1: 2011/07/22(金) 21:33:37.08 ID:PBygp8LG0

上条「はぁ、今日も上条さん家の家計は火の車なんですよ…。つーか本気でどうにかしないとな」

上条「食っても食っても減らない食事があれば良いんだけどなぁ、なんて、ハハハ…」

上条(…そういえば右腕切り落とされた時生えてきたよな、いや、でも。)ゴクリ
とある魔術の禁書目録 5巻 (デジタル版ガンガンコミックス)
2: 2011/07/22(金) 21:34:38.24 ID:PBygp8LG0
上条「右腕うんめぇえええええええええ!!!!!!」

上条「やばい、これやばい、美味いし腕もちゃんと生えてくるし」

イン「あー、とうま一人でおいしそうなの食べてる!私も食べるんだよ!!」

上条「おっ、食うか?皿によそって…と、ほれ」コト

イン「いただきます!なんだよ!!」

ガツガツ ムシャ ハフハフ ゴックン

イン(~~~っつ!!!)

イン「うんめぇえええええええええええ!!!」

イン「とうま!とうま!何この肉すごく美味しいんだよ!!」

上条「だろ!美味いだろ俺の右腕!」

イン「」

4: 2011/07/22(金) 21:36:07.34 ID:PBygp8LG0

イン「えっ」

上条「いや~、右腕が生えてくるからためしに作ってみたんだけどこれが美味くてな。」

イン「オ」

上条「おかわりか?」

イン「オエェェェェェェェェェェェェェェェl!!!!!」ビチャビチャ

上条「そげぶ!!!」ゴシャ

イン「~~~~~ッッッッツ」

イン「と…とうま?」

上条「てめぇ、なに吐いてんだよ…」

イン「だってこれ、とうまの…」

上条「作った人の気持ち考えた事あんのかよ!!」

イン「!!」

上条「切り落とす時すげぇ痛かった…それこそ氏ぬんじゃねえのかってくらいにな、けどお前の喜ぶ顔を思っただけで我慢できた」

イン「…」

上条「人の腕を食うなんて気持ち悪い?それがどうした!俺の腕は生えてくんだ、問題ない!!
しかも誰も悲しまず迷惑もしない、他の生き物の命も奪わない!!!

イン「とうま…」

上条「てめぇはずっと待ってたんだろ!?誰もが笑って誰もが幸せに食事が出来る最高の食卓ってやつをよ!!だったらそれは目の前にある!ちっとばっか気持ち悪い食材で吐いてんじゃねーよ!!さぁ始めようぜインデックス!」

イン「…うん、わたしが間違ってたんだよ、とうま。」

上条「インデックス…、いや俺こそ殴ったりしてごめんな。」

イン「いいんだよ!!それよりとうま腕食べたいな!」

上条「!!…よし、食べるか!!」

イン「うん!!」

6: 2011/07/22(金) 21:37:53.95 ID:PBygp8LG0

イン「ぷはぁ~、もうお腹いっぱいなんだよ。」

上条「上条さんもですよ…。」

イン「ほんとおいしかったんだよ、お店で出してもいいくらい。」

上条「お店か…、よし決めた!」

イン「どうしたの?とうま」

上条「店を出す!!」

_____

7: 2011/07/22(金) 21:39:38.42 ID:PBygp8LG0
こうして俺は料理人になった。最初は資金が足りなかったので屋台だったが噂が噂を呼び
瞬く間に評判となり、原価もほぼゼロなのですぐに店を構えることが出来た。


ガヤガヤ 

上条(オープンしたばっかりなのに結構人が入ってるな)

上条(この分だと今日の分すぐなくなりそうだぜ)

ウィーン ピロリロリン

上条(お客さんがきた!!)

8: 2011/07/22(金) 21:40:35.29 ID:PBygp8LG0
上条「ッシャーセ!!!」

佐天「ですから!このお店本当に美味しいらしいですよ!」

初春「ネットでの評判もすごく良かったです」

白井「そうなんですの?それは楽しみですわね。お姉さま」

御坂「そうね。あ、四人なんですけ……あ、あんた!!」

上条「ビ、ビリビリ!!」

御坂「な、なんであry」

ウィーン ピロリロリン

上条「ッシャーセ!!」

御坂「ちょ、無視すん…」

打ち止め「でね、このお店すごく美味しいらしいんだよってミサカはミサカは嬉しそうに喋ってみたり」

一方通行「あァ、分かったからひっつくなクソガ…」

打ち止め「お、お姉さま」

御坂「…一方通行!それにこの子は…」

白井「お、お姉さま?その小さいお姉さまは一体…」

???「なんだこの店は!!おいそこの君」

上条「ッシャイ、ナッスカ(はい、なんでしょうか)」

???「こんなものをだしてよく平気な顔してられるな。肉は硬くて食えたモンじゃないし調味料が化学物質のオンパレードじゃないか。俺に毒を食えってゆうのか?こんなものこうしてやる!!」ポイ グシャ

上条「!!」ギリ

10: 2011/07/22(金) 21:41:50.98 ID:PBygp8LG0

???「なんだ客に暴力を振るうのか?これだから最近の若い奴は…、君みたいな奴は日本が中国や韓国にしたことも分からないのだろうな…」

佐天「ちょ、ちょっとそこのおじさん!!いくらなんでもそれはないでしょ!!」

???「何だい?お嬢さん、邪魔しないでくれるかな。」

佐天「ここの料理は美味しいって評判なんですよ!!それをこんな風にして……!!!」

初春「そ、そうです!!」

???「やれやれ、どうやらここの人たちは頭をいじくられて舌まで駄目になっているらしい。」

???「そうだな…、店長、そして入り口にいる六人!!」

11: 2011/07/22(金) 21:42:51.17 ID:PBygp8LG0

山岡「明日もう一度この店に来てくださいこんな犬のえさよりずっと美味い料理を御覧にいれますよ」

一方・打ち止め・御坂・白井・佐天・初春「「「「「は?」」」」」

上条「ッシャーセイ(かかってこいや)!!!」

13: 2011/07/22(金) 21:44:54.13 ID:PBygp8LG0
_____________________翌日___________________

一方「…」

御坂「…」

佐天「な、なんか空気が重いね…」

初春「そうですか?」

白井「小さいお姉さま、あの二人に一体なにがあったんですの?」

打ち止め「それには山よりも深く海よりも高い理由があってとミサかはミサかは難しい顔をしてはごまかしてみたり」

白井「山より高く海より深くですの…」

初春「あっ!料理が来たみたいですよ!」

山岡「またせたな」

上条「こっちもできたぜ」

山岡「えこひいきで美味い不味いを決められたらたまったもんじゃないからな、料理をシャッフルして食べ比べてもらい、それから二つのうち美味いほうを選んでもらうぞ」

14: 2011/07/22(金) 21:46:39.45 ID:PBygp8LG0

一方「…」

御坂「…」

佐天「い、いただきまーす」

白井「で、ですの」

ガツガツ ムシャムシャ ハフハフ

佐天「おいし~~~!!」

打ち止め「こんなお肉はじめてだよってミサカはミサカは感動してみる!!」

初春「おいしいです!!」

白井「でりしゃす!ですの!ねぇ、お姉さま。」

御坂「…そうね」

一方(ン?この食感どこかで…)

佐天「こっちの料理はさっきのと比べると…」

白井「十分美味しいのですけれども…」

初春「見劣りするっていうか味劣りするというか…」

佐天「だれうま、料理勝負だけに」

初春「だれうま」

御坂「ちょっと味に癖があるわね」

打ち止め「さっきのお肉の方がやわらかーいってミサカはミサカは残念そうにしてみたり」

上条「…っく」

山岡「ふんっ」

   カチ ON

一方「おえぇぇぇぇっぇぇぇぇっぇぇぇ!!!!!!!」

佐天・白井・初春・御坂「」

打ち止め「一方通行!?どうしたのってミサカはミサカは心配そうにしながら後ずさりしてみる」

  カチ OFF

一方「…てめェら、これ人肉だぞ(能力がベクトル操作で良かったァ)。」

佐天・白井・初春・御坂・打ち止め「「「「「えっ」」」」」

15: 2011/07/22(金) 21:47:51.28 ID:PBygp8LG0

山岡「ほぉ、糞どもの中にも味の分かる奴がいるとはな」

上条「お前、俺がどんな肉使ってるのかわかってたのか!?」

山岡「何を言ってるんだ、一口放り込んだ瞬間に分かってたさ、でなきゃより美味い料理なんてつくれるわけないだろう。」

山岡「今回の料理はXXXの肉を使った、これは本場である中国の調理法を参考にした。日本にも古くにはあったけど、中国に遠く及ばないからね。中国のXXXの歴史は深く、かの孔子の好物がXXXだったと言う説もある。そのスープに入っているのは胎盤だこれも中国では扱ってる店があるのでそれを手本にさせてもらった。」

山岡「ちなみにこの肉は中国から取り寄せたもので数時間前までお腹の中にいた物だ。ずいぶんお金がかかったよ。」

上条「!?…てめぇ、ふざけんなよ。」

山岡「何を怒っているんだ?人肉を使った事か?君も俺と同じだろ、誰かの肉を使っているんだろう?」

上条「同じじゃねぇ!!俺は生えてくる自分の腕しか使ってねぇ!!」

一方「おォ…う」

16: 2011/07/22(金) 21:49:17.85 ID:PBygp8LG0

山岡「なるほど…そういう能力なのか?どうりで肉が硬いわけだ」

佐天「あ…あ…」

初春「」

白井「おえぇえええええ」

御坂「ひ、人の?」

打ち止「ミサカ…ミサカは…」

上条「いいぜ、てめえが自分の食欲のために何をしてもいいっていうならそのふざけた幻想をぶち[ピーーー]!!!」

山岡「…まったく、どいつもこいつも…、犬を食ってはいけない、鯨を食ってはいけない、猫を食ってはいけない、そして人を食ってはいけない。いったい何の違いが有るというんだ?豚や牛はいいのか?全部自分以外のもの、そんなのいちいち考えてたら料理が冷めちまう。」

上条「…もういい」

山岡「何がもういいんだ?」

上条「ぶん殴る!!」

言い終わらないうちに、拳を振り上げ山岡に詰め寄る。きつく握り締められた拳が山岡の顔に向かって振り下ろされた。

上条「!?っ…かはっ」

しかし、上条の体はボディブローを食らった様に【く】の字に折れ曲がる。

山岡「危ないじゃないか。意外と速いんだな」

山岡は指一本動かしていない余裕の表情、しかし『何か』を…『何か』をしたのだ。

上条「な、なにが…」
                                      グラトニー
山岡「見えないだろう?まぁ一応紹介しておくか。俺のスタンド『食   欲』だ」

上条「ス…タ、ンド?」

山岡「超能力みたいなものさ、いいのかい?そんな所でのんきに寝てて、すでに『攻撃』は終わっているぞ。」

上条「くっ」

上条は体を跳ね起こし山岡から距離をとり身構えた。

17: 2011/07/22(金) 21:50:09.72 ID:PBygp8LG0
山岡「すごいな、立ち方が上手く炊けたお米みたいだよ。」

山岡「安心しな、君には何もしてないよ、いや、出来ないと言ったほうが正しいか。幻想頃し君」

上条「俺の事を知っているのか!?」


山岡「一応ね、ただ腕が生えてくるなんていうのは知らなかったけどな。」

山岡「それよりも、まだ気がつかないのか?『食欲』はすでに、食材に触っている!!」

上条「何を言って…」

と、そこまで言って上条は気づいたその『異変に』

佐天「ウイハルパンツハイテルカウイハルパンツハイテルカウイハルパンツハイテルカ」ガツガツ

初春「サテンサン!サテンサン!サテンサン!サテンサン!サテンサン!サテンサン!」ハフハフ

白井「オネエサマオネエサマオネエサマオネエサマオネエサマオネエサマオネエサマオネエサマ」ンギュンギュ

御坂「ビリビリユウナビリビリユウナビリビリユウナビリビリユウナ」バリバリ

打ち止め「ミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハ」モシャモシャ

どうしたんだ皆、さっきのがそんなにショックだったのか?
                                ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
いや、違う。そうだったら食べているはずがないんだ俺と山岡の料理をあんな美味しそうに。

18: 2011/07/22(金) 21:51:30.72 ID:PBygp8LG0

一方「さ、三下…」

上条「一方通行!!」

一方「お、おかしいンだ…あンなに気持ち悪いのに食べたくてしょうがねェンだ…あンなに気持ち悪いのにヨダレがとまらねェンだよ~~っ、三下ァ、ハラァ減ってよ~~、食わずにはいられねェンだよ~~~~っ!!!!」

そういうと、まだ残っている料理へとてを伸ばしていく

上条「一方通行!!!」

一方「カキクケコカカカカキクコケキクケカケカカカカカカカカカカカカカカカカカ」モギュモギュ

上条「山岡ぁ!!皆に何をしたんだ!」

山岡「なに、食事に邪魔なものを取っ払っただけだ。俺の『食欲』に触れられたものや俺の『食欲』が触れた食べ物に触れたりすると『感染』し食べることしか考えられなくなる。さっき調理の時に食材に触れて置いたのさ。」

山岡「そもそも、人間は食事をする際余計なものが多すぎるんだ、宗教、倫理観、テーブルマナー、etc、そんなもの『食』に対して失礼だろ?美味いか、不味いかそれ以上でもそれ以下でもないそれが『食』というものだ」

山岡「味噌汁の具も、スタンド名も、『食』もシンプルなのがいい。そうだろ?」


上条「~~~~っ!てめぇは俺が必ずぶん殴る!!うおぉぉぉぉぉぉぉ!!」

怒りに任せて距離を詰めようとする、が、見えない『力』によって触れることすら出来ない。

上条「っまだだ!」

二回、三回ボロ雑巾のように吹き飛ばされる。

山岡「…はぁ、無駄だよ」

息も絶え絶えになりなが立ち上がる。足が震える、視界が赤い、どうやら頭が切れて血が眼に入ったようだ。

上条「やって…みなきゃ…分かんねーだろうが。」

血が頬を伝って床に落ちる。結構深く切ったようだ。

19: 2011/07/22(金) 21:52:20.92 ID:PBygp8LG0
山岡「だから無駄なものは無駄なんだよ無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄。」

山岡「君が俺の『スタンド』の距離を測っていることも、タイミングを合わせて自分が吹き飛ばされる瞬間に『食欲』に触ろうとしようとしていることも、分かるんだよ」

上条「!?」

山岡「良い事を教えてやろう、俺の『食欲』は近距離パワー型でな大体半径二メートルが限界だがな、君のパンチなんて欠伸がでるくらい遅く感じられる。君の土手っ腹に穴を開けるのも簡単なんだがさすがに食い物が食えなくなるのはかわいそうだからな。」

山岡「それとも、さっき驚いた振りをしたのを本気にして何とかなると思ったのかい?悪かったな。冗談だよ冗談、ちょっとした大人の隠し味ってところさ」

上条「…っくそ!!」

上条(落ち着け落ち着くんだ上条。不吉な数字を数えるんだ、不吉な数字は事あるごとに嫌われる不幸な数字―俺に勇気を与えてくれる)

上条「4、13、44、444、666…」

上条(何か…、何か無いのか?、逆転の一手となるなにかが…)

その時上条にビリビリが走る

上条(…そうだキッチンには『アレ』があったはずだ!)


そう判断するやいなや逃げるようにしてキッチンへ駆け込む上条。

山岡「おいおい、料理勝負はもう終わったぞ」

ゆっくりとした足取りで上条の血の跡を後を追う山岡。

キッチンに入るとテーブルを挟んで上条が居た。距離にして4メートル弱、山岡から向かって左側はカウンターが見える作りになっており、少年少女達が美味しそうに肉を食らっている様が良く見えた。右側にはステンレス製の流し台があり窓から入ってくる日差しを反射して上条を照りつける。そのちょうど真ん中に食材を切るためのテーブルが設けられいる。薄暗闇の中から山岡が静かに語りかける。

21: 2011/07/22(金) 21:53:33.70 ID:PBygp8LG0

山岡「そろそろ終わりにしようか。」

テーブルの上にある分厚い肉を切るための、大きく、重い包丁が鈍く光る

山岡に背を向けていた上条が観念したように振り替える

上条「…ひとつ質問しても良いか。」

山岡「言ってみろ。」

上条「どうして俺たちを襲う、お前の目的はなんだ」

山岡「究極のメニュー、『食』のためさ」

肩をすくめて出来の悪い生徒に教えるような口ぶりで上条に語る

上条「『食』?」

山岡「遺伝子組み換えされた野菜や果物を徹底的に管理されたビルの中で擬似太陽の下で育てる、あるいはクローン牛や豚を訳の分からない培養液につけて成長させる。そんな気持ち悪い物がこの学園都市で作られているのは知っているよな?。」

山岡「その糞みたいな物が学園都市外の施設でも作られ始めているんだよ、もちろん学園都市からの技術提供によってだ」

山岡「食料自給率の問題から日本政府はこの研究に乗り気なようだ。各家庭で日常的に食される日が来るのも時間の問題だ」

山岡「全く、くだらないことだ。こんなもに力を注ぐくらいなら政府はもっと農家を優遇するべきなのだがな」

山岡「そんな訳で俺の能力で学園都市を壊しに来たのさ、。俺の『食欲』の触れられたものは食い物を食い尽くすまで止まらない、これがどういう意味か分かるかい?」

22: 2011/07/22(金) 21:54:55.94 ID:PBygp8LG0
上条「食い物?…まさか!!!」

山岡「気づいたようだな。そう、他に食うものが無くなると食うようになるんだよ。『人間』をな。」
       
山岡「そしてもうひとつ『食欲』に感染した食い物に触れた奴も感染する。」

         ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
山岡「つまり、感染した人間に触れた人間も感染するんだよ!!」

上条「なん・・だと・・」

山岡「本当は能力の効かないうざったい君を殺そうと思ってこの店に入ったんだが、第一位と第三位の奴らも目に入ったんでね。ついでに始末してしまおうと思ったんだよ。」

山岡のその言葉に上条は自分の拳をきつく、きつく握りこむ。

上条「…そんなことのために皆をこんな風にしたのか」

さらに、きつく、きつく。

上条「…そんなことのために学園都市を壊すのか。」

怒りのためか肩が震えている、うつむいている顔からは表情を読み取ることは出来ない。

上条「てめぇの言いたいことは理解した。けどなだからと言ってこんなやり方しかなかったって言えるのか!?こんな皆が不幸になるやり方しかなかったのか!?もっと他の、誰も不幸にならず皆が幸せになれるやり方ってもんがあったはずだろ!!」

上条「てめぇが『食』を愛しているのは分かった。それでも他人の尊厳を、気持ちを踏みにじっていいことにはなんねぇだろ!!!」

山岡「…君は蝿の事を人だと思うかい?」

山岡は哀れむような目で上条を見る

上条「急に、なにを…」

山岡「さっきもいった様にここで作られている食材は糞だ、それを日常的に食っている君たちは糞を食う蝿そのものだ」

山岡「君は蝿を叩き潰す時に蝿の気持ちを考えたことがあるのかい?」

山岡「そんな事考えずに蝿を[ピーーー]だろう?誰だってそーする、俺だってそーする。」

上条「…てめぇは自分の『食』のために一体何人犠牲にしたんだ?」

山岡「君は今まで食べたごはん粒の数を覚えているのか?」

24: 2011/07/22(金) 21:55:59.61 ID:PBygp8LG0

上条「…てめぇが」

上条の背中の空間がまるで『怒り』に当てられたように歪んでいる。

                 究極のメニュー
上条「てめぇが!!自分の『    食    』のために何でも犠牲にしてもいいと思っているならまずはそのふざけた幻想をぶち[ピーーー]!!」

そう叫ぶやいなや山岡に向かって赤い物体を放り投げる。

山岡「無駄ァ!!!」メメタァ

山岡(!?これは消火器!!)

   ブシャァァァァァl

一瞬にして真っ白になる視界。

27: 2011/07/22(金) 21:57:40.00 ID:PBygp8LG0

一瞬にして真っ白になる視界。

山岡(くそ!!何所にいる!?)


ブシャァァァァァ  べコン  シャァァァァァ

山岡「!?そこだあああああああ!!!」

音のした方向へラッシュをすかさず叩き込む。

山岡「アジアジアジアジアジアジアジアジアジアジアジアジアジアジアジフライ!!」 ドグシャア

28: 2011/07/22(金) 21:59:04.90 ID:PBygp8LG0

しかし

山岡(手ごたえが無い!?くそっ、いったいどこに!?)

上条「なぁ、熱膨張ってしってるか?」

視界の端に何かが迫ってくるのが見える、…これは、拳?

   パッキーン

頬に鋭い痛み、宙に浮く体。


山岡「ぐおおおおおおおおおお」

上条「…まだだ!」

上条は山岡に叩きつけたままの拳をそのまま下に振り下ろす。

山岡「がはっ!!」

床に叩きつけられる山岡。

右手を山岡に触れたままマウントポジションをとる上条

29: 2011/07/22(金) 22:00:12.05 ID:PBygp8LG0
山岡「ぐ…が、は…」

上条「…チェックメイトだな、山岡。」

山岡「…男に上に乗られるのは趣味じゃないんだがな。」

上条「だったら力づくでどかせばいいだろう?」

山岡「…」

上条「やっぱりな、お前の言う『スタンド』って奴はなんだかわからねーが『異能』なんだろ?」

上条「俺がお前に触れてしまえばその『スタンド』って奴は出せなくなっちまう、違うか?」

山岡「…なぜだ」

上条「あ?」

山岡「『音』は確かに流し台の方からした、あの音は何か物をぶつけたような音じゃなかった。そうまるで何か…」

上条「カップ焼きそばのお湯を湯切りした時のような?」

山岡「…まさか!!」

31: 2011/07/22(金) 22:02:34.57 ID:PBygp8LG0
山岡「しかし!!熱湯など何処にも無かったはずだ!!」

上条「そう、確かに熱湯は無かった。けど別の物があったろ?」

別の物?山岡は思案する。
          ・・・・・          ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
…確か、キッチンには余った料理がいくつか、…そう、スープが…スープがあそこにあったはずだ。

山岡「なるほど、まんまと一杯食わされたよ。君は俺と会話している間もずっと料理を作っていたわけだ」

そう、山岡がキッチンに入った時には既に上条当麻の反撃は始まっていた。

上条はキッチンに駆け込むと消火器を掴みテーブルの影に隠し.

           ・・・・・・
ガスコンロの上に置いてあったスープの入った鍋に火をつけ山岡から見えないように背中に隠した。

山岡への質問も長ったらしい説教もスープが沸くまでの時間稼ぎ。

すべてがこの逆転のための布石だったのだ。

32: 2011/07/22(金) 22:03:34.85 ID:PBygp8LG0

上条「ああ、俺は煮だったスープを流し台に流した。あれは音が出るまでほんの少し時間がかかるからな」

上条「その間に俺は反対側から回りこみ、殴った。」

山岡「…『怒り』で空間が歪むわけがないか…、くそっ!」

上条「山岡、お前の負けだ」

山岡「…け…な。」

上条「あ?何言ってんだ?小さくて聞こえな…」

山岡「ふざけるな!!【さしすせそ】も分からないような糞料理人が俺の高貴な胃袋の上にのりやがって!!」

上条「こら…くそ、暴れんな!」

山岡が上条の手から逃れようと手を、足をばたつかせる。…先ほど切った頭からの血が山岡のスーツに吸い込まれていく。

上条「頃しはしない!!ただ警備員に引き渡すだけだ!!」

33: 2011/07/22(金) 22:04:38.85 ID:PBygp8LG0
上条は山岡を抑えようと両手に力を込める、その力に比例するように山岡の動きも激しくなる。山岡の、上条の体が何度もテーブルにぶつかる。

上条「いい加減に…」

山岡「うるさい!!」

その時、上条の視界の隅を銀色の何かが映った。

山岡「…か、は」

赤色に染まる右手、血の色、けれども痛くは無い。当たり前だ自分が怪我した分けでは無いのだから。

俺じゃない誰か、山岡の首に包丁が深く埋まっていた。

上条から流れる血と山岡の首から出る血が混じりあう。

上条「バカヤロウ!!くそっ、電話、救急車!!。」

懐から携帯をだし電話をかけようとする…が、

上条「やべ…、意識が…、くそっ、血を流し…す…ぎた…。」
____________________________________________

35: 2011/07/22(金) 22:06:10.13 ID:PBygp8LG0

上条「う…ん、ここは?」

イン「とうま!」

上条「…インデックス?」

冥土返し「彼女に礼を言うんだね、君が起きるまでずっと傍にいたんだよ」

上条「…先生、そうだ山岡は?皆は?あいつ包丁で、みんな能力で、っ痛!」

冥土返し「無理をしないほうがいい。…君の知り合いは全員無事だよ。」

冥土返し「山岡っていうのが誰だか分からないが近くに倒れていた男は…残念ながら手遅れだったよ。」

上条「!?…くそっ俺の気絶しなければ…!!」

冥土返し「…気休めにしかならないけれど、即氏だったよ。ショック氏だ。」

上条「…そうですか。」

イン「とうま…」

36: 2011/07/22(金) 22:07:03.15 ID:PBygp8LG0
上条「…インデックス、ありがとうな。俺が寝ている間お腹すかせて大変だったろ?」

イン「っ!?な…な…っ!!」

上条「イ、インデックスさん?」

イン「わたしお腹すかせてなんかないもん!」ガブ

上条「ギャー!!不幸だぁーーーーーーーーーーーーー!!」

冥土返し「じゃあ僕はこれで、体に気を付けるんだよ」

   ガチャ バタン

イン「…本当に、心配したんだから」

上条「インデックス…。あのさ、俺店止めるよ。」

イン「とうま?」

上条「俺さ料理に対して不誠実だった気がするんだ。お金を儲ける事に執着して大事なことを忘れてた。」

イン「大事なこと?」

上条「ああ、食べてもらう人の笑顔をな。それじゃあ美味いもん作れるわけねーよな。気づかせてくれたのはムカつく奴だったけどそれだけは感謝しないとな。」

イン「…とうま」

上条「うん?」

イン「退院したら当麻の料理たべたいな。!」

上条「…おう!!」

38: 2011/07/22(金) 22:08:13.37 ID:PBygp8LG0
____________________________________________

ピポパ プルルルル ガチャ 

冥土返し「…これでよかったのかい?」

アレイスター「ああ、問題は無い。彼にはこれ以上心配事を増やしてもらう訳にはいかないからな、氏体の処分はそちらに任せる。」

冥土返し「…わかった。」

アレイスター「彼らをよろしく頼むよ。」

冥土返し「言われなくとも」

ガチャ プー プー プー

冥土返し「…さて、問題は」

佐天「赤ちゃんが、赤ちゃんが私を食べに食べに食べに」ブツブツブツ

初春「これは夢これは夢これは夢これは夢」ブツブツブツ

白井「人ひと人ひと人ひと人ひと人ひと人ひと人」ブツブツブツ

御坂「肉怖い肉怖い肉怖い肉怖い肉怖い肉怖い肉怖い」ブツブツブツ

打ち止め「腕がうでが腕が腕が腕が腕が腕がうでが」ブツブツブツ

一方「実験…妹達の指…肉…食う…」ブツブツブツ

冥土返し「こまったなぁ」

御坂妹「ミサカネットワークに残っている情報から推理すると彼女たちは人肉を食べたことによりトラウマになったのだと推測されますとミサカは顔をしかめながら報告します。」

御坂妹「一方通行にいたってはミサカネットワーク内の人肉に対する負の感情の影響と自分自身の過去に行なった行動に対する嫌悪感があいまってあのような状態になったと吐き気を催しながら推察します」 ウプ

冥土返し「人肉ねぇ、けっこうおいしかったけどなぁ」

御坂妹「えっ」

39: 2011/07/22(金) 22:09:03.85 ID:PBygp8LG0
____________________________________________

イン「とうま!とうま!はやく!はやく!」

上条「分かったからそんな急かすなよ。ほら、お前の分」コト

あれから一ヶ月俺は無事退院し、こうして自分の寮に戻ってきた。退院してからは毎日自分の料理をより美味しくするため努力している。

もちろんインデックスに喜んでもらえるように、だ。今度御坂達にも食べてもらおうと思っているのだが、噂によると入院いているらしい大丈夫だろうか?

上条「それじゃあ」

上・イン「「いっただきまーす!!」」

あれから料理をする度に山岡の言葉が頭に浮かんでくる、山岡のやり方は間違っていたが『食』を愛する姿勢は本物だった。

バクバク ムシャムシャ モギュモギュ ゴックン

だから、せめて『食』にたいして自分にできる事を精一杯やることにした。だって…

上・イン「…っぷは」

俺も『食』が大好きだからだ。

上・イン「「右腕うんめェえええええええええええええええええええええええ!!!!!!」」


   


                 END




40: 2011/07/22(金) 22:09:41.43 ID:Inzes/xao

48: 2011/07/22(金) 23:20:57.27 ID:Q5u04iVZo
僕の右手を知りませんか

49: 2011/07/22(金) 23:41:11.77 ID:hbCqejcTo
>>48
美味しくいただきました

引用元: 上条「右腕うんめぇええええええええ!!!!!!」