1: 2014/11/14(金) 19:47:01.56 ID:x9dvymuO.net
穂乃果「色んなお話の詰め合わせだよ!体験版だから、もっと読みたかったら製品版をリクエストしてね!」

3: 2014/11/14(金) 19:48:13.15 ID:x9dvymuO.net
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穂乃果「したいしたい!一人暮らししたい!」

海未「まったく…そんなこと言って…どうせ一日中ごろごろしたいとかそんなのでしょう?」

穂乃果「そ、そんなことないもん!穂乃果も来年から大学生だから一人暮らしするんだもん!」

海未「無理です!あなたに毎日炊事洗濯がこなせるのですか?」

穂乃果「うっ…できるもん!」

海未「だめです!ゴミ部屋になるのが目に見えています!」

海未「どうしても、というなら私と同居すればいいではありませんか。それならばお互いの負担も軽くなります。」

穂乃果「う…やだ!海未ちゃんと一緒だったらいっつもお説教されるもん!」

海未「んなっ…!」

5: 2014/11/14(金) 19:52:02.53 ID:x9dvymuO.net
ことり「穂乃果ちゃん、だったらことりと一緒にルームシェアしよう?」

穂乃果「えっ…?…たしかにことりちゃんだったら優しくしてくれるかも…」

ことり「うん!やさし~く、起こしてあげるし、ことり家事するの大好き!おやつだって作っちゃうよ!」

穂乃果「ことりちゃんの、おやつ…」

海未「…っ!卑怯な!」

ことり「どう?一緒に住もうよ。穂乃果ちゃん!」

穂乃果「う…」

ことり「ね?」

穂乃果「やっぱダメ!穂乃果は一人立ちしたいの!自分一人で自由にすごしたいの!」

海未「穂乃果…!あなたって人は…!」

ことり「チッ」

7: 2014/11/14(金) 19:57:38.24 ID:x9dvymuO.net
海未「ですが…やはり穂乃果に一人暮らしが務まるとは思えません。」

穂乃果「えー?できるよ!できるったらできる!」

海未「…わかりました。それだけ言うならテストしてみましょう。」

穂乃果「テスト?」


――部室

海未「…ここを穂乃果の部屋と仮定し、あなたがちゃんと一人暮らしできるかテストしたいと思います。」

海未「きちんとできない場合は私と一つ屋根の下にすんでもらいますからね!」

穂乃果「…海未ちゃん。わかったよ!穂乃果の本気を見せてあげる!」

海未「…それでは、まずは何をすればいいかわかりますか?」

穂乃果「うん!まずは引っ越し屋さんに電話するんだよね!…ピッピッ…っと」

ことり「はい、チュンチュン引越センターです!お電話ありがとうございます!」

穂乃果「あの、引っ越しお願いしたいんですけど…」

9: 2014/11/14(金) 20:05:02.90 ID:x9dvymuO.net
海未「ストップです。」

穂乃果「え?」

海未「あなたは…最低です!」パン!

穂乃果「あうっ!…ひどいよ海未ちゃん!どうして叩くのさ!」

海未「こんな、破廉恥な娘に育ったなんて…私は…幼なじみとして恥ずかしい…です…!」

ことり「穂乃果ちゃん…ことりもがっかりだよ…」

穂乃果「え?え?」

海未「いいですか?この時期の引越のアルバイトというのは暇と性欲を持て余した男子学生がたくさんいます。」

ことり「そんな人たちに家の住所、詳しい間取り…全部知られちゃったら…どうなるのかなあ?」

穂乃果「え、だって…引っ越しするには引っ越し屋さんに頼まないと…」

海未「いいですか、こうなります。」

ことり「今の時間は部室に誰も来ない…一人暮らしのマンションと一緒だね。」カチャ

海未「ことり、鍵はかけましたか?…いいですか、あなたの!不注意が!こういう悲劇を生むんです!」

穂乃果「あっ…やっ…ちょ、海未ちゃ…ことりちゃん…んっ…」


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『穂乃果「一人暮らししたい!」体験版はここまでです。ぜひ製品版をお買い求めください。』

18: 2014/11/14(金) 20:13:35.02 ID:x9dvymuO.net
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にこ「はいはーい、衣装代集めるわよ!さっさと出しなさーい。」

穂乃果「えー…あーあ…もうお小遣いないよぉ~!」

絵里「仕方ないでしょ。衣装だってただじゃないんだから。」

凛「って言っても、これじゃラーメンも食べれないにゃ~。」

花陽「凛ちゃん、ご飯ならあるよ!食べる?」

海未「文句ばっかり言ってはいけません!一番苦しいのは衣装を作ることりなんですよ!」

真姫「そうね、デザイン、買い出し、制作…全て任せっきりだものね。」

希「ホンマやね。ほんでも、いつもいつもよくやりくりしとるなあ、って感心するわ~。」

ことり「は、はは…そんなことないよ…」

19: 2014/11/14(金) 20:18:48.64 ID:x9dvymuO.net
いい布地ってやっぱり高い。でも、妥協はしたくない。みんなにキラキラしてほしいから。

既成品を買って改造したりすることもある。その方が安く済むから。

でもね、それだっていっぱいお店を見て回るから交通費だってかかるの。

お休みの日は色んなお店を見たいからなるべくアルバイトはいれない。

バイト代は少なくなっていくけど…出費はどんどん増えていった。

でも仕方ない。ことりの趣味で小物を買ったりすることもある。

そういうのはみんなには言わない。ことりのわがままだから。


だけどね



だけど…

ちょっとだけ、お金持ちそうな男の人の車に乗り込んだ、ことりくらいの女の子。

うらやましいな、って思っちゃったんだ。

21: 2014/11/14(金) 20:22:37.50 ID:x9dvymuO.net
…最初の日の夜は、気持ち悪くてもどしちゃった。


お風呂で何度も何度も体をこすったっけ。


自己嫌悪で氏んじゃおっかな、なんて思ったりもした。



でも、すぐに慣れちゃった。



だって、ベッドに横になってるだけで5万円ももらえるアルバイトなんて、他に知らないもの。

ねえ、みんなはどうなの?他にお金を貰える方法、知ってるの?だったら教えてよ!教えてよ…


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『 真姫「治験のバイトやってみる?」 体験版はここまでです。ぜひ製品版をお買い求めください。 』

24: 2014/11/14(金) 20:30:35.97 ID:x9dvymuO.net
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もちろん、にこのダンスだって くろくて つやつやしたかみが ぴょんぴょこはねてとってもかわいらしいのです。

でも、えりのダンスはかわいい、というよりも すごくかっこよかったのです。

それだけでなく、ターンをきめるたびに えりのきんいろのかみのけが まるであめあがりのこうていのきぎのはっぱのように きんきんきらきら きらめくのです。

「ぐぬぬ…!」

にこはくやしくてくやしくてたまりません。いつもだったらおゆうぎのじかんは にこがいちばんなのです。

「わあ、すごいすごい!」

「きれいだにゃー!」

「かっこええな~」

もうみんなはえりにむちゅうです。

うみせんせいがピアノをひきおえると みんな わぁっと えりのところにあつまりました。

25: 2014/11/14(金) 20:35:45.81 ID:x9dvymuO.net
「いまの、バレエでしょ?おとうさまといっしょにみにいったわ!」

「ほのかもいまのやりたい!おしえておしえて!」

「えりちゃんかわいい~!」

「え、えと…」

さっきまでえりのことをなんとなくこわがっていたみんなはどこにいってしまったのでしょう?

ただひとり、にこだけはとおくからえりのことをにらんでいました。


(やれやれ、えりがみんなとなかよくなれそうなのはよかったけれど、にこがおへそをまげてしまいましたね。)

うみせんせいはちいさくわらうと にこのだいすきなうたをひきはじめました。


にこぷり にこにこ にこぷり にこにこ


それですこしはきげんがなおったにこでしたが、やっぱりえりのことはすきになれないままでした。

27: 2014/11/14(金) 20:43:04.17 ID:x9dvymuO.net
そらがとてもたかくて、よくはれたひのほうかごのことでした。

にこがおうちのてつだいでおかいものをいくとちゅう おとのきみさきのさきっぽで なにかがひかっているのをみつけたのです。

「なによ、あれ…」

ふしぎにおもったにこが えOちらおっちら みさきへのぼっていくとそこにいたのはえりでした。

えりのきんいろのかみのけがしおかぜにふかれてひかっていたのです。

しかし、どうしたことか、えりはうみのほうをながめていて、にこにはきづきません。

いやなやつにあっちゃった、かえろうかな。とおもってにこはもときたみちをもどろうとしました。

ところが、うんわるくちいさなえだをふんでしまい、えりにきづかれてしまったのです。

「だれ!?」

ふりむいたえりのめからはなみだがこぼれていました。

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『 「音の木岬の海未先生」 体験版はここまでです。ぜひ製品版をお買い求めください。』

31: 2014/11/14(金) 21:29:42.36 ID:x9dvymuO.net
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花陽「うっ…ぐすっ…」

凛「かーよーちん!いい加減泣き止むにゃー!ほら、飲んで飲んで!」

真姫「だから言ったのよ、いざって時に覚悟がない男はダメだって。」

穂乃果「そうだよ!…穂乃果だって…穂乃果だって…うわあああ!」

海未「ああ、もう…今日は花陽を慰める会のはずでしょう?あなたが泣いてどうするんですか。」

希「穂乃果ちゃんモテるのになあ。」

ことり「うん…でも、さあ結婚って時になって、おうちに連れて行くとやっぱり…」

にこ「ああ…まあ、しょうがないわね…そりゃ…」

海未「他人事ではありませんよ…まったく…」

33: 2014/11/14(金) 21:35:18.05 ID:x9dvymuO.net
真姫「ところでエリーは?」

希「仕事やって。さっき駅ついたみたいやからもうすぐ来るで。」

凛「ほらかよちん!かよちんよりかわいそうな人が来るんだから!泣いてたらだめ!」

にこ「うわっ!アンタね…それ絶対絵里の前で言ったらダメよ…」

凛「あっ…ごめん…」

真姫「いい?今日はちょっと早い忘年会、ってことにしてあるんだからね!みんな気をつけてよ!」

ことり「うん!だいじょーぶ!」

穂乃果「うん…ぐすっ…おっけー…」

海未「美人過ぎると言うのも気の毒なものですね…」



絵里(28)「ハーイ、みんなー!こんばんハラショー!」 ガラッ

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『 絵里(28)「エリチカ ラーメン食べて帰る!」の体験版はここまでです。ぜひ製品版をお買い求めください』

36: 2014/11/14(金) 22:04:37.82 ID:x9dvymuO.net
穂乃果「手持ちの体験版はこれだけだね。」

穂乃果「本当は数レスだけSSを書くスレにしたかったんだ。」

穂乃果「だからみんなも書いてほしいな!」

40: 2014/11/14(金) 23:44:26.52 ID:x9dvymuO.net
今思えばなんで1つずつたてなかったのかと思う。一日一つくらいしかスレ立てられないからね。しょうがないね。

49: 2014/11/15(土) 21:55:56.40 ID:3j6PmFMo.net
ある日の帰り道のことでした。

黄昏時、人気のない路地、『チカンに注意!』の看板。

普通の女子ならば忌避して通るべき道。

今にして思えば。、私は慢心していたのでしょう。

武道の家の跡取り娘。いざとなれば変質者の一人や二人なんとでもなる。と。


帽子を目深に被った男が私の前に立ちふさがりました。

まだこの季節には不似合いなコートを着ています。

少し不信に思いましたが、脇を通り抜けようとしたその時。

「ねえ、これ見てくれない?」

ねばつくような声、次の瞬間私の目に入ったのは男の…コートの下の一糸まとわぬ姿でした。

50: 2014/11/15(土) 21:59:59.83 ID:3j6PmFMo.net
悲鳴でも上げられればまだ良かったのかもしれません。

幼いころより身につけた古武術で懲らしめてやれればもっと良かったのかもしれません。

でも、私にできたのは、声も上げずにそこで震えることだけでした。

目をそらせばいいのに

走って逃げればいいのに

それすらも――できませんでした。


私の反応に気を良くしたのか男はますます近寄ってきます。


「あ…あ…」


もうダメ…そう思った瞬間、男が突然逃げ出しました。


私の背後からは帰宅途中のサラリーマンらしき男性が二人ほど。

急いで路地を飛び出して家に逃げ帰りました。

51: 2014/11/15(土) 22:04:36.52 ID:3j6PmFMo.net
――その日から、何もかもが馬鹿らしくなりました。

あれほど苦労して鍛錬してもなんにもならなかった。

あれほど穂乃果に偉そうなことを言っていてもいざというときには何もできなかった。

どれだけ強くなっても私は女なんだ。

どれだけ自分を高めようと――結局は何にもならないんだ。


そう、思ってしまうと、何もかも馬鹿らしくなって

稽古も μ'sの練習も何かと理由をつけてサボりがちになり。

私は一人、街で無為に過ごすことが多くなってきました。



その日も当てもなく街をさまよっていると、一人の中年男性が声をかけてきました。

「かわいいね?お小遣いほしくない?」

…唾棄すべき輩ですが、その時の私はどうかしていたのでしょうか


「体験版はここまでです。ぜひ製品版をお買い求めください」

53: 2014/11/15(土) 22:10:01.54 ID:s4gv5y2L.net
体験版っていいなぁ(錯乱)

そして一番最初のヤツの製品版が欲しい

54: 2014/11/15(土) 22:47:15.52 ID:g+bnzIig.net

55: 2014/11/15(土) 23:10:15.08 ID:s4gv5y2L.net
ちゃんと本人でワロタ

56: 2014/11/16(日) 01:07:57.62 ID:Kts6N810.net
うぉい!製品版きてるかーい!

引用元: 【SS】穂乃果「体験版詰め合わせだよ!」