8: 2011/08/08(月) 00:19:24.10 ID:whAUwN0W0
上条「卵お一人様1パック限定…!レジを変えて2週は出来たものの店員のジト目を俺は見逃さなかった…!」

上条「こういう時に知人の1人でも通りかかってくれれば…」

????「上条…当麻?」

上条「おお!天使が舞い降り…
(まずい誰だこの美人さん)」

????「…あははっ、別用で来たら思わぬ拾い物じゃない」

上条「あー、久しぶりd」

????「待ちなさい。アンタ最初に困惑したあたり私の事を認識出来ていないでしょ」

上条「いやいや!流石にこの上条当麻知人の事を完全に忘れるという事は」

????「名前言ってみなさい」

上条「…ぐ」

????「やっぱりね。     …あー」

上条「?」

????「ぐっちゃぐちゃの塊にすんぞゴラ」ギラッ☆

上条「おわあ!?…ってあれ?そこはかとなくその女性らしからぬドスの効いた台詞に聞き覚えがある自分が…」
とある魔術の禁書目録 5巻 (デジタル版ガンガンコミックス)
13: 2011/08/08(月) 00:24:45.74 ID:whAUwN0W0
上条「待て。待ってくれ。俺の記憶が正しければその台詞は上条史トップクラスの末恐ろしい女性の…」

????「悪かったわね…最初の時は術式のためだし2度目は…まあ戦闘の時は高揚するものでしょ」

上条「…えーっと?ひょっとしてひょっとすると…あの前衛的なファッションと名前の」

????「そうよ、まあ本名は別なんだけど。アンタにとってはこっちの方が馴染み深いかしら」

ヴェント「元神の右席、前方のヴェント。久しぶりね、上条当麻」

上条「」


と導入してみる

17: 2011/08/08(月) 00:40:22.62 ID:whAUwN0W0


上条「そうなのかー…アックアの様子を見に」

ヴェント「ええ、ここで色々職を渡り歩いてるそうだからアンタも一度くらいは会ってるんじゃないの」

上条「ああ。アイスクリーム屋で1回、ぬいぐるみ屋で1回…
    ああ、知り合いに聞いたが執事喫茶でもそれっぽい奴を見かけたって話だ。これは眉唾だけどな」

ヴェント「(何やってんだ元神の右席)しかしまあ、ロシアの海に投げ出されたってのによく生きてたわね…
     頃しても氏なないようなアンタだから生きてるとは思ってたけど、こうして直に対面出来て…」

上条「安心しちゃったり?」

ヴェント「調子乗んな」デコピン

上条「あだっ…しかし上条さん驚きですよ。某コイの王様もビックリの変わりっぷりで」

ヴェント「意識して変えてるからね。必要不可欠な事だったから苦には思わないけど」

上条「今のこれが猫かぶりだったりは」

ヴェント「あ?」

上条「何でもありませン」

ヴェント「…はぁ、常時あんなテンションの人間って思われてた事がショックよ」


22: 2011/08/08(月) 01:05:41.28 ID:whAUwN0W0
上条「ふーむ…」チラチラ

ヴェント「何?」

上条「いや、可愛いなって」

ヴェント「っ!」

上条「いやホント。その亜麻色の髪とかすげぇふわふわしてそうだし、
    顔とかもあの時はアレだったけどこうして見てみるとすげぇ整って…」

ヴェント「あーあーあー!やめやめ!バッカじゃないのアンタ、ガチで命のやり取りした相手に向かって」

上条「その格好でその口調っていうのも何だか新鮮だなー」

ヴェント「あーもー」ワシワシ

上条「おい、髪痛むぞ。折角綺麗なのに」

ヴェント「だああああ!」

カミジョウチャーン

上条「ん?あれは」

30: 2011/08/08(月) 01:22:52.68 ID:whAUwN0W0
小萌「やっぱり上条ちゃんでしたか。目的はやっぱりこれですか?」ガサッ

上条「そうなんですよ…3個目以降は…ちょっと、ねぇ」

ヴェント「(うー…こいつの事を調べた時そこそこの数の同年代少女との交友関係が浮かんだけど)」ブツブツ

姫神「分かる。あの店員。仏の顔を二度までという名セリフを知らないのかよって顔をしてた」

上条「流石スーパーの店員は格が違った…今回は諦めるかね」

小萌「シスターちゃんはどうしたんですか?」

上条「ああ、インデックスは朝からスフィンクスを探しに行っちまいましてね」

ヴェント「(こいつ、誰にでもこういう歯の浮く台詞ぶつけてるのかしら…)」ブツブツ

小萌「そうなのですか、結標ちゃんかウィルちゃんが一緒だったら手伝ってあげる事もできたんですが」

上条「いや、気にしないでいいですよ。人間時には妥協も必要っす」

小萌「ところで…上条ちゃん、その子はお知り合いです?」

上条「ああ、こいつは…ってそうだ!ヴェント!」

ヴェント「(ブツブツブツ…)なっ!?きゅ、急に大声出してんじゃ…」

上条「お前にしか頼めない事があるんだ!」ガシッ

ヴェント「えっ、な、何よ!?」アワアワ

35: 2011/08/08(月) 01:29:10.69 ID:whAUwN0W0








ヴェント「…はい。2パック」

上条「おお…天使だ…天使が見えおる…」

ヴェント「アンタの中の天使ってずいぶん安っぽいイメージなのね」

姫神「それで。上条君。そのヴェント?って人は」

上条「こいつは…

   あー、イタリア旅行の時に何かと世話になったんだ。今日は…」

ヴェント「知人がここで働いてるんで様子を見に来たの」

小萌「そうなんですかー(上条ちゃん、帰ってきたと思ったらシスターちゃんに続きまた外国の人を…)」チリチリ

姫神「(また。増えた…)」ピリピリ

ヴェント「(な、何だか敵意を感じる…天罰術式があったら危なかったわね)」

上条「(うん、打ち解けられてるようで何よりだ)」

39: 2011/08/08(月) 01:38:34.77 ID:whAUwN0W0
ヴェント「じゃあ、月詠さんは上条くんの先生なんですか(ありえねー。情報としては知っていたが魔術どころか魔法の域でしょこれ)」

小萌「小萌でいいのですよー。それにしても上条ちゃんの交友関係の広さは計り知れないのです」

姫神「色んな。意味で」

上条「いやいやいや、人並みですって」

ヴェント「よし、アンタ今すぐ」
姫神「人並みを」
小萌「辞書で引いてくるといいのですよー」

上条「ローテンショントーク!?いつの間にそんなジェットストリームな連携をするほどの仲に!?」

小萌「そういえば、ヴェントちゃんの知人というのは男性の方だったりするのですか?」

上条「スルーされた!」

ヴェント「?はい、そうですけど」

小萌「…」グッ

姫神「…」グッ

ヴェント「(…ああ、この2人も上条当麻の犠牲者か)」

>>36
作中ではない(はず)
新約1巻の頃にフードピアス化粧無しの設定画が公開されて一目惚れ

41: 2011/08/08(月) 01:44:01.48 ID:whAUwN0W0
小萌「あ、それでは私たちはここで失礼するのですよー」

姫神「ばいばい」ヒラヒラ

上条「結局スルーされっ放しだった…」ヒラヒラ

ヴェント「何か…濃い知り合いね」

上条「いやー前方さんのハイっぷりには負け「あぁ?」何でもありませン」

ヴェント「というかつい流れでアンタに付いて来ちゃったけど別にそんな必要は無かったのよね」

上条「ああ、すまん。急にあんな事頼んじまって。何かお礼出来そうな事は…」

ヴェント「気にしなくていいわよ。卵2パック程度でそんな恩義感じられたら気まずいっての」

上条「しかし、俺としてはこのままでは…」

ヴェント「(はぁ…貸し借りで言うならこっちにゃフィアンマの野郎の事で返しきれない程の借りがあるのよ)」

42: 2011/08/08(月) 01:46:32.17 ID:whAUwN0W0
上条「そういえばこっちにはいつまで?」

ヴェント「2日後。ま、調査なんて1日で十分なんだけどねー。まあ、余った時間はせいぜい観光でもしてこの都市をもっと嫌いになってやるよ」

上条「おお!それならばちょうど連休だし上条さんがビリ…じゃなくてバリバリ案内しちゃいますよ!」

ヴェント「…は?」

上条「いやー丁度よかった、取り得に乏しい俺でもこの街の事ならそれなりに自信があるのですよ」

ヴェント「…アンタ、2人切りで街を闊歩ってそれ周りの人間から見たら超高確率でデー…」

上条「?いや、インデックスも連れて行くぞ」

ヴェント「あ…」カアア

ヴェント「(くそ、デートって何言ってんだ私は。まるでこいつを意識してるみたいな…)」

上条「そういえばさっき超高確率で何て…」

ヴェント「///うあー!黙っとけェ!」ブォン

上条「うおわあ!?ちょヴェントさんハンマーどこから出したんですかというか直接打撃は割とシャレになんねぇ!」

ヴェント「うるせぇ黙ってぶん殴られろ上条当麻ぁ!」ブォンブォン

上条「いや殴られる=氏見えますからね!?ふ、不幸だー!」

アックア「何をしているか貴様らあああああ!」

43: 2011/08/08(月) 01:50:21.25 ID:whAUwN0W0








アックア「白昼堂々ファーストフード店の前でハンマーを振り回す女…」

ヴェント「…」

アックア「叱り付けたい所だが」

上条「…」

アックア「何で周りの者達は無反応なのだ!理由を聞いてみれば…」

曰く「だって、ねぇ。あのツンツンの子でしょ?」
曰く「あの野郎また別の女と痴話喧嘩かよ。第三位も報われねーな」
曰く「若いっていいわねぇ」
曰く「ハンマー振りかぶるの見てから緊急回避余裕でした」

アックア「ありえん!しかも全員あの無作為に振り回されるハンマーを軽々と避けながら店内に入っていく始末!」

上条「まああいつで慣れてるからなぁ、ここらの人達」

アックア「むぅ…流石科学の本拠地…まだまだ不可解な事象が多いのである」

ヴェント「この現象に限っては明らかに科学無関係だと思うけどね」

46: 2011/08/08(月) 02:00:39.06 ID:whAUwN0W0
上条「そういえば、お前はどうしてここに?」

アックア「私はこの店で10時からのシフトに入っている」

上条「おおう…」

ヴェント「ここってスマイル0円のあの店じゃない、アンタその仏頂面で大丈夫なのかい」

上条「すいませーん、スマイルください」

アックア「承った」ニコ

上ヴェ「」キュン

上条「い、いかん!俺にそんな趣味は無いぞ!」

ヴェント「…不覚だわ」

アックア「執事喫茶でも微笑みのウィリアムとして評判だったのである」ドヤァ

上ヴェ「(眉唾確定!?)」

ヴェント「はぁ…アンタが色々動き回ってるおかげでこっちとしては動きが読めないのよ」

48: 2011/08/08(月) 02:04:39.81 ID:whAUwN0W0
上条「そういや、ローマ正教って今どうなってるんだ?」

ヴェント「…軽々しく話せる内容と思ってるの?」

上条「あー…そうだよな。すまん」

ヴェント「まあ別にいいか…壊滅よ壊滅。殆どの主力部隊がボロボロだしね。ギリギリ組織としての体裁は保ててるけど。
      ま、その状態でも私がこんな任務に当たれるあたり今はある程度情勢は落ち着いてるって事でしょ」

上条「…続けば、いいけどな」

ヴェント「ハッ…お気楽思考ね。ああアックア、携帯電話は持ってんの?」

アックア「む?ああ。それがどうかしたであるか」

ヴェント「アドレスよこしなさい、こっちに居る間はこれで連絡を…」

上クア「」ザザッ

ヴェント「…おい、何でそこで引くのよ」

上条「ヴェント…お前、ついに科学を認めるように」

アックア「…見誤ったか。お前の闇はその程度の…」

ヴェント「携帯電話1つでんな深刻に捉えてんじゃねぇ!命令だから仕方なくだ!
      特に上条当麻!私は認めた訳じゃねぇぞ!」

アックア「冗談である」上条「ああ、そうなのか…え」

50: 2011/08/08(月) 02:05:50.47 ID:whAUwN0W0
アックア「…」

ヴェント「…」

上条「…」

アックア「…冗談である」

上条「いや2度言わなくても聞こえてるぞ」

ヴェント「冗談が冗談に聞こえないランキングやったら確実に上位よアンタ」

アックア「ぬぅ…」

上条「しかしヴェントも驚いたけどアンタも携帯…ねぇ」

アックア「バイトをする内に必要不可欠になってしまってな。
      家主には電話を使って構わないと言われたが流石にそこまで迷惑をかける訳にはいかぬ」

上条「家主…?そういやあんた、どこを寝床にしてるんだ?」

ヴェント「って野宿じゃないの?定置なら情報を掴めてたはずだけど…」

アックア「…む。口が滑ってしまったな、不覚だ」

店員「ウィリアムくーん!そろそろ入ってくれないか」

アックア「む、了解である!では失礼する、家主は教えられんがまた会う機会もあろう」

上条「…(ウィリアム?ああそういやアイス屋でもそう呼ばれてたな…本名か?)」

52: 2011/08/08(月) 02:08:30.69 ID:whAUwN0W0
ヴェント「尾行しちゃおうかしら」

アックア「…ならば野宿に移行するだけだ」

ヴェント「はぁ、まあ特に問題は無さそうだからそこまで調べる必要もないわね」

アックア「そうしてくれると助かるのである。では失礼する」ザッザッ

上条「(ウィリアム…愛称…ウィル…あ。いやまさかそんな筈は)」

ヴェント「ああそうだ、アンタも…何ブツブツ言ってんだ上条当麻」

上条「ん、ああ、気のせいだ。きっと気のせいに違いない」

54: 2011/08/08(月) 02:18:41.74 ID:whAUwN0W0
ヴェント「?…まあいいわ、アンタもアドレスよこしなさい」

上条「え」

ヴェント「案内してくれるのでしょう?連絡手段を確立しておかないでどうするのよ」

上条「あ、ああ(そうだよな。いかん何意識してんだ俺は)」

ヴェント「赤外線で…」

上条「やばい顔近いいい匂い」

ヴェント「はいこれでOK…って何言い出してんのよ!」

上条「げっ!声に出てましたか!?」

ヴェント「これ以上ないくらいハッキリとね」

上条「不幸だ…」

ヴェント「(…アンタがそんな事言うモンだからこっちまで意識しちゃったじゃないの…ああ駄目だ平常心平常心)」

ヴェント「じゃあ私もここらで失敬するわ。アイツの今日までの動向の調査に入らないと
      …手伝うって言い出しそうな顔してるわね。いいからアンタはせいぜい明日私を楽しませる準備でもしてなさい」

上条「読まれてる…分かった、けど覚悟しとけよ、そこまで言われたからには俺も本気を出すぞ!」

ヴェント「はいはい、せいぜい期待させてもらうわ」ニコ

上条「!」ドキッ

93: 2011/08/08(月) 10:40:40.17 ID:whAUwN0W0
~上条宅~

上条「ただいま帰りましたよーっと…お、スフィンクス見つかったのか」

禁書「あ、とうま!チラシを見たけど今日の特売、付いて行けなくてごめんなさいなんだよ」

上条「気にするなよ、あっちで協力を得られたおかげでしっかり4パック確保したし」

禁書「おお…(キラキラ)誰に手伝ってもらったの?こもえ?短髪?」

上条「いや、ヴェント」

禁書「…え?」



禁書「十数秒思考停止しちゃったんだよ。予想外すぎるかも」

上条「ああ…まあ仕方ないよな。俺もお前の立場だったら同じ反応すると思う」

禁書「うーん、何をしに…はっ、まさかやっぱりとうまを」

上条「何でだよ。アックアの様子を見に来たんだとさ」

禁書「なーんだ、杞憂だったんだよ」

上条「で、明日この街を案内する事になった」

禁書「…待ってとうま。その2つが何で繋がるか理解出来ないかも」

96: 2011/08/08(月) 11:11:50.00 ID:whAUwN0W0
上条「ああ、礼代わりだよどうせ暇だし。インデックスも来るだろ?」

禁書「うぐ…明日はこもえの家に行くんだよ」

上条「小萌先生の所に?」

禁書「大戦のあと、とうまが居ない間お世話になっちゃったからお礼をしにいくの」

上条「あー…そういえば、いつの間にか妙に家事に精通するようになったよな。
    料理とか特に。オルソラと肩を並べるくらいで驚いたよ」

禁書「うん…とうまが居なくて落ち込んでたらこもえに怒られれたんだよ…
   『シスターちゃん、あなたが上条ちゃんを信じてあげられなくてどうするんですか。
   あなたが今やるべき事は落ち込む事じゃなく上条ちゃんを信じて待って、帰って来た時に安心させてあげる事なのですよ』って。
   それで、こもえとあいさ、あわきとウィリアムにお願いして色々勉強したの」

上条「…ありがとうな、インデックス」

禁書「ううん、それにやってみると色々楽しかったし」

98: 2011/08/08(月) 11:25:22.00 ID:whAUwN0W0


~夕方~

ヴェント「えーっと…レストランケーキ屋服屋アイス屋コンビニ店員運ちゃんメイド喫茶宅配業者鉄鋼所クリーニング屋バーテンぬいぐるみ屋アクセサリー屋…で執事喫茶、マ○ド○ルドか…ホント何やってんのよアイツ」

ヴェント「まあいいわ、一通りは調べたしとりあえず宿に向かおうかしら。指定された住所番号は、と…」



禁書「ふう、お腹いっぱいなんだよ」

上条「さて、片付けるか」

禁書「あ、私がやっておくんだよ」

上条「じゃ俺は風呂を沸かして…」

ピンポーン

上条「おっと、誰だ?」
タッタッタッ ガチャ
ヴェント「…はぁい」

上条「は、はぁい」




上条「えっ」

100: 2011/08/08(月) 11:32:59.78 ID:whAUwN0W0


禁書「…」

上条「…」

ヴェント「…」

上条「えーっと…それで、何の御用でせうか?」

ヴェント「…予定だった宿が、」

禁書「待ってとうまその前にこの人は誰なのか教えて欲しいんだよ」

上条「ヴェントだ」

禁書「」

ヴェント「あー…、あなたが禁書目録?始めましてになるのかしら」

禁書「は、始めましてなんだよ…とうまが言ってた人とずいぶんイメージが違うね」

ヴェント「へぇ…アンタこの子に私の事どういう風に教えてたのかしら」

禁書「えーっとね…」

上条「ストップ!ストーップ!用件!用件を先に聞こう!」

102: 2011/08/08(月) 11:44:27.61 ID:whAUwN0W0
ヴェント「…とどのつまり、宿が無いの」

禁書「…あなたって確かまだローマ正教には所属してたよね?そういうのって大抵指定されるものじゃないの?」

ヴェント「その指定された宿が…」

上条「なんだ、じゃあウチに泊まるか?」

禁ヴェント「え」

上条「ベッドはこいつが使うしお世辞にもいい環境とは言えんが、毛布とカーペットぐらいなら…」

ヴェント「ちょ、ちょっと待ちなさいよ。そんな簡単に決めていいワケ?何か企んでるとか少しでも疑わないの?」

上条「企んでるのか?」シレッ

ヴェント「う…違うけど」

上条「じゃあ問題無いねぇよな」

ヴェント「…あなたはいいの?」

禁書「わ、私も別に構わないかも…だよ」

ヴェント「うー…」

上条「借りを作るのが嫌ってなら…ああ、卵1パック分って事にでもしておいてくれよ」

ヴェント「……………ありがとう。…ま、泊まるだけってのもアレだし、夕飯の片付けでも手伝うわよ」

103: 2011/08/08(月) 11:46:46.94 ID:whAUwN0W0
裏話

ヴェント「指定された住所番号は、と…」

『この場所に行き「予定だった宿が爆発した」とでも言え。
そこに住む人間なら9.9割方で宿泊を認めるだろう。
何分こちらも経費が厳しいのでな
                  騎士団長』

ヴェント「…」

ヴェント「…あの野郎」

107: 2011/08/08(月) 12:04:40.44 ID:whAUwN0W0
>>106
工口グロは文章力の都合上書けないんだよ
ここから先どれだけ超展開になろうとこれは確定してるかも

115: 2011/08/08(月) 12:52:17.74 ID:whAUwN0W0
ヴェント「ねぇ禁書目録」ゴシゴシ

禁書「インデックスでいいんだよ、こっちもヴェントって呼ぶね」ゴシゴシ カチャ

ヴェント「構わないわ」

ヴェント「で、アンタらどこまで行ってるのかしら」ゴシゴシ

禁書「…………まだ何にも」ピシャッ

ヴェント「…あら、冷静ね。こういう質問って普通慌てたり紅潮したりするのが普通でしょ」ゴシゴシ カチャ」

禁書「とうまの事は好きだよ」ゴシゴシ

ヴェント「…言い切るのね」ゴシゴシ

禁書「でもまだ表には出せない。私はとうまの全部を好きになりたいしとうまには全部知った上で私を好きになって欲しいんだよ」ゴシ…

ヴェント「全て…?」ゴシゴシ カチャ

禁書「記憶の…解決策はまだ見えないけど、いつかは」ゴシゴシ

ヴェント「(まあ、深くは聞かないか)…ところで」ゴシゴシ

禁書「?」ゴシゴシ

ヴェント「冷静に振舞ってるけどさっきから同じ皿ずっと擦ってるわよ。はい最後」カチャ

禁書「あ」カアア

119: 2011/08/08(月) 13:23:30.05 ID:whAUwN0W0


上条「お疲れ、湯張っといたぞ」

禁書「ヴェント!一緒に入ろう!」

ヴェント「構わないのかしら?」

上条「ああ」

ヴェント「覗いたら」

上条「今日で人生終える気はさらさらありませんですハイ」

ヴェント「じゃ、お言葉に甘えさせてもらおうかしら」

上条「着替えはあるのか?」

ヴェント「軽い固定化をかけてあるからこの服で平気よ」

禁書「(とうまに破られるフラグにしか聞こえないかも)」




122: 2011/08/08(月) 13:38:27.55 ID:whAUwN0W0
ヴェント「ん…しょ」バサッ

禁書「!」

禁書「…」マジマジ

ヴェント「?何よ禁sy…インデックス」

禁書「着痩せは…卑怯なんだよ…仲間だと思ってたのに…」

ヴェント「何を…ああ、なるほど。安心なさい、あなたみたいなのも需要はあるでしょ」

禁書「むー!持てる者からそれを言われるのはとてつもない侮辱かも!」

ヴェント「ってちょっと!やめなさい!」

ツカマセルンダヨーワキワキ
アバレンジャナイワヨー

上条「何か姦しいなー…想像したりはしませんよ?決して。と自分に言い聞かせてみる」

ヴェント「だああしつこいのよ!」バタアン

上条「え」

禁ヴェ「あ」



上条「ふ、不幸、いや違う不可抗力だー!」

124: 2011/08/08(月) 13:54:31.14 ID:whAUwN0W0






ヴェント「ふぅ…」チャプン

禁書「(むぅ…やっぱりあわきとまではいかないけどそれなりにあるんだよ)」キリキリ

ヴェント「(…天罰術式があったら以下略)」

禁書「…そういえば、ヴェントはとうまの事好きだったりするの?」

ヴェント「分からない、というのが正直な感想ね」ピシャッ

禁書「…うぐぅ、意趣返し失敗かも。短髪と同じタイプだと思ったけど」

ヴェント「ナメてんじゃないの。それなりの人生は過ごしてるのよ」

禁書「見た目は私とあまり変わらないように見えるんだよ…」

ヴェント「私イズ2■歳」

禁書「嘘ぉ!?」

ヴェント「…マイナス、4よ」

禁書「な、なーんだ…いやそれでも微妙に納得出来ないんだよ」

127: 2011/08/08(月) 14:16:24.10 ID:whAUwN0W0
ヴェント「大体年齢と体型の差異を言うなら超常現象クラスがこの街に居るじゃないの」

禁書「こもえの事?」

ヴェント「あら、知り合いだったの」

禁書「でも、間違ってもその事をこもえに訊こうとしちゃ駄目なんだよ!」

ヴェント「え、何で?」

禁書「…」ガクガクブルブル

ヴェント「…これも深くは尋ねない方がいいわね」

ヴェント「…(それにしても、上条当麻の事、ね)」

ヴェント「(あいつの言葉が心に居座ってるのは確かだ)」

ヴェント「(でも、それはどちらかというと不快な感情に近い)」

ヴェント「(じゃあ、あいつ自身は不快かと聞かれたら…)」

ヴェント「(アックアの調査中に何人かの子から惚気話という名の情報を聞いたけど)」

ヴェント「(…まるでおとぎ話。どこの漫画のヒーローよ)」

128: 2011/08/08(月) 14:17:42.52 ID:whAUwN0W0
ヴェント「(…)」

ヴェント「(あの子達を救ったように、私も救うつもりなのかしら、あの馬鹿は)」

禁書「…隙ありなんだよ!」ワシッ

ヴェント「ひゃあ!?な、何すんのよ!」

禁書「着替えの時は避けられたけど、持たざる者の怒りを受けるんだよ!」

ヴェント「ちょ、やめ…」

ヨイデハナイカヨイデハナイカー
ダァーヤメロッツッテンダロー、アウ
ニゲラレナインダヨー
チョ マジデヤメ、ヤメロコノバカー

上条「(風呂場からまた同じような喧騒が…うん、想像したりはしない、決してしない。決して)」

上条「(でも…意外とあったよなぁ)」

上条「(いかん!ええい煩悩退散煩悩退散…)」

イイカゲンニシヤガレェ ガッ
ムギュ

189: 2011/08/08(月) 18:10:15.75 ID:whAUwN0W0


ヴェント「…上がったわよ。ありがとう」

禁書「…」キュウ

上条「あ、ああ…何でインデックスが伸びて」

ヴェント「…聞かないで。さっさとアンタも入ったら?」

上条「わ、わかった…」

191: 2011/08/08(月) 18:11:32.58 ID:whAUwN0W0




上条「ふぅさっぱりした…インデックスはまだ伸びたままか」

ヴェント「あと10分もあれば起きるはずよ。…酷い目に遭ったわ」

イーシヤーキイモー オイモー

上条「お、もうこのメロディが聞こえる季節か」

禁書「ハッ!食べ物の音が聞こえたかも!」バッ

ヴェント「うわっ!?」

上条「おおう…相変わらず敏感なことで」

禁書「とうま!私はさっきのイシヤキイモという響きにすごく魅力を感じるんだよ!」

上条「さっき夕飯済ませたとこだろ、あの屋台なら多分ルートは知ってるからまた今度な」

禁書「むう…分かったんだよ」

ヤキタテノ オイモハ イカガデアルカー

上ヴェ「(お ま え か)」

禁書「あれ?どこかで聞いた口調なんだよ…」

192: 2011/08/08(月) 18:20:24.51 ID:whAUwN0W0


禁書「とうまーとうまーテレビ付けていい?」

上条「おーう」

ピッ

キャスター『九月末にビルの倒壊に巻き込まれたテーマパークですが、明日より復旧が終わり再開へ───』

上ヴェ「…」

禁書「おおー…楽しそうな場所なんだよ」

上条「(せ、世界の悪意を感じる…!)」

ヴェント「…」

ヴェント「あの、遊園地」ボソ

上条「ん?あ、ああ」

ヴェント「1■前から、事故はあったの?ああ…これは除いて、ね」

上条「───。無いぞ。調べたら、その頃に起きたとある事件をきっかけにプログラムも点検人員も強化されたらしい」

ヴェント「…そう」

上条「…」

193: 2011/08/08(月) 18:21:35.33 ID:whAUwN0W0
ヴェント「チャンネル、変えていいかしら」

禁書「?構わないんだよ」



ドケドケードケドケージャマダジャマダードケドケー
バカヤロコノヤロオメェー

禁書「この人達いつもこれやって疲れないのかな」

ヴェント「だから息抜きにあの紙芝居やってるんでしょ」



ファイナルアンサー?ファイナルアンサー

禁書「…」ジリジリ

ヴェント「…」ジリジリ



キテマスハンドパワーデス

禁書「ああここはあの魔術だね」

ヴェント「ここはあれの応用術式ね」

上条「(やめて!普通の青少年の夢を壊さないで!)」

194: 2011/08/08(月) 18:22:32.62 ID:whAUwN0W0


上条「っともうこんな時間か。じゃあ上条さんは浴室に退散するとしますよ」

ヴェント「アンタそんなトコで寝てんの…」

禁書「ヴェント、一緒に寝るんだよ」

ヴェント「…私は床で別に「問答無用なんだよ!」…じゃあありがたく使わせて貰うけど。風呂の時みたいな事したら…」

禁書「う、わ、分かってるんだよ」

197: 2011/08/08(月) 18:23:27.41 ID:whAUwN0W0




ヴェント「(…あの事件。私の弟が…氏んだ。良く言えばそのおかげで後の事故を防げる結果になった訳だ)」

ヴェント「(…)」

禁書「あ、そうだヴェント」

ヴェント「ん…何?」

禁書「私は明日用事があるから明日はとうまと2人で行ってくるんだよ」

ヴェント「………は?」

禁書「じゃあおやすみなんだよ」

ヴェント「いやちょっと待ってどういう」

禁書「zzz…」

ヴェント「早ッ!」

ヴェント「…はぁ、私も休むか」

3: 2011/08/08(月) 19:31:13.57 ID:whAUwN0W0














『氏に掛けてたお前の弟は──』
うるさい。
『それでもそいつはお前を助けたいって──』
うるさい。そんな事、お前に言われなくても。
『そんな人間が、科学に対して──』
うるさい。それ以外に、私の道なんて。
『誰よりも───』
うるさい五月蝿いウルサイッ!

ヴェント「いい加減その口を閉じやがれェ!」

禁書「ひゃああああっ!?」

ヴェント「え…」

禁書「び、びっくりしたんだよ…」

4: 2011/08/08(月) 19:31:55.06 ID:whAUwN0W0
ヴェント「…夢」

禁書「…?」

ヴェント「…胸糞悪い」

禁書「ヴェント…怖い顔、なんだよ」

ヴェント「…ああ、ごめん。起こしちゃって…それもこれも」

上条「ん…ふああ。2人共起きt」

ヴェント「だあっ!」ブン

上条「おふ!?」バフッ

ヴェント「…アンタのせいだ」

6: 2011/08/08(月) 19:33:34.26 ID:whAUwN0W0






ヴェント「さて…じゃあ、世話になったわね」

上条「もう出るのか?」

ヴェント「風呂付き宿泊朝食付きなんて卵2パックの対価としては十分すぎるわ」

上条「おう、それじゃあ都合のいい時間になったら連絡してくれ」

ヴェント「…は?」

上条「?案内するって言っただろ」キョトン

7: 2011/08/08(月) 19:34:40.79 ID:whAUwN0W0
ヴェント「はぁ…アンタねぇ。対価は十分すぎるって言ったでしょ。暗に今日のそれも要らないって事。
     …それとも、そんなに私とデートしたいのかしら?」

禁書「…とうま?」

上条「い、いやいや!上条さんとしては純粋にこの街に対する認識を変えて貰いたくてですね!そんな邪な気持ちは」

ヴェント「あら、悲しいわぁ。私ってそんなに魅力無いのかしら?」

上条「な、そ、そんな事は無いぞ!年下とはいえ俺的にはかなりストライクな…」

禁書「とうま、ヴェントは■■歳なんだよ」

上条「…やべぇド真ん中だ」

禁書「とうまの馬鹿ー!」ガブウ

上条「ぎゃあああ!」

ヴェント「(面白いわー)」

9: 2011/08/08(月) 19:37:00.22 ID:whAUwN0W0






禁書「じゃあとうま、私はこもえの所に行ってくるんだよ」

上条「おう、頑張ってな」

禁書「…とうまもハメを外しすぎないようにね」

上条「案内だけだよ。外す要素が無いっての」

禁書「そこはかとなく不安なんだよ…」タッタッタッ

上条「さて、じゃあ俺も準備するか」

14: 2011/08/08(月) 19:45:10.17 ID:whAUwN0W0


上条「…で、待ち合わせた訳だが」

アラアラマアマア
オニアイダネェ
クソガァーバクハツシヤガレ
アンゼンハイダト。オモッテタノニ。
オネエサマニホウコクシナイトデスノ

上条「痛い!生暖かいのもあるけど6割の視線が何故か痛い!」

ヴェント「(…天罰以下略)」

上条「とりあえず気にしないでおこう…さて」

ヴェント「待ちなさい」

上条「え」

ヴェント「アンタの家に来たチラシの内の1枚にあったのだけれど」ピラッ

ヴェント「私はこのセブンスミストという店にとても興味を引かれるわ」

上条「えー、あー」

ヴェント「案内しなさい上条当麻」

上条「…ハイ」

20: 2011/08/08(月) 19:51:35.12 ID:whAUwN0W0
ヴェント「うん、いいわねこのわざとらしい単一色」

上条「…来てしまった。今更だけどもしかしなくてもこれってデート…だよなぁ」

上条「(俺は…ヴェントの事はどう思ってるんだ?)」

上条「(そりゃあ、綺麗だとは思うし、あいつの…闇を、何とかしてやりたいと思う)」

上条「(同情なんて言葉で済ませるつもりもない、でも好意かと言われると…)」

ヴェント「上条当麻!」

上条「はいぃ!?」

ヴェント「どっちが合うと思うかしら?」

上条「あー、えー…(ワンピース…白と黒って両極端すぎだろ!というか何ですかこのテンプレ的恋人シチュエーションは!)」

ヴェント「…」ニヤニヤ

上条「(あ…こいつ、からかってやがる!)」

上条「(…なら)白、着た所見せてくれよ」

ヴェント「…は?いやどっちを買うかって話で」

上条「いやー、似合うと思うんで上条さんは今見たいのですよ」

ヴェント「っ…(こいつ…!)」

21: 2011/08/08(月) 19:53:49.03 ID:whAUwN0W0
上条「(もういいか)とか言ってみたr…」

店員「お客様、彼氏さんからのご指名ですよ!聞いてあげない訳にはいかないでしょう」ガッ

ヴェント「え、ちょま、待って待ちなさい待ちやがれ引きずるなァァァ!」ズルズル

上条「あ」

上条「…行っちまった。冗談って言うつもりだったのに…」





ヴェント「…満足かよ」

上条「…」

ヴェント「…」

上条「(元神の右席×白ワンピ×恥じらい=破壊力っ…!)」グッ

ヴェント「覚えてやがれ…」

22: 2011/08/08(月) 19:57:32.58 ID:whAUwN0W0


ヴェント「次はこの地下街よ」

上条「えーっと…上条さんとしては」

ヴェント「黙れ」

上条「…はい」

23: 2011/08/08(月) 20:00:26.51 ID:whAUwN0W0


上条「…しまった、女性には対思春期の男への最終兵器の布が揃うこの店があった…!」

ヴェント「どうしたの上条当麻、早く来なさいよ」

上条「ぐ…、どうか知人に会いませんように…とか言っちゃうと」

吹寄「…」

上条「ですよね」

28: 2011/08/08(月) 20:06:08.14 ID:whAUwN0W0
上条「か、勘違いしないでくれよ、邪な目的じゃなくてだな…」

吹寄「…あの子かしら?」

上条「え、ああ!そう!とばっちり的に連れて来ら…」

吹寄「デート中に邪魔しちゃ悪いわね。でも貴様にそこまでの甲斐性があるとは思わなかったわ」スタスタ

上条「…え?」

上条「えー…これは、もしや週明けにクラスで話題拡散…吹寄!」バッ」

上条「もう居ない…」

ヴェント「上条当…何、どうしたのよ」

上条「うう…」ズーン

ヴェント「え、その、ちょっと仕返ししようとしただけじゃない」

上条「不幸だ…」

ヴェント「いやそのごめん、アンタがそこまでこういう店に耐性が無いとは思わなくて…ああもう、ごめんってば!」

29: 2011/08/08(月) 20:08:51.24 ID:whAUwN0W0


ヴェント「そういう事だったの。それぐらい何よ…」

上条「お前は女子生徒の情報網をナメてる!もう今頃…」

ヴェント「ん…風?」

上条「聞いてくれ…」

ヴェント「な、何これ…扇風機?でも羽も無い骨も無い、ただの輪じゃない。何でここから風が出てるの…?まさか魔術の流出?」

上条「あー、それな。ここに溝があるだろ?そこから風が出てるんだよ」

ヴェント「あ、ホント。へぇ…羽で怪我するのを防ぐため、か」

上条「魔術…」プッ

ヴェント「う、うるさい!初見でこんなもの気付く訳がないでしょ!次よ次!」

30: 2011/08/08(月) 20:11:48.77 ID:whAUwN0W0


ヴェント「ここの本屋は1■年前からそのままなのね…あら」

上条「『よく分かる暴言集』『人を不快にさせる100の方法』『これであなたもコワモテウフェイス』ぅ?…何だこりゃ。何でこんなんが売れてるんだ」

ヴェント「あら、意外と人気らしいわよ。逆に言えばやってはいけない事が分かる訳だし」

上条「著者は…前向きな風?またミスマッチな…」

ヴェント「さあ、誰かしらねー」

31: 2011/08/08(月) 20:14:03.51 ID:whAUwN0W0


ヴェント「肉のいい匂いが…」

上条「そういや初めて会った時はジュースだのグチャグチャだの肉関連のどギツい言葉を…」

ヴェント「…やめて。一気に食欲が減衰したわ」

上条「…俺も」

32: 2011/08/08(月) 20:16:00.42 ID:whAUwN0W0


ダァートレネーゾコノサンシタクレーンガー
チョ、ノウリョクツカッチャダメッテミサカハミサカハボウガイシテミル
ギャアアアヤメロオオオオオ

ヴェント「何だか騒がしい客が居るわねー」
上条「うん、気のせいだ。俺の知り合いがあんなにクレーンゲームに夢中になるはずがない」











上条「…で、散々振り回された挙句」

ヴェント「はっ!ふっ!だぁっ!そこっ!オラァ!」

イテッ イテテッ イテテテッ イテッイテッイテッイテッ モウオコッタゾォー

ヴェント「見え見えなんだよォォォ!」

イテイテテテテイイテイテテイテテイテテイイテ

上条「無我夢中で科学の結晶であるカバカバパニックにハマる少女が1人…」

35: 2011/08/08(月) 20:23:29.41 ID:whAUwN0W0
トクテン 99

ヴェント「ふぅ…」

上条「計画立てた意味全く無かったぞ…まあ楽しんでるようなら問題無いけどさ」

??「おお…エクセレント&エレガント!」

ヴェント「あ?何だアンタ」

店長「おお、唐突に申し訳ありません。わたくしこのゲームセンターの店長を務めさせて頂いております」

店長「いやはや、素晴らしいハンマー捌きでした!」

店長「両手で甘える輩が多いこのご時勢、腕1つでここまでの動きを為せる方がどれほど居るか!」

ヴェント「ふ、ふん。褒めても何も出ないわよ」

36: 2011/08/08(月) 20:28:30.05 ID:whAUwN0W0
店長「ところで…本日30分後に、このような大会があるのですが…」ピラ

ヴェント「ん?何々…第4回カバカバ包囲網グランプリ…」

上条「八方に設置したカバカバパニックの総得点を競う…8方向!?」

ヴェント「へぇ…」

店長「恥ずかしながら、わたくしもこれまでの大会には出場しておりまして」

ヴェント「ええ、貴方はかなり使うと私のカンが告げているわ。第1回と2回の優勝者、これは貴方ね」

店長「…お察しの通りです」

ヴェント「それで、私に第3回優勝者にリベンジして欲しいってワケ?」

店長「いえ。負けた事に悔いはありません。この身はもはや全盛期を過ぎ後は朽ちるだけのもの。若者達のお互いに研鑽し合う姿が楽しみなだけの老獪ですて」

店長「そして、この第3回優勝者…ともすれば、貴女以上かもしれませんよ」

ヴェント「…へぇ。言ってくれるじゃない、いいわ、出てアゲル」



上条「…」

上条「なんだこれ」

37: 2011/08/08(月) 20:30:27.02 ID:whAUwN0W0
上条「大会は熾烈を極めた。ヴェントのあの動きに勝てる奴は居ないと思ったら、
演算能力を駆使した御坂妹(第三回優勝者)が来たり、やっぱり何故かアックアも居て、
それなりに自信があったらしい土御門が何故か機嫌が悪い神裂に打ちのめされてたり
同じく何故か怒り心頭の御坂が同じ霧ヶ丘の黒髪ロングの子を涙目にしてたり
根性根性とすげぇ暑苦しい奴が第四位らしい女性とガチ戦闘初めちまって
運良く勝ち上がっていた浜面が巻き添えになった所で通りかかった一方通行がまとめて鎮圧
欠員補充でそのまま参戦していつの間に勝ち上がってた小萌先生と激闘を繰り広げてる隣で
神裂がどっかの国のペンギン顔の大王と対戦してると思ったら
ヴェントは赤帽子被った配管工と御坂は…あ、御坂妹に惨敗してる

とにかくまあ、色々あった訳だが」



ヴェント「はぁ…はぁ…」

御坂妹「くっ…参りました、とミサカは純粋に敗北を認めます」

主催者「決まったー!優勝はイタリアから参戦のヴェントさん!」

ヴェント「勝った…勝ったわよ、上条当麻!」

上条「あ、ああ…おめで」

主催者「おめでとうございます!商品である本日再開のテーマパークペアフリーパス1年分が送られます!」

上条「」

ヴェント「」

38: 2011/08/08(月) 20:35:00.97 ID:whAUwN0W0






ヴェント「…」

上条「…」

ヴェント「心無しか視線の数が増えた気がするんだけど」

上条「そうだな…」

ヴェント「…」

上条「…」

ヴェント「…」

上条「なぁ…やっぱり、誰かに譲ろうかこれ」

ヴェント「…」

ヴェント「…上条当麻」

上条「…何だよ?」

ヴェント「ちょっと、1人にさせて頂戴」

41: 2011/08/08(月) 20:51:04.86 ID:whAUwN0W0
上条「え…何で」

ヴェント「…」

上条「…行くつもり、なのか?」

ヴェント「…」

上条「一緒に…」

ヴェント「駄目よ。これは私自身のけじめだから」

上条「…」

上条「…分かった」

42: 2011/08/08(月) 20:55:29.54 ID:whAUwN0W0
ヴェント「楽しかった」

ヴェント「ええ、楽しかったわよ」

ヴェント「うん…小萌やインデックス達の言っていた事、間違いじゃないかもしれない」

ヴェント「でも…駄目なのよ。忘れちゃいけない事がある」

ドウゾオタノシミクダサイマセー

ヴェント「…懐かしい」

ヴェント「…変わってない。何もかもそのまま」

ヴェント「…あれも、そうなのかしら」

46: 2011/08/08(月) 21:10:30.98 ID:whAUwN0W0
最後まで固まったので一気に投下
厨二注意報発令



ヴェント「確かここに…あった」

ヴェント「ああ…暴力的なまでにそのままじゃない」

係員「…?…な、君は」

ヴェント「?」

係員「…面影がある。間違っていたならすまない。…■■■■■ちゃんかな」

ヴェント「なっ…アンタ、ひょっとしてあの事故の時にも居た…」

係員「ああ。大きくなったね」

ヴェント「…当たり前でしょ」

47: 2011/08/08(月) 21:11:38.29 ID:whAUwN0W0
係員「ああ、そうだな。すまない。君は…どうしてここに?」

スゲースゲー
モウイッカイモウイッカイ!

ヴェント「…笑ってた」

係員「…そうだね。楽しみからの笑顔も怖さからの泣き顔も期待外れからの怒り顔も見る」

係員「だが…あれ以降、この機械は悲しみを生む事はしていない」

ヴェント「そうよ…私が乗った時も。降りて来た子達は皆表情豊かだった」

ヴェント「でも。それでも、私達からは笑顔を奪った」

係員「ああ…そうだ。それは覆せない事実だ」

48: 2011/08/08(月) 21:13:09.13 ID:whAUwN0W0
ヴェント「何で、ここに来たかって言ったわよね」

係員「?そうだが」

ヴェント「思ったのよ。アイツが作った私の中にあるこのどうしようもなく滅茶苦茶な心」

ヴェント「この子達を見てれば、私達を差し置いて幸せそうにしてるこいつらを見てれば、消し去れると思ったの」

ヴェント「暗い感情の風で、あんな綺麗事全部吹き飛ばせると思ったから」

ヴェント「…ああ、そうよガキども。アンタらの笑顔見てると…」

ヴェント「グチャグチャにした…く…あうっ!」

ヴェント「(ああ、駄目。なんで、憎しむだけの簡単な事が出来ないの。余計な事が、弟の、あいつの、言葉が)」

ヴェント「(やめろ、やめろ、やめろ、私をかき乱すな。こんな笑顔。潰したいに。決まって。何で。何で黒に染ま、れ、な)」

ヴェント「…」フラッ

係員「なっ!おい、君!大丈夫か…『どいてくれっ!』うおっ!?」

「おい………ント!…っかり…覚まし…………」

ヴェント「(…ああ、何でアンタが居るのよ。1人にさせて…て…言った…じゃ)」

49: 2011/08/08(月) 21:13:51.30 ID:whAUwN0W0


ヴェント「…ここは」

上条「ヴェント!良かった…」

ヴェント「病院…じゃないわね」

上条「ああ、俺の部屋だ」

ヴェント「…あそこで倒れたのをそのまま自分の部屋に連れ込んだってワケ?普通病院に…」

上条「いや、俺も最初は病院に連れて行ったんだけどさ、あの先生が」

『身体的外傷は見られない。彼女はどこで倒れた?…遊園地だって?
…………そうか。今すぐ、君の部屋に連れて行ってやりなさい。彼女にとって、この場所もまた落ち着ける場所では無いだろうからね』

50: 2011/08/08(月) 21:14:34.54 ID:whAUwN0W0
ヴェント「…カエル顔の?」

上条「ああ」

ヴェント「…チッ、あの悔し顔思い出しちゃったじゃないの」

上条「ああ…やっぱり、担当はあの人だったのか」

ヴェント「ええ、私しか助けられないと知った時、この世の終わりのような顔をして、何度も何度も謝罪されたわ」

上条「そんな事が…」

ヴェント「…ところで」

ヴェント「1人にしてって言ったわよね。どうして付いて来ていたの?」

上条「…お前が、あの時のお前がすごく不安定に見えたから、放っておけなかった」

ヴェント「…」

上条「それに確かに聞いたが了承した覚えは無いぜ?」

ヴェント「ハッ、屁理屈言いやがる」

51: 2011/08/08(月) 21:15:21.16 ID:whAUwN0W0
ヴェント「…上条当麻」

ヴェント「私の、中にはね」
      まだ、あんなものぶっ潰してやりたいって衝動が渦巻いてる」

上条「…」

ヴェント「でも…」

ヴェント「でも。その衝動と同じ場所に、アンタからぶつけられた言葉が燻ってる」

ヴェント「目を向けないようにしていた。フィアンマの野郎と相対した時も、それ以外の時も」

ヴェント「それを意識してしまうと自分がぐちゃぐちゃになってしまいそうで」

ヴェント「果たしてそれは真実だった。そのせいで私は気を失った」

ヴェント「気持ち悪い、こんな感情は初めてさ。自分で自分が分からない。…どうしたらいいか、分からないのよ」

ヴェント「全部アンタのせいだ、上条当麻。アンタの存在、アンタの言葉が私の黒をかき乱した」

ヴェント「だから…アンタの事を知れば底が見えると思った。綺麗事だけの甘ちゃんであって欲しかった」

ヴェント「そうすれば、純粋に科学を憎んでいただけの私に戻れると思った」

ヴェント「でも、駄目だった。アックアの調査の合間に、ちらほらとアンタの話を聞いたけど、アンタの底は見えなかった」

ヴェント「それどころか、話を聞いて一緒に行動してると私の中のアンタの色が、幸福の色がどんどん濃くなって…」

ヴェント「焦った。このままだと復讐の感情が、私の原動力が消えてしまいそうで」

52: 2011/08/08(月) 21:16:06.96 ID:whAUwN0W0
上条「…」

上条「…消えねぇよ」

ヴェント「え?」

上条「何で幸福になっちゃいけないんだ?そうなると復讐が出来ない?馬鹿言うな」

ヴェント「…な、にを」

上条「クソ科学がお前にもたらした不幸を…幸福で踏み潰してやればいい」

上条「お前はこんな不幸を自分に与えた。でもそれを乗り越えて私はこんなに幸せだって、見せ付けてやるんだ」

上条「それもまた世界への復讐じゃないのか」

上条「…弟がお前に望んだのは、そういう事じゃなかったんかよ」

上条「俺なんかが…お前の弟の事を何も知らない俺なんかが、それを少しでも手伝えるってなら、そんな嬉しい事はない」

上条「ああ、そうだ。

お前の闇が壊す事でしか祓えないってなら。

お前が黒にしか戻れないって思ってるなら。

まずはその幻想をぶち壊してやる」

54: 2011/08/08(月) 21:16:59.76 ID:whAUwN0W0

ヴェント「あ…」

ヴェント「…」

『お前の幸せを…誰よりも願っていた人間が!』

ヴェント「(…そうだ。あの子が、そう願ってる事を私は知っていた)」

ヴェント「(壊す事とは別の道を…既にあの子は私に示してくれてたんだ)」

ヴェント「(ハッ…)」

ヴェント「(他人に、こんなガキに言われて…初めて、気付くなんてね)」

ヴェント「ねぇ、上条当───」

上条「ん?」

ヴェント「…ううん、何でもない。今日はこのまま休ませてもらうわ」

上条「ああ、ゆっくり休めよ」

55: 2011/08/08(月) 21:18:03.71 ID:whAUwN0W0
上条「…(ってしまった!ヴェントをここで休ませるとなるとインデックスが)」

ガチャ

禁書「とうま」

上条「あ、インデックス…」

禁書「…ヴェントは大丈夫なの?」

上条「ああ…そう信じたい」

禁書「私、今日はカーペットと毛布で寝るんだよ」

上条「…すまん」

禁書「空気の読めるオンナはいい女なんだよ」

上条「…それ言わなきゃ、なぁ」

56: 2011/08/08(月) 21:18:44.49 ID:whAUwN0W0


上条「朝食終了っと、さて…」

ヴェント「ねぇ、当麻」

禁書「とうっ…!?」

ヴェント「昨日ああまで言ったからには、責任持って私を幸せにしてくれるんでしょうね?」

上条「…は、え、いや責任!?」

禁書「…」ジロッ

ヴェント「あら、責任持って今日楽しませてくれる、という意味で言ったんだけど?」

上条「あっ…て、てめぇ!」

59: 2011/08/08(月) 21:19:46.37 ID:whAUwN0W0
ヴェント「なぁにと勘違いしたのかしらー?」

上条「う、うるせぇ!いいぜ、上条当麻渾身のフルコース、今日こそたっぷり経験させて…」

禁書「とうま~、昨日ヴェントに何を言ったのか、すごく気になるかも」

上条「え゛!?いやそれはですね…」

ヴェント「そりゃもう、ともすれば告白にも聞こえちゃう熱い言葉を…」

禁書「とうま~~~!」ガブゥ

上条「ぎゃああああ!」

ヴェント「ふふっ…」



ヴェント「眩しい。眩しすぎるんだよこの野郎。でもその眩しさが…心地いい」

ヴェント「…ねぇ見てる?姉ちゃん、今それなりに幸せよ」

ヴェント「でも、まだ足りない。もっと幸せになって、もっと幸せにして貰って」

ヴェント「アンタの分までこの世界を、見返してやるんだから」



Fin

60: 2011/08/08(月) 21:21:47.00 ID:UtEl4GjCO
乙だァ・・・

61: 2011/08/08(月) 21:22:16.59 ID:/O6wHMhC0
乙です

62: 2011/08/08(月) 21:26:02.61 ID:whAUwN0W0
しゅーりょー。
元々立て逃げ乗っ取りなのを建て直しして貰っちゃったりそんな中でも支援してくれた人に感謝感謝
SS速報でやれって人ごめんなさいね 上にも書いたけどsage固定してたんで許してくれ
とりあえず正座して新約2巻でのヴェントさんの出番を待つとします

63: 2011/08/08(月) 21:30:02.40 ID:uBApxFfo0
乙なのである

引用元: 素ヴェント「久しぶりね、上条当麻」上条「」