1: 2012/06/09(土) 12:12:19.40 ID:rgH/JUHV0
※この物語はフィクションです。実在する人物、団体、事件とは一切関係ありません

シン・エヴァンゲリオン劇場版

3: 2012/06/09(土) 12:24:10.19 ID:rgH/JUHV0
ゲンドウ「パチOコとはあれだろう? 手打ちで銀の玉を打ちだして入賞用の間に入れる遊戯で、入賞したら何個か玉が出て来るのを繰り返す…………」


冬月「お前はいつの時代のパチOコの話をしておる。今のパチOコは大当たりという制度があってだな、入賞した玉で抽選を行い、それが大当たりとなったら一気に大量の玉が出て来る仕組になっておるのだよ」


ゲンドウ「パチOコなどといったくだらん遊びに興味はない。そんなことを知らなくても当然だ」


冬月「私だって興味はない。だが、我々の秘密兵器であるエヴァの秘密がどこからか外部に漏れている可能性もある」


ゲンドウ「……なるほど。つまりは実際にパチOコ屋に行って確かめなければならないということか。なら、シンジ達にでも調べさせるか」


冬月「何を言っている、碇。パチOコ屋に未成年は入れないのを知らないのか?」

4: 2012/06/09(土) 12:32:37.34 ID:rgH/JUHV0
ゲンドウ「……なら、諜報部員に現場へ向かわせろ」


冬月「諜報部員なら、全て葛城の家の周りの見張りをさせているから動かせないぞ」


ゲンドウ「何故だっ!」バン


冬月「貴様が命令したのだ。私のシンジに何かあったら心配などと抜かしておったのを忘れたか?」


ゲンドウ「この世界にはそこまで息子の心配をするバカ親がいるのか。世も末だな」


冬月「こら、現実逃避するな」


5: 2012/06/09(土) 12:45:51.20 ID:rgH/JUHV0
ゲンドウ「なら、シンジの身に何かあったら貴様に責任が取れるのか! 私のシンジは可愛いから、いつ誰に襲われてもおかしくないっ!」


冬月「おかしいのはお前の頭の中だよ」


ゲンドウ「とにかく、諜報部員が動かせないとなると葛城一佐や赤木君にでも頼むしかないな」


冬月「いや、待て。このことはまだ私達二人以外に知る者はいない。信用問題にもなりかねないし、ここは我々だけで探る方が得策じゃないか?」


ゲンドウ「……仕方ない、そこまで言うのならその手段を選ぼう。しかし、私はパチOコの知識などひとかけらも持ち合わせてないぞ?」



冬月「安心しろ。私も全く知らん」


ゲンドウ「無駄に年を取ってるくせに、そんなことも知らないのですか? 全く、バカの一つ覚えみたいに将棋ばかり……」


冬月「帰って来たら絶対に殴んからな、貴様」

6: 2012/06/09(土) 12:55:16.50 ID:rgH/JUHV0
冬月「着いたぞ、碇。ここがネルフから一番近いパチOコ屋だ。もう開店しているようだし、早速中に入るか」


ゲンドウ「あぁ」


ガチャガチャガチャガチャ!!!!!(店内の音)


ゲンドウ「噂には聞いていたが、まさかここまで凄まじい騒音だとは…………! どうしてこの中の奴らは平気でいられるんだ?」


冬月「そうか? 私はそこまで気にならんがね」


ゲンドウ「聴力を失いかけているあなたと私を一緒にしないで下さい、先生」


冬月「吹っ飛ばすぞ」


ゲンドウ「仕方ない。耳栓でも買いに行くか。少しコンビニに行くからここで待っていてくれ」


冬月「待て、碇。私もコンビニに寄る」


ゲンドウ「工口本の立ち読みでもするつもりですか、先生?」


冬月「マジで吹っ飛ばすぞ」

7: 2012/06/09(土) 13:10:03.83 ID:rgH/JUHV0
店員「いらっしゃいませー」


ゲンドウ「さて……耳栓を探すか…………」


幼女「あ! おじさん、ポスターの人とそっくり!」


ゲンドウ「ん? ポスター? 何のことを言っている?」


幼女「ほら、このポスターの真ん中で髭を剃っている人、おじさんにそっくりだよ?」


ゲンドウ「何をバカなことを……。私がそのような公共物に載っている訳…………って、なんだこれは! 私の髭がない……! しかもなんだこの笑顔! 気持ち悪っ!」


冬月「碇……金に困っていると聞いていたがまさかここまで落ちこぼれるとは…………」


ゲンドウ「断じて違う! 金欲しさあまりにこんな顔をしてに載る訳ないだろう! 私はこのような許可を出した覚えはない! こうなれば私の版権を勝手に利用したこの会社をN2地雷で木端微塵に……」


冬月「落ち着け、碇。ここまで気持ち悪い笑顔をしているこいつが貴様な訳が無い。そっくりさんだということで今回は大目に……ブフッ!」


ゲンドウ「もういい! こんなくだらんことに時間を割いておれん! 耳栓も見付かったし、早く現場へ向かうぞ!」


冬月(……だが、私がいないということは…………世間で私の人気はないということか。ハハ、マジワロタwwwwww)













冬月「……ワロタ」

8: 2012/06/09(土) 13:21:38.90 ID:rgH/JUHV0
ゲンドウ「うむ、やはり耳栓があると少しは違うな。それで冬月、例のパチOコはどの台だ?」


冬月「報告によるとエヴァンゲリオン7という名前の台だそうだ」


ゲンドウ「エヴァンゲリオン7だと? ということはシリーズで七作目と言う訳か?」


冬月「どうやらそのようらしい。やはり、我々の情報がどこからかリークしていたのだろう。これは一大事だぞ」


ゲンドウ「問題ない。最重要機密さえ漏れていなければ計画の進行は進められる。とにかく、今はその問題の台を打つしかない」


冬月「確かにな。だが、その台もどうやら満席で空いてはおらんぞ」


ゲンドウ「何と言う事だ……! 平日のこの時間だと言うのにこの人の有り様はおかしいだろう! 暇人ども、こんなところで遊んでいないで働け!」


冬月「それが客に聞こえていたら私達は殴り殺されていただろうから、そういう発言はよせ。それに、その言葉は我々にも振りかかっていることを忘れるな」


ゲンドウ「貴様の御託はどうでもいい。それより問題なのは席の確保だ」


冬月「どうするも何も、ただ待つしかないだろう」

9: 2012/06/09(土) 13:33:01.30 ID:rgH/JUHV0
ゲンドウ「……やむを得ん、実力行使だ」ガチャ


冬月「貴様、こんなところで拳銃を取り出すとは正気か!?」


ゲンドウ「我々の計画に差し支える者は排除するのみ。最早、我々は人の道を同じ様に進む事など出来ん。余計な感情は捨てろ」


冬月「なんかカッコいいことを言って誤魔化そうとしているが、それはただの脅迫だからな。通報されるぞ」


ゲンドウ「なら他に方法はあるのか?」


冬月「冷静に考えろ。この場の連中は金を得る為にここまで来ている。ということは、いくらか支払えば台を譲ってくれる人もいるだろう」


ゲンドウ「…………じゃあ先生、後の事はよろしくお願いします」ササッ


冬月「貴様も払え」ガシッ


ゲンドウ「まぁいい。ネルフの資金から必要経費として使わせてもらおう」


冬月「……完全な職権乱用だぞ」

10: 2012/06/09(土) 13:44:30.91 ID:rgH/JUHV0
ゲンドウ「とにかく二席確保することに成功したが、ここからどうすればいい?」


冬月「まずはお金を入れて玉を借りねばならん。とりあえず一万円を入れるんだ」


ゲンドウ「分かった。お金を入れるところは……ここか」ウィーン


冬月「……ってバカか、逆だよ! そっちは貴様の台ではなく隣の人の台の入れ口だ!」


ゲンドウ「あ……あわわ……どうしよう…………!」アセアセ


冬月「落ち着け、碇! 素直に謝ってお金を返してもらえ」


ゲンドウ「ふぇぇ……弱気な僕にそんなこと出来ないよぉ」グスッ


冬月「うざ。てか、いつもは部下共にどえらい態度取ってる癖に、知らない人間になったらここまで変わるとはな。貴様のその人見知りな性格は直した方がいいぞ」


ゲンドウ「貴様にそこまで言われる筋合いはない!」キリッ


冬月「じゃあお金をかえしてもらえよ」


ゲンドウ「そ、それだけは……無理だよぉ……」アセアセ


冬月「気持ち悪いからいい加減やめろ、そのキャラ。胸糞悪い」

12: 2012/06/09(土) 13:54:09.23 ID:rgH/JUHV0
ゲンドウ「いや、どうにか取り返せて良かった。案外やってみれば出来るものだな」


冬月「なに調子こいているんだ、お前は。涙目で歯をガチガチ言わせておったではないか」


ゲンドウ「あれは敵を油断させる罠だ」


冬月「ああそうですか」


ゲンドウ「よし、無事にお金を入れられたことだし、次はどうすればいい?」


冬月「次は打つ為の玉を店から借りなくてはならん。だから、その手元にある……」


ゲンドウ「すまないがそこの君、玉を私に貸してくれないか? 問題はない。金ならもうこの台に入れた」


店員「は?」


冬月「話は最後まで聞け! 店員にそんなこと言ってもアホ扱いされるだけだ! そこの手元の玉貸というボタンを押せばいいんだよ!」


ゲンドウ「それなら初めからそう説明しろ! 貴様のせいで恥ずかしい思いをしたじゃないか! 訴えるぞ!」


店員「あの、何かあったんすか?」


ゲンドウ「あ……あわわ……何でもないですよぉ……」ナヨナヨ


冬月「…………この状況を皆に見せてやりたいよ」

13: 2012/06/09(土) 14:08:53.90 ID:rgH/JUHV0
ゲンドウ「この玉貸というボタンだな」ポチッ


ジャラジャラジャラー


ゲンドウ「よし、玉が出て来た。これで、後はハンドルを回せばいいのだな」


冬月「あぁ。後はスタートチャッカーというところに玉を入れるだけだ。碇も後は大丈夫そうだし、私も打つとするかな」


ゲンドウ「…………どういうことだ、冬月ィィィィィっ!」


冬月「な、なんだいきなり……! 突然大声を出すんじゃない!」


ゲンドウ「全然玉が出て来ないぞ! 私は店に愚弄されているのか!?」


冬月「落ち着け、碇! そのハンドルの横にあるボタンも一緒に押さえても玉は発射されないぞ。そのボタンは打ち出しを止めるものだから、そこに触れないように握れ」


ゲンドウ「あいわかった」


冬月「全く……まるで子供だな。しかし、これでやっと静かに打てる…………」


ゲンドウ「………………どういうことだ、冬月ィィィィィィィィっ!」


冬月「今度は何だ!?」


ゲンドウ「打っても打っても右にぐるぐる回るだけで真ん中に行かなry……」


冬月「ハンドル回し過ぎなんだよお前は! 少しは自分で考えろ、バカ!」


14: 2012/06/09(土) 14:21:58.11 ID:rgH/JUHV0
ゲンドウ「なるほど、この真ん中の穴に玉が入れば画面が動くのか」←ようやくハンドル調整が出来た


冬月「あぁ、そうだ。一回入る毎に抽選されてな、三つの数字が揃えば大当たりだ。二つ揃えばリーチといって様々な演出が出て来る」


ゲンドウ「しかし、いきなり背景がネルフ本部になっているのは驚いた。立ち入り禁止なはずなのに、どうして我々の施設の様子がバレている」


冬月「確かに……これはやはり調査の余地がありそうだな」


リツコ『未来を担うパイロットが気付いたそうよ』


ゲンドウ「この最初に出て来る演出は何だ? しかも赤木君のこんな場面も盗撮されていたというのか……?」


冬月「それは予告だ。変動時に様々な演出の予告があって、その予告ごとに大当たりする信頼度が変わるのだ。しかし、碇の言う通り我々は誰かに盗撮されているようだな。やはり、侵食系の新たな使徒がネルフに潜り込んでいるのだろうか……」


ゲンドウ「あー、リーチにもならなかったか! だが、必ず冬月よりも先に大当たりを出してやる」


冬月「……お前はただ任務のことを忘れて遊んでいるだけだろう」


ゲンドウ「何て言われようとも、我々は計画の為に行動するまでだ」


冬月「だまれ」

16: 2012/06/09(土) 14:31:20.12 ID:rgH/JUHV0
リツコ『未来を担うパイロットが気付いたそうよ』


リツコ『未来を担うパイロットが気付いたそうよ』


リツコ『未来を担うパイロットが気付いたs』


ゲンドウ「おかしい。さっきからこの演出しか出て来ない。しかもこの演出はリーチにすらならないし……」


冬月「貴様には運など残っておらん。こういうのは私のような正直者に大当たりが……」


リツコ『未来を担うパイロットが気付いたそうよ』


冬月「」


ゲンドウ「ははは、老いぼれに大当たりなど引けるものか! そんなことをしていては私がそろそろ大当たりを……」


リツコ『未来を担うパイロットが気付いたそうよ』


ゲンドウ「………………」


冬月「………………」


ゲンドウ「………………冬月」


冬月「…………何だ?」


ゲンドウ「赤木君の給料を当分の間全面カットだ」


冬月「彼女に刺されるからやめとけ」

17: 2012/06/09(土) 14:43:55.33 ID:rgH/JUHV0
ゲンドウ「全く……まだ一回もリーチになってないじゃないか…………」


レイ『来る!』


ゲンドウ「わぁ! レイたんだ! レイたん可愛い! リーチは外れたけど、レイたんだから許すっ!」ビシッ


冬月「なぜ私はこんな変人の横でパチOコをしなくちゃならんのだ」


フッ←冬月の画面が暗転


冬月「ん?」


『コントロールレバーを引け!』


ゲンドウ「何!? これは今まで見た事のない演出……! まさか、熱いのか!?」


冬月「どうやらmark.06の槍が落ちればかなり期待できそうだ。悪いな、碇」グッ


シュン……


冬月「」


ゲンドウ「流石は先生ですね。やはりガセを引くとはもう大した運も残っていないのではありま……ブフッ!」


冬月「…………絶対に貴様よりも先に大当たりを引いてやるからな!」

18: 2012/06/09(土) 14:53:32.71 ID:rgH/JUHV0
ゲンドウ「ん……? 冬月、この保留が点滅しているのは何だ?」


冬月「それは先読み予告と言ってだな、予めその変動の信頼度を予告しているんだ。青点滅はちなみに全然熱くない演出だ」


ゲンドウ「そうか……なら期待しない方がよさそうだな」


ガシャーン←銀色のネルフプレートが揃う音


ゲンドウ「このネルフプレートも先読み予告というやつか?」


冬月「あぁ。だが、それも大して熱くはない……」


ピロン


ゲンドウ「ん? 突然点滅保留が赤くなったぞ?」


冬月「ま、まさか……! しかし、銀色プレートならそこまで発展しな……」


ガシャーン


ゲンドウ「今度は銀色プレートが金色になったな」


冬月(バカな…………! しかし、これだけではまだ信頼度は20%ほど。他の演出が絡まなければ……!)


マリ「1!」←カウントダウン予告


冬月「」

19: 2012/06/09(土) 15:01:22.79 ID:rgH/JUHV0
シンジ『ゼロ!』


ゲンドウ「おぉ、愛しのシンジ……! やっぱりシンジは可愛いなぁ、冬月」


冬月「」


ゲンドウ「ん……いきなり予告と出て来たが、これは何だ?」


冬月「」


ミサト『次回、碇シンジ、出撃!』


ゲンドウ「なんだなんだ? レイたんの背景に、シンジの群みたいなのがいっぱい出て来たぞ」


冬月「」


ゲンドウ「お、シンジと第10使徒の対決か。タイトルが赤いが」


冬月「」


シンジ『うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!』


ゲンドウ「頑張れ、シンジ! お前なら出来る!」ポチ


シンジ『ATフィールド全開!!』


冬月「」









21: 2012/06/09(土) 15:10:57.12 ID:rgH/JUHV0
第10使徒『そんなうぬの小手先のテクニックなど我の圧倒的な力の前では無力!』


シンジ『え?』


ゲンドウ「」


シンジ『うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』ドサッ


デデーン


ゲンドウ「シンジっ!」


冬月「ふははははは! その超激熱を外しおったな、碇! それが当てられないようでは大当たりなんて一生来な……」


ドックン


冬月「」


ゲンドウ「なんだ? こいつは……フィフスチルドレンか。だが、一体何を……」


シュッ(槍の音)


第10使徒『ぐわぁぁぁぁ! やられちったよー!』


ドカーン


カヲル『シンジ君は僕が守る』


シャキーン(777が揃う音)


ゲンドウ「おぉ! なんかよく分からんがフィフスがシンジを助けてくれたようだ。やはり、赤木君の給料はフィフスに流そう」


冬月「」


冬月「」


冬月「」



22: 2012/06/09(土) 15:25:59.24 ID:rgH/JUHV0
ゲンドウ「どうだ冬月! 私が先に大当たりを引いてみせたぞ!」


冬月「」


ゲンドウ「どうした? 悔しくて何も言えないか?」


冬月「」


ゲンドウ「お、あの下の開いたところに玉を入れればたくさん出て来るようだな」


冬月「」


ゲンドウ「おい、冬月。悔しいのは分かるがずっと黙るのはみっともない……」


ビービービービー(警報)


冬月「む!?」


マヤ『パターン青、使徒です!』


デデーン←エヴァンゲリオンvs第10使徒(赤文字)


冬月「キターーーーーーーーーーーーー!イィィィィィヤッホーーーーーイ!」

24: 2012/06/09(土) 15:34:33.84 ID:rgH/JUHV0
ゲンドウ「いきなり元気になったな……それは熱い演出なのか?」


冬月「ストーリーリーチで一番熱いリーチだ。いいか、ゲンドウ。パチOコで大事なのは大当たりの早さではなく、出玉の問題だ。いくら早くても連チャンしなければ意味が無いのだよ」


パパパパパパパ→レイのライフル攻撃


第10使徒『そんなへんてこりんな銃など効かーんわい!』


レイ『うぅっ!』


ゲンドウ「レイィィィィィィィィィィィィィィっ!」ガタッ


冬月「まぁ、最初は負けて当然だろう」


ゲンドウ「貴様! レイが苦しんでいるのにそれはないだろう! レイに謝れ! 今すぐ! ナウ!」


冬月「パチOコごときでそんなに熱くなるな! うるさい!」


ゲンドウ「貴様が言うな!」

26: 2012/06/09(土) 15:48:49.93 ID:rgH/JUHV0
マリ『喰らえっ!』ズシッ


第10使徒『それで我に勝てるとでも思ったか、愚か者よ!』バイン


マリ『きゃああああ!』ドサッ


ゲンドウ「そんなこと言っている内に二体目も外れたぞ」


冬月「バカめ! 最後の演出が一番熱いのだよ!」


シンジ『うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!』ボコッボコッ


第10使徒『あん! ちょっ、いたっ! 痛いってば!』バシッバシッ


ゲンドウ「シンジぃ! 倒さなくていい! 今回ばかりは倒さずに休んでくれていいから!」


冬月「もらった!」ポチッ


シンジ『ATフィールド全開!!』ピシッピシッ


ゲンドウ「シンジのバカぁぁぁぁ!」


冬月「これはもう揺るぎないな」


第10使徒『だが断る』


冬月「」


シンジ『』

27: 2012/06/09(土) 16:09:16.30 ID:rgH/JUHV0
第10使徒『超ネガティブビームだぞ☆』バイーン


シンジ・冬月「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」ドサッ


デデーン


冬月「」


ゲンドウ「よくやったシンジ! よくぞ負けてくれた! いや、でもシンジが苦しんでいるところを見て喜ぶ親は最低じゃないか? だがしかし、それが原因で冬月の大当たりを阻止したのは事実。あぁ、なんという二律背反なのだ……! 許してくれ、シンジ」メソメソ


冬月「逃げちゃ駄目だ……」


ゲンドウ「そんなことをしている内にまた大当たりだ。今回はやけにあっさり当たったな」←確率変動を知らない


冬月「逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ」


ゲンドウ「って、ちょっ、もうドル箱に玉が入り切らん! 冬月! 早く新しいドル箱を持ってきてくれ!」


冬月「逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ」


ゲンドウ「し、仕方ない! とにかく玉を流すところを閉めて時間を稼ぐか」カチャ


パチOコ台『玉を抜いて下さい』


ゲンドウ「なっ……どうしよう……あわわわ……! 台の中の人が怒ってるよぉ! でも、店員さんを呼ぶにしてもそこまで大きい声は出ないし……!」アセアセ


冬月「フヒッ……逃げちゃ駄目だ…………フヒヒッ」


ゲンドウ「何とかしろ、冬月!」


冬月「僕はもう……誰とも笑えません……デュフフwwww」


ゲンドウ「冬月ィィィィィィィィィィィィィィっ!!」


客「さっきからうっせぇ! おっさんども! 静かに打ちやがれ!!!」


ゲンドウ・冬月「」




30: 2012/06/09(土) 16:46:20.82 ID:rgH/JUHV0
近くの喫茶店にて


ゲンドウ「……我々は一体何をしていたのだ?」カチャ


冬月「本来はネルフの情報漏洩に関する調査をすることが目的だった」ズズー


ゲンドウ「だが気付いてみれば……我々はその目的を忘れパチOコに熱中してしまった……」


冬月「……あぁ」


ゲンドウ「エヴァンゲリオンのパチOコが何故我々のデータを持っているのか分からないが、一つ分かったことがある」


冬月「何だね、それは?」


ゲンドウ「パチOコは人を駄目にするということだ。時間を失い、金も搾取され、タバコを吸いながら騒音の中で、ただ画面の出来事に右往左往して……なんて虚しいんだ。各地でパチOコを無くした方が良いと言う声が上がるのも納得出来る」


冬月「…………確かにな。今回ばかりはお前の意見に賛同するよ」


ゲンドウ「……だから、壊そう」


冬月「は…………?」


ゲンドウ「もう我々のようにパチOコに人生を搾取される人間を見たくない。だから、エヴァを使って全面的にパチOコ屋を閉鎖させる」


冬月「あの後単発を引いた上で1500ハマりして悔しい気持ちは分かるが……正気か?」


ゲンドウ「それは関係ない。私は私怨だけでそのような愚行はしない」キリッ


冬月「私にはそれが理由の大部分を占めていると思うのだが」

32: 2012/06/09(土) 16:57:04.34 ID:rgH/JUHV0
ゲンドウ「ち、違うもん……! 負けた腹いせとかじゃないもん!」ソワソワ


冬月「そのキャラをすぐにやめるか? それともこの湯気が出ているコーヒーを頭から被るか?」


ゲンドウ「とにかく……これは司令である私の命令だ。誰にも邪魔はさせん。冬月、携帯でレイに代わってくれ。彼女にパチOコ屋殲滅作戦を実行させる」キリッ


冬月「バカなことを……。そんなくだらん理由で彼女が零号機に乗る訳がないだろう」


ゲンドウ「大丈夫だ。策はちゃんとある」


冬月「…………策だと?」


ゲンドウ「あぁ。レイには、パチOコ屋がシンジのプライバシーを侵害して盗撮していることを伝える」


冬月「貴様……正気の沙汰か?」


ゲンドウ「私は冗談など言わん。そして、その報告を聞いたレイは私が命令しなくても喜んでパチOコに関連する会社を次々と破壊する。最高に有意義な作戦だ」


冬月「そのことで彼女が酷い非難を浴びたらどうするんだ?」


ゲンドウ「使えなくなったら切り捨てるまでだ」


冬月「最低だな、あんた」

33: 2012/06/09(土) 17:08:07.21 ID:rgH/JUHV0
ゲンドウ「冬月、私のことをなんと蔑もうとも構わない。だが、これだけははっきりと言っておく」


冬月「……なんだね?」


ゲンドウ「その為のネルフです」


冬月「お前なんか世界で一番惨い方法で氏んでしまえ」


ゲンドウ「なら、我々はどうすればいい? 我々は後八体のパチを倒さねばならん」


冬月「何だよ、八体のパチって。使徒みたいに言うんじゃない」


ゲンドウ「だが、確かに愛しのレイが傷付くのは芳しくない。やはり、他の方法で行こう」


冬月「やはり、もう一度あの店に戻って調査を続けよう。ただし、我々は打たずに人が打っているのを観察するんだ。そうすれば、熱くならずに冷静に物事を判断出来る」


ゲンドウ「冬月のくせになかなか良い考えだ。仕方ない、老人の言う事を素直に聞きますか」ヤレヤレ


冬月「ヤレヤレ系はマジでやめろ。マジで一番嫌いなやつだから」

34: 2012/06/09(土) 17:17:36.87 ID:rgH/JUHV0
ウィーン


がちゃがちゃがちゃがちゃ!!


ゲンドウ「やはりこの音は慣れないものだな」


冬月「さて……見張る台を決めるか」


ゲンドウ「そうだな……あのドル箱を大量に積んでいる女性はどうだ?」


冬月「私は誰でも構わんよ。だが、凄いな。もう20箱は余裕で超えている」


ゲンドウ「少し参考にさせてもらおう」スタスタ


???「あー……肩だる。ったく、この店どんだけ釘閉めてんだよ。時短中に上皿無くなるとか舐めてんのか」


ゲンドウ・冬月「ん?」


???「……おい、そこの坊主! 早くドル箱変えてくれないかなぁ? 私はずっと待ってんのに何ちんたらしてんだよ!」ドンッ!


店員「あ、す、すいません!」ササッ


ゲンドウ・冬月「あれって…………」


???「それからよー、早く灰皿んとこ掃除しろよ! ロクにタバコも吸わせてくれねぇのか、この店は! あぁん!?」ガタッ



























ゲンドウ・冬月「伊吹二尉じゃないか」

35: 2012/06/09(土) 17:24:41.35 ID:rgH/JUHV0
ゲンドウ「伊吹二尉は真面目で優しくて清潔感のある女性だと私は聞いていたが……?」


冬月「あぁ。今の彼女にその面影は皆無だ。まさか……スモーカーの上にパチンカーだとは誰しも予想出来まい」


ゲンドウ「……我々は踏み入れてはならない聖域に足を入れてしまったようだ」


冬月「あぁ、そうだな」


ゲンドウ「ネルフで働く者として、やはりパチンカスの職員を放っておくことは許されない」


冬月「やはりここは注意するしかないだろう」


ゲンドウ「では先生、後の事はよろしくお願いします」スタスタ


冬月「だから逃げるなお前は。司令である貴様の仕事だぞ」ガシッ


ゲンドウ「えぇ!? だってチョーだりーじゃん! あんな荒れてる女に声掛けるなんてマジ有り得ないんだけどー!」


冬月「今回ばかりは私も断る」

36: 2012/06/09(土) 17:39:08.05 ID:rgH/JUHV0
マヤ「ったく……イライラして仕方ねぇっての」プハー


マヤ「せっかく日ごろの超おもんないネルフの仕事を終えてパチ屋に来たのによぉ、店員が糞で釘も糞とかマジねぇわ!」


ゲンドウ「ちょっ、我々だって必氏に考えてるのに、面白くないとか言っちゃてるよ、あの子」


冬月「もはや別人だな」


マヤ「大体、なんだよあのオッサンは! 皆から加齢臭がするってバカにされてんのに偉そうな顔して来やがって……冬田だか冬野だか知らねぇけど、マジで早く氏んでくれないかなぁ!」


冬月「」


ゲンドウ「ふ、冬月……泣くな! 加齢臭なんて誰もが通る道。悲しむ事はないぞ!」アセアセ


マヤ「司令も司令であの変なサングラスかけて毎日偉そうにしやがって……一回あいつのサングラス割ってやろうか! でも、そんなことしたら更に不気味になって仕事中に笑いが耐えられなくなるから駄目か! あははは!」プハー


ゲンドウ「」


冬月「な、泣くな、碇! あ、あれだぞ? 皆はなんて言ってるかしらないけど、私は貴様のサングラスを取った顔も嫌いじゃないぞ?」アセアセ


マヤ「てか、あのオッサンどもは気付いてねぇかもしれないけど、人類補完計画のことはネルフ中の奴全員知ってるんだよ!」


ゲンドウ・冬月「」


マヤ「だって私が情報をハッキングして皆に漏らしてるんだから、知らない奴はいねぇよって話だわ。それだけじゃなくて、毎日あいつらがこそこそ話してることも丸聞こえだっつーの!」


ゲンドウ・冬月「」

38: 2012/06/09(土) 17:58:48.01 ID:rgH/JUHV0
マヤ「しっかしまぁ、こんなところでストレス解消でもやってないとやってらんないよねー。皆の前の私は真面目キャラで通っちゃってるし、冬下の野郎は臭いし」


冬月「」グスッ


ゲンドウ「どうやらネルフの情報が外に漏れていたのは彼女が原因だったようだな。しかし、彼女は我々の情報を手にしていてこちらからは下手に動けん。我々は一体どうしたらいいと思う、冬下」


冬月「まずは冬月と呼べばいいと思う」


マヤ「けど、どうしてリツコ先輩はあのオッサンどもをハッキングするように言ってたんだろう。あんなクズどもなんてどうだっていいのに」プハー


ゲンドウ「赤木君だと……! 前々から違和感は感じていたが、やはり彼女が裏で手を引いていたのか」ギリッ


冬月「とにかく、今は伊吹二尉を取り締まって詳しい情報を聞き出すべきだ。行け、碇」


ゲンドウ「先生、私はやはり先生を前にしては無力も当然です。ここは、もう全て尊敬出来るあなたに任せます」


冬月「心にも思ってないことを言うな、気持ち悪い」

39: 2012/06/09(土) 18:08:07.75 ID:rgH/JUHV0
マヤ「あ、また金枠外しやがった。遠隔まじ乙」


チョンチョン←マヤの肩に何か当たる音


マヤ「ったく、セリフ予告にサングラスが出て来たから不安だったけど、アイツはまじでダメだな。そりゃシンジ君も罵倒したくなるわ」


ちょんちょん


マヤ「おい、さっきから私の肩を叩いてるのは誰なん……」バッ


ゲンドウ「私だ」


マヤ「………………」


ゲンドウ「今日は玉も出ているし、好調のようだな」


マヤ「あ、碇司令じゃないですか! これは違うんですよー! 私はただ友達に頼まれて仕方なく代わりに打たされてるだけで……!」アセアセ


ゲンドウ「私のサングラスを割っても良いんだぞ、伊吹二尉」


マヤ「」


冬月「勝ったな」


ゲンドウ「あぁ」キリッ

40: 2012/06/09(土) 18:26:18.13 ID:rgH/JUHV0
喫茶店にて


マヤ「あの、冬中さん」


冬月「冬月だ」


マヤ「ここの会計はぜひ私に支払わせて下さい」


ゲンドウ「当然だ」


マヤ「なので、このことは誰にも言わないで下さい! 隠してることは全ていいますから! お願いします!」バッ


ゲンドウ「それは土下座のつもりかね?」


マヤ「はい!」


ゲンドウ「…………冬月」


冬月「……何だ?」


ゲンドウ「焼き土下座強制装置をここに持って来てくれ」


冬月「カイジの読み過ぎだ、貴様は。そんなものある訳ないだろう」

41: 2012/06/09(土) 18:34:33.80 ID:rgH/JUHV0
冬月「彼女もこうして大いに反省している。それに免じて、ここ一年間の給料全面カットと、三年間の外出禁止令といったところで許してやったらどうだ」


マヤ「ふぇぇ!? それはいくらなんでも酷過ぎますよ!」ガタッ


ゲンドウ「だまれっ!」ガンッ!


マヤ「ひぃ!?」


ゲンドウ「オッサンをバカにした罪は重い! 冬月の加齢臭はともかく、私の素顔をバカにするとは言語道断だ!」


冬月「いや、そこは私の分も否定してくれ」


ゲンドウ「とにかく、今後の処置はともかく知っている事はきっちり洗いざらい吐いてもらおうか」


マヤ「はい、分かりました…………」グスッ


冬月「あと、ふぇぇとかグスッとか言ってるが、我々はもうお前のその可愛い子ぶった姿を信用しないからな」


マヤ「ちっ」


冬月「あからさまに舌打ちするのもやめろ」

42: 2012/06/09(土) 18:49:56.80 ID:rgH/JUHV0
ゲンドウ「まず、我々のことをハッキングして会話や行動を把握していたのは本当なのかね?」


マヤ「はい、本当です」


冬月「では、その情報をパチOコメーカーの会社に売ったのも君なのかね?」


マヤ「それは違います! 私はネルフ以外の人間には情報を一切外に出していません!」ガタッ


冬月「本当か? 嘘だったら私の臭いを無理矢理嗅がせるぞ」


マヤ「本当だって言ってるだろうが! お前は耳が遠いのかよ、コラぁ!」バンッ


ゲンドウ「どうやら本当のようだな」


冬月「あぁ。だが、そうなると我々の情報を外に漏らしたのは誰だ?」


ゲンドウ「やはり、赤木君ではないか? 伊吹二尉にハッキングをさせたのも赤木君だしな」


マヤ「それは違うと思いますよ」


ゲンドウ・冬月「なんだって?」


マヤ「声を合わせないで下さい。気持ち悪い」

43: 2012/06/09(土) 18:59:10.81 ID:rgH/JUHV0
マヤ「確かに先輩にハッキングするように言われましたけど、その情報をネルフの外に出すのは危険だからやめなさいって何度も言われましたから。リツコ先輩、そういう線引きはちゃんと出来ていたと思います」キリッ


ゲンドウ「偉そうに言っているが君達に非があるのには変わりないからな」


マヤ「てへっ」ペコリ


冬月「なにこいつマジで殴っていい?」イラッ
 

ゲンドウ「となると……他に情報をリークした犯人がいるということか。厄介だな」


冬月「つまりお前は赤木博士に言われて仕方なく情報をハッキングしていただけなのだな?」


マヤ「当たり前だろ! なんで私がいい年したオッサンのことなんか興味持たないといけねぇんだよ! この白髪野郎!」


冬月「なんでコイツ私にだけこんなに強気なの? いっぺん氏んどく?」


マヤ「ごめんなさい」キャピ


冬月「碇、焼き土下座強制装置を持って来てくれないか」


ゲンドウ「私が言うのもなんだが、落ち着け、冬月」

44: 2012/06/09(土) 19:10:55.19 ID:rgH/JUHV0
ゲンドウ「とにかく君が赤木君に指示されて動いていただけだと我々は判断し、出来るだけ罪は軽くしよう。君の性格に問題はあるが、組織的に問題がないので今回は特別に大目に見よう」


マヤ「本当ですか!? ありがとうございます、司令! やっぱり司令は加齢臭と違ってお優しいですね!」


冬月「なぁ、碇。やっぱりこいつ東京湾に沈めないか?」


ゲンドウ「やはり人気は老いぼれでは無く私の方にあるそうですね、冬月先生」ポンッ


冬月「貴様は後で絶対に痛い目に合わせてやるからな。覚えとけよ」


ゲンドウ「伊吹二尉、他に隠し事はないだろうな?」


マヤ「…………は、はい」キョドッ


ゲンドウ「何を隠している。吐け」


マヤ「な、なんで隠し事をしてるって分かるんですか!?」


ゲンドウ「全うな人間からキョドッといった効果音は発生しない」

46: 2012/06/09(土) 19:21:35.54 ID:rgH/JUHV0
ゲンドウ「今の我々ならもう余程のことでなければ怒らんよ。早く言いなさい」


マヤ「実はですね…………」


冬月「…………実は?」


マヤ「その……シンジ君の童Oを奪っちゃいました…………」


ゲンドウ「………………」


冬月「………………」


マヤ「………………」


ゲンドウ「…………それだけか?」


マヤ「え…………?」


ゲンドウ「最後に言いたいのはそれだけか?」スチャッ


冬月「やめろ、碇! 気持ちは分かるが、人頃しはよせ! 早くその拳銃をしまうんだ!」ガシッ


ゲンドウ「離せっ! こいつはいくら頃しても頃しきれないほどの大罪を犯したっ! 最早弁論の余地などない!」ガタガタッ


冬月「いいから落ち着けと言ってるんだ! 伊吹二尉も早く謝れ! じゃないとこの男に撃ち殺されるぞ!」


マヤ「でも、最初に襲われたのはシンジ君じゃなくて私の方です」


冬月「え?」


ゲンドウ「え?」

































冬月・ゲンドウ「…………え?」

48: 2012/06/09(土) 19:40:37.33 ID:rgH/JUHV0
ゲンドウ「な、な、何を言ってるんだい伊吹氏ぃ! シ、シ、シンジが女性を襲うような野蛮人な訳ないじゃないかーい! 少し落ち着けべきだと思うんだなぁ、ずばり!」


冬月「お前が落ち着け」


マヤ「この前、シンジ君が私のところに相談に来たんです。司令のことで悩んでいたらしくて、相当ヒステリックになってましたよ」


ゲンドウ「」


マヤ「余程溜まってたものがあったのか、シンジ君にしては感情の起伏が凄かったです。あまりにも可哀想だから、私はシンジ君を抱き締めて落ち着かせようとしました」


冬月「ふむ、続けたまえ」


マヤ「そしたら、急にシンジ君が欲情して私に襲い掛かって来たんです。中学生の時期だから仕方ないと思いますけど」


ゲンドウ「」


マヤ「シンジ君はあれを私に擦り付けて来て、すぐに射精したんです。で、我に戻ってシンジ君は私に何度も謝って来ました。日ごろの司令へのストレスで自分でも何が何だか分からなくなったって泣きながら、何回も何回も謝っていました」


ゲンドウ「」

49: 2012/06/09(土) 19:53:13.23 ID:rgH/JUHV0
マヤ「それを見て可哀想に思った私は、まだ静まらないシンジ君のアレを見て童Oを卒業させてあげようと思ったんです。お父さんのことで困った事のない私がシンジ君にしてあげられるのはそれぐらいでしたから。けど、ゴムはちゃんと付けて避妊しましたし、お互いの同意があった上での行為なので問題はないと思います」


冬月「彼女の言う事が正しいとすると、むしろ悪いのはシンジ君を悩ませた貴様じゃないのか?」


ゲンドウ「」


冬月「確かに彼女の行動も安易だったが、それも彼を思っての親切心が生んだ行動。素直に罪を認めろ、碇」


ゲンドウ「……ボソボソ」


冬月「なんだ碇、聞こえないぞ」


ゲンドウ「私はパチOコの話をしていたのに……なんでシンジのチOコの話になっているんだ! 上手く笑いを取ったつもりか、伊吹二尉!」


冬月「いや、何言ってんの、お前」


ゲンドウ「認めんぞ! シンジの相手はレイ以外に父さんは認めんからな!!」


冬月「ふん」サッ


ビリビリビリビリ←スタンガンの音


ゲンドウ「ひゃぁぁぁぁぁっぁぁあ! そこに痺れる憧れるぅぅぅぅっ!」バタリ


ゲンドウ「」


冬月「後の事は私に任せて君はもう帰りなさい」


マヤ「ありがとっ、冬咲! じゃあね!」スタスタ


冬月「…………なんかもう涙出て来たわ」

51: 2012/06/09(土) 22:00:54.16 ID:rgH/JUHV0
ネルフ司令室


ゲンドウ「よくも私にスタンガンなど使ってくれたな」


冬月「現実を見ずに暴れていたから静粛させたまでだ。今回の件は完全にお前が悪い」


ゲンドウ「……確かに彼女はシンジと性行為をした訳だが、それは恋愛感情で行ったものではなく避妊もしている。理由もちゃんとしたものだ」


冬月「そうだな」


ゲンドウ「だが……そうだと分かっていても息子の童Oを知人に奪われるのは、父親としてやはりショックだ…………」


冬月「碇…………まぁ、貴様の気持ちも分からんでもない。そう気を落とすな」


ゲンドウ「まったく……中学生のくせにあんなぴちぴちのお姉さんに童Oを奪われるなんて……うらやましい」ボソッ


冬月「さっきの私の意味のない心配を返せ」


ゲンドウ「冗談だ。あんなオッサンをバカにするギャルなど眼中にもない。私はレイたん一筋だ」


冬月「すいませーん、おまわりさーん。ここに変態がいまーす」ビシッ

52: 2012/06/09(土) 22:12:31.61 ID:rgH/JUHV0
ゲンドウ「伊吹二尉のことはもういい。問題は赤木君の目的を聞き出すことだ」


冬月「そうだな。早速彼女をここへ呼ぶか?」


ゲンドウ「いや、これ以上面々と悪口を言われると悲しくてたまらんし、賢い彼女が私達に易々とそんなことを話す訳もないだろう」


冬月「じゃあ一体どうすると言うんだ。嘘発見器でも使うのか?」


ゲンドウ「そんなバカな真似はせん。今回の任務は囮捜査だ」


冬月「囮捜査?」


ゲンドウ「あぁ。伊吹二尉に協力してもらってな、彼女に赤木博士からその情報を聞き出してもらう任務を与えたのだ。成功すればシンジとの件を許してやるという条件でな」


冬月「なるほど。確かに、ハッキングを頼んだ相手になら心を許して話をするかもしれないな。なかなか良い作戦じゃないか」


ゲンドウ「そうだろう。それに、これ以上面々と悪口を言われても悲しくてたまらんしな」キリッ


冬月「それは先程も聞いたよ。どんだけ悪口言われるのに怯えてるんだ、貴様は」

53: 2012/06/09(土) 22:24:08.83 ID:rgH/JUHV0
ゲンドウ「よし、それでは彼女に仕込んだ隠しカメラと録音機をモニターに再生しろ」キリッ


冬月「ここには私と貴様以外いないよ。機密事項の話があると言ってお前が全員部屋の外に追いやったのを忘れたか?」


ゲンドウ「オラ、そんなこと知らねぇ! それより早くつけろよ、ヤムチャ! オラ早く見たくてワクワクすっぞ!」


冬月「あんな噛ませ犬と一緒にするな。繰気弾くらわせるぞ」


ゲンドウ「そんなこと言われても、私はこのモニターの使い方など知らん。私の仕事の大半はこうやって手を組んで顔を近づけて偉そうにしてるだけだからな」


冬月「偉そうに言うな。仮にもお前は司令官なんだぞ。そんなことでは威厳が損なわれるぞ」


ゲンドウ「だから、その威厳の数値補正としてサングラスを掛けているじゃないか」


冬月「そのグラサン叩き割ってやろうか」


ゲンドウ「御託はもういいからさっさと再生しろ!」


冬月「誰のせいでこんなことになってると思ってるんだ!」

55: 2012/06/09(土) 22:40:23.65 ID:rgH/JUHV0
ポチポチ←結局ゲンドウさんが自分で付けました


ゲンドウ「よし、なんとか映ったようだな」


冬月「ここは研究室か」


リツコ『あら、マヤ。どうしたの、急に私の研究室に来て。何か用かしら?』


マヤ『べ、別に何も妖しいことはないでございますヨ!』ソワソワ


冬月「ド下手っ! なんだこの大根役者! 中学校の文化祭の劇よりも酷いじゃないか!」ガタッ


ゲンドウ「…………む、急にお腹が痛くなってきた。悪いが冬月、私の代わりに後は任せた」ササッ


冬月「待て。腹が痛い奴がどうして頭を押さえながら苦しんでいるんだ」ガシッ


ゲンドウ「だって無理じゃん!! こんな三文芝居を見せられて彼女が騙される訳ないだろ!」バンッ!


冬月「貴様が彼女に頼んだんだろうが! もうどうなっても知らないぞ!」


リツコ『そう。それで、何かしら?』


ゲンドウ「お、意外にもバレていないじゃないか」


冬月「ふぅ……彼女が鈍感で助かった」ホッ


リツコ『マヤを使ってまで私から情報を聞き出そうとしているお二人さんの要件は』ニコッ


ゲンドウ・冬月「」


57: 2012/06/09(土) 22:54:30.95 ID:rgH/JUHV0
ゲンドウ「…………」


冬月「…………」


ゲンドウ「…………冬月」


冬月「…………何だ?」


ゲンドウ「………………逃げるぞ」ササッ


冬月「私も全く同じことを考えていたところだ」ササッ


リツコ『逃げようとしても無駄ですよ。司令室の扉は全てこちらでロックさせて頂いているので、あなた達は鼠の袋です』


ゲンドウ・冬月「」


リツコ『さぁ、碇司令。答えて下さい。私から何を聞き出したかったんですか?』


ゲンドウ「……君のスリーサイズを上から順に教えてもr」モガッ


冬月「君は私達の情報を漏洩させていたそうだが、それは真実なのか?」ガシッ


リツコ『…………ええ、本当です』


マヤ『ふぇぇぇぇ!? マヤちゃんそんなこと知らずに騙されて情報漏洩に協力しちゃってたの!? うわぁ……どうしよぉ! マヤちゃん大ピーンチ!』キャピキャピ


冬月「この期に及んで自分の罪を無かったことにしてるバカ女がいるが、敢えてそこは触れないでおこう。それより、その目的は何だね?」


リツコ『復讐です』

58: 2012/06/09(土) 23:05:47.00 ID:rgH/JUHV0
ゲンドウ「復讐だと…………?」


リツコ『そうです。私はネルフ内ではそれなりに評価されていますが、その外の社会では嫌われています。そして、その原因はあなた達にあります』


冬月「いきなり何を言っているんだ。我々は君に何不自由なく研究できるように支援してきたつもりだぞ」


ゲンドウ「ヤムチャの言う通りだ」


冬月「ヤムチャって言うな!」


ゲンドウ「冬月の言う通り、我々はネルフの人間には最大限の努力はしている。感謝はされど、文句を言われる筋合いはない」キリッ


リツコ『そうじゃありません……私が欲しいのはそんな協力や名声でもありません…………』


冬月「それでは他に何を欲すると言うのだね?」


ゲンドウ「夜の営みか?」


冬月「変態はすっこんでろ」ガンッ


リツコ『キャラ位置です』


ゲンドウ・冬月「わお」

59: 2012/06/09(土) 23:19:40.39 ID:rgH/JUHV0
ゲンドウ「キャラ位置とは何だ?」


リツコ『私のネルフ内でのキャラ位置です。確かに技術や権力は申し分ありません。しかし、キャラ位置はどうでしょう。一番キャラ位置が高いのはやはりシンジ君です。そして、その順にエヴァのパイロットや父親である碇司令。その次にはシンジ君の保護者であるミサトもそこそこ高いキャラ位置を持ってます』


冬月「何故だろう……本当は分かってはいけないのだろうが、彼女の言いたい事が分かってしまう」


リツコ『しかし、私はその下です! 辛うじてマヤや冬月に勝てる程度のキャラ位置です!』


冬月「どさくさに紛れて呼び捨てするんじゃないよ」


ゲンドウ「それと我々への復讐の何が関連していると言うのだ」


リツコ『私のキャラ位置が成り立っていないのはネルフの上層部であるあなた達のせいです! これだけ研究も出来て美人な私がミサトよりも下だなんて有り得ないもの! もっと私が目立つような役割にしてくれればこんなことにはならなかった……!』


冬月「待て。話が見えないぞ。結局それを裏付けた理由は何と言うのだね?」


リツコ『どうして私はエヴァパチのキューブ予告で一番信頼度が低いんですか!?』


ゲンドウ・冬月「わーお」

60: 2012/06/09(土) 23:30:29.94 ID:rgH/JUHV0
リツコ『私の信頼度は極めて低く、その分登場頻度も多いから、多くのエヴァパチファンから嫌われてしまったんです! この責任をどうお取りになるつもりなのですか!』バンッ!


ゲンドウ「いやーそんなこと言われてもねー」


冬月「ねー」


リツコ『掲示板を見てみたら、やれリツコ地獄だ、やれ未来を担うパイロットが気付き過ぎwwwwとか、もううんざりです! 私だって好きであんな役回りをしている訳じゃないのに…………!』


ゲンドウ「まぁ、正直ちょっと納得出来るところもあるな。あの扱いは確かに酷い」


冬月「だが、キューブ予告ということは誰かが一番信頼度の低い最初をやらねばならん。その誰しもが嫌う場所を自ら進んで他の人の為に頑張っていると考えれば、君も必要とされているということだろう」


リツコ『そんな捨て駒なんて嫌です! リツコ全回転とか作られたいのよ、私は!』ガタッ


マヤ『それは流石に無理でしょ。絵的に』ボソッ


リツコ『なんですって?』ギロリ


マヤ『…………ってあの二人が言ってました』テヘペロ


冬月・ゲンドウ「!?」

61: 2012/06/09(土) 23:45:30.52 ID:rgH/JUHV0
シュン……
プシュー……


冬月「な、なんだ!? 急に真っ暗になったぞ?」


ゲンドウ「空調も止まっちゃってるよぉ……!」アセアセ


リツコ『司令室の全ての動力を落とさせて頂きました。これであなた方は完全に閉じ込められました。酸素も送り込まれないその部屋ではいずれ窒息するでしょうね』


冬月「バカな…………! 我々を[ピーーー]つもりか!?」


ゲンドウ「マジでじま?」


リツコ『私はただの捨て駒じゃありません! そこでしばらく頭を冷やして下さい!』


プツン


冬月「……通信が……途絶えた…………」


ゲンドウ「辺りは……何も見えない…………」


冬月「空気も……食料もない…………」


ゲンドウ「とどのつまり……氏あるのみ…………?」


































冬月・ゲンドウ「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ! 誰か助けてくれ!」ドンドンドンドン!

64: 2012/06/10(日) 08:04:42.09 ID:cnBPd1Bu0
シーン…………


ゲンドウ「もうどれくらい経った?」


冬月「さぁな。二時間程度じゃないか」


ゲンドウ「………………そうか」


冬月「どうした、碇。こんな状況にも関わらずやけに大人しいとはお前らしくないぞ」


ゲンドウ「仮にここで氏ぬこととなっても……我々はもうオッサンだ。十分生きたとは思わないか」


冬月「ふっ…………そう言われればそうだな」


ゲンドウ「だから………………」


冬月「だから?」


ゲンドウ「お前を冥界に葬るっ!」ググッ


冬月「いきなりどうした!? 落ち着け!」バタバタ


ゲンドウ「十分生きたでしょう、先生! ですから、早く氏んで下さい! 部屋の中の貴重な酸素を私に残して氏んでしまえ!」グッ


冬月「ふざけるな……っ! 私も貴様のようなオッサンを最後に見て氏ぬなんてご免だ!」バキッ


ゲンドウ「げふっ!」ドサッ!


冬月「あ……」


ゲンドウ「」


冬月「し、しまった。少し強く殴ってしまった。大丈夫か、碇!?」


ゲンドウ「ふふ、その程度の攻撃で私を倒すつもりだとは笑わせてくれるな小童! 私の戦闘力は50万を超えているのですよ!」ビシッ


冬月「……もっと本気で殴っとけばよかったよ」

65: 2012/06/10(日) 08:13:44.85 ID:cnBPd1Bu0
ゲンドウ「……とにかく、緊急脱出用の出口を探すしかないな。全く、いきなり発狂して襲い掛かって来るとはバカな真似を……」ポンポン


冬月「こら。記憶をすり替えるな」


ゲンドウ「だがしかし、光源が無い以上、手探りで探すしかないだろう。冬月、手分けして出口を発見するぞ」


冬月「初めからそうすれば良かったんだ」


ゲンドウ「私はこの部屋に閉じ込められた時からそう提案していたっ!」バンッ


冬月「めそめそ泣きながらシンジ君の名前を連呼していた記憶はもう貴様にはないんだな。なんて都合の良い記憶力だ」


ゲンドウ「そうだ、シンジだって私のことを心配しているに決まっている。シンジ! 父さんはここだぞ! 早く助け出してくれ!」


冬月「待て、碇。そっちに行ったら落ちてしま……!」


ゴロゴロゴロゴロ……ドシャッ


ゲンドウ「」


冬月「……もうあいつは放っておいて私一人で脱出させてもらおう。怨むなよ、碇」

66: 2012/06/10(日) 08:20:06.02 ID:cnBPd1Bu0
おしまい
エヴァ7甘打って来る。

勝てるように、ラッキーカラーの服を着て行こう!

引用元: ゲンドウ「我々がパチOコになっているだと?」 冬月「落ち着け、碇」