1: 2015/06/30(火) 20:00:45.26 ID:oOxHroLC.net
海未「え、えーと……私と統堂さんの二人で……ですか?」
英玲奈「なんだ、私とでは不満か」
海未「い、いえっ、そういうわけでは……しかし、どうして私と?」
英玲奈「ふふ、我々は歌に魂を刻む者同士。然るべく、己の見聞を広めそれを詞に変える重要性とでも言っておこうか」
海未「なるほど、わかります」
英玲奈「ふふふ、キミならそう言ってくれると思っていたよ」
海未「旅なんて秋に行った修学旅行以来です」
英玲奈「つい最近ではないか」
海未「……ですね」
英玲奈「ふふ、ということは了承してくれたと受け取ってよいのだな?」
海未「えぇ、勿論です」
英玲奈「ならばさっそく出発としよう。ところでうーちゃんは何処か行きたい所とかはあるのか?」
海未「……う、うーちゃん……もしかしてですけど、私のことですか?」
英玲奈「キミ以外にここに誰がいるというのか。おかしなことを言うやつだ。はははっ」
海未「は、はぁ……あの、統堂さ」
英玲奈「私のことは十年来の友人のように、えれぴょんと呼んでくれていいぞ」
海未「……」
英玲奈「なんだ、私とでは不満か」
海未「い、いえっ、そういうわけでは……しかし、どうして私と?」
英玲奈「ふふ、我々は歌に魂を刻む者同士。然るべく、己の見聞を広めそれを詞に変える重要性とでも言っておこうか」
海未「なるほど、わかります」
英玲奈「ふふふ、キミならそう言ってくれると思っていたよ」
海未「旅なんて秋に行った修学旅行以来です」
英玲奈「つい最近ではないか」
海未「……ですね」
英玲奈「ふふ、ということは了承してくれたと受け取ってよいのだな?」
海未「えぇ、勿論です」
英玲奈「ならばさっそく出発としよう。ところでうーちゃんは何処か行きたい所とかはあるのか?」
海未「……う、うーちゃん……もしかしてですけど、私のことですか?」
英玲奈「キミ以外にここに誰がいるというのか。おかしなことを言うやつだ。はははっ」
海未「は、はぁ……あの、統堂さ」
英玲奈「私のことは十年来の友人のように、えれぴょんと呼んでくれていいぞ」
海未「……」
10: 2015/06/30(火) 20:07:08.19 ID:oOxHroLC.net
英玲奈「どうした? うーちゃん」
海未「え、え……えれっ……ぴょ」
英玲奈「冗談だ」
海未「ですよね……」
英玲奈「キミが緊張しているのが手に取るようにわかってな、少し悪戯させてもらった」
海未「統堂さん…」
英玲奈「さぁ行くぞ。園田」
海未「はい。あ…」
英玲奈「どうした?」
海未「いえ、その……急だったものでまだ準備が…」
英玲奈「そうか、ならば私はここで待っているから早く仕度を整えてくるといい」
海未「そんな、上がってください。古びた家ですが」
英玲奈「すまんな。ではお言葉に甘えるとしよう」
海未「はい、こちらへ」
英玲奈「失礼する」
海未「え、え……えれっ……ぴょ」
英玲奈「冗談だ」
海未「ですよね……」
英玲奈「キミが緊張しているのが手に取るようにわかってな、少し悪戯させてもらった」
海未「統堂さん…」
英玲奈「さぁ行くぞ。園田」
海未「はい。あ…」
英玲奈「どうした?」
海未「いえ、その……急だったものでまだ準備が…」
英玲奈「そうか、ならば私はここで待っているから早く仕度を整えてくるといい」
海未「そんな、上がってください。古びた家ですが」
英玲奈「すまんな。ではお言葉に甘えるとしよう」
海未「はい、こちらへ」
英玲奈「失礼する」
15: 2015/06/30(火) 20:17:54.17 ID:oOxHroLC.net
英玲奈「……風情のある家だ。初めて足を踏み入れたというのに不思議と心が落ち着く」
英玲奈「詞はその者の心を映す鏡というが、まったくその通りだな。ふふっ」
海未「お待たせして申し訳ありません」
英玲奈「いや、渋味のきいた良い茶を楽しんでいたのであっという間だったぞ。御馳走になったな」
海未「喜んで頂けて嬉しいです。母がよく買ってくる品なのですが、私も気に入っており」
英玲奈「なるほど、母君が。その母君はご在宅か?」
海未「いえ、この時間は家に私しか居らず」
英玲奈「そうか、是非礼をと思ったのだが残念だ」
海未「私から伝えておきます」
英玲奈「すまんな、では頼んだ」
英玲奈「詞はその者の心を映す鏡というが、まったくその通りだな。ふふっ」
海未「お待たせして申し訳ありません」
英玲奈「いや、渋味のきいた良い茶を楽しんでいたのであっという間だったぞ。御馳走になったな」
海未「喜んで頂けて嬉しいです。母がよく買ってくる品なのですが、私も気に入っており」
英玲奈「なるほど、母君が。その母君はご在宅か?」
海未「いえ、この時間は家に私しか居らず」
英玲奈「そうか、是非礼をと思ったのだが残念だ」
海未「私から伝えておきます」
英玲奈「すまんな、では頼んだ」
16: 2015/06/30(火) 20:26:46.44 ID:oOxHroLC.net
英玲奈「では行くとするか」
海未「はい。目的地は何処なのですか?」
英玲奈「目的地か……そんなものはない」
海未「ない、とは…?」
英玲奈「目標を定め、それに向かって進むのも結構だが、たまには自由気まま風に身を任せてみるというのも悪くはないと思うが」
海未「風に……なるほど、わかります」
英玲奈「ふふ、ならば目を閉じ風を感じてみるとしようではないか」
海未「はい」
英玲奈「……」
海未「……」
英玲奈「……どうだ? 園田」
海未「……はい、頬を撫でるそよ風が心地好いです」
英玲奈「……私も同じだ」
海未「……これが風を感じるということなのですね」
英玲奈「……すぅーっと体内まで清められている感覚になるな」
海未「……はい」
海未「はい。目的地は何処なのですか?」
英玲奈「目的地か……そんなものはない」
海未「ない、とは…?」
英玲奈「目標を定め、それに向かって進むのも結構だが、たまには自由気まま風に身を任せてみるというのも悪くはないと思うが」
海未「風に……なるほど、わかります」
英玲奈「ふふ、ならば目を閉じ風を感じてみるとしようではないか」
海未「はい」
英玲奈「……」
海未「……」
英玲奈「……どうだ? 園田」
海未「……はい、頬を撫でるそよ風が心地好いです」
英玲奈「……私も同じだ」
海未「……これが風を感じるということなのですね」
英玲奈「……すぅーっと体内まで清められている感覚になるな」
海未「……はい」
18: 2015/06/30(火) 20:40:18.58 ID:oOxHroLC.net
海未「……」
英玲奈「……園田」
海未「……はい」
英玲奈「……キミの瞼の裏側にはどんな景色が広がっている?」
海未「……そうですね、木に色付いた木の葉が穏やかな風に揺られています」
英玲奈「……私には海が見える」
海未「海、ですか……?」
英玲奈「……あぁ、海といっても綺麗な白い砂浜ではなく、テトラポットだがな」
海未「……それも、充分に風情があると思います」
英玲奈「……そうだな」
海未「……はい」
英玲奈「……このまま陽が沈むまでこうしていたいのだが、それだとあまりにもキミに申し訳無いな」
海未「……そんなことありませんよ、私もこうして心を落ち着かせ、精神を研ぎ澄ますことは好きですから」
英玲奈「ははは、しかしせっかくだ、何処かまだ訪れたことのない地で新しい発見をしようと思うのだが嫌か?」
海未「まさか、喜んで御一緒させて頂きます」
英玲奈「うむ」
英玲奈「……園田」
海未「……はい」
英玲奈「……キミの瞼の裏側にはどんな景色が広がっている?」
海未「……そうですね、木に色付いた木の葉が穏やかな風に揺られています」
英玲奈「……私には海が見える」
海未「海、ですか……?」
英玲奈「……あぁ、海といっても綺麗な白い砂浜ではなく、テトラポットだがな」
海未「……それも、充分に風情があると思います」
英玲奈「……そうだな」
海未「……はい」
英玲奈「……このまま陽が沈むまでこうしていたいのだが、それだとあまりにもキミに申し訳無いな」
海未「……そんなことありませんよ、私もこうして心を落ち着かせ、精神を研ぎ澄ますことは好きですから」
英玲奈「ははは、しかしせっかくだ、何処かまだ訪れたことのない地で新しい発見をしようと思うのだが嫌か?」
海未「まさか、喜んで御一緒させて頂きます」
英玲奈「うむ」
22: 2015/06/30(火) 20:58:36.64 ID:oOxHroLC.net
海未「…こうしてゆっくりと歩いていると身近なところにも普段目にしないモノが見つかりますね」
英玲奈「何を見つけたんだ?」
海未「あの塀のヒビは幼い時分に穂乃果が勢いあまって頭から衝突した時のものです」
英玲奈「ふふ、相当な跡が残っているが大丈夫だったのか?」
海未「えぇ、穂乃果は石頭ですから寧ろ塀の方が心配で」
英玲奈「ははは、そういえばうちにも石頭がいたな」
海未「綺羅さんですか?」
英玲奈「ご名答。まぁ別の意味だが、アイツはこうと決めたら意地でも曲げない性格でな、私も苦労している」
海未「ふふふ」
英玲奈「さて、駅に着いたが」
海未「切符ですね、えぇと……何処まで買えば……」
英玲奈「ふふ…、これ、園田の分の切符だ」
海未「用意しておいてくれたのですか、ありがとうございます。いくら払えば…」
英玲奈「不要だ」
海未「そういうわけには…」
英玲奈「誘ったのは私の方だろう? これくらい見栄を張らせてくれ」
海未「し、しかし……いえ、ありがとうございます。有り難く頂戴します」
英玲奈「うむ。さぁ旅の始まりだ」
海未「わくわくします」
英玲奈「ふふ、私もだ」
英玲奈「何を見つけたんだ?」
海未「あの塀のヒビは幼い時分に穂乃果が勢いあまって頭から衝突した時のものです」
英玲奈「ふふ、相当な跡が残っているが大丈夫だったのか?」
海未「えぇ、穂乃果は石頭ですから寧ろ塀の方が心配で」
英玲奈「ははは、そういえばうちにも石頭がいたな」
海未「綺羅さんですか?」
英玲奈「ご名答。まぁ別の意味だが、アイツはこうと決めたら意地でも曲げない性格でな、私も苦労している」
海未「ふふふ」
英玲奈「さて、駅に着いたが」
海未「切符ですね、えぇと……何処まで買えば……」
英玲奈「ふふ…、これ、園田の分の切符だ」
海未「用意しておいてくれたのですか、ありがとうございます。いくら払えば…」
英玲奈「不要だ」
海未「そういうわけには…」
英玲奈「誘ったのは私の方だろう? これくらい見栄を張らせてくれ」
海未「し、しかし……いえ、ありがとうございます。有り難く頂戴します」
英玲奈「うむ。さぁ旅の始まりだ」
海未「わくわくします」
英玲奈「ふふ、私もだ」
24: 2015/06/30(火) 21:17:48.42 ID:oOxHroLC.net
英玲奈「がたんごとん、がたんごとん」
海未「……?」
英玲奈「がたんごとん、がたんごとん」
海未「……?」
英玲奈「がたんごと……不思議そうな顔をしてどうした? 酔ってしまったか?」
海未「い、いえ…、統堂さんから車両が歪むような音が聴こえてきたので」
英玲奈「あぁこれか…、私は昔からこの音が好きでな。先程の風の件と同じでどんな場所でも感じる癖がついてしまったのだ」
海未「感じる癖……?」
英玲奈「今、私はこの車両と一体化している」
海未「い、一体化…?」
英玲奈「目を閉じ、鼓動を聴くのだ。機械といえど活動しているモノには等しく命が宿っている」
海未「なるほど」
英玲奈「園田もどうだ? 目を閉じて足の裏から鼓動を、声を感じるのだ」
海未「はい…」
英玲奈「がたんごとん、がたんごとん」
海未「……がたんごとん、がたんごとん」
英玲奈「ふふ、出来るじゃないか」
海未「これが命の音……」
海未「……?」
英玲奈「がたんごとん、がたんごとん」
海未「……?」
英玲奈「がたんごと……不思議そうな顔をしてどうした? 酔ってしまったか?」
海未「い、いえ…、統堂さんから車両が歪むような音が聴こえてきたので」
英玲奈「あぁこれか…、私は昔からこの音が好きでな。先程の風の件と同じでどんな場所でも感じる癖がついてしまったのだ」
海未「感じる癖……?」
英玲奈「今、私はこの車両と一体化している」
海未「い、一体化…?」
英玲奈「目を閉じ、鼓動を聴くのだ。機械といえど活動しているモノには等しく命が宿っている」
海未「なるほど」
英玲奈「園田もどうだ? 目を閉じて足の裏から鼓動を、声を感じるのだ」
海未「はい…」
英玲奈「がたんごとん、がたんごとん」
海未「……がたんごとん、がたんごとん」
英玲奈「ふふ、出来るじゃないか」
海未「これが命の音……」
25: 2015/06/30(火) 21:26:54.17 ID:oOxHroLC.net
海未「がたんごとん、がたんごとん」
英玲奈「がたんごとん、がたんごとん」
海未「がたんごとん、がたんごとん」
英玲奈「お、席が空いたな。あそこへ座るとするか」
海未「がたんごとん、がたんごとん」
英玲奈「園田、向こうへ…」
海未「がたんごとん、がたんごとん」
英玲奈「……ふふ」
海未「がたんごとん、がたんごとん……この歪み、聴けば聴くほど神秘的に……あれ? 統堂さん……?」
英玲奈「園田」
海未「あ…」
英玲奈「こっちだ」
海未「もう……置いていかないでください……」
英玲奈「邪魔をするのも悪いと思ってな」
英玲奈「がたんごとん、がたんごとん」
海未「がたんごとん、がたんごとん」
英玲奈「お、席が空いたな。あそこへ座るとするか」
海未「がたんごとん、がたんごとん」
英玲奈「園田、向こうへ…」
海未「がたんごとん、がたんごとん」
英玲奈「……ふふ」
海未「がたんごとん、がたんごとん……この歪み、聴けば聴くほど神秘的に……あれ? 統堂さん……?」
英玲奈「園田」
海未「あ…」
英玲奈「こっちだ」
海未「もう……置いていかないでください……」
英玲奈「邪魔をするのも悪いと思ってな」
30: 2015/06/30(火) 21:45:35.42 ID:oOxHroLC.net
海未「都会を離れるとこんなにも緑が広がっているのですね」
英玲奈「畑を耕している人が見えるな。手を振ってみよう」
海未「気付いてくれるでしょうか…」
英玲奈「ほら、こちらを見ている。今だ、園田」
海未「わ、私ですか…? おーい、おーい」
英玲奈「おーい、おーい」
海未「見事に顔を逸らされましたね……恥ずかしいです……」
英玲奈「ははは、よくあることだ」
海未「…まぁ旅の恥は書き捨てと言いますから」
英玲奈「そういうことだ」
英玲奈「そんなことよりトランプでもしないか?」
海未「唐突ですね」
英玲奈「旅とトランプは切っても切り離せない関係にあるのだ」
海未「わかります」
英玲奈「二人でできるものといったら……よし、ババ抜きをしよう」
海未「ババ抜きですか……私、結構強いのですが大丈夫ですか……?」
英玲奈「ふふふ、奇遇にも私も負けた記憶が数えるくらいしかない。面白い勝負になりそうだな」
英玲奈「畑を耕している人が見えるな。手を振ってみよう」
海未「気付いてくれるでしょうか…」
英玲奈「ほら、こちらを見ている。今だ、園田」
海未「わ、私ですか…? おーい、おーい」
英玲奈「おーい、おーい」
海未「見事に顔を逸らされましたね……恥ずかしいです……」
英玲奈「ははは、よくあることだ」
海未「…まぁ旅の恥は書き捨てと言いますから」
英玲奈「そういうことだ」
英玲奈「そんなことよりトランプでもしないか?」
海未「唐突ですね」
英玲奈「旅とトランプは切っても切り離せない関係にあるのだ」
海未「わかります」
英玲奈「二人でできるものといったら……よし、ババ抜きをしよう」
海未「ババ抜きですか……私、結構強いのですが大丈夫ですか……?」
英玲奈「ふふふ、奇遇にも私も負けた記憶が数えるくらいしかない。面白い勝負になりそうだな」
35: 2015/06/30(火) 21:56:15.04 ID:oOxHroLC.net
英玲奈「いざ尋常に」
海未「勝負です」
海未「むむむむ……っ」
英玲奈「こっちか…」
海未「うあぁぁっ……!!」
英玲奈「ふむ……、ならばこちらか」
海未「ほっ……」
英玲奈(可愛いやつだ。初戦は華を持たせてやるとするか)
英玲奈「こちらがババだな」
海未「ふふっ」
海未「私の勝ちですね」
英玲奈「なかなかやるではないか。次こそは勝つ」
海未(手札は残り一枚……ここで統堂さんからババじゃないカードを引けば私の連勝です)
英玲奈「ふふっ」
海未「……こちらでしょうか」
英玲奈「ふふ…」
海未「いや、こちらが怪しい…」
英玲奈「や、やめろおおぉぉ……」
海未「……」
海未(全部表情に出るなんて素直な人ですね……しかし勝負は勝負、容赦はしません)
海未「えいっ」
英玲奈「うわああぁぁぁ!!」
海未「またしても私の勝ちですね」
海未「勝負です」
海未「むむむむ……っ」
英玲奈「こっちか…」
海未「うあぁぁっ……!!」
英玲奈「ふむ……、ならばこちらか」
海未「ほっ……」
英玲奈(可愛いやつだ。初戦は華を持たせてやるとするか)
英玲奈「こちらがババだな」
海未「ふふっ」
海未「私の勝ちですね」
英玲奈「なかなかやるではないか。次こそは勝つ」
海未(手札は残り一枚……ここで統堂さんからババじゃないカードを引けば私の連勝です)
英玲奈「ふふっ」
海未「……こちらでしょうか」
英玲奈「ふふ…」
海未「いや、こちらが怪しい…」
英玲奈「や、やめろおおぉぉ……」
海未「……」
海未(全部表情に出るなんて素直な人ですね……しかし勝負は勝負、容赦はしません)
海未「えいっ」
英玲奈「うわああぁぁぁ!!」
海未「またしても私の勝ちですね」
39: 2015/06/30(火) 22:07:47.91 ID:oOxHroLC.net
英玲奈「私が負けるとは……」
海未「すみません、勝負事においては手加減が出来ない性格ゆえ…」
英玲奈「手加減など不要、次こそは必ず勝つ」
英玲奈(よし、手札にババはない……これで勝利は約束されたようなものだ)
英玲奈「こちらがババだな……?」
海未「ほっ…」
英玲奈「ならばこちらだ!」
海未「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」
英玲奈「これで私の勝利だ」
海未「も、もう一度ですっ!!」
英玲奈「いいだろう、受けてたつ」
海未(ババを持っていれば負けてしまうのも仕方ありません……しかし、持っていない以上は私には必勝法がある)
海未「ふふふ…」
英玲奈「や、やめろ……やめろぉぉ……」
海未「これです! えいっ」
英玲奈「うわああぁぁぁ!!」
英玲奈「これだ!」
海未「ひやゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
海未「これです!」
英玲奈「ぎゃあああああああ!!」
英玲奈「これだぁ!!」
海未「うあああぁぁぁぁぁぁ!!」
海未「すみません、勝負事においては手加減が出来ない性格ゆえ…」
英玲奈「手加減など不要、次こそは必ず勝つ」
英玲奈(よし、手札にババはない……これで勝利は約束されたようなものだ)
英玲奈「こちらがババだな……?」
海未「ほっ…」
英玲奈「ならばこちらだ!」
海未「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」
英玲奈「これで私の勝利だ」
海未「も、もう一度ですっ!!」
英玲奈「いいだろう、受けてたつ」
海未(ババを持っていれば負けてしまうのも仕方ありません……しかし、持っていない以上は私には必勝法がある)
海未「ふふふ…」
英玲奈「や、やめろ……やめろぉぉ……」
海未「これです! えいっ」
英玲奈「うわああぁぁぁ!!」
英玲奈「これだ!」
海未「ひやゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
海未「これです!」
英玲奈「ぎゃあああああああ!!」
英玲奈「これだぁ!!」
海未「うあああぁぁぁぁぁぁ!!」
42: 2015/06/30(火) 22:12:43.84 ID:oOxHroLC.net
英玲奈「はぁ……はぁ……」
海未「はぁっ……はぁっ……」
英玲奈「まったくの互角とは…」
海未「さすが統堂さん……やりますね……」
英玲奈「トランプは疲れるからやめにしよう…」
海未「……ですね」
英玲奈「気付けば終点らしいな、降りてみるぞ」
海未「はい、ここ何処です……?」
英玲奈「さぁな、ただこれだけはわかる」
海未「……?」
英玲奈「……随分と、遠い所へ来てしまったみたいだ」
海未「なるほど、しかし空気が澄んでいて美味しいですね」
英玲奈「あぁ、長時間電車に乗っていたから尚更だな」
海未「少し歩いてみましょうか」
英玲奈「うむ」
海未「はぁっ……はぁっ……」
英玲奈「まったくの互角とは…」
海未「さすが統堂さん……やりますね……」
英玲奈「トランプは疲れるからやめにしよう…」
海未「……ですね」
英玲奈「気付けば終点らしいな、降りてみるぞ」
海未「はい、ここ何処です……?」
英玲奈「さぁな、ただこれだけはわかる」
海未「……?」
英玲奈「……随分と、遠い所へ来てしまったみたいだ」
海未「なるほど、しかし空気が澄んでいて美味しいですね」
英玲奈「あぁ、長時間電車に乗っていたから尚更だな」
海未「少し歩いてみましょうか」
英玲奈「うむ」
44: 2015/06/30(火) 22:27:20.52 ID:oOxHroLC.net
海未「……」
英玲奈「……自然が豊かな場所だ」
海未「そうですね」
英玲奈「お、あんな所に売店があるぞ」
海未「丁度喉が乾いてきたところでした、行ってみましょう」
英玲奈「おぉ…」
海未「統堂さん?」
英玲奈「見てみろ、園田。焼きとうもろこしが売ってある」
海未「ですね」
英玲奈「おぉ……美味しそうだな……」
海未「はい」
英玲奈「焦げた醤油の香ばしい匂いが食欲をそそる……」
海未「そそりますね」
英玲奈「美味しそうだな……美味しいのだろうなぁ……」
海未「……あ、あの……買えばいいのでは?」
英玲奈「うむ、そうしよう。園田も買うか?」
海未「私は、そちらにあるところてんが気になってまして」
英玲奈「ところてんも美味しそうだ」
海未「では、焼きとうもろこしとところてんを、あと飲み物は」
英玲奈「茶を」
海未「では私も同じものを」
英玲奈「……自然が豊かな場所だ」
海未「そうですね」
英玲奈「お、あんな所に売店があるぞ」
海未「丁度喉が乾いてきたところでした、行ってみましょう」
英玲奈「おぉ…」
海未「統堂さん?」
英玲奈「見てみろ、園田。焼きとうもろこしが売ってある」
海未「ですね」
英玲奈「おぉ……美味しそうだな……」
海未「はい」
英玲奈「焦げた醤油の香ばしい匂いが食欲をそそる……」
海未「そそりますね」
英玲奈「美味しそうだな……美味しいのだろうなぁ……」
海未「……あ、あの……買えばいいのでは?」
英玲奈「うむ、そうしよう。園田も買うか?」
海未「私は、そちらにあるところてんが気になってまして」
英玲奈「ところてんも美味しそうだ」
海未「では、焼きとうもろこしとところてんを、あと飲み物は」
英玲奈「茶を」
海未「では私も同じものを」
46: 2015/06/30(火) 22:41:25.81 ID:oOxHroLC.net
英玲奈「焼きとうもろこしとところてんを。それと茶を二つ」
海未「ところてん冷たくてちゅるちゅるしてて美味しいです」
英玲奈「私の焼きとうもろこしも味が染みていて美味いぞ」
海未「ふふ、こちらにまで良い香りが届いてきてますよ」
英玲奈「園田も食べるか?」
海未「よいのですか? では一口だけ……はむっ」
英玲奈「どうだ? 美味しいだろう?」
海未「はふっ…はふっ……ふぁい……かじった瞬間に甘さが広がって……口の中がとうもろこし畑になったみたいです」
英玲奈「帰ったらとうもろこし農家の方々に感謝の手紙でも送るとしよう」
海未「私も是非書かせてください」
英玲奈「うむ、想いを言葉にするのが我々の役目、きっと届くだろう」
海未「はい、あ……ところてん食べます?」
英玲奈「頂こう……ちゅるちゅる……んくっ……美味いな! 焼きとうもろこしなんかよりずっとずっと美味いぞ!」
海未「タレの加減とか絶妙ですよね」
英玲奈「とうもろこし農家なんかよりもところてん農家の方々に感謝の手紙を送ることにしよう」
海未「両方に送ればよいのでは…?」
英玲奈「なるほど」
海未「ところてん冷たくてちゅるちゅるしてて美味しいです」
英玲奈「私の焼きとうもろこしも味が染みていて美味いぞ」
海未「ふふ、こちらにまで良い香りが届いてきてますよ」
英玲奈「園田も食べるか?」
海未「よいのですか? では一口だけ……はむっ」
英玲奈「どうだ? 美味しいだろう?」
海未「はふっ…はふっ……ふぁい……かじった瞬間に甘さが広がって……口の中がとうもろこし畑になったみたいです」
英玲奈「帰ったらとうもろこし農家の方々に感謝の手紙でも送るとしよう」
海未「私も是非書かせてください」
英玲奈「うむ、想いを言葉にするのが我々の役目、きっと届くだろう」
海未「はい、あ……ところてん食べます?」
英玲奈「頂こう……ちゅるちゅる……んくっ……美味いな! 焼きとうもろこしなんかよりずっとずっと美味いぞ!」
海未「タレの加減とか絶妙ですよね」
英玲奈「とうもろこし農家なんかよりもところてん農家の方々に感謝の手紙を送ることにしよう」
海未「両方に送ればよいのでは…?」
英玲奈「なるほど」
50: 2015/06/30(火) 23:03:13.50 ID:oOxHroLC.net
英玲奈「ごちそうさま」
海未「ご馳走さまでした」
英玲奈「腹が満たされれば再び活力が湧いてくる。今ならあの高い山だって登れそうだ」
海未「山……登ってみましょう」
英玲奈「おいおい、冗談だぞ。そこそこ高い山だし、今からでは日暮れまでに…」
海未「そう、ですよね……」
英玲奈「……冗談だ」
海未「はい、わかってます……ではあちらの水辺の方にでも」
英玲奈「何を言っている? あの山に登るのだろう?」
海未「え? でも、今…」
英玲奈「冗談だと言ったのが冗談だ。あの頂上から見る景色はさぞ気持ちが良いものなのだろうな」
海未「統堂さん…」
英玲奈「何を呆けている、早々に登らなくては日暮れまでに下山出来なくなるぞ」
海未「はい!」
英玲奈「よし、では…」
海未「……?」
英玲奈「やっほー!!」
海未「まだ早いです! 高さでいうところの1000mくらい早いです!」
英玲奈「な、なんだと……?」
海未「ご馳走さまでした」
英玲奈「腹が満たされれば再び活力が湧いてくる。今ならあの高い山だって登れそうだ」
海未「山……登ってみましょう」
英玲奈「おいおい、冗談だぞ。そこそこ高い山だし、今からでは日暮れまでに…」
海未「そう、ですよね……」
英玲奈「……冗談だ」
海未「はい、わかってます……ではあちらの水辺の方にでも」
英玲奈「何を言っている? あの山に登るのだろう?」
海未「え? でも、今…」
英玲奈「冗談だと言ったのが冗談だ。あの頂上から見る景色はさぞ気持ちが良いものなのだろうな」
海未「統堂さん…」
英玲奈「何を呆けている、早々に登らなくては日暮れまでに下山出来なくなるぞ」
海未「はい!」
英玲奈「よし、では…」
海未「……?」
英玲奈「やっほー!!」
海未「まだ早いです! 高さでいうところの1000mくらい早いです!」
英玲奈「な、なんだと……?」
54: 2015/06/30(火) 23:20:09.20 ID:oOxHroLC.net
海未「先程の売店で飲み物を追加で購入しておきましょう」
英玲奈「チョコも持っておくと万が一の時に助かるのではないか?」
海未「備えあれば憂いなしです」
英玲奈「うむ、園田はしっかりしているな」
海未「それを言うなら統堂さんの方がですよ。頼りにさせて頂いてます」
英玲奈「よし、買い忘れた物はないな?」
海未「はい、準備万端です」
英玲奈「行くとするか」
海未「はい」
英玲奈「ふぅ……」
海未「大丈夫ですか? 疲れてませんか?」
英玲奈「誰に言っている、私がキミより先に根を上げてなるものか」
海未「……」
英玲奈「どうした?」
海未「いえ、穂乃果や凛ならもうとっくにぐずり始めているだろうな、と」
英玲奈「ははは、まぁ登山は体力も必要だが何より精神力が重要と聞く。私もキミもそれに長けていると思うのだが」
海未「そうですね」
英玲奈「…それと、」
海未「……?」
英玲奈「やはりA-RISEがμ'sに負けるというのは私のプライドが許さないからな」
英玲奈「チョコも持っておくと万が一の時に助かるのではないか?」
海未「備えあれば憂いなしです」
英玲奈「うむ、園田はしっかりしているな」
海未「それを言うなら統堂さんの方がですよ。頼りにさせて頂いてます」
英玲奈「よし、買い忘れた物はないな?」
海未「はい、準備万端です」
英玲奈「行くとするか」
海未「はい」
英玲奈「ふぅ……」
海未「大丈夫ですか? 疲れてませんか?」
英玲奈「誰に言っている、私がキミより先に根を上げてなるものか」
海未「……」
英玲奈「どうした?」
海未「いえ、穂乃果や凛ならもうとっくにぐずり始めているだろうな、と」
英玲奈「ははは、まぁ登山は体力も必要だが何より精神力が重要と聞く。私もキミもそれに長けていると思うのだが」
海未「そうですね」
英玲奈「…それと、」
海未「……?」
英玲奈「やはりA-RISEがμ'sに負けるというのは私のプライドが許さないからな」
61: 2015/07/01(水) 20:45:06.83 ID:/w+oxhz5.net
英玲奈「はぁ……はぁ……」
海未「もう少しで山頂です……っ、頑張りましょうっ……」
英玲奈「あぁ……私はまだまだ平気だ……キミこそ大丈夫か……?」
海未「えぇ、なんとか……っ」
英玲奈「少し休憩をとるか…?」
海未「いえ、あと僅かです……このまま登りきりましょうっ……」
英玲奈「ここが山頂か……」
海未「はぁっ……はぁっ……」
英玲奈「ほら、水だ」
海未「ありがとう、ございます……ごくごくっ……美味しい……」
英玲奈「飲みすぎては身体を冷やすし、そしてなにより帰りの分が無くなってしまうぞ」
海未「あ…、そうでしたね、近くに売店もありませんし、貴重な飲み水は残しておかなくては」
英玲奈「ふぅ……なんとも清々しい気分だ」
海未「……統堂さんは体力ありますね、正直驚きました」
英玲奈「ふふ、私の身体は機械でできているからな、定期的にオイルを差しておけば疲弊することもないのだ」
海未「そうだったのですか……統堂さんには驚かされてばかりです」
英玲奈「……いや、冗談だぞ」
海未「えぇ、わかっています」
海未「もう少しで山頂です……っ、頑張りましょうっ……」
英玲奈「あぁ……私はまだまだ平気だ……キミこそ大丈夫か……?」
海未「えぇ、なんとか……っ」
英玲奈「少し休憩をとるか…?」
海未「いえ、あと僅かです……このまま登りきりましょうっ……」
英玲奈「ここが山頂か……」
海未「はぁっ……はぁっ……」
英玲奈「ほら、水だ」
海未「ありがとう、ございます……ごくごくっ……美味しい……」
英玲奈「飲みすぎては身体を冷やすし、そしてなにより帰りの分が無くなってしまうぞ」
海未「あ…、そうでしたね、近くに売店もありませんし、貴重な飲み水は残しておかなくては」
英玲奈「ふぅ……なんとも清々しい気分だ」
海未「……統堂さんは体力ありますね、正直驚きました」
英玲奈「ふふ、私の身体は機械でできているからな、定期的にオイルを差しておけば疲弊することもないのだ」
海未「そうだったのですか……統堂さんには驚かされてばかりです」
英玲奈「……いや、冗談だぞ」
海未「えぇ、わかっています」
62: 2015/07/01(水) 20:53:05.06 ID:/w+oxhz5.net
英玲奈「見てみろ、園田。美しい景色が一望できる」
海未「……」
英玲奈「…どうした? 高山病か?」
海未「……いえ、声にならないくらい素晴らしい景色だったもので」
英玲奈「……あぁ、そうだな」
海未「今までの苦難の道程はすべてこの瞬間の為……なにもかもが報われた気持ちです」
英玲奈「やっほー!!」
海未「統堂さん…」
英玲奈「今度は間違っていないだろう?」
海未「えぇ、百点満点です」
英玲奈「ふふふ、園田から百点満点をもらってしまった。園田も叫んでみたらどうだ? 気持ちいいぞ」
海未「わ、私は……その……」
英玲奈「ここには私しかいないのだ、なにを恥ずかしがる必要がある」
海未「……ですね、では」
海未「やっほーーーー!!!!」
英玲奈「やっほー……やっほー……っほー……ぉー……」
英玲奈「山彦だ」
海未「……」
英玲奈「…どうした? 高山病か?」
海未「……いえ、声にならないくらい素晴らしい景色だったもので」
英玲奈「……あぁ、そうだな」
海未「今までの苦難の道程はすべてこの瞬間の為……なにもかもが報われた気持ちです」
英玲奈「やっほー!!」
海未「統堂さん…」
英玲奈「今度は間違っていないだろう?」
海未「えぇ、百点満点です」
英玲奈「ふふふ、園田から百点満点をもらってしまった。園田も叫んでみたらどうだ? 気持ちいいぞ」
海未「わ、私は……その……」
英玲奈「ここには私しかいないのだ、なにを恥ずかしがる必要がある」
海未「……ですね、では」
海未「やっほーーーー!!!!」
英玲奈「やっほー……やっほー……っほー……ぉー……」
英玲奈「山彦だ」
63: 2015/07/01(水) 21:10:18.47 ID:/w+oxhz5.net
海未「……」
英玲奈「……一つ、訊いてみてもいいか?」
海未「なんでしょう?」
英玲奈「キミは何故、アイドルをしているのだ?」
海未「いきなり真面目な話ですね、つい先程まで山彦ごっこをしていた人とは思えません…」
英玲奈「ただの興味本意だ。答えたくなければ答える必要はない」
海未「そんな隠すようなことでもありませんので」
英玲奈「そうか、ならば訊かせてもらおう」
海未「……穂乃果……幼馴染みを放っておけなくて、最初は私自身そんなに乗り気ではなかったのです。寧ろ、絶対に私には無理だと思っていました」
海未「ですが、歌うことの気持ちよさに触れ、踊ることの楽しさに触れ、仲間たちが傍にいてくれることの嬉しさに触れ、」
海未「いつの間にか、ステージの上で歌って踊る、アイドルが好きになっていました」
英玲奈「そうか、それはよかったな」
海未「…はい、統堂さんは?」
英玲奈「私は……歌手になりたかった。だから最初アイドルとしてグループを組まされた時、とてつもなく不快だったのを今でも覚えている」
海未「そうだったのですか…」
英玲奈「…だってアイドルとかチャラチャラしてるイメージだったからな」
海未「あぁ、わかります」
英玲奈「だろう? ツバサはともかく、あんじゅ……アイツの第一印象は最悪だったな」
英玲奈「……一つ、訊いてみてもいいか?」
海未「なんでしょう?」
英玲奈「キミは何故、アイドルをしているのだ?」
海未「いきなり真面目な話ですね、つい先程まで山彦ごっこをしていた人とは思えません…」
英玲奈「ただの興味本意だ。答えたくなければ答える必要はない」
海未「そんな隠すようなことでもありませんので」
英玲奈「そうか、ならば訊かせてもらおう」
海未「……穂乃果……幼馴染みを放っておけなくて、最初は私自身そんなに乗り気ではなかったのです。寧ろ、絶対に私には無理だと思っていました」
海未「ですが、歌うことの気持ちよさに触れ、踊ることの楽しさに触れ、仲間たちが傍にいてくれることの嬉しさに触れ、」
海未「いつの間にか、ステージの上で歌って踊る、アイドルが好きになっていました」
英玲奈「そうか、それはよかったな」
海未「…はい、統堂さんは?」
英玲奈「私は……歌手になりたかった。だから最初アイドルとしてグループを組まされた時、とてつもなく不快だったのを今でも覚えている」
海未「そうだったのですか…」
英玲奈「…だってアイドルとかチャラチャラしてるイメージだったからな」
海未「あぁ、わかります」
英玲奈「だろう? ツバサはともかく、あんじゅ……アイツの第一印象は最悪だったな」
64: 2015/07/01(水) 21:22:49.07 ID:/w+oxhz5.net
英玲奈「意見も食い違ってばかりでよくケンカもした、一週間以上口をきかなかった時もあったな…」
英玲奈「……だが、今なら胸を張って言える……アイツらでよかった、と」
英玲奈「……まぁ、面と向かってはむず痒くて絶対に言えないだろうがな」
海未「うぅ……ぐすっ……」
英玲奈「……!? 園田、どうした?」
海未「な、なんでもっ…、ありません……ぐすっ……」
英玲奈「そんな泣くほどつまらない話をしてしまって申し訳無い……」
海未「ち、違いますっ……これは、その……ただの高山病です」
英玲奈「もっと大変ではないか!」
海未「……つい、感情移入してしまい……すみません…」
英玲奈「なにを謝る必要がある、ふふ……やはりキミは心の清い人間だな」
英玲奈「……さて、そろそら下山の準備をするとしよう」
海未「そうですね、登ってきた時間を考えると日暮れまでに麓に到着できそうです」
英玲奈「うむ」
英玲奈「……だが、今なら胸を張って言える……アイツらでよかった、と」
英玲奈「……まぁ、面と向かってはむず痒くて絶対に言えないだろうがな」
海未「うぅ……ぐすっ……」
英玲奈「……!? 園田、どうした?」
海未「な、なんでもっ…、ありません……ぐすっ……」
英玲奈「そんな泣くほどつまらない話をしてしまって申し訳無い……」
海未「ち、違いますっ……これは、その……ただの高山病です」
英玲奈「もっと大変ではないか!」
海未「……つい、感情移入してしまい……すみません…」
英玲奈「なにを謝る必要がある、ふふ……やはりキミは心の清い人間だな」
英玲奈「……さて、そろそら下山の準備をするとしよう」
海未「そうですね、登ってきた時間を考えると日暮れまでに麓に到着できそうです」
英玲奈「うむ」
66: 2015/07/01(水) 21:46:44.06 ID:/w+oxhz5.net
英玲奈「がたんごとん、がたんごとん」
海未「すぅ……すぅ……」
英玲奈「ふふ、疲れて眠ってしまったか」
海未「ん……ふわぁ……あ、すみません、私寝てしまっていて……」
英玲奈「なに、気にするな。東京に着くまで時間はある、ゆっくり寝てていいぞ」
海未「い、いえ……統堂さんとこうして二人でお話する機会もそうそうないので」
英玲奈「そう気を遣う必要はないぞ、慣れない相手と二人きりというのは精神的にも疲れるのも無理はない」
海未「そ、そんなことは……」
英玲奈「ふふ、ではババ抜き後半戦とでもいくか」
海未「良い案です。行きは互角でしたからね、決着をつけておきたいと思っていたところでした」
英玲奈「面白い、A-RISEのジョーカーと呼ばれるこの私の本気を見せてやろう」
海未「私もμ'sの最強を謳っている身として負けるわけにはいきません」
英玲奈「ふっ、浅はかなり…」
海未「うわああああああぁぁぁ!!」
英玲奈「やめろおおおおおおぉぉ!!」
海未「ひゃあああああぁぁぁ!!」
英玲奈「ぐあぁぁぁぁぁ!!!!」
海未「すぅ……すぅ……」
英玲奈「ふふ、疲れて眠ってしまったか」
海未「ん……ふわぁ……あ、すみません、私寝てしまっていて……」
英玲奈「なに、気にするな。東京に着くまで時間はある、ゆっくり寝てていいぞ」
海未「い、いえ……統堂さんとこうして二人でお話する機会もそうそうないので」
英玲奈「そう気を遣う必要はないぞ、慣れない相手と二人きりというのは精神的にも疲れるのも無理はない」
海未「そ、そんなことは……」
英玲奈「ふふ、ではババ抜き後半戦とでもいくか」
海未「良い案です。行きは互角でしたからね、決着をつけておきたいと思っていたところでした」
英玲奈「面白い、A-RISEのジョーカーと呼ばれるこの私の本気を見せてやろう」
海未「私もμ'sの最強を謳っている身として負けるわけにはいきません」
英玲奈「ふっ、浅はかなり…」
海未「うわああああああぁぁぁ!!」
英玲奈「やめろおおおおおおぉぉ!!」
海未「ひゃあああああぁぁぁ!!」
英玲奈「ぐあぁぁぁぁぁ!!!!」
68: 2015/07/01(水) 21:58:54.78 ID:/w+oxhz5.net
英玲奈「戻ってきたな、久しぶりの東京だ」
海未「はい、やはり安心しますね」
英玲奈「…先程の車内での勝負だが」
海未「またしても互角でしたね…」
英玲奈「持ち越しだな……そうだ、この勝負の続きはラブライブで決着をつけるというのはどうだ?」
海未「えぇ、A-RISEが相手でも私たちは負けませんよ」
英玲奈「うむ、良い勝負をしたいものだな」
海未「今日は誘って頂いてありがとうございました」
英玲奈「礼を言うのはこちらもだ。キミのお陰で私も楽しめたよ」
海未「私も、楽しかったです」
英玲奈「園田、キミさえよければまた都合を見つけて声を掛けてもいいか?」
海未「はい、勿論です。次は是非私の方から統堂さんを誘わせてください」
英玲奈「嬉しいことを言ってくれる、やはりキミとは気が合うな。またよろしく頼む」
海未「私の方こそ、これからもよろしくお願いします。尊敬できるアイドルの先輩として、競い合えるライバルとして、そして」
英玲奈「良き友人として」
海未「はい」
英玲奈「ふふ、ではまたな。園田」
海未「お気をつけて、統堂さん」
━━fin━━
海未「はい、やはり安心しますね」
英玲奈「…先程の車内での勝負だが」
海未「またしても互角でしたね…」
英玲奈「持ち越しだな……そうだ、この勝負の続きはラブライブで決着をつけるというのはどうだ?」
海未「えぇ、A-RISEが相手でも私たちは負けませんよ」
英玲奈「うむ、良い勝負をしたいものだな」
海未「今日は誘って頂いてありがとうございました」
英玲奈「礼を言うのはこちらもだ。キミのお陰で私も楽しめたよ」
海未「私も、楽しかったです」
英玲奈「園田、キミさえよければまた都合を見つけて声を掛けてもいいか?」
海未「はい、勿論です。次は是非私の方から統堂さんを誘わせてください」
英玲奈「嬉しいことを言ってくれる、やはりキミとは気が合うな。またよろしく頼む」
海未「私の方こそ、これからもよろしくお願いします。尊敬できるアイドルの先輩として、競い合えるライバルとして、そして」
英玲奈「良き友人として」
海未「はい」
英玲奈「ふふ、ではまたな。園田」
海未「お気をつけて、統堂さん」
━━fin━━
70: 2015/07/01(水) 22:01:23.26 ID:/w+oxhz5.net
おわり
この二人はすぐボケさせたくなるからボケさせないようにするのに苦労した。次はことりとあんじゅでも書きたいな
ではではー
この二人はすぐボケさせたくなるからボケさせないようにするのに苦労した。次はことりとあんじゅでも書きたいな
ではではー
71: 2015/07/01(水) 22:02:53.07 ID:fWF+j1vs.net
乙
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