382: 2009/08/23(日) 16:20:13.24 ID:ym1byX0tO
いよいよ終盤

唯「バイハザ!」ラストエスケープ【前編】

─────────

律「唯!!!」

唯「ライブ、やろうよりっちゃん!!!」

こんな状況でも笑っている唯を見て肩の力が抜けていく。

律「うん!!!やろう!」

何故か嬉しくなってそんなことを言ってしまう。唯なら、唯なら何とかしてくれるんじゃないか。この状況を打破してくれるんじゃないかと思って止まない。

ウェスカー「平沢唯か……。また一人氏ぬ奴が増えるだけだ」

唯「バーちゃん…レベにゃん…」

額に穴が開きぐったりしている二人を見るも、唯はめげない。

唯「あなたは、悲しい人」
けいおん! 1巻 (まんがタイムKRコミックス)

385: 2009/08/23(日) 16:26:16.30 ID:ym1byX0tO
ウェスカー「何がだ?」

唯「他人を傷つけてしか自分を表現出来ないんだ…だからこうやって子供みたいに悪戯する」

ウェスカー「何を言うのかと思えば…説教か?」

唯「人は、あなただけじゃない。みんながみんな大切な何かを持って生きてるの!それを奪うことは誰にも出来ない、してはいけない!」

ウェスカー「私を止めるか、平沢唯」

唯「りっちゃん!エアドラムよろしく!」

律「えっ?!あっ、うん!」

唯「じゃあいっくよぉ~カレーのち、ライス!」

律「1.2.1234!」

386: 2009/08/23(日) 16:29:51.26 ID:ym1byX0tO
唯「キミにときめき 恋かもね アワアワ~♪」

律「タンタンタタタンタンッ」

唯「ハングリー精神 止めらんない クラクラ~♪」

律「タンタンタタタンタッ」

唯「お願いア~ツア~ツ お皿のカレー スパイスひとさじ刺激ちょうだい☆」

唯「甘口じゃなく今日は中辛なのぉ~大人味なのぉ~☆」

律「タンタンッタタタッタン」

唯「お肉 お野菜 秘密の隠し味~ 育ち盛りの欲張り 恋心~」

律「タンタンタタタンタンッ(あれ、私いらなくね?)」

唯「だいすき!コ~トコト煮込んだカレー スパイスふたさじ経験しちゃえ だけど限界辛すぎて もうダメ~↓」

389: 2009/08/23(日) 16:32:30.13 ID:ym1byX0tO
唯「ピ~リ~リ~ ピ~リ~リ ピ~リ~リ~ Oh...NoNoNoNoNoNoNoNoNoNo カレー CHOPPiLi ライス」

唯律「TAPPULi!!!!!」

ウェスカー「…………」
脳髄に焼き付くような歌だった。
どこまでも吸い込まれそうな……心地よく、全てがどうでもなくなる。

ウェスカー「…………」

こいつは、頃しておかなければ。

ウェスカー「ふふふ、……いい歌だ。新曲か?」

唯「効いてない……」

律「……(新曲か?って…まるでその前を知ってるみたいな口振りだな…)」

ウェスカー「なら、次はこちらから行こう」

さっきの歌のせいで私の殺意は薄れつつあった。
平沢唯、何と素晴らしい歌を唄うのか
三年前と変わっていないな

391: 2009/08/23(日) 16:37:46.88 ID:ym1byX0tO
律「駄目……なのか」

これだけやっても駄目なのか……ここまで来て…。
いや、仕方ない…全員揃って力を出し尽くしても無理だったんだ。
諦めるしか……

『もう一声~♪』

律「えっ」

律の腰にある通信機から声がした。

『みんな!屋上へ!』

唯「この声は…!」

律「むぎぃ?!」

『はいは~い♪。それより話は後よりっちゃん。みんなを連れて屋上に』

律「な、なんかよくわかんないけどわかった!唯!梓を!私は澪を担ぐ!」

唯「わかった!」


ウェスカー「何を企んでいる?」

392: 2009/08/23(日) 16:41:07.90 ID:ym1byX0tO
そんなウェスカーをシカトし二人は気を失ってる人達を起こす。

そうだ、まだ私達軽音部には一人いたじゃないか!
頼りになるむぎが!

律「澪!起きてくれ!クリス!クレア!和!」

順番にゆすり起こす。

澪「律……?おはよ」

律「おはよ、じゃない!早く起きてくれ!屋上へ行くぞっ」

澪「屋上?」

律「むぎが来たんだ!」

澪「むぎが!?」

クリス「ぐっ……頭が……」

律「クリス!クリスはクレアを背負ってくれ!私は和を背負って行くから」

クリス「状況が飲み込めないが…わかった」

ウェスカー「何をコソコソと。屋上に何があるかは知らないがそう簡単に行かせるとで(ry」

ヒュン────────

396: 2009/08/23(日) 17:00:44.98 ID:ym1byX0tO

何かがガラスを突き抜けて来てウェスカーの脚を貫いた。

ウェスカー「なっ!どこからだ?!」

撃たれた、いや、律達ではない。ガラスが割れている……狙撃か?しかしこの辺りにこのラクーンシティタワーの最上階を狙い撃てる高さの建物など……

いや、一つだけあった。ここから3Kmほど先の山の上にある灯台。そこならば高さは足りるだろう…しかし現実的ではない。
確かにスナイパーライフルは種類によって届くだけなら5km程は届く。だが人間の様な小さな的を風や重力を計算に入れ尚当てるなど人間技ではない。

398: 2009/08/23(日) 17:05:06.37 ID:ym1byX0tO
律「みんな!今のうち屋上へ!」

そうモタモタしてる間に律達は生きている人間を連れて階段で屋上に登って行く。

ウェスカー「ちっ!逃がす(ry」

ヒュンッ───────

ウェスカー「ぐぅっ」

次はご丁寧に逆の脚か!
何とか転がりながら物陰に隠れるウェスカー。

ウェスカー「クソ……歩けるように再生するまで少し時間を要するな……」

私が化物、と言うのならこの狙撃手も対等の化物だろう。

人間を域を外れた時に人はそれを化物と呼ぶ。

ウェスカー「面白い…」

さあ軽音部、貴様らはどちらだ?

399: 2009/08/23(日) 17:09:24.64 ID:ym1byX0tO
灯台───────

斉藤「ふん…隠れたか。まあいい、足止めは出来た。」

バレットM82A1カスタムを肩担ぐ。

ガガッ

『足止めご苦労様斉藤』

斉藤「少しは時間稼げましたかね。」

『十分よ。あなたはそのままヘリと合流して』

斉藤「了解しました。」

ガガッ

斉藤「ふぅ、お褒めの言葉なし……か。厳しいなお嬢は」

ガガッ

『言い忘れてたわ。よくやってくれたわね、斉藤。あなたのその能力、琴吹家の誇りです。また会いましょう』
ガガッ

斉藤「…………いやっほぉぉぉぉぉ~!」

403: 2009/08/23(日) 17:16:08.94 ID:ym1byX0tO


屋上────────

律「はあ…はあ…。なんだぁ?」

澪「これって……」

唯「もしかして……」

梓「ライブステージ……?」

唯「あずにゃん。目が覚めたの?」

梓「はい。でもこれ……」

そのライブステージのキーボードの所に、彼女はいた。
長いブロンドがかった髪が太もも辺りまで伸びている。
軽音部で一番大人びたのは誰か、と言われれば全員間違いなく彼女だと言うだろう。

紬「みんな~久しぶり~」

唯律澪梓「むぎ!(ちゃん)(先輩)」

律「いつの間に屋上にこんなものを……」

405: 2009/08/23(日) 17:20:20.05 ID:ym1byX0tO


紬「ヘリ二機で空輸したの!あなた達を救う為に!」

澪「救う?……ってあれは!私のベース!」
JB62/LH/3TS

唯「あんなところに私のギー太が!」

ギブソン・レスポール

梓「私のムスタングまで!」

MG73-CO FRD

律「私のドラムセットォ!」

YAMAHA Signature Series Hipgig

紬「話は大体傍受して聴いたわ。ウロボロスウイルス…確かに強力よ。でもたった一つだけ弱点があるの。それは、音楽よ!」

律「……そんなこといきなり出てきていきなり言われても……」

澪「う~ん……」

梓「完璧話に置いてかれてます…」

407: 2009/08/23(日) 17:24:54.53 ID:ym1byX0tO
紬「1から話してる暇じゃないのだけれど……少しだけ話すわ。ウロボロスウイルスと言うウイルスは聞いたことあるわよね?」

律「確かウェスカーがそんなことを…」

紬「そう、アルバート・ウェスカーの超人的能力もそれによるものよ。私は事前にこの事件の黒幕、アルバート・ウェスカーの事に気づきここへ来る前に色々調べたわ。ウロボロスウイルスは始祖花に含まれるウイルスなのだけれどそれだけじゃただの殺人ウイルスなの
このウイルスの別名は選定者、取り込んだ人物のDNAを辿り適したものには絶大な力を与え、そうでないものには……」

408: 2009/08/23(日) 17:28:15.91 ID:ym1byX0tO
紬「氏ぬわ」

梓「選定者……(純が言ってた。そうゆうことだったんだ…)」

紬「私もウロボロスのせいで二年もの間眠ってたの。後遺症ってことかしらね。私には抗体はないけれど抗体剤飲んでいたから氏なずにすんだの」

澪「ちょっと待ってよ!じゃあ私達の変な能力って……」

紬「そう、ウロボロスによるものよ。どこで摂取したのかはわからないけど…」

律「…待てよ…じゃあ私が変だったのは」

紬「ウロボロスウイルスの選定時、人は疑心暗鬼になったり自分の衝動だけを全身押し出す傾向があるらしいの」

律「衝動…か。」

ならあながち全てウイルスが悪いってわけでもないのか…ちゃんと反省しないとな

409: 2009/08/23(日) 17:33:06.13 ID:ym1byX0tO
紬「ウェスカーの計画はこのウロボロスウイルスを世界中にバラ撒いて人類を選定することなの…」

澪「なんだって!?」

律「神にでもなったつもりかよ…!」

唯「でも私達は何ともなかったよね?なんでかな?」

紬「唯ちゃん達はTウイルスの抗体者だからよ。」

梓「……待ってください!じゃあ……」

唯「?」

紬「そう、Tウイルスの抗体者は約10人に一人。世界中にウロボロスウイルスが撒かれたら今の人口の1/10になるわ……」

律「それが……ウェスカーの目的」

「クックック……良く調べたな」

410: 2009/08/23(日) 17:38:39.64 ID:ym1byX0tO
クリス「ウェスカー!」

話をただ聞いていたクリスがようやく口を開いた。

ウェスカー「琴吹紬、どこまで知っている?」

紬「そうね、あなたがウェスカー計画の生き残りってことぐらいまでは知っているわ」

ウェスカー「ククク……ハッハッハ!ならばほぼ全てか。スペンサーのデータを洗ったか」

紬「それはちょっと違うわ……。」

ウェスカー「違う?何がだ?」

紬「私の父はスペンサーと知り合いだったの。そしてその泥を敢えて被ることによってアンブレラの裏の部分を探っていた。」

412: 2009/08/23(日) 17:45:51.14 ID:ym1byX0tO
ウェスカー「ほぅ……」

紬「そして父はあなたの計画にも気づき、スペンサーに次期総帥の座を約束させた。この世界の明日の為に全ての泥を飲んで」

そんな父を私は…

だからこれは償い

ウェスカー「……貴様まさか」

紬「そうです。今のアンブレラの総帥は、私です!!!!!」

律「なっ」

澪「んっ」

唯「だっ」

梓「ってー」

クリス「!?」

紬「私もビックリしたわ。父のパソコンにスペンサーからアンブレラの全データと総帥を任命するって言う書状が私に来てるなんてね……」

律「えっ、は、話が飛躍し過ぎてないか?」

終盤にはよくあること

413: 2009/08/23(日) 17:47:41.78 ID:ym1byX0tO
ウェスカー「ハッハッハ、なるほど。それであのスペンサーの落ち着き様……今理解出来たぞ。琴吹紬。いや、アンブレラ総帥よ!」

紬「残念だけどその肩書きもなくなるわ。アンブレラの株、全部ウチが、琴吹系列全社で買い占めちゃったから♪」

ウェスカー「バ、バカな!アンブレラだぞ!?アメリカでどれだけのシェアがあると……」

紬「愚かねウェスカー……ウイルスを撒くことに必氏で世界情勢にまで目がいかなかったのかしら?アンブレラの株は今もれなく大暴落中よ。」

416: 2009/08/23(日) 17:49:27.35 ID:ym1byX0tO
ウェスカー「何故だ?」

紬「今までバイオハザードにあった人や澪ちゃんみたいなコツコツ小さな活動が身を結んだのよ!今やこのバイオハザードを起こしているのはアンブレラと言うのは周知の事実!」

澪「私の活動も……役に立ったんだ」

律「良かったな…澪」

ウェスカー「しかしそんな紙くず同然の株を買い占めなどすれば貴様の会社とてただではすまないぞ?」

紬「えぇ、そうね。でもそうしたのは私なのだから私だけを村八分にすればいいだけの話よ。私は琴吹カンパニー代表を辞任、多額の借金を背負う……それが私の筋書きよ」

418: 2009/08/23(日) 17:52:10.54 ID:ym1byX0tO
ウェスカー「正気とは思えん……」

紬「終わりよウェスカー!後はあなただけなのだから!このふざけたテロ、私達を弄んだこと、全て償ってもらいます!」

澪「覚悟しろ、ウェスカー!」

律「家族返せコノヤロウッ!」

唯「何かわからないけど形勢逆転だね!サングラスさん!」

梓「覚悟するです!」

クリス「チェックメイトだな!ウェスカー!」

ウェスカー「ハッハッハ、ハッハッハ!!!!!何を勝った気でいる?貴様らを頃してウイルスを散布すればいいだけのこと」

紬「私が何のためにライブステージを用意したのかわかってないようね。スペンサーの資料にびっしりとウロボロスウイルスについても書かれていたと言うのに」

そう、ウロボロスウイルスの唯一の弱点
それは、音楽であった

419: 2009/08/23(日) 17:53:12.06 ID:ym1byX0tO
ウェスカー「何?」

紬「みんな!ステージに上がって!演奏するわ!」

唯「ほえ?」

澪「ちょっと待ってむぎ!一体どうゆう…」

律「いいからむぎの言う通りにしようぜ!それに目の前にドラムがあるのをただ黙って見てるなんて耐えられないっ!」

梓「律先輩らしいです」

ウェスカー「何をするつもりかわからんが黙って見過ごすわけないだろう」

クリス「ふんっ!」

クリスが側面からウェスカーに殴りかかる

ウェスカー「何をするのかと思え…ガッ」

クリスの拳は綺麗にウェスカーの頬を捉えた。

421: 2009/08/23(日) 17:55:07.12 ID:ym1byX0tO
ウェスカー「なんだと……」

能力が発動しない……。まさかさっきの歌が

紬「今頃気づいても遅いわ!唯ちゃん!」

唯「うん!ふわふわ時間(タイム)ッ!」

演奏が始まる────
唯のギターのソロから律のドラム、澪のベースがフェードインしていく。
ちょっと遅れて梓のギター、紬のキーボードも混じって行く。

唯「キミを見てるといつもハートドキ☆ドキッ!」

澪「揺れる想いはマシュマロみたいにふわ☆ふわ」

律「い~つも頑張る~♪」

紬&梓「い~つも頑張る」

律「君の横顔~」

紬&梓「君の横顔~」

422: 2009/08/23(日) 18:00:35.27 ID:ym1byX0tO
唯「ずっと見てても~気づかないよね~?」

澪「夢の中なら~」

律&唯「夢の中なら~」

澪「二人の距離~縮められるのになァ~!」

全員「あぁカミサマお願い二人だけの Dream Timeください☆」

唯「お気に入りのうさちゃん抱いて~ぇ~今夜もお~やすみぃ~」
澪&律「ふわふわ時間♪」

紬&梓「ふわふわ時間♪」

全員「ふわふわ時間♪」

ウェスカー「やめろォォォ!」

頭が割れそうだ……

こんな、歌などにこの私が、

私がアアアアア!

ウェスカー「ウォォォォォォ!!!!!!!!!!」

425: 2009/08/23(日) 18:05:21.71 ID:ym1byX0tO
唯「ひいっ…何か様子が変だよ…」

紬「いけないっ!ウロボロスが暴走しかけてる!」

律「暴走すると何かヤバいのかむぎ?!」

紬「ウロボロスウイルスは危険なウイルスよ…。ちょっとでも不安定になれば…肉体を驚異的に膨張させ次々に生物を取り込んで行くわ…無限大に」

澪「どうにかしないと!」

「動かないでください!」

梓「純!?」

階段から上がって来たのは純だった。右手に何かのボタンを持っている。

純「全員氏にたくなかったら動かないで。このボタンを押せばラクーンシティタワーは崩壊します。」

426: 2009/08/23(日) 18:06:49.86 ID:ym1byX0tO
終盤にはよくあること



梓「純……」

純「ごめんなさい梓。それでも私はウェスカー卿を捨てることは出来ない」

純はウェスカーに近づき何やら鎮静剤の様なものを打ち込む。

ウェスカー「うっ……純……」

純「もういいんです……ウェスカー卿。私達の…敗けです」

ウェスカー「そんな……筈が……」

その時、大きく地面が揺れた

唯「わっ」

澪「地震?!」

律「なんだぁっ?」

梓「きゃっ」

クリス「うぉっ」

純「始まりましたか……。軍の滅菌のミサイル攻撃です。政府はアンブレラが暴落したことによって我々を見捨てた様ですね……」

430: 2009/08/23(日) 18:12:36.07 ID:ym1byX0tO
律「ミサイル攻撃!?また懲りずにそんなことをっ……」

澪「早く脱出しないと」

唯「憂が心配だよ……。早く下に戻ろう」

紬「こちら紬、斉藤聞こえる?斉藤!……駄目ね……さっきのミサイルの影響が通信機が一時ダウンしてるわ」

梓「とりあえずここを出ましょう。下にいる人も気になります」

梓の意見に全員一致し降りていく一同。

唯「ギー太……置いてかなきゃ……だめ?」

紬「邪魔になるから……気持ちはわかるけど」

澪「私のレフティ~」ウルウル

律「私のYAMAHA~」

梓「ドラムは無理がありますよ律先輩」

律「ちゃっかりムスタング抱えてるのは誰かな?」

梓「……」

433: 2009/08/23(日) 18:18:06.63 ID:ym1byX0tO
ウェスカー「律、ちょうど一年後の今日、最北の工場にて待つ」
律「………」
澪「そんなことより家族の居場所は!?」

律「澪、行こう」

澪「でも…」
純「早く行かないと爆発しますよ先輩」
澪「っ……」
律「行こう、澪」

一同は階段でエレベーターのある部屋へ行く。その途中、梓は「先に言っててください」と言い残しまた屋上へ戻った。

梓「純……本当にいいの?」

純「……えぇ。私はウェスカー卿に拾われた命。その恩人を捨てて行くことなんて出来ないわ」

梓「……わかった。でも、生きて。」

ただそれだけが梓の願いだった。

純「……わかった」

それだけの言葉を交わし梓はまた階段を降りて行った。

純「あの子って本当良い子よね……頬擦りしたいぐらい」

435: 2009/08/23(日) 18:19:29.73 ID:ym1byX0tO
純「……ウェスカー卿、何故彼女らを選んだのですか?」

ウェスカー「…………あれは、三年前、君を迎えに行った時だった」

三年前、桜高学園祭──────

ウェスカー「純がわざわざ迎えに来てくれと頼むとは珍しい。明日は雨でも降るか」

当然そんな迷信本当に信じてはいない。信じるべきは己だけなのだから。

車を駐車場へ停める。今日学園祭らしくそこらかしこに人が群がっていた。

ウェスカー「ふん…ゴミが。ただ生きているだけの無能な輩が群れて何かをするか、滑稽だな。」

「~~~♪」

歌が聞こえる

437: 2009/08/23(日) 18:25:13.18 ID:ym1byX0tO
ウェスカー「あっちか」

ただ純が見つからなかったこととそこにいるかもしれないと言うだけで他意はなかった。
その歌が聞こえる体育館の扉を開いた。

ウェスカー「なっ……」

衝撃だった。これまで歌などに興味はなかったがこれほどまでに圧倒される物なのか。
日本に来たばかりで日本語はわからないが……

唯「君の横顔~」

どうやら恋愛を歌った曲みたいだ。彼女達の高揚した顔を見ればわかる。

純「ウェスカー卿、珍しいですね。あなたが聴き入るなんて」

ウェスカー「純。いや……ただ君を探しに来ただけだ。出よう」

439: 2009/08/23(日) 18:30:04.18 ID:ym1byX0tO
多分全部見てもらえれば納得してもらえるかと





二人は車に乗り込み、喧騒を後にしていく。

純「ウェスカー卿、どうしたんですか?」

ウェスカー「…………」

あの歌に感動してしまった自分が憎い。これから人類と一線を置こうとしている私が人並みに感動してしまうなど、あってはならない。

ウェスカー「純、彼女達は?」

純「さっきの演奏をしていた人達ですか?桜高の軽音部の人達です」

ウェスカー「…………そうか」

この私を一度でも震えさせるとは面白い。

ウェスカー「純、彼女達のことを詳しく教えてくれ」

─────────

440: 2009/08/23(日) 18:34:06.37 ID:ym1byX0tO
純「やっぱり時ですか……」

ウェスカー「私は恐ろしかったのだよ、彼女達が。今までの私が否定される様な感覚。それが許せないでいた……だから頃すことにした」

純「ただ頃すだけなら二年前で終わってたんじゃないですか?」

ウェスカー「そうだな……私は心のどこかで、またあの歌を聴きたかっただけなのかもしれない」

「ザマァないわねウェスカー」

パァンパァン!

純「危ないウェスカー卿っ!」

純がウェスカーを突飛ばし代わりに銃弾を受ける。

純「あっ……かっ…は…」

ウェスカー「純!」

444: 2009/08/23(日) 18:38:54.58 ID:ym1byX0tO
「あらぁ~?健気ねぇ純ちゃん。こんな男庇う価値もないのに」

ウェスカー「……さわ子!裏切るつもりか」

さわ子「裏切る?ふふふ、私は初めから貴方の言うこと何て聞いてないわ。」

ウェスカー「……こちらにはお前をコントロール出来ることを忘れてないか?」

さわ子「あらんこれのこと~?」

手に持っているのはP30

さわ子「宝石みたいで綺麗だったんだけどね~やっぱり悪趣味な物つけてたら結婚出来ないから」

ウェスカー「貴様ァ……」

さわ子「貴方にはここで氏んでもらおうと思ったけど純ちゃんに免じて見逃すわ」

446: 2009/08/23(日) 18:42:24.50 ID:ym1byX0tO
「精々足掻いて生きなさい。」と言い残し彼女は去って行った。
まるで興味のなくなった玩具を見るような目だった。
今はそんなことより……

ウェスカー「純!何故だ」

純「ゲホッ…何故…?」

ウェスカー「私を助ける理由などないだろう?」

純「ウェスカー卿…人を……助けるのに、理由はいりません……」

ウェスカー「…………」

純「私はただ……あなたを助けたいと思った……それだけです」

ウェスカー「バカなことを……」

純「いつか…貴方にも…わかる日が来るかもしれません。彼女達の音楽を素晴らしいと感じなら」

448: 2009/08/23(日) 18:46:22.30 ID:ym1byX0tO
ウェスカー「……」

純「生きてください……ウェスカー卿。では……私は…先にいきます…」

ウェスカー「あぁ……」

純「今まで……ありがとう、お父さん」ガクッ

彼女は微笑みながら、言った。

ウェスカー「私を父と呼ぶ……か。純、不甲斐ない父ですまなかったな」

「そうでもないんじゃねぇか?」

ウェスカー「お前は……」


─────────

449: 2009/08/23(日) 18:48:59.75 ID:ym1byX0tO
私達は下の階のバーちゃん、レベにゃんに布をかけ簡単な埋葬をした。こんな弔い方しか出来なくてごめんね……。
短い付き合いだったけど、私はあなた達二人こと二度と忘れません……。

各々黙祷を捧げ1階に降りるためエレベーターに乗り込む。和ちゃんもクレにゃんも起きていた。
特に和ちゃんは二人と昔からの仲だから誰よりも長く黙祷を捧げてました。

人が氏ぬことは本当に悲しいね……私もいつか氏んじゃうんだなって思うと少しだけ悲しくなった。

バリーさん、レベッカさん……どうか天国で幸せに過ごしてください……。

452: 2009/08/23(日) 18:52:10.93 ID:ym1byX0tO
その後無事1階でジルちー、聡君、憂と合流!扉は純ちゃんが開けてくれたみたい。

律「待ったかマイブラザー!」

聡「ふん……いいから行くぞ」

律「あれ?愛しの澪がいるからって緊張してんのか?」

聡「なっ///」

「聡君かっこよくなったね。惚れちゃいそう」

聡「えっ……」

律「引っかかった~!」

澪「もう…何やってんだよ。ちょっとは和達の気持ちを…」

律「……澪が言いたいことはわかるよ。でもだからってみんな辛気くさかったら……潰れちゃうよ。みんな」

和「律の言ってることももっともね」

455: 2009/08/23(日) 18:55:20.01 ID:ym1byX0tO
澪「和……」

和「二人も覚悟してBSAAに入った、当然氏ぬと言う覚悟も入ってると思うわ」

クリス「あぁ…だから今は俺達にやれることをやろう。」

澪「はい…」

聡「あの…事情はあまりわかりませんが…姉はこうゆう空気が嫌いで…。ただみんなにちょっとでも元気を出して欲しいって一心で…」

律「余計なことは言わなくていいっ//」

和「勿論、わかっているわ」

澪「律はそう言うところ不器用だもんな」

律「うるさいっ」

聡「素直じゃねーし、姉ちゃん」

456: 2009/08/23(日) 18:56:26.96 ID:ym1byX0tO
ジル「バリー、レベッカ…」

クリス「あの二人には何度も助けられた…。こんな形でウェスカーと決着がついたのは釈だが…」

ジル「でも彼があのまま何もしないで引き下がるかしら……」

クリス「見た感じでは奴にもう生気感じられなかった。まあもしまたやらかした場合次は必ず仕留める。ジル、手伝ってくれるな?」

ジル「えぇ。勿論よ!あなたを助ける為なら私は命をも厭わないわ」

クリス「ジル……」

457: 2009/08/23(日) 19:00:03.22 ID:ym1byX0tO
クレア「全くあなたは無理して……ボロボロじゃない」

梓「すみません…。」

クレア「あなたはまだ若いんだから。体を酷似し過ぎない様に」

梓「はぁい…。クレアさんは何でそんなに私のことを気にかけてくれるんですか?」

クレア「それはね、梓が可愛いから」

梓「もう///」

クレア「まあそれもあるんだけどやっぱり…彼と約束したから。梓を頼むって言われたから」

梓「俺さん……ですか?」

クレア「えぇ。だから私はあなたを守る義務があるの。」

梓「クレアさん……」
俺さんは…もう

458: 2009/08/23(日) 19:03:02.10 ID:ym1byX0tO
唯「憂、目が見えないの怖くない?」

憂「ううん、お姉ちゃんが手を握ってくれてるから全然怖くないよっ」

唯「えへへ//憂の手あったかぁい」

憂「お姉ちゃんの方が暖かいよぉ///」

唯「えへへ///」

憂「うふふ///」


紬「さ、そろそろ行きましょう。次またいつミサイル攻撃が来るかわからないのだから(一人で寂しい……)」

唯「むぎちゃんぎゅ~」ぎゅむ

紬「ぽっ///」

そうして唯達はは外に出た。それを見下ろす二つの影

さわ子「おいでなすったわね~。期待してるわよ、テイロス」

テイロス「…………」

さわ子「人生楽しく生きなきゃ損だもの。私の教え子とアンブレラの最強兵器…もえるわぁ~」

460: 2009/08/23(日) 19:07:09.52 ID:ym1byX0tO
紬「斉藤と連絡が取れない以上他の脱出ルートを探すしかないのだけれど…」

澪「う~ん……何かあった様な気がするんだけど」

律「だよなぁ~なんだっけ」

唯「?」

和「とりあえず脱出ルートを探すしかないわね」

梓「そうですね」

ゴォ ゴォ ゴォ ゴォ

微かに遠くから轟音が四回に別れて響く。

だが一同はそれに気づかない。そのミサイルとかなりの距離があったからだ。

しかし近づくにつれ音が耳に届く。

それに反応したのはまだ外に出たばかりのジル、聡、クレア、和。

そのミサイルは
クリス、律、梓、唯&憂を狙っていた。

463: 2009/08/23(日) 19:10:11.29 ID:ym1byX0tO


ジル「クリス!」

聡「姉ちゃん!」

クレア「梓!」

和「唯!憂ちゃん!」

飛んでくる4発のロケットランチャーの弾はそれらの人々に直撃のコースだった。
それを上の四人は庇った。

そこにいた人物を突飛ばし代わりに自分がそのミサイルの餌食になる。

クリス「ぐっ……!ジル!クレア!」

律「さとしぃ!!!!!」

梓「クレアさん!!!」

唯「和ちゃん!!!!」

紬「どこから……っ」

辺りを見渡すとラクーンシティタワーの隣のさほど高くないビルの屋上に二つの影があった。

464: 2009/08/23(日) 19:14:32.79 ID:ym1byX0tO
─────────

さわ子「あらん、一発それたわね。まだテイロスの調整も万全じゃないってことね~。さあ、挨拶しに行くわよ、テイロス」

テイロス「……」

テイロスと呼ばれたモノはさわ子を肩に乗せ地上から何十mもあるビルの屋上から飛び降りた。

─────────

クリス「ジル!!!氏ぬな!」

ジル「クリス……ごめんなさい……私…貴方のこと……」

クリス「ジル……ジーール!!!」

律「聡……あんたなんで……」

聡「言ったろ……姉ちゃんは……俺が守るって」

467: 2009/08/23(日) 19:19:54.40 ID:ym1byX0tO
律「言って……ねーし」

必氏に涙を堪える律

聡「似合って……ねー…………よ、姉ちゃん」

律「さとし…………さとしぃ!」

梓「クレア……さん…なんでっ」

クレア「さっき…守るって……言ったばかりだから……ね」

梓「でもっ……でも…」

クレア「いいのよ…梓。私が…守りたかったの。あなたを。私や彼の分も…生きるのよ…梓。兄さんに……よろしくね」

梓「クレアさん!!!!!」

唯「和ちゃん!?」

和「私は大丈夫…弾がそれたおかげでね。それより他のみんなが…」

憂「…………まさか」

469: 2009/08/23(日) 19:22:36.72 ID:ym1byX0tO
紬「来るわ!」

ビルから滑降してくる大きな影をみて告げる
ドスンと鈍い音をたて着地に成功し、こちらに向かってくる。

「久しぶり~みんな」

澪「まさか……さわ子……先生?」

紬「そんな……あれは……テイロス。完成してるなんて」

さわ子「ハァイ澪ちゃんむぎちゃん。久しぶりね」

澪「そんな…先生は二年前…」

さわ子「氏んだはず、なんて言わないでね?今私はこうやってここにいる、それが真実よ」

紬「一つだけ聞きます…先生は…私達の敵なのですか?」

さわ子「イエスよ、むぎちゃん。これからあなた達にはこのテイロスと戦ってもらうわ」

470: 2009/08/23(日) 19:25:36.35 ID:ym1byX0tO
さわ子「何で?どうして?やめてください、その手の質問には答えられないから」

澪「一方的にもほどがあるよ……さわ子先生」

さわ子「あなた達がこのテイロスを撃破出来ればクリア。負けたらゲームオーバーってところかしら」

律「あんたのそんな勝手で!聡達は殺されたのかよ!?」

さわ子「あれ?何であなたが……あぁなるほど。雑魚が庇ったのね。上手い使い方するわね」

律「…………!!!!!」

クリス「訂正しろ!!!」

銃をさわ子に向ける。

さわ子「そんな吠えてる時間あるのかしら?後2時間もすればこの街は消えるわよ」

472: 2009/08/23(日) 19:29:53.21 ID:ym1byX0tO
クリス「くっ……軍のミサイルか」

さわ子「そうゆうこと。だから無駄口叩く暇があるならこのテイロスをいち早く倒した方が身のためよ」

テイロスと呼ばれたものは見た目タイラント103型に似ている。
しかしその右には四連装のロケットランチャー。左手はデカいアームの様な手、肩から胸の辺りまで厚い装甲板に覆われていた。

紬「無理よ…勝てっこない……」

律「やってみなきゃわかんないさ……」

和「唯、憂ちゃんと一緒に下がってて。彼女を、守ってあげて」

唯「うん、ありがとう和ちゃん」

憂「ありがとう和さん」

474: 2009/08/23(日) 19:35:08.00 ID:ym1byX0tO
梓「もうあなたをあのさわ子先生だなんて思いませんから。覚悟してください……クレアさんやみんなの仇!」

さわ子「いいわぁ~いいわよ梓ちゃん。最高よあなた」

律「行くぞ、みんな」

涙を拭う律。泣く暇もないと言うことはわかっていた。

しかし、

クリス「こいつは俺に任せて、行け」

澪「クリス!?」

クリス「早く行け」

律「……クリス」

紬「みんな…行きましょう。彼の行動を無駄にするべきじゃないわ。それにここで私達が全員氏んだら…今まで氏んで行った人に申し訳が立たないもの」

澪「だけど……」

クリス「ウェスカーに比べればこんな木偶の坊ただの雑魚だ」

さわ子「」ギリッ

475: 2009/08/23(日) 19:38:26.08 ID:ym1byX0tO
これからガンガン氏(ry

梓「……くっ…わかりました」

踵を返す梓。テイロスとは逆方向の、乗って来た車の方へ走り出す。
唯「…………憂、行こう」

唯は黙って憂の手を引いて車へ向かう。
憂もそれに黙って従った。

澪「必ず…生きてください…クリス」
クリス「あぁ」

澪も車へ向かう
和「クリス。BSAAの意地、見せてよね」

クリス「任せろ…」

和も車へ

律「クリス…聡の…聡の仇を…」

クリス「必ず討つ…約束しよう」
律「うん……」
律はもう一度聡の元へ行き、物語らぬ亡骸を強く、強く抱き締めた。
律「ごめんな…聡。そしてありがとう…」
紬「りっちゃん、早く」
二人はそうして車へ向かった。
──────────

479: 2009/08/23(日) 19:49:05.41 ID:ym1byX0tO


さわ子「いいのかしら?このテイロスは貴方の言う出来損ない(タイラント)とは違うわよ?」

クリス「はっ、出来損ないに上も下もない。俺一人で十分だ。」

さわ子「ちっ……減らない口ね。まあいいわ、貴方を頃してからゆっくり彼女達を追えばいい。そうね……貴方を殺るのは5分ってとこかしら」

クリス「随分デカく出たな」

さわ子「そうでもないわ。このテイロスの力を考えればね」

テイロス「ォォォ」

ガシャン

右手の四連装のロケットランチャーをリロードするテイロス。

クリス「そいつは楽しみだ。来な、出来損ない!」

482: 2009/08/23(日) 19:53:07.68 ID:ym1byX0tO
ファイル05
脱出

車の中は沈黙が支配していた。
運転席には澪、助手席には律、後ろには唯、憂、梓、和、紬。
5人乗りのこの車で後ろ5人は狭いが憂が唯の膝の上に、梓が和の膝の上に申し訳なさそうに乗っていた。

完璧に乗車違反だが今それを問いただす者はいなかった。

梓「私達……本当に無事にここを出られるんでしょうか…」

和「梓……」

紬「……」

律「……出なきゃ嘘だ。あれだけの犠牲を出して私達まで氏んだら…私はあの世で聡になんて言えばいいのか」

澪「律……」

484: 2009/08/23(日) 20:00:56.14 ID:ym1byX0tO
和「みんな、聞いて。これから誰が犠牲になろうとここから出ましょう。例え残る最後の一人になっても…。今ここで、約束しましょう」

律「私はそのつもりだよ…ただ、これ以上誰も失うつもりはないけど」

澪「うん…必ずみんなで脱出しよう」

唯「うん。必ず…」

憂「お姉ちゃん…」

紬「えぇ、必ず」

梓「(私が氏んでも…みんなを守ってみせる。クレアさん…俺さん…どうか私達を見守っててください)」

澪「ん?ラクーンシティ警察署の前にトラックが…」

律「他にも生存者が?澪。」

澪はうんと頷き車を停めた。

485: 2009/08/23(日) 20:05:26.96 ID:ym1byX0tO
律「私と澪だけで行くよ。ちょっと待ってて。念のために誰か運転席に」

和がこくりと頷くと澪が降りた後に運転席に乗り込んだ。

律「澪、助手席の方に回って。私は運転席の方へ回るから」

澪「わかった」

律「……」

念のためにとコルトを抜く律。そして運転席を二回、コンコンと叩いた。

するとゆっくり窓が開いていく

「またゾンビか?勘弁してくれよ、こっちだって弾が無尽蔵にあるわけじゃないんだ」

律「違います、ゾンビじゃないです。」

「ん?」

両手を上げてみせる律を訝しげに見ている男。

487: 2009/08/23(日) 20:07:37.54 ID:ym1byX0tO
「まだ生き残りがいたか。良く生き残ってたな嬢ちゃん」

律「律、田井中律です。あなたは?」

ケビン「ケビン・ライマン。ん?田井中律……どっかで聞いたことあるな」

律「もしかしてSTARSの人?」

ケビン「おぉ良くわかったな嬢ちゃん。」

律「律だっての!」

澪「律、どうかした?」

声を聞いたのか澪が律の元へ歩いて来た。

律「STARSの生き残りのケビンさん」

ケビン「ん!?」

澪「…あの、私の顔に何か?」

ケビン「綺麗な黒髪に真っ直ぐな瞳、あんたもしかして秋山澪さんかい」

澪「何でそれを?律?」

律「言ってない言ってない」

489: 2009/08/23(日) 20:13:16.83 ID:ym1byX0tO
ケビン「やっぱりか。あれだけ聞いてたからそうだとは思ったけどな」

澪「どう言うことですか?」

ケビン「後ろのトラックの荷台、開けてみ」

澪「はあ……」

澪は言われた通り後ろに回り、トラックの荷台の扉を開けた。

「……澪?」

澪「えっ……まさか……お母さん……?」

澪母「本当に澪なのね?」

澪「お母さん……お母さん!」

荷台に登り母の胸に飛び込む澪。

澪父「澪、大きく…そして母さんに似て綺麗になったな」キリッ

澪「お父さんも…」

律「どった~澪~なんかあっ……母さん……」

律母「律…」

490: 2009/08/23(日) 20:18:41.79 ID:ym1byX0tO
律「無事だったんだ…。」

律母「えぇ。」

律父「久しぶりだな、バカ娘」

律「会っていきなりそれかよ…。聡に両親は化物になったって聞いてたからもうあんたの顔みなくてもいいって清々してたのに」

律母「聡に会ったの?!聡は……」

律「……私を助けて氏んだよ」

律母「……そう」

律「文句言わないの?特に父さんは聡の方を可愛がってたから…」

律父「聡は…いい姉をもったな。今のお前を見ればわかる……たくさん辛いことがあったんだな」

律「なんだよ…急に…父親面…しないでよ…。ごめん…私…聡の事守れなかった」

495: 2009/08/23(日) 20:24:53.19 ID:ym1byX0tO
律母「あなたが無事なだけでも良かったわ…。聡も大好きなお姉ちゃんを守れたなら…本望よ」ウゥ…

律父「律、聡に助けてもらった命、粗末にするんじゃないぞ」

律「……はいっ!」

澪「律……。」

「あの……、もしかして唯のお友達の方かしら?」

澪「はい……もしかして唯の!」

唯母「はい、母親です」

唯父「唯もいるんですか?!澪さん!」

そう言って澪をゆすりまくる唯父。

澪「あ、あの車に乗ってます」

唯父「母さん!」

唯母「えぇ!」

二人は猛ダッシュでその車に向かった。

497: 2009/08/23(日) 20:30:20.44 ID:ym1byX0tO

律「親バカ……だな」

車から引き出された唯、憂、そして幼なじみの和、仕舞いには梓までもみくちゃにされていた。

澪「良かった…」

ケビン「ああゆう姿見たらこの仕事やってて良かったって思えるぜ」

澪「ケビンさん!本当に…本当にありがとうございました!」

律「しかしどこにいたんだ?(ウェスカーに捕らえられてた筈じゃ…)」

ケビン「このトラックの中だ。俺が脱出しようとしたら後ろがゴソゴソっと動いてな。それからは親バカタイムだよ。澪の母親に娘は私に似てると何度言われたことか…」

澪「すみません///」

律「(ウェスカー…あんたは何がしたかったんだ)」

498: 2009/08/23(日) 20:34:39.65 ID:ym1byX0tO
ケビン「俺達はこのトラックでここを脱出する。裏道を知っていてな。乗ってくか?」

律「マジで?やったなぁ!これで脱出経路も確保出来た!」

澪「ケビンさん、私達は他のルートで脱出します。だから私達の両親をよろしくお願いします」

律「澪?このままトラックに乗せてもらえばいいじゃん!あの車ももうガソリンがないんだしさ!」

澪「ここに来て何か思い出さない?律」

律「ん?ん~……何も」

澪「私達には、『氏神』が憑いてる」

律「氏神……あっ!」

澪「そう言うこと」

ケビン「?」

500: 2009/08/23(日) 20:38:41.64 ID:ym1byX0tO
────────

澪「じゃあケビンさん。両親をよろしくお願いします」

ケビン「あいよ、任せろ。ここを抜けたらS.T.A.R.S.の本部で落ち合うってことでいいのか少佐殿」

和「少佐はやめてよケビン。和でいいわ」

ケビン「いやぁまさかあの伝説の狼に会えるなんてな!地方勤務の俺じゃ二度とない機会だぜ」

和「よく言うわ。クリスと並んでS.T.A.R.S.の射撃大会で優秀な成績をおさめていたあなたが」

ケビン「少佐殿に覚えていただけているとは光栄だ。いや~二回もテスト落ちても諦めずに受けて良かったぜ」

澪「和ってどれぐらい凄いんだろう…」

律「わかんない…けど凄いんだな。…!」

律「とりあえず今度からSTARSの人に会ったら「あ、私真鍋和の友達です」って言えばOKだな!」

澪「確かに…」

和「やめてよ恥ずかしい//」

501: 2009/08/23(日) 20:40:33.82 ID:ym1byX0tO
澪母「気を付けるのよ澪」

澪父「母さん、澪ももう立派な大人だ。大丈夫さ」

澪「お母さん達も気をつけて」

律母「律、無理しないようにね」

律「わかってるよ」

律父「お前はお前しか出来ないことをやれ。いいな」

律「……わかった」

唯母「じゃあね唯、憂。また後で会いましょう。みなさん、二人をよろしくお願いします」

唯「お母さん~//」

唯父「憂。何があったかは聞かない。けど二人がどんなことになっても、お前らは俺の大事な子供だ。だから遠慮するな」

憂「お父さん……」

505: 2009/08/23(日) 20:49:15.91 ID:ym1byX0tO
ケビン「しばしの別れは済んだかい?」

皆は頷くとケビンはトラックのアクセルを吹かし、そして発進した。

ケビン「またな~!無事脱出しろよ!」

全員がそのトラックが見えなくなるまで手を振り続けていた。

澪「さて!地上エレベーターでプラットフォームに戻るとしよう」

律「すっかり忘れてたよ」

唯「色々あったもんねぇ」

梓「ですね」

和「でもアネットにそれは内緒にしておいた方がいいわよ。言ったらきっとGウイルス注射が待ってるから」

律「た、確かに」

そうしてエレベーターに乗り込む一同、だが

507: 2009/08/23(日) 20:51:14.08 ID:ym1byX0tO
澪「あれ……動かない」

律「何で?」

和「非常時には途中で止まることを防止するために使用出来なくなります…だって」

梓「つまり…また警察署内部の長い道のりを行くしかない…ってことになりますね」

唯「ほえ?」

和「多分軍のミサイルのせいね……」

澪「……本当に氏神が憑いるみたいだ」

律「今更言っても仕方ない!みんな走れ~!」

エレベーターを出て警察署内部へ再び入り最下層を目指す。

軍の滅菌作戦は残り1時30分を切っていた。

外はいつの間に明るくなってきている。

夜明けが迫っていた。

524: 2009/08/23(日) 21:53:45.63 ID:ym1byX0tO
────ラクーンシティ警察署 研究所 研究室

レオン「見つかるのはTウイルスとGウイルスの資料ばかりか……」

あれから何時間ここでこうしているだろう。律達は無事だろうか…。

レオン「通信機を落としたのはまずかったな…。」

無いものあれこれ言っても仕方ない。
ならどうすればいい…またあの化物と戦うのか……。
だが……

「あら?レオンじゃない。こんなところで会うなんて奇遇ね」

レオン「エイダ!?何故ここに?」

エイダ「上からの意向でGウイルスのサンプルを取りに来たのよ。あなたは?」

526: 2009/08/23(日) 21:59:17.16 ID:ym1byX0tO
レオン「ウェスカーと言う男に会った…。そいつはあり得ないほどの力の持ち主で…ちっ…語るだけ情けなくなるぜ」

エイダ「らしくないわね、本当に私が惚れかけたレオンかしら」

レオン「からかうな。俺も…人間だ。恐怖することもある」

エイダ「クラウザーが聞いたらどう思うかしら」

レオン「クラウザーも来ているのか?」

エイダ「いえ、彼は別任務についているわ。そろそろ私は行くわ。サンプルは手に入れたから」

レオン「エイダ、ウロボロスについて何か知らないか?」

エイダ「私も詳しくは知らないわ」

527: 2009/08/23(日) 22:00:18.49 ID:ym1byX0tO
レオン「そうか…」

エイダ「レオン。今のあなたは最高にカッコ悪いわよ。いつものあなたならこんな所まで来てチマチマ敵の弱点なんて調べに来ない」

レオン「……」

エイダ「男なら、負けるとわかっていてもやらなくちゃならないことがあるんじゃない?」

レオン「……やらなくちゃならない…か」

エイダ「じゃあね。もう二度と会うことはないかもしれないけど元気でね、レオン」

レオン「エイダ、ありがとう。おかげでやることが決まった」

エイダ「それは良かったわ。やっぱりあなた、最高にカッコいいわ」

529: 2009/08/23(日) 22:04:43.17 ID:ym1byX0tO
──────────

猛スピードでとばして来た一同はプラットフォームへ降りるためのエレベーター前まで来ていた。

律「ぜぇ…ぜぇ…人間やれば出来るもんだな!」

澪「そう…ね」

皆息を整えながらエレベーターが来るのを待つ。

ガコン──────

天井の一部が凹む。

和「何か…来る」

ガコン───

律「唯、憂ちゃんと一緒に隠れて!紬も!」

唯「うん!」

紬「気をつけてみんな」

唯は素早く憂を連れて物陰に隠れる。紬もだ。

ガコン─ガコン─ガコン─
ガシャアァン!

530: 2009/08/23(日) 22:08:13.02 ID:ym1byX0tO
「ウォォォォォォ」

律「こいつは…G!生きてたのか……」

各々武器を抜く。

澪「前に会った時より変化してる……」

和「あまり時間がないわ!速攻でやるわよ!」

梓「はいです!久しぶりの出番です!スパークショット!」

事前にチャージしていた電撃をGに放つ。

Gは呻き声をあげながらよろける

律「でぇい!」

律も2丁のマグナムを撃ちまくる。

澪もそれに続き発砲。

和「はああああっ」

ザンッとGの腕を切り落とす和。あまりの猛攻にGは成す統べなく倒れこんだ、だが

ぐちゅ、グチャグチャ

531: 2009/08/23(日) 22:13:18.71 ID:ym1byX0tO
Gは、また進化を開始する。
さっきの攻撃を受けそれに対応出来る姿へ。

二足歩行だったものが四足歩行となり、大きな口周りには何十本もの牙が生え揃っている。

律「くっ…これじゃキリがない…」

和「諦めたらそれで終わりよ!はぁぁ!」

和がGに斬りつける、しかしそれを容易にかわすG。

和「速い!」

梓「チャージ完了です!スパークショット!」

電撃がGを襲うが、それも避ける。

梓「なっ」

律「この!」

律が連射するが色々な場所に飛び回り狙いが定まらない。

533: 2009/08/23(日) 22:18:29.52 ID:ym1byX0tO
ゴォォォン

不意に地面が揺れる。

『非常警報が発令されました。研究員、関係者は直ちにプラットフォームから脱出してください。オールヒロユキイモウトサトコ』

律「軍のミサイルか!?」

梓「時間がないです!」

和「くっ…でも…」

和が近寄り斬りかかってもあっさりかわすG、そしてG反撃を和がかわす、と言ったいたちごっこになっていた。

澪「これじゃ……」

ドゥン……

鈍い銃声が響いた。律達が持っている銃の音ではない。
それはGに直撃しGは派手に転げ倒れる。


律「この銃声…レミントン……レオン!?」

「ドンパンうるさいから来てみれば、いい所に来たみたいだな」

535: 2009/08/23(日) 22:23:25.63 ID:ym1byX0tO
梓「やっぱり生きてたんですねレオンさん!」

レオン「君も無事そうで何よりだ。全く、もっと相手の動きを読んで撃ち込めと教えた筈だが」

律「レオンみたいにそんな冷静になれないよ」

レオン「ふっ……冷静…か。律、お前達は先に行け。その様子じゃ全部片付いて今から脱出ってとこだろう?」

律「レオン?!」

レオン「このままこんな雑魚に大勢で手を裂いていたら時間の無駄だ。」

律「言ってくれるねウチの兄貴は。」

和「確かにあのGに一撃でも当てたのは彼だけよ。悔しいけどね」

澪「このままいればレオンさんの足手まといになる……か」

梓「……」

536: 2009/08/23(日) 22:27:32.78 ID:ym1byX0tO
レオン「そう言うことだ。エレベーターもついたみたいだ。早く行け。俺は別の脱出ルートから脱出する、心配するな」

澪「わかりました…。」

澪は唯達のところへ行きこの胸を伝える。

和「ありがとう、レオンさん」

レオン「気にするな」

梓「レオンさんって本当に無茶が好き何ですね。あ、これ返します」

梓はジャケットを脱ぎレオンに渡す。

レオン「いや、君が持っていてくれ。次、会った時に返してもらうよ」

梓「わかりました、ご無事で」

レオン「あぁ」

538: 2009/08/23(日) 22:32:34.07 ID:ym1byX0tO
律「……レオン」

レオン「何やってる、早く行け。奴が来る」

Gはゆっくりと起き上がりレオンに向き直る。

律「レミントンじゃ火力に不安があるだろ。これ」

そう言うと律は自分のマグナム、二年間使い続けたコルトM19、S&Wをレオンに手渡した。

レオン「いいのか?」

律「私にはもう必要がないから」

レオン「そうか…」

レオンは素直にそれをホルスター事受け取った。

律「じゃ……いつかまた」

レオン「律、言っておきたいことがある」

律「なに?」

レオン「……俺はずっと嘘をついてきた」

541: 2009/08/23(日) 22:38:08.11 ID:ym1byX0tO
律「嘘?」

レオン「二年前、お前は俺に自分のことをどう思ってるか聞いただろ?」

律「あったね…そんなこと」

レオン「俺はその時お前を妹のような存在と言った。」

律「うん」

レオン「だけどな、本当は律、お前のこと…愛してる」

律「いきなり愛してるって//普通好きとかが先なんじゃ…いやその…あの……」

レオン「なんてな。」

律「えっ…」

レオン「別れにはこれぐらいのシリアス感がいるだろう?」

律「レ~オ~ン……!」

レオン「必ず生き延びろよ、妹」

律の頭をくしゃりと撫でるレオン

543: 2009/08/23(日) 22:43:55.20 ID:ym1byX0tO
律「あぁ、兄ちゃんも」

軽くお互い抱き合って別れる。

律「じゃあ行くね」

レオン「あぁまた会(ry」

チュッ

レオン「……」

律「えへへ//ホッペだからノーカンな!私のファーストキスの相手は決まってるから。アメリカの挨拶だよ挨拶//」

レオン「……」

律「こらこら、無言やめてよレオンさん」

レオン「…いいから早く行け。もう時間がない」

律「わかった。必ずまた、会おうレオン」

レオン「あぁ」

エレベーターへ走って行く律を見ながら

レオン「燃えるぜ」

レオンはレミントンをしまいコルトを抜いた

547: 2009/08/23(日) 22:47:51.12 ID:ym1byX0tO
──────────

誰か!俺のことを覚えてらっしゃる方はおりませんか?
おりませんか~?

そう、ハンクだ、懐かしいな。

何をしてるかって?

電車の修理を終えた後ひたすら彼女達を待っている。たまにはシェリーの相手などもしているがな

君らと同じく隠居生活だ。

アネット「しかし遅いわね…軍の滅菌作戦も始まってると言うのに」

シェリー「澪……」

ハンク「今は信じて待つしかないさ。ギリギリまで待って駄目なら俺ら達だけでも逃げよう。このままずっと待ってても犬氏にだからな」

アネット「そうね…」

550: 2009/08/23(日) 22:52:25.92 ID:ym1byX0tO
お~い……
ハンク「待て、今声がしなかったか?」

アネット「……」

お~い~!

アネット「えぇ!」

ハンク達は直ぐ様電車を出ると奥のエレベーターから彼女達が、帰ってきた。

澪「お~い」

走りながら手を振る澪
ハンク「みおちゅわああああああん!」

ハンクも澪に向かい走り抱きつこうとする。
澪「ははは~」

ハンク「ふふふ~」

二人の距離が残り1mを切った時、

澪「ははは~」

ぐしゃり

澪の右の拳がハンクの顔に直撃した。
ハンク「う~お…う~お…う~お…」
軽快にスローモーションで吹っ飛ぶハンク

554: 2009/08/23(日) 22:58:15.44 ID:ym1byX0tO
シェリー「MIO win!」

律「ストツーか!」

ハンク「あんまりだぜ澪…」

澪「ごめん手が勝手に」

ハンク「愛ゆえに……だな!」グッ

親指を突き立て力強く押し出す

澪「うん」

澪はそれを逆にした、そう、氏ねと言う意味合い

ハンク「くっ……以前にもましてドSだな……だが、それがいい」

和「バカなことやってないで早く脱出するわよ!」

唯「みんな電車に乗り込め~♪」

一同電車に乗り込む。

グチャ……グチャ……グチャ……

555: 2009/08/23(日) 23:01:45.36 ID:ym1byX0tO
ハンク「よっしゃ~出すぜ!」

ハンクが電車を操作して動かす。
電車はゆっくりと速度を上げ、プラットフォームを離れて行く。

律「ふぅ……つかれたぁ」

一気に疲れが体に襲いかかりたまらず座り込んだ律。

澪「お疲れ律」

律「な~に言ってんだよ。それはみんなだろ?」

和「今度こそ終わったのね」

律「あぁ…全部…全部終わった」

紬「アンブレラも事実上消滅…これでもうバイオハザードなんてバカなことをする輩はいなくなったわ」

澪「二年前からの戦いが…今ようやく終わったんだ」

556: 2009/08/23(日) 23:07:43.33 ID:ym1byX0tO
唯「うん……失ったものはたくさんあったけど…それでも私達は生きてる」

和「本当の戦いは終わってない…か。人間は生きている限り戦いだもの」

律「そうだな。でも、こうして生きている限り、私達には無限の可能性がある」

澪「そう、生きている限り…私達の道は続いて行く…。その道をどこに曲がるかなんてわからない。だから、私達は悩んで、苦しむ。それを助けてくれるのが仲間」

唯「」ニコッ
律「」ニコッ
和「」ニコッ
紬「」ニコッ
梓「」ニコッ
憂「」ニコリ

澪「生きるってことは、こんなにも素晴らしいことなんだって…改めて実感したよ」
最後に澪もみんなに微笑み返した

557: 2009/08/23(日) 23:10:01.89 ID:ym1byX0tO
FIN




本来ならばこれで全て終わり、ここでエンディングであろう。通常の物語なら
しかしこのバイオハザード、何とも諦めが悪い。

電車が急激に揺れる。

律「なっ……んだ?」

一同はその衝撃で体を強く揺さぶられるが何とか踏み留まった。

アネット「重量オーバーみたい!何か大きなものが乗り込んでるわ!」


運転する装置がある部屋からアネットが出てきてそう告げる。

律「この中に……とてもとても重たい人がいます!」

唯「りっちゃんまさか……!」

澪「なわけあるか!」

アネット「重量がオーバーしてしいるのは一番後ろの貨物みたい」

559: 2009/08/23(日) 23:13:28.86 ID:ym1byX0tO
律「私が見に行く!」

唯「いや!私が行くよりっちゃん!」

和「私が行くわ。」

澪「なら私が!」

律唯和「どうぞどうぞ」

澪「だと思ったよ、うん」

和「冗談はここまでにして、律、澪、行くわよ」

律「ほい来た。おおまかせってね」

澪「わかった」

梓「私も、行きます。」

和「わかったわ。唯、憂、むぎ、ここで待ってて。」

唯「把握したよ!」

憂「わかりました」

紬「気を付けてね和ちゃん」

そうして四人は電車の最後尾へと向かった。

562: 2009/08/23(日) 23:16:29.72 ID:ym1byX0tO
電車の最後尾────────

律「何じゃこりゃ…」

澪「……」

和「もしかして……G?」

梓「気持ち悪い…」

電車最後尾の扉が開いた瞬間その10mほど先にはもう生き物とは呼べないモノがいた。

長い触手を車両の前のに引っ掛け大きな体をゆっくりと引っ張っている。

本体はただ大きな口のようなものがあるだけ。

律「レオンにやられてここまで追って来たか。哀れだな…」

「ォォォォォォォ」

最早叫び声にもならない音が車両内に響く。

澪「どうする?」

和「車両を切り離しましょう。それで終わりよ」

565: 2009/08/23(日) 23:23:25.91 ID:ym1byX0tO
やることが決まり早速外に出ようとする四人

梓「開きませんよ!?」

律「ここまで来るとお約束だな…」

澪「武器は!?」

和「私はガタガタの刀ね」

梓「スパークショットも充電がないです…」

澪「私のイーグルの弾も二発だけ…」

律「私に至っては丸腰……」

梓「これ使ってください」

梓は律に借りたナイフを返した。

律「ナイフじゃさすがにキツいですよ梓さん…」

その間もGは少しづつ近寄って来る。

律「最後の最後で絶対絶命…か」

ゴォォォン!

車両の上から何かが突き抜けて来た。

569: 2009/08/23(日) 23:29:50.53 ID:ym1byX0tO
律「なんだっ……?」

澪「あれは……テイロス…」

Gの前に落ちて来たのはテイロス。しかし右腕のロケットランチャーはなくなっていた。

そして私達を庇う様に目の前に落ちて来たのは……。

和「追跡者……」

梓「俺さん!!!!!」

和「俺?あれが!?」

「梓、大正解。100ハラタイラサンプレゼント」

その穴から降りてきたのは「俺」だった。

俺「久しぶり~和」

和「あなた……やっぱり生きてたのね。でも…追跡者が「俺」って……」

俺「簡単なことさ。あいつも俺も「俺」なんだ」

梓「説明になってません!」

571: 2009/08/23(日) 23:34:23.90 ID:ym1byX0tO
俺「泣くなよ梓」

梓「だって……」シクシク

俺は梓の頭を軽く撫でた。

俺「それより早くこの車両を切り離せ。そろそろ重量オーバーで緊急ブレーキがかかる。そうなったらこのトンネル内でこの化物二匹とガチンコバトルだぜ」

和「それよりちゃんと説明してよ!」

律「……久しぶりに蚊帳の外だな、澪」

澪「律、人には言わなきゃならないことと言わなくていいことがある。それは言わなくてことだ」

律「……澪にしては気の効いた台詞だな」

澪「私にしては、は余計だ。受け売りだよ。誰かさんのね」

573: 2009/08/23(日) 23:40:23.30 ID:ym1byX0tO
俺「ここでお前達が行ってくれないと俺達が来た意味がなくなる。俺のことは気にするな。行け!」

律「よくわからないが車両を切り離さないと不味いからな。澪、ステップジャンプよろしく」

ステップジャンプとは
軍隊がツーマンセル等で一人では登れない高い所を登る時。
片方が受け身なって片方を登らし、登った本人は上から下に残った片方を引き上げると言ったチームプレーだ。

澪はわかったと言うと両手を下降気味に構える
すると律はその手を踏み込み追跡者が開けた穴から車両の上に出た。そして澪を引き上げる。

574: 2009/08/23(日) 23:45:47.99 ID:ym1byX0tO
俺「あんたが澪か。声通り綺麗だな」

澪「もしかしてあの時のSTARSの人ですか?(にしては全く雰囲気が……)」

俺「あぁ。梓達を頼む」

テイロス「オォォォォ!」

その時テイロスが「俺」達に向かって来る。

俺「「俺」!ちょっと抑えてろ!」

そう言うと追跡者はテイロスに立ち塞がり抑え込み始めた。

俺「早く行け!」

和「でも…」

俺「大丈夫だ。またいつか会えるさ、和」

和「約束よ……」

和は澪に手を貸してもらい上に登った。

梓「俺さん……」

579: 2009/08/23(日) 23:51:56.58 ID:ym1byX0tO
律「何かいい雰囲気だな」
澪「律、行くぞ」

律「ちぇっ」

和「人の恋路を邪魔するやつは電車から落ちて氏ぬわよ?」

律「へいへい」

俺「梓、君も早く」

梓「イヤ……です」

梓は俺の背中に抱きついて顔を埋める

俺「時間がないんだ」
梓「もう…離れたくないです」

俺「梓……」

梓「好きなんです、俺さんのこと」

俺「……ありがとう」
梓「だから……離れたくありません」

俺「大丈夫。そんな気持ちも、俺のことも、きっと忘れるから」

梓「そんなこと……言わないでください…じゃないと私……泣いちゃいます……」

俺「もう泣いてるじゃないか…」

580: 2009/08/23(日) 23:57:13.95 ID:ym1byX0tO
俺「梓、行ってくれ。「俺」達の為に生きてくれ」

梓「俺さん……」

私の涙で濡れた俺さんの暖かい背中から、ゆっくりと離れた。
ほんとは離れたくないけどこうしないと駄目な気がしたから。

梓「かな゛ら゛ず生ぎてあいに゛きてぐだざいね……」

俺「鼻水でてんぞ。あぁ、約束しよう」

俺さんが屈む、私はその背中を踏み込み車両の上に登った。

俺「またな、梓」

梓「はい……」

次第に薄れて行く「俺」と言う存在

忘れたくないのに……。

581: 2009/08/24(月) 00:01:14.39 ID:ym1byX0tO
>>575
バイオ好きの友人が5でやってたのを見て他の友人とやって手を骨折したの思い出した。



俺「いったか……。良かったな「俺」また梓に会えて」

目の前の怪物、追跡者に向かって話しかける。

追跡者はテイロスをおさえながらこくりと頷いた。

俺「そろそろ時間か……。」

体の感覚が少しづつなくなって行く。

俺「きっと「俺」の存在など皆忘れていくだろう。だが、それでもいい」

それが役目なのだから

俺「軽音部に、幸あれ」

ただあの約束だけは果たさないとな

それぐらいはいいだろう、兄弟

583: 2009/08/24(月) 00:08:01.83 ID:KJvtcDEAO
私達はメタル○アソリッドさながらの匍匐前進で車両の上を伝い「俺」達が乗っている車両の連結部分に来ていた。

律「さて、これを切り離せばいいのか」

澪「和、梓、本当にいいの?」

和「……えぇ」

梓「また会うって、約束しましたから」

律「なら遠慮なく……」

そう言って連結部分を離そうとした時だった。

キィィィィと言う嫌な音が響き電車が一気に止まる。
4人はその勢いで前の車両に強くぶつかった。

律「いちち…今度はなんだ?」

『車両内にバイオハザードが発生しました。滅菌の為にこの電車は爆破されます。繰り返します……』

律「また爆破かよ……」

586: 2009/08/24(月) 00:12:53.33 ID:KJvtcDEAO
先頭車両、運転操作室──────

ハンク「は~暇やな~……」

ただメーター見てるだけなんてリッカーでも出来るつーの

その時、急に電車に急ブレーキがかかりその勢いでハンクは強く頭をうつ

ハンク「ぐっ……な、なんだ……。」

電車が止まってるのはわかったが……それから段々意識が遠くなる。

ハンク「出来れば……澪に……優しく起こされた……い」ガク

588: 2009/08/24(月) 00:16:03.20 ID:KJvtcDEAO
二番目車両─────

急にブレーキがかかったもののアネットさんから何かモノにつかまってなさいって言うナイス助言のおかげで私達は大きな怪我もなかった。

唯「一体なんだったんだろ」

憂「電車止まってるねお姉ちゃん」

唯「そだね、憂。なんでだろ」

紬「後ろの車両に行ったみんなが気になるわね」

アネット「ちょっと!ハンク!開けなさい!ハンク!」

シェリー「どうしたの?」

アネット「あっちからロックがかかってて運転室に行けないのよ」

シェリー「私が行って来る!ここの穴から行けそうだから」

アネット「頼むわねシェリー。気を付けて」

シェリー「うん!」

590: 2009/08/24(月) 00:20:56.96 ID:KJvtcDEAO
その時不意に電車の窓が叩かれた。

唯「ん?」

律「~~~」

唯「りっちゃん~。ん?どうかしたの?」

この電車の窓は内側にしか取っ手がなく外からは開けられない。

唯「りっちゃん~どうしたの?」

律「~~~!!!」

唯「りっちゃんピョンピョン跳ねて面白い~」ハハハ

紬「唯ちゃん開けてあげないと…」

唯「あ、そうだね。よいしょっと」

ようやく窓を開けた唯への第一声は

律「そんなにピョンピョンしてるのが面白いかコノヤロウ!」

電車の車高は実はかなり高くて律の身長では窓まで必氏にジャンプしなければならないほどだ

591: 2009/08/24(月) 00:26:22.99 ID:KJvtcDEAO
澪「そんなことより早く降りて唯!この電車後ちょっとで爆発する!」

紬「どうゆうこと?」

和「対バイオハザード対策で車内でバイオハザードが発生したら爆発するシステムになってるのよ!」

アネット「なんですって!?」

後ろにいたアネットも窓から身を乗り出して律達の話を聞く。

律「だから早く降りろ!って言おうとしたら唯が私を見て笑うんだ……酷い」

唯「ごめんねりっちゃん…」

律「ふんっ…」

唯「りっちゃん…」

律「いいから早く降りてこいっ//ここは危ないんだからねっ」

唯「ツンデレりっちゃん萌え~」

和「新しいわね…」

592: 2009/08/24(月) 00:30:16.23 ID:KJvtcDEAO
ドアが反応しない為窓から唯、憂、紬、アネットが降りる。

澪「シェリーは?」

アネット「前の車両にいるわ」

アネットはそう言うと前の車両に行き自分の娘の名前を強く呼んだ。

アネット「シェリー!シェリー!」

シェリー「マミィ!」

窓から顔を出すシェリー。

アネット「降りてらっしゃい。ここはもう危険だから」

シェリー「うん!」

シェリーはその窓から自分の母に抱きつくように飛び降りた。

澪「シェリー、ハンクは?」

ハンク「ここだ」

窓からニョキっと顔を出したハンクはそのまま飛び降りる。

594: 2009/08/24(月) 00:36:35.63 ID:KJvtcDEAO
ハンク「事情は大体わかった。行くぞ」

ハンクが出口に向かって走って行く。

光が指している出口へ向かって一同は走り始めた。

各々この街での記憶を思い出しながら。

梓「(さよなら、俺さん)」


一同が出口に差し掛かった時、後ろにある電車はバガン……と轟音をたて爆発する。

「みんな伏せろ!」

誰かの声がする、それは誰の声かはわからないが、皆はそれに反応し飛び伏せた。


大きな爆発が過ぎ去った後、トンネルからは狼煙の様な煙が上がっていく……

595: 2009/08/24(月) 00:38:22.64 ID:KJvtcDEAO


律「みんな無事か~?」

澪「なんとか」

唯「うん~。憂、大丈夫?」

憂「大丈夫だよお姉ちゃん!」

和「息つく暇もないわね……」

紬「スニーカーに履き替えてて良かったわ…」

アネット「シェリー、大丈夫?」

シェリー「うん♪」

ハンク「ここは…。まだラクーンシティの郊外だ。まだ滅菌作戦のミサイル範囲内だぞ」

紬「……それなら大丈夫みたい。」

空を見上げる紬には見えていた。大きく手を振りながらこっちへ来るヘリを。

斉藤「おじょ~さま~!」

596: 2009/08/24(月) 00:41:25.38 ID:KJvtcDEAO
ハンク「なるほど、脱出経路も確保済み……ならこの辺でいいか」

ハンクはアサルトライフルを向ける。

澪「ハンク!?」

ハンク「澪、Gウイルスを渡せ。」

アネット「あなたやっぱり……」

シェリー「ハンク……」

ハンク「残念だったな。もうあのハンクはいない。どうやら記憶は共有しているみたいだからな。事態を把握しやすかったよ」

澪「……ハンク」

ハンク「そんな切ない顔をするな澪。俺にはお前は過ぎた宝だ。暗闇でしか生きられない俺が初めて触れた光、そんなお前を撃ちたくはない」

601: 2009/08/24(月) 01:00:54.86 ID:KJvtcDEAO

澪「なら!」

ハンク「残念だったな……俺は任務の為なら何だってやる。いいからGウイルスを出せ」

澪「…………」

澪は言われた通り黙ってGウイルスをハンクに差し出した。
その瞳は悲しみに満ちていた。本当に、彼には言葉では言い表せない程の借りがあったからだ。

ガガッ

『ハンク、聞こえるか?』

ハンク「こちらハンク。Gウイルスを確保した」

『残念ながらそれはもう必要なくなった。アンブレラは崩壊だ』

ハンク「なんだと!?」

紬「」ニヤニヤ

605: 2009/08/24(月) 01:04:15.44 ID:KJvtcDEAO
『君も自動的に解雇だ。すまないな。これからは第二の人生を楽しんでくれ。以上だ』

ハンク「ククク……そうか、アンブレラはなくなったか。」

ハンクはアサルトライフルを投げ捨てると膝まづき「殺せ」とだけ言った。

和「無益な殺生はせぬ」

律「ゴ、ゴエ○ンがいるぞ!」

澪「ハンク、確かに今のあなたはあのハンクじゃないのかもしれない……けど、私はあなたに借りがある。だから……これで帳消しにしよう」

ハンク「俺を殺さないと?」

澪「あぁ。」

ハンク「…………そうか」

606: 2009/08/24(月) 01:10:11.00 ID:KJvtcDEAO
ハンク「あんなことをしておいて一緒にヘリに乗って脱出は出来ない。だから俺はもう行く。」

そんなカタコトみたいなことを言ってハンクは澪達の元を離れていく。

ハンク「澪、一つだけ……いいか?」

澪「何?」

ハンク「本当に、ありがとう。これはあのハンクからだ。多分な」

澪「うん……」

澪は署内で起きたハンクとの出来事を思い出しながら、言った。

澪「こちらこそ本当にありがとぉ……ハンク」

耐えられず涙を溢す。思えば律と離ればなれになり絶望していた私を救ってくれたのは彼だった。
いつでも面白くて、私を慰めてくれて、味方でいてくれたハンク。

会ったばかりの私に何度も、何度も命を賭けてくれた。

私は将来彼以上に異性を好きになることがあるのだろうか

澪「(さよなら……ハンク。私の大好きな人)」

607: 2009/08/24(月) 01:15:35.02 ID:KJvtcDEAO
アネット「ハンク!約束、守りなさいよ!」

ハンク「記憶は共有していると言った。あぁ……守ろう」

そうしてハンクは遠く、遠く……離れていく。

──────────

ハンク「こんなものはもういらないか……」

Gウイルスを強く握りしめると湖に投げ捨てた。

結局隊員Cとの約束は果たせなかった。いや、これからも俺が生きている限り氏神の帰還記録は継続されていく。そう、生きている限り


ハンク「Good bye、澪」

609: 2009/08/24(月) 01:18:26.39 ID:KJvtcDEAO
────────

ヘリがゆっくりと降りて来る。

斉藤「お嬢様!通信機が使えなくて焦りましたよ」

紬「どうしてここが?」

斉藤「琴吹家の衛星カメラの熱源で調べました」

紬「さすがね」

斉藤「いえ、お嬢様の為です」

紬「…………それはどちらに対しての忠誠心かしらね……」

斉藤「?」

紬「とりあえず皆さん乗ってください。ここを脱出します」

全員がヘリに乗り込む。

ウガガガガガアアアアア

律「まだ終わりじゃないってわけか」

トンネルから出てきた巨大な怪物を見て律は言い放った。

612: 2009/08/24(月) 01:23:07.07 ID:KJvtcDEAO
澪「なんかもうぐちゃぐちゃになりすぎてわからないな……。テイロスとGが融合したのかな」

唯「おっきいね~」

和「でもあんなの相手に出来ないわよ」

紬「心配ないわ、斉藤」

斉藤「はっ!皆さん、これを」

斉藤がヘリの奥からもって来たのは6本のロケットランチャー

律「6個とは豪華だな~」

澪「終盤になると必ずロケットランチャーが出てくるのは何でだろう……」

梓「お、重い」

和「私使ったことないわよ」

唯「ここはこうするのだよ和ちゃん!」

紬「さあ、みんな行くわよ」

6人はロケットランチャーを構え、

化物に放った────

616: 2009/08/24(月) 01:28:22.56 ID:KJvtcDEAO
──────────

「あちっ……」

いつの間に煙草の灰が指もとまで来ていた。
その灰を急いで灰皿に落とす。

「ふぅ……長かったようで短かったな」

そうしてまた新しい煙草に火をつけた。

カランカラン─────

また新しいお客さんがこの喫茶店に入って来た。
人数は4人

その4人は少し店員と話すと真っ直ぐ私の方へ来た。
私はその人達を知っている。

「遅いよ、澪」

澪「全部終わったのか?律」

律「あぁ、綺麗さっぱりな」ニコッ

澪「そっか」ニコッ

617: 2009/08/24(月) 01:32:20.70 ID:KJvtcDEAO
澪「って律!いつの間に煙草なんて!ダメだぞ!」

律「私はボーカルじゃないからいいんだよ」

唯「りっちゃん煙草似合う~」

梓「でも体に良くないです」

紬「そうねぇ、いくら法律では認められていると言っても体に良くないものは良くないから…」

律「ふふ、ふふふ…な~んてね。実は禁煙煙草でした~。大人ぶりたかっただけだよ~ん」

澪「……全く」

律「出ようぜ。さすがにコーヒー三杯でずっといるのは気まずいから」

澪はわかったと頷くと会計をすまし、
寒空の下に出ていった。

618: 2009/08/24(月) 01:38:25.58 ID:KJvtcDEAO
律「ライブはいつからだっけ?」

梓「今日の17時からです。今が14時ですから…急がないと。和さんに怒られます」

澪「和は鬼マネージャーだからな」

紬「お客さんいっぱい入るかしら」

唯「きっと入るよ~基本無料だしぃ」

律「聴いてけ泥棒!ってやつだな」

私はあるものを探していた。街の中に当たり前にあるもの…
しばらく探すとそれは簡単に見つかった。

そう、ゴミ箱だ

私は灰色のコートを脱ぐとそれをゴミ箱につっこんだ。

澪「律?いきなりどうしたの?あのコート気に入ってたんじゃ」

律「あのコートには血がつきすぎたからな…。今日から心機一転だよ」

さようなら、あの世界

こんにちは、この世界

620: 2009/08/24(月) 01:42:26.10 ID:KJvtcDEAO
武道館 舞台裏───────

和「遅いわよあなた達。」

唯「和ちゃん客入りは?」

和「もれなく満席よ。入るのはタダでお代は聴いてから次第って言うのといつの間にか私達がバイオハザードの生き残りでその為にバンドを結成してチャリティしてるって言うのが広まったみたい」

律「う~っひゃ~これ何万人いるんだ~?ほら、見てみろよ澪」

澪「観客はじゃがいも……じゃがいも」

律「駄目だこりゃ」

梓「まさか夢の武道館で本当にライブ出来るなんて……」

紬「5年越しの夢が叶ったね♪」

623: 2009/08/24(月) 01:47:36.06 ID:KJvtcDEAO
律「よ~し円陣組むぞ~」

唯「和ちゃんも入って♪」

和「仕方ないわね」

6人は円となって

律「軽音部~ファイ」

全員「オー!!!」


─────────


唯「初めまして~放課後ティータイムです。今日は私達の最初で最後のライブに来てくれてありがとう!」

ワーワーワー

唯「知ってる人もいるかもしれないけど、私達はバイオハザード経験者です」

…………

唯「この中にもバイオハザードのせいで家族を失った人がいるかもしれません…。」

…………

627: 2009/08/24(月) 01:50:19.04 ID:KJvtcDEAO
唯「まだその爪痕は深く残っていると思います。私も…いっぱい大切なものを失いました……」

唯は辛い記憶を思い出したのか頬に涙を流す。

唯「みんな……みんな……本当に…辛かったでしょう……」

涙が止まらない。
大切なライブなのに

唯父「唯ー!!!頑張れー!!!!!」

唯母「唯~!」

男A「唯ー頑張れ!」
頑張れ~
がんばって~

律「唯、頑張れ」
澪「がんばって、唯」
紬「唯ちゃんファイト」
梓「唯先輩がんばってください」

唯「ありがとう…みんな」

涙を拭い笑顔を見せる唯

629: 2009/08/24(月) 01:53:39.01 ID:KJvtcDEAO
唯「それでも私には、支えてくれる友達が、仲間がいました!だから…めげずに今日までこうして生きてます!
だから皆さんも……バイオハザードと言う辛かった日々にに負けず、幸せな明日を信じて生きていきましょう。昨日や今日が最悪な日でも、明後日しあさってには最高の日になるかもしれないから!
私達は今も苦しんでいる人達の為に歌います!」

唯「ふわふわ時間っ!」

──────────

634: 2009/08/24(月) 02:02:21.46 ID:KJvtcDEAO
─────────

クリス「ジル、バリー、レベッカ、ブラッド、フォレスト、そしてクレア。来るのが遅れてすまん」

静かに花を添える

クリス「俺のわがままに付き合わせてしまってすまなかった…。お前達は…俺を恨んでいるか?
そうだよな…恨んでるよな。あぁ、すまないと思っている。……さっきから謝ってばかりだな」

クリス「……アンブレラはなくなった。しかしこの世界のテロが完璧になくなったわけじゃない。俺はそれらが有る限り戦い続けると約束しよう。それが俺の…君達へのたった一つ出来る償いだろう」

635: 2009/08/24(月) 02:03:51.50 ID:KJvtcDEAO
もう書き溜めなくなりました

でも後は残りの人のその後だけです

637: 2009/08/24(月) 02:09:21.83 ID:KJvtcDEAO
──────────

「こんな山中までご苦労なこったな兄さん」

「それほどでもないさ」

「しかし大統領直属の兵隊のあんたが出てくるってことは相当な事件なんだろう?」


「いや、ただ人が一人誘拐されただけだ」

「ハッハッハ。誘拐されただけ、とはな。俺達一般の警官じゃそれだけで大事件だって言うのに」

「ついたぜ。これ以上は車では行けないから歩いて行きな」

「助かった」

「ん?随分古い銃だな。」

「あぁ、大切な人の貰い物さ」

男の手にはコルトM19が光っていた。

639: 2009/08/24(月) 02:14:03.68 ID:KJvtcDEAO
──────────

アネット「シェリー、学校遅れるわよ」

シェリー「後5分だけ……」

アネット「シェリー」

シェリー「わかったよぉ…マミィはうるさいなぁ…」

アネット「朝ごはんは?」

シェリー「いらな~い。それじゃ行ってきま~す」

アネット「シェリー!全く……あの子もすっかり反抗期ね。」

棚に飾ってある写真を手に取る。

アネット「本当手がかかるわ……あなた。でも……」


アネット「とっても幸せよ。私達」

640: 2009/08/24(月) 02:22:27.44 ID:KJvtcDEAO
─────────

紬「ライブも終わっちゃったしやることなくったわね…」

これからどうしよう。借金はいくらぐらいあるのだろうか
きっと想像も出来ない額なんだろうな…

「お嬢様、やっと見つけましたよ」

紬「……斉藤」

斉藤「一年前に急に何も言わずいなくなるんですから。心配しました」

紬「もういいのよ斉藤。私はもうただの琴吹紬、琴吹財閥の跡取りでもない。ただの借金まみれの女よ」

斉藤「残りの借金は2兆4968億飛んで500円となっております」

紬「……なるほどね、逃げないよう監視に来たわけ」

642: 2009/08/24(月) 02:24:35.89 ID:KJvtcDEAO
斉藤「……お嬢様。私は氏ぬまでお嬢様の、いえ、琴吹紬と言う人間の執事です。あなたがどんな状況になろうと見捨てたりしません」

紬「斉藤……あなた」

斉藤「少ないですが、これを」

斉藤の手の平には500円玉

紬「これは?」

斉藤「自分の全財産です。残りの資財は借金に当てました。屁ほども減りませんでしたが」

紬「……斉藤。ありがとう」

斉藤「いえ、お嬢様の為です」

紬「紬でいいわ、斉藤」

斉藤「はい、紬様」

紬「様もいらない。後は敬語もやめなさい。残りの借金総額は?」

斉藤「2兆4968億……だ、紬」

紬「よろしい。これからどこへ行こっか、斉藤」

斉藤「あなたのいるところなら地獄の果てまでもお供します」

644: 2009/08/24(月) 02:36:53.67 ID:KJvtcDEAO
─────────

梓「~~~っと♪こんな感じでどうですか?」

プロデューサー「いいねいいね!この曲のイメージにぴったりだよ!」

梓「いえ、気に入ってもらえて何よりです。じゃあ私はこれで」

プロデューサー「あっ、出るなら裏口からの方がいいよ。表は君の出待ちでいっぱいだろうから」

梓「はぁ……」

私もいつの間にか人気になったものだ。

ただの作曲家なのに

突きあたりを右に曲がれば裏口だ。用心するに越したことはないか

梓「誰もいない……ですよね?」

「残念、僕がいるよ梓」

645: 2009/08/24(月) 02:38:23.84 ID:KJvtcDEAO
梓「ひぃっ」

裏口を閉めようとするも男はその間に足を入れ、私を引きずり出そうとする

男C「可愛いなあずにゃん。やっぱり実物は可愛い」

梓「やめてくださいっ!警察呼びますよ?」

男C「いいよ、呼んでごらん。その前に僕があずにゃんを……ふひひ」

梓「ひぃぃっ」

誰か、助けてっ……

「おいおい、女の子に乱暴は良くないぜ?」

男C「なんだお前、僕とあずにゃんの幸せな一時を邪魔するな!」

梓「違います!この人が無理矢理」

「だとさ。何か弁解あるか?」

男C「……氏ね!」

男はいきなりナイフを取り出し、もう一人の男へ向かって振り回す。

649: 2009/08/24(月) 02:44:40.94 ID:KJvtcDEAO
「そんな振り回してるだけじゃ……な!」

ナイフを蹴り上げ弾き落とした。

「まだやるかい?」

男C「くっ…覚えてろ!カノッサ機関が黙ってないからな!」

そんな意味不明な台詞を残し去って行った。

梓「あの、ありがとうございました。」

「いいよ別に。ただ俺は約束を果たしに来ただけだから。そんじゃ」

手をめんどくさそうに振りながら去っていく男

梓「あの、お名前は?後日お礼がしたいので」

「名前?俺に名前はない。俺は、俺だから」

梓「?」

彼もそんな意味不明な言葉を残し去っていった。

ただ、彼とは二度と会うことはないだろう。
何となく、そんな気がした

653: 2009/08/24(月) 02:53:27.85 ID:KJvtcDEAO
─────────

和「はい、じゃあとりあえず腹筋3000回から行きましょうか」

訓練生A「ちょwww無理ッスよ教官!」

訓練生B「ば、バカ!お前!」

和「無理、ですって?この世にね、本当に無理なことなんかないの。わかるボーヤ?」

訓練生A「あ、あの……はい」

和「わかればいいわ。腹筋5000回、初めて」

訓練生A「はいぃぃぃ!」

訓練生C「バカだなあいつ……S.T.A.R.S.の伝説の狼、真鍋和大佐に歯向かうなんてどうかしてる」

訓練生D「全くだな……鬼の和の異名を持つ彼女に逆らえば最後…明日の保証はない…」

656: 2009/08/24(月) 03:00:38.18 ID:KJvtcDEAO
和「そこ!聞こえてるわよ!あなた達も腹筋5000!」

訓練生CD「はいぃぃぃ」

和「全く……。」

降り注ぐ太陽の光をを手で隠しながら空を見上げる。

和「今日もいい訓練日和ね……」

658: 2009/08/24(月) 03:13:11.61 ID:KJvtcDEAO
─────────

「少し聞きたいのだが、難民のキャンプはどこかな?」

老婆「なんだいアンタ。わざわざこんな戦争真っ只中の所に来るなんて、イカれちまってるんじゃないかい?」

「……それで、難民のキャンプは?物資を持ってきた」

老婆「軍人かい?」

「いや、ただのお人好しだ」

老婆「ふん……この先を真っ直ぐ行けばつくよ。精々撃たれないようにしな」

「心得た」

車に乗り込む男は静かににやついている

「ふふふ、イカれているか。良いことをしていても言われることがあるのだな。一つまた勉強になった」

そうして彼はもう何度目かわからない物資を運ぶと言う行為を繰り返す
この行為の真実の意味を知るその日まで

660: 2009/08/24(月) 03:18:36.03 ID:KJvtcDEAO
─────────

「奇跡だ!まさかあの炎の中に入って戻ってくるなんて!」

誰かがそう賞賛した。

「救助者の家族の方は?」

救急隊員はそう言い辺りを見渡した。

「私です!ありがとうございます!なんて感謝したらいいのか……ほら、メアリーもお礼を」

メアリー「ありがとうおじちゃん」

「いいってことさ」

救急隊員A「しかし良く戻ってこれたな!あんたには神がついてるよ!」

仲間内の一人がそう賞賛する

「生きて帰ってくることだけが取り柄なんでな」

神がついている、か
確かにそうかもな

氏神と言う神が、俺にはついている

661: 2009/08/24(月) 03:19:54.84 ID:KJvtcDEAO
─────────

律「私も車買おうかな~」

澪「絶賛ニートの律が車ねぇ……」

私達は今またアメリカに来ていた。滅菌されたラクーンシティ後を収めたいと言う澪に暇なので私がついてきたのだ。

律「それは言わない約束だろ~?」

澪「ごめんごめん」

ハイウェイをひた走るオープンカー。

律「なぁ澪、澪はこのままカメラマン続けていくのか?」

澪「ジャーナリストって言ってほしいな。」

律「どっちも同じだろ~?で?どうなの」

澪「うん、続けて行くつもり。バイオハザード以外にも世界には色々な惨状があるから。それを少しでも多くの人に知ってもらって、助けになってあげて欲しい」

663: 2009/08/24(月) 03:22:41.71 ID:KJvtcDEAO
律「そっかぁ~、澪は偉いな。私なんて何をしたらいいのやらわからないよ」

澪「何言ってるんだよ。和からのSTARSでも5人しかいないって言う特別対処人の推薦蹴ったくせに」

律「う~ん、なんか乗り気じゃなかったんだよね。そう言う堅苦しいのはさ」

澪「まあ律らしいと言えば律らしいか」

律「なぁ澪、ちょっと止まってくれないか?」

澪「ん?いいけど」

一台も車が通っていないハイウェイだが律儀にウインカーを出し端に寄せ、ハザードをつけ止まる澪

667: 2009/08/24(月) 03:31:13.32 ID:KJvtcDEAO
律「澪、ちょっと目つむって」
澪「ん?何で?」

律「何でもいいからっ//」

澪「変な律。」

律の方を向き目を閉じる澪。

澪「これでいい?」
律「OK」
澪「誕生日プレゼントか何か?でも私は誕生日はまだ(ry」

喋っている途中で何か暖かい物に口を塞がれた。
これが律の唇とわかるまで数秒の時間を要した。
澪「なっなっなっ///」
律「へっへへ~私の初めてあげちゃった」

澪「なっ、何考えてっ!」
律「澪、結婚しよう」
澪「り、りつっ///ふざけるのもいい加減に!」

律「これがふざけてるように見える?」

真っ直ぐに真剣な顔をして澪を見つめる律

澪「///////」カァァ
律「アメリカって確か同性結婚ありだよな?」
澪「ほ、本気?///」律「う☆そ」
澪「…………」

670: 2009/08/24(月) 03:37:25.43 ID:KJvtcDEAO
澪「今すぐこの車から降りて、3秒以内で」

律「ちょ、護身用のイーグル出すのやめて。悪かった!私が悪かったから!」

澪「全く……本当に律は」

律「私らしいって……こうゆうことかな」

澪「?」

律「いつも元気で明るくて可愛いってこと!」

澪「最後のは自分で言うのはどうかと思うぞ。車、出すよ?」

律「うん」

そうしてまた広いハイウェイを二人を乗せた車は走って行く。

律「(今はこれでいい。その内私らしいことことが見つかるさ)」

頬を撫でる風が心地がいい。

このままどこまでも、走って行きたい気分だった。

澪と、二人で

674: 2009/08/24(月) 03:43:15.03 ID:KJvtcDEAO
─────────

ここはある病院の一室、私は今絶対に気づかれてはいけない極秘任務を請け負っていた!


唯「ソロ~リ ソロ~リ」

憂「…………お姉ちゃんいらっしゃい」

唯「むむむ!この気配を消した姉に気づくとはさすが憂!」

憂「わかるよぉ、だってお姉ちゃん声に出てるんだもん」フフ

唯「私としたことが!憂、具合どう?」

憂「うん、随分良くなったよ。目も角膜を移植すれば治るかもしれないって」

唯「そっかぁ~良かったぁ」

憂「お姉ちゃんお仕事の方はどう?」

675: 2009/08/24(月) 03:48:45.19 ID:KJvtcDEAO
唯「今日もコピーミスっちゃった。テヘヘ//」

憂「クス、お姉ちゃんらしい」

唯「でもでも!署長さんに「唯君は元気があって大変よろしい」って言われたよ!」

憂「それって署長さんの真似?」

唯「そうそう!署内では似てるってバカウケだよ!」

憂「そっかぁ。お姉ちゃんは人気者だね」

唯「えっへん!」

憂「…………」

寂しそうに窓の方に首を向ける憂。目は包帯でぐるぐる巻きだけど風の吹いて来る方でわかるらしい。

唯「憂、寒くない?」

憂「大丈夫だよお姉ちゃん。それより、外の景色…綺麗?」

680: 2009/08/24(月) 03:55:30.56 ID:KJvtcDEAO
憂……。

唯「綺麗だよ、憂。この寒い冬が明けたら、また暖かい春が来る。その頃には憂の目もきっと見える様になってるよ」

憂「そうかな……。」

唯「例え……目が見えなくったって。私は側にいるよ。憂」

憂「お姉ちゃん……」

唯「そうだ!春になったらお花見しよう!みんなも呼んでさ!」

憂「うん!」

唯「料理は私が作ります!」

憂「大丈夫?お姉ちゃん」

唯「憂君!姉は日々進化してるのだよ!この間卵焼き作れる様になりました!」

憂「凄いねお姉ちゃん!」

唯「えっへん!」

683: 2009/08/24(月) 04:02:33.33 ID:KJvtcDEAO
唯「やっぱりちょっと寒いからしめよっか、憂」

憂「うん、お願いお姉ちゃん」

私は窓の前に立ち空を見上げた。冬だと言うのに雲一つない快晴

唯「心って空に似てるよね。曇ったり雨がふったり雷が鳴ったり晴れたり」

憂「そうだね…」

今私達の心も、こんな空の様に綺麗に青く透き通っているのだろうか。

いつか雨が降ったり曇ったりすることもあるだろう。
けど、だからこそ、この青い空を綺麗に思えるんじゃないか…私はそんなことを思っていた。

バイオハザードは確かに辛かった。私達の心に雨を降らせた。
けど、それもまた…私、平沢唯と言う人の物語の一部なのだ

う~ん…バイオハザードって何か呼びにくいよね。よ~しちょっと短くしてみよっか!
う~ん……これだ!

唯「バイハザ!」

お し ま い

685: 2009/08/24(月) 04:06:21.88 ID:qtpxe56q0
おつ

686: 2009/08/24(月) 04:07:10.84 ID:KJvtcDEAO
後ちょっとだけ続きます

眠たい方は寝てください。自分が保守を兼ねて投下してるので落ちる心配はないかと
内容も少しなので

688: 2009/08/24(月) 04:12:23.85 ID:KJvtcDEAO
この物語では語られなかった本当の真実へようこそ

物語の側面、いや、彼にスポットライト当てた物語、その話を少しだけしましょう


バイハザ!俺編

691: 2009/08/24(月) 04:21:28.85 ID:KJvtcDEAO
見てる人がいるみたいなのでリアルタイム書き投下で



暗い、ここは…どこだ。俺が目覚めたと言うことは「俺」は氏んだか或いは…。

まあどっちでもいいか。

俺は俺と言う人物が存在する理由を果たすだけだ。

急ごう、物語の終わりの地ラクーンシティへ

692: 2009/08/24(月) 04:23:52.53 ID:KJvtcDEAO
─────────

俺「なるほどね、こうなってたわけか」

気絶した梓と唯を巻き込まない様安全な場所に移動させた後俺は「俺」と対峙する

俺「物語に依存しすぎたか、「俺」よ」

追跡者「ガアアア!」

俺「俺とやろうってのか?やめておけ、勝負にならない」

追跡者「ウガアァァァ!」
構わず向かって来る。
俺「脳まで支配されたか。仕方ない、やるか」

俺「ksk」

追跡者は俺を見失う、それはそうだ。秒速100レスを超える俺に何人たりとも追いつけはしない。
更に呟く
俺「kwsk、三行で」

何々?
梓守りたい
梓助けたい
梓に生きてほしい

俺「なんだ、じゃあ俺と目標同じじゃねぇーか、「俺」よ」

695: 2009/08/24(月) 04:30:07.85 ID:KJvtcDEAO
─────────

俺「そうでもないんじゃねぇか?」

ウェスカー「貴様は…」

俺「彼女にとってあんたはたった一人、唯一の家族だったんだからよ」

ウェスカー「……家族…か」

俺「ウェスカー、あんたの計画は完璧だったよ。ただ誤算が3つあった。まず一つは中野梓の生存。彼女は本来二年前に氏んでいた、それが生き延び今回のキーである平沢唯を救ったのが一つ
二つ目はその子、純を拾ったことだ。その子がさっき薬を打たなければお前は暴走し、全員を皆頃しにしていた。唯の正夢通りに」

ウェスカー「貴様何者だ……」

696: 2009/08/24(月) 04:36:29.41 ID:KJvtcDEAO
俺「あんたが選定者と名乗るなら、俺は改変者、とでも名乗っておこうか」

ウェスカー「改変者……だと?」

俺「そして三つ目だが……これが一番簡単で一番お前が犯してはならないことだった。」

俺「お前は 俺を 怒らせた」

ウェスカー「……頃すか、改変者よ」

俺「いや、あんたには一年後、田井中律と決闘してもらわなくちゃならないからな。ではいとパラドックスが起きる。」

ウェスカー「言われずともそのつもりだ」

俺「ならいい。ウェスカー、あんたは最後の最後で…悪役になれなかったな。それじゃあな」

ウェスカー「……ふふ…なるほど、世の中上手くいかないわけだ。奴の様な者がいるのだからな」

697: 2009/08/24(月) 04:44:48.60 ID:KJvtcDEAO
─────────

クリス「ちっ!火力バカが!」

手持ちの武器は後手榴弾1個とハンドガンの玉がいくつか……厳しいな

さわ子「何やってるのテイロス!10分もたって殺せないなんて!」

テイロス「……」

テイロスのロケットランチャーの弾の残りも少なかった。

クリス「(だがこちらもやつを倒しうる火力がない。コアは厚い鉄で覆われている…)」

ガシャン、ガシャン、

戦い始めて何度目かのテイロスが弾を詰めている作業を見て思いつく。

クリス「(そうか!)」
火力がないなら借りればいい

クリスはテイロスが弾を詰めているその隙、弾をを狙い撃つ

クリス「あばよ!」

バァン───────

698: 2009/08/24(月) 04:52:02.70 ID:KJvtcDEAO
クリスの撃った銃弾はテイロスのロケットランチャーの弾に命中し爆発、更に中につめていた弾にも誘爆し、テイロスの右腕は吹っ飛んだ。

テイロス「ゴォ……」

クリス「ちっ……右腕を吹っ飛ばしただけか。」

さわ子「テイロス!この役立たず!私があなたの研究費をどれだけ持っていると思う?わかってんのか!?この木偶の坊!」

さわ子の苛立ちは頂点に達したのはついにはテイロスの足に蹴りを入れる始末。

テイロス「……」

テイロスはそんな彼女を、ゴミの様に左手のアームで叩き払った。

さわ子「えっ……」

さわ子の体からグキリと嫌な音がし、数m吹っ飛び壁に激突した。

699: 2009/08/24(月) 04:58:26.93 ID:KJvtcDEAO
さわ子「ぐ……」

喋ろうとするも口から出る大量の血が邪魔で喋れない。

さわ子「(さっきの爆発でテイロスを制御する装置がイカれたのね…。ざまあないわ私
悪いことをすれば自分に返ってくるって言い伝えあったけどあれ本当ね
私はただ、このつまらない世の中を…変えてやろうとしただけなの……に)」

クリス「哀れなもんだな……。と言ってももうこっちにも武器がない。ここまでか」

ゴンと言う音が聞こえた後意識が遠退いた。
おそらくテイロスに殴られたのだろう。さわ子と言う人物に気をとられていた

そうか、これが氏ぬってことか

700: 2009/08/24(月) 05:03:54.33 ID:KJvtcDEAO
─────────

俺「生きてますかー?」

クリス「ん…何だ」

誰かが立っている。俺はまだ生きているのか

俺「もしも~し」

クリス「なるほど、ここは地獄か。お前の姿を見て一発でわかったよ「俺」」

俺「ひでぇwwwちゃんと現実ッスよクリスさん。辺りを見渡してください。ラクーンシティでしょ?」

クリス「…………なら何故お前がここにいる?二年前に氏んだ、と聞いたが」

俺「確かに一回は氏にました……いや氏にかけた、かな?何にしろこうして生き返ったわけです」

クリス「ふん……相変わらず掴み所がわからんやつだ」

俺「クリスさん、車の運転ぐらい出来ますよね?」

クリス「まあ、何とかな」

ゆっくりと立ち上がるクリス

701: 2009/08/24(月) 05:09:39.95 ID:KJvtcDEAO
俺「この車で脱出してくださいッス!」

クリス「またピーキーな改造された車だな…。お前はどうする?」

俺「俺はまだやることがあるんで」

クリス「そうか。そう言えばここにデカいのいなかったか?」

俺「クリスさんが氏んだと思ってどっか行ったみたいッス」

クリス「そうか……」

俺「ジル姉さんやバリーのとっつぁん、レベッカ姉さんが氏んだこと、あまり自分のせいにしないでくださいね、クリスさん」

クリス「?!お前なんで……いない…。」

辺りを見回すもやはり「俺」はいなかった

クリス「幻でも見てたのか…俺は」

703: 2009/08/24(月) 05:20:46.64 ID:KJvtcDEAO
──────────

レオン「ちっ……逃がしたか!後一歩だったんだがな……。しかし…どうしたもんか」

本当は他に脱出路なんてない。
俺はここで氏ぬつもりだった。だが……

レオン「律……」

彼女の愛銃であるコルトM19を眺める

俺「このまま氏んでいいんですか?レオンさん」

レオン「!?お前どこから!?」

俺「ちょ、撃たないでください。梓の知り合いって言えばわかりますかね。」

レオン「梓の?それで俺に何の様だ。それともお前も彼女達を庇ってカッコつけたはいいが脱出出来ないで悩んでいる……」

俺「それレオンさんのことじゃないッスか」

レオン「まあそうなんだがな」

俺「この下を降りてプラットフォームの内に地上へ出るエレベーターがあります。侵入は禁止されてるので上からは使えませんが下からなら非常用の為に動いてると思いますから」

704: 2009/08/24(月) 05:28:22.91 ID:KJvtcDEAO
レオン「本当か!?助かったぜ」

俺「地上に出たら近くに停めてあるバンを使ってください。ガソリンは満タンなんで全開で飛ばしてもらえばミサイルの範囲外に出られると思います」

レオン「何から何まですまねぇな。」

俺「気にしないでください。梓はあなたには氏んで欲しくないと願った、だからこうして来たまでです」

レオン「ん?どう言う意味だ?」

俺「さあ…ね。じゃあもう行きます。最後にやることがあるんで」

レオン「そうか……心配するな、止めはしないさ。男にはやらなきゃならないことがある…そうだろ?」

そう言って振り向いた時には彼はいなかった。成すべきことを成しに行ったのだろう

俺の様に

705: 2009/08/24(月) 05:38:30.29 ID:KJvtcDEAO
電車内───────

俺「これで全て終わったか…。長かったな…」

完璧とは言えなかった。主要メンバー、ジル、バリー、レベッカ、クレア、純の氏亡。

俺「物語は全て思い通りにはいかないってことか」

体が消えていく、この長かった物語も間もなく終わりを迎えようとしている。

俺「次こそは理想の世界に…なればいいな」

だが、本当の理想の世界なんて存在しない。だって人それぞれ思い描くストーリーは違うのだから。

俺「いずれこの物語も、そして彼女達も…忘れられて行くだろう。」

だがそれでいい、始まりあるものには必ず終わりがあるのだから。そしてまた新しい物語が産まれていく。

俺「俺はそれを見守り続けよう」

この現実と言う名の世界で

読み手として



END

707: 2009/08/24(月) 05:45:09.57 ID:KJvtcDEAO
これでガチ終わりです
最後ちょっと?な人もいるかもしれないのでちょっと補足すると
俺=読み手がその物語に具現化してストーリーをいい方に改変する者

と考えたらわかりやすいですかね

かなり無理矢理な感じはしたと思いますがそれは自分の文才のなさのせいです

地の文増やさないとどこでなにやってるか全くわからないのがバイオハザードだと思って序盤は頑張ったつもりでしたがやっぱり無理がありましたね

とりあえず以上です

1~4全て見てくれた方もちょっとだけ見てくれた方も支援してくださった人も保守してくださった人も本当にありがとうございました

後は色々何か感想とか疑問に思ったところとかあったら補足します

ではおやすみなさい

709: 2009/08/24(月) 05:51:18.74 ID:KJvtcDEAO
とりあえず寝ます

一昨日から今日までで何十時間携帯と向き合ってたので疲れました…

もうこんな長編は二度と書きませんね


起きてまだあったらちょっと顔出すぐらいで続きとかはもう絶対にないんで無理に保守しなくてもいいです。自然な流れに任せます

では

710: 2009/08/24(月) 05:53:07.42 ID:47aea2T00
乙!!

楽しかった

711: 2009/08/24(月) 06:24:50.12 ID:A1Wcet+q0
乙!全部読んだけど、面白かったです。

713: 2009/08/24(月) 07:01:43.17 ID:nqHosMPDO

引用元: 唯「バイハザ!」