1: 2019/06/15(土) 23:10:27.415 ID:/ccZ/hST0.net
フィアンマ「アニメ3期の出来や神との戦いのせいで設定の割に弱いと勘違いされることも増えてきてはいるしな」

フィアンマ「まずは>>4でも倒すとしようか」
とある魔術の禁書目録 5巻 (デジタル版ガンガンコミックス)
4: 2019/06/15(土) 23:11:05.375 ID:+y9BdiNid.net
絹旗

8: 2019/06/15(土) 23:18:33.195 ID:/ccZ/hST0.net
絹旗「何ですかあなた、超見ない顔ですが」

フィアンマ「それはそうだろうな。今の俺様は第三次世界大戦の首謀者として世界から追われる身でもある、魔神をも騙すステルス術式なしでは生きられぬ体というわけだ」

絹旗「何を言っているか超わかりかねますが…もし私と戦うつもりなら、歯を超食い縛ってくださいね」スッ

フィアンマ「おやおや。いちいち言葉を添える辺り、随分とお利口な人格をしていると見える」

絹旗「うるさいですね」ダッダッダッ

絹旗「ふんっ」ブンッ

フィアンマ「はぁ…」ヒュンッ

絹旗「なっ…どこへ消えた?まさか…超テレポート系の能力者…?」

フィアンマ「そんなチャチなもんじゃあないさ」ブンッ

絹旗「っ!!?」

フィアンマ「速度はいらない。振れば避けられるのだから、避ける努力など必要ない」

ボコッ

絹旗「うっ…」ドサッ

フィアンマ「破壊力はいらない。振れば倒せるのだから、壊すための努力など必要ない」スタッ

10: 2019/06/15(土) 23:20:44.841 ID:/ccZ/hST0.net
フィアンマ「『神上』と遠隔制御霊装なしでも俺様の天使の身体構造と『聖なる右』は健在だ。全盛期の力などなくとも、お前のような有象無象など相手にならんよ」

次の相手>>12

12: 2019/06/15(土) 23:21:13.963 ID:H2l5aOgcd.net
ハワイアンな女の子

18: 2019/06/15(土) 23:29:40.669 ID:/ccZ/hST0.net
初春「」カタカタカタッターンッ☆

初春「ふえー、やっと今日の警備員(アンチスキル)の仕事が終わりましたよ」

黒子「お疲れ様ですの初春。それじゃそろそろ帰りますk」

フィアンマ「少し待ってくれないか。それでは俺様が困るんでな」

初春&黒子「ッ!!?」

フィアンマ「また無名の雑魚というわけか、今日はアンラッキーデーだな」

黒子「な…一体どこから?ここは一般人なんて入れない場所ですのに」

フィアンマ「入り口はいらない。振れば入れるのだから、キーを解く努力など必要ない」

初春「白井さんっ…!」

黒子「!!」フッ

フィアンマ「なるほど、なるほど。それがテレポートか、遅いな」ヒュンッ

ボコッ

黒子「っ…!?ぁ…」ドサッ

初春「白井さん…っ!?」ボコッ

初春「っ…」ドサッ

フィアンマ「速度はいらない。振れれば移動できるのだから、追いかける努力など必要ない」

20: 2019/06/15(土) 23:33:21.106 ID:/ccZ/hST0.net
フィアンマ「さて、どうにも退屈でならんな」コキッ

フィアンマ「俺様は腐ってもロシア編並びに旧約のラスボスだぞ?『誰の
差し金かは知らんが』、もう少し楽しませてくれてもいいだろう?」

次の相手>>22

22: 2019/06/15(土) 23:35:20.694 ID:1L5rLRYtd.net
上条さん

24: 2019/06/15(土) 23:41:32.591 ID:/ccZ/hST0.net
上条「さーて今日は特売に間に合ったしもやしを卒業して贅沢な夕飯を──」

フィアンマ「なるほど、なるほど。ここがお前の拠点というわけか」ニヤニヤ

上条「………ふっ」

上条「不幸だぁああああああああ!!」ダッ

フィアンマ「はぁ…全くお前は相変わらずだな」ヒュンッ

ダッダッダッ

上条「くそっなんでよりによってフィアンマなんだ、前に救急車呼んで放置プレイしたことでも怒ってんのか…??」

フィアンマ「おい、俺様に速度で勝てないことくらいわかるだろう」ブンッ

上条「っ!!?」ソゲブッ

バシッ グシャッ

フィアンマ「おいおい俺様が投げたのはお前が持っていたビニール袋だ、今夜はラッキーデーじゃなかったのか?」

上条「……………テメェは俺を怒らせた」

25: 2019/06/15(土) 23:51:31.272 ID:/ccZ/hST0.net
フィアンマ「やる気になったようで何よりだ」パチパチ

上条「く…この野郎……教えてやるよ、食い物の恨みってヤツをな!」ダッ

フィアンマ「射程はいらない。振れば終わるのだから、当てる努力など必要ない」ブンッ

上条「その幻想を…ぶち頃す!!」キーン

フィアンマ「チッ…やはり、出力する相手が相手だな、聖なる右の力が正しく反映されないか」クルクルクル

いつの間にか、赤を基調とする男の手には一本の剣が握られていた。
恐らく数十kmはあろうその切っ先は見えず、地平線の彼方まで続いている。
それを躊躇なく、横殴りに振るった。

上条「っ、お前も相変わらず…デタラメなスケールで攻撃しやがる…!」パリーン

しかし右手で砕いて開けた視線の先に、その男はいなかった。

上条「っ…どこへ…」キョロキョロ

フィアンマ「」ブンッ

トンッ

驚くほど軽い音と共に、少年の右手が肩の所から切断された。

26: 2019/06/15(土) 23:53:41.551 ID:1L5rLRYtd.net
あーやっちまったな

27: 2019/06/15(土) 23:58:19.726 ID:/ccZ/hST0.net
上条「ごっ、がぁああああああああ!!?」ブシューッ

辺りに鮮血が飛び散る。

フィアンマ「幻想頃しはこの世に一つしか存在できない」

男の声が続く。

フィアンマ「故に俺様が真の力を発揮するためには、その右手はお前に宿っていてはならない」

千切れた右手を、フィアンマの肩から伸びる爪の長い歪な右手が咀嚼していく。

フィアンマ「光栄に思え、肉塊。お前の人生の価値は、無事に刈り取れたぞ」

告げる男の右肩から光が溢れ、力なき少年を貫かんと放出される。

フィアンマ「『神上』」ゴッ

パキーン

28: 2019/06/16(日) 00:04:21.495 ID:0iJu7ZxU0.net
フィアンマ「っ…やはりな」

上条「」ゴゴゴゴゴゴゴ

上条の右肩から、今度は明確に『見える』力が溢れ出る。それは竜の頭でも透明な蜃気楼のようなものでもなく。
例えるなら、イクラ。

上条「に…げ、ろ、フィアンマ……」

フィアンマ「悪いがそれはできない相談だ。俺様はかつてそいつに敗北を喫した。今は少し異なる形のようだが……『それ』を倒さねば気が済まん」

モコモコモコモコモコ

フィアンマ「2度目の神上だ、次は耐えられまい」カッ

モコモコモコモコモコモコモコモコモコモコ ブシューッ

しかしその莫大な光はイクラの波に包まれ消えていった。

フィアンマ「なん…だと」

ゴッ

謎の力の塊は、そのトリガーを引いた哀れな男をあっさりと飲み込んでいった。

29: 2019/06/16(日) 00:06:29.705 ID:0iJu7ZxU0.net
──────────

フィアンマ「ハッ⋯⋯!?」

フィアンマはそこで目を覚ました。

フィアンマ「生きて…いる?」

フィアンマ「っ…なんだったんだ、あれは…夢か?幻か?」

フィアンマ「……まあいい、俺様は俺様の暇潰しを続けるだけだ」

次の相手>>31

31: 2019/06/16(日) 00:07:59.539 ID:JLHUSoJ70.net
涙子

32: 2019/06/16(日) 00:17:08.523 ID:0iJu7ZxU0.net
佐天「初春と白井さんが倒れたからって来てみたけど…」テクテク

佐天「部屋が荒れているわけじゃないのね、一体何が」

フィアンマ「悪いなお嬢さん、恐らくその2人を倒したのは俺様だと思うぞ?」スタッ

佐天「!?ぁ、え…何?テレポート??」

フィアンマ「ここの住民は大体その解釈をするらしいな、まあ起きる現象としては間違いじゃあないが」

佐天「と、とにかく!アンタが初春達を傷つけたのなら、私が黙ってないわ」シャキンッ

フィアンマ「………金属バット、か?」

佐天「何?アンタがどんな力を使おうが、これ以上の悪さを……、私はアンタを…許さない…!」ガクブル

フィアンマ「……ふむ」

フィアンマ(明らかに虚勢だ。怯えているどころか、体にまではっきりと現れている)

フィアンマ(だが)

フィアンマ「……何かを守るための戦い、か。面白い」

フィアンマ「いいだろう」

佐天「どりゃーっ!!」ブンッ

34: 2019/06/16(日) 00:25:08.277 ID:0iJu7ZxU0.net
フィアンマ「」ヒュンッ

ガンッ

佐天「やっぱり、消えた…!」

フィアンマ「速度はいらない。振れば避けられるのだから、回避する努力など必要ない」

フィアンマ「そして」ブンッ

フィアンマ「破壊力はいらない。振れば倒せるのだから、壊す破壊力なd」

佐天「うるっさいっ!!」ガキーン

フィアンマ「っ!!?」ピキピキ

フィアンマ「な、…受け止めた、だと?」

佐天「あ、あれ?なんか知らないけど、効いてる…?」

サーッ…

それは、男の肩から伸びる第三の腕が、景色に溶け消えていく音だった。

フィアンマ「これは、まさか…」

そう。全盛期の力を持たない彼の弱点の一つ。それは、

フィアンマ(『空中分解』…しまった、余りの雑魚で使用制限のことなど失念していた…!?)

佐天「ふっ、ふっふっふっ」

佐天「これが私の能力、『幻想頃し』よ!!」バーン

佐天(いやー学園都市に伝わる都市伝説の一つだけど、まさか、まさか、この私にも宿っていたなんて…!!)プルプル

35: 2019/06/16(日) 00:34:31.373 ID:0iJu7ZxU0.net
佐天「終わりよ、…えーと、誰だっけ」

フィアンマ「…………右方のフィアンマ、だ」

佐天「ウホウ?のフィアンマ!!アンタの悪巧みは、ここまでよ!!」

ダッダッダッ

フィアンマ「っ…バカが、仮に『聖なる右』が行使できずとも、俺様は成人男性だぞ?力のみで貴様を屈服させることなど…」

ガンッ

長い黒髪を翻す少女の金属バットの全力スイングが、男の右肩へ勢いよく命中する。

フィアンマ「おっ……!?っ、ぁあ…!!」

フィアンマ(こいつ…まさか、今までのは全て演技で、俺様の能力の弱点を知った上で…!?)

佐天「たーしかに、私は一見何の能力もない、か弱い女の子かもしれない。でも、だけど」

佐天「私の…レベル0(わたしたち)の力は、0なんかじゃないっ!できることが何もないなんて、そんなことは、絶対にないっ!!」ブンッ

ボコッ

フィアンマ「っ、ぐぉ…ぁ」ドサッ

佐天「ハァ…ハァ………それに、一つ言っておくけど」ポイッ

カランカラン…

佐天「アンタの能力、便利すぎてアンタ自身は人並みの運動神経ないんじゃない?都市伝説で聞く最強のレベル5みたいにさ」

38: 2019/06/16(日) 00:39:07.050 ID:0iJu7ZxU0.net
──────────

カエル医者「……よほど恨みを買ったか舐められていたのか、全くひどい打撲だね?」

フィアンマ「……ありがとう、恩に切る」

フィアンマ「病院は、魔術の神に敗れた時以来か。どうやらここの医師の腕は確からしいな」

フィアンマ「…全く恐れいったものだ、まさか一般人に負けるとは思わなかった。どうやらこの町の住民は、『全員はったりとステゴロの達人』らしいな」

フィアンマ「では気を取り直して次へいくとするか」

次>>41

41: 2019/06/16(日) 00:42:10.664 ID:JLHUSoJ70.net
木山春生

42: 2019/06/16(日) 00:51:34.004 ID:0iJu7ZxU0.net
フィアンマ「さて、警備員の件といい少し目立ちすぎたか。そろそろステルス術式の再適用と、火属性を介した『人払い』でも掛けておくか」スッ

木山「そこの君、ちょっといいか」

フィアンマ(…今の身分であまり他者との接触は避けたい所だが)

木山「なんでも、『瞬間移動や何もない所からの物を取り出す赤い服の華奢な男』の目撃情報が相次いでいるわけだが」

フィアンマ「ちっ」ヒュンッ

木山「まさか多重能力者(デュアルスキル)をしy」ボコッ

木山「っ…」ドサッ

フィアンマ「破壊力はいらない。振れば倒せるのだから…と言っている場合ではないか」ヒュンッ

ダッダッダッ

カエル医者「う~ん、やっと休憩時間だね…ん??」

カエル医者の勤務時間は続く…

43: 2019/06/16(日) 00:54:14.125 ID:0iJu7ZxU0.net
フィアンマ「さて、俺様の見込みだと…次の空中分解までの『聖なる右』の使用制限回数は3回、と言ったところか」

フィアンマ「とりあえず今の俺様でも、2人くらいなら相手できるかね」

次の相手>>46

46: 2019/06/16(日) 00:59:26.352 ID:JLHUSoJ70.net
御坂美琴
一方通行

47: 2019/06/16(日) 01:06:45.382 ID:0iJu7ZxU0.net
フィアンマ「なるほど、なるほど。この町にはどうやらレベル5という強力な力を持った人間がいるらしいな」

フィアンマ「ではその内で情報が多く取れた2人と接触してみることにしようか」

──────────

打ち止め「やっぱりあっちのケーキがいいって、ミサカはミサカは手をブーンして闇の中へと消えていったり!!」ダダダダッ

一方通行「…面倒くせェな、どっちでもイイだろォが」テクテク

ヒュンッ

一方通行「あ?」

──────────

美琴「まさか黒子と初春さんが急に倒れただなんて…余程のやり手のようね、相手は」ビリビリ

美琴「それはそれとして、お見舞いのケーキってこんな華やかでいいのかしら…?」

ヒュンッ

美琴「ん…?」

──────────

48: 2019/06/16(日) 01:15:02.769 ID:0iJu7ZxU0.net
フィアンマ「取り込み中の所悪いが、お前達2人で俺様の相手をしてくれないだろうか?」

美琴「2人、って…」クルッ

一方「何を言ってやがr…」クルッ

美琴「な…!?」

一方「オマエ…!?」

フィアンマ「ああ、ああ、それぞれ思う所はあるだろうが、これは俺様の『人払い』で間接的に誘導したまでだ、気にするな」

美琴「で、」

一方「そォいうオマエは誰なンだ」

フィアンマ「俺様は右方のフィアンマ。第三次世界大戦の首謀者だ」

一方&美琴「ッ!!?」

一方通行「そォか、なら理由はいらねェな」スッ

美琴「あ、あれ、でも待って、確か『魔神』僧正の時、アンタあのバカの味方してたんじゃ…」

フィアンマ「ああ、あの時はな。ただ今回は俺様の純粋な力試しだ、過去のことは忘れてかかってこい」

美琴「何が目的か知らないけど…やるしかないようね」ビリビリ

一方通行「」ポチッ

49: 2019/06/16(日) 01:22:56.439 ID:0iJu7ZxU0.net
チョーカーの音と共に白い怪物が動く。

轟ッ!!

フィアンマ「なるほど、なるほど」

キーン

続けて、コインを弾く音が聞こえる。

美琴「認めたくないけど、私が打つよりアンタに反射してもらった方が、火力はずっと高い。いいわよね!?」ビリビリ

一方「好きにしろ」

キーン

後ろから放たれた『レールガン』は反射を受け、それを促した張本人より遥か先へ突き進む。
すなわち、フィアンマの元へ。

ドーンッ!!

回避する動作すら与えない。間違いなく直撃。
しかし、

モクモクモク…

フィアンマ「…強度はいらない。振れば防げるのだから、防御など必要ない」ニヤッ

美琴「そんな…」

一方「チッ」

50: 2019/06/16(日) 01:30:04.001 ID:0iJu7ZxU0.net
更にその勢いを殺さずに加速する一方通行を、まるで幼児を見つめるような顔つきで、

フィアンマ「射程はいらない。振れば終わるのだから、当てる努力など必要ない」ブンッ

バチィンッ

一方「ぐっ…」ドサッ

美琴「あいつでも、一瞬だなんて…」

フィアンマ「『僧正の時』は、醜態を晒して申し訳なく思っている」ヒュンッ

美琴「っ!?砂鉄の剣!!」ザラザラザラ

キーン

フィアンマ「だが、これで俺様がどの程度の力を持っていたか、少しは認識できたか?肉塊」ブンッ

ドコッ

美琴「っ、ぁ…」ドサッ

フィアンマ「ふむ」スタッ

フィアンマ「まあ、こんなものか。この世界の可能性というヤツも」

51: 2019/06/16(日) 01:38:08.658 ID:0iJu7ZxU0.net
──────────

クリファパズル「……てください」

一方通行「………っ」

クリファパズル「起きてください、ご主人様!起きないと…いひひ、その華奢な体を味わい尽くしちゃいますですy痛い痛いっ足の小指はやめてくださいですぅぅ!!」

一方通行「…おい、さっきの『赤い男』」

クリファパズル「いひひ、右方のフィアンマとは、また面倒な敵ができましたねぇ…」

一方通行「どォいう力なンだ、あれは」

クリファパズル「いひひ、大丈夫ですよ。ローラのボディを持つコロンゾンよりは出力は下です。何より特定条件下以外では真の力を発揮できませんし、そもそも私がいればとりあえずの反射も効きます」

一方通行「俺が言ってるのは力の詳細についてだ。ありゃなンなンだ」

クリファパズル「それは──」

──────────

フィアンマ「さて、やはり3回を使い切ってしまったか。これでしばらくは聖なる右を行使できなくなったわけだ」

フィアンマ「できれば今、他人とは会いたくないわけだが…」

次>>53

53: 2019/06/16(日) 01:38:50.527 ID:eEf/dataa.net
詠矢空希

55: 2019/06/16(日) 01:49:50.244 ID:0iJu7ZxU0.net
フィアンマ「……?(誰だそいつ……見ない顔だな……)」

詠矢空希「お、いたいた」

フィアンマ(ちっ、ここで正体不明のご本人と接触するとはな…)

詠矢空希「アンタが『右方のフィアンマ』か?」

フィアンマ「あ、ああ…」

詠矢空希「突然だがアンタの能力、なんつったっけ、『聖なる右』?あれって実際どういう理屈で何の力が働いてるわけなんだ?」

フィアンマ「…?何を…言っている」

詠矢空希「ああ、気にしないでくれ、純粋な興味なんだ。ただ気になることがあってさ」

詠矢空希「確かあれって、アンタの対応する天使が神の如き者(ミカエル)って奴だから、そのミカエルさんが宗教とか伝承、神話上であらゆる奇跡をその右手で起こしたから、そこからあやかって、右手を振るうだけで文字通り全能に近い力を行使できる。そんな所だよな??」

56: 2019/06/16(日) 01:54:35.188 ID:0iJu7ZxU0.net
フィアンマ「あ、ああ…。それが?」

詠矢空希「そしてその力は、『倒すべき敵や試練や困難のレベルに合わせて、 自動的に最適な出力を行う』、そうだな?」

フィアンマ「だからなんだと言うんだ…」

フィアンマ(幸いにもこいつがべらべらと喋るおかげで、空中分解が解除されつつある、だが)

フィアンマ(なんだ…この胸に溜まるもやもやは?)

詠矢空希「でもさぁ、それっておかしくね??」

フィアンマ「は?」

57: 2019/06/16(日) 02:02:41.841 ID:rGQg17Xe0.net
誰かと思ったらssのやつか

58: 2019/06/16(日) 02:02:50.181 ID:0iJu7ZxU0.net
詠矢空希「まず、ミカエルの伝承を元にしたからどんな現象でも起こせるって方から『論証』するぞ?」

詠矢空希「…実際の伝承におけるミカエルって奴は、本当にそんな全能なのか?」

フィアンマ「…??」

詠矢空希「可能性の話だよ。もしアンタの能力通り何でもできるってなら、神に遣える必要もないし、敵対する相手に苦戦なんかしない、そもそも戦いにすらならないんじゃねぇのか?」

詠矢空希「文字通り全能なら、例えば『世界上の悪意をその敵に向けて孤立させた世界』『そいつの代わりに誰かが世の悲劇に立ち向かった世界』果ては『そもそも争い事や不幸なんてのが一切残らない幸せの世界』なんてものも作れるはずだ」

詠矢空希「でもミカエルの伝承でそんな話は聞いたことがない。世界を自在に作って壊すような神業はな。それどころか、別にアンタが使ったようなものすごくでかい光の剣とか、翼なんて使わず飛んだり瞬間移動なんてのは使ったことがない」

59: 2019/06/16(日) 02:08:29.780 ID:0iJu7ZxU0.net
フィアンマ「それは…」

詠矢空希「つまり『聖なる右』の内、ミカエルの所業、奇跡に従いあらゆる行動を起こせる能力。そんなものは、屁理屈だ、間違っている」

フィアンマ「…!!?」

フィアンマ(なんだ…こいつの言葉を聞いていると、俺様の力が…抜けて、いく…?)

詠矢空希「次に、倒すべき敵や試練や困難のレベルに合わせて、 自動的に最適な出力を行う方」

フィアンマ(理屈はわからんが…こいつの言葉は危険だ、空中分解が戻りさえすれば、その減らず口を潰せるのだが……)

60: 2019/06/16(日) 02:18:29.695 ID:0iJu7ZxU0.net
詠矢空希「これの矛盾点もさっきと一緒。ミカエルは、百戦錬磨ではなく、『苦戦もしている』」

フィアンマ「…っ」

詠矢空希「大体、『破壊力・速度・硬度・知能・筋力・間合い・人数・得物等が必要ない』?『触れれば終わるから破壊力はいらない』?『RPGのコマンドに「倒す」がついてるような、後出しジャンケンを行うようなデタラメさ』?」

詠矢空希「カット連発で描写が致命的に不足してるアニメ3期ならともかく、地の文に書かれているこれら『出力の描写』」

詠矢空希「確かにアンタの作中の戦闘シーンは圧巻の一言だ、ヴェント戦や上条戦なんかアニメとはまるまる描写が差し変わっているしな」

詠矢空希「でも、その力を行使して、何でヴェントは一発食らった上でまだ立ち上がるんだろうな?上条はなんでまだ動けるんだろうな?」

フィアンマ「…!?」

フィアンマ(下らんことをべらべらと…だが、俺様の回数制限は戻った。今楽にしてやる)ゴッ

詠矢空希「…それはアンタの力が『絶対』じゃないからだ、そしてそれはさっき言った描写と、『矛盾』する!!」

パンッ!!

フィアンマ「…!?な、何…聖なる右が、消えていく…?」ガクッ

61: 2019/06/16(日) 02:20:34.314 ID:1ubQQTuoa.net
よく詠矢さん再現出来てるなすげーわ

62: 2019/06/16(日) 02:21:41.276 ID:0iJu7ZxU0.net
詠矢空希「『論証』終わり。これが俺の能力、レベル0『絶対反論』(マジレス)だ」

詠矢空希「長々付き合わせて悪かったな、ていうか俺今めっちゃギリギリの危ない所だったな…」ザッザッ


フィアンマ「…………」

──────────

63: 2019/06/16(日) 02:23:17.720 ID:04DTOu9/d.net
すげぇ上手いな
オリキャラまで書けるのか>>1

64: 2019/06/16(日) 02:25:01.546 ID:eEf/dataa.net
詠矢さんの再現度が高すぎて本人かと思った

65: 2019/06/16(日) 02:28:41.334 ID:0iJu7ZxU0.net
──連結ポイントの狭間で──

オティヌス「誰だあいつ」

世界のどこでもない場所で、隻眼の少女は悪態をつく。

オティヌス「まさか、上位の魔神以外にも私も知らない人物がいるとはな」

オティヌス「難儀なものだよ、この世界の『可能性』というヤツも」

オティヌス「さて、私があいつと再び出会えるのは、いつになるだろうな」

魔術の神は、目を細める。

終わり

66: 2019/06/16(日) 02:31:14.704 ID:0iJu7ZxU0.net
ぶっちゃけテッラのSSをVIP以外で書いた時に安価が両津とサイタマでクロスオーバーものになったことがあって、ある程度のそれは許容範囲だったりするのよ
基本禁書の正規のキャラであって欲しいけどな
ヨメヤソラキ書いたのは初めてだった

67: 2019/06/16(日) 02:36:49.315 ID:eEf/dataa.net

面白かった

引用元: フィアンマ「なるほど…俺様が禁書キャラと戦うスッドレというわけか」