2: 2010/05/11(火) 23:13:46.21 ID:F0HvwrSM0
紬「え?」

唯「いやだから今後ろに隠したその白いタマ薬だよー」

紬「き、きのせいじゃないかしら? それよりマドレーヌあるんだけど」

唯「えー、気になるよお」モグモグ

紬「はい紅茶♪」

唯「んぐ、はひはほー」ゴクゴク

紬「律ちゃん達はまだかしら?」

唯「はんはふたりはほうじっへいっへはほ」

紬「それじゃあ私もマドレーヌいただこうかしら」

唯「ムギちゃんのいれる紅茶はやっぱりおいしい!」

紬「そうかしら、照れちゃうわ」
けいおん! 1巻 (まんがタイムKRコミックス)

3: 2010/05/11(火) 23:14:52.68 ID:F0HvwrSM0
唯「ってそうじゃないよムギちゃん!」

紬「へ?」ポカン

唯「隠しっこなしだよ。そのポケットに入れようとしているクスリ、何なの?」

紬「いや、それは……その」

唯「ま、まさか……!!」

紬「!」

唯「ムギちゃん、余命僅かな不治の病に……っ」ポロポロ

紬「違うわよー」

唯「え、じゃあなに?」

4: 2010/05/11(火) 23:15:46.85 ID:F0HvwrSM0
紬「お父さんがね、肌が綺麗になれる薬だってくれたの」

唯「ほえー」

紬「しかも気分を前向きにしてくれるんだって」

唯「なんでもできちゃう薬だね!」

紬「本当はグループの極秘開発の商品で、誰にも見せちゃいけないらしいんだけど……」

唯「大丈夫だよ、私口堅いから!」

紬「そうだ、唯ちゃんも試してみない?」

唯「え、いいの?」パァァ

紬「じゃあ三日間お試しってことで三錠ね♪」

唯「ありがとムギちゃん」

6: 2010/05/11(火) 23:17:36.82 ID:F0HvwrSM0
唯「……というわけなのですよ」

憂「そうなんだ、肌スベスベになるんだ」

唯「えへへ、よかったら憂にもわけてもらえるようにお願いしておくね」

憂「え、いいの?」

唯「うん、もちろんだよ」

憂「お姉ちゃん……優しい」

唯「これ、寝る前に飲むらしいよ。というわけで今日は早寝するんだ、おやすみ、憂」

憂「おやすみお姉ちゃん」

バタン

憂「お姉ちゃん肌きれいになりたいんだ……」

憂「よし、これからコラーゲンも意識して料理しよう」

7: 2010/05/11(火) 23:19:26.01 ID:F0HvwrSM0

唯「あーん」ゴクリ

唯「えへへ、こんにちは綺麗なすべすべお肌さん」

唯「あ、ギー太練習してから寝よっと」

唯「えっと、BM7だから……」

………

……



9: 2010/05/11(火) 23:22:20.35 ID:F0HvwrSM0
次の日

律「いやーごめん、昨日は宿題ド忘れしてて居残りさせられちゃってて」

唯「りっちゃんはドジですなあ」

律「なにおう? こないだ宿題写させてと泣きついてきたのはどこの誰だ」

唯「あははー」

紬「おはよう」

律「おはようムギ」

唯「あ、ムギちゃん今日の分くれない?」

紬「え?」

10: 2010/05/11(火) 23:23:00.97 ID:F0HvwrSM0
玉薬=錠剤です

12: 2010/05/11(火) 23:26:09.85 ID:F0HvwrSM0
唯「一日三錠を三日じゃないの??」

紬「一日一錠を三日……なんだけど」

唯「へ?」ポカン

律「何だお前らー、昨日私がいない間にパーティでもしてたのか?」

唯「あはは、そんなわけないよりっちゃん。実は昨日……って! 秘密にするんだった!!」

紬「うふふふ、なんでもないのよ」

律「えー、なんで唯には教えて私には教えないのさ。教えてよ」

紬「え、ええと……」

紬「私の使ってる美容品を試してもらったの」

律「いいなー、私も私もー」

14: 2010/05/11(火) 23:29:09.57 ID:F0HvwrSM0
唯「りっちゃんには必要ないよ!」

律「あ? そりゃどういう意味だ」

唯「だってりっちゃんのお肌もう輝いてるもの!」

律「え!? そ、そうかなあ?」テレテレ

紬(デコ……)

唯「というわけでまずは私が試してみる」

律「なんかうまく誤魔化された気がするぞー」

紬「あれ、澪ちゃんは?」

律「あー、澪は今日日直だって」

19: 2010/05/11(火) 23:45:53.13 ID:F0HvwrSM0
部活!

ジャジャーン

律「……いやあ、今日はいい感じだったな」

澪「新曲ももうすぐ出来そうだし、絶好調だな」

梓「今日は唯先輩のギターすっごくいい感じでした!」

唯「えへへ、ありがと」

紬「なんか唯ちゃんのギターに春を感じたわ」

澪「わかる、なんか甘くて暖かい感じで」

律「唯、好きな人でも出来たんじゃねーの?」ニヤニヤ

21: 2010/05/11(火) 23:48:53.89 ID:F0HvwrSM0
唯「そ、そんなことないよ」

律「どーだかねー」

唯「そ、そういうりっちゃんこそいるんじゃないの?」

律「へ、私? いるわけねーよお」

澪「そりゃそうだ」

律「どういう意味だよ」ムッ

澪「よし、今日はあがりにしようか」

律「無視かよ!」

22: 2010/05/11(火) 23:52:40.99 ID:F0HvwrSM0
帰り道!

紬「じゃあ一応薬分けておくね。一日一錠だからね」

唯「ありがと……」ギュッ

紬「? 唯ちゃん?」

唯「ムギちゃんの手、あったかいね」

紬「は…い?」

唯「」ハッ

唯「ご、ごめん。大事に飲むね、ありがと」

紬(唯ちゃんどうしたのかしら……)

紬(でも、なんか……イイ)

24: 2010/05/11(火) 23:55:49.22 ID:F0HvwrSM0
家の自室!


唯「ふう……」

唯「なんだろ、今日の部活……なんかすごいドキドキした」

唯「ギター弾いてるとどんどん気持ちが盛り上がってって」

唯「楽しいけど、なんか不安な感じだったなあ……」

唯「その後ムギちゃんの手を思わず握っちゃったし……」

唯「」ハッ

唯「まさか…………」

唯「 ギ ー 太 に 恋 を ? 」

26: 2010/05/12(水) 00:00:45.91 ID:qRr4yipL0
唯「いやいやいくらなんでもそりゃないよ」ブンブン

唯「ギー太……」チラ

唯「ちょっと弾いてみよっかな」

ジャララーン

唯「いい音……」

唯「あ、ネックがいい匂いする……」クンクン

憂「お姉ちゃんごはんだよー」バタン

唯「うううっうっっっ憂!?」

27: 2010/05/12(水) 00:06:56.86 ID:qRr4yipL0
憂「もう、抱きついて。またギー太に服着せたげてるの?」

唯「う、うん。そんなとこ」

憂「ごはん食べて、お風呂入ってからにしようね」

唯「うん」

憂「今日はハンバーグだよ」

唯「やった! 憂大好き!!」ギュッ

憂「えへへ」テレテレ

28: 2010/05/12(水) 00:11:57.07 ID:qRr4yipL0
再び自室!

唯「あの感じ……もっかいだけ」

ピロピロピロ

唯「んっ……」

唯(お、音に胸キュン……?)

ジャカジャカジャンジャカ

唯「なんだろ、この感覚」

唯「なんか弾きたいコードが頭からあふれそう……」

唯「と、とりあえず書き留めておこう」カキカキ

31: 2010/05/12(水) 00:18:34.64 ID:qRr4yipL0
それから!

唯「あれ……曲、出来ちゃった」ポカン

唯「なんかすごいスッキリするなー……」

唯「よし、これでぐっすり寝れるよー」

唯「っと、薬を忘れるとこでしたぜ」ゴクリ

唯「おやすみー」

33: 2010/05/12(水) 00:20:27.15 ID:qRr4yipL0
次の日!

唯「おはよう!」

律「おう元気いいな」

唯「今日早起きしすぎて部室で練習してきちゃった」

律「今日雨でも降るのかなー」ガララッ

唯「しかもしかも! 昨日は曲まで出来ちゃったんだよ!!」

律「え、マジ?」

35: 2010/05/12(水) 00:22:36.38 ID:qRr4yipL0
澪「どしたの?」

律「聞けよ澪、唯が作曲してきたんだぜ?」

澪「そ、そうなのか?」

唯「うん、我ながら傑作だよ」エッヘン

澪「じゃあその曲、放課後に聞かせてくれ」

唯「モチのロン!」ビシィッ

36: 2010/05/12(水) 00:24:42.63 ID:qRr4yipL0
紬「おはよー」

澪「おはよう紬」

律「ムギ、唯が作曲してきたんだって」

紬「あら、すごいじゃない」

唯「えへへー」

唯「ムギちゃんの薬飲み始めてからだよ! なんかどんどん意欲が湧いてくるっていうか」

紬「そ、そうなんだ……」

37: 2010/05/12(水) 00:28:07.73 ID:qRr4yipL0
放課後!

唯「じゃじゃーん、っと」

律「」

澪「」

梓「」

紬「」

唯「み、みんな反応してよ……」

律「なあ、唯」

澪「この曲」

梓「本当に先輩が」

紬「作曲……したの?」

39: 2010/05/12(水) 00:33:09.95 ID:qRr4yipL0
唯「そりゃもちろん!」

律「なあ、澪。私最近自分の感覚に自信がなくてさ」

澪「奇遇だな。私も今自信がなくなったとこ」

梓「この曲……良すぎです!」

唯「へ?」ポカン

紬「完璧なコード進行、心の底に染み込むようなサビ。そして曲構成」

律「ほめられたい気持ちはわかる。でも盗作はいけないぞ、唯」

唯「違うよ。ちゃんと私が考えたやつだもん! あとは澪ちゃんが作詞するだけで……」

澪「私、この曲の作詞するの怖い……曲をダメにしちゃいそう」フルフル

唯「そこまで!?」

42: 2010/05/12(水) 00:33:51.33 ID:qRr4yipL0
………
……


梓「あ」

律「どうした梓?」

梓「この間先輩達が言っていた、唯先輩のギターに何か関係があるんじゃないかと」

澪「甘い、ギター、だっけ?」

紬「たしかにこの曲は甘い曲よね……」

律「それじゃあこの間さわ子先生が置いていったこの譜面を弾いてもらえば唯覚めるんじゃないか?」

梓「そうですね。できる先輩なんてらしくないです!」

律「さりげにひどいな」

澪「インペリテリ……」

44: 2010/05/12(水) 00:37:35.05 ID:qRr4yipL0
律「おーい唯、菓子食ってないでこっち来て」

唯「ん、なになに?」

律「これ、弾ける?」参考動画(2:40辺りから):http://www.youtube.com/watch?v=TAdgrlwdTjc


唯「うん、ちょっと待ってて」

唯「……」

唯「こんな感じ?」

ピロリロラロレロピピロピロピロ

梓「先輩かっこいい……」

律「マジだよこれ、どうしよう」

澪「インペリテリノーミス……」

46: 2010/05/12(水) 00:45:51.19 ID:qRr4yipL0
唯「できたー」パァァ

律「本当に唯、だよね?」

澪「そうだ、きっと憂ちゃんなんだよ!」

梓「私はむしろこのさいこのままの方がいいです!」

紬「梓ちゃん落ち着いて」

唯「私は私だよー」ムスッ

律「と、とりあえず今日は解散!」

梓「ええ!? せっかくだし合わせてみましょうよ!」

澪「合わせるのこ、怖い……」

律「確かにな……あの腕前とはなあ」

紬「月が赤い……」

梓「」

50: 2010/05/12(水) 00:50:01.24 ID:qRr4yipL0
部活後!

唯「結局合わせられなかったねー」

梓「せっかく唯先輩が上手になったのに」ムスッ

梓「ところで唯先輩、それなんですか?」

唯「あー、これはムギちゃんからもらったお薬だよ。肌がすべすべになるんだよー」

梓「へー、いいですね」

唯「そうだ、あずにゃんも使ってみる?」

梓「え、でも」

唯「こーやってパキっと」パキッ

梓「い、いいんですかね。錠剤を割るのは」

唯「半分でも効き目抜群らしいよ。今日は半分にするように言われてたし」

梓「そう……ですか」

唯「寝る前に飲むんだよ!」

梓「はあ、わかりました」

52: 2010/05/12(水) 00:53:44.21 ID:qRr4yipL0
夜!

梓「肌の薬ねえ……」

梓「もしかしてこれが原因で唯先輩……」

梓「……これ飲んだらギター上手くなれるのかな」

梓「た、試してみるだけ。うん」

梓「……んっ」ゴクリ

梓「よし、寝なきゃ」

平沢家!

唯「ギー太いい匂いがするよお……」クンクン

憂(どうしよう、声かけづらいなあ……)

憂(あ、ギー太に鼻押し付けた)

憂(でも楽しそうだしいっか♪)

憂(お姉ちゃんが出てくるまで明日の下ごしらえしておこっと)

54: 2010/05/12(水) 01:03:17.77 ID:qRr4yipL0
次の日!

唯「おっはよーあずにゃん!」ギュッ

梓「に”ゃあっ!?」

唯「今日もあずにゃんはかわいいよお」スリスリ

パン!

唯「へ?」

梓「あ……」

梓「ち、違うんです! 別に本気で叩くつもりじゃ……」

唯「…………」ジワ

唯「うう、憂にもはたかれたことないのに」ポロポロ

梓「ほ、本当にごめんなさい! それじゃあ私日直なんで」タタタッ

唯「うぐっ……あずにゃんの放置プレイ……」グスッ

55: 2010/05/12(水) 01:07:29.31 ID:qRr4yipL0
それから数日!

唯「はあー……」

律「で、それ以来梓から避けられてると」

唯「そうなんだよ……」

澪「梓、部活にはちゃんと来てるけどな」

律「たしかにお前らギクシャクしてるもんなー」

紬「はい、お茶にしましょ」

唯「ありがとー」グイグイ

57: 2010/05/12(水) 01:18:33.60 ID:qRr4yipL0
ガチャ

唯律澪紬「!!」

さわ子「やっほー」

律「ってなんださわちゃんか」

さわ子「何よ、その言い方。ところで唯ちゃん」

唯「?」

さわ子「唯ちゃんがメタルに目覚めたと聞いたんだけど、本当かしら?」

唯「別にそんなことないです」

さわ子「なんだ……そろそろデスボイス特訓でも始めるのかと思って準備してたのに」

律「放課後ティータイムはいつからメタルに?」

さわ子「りっちゃんのリズム練習のためにBPM800のメトロノームも用意してきたのに」

律「そんな曲あるの?」

さわ子「……てへ☆」

澪「今日は梓来ないな」

紬「たしか委員があるとか言ってたような気が……」

60: 2010/05/12(水) 01:24:27.33 ID:qRr4yipL0
梓(どうしよう……部活、行きづらい)

梓(こないだはあんなこともあったし……)

梓(なんで叩いちゃったんだろう、私)

あのとき

唯「あーずにゃん!」ギュッ

喜びと不安と

唯「今日もあずにゃんはかわいいよお」スリスリ

混ぜこぜで、自分でも何が何だかわからなくて。

梓(それで……唯先輩を、叩いた。全力で)






憂「梓ちゃーん?」

3: 2010/05/13(木) 00:59:16.77 ID:IBPX78.0
それでは、続きから始めます。中断したのが中盤程度でしたので、残り半分程の投下となります。

これまでの簡単なまとめ

唯が紬から美容品と称したクスリをもらう。
何故かそれから唯絶好調。インペリテリを軽くこなすほどに。
同じクスリを飲んだ梓はなぜか唯とギクシャクしてしまう。
BPM800のメトロノームを持ち出すさわ子。

それじゃあのんびり気長にやりますので見守ってくださいな。

5: 2010/05/13(木) 01:03:26.20 ID:IBPX78.0
梓(どうしよう……部活、行きづらい)

梓(こないだはあんなこともあったし……)

梓(なんで叩いちゃったんだろう、私)

あのとき

唯「あーずにゃん!」ギュッ

喜びと不安と

唯「今日もあずにゃんはかわいいよお」スリスリ

混ぜこぜで、自分でも何が何だかわからなくて。

梓(それで……唯先輩を、叩いた。全力で)



憂「梓ちゃーん?」

6: 2010/05/13(木) 01:05:33.03 ID:IBPX78.0
梓「え、な、何?」

憂「もうだいたい仕事終わったし、先に部活行ったらどうかな? って」

梓「そんな、悪いよ」

憂「いいのいいの、それにお姉ちゃん最近お家で梓ちゃんのことばっか話してるんだよ?」

梓「え」ドキ

憂「最近相手してくれないんだって、愚痴ってた」クスッ

梓「そ、そうなんだ」

憂「あんなお姉ちゃんだけど、梓ちゃんのことちゃんと考えてくれてるはずだから」

梓「……うん、わかった。それじゃあ部活に行ってくるね」

憂「うん、行ってらっしゃい」

7: 2010/05/13(木) 01:08:35.69 ID:IBPX78.0

ガチャ

唯律澪紬「!!」

唯「あ……あずにゃん」

梓「……すみません、委員会で遅れました」

律「いーのいーの、気にすんなって」

澪「私達もお茶してただけだしな」

紬「梓ちゃんもお茶にしましょ?」

さわ子「」ゴクゴク

8: 2010/05/13(木) 01:10:45.85 ID:IBPX78.0
梓「その、それよりも先輩」

唯「え、あい?」

梓「この間の件なんですけど」

唯「それは私が悪かったよー、だからあずにゃん許してー」ダキッ

梓「だ、だから抱きつかないでください!!」

唯「や、やっぱだめなの……?」

梓「べ、別に悪いわけじゃ……」

梓「あります! もっと唯先輩はちゃんとするべきだと思います!」

唯「う、うん……ごめん」ウルウル

梓「」ハッ

梓(なんで唯先輩が謝ってる状況に!?)

9: 2010/05/13(木) 01:12:31.46 ID:IBPX78.0
梓「もういいです、早く練習しましょう」

唯「そうだ、あずにゃんここのギター教えてー」

梓「先輩ちゃんと楽譜読めるようになってください!」

唯「ご、ごめんなさい……」オロオロ

梓(うっ……)「みなさんも早く練習しましょう!!」

律「ほほーう」ニヤリ

梓「な、なんですか」

律「若いね、梓」ニヤニヤ

梓「早く練習やるです!!」カァッ

10: 2010/05/13(木) 01:32:54.71 ID:IBPX78.0
放課後!

梓(こんなはずじゃないのに……)

唯「今日の演奏はちょっと失敗だったねー」

梓「せ、先輩のギターは完璧でした!」

唯「えへへ、そうかなー」テレテレ

律「…………」コソコソ

澪「なあ、律」コソコソ

律「しっ、バレるだろ」

紬「」ボー

律「梓だけど、これはもしかすると……」

澪「何を言ってるんだ?」

紬「」ボー

11: 2010/05/13(木) 01:38:30.82 ID:IBPX78.0
律「梓に何か起きてるのはわかるよな?」

澪「そりゃ、まあ」

律「たぶん唯がらみのことだと私はニラんだね」

澪「そうなのか?」

律「だからこうして跡をつけてれば真相がわかる! かも」

澪「……ストーカーじゃないか」

紬「」ボー

12: 2010/05/13(木) 01:39:43.22 ID:IBPX78.0
唯「そうだ、家の近くのアイス屋さんに寄らない?」

梓「あ、あいすですか?」

唯(あずにゃんと仲直り大作戦その1、甘いもので親睦を深める!)

唯「うん、どんとおごったげる!」

梓「はい、それじゃあお言葉に甘えて」

律「おい、聞こえたか」

澪「アイス食べにいくみたいだな」

律「アイスデートか……」

澪「……私もアイス食べたい」

律「じゃあ私達もばれないようにアイス食うか」

澪「うん」

紬「」ボー

13: 2010/05/13(木) 01:44:00.96 ID:IBPX78.0
唯「それじゃあ、何でも好きなもの頼んじゃって」

梓「じゃあ、これとこれとこれで」

唯「じゃあ私はこれとこれとこれで」

唯「席に座って食べよっか」

梓「はい!」

律「と、トリプルだと……気前いいな、唯」

澪「私も食べたい……」

律「太るぞ?」ボソッ

澪「ミントアイスのミニカップください!」グスッ

律「ぷっ、じゃあ私はこれで」

紬「……私もりっちゃんと同じで」ポー

14: 2010/05/13(木) 01:50:44.24 ID:IBPX78.0
唯「アイスおいしいねえ」ガブ

梓「はい、甘くておいしいです」ペロ

唯(あずにゃんのアイスおいしそう…)

唯「ねえあずにゃん」

梓「はい?」ペロ

唯「あー、あんなところにメイド姿の澪ちゃんが!」ビシィ

15: 2010/05/13(木) 02:04:15.71 ID:IBPX78.0
梓「え!?」

律澪紬「!?」ドキ

唯「ふっふっふ、すきありっ」ガブッ

梓「あ! チョコが!」

唯「あずにゃんのチョコは頂きました!」

唯(仲直り大作戦その2! 大胆に慣れ慣れしくで親密度アップ!……ついでにチョコアイスも!)

梓「大事に舐めてたのに……」グス

唯(あれ、もしかして逆効果だった?)

唯「じょ、冗談だよあずにゃん」

梓「……」プイ

唯「あああああずにゃん! こっちのチョコチップもおいしいよ! ほら!」

梓「……」ガブ

梓「……おいしい」パァァ

16: 2010/05/13(木) 02:14:38.62 ID:IBPX78.0
唯(よかったー……)

唯「ごめんねあずにゃん勝手に食べちゃったりして」

梓「いえ、いいです。先輩のチョコチップもおいしかったです」

唯「じゃあ食べ比べしよっか」

梓「え、あ……はい」カァ

唯「はいあーん」

梓「あーん」

律「び、びっくりした……」

紬「澪ちゃん白くなってる……」

澪「ワタシハメイドジャナイワタシハメイドジャナイ」

17: 2010/05/13(木) 02:15:38.25 ID:IBPX78.0
梓「その、唯先輩」

唯「どしたのあずにゃん?」

梓「最近、先輩ってギターの特訓とかしてたんですか? 急にギターが上手になった気が……」

唯「いやー、最近ギー太弾いてるとギー太と一つになったみたいな感じになるんだよ」

梓「そ、そうなんですか」(一つになる……)

唯「ほら、ピックもこんなにすり減っちゃった」

梓「何ヶ月ですか? このピック」

唯「えーと、だいたい一週間しないくらいかな」

梓(一週間で……どれだけ弾いたんだろう)

18: 2010/05/13(木) 02:27:25.15 ID:IBPX78.0
唯「そうそう! こないだ楽器屋さんいったらこんなの見つけたんだよ!」

梓「ピック、ですね」

唯「あずにゃんピックだよ! ほら、ここに猫がある」

梓「あ、黒い猫だ」

唯「はい、プレゼント! あずにゃんにあげる」

梓「え、そんな悪いですよ。私もピック持ってますし」

唯「実は予備にもう1つ買ってあるから、全然大丈夫だよ」

梓(つまり先輩とお揃いのピック……)

梓「じゃあ、もらっておきます」

19: 2010/05/13(木) 02:28:32.42 ID:IBPX78.0
律「お、何か渡してる」

律「おーい澪ー」

澪「ワタシハメイドジャナイ…ブツブツ」

律「あー、だめだこりゃ。トラウマが」

律「おーいムギー」

紬「」ボー

律「……はあ、二人ともなあ」

律「でもあの梓の様子見てると……」

律「いよいよクロ、かな……」

20: 2010/05/13(木) 02:48:03.95 ID:IBPX78.0
帰宅!

唯「えへ、なんとかあずにゃんと仲直りできたかな」

唯「さてギー太ギー太っと……」

唯「はー、相変わらずいい香り」クンクン

唯「……今日も抱いて寝よっかな」

唯「あ、その前に一曲作っておこっと」

………………………………………

梓「先輩のピック……えへ」

梓「って違う、違う」

梓「でも……弾きたくないな」

梓「そうだ、携帯のストラップにしよう」

梓「……こんなもんかな」

梓「……えへ」prrr

21: 2010/05/13(木) 02:48:40.35 ID:IBPX78.0
梓「あれ、電話」

梓「はいもしもし」

律「こーんばーんわー!! わたしは!! いったい!! だれでっしょう!!??」

梓「うるさいです、切りますよ?」

律「ごめん、切らないで!」

梓「どうしたんですか? こんな夜に」

律「ちょっと軽音楽部部長として、話がしたくてね。時間、空いてる?」

梓「別にいいですけど……珍しいですね」

律「へ? どーいうこと?」

梓「律先輩が真面目なの」

律「私はいつだって真面目だい! それじゃあ公園で待ってるぞ!」ガチャ

梓「……なんだろう」

22: 2010/05/13(木) 02:50:32.57 ID:IBPX78.0
ガチャ

憂「お姉ちゃーん……」

唯「」zZ

憂「くす、もう寝てる」

憂「最近寝るの早いなあ、お姉ちゃん」

憂「あ、またギー太抱いて寝てる」

憂「ギー太大丈夫かなあ……」

23: 2010/05/13(木) 02:53:21.81 ID:IBPX78.0
律「おーい、こっちこっちー。座りなよ」

梓「何の用ですか?」

律「いや、唯のことについてなんだけど」

梓「そ、それで私にどうして?」ドキ

律「ほら、誰よりも唯のこと一番わかってそうじゃん、梓ってさ」

梓「……そんなことないです」テレッ

24: 2010/05/13(木) 02:54:20.07 ID:IBPX78.0
律「それで相談なんだけど」

律「私、唯のことが気になってるんだよね」

梓「そうなんですか」

律「うーん……なんていうか、その」

律「唯のこと、好きになっちゃったみたいなんだよなあ、私」

梓「そうなんですか……って、えっ」

梓「えええええええええええ!?」

25: 2010/05/13(木) 02:55:00.56 ID:IBPX78.0
律「おい、あんま大きい声で騒ぐなよ!」アセアセ

梓「で、でも……唯先輩は女の子ですよ?」

律「そうなんだよなあ。それで梓はどう思う?」













律「女の子が女の子好きになるって、おかしいことかな?」

26: 2010/05/13(木) 02:55:30.34 ID:IBPX78.0
梓「わ、私は……」

何だか重なりを感じるのは気のせいでもなくて。

それはまさに自分が抱いていた、不安。
普通じゃないんじゃないか。自分は変じゃないのか。
普通とは違う、その恐怖におびえていた。

でも、律先輩を見ていて思った。


らしくない


そうやって悲しい顔して塞ぎ込むより、気にせずに前を向いて笑っている方がずっと律先輩らしい。
そしてそれは自分にも言えることだ。

27: 2010/05/13(木) 02:56:21.93 ID:IBPX78.0
今日、いや先日から唯先輩に抱いていた気持ち。
それに対して正面から向き合えなかった。

自分でもその感情の正体はわからない。
でも唯先輩に打ち明けることで何かが変わるのかもしれない。
いや、きっと変わるのだろう。

そしてたぶん、そうする私が最も「私らしい」

28: 2010/05/13(木) 02:57:16.53 ID:IBPX78.0
梓「律先輩……」

梓「別に、おかしいことじゃないと思います」

律「そ、そうかな?」

梓「そんなのよくあることです!」

律「……そこまでいうかい」

梓「でも私だって……」

梓「唯先輩のこと好きかもしれないし、譲りません」

律「」ニヤ

律「……ということだそうだ」

梓「え」

29: 2010/05/13(木) 02:59:41.38 ID:IBPX78.0

紬「こんばんはー」

梓「むむむむムギ先輩!?」

澪「…………」カァ

梓「みみみみみみ澪先輩まで!?」

律「わりーな、試すような真似しちゃって」

梓「ど、どういうことです!!」

律「見ての通りでーっす」

梓「じゃ、じゃあさっきの律先輩の」

律「うん、嘘☆」

律「でも気づいただろ? 自分の気持ち」

30: 2010/05/13(木) 03:00:54.93 ID:IBPX78.0
梓「むぐぐ……」

紬「本人たちがよければ、いいんじゃないかしら?」

澪「わ、私にはよくわからないけど。梓がそうしたいなら応援するぞ」

律「どーんといってがっしゃーんばらばら」

梓「何の効果音ですか!」

31: 2010/05/13(木) 03:02:01.04 ID:IBPX78.0
律「ようし! それじゃあ軽音部一同で梓の恋を応援するぞー!」

紬「あの、盛り上がってるところ悪いんだけどちょっとりっちゃん借りるね?」

律「ん、どしたの?」

……

紬「梓ちゃん、唯ちゃんからもらった薬が原因かもしれないの」ボソ

律「え、どういうこと?」

紬「実はあの薬……」

32: 2010/05/13(木) 03:03:35.31 ID:IBPX78.0
………………

紬「お父さん、話があるんだけど」

紬父「どうした紬。新しいお船が欲しいのか?」

紬「もしかして、いつも私に渡してるクスリ、なんか変なもの入ってる?」

紬父「いや、違うんだ紬。これは紬のためを思ってグループの総力を挙げてだな」

紬「 何 が 入 っ て る の ? 」

紬父「そ、それはだな……」

紬「言い訳するお父さんなんて嫌いになるよ」

紬父「父さんは言い訳しないぞ! じ、実はだな……」

………………

33: 2010/05/13(木) 03:04:36.28 ID:IBPX78.0
紬「人によっては同性愛に目覚めてしまう薬らしいの」

律「ぬわぁんだってえええええええ!?」

紬「お父さん、私が変な男に引っかからないように、って……」

律「そりゃまた立派なお父様だね」

紬「だから薬が切れたら梓ちゃんも元に戻るはずよ。たぶん……唯ちゃんも薬が原因なんだと思う」

律「そうなの!?」

紬「私以外への副作用は未知数だって、お父様が」

律「だ、大丈夫かな。唯」

紬「今日の分まで薬を渡しちゃったから様子見するしかないんだけど……」

紬「もし唯ちゃん達に何かあったら私が責任取る……今のところ私に薬を絶った影響は無いわ」

物 梓 陰「……えっ」

梓(あんまり聞き取れなかったけど……薬が原因ってこと?)

梓(あ、早く戻らないと)

34: 2010/05/13(木) 03:07:29.47 ID:IBPX78.0
澪「……暗くて怖い」

梓「澪先輩知ってます? この公園の砂場では毎夜いじめられていた生徒たちの怨念が集まって遊んでるっていうはな」

澪「ひいいいいいいいいいいいいい!!」

律「待たせたなー」

律「えーと、梓」

梓「はい」

律「その、私達のほうで唯の気持ちとかそことなく調べてみるから。またわかったらメールするわ」

梓「でも、私は今からでも……心の準備はできてます!」

紬「梓ちゃん」

梓「は、はい」

紬「こういうところで焦ったらダメよ。落ち着いて、じっくり行きましょ?」

梓「そうかもしれませんけど……」ムスッ

澪「早く帰ろうよ、律う……」ブルブル

36: 2010/05/13(木) 03:10:46.13 ID:IBPX78.0
律「そういうことだ! 急いては事を仕損じるってやつだ!」

梓「律先輩ことわざ知ってたんですね」クス

律「なにおう! 私はやればできる子なんだからな!!」

澪「早く帰りたい……」

紬「それじゃあ、時間も遅いし帰りましょうか」

梓「その、今日はありがとうございました!」

律「気にすんなっての。それじゃあまた明日ー」

澪「……ばいばい」

紬「ばいばーい」

梓「…………」

37: 2010/05/13(木) 03:11:23.40 ID:IBPX78.0
梓「」テクテク

梓「やっぱあのクスリだったのかな……」

梓「……なんか唯先輩の声が聞きたいなぁ」

梓「まだ……起きてるよね?」

梓「」prガチャ

唯「どしたのあずにゃん!」

梓「ど、どうしてそんなに元気なんですか! もう夜の11時です!」

唯「あ、あずにゃんが電話かけてきたのにぃ……」

梓「それはそうですけど……」

唯「あずにゃんは今どうしてるのー?」

梓「外、歩いてます」

40: 2010/05/13(木) 10:39:35.64 ID:IBPX78.0
唯「そんな危ないよ!」

梓「っ?」ビクッ

唯「どこにいるの?」

梓「い、いつもの橋のところです」

唯「じゃあそこで待ってて! そこなら近いから送ってくから!!」

梓「え、ちょ、唯先輩!?」ツーツー

梓「…………なんか雰囲気がぜんぜん違ってたなあ」

41: 2010/05/13(木) 10:40:06.14 ID:IBPX78.0


……

………

紬「たぶん……唯ちゃんも薬が原因なんだと思う」

紬「今日の分まで薬を渡しちゃったから様子見するしかないんだけど……」

今日の分まで。

42: 2010/05/13(木) 10:40:36.24 ID:IBPX78.0
梓(私がクスリのせいだったとしたら……)

梓(当然、唯先輩にもそうなる可能性って、あるよね)

梓(……勝手にくる唯先輩が悪いんだよ)

梓(もう、どうにでもなっちゃ…)唯「あーずにゃーん!!」ダキッ

43: 2010/05/13(木) 10:41:27.60 ID:IBPX78.0
唯「まあまあ、とにかくあずにゃんをちゃんと送っていくよ」

梓「私は先輩の方が心配です!」

唯「はい、手」

梓「え」

唯「ここの道は暗いから夜は気をつけなきゃ駄目だよ?」

梓「……はい」ギュッ

44: 2010/05/13(木) 10:42:03.29 ID:IBPX78.0
梓「その先輩」

唯「なにあずにゃん?」

梓「土手で少しお話しません?」

唯「夜遊びはダメだよー」

梓「少しだけですから」

唯「もう、しょうがないなあ」

梓(立場がいつもと逆になってる……)

45: 2010/05/13(木) 10:42:40.97 ID:IBPX78.0
唯「おー、星が綺麗だね」

梓「そうですね」

唯「綺麗だねぇ……」

梓「唯先輩」

唯「なに?」

梓「その、単刀直入に言います。私、唯先輩のことが……」

46: 2010/05/13(木) 10:43:36.59 ID:IBPX78.0
唯「わかってるよ、あずにゃん」

梓「!」カァッ

唯「言わなくてもそんなのお見通しだよ」

唯「あずにゃんは顔にいっつも出てるもん」

梓「え、いや、あの」

唯「私なりにね。考えてみたの」

唯「適当にごまかすこともできると思うけど、そんなことしたくないし」

唯「それこそあずにゃんに失礼だからね」

梓「唯先輩……」

唯「だから贈るよ。これが私からの、あずにゃんへのメッセージ」

47: 2010/05/13(木) 10:44:14.61 ID:IBPX78.0
そう言ってギターを構える唯。
アンプに繋いでいないはずなのに甘く太い音。
そう梓に聞こえたのは、夜が見せた幻想か。

少し戸惑うようなストロークはしかし力強く。
そして唯の声があたりに響く。




大切なもの、気づいたら奪ってた。
ダメだね、私。わかってあげれなくて。
もやもやする心は全部ここに置いていこう

…………

………

……


48: 2010/05/13(木) 10:44:50.67 ID:IBPX78.0
唯「~♪」

梓「先輩……」ウルッ

唯「題して、「チョコレートアイスにごめんなさい!」でしたー」

梓「えっ」

唯「これでもう怒るの無しね!」ビシィ

梓「……」ワナワナ

49: 2010/05/13(木) 10:45:23.54 ID:IBPX78.0
唯「あはは、あずにゃんってばおもしろーい」ケタケタ

梓「な、何をふざけてるんですか! 私は真面目に……ッ!?」

唯「ごめんね。あずにゃん」ギュッ

梓「……」

唯「でも、なんか悩んでる顔してたから、明るくなってほしいな。って」

梓「……先輩はバカです」

唯「うん、バカだよ」

梓「……大馬鹿です」

唯「うん、大馬鹿」

50: 2010/05/13(木) 10:46:04.64 ID:IBPX78.0

梓「その、先輩」

唯「なにあずにゃん?」

梓「先輩に弾き語りしてほしいです」

唯「しょうがないなあ、特別ね? 何の曲がいい?」

梓「先輩に任せます」

唯「うーん……それじゃあ、私の恋はホッチキス」

51: 2010/05/13(木) 10:46:43.68 ID:IBPX78.0
…………

………

……



唯「届かなーい、ララまた明日……」

梓「」スーッ、スーッ

唯「ありゃ、寝ちゃってる」

唯「あずにゃん、風邪引くよー」ユサユサ

梓「」スーッスーッ

唯「どうしよう、私も帰れないよ……」

唯「……ヒックシ」

52: 2010/05/13(木) 10:47:11.42 ID:IBPX78.0
次の日!

澪「あれ、今日唯学校来なかったな」

律「根堀葉堀聞き出そうと思ったのになー」

紬「あ……憂ちゃん」

憂「こんにちは」

律「おっす、唯学校来てないんだけど、どうしたの?」

憂「それが、お姉ちゃん風邪引いちゃって……熱が40度もあって」

律「だ、大丈夫なのか!?」

憂「お医者さんは心配は無いって言ってるけどお姉ちゃんすっごい苦しそうで……」ウルウル

澪「どこで風邪菌もらったんだろうな、唯」

憂「そういえば梓ちゃんも今日風邪でお休みみたいで……」

紬「あらあら……」

53: 2010/05/13(木) 10:48:01.95 ID:IBPX78.0
一週間後!

唯「おはよー!!」

律「やっと帰ってきたなこのヤロー」グリグリ

唯「痛い、痛いよりっちゃん」

澪「心配したんだぞ」

紬「無事でなによりだわ」

唯「えへへ、放課後のお菓子が楽しみだよー」

律「全く相変わらずだな」

54: 2010/05/13(木) 10:49:01.35 ID:IBPX78.0
梓「……はあ」

憂「どうしたの梓ちゃん?」

梓「風邪引いた夜に何かあったような気がするんだけど……思い出せなくて」

憂「きっと、もうろうとしてたんだよ。無理に思い出しちゃ駄目だよ」

梓「うん……」

梓(なんかすっごい大事なことだった気がする)

55: 2010/05/13(木) 10:57:15.23 ID:IBPX78.0
放課後!

唯「ぐむむむむ」

澪「どうしたんだ唯?」

唯「……ギー太から音がでない」

澪「どれ……って、これは!」

梓「どうしたんですか?……って!」

唯「なに、二人ともどうしたの?」

梓「ネックが……」

澪「反ってる……」

梓「逆反りしすぎて弦がフレットに触れちゃってます!」

澪「自分で直せないこともないが……リペアに出した方がいいな」

唯「えー!」ガーン

56: 2010/05/13(木) 10:58:40.17 ID:IBPX78.0
数日後!

唯「そうだムギちゃん、あのお薬ってもうないの?」

紬「ごめんね唯ちゃん。もう開発中止したって」

唯「あれ飲んでたら調子良かったのにー……」

梓「薬に頼るなんてダメです!」

唯「た、頼ってないよ。気分をハイにするための……」

梓「それじゃあ危ない奴と一緒じゃないですか!」

紬「」ドキ

律「ほれ唯、これ弾いてみて」参考動画(2:40辺りから):http://www.youtube.com/watch?v=TAdgrlwdTjc


唯「」ピロピロピロリロロレレピベキッ

唯「ゆ、指痛いー!」

律「おー戻った戻った」

57: 2010/05/13(木) 10:59:13.97 ID:IBPX78.0
唯「ところで最近作曲ができなくなったんだよねー……」

律「まあいんじゃね?」

紬「別に唯ちゃんがすごい作曲できなくても、唯ちゃんは大事な仲間なんだから」

澪「そうだぞ、気にすること無い」

唯「えへへ、ムギちゃんありがとう」テレ

梓「あの、こんなフレーズ思いついたんですけど」

澪「へえ、いいじゃないか。今までにない曲だ」

唯「切ない乙女の曲だね! あずにゃんも大人になったねぇ~」

梓「か、からかわないでください!」

唯(初めて聞くけど、初めて聞いた感じがしないな……)

梓「唯先輩、ギターの練習しましょう!」

唯「えー、お茶しようよー」

律「あと一杯だけ!

紬「はい、梓ちゃんもどうぞ」

58: 2010/05/13(木) 10:59:48.00 ID:IBPX78.0
梓「……もう」

紬「今日はチョコレートアイスよ」

唯「わーいやった!」

澪「すごいおいしそうだ」

律「いっただっきまーす!」

梓(……チョコレートアイス)

59: 2010/05/13(木) 11:00:15.73 ID:IBPX78.0
梓(!)ピコン

梓「先輩、ひらめいたんですけど、さっきの曲のタイトルは……」

梓「      」

律「なんだそのセンス!?」

唯「いい、いいよあずにゃんそれ」キラキラ

澪「いいんじゃないかな?」

紬「可愛くてとっても梓ちゃんらしいと思うわ♪」

唯「次の文化祭でその曲絶対やろうよ!」

梓「……はい!!」

END

60: 2010/05/13(木) 11:02:24.26 ID:IBPX78.0
意味不明なところがあったらすんません。これで終わりです。
色々と質問があったら答えますが力量上の問題で書ききれなかった部分があったのは許してね。
まさか規制食らうとは思わなかった……

61: 2010/05/15(土) 21:04:29.68 ID:TZRFw6DO
いつの間にか終わってた
ここに来てみてよかったよ

気付いたの遅すぎだから今更だけどおつ
さわやかほのぼので面白かった

次作も期待したいな(チラッ

62: 2010/05/15(土) 21:06:20.98 ID:ESWINuEo
今更ながら見つけたw
乙でした

引用元: 唯「ムギちゃんその白いクスリなに?」