1: 2012/07/22(日) 23:11:11.81 ID:QOZLHV+R0
霞「ガチで」
4: 2012/07/22(日) 23:15:35.44 ID:QOZLHV+R0
クラスメイト「小蒔さん、またねー」フリフリ
小蒔「うん、また明日」フリフリ
小蒔「…さてと、今日は早く帰って明日に備えないと」
小蒔「宿題がいっぱいで大変です」
小蒔「…あるいは、霞ちゃんに手伝ってもらって…」
小蒔「なんて、不精してはいけませんね」
小蒔「おや…」
霞「…」
小蒔「などと噂をすれば、影がさしました」
小蒔「うん、また明日」フリフリ
小蒔「…さてと、今日は早く帰って明日に備えないと」
小蒔「宿題がいっぱいで大変です」
小蒔「…あるいは、霞ちゃんに手伝ってもらって…」
小蒔「なんて、不精してはいけませんね」
小蒔「おや…」
霞「…」
小蒔「などと噂をすれば、影がさしました」
3: 2012/07/22(日) 23:13:38.91 ID:bB4lPjYq0
やめてあげて
6: 2012/07/22(日) 23:18:43.90 ID:QOZLHV+R0
小蒔「…おーい!霞ちゃん!」フリフリ
霞「…」ピク
小蒔「早かったんですねー!一緒に帰りましょう!」フリフリ
霞「…」
霞「…」テクテク
小蒔「…?」
小蒔「あ、あら…行ってしまいました」
小蒔「聞こえてなかったんでしょうか…うむむ」
霞「…」ピク
小蒔「早かったんですねー!一緒に帰りましょう!」フリフリ
霞「…」
霞「…」テクテク
小蒔「…?」
小蒔「あ、あら…行ってしまいました」
小蒔「聞こえてなかったんでしょうか…うむむ」
8: 2012/07/22(日) 23:22:09.30 ID:QOZLHV+R0
翌朝
小蒔「朝は霞ちゃんと登校します」
小蒔「小学生の頃からですし、もう染みついた習慣の様なものですね」
小蒔「…」
…
小蒔「…」チラ
小蒔「…来ませんね」
小蒔「あ、霞さんのお母さん。おはようございます」
小蒔「え…霞ちゃん、先に行っちゃったんですか!?」
小蒔「そ、そうですか…どうもありがとうございます」ペコ
小蒔「――ダッシュ!」ダッ
小蒔「朝は霞ちゃんと登校します」
小蒔「小学生の頃からですし、もう染みついた習慣の様なものですね」
小蒔「…」
…
小蒔「…」チラ
小蒔「…来ませんね」
小蒔「あ、霞さんのお母さん。おはようございます」
小蒔「え…霞ちゃん、先に行っちゃったんですか!?」
小蒔「そ、そうですか…どうもありがとうございます」ペコ
小蒔「――ダッシュ!」ダッ
12: 2012/07/22(日) 23:25:22.82 ID:QOZLHV+R0
霞「…」ツカツカ
小蒔「―霞ちゃん!」トタトタ
霞「…」ピタ
小蒔「はぁ…はぁ…はー、やっと追いつきました…合流できて良かった…はぁ」ヘロヘロ
小蒔「…はぁ…む…しかし霞ちゃん!今日は少々物申したいです!」
小蒔「お休みというわけでもないのに、毎朝の待ち合わせをすっぽかして行ってしまうとは!どういう了見ですか!?」プンスコ
小蒔「せめて前の日に一言あっても良かったでしょう!霞ちゃんは今や上級生とは言え私だって…」
霞「…」
小蒔「怒る時は…おこる…ん…」
霞「…」
小蒔「…霞ちゃん?」
霞「…」
小蒔「…」
小蒔「―霞ちゃん!」トタトタ
霞「…」ピタ
小蒔「はぁ…はぁ…はー、やっと追いつきました…合流できて良かった…はぁ」ヘロヘロ
小蒔「…はぁ…む…しかし霞ちゃん!今日は少々物申したいです!」
小蒔「お休みというわけでもないのに、毎朝の待ち合わせをすっぽかして行ってしまうとは!どういう了見ですか!?」プンスコ
小蒔「せめて前の日に一言あっても良かったでしょう!霞ちゃんは今や上級生とは言え私だって…」
霞「…」
小蒔「怒る時は…おこる…ん…」
霞「…」
小蒔「…霞ちゃん?」
霞「…」
小蒔「…」
15: 2012/07/22(日) 23:29:54.67 ID:QOZLHV+R0
霞「…」ツカツカ
小蒔「…か、霞ちゃん?」
霞「…」ツカツカ
小蒔「ど、どうして返事をしてくれないの…?」
小蒔「…もしかして怒らせてしまいましたか?」
霞「…」ツカツカ
小蒔「あの!ちょっと止まってください!」バッ
小蒔「…か、霞ちゃん?」
霞「…」ツカツカ
小蒔「ど、どうして返事をしてくれないの…?」
小蒔「…もしかして怒らせてしまいましたか?」
霞「…」ツカツカ
小蒔「あの!ちょっと止まってください!」バッ
18: 2012/07/22(日) 23:33:04.06 ID:QOZLHV+R0
霞「…」ピタ
小蒔「う、うう…」オド
小蒔「ご…ごめんなさい…霞ちゃんにも何か事情が有ったんですよね…」
霞「…」
小蒔「気持ちも汲めずに一方的に捲し立てたりして…何と言えばいいか…」
小蒔「本当にすいませんっ!」バッ
霞「…」
小蒔「だ、だから…その…」
小蒔「しっ失言を…許して欲しいと言うか…」モジ
霞「…」
小蒔「う、うう…」オド
小蒔「ご…ごめんなさい…霞ちゃんにも何か事情が有ったんですよね…」
霞「…」
小蒔「気持ちも汲めずに一方的に捲し立てたりして…何と言えばいいか…」
小蒔「本当にすいませんっ!」バッ
霞「…」
小蒔「だ、だから…その…」
小蒔「しっ失言を…許して欲しいと言うか…」モジ
霞「…」
20: 2012/07/22(日) 23:36:18.27 ID:QOZLHV+R0
霞「…小蒔ちゃん」
小蒔「! は、はい!」
霞「…もう、明日からは別々に登校しましょう?」ニコ
小蒔「…え…」
24: 2012/07/22(日) 23:39:36.44 ID:QOZLHV+R0
霞「じゃ、私は先に行くわね」
小蒔「…え、あ、あの…?え…?」オドオド
霞「…」ツカツカ
小蒔「そ、そんな…そんなっ!」
小蒔「――待って!待って下さい!」ババッ
霞「…」ピタ
小蒔「べ、べつべつって…!別々ってどういうことですか…?」
小蒔「ひょっとして、怒ってる理由…今日の事じゃないんですか?わ、私が何か…?」
小蒔「…優しい霞ちゃんがそんなに怒るなんて、わた、わたしは…一体何を…!」フルフル
27: 2012/07/22(日) 23:43:53.91 ID:QOZLHV+R0
霞「…その」
小蒔「…え?」
霞「立ちふさがるの…止めてください。目障りですし、迷惑です」ニコ
小蒔「…は、へ…」
霞「…」ツカツカ
31: 2012/07/22(日) 23:46:43.97 ID:QOZLHV+R0
小蒔「…」ポカン
小蒔「…はっ!」
小蒔「か、かすみちゃん!待っ…!」バッ
霞「――しつこいっ!」
ドンッ
小蒔「きゃ…!」ドタッ
霞「…」サスッ
小蒔「…かすみ、ちゃん…」
霞「…」
霞「…」…ツカツカ
小蒔「…はっ!」
小蒔「か、かすみちゃん!待っ…!」バッ
霞「――しつこいっ!」
ドンッ
小蒔「きゃ…!」ドタッ
霞「…」サスッ
小蒔「…かすみ、ちゃん…」
霞「…」
霞「…」…ツカツカ
37: 2012/07/22(日) 23:50:50.69 ID:QOZLHV+R0
小蒔「…」
小蒔「…」ジワ…
小蒔「…う、うぅ…」ポロ…
小蒔「…!いけません、いけません!」ゴシゴシ
小蒔「…事情を聴いて、許して貰うんです…」パンッパン
小蒔「きっと、何かあった筈です…何か…」
小蒔「…」
小蒔「自分で思い出せない時点で…最低なのかも…」ポロ
小蒔「!」ゴシゴシ
小蒔「…」ジワ…
小蒔「…う、うぅ…」ポロ…
小蒔「…!いけません、いけません!」ゴシゴシ
小蒔「…事情を聴いて、許して貰うんです…」パンッパン
小蒔「きっと、何かあった筈です…何か…」
小蒔「…」
小蒔「自分で思い出せない時点で…最低なのかも…」ポロ
小蒔「!」ゴシゴシ
42: 2012/07/22(日) 23:54:39.88 ID:QOZLHV+R0
3年教室前
ガヤガヤ
小蒔「…」ソロリ
小蒔「放課後まで待ち切れずに、来てしまいました…昼休みなのに」
小蒔(霞ちゃんは…)キョロ
小蒔(…いた!)
霞「…」ガタ
小蒔「…わっ」
小蒔(出てくる!)ササッ
霞「…」ツカツカ
小蒔(…お便所みたいです)
ガヤガヤ
小蒔「…」ソロリ
小蒔「放課後まで待ち切れずに、来てしまいました…昼休みなのに」
小蒔(霞ちゃんは…)キョロ
小蒔(…いた!)
霞「…」ガタ
小蒔「…わっ」
小蒔(出てくる!)ササッ
霞「…」ツカツカ
小蒔(…お便所みたいです)
48: 2012/07/22(日) 23:58:03.42 ID:QOZLHV+R0
ジャー… ドボドボ…
霞「…」
小蒔(…お掃除用の洗面台に水を張ってる…?掃除は放課後なのに…)
小蒔「…」
小蒔(…大丈夫、きっと大丈夫…全力で、誠心誠意話せば分かってくれるはずです…)ドキドキ
小蒔「…よし」グッ
霞「…小蒔ちゃん?居るんでしょう?」
小蒔「ひゃいっ!?」ビクウッ
56: 2012/07/23(月) 00:07:50.71 ID:N1SYH3MD0
小蒔「い、いつから…!?」オドッ
霞「…あらあら、教室であんなに見つめられたら誰だって気付くわ?」クス
小蒔「そうですか…あれ」
小蒔「…あ、あの…私達普通に喋って…」
霞「…」
霞「ふふ、変な小蒔ちゃんね」
小蒔「霞ちゃん…お、怒ってないんですか…?」
霞「今朝のこと?…ううん、怒ってなんかないわよ」
霞「こっちこそ、いきなり突き倒したりしてごめんなさいね」
小蒔「そ、そんなの!全然です…!」ブンブン
霞「…優しいのね」
霞「ほら、いらっしゃい。仲直りしましょう?」
霞「…あらあら、教室であんなに見つめられたら誰だって気付くわ?」クス
小蒔「そうですか…あれ」
小蒔「…あ、あの…私達普通に喋って…」
霞「…」
霞「ふふ、変な小蒔ちゃんね」
小蒔「霞ちゃん…お、怒ってないんですか…?」
霞「今朝のこと?…ううん、怒ってなんかないわよ」
霞「こっちこそ、いきなり突き倒したりしてごめんなさいね」
小蒔「そ、そんなの!全然です…!」ブンブン
霞「…優しいのね」
霞「ほら、いらっしゃい。仲直りしましょう?」
60: 2012/07/23(月) 00:11:41.29 ID:N1SYH3MD0
小蒔「…!か、霞ちゃん!」タッ
スイッ
小蒔「…?」
霞「そう、『突き倒す』なんて…あんな目立つこと、道路でして悪かったわ」
ガシ…
小蒔「いっ…かすみちゃ、髪…?え…?」
霞「…もっと隠れてやらなきゃね」ニコッ
グッ! バシャッ!
スイッ
小蒔「…?」
霞「そう、『突き倒す』なんて…あんな目立つこと、道路でして悪かったわ」
ガシ…
小蒔「いっ…かすみちゃ、髪…?え…?」
霞「…もっと隠れてやらなきゃね」ニコッ
グッ! バシャッ!
66: 2012/07/23(月) 00:15:49.00 ID:N1SYH3MD0
小蒔「―――ぶ、あぶっ!…!!!」ゴボゴボ
バチャッ!ビシャァ!
霞「…!」ググググ…
小蒔「――!…!!…!」ゴボッ…
霞「…ふっ!」グイッ
…ザバッ!
小蒔「…っ、ぶぁっ!はぁっ!!」
小蒔「あ、う…!?うっ…あぁっ!おえぇっ…」ポタポタ
バチャッ!ビシャァ!
霞「…!」ググググ…
小蒔「――!…!!…!」ゴボッ…
霞「…ふっ!」グイッ
…ザバッ!
小蒔「…っ、ぶぁっ!はぁっ!!」
小蒔「あ、う…!?うっ…あぁっ!おえぇっ…」ポタポタ
73: 2012/07/23(月) 00:18:43.05 ID:N1SYH3MD0
霞「ふぅー…もう、暴れないで?服が濡れちゃうから…くすくす」
小蒔「…う、ええぇ…?あ、えっ…は…?」ポタポタ
小蒔「…かす、みちゃん…?なん…っ!?」ポタポタ
霞「えいっ」グググ
バシャ!
小蒔「っは…―――!ごぶっ…!ぷぁっ!ぁ―――!」ジャバッ
ゴボゴボ… ザバッ!
小蒔「…ぶぅえっ!!うえええっ!ああ…っ!」ポタポタ
小蒔「…霞ちゃん…なんで、何でっ…!うぇ、うえええん…!」ポロポロ
小蒔「…う、ええぇ…?あ、えっ…は…?」ポタポタ
小蒔「…かす、みちゃん…?なん…っ!?」ポタポタ
霞「えいっ」グググ
バシャ!
小蒔「っは…―――!ごぶっ…!ぷぁっ!ぁ―――!」ジャバッ
ゴボゴボ… ザバッ!
小蒔「…ぶぅえっ!!うえええっ!ああ…っ!」ポタポタ
小蒔「…霞ちゃん…なんで、何でっ…!うぇ、うえええん…!」ポロポロ
75: 2012/07/23(月) 00:21:17.98 ID:N1SYH3MD0
グイッ! ゴボゴボ…
小蒔「――!」バシャ バシャッ
霞「…ん~、怒ってないって言うのは本当なのよ?」
ザバッ!
小蒔「ぷはぁっ!う、ぇ…っ!」ポタポタ
霞「じゃあ何でこんな事するかっていうとね、ふふ」
霞「…私が」
バシャッ
霞「あなたのこと」
ザバッ
霞「単純に―!」
ググ バシャッ
霞「大っ嫌いだからなの!」
ザバッ!
小蒔「――!」バシャ バシャッ
霞「…ん~、怒ってないって言うのは本当なのよ?」
ザバッ!
小蒔「ぷはぁっ!う、ぇ…っ!」ポタポタ
霞「じゃあ何でこんな事するかっていうとね、ふふ」
霞「…私が」
バシャッ
霞「あなたのこと」
ザバッ
霞「単純に―!」
ググ バシャッ
霞「大っ嫌いだからなの!」
ザバッ!
81: 2012/07/23(月) 00:26:05.22 ID:N1SYH3MD0
小蒔「っは!…はぁー…はぁ、はうううっ…ううう…」ポロポロ
霞「良く聞いて、小蒔ちゃん」クイッ
小蒔「うう゛っ」フラ
霞「仲良しな振りをしてきたけど、もう限界、もう駄目なの」
霞「無駄にお人よしで八方美人な所とか、何にでも一生懸命なアピールが鬱陶しいところとか」
霞「本家だからってお高くとまって澄ましてウザいところとか、勝手に仲良しと思って付きまとわれて迷惑極まりないところとか」
小蒔「…う、うう…」ポロポロ
霞「分家と本家の付き合いもあるし、今まで我慢してたけど…ごめんなさいねー?もう無理。無理無理」
小蒔「うう…うあああ…!」ポロポロ
霞「ずっとずーっと反吐が出るほど嫌いだったの、小蒔ちゃんのこと!」ドンッ
小蒔「ひうっ」ドサッ ピチャッ
霞「良く聞いて、小蒔ちゃん」クイッ
小蒔「うう゛っ」フラ
霞「仲良しな振りをしてきたけど、もう限界、もう駄目なの」
霞「無駄にお人よしで八方美人な所とか、何にでも一生懸命なアピールが鬱陶しいところとか」
霞「本家だからってお高くとまって澄ましてウザいところとか、勝手に仲良しと思って付きまとわれて迷惑極まりないところとか」
小蒔「…う、うう…」ポロポロ
霞「分家と本家の付き合いもあるし、今まで我慢してたけど…ごめんなさいねー?もう無理。無理無理」
小蒔「うう…うあああ…!」ポロポロ
霞「ずっとずーっと反吐が出るほど嫌いだったの、小蒔ちゃんのこと!」ドンッ
小蒔「ひうっ」ドサッ ピチャッ
87: 2012/07/23(月) 00:30:56.52 ID:N1SYH3MD0
霞「今後も『仲良し』でいましょうね?」クスクス
霞「じゃあね」
…
小蒔「…」ポタ… ポタ…
小蒔「…」グスッ
小蒔「…う、うっ…」ポロポロ
小蒔「うああ…うわーん…ひあああっ…」ポロポロ
99: 2012/07/23(月) 00:37:55.20 ID:N1SYH3MD0
放課後
小蒔「…」トボトボ
小蒔「髪に…変な臭いがついて取れない…」
小蒔「霞ちゃん…」
小蒔「…」
小蒔「ずっと嫌いだったって…本当なんでしょうか…」
小蒔「…友達だと思ってたのは…私だけだったんですか…?」
小蒔「…う…」グスッ
小蒔「…」トボトボ
小蒔「髪に…変な臭いがついて取れない…」
小蒔「霞ちゃん…」
小蒔「…」
小蒔「ずっと嫌いだったって…本当なんでしょうか…」
小蒔「…友達だと思ってたのは…私だけだったんですか…?」
小蒔「…う…」グスッ
110: 2012/07/23(月) 00:42:36.49 ID:N1SYH3MD0
翌朝
チュン チュン
小蒔「…」ノソッ
小蒔「…お休みの日の朝が…こんなに憂鬱なのは初めてです…」
小蒔「境内のお掃除をしないと…」
小蒔「いつもは霞ちゃんや分家の皆とやっていたけど…」
小蒔「…」
小蒔「やっぱり、霞ちゃんには…無視されちゃうのかな…」
小蒔「…行きたくないな…」
チュン チュン
小蒔「…」ノソッ
小蒔「…お休みの日の朝が…こんなに憂鬱なのは初めてです…」
小蒔「境内のお掃除をしないと…」
小蒔「いつもは霞ちゃんや分家の皆とやっていたけど…」
小蒔「…」
小蒔「やっぱり、霞ちゃんには…無視されちゃうのかな…」
小蒔「…行きたくないな…」
120: 2012/07/23(月) 00:53:18.06 ID:N1SYH3MD0
境内
小蒔(などと逡巡していたら遅れてしまいました…)
小蒔「…」コソコソ
ザッ ザッ…
春「…」ポリポリ
巴「…春ちゃん、流石に食べながら掃くのは行儀が悪いよ」
初美「一個欲しいですー」
巴「もう!だめですって!」
小蒔「霞ちゃんが居ない…裏でも掃除しているんでしょうか?」
小蒔「…」モヤモヤ
小蒔「…ん!」パンパン
小蒔「もう気にしても仕方ない、行きましょう」ギュ
124: 2012/07/23(月) 00:57:19.93 ID:N1SYH3MD0
トタトタ
小蒔「おはようございます、皆さん」
春「…」ポリ…
巴「…」ザッ… ザッ…
初美「…」
小蒔「…あの…?」
小蒔「おはようございます、皆さん」
春「…」ポリ…
巴「…」ザッ… ザッ…
初美「…」
小蒔「…あの…?」
130: 2012/07/23(月) 01:01:40.42 ID:N1SYH3MD0
初美「…朝から重役出勤て感じですねー。流石本家様は違うですー」ボソボソ
小蒔(え…)ズキ
巴「…初美ちゃん!」ボソッ
春「…」
小蒔「…みん、な…?」
春「…」
初美「…」
巴「…」
ザッ… ザッ…
135: 2012/07/23(月) 01:03:39.07 ID:N1SYH3MD0
小蒔「み、皆…」ゾッ
小蒔「っあの!返事を――!」
春「あっち」
小蒔「…?」
春「まだ葉っぱが落ちてる」
初美「行くですー」トテトテ
巴「…あ、私も手伝います」スッ
小蒔「…」ポツン
小蒔「…」ザッ… ザッ…
小蒔「……っ!…」ブルブル
小蒔「…ぅっ…、…!」ジワッ
小蒔「…、…っふ、ぇえぇ…!」ポロポロ
小蒔「っあの!返事を――!」
春「あっち」
小蒔「…?」
春「まだ葉っぱが落ちてる」
初美「行くですー」トテトテ
巴「…あ、私も手伝います」スッ
小蒔「…」ポツン
小蒔「…」ザッ… ザッ…
小蒔「……っ!…」ブルブル
小蒔「…ぅっ…、…!」ジワッ
小蒔「…、…っふ、ぇえぇ…!」ポロポロ
141: 2012/07/23(月) 01:06:19.07 ID:N1SYH3MD0
…
―…うえぇん…
初美「あららー、姫様泣いちゃってますねー」
春「メンタルの問題」ポリポリ
巴「あれだけで、とは…」
巴「初日から霞ちゃんはどれだけエグいことをしたんでしょうか…」
初美「わかんないですけどー?きっと相当ですねー」
巴「…」
春「一番、敵には回したくない」ポリポリ
春「…昨日わかった」ポリポリ
初美「? はるるは見てたんですか―?」
春「ううん…直接聞いた」ポリ…
春「…説明しようか?」
初美「い、いや…いいですー」
―…うえぇん…
初美「あららー、姫様泣いちゃってますねー」
春「メンタルの問題」ポリポリ
巴「あれだけで、とは…」
巴「初日から霞ちゃんはどれだけエグいことをしたんでしょうか…」
初美「わかんないですけどー?きっと相当ですねー」
巴「…」
春「一番、敵には回したくない」ポリポリ
春「…昨日わかった」ポリポリ
初美「? はるるは見てたんですか―?」
春「ううん…直接聞いた」ポリ…
春「…説明しようか?」
初美「い、いや…いいですー」
147: 2012/07/23(月) 01:11:14.23 ID:N1SYH3MD0
初美「…にしても、姫様ときたら泣いてる姿もかわいいですねー。癪に障りますー」
春「…ドS」ポリポリ
初美「んっふふ、はるるほどじゃないですけどー」
巴「…」
巴「…二人とも、楽しそうですね」
春「…?」ポリポリ
初美「んー」
初美「…はるるはともかく、私は結構楽しんでる節はありますね―」
春「…」ポリ…
春「巴さんは、嫌…?」
巴「…正直、あまり良い気持ちでは…」
初美「…ふーん」
春「…ドS」ポリポリ
初美「んっふふ、はるるほどじゃないですけどー」
巴「…」
巴「…二人とも、楽しそうですね」
春「…?」ポリポリ
初美「んー」
初美「…はるるはともかく、私は結構楽しんでる節はありますね―」
春「…」ポリ…
春「巴さんは、嫌…?」
巴「…正直、あまり良い気持ちでは…」
初美「…ふーん」
151: 2012/07/23(月) 01:12:24.57 ID:N1SYH3MD0
初美「うーん、巴ちゃんはこっちサイドの人間だとおもってたんですがー」
巴「流石に、思う所はありますが…」
巴「何もここまで…」
春「…」
春「巴さんには、わからないの?」
春「…本家に私達が…今までどれだけ…!」グッ
巴「本家…?は、春ちゃん…?」
初美「わわっ、はるる!すとっぷ!ストップですー!」ワタフタ
春「…」
巴「流石に、思う所はありますが…」
巴「何もここまで…」
春「…」
春「巴さんには、わからないの?」
春「…本家に私達が…今までどれだけ…!」グッ
巴「本家…?は、春ちゃん…?」
初美「わわっ、はるる!すとっぷ!ストップですー!」ワタフタ
春「…」
159: 2012/07/23(月) 01:14:43.65 ID:N1SYH3MD0
初美「巴ちゃんは親の教育が良かったんですねー、羨ましい限りですー」
初美「…うんん、知らないならあんまり話したくもないのですがー…」
春「…私達は所詮分家の身、見えない所で本家とは数多に禍根がある」
初美「え、えー…」
巴「…そ、そんな…」
初美「…仕方なしですねー」
初美「…うんん、知らないならあんまり話したくもないのですがー…」
春「…私達は所詮分家の身、見えない所で本家とは数多に禍根がある」
初美「え、えー…」
巴「…そ、そんな…」
初美「…仕方なしですねー」
160: 2012/07/23(月) 01:15:50.64 ID:N1SYH3MD0
初美「まあ、はるるや私なんかはまだマシな方ですー」
初美「『立案者』である霞ちゃんのおうちなんかは、まあ分家の中でも地位は高い方なんですけど…」
初美「役割は一族の中でも最も悲惨ですねー…」
春「…ん」
初美「なまじ一族の中でも本家の血が濃いための悲劇ですよー」
初美「…悪いものを一身に引き受ける、とでも言うんですかねー…」
巴「…」ガクゼン
春「聞こえだけじゃない。内容は…」
初美「――はるる、だめです」
初美「それ以上は」ニコ
春「…」ビク
初美「『立案者』である霞ちゃんのおうちなんかは、まあ分家の中でも地位は高い方なんですけど…」
初美「役割は一族の中でも最も悲惨ですねー…」
春「…ん」
初美「なまじ一族の中でも本家の血が濃いための悲劇ですよー」
初美「…悪いものを一身に引き受ける、とでも言うんですかねー…」
巴「…」ガクゼン
春「聞こえだけじゃない。内容は…」
初美「――はるる、だめです」
初美「それ以上は」ニコ
春「…」ビク
167: 2012/07/23(月) 01:20:03.86 ID:N1SYH3MD0
春「…ごめんなさい」ペコ
初美「いやいや、分かればよかろうなのですよー」フリフリ
巴「…」
巴「…でも」
巴「…姫様本人には…そんなの…」
初美「…巴ちゃん、血は時に残酷なものなのですよ」
初美「今は健気な頑張り屋さんの姫様も、いずれ大人になるですー」
巴「…」
春「…その感じだと、巴さんの家はまだマシ」
春「――でも私達は、子子孫孫まで虐げられるつもりはない」
初美「…」
ざわ…
巴「…ッ」ゴクリ
初美「いやいや、分かればよかろうなのですよー」フリフリ
巴「…」
巴「…でも」
巴「…姫様本人には…そんなの…」
初美「…巴ちゃん、血は時に残酷なものなのですよ」
初美「今は健気な頑張り屋さんの姫様も、いずれ大人になるですー」
巴「…」
春「…その感じだと、巴さんの家はまだマシ」
春「――でも私達は、子子孫孫まで虐げられるつもりはない」
初美「…」
ざわ…
巴「…ッ」ゴクリ
170: 2012/07/23(月) 01:22:42.47 ID:N1SYH3MD0
初美「…なーんて、霞ちゃん自身はお母様のことで、直接本家と揉めたこともあるらしいですし」
初美「姫様は別として、個人的な恨みも深かろうですがー…」
巴「それは…分かる気がします」
春「…そう」
春「巴さんが『これ』に賛成したのも、霞ちゃんに『説得』されたからでしょ…?」
巴(…)ゾッ
巴「…は、い」ブルッ
初美「…震えちゃうのも無理なしですねー。あの時の霞ちゃんはまさに鬼気迫る、って感じでしたー…」
初美「姫様は別として、個人的な恨みも深かろうですがー…」
巴「それは…分かる気がします」
春「…そう」
春「巴さんが『これ』に賛成したのも、霞ちゃんに『説得』されたからでしょ…?」
巴(…)ゾッ
巴「…は、い」ブルッ
初美「…震えちゃうのも無理なしですねー。あの時の霞ちゃんはまさに鬼気迫る、って感じでしたー…」
174: 2012/07/23(月) 01:33:14.14 ID:N1SYH3MD0
春「…」ポリ
春「巴さん、覚えておいて」
春「姫様に味方すると言う事は、霞さんを裏切る事」
春「そんなことになったら…貴女は…」
巴「…ひ…っ」
初美「…今のこの事は、家族の為でも、私達自身の為でもあるのですよー」
初美「今こうしている時点で、所詮は同じ穴の狢」
初美「仲間割れなんて嫌ですー。らっくらく~にヤっちゃいましょう?」
初美「ね?巴ちゃん」
巴「…」
巴「…はい」
巴(姫様…)
春「巴さん、覚えておいて」
春「姫様に味方すると言う事は、霞さんを裏切る事」
春「そんなことになったら…貴女は…」
巴「…ひ…っ」
初美「…今のこの事は、家族の為でも、私達自身の為でもあるのですよー」
初美「今こうしている時点で、所詮は同じ穴の狢」
初美「仲間割れなんて嫌ですー。らっくらく~にヤっちゃいましょう?」
初美「ね?巴ちゃん」
巴「…」
巴「…はい」
巴(姫様…)
178: 2012/07/23(月) 01:35:10.33 ID:N1SYH3MD0
…
ゴソ…
小蒔「…」ウト…
小蒔「ん…ふぁ…」ノビ
小蒔「…せっかくの休日なのに、もう夕方…」
小蒔「だれとも会話せずにお昼寝をしているだけだと…早いのですね…」
小蒔「…」
小蒔「今日の皆のあれは…」
小蒔「…やっぱり…無視、というものですよね…」
小蒔「…う…」グス
小蒔「人から嫌われるのが…こんなに辛いことだったなんて…」
小蒔「寝て起きて、全部夢だったら…うう…」ポロポロ
ゴソ…
小蒔「…」ウト…
小蒔「ん…ふぁ…」ノビ
小蒔「…せっかくの休日なのに、もう夕方…」
小蒔「だれとも会話せずにお昼寝をしているだけだと…早いのですね…」
小蒔「…」
小蒔「今日の皆のあれは…」
小蒔「…やっぱり…無視、というものですよね…」
小蒔「…う…」グス
小蒔「人から嫌われるのが…こんなに辛いことだったなんて…」
小蒔「寝て起きて、全部夢だったら…うう…」ポロポロ
179: 2012/07/23(月) 01:36:56.95 ID:N1SYH3MD0
小蒔「…」クゥ~
小蒔「…晩御飯の時間ですね」
小蒔「寝てばかりだったのに…泣き疲れてお腹が空いたんでしょうか…」
小蒔「今日は…休日だから、親族分家の皆も集まっての会食ですよね…」
小蒔「…」
スーッ…
御手伝い「姫様、お夕食上がりました」
御手伝い「皆揃っております。お早めに」
小蒔「あ…はい、ありがとう。すぐ行きます」
スーッ… トン
小蒔(また…無視されたらどうしよう…)
小蒔「…晩御飯の時間ですね」
小蒔「寝てばかりだったのに…泣き疲れてお腹が空いたんでしょうか…」
小蒔「今日は…休日だから、親族分家の皆も集まっての会食ですよね…」
小蒔「…」
スーッ…
御手伝い「姫様、お夕食上がりました」
御手伝い「皆揃っております。お早めに」
小蒔「あ…はい、ありがとう。すぐ行きます」
スーッ… トン
小蒔(また…無視されたらどうしよう…)
183: 2012/07/23(月) 01:45:46.21 ID:N1SYH3MD0
本家 大座敷
ワイワイ
小蒔「…お、遅れました!すいませんっ!」
小蒔母「…小蒔!遅いですよ?会食に遅刻は厳禁と…」
小蒔父「まあまあ…また昼寝でもして寝過したんだろう?多めに見てやりなさい」
小蒔母「はあ…貴方はいつも小蒔に甘すぎます。だいたい――」
小蒔「…うう」
ワイワイ
小蒔「…お、遅れました!すいませんっ!」
小蒔母「…小蒔!遅いですよ?会食に遅刻は厳禁と…」
小蒔父「まあまあ…また昼寝でもして寝過したんだろう?多めに見てやりなさい」
小蒔母「はあ…貴方はいつも小蒔に甘すぎます。だいたい――」
小蒔「…うう」
184: 2012/07/23(月) 01:46:18.95 ID:N1SYH3MD0
小蒔(…)チラ
ガヤガヤ…
初美「…なのですが、お吸い物がですねー…―」
巴「…でも春ちゃんは、黒糖の…―」
春「…そこは流石に私も…―」
霞「…あらあら…―」
小蒔(…)ズキ
小蒔(こちらには…目も…)
ガヤガヤ…
初美「…なのですが、お吸い物がですねー…―」
巴「…でも春ちゃんは、黒糖の…―」
春「…そこは流石に私も…―」
霞「…あらあら…―」
小蒔(…)ズキ
小蒔(こちらには…目も…)
187: 2012/07/23(月) 01:53:30.53 ID:N1SYH3MD0
ガヤガヤ カチャン カチャ… ワハハ
小蒔「…」コクン
小蒔(お吸い物…おいしいです)
小蒔(でも、いつもはもっと…)
小蒔「…皆の隣で食べてたから…」ギュ
小蒔「…」チラ
霞「…」じっ
小蒔(…え?)
霞「…」ニコ
小蒔「…!」
189: 2012/07/23(月) 01:57:15.09 ID:N1SYH3MD0
霞「…」ニコニコ
小蒔(か、霞ちゃんがこっちを見て笑ってる…!)
小蒔「わ、わ…!」フリフリ
小蒔母「な…何です小蒔?急に手なんか振って…?」
小蒔「あ…い、いえ、何でもないんです、何でも」
小蒔(焦って手を振ってしまった…)
小蒔(なんなんでしょう私…恥ずかしい…)
小蒔「…すー、はー…」
小蒔「…」チラ
霞「…」ニコニコ フリッ
小蒔「…!」
小蒔(これは…)
小蒔(ま、まさか…許して…貰えたんでしょうか…?)
小蒔(か、霞ちゃんがこっちを見て笑ってる…!)
小蒔「わ、わ…!」フリフリ
小蒔母「な…何です小蒔?急に手なんか振って…?」
小蒔「あ…い、いえ、何でもないんです、何でも」
小蒔(焦って手を振ってしまった…)
小蒔(なんなんでしょう私…恥ずかしい…)
小蒔「…すー、はー…」
小蒔「…」チラ
霞「…」ニコニコ フリッ
小蒔「…!」
小蒔(これは…)
小蒔(ま、まさか…許して…貰えたんでしょうか…?)
191: 2012/07/23(月) 01:59:24.76 ID:N1SYH3MD0
小蒔(だとしたら…だとしたら…)
小蒔(う、嬉しいです…!)
小蒔(また一緒に通学路を歩けるんでしょうか、おしゃべりできるんでしょうか?)
小蒔(…膝の上で、お昼寝も…)
小蒔「…う、く」フニャ
小蒔(いけません、安心したら頬が…)
小蒔(早くお吸い物も飲んじゃって、隣に…!)
小蒔「ん、っく…!」ゴクン ゴクン
小蒔「…?」
小蒔(何でしょう?今、毛みたいな…)
霞「…」ニコニコ
小蒔(う、嬉しいです…!)
小蒔(また一緒に通学路を歩けるんでしょうか、おしゃべりできるんでしょうか?)
小蒔(…膝の上で、お昼寝も…)
小蒔「…う、く」フニャ
小蒔(いけません、安心したら頬が…)
小蒔(早くお吸い物も飲んじゃって、隣に…!)
小蒔「ん、っく…!」ゴクン ゴクン
小蒔「…?」
小蒔(何でしょう?今、毛みたいな…)
霞「…」ニコニコ
193: 2012/07/23(月) 02:02:31.01 ID:N1SYH3MD0
小蒔(お汁の中に何か…)
小蒔「…」チラ
小蒔「…」
小蒔「…え?」
霞「…」ニコニコ
小蒔「…」チラ
小蒔「…」
小蒔「…え?」
霞「…」ニコニコ
195: 2012/07/23(月) 02:03:13.65 ID:N1SYH3MD0
小蒔「―――っひ…!!」ガタッ
小蒔母「…小蒔?」
小蒔「こ、これ…これっ…こ…!」ガタガタ
小蒔(なん、何で…!?何で…!!なんでこんなのが入ってるの…!?)
小蒔(ゆ、茹だって…なか、なんで、嫌、いや…!)
小蒔(――ネズミの氏骸…!!!)ガタガタ
霞「…」ニコニコ
小蒔母「…小蒔?」
小蒔「こ、これ…これっ…こ…!」ガタガタ
小蒔(なん、何で…!?何で…!!なんでこんなのが入ってるの…!?)
小蒔(ゆ、茹だって…なか、なんで、嫌、いや…!)
小蒔(――ネズミの氏骸…!!!)ガタガタ
霞「…」ニコニコ
197: 2012/07/23(月) 02:06:22.83 ID:N1SYH3MD0
小蒔母「どうしたの?変な声上げて立ちあがって…」
小蒔「! な、何もっ!」サッ
小蒔母「…?」
小蒔(そんな…うっく…っ!)
小蒔(…私、さっきまでこれを飲んで――!)クラッ
小蒔(う、嫌だ…!吐きそう、です…ううっ…!)
小蒔(一体どこから、こんな…)
小蒔(こん、な…?)
小蒔「…」
霞「……クスクス」
小蒔「―――」
小蒔「! な、何もっ!」サッ
小蒔母「…?」
小蒔(そんな…うっく…っ!)
小蒔(…私、さっきまでこれを飲んで――!)クラッ
小蒔(う、嫌だ…!吐きそう、です…ううっ…!)
小蒔(一体どこから、こんな…)
小蒔(こん、な…?)
小蒔「…」
霞「……クスクス」
小蒔「―――」
198: 2012/07/23(月) 02:07:06.35 ID:N1SYH3MD0
小蒔「―――あ」
小蒔「…あああ…!」
小蒔「あああっ…っふ、うああ…!」ガクガク
小蒔母「こ、小蒔?ちょっと、本当にどうし…」
小蒔「…お、あ、私、か、厠に、行ってきます…」ガクガク
小蒔母「え?あ、ああ…はい」
小蒔「…あああ…!」
小蒔「あああっ…っふ、うああ…!」ガクガク
小蒔母「こ、小蒔?ちょっと、本当にどうし…」
小蒔「…お、あ、私、か、厠に、行ってきます…」ガクガク
小蒔母「え?あ、ああ…はい」
200: 2012/07/23(月) 02:07:38.12 ID:N1SYH3MD0
小蒔母「…あ!ちょっと!」
小蒔「……」フラフラ
小蒔「…」コツン! …フラフラ
小蒔母「…お茶碗まで持って行っちゃった…」
霞「……クスクスクス」
初美「…」
春「…」
巴「…」
201: 2012/07/23(月) 02:08:09.11 ID:N1SYH3MD0
洗面所
小蒔「――う、うぇええっ!!おええっ!」
―ピチャン…
小蒔「っはぁ!!っは!はあ…はぁ…!」
小蒔「はぁ…はぁ…は…」ヘナ
小蒔「は…はうぅ…うううっうああ…」ポロ
小蒔「うわあああ…ひっ、うあああん…!」ポロポロ
小蒔「ううっ…嫌、イヤ、いやだぁ…もうこんなの嫌ぁあ…」ポロポロ
小蒔「霞ちゃん…やだよ…そ、そんなに私のこと、嫌いなの…?」ポロポロ
小蒔「…わだ、わだじ…ぞんなっ、そんなに恨まれでるの…?」ポロポロ
小蒔「っうあああ゛…いっ、ひ、いやだよ…づらいよ…」ポロポロ
小蒔「誰か…誰かだずげでよ…うう…うああああ…」ポロポロ
小蒔「――う、うぇええっ!!おええっ!」
―ピチャン…
小蒔「っはぁ!!っは!はあ…はぁ…!」
小蒔「はぁ…はぁ…は…」ヘナ
小蒔「は…はうぅ…うううっうああ…」ポロ
小蒔「うわあああ…ひっ、うあああん…!」ポロポロ
小蒔「ううっ…嫌、イヤ、いやだぁ…もうこんなの嫌ぁあ…」ポロポロ
小蒔「霞ちゃん…やだよ…そ、そんなに私のこと、嫌いなの…?」ポロポロ
小蒔「…わだ、わだじ…ぞんなっ、そんなに恨まれでるの…?」ポロポロ
小蒔「っうあああ゛…いっ、ひ、いやだよ…づらいよ…」ポロポロ
小蒔「誰か…誰かだずげでよ…うう…うああああ…」ポロポロ
205: 2012/07/23(月) 02:10:04.54 ID:N1SYH3MD0
ワイワイ…
巴「…」ソワソワ
巴「…っすいません」
初美「んー?」
巴「私、ちょっとトイレに…!」ガタ
ガシッ
巴「う…!?」フラ
霞「…」ニコ
巴「…か、かすみちゃん…」
巴「…」ソワソワ
巴「…っすいません」
初美「んー?」
巴「私、ちょっとトイレに…!」ガタ
ガシッ
巴「う…!?」フラ
霞「…」ニコ
巴「…か、かすみちゃん…」
212: 2012/07/23(月) 02:12:08.93 ID:N1SYH3MD0
ガヤガヤ…
霞「…何処に行くのかしら?」ニコニコ
巴「…あ、あっ、いえ、だから…トイレ…」
霞「ふーん…お便所で何を?」ニコニコ
巴「な、何言わせるつもりですか!?そんなことひとつしか…!」
霞「小蒔ちゃんに何の用?」
巴「…――」ゾッ
霞「…何処に行くのかしら?」ニコニコ
巴「…あ、あっ、いえ、だから…トイレ…」
霞「ふーん…お便所で何を?」ニコニコ
巴「な、何言わせるつもりですか!?そんなことひとつしか…!」
霞「小蒔ちゃんに何の用?」
巴「…――」ゾッ
215: 2012/07/23(月) 02:13:38.01 ID:N1SYH3MD0
巴「い、い、一体何のはなし…!」
霞「…お友達でしょう?考えてることくらい、目を見たらわかっちゃうもの…」ニコ
巴「き、気のせい、です!私はただ…」
ギュウウウッ…
巴「痛っ、ひ…っ!」
霞「巴」
巴「…――」ブルッ
ガヤガヤ…
霞「座れ」
ワイワイ… ハハハ…
霞「…お友達でしょう?考えてることくらい、目を見たらわかっちゃうもの…」ニコ
巴「き、気のせい、です!私はただ…」
ギュウウウッ…
巴「痛っ、ひ…っ!」
霞「巴」
巴「…――」ブルッ
ガヤガヤ…
霞「座れ」
ワイワイ… ハハハ…
219: 2012/07/23(月) 02:18:34.81 ID:N1SYH3MD0
巴「―…ぁ、ぁ」
巴「…は…ひ…」ストン
霞「あら、良い子ね」
霞「…さて、何のお話だったかしら?ド忘れしちゃった」
春「…いい黒糖を売っているお店を見つけたというところ。早く」
霞「そうだったわね~…それなんだけどね?隣町の…」
ワイワイ…
巴「…」ガクガク
巴「…」パク… モグモグ…
巴「…っ、ふ…」ガクガク…
初美「…」ムシャムシャ
221: 2012/07/23(月) 02:20:31.46 ID:N1SYH3MD0
…
霞『今の小蒔ちゃんは、とっても脆いわ』
霞『私達はすごく仲のいい友達で』
霞『蝶よ花よと愛でられて育った彼女は、ヒトの悪意を知らない』
霞『落差が大きいほど、痛みは大きい…わかるでしょ?ふふ』
霞『だーいすきな親友達に一気に裏切られて、絶望して、追いつめられて…』
霞『―――んでくれたら、それはとっても素敵な事じゃない?』
霞『巴ちゃんもたまに言ってたわよね?小蒔ちゃんの悪口。協力して?他の二人は既に…』
霞『…』
霞『…冗談みたいなもの…?』
霞『何で?』
霞『…復讐なのよ?』
霞『分からない?』
霞『…そう』
霞『今の小蒔ちゃんは、とっても脆いわ』
霞『私達はすごく仲のいい友達で』
霞『蝶よ花よと愛でられて育った彼女は、ヒトの悪意を知らない』
霞『落差が大きいほど、痛みは大きい…わかるでしょ?ふふ』
霞『だーいすきな親友達に一気に裏切られて、絶望して、追いつめられて…』
霞『―――んでくれたら、それはとっても素敵な事じゃない?』
霞『巴ちゃんもたまに言ってたわよね?小蒔ちゃんの悪口。協力して?他の二人は既に…』
霞『…』
霞『…冗談みたいなもの…?』
霞『何で?』
霞『…復讐なのよ?』
霞『分からない?』
霞『…そう』
224: 2012/07/23(月) 02:24:03.62 ID:N1SYH3MD0
霞『こんなことで『降ろす』なんて、思ってもみなかった』
霞『無理矢理って言うのは好きじゃないんだけど…』
霞『逃げないで』
霞『泣いてるの?怖がることはないのよ?』
霞『…』
霞『動くな』
霞『私の目を見ろ』
霞『狩宿巴』
巴「―――っああああああッ!!!!」ガバッ!!
巴「あ、ああ…あぁああぁ…!」ガクガク
巴「ゆ、夢…っ!?はぁ…はぁっ…!」ガクガク
巴「…は、はぁぁあ~っ…」ガクガク…
巴「晩御飯の時の、あれで…思い出したのかな…」ヘナ
霞『無理矢理って言うのは好きじゃないんだけど…』
霞『逃げないで』
霞『泣いてるの?怖がることはないのよ?』
霞『…』
霞『動くな』
霞『私の目を見ろ』
霞『狩宿巴』
巴「―――っああああああッ!!!!」ガバッ!!
巴「あ、ああ…あぁああぁ…!」ガクガク
巴「ゆ、夢…っ!?はぁ…はぁっ…!」ガクガク
巴「…は、はぁぁあ~っ…」ガクガク…
巴「晩御飯の時の、あれで…思い出したのかな…」ヘナ
225: 2012/07/23(月) 02:26:04.18 ID:N1SYH3MD0
巴「う、っぷ…!」ガシ…
巴「ご、ごめんなさい、姫様ぁ…」ポロ
巴「わ、わ、私は…っ!!やっぱり…っ!!」ポロポロ
巴「裏切れない…!裏切れないです…!」ポロポロ
巴「怖いんです…!駄目なんです…!許して、許して下さい…!」ポロポロ
巴「裏切ったりなんて、したら…っひぐ、ぁ、わ、わたしも…!」ポロポロ
巴「…無理です…!味方には、なれないです…っ!!」ポロポロ
巴「ごめんなさい…!ごめんなさい…!ごめんなさい…!」ポロポロ
巴「ご、ごめんなさい、姫様ぁ…」ポロ
巴「わ、わ、私は…っ!!やっぱり…っ!!」ポロポロ
巴「裏切れない…!裏切れないです…!」ポロポロ
巴「怖いんです…!駄目なんです…!許して、許して下さい…!」ポロポロ
巴「裏切ったりなんて、したら…っひぐ、ぁ、わ、わたしも…!」ポロポロ
巴「…無理です…!味方には、なれないです…っ!!」ポロポロ
巴「ごめんなさい…!ごめんなさい…!ごめんなさい…!」ポロポロ
368: 2012/07/23(月) 19:14:02.20 ID:N1SYH3MD0
…
翌週
小蒔「…」フラフラ
小蒔(日曜日は、何をして過ごしたんでしたっけ…)
小蒔「…」フラフラ
小蒔(…忘れちゃいました…)
小蒔(気付いたら月曜日で…こうして通学路を歩いていて…)
小蒔「…隣に、霞ちゃんは居なくて…」
小蒔「…」フラフラ
374: 2012/07/23(月) 19:16:34.37 ID:N1SYH3MD0
小蒔「…あ」ピタ
初美「…あっちーですー」テクテク
春「この時期になると朝でも…」
春「だるい…」タラ
小蒔「あ、ううっ…」サッ
小蒔(か、隠れてどうするんですか…私…)
初美「…あ」チラ
小蒔「…っ」ドキ
初美「…」プイ
小蒔「…ぁ…」
初美「…あっちーですー」テクテク
春「この時期になると朝でも…」
春「だるい…」タラ
小蒔「あ、ううっ…」サッ
小蒔(か、隠れてどうするんですか…私…)
初美「…あ」チラ
小蒔「…っ」ドキ
初美「…」プイ
小蒔「…ぁ…」
377: 2012/07/23(月) 19:20:29.70 ID:N1SYH3MD0
春「…どうしたの?」
初美「なんでもないですよー」
初美「ちょっと嫌なものが目に入っちまっただけですー」
春「? …そう」
初美「んなことよりはるるは流石に汗かきすぎですー!日頃から運動しないから…」
春「…あーあーあー」ダッ
初美「ちょ!?先輩を置いてくとは何事ですかー!?」ダッ
タタタタ…
小蒔「…」
小蒔「…嫌な…」
小蒔「あはは…何を期待してたんでしょうか…私…」
小蒔「……」トボトボ
381: 2012/07/23(月) 19:23:30.95 ID:N1SYH3MD0
学校
キーン コーン…
友A「おっしゃ午前終わり!」
友B「数学ばっかでだるかった…さー弁当弁当」
友A「あ、あー…ちょっと待って」
友B「んー?…あ」
小蒔「…」ゴソゴソ
キーン コーン…
友A「おっしゃ午前終わり!」
友B「数学ばっかでだるかった…さー弁当弁当」
友A「あ、あー…ちょっと待って」
友B「んー?…あ」
小蒔「…」ゴソゴソ
387: 2012/07/23(月) 19:32:25.29 ID:N1SYH3MD0
友A「…小ぉ蒔ちゃん!」ガバッ
小蒔「…わっ!?」
友B「珍しいじゃん、お昼一人?月曜は分家の皆と…とかいってなかったっけ」
友A「えー?なんですか!?不和ですか!?ケンカでもしたんですか!?」
友B「こらこら…」
小蒔「…」
小蒔「…うん、そんなところ…」ギュ
友A「え…マジで…」
友B「謝れバカ!」ボカ
友A「あいた!」
小蒔「…わっ!?」
友B「珍しいじゃん、お昼一人?月曜は分家の皆と…とかいってなかったっけ」
友A「えー?なんですか!?不和ですか!?ケンカでもしたんですか!?」
友B「こらこら…」
小蒔「…」
小蒔「…うん、そんなところ…」ギュ
友A「え…マジで…」
友B「謝れバカ!」ボカ
友A「あいた!」
391: 2012/07/23(月) 19:33:41.55 ID:N1SYH3MD0
―
友A「いやごめん。小蒔ちゃんに限ってホントにそうだとは…」モグモグ
友B「…深くは言いたくないってことは、割と相当?」モグモグ
小蒔「…はい」パク
友A「大丈夫だって、小蒔ちゃん良い子だからすぐ仲直りできるよ」ムシャムシャ
友B「無責任な…まあ私もそう思うけどさ」モグ
小蒔「…はい」パク
友A「…」モグ…
友A「いやごめん。小蒔ちゃんに限ってホントにそうだとは…」モグモグ
友B「…深くは言いたくないってことは、割と相当?」モグモグ
小蒔「…はい」パク
友A「大丈夫だって、小蒔ちゃん良い子だからすぐ仲直りできるよ」ムシャムシャ
友B「無責任な…まあ私もそう思うけどさ」モグ
小蒔「…はい」パク
友A「…」モグ…
393: 2012/07/23(月) 19:37:38.10 ID:N1SYH3MD0
友A「本当に辛くなったら言いなよ?」
小蒔「…う、ぇ?」ピタ
友A「…何と言うのか、あのほわっとした空気のない小蒔ちゃんなんて見ててこっちがキツイし」
友A「そのさあ…私達友達なんだし…もうちょっと頼ってくれても…」
小蒔「…―!」
友B「急にクサイなあ…もーどう思う小蒔ちゃん?Aってば…」
友B「…小蒔ちゃん?」
小蒔「…」ポロポロ
小蒔「…う、ぇ?」ピタ
友A「…何と言うのか、あのほわっとした空気のない小蒔ちゃんなんて見ててこっちがキツイし」
友A「そのさあ…私達友達なんだし…もうちょっと頼ってくれても…」
小蒔「…―!」
友B「急にクサイなあ…もーどう思う小蒔ちゃん?Aってば…」
友B「…小蒔ちゃん?」
小蒔「…」ポロポロ
395: 2012/07/23(月) 19:41:07.52 ID:N1SYH3MD0
友A「えOちょ、何で泣いてるの?」
小蒔「あ、あれ…」ポロポロ
小蒔「ごっ、ごめんなさい…」ポロポロ
小蒔「何でだろ…変だなぁ…あは」ポロポロ
友A「ま、マジで変だなー!こっここ小蒔ちゃんきもちわりー!」アセアセ
友B「コラァ!」バキッ
友A「いだぁああ!!」
テメーハナンデクドクド ゴメンナサイゴメンナサイ
小蒔「…」グシッ
小蒔「…ありがとう」
霞「…」
小蒔「あ、あれ…」ポロポロ
小蒔「ごっ、ごめんなさい…」ポロポロ
小蒔「何でだろ…変だなぁ…あは」ポロポロ
友A「ま、マジで変だなー!こっここ小蒔ちゃんきもちわりー!」アセアセ
友B「コラァ!」バキッ
友A「いだぁああ!!」
テメーハナンデクドクド ゴメンナサイゴメンナサイ
小蒔「…」グシッ
小蒔「…ありがとう」
霞「…」
397: 2012/07/23(月) 19:47:30.94 ID:N1SYH3MD0
霞「あらあら、謝るのはこっちよ」
霞「甘かったわよね」
霞「そうね…クラスに御友達がいることくらい予想しておくべきだったかしら…」
霞「ん…あの子あんなだし、親しい友達なんて居ないと思ってたからね、つい…ふふ」
霞「…ありがとう。助かるわ。貴重な裏方ってところね」
霞「あ、来た来た」
友A「…だから、呼び出されたのは絶対…―…Bの…―…」
友B「そんなわけ…―…でしょ、だいいち…――…は…」
霞「あなたはココで待ってて」
霞「ぜんぶ私が説得しちゃうから、ね?」
霞「甘かったわよね」
霞「そうね…クラスに御友達がいることくらい予想しておくべきだったかしら…」
霞「ん…あの子あんなだし、親しい友達なんて居ないと思ってたからね、つい…ふふ」
霞「…ありがとう。助かるわ。貴重な裏方ってところね」
霞「あ、来た来た」
友A「…だから、呼び出されたのは絶対…―…Bの…―…」
友B「そんなわけ…―…でしょ、だいいち…――…は…」
霞「あなたはココで待ってて」
霞「ぜんぶ私が説得しちゃうから、ね?」
405: 2012/07/23(月) 19:55:58.07 ID:N1SYH3MD0
翌日 朝 教室
小蒔(いざという時に話せる友人がいるというだけで…)
小蒔(こんなにも気持ちは軽くなるんですね)
小蒔(…)
小蒔(あの二人の為にも、私は…)
小蒔(早く…昔みたいに…)
ガララ
友A「…」スタスタ
友B「…」スタスタ
小蒔「…あ」
小蒔(いざという時に話せる友人がいるというだけで…)
小蒔(こんなにも気持ちは軽くなるんですね)
小蒔(…)
小蒔(あの二人の為にも、私は…)
小蒔(早く…昔みたいに…)
ガララ
友A「…」スタスタ
友B「…」スタスタ
小蒔「…あ」
412: 2012/07/23(月) 20:02:25.66 ID:N1SYH3MD0
カタン
小蒔「おはよう、今日は二人とも遅かったんだね」
「…」「…」
小蒔「…?」
小蒔「えと、A…ちゃん?」
友A「…!」プイ
小蒔(え…)ドクン
小蒔「Bちゃん…?」
友B「…っ」
小蒔「あ、れ…?」
小蒔「おはよう、今日は二人とも遅かったんだね」
「…」「…」
小蒔「…?」
小蒔「えと、A…ちゃん?」
友A「…!」プイ
小蒔(え…)ドクン
小蒔「Bちゃん…?」
友B「…っ」
小蒔「あ、れ…?」
414: 2012/07/23(月) 20:09:00.64 ID:N1SYH3MD0
小蒔「A、ちゃん?B…ちゃ」
友B「…ごめん、小蒔ちゃん」ボソ
小蒔「…え?」
友B「…もう、話しかけないで」
小蒔「…ぁ」
小蒔「…っ、あ、あの…」オド
友A「…」フイッ
小蒔「…」
小蒔「…迷惑でしたか…?」
友B「…」
小蒔「…ずっと、嫌だったんですか…?私なんかが…」
友A「…」
友B「…ごめん、小蒔ちゃん」ボソ
小蒔「…え?」
友B「…もう、話しかけないで」
小蒔「…ぁ」
小蒔「…っ、あ、あの…」オド
友A「…」フイッ
小蒔「…」
小蒔「…迷惑でしたか…?」
友B「…」
小蒔「…ずっと、嫌だったんですか…?私なんかが…」
友A「…」
415: 2012/07/23(月) 20:10:33.04 ID:N1SYH3MD0
小蒔「そっか…」
小蒔「きっと昨日のお昼も…お二人で食べたかったんですよね…」
小蒔「重いお話なんてしちゃって見限られちゃったんですか?…バカだな、私…」
小蒔「…ごめんなさい、今まで付き合わせちゃって…」ペコ
友A「…」ギュ
小蒔「友達だなんて…勝手に思い込んでて…あはは…」
友B「…」
友A「…」
小蒔「…」コツン
キーン コーン…
小蒔「きっと昨日のお昼も…お二人で食べたかったんですよね…」
小蒔「重いお話なんてしちゃって見限られちゃったんですか?…バカだな、私…」
小蒔「…ごめんなさい、今まで付き合わせちゃって…」ペコ
友A「…」ギュ
小蒔「友達だなんて…勝手に思い込んでて…あはは…」
友B「…」
友A「…」
小蒔「…」コツン
キーン コーン…
419: 2012/07/23(月) 20:16:25.59 ID:N1SYH3MD0
休み時間
友A「…」クイ
友B「…なに」
友A「…やっぱダメだよ、こんなの止めよう…?」
友A「見たでしょ!?小蒔ちゃんの…悲しそうな…っ!」
友B「石戸先輩、何処から見てるかわからないよ…?」
友A「…!」ビクッ キョロキョロ
友B「私だってこんなの嫌だよ…」
友B「でも…あの人達に逆らったら何されるか分かんないし…!」ブルブル
友A「せ、先輩もまだ子供だし…受験近いし、そんな酷いこと…」
友B「…あれが、そんなこと気にする人の目に見えた?」
友A「…」ゾク
友A「ううん…」フルフル
友A「…」クイ
友B「…なに」
友A「…やっぱダメだよ、こんなの止めよう…?」
友A「見たでしょ!?小蒔ちゃんの…悲しそうな…っ!」
友B「石戸先輩、何処から見てるかわからないよ…?」
友A「…!」ビクッ キョロキョロ
友B「私だってこんなの嫌だよ…」
友B「でも…あの人達に逆らったら何されるか分かんないし…!」ブルブル
友A「せ、先輩もまだ子供だし…受験近いし、そんな酷いこと…」
友B「…あれが、そんなこと気にする人の目に見えた?」
友A「…」ゾク
友A「ううん…」フルフル
420: 2012/07/23(月) 20:17:27.80 ID:N1SYH3MD0
友B「…A」ガシ
友A「う…」
友B「先輩も『ちょっとの間だけ』って言ってたじゃん」ギュ
友A「…」
友B「…もういいよって言われたら、全部話そう?」
友B「打ち明けて謝って…許してもらって、また友達にって…」
友A「…都合いいなあ、私達」ギュ
友B「はは…」
友B「ほんと…クズだよ」
友A「…」
友A「う…」
友B「先輩も『ちょっとの間だけ』って言ってたじゃん」ギュ
友A「…」
友B「…もういいよって言われたら、全部話そう?」
友B「打ち明けて謝って…許してもらって、また友達にって…」
友A「…都合いいなあ、私達」ギュ
友B「はは…」
友B「ほんと…クズだよ」
友A「…」
448: 2012/07/23(月) 20:52:35.38 ID:N1SYH3MD0
トイレ
小蒔「あ、ぁあ…」
小蒔「あああぁ、ああ」ガシガシ
小蒔「ううっ、うううっぐ…」グスグス
小蒔「誰も頼れない…!誰も居てくれないっ…!あああ」クシャクシャ
小蒔「お父様…お母様…」
小蒔「駄目だよ…分家の皆が、私を…なんて…言えるわけない…!」
小蒔「…それに、心配かけるわけにも…」
小蒔「うう、ううう…」グスグス
コツ コツ
小蒔「…!」グシュ
小蒔(誰か入ってきた…)
小蒔「あ、ぁあ…」
小蒔「あああぁ、ああ」ガシガシ
小蒔「ううっ、うううっぐ…」グスグス
小蒔「誰も頼れない…!誰も居てくれないっ…!あああ」クシャクシャ
小蒔「お父様…お母様…」
小蒔「駄目だよ…分家の皆が、私を…なんて…言えるわけない…!」
小蒔「…それに、心配かけるわけにも…」
小蒔「うう、ううう…」グスグス
コツ コツ
小蒔「…!」グシュ
小蒔(誰か入ってきた…)
455: 2012/07/23(月) 20:56:59.77 ID:N1SYH3MD0
コツ… ジャー…
小蒔(手を洗いに?…にしてはずいぶん長い様な…)
ジャー…
小蒔「…」
小蒔(早く行って欲しいです…)
ジャー… キュッ コツコツ
小蒔(…? 近づいて…)
「よい…っしょっ!」ブンッ
ザバァ!
小蒔「――っひゃあっ!?」ビシャッ
小蒔(手を洗いに?…にしてはずいぶん長い様な…)
ジャー…
小蒔「…」
小蒔(早く行って欲しいです…)
ジャー… キュッ コツコツ
小蒔(…? 近づいて…)
「よい…っしょっ!」ブンッ
ザバァ!
小蒔「――っひゃあっ!?」ビシャッ
464: 2012/07/23(月) 21:00:16.90 ID:N1SYH3MD0
コーン! ゴン ゴンッ…
小蒔「痛いっ!」
コロコロ…
小蒔「っは…え…」ビシャビシャ
小蒔(バケツ…?)
「…」クスクス
小蒔「……っ!」
小蒔「…こ、んな…っ」ブルブル
小蒔「――誰ですか!?」カチャッ
ドンッ!!!
小蒔「…っひ…!」フラ
小蒔「痛いっ!」
コロコロ…
小蒔「っは…え…」ビシャビシャ
小蒔(バケツ…?)
「…」クスクス
小蒔「……っ!」
小蒔「…こ、んな…っ」ブルブル
小蒔「――誰ですか!?」カチャッ
ドンッ!!!
小蒔「…っひ…!」フラ
471: 2012/07/23(月) 21:02:46.65 ID:N1SYH3MD0
「…」クスクス
…タッ タッ タッ
小蒔「…」ポタポタ…
小蒔「制服…濡れちゃいました…」ポタポタ…
キィー…
小蒔「…体操服…あったかな…」
…タッ タッ タッ
小蒔「…」ポタポタ…
小蒔「制服…濡れちゃいました…」ポタポタ…
キィー…
小蒔「…体操服…あったかな…」
479: 2012/07/23(月) 21:10:07.17 ID:N1SYH3MD0
キーン コーン…
ガララ
教師「席に付けー!ほら、日直早く号令…」
ザワザワ…
教師「…んー?」
小蒔「…っ」モジ
教師「…」
教師「…神代、なんだそれ?何でジャージなんて着てるんだ?」
小蒔「あ、あの、これは…」
教師「体育と間違えでもしたのか?こーくごだぞ!国語!」バンバン
クスクス…
ガララ
教師「席に付けー!ほら、日直早く号令…」
ザワザワ…
教師「…んー?」
小蒔「…っ」モジ
教師「…」
教師「…神代、なんだそれ?何でジャージなんて着てるんだ?」
小蒔「あ、あの、これは…」
教師「体育と間違えでもしたのか?こーくごだぞ!国語!」バンバン
クスクス…
489: 2012/07/23(月) 21:12:54.79 ID:N1SYH3MD0
小蒔「…ぅ」
小蒔「せ、先生、さっきの休み時間に、その…」
小蒔「かわ…トイレで、えっと…蛇口を捻りすぎて…制服が…」
エー ジンダイサンラシイネ… クスクス…
小蒔「…」シュン
教師「…はぁ」
教師「まあいいけど…気をつけろよ?お前はちょっと鈍くさいところが有るから…」
教師「頑張ってるのは分かるんだけどな…そこにさえ…ブツブツ」
小蒔「…」
クスクス クスクス…
498: 2012/07/23(月) 21:20:06.36 ID:N1SYH3MD0
キーン コーン カーン…
小蒔「…」トントン
タタタ… ドンッ!
小蒔「あっ」ヨロッ
バサバサ…
小蒔「…」トントン
タタタ… ドンッ!
小蒔「あっ」ヨロッ
バサバサ…
500: 2012/07/23(月) 21:24:27.57 ID:N1SYH3MD0
クラスメイト1「やべっ!ごめーん神代さん!」
クラスメイト2「何やってんの早く行こう!」
クラスメイト1「あー、でも…まいっか」
クラスメイト2「トロイなー。ほら!」グイグイ
クラスメイト1「ちょ、待ってって!あはは」
アハハ… タタタタ…
小蒔「…」スッ
小蒔「…」ゴソゴソ
小蒔「…」パサッ
小蒔「…」ゴソゴソ…
クラスメイト2「何やってんの早く行こう!」
クラスメイト1「あー、でも…まいっか」
クラスメイト2「トロイなー。ほら!」グイグイ
クラスメイト1「ちょ、待ってって!あはは」
アハハ… タタタタ…
小蒔「…」スッ
小蒔「…」ゴソゴソ
小蒔「…」パサッ
小蒔「…」ゴソゴソ…
507: 2012/07/23(月) 21:33:05.90 ID:N1SYH3MD0
…
小蒔(色々試してみました)
小蒔(分家の皆のお家も改めて訪ねてみたけれど)
小蒔(巴ちゃんはお家から出てきてもくれず)
小蒔(春ちゃんは終始無言で相手にしてもらえず)
小蒔(霞ちゃんには持っていった御菓子を笑顔で踏みつぶされ)
小蒔(初美ちゃんは舌打ちをして引っ込んでしまいました)
小蒔(…)
小蒔(クラスでは誰も話しかけてくれない)
小蒔(何かに誘導されているかのように、日増しに私とクラスの接点は薄くなっていきました)
小蒔(腫れ物に触れるような扱いが、何より応えます)
小蒔(例の二人とも未だ交友は回復せず…)
小蒔(お父様やお母様、お手伝いさん以外とは会話すらしないまま…)
小蒔(もう、2週間が過ぎようとしています)
小蒔(色々試してみました)
小蒔(分家の皆のお家も改めて訪ねてみたけれど)
小蒔(巴ちゃんはお家から出てきてもくれず)
小蒔(春ちゃんは終始無言で相手にしてもらえず)
小蒔(霞ちゃんには持っていった御菓子を笑顔で踏みつぶされ)
小蒔(初美ちゃんは舌打ちをして引っ込んでしまいました)
小蒔(…)
小蒔(クラスでは誰も話しかけてくれない)
小蒔(何かに誘導されているかのように、日増しに私とクラスの接点は薄くなっていきました)
小蒔(腫れ物に触れるような扱いが、何より応えます)
小蒔(例の二人とも未だ交友は回復せず…)
小蒔(お父様やお母様、お手伝いさん以外とは会話すらしないまま…)
小蒔(もう、2週間が過ぎようとしています)
510: 2012/07/23(月) 21:36:55.87 ID:N1SYH3MD0
…
下校中
小蒔「…」フラフラ
小蒔「…何ヶ月経ったんだろうと思ったら…」
小蒔「まだひと月すら、なんですね…」
小蒔「…」
小蒔「一体…」
小蒔「あとどれくらいこんなことが…」
小蒔「どれだけ耐えたら…また…」
小蒔「…」ピタ
小蒔「…いっそ」
小蒔「…全てから逃げれば楽になるんでしょうか…?」
小蒔「…」
下校中
小蒔「…」フラフラ
小蒔「…何ヶ月経ったんだろうと思ったら…」
小蒔「まだひと月すら、なんですね…」
小蒔「…」
小蒔「一体…」
小蒔「あとどれくらいこんなことが…」
小蒔「どれだけ耐えたら…また…」
小蒔「…」ピタ
小蒔「…いっそ」
小蒔「…全てから逃げれば楽になるんでしょうか…?」
小蒔「…」
527: 2012/07/23(月) 21:45:15.26 ID:N1SYH3MD0
チリンチリーン… ハハハ
小蒔「…」
小蒔「…はっ」
小蒔「い、いけない…半分寝ちゃってたみたいです」
ガヤガヤ…
小蒔「どこでしょうここ…商店街?」
小蒔「…無意識に歩いてきちゃったんでしょうか…」
小蒔「今までこんなことなかったんだけ…」
小蒔「…」
小蒔(そっか)
小蒔(霞ちゃんや皆のお陰で…)
小蒔「…」
小蒔「…はっ」
小蒔「い、いけない…半分寝ちゃってたみたいです」
ガヤガヤ…
小蒔「どこでしょうここ…商店街?」
小蒔「…無意識に歩いてきちゃったんでしょうか…」
小蒔「今までこんなことなかったんだけ…」
小蒔「…」
小蒔(そっか)
小蒔(霞ちゃんや皆のお陰で…)
528: 2012/07/23(月) 21:47:45.02 ID:N1SYH3MD0
小蒔「…やっぱり、知らないうちに迷惑をかけてたんですね…」
小蒔「そんなことも分からずに、分かろうともせずに今までのうのうと、私は…」
小蒔「…」
小蒔「…嫌われて当然ですね」
「レア出たぁー!」
「うわすげー!」
「それ私が選んだ奴だし!ずるい!」
ダダッ タタタ
小蒔「うわっと…!」ヒョイ
538: 2012/07/23(月) 21:55:31.13 ID:N1SYH3MD0
「こら!逃げんなー!」
「やだしー!」
タタタ…
小蒔「…小学生?」
小蒔「あ、駄菓子屋から…」
小蒔「…」
小蒔「ここ、霞ちゃん達とよく寄ったなあ」
小蒔「…懐かしいなあ。まだ有ったんですね…」
「やだしー!」
タタタ…
小蒔「…小学生?」
小蒔「あ、駄菓子屋から…」
小蒔「…」
小蒔「ここ、霞ちゃん達とよく寄ったなあ」
小蒔「…懐かしいなあ。まだ有ったんですね…」
539: 2012/07/23(月) 21:56:15.55 ID:N1SYH3MD0
ブーン… パープー
巴「…はぁ」
巴「言われて買ったはいいものの」
巴「こんないっぱいのわかめ、何に使うんだろ…」
巴「たまーにお母さんの考えることはわからな…」
巴「…あ」
小蒔「…」
巴「…!!」ササッ
巴(ひ、姫様…なんでこんな所に一人で?)
巴(顔は会わせられないし…)
巴(…出て行くわけには、いかない…)
巴(…)ズキン
巴「…はぁ」
巴「言われて買ったはいいものの」
巴「こんないっぱいのわかめ、何に使うんだろ…」
巴「たまーにお母さんの考えることはわからな…」
巴「…あ」
小蒔「…」
巴「…!!」ササッ
巴(ひ、姫様…なんでこんな所に一人で?)
巴(顔は会わせられないし…)
巴(…出て行くわけには、いかない…)
巴(…)ズキン
548: 2012/07/23(月) 21:59:37.53 ID:N1SYH3MD0
小蒔「…」
巴(何をぼけっと駄菓子屋なんて見てるんだろ…)
巴(…ていうか、ここ…)
巴(昔、姫様達と…)
巴(…私が…よく…)ズキ
巴(……)ズキン ズキン
小蒔「…」スッ
巴「…あ…」
ガララ…
巴「入って行っちゃた…」
巴「…」ソロ…
564: 2012/07/23(月) 22:19:51.94 ID:N1SYH3MD0
チリン チリン…
小蒔「…入ってしまいました」
婆「はいいらっしゃ…」
婆「…ありゃ?あんた小蒔ちゃんじゃないかい?」
小蒔「あ…覚えててくれたんですね」
婆「勿論…随分大きくなって!久しぶりだねえ」
小蒔「はい、お久しぶりです。お婆ちゃんも息災で…」ペコ
婆「昔はこーんなちっこかったのに、早いもんだねえ」
小蒔「あはは…」
巴(…)ピトッ
小蒔「…入ってしまいました」
婆「はいいらっしゃ…」
婆「…ありゃ?あんた小蒔ちゃんじゃないかい?」
小蒔「あ…覚えててくれたんですね」
婆「勿論…随分大きくなって!久しぶりだねえ」
小蒔「はい、お久しぶりです。お婆ちゃんも息災で…」ペコ
婆「昔はこーんなちっこかったのに、早いもんだねえ」
小蒔「あはは…」
巴(…)ピトッ
567: 2012/07/23(月) 22:23:03.36 ID:N1SYH3MD0
婆「はい、練り飴だよ」
小蒔「あ、どうも…頂きます」ペリペリ
小蒔「あむ…」モグ
婆「今日はまたどうして?」
小蒔「…いえ、たまたま通りかかって懐かしいなと思って…はむ」
小蒔「まさかまだやってるとは思ってなかったですし、びっくりしました」
婆「んふふ、氏ぬまでやる気だからねえ。息子共も都会に出ちまったし、これだけが楽しみで…」
小蒔「へぇ…」ペロペロ
小蒔「あ、どうも…頂きます」ペリペリ
小蒔「あむ…」モグ
婆「今日はまたどうして?」
小蒔「…いえ、たまたま通りかかって懐かしいなと思って…はむ」
小蒔「まさかまだやってるとは思ってなかったですし、びっくりしました」
婆「んふふ、氏ぬまでやる気だからねえ。息子共も都会に出ちまったし、これだけが楽しみで…」
小蒔「へぇ…」ペロペロ
576: 2012/07/23(月) 22:27:42.76 ID:N1SYH3MD0
…
小蒔「…あ、もうこんな時間」
婆「話しこんだもんさね、楽しかったよ」
小蒔「こちらこそ…」
小蒔「あ、御菓子ご馳走になっちゃって…ありがとうございます」ペコ
婆「あーあー、いいのよぉ…どうせ二束三文だよ」
小蒔「いえいえ、またお礼致しますね」
婆「相変わらず礼儀正しくて良い子だねぇ」
581: 2012/07/23(月) 22:32:26.55 ID:N1SYH3MD0
婆「…」キョロ
小蒔「…?どうかしましたか?」
婆「いやぁ…昔はもっと大所帯で来てたなあと思ってねえ」
小蒔「…っ」
婆「そう!霞ちゃん、初美ちゃん、巴ちゃんに春ちゃん!」
婆「皆小蒔ちゃんに似て可愛らしくて…よーく覚えてるよ」
小蒔「……」フルフル
婆「あの頃はそりゃあみんなして小蒔ちゃんの周りに固まって、動く時もそんなで…」
婆「それで着てるものもぜーんぶ一緒の巫女装束でしょう?あたしら影でアヒルの子供みたいだなんつってイヒヒヒ…」
婆「…?」
小蒔「…っ、う…っ!」ポロポロ
婆「…こ、小蒔ちゃん?」
小蒔「…?どうかしましたか?」
婆「いやぁ…昔はもっと大所帯で来てたなあと思ってねえ」
小蒔「…っ」
婆「そう!霞ちゃん、初美ちゃん、巴ちゃんに春ちゃん!」
婆「皆小蒔ちゃんに似て可愛らしくて…よーく覚えてるよ」
小蒔「……」フルフル
婆「あの頃はそりゃあみんなして小蒔ちゃんの周りに固まって、動く時もそんなで…」
婆「それで着てるものもぜーんぶ一緒の巫女装束でしょう?あたしら影でアヒルの子供みたいだなんつってイヒヒヒ…」
婆「…?」
小蒔「…っ、う…っ!」ポロポロ
婆「…こ、小蒔ちゃん?」
587: 2012/07/23(月) 22:38:34.06 ID:N1SYH3MD0
小蒔「うっ、う…ふぁ…うううう…」ポロポロ
婆「ど、どうしたんだい?私ぁ何か気に障る事でも…や、どこか痛いとか…!?」オロオロ
小蒔「ちっ、違うんです…!ご、ごめんなさっ…」ポロポロ
婆「…」
小蒔「ぜっ、全部、私が、私のっ、問題で…うううっ…」ポロポロ
婆「…ふう」
婆「…よしよし」ナデ
小蒔「あ…」ポロポロ
婆「…可哀そうにねえ。泣かせちゃったみたいでごめんなさいね」ナデナデ
婆「…なんぞ悲しいことでもあったんでしょう?全部吐きだして行きなさい」ナデナデ
小蒔「…う、うう…」ポロポロ
小蒔「…ふぁあ…っ!」ポロポロ
小蒔「うあ…!うあーん…うああぁん!」ダキッ ポロポロ
婆「おっとと…」ガシ
婆「ど、どうしたんだい?私ぁ何か気に障る事でも…や、どこか痛いとか…!?」オロオロ
小蒔「ちっ、違うんです…!ご、ごめんなさっ…」ポロポロ
婆「…」
小蒔「ぜっ、全部、私が、私のっ、問題で…うううっ…」ポロポロ
婆「…ふう」
婆「…よしよし」ナデ
小蒔「あ…」ポロポロ
婆「…可哀そうにねえ。泣かせちゃったみたいでごめんなさいね」ナデナデ
婆「…なんぞ悲しいことでもあったんでしょう?全部吐きだして行きなさい」ナデナデ
小蒔「…う、うう…」ポロポロ
小蒔「…ふぁあ…っ!」ポロポロ
小蒔「うあ…!うあーん…うああぁん!」ダキッ ポロポロ
婆「おっとと…」ガシ
589: 2012/07/23(月) 22:39:15.12 ID:N1SYH3MD0
…
小蒔「…っく、ひっく…」ポロポロ
婆「…そんな…」
婆「そんなことが…」
小蒔「…っう…わだじも、夢って、思いだいです…」ポロポロ
小蒔「でも、でも…!本当に…みんな、私の事が嫌いで…っ!嫌いで…!」ポロポロ
婆「…ああ…可哀そうに、可哀そうに…」ギュ
小蒔「うう゛…うええ…」ポロポロ
婆「…」ナデナデ
婆「…小蒔ちゃん」ナデ…
小蒔「…ふぁぃ…?」ポロポロ
婆「小蒔ちゃんは、小蒔ちゃんを裏切ったその子たちの事が…憎い?」
小蒔「…っ」ポロポロ
巴「…」
小蒔「…っく、ひっく…」ポロポロ
婆「…そんな…」
婆「そんなことが…」
小蒔「…っう…わだじも、夢って、思いだいです…」ポロポロ
小蒔「でも、でも…!本当に…みんな、私の事が嫌いで…っ!嫌いで…!」ポロポロ
婆「…ああ…可哀そうに、可哀そうに…」ギュ
小蒔「うう゛…うええ…」ポロポロ
婆「…」ナデナデ
婆「…小蒔ちゃん」ナデ…
小蒔「…ふぁぃ…?」ポロポロ
婆「小蒔ちゃんは、小蒔ちゃんを裏切ったその子たちの事が…憎い?」
小蒔「…っ」ポロポロ
巴「…」
600: 2012/07/23(月) 22:46:04.48 ID:N1SYH3MD0
小蒔「…」ポロポロ
婆「…」
小蒔「…いいえ…」ポロポロ
巴(…!?)
小蒔「憎いなんて、そんな訳ないでず…みんな…皆のこどっ、私は大切に思ってます…!」ポロポロ
婆「それは本当に―」
小蒔「――嘘なんかじゃないでずっ!!」ポロポロ
巴「…ぁ…」
601: 2012/07/23(月) 22:46:36.32 ID:N1SYH3MD0
小蒔「霞ちゃんも巴ちゃんも…!春ちゃんも…っう゛う…初美ちゃんも!」ポロポロ
小蒔「AちゃんもBちゃんもクラスのみんなもぉ…!」ポロポロ
小蒔「…大切でっ!!大好きでっ!!居なくなるなんで…かんがえられなくで…っ、う…」ポロポロ
小蒔「なのに、なのに…みっ、みんなはっ!わだじのごどっ…きっど嫌いでっ!」ポロポロ
小蒔「私…私、どうしたらいいんでずか…!?どうやったら、仲良くなっで…また…!」ポロポロ
婆「…」
小蒔「…あぁ…!会いたいよ…!戻りたい…!」ポロポロ
小蒔「ううっ…うあああぁ…」ポロポロ
婆「…小蒔ちゃん」ナデ
小蒔「…っふ、っぐ…?」ポロポロ
607: 2012/07/23(月) 22:53:04.84 ID:N1SYH3MD0
婆「…悲しい時って言うのは、酷ければ酷いほど周りが見えなくなるものでね」
婆「世界に自分ひとり…なんて錯覚もしちゃうかもしれない」
婆「でもねえ、落ち着いて周りを見渡してみたら…」
ガラガラ…
「…」トン
小蒔「…え…?」
婆「案外、気付かない所に味方は居たりするのねえ」
巴「…っ、…!…!」ポロポロ
小蒔「…」ポカン
小蒔「巴、ちゃん…?」
婆「世界に自分ひとり…なんて錯覚もしちゃうかもしれない」
婆「でもねえ、落ち着いて周りを見渡してみたら…」
ガラガラ…
「…」トン
小蒔「…え…?」
婆「案外、気付かない所に味方は居たりするのねえ」
巴「…っ、…!…!」ポロポロ
小蒔「…」ポカン
小蒔「巴、ちゃん…?」
609: 2012/07/23(月) 22:54:12.74 ID:N1SYH3MD0
ダッ
巴「――うわああんっ!!」ダキッ
小蒔「あっ…」ドタ
巴「…ひっ、姫さっ…ううっ…こまぎぢゃんっ!」ポロポロ
巴「ごめん…ごめんね…今までっ…!ほんどに、っぐしゅ…ごめんよぉ…うああ…!」ポロポロ
小蒔「…え、あ…?」
巴「無視したりじでごめんっ!!庇ってあげられなぐでごめんなざいっ!!」ポロポロ
巴「――うわああんっ!!」ダキッ
小蒔「あっ…」ドタ
巴「…ひっ、姫さっ…ううっ…こまぎぢゃんっ!」ポロポロ
巴「ごめん…ごめんね…今までっ…!ほんどに、っぐしゅ…ごめんよぉ…うああ…!」ポロポロ
小蒔「…え、あ…?」
巴「無視したりじでごめんっ!!庇ってあげられなぐでごめんなざいっ!!」ポロポロ
612: 2012/07/23(月) 22:54:43.33 ID:N1SYH3MD0
小蒔「…あ」ポロ
小蒔「あああ…」ポロポロ
巴「ごめんよーっ!!っあああん…ごめんなざいーっ!!うあああん…!」ポロポロ
小蒔「う、っう、う、ああ…うあああ…」ポロポロ
巴「小蒔ぢゃん!私も…っぐず…!小蒔ぢゃんのこど好きだからあああ…」ポロポロ
小蒔「うああああんっ!巴ちゃんっ!巴ちゃん…!」ポロポロ
巴「――許して下ざいっ!ずっと友達でいてくだざいっ!!」ポロポロ
小蒔「当り前だよっ…!…っひぐ…ふあああああん…!」ポロポロ
婆「…」
619: 2012/07/23(月) 22:56:43.76 ID:N1SYH3MD0
チリンチリーン… カナカナカナ…
婆「…じゃあねー!気をつけて帰るんだよー!」
小蒔「…はいっ!お婆ちゃんもお元気でー!」フリフリ
巴「…あいぃ」グズグズ
小蒔「…もう、巴ちゃんはいい加減泣きやんでください」
巴「だってぇ…」ゴシゴシ
巴「…ぅ」グシッ
小蒔「…ふふ」
623: 2012/07/23(月) 22:59:07.34 ID:N1SYH3MD0
スタ スタ…
巴「…」
小蒔「…」
巴「…あの」
小蒔「…何ですか?」
巴「…何も、聞かないんですね」
小蒔「巴ちゃんが言いたくない事なら、私は聞きませんっ」
小蒔「えい」ダキ
巴「あう…」フラ
小蒔「…ふふっ」
巴「…」
巴「…」
小蒔「…」
巴「…あの」
小蒔「…何ですか?」
巴「…何も、聞かないんですね」
小蒔「巴ちゃんが言いたくない事なら、私は聞きませんっ」
小蒔「えい」ダキ
巴「あう…」フラ
小蒔「…ふふっ」
巴「…」
637: 2012/07/23(月) 23:06:26.05 ID:N1SYH3MD0
巴「…怒って、ないんですか」
小蒔「…?」
小蒔「一人、大事な友達が戻ってきてくれたんです」
小蒔「今はただ、嬉しい、としか…ぁへへ…」
巴「…」
巴「…今の笑い方、不気味です」
小蒔「え゛っ」
小蒔「ち、違うんです!今のは私の心の内の…!」アセッ
巴「っふ、あはは…冗談ですよ…あははは」
小蒔「え、ええ~…」
641: 2012/07/23(月) 23:07:13.76 ID:N1SYH3MD0
巴「…あははは…ふぅ…」
小蒔「…もう」
スタ スタ
巴「…」
巴「姫様」
小蒔「小蒔でいいです」
巴「…小蒔、ちゃん」
小蒔「はい、何でしょう」ニコ
巴「…やっぱり姫様で」
小蒔「そ、そんなぁ」
巴(…)
小蒔「…もう」
スタ スタ
巴「…」
巴「姫様」
小蒔「小蒔でいいです」
巴「…小蒔、ちゃん」
小蒔「はい、何でしょう」ニコ
巴「…やっぱり姫様で」
小蒔「そ、そんなぁ」
巴(…)
647: 2012/07/23(月) 23:10:34.97 ID:N1SYH3MD0
巴「…全部、話します」
小蒔「…」
巴「ショックを与えてしまうかもしれません」
巴「私は…軽蔑されるかもしれないけど、しょうがないですから」
小蒔「…んん…」モジ
小蒔「…巴ちゃん、見損なわないでください」
小蒔「やっと心を開いてくれた友人を、拒絶なんてする必要がどこにあるでしょうか」ニコッ
小蒔「それにショックというなら…この2週間に勝るものなんて、そうありはしませんよ」
巴「…」ズキ
小蒔「話して下さい。不肖小蒔、全部受け入れてみせますよ!」ポン
巴「…」
巴「…はいっ」
小蒔「…」
巴「ショックを与えてしまうかもしれません」
巴「私は…軽蔑されるかもしれないけど、しょうがないですから」
小蒔「…んん…」モジ
小蒔「…巴ちゃん、見損なわないでください」
小蒔「やっと心を開いてくれた友人を、拒絶なんてする必要がどこにあるでしょうか」ニコッ
小蒔「それにショックというなら…この2週間に勝るものなんて、そうありはしませんよ」
巴「…」ズキ
小蒔「話して下さい。不肖小蒔、全部受け入れてみせますよ!」ポン
巴「…」
巴「…はいっ」
649: 2012/07/23(月) 23:11:10.52 ID:N1SYH3MD0
…
巴「…」
小蒔「そ、そんなことが…」
巴「…これで、私の知っていることは全部です」
小蒔「流石に、少し…憂鬱です、衝撃です」フラ
巴「あぁ…だから言ったんですよぉ…」
巴「…できたら…こんな風に伝えたくはありませんでした。姫様に、こんな醜い所を…」
小蒔「あ…いいえ、そういうことではなくて」
小蒔「伝えてくれたことには感謝しています。むしろ、知らなかった自分が恥ずかしくて、情けなくて…」
小蒔「皆に…申し訳なくて溜まらないんです」グッ…
巴「…っ」
巴「…」
小蒔「そ、そんなことが…」
巴「…これで、私の知っていることは全部です」
小蒔「流石に、少し…憂鬱です、衝撃です」フラ
巴「あぁ…だから言ったんですよぉ…」
巴「…できたら…こんな風に伝えたくはありませんでした。姫様に、こんな醜い所を…」
小蒔「あ…いいえ、そういうことではなくて」
小蒔「伝えてくれたことには感謝しています。むしろ、知らなかった自分が恥ずかしくて、情けなくて…」
小蒔「皆に…申し訳なくて溜まらないんです」グッ…
巴「…っ」
653: 2012/07/23(月) 23:13:47.96 ID:N1SYH3MD0
小蒔「分家と本家に隔たりが存在することすら知らず…にも拘らず一方的に、何も返せずにお世話になるばかりで…」
小蒔「…霞ちゃんや他の皆を追いつめたのは、私と私の家で…」
小蒔「…私の無知が…」
巴「…そんなことないです。だからって、姫様があんな扱いを受ける理由になんて…」
小蒔「…」ブツブツ
巴「…姫様…?」
小蒔「…」
小蒔「…巴ちゃん」
巴「は、はあ」
小蒔「…霞ちゃんや他の皆を追いつめたのは、私と私の家で…」
小蒔「…私の無知が…」
巴「…そんなことないです。だからって、姫様があんな扱いを受ける理由になんて…」
小蒔「…」ブツブツ
巴「…姫様…?」
小蒔「…」
小蒔「…巴ちゃん」
巴「は、はあ」
654: 2012/07/23(月) 23:14:21.27 ID:N1SYH3MD0
小蒔「…私、霞ちゃんと話してみます」
巴「は、はい!?」ビク
小蒔「話して…えっと、謝ったり説得したりして、ともかく何とかしてみます」
巴「そっ…何されるか分かりませんよ…!?霞ちゃん今は只でさえ…!」
小蒔「…いいんです。それならそれで…どうあっても許してもらえないのなら、諦めも付くと言うものです」
巴「…そんな」
小蒔「…それに」
小蒔「昔、あの駄菓子屋さんで遊んでいた頃は…きっと皆、本当に『友達』でした」
巴「…」
小蒔「戻れないなんて…そんなことないはずです」
巴「…姫様ぁ」
小蒔「…よし」
小蒔「そうと決まったら一つお願いがあるのですが…」
巴「…!」ゴク
巴「は、はい!?」ビク
小蒔「話して…えっと、謝ったり説得したりして、ともかく何とかしてみます」
巴「そっ…何されるか分かりませんよ…!?霞ちゃん今は只でさえ…!」
小蒔「…いいんです。それならそれで…どうあっても許してもらえないのなら、諦めも付くと言うものです」
巴「…そんな」
小蒔「…それに」
小蒔「昔、あの駄菓子屋さんで遊んでいた頃は…きっと皆、本当に『友達』でした」
巴「…」
小蒔「戻れないなんて…そんなことないはずです」
巴「…姫様ぁ」
小蒔「…よし」
小蒔「そうと決まったら一つお願いがあるのですが…」
巴「…!」ゴク
659: 2012/07/23(月) 23:17:59.62 ID:N1SYH3MD0
…
巴「昼休み?屋上に…?それだけでいいんですか?」
小蒔「はい、あとは見てて下さい!」
巴「でも、それ…」
巴「…」
巴「分かりました」
小蒔「ありがとうございますっ」ペコ
巴「いえ、そんなことで良いのなら」
小蒔「霞ちゃんが終わったら…春ちゃん、初美ちゃんもですね」
小蒔「じゅんぐりに行きましょう!」
巴「…はい、そうですね」
小蒔「じゃ、また明日。屋上で待ってますから!」
タタタ…
巴「…」
巴「…はー」
巴「昼休み?屋上に…?それだけでいいんですか?」
小蒔「はい、あとは見てて下さい!」
巴「でも、それ…」
巴「…」
巴「分かりました」
小蒔「ありがとうございますっ」ペコ
巴「いえ、そんなことで良いのなら」
小蒔「霞ちゃんが終わったら…春ちゃん、初美ちゃんもですね」
小蒔「じゅんぐりに行きましょう!」
巴「…はい、そうですね」
小蒔「じゃ、また明日。屋上で待ってますから!」
タタタ…
巴「…」
巴「…はー」
664: 2012/07/23(月) 23:21:44.13 ID:N1SYH3MD0
巴「…忘れてたな、姫様ってば頑張り屋さんなんだよね」
巴「それでいてお人好し…」
巴(失敗したら私も標的に…なんてこと、思いつきもしなかったんだろうなあ)
巴「んー!…」ガシガシ
巴「…ふう」
巴「信じてますからね、姫様」スッ
スタ スタ
巴「…」
巴(ただ…願うとするなら…)
巴(せめて、その頑張りが悪い方向に転がらなければいいんだけど…)
スタ スタ
巴「それでいてお人好し…」
巴(失敗したら私も標的に…なんてこと、思いつきもしなかったんだろうなあ)
巴「んー!…」ガシガシ
巴「…ふう」
巴「信じてますからね、姫様」スッ
スタ スタ
巴「…」
巴(ただ…願うとするなら…)
巴(せめて、その頑張りが悪い方向に転がらなければいいんだけど…)
スタ スタ
669: 2012/07/23(月) 23:24:10.22 ID:N1SYH3MD0
翌日 昼休み前
カン カン カン…
霞「珍しいわね?巴ちゃんからなんて」
巴『…いえ、急にお呼び立てしちゃって…」
霞「電話でなんて、よっぽどせっぱ詰まった事案かしら?」
巴『…』
霞「それに屋上でなんて…」
巴『…誰にも聞かれたくないことだったからですよ。変な場所でごめんなさい』
霞「ん、いいのよ~」
霞「…だって私達仲間じゃない?くすくす…」
巴『…』
カン カン カン…
霞「珍しいわね?巴ちゃんからなんて」
巴『…いえ、急にお呼び立てしちゃって…」
霞「電話でなんて、よっぽどせっぱ詰まった事案かしら?」
巴『…』
霞「それに屋上でなんて…」
巴『…誰にも聞かれたくないことだったからですよ。変な場所でごめんなさい』
霞「ん、いいのよ~」
霞「…だって私達仲間じゃない?くすくす…」
巴『…』
676: 2012/07/23(月) 23:28:14.61 ID:N1SYH3MD0
屋上
ガチャ キィー…
霞「さーて、巴ちゃん、今日は…」
霞「…」
巴「…霞…ちゃん」
霞「…」
ヒュウゥ…
霞「…そう、そういうこと」
678: 2012/07/23(月) 23:29:29.64 ID:N1SYH3MD0
霞「幻滅というか、失望というか…」
霞「残念至極だわ」
霞「もう、分かってくれてたって信じてたのに」
小蒔「…」
ヒュウウゥ…
巴「…!か…!」
霞「気安く呼ばないで?狩宿さん」ニコ
巴「……っ」ゾ…
霞「残念至極だわ」
霞「もう、分かってくれてたって信じてたのに」
小蒔「…」
ヒュウウゥ…
巴「…!か…!」
霞「気安く呼ばないで?狩宿さん」ニコ
巴「……っ」ゾ…
690: 2012/07/23(月) 23:37:26.12 ID:N1SYH3MD0
霞「…さて」
霞「まあ、全部話した後でしょうね。この具合じゃ」
霞「…気分はどう?小蒔ちゃん」ニコニコ
小蒔「霞ちゃん…」
霞「一人仲間につけて、おまけに私なんて呼び付けて何の御用事かしら?」
霞「飛び降り自殺なら一人でもできるわよね…?」クスクス
小蒔「…!」グッ
霞「…あぁ!そういうことかしら!」ポン
霞「そう!看取り係が必要よね!ごめんなさい、私としたことが気が利かなくて…」
小蒔「――霞ちゃんっ!!」
霞「…」
霞「まあ、全部話した後でしょうね。この具合じゃ」
霞「…気分はどう?小蒔ちゃん」ニコニコ
小蒔「霞ちゃん…」
霞「一人仲間につけて、おまけに私なんて呼び付けて何の御用事かしら?」
霞「飛び降り自殺なら一人でもできるわよね…?」クスクス
小蒔「…!」グッ
霞「…あぁ!そういうことかしら!」ポン
霞「そう!看取り係が必要よね!ごめんなさい、私としたことが気が利かなくて…」
小蒔「――霞ちゃんっ!!」
霞「…」
693: 2012/07/23(月) 23:40:55.95 ID:N1SYH3MD0
霞「…何」
小蒔「…さっき、霞ちゃんが言ったとおりです。巴ちゃんから全部窺いました」
霞「…」
霞「…全部、ね…」
霞「それで?知ったところで何をするつもりかしら?…二対一でリンチでも?くすくす…」
小蒔「…!」ズキ
小蒔「しませんっ!そんなこと!」
霞「…小蒔ちゃん、まさか」
小蒔「…たぶんそのまさかです」
小蒔「私はただ…霞ちゃんとお話がしたいだけです」
霞「…はぁ…」
巴「…」
700: 2012/07/23(月) 23:47:24.55 ID:N1SYH3MD0
小蒔「詳しくは知らないですけど…本当に、ごめんなさい」
霞「…」
小蒔「優しい霞ちゃんが、周りを巻き込んでまでこんなことをするなんて…相当憎かったんですよね」
小蒔「…本家も…私も…っ」ギュ
霞「…」
小蒔「…どんな酷いことが有ったのか想像も出来ません」
小蒔「知らないことが罪なんだって言われたら…何も言い返せないです」
霞「…」
霞「…」
小蒔「優しい霞ちゃんが、周りを巻き込んでまでこんなことをするなんて…相当憎かったんですよね」
小蒔「…本家も…私も…っ」ギュ
霞「…」
小蒔「…どんな酷いことが有ったのか想像も出来ません」
小蒔「知らないことが罪なんだって言われたら…何も言い返せないです」
霞「…」
701: 2012/07/23(月) 23:48:04.48 ID:N1SYH3MD0
小蒔「…それでも、私は本家の跡取りです」
小蒔「今からだってお父様やお母様に働きかけることもできます…!」
小蒔「将来、正式に跡を継ぐことが出来たら…中から直接だって!…全部変えて見せますからっ!」
霞「…」
小蒔「だからっ!許して下さい!」バッ
小蒔「協力して下さい…!勝手な事だっていうのは分かってますっ!でもお願いです!」
霞「…」
小蒔「霞ちゃんがこんなことをしなくても良い様な道も、きっと…!」
小蒔「皆で…!皆が居れば…!」ブルブル
霞「…」
小蒔「今からだってお父様やお母様に働きかけることもできます…!」
小蒔「将来、正式に跡を継ぐことが出来たら…中から直接だって!…全部変えて見せますからっ!」
霞「…」
小蒔「だからっ!許して下さい!」バッ
小蒔「協力して下さい…!勝手な事だっていうのは分かってますっ!でもお願いです!」
霞「…」
小蒔「霞ちゃんがこんなことをしなくても良い様な道も、きっと…!」
小蒔「皆で…!皆が居れば…!」ブルブル
霞「…」
703: 2012/07/23(月) 23:50:20.65 ID:N1SYH3MD0
ヒュウゥ…
霞「…小蒔ちゃん、顔を上げて」
小蒔「…!」バッ
霞「そういう、愚直で、信じて進みだしたら止まらないところは」
霞「…貴女の長所だと思います」
小蒔「…! 霞ちゃ…!」パァ
霞「――でもねえ」
霞「やっぱり、ダメなのよ」ニコ
小蒔「…――」ザワッ
霞「…小蒔ちゃん、顔を上げて」
小蒔「…!」バッ
霞「そういう、愚直で、信じて進みだしたら止まらないところは」
霞「…貴女の長所だと思います」
小蒔「…! 霞ちゃ…!」パァ
霞「――でもねえ」
霞「やっぱり、ダメなのよ」ニコ
小蒔「…――」ザワッ
708: 2012/07/23(月) 23:52:02.51 ID:N1SYH3MD0
霞「本家と分家の『確執』、詳しくは知らないって言ったわよね」
霞「…確執なんて生ぬるい単語よ。実際は本家からの一方的な迫害に等しいわ」
小蒔「…っ…」
霞「本家の巫女に降り立つ悪いモノを一身に受け、破滅した人間の数を知ってる?」
霞「降神だけじゃない、神社の長い歴史の中で煮詰められ凝縮された怨みの深さが、貴女に理解出来る…!?」
霞「できないでしょう!?姫だの何だのと祭り上げられて!」
霞「所詮は定められた道のりを歩むことしかしなかった貴女にはっ!!!」
小蒔「…あ、うっ…」フルフル
霞「――怨恨だっ!!!確執なんぞという言葉で遠ざけるなっ!!」
小蒔「…っ!」ブルッ
霞「…確執なんて生ぬるい単語よ。実際は本家からの一方的な迫害に等しいわ」
小蒔「…っ…」
霞「本家の巫女に降り立つ悪いモノを一身に受け、破滅した人間の数を知ってる?」
霞「降神だけじゃない、神社の長い歴史の中で煮詰められ凝縮された怨みの深さが、貴女に理解出来る…!?」
霞「できないでしょう!?姫だの何だのと祭り上げられて!」
霞「所詮は定められた道のりを歩むことしかしなかった貴女にはっ!!!」
小蒔「…あ、うっ…」フルフル
霞「――怨恨だっ!!!確執なんぞという言葉で遠ざけるなっ!!」
小蒔「…っ!」ブルッ
714: 2012/07/23(月) 23:54:45.75 ID:N1SYH3MD0
小蒔「く、うぅ…っ」
小蒔「なら…なおのことじゃないですかっ!」
小蒔「ここで止めなきゃいけないです!正しい方法でっ!私が、皆が…!」
霞「あはっ、ふふふ…!それにね、小蒔ちゃん!」
霞「私の場合はそれだけじゃないのよ…?もっとちかーい所で貴女の家族にはお世話になったものぉ!」
小蒔「…え?」
霞「お父様よ…!他ならない、小蒔ちゃんのね…!!」
小蒔「…!?…?」
小蒔「なら…なおのことじゃないですかっ!」
小蒔「ここで止めなきゃいけないです!正しい方法でっ!私が、皆が…!」
霞「あはっ、ふふふ…!それにね、小蒔ちゃん!」
霞「私の場合はそれだけじゃないのよ…?もっとちかーい所で貴女の家族にはお世話になったものぉ!」
小蒔「…え?」
霞「お父様よ…!他ならない、小蒔ちゃんのね…!!」
小蒔「…!?…?」
716: 2012/07/23(月) 23:55:29.12 ID:N1SYH3MD0
霞「『悪いモノ』を御するために本家の血が濃いことが必要…なーんて便利な理由よね」
霞「…知ってる?私と貴女は異母の姉妹なのよ?」
小蒔「…は…?」
霞「…」
霞「…聞いたことが有る?自分の母親が普段会いもしない、会話もしない様な男の下で夜な夜な咽び泣く声を」
小蒔「――う、そ…」クラ…
霞「感じたことが有る?色に狂った気狂いが…!!実の娘にのしかかる瞬間のッ!!襲われた本人の絶望を…っ!!」
小蒔「――――」クラクラ
霞「あっはは!あの日まではねえ!小蒔ちゃん!貴女の事!!大好きだったのよお!?」
霞「きっとこの子なら何とかしてくれるって!!私達分家も拾い上げてくれる救世主になってくれるんだって!信じて疑いもしなかったっ!!あははっ!!」
霞「…知ってる?私と貴女は異母の姉妹なのよ?」
小蒔「…は…?」
霞「…」
霞「…聞いたことが有る?自分の母親が普段会いもしない、会話もしない様な男の下で夜な夜な咽び泣く声を」
小蒔「――う、そ…」クラ…
霞「感じたことが有る?色に狂った気狂いが…!!実の娘にのしかかる瞬間のッ!!襲われた本人の絶望を…っ!!」
小蒔「――――」クラクラ
霞「あっはは!あの日まではねえ!小蒔ちゃん!貴女の事!!大好きだったのよお!?」
霞「きっとこの子なら何とかしてくれるって!!私達分家も拾い上げてくれる救世主になってくれるんだって!信じて疑いもしなかったっ!!あははっ!!」
725: 2012/07/24(火) 00:00:47.92 ID:GyVgldVM0
霞「…でもねっ!!!あんなことが有って!気が狂いそうな目に合ってっ!ぜーんぶ悟ったのよ!!うっふ、ふぁ、あはははっ!!」
小蒔「―――…」ヘナッ
霞「――こいつらが憎いッ!!!母を壊した…!私を汚した本家が憎いッ!!!」
霞「殺さなくちゃいけないって!!それ以外に…そうでないならっ!!」
霞「―――私達はっ!!!どうやって救われればいいんだッ!!!」
小蒔「………」ポロポロ
巴「……か、すみ…ちゃん…っ!」ポロポロ
733: 2012/07/24(火) 00:04:28.94 ID:GyVgldVM0
霞「はぁ…は…!分かった…!?あはは…」
霞「…」
小蒔「………」ポロポロ
霞「何とか言ってみせてよ、ねえ」
小蒔「………」ゴツン ポロポロ
霞「…土下座なんて、いくらしたって許しっこないわよ」
霞「ねえ、ねえっ!!!お願いだから!!氏んで見せてよ!!今すぐに!!」
霞「――助けてよぉ!!私達をっ!!」ググッ…
霞「本家が消えたら…皆救われるんだっ!!一番早くて!確実な…!」
霞「…」
小蒔「………」ポロポロ
霞「何とか言ってみせてよ、ねえ」
小蒔「………」ゴツン ポロポロ
霞「…土下座なんて、いくらしたって許しっこないわよ」
霞「ねえ、ねえっ!!!お願いだから!!氏んで見せてよ!!今すぐに!!」
霞「――助けてよぉ!!私達をっ!!」ググッ…
霞「本家が消えたら…皆救われるんだっ!!一番早くて!確実な…!」
736: 2012/07/24(火) 00:06:04.59 ID:GyVgldVM0
小蒔「……さい」ポロポロ
霞「…」
小蒔「ごめんなさい、ごめんなさい…ごめんなさい…!」ポロポロ
霞「謝ったって…!」ギリ
小蒔「――でも、じねないんでず…っ!!ごめんなざい…!」ポロポロ
霞「…」
741: 2012/07/24(火) 00:07:22.76 ID:GyVgldVM0
小蒔「霞ちゃん…くるじんでます…」ポロポロ
小蒔「氏んでっ!!霞ちゃんが助かるって言うならっ!!何回だって氏んでみぜまず!でもっ!」ポロポロ
小蒔「そうじゃないでじょう!?霞ちゃ…っ!!霞ちゃんはっ!!間違ったことをじで!平然と生きていげるような子じゃないでず…!」
小蒔「…私が氏んだらっ、氏んで、神代が滅びても…きっと、霞ちゃんはずっと…ううっ、ぐず…!」
霞「こ、の…」
霞「知った風な口を…!」ワナワナ
小蒔「――知ってます!!分かりますよぅ!!友達だもんっ!!」ポロポロ
霞「…――」
小蒔「氏んでっ!!霞ちゃんが助かるって言うならっ!!何回だって氏んでみぜまず!でもっ!」ポロポロ
小蒔「そうじゃないでじょう!?霞ちゃ…っ!!霞ちゃんはっ!!間違ったことをじで!平然と生きていげるような子じゃないでず…!」
小蒔「…私が氏んだらっ、氏んで、神代が滅びても…きっと、霞ちゃんはずっと…ううっ、ぐず…!」
霞「こ、の…」
霞「知った風な口を…!」ワナワナ
小蒔「――知ってます!!分かりますよぅ!!友達だもんっ!!」ポロポロ
霞「…――」
747: 2012/07/24(火) 00:09:48.33 ID:GyVgldVM0
小蒔「…あの日、お菓子屋さんでっ…みんなでいっしょに…っぐず…」ポロポロ
小蒔「笑ってた、あの時から…霞ちゃんの根っこは変わってないでず…」ポロポロ
霞「わかる、もんか…貴女に…っ」フラ
小蒔「…だって…!」ポロポロ
小蒔「あの頃と…霞ちゃんの目は……あああん…」ポロポロ
小蒔「ぜんぜんおなじでっ…澄んでて、きれいでず…!」ポロポロ
霞「…」
巴「…っ」グス…
小蒔「笑ってた、あの時から…霞ちゃんの根っこは変わってないでず…」ポロポロ
霞「わかる、もんか…貴女に…っ」フラ
小蒔「…だって…!」ポロポロ
小蒔「あの頃と…霞ちゃんの目は……あああん…」ポロポロ
小蒔「ぜんぜんおなじでっ…澄んでて、きれいでず…!」ポロポロ
霞「…」
巴「…っ」グス…
751: 2012/07/24(火) 00:13:16.57 ID:GyVgldVM0
霞「…」カクン
霞「…そう」
霞「結局…氏んではくれないのね」
小蒔「…っ」グズ…
霞「…仕方がないなあ、もう」
霞「これだけは使いたくなかったけれど…」
755: 2012/07/24(火) 00:13:56.20 ID:GyVgldVM0
スッ… キラッ
巴「…っえ…!?」
小蒔「…!?」
霞「…」チャキッ
巴(な…ナイフ…!?)ブルッ
霞「…ふふ、ごめんなさいね」
小蒔「…ぁ、う…」ブルブル
巴「う、うあ…かっ、か霞ちゃん、落ち着いて…ダメです…そんなっ!」ブルブル
霞「実力行使、ね…一番の苦手分野だわ」
巴(う、ううっ…!!)
巴「姫様…っ!」ガシ
小蒔「…っ!」ポロポロ
巴「…っえ…!?」
小蒔「…!?」
霞「…」チャキッ
巴(な…ナイフ…!?)ブルッ
霞「…ふふ、ごめんなさいね」
小蒔「…ぁ、う…」ブルブル
巴「う、うあ…かっ、か霞ちゃん、落ち着いて…ダメです…そんなっ!」ブルブル
霞「実力行使、ね…一番の苦手分野だわ」
巴(う、ううっ…!!)
巴「姫様…っ!」ガシ
小蒔「…っ!」ポロポロ
760: 2012/07/24(火) 00:15:59.25 ID:GyVgldVM0
霞「…」スッ
巴「…っふ、う…!」グッ…
小蒔「霞、ちゃん…」ポロポロ
小蒔「…ごべん、ねぇ…」ギュ
霞「…あは」
霞「さようなら、小蒔ちゃん」
ヒュ ドズッ
762: 2012/07/24(火) 00:16:31.32 ID:GyVgldVM0
ブヂッ ――バパッ ビチャビチャビチャ…
小蒔「―――え…?」
巴「……は…?」
霞「――――っひゅ…っ!」ボドボド…
769: 2012/07/24(火) 00:18:15.20 ID:GyVgldVM0
ドサッ ピチャン
巴「ぁ…ひ…」ガタガタ
小蒔「…あ、ああ」ガタガタ
小蒔「うあっ、あああっ、何で」ガタガタ
小蒔「自分の…首…っ!!ああ、あああああっ!!」
霞「―――ゴポッ…っ…」ボドボド…
小蒔「――いやあああああああっ!!!あああっ!!霞ちゃん!!霞ちゃん!!」ガバッ
巴「ぁ…ひ…」ガタガタ
小蒔「…あ、ああ」ガタガタ
小蒔「うあっ、あああっ、何で」ガタガタ
小蒔「自分の…首…っ!!ああ、あああああっ!!」
霞「―――ゴポッ…っ…」ボドボド…
小蒔「――いやあああああああっ!!!あああっ!!霞ちゃん!!霞ちゃん!!」ガバッ
774: 2012/07/24(火) 00:18:54.14 ID:GyVgldVM0
霞「――ヒュ…っ」ドク… ドク…
小蒔「ああああっ、ああああ!!嫌だあっ、ああっ!嫌だようっ!!霞ちゃん!!返事してえっ!!うあああ…!」ガシ
巴「あっ、だっ、だめです…っ!姫様、動かしちゃ…!」ガクガク
巴「い、い、今、救急車っ、呼びますから、呼ぶから…」ガクガク
霞「…っ、こ…ちゃ…っ…――」ゴポ…
小蒔「!!まだっ…あ、ああ…ダメ!喋っちゃダメです!!」ポロポロ
霞「…の、っ…――」
霞「――」ニコッ
小蒔「…え…」
小蒔「ああああっ、ああああ!!嫌だあっ、ああっ!嫌だようっ!!霞ちゃん!!返事してえっ!!うあああ…!」ガシ
巴「あっ、だっ、だめです…っ!姫様、動かしちゃ…!」ガクガク
巴「い、い、今、救急車っ、呼びますから、呼ぶから…」ガクガク
霞「…っ、こ…ちゃ…っ…――」ゴポ…
小蒔「!!まだっ…あ、ああ…ダメ!喋っちゃダメです!!」ポロポロ
霞「…の、っ…――」
霞「――」ニコッ
小蒔「…え…」
783: 2012/07/24(火) 00:21:14.93 ID:GyVgldVM0
小蒔「…霞ちゃん?」
霞「―」
小蒔「…霞、ちゃん…?」
ヒュウゥ…
小蒔「っあ」ポロポロ
小蒔「あは…」ポロポロ
小蒔「あは、あはははは…はははは…」ポロポロ
ゴオォ…
…
霞「―」
小蒔「…霞、ちゃん…?」
ヒュウゥ…
小蒔「っあ」ポロポロ
小蒔「あは…」ポロポロ
小蒔「あは、あはははは…はははは…」ポロポロ
ゴオォ…
…
789: 2012/07/24(火) 00:23:52.50 ID:GyVgldVM0
…
霞(…)
霞(声が出ない)
霞(参ったな…言いそこなったわねえ)
霞(…)
霞(思いだして、しまったもの)
霞(…やっぱり、小蒔ちゃんの、事を、嫌いになんて、なれなかった)
霞(だい、すき、な…)
霞(わたし、の…)
霞(…とも、だち…)
霞(…)
…
霞(…)
霞(声が出ない)
霞(参ったな…言いそこなったわねえ)
霞(…)
霞(思いだして、しまったもの)
霞(…やっぱり、小蒔ちゃんの、事を、嫌いになんて、なれなかった)
霞(だい、すき、な…)
霞(わたし、の…)
霞(…とも、だち…)
霞(…)
…
798: 2012/07/24(火) 00:28:53.96 ID:GyVgldVM0
―
白昼、女子高生が首をナイフで掻き切り自頃した。
ショッキングな事件はワイドショーの話題を掻っ攫い、報道はすぐさま全国に乗った。
いじめの有無、第一発見者との関係など現場状況から不審な点が数多く存在し、謎は解決される事のないまま、憶測は憶測を呼んだ。
身内親族だけでひっそりと行われる予定だった葬式には、マスコミが堰を切った様に押し寄せた。
目まぐるしく変化する状況の中、沈黙を守る「神代小蒔」は、あらゆる局面で常に臆説の中心であった。
―
白昼、女子高生が首をナイフで掻き切り自頃した。
ショッキングな事件はワイドショーの話題を掻っ攫い、報道はすぐさま全国に乗った。
いじめの有無、第一発見者との関係など現場状況から不審な点が数多く存在し、謎は解決される事のないまま、憶測は憶測を呼んだ。
身内親族だけでひっそりと行われる予定だった葬式には、マスコミが堰を切った様に押し寄せた。
目まぐるしく変化する状況の中、沈黙を守る「神代小蒔」は、あらゆる局面で常に臆説の中心であった。
―
816: 2012/07/24(火) 00:39:29.97 ID:GyVgldVM0
…
初美「…」
トタ トタ トタ…
初美「…」
トタ トタ… コンコン
初美「…」
スー…
初美「…どうもですー」
巴「…ハッちゃんですか」
初美「…」
トタ トタ トタ…
初美「…」
トタ トタ… コンコン
初美「…」
スー…
初美「…どうもですー」
巴「…ハッちゃんですか」
822: 2012/07/24(火) 00:44:58.79 ID:GyVgldVM0
ゴソ
初美「…失礼するですー」
巴「…どうぞ、会ってあげて」
初美「…」
巴「きっと、姫様も喜びます…」
初美「…そうでしょうかねー…」
巴「…」
スッ…
832: 2012/07/24(火) 00:52:15.05 ID:GyVgldVM0
小蒔「…あ、初美ちゃんじゃないですか」
初美「こんにちは、ですー」
小蒔「こんにちは…?ああ、外は昼なのですね」
小蒔「お部屋の中にずっといると…どうにも感覚がマヒして行けませんね、ふふ」
初美「姫様もたまには外出て運動した方がいいですよー?」
小蒔「…そうですね。健康にも悪いし、太るといけませんし」
初美「胸の脂肪に関してだけは受け取ってあげてもいいのですよー」
小蒔「も、もう…」
初美「あはは…」
初美「こんにちは、ですー」
小蒔「こんにちは…?ああ、外は昼なのですね」
小蒔「お部屋の中にずっといると…どうにも感覚がマヒして行けませんね、ふふ」
初美「姫様もたまには外出て運動した方がいいですよー?」
小蒔「…そうですね。健康にも悪いし、太るといけませんし」
初美「胸の脂肪に関してだけは受け取ってあげてもいいのですよー」
小蒔「も、もう…」
初美「あはは…」
837: 2012/07/24(火) 00:56:04.39 ID:GyVgldVM0
小蒔「外は、良い御天気なんですか?」
初美「そりゃもう。鬱陶しいくらい快晴ですー」
小蒔「…なら、皆でちょっと遠出して、ピクニックなんかにも行きたいですね」
初美「…ええ」
小蒔「お弁当は誰とこさえましょうか…春ちゃんと巴ちゃんに手伝ってもらいましょうか」
小蒔「初美ちゃんはつまみ食いなんてしないで下さいよ?いっつもいっつもなんですから!」
初美「うっ…気を付けるですー」タジ
小蒔「…ふふ」
小蒔「ああ、そうだ」
小蒔「霞ちゃんには、今回は休んでもらっていいですよね」
初美「…」
初美「そりゃもう。鬱陶しいくらい快晴ですー」
小蒔「…なら、皆でちょっと遠出して、ピクニックなんかにも行きたいですね」
初美「…ええ」
小蒔「お弁当は誰とこさえましょうか…春ちゃんと巴ちゃんに手伝ってもらいましょうか」
小蒔「初美ちゃんはつまみ食いなんてしないで下さいよ?いっつもいっつもなんですから!」
初美「うっ…気を付けるですー」タジ
小蒔「…ふふ」
小蒔「ああ、そうだ」
小蒔「霞ちゃんには、今回は休んでもらっていいですよね」
初美「…」
848: 2012/07/24(火) 01:03:45.21 ID:GyVgldVM0
小蒔「霞ちゃんたら、だいたい何も言わなくても察してお仕事全部済ましてきちゃうんですから」
初美「…」
小蒔「たまには休んでもらわないと…根を詰め過ぎて体を壊したら元も子もないですものね」
初美「そうですねー…」
小蒔「今回は霞ちゃんにも目いっぱい楽しんでもらいましょう!」
小蒔「そうと決まれば…」
小蒔「…」
初美「…?」
小蒔「あ、なんでしょ…霞、ちゃ…あ、ああ…」ブル
初美「…姫様ー?」
小蒔「ち、違う、んで、あああ、頭っ、が、痛…あああ…!!」ブルブル
初美「ちょ…姫様!?姫様っ!」ガタ
小蒔「い、痛いっ!痛い!頭がぁ!!ああ、おかしくなりそうです!ううっぐうう…!!」ガタガタ
初美「と、巴ちゃんっ!!巴ちゃん!来てください!!」アセッ
初美「…」
小蒔「たまには休んでもらわないと…根を詰め過ぎて体を壊したら元も子もないですものね」
初美「そうですねー…」
小蒔「今回は霞ちゃんにも目いっぱい楽しんでもらいましょう!」
小蒔「そうと決まれば…」
小蒔「…」
初美「…?」
小蒔「あ、なんでしょ…霞、ちゃ…あ、ああ…」ブル
初美「…姫様ー?」
小蒔「ち、違う、んで、あああ、頭っ、が、痛…あああ…!!」ブルブル
初美「ちょ…姫様!?姫様っ!」ガタ
小蒔「い、痛いっ!痛い!頭がぁ!!ああ、おかしくなりそうです!ううっぐうう…!!」ガタガタ
初美「と、巴ちゃんっ!!巴ちゃん!来てください!!」アセッ
850: 2012/07/24(火) 01:04:19.10 ID:GyVgldVM0
巴「…!」タッ タッ タッ
巴「姫様!」サッ
小蒔「あ、ああ…!助けて、巴ちゃっ…助けてぇ…」ポロポロ
巴「…よしよし、大丈夫ですよ。ここに居ますから…」ナデナデ
小蒔「う、ううう~…」ポロポロ
巴「…」ナデナデ
巴「姫様!」サッ
小蒔「あ、ああ…!助けて、巴ちゃっ…助けてぇ…」ポロポロ
巴「…よしよし、大丈夫ですよ。ここに居ますから…」ナデナデ
小蒔「う、ううう~…」ポロポロ
巴「…」ナデナデ
856: 2012/07/24(火) 01:09:28.05 ID:GyVgldVM0
巴「ハッちゃん、ごめんなさい」ボソ
巴「今日はもう駄目みたいです。すいません、外に…」ボソボソ
初美「…」
初美「…わかったですー…」
トタトタトタ…
小蒔「ともえちゃ…そこに、そこに居るの…?」ポロポロ
巴「はいはい、居ますよー。ほら、メガネもちゃーんと掛けてます」
初美「…」
スーッ …トン
巴「今日はもう駄目みたいです。すいません、外に…」ボソボソ
初美「…」
初美「…わかったですー…」
トタトタトタ…
小蒔「ともえちゃ…そこに、そこに居るの…?」ポロポロ
巴「はいはい、居ますよー。ほら、メガネもちゃーんと掛けてます」
初美「…」
スーッ …トン
858: 2012/07/24(火) 01:12:07.35 ID:GyVgldVM0
初美「…」
トタトタトタ
初美「霞ちゃんは氏に、はるるは何やら引きこもり」
トタトタトタ
初美「小蒔ちゃんは…精神を患って、療養という名の幽閉中…」
トタトタトタ
初美「巴ちゃんは小蒔ちゃんの側に付きっきり…学校はどうしてるんでしょうかー…」
トタトタ …ピタ
初美「…」スッ
初美「…私一人になっちゃいましたねー」
トタトタトタ
初美「霞ちゃんは氏に、はるるは何やら引きこもり」
トタトタトタ
初美「小蒔ちゃんは…精神を患って、療養という名の幽閉中…」
トタトタトタ
初美「巴ちゃんは小蒔ちゃんの側に付きっきり…学校はどうしてるんでしょうかー…」
トタトタ …ピタ
初美「…」スッ
初美「…私一人になっちゃいましたねー」
869: 2012/07/24(火) 01:21:12.51 ID:GyVgldVM0
初美「もう、分家も本家も一連の騒動でバラバラ…」
初美「…」プルプル
初美「…こ、んな…」ブルブル
初美「こんな…ことになっちゃってー…っ」ブルブル
初美「ううっ…私、私は…」ブルブル
初美「…」ブルブル
初美「っく、くくく…」プルプル
初美「ふぁ、あはははは…」
初美「うっふあは、はははははは…!!」
初美「だ、ダメです堪えるです…!ふくくく…!うっく…!」プルプル
初美(あー!笑いが止まんねーですー!!)プルプル
初美「…」プルプル
初美「…こ、んな…」ブルブル
初美「こんな…ことになっちゃってー…っ」ブルブル
初美「ううっ…私、私は…」ブルブル
初美「…」ブルブル
初美「っく、くくく…」プルプル
初美「ふぁ、あはははは…」
初美「うっふあは、はははははは…!!」
初美「だ、ダメです堪えるです…!ふくくく…!うっく…!」プルプル
初美(あー!笑いが止まんねーですー!!)プルプル
876: 2012/07/24(火) 01:25:09.26 ID:GyVgldVM0
初美(霞ちゃんから『提案』が有った時はもう!これぞ鬼門から湧いて出たぼたもち!って感じでしたねー)
初美(計画を実行に移している最中も、霞ちゃんときたらびみょーなポカが多くてフォローにこまりましたー)
初美(クラスの友人関係の把握、親との関係、親密性の度合いを測ることから…まったく霞ちゃんは詰めが甘いのですー)
初美(トイレで水ぶっかけたりとかもしましたし、裏方的役割以外に実働もこなす!まさに完璧ちょーじんってやつですー!うはは!)
初美(はるるを監視に据えたのはまー唯一の失敗としても、評価されるべきではないですかねー!これは!)
初美(…んふ)
初美(屋上での一件、霞ちゃんが自害したのは予想外で焦りましたが)
初美(姫様を予想外の形で道連れにしてくれましたし)
初美(ま、結果として最強のライバルが潰えてくれてよかったですねー)
初美(計画を実行に移している最中も、霞ちゃんときたらびみょーなポカが多くてフォローにこまりましたー)
初美(クラスの友人関係の把握、親との関係、親密性の度合いを測ることから…まったく霞ちゃんは詰めが甘いのですー)
初美(トイレで水ぶっかけたりとかもしましたし、裏方的役割以外に実働もこなす!まさに完璧ちょーじんってやつですー!うはは!)
初美(はるるを監視に据えたのはまー唯一の失敗としても、評価されるべきではないですかねー!これは!)
初美(…んふ)
初美(屋上での一件、霞ちゃんが自害したのは予想外で焦りましたが)
初美(姫様を予想外の形で道連れにしてくれましたし)
初美(ま、結果として最強のライバルが潰えてくれてよかったですねー)
882: 2012/07/24(火) 01:30:19.67 ID:GyVgldVM0
初美(…)
初美(マスコミは各所で迷走し、結論が出ない事件に飽きたのか報道もめっきり減って)
初美(ネットに至っては本家のわがまま姫が分家の子をいじめ頃した様な推論まで真実としてまかり通る始末…!)
初美(うまくいきすぎて…こわいくらいですねー…)
初美(…ふふ)
初美(…)ギュ
892: 2012/07/24(火) 01:35:49.58 ID:GyVgldVM0
初美(後は、この身を持って…本家の当主に取り入るのみ…)
初美(…養子として迎えられることさえできれば、適当に毒でも持って殺せば私が当代本家の巫女ですー)
初美(…)
初美(お父様、お母様)
初美(見ていてください、褒めてください、初美はお二人の悲願を成し遂げてみせます)
初美(もう、子供たちにぞんざいな扱いを強いる者はいなくなります)
初美「…薄墨の血を、本家に」
初美「何を代償にしても…それが例え友達を犠牲にささげることであっても…」
初美「…私はやらねばならぬのですよー」
初美(…もう、後戻りはできないのですー)
トタトタ…
初美(…養子として迎えられることさえできれば、適当に毒でも持って殺せば私が当代本家の巫女ですー)
初美(…)
初美(お父様、お母様)
初美(見ていてください、褒めてください、初美はお二人の悲願を成し遂げてみせます)
初美(もう、子供たちにぞんざいな扱いを強いる者はいなくなります)
初美「…薄墨の血を、本家に」
初美「何を代償にしても…それが例え友達を犠牲にささげることであっても…」
初美「…私はやらねばならぬのですよー」
初美(…もう、後戻りはできないのですー)
トタトタ…
901: 2012/07/24(火) 01:50:45.24 ID:GyVgldVM0
…
翌年 某高校部室
京太郎「…おーい。咲!見てみろよこれ」
咲「何ー?京ちゃん」トコトコ
京太郎「ほらここだよ…」
咲「なになに…」
K島神宮に落雷 当主と巫女が氏亡
…○月×日深夜、荒天のK島神宮に落雷
…雷は本殿中央の神木に落ち、側激雷が木の至近に居たと見られる神宮本家当主――と、――初美さんを直撃、氏に至らしめたと考えられている。
…神木は炎上崩落し、本殿の一部を押しつぶした。火災は今朝午前に消し止められ、他に氏傷者は確認されていない。
翌年 某高校部室
京太郎「…おーい。咲!見てみろよこれ」
咲「何ー?京ちゃん」トコトコ
京太郎「ほらここだよ…」
咲「なになに…」
K島神宮に落雷 当主と巫女が氏亡
…○月×日深夜、荒天のK島神宮に落雷
…雷は本殿中央の神木に落ち、側激雷が木の至近に居たと見られる神宮本家当主――と、――初美さんを直撃、氏に至らしめたと考えられている。
…神木は炎上崩落し、本殿の一部を押しつぶした。火災は今朝午前に消し止められ、他に氏傷者は確認されていない。
905: 2012/07/24(火) 01:52:14.27 ID:GyVgldVM0
咲「…K島…って、あの、自殺事件のあったところだよね」
京太郎「そう!本家の人が犠牲になってるし、天罰がどうこうってネットで騒がれててさ」
咲「うーん、そういうのは私あんまり…」
京太郎「それでさ、そういやこの初美って…永水女子の人じゃないか?咲が戦った高校の…」
咲「う…もう覚えてないし、やめてよそういう事言うの…ミーハーなのが京ちゃんの悪い癖だよ」
京太郎「うぐ…確かに変な話振って悪かったよ」
咲「…ほら!新聞なんて置いて麻雀しようよ!麻雀!」タンタン
京太郎「わーかったって…ちょっと待ってて!おーい優希ー!…」ポイ
…パサ
京太郎「そう!本家の人が犠牲になってるし、天罰がどうこうってネットで騒がれててさ」
咲「うーん、そういうのは私あんまり…」
京太郎「それでさ、そういやこの初美って…永水女子の人じゃないか?咲が戦った高校の…」
咲「う…もう覚えてないし、やめてよそういう事言うの…ミーハーなのが京ちゃんの悪い癖だよ」
京太郎「うぐ…確かに変な話振って悪かったよ」
咲「…ほら!新聞なんて置いて麻雀しようよ!麻雀!」タンタン
京太郎「わーかったって…ちょっと待ってて!おーい優希ー!…」ポイ
…パサ
909: 2012/07/24(火) 01:53:16.04 ID:GyVgldVM0
投げ捨てられた新聞は、その後誰に読まれるでもなく、誰かに捨てられ焼却場へ運ばれ、焼かれて灰となって消えた。
それが最後に伝えた情報は、すぐに当人の記憶から掻き消えた。
神宮での一件は一部の界隈を少しだけ賑わしたが、じき人々は事件が有ったことすら忘れ、日常は滞りなく続いていく。
新宮はやがて衰退の道を辿る。
情報と時間の流れに取り残された巫女達のその後を知る者は、最早いない――
はるるは黒糖を食べ続ける編 おわり
911: 2012/07/24(火) 01:55:13.09 ID:GO7NEnOK0
乙
引用元: 霞「小蒔ちゃんを無視したらどうなるか」
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります