1: 2011/09/02(金) 22:27:54.40 ID:LLmYlpvc0
とある魔術の禁書目録 5巻 (デジタル版ガンガンコミックス)
2: 2011/09/02(金) 22:30:51.01 ID:LLmYlpvc0
『上条!!次はあれに乗るわよっ!!』

『吹寄っ!!また絶叫系かよ!!もう勘弁してくれ・・・。』

『これしきのことでへこたれるなんてだらしがない。まだたくさんアトラクションはあるのよ上条当麻!!』

『ふ、不幸だ・・・。』

________________________________________

「・・・せちゃん!!吹寄ちゃん!!?」

「っはっ!!」

「ちゃんと先生の話を聞いてくれないと困るのですよーっ!!」

「す、すみません・・・。」

私はまた先日上条と行った遊園地のことを思い出してトリップしてしまったらしい。

4: 2011/09/02(金) 22:32:02.52 ID:LLmYlpvc0
「吹寄らしくないにゃー。」

土御門がニヤニヤしながら言う。上条は心配そうな顔持ちでこちらを見ていた。

恥ずかしくなった私は思わず顔を背ける。

「大丈夫?」

姫神さんも心配そうに私の顔を覗き込む。

「えぇ、大丈夫よ。ありがとう。」

5: 2011/09/02(金) 22:33:40.66 ID:LLmYlpvc0
授業が終わり放課後、私は小萌先生に呼び出された。

「吹寄ちゃん。何か悩み事があるのですか?」

「えっ!?どうしてですか!?」

「最近授業中ずっと上の空なのを先生は気づいているんですよ?」

「っ!!す、すみません!」

居たたまれなくなった私は反射的に頭を深々と下げる。

6: 2011/09/02(金) 22:35:21.95 ID:LLmYlpvc0
すると先生は慌てた声で

「ふ、吹寄ちゃん!?頭を上げてください!!

 怒ってるわけではないのです!!ただ吹寄ちゃんの様子がおかしいのが心配になって・・・。」

「先生・・・。」

先生にこんな心配をかけるなんて私はどうしようもない腑抜けだ。本当にだらしがない。

そもそも私がこんな精神状態に陥ったは先月、上条と遊園地で遊んだことが原因だ。

7: 2011/09/02(金) 22:38:40.24 ID:LLmYlpvc0
上条とのデートは非常に楽しいものだった。

こんな風に毎日二人でいれたらどんなに幸せだろう。

デートの最中、そんなことをずっと考え続けていた。それほどまでに私は上条のことが好きなのだ。

そもそもこのデートも上条が誘ってきたものだし、私は上条から告白があるのではないかと内心期待していた。

しかし、いっこうに告白する気配がない。

そして帰り際。

10: 2011/09/02(金) 22:40:39.40 ID:LLmYlpvc0
『吹寄!今日はありがとう!』

『え、ええ。貴様にしてはまぁまぁ楽しかったわ!』

『む、手厳しいな。しかし吹寄さんのお化け屋敷の怖がりっぷりと言ったら・・・。』

『う、うるさい!!』

『はは、悪かったって。それじゃあまた明日学校で!!』

私を家に送り届けると、何事もなかったかのように上条は去って行った。

一人で舞い上がって、バカみたいだ。

11: 2011/09/02(金) 22:42:12.60 ID:LLmYlpvc0
「はぁ・・・。」

ため息をつきながら、教室に戻る。

それからというもの、上条とは学校で会話したりいっしょに昼食をとったりなどしているが、

未だに告白どころか、デートの誘いすらない。

「吹寄ちゃん。何か悩み事があったら何でも先生に相談してくださいね。」

小萌先生はそう言って私に微笑みかけてくれた。

先生の思いを無下にしないためにもしっかりしなければ。

>>10
とは別のやつです。すみません

12: 2011/09/02(金) 22:42:41.83 ID:LLmYlpvc0
ミス>>9

14: 2011/09/02(金) 22:44:40.20 ID:LLmYlpvc0
上条ごときのことでうじうじ悩むなんて私らしくない。気合いを入れよう。

その意気込みを込めて、私は教室のドアを勢いよく開けた。

「うぉっ!!びっくりした!そんなに激しく開けなくてもいいじゃねぇか。」

教室にはなぜか上条がいた。

「なっ!!上条当麻!?なぜここに!?」

「よ、よぉ。遅かったな。」

何かデジャヴを感じる。

15: 2011/09/02(金) 22:46:38.42 ID:LLmYlpvc0
「・・・前にも貴様は同じセリフを言ってたわね。」

「えっと・・・あぁ!確か吹寄にインデックスのことを問い詰められたんだよな。」

「そうよ。貴様がなかなか本当のことを話さないから・・・。」

「それで吹寄が号泣しちゃったんっていってぇぇぇぇぇ!!」

上条が全てを言い終える前に私は頭突きをかました。

「そのことは忘れなさい!!」

「は、はい。」

上条は涙目でおでこをさすりながら答えた。

18: 2011/09/02(金) 22:47:43.88 ID:LLmYlpvc0
「それでどうして私を待っていたの?」

「あぁそのことなんだけど吹寄。なんか悩みでもあるんじゃねぇのか?」

私はどきっとした。あの鈍い上条にも異変を感じ取られていたのか。

「な、何もないわよ!!」

「最近なんかぼぉーっとしてること多いだろ?」

「貴様の思い過ごしよ!」

「・・・吹寄。」

上条がいつになく真剣な顔つきで私の名前を呼ぶ。

20: 2011/09/02(金) 22:48:56.61 ID:LLmYlpvc0
「俺はお前のためだったら、いくらでも力になってやる。だから話してくれないか?」

「・・・っ!」

話せる訳がない。相談する当人のことで悩んでいるというのに。

「お、おい吹寄!!」

気づけば私は教室から走り去っていた。目からは自然と涙が溢れてくる。

「上条の・・・バカ!!」

上条当麻の鈍感さに腹がたち、同時にそんな上条を好きな自分にも腹が立った。

21: 2011/09/02(金) 22:50:56.54 ID:LLmYlpvc0
翌日。

朝、教室に入ると上条が話しかけてきた。

「よ、よぉ吹寄。昨日はそのすまなかった。無神経なこと言って・・・。」

まるで見当違いなことを謝罪してくる。どうしてか私は上条と話したくなかった。

「・・・。」

「お、おい吹寄・・・。」

あからさまにしょんぼりする上条を見て胸が痛むが今さらもう返事はできない。

それから上条は私の様子をしきりに気にしているようだったが、話しかけることはしなかった。

23: 2011/09/02(金) 22:53:08.62 ID:LLmYlpvc0
昼休みになり、姫神さんが私の席へとやってきて声をかける。

「今日。上条君と全然話してないみたいだけど。喧嘩でもしたの?」

「えっ!!い、いやそんなことないわよ!そもそもあんな奴なんかはなから相手にしてないし!」

「・・・。」

心なしか姫神さんの表情が曇ったような気がした。

「?どうしたの?」

「何でも。ない。」

24: 2011/09/02(金) 22:55:28.60 ID:LLmYlpvc0
「そ、そう。あんな奴のことなんかほっといてご飯でも食べましょう。話しかけられなくてせいせいするわ。」

「・・・。どうして?」

「え?」

「どうして。そんなこと言うの?」

明らかに姫神さんは怒っていた。こんな彼女は初めて見た。

「私なんか。話したくてもあなたほど。話しかけてもらえない。」

「あ、その・・・ごめ」

「好きなの?」

私の声を遮るように姫神さんは言った。

26: 2011/09/02(金) 22:58:33.10 ID:LLmYlpvc0
「上条君のこと。好きなの?」

「そ、そんなわけないじゃない!!」

つい反射的に私は言ってしまう。

「じゃあもう二度と上条君と話さないで。」

「え・・・。」

姫神さんはそう言うと、走って教室から出て行ってしまった。


目から大粒の涙をこぼしながら。

27: 2011/09/02(金) 23:01:17.17 ID:LLmYlpvc0
「なんやどうしたん?姫やん泣いてたで。」

「お、おい姫神!!」

異変を察した上条が姫神さんの後を追って行く。その光景を見て私は胸が苦しくなった。

「吹寄。」

声のするほうを振り返るとそこには土御門が不敵な笑みを浮かべていた。

「ちょっと話があるんだぜい。放課後空いてるかにゃー?」

「・・・わかったわよ。」

28: 2011/09/02(金) 23:04:20.50 ID:LLmYlpvc0
昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴り響く少し前に、上条と姫神さんは教室に戻ってきた。

クラスメイトが心配して、何があったか二人に尋ねるも上条は曖昧な返事。姫神さんは何もなかったとの一点張りだった。

放課後になり、教室には私と土御門の姿しかない。

「で、話って?」

「もちろん上やんのことだにゃー。」

30: 2011/09/02(金) 23:13:55.96 ID:LLmYlpvc0
「・・・やっぱりね」

「それに姫神のこともな」

「!!」

私は思わずどきっとする。

「吹寄も知っての通り、上やんは恐ろしくお人好しで困っている人を見ると助けずにはいられない」

「正義感も強くて、勇気もある」

「あれだけたくさん人助けして、かっこいいとこ見せられたら好きになる人間が出てくるのは当然だぜい」

「本人の特異な才能も相まってにゃー。ただな・・・」

33: 2011/09/02(金) 23:24:54.16 ID:LLmYlpvc0
そこまで言うと土御門はにやっと笑った。

「上やんは人の好意に全く気づけない男なんだ」

「わかるだろ吹寄?素直になるにゃー」

「だから私は別に上条のことなんか・・・」

「姫神の気持ちを踏みにじるのか」

「えっ・・・」

「姫神はずっと前から上やんのことが好きだった。とある事情で命を救ってもらってな」

「本人なりに一生懸命上やんにアプローチをかけた。周りのライバル達に負けるまいと」

35: 2011/09/02(金) 23:27:59.43 ID:LLmYlpvc0
「だけど上やんはさっき話したような性格だ。中々気づいてもらえない」

「そんな日が続いてある日、あの鈍い上やんがある女子とよく話すようになった。お前のことだよ吹寄」

「・・・」

私はただ黙って話を聞いていた。土御門の話し方はふざけたいつものそれとは違い、真剣そのものだった。

「大好きな上やんだけど、同じくらい大好きな友達になら。そう思って姫神は身を引いたんだ」

37: 2011/09/02(金) 23:37:10.63 ID:LLmYlpvc0
「そんな・・・」

「だけど、どうやら二人の関係がうまくいってないらしい。心配になって友達に聞いてみると・・・ってな感じだ」

私は姫神さんに何てことを言ってしまったんだろう。怒るのも当然だ。

「私はなんてことを・・・」

「とはいえ上やんが奥手過ぎるのも悪いにゃー。俺からボディーブローを二、三発入れとくぜい」

39: 2011/09/02(金) 23:42:52.78 ID:LLmYlpvc0
「姫神なら下駄箱に、そして上やんは屋上に待たせてある。早く行ってこい」

「・・・全部あんたのおかげってわけね。土御門。ありがとう」

これで土御門には感謝してもしきれないほどの恩ができてしまった。私は簡単にお礼を言うと走って下駄箱に向かった。

「全く世話が焼ける連中だにゃー」

41: 2011/09/02(金) 23:54:14.35 ID:LLmYlpvc0
下駄箱に着くと、姫神さんは鞄を膝の前に置き壁に寄り掛かりじっと待っていた。

「姫神さん!!」

「吹寄さん。どうしてここに?」

私が呼びかけると少し驚いたように声をあげた。

「姫神さん。ごめんなさい。私あなたにひどいことを・・・」

「・・・上条君のこと好き?」

「えっ?」

「上条君のこと。好きなの?」

昼と全く同じ質問を投げかけられる。

42: 2011/09/02(金) 23:57:49.02 ID:LLmYlpvc0
「わ、私は・・・、好き!!!!上条のことが大好きよ!!!」

43: 2011/09/03(土) 00:00:07.88 ID:KbyKDgI90
顔から火がでそうなくらい恥ずかしい。でも素直にならなきゃ、姫神さんの気持ちを踏みにじっちゃいけない。

「そう」

そう言った姫神さんはとても優しい微笑みを浮かべていた。その表情を見た瞬間、私はどうしようもない感情に襲われ、

気づけば彼女を抱きしめていた。

「どうしたの?」

「ごめんなさい・・・。姫神さん。ごめん」

45: 2011/09/03(土) 00:02:50.26 ID:KbyKDgI90
「・・・許さない」

「え?」

「上条君と。幸せになったら許してあげる」

「姫神さん・・・。」

「なんてね。それにしても。あんな大きな声で言わなくても。よかったのに」

「う・・・。」

周りを見回すと、大声を出した私を不審に思ってか数人の野次馬が遠巻きにこちらをながめていた。

レOか?なんて声もちらほら聞こえる。

47: 2011/09/03(土) 00:07:02.16 ID:KbyKDgI90
「早く。上条君のところに行ってあげて。私も。少し恥ずかしい」

「わ、わかったわ!本当にありがとう!!」

姫神さんに背中を押され、私は屋上へと向かう。

私は色々な人に支えられて生きているという実感を踏みしめながら階段を上って行く。

小萌先生をはじめ、土御門、姫神さん、そして上条当麻。みんな私の気付かないうちに、私の事を考えて行動してくれた。

私は恵まれているなとつくづく思う。

48: 2011/09/03(土) 00:11:27.84 ID:KbyKDgI90
屋上では上条が一人物思いにふけるように黄昏ていた。

「上条当麻!!」

「ふっ吹寄!?なんでここに!?」

「貴様に言いたいことがある!!」

「ちょっと待て吹寄!!」

50: 2011/09/03(土) 00:16:45.43 ID:KbyKDgI90
勇んで告白しようとした私を上条は制止する。

「俺から言わせてくれ」

「・・・わかったわ」

「土御門、青ピからもよく言われるんだけど、俺って鈍いらしいんだ」

「・・・。」

「相手が自分のことをどう想ってるとか、全然気づけない」

51: 2011/09/03(土) 00:18:21.09 ID:KbyKDgI90
「そういう性格だから、いざ好きな人ができても距離を縮めることができないんだ」

「振られたらどうしようとか、らしくもないことを考えちまう。今の関係が崩れるのが怖いんだよ」

「今まで散々命がけで戦ってきたのに、こういうことになると臆病になる」

「けど決めたんだ。もう俺は逃げねぇ!」

54: 2011/09/03(土) 00:25:42.35 ID:KbyKDgI90
「吹寄っ!!!好きだ!!!」

「・・・言うのが遅いのよ、貴様は」

「ち、ちょっと吹寄さん!?そんなに俺の告白が嫌だったか!?」

自然と涙がこぼれてくる。最近よく泣いてしまうわ。全くだらしがない。

「ちが、これはっ・・・」

嗚咽が止まらずに上手く話すことができない。

56: 2011/09/03(土) 00:27:13.83 ID:KbyKDgI90
「その・・・悪かったっておわっ!!」

私をなだめようと近づいてきた上条だったが、例の不幸体質が発揮され、なんでもないところでつまづいてしまう。

そのままけんけんをしながら私のもとに近づき、

「っとっと・・・うぷ」

私の胸に顔を埋めた。

83: 2011/09/03(土) 01:14:22.07 ID:KbyKDgI90
「・・・んっとに貴様という奴はっ!!」

例のごとくすぐさま土下座の姿勢に入る上条。

「すみませんわざとではないんです!ホントごめんなさい!」

「・・・」

「あの・・・吹寄?」

「き、貴様だったら・・・」

「え?」

「貴様だったら別に構わないわよ!」

89: 2011/09/03(土) 01:29:38.97 ID:KbyKDgI90
「そ、それは一体どういう」

上条が言い終える前に、私はしゃがんで自分の口で上条の口を塞いだ。

「・・・こ、こういうことよ!!」

てれ隠しにしてはちょっと大胆過ぎただろうか。

上条は突然の私の行動にしばらく呆けていたが、脳の処理が追いつくと顔を真っ赤に染めた。

私も負けず劣らず真っ赤な顔をしているだろうけど。

92: 2011/09/03(土) 01:40:31.03 ID:KbyKDgI90
「ほ、ほら上条!!呆けてないで早く行くわよ!」

「・・・へ?どこに?」

「小萌先生や土御門、そして姫神さん。迷惑をかけたみんなに謝りに行くのよ!それにお礼も言わなくてはならないわ」

私は上条の腕を取り、強引に引っ張り上げて立たせた。

「わ、悪いな」

「全くしょうがないわね貴様は」

そのまま手を握り階段のほうへと向かおうとすると、上条が足を止めた。

94: 2011/09/03(土) 01:44:33.36 ID:KbyKDgI90
「上条?・・・ってなに人の顔をじっと見ている!!」

「吹寄」

「何よ」

「やっぱり笑ったら可愛いよな」

「・・・か、上条はッ!」



    終

96: 2011/09/03(土) 01:49:11.08 ID:KbyKDgI90
支援ありがとうございました。

いろいろあったけど私は元気です。

103: 2011/09/03(土) 02:14:28.18 ID:KbyKDgI90
「姫神っ!!」

呼びかけに応えたのかどうかはわからないが、再三の制止を振り切り

走り続けた姫神が屋上へ来てようやく立ち止った。

「どうしたんだよ?吹寄となんかあったのか?」

「気になる?」

そう言うと姫神はこちらを振り向いた。頬には涙が伝った後が残っている。

「そんなに。吹寄さんのことが気になる?」


105: 2011/09/03(土) 02:18:43.68 ID:KbyKDgI90
「何を言ってんだ?」

まぁ確かに吹寄のことは気になるが。

「俺はお前が心配で・・・」

「私。じゃなくて。吹寄さんと私が何を話してたかが気になるんでしょ?」

106: 2011/09/03(土) 02:25:56.82 ID:KbyKDgI90
「ふざけんじゃねぇ!!」

「!!」

考えるよりも先に声が出た。

「俺はお前のことを大事な友達だと思ってる。その友達が泣いてるんだぞ」

「吹寄がどうとか関係ねぇ!俺はただお前が泣いてるのを見るのが嫌なんだよ!!」

「姫神の意思を無視してるのかもしれない。けどな、俺は俺のためだとしてもお前の悩みを解決したい」

「それが理由じゃダメなのかよ!」



「・・・相変わらず。優しいんだね。上条君は。」


107: 2011/09/03(土) 02:32:17.93 ID:KbyKDgI90
姫神はそう言うと俺に抱きついてきた。突然のことに体が硬直する。

「なっ!ど、どうしたんだ姫神!?」

「上条君。私ね。」

俺に抱きついたまま、姫神は話し続ける。

「う、うん」

「あなたのことが好き。」

「うん・・・ってえええええええええ!?」

姫神が俺のことを好き?マジか?こんなときどういう反応すればいいんだ?

初めての経験でかなり動揺してしまう。

108: 2011/09/03(土) 02:36:50.23 ID:KbyKDgI90
「あ、ありがとう」

とりあえず感謝を述べることにした。我ながらボキャブラリーの少なさに絶望する。

礼を述べると姫神は顔を上げて続けた。

「けど。上条君は私のことをすきじゃない。」

「・・・」

「私。わかってるから。吹寄さんが好きなんでしょ?」

109: 2011/09/03(土) 02:40:48.65 ID:KbyKDgI90
「!!な、なぜそれをっ!!」

「上条君。告白して。」

俺の襟を掴み、半ば恐喝のような形で問い詰める姫神。

「いや、そんなこと言われましても・・・」

「私を振った罰。吹寄さんに告白して。」

「ま、まじっすか」

「ひどくマジ。」


110: 2011/09/03(土) 02:43:45.01 ID:KbyKDgI90
目のやり場に困った俺は時計を見た。

時計の針はもう昼休みの終わりを刻もうとしていた。

「お、おい姫神!!昼休み終わるぞ!速く教室に戻ろう!」

「話。そらした。けどそろそろ戻らなきゃ。」

姫神から解放された俺はほっと胸をなで下ろす。


111: 2011/09/03(土) 02:46:24.87 ID:KbyKDgI90
教室に戻った俺はみんなから色々と問い詰められた。

しかし曖昧な返答しかできなかった俺は怪しまれる。

「姫やんにナニしたん上や~ん」

「うるさい!!変態野郎!」

青ピは相変わらずだ。

113: 2011/09/03(土) 02:51:51.90 ID:KbyKDgI90
そんな中ふと吹寄のほうを見ると、悲しげな表情でこちらを見ていた。

「・・・このままじゃいけねぇよな」

俺は一人呟く。姫神の想いに応えるためにも、俺は告白しなきゃならない。

たとえ振られたとしても。それを恐れてちゃ前に進めない。

俺の中で完全に覚悟が決まった。

「上や~ん。ちょっといいかにゃー。」

「ん?何だ土御門?」



     終

115: 2011/09/03(土) 02:53:39.99 ID:KbyKDgI90
以上

姫神を追いかけた上条のサイドストーリーでした。

117: 2011/09/03(土) 02:54:29.09 ID:auxi5tNx0

引用元: 上条「やっぱり笑ったら可愛いよな」吹寄「・・・か、上条はッ!」