1: 2011/07/29(金) 18:30:40.84 ID:46JNilJt0
──CDショップ裏


ズドドドドォン!

マミ「危なかったわね、その制服……見滝原中の二年生?」
まどか「は、はい!」

マミ「そっちの人は?」

さやか「わかんないです、ただ気がついたら目の前に倒れてて……。」

?「う、うう……。」

マミ「目を覚ましたようね。大丈夫ですか?」

?「ここはどこだ……?俺は一体……?わからない、何も思い出せない……!」
さやか「それって記憶喪失ってやつじゃん!大変だよ!」

マミ「本当に何も覚えていないんですか?」

?「う……ぐっ!確か、俺は……こう呼ばれていた」

──Dボゥイ。


QB「早く助けてくれないかな」
Chapter.1  

2: 2011/07/29(金) 18:38:13.10 ID:46JNilJt0
──マミ家

マミ「本当になにも覚えてないんですね」

Dボゥイ「ああ……。」

さやか「それにしてもそのDボゥイって変な名前ですよね、本名じゃないと思いますけど?」

マミ「あら、私はかっこいいと思うけど?」

Dボゥイ「俺はこう呼ばれていたことしか覚えてないんだ……それじゃあありがとう、世話になった」ガタッ

さやか「ちょちょちょちょっと!どこに行くんですか!」

Dボゥイ「記憶の手がかりを探しにいく、ここでおとなしくしていても記憶は戻りそうにないからな」

まどか「ダメですよ!今まで倒れてたんだからゆっくり休まなきゃ……!」

Dボゥイ「ダメだ!こうしている間にも……!」ズキン

Dボゥイ「(こうしている間にも……なんだ?)」

3: 2011/07/29(金) 18:46:32.38 ID:46JNilJt0
マミ「とにかく、今は落ち着いて下さい。それに、何をどう探していいかも覚えていないんでしょう?」ニコ

Dボゥイ「あ、ああ……。」

マミ「それじゃ、もう一つの話に移るわよ」

マミ「まず、魔法少女についてのこと」

──魔法少女説明中──

Dボゥイ「……。」

QB「願いが決まったらいつでも言ってよ」

マミ「ただこれは慎重に決めてちょうだい。魔法少女になるってことは一生を魔女退治に捧げるってことよ。」

Dボゥイ「一生を、戦いに捧げる……。」

4: 2011/07/29(金) 18:50:26.88 ID:46JNilJt0
さやか「うぇっ、そ、そう言われると怖いな……。」

マミ「いえ美樹さん、認識としてはそれで間違っていないのよ。だからこそ、願いは慎重に決めなければいけない。」

まどか「マミさんは……辛くないんですか?」

マミ「そりゃあ……でも、私が戦う分だけ、困ってる人が助かるって考えたら、やりがいはあるわ」
まどか「(か、かっこいい……!)」

7: 2011/07/29(金) 19:02:19.28 ID:46JNilJt0
マミ「そこで提案なんだけど……私の魔女退治に付き合ってみない?」

まどさや「ええ!」
マミ「魔女との戦いがどういうものか、その目で確かめてみればいいわ。その上で、危険を冒してまで叶えたい願いがあるのかどうか、じっくり考えて見るべきだと思うの。」

Dボゥイ「俺も……連れていってくれないか?」

まどさや「えぇっ!?」

マミ「危険が伴うかもしれませんよ……それでも?」

Dボゥイ「ああ、どうしても……この目で確かめなければ、そんな気がするんだ。」

マミ「……わかりました。二人は?」

まどか「私はいいですよ……どうしたの?さやかちゃん」

さやか「え?い、いや、私もいいですよ!」

マミ「決まりね、じゃあまた明日」

まどさや「おじゃましましたー」ガチャリ

Dボゥイ「」ガタッ

マミ「ちょっと待った!あなたどこ行くつもりですか!?」
Dボゥイ「適当に野宿でも」

マミ「記憶喪失の自覚ありますゥ!?」

13: 2011/07/29(金) 19:09:44.48 ID:46JNilJt0
マミ「今日は私の家に泊まっていってください!」

Dボゥイ「えっ!?いや……女の子の一人暮らしなんだろう?迷惑をかけるわけには」

マミ「キュウべえもいます!」

Dボゥイ「あれ、キュウべえいたのか?」
QB「ずっといた!」
マミ「ほら!とにかく野宿なんて危険すぎます!ほら入って入って!」

14: 2011/07/29(金) 19:18:39.81 ID:46JNilJt0
──深夜

マミ「……。」グーグー

Dボゥイ「……なし崩しで泊まってしまったが」

マミ「……。」グースカピー

マミ『Dさん!おいしいですか?……よかったぁ!』

マミ『Dさん、キュウべえったら昨日ね……』

Dボゥイ「……嬉しそうに話していたな」
QB「彼女はずっと一人だったからね」

Dボゥイ「キュウべえ……そうか」

Dボゥイ「(両親に先立たれ、それからずっと魔法少女として……俺に家族は……!?)ぐぅっ!」ズキン

QB「どうしたんだい?」

Dボゥイ「俺も、すこし夜更かししすぎたみたいだ……もう寝かせて貰う」

QB「そうか……おやすみ」

16: 2011/07/29(金) 19:31:24.93 ID:46JNilJt0
──翌日、喫茶店

マミ「さて、それじゃ魔法少女体験コース第一弾。張り切っていってみましょうか。準備はいい?」

さやか「持ってきました!何もないよりはマシかと思って……マミさんもやる気たっぷりっスね!」
マミ「え!?そ、そうね……ふふ」

Dボゥイ「(……なんで俺を見るんだ?)」

さやか「まどかはなにか持ってきた?」

まどか「えっと、私は……」ノートッ

さやか「プッ……ww」

まどか「と、とりあえず衣装だけでも……。」

さやか「あははははは!」

マミ「うん、意気込みとしては充分ねプフォwwwww」


まどか「ひどいよ……こんなのあんまりだよ」

19: 2011/07/29(金) 19:38:19.28 ID:46JNilJt0
──ゲルトルート戦

ゲルトルート「ババーン!キャー」

マミ「あれが魔女よ」

さやか「グロっ」

マミ「壁を張るわ、下がってて」ビシューン
まどか「あんなのと一人で戦うんですか!?」

マミ「大丈夫!負けるもんですか!」

Dボゥイ「(さっきから……何か思い出しそうなんだ!ここにいると……あいつを見ているとッ!)」

22: 2011/07/29(金) 19:44:41.22 ID:46JNilJt0
──戦闘は二話と同じなので省略──ティロフィナーレ!

ゲルトルート「コンナノッテナイヨ」ボゴォォォン

マミ「ふぅ」

さやか「勝ったぁ!」

まどか「すごーい!あ……これは?」

コロンコロン ドサッ

マミ「二つ、落ちてきたわ……一つはグリーフシード、魔女の卵。でももうひとつ……何?この緑色の宝石は……。」

さやか「綺麗だけど……ちょっと不気味な感じがするね」

Dボゥイ「これは……俺のだ」

三人「えっ!?」

マミ「Dさん、それってどういうこと!?」

Dボゥイ「わからない、けれどこれは……とても大事なものような気がするんだ……。」

23: 2011/07/29(金) 19:52:16.04 ID:46JNilJt0
QB「へぇ、実に興味深いな」

まどか「キュウべえ」

QB「魔女がグリーフシード以外のものを落とした前例はないんだ。これは非常に珍しいケースだよ」

さやか「ってことはそのDボゥイさんと魔女になんか関係があるんじゃ……!」


マミ「待って!Dさんはそんな人じゃない!」

Dボゥイ「……マミ」

さやか「まあ、マミさんが言うなら……。」

QB「それより、グリーフシードの説明をしたほうがいいんじゃないかな?」

マミ「ああ、そうだったわね……取り乱しちゃったわ」

さやか「(あ、あやしい……!)」

24: 2011/07/29(金) 20:00:11.59 ID:46JNilJt0
──グリーフシード説明完了


マミ「……ね?私のソウルジェムも元通り」シュイーン

さやか「きれいになった!」

マミ「前に話した魔女退治の見返りっていうのがこれよ。さっきみたいなケースは極稀だけど……あなたにあげるわ、暁美ほむらさん」シュッ


さやか「あいつ、転校生!」

マミ「それとも、人と分け合うのは不服かしら?」

ほむら「それはあなたの獲m……!」コローン
Dボゥイ「?」

ほむら「(誰!?)」

26: 2011/07/29(金) 20:06:32.03 ID:46JNilJt0
Dボゥイ「(……俺を見て驚いていた?)君は俺を知っているのか?」

ほむら「え、い、いや私は」さやか「えー!転校生とDボゥイさんってまさか知り合い!?」


マミ「こんなところに手がかりが潜んでいるとは思っていなかったわ!!早速私の家で詳しい話を聞かせて貰うわよ!」ガシッ ズルズルズルズル

まどか「えぇー、なんかほむらちゃん困ってないですか?」
ほむら「まどかああぁぁぁぁぁ」ズルズルズルズルズル

QB「いいのかい?君のことだろう?」

Dボゥイ「いや、なんというか……かしましくってな」

27: 2011/07/29(金) 20:15:13.38 ID:46JNilJt0
──マミ家

マミ「それじゃ知り合いじゃないの!?」ガタッ

ほむら「だからさっきから言っているじゃない、私は貴女たちの中に知らない男がいたから驚いただけだって」

Dボゥイ「それを俺が誤解してしまっただけなんだ、落ち着いてくれ」

マミ「あ……はい……。そっか、やっとDさんの知り合いが見つかったと思ったのに……。」ペタン

ほむら「……一つ聞かせて」

マミ「なに?」

ほむら「貴女はどうして、ここまでこのDボゥイという人にこだわるの?」

マミ「……あまりにも寂しいじゃない。自分のことを知ってる家族も友達もいないで、世界にひとりぼっちだなんて」

30: 2011/07/29(金) 20:21:23.21 ID:46JNilJt0
ほむら「……そう」

マミ「いけないかしら?」


ほむら「……いえ。それともう一つ。魔法少女体験コースなんて馬鹿げたことはもうやめなさい」

さやか「馬鹿げたことって……!」ガタッ

まどか「さやかちゃん!落ち着いて!」ガシッ

ほむら「私が言いたいことはそれだけよ……それじゃ」

マミ「……暁美さん!待って!」

ほむら「……まだ何かあるの?」

マミ「ええ。この緑色の宝石……なんだか分かる?」

ほむら「? いえ……知らないわ」

マミ「そう……。」
ほむら「用は済んだ?それじゃ」ガチャ

さやか「くーっ!やっぱ感じ悪いヤツー!」

38: 2011/07/29(金) 20:33:12.38 ID:46JNilJt0
まどか「仲良く出来ればいいのに……。」

マミ「お互いがそう思っていれば、ね」

Dボゥイ「どういうことだ?根が悪そうな子には見えなかったが」

さやか「えー!?ぜったいネクラだよー!」ブーブー

マミ「魔法少女はみんなが人のために戦っているわけじゃないわ、自らの為に魔力を使う魔法少女もいるし、グリーフシードの取り合いで争いが起こることもあるの」

さやか「じゃあ、マミさんはやっぱり正義の味方なんですね!」

マミ「ふふ、照れるわね」

Dボゥイ「正義の、味方……。」

40: 2011/07/29(金) 20:43:48.15 ID:46JNilJt0
まどか「Dボゥイさん?」

Dボゥイ「いや……何でもない」

マミ「でも、大変よ……元々、私には選択の余地なんてなかったから」フッ

Dボゥイ「……。」

まどか「えっ?」


マミ「いえ……何でもない!もう遅くなっちゃったわね!家の人が心配するわよ!」

さやか「ほんとだ、もうこんな時間……お邪魔しました!」ガチャン

まどか「また明日、お願いしますね!」ガチャ


Dボゥイ「自分のこと……二人に話してないのか?」

マミ「カッコ悪いとこ……後輩に見せられないじゃないですか」

41: 2011/07/29(金) 20:53:37.79 ID:46JNilJt0
──翌日、病院


マミ「この中にさやかさんがいるのね?」

QB「そうだ」

マミ「そう」バシューン
まどか「マミさん!間に合ってよかった!」

マミ「鹿目さん……無茶しすぎって言いたいところだけど、今回は冴えた手だったわ」


まどか「は、はい……あの、Dボゥイさんは?」

マミ「それが、今家にいないのよ……!はっ!」シュッ

ほむら「!」シュルシュルシュル

42: 2011/07/29(金) 20:59:34.13 ID:46JNilJt0
巴マミ「獲物の横取りってわけ?悪いけど私、キュウべえと美樹さんを迎えに行かなきゃならないの」

ほむら「今度の獲物はこれまでとはわけが違う……!」

巴マミ「大人しくしてれば解放してあげるわ、魔女を倒したあとでね」

ほむら「こんなことやってる場合じゃ……!」ギリッ



Dボゥイ「突然、クリスタルが光り始めた……。」

Dボゥイ「俺を、呼んでる……?どこだッ!」

43: 2011/07/29(金) 21:09:07.19 ID:46JNilJt0
──病院

Dボゥイ「ここだけ他の場所と様子が違うぞ……?クリスタルの光も、今までにないくらい……!」カッ

Dボゥイ「うっ……!吸い込まれる!」ブワアアアッ


ほむら「あ、あなたは……結界は閉じていたはずなのに、何故!?」

Dボゥイ「君はたしか暁美ほむらだったか?なぜこんな所に……。」

ほむら「私のことはいいわ、このままだと巴マミが殺される」

Dボゥイ「何!?」

ほむら「止めたければ先に進んで巴マミを止めるのよ、氏んでほしくはないでしょう?」

Dボゥイ「しかし……!」

ほむら「……いいの?」

Dボゥイ「……いや、殺させるか……絶対に殺させるかッ!」ダッダッダッダッ

ほむら「(大変なイレギュラーが現れたわね……。)」

45: 2011/07/29(金) 21:25:24.68 ID:46JNilJt0
マミ「お待たせ!」
さやか「マミさん!」

QB「気をつけて……出てくるよ!」

シャルロッテ「……。」

マミ「せっかくところ悪いけど……一気に決めさせて!」ボゴォ ズババババッ!

シャルロッテ「……。」

ダァン!
Dボゥイ「キュウべえ!二人とも!マミは無事なのか!?」

まどか「Dボゥイさん!?」

さやか「ビックリしたー……安心してくださいよ、マミさんなら今勝っちゃうとこですから!」

Dボゥイ「なに?」

マミ「ティロ・フィナーレ」ズバアアアアン!
シャルロッテ「ぱふぁ」ヌバァ
マミ「はっ……!」まどさや「はっ!?」

Dボゥイ「やめろ……やめろおおおおおッッ!!」

──刹那、彼は思い出した。
手の中のクリスタルの、本来の使い道を。

Dボゥイ「テックセッタアアァーー!」

48: 2011/07/29(金) 21:40:09.12 ID:46JNilJt0
Dボゥイ「クラッシュ!イントルゥード!」ギュン!
シャル「ゲッ」ズガァ!

ズズ…ン

まどか「い……いま何が起きたの!?」

さやか「わかんない!Dさんが突然、白い鎧みたいなのに姿を変えたと思ったら消えて……違う、魔女に体当たりしたんだ!」
Dボゥイ「大丈夫か!マミ!」

マミ「D……さん!?」

シャル「ウゥーッ…」

Dボゥイ「くっ!テックランサァァー!」ジャキン!

さやか「今度は槍!?」

Dボゥイ「うおぉーっ!」ギュン!

まどか「早い!」

シャル「キ、キシャー」カパッ

Dボゥイ「食らえっ!!」ズンッ!

まどか「く、口の中に槍を……。」

シャル「ウグゥ」シュウウ……
さやか「や……やったぁ!」

55: 2011/07/29(金) 21:52:29.92 ID:46JNilJt0
Dボゥイ「大丈夫かみんな……ぐぅッ!」ズキィ

マミ「Dさん!?」

Dボゥイ「ぐぅ……ううああああッ!!」バタッ

まどか「Dボゥイさん!?」

さやか「元の姿に戻って……倒れちゃった!!」

『Dボゥイ、あなたの30分を私に頂戴』

『まったく、とんでもない『デンジャラス・ボゥイ』だぜ』

Dボゥイ「が……はっ!」

マミ「Dさん!大丈夫!?」

Dボゥイ「あ、あぁ……(今のは……俺の記憶……か?)」

60: 2011/07/29(金) 22:06:07.63 ID:46JNilJt0
ほむら「言ったでしょう巴マミ、今回の獲物は今までとわけが違うと」

マミ「あ、暁美……さん」

ほむら「顔を上げられない?そうでしょう。あなたは本当だったら今頃氏んでいたはずだもの」

さやか「転校生ェ!!言っていいことと悪いことがあるよ!」

ほむら「あら、今言わないでいつ言うと言うの?思い上がった魔法少女は氏ぬわ……あなたたちも道連れにね」

さやか「お前ぇぇぇッ!」

Dボゥイ「やめろ」

さやか「で、でも!」

Dボゥイ「あの子の言うとおりだ……自分たちが命を拾っただけだって自覚しろ!」

62: 2011/07/29(金) 22:14:19.47 ID:46JNilJt0
さやか「ひっ」

Dボゥイ「下手すれば皆頃しだったんだ……俺だってあんな事が出来たのは偶然だ」

ほむら「偶然?」

Dボゥイ「ああ、無我夢中になった瞬間に、記憶が呼び起こされて……そういえば、礼がまだだったな、ありがとう」

まどか「え?何かあったんですか?」

Dボゥイ「この子に忠告されて駆けつけていなければ、俺はマミを見頃しにしていた」

さやか「えっ!?」
マミ「あ、暁美さん……。」モジモジ

ほむら「……勘違いしないで、こんな危険なことはこれっきりにしてちょうだい」タッタッタッ

68: 2011/07/29(金) 22:24:14.53 ID:46JNilJt0
まどか「小走りで行っちゃった……。」

Dボゥイ「意外だったか?」

さやか「そりゃあ……印象よくなかったし、そんなことするなんて……。」

マミ「……私、暁美さんに非道いことしちゃった……謝らなきゃ」

まどか「マミさん……。」

マミ「……あ、あはは、みんな、今日はカッコ悪いとこ見せちゃったわね!ゴメンね?」

まどか「ま、マミさん」

マミ「そ、それじゃッ、また今度ね!」タッタッタッタッ

さやか「マミさんまで走って帰っちゃった」

まどか「……マミさん」

Dボゥイ「……」タッタッタッタ

さやか「Dボゥイさんまで!」

78: 2011/07/29(金) 22:37:34.31 ID:46JNilJt0
タッタッタッタッタッタ ガシッ!

Dボゥイ「マミ!」

マミ「Dさん……!」
Dボゥイ「どうしたんだ、突然!」

マミ「だって私……後輩に物凄くカッコ悪い所みせて……本当に氏ぬかと思って……なさけなくなって」ジワァ

Dボゥイ「お、おい」

マミ「ふえぇぇぇぇん!」

Dボゥイ「!?」

マミ「Dさんが来たらすごく安心してね……でもみじめで……ふえぇぇぇぇん!!」

Dボゥイ「そ、そうか……帰ろう、うちへ……。」

84: 2011/07/29(金) 22:47:18.79 ID:46JNilJt0
マミ「……。」スースー

QB「初めてだよ、マミがこんなに泣いたのは」

Dボゥイ「そうなのか?」

QB「彼女は魔法少女になってから、頼るべきものが無かった。いままで一人で気丈に頑張ってきたもの、それが一気に決壊してしまったんだ」

Dボゥイ「一人、か……。」

QB「でもこれからが不安だね」

Dボゥイ「なぜだ?」
QB「一度心の折れた魔法少女が、前と同じように戦えるかな?」

Dボゥイ「出来るさ……俺が一緒に戦ってやる」

QB「……君も興味深いね。一体その力はなんなのか聞きたいけど……肝心の君が記憶喪失じゃ仕方がない。」

91: 2011/07/29(金) 22:59:42.48 ID:46JNilJt0
あの日から──
巴マミの戦いは、すっかり精彩を欠いていた。
巴マミの仕留め損ねた魔女を、Dボゥイが仕留めるという有り様であった。

そのDボゥイは──

『強くなったな、タカヤ坊──』

Dボゥイ「ぐ……うぅ……うわああぁぁぁあーー」ズキィ

マミ「Dさん!」

Dボゥイ「う……うぅ……あぁ……くっ……ゴダード……!」ズキン ズキン


マミ「大丈夫ですか?Dさん。いくら魔女を倒すと記憶が戻るからって──」

Dボゥイ「あ、あぁ……大丈夫だ、心配ない」ヨロッ

マミ「(涙まで流している……あなたの取り戻している記憶は、いったい……?)」

101: 2011/07/29(金) 23:11:08.98 ID:46JNilJt0
マミ「……落ち着きましたか?」

Dボゥイ「あぁ」

マミ「……そろそろ話してくれてもいいんじゃないですか?Dさんの記憶」

Dボゥイ「……だめだ、話せるようなものじゃ……。」


マミ「私じゃ……Dさんの力になれませんか?Dさん、記憶を取り戻すたび、ものすごく辛そうな顔してるじゃないですか!」

Dボゥイ「……そうだな」

マミ「だから……私、心配で……!」

Dボゥイ「……俺は、人を頃した」

マミ「……え?」

Dボゥイ「友人を頃し、師匠を頃し、妹は俺を庇って氏んだ。」

107: 2011/07/29(金) 23:22:26.58 ID:46JNilJt0
それから、Dさんはぽつり、ぽつりと語ってくれた。

なぜ殺さなければいけなくなったのか、そし、謎の生命ラダムとテッカマンについて。

もしそれが真実だとしたら彼はこの世界の住民ではないのかもしれないが、嘘だとも思えなかった。

Dボゥイ「他にもある……あるはずなんだ。家族は父さんと母さん、妹とラダムになった兄さん以外にもいるはずなのに……霞がかかったように思い出せない!」
マミ「Dさん……。」
Dボゥイ「自分の本名もまだ分からないんだ……まるでパズルのピースがどこかに浮いているかのように!」


マミ「(Dさんに比べたら、私の境遇なんて……今まで、一人だってことだけで悩んでたなんて、自分が恥ずかしい……!)」

108: 2011/07/29(金) 23:23:19.78 ID:46JNilJt0
>>107

109: 2011/07/29(金) 23:24:33.27 ID:46JNilJt0
>>107
すまん
誤字
×そし、
○そして、

って打とうとしたんだがそれすらもミスった

111: 2011/07/29(金) 23:32:11.24 ID:46JNilJt0
マミ「Dさん、私、頑張りますから……!」

Dボゥイ「? あ、あぁ……。」


──ところ変わって

杏子「マミはもうダメだって?」シャムシャム

QB「あぁ、彼女一人じゃもう魔女退治をできない。だから君を呼んだんだ、佐倉杏子」

杏子「ふーん、あいつも案外モロかったね……。そんじゃ、いっちょ」ゴクン


杏子「行こうかい、縄張り奪いに」

115: 2011/07/29(金) 23:47:25.31 ID:46JNilJt0
──翌日

使い魔「ブゥーンブンブンブン!」

Dボゥイ「あれは……使い魔だな」

マミ「ええ、でも放っておけば魔女になる危険な相手です」パァン!

使い魔「キャッキャッキャ!」

マミ「(外した!しっかり狙って……!)」パァアン! パァアン!

使い魔「ギャッ!」


マミ「(落ち着けッ……もう、心を乱さない!)」パアアァン!

使い魔「ギャー…」ヒュルヒュルヒュル

マミ「……やった!倒した!倒したんだ!」ワッ

Dボゥイ「やったな」
パチ パチ

杏子「お見事お見事、魔女が倒せなくなったから弱いものイジメかい?」

マミ「あなたは……!」

杏子「久しぶりだなァ、巴マミさんよぉ?」

119: 2011/07/29(金) 23:57:36.97 ID:46JNilJt0
マミ「……ごあいさつじゃない。久しぶりね、杏子」

Dボゥイ「彼女も魔法少女なのか?」

マミ「えぇ、彼女は佐倉杏子。私とは違うタイプの魔法少女です」

杏子「まぁそうだな、てめェみたいな偽善者とは違ってよ。ところでそっちの兄ちゃんはなんなんだ?」

マミ「っ……彼はDボゥイ。訳あって私の魔女退治に同行しているの」

杏子「あぁ?なんだそりゃ?だいたいDボゥイってなんだよ……本名じゃないんだろ?」

Dボゥイ「本名は思い出せない、記憶喪失なんだ」

杏子「あっ……。」
マミ「……杏子。わざわざ私のところに来たってことは、ただお喋りしに来たわけじゃないんでしょ?」

杏子「あぁ、そうそう……あんた消えてよ、この街からさ!」ビュッ!

Dボゥイ「!」

マミ「なっ!」

125: 2011/07/30(土) 00:09:55.08 ID:SAZC+qEc0
ガキィィン!

マミ「く……!」ギリギリギリギリ

杏子「へぇ……マスケットで受けたか。やっぱ腐ってもベテランだね」ヒュッ ガキィン!

カラカラカラカラ

マミ「しまった!銃が!」

杏子「ねぇ、マミ、あんた──」

杏子「消えてよ」ズンッ

一瞬だった。
一瞬の攻防が終わると、杏子の槍がマミの腹部を貫いた後だった。
杏子が槍を抜くと、鮮血が傷口から溢れてくる。

マミ「う……ぐっ」

杏子「はっ、噂通りあっけなかったね。これに懲りたら当分──」

Dボゥイ「この野郎っ!」ブンッ

杏子「おおっと!いきなり殴りかかってくるなんていい度胸してるよ、兄ちゃん」

Dボゥイ「黙れ!テックセッタァァァーー!!」バシュゥゥーン

136: 2011/07/30(土) 00:22:24.07 ID:SAZC+qEc0
Dボゥイ「テッカマン!ブレード!」

杏子「な、なんだお前!?どういうことだ!て、鉄火まん?」

Dボゥイ「テックランサアァー!」ジャギィン!

杏子「てめぇも槍か……!面白ェ!」

Dボゥイ「うぉぉぉーーっ!」ガギイィィン!!

杏子「うあぁぁっ(は、早い、それに一撃が重い!)」ギイィン!


D「うおぉーっ!」ブンッ

杏子「あ、あっぶねえ……こういうのはどうだ!」シャキィン ボゴォ!

Dボゥイ「くっ!」グルグルグル

杏子「どうだ!この槍は分離して多節棍にもなるんだ!これなら当分動けな──」

Dボゥイ「ふんッ」バギバギバギィ

杏子「……い?」

Dボゥイ「うおぉーっ!」

杏子「(こ、殺される!)」

150: 2011/07/30(土) 00:36:59.71 ID:SAZC+qEc0
マミ「やめて!!」
Dボゥイ「」ピタッ

杏子「ま、マミ……?」ハァーハァー

Dボゥイ「マミ、傷のほうは……?」

マミ「Dさんが出てきてくれたおかげで、お腹の傷だけで済みました……これくらいなら魔法で治ります」

Dボゥイ「……命拾いしたな」

杏子「ひいぃっ」

マミ「杏子、どうしても私達は争わなきゃいけないかしら……?」

杏子「じょ、ジョーダンじゃねぇ!もう一回そこの兄ちゃんやったら身体が残ってる保証がねぇや!」

Dボゥイ「……。」

杏子「あー、それにしてもどうすっかな……。」

マミ「どうしたの?」

杏子「いやさ……こっちにしばらく住む気でいたもんだから、野宿先探さなきゃって」マミ「野宿ゥ!?」
杏子「な、なんだよ」
マミ「野宿なんてしたらワルい大人に売られて大変な事になっちゃうわ!私の家にきなさい!」

杏子「えぇ!ちょっと」
マミ「いいから!」
杏子「うわー!」ズルズルズルズル

160: 2011/07/30(土) 00:48:51.23 ID:SAZC+qEc0
──マミ家

マミ「杏子、私が魔女を倒せなくなったってどこで知ったの?」

杏子「そりゃ、キュウべえの野郎からさ。だからアタシはここを自分の縄張りにしようと思って来たんだよ」

マミ「キュウべえが……!」

杏子「あいつは何考えてるかわかんねーからな。大方仕事が出来なくなったアンタがジャマにでもなったんじゃないの?」

マミ「そんな……友達だと思ってたのに」シューン

杏子「あ……悪い、言い過ぎた!」

マミ「ううん、いいの……それに魔女を倒せなくなったのは事実だから……今日やっと使い魔を倒せるように戻ったくらいで」

杏子「あ、あぁ……。ところであの兄ちゃんは?さっきから窓際でずっと暗い顔してるけど」

マミ「うん、なんでも昨日戻った記憶がよっぽどショックだったらしくって……。」

173: 2011/07/30(土) 01:04:45.67 ID:SAZC+qEc0
『あなた達に、殺させはしないわ……──お兄ちゃん……!』

Dボゥイ「ミユキ……!」

『ふふ……見違えたぞ、──坊……!』
Dボゥイ「ゴダード……!」

Dボゥイ「(……くそっ!記憶を取り戻した時……あの時は確かに名前が聞こえたはずなんだ!それなのになぜ!?なぜ思い出せない!)」

Dボゥイ「……。」

マミ「……あの人は、私たち魔法少女よりもずっと過酷な運命を背負ってるかもしれないのよ。」

杏子「い、いきなりなんだよ」

マミ「私はあの人にどれだけ助けてもらったかわからない……でも私は、何もできない……ッ」ポロポロ

杏子「お、おい……!」

Dボゥイ「……。」

マミ「うっ……うっ……!」ポロポロ

杏子「(居づれえぇーっ!!)」

182: 2011/07/30(土) 01:15:54.13 ID:SAZC+qEc0
杏子「お、おい、落ち着けよう……。」

マミ「う、うん……。」ヒック


杏子「それでよ、なんであたしを連れて来たんだ?」

マミ「え?それは野宿はあんまりにも……。」

杏子「違う。それ以外にもあるだろ?いくら偽善者とはいえ長い間魔法少女として生き残ってきたアンタに、目的がないわけないだろーが」
マミ「う……。」

杏子「言わないと帰るからな」

マミ「……誰にも言わない?」ボソッ

杏子「あ?あぁ」

マミ「じゃあ……。」ゴニョゴニョ


杏子「相談相手になって欲しいだぁー!?」

マミ「声が大きいわよ!」ボソボソ

191: 2011/07/30(土) 01:22:39.93 ID:SAZC+qEc0
杏子「相談相手って……お前はなんだ!昔のえらい人かよ!」

マミ「し、仕方ないじゃない!最近スランプだけど後輩の前で大ヘマしちゃって合わす顔がないし、Dさんに相談するとなんか私が逆に申し訳ないし……!」

杏子「お前……学生なんだから友達とかいないわけ?」

マミ「うっ……」ヒック ヒック


杏子「わあぁーー!!」

199: 2011/07/30(土) 01:33:06.12 ID:SAZC+qEc0
杏子「ったく……友達いないくらいでいちいち気にすんなよ」

マミ「だって……だってぇ」

杏子「魔法少女は他に同類なんていないんだぜ?一般人とつるめるわけなんてねーじゃん」

マミ「そ、そうよね……きっとそうよね」

杏子「はぁ……その相談相手っての、なってやってもいいよ」ボソッ

マミ「本当!?」

杏子「声がでけぇよ!その代わり、あたしとアンタの魔女退治の方向性は違う。その点についてお互いとやかく口に出さないこと」

マミ「……わかったわ」

杏子「よっし!そうと決まれば交渉成立だな!」

マミ「……ありがとうね」ボソッ

杏子「あ……あぁ」

202: 2011/07/30(土) 01:41:20.52 ID:SAZC+qEc0
──翌日

マミ「ふふ、おはよう!」

杏子「んあ……おはよ」

Dボゥイ「流石に三人にもなると部屋が狭く感じるな」

マミ「うふふ、私は賑やかでとってもいいと思いますけど」

杏子「ず、ずいぶんゴキゲンだなお前……。」

マミ「(あぁ……一人だった部屋がこんなに賑やかに……わたし、もう一人じゃない!)」キラキラ

杏子「ところでお前は学校なんだろ?時間大丈夫なのか?」
マミ「えっと、朝のチャイムが8:35だから……。」

時計『9:35』

マミ「あ」

205: 2011/07/30(土) 01:50:40.28 ID:SAZC+qEc0
──夕方

マミ「ただいまぁ……。」

杏子「お、おう」

Dボゥイ「どうしたんだ?ずいぶん顔色が悪いぞ」

マミ「後輩が一人魔法少女になってた」

杏子「ハアァ!?」

マミ「美樹さん……まさかしばらく見ないうちに……私の責任だわ」

Dボゥイ「それで、どうするんだ?」

マミ「ど、どうするって……私としては出来るだけ協力したいんだけど……。」

杏子「バーカ、この街の魔法少女が何人になっちまうんだよ?そいつも正義の味方(笑)だったらグリーフシードが足りなくなっちまうよ」

マミ「う……それじゃあどうしろってのよ」

杏子「まあ……あたしに任せとけって」

206: 2011/07/30(土) 02:02:48.01 ID:SAZC+qEc0
さやか「マミさんもリハビリ頑張ってるみたいだし、あたしもがんばらなくっちゃね!」

まどか「う、うん(なんだかマミさんの顔が引きつってたけど……。)」


使い魔「アクセルシンクロオォォォ!」

さやか「さっそくいた!」ブンッ ヒュンッ!

使い魔「何なんだ……あの巨大ロボットは!」

さやか「いっけぇ!」ガギンッ!

さやか「なっ!?」

杏子「ちょっとちょっと。何やってんのさ、アンタたち」

さやか「何やってんのって……。」


杏子「見てわかんないの?ありゃ魔女じゃなくて使い魔だよ。グリーフシードを持ってるわけないじゃん」

さやか「それでも人を襲うんでしょ!?倒さなきゃ誰かが……!」


「だからさぁ、4~5人ばかり食って魔女になるまで待てっての。そうすりゃちゃんとグリーフシードも孕むんだからさ。ったく、正義の味方(笑)かよ」

さやか「お前……!」

209: 2011/07/30(土) 02:11:51.84 ID:SAZC+qEc0
杏子「アンタ早氏にするよ、巴マミみたいに」

まどか「え……?」

さやか「マミ……さん……?」

サッ

杏子「これ、なぁ~んだ」

さやか「マミさんの学生証……なんでアンタが持ってんだよッッッ!!」

杏子「さぁ?なんでだろうねー?」

さやか「貴様あぁぁぁぁぁぁ!!」ブォン

杏子「自分の実力もわかんねーのに」ジャキジャキジャキン

杏子「仕掛けてくんじゃねーよっ!」バギィ!

さやか「!!」ドゴォッ バタッ

まどか「さやかちゃん!」

さやか「……。」ググ…

杏子「……おっかしいねぇ。全治3ヶ月ってくらいにはかましたハズなんだが」

212: 2011/07/30(土) 02:24:18.38 ID:SAZC+qEc0
QB「さやかは癒やしの願いで魔法少女になったからね。回復力は人一倍だ」

杏子「あれ、あんたいたの?」

QB「ずっといたよ!それより……どういうつもりなんだい?佐倉杏子、君は──」

杏子「そういう質問は野暮だろ?来るよ」

さやか「く……やあぁぁぁっ!!」

杏子「ほらよ!」ヴォン

さやか「あぐぅ!」バギィ

杏子「ほら、とっとと諦めて倒れてろよ」

さやか「ふ……ふざけんなあああああ!!」

杏子「あーウゼェ(でもマミからやりすぎんなって言われてっからな……。)」ブン

さやか「ひぎぃ!」バキョ

まどか「さやかちゃーん!」

213: 2011/07/30(土) 02:31:21.04 ID:SAZC+qEc0
ほむら「そこまでよ」パッ

三人「!?」

杏子「なんだてめェ!」ブン!

ほむら「私は冷静な人の味方で、余計な争いをするバカの敵。あなたはどっち?佐倉杏子」

杏子「な、なんであたしの名前を……!」

さやか「邪魔するな転校生ェェェ!」ダダダダ

ほむら「あて身」

さやか「うっ……」ドサ

まどか「さやかちゃーん!」

ほむら「わかった?」

杏子「ああ」

215: 2011/07/30(土) 02:37:48.27 ID:SAZC+qEc0
杏子「あんたが噂の暁美ほむらってやつだな?」

ほむら「なんでわたしの名前を……?」

杏子「そりゃあマミのやつから聞い……!」ハッ

ほむら「!?」


まどか「ねえ!今のどういうこと!」

杏子「や、やべっ!ここはスタコラサッサだぜ!」シュタッ! シュタッ! シュタッ!

まどか「ああ!壁を飛んで逃げちゃった!」

ほむら「待ちなさい」パッ

まどか「ああ!ほむらちゃんも……!」

さやか「」バタンキュー

まどか「さやかちゃーん、おっきろー」

QB「僕と契約して願いを叶えれば美樹さやかはたちまち目覚める」

まどか「キュウべえは私のことバカにしてるんだよね」

218: 2011/07/30(土) 02:47:36.09 ID:SAZC+qEc0
──とあるビル屋上
シュタッ!
杏子「……ふぅ、やっちまったぜ……うっかり口を滑らせちまった」

ほむら「詳しく聞かせてもらえないかしら」パッ

杏子「うわああぁ!いきなり出てくるんじゃねぇ!逃げろッ」タタッ

杏子「いてっ」バフ

ほむら「あらようこそ」


杏子「あ……あれ!?今あんたと方向に逃げたはずなのに!」

ほむら「細かいことはいいじゃない」

杏子「ちくしょう、手札がまるで見えねえ……。」

ほむら「はぁ、仕方ねぇな……別にアンタはあの青いのと組んでるわけじゃないんだろ?」

ほむら「ええ」

杏子「ならいいか……あたしがマミに学生証を借りてきたのを見せびらかしただけ。そしたら向こうが勝手に勘違いしただけだよ」

220: 2011/07/30(土) 02:48:55.84 ID:SAZC+qEc0
>>218
誤字
×杏子「あ……あれ!?今あんたと方向に逃げたはずなのに!」
○杏子「あ……あれ!?今あんたと逆方向に逃げたはずなのに!」

222: 2011/07/30(土) 02:59:48.02 ID:SAZC+qEc0
ほむら「……勘違い『させた』でしょう?」

杏子「あぁ」

ほむら「何故?」

杏子「わかるだろ?この街にいま何人魔法少女がいると思ってんだ?グリーフシード不足になっちまうよ。ましてやあんな使い魔ごとぶった斬るような正義の味方(笑)がもう一人増えたらさ」

ほむら「……理由はわかったわ……ではなぜあなたは巴マミが健在だと分かっていてこの街を拠点にしているの?」

杏子「あぁ、最初はマミのやつを潰してあたしがこの街を縄張りにしようと思ってたんだが……なぜだかいまあいつの家に住まされてんだよ」

ほむら「!?」

224: 2011/07/30(土) 03:08:05.99 ID:SAZC+qEc0
ほむら「いったいどういう経緯で……?」

杏子「マミと一緒にいる兄ちゃんがいきなり白い鎧に変身してな、ありゃマミがとめなきゃ氏んでたかもな」

ほむら「へ、変身!?」

ほむら「(巴マミを救ったあの青年は……変身!?)」

杏子「なんか宝石みたいなの掲げたらグワーってよぉ……。ん?どうした?」

ほむら「いえ、ちょっとめまいが……。」

ほむら「興味深い話を聞かせてもらったわ、ありがとう」

杏子「あ、ああ……」

ほむら「(色々と……調べてみる必要があるかもね)」

225: 2011/07/30(土) 03:20:11.11 ID:SAZC+qEc0
杏子「ただいま……。」

マミ「お、おかえり」

Dボゥイ「どうしたんだ?ずいぶん顔色が悪いぞ」

マミ「まさか……失敗?」

杏子「いや……大体うまくやったんだけどさ、暁美ほむらに全部バレた」

マミ「!?」

Dボゥイ「あの子か……。」

杏子「あとは桃色の髪したやつにも少し聞かれたかも」


マミ「か、鹿目さんか……若干アウトかもしれないわね」

杏子「や、やばいのか?」

マミ「いえ、大丈夫よ……多分、大丈夫なはずよ」


さやか「マミさんが実は生きてるかもってー!?」

まどか「冷静に考えたら家に行ってみればいい話だったよね」

226: 2011/07/30(土) 03:30:02.72 ID:SAZC+qEc0
ピンポーン

Dボゥイ「誰か来たぞ」

マミ「あら」ガタッ

杏子「待て待て待て待て!何ナチュラルに出ようとしてんだ!」

マミ「えっ?えっ?」

杏子「もし訪ねてきたのがお前の後輩だったらどうすんだ!今回の『お引っ越しさせましょう』計画は一瞬でパァだぞ!」

マミ「う、うん……でもやっぱりやりすぎじゃないかしら?」

杏子「いつまでもそんなこと言ってるからお前は甘ちゃんなんだよ!」

Dボゥイ「はい、巴です」ガチャ


杏マミ「」

230: 2011/07/30(土) 03:43:03.36 ID:SAZC+qEc0
杏子「おい!何出てんだよ!」


Dボゥイ「もしかしたら宅配便かなにかかもしれないし、俺が出れば問題ないだろ」

杏子「いやあるっつーの!」

ほむら「あなたは確か……巴マミと一緒にいた?」

Dボゥイ「ああ、君は確か……。」

ほむら「暁美ほむらよ」

Dボゥイ「マミ、暁美ほむらさんが来たぞ、上げていいのか?」

マミ「えっ!嘘!?い、いいわよ!」

Dボゥイ「じゃあ開けるから、遠慮せず上がってくれ」

ほむら「助かるわ」

231: 2011/07/30(土) 04:00:53.58 ID:SAZC+qEc0
マミ「それで、なんの用かしら?」

ほむら「まずは貴方にようがあるわ」ビシッ

Dボゥイ「……俺に?」

ほむら「えぇ。魔法少女でしか干渉できないはずの閉じた魔女結界に入り込み、ベテランの魔法少女を圧倒する強さを持っている……貴方、いったい何者なの?」

杏子「そういえばそうだな、魔法少女でもないのにあんなに強いのはじめてだわ……マミ?」

マミ「……。」

Dボゥイ「今は答えられない、記憶が戻りきっていないんだ……そう言うことしかできない」

ほむら「記憶?」

マミ「Dさんは……記憶喪失なの」


ほむら「! ……そう」

Dボゥイ「だが魔女を倒すたび、記憶も少しずつ戻ってきた……。」

そうやってDさんはまた、私たちに自分のこととラダムのことを話してくれた。
自分で思い出すだけでも、酷なはずなのに……。

232: 2011/07/30(土) 04:04:08.24 ID:SAZC+qEc0
すいません流石に限界です

明日(もう今日か)残ってたら続き書きます

282: 2011/07/30(土) 10:21:21.16 ID:SAZC+qEc0
Dボゥイ「……俺の話せることは、ここまでだ」

杏子「ずいぶん突拍子のねー話だな……ウソみてーな話だ」

Dボゥイ……嘘ならばどれだけ良かったか……嘘ならば!」

マミ「Dさん……。」

ほむら「事情はわかったわ、その上で一つ……話があるの」
Dボゥイ「話?」

ほむら「えぇ、貴方は記憶を取り戻すために魔女と戦っているんでしょう? ……倒すのに協力してほしい魔女がいるの」
Dボゥイ「魔女退治に、協力?」

ほむら「ええ、相手は数日後に街に来る──ワルプルギスの夜。超弩級の魔女よ」

284: 2011/07/30(土) 10:28:15.15 ID:SAZC+qEc0
マミ「ワルプルギスの夜ですって!?」

Dボゥイ「それは一体?」

マミ「結界に隠れることを必要としない、最大クラスの魔女です。街一つ吹き飛ばすと聞きますが、まさか実在したなんて……!」

ほむら「協力してほしいのは貴女たちもよ、巴マミ、佐倉杏子」

巴マミ「え?」

杏子「んあ?」

ほむら「今回の相手は規格外過ぎるの、一人でも多くの協力が欲しい……虫のいい話だというのは分かってるわ」

巴マミ「私はやるわ!この街を……守りたい!」

杏子「うーん……あたしは降りさせてもらうよ」

マミ「えっ?」

288: 2011/07/30(土) 10:39:40.39 ID:SAZC+qEc0
マミ「杏子!?」

杏子「そんなヤツと戦って生きていられる保障がないしな。だいたい、あたしに何も得がねぇ」

ほむら「……。」

マミ「そうね……相手が相手だもの、無理強いはできないわ」

マミ「……Dさんは?」

Dボゥイ「俺は……戦う!記憶は忘れたままではいけない、そんな気がするんだ!それに超弩級の魔女を倒せば、記憶が全て蘇るかもしれない……!」

マミ「Dさん……!」
ほむら「決まりね」

杏子「ま、頑張ってくれよ、あたしはちょっと外歩いてくる」ガチャッ

マミ「杏子?」


Dボゥイ「(戻るかもしれない、俺の記憶が、俺の名前が……!だが、俺は耐えられるのか?それに……。)」

289: 2011/07/30(土) 10:52:28.18 ID:SAZC+qEc0
──外

杏子「なーんかモヤモヤすんなー」テクテク

杏子「なーんでみんなして勝ち目の薄いバケモンと戦うんだか……勝っても報酬はグリーフシードだろ?」ムシャムシャ

杏子「戦いの中で使うほうが多そうだわ、そんな割に合わない勝負、チャンチャラおかしいっての……ん?ありゃあ」


さやか「……恭介」ションボリ

杏子「会いもせずに帰るのかい?」

さやか「お前は!?」クルッ

杏子「知ってるよ、この家のボーヤなんだろ?あんたが契約した理由って……くっだらねーことに奇跡のチャンスを使いやがって」

さやか「っ……!お前に何がわかる!」
杏子「ちっ、分かってねーのはそっちだバカ、あんだけ痛め付けたのにまだ懲りてねーのか?」

杏子「場所、変えようか」

290: 2011/07/30(土) 11:04:36.76 ID:SAZC+qEc0
マミ「遅いわね、杏子……散歩にしては」

Dボゥイ「何かあったのかもしれないな」

ほむら「(佐倉杏子がトラブル……。今日の日付……まさか!)」ガタン! ダッダッダッダッダッ

Dボゥイ「おい!どうしたんだ!」

マミ「暁美さん!」

Dボゥイ「仕方ない、追うぞ!」


──陸橋

まどか「さやかちゃん、ごめん!」ガシッ

さやか「え?まど……」フゥッ

QB「やれやれまどか、今のはまずかったよ」

まどか「どういうこと!?さやかちゃんを元に戻して!」

QB「何を言ってるんださやかは今、君が──」

──投げて、捨てちゃったろう?


ほむら「(しまった……遅かった!)」

291: 2011/07/30(土) 11:14:46.36 ID:SAZC+qEc0
QB「よりにもよって友達を投げて捨てるだなんて、どうにかしてるよ」

まどか「え……!?」

ほむら「……くっ!」パッ

Dボゥイ「いたぞ!」

マミ「杏子!……美樹さん!?これは一体……!」

まどか「ま、マミさん!?」

マミ「あ……。」

杏子「どういうことだオイ……氏んでるじゃねぇか、こいつ!」

まどか「え……え?」

マミ「!?」

Dボゥイ「どういうことだ……!」

杏子「ち、ちがう!あたしは何もしてない!」

292: 2011/07/30(土) 11:21:57.20 ID:SAZC+qEc0
Dボゥイ「じゃあ何が起きたんだ?」

杏子「知らねえよ!あいつがソウルジェムをぶん投げたら突然……!」

QB「君たち魔法少女が身体をコントロールできるのはせいぜい100m圏内が限度だからね。普段は肌身離さず持ち歩いているから、めったにこういうことはないんだけど」

マミ「ちょっと、待って……どういうこと?」

まどか「さっきからなに言ってるかわからないよキュウべえ!さやかちゃんを助けてよ!」

QB「ふぅ……だからそっちはさやかじゃなくて、ただの抜け殻なんだって」

まどか「ぇ……?」

293: 2011/07/30(土) 11:35:05.34 ID:SAZC+qEc0
杏子「待てよ……つまりはあたし達はソウルジェムが本体ってか?」

QB「そうなるね」

杏子「ふざけんな!それじゃあたし達、ゾンビにされたようなモンじゃねぇか!」ガシッ

QB「ただの人間と同じ、壊れやすい身体のままで戦ってくれなんて、とてもお願いできないよ」

Dボゥイ「……。」

QB「君たち魔法少女にとって、元の身体なんていうのは外付けのハードウェアでしかないんだ」

QB「君たちには効率よく魔法を使うコンパクトな身体が与えられる。魔法少女と契約を結ぶ僕の役目は君たちの魂を抜き取って、ソウルジェムに帰ることなのさ」

マミ「そんな……それじゃあ私たち、殺されたのと同じじゃない!」

QB「何言ってるんだ、むしろ氏ににくい無敵の身体の完成だよ。たとえ心臓が破れても、魔力で修理すれば、また動くようになる……むしろ便利だろう?」

Dボゥイ「うおぉぉぉぉぉぉ!!」ガシッ ボゴォ

マミ「Dさん!?」

QB「何をするんだい、いきなり」

Dボゥイ「黙れぇッ!貴様のやっていることは……貴様のやっていることはラダムと一緒だ!」

296: 2011/07/30(土) 11:49:36.56 ID:SAZC+qEc0
QB「やれやれ、そのラダムが何か知らないけど……弱点だらけの人体より、よほど戦いでは有利じゃないか」

QB「君たちはいつもそうだね。事実をありのままに伝えると決まって同じ反応をする。わけがわからないよ」

Dボゥイ「黙れッ!!」

QB「……やれやれ、穏やかじゃないなあ」


マミ「……私たち魔法少女が、そんなモノだったなんて」

杏子「言うな。それよりあの青いのが──」

ほむら「ソウルジェムを身体に戻せば、意識は戻るわ」シュタッ
杏子「あんた、ソウルジェムを取りにいってたのか!?」

スッ
さやか「……はっ!」ビクッ

まどか「さやかちゃん!」

さやか「……あれ?私……。」

Dボゥイ「(こんな小さな宝石のために……彼女たちの運命は……!)」

300: 2011/07/30(土) 12:04:47.59 ID:SAZC+qEc0
──マミ家

マミ「……。」

杏子「……。」

Dボゥイ「……すまない」

マミ「えっ!?」

杏子「な、なんであんたが謝るんだよ」

Dボゥイ「本当はあの時、一番起こりたかったのは君たちのはずだ、だが俺は……!」

杏子「なんだ、そんなこと気にしてたのかよ」

マミ「私はむしろ……Dさんが怒ってくれたことが嬉しかったです」

Dボゥイ「俺が?」

マミ「い、いや何でも……今のは忘れて下さい!」

杏子「にしてもあのボンクラは大丈夫かなぁ」

マミ「美樹さんのこと?確かに私もずいぶん取り乱しちゃったし、今の美樹さんの周りには同じ悩みを共有できる人って、いないし……。」
杏子「ヤバいかもな」

Dボゥイ「ヤバい?」
杏子「あぁ」

304: 2011/07/30(土) 12:22:44.46 ID:SAZC+qEc0
杏子「あぁ……これを見てくれ」

Dボゥイ「……ソウルジェム」ギリッ

杏子「そ、そんな顔すんなって!よくみろよ……ちょっと濁ってるだろ!?」

Dボゥイ「……あぁ」
杏子「魔法を使うだけじゃなくて、精神なショックでもソウルジェムは濁ってっちまうんだよ。このままじゃあいつは……。」

Dボゥイ「あいつは?」

杏子「……わかんない。魔法が使えなくなるかもしれないし、もしかしたら氏ぬかもしれない。ソウルジェムが濁りきったらどうなるか、実のところ知らないんだよ」

マミ「……どの道、ろくな事にならないでしょうね」

306: 2011/07/30(土) 12:40:25.51 ID:SAZC+qEc0
──翌日

杏子「いつまでウジウジしてんだ?ボンクラ?」

さやか「……あんた」

杏子「……ちぃと面貸せや、話がある」

──教会

杏子「……ちょっと長い話になる」ポーン

さやか「……。」ポイッ

ガッ!

さやか「ぐッ」
杏子「……食い物を粗末にすんじゃねぇ……!頃すぞ」バッ

さやか「はぁ……はぁ……それで、話って」

杏子「あぁ……そろそろいいか、マミ」

マミ「……久しぶりね、美樹さん」

さやか「マミさん!?」

308: 2011/07/30(土) 12:57:12.57 ID:SAZC+qEc0
さやか「……生きてたんですね」

マミ「ごめんなさい、今まで黙ってて……。」

杏子「マミを頃したってのは嘘だ、実は──」

さやか「……騙してたんですね」

マミ「えっ?」

さやか「騙してたんですね……そいつとグルで……!私をハメてたんだ!」ダッ

マミ「み、美樹さん!私は……!」

さやか「ついてこないで!」

マミ「!」ビクッ


タッタッタッタッタ

マミ「あ……。」

310: 2011/07/30(土) 13:08:59.26 ID:SAZC+qEc0
マミ「美樹さん……。」

杏子「……仕方ねぇよ、元々あたし達はあいつを追い出そうとしてたんだ」

マミ「でも……!」

杏子「これくらいの扱いは覚悟してたんだろ?チャンスはまだある。ほれ」ポーン

マミ「あ……。」パシッ

杏子「食うかい?」

314: 2011/07/30(土) 13:29:36.35 ID:SAZC+qEc0
タッタッタッタッタッ

さやか「あたし……マミさんに酷いこと行っちゃった……!」


まどか「さやか、ちゃん……?」

さやか「まどか……。」


──公園

さやか「あたし、絶対マミさんに嫌われたよ」

まどか「そんなことないよ!さやかちゃん、もう一回ちゃんと会って……!」

さやか「そんな事できると思う!?」

まどか「っ!」ビクッ
さやか「魔法少女はやるかやられるかなの!この前のあいつと会って分かってるでしょ!?」

まどか「そ、そんな……!」

さやか「それに人間じゃないんだ……やらなきゃやられるんだ!あいつも、私も!」

まどか「さ、さやかちゃん……。」

316: 2011/07/30(土) 13:42:25.00 ID:SAZC+qEc0
さやか「……あ」ハッ
まどか「さ、さやかちゃん……。」

さやか「……ごめん、まどか」

まどか「あっ!……さやかちゃん」

──翌日、喫茶店

仁美「……私ね、ずっと前から、上条恭介くんのこと、お慕いしておりましたの」

さやか「……え」

仁美「さやかさんは、上条君とは幼馴染でしたわね」

さやか「う、うん」
仁美「本当にそれだけ?」

さやか「……っ」

仁美「私、決めたんですの。もう自分に嘘はつかないって」
仁美「あなたはどうですか?さやかさん。あなた自身の本当の気持ちと向き合えますか?」

仁美「あなたは私の大切なお友達ですわ。だから、抜け駆けも横取りするようなこともしたくないんですの」

318: 2011/07/30(土) 13:48:35.08 ID:SAZC+qEc0
仁美「……丸一日だけお待ちしますわ。さやかさんは後悔なさらないよう決めてください。上条君に気持ちを伝えるべきかどうか」ガタッ

さやか「……。」


さやか「言えるわけ、ないよぉ……!」


夜──

まどか「さやかちゃん、いる……!?」
さやか「まどかぁ、私……仁美に恭介を取られちゃうよ!」
まどか「さやかちゃん!」

さやか「こんな身体で抱きしめてなんて言えないよ……キスしてなんて言えないよ、だって私……ゾンビだもん!」


さやか「うっ……うっ……!」


まどか「さやかちゃん……。」

320: 2011/07/30(土) 14:09:37.35 ID:SAZC+qEc0
──翌日

マミ「……。」シュン

杏子「そんなに落ち込むなよ、マミ」

Dボゥイ「そうだ、まだ諦めるのは早い」
マミ「うん……」ションボリ

杏子「(尊敬されてた後輩に嫌われたのが相当キテるみてーだな……。)」


ピンポーン

マミ「はい……。」ガチャ

まどか「あの、マミさん……ですよね?」

マミ「か、鹿目さん!?どうして!」

まどか「相談があって……さやかちゃんのことです。もう頼れるのはマミさんしか……。」

マミ「え……!い、今開けるわ!」カアアッ

杏子「あ、待てよ!」
ガチャ

まどか「あ……あなたは!?」

杏子「あ……。」

322: 2011/07/30(土) 14:24:24.99 ID:SAZC+qEc0
まどか「なんであなたがここに……。」

杏子「ま……待てよ、誤解すんな!」

マミ「安心して、私たちは協力しているの」

まどか「どういう……ことですか?」

マミ「実はかくかくしかじかで……。」

まどか「う……さやかちゃんを追い出そうっていうのは、流石に非道いと思います」

マミ「そう言われると否定出来ないけど……一カ所に魔法少女が集まりすぎると、力のない魔法少女生き残れない。美樹のためでもあったのよ」

杏子「まあ、ちょいと事情が変わっちまったがな」

鹿目「え?」

杏子「あんな話聞いて……放っておけるか?それにあのバカ……なんか似てるんだよ。昔のあたしにさ……見てらんないんだ」ギリッ

326: 2011/07/30(土) 14:41:32.27 ID:SAZC+qEc0
まどか「あの、マミさん……実は」

マミ「なに?」

まどか「さやかちゃん、片思いの相手が友達に取られちゃうって……。」

杏子「はあぁ!?どんだけ不幸体質なんだよあいつは!」


Dボゥイ「!?」

マミ「ど、どうしたのDさん?」

Dボゥイ「いや……」

杏子「とにかく、ヤベぇじゃねえか、今夜あたり暴走するんじゃねーか?あいつ」
まどか「ぼ、暴走!?」

杏子「あぁ、魔女でも使い魔でも見つけたらなんでもよ……!」

まどか「わ、私……さやかちゃんの所に言ってきます!」

Dボゥイ「もういいのか?」

まどか「はい、今さやかちゃんをひとりぼっちにしたら大変なことになりそうで……ありがとうございました!」ガチャッ

Dボゥイ「……いいのか?行かなくて」

マミ「……わたし、嫌われちゃったし」
杏子「あたしに至っては親の敵みたいに憎まれてるからな」

327: 2011/07/30(土) 14:55:21.11 ID:SAZC+qEc0
Dボゥイ「なら俺だけでも……」ガタ

マミ「待ってDさん、このタイミングであなたがいったら間違いなく怪しまれます」

Dボゥイ「しかし……!」

杏子「こっそり後つけて、ヤバいことになったら助ければいいんじゃないの?」
マミ「その案で行きましょう、Dさん、いくわよ……こっそり」

Dボゥイ「……わかった」

328: 2011/07/30(土) 15:09:29.01 ID:SAZC+qEc0
──夜、さやか家前

さやか「……。」

まどか「さ、さやかちゃん!」タッタッタッタ

さやか「……まどか!」

まどか「つ、ついていっていいかな?さやかちゃんをひとりぼっちにしちゃいけないような気がして……。」

さやか「……あんた、どこまで優しいかな……!」グスッ

まどか「さ、さやかちゃん!?」

さやか「ありがと、大丈夫。行こっか」

334: 2011/07/30(土) 15:28:38.34 ID:SAZC+qEc0
──魔女結界

エルザマリア「……。」シュルルルル

さやか「……ぐふっ!」ドスドスドスッ


まどか「さやかちゃん!」

ジャキン!ジャキィン!
杏子「ったく、手こずってんじゃねーよ」

ズドン! ズドン!
マミ「大丈夫?美樹さん」

Dボゥイ「無理するな、傷だらけじゃないか」

まどか「マミさん!みんな!」

さやか「はっ……獲物の横取りってわけかい?どけよ……こいつはあたしがひとりでやる」ズイッ

杏子「お、おい」

シュルルルッ ドスドスドス!

さやか「ふふ……はははははは!!その気になれば痛みなんて全然感じないんだ!はははははは!」

Dボゥイ「(痛みなんて感じないだって……!?)くそっ!テックセッタアアアアアーー!!」カッ

338: 2011/07/30(土) 15:47:46.33 ID:SAZC+qEc0
Dボゥイ「クラッシュ!イントルゥード!」ズババババアアッ!

さやか「うわああっ!?」ブワアアアアッ

まどか「さやかちゃんを捕まえてた触手が……なくなっちゃった!!」

さやか「……邪魔しないで!」

Dボゥイ「……痛みを感じないと言ったな!」

さやか「えっ……!?」

Dボゥイ「嘘をつくな!誤魔化しているだけだろう!俺が魔女を倒すまでそこで待っていろ!」

さやか「なっ……!?」

Dボゥイ「行くぞッ!テックランサアァー!」ジャキィン!

339: 2011/07/30(土) 16:02:37.71 ID:SAZC+qEc0
Dボゥイ「ううおおぉぉぉーーっ!!」ザシュッ! ガシュッ!


エルザマリア「~~ッッ!」

マミ「あんなDさん、見たことない……!」

マミ「(あなたは何を思ったの……?痛みを厭わずに闘う美樹さんの姿をみて……!)」

Dボゥイ「うおぉーっ!!」ビリビリビリ…


まどか「な、なにあれ!?」

杏子「や、やばそうだぜ!?マミ!」

マミ「ええ!私と杏子で防御するわ、鹿目さん、美樹さん、隠れて!」

さやか「あ……あ……!」

マミ「美樹さん!」

Dボゥイ「ボルテッカアアアアアアーーー!!」

343: 2011/07/30(土) 16:18:05.24 ID:SAZC+qEc0
『うわあああああーー!』

Dボゥイ「ぐっ!また記憶が……モロトフ!?」ズキイィッ

『……──さん』

Dボゥイ「うっ……ぐぅ……今度は誰だッ……!」

『……──さん、僕だよ……。』


『タカヤ兄さん』


Dボゥイ「!!」ズキイィッ

Dボゥイ「(そうだ……思いだした……俺の名前は……俺の家族の最後の一人は……!)」

『嬉しい、はずなのに、悲しいな……いつまでも兄さんと戦っていたかったのに……目標、なくなっちゃったじゃないか』

Dボゥイ「うおおぉぉぉぉぉぉーーーーっ!!」

347: 2011/07/30(土) 16:33:24.78 ID:SAZC+qEc0
杏子「──全く、スゲェ威力だぜ。余波だけで二人がかりの結界が吹っ飛んじまいやがった」

Dボゥイ「ぐ……あぁああっ!!」バタッ

マミ「Dさん!」タタッ

Dボゥイ「はぁ、はぁ……思い出した、全部──」

マミ「本当ですか!?」

まどか「あの、一体どういう……。」

マミ「Dさんは記憶を取り戻すために戦っていたの。その記憶もとてつもなく凄惨なものよ。私達魔法少女とも比べものにならないくらい」

Dボゥイ「マミ」

マミ「あ! ごめんなさい……!」

Dボゥイ「いや、いいんだ……。それと、美樹さん、だったか。受け取れ」ヒュッ

さやか「!」パシッ

Dボゥイ「魔女の落としたグリーフシードだ」

349: 2011/07/30(土) 16:49:21.62 ID:SAZC+qEc0
さやか「こんなの、私は……!」

Dボゥイ「受け取っておけ。それともう一つ」

Dボゥイ「今度あんな自分を虐めるような戦い方をしてみろ……命が惜しくないなら、俺が頃してやる!」ギロッ

さやか「!」ビクッ

Dボゥイ「……行くぞ」

杏子「お、おい?」

マミ「Dさん、待って!」


マミ「──Dさん、なんであんなこと言ったんですか?ただでさえ悪かった印象が最悪ですよ!」


Dボゥイ「……許せなかったんだ」

マミ「え?」


Dボゥイ「傷つきながら戦うあの子の姿が……記憶の断片の中の妹の、そして俺自身の姿と重なって……見てられなくなった」

マミ「……それで、助けてあげたんですね?」

Dボゥイ「……いや」
Dボゥイ「魔女を倒した後に倒れていなければ、俺は彼女を頃していたかもしれない」

351: 2011/07/30(土) 17:09:49.15 ID:SAZC+qEc0
マミ「Dさん……?」

Dボゥイ「俺は……出来ることなら強くなりたくなどなかった……出来ることなら、変わりたくなどなかった!!」

Dボゥイ「俺と同じような運命を背負ってしまった者がいるなら、いっそ……!」
マミ「……Dさん」ギュ

Dボゥイ「……マミ」
マミ「大丈夫……美樹さんとDさんは違う。それに美樹さんはきっと乗り越えられるはず……Dさん、あなたもです」

Dボゥイ「……。」

マミ「抱え込まないで、頼っていいんですよ、今の私には何も出来ないかもしれないけど……。」

Dボゥイ「……ありがとう」

Dボゥイ「(マミの手は暖かい。俺の手は……指先まで、血まみれだ)」

354: 2011/07/30(土) 17:24:06.09 ID:SAZC+qEc0
仁美「上条くん……。」

上条「志筑さん……。」

さやか「……。」

さやか「(こうやって二人を物陰から見てることしかできないなんて……。)」
さやか「(二人が何を話しているかもわからない、惨めな気分にのは分かっていたのに……なんで私はこんな事、してるの?)」ジワッ


さやか「あ……。」

さやか「なに……やってんだろ、私……。」

357: 2011/07/30(土) 17:40:49.35 ID:SAZC+qEc0
──夜

使い魔「──」

さやか「うあ゛あ゛あ゛あ゛っ!!」ザシュッ!

使い魔「──!」

まどか「さやか、ちゃん……。」

さやか「(あんなこと言われたけど……辞められないよ、この戦い方……自分を傷つけてないと、どうにかなりそうなんだよ……!)」

まどか「さやかちゃん、やっぱりダメだよ、あんな戦い方……さやかちゃんのためにならないよ!」

さやか「うるさい!あんたに何がわかるのよ!」

まどか「!」ビクッ

さやか「あたしのためって何?」バッ

さやか「こんな姿にされたあとで何があたしのためになるっていうのよ!」

まどか「わ、私はさやかちゃんがただ幸せに……!」

さやか「こんな石ッコロにされた後で幸せなんて……あると思う?」

まどか「……っ!」

359: 2011/07/30(土) 17:52:10.15 ID:SAZC+qEc0
まどか「さやかちゃん……でも!」

さやか「だったらあんたが戦ってよ」

まどか「え……!?」

さやか「キュウべえから聞いたわよ、あんた誰よりも才能あるんでしょ?私みたいに苦労しなくても簡単に魔女をやっつけられるんでしょ?私に何か言いたいなら、まず私と同じ立場になってからにしてよ」


まどか「わ、私は……。」


さやか「無理だよね?ただの同情なんかで人間辞められるわけないもんね!」

まどか「さやか……ちゃん……。」

さやか「ついてこないで」


まどか「あ……。」

360: 2011/07/30(土) 18:04:06.01 ID:SAZC+qEc0
タッタッタッタッタ
さやか「……バカだよ、あたし……!最低だ!これじゃ救いようがないよ!」


──マミの家

ほむら「ワルプルギスの夜の出現予測は……この範囲よ」

杏子「根拠はなんだい?」

ほむら「統計よ?」
マミ「統計?ワルプルギスの夜がこの町に表れたことは一度もないはずじゃ……。」

杏子「まったく、お互い信用しろって仲でもないけどよ、もう少し手の内を見せてもいいんじゃないか?」

QB「それは是非、僕からもお願いしたいね」

杏子「てめぇ、どの面下げて……!」

Dボゥイ「うおおぉー!」ガッ ボゴォ!

QB「がっ」

杏子「なっ!?」

マミ「Dさん!落ち着いて!」

Dボゥイ「黙れ!こいつのために、こいつのために……こいつのためにッ!!」バキッ ゴスッ ドゴォォォッ

QB「……。」

364: 2011/07/30(土) 18:17:41.79 ID:SAZC+qEc0
Dボゥイ「はぁ……はぁ……。」

QB「……。」

杏子「お、おい、こいつ動かねーぞ?」

マミ「キュウべえ、キュウべえ……し、氏んでる……。」

杏子「!?」

マミ「Dさん!いくらなんでもやりすぎ……」

QB「そうだよ、いくらでも替えはきくけど、こうも簡単に潰されたら困るじゃないか」

杏子「なっ!?もう一体だと!?」

QB「ハムハムハムハムハムハム」

マミ「う……自分の氏体を、食べてる……。」

QB「やれやれ、勿体ないじゃないか……きゅっぷがっ」バゴォ
Dボゥイ「とっととこの場から消えろ!」

QB「やれやれ、君は本当にデンジャラスだね……せっかく君たちに有益な情報を持ってきたっていうのに」

367: 2011/07/30(土) 18:37:03.66 ID:SAZC+qEc0
杏子「あぁん?なんだそりゃあ」


QB「美樹さやかが呪いを生みはじめた。このままでは取り返しのつかないことになる」

マミ「どういうこと?」

QB「それは僕に聞くより、そこにいる彼女から聞いたほうが早いんじゃないかな……暁美ほむら」

マミ「え……!?」

QB「……やっぱり、その情報をどこで手に入れたか、本当にに興味深いよ」

ほむら「……聞くべきことは全て聞いたわ。早く消えなさい」

QB「わかったよ。ここにいたら何をされるかわかったものじゃ」ズダアァァン!

Dボゥイ「まったくだ」フゥー

ほむら「(あれは私の銃……いつの間に!?)」

370: 2011/07/30(土) 18:51:32.61 ID:SAZC+qEc0
杏子「どうすんだよこれ……。」

Dボゥイ「気にするな、塩でも撒いておけばいい」ポイ

マミ「べ、ベランダから氏体を……。」

Dボゥイ「すまない、勝手に借りたぞ」

ほむら「え、えぇ」

マミ「それで暁美さん……どういうこと?美樹さんが呪いを生み始めたって……。」


ほむら「……ソウルジェムに溜まった穢れ。それを早いところ取り除かないと……大変なことになるわ」

374: 2011/07/30(土) 19:11:34.61 ID:SAZC+qEc0
使い魔「ケケケケケ!」

さやか「っ……あああ!!」ズバァ

使い魔「キャアアー」

さやか「はーっ……はーッ……!」

コロコロコロコロ…
さやか「!?」
ほむら「グリーフシードよ。使いなさい」

さやか「……。」

ゲシッ コロコロ
ほむら「……っ! なんでなの?私はただあなたを助けたいだけなのに……」
さやか「……なんで、だろーね、分かっちゃうんだわ、あんたが嘘吐きだってこと」

ほむら「……ええ。あなた自体はどうでもいいわ。あなたを助けるのも、まどかを悲しませたくないから。あくまでも強情を張るというなら、今ここで頃してあげる……!」
さやか「え……!」
シュルルルル
ほむら「!」

マミ「美樹さん!早く逃げて!」

さやか「う……」ヨロッ
Dボゥイ「なんで殺そうと……?」
マミ「Dさん!美樹さんをお願い!」

Dボゥイ「わかった!」

387: 2011/07/30(土) 20:06:55.48 ID:SAZC+qEc0
Dボゥイ「美樹さやか!」タッタッタッタッタ


さやか「く……はぁー……はぁー……なにを、企んでるのさ」

Dボゥイ「人を疑っている場合じゃ無いだろう!なぜ助けを拒むんだ!このままじゃお前は氏んでしまうぞ!」

さやか「あたしが氏ぬとしたら、それは魔女を殺せなくなったときだけだよ……それってつまり、用済みってことじゃん?」


Dボゥイ「く……(こいつ、喋れば喋るほど……!)」

さやか「魔女に勝てないあたしなんて、この世界にいらないよ……。」

Dボゥイ「(……以前の俺を見ているようだ!)」

389: 2011/07/30(土) 20:19:10.85 ID:SAZC+qEc0
Dボゥイ「……お前には、戦わなければいけない理由があるのか!」


さやか「私は……あれ、なんで、魔女をやっつけてんだっけ……そうだ、街の平和、街の平和のためだよ……」ブツブツ

Dボゥイ「(色々なことが起きすぎて、精神が潰されかかっている……。)もういい、俺がお前を止めてやる!テックセッタアアァーー!!」カッ

さやか「あたしは、戦わなきゃ……それしか価値がないんだから……!」ジャキッ

395: 2011/07/30(土) 20:33:18.82 ID:SAZC+qEc0
Dボゥイ「テックランサアァー!!」ジャキッ
ガキイィィン!

Dボゥイ「なっ!テックランサーを受けた!?」

さやか「あたしは魔女を倒し続けなきゃ……負けたらダメなんだ……!」ブツブツ

ヒュッ

Dボゥイ「うっ!」ギィィン!

Dボゥイ「このスピード、以前の比じゃない……どうなっているんだ!?」

さやか「……魔女を倒す魔女を倒す魔女を倒す魔女を倒す魔女を倒す魔女を倒す」ブツブツ


さやか「だってあたしには、それしかないんだから」ヒュッ


Dボゥイ「……負けてはいけないという極端な意識が、肉体のリミッターを外したのか」

ギィン! ギィィン!

Dボゥイ「何故だ……なぜこんな少女に過酷な運命を背負わせる!!」

398: 2011/07/30(土) 20:50:09.58 ID:SAZC+qEc0
ほむら「……離して、巴マミ」

マミ「……そうね、美樹さんを殺そうとしたりしないって約束できる?」

ほむら「……えぇ」
シュルン

ほむら「行きましょう、もう時間がないわ」ストン

マミ「えぇ」


美樹さんとDさんが消えた突き当たりで、私達は予期せぬものを目にする。

Dボゥイ「うおぉーっ!」キィン!

さやか「……っ」キィン!

マミ「どうなっているの!?なんで美樹さんとDさんが……!」

ほむら「おそらく、なにか揉めたと考えるべきでしょうね」

マミ「い、急いで止めなきゃ……!」

ほむら「無理よ、そういう次元の速さじゃないし……なにより声が届かないわ」
ほむら「(仮に私の能力を使って物理的に干渉しても美樹さやかを逃がすだけ……ここは、賭けるしかない)」

2: 2011/07/30(土) 21:17:17.20 ID:SAZC+qEc0
Dボゥイ「もうやめろ!こんなこと続けたってお互いに傷つくだけだ!」

さやか「戦うのをやめたら……やめて私はどうすればいいって言うのよ!」


Dボゥイ「(涙!?)……しまった!」ガギイィン

さやか「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」

ドスッ

マミ「!!」

Dボゥイ「ぐ……まさかテッカマンの装甲を貫通するとは……!」

マミ「Dさあぁぁぁん!!」

Dボゥイ「マミ!?」
Dボゥイ「ぐ……俺は……俺は、倒れるかァ!!倒れられるか!」

Dボゥイ「うおぉぉぉ!テックランサアアァー!!」

9: 2011/07/30(土) 21:23:41.54 ID:SAZC+qEc0
さやか「くっ!?」ガギィィン!

Dボゥイ「俺は、お前とは違う!お前は戦うしか無いと思っているかもしれないが、そうじゃない!」ガギン! ガギイィィン!

さやか「く……ああぁっ!」

Dボゥイ「お前を心配くれる人がいるだろう!お前の代わりに戦ってくれるひとがいるだろう!!」バギイィィィン!

さやか「きゃああああっ!?」ドタッ

Dボゥイ「終わりだ……。」チャッ

さやか「あ……。」ピタ

マミ「Dさんが美樹さんの喉元に槍を……これで終わったわね」

Dボゥイ「だからお前はもう……戦わなくていいんだ」

さやか「……。」


さやか「くふ」

10: 2011/07/30(土) 21:29:49.93 ID:SAZC+qEc0
さやか「……はははははははは」

Dボゥイ「どうしたんだ!」

さやか「もう全部遅いんだよ……よく見てよ、あたしのソウルジェム」ゴポ…

Dボゥイ「うっ……!もうほとんど、黒く澱んでしまっている……!」


さやか「……ようやく気づいたんだ、誰かの幸せを祈った分だけ、誰かを呪わなきゃいけない仕組みだったね……魔法少女って」


さやか「あたしって」


ピ シ ッ


さやか「ほんとバカ」

15: 2011/07/30(土) 21:38:21.93 ID:SAZC+qEc0
Dボゥイ「待て──」
パキィ

マミ「ソウルジェムが、割れた……美樹さん!!」

グワアアアッ!!


Dボゥイ「うおぉっ!」

マミ「きゃ!」

ほむら「(美樹さやか……やはり、あなたは──)」ギリッ


──成長途中の女性の事を少女って呼ぶんだろう?だったらやがて魔女になる君達の事は──

QB「“魔法少女”と呼ぶべきだよね。」

22: 2011/07/30(土) 21:49:28.02 ID:SAZC+qEc0
オクタヴィア「ギャアアアアアア!!」


マミ「なに?この魔女は、美樹さんをどうしたの!?」

Dボゥイ「くそ……うっ」ガクッ

マミ「Dさん!」

ほむら「二人とも、私の手に掴まって」

マミ「え!?」

ほむら「今は分が悪いわ。Dボゥイ、あなたは腹を刺され……そして巴マミ。あなたは、美樹さやかを殺せるの?」

マミ「美樹……さん?まさか、あれが?」

ほむら「えぇ……さぁ、掴まって」

Dボゥイ「分かった」

マミ「あ……ちょっと待って」

シュルシュルシュル

ほむら「荷物を増やして……どういうつもり?」

マミ「……美樹さんの身体を置き去りなんて……あんまりじゃない」

ほむら「……勝手にしなさい、それじゃあ行くわよ」

24: 2011/07/30(土) 22:00:51.94 ID:SAZC+qEc0
ガチャ …ピタッ


マミ「暁美さん、これは!?」

ほむら「私に触れている意外の全てのものの時は止まっているわ。一気に結界から脱出するわよ、手を離さないで。手を話したらあなたたちの時も止まってしまうわ」タッタッタッタッタ


Dボゥイ「出口が見えた!」

ブワァッ!

マミ「……! はぁ、はぁ……暁美さん、一体どういうことなの?あの魔女が美樹さんって……!」

ほむら「それは……!」

Dボゥイ「うっ……!」シュウウウ バタン

マミ「ああ!!Dさん!しっかり!」

ドロ……。

マミ「ひどい傷……変身している間は分からなかったけど、かなり傷口が大きいわ!」

ほむら「……後で話すわ、あなたはその人の治療をしてあげなさい」

27: 2011/07/30(土) 22:21:37.14 ID:SAZC+qEc0
『嬉しいんだよ、俺は。こうやって、兄さんと決着をつけられるってことが。だからこそ、俺の持つ全ての力を掛けて、兄さんを倒す!』


Dボゥイ「シンヤ!」ガバッ

マミ「Dさん!よかった、目が覚めたんですね!!」

Dボゥイ「あ、あぁ……。」

マミ「……よかった」グスッ

ほむら「……もう、話していいかしら?」

マミ「いえ……まだよ」

マミ「事情を知らなければならない人間がまだ二人いるはずよ」

29: 2011/07/30(土) 22:33:32.86 ID:SAZC+qEc0
──マミ家

杏子「おいマミ、話って……!こいつは!」

まどか「さやかちゃん!」

ほむら「人間としての……魔法少女としての“美樹さやか”は既に氏んだわ。今そこにあるのはただの身体よ」

まどか「え……!」

杏子「どういうことだ、オイ……!」

ほむら「私達魔法少女はソウルジェムが濁りきったその時……呪いを生み出す存在、魔女となるわ」

杏子「な……!」

マミ「魔法少女が、魔女を生み出す存在……!?」

ほむら「ええ、美樹さやかのソウルジェムは穢れの許容量を超え……魔女となった

まどか「ひどいよ……そんなの、あんまりだよ!」グスッ

まどか「うわあああぁぁぁん!さやかちゃん!さやかちゃあああああん!!」


Dボゥイ「……(くそっ!)」ギリッ

33: 2011/07/30(土) 22:42:13.85 ID:SAZC+qEc0
杏子「……元に戻す方法とかはないのか?」

ほむら「存在しないと考えていいわ。」

まどか「そんな……さやかちゃん……。」ヒック

マミ「それじゃあ……私達、みんな氏ぬしかないじゃない!」

Dボゥイ「マミ!落ち着け!」ガシッ

マミ「!? D、さん……。」

Dボゥイ「大丈夫だ……落ち着け」

マミ「Dさん……眼が」

Dボゥイ「(これじゃ……これじゃますます……!)」

Dボゥイ「(これじゃますますラダムと一緒じゃないか!)」

34: 2011/07/30(土) 22:49:01.46 ID:SAZC+qEc0
Dボゥイ「……ほむら、キュウべえの目的は一体なんなんだ」

ほむら「キュウべえ……いえ、インキュベーターの目的は……魔法少女が魔女となる時の希望が絶望となるエネルギーの確保による宇宙の維持よ」

Dボゥイ「神にでもなったつもりなのか……あの野郎ッッ!」

マミ「待って、あなたは一体どこでそれを……!」


ほむら「……答える必要はないわ」

37: 2011/07/30(土) 23:04:33.53 ID:SAZC+qEc0
──深夜

Dボゥイ「……。」ササッ

マミ「一人でどこに行く気ですか?」

Dボゥイ「……マミ。あの魔女は、美樹さやかは俺が一人で──」


マミ「その先は言わないで下さい。私も行きます」

Dボゥイ「待ってくれ。お前は自分の後輩を手にかけることになるんだぞ──俺は、友人を、弟を、自分の手で頃した。もし後輩は手にかけたら、その記憶は一生お前について回ることになる……それでもいいのか?」

マミ「……覚悟してます、それにDさんを一人で行かせたら、フッとどこかに消えてしまいそうで。」

Dボゥイ「……わかった。気をつけろよ」

マミ「は、はい!」

46: 2011/07/30(土) 23:25:35.79 ID:SAZC+qEc0
──魔女結界

オクタヴィア「グオオオオオ!!」

マミ「あれが、美樹さん……。」


Dボゥイ「いくぞッ!テックセッタアアアアアァーーー!!」カッ

Dボゥイ「うおぉーっ!テックランサアァー!」バギイィン

オクタヴィア「ギャアアアアッ!」バッ ババババッ!

Dボゥイ「そんな車輪を飛ばしてきたところで……俺には当たらん!クラッシュイントルゥード!!」ズバババババ!

マミ「……すごい、なんて強さなの、Dさん……でも何か、急いでいるような……。」

『もし後輩を手に掛けたら、その記憶は一生ついて回ることになる。それでもいいのか?』

マミ「──まさか、Dさん……私に美樹さんをやらせないために?」

49: 2011/07/30(土) 23:32:38.43 ID:SAZC+qEc0
オクタヴィア「グギアアアアア!」

Dボゥイ「どうした……魔法少女の時のお前はもっと強かったぞ!クラッシュイントルード!」ドゴォォォ!


オクタヴィア「ア…ギャアアアア!」

ガラガラガラガラ…

Dボゥイ「何!?逃がすかッ!」

マミ「床が崩れて、どちらも下に……ここまで来たら、私も!」シュタッ

51: 2011/07/30(土) 23:44:28.24 ID:SAZC+qEc0
マミ「ここは……コンサートホール?」

オクタヴィア「グ……アア」
マミ「まさか、美樹さんが好きだった男の子はバイオリンが上手だったって……!」

マミ「そういう、ことなのね。魔法少女が魔女になるって」

Dボゥイ「辛かったろう、美樹さやか。俺がいま解放してやる!」

オクタヴィア「グアアアアア!!」

Dボゥイ「うおおおおおおおおおぁ!!」ビリビリビリビリビリ…


Dボゥイ「ボルテッカアアアアァァーー!!」

54: 2011/07/30(土) 23:56:30.57 ID:SAZC+qEc0
オクタヴィア「グ……ギ……。」


Dボゥイ「ボルテッカを受けてまだ生きているのか……ならば!」ジャキッ


マミ「まって、Dさん」

マミ「……私に、やらせて」

Dボゥイ「マミ、しかし……。」

マミ「お願い」

Dボゥイ「……わかった」


オクタヴィア「ガ……ギ……!」

マミ「美樹さん、頼りない先輩でごめんね。私は貴女を救ってあげられなかった。だからせめて最後くらいは……ね」


マミ「すぐは行けないけれど、そっちに行ったらよろしくね、それじゃ……。」

マミ「ティロ・フィナーレ!」ズバアアアアン

オクタヴィア「ガ……!」シュウウウウ

マミ「……さよなら、美樹さん」

59: 2011/07/31(日) 00:05:21.36 ID:+32WYCTc0
Dボゥイ「……終わったな」

マミ「えぇ……皮肉ですね、久しぶりに倒すことができた魔女が、自分の後輩だったなんて」

Dボゥイ「……。」

コロン…

マミ「……あ、これはグリーフシード……美樹さんの」

マミ「う、あ……ああああああ!!ああああああ!!」

Dボゥイ「マミ!」

マミ「こんなちっぽけなものが……こんなちっぽけなものが、美樹さんだったものだ、なんて」

マミ「ひっ……う……あああああ!!」

Dボゥイ「(……残酷、すぎる……!)」

63: 2011/07/31(日) 00:25:20.45 ID:+32WYCTc0
マミ「うぅっ……!」

QB「やあマミ、魔女を倒せるようになったじゃないか」

マミ「……!」

Dボゥイ「インキュベータアアアァァァ!!」ザクウッ!

QB「」

QB「やれやれ、君は顔を合わせるたびにこれだ。すこしは冷静になってほしいな」モグモグモグモグモグ

Dボゥイ「黙れ!なんの用があって来たんだ!」

QB「きゅっぷい……勘違いしないでほしいんだが、僕らは何も、人類に対して悪意を持っている訳じゃない」

Dボゥイ「うるさい!お前の目的は分かっているんだ!魔法少女が絶望して魔女になるエネルギーを回収して宇宙の維持に充てようというんだろう!神にでもなったつもりか!」

67: 2011/07/31(日) 00:43:04.66 ID:+32WYCTc0
QB「……君たち人類の価値基準こそ、僕らは理解に苦しむよ。この宇宙にどれだけの文明がひしめき合い、一瞬にどれだけのエネルギーを消耗しているかわかるかい?」

QB「君たち人類だって、いずれはこの星を離れて、僕たちの仲間入りをするだろう、その時に枯れ果てた宇宙を渡されても困るだろう?これは長い目で見たら、君たちにとっても得な取引のはずだよ?」

Dボゥイ「……もう、たくさんなんだ。誰かが過酷な運命を背負わされるなど……!」

QB「やれやれ、まったく君たち人類はわけがわからないよ」

Dボゥイ「……ひとつ聞かせろ。貴様らの本拠地はどこだ?」

QB「妙なことを聞くね。僕らインキュベーターは全宇宙に存在しているんだ。地球を拠点にしている者に限れば、近くに母艦が停泊しているけどね」

Dボゥイ「十分だ……それだけ聞ければ」

73: 2011/07/31(日) 00:57:37.94 ID:+32WYCTc0
そして──

マミ「……ただいま」

杏子「よう、今日は葬式だったんだよな……どうだった?」
マミ「どうだったもなにもないわよ……辛くって、私」

杏子「ふーん……あ、饅頭もらうぞ」

──決戦の日が

ほむら「ワルプルギスの出現予測は……明日よ」

マミ「ついに来るのね……。」

杏子「へっ、かえって腕が鳴るってもんじゃないの?」

Dボゥイ「……。」

やってきた。

75: 2011/07/31(日) 01:09:46.08 ID:+32WYCTc0
杏子「雨が激しくなってきたな」




マミ「来るわね……そろそろ」



ほむら「(今度こそ私は断ち切る……時のループを!)」



Dボゥイ「いくぞ!テック…」



Dボゥイ「セッタアアアアアァーーー!」

ワルプルギス「キャハハハハハハハハハハハ!!!!」

84: 2011/07/31(日) 01:32:04.61 ID:+32WYCTc0
ほむら「行くわよ」ズトォォォン

杏子「ロケットランチャー!どっから出したんだよ!?」

ほむら「この程度で倒れる相手じゃないわ、畳みかけるわよ」

マミ「えぇ……ティロ・フィナーレ!!」ドォォォォォン

杏子「やったか?」

ワルプルギス「キャハハハハハハハハハハハ!!」

マミ「うそ……ほとんど効いてないなんて!」

杏子「仕方ねえ、こうなったら近づいてぶっ潰すしかないよねェ!」タンッ

Dボゥイ「ああ、行くぞ!クラッシュイントルード!!」ズバババババッ!

杏子「相変わらずすっげー……回りの使い魔も吹っ飛んでやんの」

88: 2011/07/31(日) 01:56:08.40 ID:+32WYCTc0
Dボゥイ「テックランサアァーー!!」ザシュッ!

杏子「二段構え……だッ!」ザンッ!

ワルプルギス「キャハハハハハハハハハ」

杏子「……な!?」
ゴゴゴゴゴ…

マミ「ビルの一角がまるごと……!」

杏子「ぐあぁーっ!!」ドドォォォ

ほむら「杏子!」

Dボゥイ「くっ!貴様!」ズバッ!

ワルプルギス「キャハハハハハ」ブワアアアッ!

Dボゥイ「く……うおぉぉぉっ!」ビュン! ズガアアアアッ!

マミ「突風まで……Dさん!!」

ほむら「他人に気を使っている暇はないわ、巴マミ!」

ワルプルギス「キャハハハハハ!!」

マミ「……来る!」

89: 2011/07/31(日) 02:09:11.00 ID:+32WYCTc0
ほむら「今回こそは……ワルプルギスの夜!!」ズドオォォォォン!
ワルプルギス「キャハハハハハハハハハハハ」

マミ「本当にタフ……ねっ!」ズダァン! ズダァン!

ワルプルギス「キャハハ」チュイン! チュイン!

ほむら「殆ど効かない……火力が足りないというの?」

マミ「……いえ、まだまだよ!」ダダダダダダァン!

マミ「ティロ・フィナーレ!!」ズドォォン

ワルプルギス「キャ、キャハハハハハ」グラッ

ほむら「効いているわ……倒せる!」ズドォォォン!

ワルプルギス「キャハ」ニヤァ…

ほむら「はっ!」

ブワアアアアアッ!

ほむら「うっ!」ダン
マミ「あっ!」バァン!
ほむら「(く……背中を打ちつけた……動けない、完璧に油断してしまった!)」

93: 2011/07/31(日) 02:36:33.48 ID:+32WYCTc0
ワルプルギス「キャハハハハハ!」ゴゴ…

ほむら「く……ああぁぁぁぁッ!」ガスガスガス

マミ「暁美さん!足が……!」
ほむら「っ……構わないで、倒して!ワルプルギスの夜を!」

マミ「……わかったわ!」

マミ「(私一人でどこまで出来るかわからないけど……ワルプルギスの夜を倒す!)」

──ゴオオォォォォ…

ワルプルギス「…キャハハハハハハハハハハハハハハハハ!」

マミ「はぁ……はぁ……!」

Dボゥイ「マミ!みんな!無事か!」バッ

マミ「で、Dさん……遅い、ですよ……。」ガクッ

Dボゥイ「マミ!」

ほむら「……。」
杏子「……。」
Dボゥイ「く……っ!!」

Dボゥイ「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーっ!!」カッ! バシュウウーー!!

Dボゥイ「もう出し惜しみはなしだ!このブラスター化で……この世から消滅させてやる!!」

95: 2011/07/31(日) 02:53:04.55 ID:+32WYCTc0
Dボゥイ「うおおおーーッ!!テックランサアァーー!!」ガシィン! ズバァァ!


ワルプルギス「ギャハハハハハ!?」

Dボゥイ「逃がすかぁッ!」ビイィィィィッ ドォォォォン!

ワルプルギス「ギャハ…ギャアアアア!!」

Dボゥイ「こんなもので済むと思うな!クラッシュ!イントルゥゥーード!!」

ガシィン! ガシィン ガシィン ガシィン!ガシィン!ガシィン!ガシィン!

Dボゥイ「うおおおおおおぉぉぉーーッッッ!!」ガッ ゴォォォォォォッ!!

ワルプルギス「ギャハハ!?ハハハハハ!?」

Dボゥイ「ここがどこだか分かるか?宇宙空間だ。最も貴様に言葉が通じるとは思っていないがな……トドメだ!!」バチバチバチバチバチ…!

Dボゥイ「はー、はーッ……!ボル……」

ワルプルギス「キャ──」
Dボゥイ「テッカアアアアアアアァァァァァァァァァー!!!」

100: 2011/07/31(日) 03:09:41.59 ID:+32WYCTc0
ワルプルギス「キャハ…ハ…ハハ…」ボゴオォォォォン


Dボゥイ「終わった、ワルプルギスの夜……クッ、俺ももう力が……ブラスター化が解ける!」フラッ

Dボゥイ「しまった、大気圏に……うおおおおぉーーっ!」ゴゴゴゴゴゴゴ

Dボゥイ「(く……今、視界の端に見えたもの……まさか、あれがインキュベーターの……!)」

──ズドォォォン!!


マミ「D、さん……!」

Dボゥイ「マミ!しっかりしろ、グリーフシードだ!」カチャ

パアアアアアア

マミ「Dさん、ワルプルギスの夜を倒したんですね……私いつも、あなたに助けられっぱなしで……!」

Dボゥイ「……マミ、今度はお前がみんなを助けてやってくれ」

マミ「……え?」

Dボゥイ「俺はこれから……宇宙に向かう!」

103: 2011/07/31(日) 03:30:01.85 ID:+32WYCTc0
マミ「宇宙って、Dさん!?」

Dボゥイ「俺はインキュベーターの母艦を破壊しに行く!あいつらを放っておいたら、また誰かが犠牲になる……!」

マミ「……わかりました、ならせめてこのリボンを持って行ってください」シュル…

Dボゥイ「……これは」

マミ「リボンです、魔法がかかっているからきっと貴方を守ってくれると思います。それから──」
ギュッ

Dボゥイ「!」


マミ「絶対に……返しに来て下さい。無事に」グスッ

Dボゥイ「……あぁ、約束しよう」


Dボゥイ「交わした約束は忘れない」

105: 2011/07/31(日) 03:50:55.89 ID:+32WYCTc0
バシュウウウウン!


マミ「Dさん、無事で……!」


Dボゥイ「──うおおおぉぉぉーっ!!」

バシュ!


Dボゥイ「成層圏を抜けた……インキュベーターの母艦は……あれか!」

ガクン

Dボゥイ「ぐっ……!」

Dボゥイ「くそ……もう、力が……!後少し!後少しだけでいいんだ!あいつらを皆頃しにする力を、俺に残っていれば──」

…ピカアアァッ!

Dボゥイ「これは……マミのリボン?」

『魔法がかかっているから、きっと貴方を守ってくれると思います──』

Dボゥイ「力が……戻ってくる!いくぞインキュベーター、これが最後だ!」バチバチバチバチバチ…



Dボゥイ「ボルテッカアァァァァァァァァァーー!!」

113: 2011/07/31(日) 04:16:02.50 ID:+32WYCTc0
ズバアアアアアアアアアアッ!!

Dボゥイ「インキュベーターの母艦は破壊した。終わった、全て……」

Dボゥイ「指一本も動かない……もう眠い……な」…フッ

──ボゥイ!、Dボゥイ!


Dボゥイ「……あ」パチ

アキ「おはよう、Dボゥイ」ニコ

Dボゥイ「(……今のは、今までのは全部夢だったのか……?)」ハッ

Dボゥイ「俺の腕に巻かれいるのは……マミのリボン──夢じゃない」

アキ「どうしたの?Dボゥイ」

Dボゥイ「そうだ、アキ……俺はなんで車椅子に乗っているんだ?」

アキ「Dボゥイ!あなた、まさか、記憶が……!嘘!」

──その後、記憶喪失から復帰した俺はスペースナイツに復帰することができた。

俺はこの宇宙の中から、あの少女を……巴マミを探してみようと思う。

俺は、まだ約束を果たしていないのだから。

Dボゥイ「交わした約束は忘れない」 完

117: 2011/07/31(日) 04:20:40.81 ID:+32WYCTc0
以上です

途中スレが落ちてしまったりしましたが完結できたのは皆さんのおかげです

片方の作品しか知らない方はこれを機に見てくれたらそれはとってもうれしいなって
まどかもテッカマンブレードも最高!

それとたくさんの保守&支援、ありがとうございました!
感謝です!

118: 2011/07/31(日) 04:21:38.92 ID:dYNMxGoT0

テッカマン見たくなった

引用元: Dボゥイ「交わした約束は忘れない」