ｼﾞｭｰｼﾞｭｰ

京子「いいにおいするなー」ﾀﾞｷｯ

結衣（……じゃま）ｼﾞｭｰｼﾞｭｰ

京子「覚えててくれたんだ、豆腐食べたいって言ったの」

結衣「まぁな」

京子「へへへ」ﾆｺﾆｺ

結衣「お皿とってくれ」ｼﾞｭｰ

京子「おう！」

京子「豆腐うめえ」ﾓｸﾞﾘﾓｸﾞﾘ

結衣「それはよかった」ﾑｸﾞﾑｸﾞ

京子「辛すぎない絶妙な加減、しかし食欲をそそる味」ﾑｼｬﾑｼｬ

京子「結衣さん、毎日あなたの豆腐を食べたい」ｷﾘｯ

結衣「これケチャップ入れたんだ」ﾊﾟｸﾊﾟｸ

京子「スルー？」ﾏｸﾏｸ

結衣「だって辛いのだめだろお前」ｺﾞｯｸﾝ

京子「…………」ﾓｸﾞﾓｇ…

京子「う、うん」ﾃﾚｯ

京子「ぅはあー…食った食った」ｺﾞﾛｰﾝ

結衣「冷蔵庫にラムレーズンあるよ」

京子「えっマジで、食べていいの」ﾊﾞｯ

結衣「そりゃ…お前用だし」

京子「…………」

京子「結衣ってさ」

結衣「ん？」

京子「私の事好きだろ」

結衣「！？」

結衣「な、な、何言ってんだてめえ！！」ｶｱｧ

京子「いやだって…晩ごはんチョイスといいラムレーズンといい」

京子「なんか…私愛されてるなー、ってさ」ﾃﾚﾃﾚ

結衣「うぅっ…！」ｶｧｰ

京子「…いつもありがとね、結衣」

結衣「い、いいよ、今更…」

京子「愛してるよ？」

結衣「はぁ！？」ｶﾞﾀﾝｯ

結衣「あ、あいってお前…！」

京子「どうした」

結衣「お前が変な事言うからだろ！！」

京子「本当の事だし？」ｹﾛｯ

結衣（恥ずかしげもなく…！）

京子「さぁ結衣もいってごらん」

結衣「絶対にいやだ…」

京子「ふっふっふっふ」ﾆﾔﾘﾝ

月曜日
　七森中
　　二年五組

京子「ゆいーん、愛してるーん」

結衣「…はいはい」

京子「あーいらーびゅー」

結衣「うぜえ」

千歳（これは！）

綾乃「…………！？」ｻｱｧ

綾乃「と、と、歳納京子ーーッ！！」

京子「あ、綾乃おはよー」

綾乃「真昼間から教室で何してるのよ！！」

京子「いちゃいちゃ」ｷﾘｯ

綾乃「い、いちゃいちゃ…！？」ｶﾞｰﾝ

結衣「ちげえ！！」

綾乃「そんな…」ｶﾀｶﾀ

綾乃「そんなの不純で同性で交遊なのよーーー！！？？」ｽﾞｶﾞｰｰﾝ

結衣「落ち着け綾乃！」ｶﾞｯ

放課後
　生徒会室

綾乃「…………」

千歳「綾乃ちゃん？どうしたん？」

綾乃「…なんでもないわよ？」

千歳「歳納さんのこと考えてるんとちゃう？」ﾆﾍ

綾乃「！！」ｶﾞﾀｯ

綾乃「そ、そ、そ、そんなわけないないナイアガラよ！？」ｱﾀﾌﾀ

千歳（分かりやすいなぁ）

千歳「あれはふざけてただけで、何にもないって船見さんも言うてたやん」

綾乃「そ、そうだけど…」ﾓｼﾞﾓｼﾞ

千歳「あ、綾乃ちゃんも歳納さんに『愛してる』って言うて欲しいんやろ？」ﾆﾍｰ

綾乃「～～～～っ」ｶｱｱｧ

千歳「あ、それとも言う側かいな？」

綾乃「うぅぅ…！」ｶｱｧ

千歳「うふふふふ」ﾄﾞﾊﾞｰ

綾乃「ち、千歳鼻血…」

千歳「ほんなら練習してみたらええんちゃう？」

綾乃「…練習？」

千歳「綾乃ちゃん、いきなり歳納さんの前にでたらあがってまうやろ？」

千歳「自然に『愛してる』って言えるように練習したらええんちゃうかなぁ、って」

綾乃「……」ｺﾞｸﾘ

綾乃「べ、別におふざけに練習も何もないけど…千歳が言うなら…」ﾓｼﾞﾓｼﾞ

千歳（きたわあー）ﾄﾞﾊﾞｰ

綾乃「鼻血…」

綾乃「じゃあ…こほん」

綾乃「と、歳納京子、愛してるわよ？」ｷﾘｯ

千歳「……」

千歳「……言えとるなぁ」

綾乃「……まぁ」

千歳「！」ﾋﾟｷｰﾝ

千歳「ほんなら、こんなんどうかなぁ～？」ｺﾞｿｺﾞｿ

綾乃「？」

千歳「よいしょ…」ｶﾞｻｶﾞｻ

千歳「じゃーん」ﾊﾞﾊﾞｰﾝ

綾乃「ぶっ！？」

千歳「歳納さんのお面～」

綾乃「な、なんでそんな物持ってるのよ！？」

千歳「なんかなー？部屋に歳納さんの写真があったから作ってみてん」

千歳「これならリアリティたっぷりで練習できるやろ？」

綾乃「く、くぅっ……！」

千歳『綾乃ー、私のことどう思ってるのー？』ｷｮｳｺｳﾞｫｲｽ

綾乃（声真似うまっ！？）ｽﾞｶﾞﾝ

千歳『綾乃ー？』

綾乃「はっ、…え、えぇと」ｱﾀﾌﾀ

綾乃（落ち着いて私…相手は歳納京子じゃないのよ）

綾乃「え、えっと…」

千歳『あーやーのー』

綾乃「…………」ｶｱｧ

千歳（あ、これあかんわ）ﾎﾞﾀﾎﾞﾀ

綾乃「…歳納京子」

綾乃「その…私」

綾乃「いつもあなたにつっかかってばっかりだけど」

綾乃「本当は私…あなたのこと…」

綾乃「…好きよ？」

綾乃「あなたの事、心の底から…」

綾乃「愛して…」ﾋﾟﾁｬ

綾乃「る………？」ﾋﾟﾁｬﾋﾞﾁｬ

千歳「ふぅ……」ﾀﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞ

綾乃「っきゃあーーー！？」

千歳「綾乃ちゃん…それマジ告白やん…」ﾀﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞ

綾乃「は、鼻血が水たまりに…！」

千歳「桃源郷が見えるようやわ…」ｽﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞ

綾乃「い、いくら何でも出し過ぎでしょう！？」ｱﾀﾌﾀ

千歳「ぐふう」ｶﾞｸｯ

会長「…………」

先生「いやあ、相変らず騒がしいな」

会長「…………」

先生「ふむ、愛してるか…流行ってるみたいだな」

会長「…………」

先生「うん、私が学生の頃もこういう流行があったよ」

会長「…………」

先生「勿論、愛してるぞ？」ﾆﾔ

会長「…………」ｶｧｯ

先生「ははは、さて池田を助けるか」

夕方
　ワック

櫻子「愛してるっ！」

向日葵「…はぁ？」

櫻子「最近流行ってるんだよ、知らないの？」

向日葵「…どこで流行ってるんですの、それ」

櫻子「生徒会室で聞いた」

向日葵「はぁ…」

向日葵（先輩達、何してたのかしら）

櫻子「なんだよーノリ悪いなー」

向日葵「え？」

櫻子「愛してるって言われたら愛してるって返せよ」

向日葵「え、そういうゲーム（？）ですの、これ」

櫻子「ん？知らない」

向日葵「…………」ﾋﾟｷﾋﾟｷ

櫻子「ったくこれだからおっOいオバケは…」

向日葵「その口縫い付けますわよ」

櫻子「わーい、ダブルチーズバーガー」

向日葵「夕飯前にそんなの食べて大丈夫？」

櫻子「お腹減ってるからいんだよ」ｱｰﾝ

向日葵「太りますわよ」

櫻子「向日葵と違ってスレンダーだから大丈夫」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

向日葵「………」ﾋﾟｷｨ

櫻子「んー…！うま…」ｶﾞﾘｯ

櫻子「…！」ﾋﾟｷｰﾝ

櫻子「んぐう…！ピクルス…！！」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

櫻子「たべて…」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

向日葵（食べかけ…）

向日葵「…しょうがないですわね」ﾊﾟｸｯ

櫻子「ん、ありがと、愛してる」

向日葵「…………」ﾄﾞｷﾝ

向日葵（…ちがうちがう、そういう意味じゃありませんわ）ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

櫻子「？」ﾓｸﾞﾓｸﾞ




店員「…………」ｼﾞｰｰ

夜
　赤座家

あかね「ただいまー」ｶﾞﾁｬ

あかり「おかえりなさい、お姉ちゃん」ﾆｺﾆｺ

あかね「ただいま、あかり」

あかね「…………」ｼﾞｰｰ

あかり「…？」

あかね「あかり、愛してるわ？」ﾀﾞｷｯ

あかり「えっ、え、えぇぇ！？」ｱﾀﾌﾀ

あかね「今日バイトであかりと同じ制服の子達を見てね？」

あかね「なんだか流行ってるみたいだったから…」

あかり「そういえば結衣ちゃんと京子ちゃんも言ってたなぁ…」

あかね「あ、やっぱり流行ってるのね？」

あかり「うん、部室で結衣ちゃんと京子ちゃんが…」

あかり「ちなつちゃんが怖かった…」ｿﾞｸﾘ

あかね「あらあら」

あかね（都合がいいわ）

あかね「うふふ、愛してるわあかり」ｽﾘｽﾘ

あかり「えへへ、あかりもお姉ちゃんのこと好きだよぉ」

あかね「あかり、愛してるって言われたら愛してるって言わなきゃ」

あかり「そ、そうなの？恥ずかしいなぁ…」ﾃﾚﾃﾚ

あかり「愛してるよ、お姉ちゃん」ﾃﾚｯ

あかね「…ありがとう、あかり」

あかね「愛してるわ」

あかり「えへへ、あかり嬉しいなぁー」

あかね「………」ｽﾞｷﾝ

あかね「…あかり、今日はお姉ちゃんと一緒に寝ない？」

あかり「いいよ？」

あかね「じゃあちょっとお風呂入ってくるから…」ｽﾀｽﾀ

あかね（なんだか…）

あかね（少し、切なくなっちゃうわね）

次の日
　朝

あかり「おはよう、ちなつちゃん」

ちなつ「…おはよう」ｷﾞﾘｷﾞﾘ

あかり（ま、まだ機嫌悪いみたい…）

あかり「ち、ちなつちゃん…大丈夫だよ」

あかり「昨日のアレはただのおふざけだって言ってたし…」

ちなつ「……」ﾑｽｯ

あかり「は、流行ってるんだよ！」

ちなつ「…流行ってるの？」

あかり「ほら櫻子ちゃんと向日葵ちゃんも」

…

櫻子「ほら愛してるっていえよー！」ｹﾗｹﾗ

向日葵「ば、馬鹿じゃないですの！？ここ教室ですのよ！？」ｶｱｧ

…

あかり「ね？」

ちなつ（夫婦喧嘩かな…？）

ちなつ「私も…」

あかり「？」

ちなつ「結衣先輩に愛してるって言いたいな…」ﾎﾟｿ

あかり「結衣ちゃん、きっと愛してるって言ってくれるよ」

ちなつ（結衣先輩が！？）

ちなつ「ちょっと結衣先輩のところ行ってくる！」ｶﾞﾀﾝ

あかり「ま、待ってぇ！？」ｶﾞｯｼ

ちなつ「放してあかりちゃん！」ｼﾞﾀｼﾞﾀ

あかり「もう授業はじまっちゃうよぉ！？」ﾊﾞﾀﾊﾞﾀ

放課後
　
ちなつ「…よし！」

ちなつ「私も結衣先輩に愛してるって言って貰う！！」

ちなつ「そして…」

ちなつ「あわよくば…」

ちなつ「………」

ちなつ「きゃー…！」ｶｱｱｧ

あかり「うぅ…ちなつちゃん掃除しないで行っちゃったよ…」ｸﾞｽﾝ

その頃
　生徒会室

綾乃「ちょ、ちょっと出てくるわ」ｶﾞﾀﾝ

千歳「綾乃ちゃんどこ行くん？」

綾乃「その…ごらく部…に…」ﾎﾟｿ

千歳「あー、歳納さんのとこ？」

綾乃「べ、べつにそういう訳じゃないけど！！？」

綾乃「と、歳納京子がまたプリント出してないから！仕方なく！！」

綾乃（そ、そうよ…別にこれは仕方なくなんだから）ｽﾀｽﾀ

綾乃（だってあの子…こっちから行かなきゃ出さないし…）

綾乃「ん…」

ちなつ「あ、杉浦先輩」

綾乃「あら吉川さん、部活？」

ちなつ「はい、先輩は…また…」

綾乃「…えぇ、歳納京子」

ちなつ「…京子先輩はまた…」ﾊｧ

ちなつ「本当にしょうがないんですから、京子先輩は」

綾乃「まぁね…」

結衣「…！……」

京子「……！………」

綾乃「あれっ、歳納京子の声」

ちなつ「もう先輩達来てたんだ」

ちなつ「こんにちはー」ｶﾞﾗｶﾞﾗ

京子「あぁん結衣ー、世界で一番愛してるぅー」ｺﾞﾛｺﾞﾛ

結衣「…なんだよ、京子には二番目がいるのか？」

京子「……」ﾋﾟﾀ

京子「…結衣のいじわる」

結衣「…ごめんごめん」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

結衣「まぁ…私も、京子のこと愛してるよ」

京子「……にひひ」ﾆﾖﾆﾖ

結衣「…へへ」ﾆﾍ

ちなつ「……」

綾乃「……」


この時二人は頭のどこかで悟っていた…。
「あぁ…これはガチだ…」と…

Oh…

京子「あ！ちなつちゃん！！」ｶﾞﾊﾞ

結衣「え！？…綾乃も！？」

結衣「ふ、二人共、いつから…！」ｱﾀﾌﾀ

ちなつ「………い」

京子「い？」

綾乃「……こ」

結衣「こ？」


ちなつ「いやああああああああああああああ結衣先輩がああああああああああ！！？？」

綾乃「こんなの絶対ありえないないナイアガラアァァァァァァァアァァァァァ！！？？」

京子「うぉっ！？」

結衣「ち、違っ！？冗談！冗談だよ二人とｍ」

ちなつ「うわあああああああああああんあかりちゃぁぁぁぁぁぁん！！」ﾀﾞｯｼｭ

綾乃「ちとせぇぇぇぇぇぇぇぇぇえぇぇぇぇぇぇぇぇええ！！」ﾀﾞｯｼｭ

結衣「違うんだってーー！！」

結衣「………」

京子「………」

結衣「………」

京子「…ドンマイ☆」

結衣「お、お前のせいだろ！！」

京子「なんだよ！乗り気だったくせにぃー！！」

ｷﾞｬｰｷﾞｬｰ

…

あかり「うぅ…お掃除おわらないよぉ」ｸﾞｽｸﾞｽ


おしまい

キャラだせばいいってもんじゃないと学びました
終わり

乙