1: 2020/06/06(土) 22:22:44.213 ID:vPpAY4Yd0.net
上条「………」

インデックス「………」

2人がいつものように帰宅すると、机の上にティッシュ箱程の大きさの機械と1枚のメモが置かれていた。
メモにはこう記されていた。

『「仮想試練装置(仮)」について、前回破損した装置の修復に加え、ver.1.2に更新したんですう。修正点は──』

上条「……確かこれ、『ランダムに選ばれたキャラが仮想空間に飛ばされて戦う装置』だったよな」

インデックス「うん。そして私達はこの装置から映し出される映像を、テレビみたいに観ることができる感じだったね」

上条「……で、なんでまた置いてあるんだこれ」

インデックス「さあ……。あ、でも確かスイッチを押さなければ起動しなかったはずなんだよ」

上条「そういえばそうだったな。ならそっとしておこうk…」ピカッ

装置「」パァァァ…

二人「「!!?」」

上条「あのヘンテコ悪魔、まさかタイマー式にでもしやがったか…!?」

『──以下の通りになりますですよう。
①:一定時間経過後、自動的にシミュレーション術式を起動する』

二人の意思とは関係なく起動した装置が、とある学生寮の一室を掌握していく。

>>4 vs >>5

4: 2020/06/06(土) 22:23:40.361 ID:QhSn+fic0.net
佐天涙子(鉄バット)

5: 2020/06/06(土) 22:25:41 ID:qR/4L4wZd.net
アックア

6: 2020/06/06(土) 22:27:37 ID:lzCNE8Hl0.net
勝てるかw

9: 2020/06/06(土) 22:36:33 ID:vPpAY4Yd0.net
佐天「まさか…私がこんなルール無用のバトル空間に呼ばれちゃうなんて…」テクテク

佐天「でもバットは持ち込みOKみたいでよかった!」スッ

佐天「これなら少しは…」

アックア「……貴様が、今回の標的であるか」ゴゴゴゴ…

佐天「(あっ、氏んだわ)」

アックア「まったく、あらゆる敵と模擬戦を行えると聞いて期待していたが……これはとんだ外れくじを引かされてしまったな」

佐天「い、いやでも、ここはなんてったって『仮想空間』!だったらきっと……リアルじゃ使えない『空力使い(エアロハンド)』だって!」グッ

シュンッ

アックア「せめて、一撃で終わらせてやろう」グッ

佐天「え、はや──」

ペシッ

佐天「ぎゃふっ」ドサッ

アックア「──これは、私への当て付けか何かであるか?」

──────────

10: 2020/06/06(土) 22:40:28 ID:vPpAY4Yd0.net
上条「えーと、あの子は確か…佐天さんだったっけか」

インデックス「普通の学生が『聖人』と巡り合うなんて……とうまの不幸が移ったのかも」

上条「えっ、もしかしてあの時、俺があの子の『お守り』のご加護を!?」

インデックス「心当たりがあるとは思わなかったんだよ」

パァァァ…

>>12 vs >>13

11: 2020/06/06(土) 22:41:46 ID:olRQ4jL/0.net
ショタコン

13: 2020/06/06(土) 22:43:41.043 ID:yK7StsHh0.net
インさん

21: 2020/06/06(土) 22:54:45.740 ID:vPpAY4Yd0.net
結標「へー、ここがあらゆる仮想敵と戦える空間ってわけね」テクテク

結標「私の『座標移動(ムーブポイント)』があれば大抵の相手なら何とかなるだろうけど……さて、誰が来るかしら?」

インデックス「」ヒュンッ

インデックス「私の名前はインデックスって言うんだよ!?…なんであの指定で飛ばされたのか、納得がいかないかも!!」

結標「あら、もしかしてあなたが私の相手なの?」

インデックス「むっ、なんか凄い格好の人がいるんたよ」

結標「あなたの安全ピンだらけの修道服も大概だと思うけど」

インデックス「……日本語では、『針のムシロ』と言う」

結標「まぁその珍妙な服の詳細は聞かないでおくわ。それじゃ……」スッ

インデックス「…!」

結標「いくわよ!」ヒュンッ

23: 2020/06/06(土) 23:02:31 ID:vPpAY4Yd0.net
インデックス「変な着こなしの人が…消えたっ!?」

結標「やかましいわっ!」ブンッ

ドカッ!

インデックス「っ…!?」ズサーッ

結標「」スタッ

インデックス「うっ…、ケホッ」

インデックス「(……あの人からは魔力を感じないし、辺りに魔術的な記号も一切ない。ということは恐らく、学園都市の能力者)」

結標「あら、もしかして何の能力もない学生(レベル0)だったかしら?」

インデックス「(……だとすると、今の私にできることは…何も……)」

結標「じゃあ可哀想だけど、さっさと倒して次に行かせてもらうわ」ヒュンッ

瓦礫「」ヒュンッ

インデックス「…っ!?」

ヒューン…ガッシャーン!!

ガラガラガラ…

25: 2020/06/06(土) 23:19:41.701 ID:vPpAY4Yd0.net
結標「ま、こんなもんかしらね」スタッ

インデックス「………」ガクッ

結標「………」

インデックス「──警告、第二章第六節。出血による生命力(マナ)の流出が一定量を超えたため、強制的に『自動書記(ヨハネのペン)』で覚醒めます」スーッ…

結標「!?」

白いシスターは、普段のそれとは異なる抑揚のない声を発しながら、上から糸で吊ったような極めて機械的な動きで立ち上がる。

インデックス「──警告、第四章第八節。敵性を確認。
これより、使用術式の解析及び、対応した特定魔術(ローカルウェポン)の構築を実行します」

虚ろな少女の両目、その虹彩部分に二つの三角形が不規則に映る魔法陣が浮かび上がる。

結標「……どうやら、レベル0ってわけじゃなさそうね」グッ

インデックス「『書庫』内の一〇万三○○○冊により、防壁に傷をつけた魔術の術式を逆算……失敗。該当する魔術は発見できず。現状、一〇万三〇○〇冊の『書庫』の保護のため、これより特定魔術『聖(セント)ジョージの聖域』を発動、敵性因子の迎撃を優先します」ブゥン

その瞳の魔法陣が少女の眼前で巨大化、交差するポイントを起点として縦に空間を引き裂くような黒い亀裂が生じ、正体不明の『何か』が敵対者を覗き込む。

27: 2020/06/06(土) 23:41:43.222 ID:vPpAY4Yd0.net
インデックス「警告、第二〇章第九節。命名、『神よ、何故私を見捨てたのですか(エリ・エリ・レマ・サバクタニ)』発動準備完了。即時実行します」ゴッ!!

空間の亀裂から、人工衛星すら貫く赤黒い極太の光線が放出される。

結標「ッ!?」ヒュンッ

ドォォン!!

結標「」スタッ

結標「(火力はヤバそう、だけどテレポートで十分に避けられる!なら…)」

インデックス「」クルッ

インデックス「──第一〇章第三節。現行の術式の効果を確認。敵性の転移術式には効果が芳しくないため、異なる特定魔術を組み合わせて戦況の打開を行います」

ブゥン ブゥン ブゥン

機械的な少女の周囲に、白く輝く三つの光が現出する。

結標「能力の系統が……変わった!?」

インデックス「警告、第一七章第三三節。『豊穣神(フレイ)の剣』を再現、即時実行します」

結標「チッ!」ヒュンッ

瓦礫「」ヒュンッ

ブゥン ブゥン ブゥン

光球は、飛び交う瓦礫の隙間を器用にすり抜け、自動的に結標の転移先を捕捉する。

結標「しまっ…追尾弾…ッ!?」ズシャッ!!

結標「うっ、ぁ…」ブシューッ

ドサッ

超能力とは似て非なる力を目の当たりにした少女は、力無く崩れ落ちた。

──────────

28: 2020/06/06(土) 23:47:05 ID:vPpAY4Yd0.net
──────────

インデックス「ハッ⋯⋯!?」

インデックスはそこで目を覚ました。

上条「お、戻ってきたかインデックス。『アレ』解放した時はヒヤヒヤしたぞ」

インデックス「うーん…何をしてたのかぼんやりとしか覚えてないかも……」

上条「無事で何より…だけど、相手の人も昔助けた人だから何とも言えないな。てかテレポーターだったんだ」

インデックス「なんかまた私の知らないところで人脈が増えてるような……」

パァァァ…

>>30 vs >>31

31: 2020/06/06(土) 23:52:38.744 ID:wKPsSPCjr.net
バードウェイ

32: 2020/06/06(土) 23:53:17.697 ID:qkkb2/cw0.net
オルソラ

35: 2020/06/07(日) 00:10:05 ID:AIzU+MZg0.net
バードウェイ「さて、と。ここが仮想空間とかいう場所か」テクテク

バードウェイ「我が『明け色の陽射し』にとって、有益なものが見つかるといいが……」テクテク

オルソラ「あら?あなたが私のお相手方ということでございますか?」ザッ

バードウェイ「……マジか」

オルソラ「……??」

バードウェイ「……おいシスター、ここで今から何をやる場所なのか理解はしているのか」

オルソラ「えっと……『かそーくうかん』とかいう所で、出会った人同士で親睦を深めることが目的だと聞いているのでございますよ?」

バードウェイ「(なるほどつまり…相当な機械音痴か、勘違いお馬鹿か、誰かに騙された天然か)」

バードウェイ「おーけーいいだろう、大体合ってる。じゃあ私と親睦を深め合おうか」スッ

オルソラ「えぇ、私があなたのお相手方なのでございますよ」ニコッ

バードウェイ「話が巻き戻ってる……」

オルソラ「どうかされたのでございますか?」

バードウェイ「ええいうるさい、じゃあ親睦を深めるために今から目を閉じろ」スッ

オルソラ「はい、なのでございますよ」グッ

ゴンッ

オルソラ「あう」ドサッ

バードウェイ「………」

バードウェイ「……おーい、この空間、敵のレベル設定とかできないのか?なぁ?」

──────────

36: 2020/06/07(日) 00:14:40 ID:AIzU+MZg0.net
上条「うん、大体わかってた!なんでおっとりお姉さん系聖女オルソラさんがあんな所に呼ばれたんだよ!!」

インデックス「……これもとうまの不幸体質のせいなのかも」

上条「断言してもいい、これについては俺は絶対関係ない。つーかバードウェイのやつも、こうして見ると優しいよな」

インデックス「多分だけど、本人の前で言ったら撃たれそうなんだよ」

パァァァ…

>>38 vs >>39

38: 2020/06/07(日) 00:21:16 ID:G9QVlJV0r.net
初春

39: 2020/06/07(日) 00:24:42 ID:oM43iaCq0.net
さてんさん(釘バット)

40: 2020/06/07(日) 00:25:42 ID:EK3BVCew0.net
初春かわいそう

43: 2020/06/07(日) 00:34:58 ID:AIzU+MZg0.net
初春「ふぇぇ…」テクテク

初春「なんで『ランダムに選ばれた相手と戦い、決着がつくまで出られない空間』に私が呼ばれるんですかぁ……」テクテク

初春「ジャッジメントの仕事もまだ残ってるし、どうしましょう……あれ?」

佐天「……なっ、なんで私、また『ここ』に立ってるの?嵌められてるの?無限ループってヤツ??」ワナワナ

初春「佐天さーん!こんな所で何やってるんですかー?」テクテク

佐天「うっ…?初、春……?…初春ー!!会いたかったよー!!」ギュッ

初春「も、もうなんですか佐天さんったら……」ヨシヨシ

佐天「………今日は水色のストライプか」ピラッ

初春「佐天さんっっ!?///」

佐天「あ、ごめんごめんつい癖で…」

初春「もう、癖になってることが既におかしいんです!!」プンプン

46: 2020/06/07(日) 00:46:35 ID:AIzU+MZg0.net
佐天「で、どうしようか」

初春「どうしましょうねー」

佐天「そりゃあここに釘バットはあるんだけどさー、いくら現実じゃないとはいえ……ねぇ?」

初春「私に至っては手ぶらですし……」

佐天「初春えもんーなんか出してー」バサッバサッ

初春「すごく語呂悪いですね……あとどさくさ紛れに捲るのやめてください」ペシッ

佐天「いいじゃん減るもんじゃないしー……はっ!?」

初春「ど、どうかしたんですか?」

佐天「……この空間は、『戦って、勝敗がつくまでは出られない』」

初春「はい」

佐天「つまり、『戦闘内容そのものは問われていない』!!」

初春「あっ、確かに!!」

佐天「だからさ、もっと安全な方法で戦えばいいんじゃないかな?」

初春「なるほど……例えば?」

佐天「スカート捲り対決」

初春「それは絶っっ対に嫌です」


彼女の訴えも、この虚構の空には響かず、初春飾利の『無間地獄』が始まった。

48: 2020/06/07(日) 00:59:54 ID:AIzU+MZg0.net
──1時間後──

佐天「ほらー、パンツ見えてるよー?」ピラッ

初春「…ぐすん」

佐天「………ご、ごめん。ちょっと、本気出しすぎちゃった」

パァァァ…

二人の体から優しい光が溢れ出る。

佐天「……お、やっと帰れるようになったか」

初春「………ひどいです」ショボン

佐天「………勝利って何だか、虚しいものなんだね」

ブーッ…ブーッ… ピッ

初春「……はい。白井さんですか」

黒子『どうしましたの初春?…何か、ひどく落ち込んでいるようですけど』

初春「その…私、佐天さんに……」

佐天「え、ちょ、ちょっと待って初春──」

ヒュンッ


──その後、現実世界であらぬ誤解を受けた佐天涙子がアンチスキルに連行されてしまうのは、また別のお話。

──────────

49: 2020/06/07(日) 01:05:57.980 ID:AIzU+MZg0.net
上条「……初春さんだっけ?…映像越しに数十回以上パンツ拝見してしまい申し訳ありませんでした」

インデックス「……う、私の完全記憶能力をこれほど申し訳なく思ったのは今回が初めてかも」

上条「しかし佐天さんの衝撃的な趣味を知ってしまったな。もしかしてあの子、『そっち』系なのか?」

あらぬところで誤解を受ける、彼女の疑いが晴れる日はまだ遠い。

パァァァ…

>>50 vs >>51

50: 2020/06/07(日) 01:06:15.895 ID:Lwwk4vUp0.net
オリアナ

51: 2020/06/07(日) 01:10:36.352 ID:dHIVF6Fz0.net
アンナ

53: 2020/06/07(日) 01:31:35 ID:AIzU+MZg0.net
オリアナ「ふぅん…」テクテク

オリアナ「仮想とは思えないほど綺麗な街並みね。刺激的な夜が過ごせそう」

アンナ「……そう?よく見れば節々にノイズもちらつくし、所詮は偶像に過ぎないでしょ」テクテク

オリアナ「あら、あなたとは気が合いそうにないわね」

アンナ「そうね。何でもいいけど、さっさと始めましょ。わらわはホームページの更新で忙しいのよ」

オリアナ「じゃあなんでここ来たのって感じだけど、まぁ何でもいいわね」ビリッ

口で破いた『速記原典(ショートハンド)』の切れ端に、短い英語が浮かんでいく。
黄色の文字で『Fire Symbol』と。

ゴォォオオオ!!

薔薇とエビフライの少女が、突如発生した爆炎に包み込まれる。
しかし、

アンナ「ふぁぁ、眠たくなるわ」

オリアナ「(……あれは、何の能力?)」ビリッ

次に浮かび上がったのは、赤い『Wind Symbol』。

ズズズズ…

地面に毛細血管のような紋様が刻まれ、そこから200を越える刃が出現し、下から上へと昇っていく。

ズシャァッ!!

そして、

アンナ「……時間の無駄ね」ヒュンッ

オリアナ「!!?」

ペシッ

オリアナ「か、は……」ドサッ

手刀を受けた歩く18禁から、全身の力が抜け落ちる。

アンナ「ねむ……、エイワス」

カッ

エイワス『ああ、わかっているとも。君の願いを叶えるのが、私の使命なのだからな』スッ

エイワス『──黒き卵よ。その象徴にて見る者の五感を惑乱し、もって感覚領域における不可視を実行せよ』コンコン

超越生命が目に見えない卵を机の角で叩くような仕草をした直後、二人の姿が誰にも捕捉できない透明なものへと変じていく。

──────────

54: 2020/06/07(日) 01:34:59 ID:AIzU+MZg0.net
上条「オリアナと……誰なんだあれ?エイワスが出てくる辺り只者じゃなさそうだけど」

インデックス「『薔薇』の記号に、『奇跡』や『シークレットチーフ』……まさか、ね」

パァァァ…

>>56 vs >>57

56: 2020/06/07(日) 01:45:42 ID:pnB6UbzXr.net
警策看取

57: 2020/06/07(日) 01:54:33 ID:/7vnTRXJd.net
ウレアパディー

59: 2020/06/07(日) 02:07:52 ID:AIzU+MZg0.net
警策「フーン、これまた現実とソックリな世界だねぇ」テクテク

警策「戦いのためにしか使わないのが勿体ないくらいだよ」テクテク

ウレアパディー「おや、この町の看護師が相手というわけかね」ザッ

警策「イヤイヤ、これはあくまでコスプレの一環なんだけど……ってアレ、出会ったらもう戦わないといけないんだっけ」

ウレアパディー「えぇ、決着をつけないと出られないようだしね」

警策「じゃあさっさと始めますか」スッ

液化人影「」ズズズ…

ウレアパディー「あら、可愛らしい人形ね」

警策「ヘー、良い感性してるう!」

ウレアパディー「ガーンディーヴァ」スッ

踊り子が弓を引き絞る動作を行うと、虚空から青白い閃光の矢が現出する。

ドッ!!

警策「くっ、いきなりか!」ダッ

61: 2020/06/07(日) 02:18:58 ID:AIzU+MZg0.net
『液化人影(リキッドシャドウ)』が放たれた閃光の矢を切断する。

警策「(私はとりあえず待避っと)」ダッ

ウレアパディー「一発では足りないようね」スッ

相手ではなく頭上に構え、

ウレアパディー「ガーンディーヴァ」ドッ!!

警策「真上?……そうか、そうきたか!」ダッ

放たれた閃光は10発以上の矢に分裂して雨のように降り注ぐ。

液化人影が形もなくなる程消滅する。しかし、

ムクムクムク…

液化人影『ヒュー、やるねぇ。原理は知らないけど、強そうな能力!』

ウレアパディー「その『重そうな液体』はやられても問題がないわけかね。面倒な能力ね」スッ

警策「(あの踊り子の能力、火力と範囲は広いけどあくまでそれだけ。なら…液化人影で十分に押せる!)」

63: 2020/06/07(日) 02:31:37 ID:AIzU+MZg0.net
ウレアパディー「…であれば、パーシュパタ」

警策「ッッ!?」メキッ

メキメキメキッ

警策「ごっがぁぁああああああああ!!?」ガクッ

突如として警策に、目の粗いヤスリで奥歯を削るような激痛が走り、全身をくまなく包み込んでいく。

ウレアパディー「パーシュパタは『骨を直接振動させる』術式。人に向けてはいけないという注意もされているものだけどね」

警策「うっ、く…ハァ……ハァ……」グッ

警策「(…今のは…ヤバかった、やっぱ遠隔操作だけじゃ……手数が足りないか…!)」ダッ

ダッダッダッ

ウレアパディー「まだ向かってくるかね。トリシューラ」グッ

ドンッ!!

その手に形成された、三又の槍のような黄金の矢が一直線に放たれる。

液化人影『!!』ズシャッ!! ジュワァァ…

その雷撃によって液化人影が弾け飛び、超高温の凶器となってナース服を襲う。

警策「くっ…!?」ダッ

警策「(コイツ、一体いくつの能力を……!?)」

ウレアパディー「そろそろ頃合いかね」スッ

警策「!?」

64: 2020/06/07(日) 02:43:36 ID:AIzU+MZg0.net
踊り子の手には、黄金で形成された矢のない弓が握られていた。

ウレアパディー「今夜は、星が綺麗ね」

警策「…?何を……」

ウレアパディー「ブラフマーアストラ」グッ

彼女が弦を引き絞ると、そこに幻想の矢が番える。
それを真上に向けて、矢を支える手を離す。

警策「また別の能力……!?だけど、単なる矢なら…!」ダッ

液化人影「」ブンッ

スパーン!! ガラガラガラ…

液化人影が瓦礫を切り裂き、壁を形成する。その間に警策は、複雑な軌道で距離を取り直していく。
しかし、

矢「」スカッ

警策「瓦礫も……液化人影も……すり抜けた!?」

その事実を認識した直後、警策に矢が接触する。

カッ!!

それは着弾と同時に巨大なクレーターを作り上げ、その断面が不自然なほど均一に結晶化していく。
そこに、ナース服の少女の姿はなかった。

──────────

65: 2020/06/07(日) 02:49:46 ID:AIzU+MZg0.net
上条「あのナースみたいな子は何を操ってたんだろう?重たい液体っていうと水銀とかか?」

インデックス「そっち方面の難しいことはよくわからないかも」

上条「…まぁそれはわかる。そんで相手ウレアパディーか、今何してるんだろうな」

インデックス「私達イギリス清教が匿ってるんだから心配することはないんだよ」

上条「……そうだな」

パァァァ…

>>66 vs >>67

66: 2020/06/07(日) 02:50:14 ID:JTg75o5v0.net
御坂妹

67: 2020/06/07(日) 02:58:26 ID:JrSUf40e0.net
トール

69: 2020/06/07(日) 03:10:01 ID:AIzU+MZg0.net
御坂妹「……ここは、再現された仮想のものとは思えないほど綺麗なものですね、とミサカは鑑賞に浸ります」ボーッ

トール「……お、やっと相手を見つけたぜ」ダッ

トール「よおミコっちゃん、元気してたー?」ブンブン

御坂妹「ミサカの検体番号(シリアルナンバー)は10032号です、とミサカは見知らぬ人物に返答します。ペコリ」

トール「ん?……あぁ、詳しくは知らねぇが、なんかクローンがいっぱいいるって話だったか。俺は雷神トール。よろしくな」

御坂妹「挨拶も済んだところで、ここで会ったが百年目、とミサカは初対面の人物に宣戦布告を行います」グッ

トール「喧嘩っ早いのはオリジナルの遺伝か?まぁ俺としても嬉しいんだがよ」ブオーン

トールの指先から、アーク電光を放つ溶断ブレードが展開される。

トール「お互いの良い経験になることを期待してるぜ、シスターちゃん」

70: 2020/06/07(日) 03:24:00 ID:AIzU+MZg0.net
トール「いくぜ!」ブンッ

御坂妹「(あれを受け止めるのは不可能、とミサカは横っ飛びで路地裏に転がり込みます)」バッ

トール「(…見晴らしの悪い所に入ったか、悪くはない判断だな)」ザッ

御坂妹「」ジャキン

ドーン!!

御坂妹は対戦車ライフルを構え、躊躇なくその弾丸を放つ。

トール「っ!?うおっ!!」ブンッ

ズバッ!!

トール「っ……、不意打ちか?だがそんなんじゃこの俺は倒せねぇよ」

御坂妹「………」

ダダダダダダダ…

トール「…クソッ!」ブンッ

迷うことなく乱射されるライフルの弾丸の雨を、どうにか切り抜けて大通りまで出ていく。

御坂妹「…その溶断ブレードは、強力ですが弱点もあります、とミサカは冷静に分析します」ザッ

71: 2020/06/07(日) 03:37:51.615 ID:AIzU+MZg0.net
トール「…ほう?教えてもらおうじゃねぇか」

御坂妹「それは、あなた自身がブレードを振るった反動を指で制御し切れておらず、のけ反ってしまう場合があることです、とミサカは解説します」

トール「……なるほど、よく見てやがるな。そいつは確かに正解だ。俺の体はあくまで並のものに過ぎない分、こいつを長時間振り回すのはちょっと難しい。だが」ブォン

トール「この溶断ブレードを受け止める策がなけりゃそれは成立しない。つまりアンタはその解答を生かせないってわけだ!」ブンッ

御坂妹「いいえ、それを今から見せてあげましょう、とミサカはライフルを路地裏に向けてぶっぱなします」ダダダダダダダ…

トール「あん?なんで明後日の方向に…って、そういうことかよ……!」

グラッ…

ライフルの連射を受けた路地裏の家々が、瓦礫の波となって少年を押し潰していく。

御坂妹「さぁ、この瓦礫の山を断ち切る衝撃を受けて、あなたの指先、あるいは腕の方は耐えられますか?とミサカはドヤ顔で勝利宣言します。どやぁ」

トール「チッ、クソッタレ…!!」ブンッ

ガラガラガラ…ガッシャーン!!

トールがその2本の腕で両断するより早く、瓦礫の山がその少年を包み込んでいく。

72: 2020/06/07(日) 03:49:01 ID:AIzU+MZg0.net
御坂妹「それでは、とミサカは勝利の余韻に浸り颯爽とその場を後にs」クルッ

その視界には、音速を超える勢いで迫る、先ほどの瓦礫の山があった。

御坂妹「な──」ドゴッ!!

ガラガラガラ…ガッシャーン!!

トール「ケホッ…ケホッ……」

御坂妹と入れ替わるように、その魔術師が姿を現す。

トール「……メギンギョルズ」

トール「トールってのは『雷』の他に『怪力』の神でもある。俺が腰に巻いてるベルトは、『聖人』に匹敵する力を発揮できる霊装の一種だ。まぁ、単なる怪力ってだけでこいつを速度に変換するような応用は効かねぇけどな」

トール「つまり、『最初から溶断ブレード以外で瓦礫を対処する方法があった』。お前の作戦負けだ、シスターちゃんよ」

雷神は、意趣返しをするかのように勝利宣言を行った。

──────────

73: 2020/06/07(日) 03:53:14 ID:AIzU+MZg0.net
上条「御坂妹も実戦経験は豊富だろうけど、今回は相手が悪かったって感じだな」

インデックス「トールは元々『全能』の神だから、雷以外にも手数が豊富だしね」

上条「そういえば『全能神』は使ってなかったな……。やっぱあの術式は経験値になりにくいとかあんのかな」

パァァァ…


最後
>>75 vs >>76

75: 2020/06/07(日) 04:03:29.813 ID:GIWERnag0.net
削板軍覇

76: 2020/06/07(日) 04:14:51 ID:3WepPgEx0.net
かみやん

77: 2020/06/07(日) 04:30:11 ID:AIzU+MZg0.net
削板「ここが仮想空間ってやつか。ランダムに出てくる根性無しの性根を叩き直せるなんて、根性のある空間じゃねぇか」テクテク

削板「さて、俺の相手は……お?」キョロキョロ

上条「……まさか俺はここに来るとはな。ずっと眺めてるだけだったから完全に油断してた」テクテク

削板「…よぉカミジョー。ちょいと根性比べしようぜ」スタッ

上条「おま、削板…!?」

削板「いやーまさかお前ほどの奴でも根性無し扱いされるとは、ここは相当な場所らしいな」

上条「うーん……うん?仮にそういうことだとすると、お前も根性無し扱いされてるってことじゃあ……」

削板「ハッ!?……何ということだ。この俺が生涯をかけて鍛え上げたこの根性が、まだ足りないというのか……!!」ゴゴゴゴ…

上条「なんかお前の後ろから赤青黄色のカラフルな煙がモクモク出てるけど大丈夫か」

削板「よぉし、そういうことなら仕方ねぇ。この世界を作った奴に、俺達の熱く滾る根性を見せてやろうぜ!」

上条「まぁ戦うしかねぇのは事実だしな……よし来い!」グッ

78: 2020/06/07(日) 04:44:38 ID:AIzU+MZg0.net
削板「すごいパーンチ」ゴッ!!

上条「でもってその適当な技は結局なんなんdうおぁっ!?」パキーン!!

削板「……へっ」

削板「…相変わらず面白ぇ右手だな、それ」

上条「(……消せる。『根性』だかなんだか知らんが、少なくともアレは単純な身体能力じゃなくて、異能の力ではある。なら…!)」

削板「次いくぞ、カミジョー!!」ブンッ

ドンッ!! ゴゴゴゴ…

削板の拳が地面を叩き割り、粉塵と共に謎の衝撃波が駆け巡る。

上条「くっ…!?」パキーン!!

衝撃波については無効化されていく。しかし、

モクモクモク…

上条「ゴホッ…くそ、粉塵の方はどうしようもねぇ…!」

削板「すごいパーンチ」ゴッ!!

上条「ぐっ…がぁぁぁああ!?」ヒューン…ガッシャーン!!

右手を合わせられなかった上条に謎の波動が直撃し、回転しながらノーバウンドでふっ飛び瓦礫に突っ込んでいく。

79: 2020/06/07(日) 04:58:30 ID:AIzU+MZg0.net
上条「ゲホッ…ゲホッ、とにかく…拳が届く位置まで近づかねぇと…!」ダッ

削板「…まだ向かってくるか。やっぱそこいらの根性無しとは違うみてぇだな!」ゴッ!!

上条「おおおおっ!」パキーン!!

ダッダッダッ

削板「すごいっ…パァンチッ!!」ゴッ!!

上条「おらっ!」パキーン!!

少しずつ、しかし確実に、削板との距離を詰めていく上条。

削板「(こいつ……自覚してるかはさておき、俺の拳や、目線、体の動きを見切って動いてねぇか…?)」

上条「」ダッダッダッ

削板「……これは、俺ももうちょっと根性出さねぇと失礼だな」グッ

上条「(…っ、なんだ?あいつの眼が無駄に光って……)」

削板「超すごい…パァンチッ!!」ギュンッッ!!

上条「!?…うおぉぉぉぉぁぁあああっ!!」パキーン!!

バチバチバチチチチチチチチ…

上条「(打ち消し自体は効いてるっ……けど、打ち消し切れない……!?)」メキメキメキッ

81: 2020/06/07(日) 05:16:58 ID:AIzU+MZg0.net
上条「(でも……打ち消し切れないなら……!)」グンッ

削板「……!?」

右手をすくい上げるようにして、緩やかなカーブを描くように不可視の波動を大きく上にねじ曲げていく。

ドォォォォン………

削板「…………」

上条「…ハァ……ハァ……」グッ

ダッ

削板「……『超すごいパンチ』を真正面から受け止めて」

ダッダッダッ

削板「仮想とはいえ他所の街並みを一切傷つけることなく防ぎ切り」

ダッダッダッ

削板「余波でボロボロになっておきながら握り拳構えて、真っ直ぐ向かって来る……か」

削板「そいつはとんでもねぇ根性を持ってなくちゃできねぇ行動だな。……下手すりゃ俺よりも大それた根性を持っているかもしれねぇ」

ダッダッダッ

削板「だが、だからこそ!俺の全てを…ぶつけたくなったぁ!!」ゴッ!!

削板の背中から、赤青黄色のカラフルな煙が噴出する。
そして勢いよく地面を蹴飛ばすと、周囲に同色の爆発を巻き起こしながらツンツン頭へと突っ込んでいく。
音速を超える速度で。一直線に。

82: 2020/06/07(日) 05:30:58 ID:AIzU+MZg0.net
──────────

上条「(結局の所、俺には拳を握って走って殴ることしかできない)」

上条「(だけど、俺にはあいつと直接殴り合うだけの体力なんか残っちゃいねぇ)」

上条「(だから、やるなら一発。この右手で根性のバリアを破りつつ、クロスカウンターを決めるしかない)」

上条「(勝負は……一瞬!)」

──────────

削板「だが、だからこそ!俺の全てを…ぶつけたくなったぁ!!」ゴッ!!

ギュンッ!!

音よりも早く動く彼に、そのまま拳を重ねてもまず当たらない。
もう体力がないことも含め、向こうから真っ直ぐに向かってきてくれたことは戦略的に見ればかなり美味しいと言える。
その軌道に合わせて身を屈め、アッパーカットのように拳を振り抜けば勝てる算段が高いのだから。
でも。
だけど。

上条「(もしもあいつが、そんな打算的な考えなんか持ってなくて)」

上条「(文字通り真っ直ぐに、俺と向き合ってくれているのなら)」

上条「……証明してやらねぇとな」グッ

削板「うぉぉぉおおおおおおおお!!」ギュン!!

音速で突進する削板に対して、ツンツン頭が取った行動は至ってシンプル。

上条「その根性(げんそう)は、決して壊れはしないってことをなッ!!」ブンッ

削板の拳とすれ違うように、右の拳を真っ直ぐに振り抜いて。
二人の拳は、お互いの顔面へと直撃した。

84: 2020/06/07(日) 05:41:47 ID:AIzU+MZg0.net
──────────

上条「う……」ヨロ…

削板「よう。目が覚めたか」

上条「削、板……」

削板「おう」

上条「そう、か。じゃあ、俺は……負けたのか」

削板「………いいや」

上条「え?」

削板「実を言うと、俺もついさっき起きたところなんだ」

上条「……え、そう…だったのか」

削板「…それに、この空間って『勝敗がついたら』元の世界に戻されるんだろ?」

上条「ああ、確かな……あ、」

削板「そう。『まだ戻されてない』ってことは、勝敗がついてねぇってことで」

パァァァ…

その時、二人の体を光の粒子が包み込む。

削板「とか言ってたら、もう帰る時間になったみてぇだな」

上条「ん、じゃあ勝敗は…」

削板「引き分け、でいいんじゃねぇか?」

上条「…そっか」

削板「しかし……すげー根性だったな、お前。だが、今度の根性比べでは…勝たせてもらうぜ」

上条「……へっ、だったら…俺は更にその上を行く」ニヤッ

削板「そうかい」ニヤッ

二人の男は拳を交え、言葉を交わし、それぞれの帰路へと旅立っていく。

──────────

85: 2020/06/07(日) 05:55:20 ID:AIzU+MZg0.net
──『新天地』──

ヌァダ「……中々の暑苦しさだったな」

娘々「だね。……まぁ、わたしはああいうのも嫌いじゃないけどさ」

ネフテュス「」スタッ

娘々「おっ、お帰りネフテュス。『向こう』はどうだった?」

ネフテュス「仮想空間とか言う擬似的な『位相』を再現して遊んでるみたいね」

キメラ『ぎぃんぎぃんぐわんぐわんギィンごぃんごいぃんギィンギィンごぃんぐわんギィン!!』

ネフテュス「確かに、そんな感じかしらね。あとはランダムに選ばれるってところが売りみたいよ」

ヌァダ「ランダムという点は良い。対戦相手という運も大きく勝敗を左右するしな」

娘々「その辺は知ってるよ。こっちはこっちで見てたからね。古い装置が『理想送り』で飛んできたから」

ネフテュス「あら、じゃあこれはいらなかったかしら」ポイッ

装置(ver.1.2)「」ストン

娘々「やったぜ!こいつを待ってた!」

キメラ『ぎぃんぎいぃんぐわんギィンごぃんギィンギィンごいぃんギィン!!』

娘々「そそ。その仮想空間をこっちで生み出したらさ、『ここで僧正とかとも遊べる』ってことにならね?」

ネフテュス「そういう考えだったのね」

ヌァダ「まぁ、まともに人語を話せる『魔神』がいるに越したことはないしな」

娘々「それじゃ今回はこの辺でお開きということで」

ネフテュス「……とは言いつつ、早く装置で遊びたいだけでしょ?」

娘々「バレてたかー。じゃあポチっとな」

パァァァ…

新天地に新たな光が灯る。そして、

僧正「うほほーい☆待ったー?」スタッ

娘々「はえーよジジィ」

キメラ『ぎぃんぎいぃんぐわんぐわんギィンごぃんギィンごいぃんギィンギィン!!』


──そこは、かつての『隠世』のように、神々の集う『新天地』であった。



86: 2020/06/07(日) 05:59:59 ID:tDQbuQtx0.net
おつ
このssほんとすき

引用元: インデックス「あ、とある禁書キャラが戦うスッドレなんだよ!」