

和「フフフ…そうだったんですか」

咲「それにしても京ちゃん…どこに行ったんだろう?」

和「はい…!?」ドキッ

咲「ずっと京ちゃんの事を見ていないからさ…ちょっと心配なんだ」

和「そ、そうなんですか」

咲「ねぇ、原村さんは何か知らない?」

491: 2010/03/20(土) 07:45:05.81 ID:055FtIYcO
和「……………」

咲「原村さん?」

和「…私には分からないですね。そのうちひょっこり顔を出すのではないでしょうか?」

咲「うーん…そうだよね!京ちゃんの事だからきっとそうだよ!」

和(……嘘をついてごめんなさい宮永さん。きっと私は一生、須賀君が氏んだ事を秘密にしていくのでしょう。
でもこれは…罰なんです。あの時、須賀君を助ける事が出来なかった罰。
きっと私は十字架を背負ったまま生きていくのだろう――――)


      第9話「スペース・ゲート」

次回   井上「なんじゃこりゃああああああ!」

513: 2010/03/20(土) 16:18:28.93 ID:055FtIYcO
衣「よーし!みんなー!あつまれ~!」

透華「了解ですわ~!」

一「今日の事件も楽勝だね!」

智紀「油断はいけない…犯人(ホシ)はどこにいるのか分からない…」

井上「いいじゃねーか!ちゃっちゃっと終わらせてメシにしよーぜ」

歩「すいませ~ん!遅刻してしまいました~!」

ハギヨシ「さて、今日はどんな事件が私を待っているのでしょうか」

彼女達は悪の手から街の人達を守る龍門渕警察!リーダーである天江衣(愛称はボス)をはじめ、透華(アンテナ)、一(マジック)、智紀(パソコン)、井上(ノッポ)、歩(メイド)、ハギヨシ(ハギー)の七人のメンバーが
平和を守るため、今日も悪者を捕まえるべく街中を駆け回るのである!

521: 2010/03/20(土) 16:31:06.48 ID:055FtIYcO
透華「ボス、今日もいい元気ですわね」シャッ

衣「ああ、そうだな~!今日もジュースがうまい」チュー

一「ボス、アンテナ!事件だよ!」

透華「どうしましたのマジック?なにやら慌てておりますけど」

井上「また銀行強盗事件が起きちまったんだよ…犯人はあいつだ」

透華「まさか……また現れましたの!?」

智紀「連続銀行強盗事件のリーダー……須賀京太郎…」

歩「なんて事でしょう…警戒していたのにも関わらず…また起きてしまいましたか…」

ハギヨシ「まさに神出鬼没、我々の警戒をすり抜けるとは…油断出来ない男です」

衣「よーし、お前達!さっそく現場に行ってこい!」

透華「さあ、行きますわよ!必ず須賀京太郎を捕まえてご覧にいれますわ~!」タッタッタッ…

524: 2010/03/20(土) 16:41:09.85 ID:055FtIYcO
【犯行現場】

歩「見事なまでに空っぽですね…」

井上「たくっ、俺達を馬鹿にしやがって!絶対に捕まえてやるからな!」

一般人A「お巡りさん!必ず犯人を捕まえて欲しいじぇ!安心して夜も寝られないじょ!」

井上「おうよ!任しとけ!」

歩「それよりもアンテナさん達はどこに行ったのでしょうか」

井上「ああ、アンテナ達なら京太郎が潜伏していたとされるアジトに向かったぜ」

一「大丈夫かなアンテナ達…まだ京太郎が潜伏している可能性があるかもしれないのに」

井上「まあ、アンテナたちなら大丈夫だろ!それよりも腹が減ったからメシでも食おうぜ!」

一「もうノッポったら…君は食べる事しか頭にないの?ちゃんと仕事をしなよ」

526: 2010/03/20(土) 16:49:24.59 ID:055FtIYcO
【京太郎のアジト】

智紀「すでにもぬけの殻……どうやら感付かれていたみたい」

透華「キー!忌々しいですわ!ようやく手掛かりを見つけたと思いましたのに!」

ハギヨシ「しかしアンテナ様、須賀京太郎はまだ近くにいるかもしれません…捜索してみましょう」

智紀「ハギーの言う通り……アンテナ、私は外を捜索してくる」

透華「分かりましたわ…パソコン、ハギー、くれぐれも油断しないでくださいまし」

ハギヨシ「分かっておりますよアンテナ様……それでは私も外の方を確認してきます」

透華「おーほほほ!私を侮辱した事を後悔させてやりますわ!」タッタッタッ……

528: 2010/03/20(土) 17:02:38.62 ID:055FtIYcO
智紀「いない………やはり京太郎は既に逃げたみたい…」

ハギヨシ「油断しないでくださいパソコン様、敵は思わぬ所から現れるものですから…」

智紀「分かっている、ハギーの方こそ気をつけて」

ハギヨシ「パソコン様、私はアンテナ様の様子を見に行ってきます」

智紀「そう、気をつけて…」

タッタッタッ…

ハギヨシ「アンテナ様…どこにいるのでしょうか…?」

タッタッタッタッ…… グサッ

ハギヨシ「なっ……!?お前は…京太郎…!」

京太郎「へへへへ…俺を捕まえようなんて十年早いんだよ…!」

ハギヨシ「くそっ……!待て…!」

京太郎「じゃあな……勇敢なお巡りさん!」タッタッタッ……

透華「ハギー!ハギー!どこにいるんですの~!?」

チャララ~ チャラララ~ チャラララ~

ハギヨシ「お母さん……青空……綺麗だなぁ……」ガクン
ハギー刑事 殉職

530: 2010/03/20(土) 17:19:43.31 ID:055FtIYcO
【龍門渕事務所】

井上「くそっ!まさかハギーが京太郎にやられちまうなんて!」ガンッ!

一「落ち着いてよノッポ…気持ちは分かるけどさ」

井上「おい、アンテナ!どうして京太郎を見つけなれなかっだよ!」

一「やめなよノッポ!アンテナは悪くないじゃないか!」

透華「ええ、そうですわ!悪いのは全部私、私のせいでハギーは…」

衣「仲間割れはやめよ!」バンッ

一「ボ…ボス…」

衣「全ての元凶は須賀京太郎にあり、あやつを捕縛せぬ内の仲違いなど愚の骨頂!」

井上「わ……悪い、ボス。少し頭に血がのぼっていたみたいだ」

透華「私の方こそ申し訳ありませんわ…平常心を失うなんて私らしくありませんでしたわ…」

衣「それでいいのだ!」ニパー

533: 2010/03/20(土) 17:57:26.08 ID:055FtIYcO
智紀「皆……聞いて欲しい事がある」

井上「どうしたんだパソコン」

智紀「ついさっき、清澄銀行を須賀京太郎が狙っといると情報を手に入れた」

一「それは本当なのパソコン!」

智紀「…………コク」

透華「よく見つけましたわパソコン!あなたは使える子ですわ!それでは皆さん…清澄銀行に参りましょう!」

一「分かったよアンテナ!」

井上「待ってろよ須賀京太郎…!必ずお前にハギーを頃した償いをさせてやるぜ!」

智紀「運動はあまり得意ではないのだけど……」

歩「待ってくださいよ皆さ~ん!」タッタッタッ…

衣「帰りにアイスクリームを買ってきてくれ~!


こうして龍門渕警察の面々は清澄銀行へと向かった

535: 2010/03/20(土) 18:18:06.75 ID:055FtIYcO
透華「どうやら清澄銀行はまだ、襲われていないみたいですわね」

一「そうみたいだね…良かった」

井上「けどよ、もしかしたら奴が俺達が来るのに気が付いて他の銀行に向かったんじゃねーか?」

透華「あり得ない話ではありませんわね……パソコン、他に襲われる可能性のある銀行はありませんの?」

智紀「鶴賀銀行も襲われる可能性あり……」

透華「鶴賀銀行も危ないですのね?ならば、私とマジックが鶴賀の方に向かいますわね!ノッポとパソコンとメイドはここを任せましたわ!

井上「分かったぜアンテナ!気をつけろよ…アイツはどこから来るのか分からないからな」

歩「アンテナ様…どうか気をつけて…」

透華「大丈夫ですわ、それではマジック…鶴賀に行きましょう」

一「了解、アンテナ!」タッタッタッ…

537: 2010/03/20(土) 18:37:50.96 ID:055FtIYcO
井上「そろそろ銀行が閉まる時間だが…何も起きなかったな」

智紀「鶴賀に向かったアンテナ達の方も特に異常はないみたい…」

歩「やっぱり…私達の行動が気が付かれたのでしょうかね」

井上「可能性は高いな…結局無駄足かよ…メシでも食って帰るとしようぜ」

智紀「ノッポ……食べ過ぎは良くない」

井上「うるせーな!腹が減ったら戦は出来ないって言うだろうが!………ん?」

ブゥゥゥゥン…

歩「ふふっ…ノッポ様はいつも食事の事ばかり」

井上「あぶねぇ!メイド!パソコン!ふせろ!」ガバッ

パララララララ

智紀「―――――――!」

井上「つあ………!」チュイン

歩「きゃあああああ!?」

539: 2010/03/20(土) 19:09:27.30 ID:055FtIYcO
京太郎「………………」ブゥゥゥゥン…

智紀「あれは……須賀京太郎…!」

井上「待ちやがれ…!ぐっ……」

歩「だ…大丈夫ですかノッポ様!―――私を庇ったせいで…」

井上「大丈夫……ちょっと腕をかすめただけだ…!それよりもアンテナに連絡しろ…須賀京太郎を発見したってな…!」

智紀「もう連絡ならした……それよりも怪我の治療をしないと…」

井上「チッ……情けねえなぁ……全く」

歩「ノッポ様……」

【事務所】

透華「結局……京太郎には逃げられてしまいましたわね…」

一「ノッポ……怪我の方は大丈夫なの?」

井上「大丈夫だ大丈夫!こんなかすり傷どーって事ねえよ!」

衣「とにかく無事で何よりだノッポ」チュー チュー

井上「ところでメイドはどこに行ったんだ?」

透華「メイドならさっき買い物に行くって出ていきましたわよ」

541: 2010/03/20(土) 19:32:12.05 ID:055FtIYcO
一「メイド…なんだか元気なかったよ」

透華「ノッポが怪我をしたの…自分のせいだと思っているのではないでしょうか」

智紀「可能性は非常に高い…」

井上「全く…あれは俺がやった事でアイツは何も悪くないんだけどな…」

衣「よし、メイドが帰ってきたら皆で元気付けてやろうではないか!」

井上「ボスの言う通りだな!メイド…早く帰ってこねえかなぁ」

【雑居ビル】

歩「買い物の途中でまさか須賀京太郎を見つけるなんて……」

京太郎「………………」タッタッタッ…

歩「ノッポ様が怪我をしたのは私のせいだ……!だから私の手で……須賀京太郎を捕まえてみせます!」

京太郎「………………」タッタッタッ……

歩「一体どこに向かっているのでしょうか…?」

543: 2010/03/20(土) 20:11:19.10 ID:055FtIYcO
京太郎「………」カツーン
カツーン カツーン

歩「上に登りはじめました……バレないように慎重についていかないと……」タッタッタッ……

歩「どうしよう…やっぱり皆に言った方がいいのかなぁ……?」

歩「…いえ、これ以上は皆に迷惑をかける訳にはいきません!ノッポ様を傷付けてしまった償いを果たさないといけないんです!」タッタッタッ…

歩「あれ…?須賀京太郎が…いない?」

シーン……

歩「まさか……見失ってしまった…!そんな訳ない、必ずどこかに…」クルリ

京太郎「……………」チャキッ

歩「しまっ―――!」

京太郎「good night」

ダァァァァン………

歩「か……は…!」バタッ

チャララ~ チャラララ~ チャラララ~

歩「ごめんなさい……皆……私…氏ぬ前に…塩むすびが…食べたか……」ガクン
―――メイド刑事 殉職

547: 2010/03/20(土) 20:38:35.20 ID:055FtIYcO
【事務所】

透華「メイド…あなたという人は…なぜ私達に一言も…!くぅ……」

一「グスッ……まさかメイドが…須賀京太郎に殺られるなんて…!」

井上「メイドの馬鹿野郎――!どうして逝っちまったんだ…!」

智紀「これで…仲間が二人も須賀京太郎によって殺害されてしまった…」

衣「仕事柄、仕方ないとはいえ……やはりつらいものだな…」チュー チュー

透華「これ以上、犠牲を増やす訳には参りませんわ…!氏んでいったハギーとメイドのためにも…」

一「そうだねアンテナ!早く須賀京太郎を捕まえて二人を安心させてあげようよ!」

衣「皆の言う通りだ、暴虐の輩である須賀京太郎に目にモノを見せてやろう!」

井上「それにしてもこの塩むすびはウメーなぁ!」ムシャムシャ

552: 2010/03/20(土) 21:40:13.65 ID:055FtIYcO
智紀「――アンテナ、だった今京太郎が銀行を襲撃したという情報が入った」

透華「それは本当ですの、パソコン!」

智紀「間違いはない、京太郎は金を車に運んでいる最中らしい」

一「つまり、須賀京太郎がどこにいるのか確認できるって事だね」

井上「よっしゃあ!行こうぜ皆!今日こそ京太郎の野郎を捕まえてやる!」タッタッタッ

透華「ちょっと…お待ちなさいノッポ!私を差し置いて目立つなど……許せませんわ!」タッタッタッ

一「アンテナ、今は須賀京太郎を捕まえる事を考えようよ!」タッタッタッ

智紀「今度こそ逃がさない…!必ず私達が捕まえる……!」タッタッタッ

衣「皆頑張ってこーい!さーて、衣は一眠りしようっと」

556: 2010/03/20(土) 22:14:29.81 ID:055FtIYcO
【強盗現場】

部下A「ヘッヘッヘッ!今回の強盗も楽勝だったっすね兄貴!」

京太郎「まーな、だけど油断するなよ。恐らく奴らが現れるだろうがな」

部下A「奴ら…誰の事っすか?」

京太郎「最近、俺の事を逮捕しようとしている連中がいてな…二人ほど始末したんだが、まだ諦めてないんだ」

部下A「そいつはウザいっすね!兄貴も大変っす」

ウゥゥゥゥン! ウゥゥゥゥン!

京太郎「どうやら来たみたいだな、車を発進させろ!」

部下A「アイアイサー!」

ブゥゥゥゥン…

智紀「あの車に間違いない…!あれに須賀京太郎一味が乗っている」

透華「ようやく見つけましたわ~!もう逃がしません事よ!」

一「見て、アンテナ!車が動き出したよ!どうやらボク達に気が付いて逃げるつもりだよ!」

557: 2010/03/20(土) 22:37:50.03 ID:055FtIYcO
透華「キー!絶対に逃がしませんわ!必ずぶっころ……逮捕して差し上げますわ~!」

智紀「アンテナ……言葉が悪くなってる…」

一「京太郎の奴…絶対に捕まえてやる!」

ブゥゥゥゥン…

京太郎「もっとスピードを出せないのか?」

部下A「駄目っす!この車じゃあ、これが限界っすよ!」

京太郎「チッ……おい!ちゃんと運転しとけよ!」スゥッ

一「アンテナ!京太郎の奴が銃をこちらに向けてるよ!」

智紀「当たったらひとたまりもない…」

透華「上等ですわ!私の奇跡的なドライビングテクニックを見せて差し上げましょう!」キイイイイイ

京太郎「いい加減目障りなんだよ…消えろ!」ガォーン! ガォーン!

一「撃って来たよアンテナ!避けて!」

透華「そりゃああああ!当たりませんわ~!」キイイイイイ!

559: 2010/03/20(土) 22:54:00.43 ID:055FtIYcO
一「ア…アンテナ!そんなに激しく動かさないでよ!ボクも乗っているんだからさ!」

透華「おほほほほほほ!何を言っておりますのマジック!?あのクソッタレゲドウのハナタレの銃弾に当たる訳にはまいりませんわ~!」キイイイイイ!

一「うわああああ!?」グラングラン

智紀「アンテナ……完全にハイになってる…」

京太郎「なんて動きをしてやがるんだあの車は…全く面倒くさいぜ!」ガォーン! ガォーン!

透華「お~ほほほほほほほほほ!クソッタレゲドウのアホタレの銃弾なんて、私達には当たりませんわよ~!」キイイイイイイイイイイ!

一「アンテナ……少し落ち着いてよ~!そんなドライブをしてたら車の方がもたないよ!」

智紀「マジック……今のアンテナには何を言っても無駄だと思う」

562: 2010/03/20(土) 23:29:13.17 ID:055FtIYcO
透華「おーほほほほほほ!後少し!後少しであのクソッタレゲドウに追い付きますわ~!」

バシュッ

透華「なっ!?」

京太郎「最初からタイヤを撃てば良かったんだよな」

キイイイイイイイイイイ…

一「くっ…!段々と車が離されていくよアンテナ!」

透華「きいいいい!なんて卑怯な野郎ですわ!」

智紀「このままでは見失ってしまう…」

京太郎「へへ…じゃーな!勇敢な刑事さん!」

一「どうしたらいいんだ!ようやく追い詰めたっていうのに…」

ギャァァァァァァァァァァン!

一「うわっ!?な…なんだよあの車!凄いスピードで走ってる!」

智紀「あの黒いカスタムカー………間違いない」

透華「ようやく来ましたわね…ノッポ!」

井上「うおりゃああああ!待ちやがれってんだ京太郎!」

597: 2010/03/21(日) 03:28:35.45 ID:jzMmHJayO
チャララ~ チャラララ~ チャラララ~

一「京太郎との戦いは終わったけど…多くの仲間を失ってしまったね」

透華「ええ…失ってしまったものがあまりにも多過ぎますわ…ハギー、メイド、パソコン、………そしてノッポ」

衣「……けれども、その者達の志は消えたわけではない。彼らの意志は我々の心の中で永遠に生き続ける事だろう」

透華「ええ……そうですわね」

須賀京太郎との戦いは終わった。しかしこれで、安心できるわけではない。いずれ第二、第三の須賀京太郎が現れるだろう。
しかし彼女達は決して屈しない!街の平和を守るため、龍門渕警察は走り続ける!

       第10話「逃れられませんわ!」

次回について少し相談したい事がある

598: 2010/03/21(日) 03:30:10.20 ID:u6zKv6m/0
いってみなさい

599: 2010/03/21(日) 03:31:53.68 ID:BJOk/I2R0
聞くじぇ

600: 2010/03/21(日) 03:37:37.34 ID:jzMmHJayO
最後の話は決まっているんだが、今回の電子のようなのがきたら書けなくなるかもしれない
そうなる前にもう最後の話にするべきか、それともまだまだ話を続けるべきか少し迷っている

601: 2010/03/21(日) 03:40:05.72 ID:OENvuFJV0
新しくスレを立てて続ける

602: 2010/03/21(日) 03:41:41.53 ID:QuoT+lRQ0
でも、落とされてないから大丈夫なんじゃないかな
個人的には続きの話を書いていただきたい。

603: 2010/03/21(日) 03:51:39.30 ID:BJOk/I2R0
なんだかんだいって落とされても止められてもいないしなぁ
好きなようにやればいいと思うよ

個人的な意見としてはまだまだ続きが読みたいw

605: 2010/03/21(日) 03:57:20.52 ID:jzMmHJayO
>>601
1000を目指しているので次スレは考えていない

>>602-603
落とされる前に書き続ければ問題はないか…
最後の話にするのはやめておく

なら次回  睦月「ココロのスキマ、お埋めします…?」

これより休憩させていただく

606: 2010/03/21(日) 03:58:02.63 ID:QuoT+lRQ0
喪黒さん!

存分に休憩しなされ

引用元: タコス「京太郎!だーい好きだじょ!」