1: 2020/06/20(土) 21:00:54.533 ID:IRBBRL6K0.net
──とある校庭──

ザッ

オティヌス「来たか」

テッラ「………」

オティヌス「…今『何周目』なのか、記憶はできているか」

テッラ「……いいえ。正直に言えば、あなたとの戦い以外の記憶すら曖昧ですからねー」

オティヌス「そうか」

テッラ「……ですが、不審な点であればいくつか記憶に残っていますよ」

オティヌス「……?」

テッラ「例えば、あなたはどうあっても私を『殺さない』。殺せないのではなく、殺さない」

オティヌス「……」

テッラ「戦いなどその1回で終わっていたはずなのに、それでも私は呼吸を続けています。不思議ですねー」

オティヌス「……」

テッラ「そして、暇潰しのように『左方のテッラを頃し続ける』こと、それ自体が目的というわけでもありませんよねー」

テッラ「……であれば話は簡単です。あなたには、あえて私を痛め付ける理由がある。例えば、私の『心境の変化』を期待している…とか」スパーン!!

そこまでだった。
テッラの体を不可視の斬撃が突き抜け、腰の所で両断されていく。
最期を眺めた少女は、その手に持つ『槍』を振るった。

そして世界が巻き戻される────

相手>>4

4: 2020/06/20(土) 21:02:06.076 ID:sfyZJjAA0.net
オッレルス

9: 2020/06/20(土) 21:11:56.307 ID:IRBBRL6K0.net
テッラ「さて、ようやくこの物語(システム)の意図が見えてきましたねー」テクテク

テッラ「何故私がこうして様々な世界を歩いているのか、その答えを見つけるまで諦めませんよ」

オッレルス「やあ」

テッラ「!?」

テッラ「(足音すら聞こえなかった…だと?)」

オッレルス「…どうかしたのか?」

テッラ「…いいえ。あなたは?」

オッレルス「オッレルス。『魔神』になるはずだった、惨めな男だよ」

テッラ「魔神に…なるはずだった?」

オッレルス「ああ。まぁその辺りについては君は気にしなくていい。とうに済んだ話だからな」

テッラ「そうですか。では…」

テッラ「行きますよ」グッ

10: 2020/06/20(土) 21:23:12.963 ID:IRBBRL6K0.net
テッラ「優先する。──人体を下位に、小麦粉を上位に!」ブンッ

オッレルス「……」スパーン

その口振りの割に、彼はあっさりと切断されてしまう。

テッラ「(……回避も防御もしない?)」

オッレルス「」パァァァ…

と思った直後、淡い光と共に彼の体が再生する。

テッラ「くっ……腐っても魔神に踏み込んだ存在というわけですか…!」

オッレルス「……確か君は、『幻想頃し』についてフィアンマよりも真理に近い場所に立っていたな」

テッラ「……何の話ですかねー」

オッレルス「『世界の基準点』とは異なるもう一つの性質、『世界を癒す薬』」

テッラ「………」

オッレルス「もっとも、今この世界において重要なのは、宿主の方でもあるが」

テッラ「宿主……?」

オッレルス「まぁ世間話はこの辺で終わっておこうかな。……『彼女』も退屈だろうしな」

テッラ「…では、改めて」ダッ

テッラ「(オッレルス……彼の能力はわかりませんが、魔術である以上何らかの法則があるはず。まずはそれを──)」ダッ

その瞬間、走り出したテッラの体がひとりでに後方へと吹き飛ばされた。

ヒューン… ガシャーン!!

テッラ「がっ…!?」

11: 2020/06/20(土) 21:36:19.859 ID:IRBBRL6K0.net
テッラ「(何ですか、今の不自然な衝撃は…?)」

オッレルス「北欧王座」

オッレルス「この世でもっとも恐ろしいものは、一切の行動を伴わず、理解のできない所から、説明のできない力が働いて、対策も考えられない内に倒されてしまうことだ」

テッラ「理解の、できない…?」

オッレルス「あぁ。だから君が思っているであろうその感覚に、間違いはない。元々そういう力なのだから」

テッラ「くっ…ですが、理解のできない法則であろうとも、それは『魔術』。であれば」

テッラ「優先する。──魔術をk」ドッッ!!

テッラ「ぐおぁ…!?」

ヒューン…ガッシャーン!!

再び『説明できない力』が直撃し、彼の体はノーバウンドで遠くの瓦礫に突っ込んでいく。

オッレルス「……悪いが、今は大人しく倒れておけ。これは『優先』程度でどうにかなる代物じゃない」

どこへともなく歩みを進めながら、魔神になるはずだった男は呟いた。

オッレルス「……さて、あとは君の頑張り次第というところだな。テッラ」

12: 2020/06/20(土) 21:37:47.779 ID:IRBBRL6K0.net
──────────

ズシャァッ!!

不可視の斬撃に対し、テッラは大きく身を落とした。
背後に聳える「とある高校」の校舎が吹き飛ばされていく。

ガラガラガラ…

テッラ「……」ダッ

斬撃が見えなくとも、その破壊の音を頼りにテッラは走り出す。

ドドドドドドッッ!!

彼が一歩を踏み出した直後、その座標に幾億もの不可視の爆発が巻き起こる。

テッラ「ぉ───」

当然、彼の体は散り散りに吹き飛ばされた。
まるで見えない地雷を踏み抜いたかのように。

オティヌス「………」スッ

次>>15

15: 2020/06/20(土) 21:42:10 ID:zl0dkWOia.net
バードウェイ

18: 2020/06/20(土) 21:56:14.605 ID:IRBBRL6K0.net
テッラ「さて、次の相手は誰でしょうかねー」テクテク

バードウェイ「…左方のテッラか。私の記憶が確かならとうに氏んでいるはずなんだがな」ザッ

テッラ「ほう、今度は魔術結社のボスが相手のようですねー」

バードウェイ「…不満か?」

テッラ「いいえ」

テッラ「さて、時間も惜しいので始めましょうか。私は『次』へ進まなければなりませんのでねー」グッ

バードウェイ「……なんか知らんが、この私を『前座』扱いしているということは理解した」スッ

少女の手には、一本の杖が握られていた。

テッラ「」ダッ

火の杖「」クルクルクル…

テッラ「優先する」

バトンのように1回転した杖から、円形の炎が噴出する。

テッラ「──魔術を下位に、小麦粉を上位に!」

スパーン!!

その手で放った小麦粉が、炎の壁を断ち切っていく。

19: 2020/06/20(土) 22:15:24.519 ID:IRBBRL6K0.net
バードウェイ「」スッ

開けた視界の先にいる少女が手にしていたそれは、杖ではなく杯。

バッシャアアア!!

水の杯から、バードウェイを取り囲むように莫大な水の壁が噴出する。
更にその壁は、傘を広げるかのように円形に展開され、その内側から無数の水のナイフが形成される。

テッラ「…ふっ、無駄なんですがねー。この小麦粉は、『魔術』であればその系統が異なっていても防げませんよ!」ブンッ

ズシャァッ!!

テッラの小麦粉が、無数のその水の刃を薙ぎ払っていく。

ガキーン!!

テッラ「…くっ!?」

しかし何故かその小麦粉を握る手に、固い金属を殴ったような感覚を覚える。

バードウェイ「」ブンッ

その僅かな隙を突いて、少女はその手に持つ霊装を振るう。
その形は、杯ではなく短剣に変じていた。

ゴォオオッ!!

テッラ「ッ──!?」ズシャッ!!

そこから巨大な空気の刃が生じ、緑の魔術師を真っ二つに両断していく。

カランカラン…

バードウェイ「さて……さっきの水の刃、1本だけ魔術とは関係ない『本物』が入っていたわけだが」テクテク

落ちたナイフを拾い上げ、結社のボスは言い放つ。

バードウェイ「魔術師の基本は『情報戦』だ。お前が巷で『神の右席の中で最弱』とか言われてる理由はそういう所にあるんじゃないか、なぁ?」

20: 2020/06/20(土) 22:16:59.655 ID:IRBBRL6K0.net
──────────

テッラ「」ダッ

テッラは『見えない地雷』を避けるため、弧を描くように大きく迂回した動きを取る。

オティヌス「…普段の尊大な態度はどうした?随分と及び腰じゃないか」スッ

隕石「」キィーン…

告げるオティヌスは軽く『槍』を振るった。
突如、遥か上空から無数の隕石が飛来する。

テッラ「優先する。──隕石を下位に、小麦粉を上位に!」ブンッ

スパーン!! スパーン!! スパーン!!

ドドドドドドドド…!!

小麦粉に切断された隕石の欠片が、轟音と共に散らばっていく。

オティヌス「」グッ

少女が拳を軽く握ると、大小様々な欠片が緑の魔術師へと向かっていく。

テッラ「──ッ!?」グシャッ!!

それは磁石のように引き寄せられ、彼の体を擂り潰した。

次>>23

23: 2020/06/20(土) 22:26:22.512 ID:u3jYuQbc0.net
一通

25: 2020/06/20(土) 22:35:13.966 ID:IRBBRL6K0.net
テッラ「……さて、今回も中々勝てませんが、私は諦めませんよ。まずはこの手で一勝するところからですねー」テクテク

一方通行「……よォ」ザッ

テッラ「くっ……一方通行、ですか」

一方通行「どォやら俺を知ってるみてェだな」

テッラ「えぇまぁ。いい加減に顔も能力もおおよそ把握できましたよ」

一方通行「……まるでどこかで会ったことがあるよォな口振りじゃねェか」

テッラ「その辺りについてはノーコメントです」グッ

一方通行「まァ、こっちとしてもどォでもいいがな」ピッ

ギュン!!

テッラ「優先する」グッ

31: 2020/06/20(土) 22:49:55.650 ID:IRBBRL6K0.net
テッラ「──人体を下位に、重力を上位に!」

ズゥゥン!!

一方通行「ぐっ…!?」ドサッ!!

テッラ「」ダッ

一方通行「(…この能力……重力がどォとか言ったか、なら)」グッ

バキバキバキッ!!

一方通行が細い手を地面につけた直後、そこを始点に地割れが生じていく。

テッラ「(ベクトル操作で地面を破壊しましたか……)」

テッラ「優先する。──重力を下位に、人体を上位に」」フワッ

一方通行「(今度はヤツが浮かび上がった……あ?)」グッ

一方通行「(……体が動く。……そォか、なるほどな)」

テッラ「」スタッ

テッラ「優先する。──大気を下位に、小麦粉を上位に!」ブンッ

ブワッ

小麦粉が周囲に分散し、白い怪物へと襲いかかる。

34: 2020/06/20(土) 23:07:02.478 ID:IRBBRL6K0.net
ギュンッ!!

しかし怪物は、その小麦粉を無視して一直線に突っ込んでいく。

一方通行「……オマエの『優先』とやらは、同時に2つ以上設定できない、違うか?」

テッラ「確かにその通り、ですが」

テッラ「…優先する。──酸素を下位に、その他の空気を上位に」

フッ

一方通行「……ッ!?(息、が…)」グラッ

テッラ「私がその弱点を把握していないとでも?」

一方通行「(……だったら、風のベクトルを…)」グッ

テッラ「…優先する。──人体を下位に、小麦粉を上位に」

一方通行「!!?」ズシャァッ!!

その瞬間、酸素を掴むために起こした風に乗って、周囲の小麦粉が彼の体を傷つけていく。

一方通行「っ…」ドサッ

テッラ「………」

テッラ「……この私が、一体何度あなたと戦ったと思っているんですかねー」

テッラ「10032回目の敗北辺りから、数えるのも億劫になりましたよ」


そして彼は、束の間の休息を手にする。

35: 2020/06/20(土) 23:09:16.539 ID:IRBBRL6K0.net
──────────

隕石「」キィーン…

テッラ「優先する。──隕石を下位に、人肌を上位に!」ダッ

ドドドドドドドド…!!

飛来する流星群そのものは無視し、テッラはオティヌスを真っ直ぐと見据えて走っていく。

ダッダッダッ…

オティヌス「」ギンッ

ズゥゥン…

オティヌスが地面を睨むと、その視線の先が円形に抉り取られ、一片の光すら通さない闇の渦が形成される。

テッラ「…!?」ズズズ…

圧倒的な引力を持ったそれは、テッラの体を飲み込み圧縮していく。

次>>38

38: 2020/06/20(土) 23:13:04.013 ID:7AQDubTA0.net
フレメア=セイヴェルン

40: 2020/06/20(土) 23:24:44.460 ID:IRBBRL6K0.net
フレメア「にゃあ。ご飯食べたら眠たくなってきた」テクテク

垣根「我慢してください」

フレメア「大体、カブトムシさんがでっかくなってくれれば解決なのに」

垣根「未元物質はタクシーじゃありませんよ」

フレメア「けち」

テッラ「では、私がそのタクシーとなって差し上げましょうかねー?」ザッ

フレメア「にゃあ。誰」

テッラ「あ、申し遅れました。私は神の右席、左方のテッラですねー」

フレメア「……つまりどういう人?」

垣根「…さぁ」

テッラ「もちろんあなたのような子供から、お金などいただきませんよ。その代わり」

垣根「…!」

テッラ「…命を一つ、いただきますがねー?」グッ

42: 2020/06/20(土) 23:38:53.994 ID:IRBBRL6K0.net
テッラ「優先する。──人体を下位に、小麦粉を上位に!」ブンッ

垣根「フレメアッ!」ズズズ…

幼女のランドセルにくっついた、白いカブトムシのキーホルダーがその形を崩していく。
等身大の、白い少年へと。

ガキーン!!

垣根「離れて!」ドンッ

フレメア「きゃあ!?」

テッラ「ふっ、垣根帝督ですか。…私は、『どちらの』垣根帝督にも負けるつもりはありませんよ」グッ

垣根「…?」バサッ

全身緑の意味深な台詞は無視して、垣根は真っ白な翼を背中に生やし、その鋭利な刃を叩きつけていく。

テッラ「優先する。──未元物質を下位に、小麦粉を上位に!」ブンッ

スパーン!!

垣根「な…!?」

モコモコモコ…

翼ごと両断された垣根の断面から、別の『垣根帝督』と無数のカブトムシが生成されていく。

テッラ「優先する。──未元物質を下位に、人肌を上位に!」ブンッ

ドドドドド…!!

ある垣根は六枚の翼を、ある垣根はその肉体を、ある垣根はその角を、ある垣根は白いビームを、様々な手段を用いて攻撃する。
しかし、

テッラ「無駄なんですがねー。あなたの攻撃は多種多様ですが、結局の所それらは全て『未元物質』。見た目に惑わされなければ、私が負ける道理などないのですよ!」

43: 2020/06/20(土) 23:56:20 ID:IRBBRL6K0.net
垣根「くっ…」モコモコモコ…

テッラ「実力の差は理解できましたかねー?」テクテク

フレメア「(そんな…カブトムシさんが負けちゃう…!)」

テッラ「であれば、この辺りが『この世界』の終末ですねー」テクテク

フレメア「(何か、何か……私にできることは…)」

テッラ「優先する」グッ

フレメア「(……優先?」

テッラ「──ダークマt…」

フレメア「これでも…食らえっ!」ブンッ

テッラ「!?」

人形「」ヒューン…

フレメア「その真っ白な人形型の『爆弾』は!投げたらすぐに爆発するっ!!」

テッラ「くっ……爆弾を下位に、人肌を上位に!」グッ

人形「」クルクルクル…ポトン

テッラ「………」

テッラ「……は?」

ドスッ!!

垣根「……なるほど」バサッ

テッラ「く……ブラフ、ですか」ドサッ

フレメア「ハァ…ハァ……」ガクッ

垣根「フレメア。……よく、気付きましたね」

フレメア「………にゃあ」

垣根「ありがとう、助かりました」スッ


白い少年は、保護対象でしかなかった無能力者(レベル0)の強さを、改めて学ぶのだった。

44: 2020/06/20(土) 23:59:16 ID:IRBBRL6K0.net
──────────

テッラ「優先する。──ブラックホールを下位に、身体を上位に!」ダッ

足元に広がる闇の渦を踏破し、テッラは更に歩を進めていく。

ダッダッダッ…

オティヌス「……」スッ

バキッ!!

その2本の足が、不可視の力で捻じ曲がり

次>>46

46: 2020/06/21(日) 00:00:53 ID:IG/t38tb0.net
小神あきら

47: 2020/06/21(日) 00:02:39 ID:IG/t38tb0.net
すまん誤爆した

48: 2020/06/21(日) 00:04:19 ID:KoECysNd0.net

50: 2020/06/21(日) 00:06:38 ID:GbiIZqZ20.net
VIPからき☆すた

51: 2020/06/21(日) 00:15:18 ID:rbuwwKVL0.net
あきら「らっきー☆ちゃんねるぅ!!」

ちゃーちゃーちゃらっちゃらっらっらー♪

あきら「おは☆らっきー!!」\(>ω<)/

あきら「今回の『らっきー☆ちゃんねる』は特別編!ななななんと、あの『学園都市』に進出でーすっ☆」

あきら「…というわけで、はじめましての方はこんばんは!今をときめく14歳のスーパーアイドル!ナビゲーターの、小神あきらですっ☆」

白石「アシスタントの、白石みのるです!」

テッラ「神の右席の、左方のテッラですねー」

あきら「…………」

白石「…………」

テッラ「…………?」

あきら「…………だれ?」

テッラ「神の右席の、左方のテッラですねー」

白石「え、えーと、とある魔術の禁書目録作中における『神の右席』という組織の一人です。今回はゲストという形でお招きしました!」

あきら「…あ、あ~あの『神の右席』の左方のテッラさんですね!お会いできて、あきら感激☆」

テッラ「(若干顔が引きつってるのは気のせいですかねー)」

あきら「(……おい)」ドカッ

白石「は、はい!……えーと、とあるシリーズの中でも屈指の人気を誇るテッラさんですが、作中ではどのような活躍をされたんですか?」

テッラ「ふっ、まずはアビニョンにて上条当麻やイギリス清教とC文書を巡って戦いとなり、惜しくも敗れてしまいましたねー」

白石「その後は?」

テッラ「……バチカンにて同じ組織に属するアックアに粛清され、以降は出番がありませんねー」

あきら「……チッ」

白石「(あきら様!抑えてください!)」ボソッ

テッラ「…??」

白石「え、えーと、しかしテッラさんはあの神の右席のメンバーということで、圧倒的な強さを持っているんですよね?たまたま相手が悪かっただけで、やはりメンバーの中でも強かったんじゃないですか?」

テッラ「……残念ながら、私の能力は調整中で欠点が多いためか、作中での活躍の少なさと合わせて、一般的には神の右席の中でも最弱と断定されているようですねー」

あきら「………」ムスッ

白石「(あきら様!顔!…顔に出てます!)」ボソッ

55: 2020/06/21(日) 00:30:36 ID:rbuwwKVL0.net
テッラ「…あ、ちなみに私自身は当然そんなことは思っておらず、最強だと自負していますからねー、安心してください」ドヤァ

あきら「…………」ブチッ

あきら「……あーもういいわこんな脇役」

白石「あきら様…!?」

テッラ「ほう、この私を……『神の右席』左方のテッラを、こんな脇役呼ばわりとはいい度胸ですねー!」ガタッ

あきら「はぁ…知らないわよ左方のテッラとか、どーせ『とあるファン』が好きなキャラ10体くらい挙げたとしても、精々数%くらいのネタか物好きな人しか挙げない程度のキャラじゃないのぉ?」

テッラ「くっ…そこまで言いますか……でしたらこの私の圧倒的な力、見せて差し上げましょう!」グッ

テッラ「優先する。──人体を下位に、小麦粉をじy…」

ゴットゥーザ様「………」ゴゴゴゴゴゴ…

テッラ「ヒッ──」

──────────

あきら「……ったく」

白石「もーあきら様もほら、そんな梅干しみたいな渋い顔しないで、笑顔でいきましょう!」

あきら「ハァー?だーれの顔が梅干しだってぇ?」ギロ

白石「ヒッ──」

ちゃーちゃーちゃらっちゃらっらっらー♪

あきら「はうう~☆(>△<)」

あきら「もうお別れの時間が来てしまいました~、あきらさみしいっ///」

あきら「というわけで、このスッドレでは安価で『禁書キャラ』を募集しています!」

白石「また、>>1的には他作品のキャラでも書く努力はしますが、よく知らない作品である場合など、力及ばず再現不可能だったり、キャラ崩壊を起こしても責任は負いかねますのでご了承ください!」

あきら「それでは今回はこの辺で」

白石「また次回お会いしましょう!」

あきら&白石「「ばいにー☆」」


あきら様は笑顔で別れを告げられた。

56: 2020/06/21(日) 00:35:47.218 ID:rbuwwKVL0.net
──────────

あきら「てかさあ」

白石「どうされましたか?」

あきら「なんで『テッラ』なの?」

白石「はぁ…そう申されましても」

あきら「他のキャラは?上条当麻とかさー、御坂美琴とかさー、一方通行とかさー」

白石「……意外とお詳しいんですね。あきら様のことですし、活字なんて読まないものかと」

あきら「…どういう意味?」


ブツンッ

──────────

58: 2020/06/21(日) 00:37:22 ID:rbuwwKVL0.net
──────────

2本の足を動かして、テッラは神の下へと近づいていく。

テッラ「(……私の小麦粉は近距離でなければ精度が落ちる。であればまずは接近し──)」ダッ

オティヌス「遅い」スッ

テッラ「!?」グチャッ

気づいた時には眼前にいた少女の掌が、彼の頭を握り潰した。

次>>60

60: 2020/06/21(日) 00:43:20 ID:bxGI2ru+0.net
じゃあ屍喰部隊

63: 2020/06/21(日) 01:00:32 ID:rbuwwKVL0.net
テッラ「さて、次の相手は……おや?」

──────────

リタ「屍喰部隊の次の依頼は……『左方のテッラの抹殺』?」

ナル「誰それ」

薬丸「本名ではないよね」

清々「どんな奴なんだ?」

リタ「それが……既に氏亡している人物らしい」

ナル「えっ、何それどういうこと?」

薬丸「うーん、つまり書類上は氏んでるけど、実は生きてる…みたいな?」

リタ「正直言って、何もわからない」

清々「……まさか、ハズレの依頼を掴まされたとか?」

薬丸「だとしたらこれまたピンチになってない…?」

ナル「なんかこう……特徴とかわかりやすいのないの?」

リタ「えーと……あぁ、外見については詳細がある」

リタ「髪が逆立っていて、口が裂けていて、目付きが鋭く、頬は痩せこけ、全身緑の修道服で、何故かギロチン上の小麦粉を持ち歩いてる……らしい」

清々「個性の塊じゃねぇか」

ザッ

テッラ「……あなた方が次の相手でよろしいんですかねー?」

屍喰部隊「「「「!!?」」」」

テッラ「……ふむ。であれば、さっさとケリをつけましょうか」グッ

64: 2020/06/21(日) 01:13:52 ID:rbuwwKVL0.net
テッラ「優先する。──人体を下位に、小麦粉を上位に!」ブンッ

ナル「優先…?」

リタ「台詞から察するに、くらうのはマズいっ…!」ダッ

清ヶ「」ダッ

小麦粉「」ジジジジ…

セーラー服の少女?が小麦粉に接近すると、その軌道が見えない壁のように遮られる。

テッラ「(くっ…何かの能力…?ならば……)」

テッラ「優先する。──人体を下位に、重力を上位に!」

ズゥゥン!!

清ヶ「がっ…!?」ドサッ

ナル「ぎゃっ!?」ドサッ

リタ「今度は、なんだ……重力操作か!?」ガクッ

薬丸「デュアルスキル…てこと?」ガクッ

テッラ「デュアルなんちゃらは知りませんが、この優先術式『光の処刑』に不可能はありませんからねー!」

ギチギチギチ…

テッラ「………」プルプルプル

ナル「でも、そっちも清ヶの摩擦操作で前に進めてないじゃん!」

66: 2020/06/21(日) 01:31:01.219 ID:rbuwwKVL0.net
テッラ「摩擦…?」

清ヶ「あっ、馬鹿!」

テッラ「優先する。──摩擦を下位に、人肌を上位に」ダッ

ナル「あれ?」

薬丸「あー、そういう能力か」

リタ「なるほど」

テッラ「ふっ、あなた方など『優先』していない小麦粉でも十分ですからねー!」ブンッ

リタ「ナル!」

ナル「え、でもあれ人体でも切断しちゃうんじゃ…?」

薬丸「台詞から考えて『今』なら大丈夫なはず!」

ナル「よくわかんないけどオッケー!」パラパラパラ…

青髪の少女が着込んでいる洋服がめくれ上がり、ウサギのような着ぐるみを形成する。

テッラ「なんと……その年で変態の類いですか!」

ガキーン!!

テッラ「くっ…」

硬い紙の着ぐるみに小麦粉を弾かれ、その衝撃が伝わり彼の手を痺れさせる。

薬丸「よしっ!」ブンッ

テッラ「あれは…」

正体不明のカプセルを投げ込まれるが、

ナル「ボクの浸紙念力を抑え込みながら」

清ヶ「俺の摩擦増減の射程に入りながら」

薬丸「私の投げ込んだ特製の『液体窒素』、頭から被ったらどうなるだろうね!?」

テッラ「ぬぉぉおおおああああ!?」

パキパキパキパキ…!!

テッラ「ぉ──」ドサッ

ナル「やったあ!」

清ヶ「まぁこんなもんか」

薬丸「これが屍喰部隊、覚えといてよね」

リタ「………あの、僕の出番は?」

67: 2020/06/21(日) 01:33:56.058 ID:rbuwwKVL0.net
──────────
オティヌス「」ヒュンッ

テッラ「優先する。──重力を下位に、身体を上位に!」フワッ

スカッ

テッラの体が宙に浮かび、少女のその手は虚空を掴む。

オティヌス「……」スッ

ガバァッ!!

オティヌスは軽く『槍』を掲げた。
その瞬間、彼女の頭上に広がる夜空の一片が消滅し、ぽっかりと丸い穴が空いたように、全てを無に帰す『黒一色の世界』が垣間見える。
ちょうどその中心にいた、緑の魔術師を飲み込む形で。

次>>69

69: 2020/06/21(日) 01:41:56 ID:UEYhQyui0.net
メイザース

70: 2020/06/21(日) 01:59:33.742 ID:rbuwwKVL0.net
テッラ「さて、次の相手は……ん?」

タロット「」パラパラパラ…

テッラ「なんでしょうか、あのタロットカード群は」

ズズズ…

メイザース「………」

テッラ「メイザース…だと?」

そのカードの束は、瞬く間に集束し、帽子を被り軍服を着込んだ精悍な男の姿を形作る。

メイザース「……ふん。貴様が俺の相手か」

テッラ「ふっ、光栄ですねー。『黄金』の長ともなれば、相手に取って不足はありません」

メイザース「……何者かは知らんが、少なくとも現代の魔術師ではあるようだな」スッ

告げる男の周囲に、杖、杯、剣、盤、四大属性の象徴武器が飛び交う。

メイザース「貴様がどれほどクロウリーの意思を継いでいるのか、示してみせろ。若輩」

72: 2020/06/21(日) 02:16:52.542 ID:rbuwwKVL0.net
メイザース「温にして乾」

クルクルクル…

象徴武器の内、火の杖が回転する。

ゴォオオオオ!!

虚空から爆発的な炎が現出し、テッラへと迫り来る。
アレイスターと双璧を成す、頂点に登り詰めたその魔術が。

テッラ「優先する。──魔術を下位に、小麦粉を上位に!」ブンッ

スパーン!!

しかし、その高純度の炎は断ち切られていく。

メイザース「……、ほう」

テッラ「」ダッ

テッラ「……優先する。──人体を下位に、小麦粉を上位に!」ブンッ

メイザース「(……なるほど、『優先』か)」

ガキィィン!!

テッラ「っ…!?」

その小麦粉は、軍服の周囲を飛び交う象徴武器に阻まれてしまう。

メイザース「……先ほど貴様は『魔術』を優先し、俺の炎を断ち切った。ならば何故、その一撃でこの象徴武器を壊せなかった?」

テッラ「くっ…!?」

メイザース「同時に設定できる『優先』は一つ、そして一つの『優先』で設定できる対象は二つ、そんなところだろう」

メイザース「それと、その小麦粉はスタンダードな解釈をすれば『神の肉』の象徴辺りか?」

テッラ「(……私の力の看破が早すぎる…!)」

73: 2020/06/21(日) 02:38:15 ID:rbuwwKVL0.net
テッラ「……だとしても」

テッラ「優先する。──魔術を下位に、人肌を上位に」

メイザース「………」

テッラ「これで、あなたが鍛え上げたその魔術はもう通用しません。私の『光の処刑』は、そういった強さの優先順位そのものを入れ替えるものですからねー」

メイザース「……こんなものか?」

テッラ「っ…?」

メイザース「寒にして湿」

バシャアアア!!

テッラ「……」

スカッ

突如として高純度の莫大な水が生じるが、テッラの体はそれをすり抜けていく。

テッラ「ふっ、どうやら負け惜しみか何かのようですねー」ダッ

メイザース「続けて、温にして湿」

パァァァ…

水を生み出していた杯と、風の短剣から溢れた青と黄の光が、メイザースの靴底を染め上げていく。

メイザース「」ヒュンッ

テッラ「は──」ドカッ!!

ヒューン… ドカーン!!

テッラ「がふっ…」

テッラ「(な…高速、移動……?)」

メイザース「魔術には、人を直接殺める以外の使い道など腐る程ある。『人払い』すら知らんのか?」

テッラ「く…」

テッラ「……優先すr」

メイザース「遅い」

ドッッ!!

テッラの体は、音が後から聞こえるほどの速度で飛ばされ、夜の闇の向こうへと消えていった。

メイザース「……研鑽がまるで足りん。この俺と対等に戦うつもりなら、クロウリーを連れてこい」

74: 2020/06/21(日) 02:40:49 ID:rbuwwKVL0.net
──────────

テッラ「優先する。──地面を下位に、身体を上位に!」ヒューン…

『優先』を解かれた重力によって後方へと落下するが、彼の体は激突することなく地面に溶けていく。
しかし、

ズゥゥン…

その『漆黒の月』は飛来し、テッラごと大地を抉り取った。

オティヌス「……」スッ


最後>>76

79: 2020/06/21(日) 03:06:09.647 ID:rbuwwKVL0.net
──とある校庭──

オティヌス「(……これで、私の記憶が確かなら、100億3001万回目か)」

オティヌス「(私の作り上げた世界は、並の人間であれば即座に廃人となるようなものも、数多く含まれていたはずだ)」

オティヌス「(それなのに…)」

テッラ「………」ザッ

彼は『ここ』へやってくる。
歩みを進めることができる。

オティヌス「何故、お前はこうも折れない!己の限界を突き抜けて、正気でも失ったか!?」

テッラ「いいえ、意外と自我というものは強固なようで、私は確かに左方のテッラですねー」

オティヌス「答えになっていない!」

テッラ「かもしれません」

オティヌス「………『以前』お前は言っていたな。『心境の変化』を期待していると」

オティヌス「……もし仮にそうだとして、お前に一体何ができる?」

テッラ「さぁ。何も変えられないのかもしれませんねー」

オティヌス「……」

テッラ「ですが、確かなことは一つあります」

テッラ「こうして世界をループしている時点で、あなたの目的は未だ果たされておらず、その目的を達するためには何らかの変化が必要であること」

テッラ「少なくとも、私がこうして戦い続ける限り、あなたの目的は阻害されていることにはなりますよねー?」

オティヌス「……」

テッラ「要は、諦めた方の負け。そういう話でしょう?オティヌス」

オティヌス「………、いいだろう」

80: 2020/06/21(日) 03:27:33 ID:rbuwwKVL0.net
テッラ「」ダッ

オティヌス「」ギロッ

彼女がテッラを睨みつけると、恐れ戦くようにその一点が『世界』から消失する。

──────────

その横っ飛びでかろうじて『無』から逃れた彼は走る。

オティヌス「……」

その両足は、説明できない力でシャーベットのように吹き飛ばされた。

──────────

その両足で彼は更に走る。その小麦粉を、至近距離で叩き込むために。

オティヌス「──」

オティヌスが何かを呟くと、視線の先にいるテッラを構成する素粒子の連なりが乖離され、その存在が幻想のものとなった。

──────────

不可視の斬撃を無数に受け、彼の体は細切れとなった。

──────────

槍の穂先で、頭蓋骨を貫かれた。

──────────

突如発生した、銀河と銀河の衝突に巻き込まれた。

──────────

その体中の血液を、雑巾のように絞り取られた。

──────────

謎の引力で、マントルに叩き込まれた。

──────────

突然の斥力によって、冥王星まで吹き飛ばされた。

──────────

体を赤ん坊の頃まで戻された。

──────────

生きたまま体中の神経を引き摺り出された。

──────────

幾千億もの不可視の爆発に包み込まれた。

──────────

81: 2020/06/21(日) 03:49:34 ID:rbuwwKVL0.net
結局のところ、人は神に勝てない。
それは決して変わることのない事実だった。
なのに、

テッラ「何故でしょうねー」

──────────

テッラ「何故、あなたは私の心を直接操って殺さないのか」

──────────

テッラ「何故、あなたは私の『光の処刑』を直接封じたりはしないのか」

──────────

テッラ「何故、あなたが私と戦う場所は、私に取って『は』身に覚えのない学校の校庭なのか」

──────────

テッラ「何故、あなたと戦う人物には、この『左方のテッラ』が選ばれたのか」

──────────


そして。
そして。
そして。


ミシィッ…!!

オティヌス「ッ…!?」グラッ

少女の眼帯の奥から、何らかの痛みが生じる。

オティヌス「く……膨大な年月の戦いによる精神的疲労、だと……?」


テッラ「……やっと、見えて、きましたよ」

オティヌス「…っ、ふざけるな。この程度で……」

テッラ「……戦いは、手足や魔術を使った攻撃以外でも、…言葉でも、十分に行えるというわけですねー」

オティヌス「………」

82: 2020/06/21(日) 03:55:19.963 ID:rbuwwKVL0.net
テッラ「答えてもらいますよ、全てを」

オティヌス「……数千億回以上の戦いにおいて、お前が勝ち得たものは、私が今一時的に受けているこの痛みだけだ」

オティヌス「……そんなものが、この神への交渉材料になるとでも?」

テッラ「ええ」

オティヌス「………」

テッラ「何故なら、あなたはどうあっても私を『殺さない』から。本来ならずっと昔に終わっていたはずなのに、あなたはわざわざ付き合ってくれている」

テッラ「それは、何らかの『目的』があるからだと。『以前』もこんな話をしましたかねー」

オティヌス「………いいだろう」

テッラ「……であれば存分に挑戦し、存分に諦めてください。その方が私としても面白くて大好きなんでねー」

ズシャッ!!

その減らず口を、不可視の力で上下に引き裂いた。

オティヌス「……自惚れるなよ人間。これは、私とお前の戦いなどではない。私の中でジャッジを下す戦いだ」

元々裂けている口が更に裂け、その顔が上下に分かれた緑の魔術師を眺め、返報の意を込めて宣言する。

オティヌス「存分に挑戦し、存分に諦めろ。神と人間、その彼我の差を思い知れ」スッ

少女は『槍』を振るい、世界の全てを巻き戻していく。

彼女自身にとっても忌むべき『黒一色の世界』へ。

何度でも。

何度でも。



83: 2020/06/21(日) 04:01:05.150 ID:a2YhJMVK0.net

今回は最高にテッラさんが主人公してる

引用元: テッラ「ほう、私がとある禁書キャラと戦うスッドレですか(ver.μ)」